自動フェイルオーバーのシナリオ

IBM FlashSystem® A9000 および IBM FlashSystem A9000R HyperSwap® ソリューションは、中断を伴わないホスト・データ・アクセスを維持する設計になっています。

HyperSwap 意思決定処理により、中断を伴わないデータ・アクセスが保証される一方で、不要なフェイルオーバーは回避されます。

これを実現するために、HyperSwap ロジックでは、次の 2 点について検討します。

  • システムおよび Quorum Witness の障害の識別
  • HyperSwap ボリュームへの 1 次および 2 次の役割の割り当て

Quorum Witness により、ピア・システムは、HyperSwap ボリューム・ペアの各ボリュームの役割に関して誤った判断も矛盾する判断も下しません。例えば、それらの接続が中断した場合、2 次ボリュームを所有するシステムは、そのピア・システムで障害が発生したと見なし、1 次ボリュームの所有者になるように自動フェイルオーバーの開始を試みる可能性があります。1 次ボリュームを所有するシステムがまだ入出力を処理しているときにこの試みが成功した場合、両方のシステムは、それぞれが 1 次ボリュームであることを主張します。Quorum Witness は、そのようなスプリット・ブレーン・シナリオから保護します。1 次ボリュームを所有するシステムがまだ Quorum Witness と通信している場合、ピア・システムはそのことを認識しています。ピア・システムは、フェイルオーバーを試みのではなく、その固有のポート・グループを「使用不可」にします。複製は停止し、接続問題が解決された後にのみ、再開します。