上げ床または非上げ床フロアに関する考慮事項

IBM FlashSystem® A9000R ストレージ・システムは、上げ床にも非上げ床フロアにも設置できます。

上げ床に関する考慮事項

上げ床にラックを取り付けると、以下のような利点があります。
  • 操作効率が向上し、装置の配置における柔軟性が増す。
  • 空気循環が促進され、より良い冷却効果を得ることができる。
  • 相互接続ケーブルおよび電源コンセントが保護される。
  • ケーブルが上げ床の下を通るため、人がつまずく危険性を防止できる。
上げ床に取り付ける場合は、以下の要素を考慮します。
  • 上げ床は、耐火性または不燃性の資材で構成される必要があります。
  • 金属製の上げ床構造を使用する場合は、接地電位にある金属や導電性の高い材料が、人の歩く面に露出しないようにしてください。このような露出は、電気に関する安全上の問題と見なされます。
  • 上げ床は、高さ 30.5 cm (12 インチ) 以上にする必要があります。 相互接続ケーブル、ファイバー・チャネル (FC) ケーブル配線管、電源分配、およびフロアの下にある配管を収容するための適切なスペースが必要です。上げ床は高さが高いほど機器の冷却効率がよくなります。
  • ケーブルを通したり、空気を供給したりするために上げ床タイルに開口部を設ける場合、上記要件に従ってパネル構造の完全性を保つために、特別な床タイルのサポート (脚柱) が必要になることがあります。
  • 設置場所内での機器の移動または再配置の際は、床タイル、カーペット、パネルなどへの損傷を防止するため、保護カバー (合板、硬質繊維板、または強化ベニヤ板など) を使用する必要があります。機器を移動する場合、キャスターへの動的負荷は、機器が定常の場合よりも大きくなります。
  • コンクリート下地床は、ほこりが立たないような処理が必要です。
  • 不燃性の保護鋳型を使用して、すべてのフロア・カットアウトの鋭利な端を除去して、ケーブルおよびホースへの損傷を回避し、キャスターがフロア・カットアウトに転がっていかないようにします。
  • 上げ床のケーブル用の開口部をシーリングして、冷気が漏れないようにします。
  • 脚柱は、接着剤を使用して、構造の (コンクリート) フロアにしっかりと接続する必要があります。
詳しくは、上げ床フロアにおける設置およびケーブル接続の準備を参照してください。

非上げ床フロアに関する考慮事項

FlashSystem A9000R システムのケーブルをより接続しやすくするために、また十分な冷却を確保するために、上げ床が推奨されます。しかし FlashSystem A9000R システムを非上げ床フロアに設置する場合、ラック背面でのオーバーヘッド・ケーブル接続を使用できます。

上げ床のケーブル接続とは異なり、オーバーヘッド・ケーブル接続を使用して正しく設置するためには、設置計画、ケーブル長、およびラック上部のケーブル開口部に関係したラックの位置が重要です。

詳しくは、非上げ床フロアでの設置およびケーブル接続の準備を参照してください。