Redirect-on-Write (ROW)
ストレージ・システムは Redirect-on-Write (ROW) メカニズムを使用します。
以下の項目は、1 次ボリュームに書き込み要求が送信されるときに ROW を使用する場合の特性です。
- 元々1 次ボリュームに関連付けられているデータは、そのまま残ります。
- 新規データはディスク上の別の場所に書き込まれます。
- 書き込み要求が完了し、確認応答が発行されたら、元のデータはスナップショットに関連付けられ、新しく作成されたデータは 1 次ボリュームに関連付けられます。
従来のコピー・オン・ライト (COW) 方式とは対照的に、Redirect-on-Write ではスナップショットを取得する処理に伴う実際のデータ・アクティビティーが大幅に削減されます。さらに、書き込み要求の対象となるデータのサイズがシステムのスロット・サイズと等しい場合、データのコピーは一切不要になります。 書き込み要求のデータ・サイズがシステムのスロット・サイズより小さい場合でも、コピー処理は、標準的なコピー・オン・ライト・アプローチの場合よりはるかに少なくなります。
以下の Redirect-on-Write プロセスの例では、ボリュームとそのデータ、およびこのデータへのポインターが表示されます。
図 1. Redirect-on-Write プロセス: ボリュームのデータおよびポインター 
スナップショットを取得するときは、最初に新しいヘッダーが書き込まれます。図 2. Redirect-on-Write プロセス: スナップショットの取得時に、ヘッダーが最初に書き込まれる 
新規データはディスク上の別の任意の場所に書き込まれ、既存のデータのコピーは不要です。
図 3. Redirect-on-Write プロセス: 新規データが書き込まれる 
スナップショットは古いデータを指すのに対して、ボリュームは新規データを指します (データが入出力によって更新され続けている間、データは新規と見なされます)。
図 4. Redirect-on-Write プロセス: スナップショットは古いデータを指すのに対し、ボリュームは新規データを指す 




スナップショット・メカニズムの最初に設定されるメタデータは、コピー対象のボリュームのサイズから独立しています。
このアプローチを使用して、ユーザーは以下のような重要目標を達成できます。
- 継続的なバックアップ
- スナップショットを取得する間、継続的なデータ保護 (CDP) と同様の頻度でボリュームのバックアップ・コピーが作成されます。 ボリューム・レベルとファイル・レベルの両方で論理データが破損した場合、実際に、どの特定時点へも簡単にボリュームを即時リストアできます。
- 生産性
- スナップショット・メカニズムにより、データ・マイニング、テスト、および外部バックアップのためのボリュームの短期または長期コピーを瞬時かつ簡単に作成できる手段が得られます。