ミラーリングされたボリュームの役割の変更

mirror_change_role コマンドは、ローカル・ミラーリング・ピアの役割をマスターからスレーブに、またはスレーブからマスターに変更するために使用します。

mirror_change_role <vol=VolName | cg=cgName>
[ target=TargetName ] [ new_role=<Master|Slave|None> ]

パラメーター

名前 タイプ 説明 必須かどうか デフォルト
vol オブジェクト名 ローカル・ボリューム名。

コマンドがボリュームに適用される場合は、指定する必要があります。

いいえ 該当なし
cg オブジェクト名 整合性グループ名。

コマンドが整合性グループに適用される場合は、指定する必要があります。

いいえ 該当なし
target オブジェクト名 ターゲット・ミラー名。ボリューム上に 2 つのミラーが定義されている場合は必須です。 いいえ [なし]
new_role 列挙型 ピアの役割名。

指定しなかった場合、コマンドはマスターとスレーブの間でピアの役割を交換します。

いいえ なし

このコマンドは、カップリングが操作不可の場合に、ローカル・ピアの役割をマスターからスレーブに、またはスレーブからマスターに変更します。このコマンドは、カップリングの両方のピア上でカップリングが再び操作可能になる前に発行されることが想定されています。これにより、再接続時にも、引き続き 1 つのマスターと 1 つのスレーブが存在することになります。

コマンドの正常な完了のための要件:

  • このコマンドを状況が初期化中 のピアで発行しないでください。
  • このコマンドを変更の追跡中 状態で発行しないでください。
  • ミラーリングされた整合性グループに属するボリュームでこのコマンドを発行しないでください。そのようなボリュームに対して発行されると、このコマンドはエラーを返して失敗します。

同期ミラーリングでの役割の変更

マスターに適用される場合、マスターはスレーブになり、ホスト要求に対するサービス提供を停止し、スレーブとして他のピアからの複製を受け入れるように設定されます。

スレーブに適用される場合、スレーブはマスターになり、ホストからの要求の受け入れを開始し、明示的なアクティブ化と同時に他方のピア (元のマスター) への複製を開始します。

再同期プロセスの途中で同期ミラーリングが中断された場合、スレーブ・ボリュームが不整合になる可能性が高くなります。スレーブ・ボリュームの最後の整合したイメージは、再同期の開始直前に自動的に作成される last_consistent スナップショット (LCS) に保存されます。LCS が存在している場合、このコマンドは、警告「ミラー/HyperSwap のローカル・ピアを 1 次にしますか? ローカル・ピアには last-consistent スナップショットがあります。」を発行します。その場合、管理者は不整合の可能性がある以前のスレーブ・ボリュームの既存の内容を使用するか、以前のスレーブ・ボリュームをその last_consistent スナップショットに戻すかを選択してから、mirror_change_role コマンドを発行する必要があります。

非同期ミラーリングでの役割の変更

マスターに対して正常に適用された場合、マスターは、ミラーの last_replicated スナップショットに記録されたイメージに戻され、ホスト要求の受け入れを停止します。

スレーブに対して適用された場合:

  • 警告が表示されます。
  • イベントが生成されます。
  • 新規マスターは前のマスターからの複製要求の受け入れを停止し、last_replicated スナップショットに戻ります。
  • 新規マスターは、ホスト要求の受け入れを開始します。
  • プロセスの完了がログに記録されます。
  • ミラーリングの明示的なアクティブ化が必要です。

アクセス制御

ユーザー・カテゴリー 許可
ストレージ管理者 許可
ストレージ統合管理者 許可
アプリケーション管理者 許可
セキュリティー管理者 不許可
読み取り専用ユーザー 不許可
技術員 不許可

警告

  • SOME_DATA_WILL_BE_LOST_ARE_YOU_SURE

    ミラー/HyperSwap のローカル・ピアを 2 次にして、複製されていないデータを失ってもかまわないですか?

  • ARE_YOU_SURE_YOU_WANT_TO_CHANGE_A_PEER_WITH_LCS_TO_MASTER

    ミラー/HyperSwap のローカル・ピアを 1 次にしますか? ローカル・ピアには last-consistent スナップショットがあります。

戻りコード

  • VOLUME_BAD_NAME

    ボリューム名が存在しません。

  • VOLUME_NO_MIRROR

    ローカル・ボリュームにリモート・ミラーリング定義がありません。

  • CONS_GROUP_BAD_NAME

    整合性グループ名が存在しません。

  • CONS_GROUP_NO_MIRROR

    ローカル整合性グループにリモート・ミラーリング定義がありません。

  • MIRROR_IS_INITIAL

    初期化フェーズでは許可されない操作です。

  • MIRROR_IS_ACTIVE

    リモート・ミラーリングが現在アクティブです。

  • VOLUME_HAS_DATA_MIGRATION

    このボリュームに対してデータ・マイグレーションが定義されています。

  • VOLUME_BELONGS_TO_MIRRORED_CONS_GROUP

    ボリューム・ミラーは、整合性グループ・ミラーの一部です。

  • MIRROR_RETRY_OPERATION

    このミラー上で操作が進行中です。

    トラブルシューティング: 数秒後にコマンドを再試行してください。

  • MIRROR_HAS_NO_SYNCHED_SNAPSHOT

    ミラーは同期化されたスナップショットを持っていません。

  • MASTER_CANNOT_BE_DEMOTED

    1 次ボリュームを 2 次に降格できません。ピア状況が一致しません。

  • VOLUME_HAS_MULTIPLE_MIRRORS

    ボリュームには複数のミラーがあります。その操作が許可されていないか、またはターゲットを指定する必要があります。

  • TARGET_BAD_NAME

    ターゲット名が存在しません。

  • VOLUME_TARGET_MISMATCH

    ボリュームとターゲットが一致しません。

  • CONS_GROUP_BAD_TARGET

    ターゲット名が整合性グループに一致しません。

  • MIRROR_IS_STANDBY

    ミラーはスタンバイとしてマークが付けられています。

  • COMMAND_NOT_SUPPORTED_FOR_OLVM_VOLUMES

    このコマンドは、IBM Hyper-Scale Mobility ボリュームではサポートされません。

  • DATA_REDUCTION_TIER_IS_OFFLINE

    データ削減済みの Tier がオフラインであり、操作は許可されません。

    トラブルシューティング: IBM サポートに連絡してください。

  • SYSTEM_OUT_OF_PHYSICAL_SPACE

    システムが物理スペースを使い尽くした状態にある間、操作は許可されません。