ストレージ・プール

ストレージ・システムの割り振り可能な容量をストレージ・プール に分割できます。各ボリュームは特定のストレージ・プールに所属します。

ストレージ・プールの概念は、純粋に管理です。ストレージ・システム内のハードウェア・リソースは全体的な意味では仮想化されていますが、システム内の使用可能容量を管理上、別々の独立したストレージ・プールに分割できます。本質的に、ストレージ・プールは仮想的に機能して、同様にプロビジョンされた論理ボリューム、整合性グループ、およびスナップショットの関連グループを効果的に管理します。

ストレージ・システムで全体的な重複排除が行われるため (フラッシュ向けに最適化されたデータ削減を参照)、ストレージ・プールに割り当てられる容量は仮想容量であり、システムの物理容量またはハード容量では完全には計算されません。プールは依然として特定のサイズに構成されますが、実際に使用される容量は、ホスト・システムから書き込まれるデータに基づいて実現する重複排除と圧縮による節約によって変わります。

ストレージ・プールの最小サイズは、割り振り限度の 103 GB です。データ節約率によっては、実際の容量はさらに小さくなります。ストレージ・プールのサイズは常にサイズ変更 (拡張または縮小) できます。プールのサイズを縮小する場合、唯一の制限は、新規プールのサイズをプールで構成されているボリュームの合計サイズ未満、または割り振られたプールに書き込まれるデータの量よりも少なくすることができないことです。

論理エンティティーとしてのストレージ・プール

ストレージ・プールは論理エンティティーであり、特定のフラッシュ・エンクロージャーまたはグリッド・コントローラーに関連付けられません。ストレージ・プールはすべて、システム内のすべてのフラッシュ・エンクロージャーおよびグリッド・コントローラーに均一に分散されます。

そのため、ストレージ・プールのサイズ制限、またはボリュームとストレージ・プール間の関連に対する制限はありません。 例えば、次のようになります。
  • ストレージ・プールのサイズは減らすことができます。これは、そのストレージ・プール内のボリュームとスナップショットによって消費されたスペースによってのみ制限されます。
  • ターゲット・ストレージ・プールに十分なフリー・スペースがある限り、ストレージ・プール間でボリュームを無制限に移動できます。

上記のトランザクションはすべてアカウンティング上のトランザクションであり、ディスク・ドライブから別のディスク・ドライブへのデータ・コピーを強制的に行うわけではありません。 これらのトランザクションは即時に完了します。

ストレージ・プール間でのボリュームの移動

整合性グループ内にないボリューム (整合性グループを参照) は、無制限でストレージ・プール間で移動できます (新規プールに十分なスペースがあることが前提です)。整合性グループの一部である複数のボリュームをグループとして一緒に移動できます。

特定のストレージ・プールにボリュームを移動するには、その移動先ストレージ・プールにボリュームを含める十分なスペースが必要です。 ストレージ・プールの大きさが十分でない場合、ストレージ・プールのサイズを変更するか、他のボリュームを別の場所に移動して新規ボリューム用のスペースを設ける必要があります。

ボリュームとそのすべてのスナップショットは常に同じストレージ・プールに所属します。 ストレージ・プール間でボリュームを移動すると、そのボリュームのスナップショットもすべて一緒に、自動的に移動されます。

ストレージ・プール・レベルでのスナップショットの保護

プール内のいずれかのボリュームがスナップショットによって複製される場合、プール定義時にスナップショット・スペースを予約しておく必要があります。これは、ストレージ・プール内の使用可能容量の一部として含まれます。後でプールをサイズ変更して、必要に応じてスナップショット・スペースを追加したり、削除したりすることができます。

ミラーリング・プロセスに関与しているスナップショットは、プール・スペースの枯渇の発生時に保護することができます。

これは、スナップショット (またはスナップショット・グループ) とストレージ・プールの両方に削除優先順位の属性を指定することによって行います。 スナップショットには 0 から 4 の削除優先順位の属性を指定し、ストレージ・プールは、優先順位が特定の値より上のスナップショットを無視するように構成します。

構成した値より削除優先順位の低い (番号の高い) スナップショットは、プール・スペースの枯渇メカニズムがその発生を示唆するとシステムによって削除される可能性があり、これにより、優先順位が構成した値以上のスナップショットは保護されます。