既知の問題

このセクションでは、IBM FlashSystem® A9000R バージョン 12.2.1.a-1 での既知の問題について、考えられる解決方法および回避策 (可能な場合) と共に詳しく説明します。

既知の問題には、以下の重大度レベルが適用されます。
  • HIPER – High Impact Pervasive (重大かつ広範囲の影響)。IBM® が速やかに修正したか、速やかな修正を計画している重大な問題。お客様への注意喚起やコードのアップグレードが即時に必要です。
  • 高影響 – まれに、もしくは特定の状態/構成のときに、データまたはデータへのアクセスに影響する可能性がある、潜在的なリカバリー不能エラー。
  • 中度 – 限定的な機能性の問題、または顕著な影響のあるパフォーマンスの問題 (あるいはその両方)。
  • サービス – 回避策により解決可能な、中断を伴わないリカバリー可能エラー。
  • – 影響度の低いユーザビリティーに関する問題。
チケット ID 重大度 影響を受けるバージョン 説明
SYS-305091 高影響 12.0.0 以降 まれなケースで、io_pause コマンドを使用すると、ストレージ・システムへのアクセスが失われることがあります。
注: バージョン 12.2.1 以降では、この問題の修正を使用できるようになるまで、この CLI コマンドは使用不可になっています。

回避策: 回避策は現在ありません。

SYS-305121 高影響 12.1.0 以降 IBM Hyper-Scale Mobility を使用するときに、ボリューム・マイグレーションがプロキシー状態であると、宛先システムへのリンク切れが原因で、ホストが 1 つ以上のプロキシー状態のインターフェース・モジュールへのアクセスを失うことがあります。

回避策: 回避策は現在ありません。

SYS-305998 高影響 12.1.0 以降 ストレージ・システムが物理スペース不足状態になり、SYSTEM_OUT_OF_PHYSICAL_SPACE イベントがログに記録された後、物理スペースを解放すると、ストレージ・システムは通常の動作に戻ることができます。ただし、まれなケースで、使用できるフリー・スペースがあっても、ストレージ・システムが再び同じ状態になる可能性があります。

回避策: IBM サポートにお問い合わせください。

SYS-305999 高影響 12.0.0 以降 暗号化されたストレージ・システムの電源がオンになったときに、暗号鍵管理メカニズムの問題が原因で、ストレージ・システムが保守状態になることがあります。

回避策: IBM サポートにお問い合わせください。

SYS-282831 12.0.2 以降 バージョン 12.0.2 で導入されたパフォーマンスの向上は、バージョン 12.0.2 へのアップグレードの前にシステムに書き込まれたデータに適用できません。

回避策: バージョン 12.0.2 へのアップグレードの前にシステムに書き込まれたデータでパフォーマンスの問題が起こる場合は、IBM サポートに連絡してください。

SYS-285786 12.1.0 以降 マイグレーション済みボリューム (IBM Hyper-Scale Mobility を使用) または HyperSwap® ボリュームをクラスターからマップ解除する場合、ホストの入出力応答の遅延 (20 ミリ秒から 170 ミリ秒程度) が発生することがあります。

回避策: 回避策は現在ありません。

SYS-304840 12.1.0 以降 XIV® Gen3 システムと FlashSystem A9000 または A9000R のシステムの間での IBM Hyper-Scale Mobility (ボリューム・マイグレーション) の使用は、FlashSystem A9000 または A9000R のホット・アップグレード中はサポートされていません。

回避策: 回避策は現在ありません。

SYS-304905 12.2.0 以降 システムのワイプアウト操作を実行した後で、(システムの移動などを目的として) システムのデータ暗号化を無効にすると、暗号化の無効化が完了する前に、システムが数回の緊急シャットダウンを実行します。

回避策: システムを手動で再始動して、復号プロセスが完了するまで待ちます。

SYS-305450 12.0.0 以降 予約名接頭部が指定されて手動で作成されたスナップショットが原因で、その他のスナップショットを自動的に作成できなくなります。

回避策: 予約名接頭部が指定されたスナップショットを削除し、そのようなスナップショットを手動で作成しないでください。

SYS-279815 修理 12.0.0 以降 フラッシュ・エンクロージャーの内部冗長状態が「同期中」または「低下 (Degraded)」であるときに、そのエンクロージャーから MicroLatency® モジュール・カードが取り出された場合、管理 GUI はカードにスペアがない場合でも、スペアがあることを示します。

回避策: flash_card_list CLI コマンドを使用して、正しいスペアの状態を表示してください。

SYS-280653 修理 12.0.0 以降 ストレージ・プールがスナップショットから削除されているとき、一部の CLI コマンドがハングする場合があります。

回避策: そのような場合は、コマンドが実行されるまで待ってください。

SYS-282223 修理 12.0.0 以降 ホスト当たりの LUN 数が 255 を超えた場合、ファイバー・チャネル (FC) 上でのデータ・マイグレーションが機能しません。

回避策: この問題を解決するには、使用する LUN の数をホスト当たり 255 以下にします。

SYS-284723 修理 12.0.0 以降 障害が発生したフラッシュ・キャニスターが入っているフラッシュ・エンクロージャーの暗号化を有効にすると、フラッシュ・エンクロージャーの暗号化が部分的なものになったり、あるいは完全な暗号化障害になったりする可能性があります。

回避策: この問題を回避するには、暗号化を有効にする前に、障害が発生したキャニスターが含まれているフラッシュ・エンクロージャーないことを確認してください。それ以外の場合は、IBM サポートにお問い合わせください。

SYS-284298 修理 12.0.0 以降 LDAP 認証をセットアップする際に、ストレージ・システム・パスワードを入力する必要がありますが、この要件は強制ではありません。このパスワードが提供されない場合、LDAP 認証が失敗する可能性があります。

回避策 : この問題を避けるには、ストレージ・システムにアクセスできるようにするために、必ず、ストレージ・システムのパスワードを指定してください。

SYS-284512 修理 12.1.0 以降 Quorum Witness を非アクティブにしようとすると、Quorum Witness が応答しなくなり、タイムアウトにならずに「非アクティブ化中」状態のままになります (下記の SYS-285120 も参照)。

回避策: この問題を解決するには、IBM Hyper-Scale Manager で以下を行います。

  1. 現行の Quorum Witness 構成を削除します。

    このアクションにより、接続されたシステムから Quorum Witness が解除されます。

  2. 新しい Quorum Witness を定義し、正しいポートが使用されるようにします。
  3. 新しく定義された Quorum Witness をアクティブにします。
  4. 削除した Quorum Witness を以前に使用していたシステムを、新しく定義した Quorum Witness に接続します。
SYS-285120 修理 12.1.0 以降 システムを Quorum Witness に接続すると、Quorum Witness が応答しなくなり、 タイムアウトにならずに「非アクティブ化中」状態のままになることがあります。

回避策: この問題を解決するには、IBM Hyper-Scale Manager で以下を行います。

  1. Quorum Witness を非アクティブにします。Quorum Witness の状態が「非アクティブ化中」に変わり、タイムアウトにならずに「非アクティブ化中 」のままになることに注意してください (上記の SYS-284512 も参照)。
  2. 現行の Quorum Witness 構成を削除します。

    このアクションにより、Quorum Witness がシステムから解除されます。

  3. 新しい Quorum Witness を定義し、正しいポートが使用されるようにします。
  4. 新しく定義された Quorum Witness をアクティブにします。
  5. 削除した Quorum Witness を以前に使用していたシステムを、新しく定義した Quorum Witness に接続します。
SYS-286013 修理 12.0.0 以降 IBM サポートの技術者が保守のためにフラッシュ・エンクロージャーからキャニスターを取り外すと、POD_IB_LINK_DETECTION_LINK_PERSISTENTLY_DISCONNECTED の複数のイベントが不必要に発行されることがあります。 これらのイベントは無視しても問題ありません。
SYS-286449 修理 12.0.0 以降 CLI コマンド reservation_key_list がシステム全体に適用される場合、コマンド出力には、キーの実際の数がもっと多い場合でも、最大 512 のキーが表示されます。 しかし、コマンドがボリュームに適用される場合、reservation_key_list によりキー・リスト全体が出力されます。

回避策: ボリュームごとにコマンド reservation_key_list を適用します。

SYS-287068 修理 12.1.0 以降 まれに、ha_create コマンドが失敗することがあります。

回避策: 操作を再試行します。

SYS-287305 修理 12.1.0 以降 HyperSwap 関係に 200 個を超えるボリュームがある場合にフェイルオーバーが行われると、いくつかの HA_AUTOMATIC_FAILOVER_SUCCESFUL イベントが失われることがあります。 これが、実際のフェイルオーバーに影響することはありません。

回避策: 回避策は現在ありません。

SYS-287279 修理 12.1.0 以降 ターゲット・ポートを除去し、3 秒以内に追加して戻した場合、HyperSwap ボリュームの高可用性状態は不十分であるため、TARGET_CONNECTIVITY_HA_INSUFFICIENT イベントが発行されます。

回避策: 回避策は現在ありません。

SYS-305581 修理 12.0.0 以降 特定の InfiniBand スイッチの管理 IP アドレスを表示するために追加の switch 引数を使用した場合に、switch_mgmt_ip_list CLI コマンドが機能しません。

回避策: switch 引数を指定せずに switch_mgmt_ip_list コマンドを使用してください。こうすると、すべての InfiniBand スイッチの管理 IP アドレスが表示されます。

SYS-305312 修理 12.1.0 以降 HyperSwap を使用している場合に、システムがリブートされてピア・システムから切断された後は、すべてのボリュームおよび整合性グループについて、システム・イベント HA_MASTER_UNAVAILABLE および HA_MASTER_AVAILABLE がログに記録されません。そのため、切断が継続している限り、ha_list コマンドの使用時に誤った値が表示されます。

回避策: ピア・システムへの高可用性接続が再確立されるまで待ちます。その後、正しい情報が表示されます。

SYS-305433 修理 12.1.0 以降 IBM Hyper-Scale Mobility の使用時に、現在プロキシー状態になっているマイグレーション・プロセスを (olvm_abort を使用して) 打ち切ると、リモート・ボリュームがロックされた読み取り専用状態のままになります。

回避策: vol_unlock コマンドを使用して、ボリューム状態をアンロックします。

SYS-305827 修理 12.0.0 以降 まれなケースで、fc_port_list CLI コマンド出力 (Port State フィールド) で、FC ファブリックに接続されていない FC ポートの状況がオフラインではなくオンラインとして表示されることがあります。

回避策: FC ポートの状況を確認するには、同じ出力の Port ID フィールドを調べてください。ポートがオフラインである場合、Port ID の値は FFFFFFF になります。

SYS-276870 12.0.0 以降 グリッド・コントローラーを交換するとき、またはシステムでソフトウェア開始プロセスを実行するときは常に、一時的にデータ削減節約量統計が不正確になる可能性があります。統計の正確度は、データがアクセスされて再び処理されると回復します。

この問題が顕著になるのは、システムに 1 TB 以下の書き込みが行われた場合のみです。

回避策: 回避策は現在ありません。