概説
IBM FlashSystem® A9000R は、コグニティブの時代に向けてビジネスを動かすよう設計されたグリッド・スケールのオールフラッシュ・ストレージ・プラットフォームです。
本書では、IBM FlashSystem A9000R ストレージ・システムのデプロイメント、計画、および設置前の要件を定義します。迅速かつ確実な高い取り付け作業ができるように、すべての要件を確実に満たしておいてください。

IBM FlashSystem A9000R は、急速に成長しているクラウド・ストレージと混合ワークロード環境を使用している業界リーダーにとって理想的なプラットフォームです。IBM の Software Defined Storage 機能と IBM FlashCore テクノロジーの連携によって、エンタープライズ・クラスのストレージ・ソリューションに求められる優れたパフォーマンスをスケーラビリティーを実現します。
ストレージ・システムは、IBM MicroLatency モジュールを使用して、モデル 415 の IBM が機能強化した MLC フラッシュとモデル 425 および U25 の 3D Triple Level Cell (3D TLC) フラッシュを活用することで、密度、低遅延、高い入出力、および高可用性を提供します。IBM FlashSystem A9000R は、グリッド・エレメント (それぞれ 2 つのグリッド・コントローラーと 1 つのフラッシュ・エンクロージャー) を 42U の統合型ラック・ソリューションにまとめています。(グリッド・エレメントについて詳しくは、FlashSystemA9000R グリッド要素を参照してください)。
グリッド・スケール・アーキテクチャーとフラッシュ・ストレージ・メディアが組み合わされることにより、このシステムは、完全なデータ削減機能が有効になっている状態で、ワークロードが重くても、予測可能なハイパフォーマンスと超低遅延を実現します。その結果、グリッド・スケール・アーキテクチャーは、すべてのストレージ・リソースにわたるワークロードを手操作による介入なしに自動的に自己最適化することによって、このパフォーマンスを維持します。セキュア・マルチテナンシー・フィーチャーおよびサービス品質 (QoS) フィーチャーは、複雑な環境内でテナント・サービス・レベルが危険にさらされないようにするために役立ちます。
さらに、このシステムには、IBM HyperSwap 機能が標準で実装されており、IBM FlashSystem® A9000 および IBM FlashSystem A9000R のアレイ間とデータ・センター全体でボリュームごとのアクティブ/アクティブのデータ・アクセスと透過的なフェイルオーバーを実現します。
IBM FlashSystem A9000R は、Kubernetes コンテナー環境に対応し、IBM Bluemix、VMware、OpenStack、Linux、および Microsoft などの幅広いハイパーバイザーや仮想化ソフトウェアと統合します。
IBM FlashSystem A9000R グリッド・スケール・アーキテクチャーについて詳しくは、「IBM FlashSystem A9000R Product Overview」 (SC27-8559) の「Introduction」 > 「Architecture」を参照してください。
計画のベスト・プラクティスと要件
FlashSystem A9000Rを順調にセットアップして使用するためには、適切な計画が重要です。計画が適切であれば、必要なものをすべて揃え、ストレージ・システムの前提条件をすべて満たしておくことができます。そうすることで、エラーが最小限に抑えられ、取り付けプロセスも迅速に進めることができます。
本書の計画情報を使用して、FlashSystem A9000R システムの配置、電源と環境の要件の計画、ソフトウェアとストレージの要件の計画、およびストレージ・システムの使用方法に基づく固有の構成の準備を行います。
必ず、IBM 販売チーム、IBM 設置計画担当員 (IPR)、および IBM サービス技術員 (SSR) を連携して、ストレージ・システムの設置および構成を行うために必要な情報を収集してください。この情報は、テクニカル・デリバリー・アセスメント (TDA) のとき、または設置計画ミーティングのときに収集されます。作業の遅延が発生しないように、設置を始める前にこの情報を集めておいてください。
注意: お客様は、IBM 設置計画担当員 (IPR) または IBM サービス担当員からの支援を得て、この計画情報を基に、FlashSystem
A9000R システム を操作する環境を準備する必要があります。コンピューター室内の最終的設置場所は機器が配送される前に準備しておく必要があります。配送時までに設置場所の準備ができない場合、専門の運送業者が後日に移送を完了させられるように、お客様ご自身で手配してください。
装置を移送できるのは専門の運送業者に限られます。
IBM サービス担当員は、必要な保守アクションを遂行するために、設置場所で、必要に応じて最低限の範囲でラックの位置変更をすることができます。装置の再配置または廃棄の際にも、お客様の責任で専門の運送業者に依頼してください。 |
取り付け要件のいずれかを満たすことができない場合、IBM サービス担当員に通知して、代わりとなる解決策を立案してください。
- IBM FlashSystem A9000 ポッド・システムの計画情報については、IBM FlashSystem A9000 Knowledge Center Web サイト の「IBM FlashSystem A9000 デプロイメント・ガイド」(GC27-8564) を参照してください。
- IBM Storage Utility Offering (SUO) (モデル U25) については、IBM マーケットプレイスの IBM Storage Utility Offering を参照してください。
お客様は、IBM 設置計画担当員 (IPR) または