ミラー定義の作成

mirror_create コマンドを使用して、リモート・ミラーリングのカップリングを作成します。

mirror_create < vol=VolName slave_vol=SlaveVolumeName 
[ create_slave=<yes|no> [ remote_pool=RemotePoolName ] ]
[ init_type=<online|offline> ] > | <cg=cgName slave_cg=SlaveCgName>
[ type=<SYNC_BEST_EFFORT|ASYNC_INTERVAL> ] target=TargetName 
[ rpo=rpo [ remote_rpo=rpo ] schedule=Schedule remote_schedule=Schedule ]

パラメーター

名前 タイプ 説明 必須かどうか デフォルト
vol オブジェクト名 ミラーリングの対象となる (マスター) ローカル・ボリューム。 いいえ 該当なし
slave_vol オブジェクト名 リモート・ストレージ・システム上のスレーブ・ボリュームの名前。 いいえ 該当なし
create_slave ブール値 新しいスレーブ・ボリュームを作成するか、既存のものを使用するかを決定します。 いいえ no
remote_pool オブジェクト名 リモート・システム上のストレージ・プール。スレーブを作成する場合にのみ関係します。 いいえ 該当なし
cg オブジェクト名 ミラーリングの対象となる (マスター) ローカル整合性グループ。 いいえ 該当なし
slave_cg オブジェクト名 リモート・ストレージ・システム上のスレーブ整合性グループの名前。 いいえ 該当なし
type 列挙型 複製タイプの名前。 いいえ SYNC_BEST_ EFFORT
target オブジェクト名 スレーブ・ボリュームを格納するリモート・ターゲット。 はい 該当なし
rpo 正整数 マスターのミラー目標復旧時点値。30 秒から 86400 秒までの範囲 (つまり、最大で 24 時間)。

非同期ミラーリングにのみ適用でき、必須です。

いいえ [なし]
remote_rpo 正整数 マスターになるリモート・ピアのミラー目標復旧時点値。

非同期ミラーリングにのみ適用でき、必須です。

いいえ [マスター RPO]
schedule オブジェクト名 スケジュール・オブジェクトの参照

非同期ミラーリングにのみ適用でき、必須です。

いいえ [なし]
remote_schedule オブジェクト名 リモート・マシン上のスケジュール・オブジェクトの参照

非同期ミラーリングにのみ適用でき、必須です。

いいえ [なし]
init_type 列挙型 スレーブ・ミラーを初期化するために要求されるメソッドを指定します。 いいえ [なし]

ミラーリングは、両方のピアに常時同一のデータが格納されているようにするプロセスです。このコマンドは、マスター・ピアとスレーブ・ピアの間に新しいミラーリング・カップリングを定義します。

このコマンドは、非同期ミラーリング・カップリングの作成をサポートします。 非同期ミラーリングは、スケジュール駆動型の複製を基礎としています。また、システムは min_interval という名前の、ユーザーが構成できない 20 秒の間隔の事前定義スケジュール・オブジェクトも提供します。

ミラーリング・カップリングを作成するには、既存のマスター・ピアをスレーブ・ピアと一緒に指定する必要があります。作成時、カップリングはアクティブではなく、複製を開始するためには、ユーザーが明示的にそのカップリングをアクティブにする必要があります。このスレーブは、既に存在するか、このコマンドによって作成されます。 既存のスレーブの使用は、そのスレーブがフォーマット設定されている場合にのみ許可されます。 スレーブが既に存在する場合、コマンドはその名前をリモート・システム名と一緒に受け取ります。スレーブがこのコマンドによって作成される場合、入力パラメーターはリモート・ストレージ・システム名、作成されるスレーブの名前、および新規に作成されるスレーブを格納するストレージ・プールを指定します。

ミラーリングは、スタンバイ状態で作成されます。その後、マスターからスレーブにデータをコピーする初期化プロセスを開始するためには、ミラーリング・カップリングをアクティブにする必要があります。

ストレージ・システムは、さまざまなリモート・システム上のピアのペア間に複数のミラーリング定義を持つことができます。ただし、ピアが整合性グループである場合は、特定の整合性グループに含まれるすべてのボリュームを、ただ 1 つのストレージ・システム・ペアの間でミラーリングする必要があります。したがって、あるストレージ・システム (例えば A) 上のボリューム・ピアがリモート・ストレージ・システム (例えば B) 上のボリュームとミラーリング関係を持つ場合、ストレージ・システム A 上にある同じ整合性グループ内の別のボリュームは、ストレージ・システム B 上のボリュームとのリモート・ミラーリング関係のみを定義できます。同じことが、ストレージ・システム B から A のボリュームについても言えます。さらに、ミラーリングされた整合性グループは、その整合性グループ内のミラーリングされたすべての関連ボリュームに対して 1 つの同期ジョブを持ちます。

このコマンドを整合性グループに対して発行する前に、整合性グループが空であることを確認してください。

このコマンドは、競合するミラーリング・スナップショット (前のミラーリング定義の削除時に削除されなかったもの) を検出した場合、失敗します。

初期化タイプ:
  • online オプション (デフォルト) はネットワーク経由の初期化を使用可能にします。つまり、サイト間リンクを使用してマスター・ピアの初期状態をスレーブに複製し、それをミラーが最初にアクティブ化 (mirror_activate) された後に開始します。初期化のとき、ミラー状況は 「初期化 (Initialization)」になります。
  • offline オプションが選択される場合、システムは、アクティブ化後にマスター・ボリュームの内容全体をコピーするわけではありません。代わりに、システムはマスターとスレーブの内容を比較し、異なっていると分かったデータのみをコピーします。このオプションを使用すると、大量のデータをミラーリングするとき、またはマスター・システムとスレーブ・システム間のデータ転送帯域幅が十分でないときに、初期の同期時間を短縮できます。例えば、マスター・ボリュームのテープ・バックアップ・コピーを作成し、これらをスレーブ・ボリュームに復元し、このオプションと一緒にミラー関係を作成します。online オプションと異なり、offline オプションでは、スレーブ・ボリュームをフォーマットする必要はありません。

アクセス制御

ユーザー・カテゴリー 許可
ストレージ管理者 許可
ストレージ統合管理者 許可
アプリケーション管理者 不許可
セキュリティー管理者 不許可
読み取り専用ユーザー 不許可
技術員 不許可

警告

  • VOLUME_SIZE_VERY_LARGE_ARE_YOU_SURE

    ボリューム・サイズが非常に大きくなっています。このボリュームを古いバージョンのストレージ・システムにミラーリングできない場合があります。実行しますか?

戻りコード

  • ASYNC_MIRROR_MISSING_RPO

    非同期ミラー定義に RPO を含める必要があります。

  • ASYNC_MIRROR_REMOTE_RPO_TOO_LONG

    指定されたリモート RPO が長すぎます。

  • ASYNC_MIRROR_REMOTE_RPO_TOO_SHORT

    指定されたリモート RPO が短すぎます。

  • ASYNC_MIRROR_RPO_TOO_SHORT

    指定された RPO が短すぎます。

  • ASYNC_MIRROR_RPO_TOO_LONG

    指定された RPO が長すぎます。

  • ASYNC_NOT_SUPPORTED_IN_TARGET

    指定されたターゲットは、非同期ミラーリングをサポートしていません。

  • BAD_REMOTE_VOLUME_NAME

    2 次ボリューム名が存在しません。

  • BAD_REMOTE_VOLUME_SIZE

    1 次ボリュームと 2 次ボリュームに異なる数のブロックが含まれています。

  • CONS_GROUP_BAD_NAME

    整合性グループ名が存在しません。

  • CONS_GROUP_HAS_MIRROR

    この整合性グループに対してミラーリングが定義されています。

  • CONS_GROUP_MIRRORING_NOT_SUPPORTED_IN_TARGET

    ターゲット・マシンは整合性グループ・ミラーリングをサポートしていません。

  • INTERVAL_SHOULD_BE_SHORTER_THAN_RPO

    スケジュール間隔は、RPO より短くなければなりません。

  • ILLEGAL_INTERVAL

    指定された間隔値はサポートされていません。

  • MAX_MIRRORS_REACHED

    ミラーの最大数が既に到達しています。

  • MAX_SYNC_MIRRORS_REACHED

    既に最大数の同期ミラーを定義済みです。

  • MAX_ASYNC_MIRRORS_REACHED

    非同期ミラーの最大数が既に到達しています。

  • NOT_ENOUGH_SPACE_ON_REMOTE_MACHINE

    要求されたサイズの 2 次ボリュームを設定するには、空きスペースが不十分です。

  • NO_ASYNC_IN_THIN_PROVISIONED_POOL

    シン・プロビジョン対応のプールに非同期ミラーリングを使用したボリュームを含めることはできません。

  • VOLUME_BAD_NAME

    ボリューム名が存在しません。

  • VOLUME_IS_MASTER

    このローカル・ボリュームは、既に 1 次ボリュームとして定義済みです。

  • VOLUME_IS_SLAVE

    ボリュームは、2 次ボリュームとして定義済みです。

  • REMOTE_VOLUME_EXISTS

    指定された名前の 2 次ボリュームは既に存在します。名前は再使用できません。

  • REMOTE_MAX_VOLUMES_REACHED

    リモート・マシン上のボリュームの最大数が既に到達しています。

  • REMOTE_MAX_MIRRORS_REACHED

    既に最大数のミラーをリモート・マシン上に定義済みです。

  • VOLUME_BAD_PREFIX

    ボリューム名に予約済みの接頭部が付いています。

  • REMOTE_POOL_DOES_NOT_EXIST

    プールがリモート・マシン上に存在しません。

  • REMOTE_POOL_NOT_SPECIFIED

    2 次ボリュームを作成する前に、プールがリモート・マシンで定義されている必要があります。

  • REMOTE_TARGET_NOT_CONNECTED

    現在、ターゲット・システムからの接続はありません。

  • VOLUME_IS_SNAPSHOT

    スナップショットに対しては許可されない操作です。

  • REMOTE_VOLUME_IS_SNAPSHOT

    2 次ボリュームはスナップショットです。

  • TARGET_BAD_NAME

    ターゲット名が存在しません。

  • TARGET_BAD_TYPE

    ターゲット・マシンが XIV マシンではありません。

  • TARGET_NO_ACCESS

    2 次マシンに対するアクセス権限がありません。

  • TARGET_NOT_CONNECTED

    現在、ターゲット・システムへの接続はありません。

  • REMOTE_VOLUME_LOCKED

    2 次ボリュームはロックされます。

  • TIMEOUT

    リモート操作が時間内に完了しませんでした。

  • VOLUME_HAS_MIRRORING_SNAPSHOTS

    ボリュームに、前のミラーリング・プロセスで作成されたスナップショットがあります。

  • SLAVE_VOLUME_NOT_FORMATTED

    2 次ボリュームはフォーマット設定されていません。

  • TARGET_DOES_NOT_ACCEPT_XIV_COMMANDS

    ターゲット・システムが XIV 管理コマンドを受け入れません。

  • SYNC_MIRROR_HAS_NO_RPO

    同期ミラーに RPO がありません。

  • REMOTE_CONS_GROUP_IS_MIRRORED

    このリモート整合性グループに対してミラーリングが定義されています。

  • REMOTE_SCHEDULE_DOES_NOT_EXIST

    指定されたスケジュールがリモート・マシン上に存在しません。

  • SCHEDULE_DOES_NOT_EXIST

    指定されたスケジュールが存在しません。

  • REMOTE_CONS_GROUP_BAD_NAME

    リモート整合性グループ名が存在しません。

  • REMOTE_VOLUME_IS_MASTER

    リモート・マシン上のボリュームは、既に 1 次として定義済みです。

  • REMOTE_VOLUME_IS_SLAVE

    リモート・マシン上のボリュームは、既に 2 次として定義済みです。

  • REMOTE_MAX_MIRROR_CAPACITY_REACHED

    リモート・マシンでミラーリングされたボリュームの最大容量に既に達しています。

  • MIRROR_RETRY_OPERATION

    このミラー上で操作が進行中です。

    トラブルシューティング: 数秒後にコマンドを再試行してください。

  • MIRRORING_INCOMPATIBLE_TARGET_VERSION

    ミラーリングは、指定されたピアのシステム・バージョン間ではサポートされていません。

  • MIRROR_TYPE_INCOMPATIBLE_WITH_TARGET

    このタイプのミラーは、指定されたピアのシステム・バージョン間ではサポートされていません。

  • NO_OFFLINE_INIT_TYPE_WITH_SLAVE_CREATION

    新規ボリュームは 2 次として作成されます。オフラインでの初期化は意味がありません。

  • ASYNC_WITH_OFFLINE_INIT_NOT_SUPPORTED_IN_TARGET

    指定されたターゲットは、オフライン初期化を使用する非同期ミラーリングをサポートしていません。

  • VOLUME_SIZE_ABOVE_LIMIT

    指定されたボリューム・サイズが制限を超えています。

  • REMOTE_VOLUME_SIZE_ABOVE_LIMIT

    指定されたボリューム・サイズがリモート・マシンの制限を超えています。

  • INVALID_SLICE_OFFSET

    スライス・オフセットが正しくありません。

  • VOLUME_IS_OLVM_PROXY

    ボリュームが IBM Hyper-Scale Mobility Proxy フェーズに入っています。

  • REMOTE_VOLUME_IS_OLVM_PROXY

    リモート・ボリュームが IBM Hyper-Scale Mobility Proxy フェーズに入っています。

  • ENCRYPTION_IN_PROGRESS

    システムは、暗号化のアクティブ化状態の変更処理中です。

  • MIRROR_OF_SAME_TYPE_EXISTS_ON_VOLUME

    このタイプのミラーは、このボリュームに既に定義されています。

  • MIRROR_EXISTS_ON_TARGET

    このターゲット上でボリュームには既にミラーがあります。

  • REMOTE_VOLUME_IS_MIRROR_MASTER

    このボリュームは、ミラー関係の 1 次であるため、2 次にすることはできません。

  • REMOTE_VOLUME_TWO_SYNC_MIRRORS_NOT_ALLOWED

    リモート・ボリューム上で 2 つの同期ミラーが検出されました。これは許可されません。

  • REMOTE_VOLUME_MIRROR_LOOP_DETECTED

    リモート・ボリューム上でミラー・ループが検出されました。つまり、ミラーがリモート・システム上に存在し、そのターゲットはこのシステムです。そのため、このシステムでこのターゲットを使用してミラーを作成することはできません。

  • VOLUME_BELONGS_TO_MIRRORED_CONS_GROUP

    ボリューム・ミラーは、整合性グループ・ミラーの一部です。

  • DOMAIN_MAX_MIRRORS_REACHED

    ドメインのミラーが最大許容数を超えています。

  • REMOTE_DOMAIN_MAX_VOLUMES_REACHED

    リモート・マシンのドメイン内のボリュームの最大数に既に達しています。

  • REMOTE_DOMAIN_HAS_NO_ACCESS_TO_TARGET

    2 次マシン・ドメインがターゲットにアクセスできません。

  • REMOTE_DOMAIN_HAS_NO_ACCESS_TO_SCHEDULE

    2 次マシン・ドメインがスケジュールにアクセスできません。

  • DOMAIN_HAS_NO_ACCESS_TO_TARGET

    ドメインがターゲットにアクセスできません。

  • REMOTE_DOMAIN_MAX_MIRRORS_REACHED

    リモート・マシンのドメインでミラーの最大数に既に達しています。

  • DOMAIN_MAX_VOLUMES_REACHED

    ドメインのボリュームが最大許容数を超えています。

  • REMOTE_VOLUME_HAS_DATA_MIGRATION

    2 次ボリュームに対して既にデータ・マイグレーションが定義されています。

  • REMOTE_VOLUME_MASTER_ASYNC_MIRROR_DETECTED

    リモート・ボリュームで非同期 1 次ミラーが検出されました。操作は許可されません。

  • REMOTE_VOLUME_HAS_MIRRORING_SNAPSHOTS

    リモート・ボリュームに、前のミラーリング・プロセスで作成されたスナップショットがあります。

  • DATA_REDUCTION_TIER_IS_OFFLINE

    データ削減済みの Tier がオフラインであり、操作は許可されません。

    トラブルシューティング: IBM サポートに連絡してください。

  • SYSTEM_OUT_OF_PHYSICAL_SPACE

    システムが物理スペースを使い尽くした状態にある間、操作は許可されません。

  • REMOTE_DATA_REDUCTION_TIER_IS_OFFLINE

    リモート・システムのデータ削減済みの Tier がオフラインであり、操作は許可されません。

    トラブルシューティング: IBM サポートに連絡してください。

  • REMOTE_SYSTEM_OUT_OF_PHYSICAL_SPACE

    リモート・システムが物理スペースを使い尽くした状態にある間、操作は許可されません。

  • SLAVE_VOLUME_NOT_SAME_TYPE

    1 次と 2 次のボリュームが同じタイプではありません。一方が圧縮されていて他方が圧縮されていないか、別々の圧縮テクノロジーを使用しています。