概要

IBM FlashSystem® A9000R は、ハイエンドのグリッド・スケールのオールフラッシュ・ストレージ・プラットフォームであり、超高速ストレージを基幹業務機能とともに提供します。この機能には、インライン重複排除および圧縮によるデータ削減、スマートなスケーリング、分散データ、自動ロード・バランシング、多数の先進的なエンタープライズ・クラスのフィーチャーと機能が含まれます。

図 1. IBM FlashSystem A9000R ユニット
このイメージは、IBM FlashSystem A9000R ユニットを示しています

事前統合されたラック・ベースのオファリングである IBM FlashSystem A9000R は、グリッド・エレメント (それぞれ 2 個のグリッド・コントローラーと 1 個のフラッシュ・エンクロージャーを含む) を 42U の統合型ラック・ソリューションにまとめています。グリッド・エレメントは、内蔵 InfiniBand スイッチで相互接続されることで、スケールアウト型グリッド・ファブリックを形成します。これにより、データ削減機能が完全に有効になっている状態で、ワークロードが重くても、一貫性のある予測可能なハイパフォーマンスと超低遅延を実現できます。グリッド・アーキテクチャーでは、システムは、すべてのワークロードのデータをすべてのシステム・リソースにリアルタイムで均等に分散させることで、この性能を自律的に維持できます。また QoS 機能は、テナント・サービス・レベルが損なわれないことを確実にします。

中核を成すアーキテクチャーでは、IBM FlashSystem A9000R は、IBM FlashCore™ テクノロジーを IBM® MicroLatency® モジュールと共に使用して、高密度、低遅延、高度な IOPS パフォーマンスを提供します。さらに、IBM FlashSystem Enhanced Endurance テクノロジーは、フラッシュ・ディスクの摩耗を軽減して、過大なワークロード環境でもフラッシュ・ストレージ・コンポーネントの長期耐久性を確保します。

その上、標準装備の Spectrum Accelerate™ ソフトウェアは、スペース使用効率のよい Redirect-on-Write スナップショットのほか、非同期複製と同期複製を提供して、コストを増やすことなく、きめ細かくデータを保護できるようにします。IBM FlashSystem A9000R の 99.999% の可用性を超えるレベルの高可用性を提供するために、このシステムには、IBM HyperSwap® 機能が標準で実装されており、IBM FlashSystem A9000R および IBM FlashSystem A9000 のアレイ間とデータ・センター全体でアクティブ/アクティブのデータ・アクセスおよびボリュームごとの透過的なフェイルオーバーを実現します。

ラック・ベースのグリッド・スケール・システムとして構築された IBM FlashSystem A9000R では、パフォーマンスと容量にあわせて最適化された構成の選択肢が用意されており、多様なワークロード要件に対応できます。IBM Hyper-Scale Manager は、プライベート・クラウド環境とハイブリッド・マルチテナント・クラウド環境のオーケストレーションを非常に大きな規模で行うことを可能にします。IBM Hyper-Scale Manager は、IBM FlashSystem A9000R、IBM FlashSystem A9000、IBM XIV®、および IBM Spectrum Accelerate™ の複数のソリューションを単一の画面区画から管理できます。

IBM FlashSystem A9000R は、高速で冗長性を備えた大容量データ・ストレージに依存する大企業にとっては理想的と言えます。動的なワークロード向けの高いサービス・レベルと容易なハイパースケールを提供するほか、マルチテナント環境、柔軟な消費モデル、堅固なクラウド自動化、および統合の機能をサポートします。IBM FlashSystem A9000R は、高度なリモート・ミラーリング、ホット暗号化、自己修復のメカニズムを通してセキュリティーとデータ保護を提供します。

Kubernetes および iSwarm のコンテナー環境のほか、IBM Cloud Private、VMware、OpenStack、および Microsoft の環境に対応する A9000R ソリューションにより、クラウドの経済性と俊敏性を追加コストなしで導入できます。