コール・ホームの計画

コール・ホームを使用すると、IBM FlashSystem® A9000R システムが障害発生前の通知または障害発生通知を IBM® サービス・センター内の IBM トラブルシューティング・チケット・システムに自動送信するようにセットアップすることができます。アラートを直接ユーザーに自動送信するようにストレージ・システムを構成することもできます。コール・ホームは着信を受け付けることはできません。これは、IBM サービス・センターではコール・ホームを使用して FlashSystem A9000R システムに連絡を取ることはできないことを意味しています。

FlashSystem A9000R システム内で特定のイベントが発生すると、コール・ホームは IBM サービス・センターに通知を送信します。通知を受け取ると、IBM サービス担当員は迅速に問題を分析し、適切な処置を取ります。その問題がサービスを必要とする問題である場合は、必要な交換パーツを携行した IBM サービス担当員がお客様のサイトに派遣されます。IBM サービス担当員は、FlashSystem A9000R システムにアクセスして、エラー・ログや問題ログを表示したり、トレースやダンプの取り出しを開始するなどのサービス作業を実行できます。

コール・ホームは、問題処理の労力を先見的な方法で削減し、より効率的なセルフサービス・ソリューションを提供します。これにより、IBM 製品およびサービスを使用 する際の処理の成功度が高くなり、重大なシチュエーション・イベントが減少します。また、これはお客様の IT 環境を維持する際の時間と費用の節約にもなります。

コール・ホームの通知は、SMTP サーバーから E メールを使用して送信されます。FlashSystem A9000R システムがコール・ホームの発信 E メールを IBM に送信するために使用する SMTP E メール・システムが、使用可能になっていなければなりません。

必要に応じて、保護されたチャネルを介してのみコール・ホーム情報を IBM に送信するように、お客様の E メール・ゲートウェイを構成できます。詳しくは、IBM Redbooks® Web サイト にあるIBM FlashSystem A9000 and IBM FlashSystem A9000R: Architecture, Implementation and Usage Redbook (SG24-8345)の『Monitoring and Troubleshooting』>『Encrypting Call Home and heartbeat notifications』を参照してください。

コール・ホーム情報は、ストレージ・システムの取り付け時に IBM サービス担当員が構成します。この情報は、テクニカル・デリバリー・アセスメント (TDA) チェックリストおよびワークシートを使用して連絡されます。

お客様の責任

SMTP の E メール・システムを構成して、FlashSystem A9000R システムがコール・ホーム機能のための E メールを送信できるようにするのは、お客様の責任で行ってください。E メール構成規則は、コール・ホームの E メールがリアルタイムで送信されることを妨害しないようにしてください。 E メール・ヘッダーに「Importance」または「X-Priority」がある E メールが遅延してはなりません。

例えば、後で送信したり優先順位のフィルターに掛けるために、FlashSystem A9000R E メールをキューに入れてはなりません。管理者は、インストールの前に E メール・システムが正しく構成され、機能していることを確認する必要があります。 E メール・システムの確認が行われていないと、FlashSystem A9000R システムの正常なインストールが遅れる場合があります。

表 1 は、コール・ホーム機能を構成するために満たさなければならない要件をリストしています。
表 1. コール・ホーム構成情報
コール・ホーム構成要件 コメント
お客様の SMTP ポート 25 お客様の SMTP サーバーは、お客様提供の管理 IP アドレスからポート 25 で接続可能でなければなりません。
お客様の SMTP アドレス IP アドレス この IP アドレスは、お客様が提供します。
E メールの宛先アドレス
xiv-callhome-eastern-hemisphere@
vnet.ibm.com
または
xiv-callhome-western-hemisphere@
vnet.ibm.com
お客様の SMTP サーバーは、地理的位置に基づいて、以下の IBM E メール・アドレスへの中継が可能でなければなりません。
  • 東: EMEA、アジア、オーストラリア、アフリカ、および世界のその他の国と地域
  • 西: 米国、カナダ、ラテンアメリカおよびカリブ諸島
E メールのソース・アドレス xiv@il.ibm.com

または

ユーザー定義

E メールの送信元のデフォルトの E メール・アドレス。 この E メール・アドレスは、お客様の E メール中継規則に準拠するようにお客様が定義することができます。