chrcrelationship

chrcrelationship コマンドを使用して、例えば整合性グループへの関係の追加、整合性グループからの関係の除去、関係の名前の変更など、既存の関係についてその属性を変更します。一度に変更できるのは、1 つの属性のみです。

構文

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>>- chrcrelationship -- ---------------------------------------->

>--+--- -masterchange --+----------------------------+---+------>
   |                    +- master_change_vdisk_id ---+   |   
   |                    '- master_change_vdisk_name -'   |   
   +--- -auxchange --+-------------------------+---------+   
   |                 +- aux_change_vdisk_id ---+         |   
   |                 '- aux_change_vdisk_name -'         |   
   +- -nomasterchange -----------------------------------+   
   +- -noauxchange --------------------------------------+   
   +- -name -- new_name_arg -----------------------------+   
   +--- -consistgrp --+- consist_group_id ---+-----------+   
   |                  '- consist_group_name -'           |   
   +- -noconsistgrp -------------------------------------+   
   +- -cycleperiodseconds -- period ---------------------+   
   '--- -cyclingmode --+- none --+-----------------------'   
                       '- multi -'                           

>--+-----------+--+- rc_rel_id ---+----------------------------><
   +- -global -+  '- rc_rel_name -'   
   '- -metro --'                      

パラメーター

-masterchange master_change_vdisk_id | master_change_vdisk_name
(オプション) 関係のマスター・ボリュームに対する変更ボリュームの関連を指定します。
-auxchange aux_change_vdisk_id | aux_change_vdisk_name
(オプション) 関係の補助ボリュームに対する変更ボリュームの関連を指定します。
-nomasterchange
(オプション) マスター・ボリューム上の定義済み変更ボリュームを関係から削除することを指定します。
注: このパラメーターを使用するには、指定された変更ボリュームを関係が使用していない必要があります。これには、稼働中の関係 (inconsistent_copyingconsistent_copying、または consistent_synchronized) の変更ボリュームが含まれます。

これには、停止済みの関係の 1 次変更ボリュームは含まれません。 consistent_copying から停止された関係の 2 次変更ボリュームは、変更ボリュームが整合イメージを提供している場合、使用中と見なされます。 この変更ボリュームを削除する必要がある場合、2 次ボリュームに整合イメージを適用するためには、最初に -access パラメーターを使用して関係を停止する必要があります。

-noauxchange
(オプション) 補助ボリューム上の定義済み変更ボリュームを関係から削除することを指定します。
注: このパラメーターを使用するには、指定された変更ボリュームを関係が使用していない必要があります。これには、稼働中の関係 (inconsistent_copyingconsistent_copying、または consistent_synchronized) の変更ボリュームが含まれます。

これには、停止済みの関係の 1 次変更ボリュームは含まれません。 consistent_copying から停止された関係の 2 次変更ボリュームは、変更ボリュームが整合イメージを提供している場合、使用中と見なされます。 この変更ボリュームを削除する必要がある場合、2 次ボリュームに整合イメージを適用するためには、最初に -access パラメーターを使用して関係を停止する必要があります。

-name new_name_arg
(オプション) 関係に割り当てる新しいラベルを指定します。
-consistgrp consist_group_id | consist_group_name
(オプション) 関係に割り当てる新しい整合性グループを指定します。 同じ整合性グループには、同じコピー・タイプ (グローバル・ミラーまたはメトロ・ミラー) の関係のみを割り当てることができます。
-noconsistgrp
(オプション) 指定された関係を整合性グループから削除して、その関係を独立型の関係にします。
-cycleperiodseconds period
(オプション) サイクル期間を秒単位で指定します。最小サイクル期間の値は 60 秒です。デフォルトは 300 秒 (5 分) です。
これは、サイクル・モード multi のグローバル・ミラー関係に適用されるオプションのサイクル期間を定義します。multi cycling_mode を使用するグローバル・ミラー関係は、最大で期間ごとに 1 回、完全なサイクルを実行します。
-cyclingmode none | multi
(オプション) この関係に対するグローバル・ミラーの動作を指定します。
  • デフォルトの none を指定すると、グローバル・ミラーの動作は、旧バージョンの Storwize® V3700 と同じになります。
  • multi を指定すると、サイクル・プロトコルが使用されます。
cycling_modemulti に設定して関係を開始するには、変更ボリュームが関係に対して定義されている必要があります。
注: cycling_mode を変更できるのは、関係が停止していて、consistent_stopped 状態または inconsistent_stopped 状態になっている場合だけです。
-metro
(オプション) 関係のコピー・タイプの変更を指定し、グローバル・ミラー (変更ボリュームの有無に関係なく) 関係をメトロ・ミラー関係に変換します。
要確認: このパラメーターを使用するには、関係が停止している必要があります (inconsistent_stoppedconsistent_stopped、または idling)。
-global
(オプション) 関係のコピー・タイプの変更を指定し、メトロ・ミラー関係をグローバル・ミラー関係に変換します。 このパラメーターは、-cyclingmode と一緒に指定できます。 -cyclingmode を指定しないときに、関係がメトロ・ミラーである場合、cycling_mode 値は none です。
要確認: このパラメーターを使用するには、関係が停止している必要があります (inconsistent_stoppedconsistent_stopped、または idling)。
rc_rel_name | rc_rel_id
(必須) 関係の ID または名前を指定します。

説明

このコマンドは、指定した関係の指定した属性を一度に 1 つずつ変更します。 整合性グループの名前を変更するほか、このコマンドを次の目的に利用できます。
要確認:
  • すべてのパラメーターは相互に排他的です。ただし -cyclingmode を除きます。このパラメーターは、-global 以外のすべてのパラメーターと相互に排他的です。
  • いずれかのオプション・パラメーターが指定されている必要があります。
  • -consistgrp パラメーターと、整合性グループの名前または ID を指定することにより、その整合性グループに独立型の関係を追加できます。関係と整合性グループは、コマンドを発行するときに接続されている必要があり、以下のコンポーネントを共有する必要があります。
    • マスター・システム
    • 補助システム
    • 状態 (グループが空でない場合)
    • 1 次 (グループが空でない場合)
    • タイプ (グループが空でない場合)
    • サイクル・モード (グループが空でない場合)
    空のグループに最初の関係を追加すると、そのグループは関係と同じ状態、同じ 1 次 (コピー方向)、同じタイプ (メトロ・ミラーまたはグローバル・ミラー)、同じサイクル・モードになります。後続の関係を追加するためには、その関係は同じ状態、同じコピー方向、同じタイプでなければなりません。1 つの関係は、1 つの整合性グループのみに属すことができます。
  • -noconsistgrp パラメーターと、関係の名前または ID を指定することにより、整合性グループから関係を除去できます。整合性グループの名前を指定または確認する必要はありませんが、このコマンドを発行する前に、関係がどのグループに属するかを確認してください。
    この形式の関係変更コマンドは、接続状態でも切断状態でも正常に実行されます。 コマンドの発行時にシステムが切断されている場合は、ローカル・システム上の整合性グループからのみ関係が除去されます。システムが再接続されると、関係はもう一方のシステムの整合性グループから自動的に除去されます。 別の方法として、明示的変更 (chrcrelationship) コマンドを使用して、まだ切断されているときに他方のシステム上のグループから関係を除去することも可能です。
    注: グループからすべての関係を除去した場合、関係タイプは empty_group にリセットされます。 空のグループに関係を追加すると、グループは再び関係と同じタイプになります。
  • 2 つの整合性グループ間の関係を移動するには、chrcrelationship コマンドを 2 回発行する必要があります。 -noconsistgrp パラメーターを使用して関係を現行のグループから除去した後、-consistgrp パラメーターと新しい整合性グループの名前を使用します。
システム間関係の場合
  • -name-consistgrp-cycleperiodseconds および -cyclingmode パラメーターを指定できるのは、2 つのシステムが接続されている場合だけです。 コマンドの処理中に 2 つのシステムが切断されると、タスク呼び出しを受信したシステムでのみ変更が実行された状態でコマンドが完了する可能性があります (もう一方のシステムは再接続時に更新されます)。 -cycleperiodseconds および -cyclingmodeパラメーターは、独立型関係 (整合性グループのメンバーではない) でのみ指定できます。
  • -masterchange および -nomasterchange パラメーターは、関係のマスター・システム上で chrcrelationship コマンドを実行する場合にのみ指定することができ、-auxchange および -noauxchange パラメーターは、関係の補助システム上で chrcrelationship コマンドを実行する場合にのみ指定することができます。
要確認: 同じコマンドでマスター変更ボリュームと補助変更ボリュームを指定することはできません。
変更ボリュームは、次のようになっている必要があります。
  • ボリュームを所有する関係によって使用されている
  • 関連付けられているマスター・ボリュームまたは補助ボリュームと同じ入出力グループ (iogroup) に入っている
  • 関連付けられているマスター・ボリュームまたは補助ボリュームと同じサイズである
変更ボリュームは、関連付けられているリモート・コピー関係が所有および使用します。 したがって、以下のようになっていてはなりません。
  • ホストにマップされている
  • いずれかの FlashCopy マップのソースまたはターゲットとして使用されている
  • その他の関係の一部になっている
  • ファイル・システム・ディスクである
関係に変更ボリュームを割り当てるには、マスター・ボリュームまたは補助ボリュームと関連する変更ボリュームとの間に新規の FlashCopy マッピングを作成する必要があります。 したがって、ターゲット入出力グループに十分な未割り当ての FlashCopy メモリーがなければなりません。ない場合は、コマンドが失敗します。

関係の cycle_period_seconds が追加先の整合性グループの cycle_period_seconds と一致しない場合、新規に追加された関係は、グループからの cycle_period_seconds 値をコピーします。後でグループから除去された場合も、コピーされた cycle_period_seconds の値は残ります。

cycling_mode 値が multi に指定されているグローバル・ミラー関係を、空でないグループに追加する場合、グループと関係の両方を停止する必要があります。

関係名を rccopy1 から testrel に変更する呼び出し例

chrcrelationship -name testrel rccopy1
結果出力
No feedback

関係 rccopy2 をグループ newgroup に追加する呼び出し例

chrcrelationship -consistgrp newgroup rccopy2
結果出力
No feedback

関係 rccopy3 を所属先の整合性グループから削除する呼び出し例

chrcrelationship -noconsistgrp rccopy3
結果出力
No feedback

呼び出し例

chrcrelationship -cyclingmode multi relB

結果出力

No feedback

呼び出し例

chrcrelationship -cycleperiodseconds 20 relC

結果出力

No feedback