startrcconsistgrp

startrcconsistgrp コマンドは、グローバル・ミラーまたはメトロ・ミラー整合性グループのコピー・プロセスを開始し、コピー方向が未定義の場合はそれを設定し、さらにオプションで整合性グループの 2 次ボリュームにクリーンのマークを付けるために使用します。

構文

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>>- startrcconsistgrp -- --+--------------------------+-- ------>
                           '- -primary --+- master -+-'      
                                         '- aux ----'        

>--+----------+-- --+----------+-- ----------------------------->
   '- -force -'     '- -clean -'      

>--+- rc_consist_group_id ---+---------------------------------><
   '- rc_consist_group_name -'   

パラメーター

-primary master | aux
(オプション) マスター・ディスクと補助ディスクのどちらかが 1 次 (ソース) ディスクになるかを定義して、コピー方向を指定します。 1 次ディスクが未定義の場合 (例えば、整合性グループが Idling 状態の場合)、このパラメーターは必須です。
-force
(オプション) 同期化が行われている間、一時的に整合性が失われることになっても、システムにコピー操作を処理させることを指定します。 このパラメーターは、整合性グループConsistentStopped 状態で同期化済みでない場合、または Idling 状態で同期化済みでない場合には必須です。
-clean
(オプション) 2 次ボリュームになるボリュームが、グループに属する関係のそれぞれについてクリーンであることを指定します。1 次と 2 次のディスクを同期化するときには、2 次ボリュームに加えた変更はすべて無視され、クリーンな 1 次ボリュームに加えた変更のみが考慮されます。 このパラメーターが機能するためには、整合性グループが Idling (接続済み) 状態でなければなりません。
重要: このフラグは、整合性グループが idling 状態である間に 2 次ボリューム上で変更されたすべてのデータが、整合性グループが停止されたときの 1 次ボリュームの状態と一致している場合にのみ使用してください。 そうしないと、整合していない関係が整合していると報告されます。 この状態が起こると、完全なバックグラウンド・コピーを再び実行できるようになるまで、それらのボリュームが真の整合状態に常に達するかどうかを判断する方法がありません。
rc_consist_group_id | rc_consist_group_name
(必須) 開始する整合性グループの ID または名前を指定します。

説明

このコマンドは、グローバル・ミラーまたはメトロ・ミラーの独立型整合性グループを開始します。 1 次ボリュームが準備済みの FlashCopy® マッピングのターゲット・ボリュームである場合、このコマンドを使用してリモート・コピー関係を開始することはできません。

このコマンドは、接続されている整合性グループに対してのみ発行できます。 Idling 状態の整合性グループの場合、このコマンドはコピー方向 (1 次および 2 次の役割) を割り当てて、コピー指示を割り当てます。 それ以外の状態の場合、このコマンドは、停止コマンドもしくは入出力エラーによって停止した前のコピー・プロセスを再開します。

既存のリモート・コピー関係が -access を指定して停止された後で再開され、結果の 2 次ボリューム (1 次ボリュームの選択内容によって異なります) がタイプ hide_secondary のホストへマップされる場合、そのボリュームはホストに対して提示されません。これは、構成の目的でマップされている場合でも該当します。マップされたボリュームがホストに提示されるのは、以下の場合です。
  • ホスト・タイプが hide_secondary 以外のタイプに変更された
  • リモート・コピー関係が停止され、-access が指定された
  • リモート・コピー関係が削除されたか切り替えられたために、ボリュームが 2 次ボリュームではなくなった

コピー・プロセスの再開により、関係が整合しない期間が生じるようであれば、関係の再開時-force パラメーターを指定する必要があります。この状態は、関係が停止していて、関係の元の 1 次ディスクでさらに入力トランザクションが実行された場合に生じる可能性があります。この状態で -force パラメーターを使用しても、2 次ディスクのデータは (不整合であるため) 災害時回復の目的には使用できません。

Idling 状態の場合、-primary パラメーターを指定する必要があります。 その他の接続状態の場合は、-primary パラメーターを指定できますが、既存の設定に一致しなければなりません。

コピー操作の開始により整合性が失われる場合は、-force パラメーターが必要です。 これは、ConsistentStopped 状態または Idling 状態が発生した後に 1 次ボリュームまたは 2 次ボリューム上で書き込み操作が行われた場合に発生する可能性があります。このような状況で -force パラメーターを指定せずにコマンドを発行すると、コマンドは失敗します。一般に、グループが次のいずれかの状態にある場合は、-force パラメーターを必ず指定する必要があります。
  • Consistent_Stopped、ただし、同期化されていない (sync=out_of_sync)。
  • Idling、ただし同期化されていない。
グループが次のいずれかの状態にある場合、-force パラメーターを指定する必要はありません。
  • Inconsistent_Stopped
  • Inconsistent_Copying
  • Consistent_Synchronized

しかし、-force パラメーターを指定した場合は、コマンドは失敗しません。

-clean パラメーターは、グローバル・ミラーまたはメトロ・ミラー・グループが開始され、このグループの 2 次ボリュームがクリーンでなければならない場合に使用します。ここでいうクリーンとは、1 次ボリュームと 2 次ボリュームが同期化される際に、2 次ボリュームで加えられた変更はすべて無視され、1 次ボリュームで加えられた変更のみが考慮されるという意味です。-clean パラメーターは次のようなシナリオで使用できます。
  1. -sync パラメーターを指定して整合性グループが作成されている。 1 次ディスクと 2 次ディスクに同じデータが入っているかどうかは、-sync パラメーターの使用によりそれが真であると暗黙に示されていても、この時点では問題ではありません。
  2. -access パラメーターを指定して stoprcconsistgrp コマンドが発行されている。 これにより、2 次ディスクへのアクセスが許可されます。 変更の記録が、1 次ディスクで開始されます。
  3. 1 次ディスクのイメージがコピーされ、2 次ディスクにロードされている。 イメージ・コピー中に、1 次ディスクを更新できるようにすることは許容されます。これは、このイメージが単に 1 次ディスクのファジー・イメージであればよいからです。
  4. -primary master-force、および -clean パラメーターを指定した startrcconsistgrp コマンドが発行されている。 補助ディスクにはクリーンのマークが付けられ、関係が停止した後にマスター・ディスクに加えられた変更が補助ディスクにコピーされます。
  5. バックグラウンド・コピーが完了したら、グループ内の関係は整合した同期化済み状態となります。

Idling または multi のいずれかの状態の整合性グループを再始動した後、整合性グループが整合状態になるまでは、2 次ボリューム上のデータを災害時回復に使用することはできません。

これらのいずれかの状態で cycling_modemulti であるグローバル・ミラー整合性グループでは、整合した 2 次イメージが保持されているため、-force パラメーターは不要です。 ただし、そのような整合性グループが idling 状態であり、書き込まれたデータを整合性グループの 2 次ボリュームで受信した場合は、引き続き -force フラグが必要です。これは、2 次ボリュームに、以前の整合した状態を表すことができない不一致のイメージがあるためです。

グローバル・ミラー関係には以下のサイクルモードが指定されます。
  • none は、サイクル以外のグローバル・ミラー・アルゴリズムを使用します
  • multi では、1 次ボリュームで変更ボリュームが構成されている必要があります (そうでない場合、コマンドは失敗します)
  • multi では、2 次ボリュームでも変更ボリュームが構成されている必要があります (そうでない場合、コマンドは失敗します)
  • multi は、複数回のサイクルを実行します

バックグラウンド・コピーを作成した後、関係はコピー中の状態のままになり、新しいサイクルを実行する前に残りの期間が期限切れになるのを待ちます。バックグラウンド・コピーが完了した時点で 2 次変更ボリュームが構成解除された場合、関係は、サイクル期間がない場合と同じように停止します。

呼び出し例

startrcconsistgrp rccopy1

結果出力

No feedback