コントロール・エンクロージャー・シャーシの取り替え

コントロール・エンクロージャー・シャーシを取り替えることができます。

始める前に

注: 取り替えるエンクロージャー・シャーシのタイプを理解していることを確認します。 コントロール・エンクロージャー・シャーシを取り替える手順は、拡張エンクロージャー・シャーシを取り替える手順とは異なります。 拡張エンクロージャー・シャーシを取り替えるには、拡張エンクロージャー・シャーシの取り替えを参照してください。
危険
システムで作業する場合は、以下の予防措置を守ってください。

電源ケーブルや電話線、通信ケーブルからの電圧および電流は危険です。 感電を防ぐために次の事項を守ってください。

  • IBM® から電源コードが提供されている場合、この装置への電源の接続には、IBM が提供する電源コードのみを使用してください。 その他の製品には、IBM 提供の電源コードを使用しないでください。
  • 電源機構アセンブリーを開いたり、保守したりしないでください。
  • 雷雨の間はケーブルの接続や切り離し、または本製品の設置、保守、再構成を行わないでください。
  • 製品が複数の電源コードを備えている場合があります。
    危険な電圧をすべて除去するには、 すべての電源コードを切り離してください。
  • すべての電源コードは正しく配線され接地されたコンセントに接続してください。システムの定格プレートに従い、コンセントが正しい電圧と相回転を提供していることを確認してください。
  • この製品に接続する機器があれば正しく配線されたコンセントに接続してください。
  • 信号ケーブルの接続または切り離しは可能なかぎり片手で行ってください。
  • 火災、水害、または建物に構造的損傷の形跡が見られる場合は、どの装置の電源もオンにしないでください。
  • 取り付けおよび構成手順で特別に指示されている場合を除いて、装置のカバーを開く場合はその前に、必ず、接続されている電源コード、通信システム、ネットワーク、およびモデムを切り離してください。
  • ご使用の製品または接続された装置の取り付け、移動、またはカバーの取り外しを行う場合には、次の手順の説明に従ってケーブルの接続および切り離しを行ってください。
    ケーブルの切り離し手順:
    1. すべての電源を切ります (別の指示がない場合)。
    2. 電源コードをコンセントから取り外します。
    3. 信号ケーブルをコネクターから取り外します。
    4. すべてのケーブルを装置から取り外します。
    ケーブルの接続手順:
    1. すべての電源を切ります (別の指示がない場合)。
    2. すべてのケーブルを装置に接続します。
    3. 信号ケーブルをコネクターに接続します。
    4. 電源コードをコンセントに接続します。
    5. 装置の電源を入れます。
  • システムの内部および周辺に鋭利な先端、角、およびジョイントが存在する可能性があります。装置を取り扱う場合は、手や指に怪我をしないよう注意してください。 (D005)
重要: この手順は、保守処置または IBM サポートの指示があった場合にのみ行ってください。 単一のコントロール・エンクロージャーを使用している場合、この手順では、コントロール・エンクロージャーを取り替えるために システムをシャットダウンする必要があります。 複数のコントロール・エンクロージャーを使用している場合、システムの一部を稼働したままにすることができますが、影響を受ける入出力グループ上にあるボリューム、および影響を受ける入出力グループのドライブに従属する他の入出力グループ内のボリュームへのアクセスは失われます。 すべての入出力グループで、システムがまだ入出力要求を実行している場合、保守期間または入出力を停止できる他の時間帯に取り替え作業をスケジュールします。

システムの背面にあるハードウェア・コンポーネントを交換する場合は、注意してください。取り外すよう指示されていないケーブルを、不注意に絡ませたり、取り外したりしないようにしてください。

エンクロージャーを取り外す前に、静電気に弱い装置の取り扱い手順について必ず理解しておいてください。

手順

コントロール・エンクロージャー・シャーシを取り替えるには、以下のステップを実行します。

  1. サービス・アシスタントを使用していずれかのノード・キャニスターにアクセスできる場合、エンクロージャーのマシン・タイプとモデル、エンクロージャーのシリアル番号、およびエンクロージャーの 2 つの WWNN を記録します。
    1. サービス・アシスタントのホーム・ページから、ノードのロケーション・データを開きます。 エンクロージャー欄にあるマシン・タイプとモデル (MTM)、シリアル番号、WWNN 1 および WWNN 2 を記録します。
      注: どちらのノード・キャニスターも起動できないためにエンクロージャーを取り替えている場合は、取り替えを完了した後でこの情報を取得します。
    2. いずれかのキャニスターでサービス・アシスタントを開始します。
    3. ホーム・ページのノードのロケーション・データに進みます。
    4. ノード・コピー欄にあるマシン・タイプとモデル、シリアル番号、WWNN 1 および WWNN 2 を記録します。 マシン・タイプとモデルおよびシリアル番号は、エンクロージャーの前面と背面のラベルにも示されています。

  2. このステートメントは、このエンクロージャーによって管理される入出力グループのすべてのボリュームと、影響を受ける入出力グループのドライブに従属する他の入出力グループ内のボリュームに適用されます。
  3. エンクロージャーから電源を除去しても安全であることを確認します。 キャニスターごとに、システム状況 LED の状況を調べます。 いずれかのキャニスターで LED が点灯している場合、システムがまだオンラインであるため、続行しないでください。
    注: システムがまだアクティブである間に続行すると、キャニスターに保管されているクラスター化システム構成およびボリュームのキャッシュ・データを失うリスクがあります。
  4. 電源機構装置のスイッチを使用してエンクロージャーの電源をオフにします。
  5. どのデータ・ケーブルが特定のポートに差し込まれているのか記録します。 交換が完了した後、ケーブルは同じポートに挿入される必要があります。そうでないと、システムは正常に機能しません。
  6. 電源機構装置からケーブル保持ブラケットと電源コードを取り外します。
  7. 各キャニスターのデータ・ケーブルを切り離します。
  8. エンクロージャーから電源機構を取り外します。
  9. エンクロージャーからキャニスターを取り外します。 各キャニスターのロケーションを記録します。 これらは、新しいエンクロージャー内で同じ場所に挿入される必要があります。
  10. エンクロージャーからすべてのドライブとブランク・ドライブ・アセンブリーを取り外します。 各ドライブのロケーションを記録します。 これらは、新しいエンクロージャー内で同じ場所に挿入される必要があります。
  11. エンクロージャーから両方のエンクロージャー・エンド・キャップを取り外します。
    重要: 左側のエンド・キャップは再び使用するため、保管しておきます。
  12. エンクロージャーをラック・キャビネットに取り付けている締め付けねじを取り外します。
  13. ラック・キャビネットの前面からエンクロージャー・シャーシを取り外し、シャーシを作業域に移動します。
  14. 新しいエンクロージャー・シャーシをラック・キャビネットに取り付けます。
  15. 新しいエンクロージャーからエンド・キャップを取り外し、エンクロージャーをラック・キャビネットに取り付ける締め付けねじを取り付けます。
  16. エンド・キャップを再取り付けします。 右側のエンド・キャップは新しいものを使用して、左側のエンド・キャップはステップ 11 で取り外したものを使用します。取り外した左側のエンド・キャップを使用することで、モデルとシリアル番号の識別が維持されます。
  17. ドライブを新しいエンクロージャーに再取り付けします。 ドライブは、前のエンクロージャーで取り外された場所と同じ場所に挿入される必要があります。
  18. キャニスターをエンクロージャーに再取り付けします。 キャニスターは、前のエンクロージャーで取り外された場所と同じ場所に挿入される必要があります。
  19. 電源機構を取り付けます。
  20. 先ほど記録した情報を使用して、各キャニスターにデータ・ケーブルを再接続します。
    注: ケーブルは、前のエンクロージャーで取り外された場所と同じ場所に挿入される必要があります。そうでないと、システムは正常に機能しません。
  21. 電源機構装置に電源コードとケーブル保持ブラケットを取り付けます。
  22. 提供された修理識別 (RID) タグに、古いエンクロージャーのマシン・タイプとモデル (MTM) およびシリアル番号を書き込みます。 タグをエンクロージャーの背面にある左側のフランジに取り付けます。
  23. 電源機構装置のスイッチを使用してエンクロージャーの電源をオンにします。 ノード・キャニスターがブートします。 新しいエンクロージャーは古いエンクロージャーの ID で設定されていないため、障害 LED はオンになります。 ノード・キャニスターは、ノード・エラー 504 をログに記録して、誤ったロケーションであると報告します。システム・イベント・ログで、これらはエラー・コード 1192 とともに表示されます。
  24. いずれかのノード・キャニスターでサービス・アシスタントに接続して、エンクロージャーに保管されているマシン・タイプとモデル、シリアル番号、および WWNN を構成します。 ノード・キャニスターを取り替えた場合、取り替えられていないキャニスターに接続します。以前のサービス・アドレスを使用して接続することができます。 ただし、このアドレスは必ずしも維持できるとは限りません。 元のサービス・アドレスを使用して接続できない場合は、デフォルトのサービス・アドレスを使用して接続を試行してください。 それでもシステムにアクセスできない場合は、サービス・アシスタントへの接続に関する情報が記載されたトピックを参照してください。
  25. 「エンクロージャーの構成」パネルを使用します。
  26. 「WWNN 1 の更新」「WWNN 2 の更新」「マシン・タイプおよびモデルの更新」、および「シリアル番号の更新」のオプションを選択します。 システム ID は更新しないでください。 それぞれの値にノード・コピー・データを使用します。 これらの値がステップ 1で記録した値と一致することを確認します。 値を記録できなかったときは、ノード・コピー値のいずれもすべてゼロではない場合に限り、ノード・コピー値を使用します。 いずれかのノード・コピー値がすべてゼロである場合、サービス・アシスタントをもう一方のノード・キャニスターに接続して、そこでエンクロージャーを構成します。 それでも完全な値を得られない場合、IBM サポートに連絡してください。
    重要: ステップ 27 では、エンクロージャー ID を交換用ミッドプレーンに書き込みます。ステップ 27 を完了した後に、交換用ミッドプレーンを別のエンクロージャーの交換部品として使用することはできません。
  27. 「変更」ボタンをクリックします。 ノードはデータを書き込み、再起動を試みます。
    注: キャニスターが再起動し、クリティカル・ノード・エラー 508 が報告される場合があります。 エンクロージャーが更新され、ノード・キャニスターが再起動した後で、アクティブにならない場合、サービス・アシスタントを使用してノード・キャニスターの状況をチェックしてください。 両方のノード・キャニスターでクリティカル・ノード・エラー 508 が表示された場合、サービス・アシスタントを使用してノードを再起動します。 その他のノード・エラーについては、ノード・エラーの修正手順に従ってください。 サービス・アシスタントを使用してノードを再起動するには、次のステップを実行します。
    1. サービス・アシスタントにログオンします。
    2. ホーム・ページで、「変更済みノード・リスト」から再起動するノードを選択します。
    3. 「アクション」 > 「再起動」を選択します。
    システムが起動して、ホスト・システムからの入出力要求を処理できます。
    注: システムが正常に作動していることを確認するために、以下のステップで説明する構成変更を実行する必要があります。 これらのステップを実行しない場合、システムは特定のエラーを報告できません。
  28. 管理 GUI を開始し、「モニター」 > 「システム」を選択します。 システムが交換用コントロール・エンクロージャーを検出したため、システム・リストに追加のエンクロージャーが表示されます。 元のコントロール・エンクロージャーがまだその構成でリストされています。 元のエンクロージャーは、元のエンクロージャー ID でリストされています。 これはオフラインおよび管理対象です。 新しいエンクロージャーには、新しいエンクロージャー ID が付いています。 こちらはオンラインおよび非管理です。
  29. 元のエンクロージャーを選択します。 オフラインおよび管理対象であること、およびシリアル番号が正しいことを確認します。
  30. エンクロージャーを右クリックして、「除去」を選択します。 物理ハードウェアは既に取り外されています。 ハードウェアの取り外しに関するメッセージは無視します。 ツリー表示に元のエンクロージャーがリストされなくなったことを確認します。
  31. 新しいエンクロージャーをシステムに追加します。
    1. 「アクション」メニューから、「エンクロージャーの追加」を選択します。
    2. 既にハードウェアを追加したため、ハードウェアを取り付けるよう求める最初のパネルで「次へ」を選択します。 次のパネルに、非管理の新しいエンクロージャーが表示されます。
    3. ウィザードの手順に従ってください。 ウィザードにより、そのコントロール・エンクロージャーは「管理対象」に変更されます。
    4. そのエンクロージャーを選択して、システムに追加します。
  32. 新しいエンクロージャーを選択して、オンラインおよび管理対象になったことを確認します。
  33. 取り替えたエンクロージャーのエンクロージャー ID を元のエンクロージャーの ID に変更します。コントロール・エンクロージャーを右クリックして「ID の変更」を選択し、ID を元のエンクロージャーの ID に変更します。
  34. すべてのボリュームおよび物理ストレージの状況を調べ、すべてがオンラインであることを確認します。
  35. ホスト・アプリケーション、および停止されていた FlashCopy® アクティビティー、グローバル・ミラー・アクティビティー、またはメトロ・ミラー・アクティビティーを再開します。

タスクの結果