ストレージ・システムのイメージ・モード・ボリュームとデータ・マイグレーションのガイドライン

イメージ・モード・ボリュームを使用すると、外部ストレージ・システムによって管理される既存のデータをシステムにインポートし、マイグレーションできます。

コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用して外部ストレージ・システムからデータをマイグレーションするか、管理 GUI のストレージ・マイグレーション・ウィザードを使用することができます。ストレージ・マイグレーション・ウィザードでは、マイグレーションされるデータ、ホスト・オブジェクト、ホスト・マッピングのイメージ・モード・ボリュームを作成し、そのボリュームをシステムによって管理されるストレージ・プールに移動させることで、このプロセスが簡略化されます。

外部ストレージからシステムにデータをマイグレーションするには、2 つの接続タイプがサポートされています。 管理 GUI の「ストレージ・マイグレーション」ウィザードは、各接続タイプのデータのマイグレーションに必要な、前提条件および環境変更の完全なリストを提供します。

ファイバー・チャネル接続、または Fibre Channel over Ethernet (FCoE) 接続を行うには、SAN 環境のゾーニングを正しく行う必要があります。マイグレーションの前に、外部ストレージ・システムに対するすべてのホスト操作を停止する必要があります。また、環境固有の変数を変更する必要があります。

SAS 接続の外部ストレージ・システムでは、システムはワイド・ポート SAS 接続をサポートし、外部ストレージ・システムはシステムに直接接続されている必要があります。ファイバー・チャネルおよび FCoE 接続の場合と同様、SAS 接続外部ストレージからシステムへのデータのマイグレーションでは、すべてのホスト操作の停止および一部の環境設定の変更が必要です。

Storwize® V3700 システムは、オンボード SAS ポートを備えています。外部ストレージからシステムへのデータ・マイグレーションには、SAS ポート 1 から 3 のみを使用できます。システムは、オプションの SAS ホスト・アダプターを経由した SAS 接続もサポートします。ポート 4 は、コントロール・エンクロージャーを拡張エンクロージャーに接続する専用に使用されます。

「ストレージ・マイグレーション」ウィザードがシステムの適切な変更をガイドします。マイグレーションの完了後、サポートされている各接続タイプに適した方法を用いて、システムから外部ストレージ・システムを取り外す必要があります。

既存のストレージ・システムが構成ガイドラインに従っていない場合は、ホスト・システムで入出力操作を再開する前に、イメージ・モード・ボリュームからのデータ・マイグレーションを完了することを検討してください。 入出力操作が続行され、ストレージ・システムがガイドラインに従っていない場合、ホストでの入出力操作が失敗する可能性があります。最終的に、データへのアクセスが失われることがあります。

注: マイグレーション・コマンドは、以下の理由で失敗します。
  • ターゲットまたはソースのボリュームがオフラインである。
  • クォーラム・ディスクが定義されていない。
  • 定義されたクォーラム・ディスクが使用できない。
オフライン状態またはクォーラム・ディスクの状態を訂正して、コマンドを再発行してください。

既存データが入っている管理対象ディスク (MDisk) をインポートする手順は、システム内にある空き容量の大きさによって異なります。システムにマイグレーションするデータのサイズ変更と同じ量のフリー・スペースがシステム内に必要です。この容量を使用できない場合、一部の MDisk に他の MDisk より大きい負荷がかかるため、マイグレーションの結果ストレージ・プールのデータの配分が不均等になります。 データと以後の入出力負荷の配分を均等にするために、さらにマイグレーション操作が必要となります。

同等の空き容量がある場合のイメージ・モード・ボリュームのインポート

ギガバイト単位の一定量のイメージ・モード・ボリュームをインポートする際に、少なくともその量を収容できる単一のストレージ・プールがシステムにある場合は、管理 GUI の「新規マイグレーションの開始」ウィザードに従ってください。「物理ストレージ」 > 「マイグレーション」を選択して、イメージ・モード・ボリュームをインポートし、データが均等に配分されるようにします。

空き容量が少ない場合のイメージ・モード・ボリュームのインポート

ギガバイト単位の一定量のイメージ・モード・ボリュームをインポートする際に、少なくともその量の空き容量が単一のストレージ・プールにない場合は、管理 GUI の「新規マイグレーションの開始」ウィザードに従ってください。「物理ストレージ」 > 「マイグレーション」を選択して、イメージ・モード・ボリュームをインポートします。ウィザードの終わりに宛先プールを選択しないでください。 宛先プールを選択すると、システムによってイメージ・モード・ボリュームは作成されますが、元のイメージ・モード・ボリュームからのデータのマイグレーションは行われません。望みの形でデータを移動するには、ボリュームのミラーリングまたはマイグレーションを使用します。