複数リモート・ポートのストレージ・システムへのアクセス

管理対象ディスク (MDisk) 論理装置 (LU) へのアクセスが複数のストレージ・システム・ポートを介して可能な場合、Storwize® V3700・システムを使用すると、この LU にアクセスするすべてのノードがアクティビティーを調整して、同じストレージ・システム・ポートを介してアクセスするようになります。

複数のストレージ・システム・ポートを介しての LU アクセスのモニター

システムが、複数のストレージ・システム・ポートを介して LU にアクセスできる場合、システムは、以下の基準を使用してこれらのポートのアクセス可能性を判別します。
  • システム・ノードは、ストレージ・システムのメンバーです。
  • システム・ノードは、ストレージ・システム・ポートに対してファイバー・チャネルまたは iSCSI 接続を行います。
  • システム・ノードは、正常に LU を発見しました。
  • 毀損が原因で、システム・ノードがストレージ・システム・ポートを介しての MDisk へのアクセスを除外されたことはありません。
MDisk パスは、これらの基準を満たすすべてのシステム・ノードの ストレージ・システム に提示されます。

ストレージ・システム・ポート選択

MDisk が作成されると、システムは、いずれかのストレージ・システム・ポートを選択して、MDisk にアクセスします。

表 1 で、システムが、ストレージ・システム・ポートを選択する際に使用するアルゴリズムを説明します。
表 1. ストレージ・システム・ポート選択のアルゴリズム
基準 説明
アクセシビリティー 候補ストレージ・システム・ポートの初期のセットを作成します。候補ストレージ・システム・ポートのセットには、最大数のノードによるアクセスが可能なポートが含まれます。
毀損 候補ストレージ・システム・ポートのセットを、ノード数が最も少ないものに削減します。
優先 候補ストレージ・システム・ポートのセットを、ストレージ・システムが優先ポートとして使用するものに削減します。
ロード・バランス MDisk アクセス・カウントの最も少ない候補ストレージ・システム・ポートのセットからポートを選択します。
MDisk に対する初期の装置ポート選択が行われた後、以下のイベントによって、選択アルゴリズムの再実行が行われることがあります。
  • 新しいノードがシステムに参加し、システム内の他のノードと異なるストレージ・システムを認識している。
  • detectmdisk コマンド・ライン・インターフェース (CLI) ・コマンドが実行されるか、MDisk のディスカバー管理 GUI 機能が使用されます。 detectmdisk CLI コマンドおよび MDisk のディスカバー機能が使用されると、システムはファイバー・チャネル・ネットワークまたは iSCSI ネットワークを再スキャンします。この再スキャン処理で、システムに追加された可能性のある新規 MDisk をすべて発見し、使用可能なストレージ・システム・ポート間の MDisk アクセスのバランスを取り直します。
  • ストレージ・システムが優先ポートを変更したため、エラー・リカバリー手順 (ERP) が開始された。
  • MDisk に関連するストレージ・システムの新規ストレージ・システム・ポートが発見された。
  • 現在選択されているストレージ・システム・ポートがアクセス不能になった。
  • 毀損が原因で、システムは、ストレージ・システム・ポート経由で MDisk にアクセスできないようにした。