iSCSI の構成例

Storwize® V3700 を Internet Small Computer System Interface (iSCSI) を使用するネットワークで構成します。

図 1 は、単一のサブネットに接続された 2 ノードの Storwize V3700クラスター化システムを示しています。各ノードには 2 つのイーサネット・ポートがあり、それぞれが iSCSI データ転送に使用されます。 システム内のノードの 1 つはシステム構成ノードとしても機能します。 この例では、構成ノードのポート 1 がシステム管理 IP インターフェースを提供します。
図 1. 単一のサブネットを使用する iSCSI 構成
単一のサブネットを使用する iSCSI 構成
図 2 は、複数のサブネットに接続された 2 ノードの Storwize V3700 システムを示しています。 各ノードには、別々の IP サブネットに接続されている 2 つのイーサネット・ポート (ポート 1 とポート 2) があります。 システム内のノードの 1 つはシステム構成ノードとしても機能します。 この構成では、異なるサブネット上でシステム管理インターフェース用の代替 IP インターフェースが提供されます。
注: 複数のサブネット構成を使用する場合、サブネットの 1 つに障害が発生し、iSNS サーバーがそのサブネットの一部であると、ノードおよびホストは iSNS サーバーにアクセスすることができません。 入出力への影響はなく、もう一方のサブネットは引き続きアクティブです。
図 2. 複数のサブネットを使用し、代替構成インターフェースを提供する iSCSI 構成
単一のサブネットを使用する iSCSI 構成
図 3 は、図 2 と同じ 2 ノードの Storwize V3700 システムを示しています。 この図は、ホスト・システムでマルチパスと冗長ホスト・インターフェース・アダプターを使用する利点を図解しています。
図 3. ホスト・マルチパスを使用する iSCSI 構成
単一のサブネットを使用する iSCSI 構成

この例では、ホスト 1 はマルチパスを使用しません。 Storwize V3700・システムの 1 つのボリュームが、ホスト 1 では 4 つの別々の装置として認識されます。ホストは、Storwize V3700 ノード・ポートの特定の IP アドレス (10.10.1.10) に対応する 1 つの装置を選択します。 ホストとこの Storwize V3700・ポートとの間の接続が切断されると (X でリンクが切断)、ホスト 1 ではこのボリュームについてエラーが記録されます。 Storwize V3700 の状態変更や IP フェイルオーバーは発生しません。

ホスト 2 はマルチパスを使用します。 Storwize V3700 システムの 1 つのボリューム は、ホスト 2 のアプリケーションでは単一の装置として認識されます。ただし、マルチパス・ドライバーはボリュームごとに 4 つの異なる装置を検出できます。 マルチパス・ドライバーは、これらの装置の 1 つ以上を選択します。 ホストと 1 つの Storwize V3700 ノード・ポートとの間の接続が失われると、マルチパス・ドライバーは Storwize V3700への代替パスを選択できます。 ホストと Storwize V3700 の間の接続はエラーなしに続行されます。 ただし、ホスト 2 にはホスト・インターフェース・アダプターが 1 つしかありません。そのため、ホスト 2 は、そのホスト・インターフェース・アダプターとネットワークの間の接続が失われると、エラー (Y のリンクが切れたなど) を報告します。

ホスト 3 はマルチパスおよび冗長ホスト・インターフェース・アダプターを使用します。ホスト・インターフェース・アダプターの 1 つに障害が起こった場合でも、マルチパス・ドライバーはホストから Storwize V3700・システムのボリュームの 1 つへのパスを見つけることができるため、アプリケーションはエラーなしに続行できます。複数のホスト・インターフェース・アダプターが別々の IP ネットワークに接続されているため、構成全体では単一のネットワーク障害を許容でき、ホスト 3 ではエラーが発生しません。

Storwize V3700・ノードの取り外しや交換を行う場合、システムの保守を行うためにマルチパス・ドライバーは必要ありません。 ただし、ロード・バランシングのためと、ホスト・インターフェース・アダプター、リンク、またはネットワークの障害を乗り切るためには、マルチパス・ホスト・ドライバーが必要です。