CLI を使用したストレージ・プールの作成

コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用して、ストレージ・プールを作成できます。

始める前に

重要: ストレージ・プールに MDisk として MDisk を追加した場合、MDisk 上のデータはすべて失われます。 MDisk にデータを保持する場合は (例えば、 以前は Storwize® V3700 によって 管理されなかったストレージをインポートするため)、 代わりにイメージ・モードボリュームを作成する必要があります。

システムがセットアップされていて、かつバックエンド・コントローラーが Storwize V3700 に新しいストレージを提示するように構成されているものと想定します。

Storwize V3700 フラッシュ・ドライブ (flash drive) の管理対象ディスクを使用する場合は、フラッシュ・ドライブ (flash drive) 構成規則に精通していることが必要です。

ボリュームの割り振りを 1 つのストレージ・システム内に保持する予定の場合は、ストレージ・プール内のすべての MDisk が、同じストレージ・システムによって提示されていることを確認します。

1 つのストレージ・プールに割り振られている MDisk がすべて、同じ RAID タイプであることを確認します。 ストレージ・プールに複数のストレージ層がある場合、同じ層内のすべての MDisk が同じ RAID タイプであることを確認します。 Easy Tier® を使用する場合、同じ層にあるストレージ・プール内のすべての MDisk がほぼ同じであり、ほぼ同じパフォーマンス特性を持つ必要があります。 Easy Tier を使用しない場合、ストレージ・プールには、ストレージの 1 つの層のみが含まれていなければなりません。また、ストレージ・プール内のすべての MDisk がほぼ同じであり、ほぼ同じパフォーマンス特性を持つ必要があります。

作成するストレージ・プールの数を決めるときは、以下の要因を考慮します。
  • ボリューム は、1 つのストレージ・プール のストレージを使用してのみ作成できます。 したがって、小さな (ストレージ・プール) を作成すると、仮想化がもたらす利点、 すなわち、さらに効率的なフリー・スペースの管理、ならびに さらに均等に分散されたワークロードによるパフォーマンスの向上が失われる可能性があります。
  • ストレージ・プール 内でオフラインになる MDisk があると、そのストレージ・プール 内のすべての (ボリューム) がオフラインになります。 したがって、各種バックエンド・コントローラーまたは各種アプリケーションに異なるストレージ・プールを使用することを考える必要があります。
  • バックエンド・コントローラーまたはストレージの追加および除去を定期的に行う予定にしている場合は、バックエンド・コントローラーによって提示されるすべての MDisk を 1 つのストレージ・プールにまとめることによって、この作業を簡単に行うことができます。
  • ストレージ・プール 内のすべての MDisk が同じレベルのパフォーマンスまたは信頼性 (あるいはその両方) を持っている必要があります。 ストレージ・プール に異なるパフォーマンス・レベルの MDisk が含まれる場合、このグループの (ボリューム) のパフォーマンスは、最も低い MDisk のパフォーマンスに制約されます。 ストレージ・プール に異なる信頼性レベルの MDisk が含まれる場合、このグループの (ボリューム) の信頼性は、グループで最も信頼性の低い MDisk と同じです。
注: 新しいフラッシュ・ドライブ (flash drive) を使用してプールを作成すると、 新しい フラッシュ・ドライブ (flash drive) は 自動的にフォーマット設定され、512 バイトのブロック・サイズに設定されます。

このタスクについて

最良の計画であっても、 環境が変化し、(ストレージ・プール) を作成後に再構成が必要になることがあります。 Storwize V3700が提供するデータ・マイグレーション機能により、入出力を中断せずにデータを移動できます。

ストレージ・プールのエクステント・サイズの選択

新しい各ストレージ・プールのエクステント・サイズを計画するときは、以下の要因を考慮します。
  • 新規のストレージ・プールを作成するときは、 エクステント・サイズを指定する必要があります。
  • エクステント・サイズを後で変更することはできません。このサイズは、ストレージ・プールの存続期間全体を通じて一定でなければなりません。
  • ストレージ・プール のエクステント・サイズは異なっていても構いません。 しかし、そのために、データ・マイグレーションの使用に制限が生じます。
  • エクステント・サイズは、ストレージ・プール内のボリュームの最大サイズに影響します。エクステント・サイズを大きくするとシステムが管理できるストレージの総量が増え、エクステント・サイズを小さくするとストレージ割り振りのきめ細かい制御が可能になります。
表 1には、 エクステント・サイズごとの最大ボリューム容量の比較があります。シン・プロビジョニング・ボリューム では、最大は異なります。 Storwize V3700は、作成されるボリュームごとに整数のエクステントを割り振るため、使用するエクステント・サイズを大きくすると、 各ボリュームの終わりで無駄になったストレージ量が増えることがあります。 また、エクステント・サイズが大きくなると、Storwize V3700が多数の MDisk にわたって順次入出力ワークロードを配分する能力が低下するため、仮想化によるパフォーマンス向上効果が減少する場合があります。
表 1. エクステント・サイズ別の最大ボリューム容量
エクステント・サイズ (MB) 最大ボリューム容量 (GB) (シン・プロビジョニング・ボリューム でない場合) 最大ボリューム容量 (GB) (シン・プロビジョニング・ボリューム)
16 2048 (2 TB) 2000
32 4096 (4 TB) 4000
64 8192 (8 TB) 8000
128 16,384 (16 TB) 16,000
256 32,768 (32 TB) 32,000
512 65,536 (64 TB) 65,000
1024 131,072 (128 TB) 130,000
2048 262,144 (256 TB) 260,000
4096 262,144 (256 TB) 262,144
8192 262,144 (256 TB) 262,144
重要: さまざまなストレージ・プールに異なるエクステント・サイズを 指定できますが、異なるエクステント・サイズのストレージ・プール間で (ボリューム) をマイグレーションすることはできません。 可能ならば、すべてのストレージ・プールを同じエクステント・サイズで作成してください。

ストレージ・プールを作成するには、以下の手順を使用します。

手順

mkmdiskgrp CLI コマンドを発行して、ストレージ・プールを作成する。

これは、ストレージ・プールを作成するために発行できる CLI コマンドの例です。

mkmdiskgrp -name maindiskgroup -ext 32 
 -mdisk mdsk0:mdsk1:mdsk2:mdsk3

ここで、maindiskgroup は 作成するストレージ・プール の名前、 32 MB は使用するエクステントのサイズ、 そして mdsk0、mdsk1、mdsk2、mdsk3 はグループに追加する 4 つの MDisk の名前です。

タスクの結果

MDisk を作成し、ストレージ・プールに追加しました。

以下の例は、ストレージ・プールを作成する必要があるが、 グループの追加に使用できる MDisk がない場合のシナリオです。 MDisk は後で追加する予定です。 mkmdiskgrp CLI コマンドを 使用してストレージ・プール bkpmdiskgroup を作成し、後で addmdisk CLI コマンドを 使用して mdsk4、mdsk5、mdsk6、mdsk7ストレージ・プールに追加しました。

  1. mkmdiskgrp -name bkpmdiskgroup -ext 32 を発行する。

    ここで、bkpmdiskgroup は作成するストレージ・プールの名前であり、32 MB は使用するエクステントのサイズです。

  2. ストレージ・プールに追加する 4 つの MDisk を見つける。
  3. addmdisk -mdisk mdsk4:mdsk5:mdsk6:mdsk7 bkpdiskgroup を発行する。

    ここで、mdsk4、mdsk5、mdsk6、mdsk7ストレージ・プールに追加する MDisk の 名前であり、bkpdiskgroup は MDisk の追加を行うストレージ・プール の名前です。