大容量ストレージ・スタック、ネイティブ・マルチパス指定、および柔軟なネーミング

大容量ストレージ・スタックは入出力装置を管理します。HP-UX 11i v3 では、大容量ストレージ・スタックによりネイティブ・マルチパス指定と柔軟なネーミングが提供されます。

柔軟な命名方式では、入出力装置は、オブジェクトへのハードウェア・パスによって命名されるのではなく、実際のオブジェクト名によって命名されます。 これらの装置のパスは動的に変更されるので、ネイティブ・マルチパス指定により、単一装置への複数のパスを表す単一の仮想化パスが提供されます。

HP-UX バージョン 11.31 の大容量ストレージ・スタックとネイティブ・マルチパス指定をサポートするには、関連ホスト・オブジェクトのタイプ属性を hpux と指定する必要があります。 HP-UX バージョン 11.31 では装置特殊ファイル (DSF) ネーミングと物理ボリューム・リンク (PVLinks) もサポートされますが、システムでは柔軟なネーミングとネイティブ・マルチパス指定を使用します。HP-UX バージョン 11.31 のネイティブ・マルチパス指定サポートと大容量ストレージ・スタック・サポートについて詳しくは、Hewlett-Packard の関連資料を参照してください。

取り付けられたディスクのすべてのハードウェア・パスと永続 DSF をディスカバーして表示するには、HP-UX バージョン 11.31 のコマンド ioscan –fnNC disk を使用します。 Storwize® V3700ボリュームは、IBM® 2145 ディスクとしてディスカバーされます。

システム・ボリュームへのパスのオープン/クローズ状態を判断するには、HP-UX バージョン 11.31 のコマンド scsimgr get_info all_lpt を使用します。scsimgr の出力の World Wide ID (WWID) の値は、システム・ボリュームの固有 ID (UID) (volume_UID) と一致します。また、HP-UX バージョン 11.31 の 2007 年 9 月リリース以降では、T10 ALUA サポートがインプリメントされます。 Storwize V3700の HP-UX ホスト・タイプには、暗黙の ALUA サポートが組み込まれています。

システム・ノードへのパスの非対称状態を表示するには、HP-UX バージョン 11.31 のコマンド scsimgr を使用します。LUN の優先ノードへのパスの非対称状態は、scsimgr コマンドの出力に ACTIVE/OPTIMIZED と表示されます。 非優先ノードへのパスの場合、この値は ACTIVE/NON-OPTIMIZED と表示されます。 以下の例は、scsimgr コマンドの出力を示しています。
# scsimgr get_info all_lpt -D /dev/rdisk/disk1484
STATUS INFORMATION FOR LUN PATH : lunpath993
Generic Status Information

SCSI services internal state = STANDBY
Open close state 	= STANDBY
Protocol	= fibre_channel
EVPD page 0x83 description code	 = 1
EVPD page 0x83 description association = 0
EVPD page 0x83 description type	 = 3
World Wide Identifier (WWID)	= 0x600507680184000060000000000005d4
Total number of Outstanding I/Os	= 0
Maximum I/O timeout in seconds	= 30
Maximum I/O size allowed	 = 2097152
Maximum number of active I/Os allowed 	= 8
Maximum queue depth	= 8
Queue full delay count	 = 0
Asymmetric state	= ACTIVE/NON-OPTIMIZED
Device preferred path	= No
Relative target port identifier	 = 256
Target port group identifier 	= 1


STATUS INFORMATION FOR LUN PATH : lunpath990

Generic Status Information

SCSI services internal state = ACTIVE
Open close state	= ACTIVE
Protocol	= fibre_channel
EVPD page 0x83 description code	 = 1
EVPD page 0x83 description association 	= 0
EVPD page 0x83 description type	 = 3
World Wide Identifier (WWID)	= 0x600507680184000060000000000005d4
Total number of Outstanding I/Os	= 0
Maximum I/O timeout in seconds	= 30
Maximum I/O size allowed	 = 2097152
Maximum number of active I/Os allowed = 8
Maximum queue depth = 8
Queue full delay count	 = 0
Asymmetric state 	= ACTIVE/OPTIMIZED
Device preferred path	= No
Relative target port identifier	 = 0
Target port group identifier = 0

HP-UX バージョン 11.31 の動的 LUN 拡張機能は、システム・ボリューム拡張をサポートします。この機能を使用するには、システム expandvdisksize コマンドでボリュームの容量を拡大します。ホスト側の操作について詳しくは、Hewlett-Packard の資料「HP-UX System Administrator's Guide: Logical Volume Management: HP-UX 11i Version 3」を参照してください。