CLI を使用した マシン・コード の自動アップデート

コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用して、マシン・コード・アップデートをインストールできます。

始める前に

CLI を使用して、バージョン 7.4 以降からバージョン 7.5 以降への自動更新を行うには、以下のステップに従ってください。バージョン 7.4.0 より前のリリースから更新する場合は、該当のリリースの説明に従います。ただし、それらのステップに含まれていない更新の確認を行う必要があります。ご使用のリリースの説明に従った後、ここに戻って、手順のステップ 8 に進みます。

重要: アップデートを開始する前に、オフラインのボリュームまたは劣化したボリュームがないかどうか確認する必要があります。オフラインのボリュームは、変更された書き込みデータがシステム・キャッシュ内に pinned (滞留) される原因となることがあります。このアクションは、ボリュームのフェイルオーバーを妨げ、更新中に入出力 (I/O) アクセスが失われる原因となります。fast_write_state が empty の場合は、ボリュームがオフラインであっても、アップデート中にエラーを引き起こさないことがあります。

このタスクについて

システムを更新するには、以下の手順を実行します。

手順

  1. 最新バージョンのテスト・ユーティリティーをダウンロード、インストール、および実行して、現行システムに問題がないことを確認します。 このツールの最新バージョンは、以下の Web サイトでダウンロードできます。

    http://www.ibm.com/support/docview.wss?uid=ssg1S4000585

  2. 最新のコードを www.ibm.com/storage/support/storwize/v3700 サイトからダウンロードします。
    • コードを CD に書き込む場合は、CD イメージをダウンロードする必要があります。
    • コードを CD に書き込まない場合は、インストール・イメージをダウンロードする必要があります。
  3. PuTTY scp (pscp) を使用して、アップデート・ファイルをノードにコピーします。
  4. アップデート・ファイルが正常にコピーされたことを確認します。
    更新を始める前に、以下の状況を理解しておいてください。
    • 以下の状態ではインストール・プロセスが失敗します。
      • リモート・システムにインストールされているコードが新規コードと互換性がない場合、またはシステム間通信エラーのために、コードに互換性があることをシステムが確認できない場合。
      • 更新処理の一環としてノードをリブートすることで、システムがシステム内の 1 つ以上のボリューム オフラインにすることを決定した場合。lsdependentvdisks コマンドを使用して、どのボリュームが影響を受けるかについての詳細を見つけることができます。アップデート中にデータへのアクセスが失われても対応できる場合は、force フラグを使用してこの制限を無効にすることができます。
    • アップデートは、ノード間の内部接続を使用してシステム内のすべてのノードに配布されます。
    • ノードは一度に 1 つずつ更新されます。
    • ノードは、通常のシステム・アクティビティーと並行して、新しいコードの実行を始めます。
    • ノードは、更新中、入出力グループの入出力アクティビティーには参加しません。 その結果、入出力グループ内のボリュームのすべての入出力アクティビティーは、ホスト・マルチパス・ソフトウェアによって、入出力グループ内のほかのノードに送られます。
    • ノードの更新から次の更新まで、30 分の遅延が設けられています。この遅延によって、更新されたノードへのパスをホスト・マルチパス・ソフトウェアが再発見する時間が得られます。入出力グループの別のノードが更新されるときにアクセスが失われることはありません。
    • 更新は、システム内のすべてのノードが新しいコード・レベルに正常に更新されるまでコミットされません。すべてのノードが新しいコード・レベルで正常に再始動されると、新しいレベルがコミットされます。 新しいレベルがコミットされると、システムの重要製品データ (VPD) は更新されて、新しいコード・レベルを反映します。
    • すべてのメンバー・ノードが更新され、更新がコミットされるまで待ってから、更新されたコードの新規機能を起動します。
    • 更新処理は若干時間がかかるため、インストール・コマンドは、コード・レベルがシステムによって検査されるとただちに完了します。更新の完了時点を判別するには、システムの VPD のコード・レベルを表示するか、あるいはエラー/イベント・ログでソフトウェア更新完了イベントを探す必要があります。ノードが新規コード・レベルで再始動できない場合、あるいはプロセスの他の時点に障害を起こした場合、コード・レベルは元に戻されます。
    • 更新中、各ノードのバージョン番号は、コードがインストールされ、そのノードが再始動された時点で更新されます。システムのコード・バージョン番号は、新規コード・レベルがコミットされると更新されます。
    • アップデートが開始すると、エラー・ログまたはイベント・ログで項目が作成され、アップデートが完了または失敗したときにも項目が作成されます。
  5. この CLI コマンドを発行して、アップデート・プロセスを開始します。
    applysoftware -file software_update_file

    ここで、software_update_file は、ステップ 3 でファイルをコピーした先のディレクトリー内のコード・アップデート・ファイルの名前です。

    システムのアップデートの一部としてノードをリブートした結果、いずれかのボリュームがオフラインになることがシステムで識別される場合、コードのアップデートは開始されません。識別された問題に関係なく更新を続行するよう指示するために、オプションの force パラメーターを使用できます。 force パラメーターを使用すると、続行することを確認するためのプロンプトが出されます。 force パラメーターの動作が変更され、イベント・ログにエラーがあるシステムに対して更新を適用する際に、このパラメーターは不要になりました。
  6. バージョン 7.4.0 より前のリリースから更新している場合は、次の CLI コマンドを発行してコード・アップデート・プロセスの状況を確認します。
    svcinfo lssoftwareupgradestatus
    このコマンドは、アップデートの完了時に inactive と表示します。
    注: stalled_non_redundant という状況が表示された場合、 残りのノードのセットの更新を続行すると、ボリュームがオフラインになる場合があります。サービス担当員に連絡して、更新を完了してください。
  7. バージョン 7.4.0 以降から更新している場合は、次の CLI コマンドを発行してコード更新プロセスの状況を確認します。
    lsupdate
    このコマンドは、アップデートの完了時に success と表示します。
    注: stalled_non_redundant という状況が表示された場合、 残りのノードのセットの更新を続行すると、ボリュームがオフラインになる場合があります。サービス担当員に連絡して、更新を完了してください。
  8. バージョン 7.4.0 より前のリリースから更新した場合は、状況メッセージ system_completion_required を受け取ります。 更新処理を完了するには、コマンド applysoftware -complete を発行します。このコマンドが実行された後、lsupdate を実行して、更新の実行の進行状況を確認できます。
  9. アップデートが正常に完了したことを確認するには、システム内のノードごとに lsnodecanistervpd CLI コマンドを発行します。 「コード・バージョン (code version)」フィールドに、新しいコード・レベルが表示されます。

タスクの結果

新規コード・レベルが適用されると、そのレベルがシステム内のすべてのノードに自動的にインストールされます。
注: 自動的なシステム更新には、最大で 1 ノードにつき 30 分かかることがあります。