オフロード・データ転送に関する問題の解決
システム上で Microsoft のオフロード・データ転送 (ODX) が有効になっているときに、問題が発生する可能性があります。以下の手順は、発生する可能性のあるいくつかの一般的な問題に対処する上で役立ちます。
システム上で ODX が有効になっているときに、以下の問題が発生する可能性があります。
- ODX が 1 つ以上のボリュームに対して機能していないか、または ODX が Microsoft Windows から開始されていない。
- ODX のパフォーマンスが予想どおりでない。
- 既存の読み取り/書き込みワークロードの待ち時間が増大する
ODX が 1 つ以上のボリュームに対して機能していない
ODX が 1 つ以上のボリュームに対して機能していない場合は、以下の手順を実行します。
- 特定のボリュームが NTFS フォーマット設定されているかどうかを確認します。NTFS ボリュームのみが ODX 対応です。
- 関与するソース・ボリュームと宛先ボリュームの両方が同じ IBM® ディスク・アレイからのものであることを確認します。 ODX は、同じ Storwize® V3700 クラスター化システムによってサービス提供されている任意の 2 つのボリューム間で開始できます。
- ODX が有効に設定されているかどうか、あるいは ODX をサポートしないフィルターがないかを確認します。
- レジストリー値を確認して、ODX が有効に設定されているかどうかを判別します。
コマンド Get-ItemProperty hklm:¥system¥currentcontrolset¥control¥filesystem -Name "FilterSupportedFeaturesMode" を実行して、レジストリー値を入手します。例えば、Windows PowerShell コマンド・プロンプトで、次のように入力します。
値が 0 の場合、ODX は有効です。値が 1 の場合、ODX は無効です。PS C:\Users\Administrator> Get-ItemProperty hklm:\system\currentcontrolset\control\filesystem -Name "FilterSupportedFeaturesMode" FilterSupportedFeaturesMode : 0
- ODX が無効の場合、次のコマンドを実行して、有効にします。
Set-ItemProperty hklm:\system\currentcontrolset\control\filesystem -Name "FilterSupportedFeaturesMode" -Value 0
- レジストリー値を確認して、ODX が有効に設定されているかどうかを判別します。
コマンド Get-ItemProperty hklm:¥system¥currentcontrolset¥control¥filesystem -Name "FilterSupportedFeaturesMode" を実行して、レジストリー値を入手します。
- ボリュームに接続されているファイル・システム・フィルター・ドライバーが ODX をサポートしているか確認します。特定の Windows フィルターは ODX をサポートしません。これらのフィルターが特定のボリューム (1 つまたは複数) に対して有効に設定されている場合、Windows は ODX を開始しません。
- ファイル・システム・フィルター・ドライバーのオプトイン状況を確認するために、ODX の実行対象としたいボリュームに接続されているファイル・システム・フィルター・ドライバーをすべてリストします。Windows PowerShell セッションを管理者として開き、次のコマンドを入力します。ここで、volume は、対象のボリュームのドライブ名です。
例えば、構成が正しいかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。ここで、volume は、NTFS にフォーマット設定されている VDisk のドライブ名です。Fltmc instances -v volume
以下に、結果の出力例を示します。Fltmc instances -v F:
Instances for F: volume: Filter Altitude Instance Name Frame SprtFtrs -------------- ------------ ---------------------- ----- -------- TSFairShare 400010 TSFairShare Instance 0 00000000 --> Shows ODX incapability. You need to disable this filter. PROCMON23 385200 Process Monitor 23 Instance 0 00000003 --> The "3" in the end means ODX read/write capability.
- ファイル・システム・フィルター・ドライバーのオプトイン状況を確認するために、ODX の実行対象としたいボリュームに接続されているファイル・システム・フィルター・ドライバーをすべてリストします。
- Windows が ODX を開始していることを確認します。ご使用の Windows ホストから ODX が実際に開始されていることを確認するには、以下の手順を実行します。
- Microsoft プロセス・モニターをインストールします。
- ODX を試みる前に、Microsoft プロセス・モニターを開始して、キャプチャーを開始します。
- Microsoft プロセス・モニターが作動可能になったら、ODX を開始する操作を開始します。
- 以下のコマンドのプロセス・モニター・キャプチャーを検索します。
FSCTL_OFFLOAD_WRITE FSCTL_OFFLOAD_READ
注: Windows は、256 K を超える転送についてのみ ODX を開始します。
ODX のパフォーマンスが予想どおりでない。
ODX のパフォーマンスは、さまざまなパラメーターに依存します。
- 前のセクションで概説された手順を使用して、ODX がコピー操作のために開始されていることを確認します。
- ODX は開始されているが、パフォーマンスが最適でないように見える場合は、オフロード・コピーに関与するソース・ボリュームと宛先ボリュームの両方について、以下のことを確認します。
- 同じ IBM ディスク・アレイによってサービス提供されているか (アレイ間 ODX はサポートされません)。
- NTFS クラスター・サイズは、32 K 以上 (すなわち、32 K 割り振り単位以上) であるか
- オフロード・パフォーマンスは、以下のようなさまざまなパラメーターによって異なります。
- 他のワークロードによるコントローラー側の使用状況。
- Windows がオフロード操作を並列で開始するかどうか。
既存の読み取り/書き込みワークロードの待ち時間が増大する
コピー・ワークロードが高い場合、コピー以外のワークロードの待ち時間が長くなる可能性があります。オフロード・ジョブは、サイズが大きくなり、より高速で完了する傾向があるため、待ち時間が発生します。そのため、特定のタイム・スライスに、より多くのコントローラー・リソースが必要になります。コピー・オフロードの利点よりも、コピー・オフロードに起因する追加の待ち時間が既存のワークロードで発生しないようにすることを優先する場合は、以下のオプションを検討してください。
- オフロード・コピーを収容するように計画されている容量を再考する。注: ホスト側 CPU/ネットワーク帯域幅は ODX によって解放されますが、コントローラーにオフロードされるコピー作業の量によっては、ODX は待ち時間を増やす可能性があります。
- CLI を使用して、システム全体の ODX を無効にする。