1627   クラスターは、コントローラー接続で冗長度が不足しています。

説明

クラスターは、ディスク・コントローラーへの接続に関して冗長度が不足していることを検出しました。 このことは、SAN での別の障害により、アプリケーション・データへのアクセスが失われる可能性があることを意味します。 クラスター SAN 環境では、どのディスク・コントローラーに対しても冗長な接続を持つ必要があります。 この冗長度により、SAN コンポーネントのいずれか 1 つで障害が発生したときでも、連続運用が可能になります。

推奨する冗長度を備えるには、クラスターは以下が達成できるように構成する必要があります。

  • 各ノードは、ノード上の 2 つ以上のイニシエーター・ポートを介して、それぞれのディスク・コントローラーにアクセスできる。
  • 各ノードは、2 つ以上の異なるコントローラー・ターゲット・ポートを介して、それぞれのディスク・コントローラーにアクセスできる。注: ディスク・コントローラーの中には、単一のターゲット・ポートのみを持つものがあります。
  • 各ノードは、ノード上にある少なくとも 1 つのイニシエーター・ポートを介して、それぞれのディスク・コントローラーのターゲット・ポートにアクセスできる。

より優先順位の高いエラーが報告されていない場合、このエラーは通常、SAN 設計上の問題、SAN ゾーニングの問題、またはディスク・コントローラーの問題を示しています。

SAN またはディスク・コントローラーに関して、より優先順位が高くて未修正のエラーがある場合は、そのようなエラーは冗長度の不足に対する理由を示していることがあるので、このエラーを解決する前にそれらを修正する必要があります。以下は、修正の必要があるエラー・コードです。

  • 1210 ローカル FC ポートは除外されました
  • 1230 ログインが排除されました。

注: ディスク・コントローラーの計画的再構成の後、あるいは SAN の再ゾーニングの後で、必要なアクション (新規 MDisk に対するファイバー・チャネル・ネットワークの再スキャン) が実行されなかった場合に、このエラーが報告される場合があります。

1627 のエラー・コードは、異なる多数のエラー ID で報告されます。エラー ID は、冗長度の不足している領域を示します。イベント・ログのエントリーで報告されるデータは、状態が検出された場所を示しています。

エラー ID の意味は、以下のとおりです。各エラー ID について、最も可能性の高い理由を説明します。示唆する領域に問題が検出されない場合は、構成および SAN コンポーネント (スイッチ、コントローラー、ディスク、ケーブルおよびクラスター) すべての状態を確認して、Single Point of Failure の存在する場所を識別します。

010040 ディスク・コントローラーへアクセスできるのは、単一のノード・ポートからのみです。

  • ノードには、2 つ以上の作動可能なイニシエーター・ポートがあるが、ディスク・コントローラーへの接続に使用できるのは、ただ 1 つのイニシエーター・ポートのみであることが検出されました。
  • エラー・データは、装置の WWNN および接続されているポートの WWPN を示します。
  • ゾーニングの問題またはファイバー・チャネルの接続ハードウェアの障害がこの状態を起こすことがあります。

010041 ディスク・コントローラーへアクセスできるのは、コントローラーの単一ポートを介してのみです。

  • 2 つ以上のターゲット・ポートへの接続を想定したが、ノードは、ディスク・コントローラーのただ 1 つのターゲット・ポートにのみ接続していることを検出しました。
  • エラー・データは、接続しているディスク・コントローラー・ポートの WWPN を示します。
  • ゾーニングの問題またはファイバー・チャネルの接続ハードウェアの障害がこの状態を起こすことがあります。

010042 クラスター内のどのノードからでも、ディスク・コントローラーのただ 1 つのポートにのみアクセス可能です。

  • コントローラーには接続可能なポートは複数あるが、どのノードもアクセスできるのは、ディスク・コントローラーの単一ポートのみです。
  • エラー・データは、接続しているディスク・コントローラー・ポートの WWPN を示します。
  • ゾーニングの問題またはファイバー・チャネルの接続ハードウェアの障害がこの状態を起こすことがあります。

010043 ディスク・コントローラーには、以前に構成済みのコントローラー・ポートの半分以下を介してのみ、アクセス可能です。

  • ディスク・コントローラーにはアクセス可能な複数のポートがありますが、コントローラーのハードウェア・コンポーネントが失敗したか、あるいは SAN ファブリックが失敗したために、作動可能なシステム構成が Single Point of Failure になりました。
  • エラー・データは、依然として接続されているディスク・コントローラーのポートを示すとともに、想定しているが接続されていないコントローラーのポートをリストします。
  • ディスク・コントローラーの問題、スイッチ・ハードウェアの問題、ゾーニングの問題またはケーブルの障害が、この状態を起こすことがあります。

010044 ノードからディスク・コントローラーにアクセスできません。

  • ノードは、ディスク・コントローラーにアクセスできないことを検出しました。入出力グループ内のパートナー・ノードからは、依然としてこのコントローラーにアクセス可能なので、ホスト・アプリケーションはこのデータに依然としてアクセスできます。
  • エラー・データは、欠落したディスク・コントローラーの WWPN を示します。
  • ゾーニングの問題または配線エラーがこの状態を起こすことがあります。

010117 サイト・ポリシーによってデバイスへのアクセスが許可されたノードからディスク・コントローラーにアクセスすることはできません

  • サイト・ポリシーによってデバイスへのアクセスが許可されたノードからディスク・コントローラーにアクセスすることはできません。 ディスク・コントローラーに複数の WWNN がある場合、そのディスク・コントローラーには、引き続き他のいずれかの WWNN を使用してノードからアクセス可能です。
  • エラー・データは、アクセス不能なディスク・コントローラーの WWNN を示します。
  • ゾーニングの問題またはファイバー・チャネルの接続ハードウェアの障害がこの状態を起こすことがあります。

ユーザーの処置

  1. エラーの詳細な説明については、エラー ID とデータを確認します。
  2. 示されているディスク・コントローラーに対するクラスターのアクセスを低下させるような、SAN ゾーニングまたはディスク・コントローラーの構成に対する意図的な変更があったかどうか判別します。いずれかのアクションがなされていた場合は、ステップ 8 に進みます。
  3. GUI または CLI コマンド lsfabric を使用して、ディスク・コントローラーの WWPN がすべて想定されたとおりに報告されていることを確認します。
  4. クラスターが使用できるように、ディスク・コントローラーの WWPN がすべて適切にゾーニングされていることを確認します。
  5. ディスク・コントローラーに未修正エラーがあるかどうか検査します。
  6. ファイバー・チャネル・ケーブルのすべてが、両端で正しいポートに接続されていることを確認します。
  7. ファイバー・チャネル・ケーブルおよびコネクターに障害がないか検査します。
  8. 問題を解決した後で、GUI または CLI コマンド detectmdisk を使用して、MDisk への変更がないかファイバー・チャネル・ネットワークを再スキャンします。 注: 問題がすべて修正されたことが確実でない限り、MDisk の検出を試行しないでください。MDisk を検出することで、問題が早めに マスクされてしまう場合があります。
  9. 修復したばかりのエラーに、修正済みとしてマークを付けます。クラスターは、冗長度を再検証して、依然として冗長度が不足している場合は、別のエラーを報告します。
  10. MAP 5700 (修復の検証) に進みます。

考えられる原因 - FRU またはその他:

  • なし