ホスト・マッピング

ホスト・マッピングは、どのホストがシステム内の特定のボリュームにアクセスするかを制御するプロセスです。

ホスト・マッピングは、 概念上、論理装置番号 (LUN) のマッピングまたはマスキングに似ています。 LUN マッピングは、どのホストがディスク・コントローラー内の特定の論理装置 (LU) にアクセスするかを制御するプロセスです。 LUN マッピングは、通常ストレージ・システムのレベルで行われます。 ホスト・マッピングは、ソフトウェアのレベルで行われます。

ボリュームをホストにマッピングすると、ボリュームはそのホスト・オブジェクト内に構成されている WWPN または iSCSI 名 (iSCSI 修飾名 (IQN) や拡張固有 ID (EUI) など) にアクセス可能になります。

各ホスト・マッピングは、ボリュームをホスト・オブジェクトに関連付けて、ホスト・オブジェクトのすべての WWPN および iSCSI 名がボリュームにアクセスする方法を提供します。ボリュームを複数のホスト・オブジェクトにマップすることができます。マッピングが作成されている場合、ホストから、ボリュームを提示しているノードへの、SAN ファブリックまたはイーサネット・ネットワークを経由する複数のパスが存在する可能性があります。マルチパス・デバイス・ドライバーがない場合、大半のオペレーティング・システムは、ボリュームへの各パスを別々のストレージ・デバイスとして提示します。マルチパス・ソフトウェアは、ボリュームに使用可能な多数のパスを管理し、単一のストレージ・デバイスをオペレーティング・システムに提示します。 複数のパスがある場合、システムを使用するには、ホストでマルチパス・ソフトウェアが実行されている必要があります。

注: ノードの iSCSI 名および関連の IP アドレスは、入出力グループ内のノード間でのフェイルオーバーが可能です。これにより、一部の環境ではマルチパス・ドライバーの必要がなくなります。ただし、高可用性を提供するために、マルチパス・ドライバーを使用することが推奨されます。

ボリュームをホストにマップするときに、オプションで SCSI ID をボリュームに対して指定することができます。 この ID は、ボリュームがホストに提示される順序を制御します。 連続した設定が必要とされる場合もあるため、ホスト・ソフトウェアの SCSI ID に関する要件を確認してください。例えば、ユーザーが 3 つのボリュームをホストに提示していて、これらのボリュームの SCSI ID が 0、1、および 3 である場合、2 の ID でマップされているディスクがないために、3 の ID をもつボリュームが見つからないことがあります。クラスター化システムは、何も指定されないと、自動的に使用可能な最低の SCSI ID を割り当てます。

図 1 および 図 2 は、2 つのボリュームと、ホスト・オブジェクトとそれらのボリュームとの間のマッピングを示しています。

図 1. ホスト、WWPN、IQN または EUI、およびボリューム
この図には、周囲に説明テストがあります。
図 2. ホスト、WWPN、IQN または EUI、ボリューム、および SCSI のマッピング
この図には、周囲に説明テストがあります。

LUN マスキングは通常、各ホスト上のデバイス・ドライバー・ソフトウェアに実装されます。 ホストには、使用する意図のあるものより多くの LUN が可視となるため、デバイス・ドライバー・ソフトウェアは、このホストで使用される予定のない LUN をマスクします。 マスキングが完了すると、オペレーティング・システムからは一部のディスクしか見えません。 Storwize® V3700では、すべてのボリュームをすべてのホスト・オブジェクトにマップし、オペレーティング・システム固有の LUN マスキング・テクノロジーを使用することにより、このタイプの構成をサポートできます。 ただし、デフォルトの推奨されているシステム動作は、ホストがアクセスする必要があるボリュームのみをマップすることです。