自動データ配置

IBM® Easy Tier® がシステム上でアクティブである場合、Easy Tier は、各ストレージ・エクステントのデータに対するホスト・アクセス・アクティビティーを測定します。また、高アクティビティーのエクステントを判別するマッピングを提供し、再配置計画アルゴリズムに従って高アクティビティーのデータを移動します。

データを自動的に再配置するために、Easy Tier は以下のプロセスを開始します。
  1. ボリュームのホスト・アクセスをモニターし、連続 24 時間にわたり、入出力アクティビティーについて各エクステントの平均使用量の統計を収集する。
  2. 各エクステントの入出力アクティビティーの量を分析して、そのエクステントを、パフォーマンスの高いフラッシュ・ドライブ (flash drive) 層との間でのマイグレーションの候補にするかどうかを判別する。
  3. ストレージ・プールごとにエクステント再配置計画を作成し、そのストレージ・プール内の正確なデータ再配置を決定する。その後、Easy Tier は計画に従ってデータを自動的に再配置します。
ボリュームのエクステントを再配置する際、Easy Tier は以下のアクションに従って処理を実行します。
  • 最もアクティブなボリューム・エクステントのマイグレーションを最初に試みる。
  • 計画の変化につれて、タスク・リストをリフレッシュする。 前の計画およびまだ再配置されていない待機中のエクステントの処理は破棄されます。
複数のストレージ層があるストレージ・プールに対しては、デフォルトで自動データ配置が使用可能に設定されます。 自動データ配置を使用可能に設定すると、デフォルトにより、ストライピングされたボリュームはすべて自動データ配置の候補になります。イメージ・モード・ボリュームおよび順次ボリュームは、自動データ配置の候補には決してなりません。自動データ配置が使用可能に設定されると、ボリュームが自動データ配置の候補であるかどうかに関係なく、すべてのボリュームに対して入出力モニターが実行されます。自動データ配置が使用可能に設定され、再配置の条件を満たすのに十分なアクティビティーがある場合、エクステントは、使用可能化後 1 日以内に再配置されます。各ストレージ・プールおよび各ボリュームの設定を使用して、Easy Tier 自動データ配置および入出力アクティビティー・モニターを使用可能または使用不可にするかどうかを制御できます。 以下のリストに示すコマンドのうち、ストレージ・プールの設定を作成または変更できる各コマンドは、両方の Easy Tier 機能を使用可能または使用不可に設定できます。ボリュームの設定を作成または変更できるコマンドは、自動データ配置がストレージ・プールに対して使用可能に設定されていれば、自動データ配置を使用可能または使用不可に設定できます。 以下のコマンド・ライン・インターフェース (CLI) コマンドを使用して、自動データ配置を制御または表示することができます。
addvdiskcopy
ミラーリングされていないボリュームをミラーリングされたボリュームに変更することによって、既存のボリュームにコピーを追加します。
chmdiskgrp
ストレージ・プールの属性を変更します。Easy Tier の評価モードまたは入出力モニターをオンにし、複数のストレージ層が含まれているストレージ・プールに対して Easy Tier 機能をオフにする場合に、このコマンドを使用できます。
注: 自動データ配置がストレージ・プールに対してアクティブになっている場合は、そのストレージ・プールの警告しきい値を設定してください。 ストレージ・プールが 100% 使用されると、自動データ配置は機能することができません。
chvdisk
ボリュームの属性を変更します。
lsmdiskgrp
ストレージ・プール情報をリストします。
lsvdisk
ボリューム情報をリストします。
lsvdiskcopy
ボリューム・コピー情報をリストします。
mkmdiskgrp
ストレージ・プールを作成します。
mkvdisk
順次、ストライプ、またはイメージ・モードのボリュームを作成します。

あるボリュームまたはストレージ・プールに対する自動データ配置を使用不可にしたい場合は、easytier 属性を off に設定してください。