FlashCopy、ボリューム・ミラーリング、およびシン・プロビジョニングボリュームのストレージ・システム要件

FlashCopy®、ボリューム・ミラーリング、およびシン・プロビジョニングボリュームをストレージ・システムに使用すると、ローカル・クラスター化システム 上のアプリケーションのパフォーマンスに影響が及ぶことがあります。

FlashCopy、ボリューム・ミラーリング、およびシン・プロビジョニングボリュームの各機能はすべて、システムのパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。 この影響は、入出力のタイプによって異なり、表 1 からの加重係数を使用して見積もられます。

FlashCopy マッピングは、ロードされる複数のボリュームストレージ・プールに効率的に追加します。 ミラーリングされたボリューム、およびシン・プロビジョニングボリュームが及ぼす影響の見積もりは、表 1 にも示してあります。この見積もりでは、シン・プロビジョニングボリュームは完全に割り振られたボリュームの約 80% の容量で稼働し、ミラーリングされたボリュームは 1 つのコピーから読み取ってすべてのコピーに書き込むことを前提としています。
表 1. FlashCopy、ボリューム・ミラーリング、およびシン・プロビジョニングボリュームがパフォーマンスに及ぼす影響の見積もり
(ボリュームへの)入出力のタイプ 入出力加重に
対する影響
FlashCopy の
加重
ボリューム・ミラーリングの加重 シン・プロビジョニングの加重
なしまたは最小 ほとんど影響なし 0 0 0
読み取り専用 ほとんど影響なし 0 0 0.25 * Sv
順次読み取り/書き込み 最大 2 倍の入出力 2 * F C−V 0.25 * Sc
ランダム読み取り/書き込み 最大 15 倍の入出力 14 * F C−V 0.25 * Sc
ランダム書き込み 最大 50 倍の入出力 49 * F C−V 0.25 * Sc
注:
  • 2 つの FlashCopy マッピングがあり、それらのボリュームへのランダム読み取り/書き込みを行うストレージ・プールでは、加重係数は 14 * 2 = 28 です。
  • 10 個のコピーがあるストレージ・プールで、その内の 5 個がボリュームの 1 次コピーである場合、加重係数 10−5 = 5 が適用されます。 コピーがシン・プロビジョニング・ボリュームである場合、追加の加重係数として 0.25 * 10 = 2.5 が適用されます。
キー:
C
このストレージ・プール内のボリューム・コピーの数
V
このストレージ・プール内で、1 次コピーを持つボリュームの数
F
このストレージ・プール内でコピーを持つボリュームに影響を与える FlashCopy マッピングの数
Sv
このストレージ・プールに含まれる、ボリュームの 1 次コピーであるシン・プロビジョニングボリューム・コピーの数
Sc
このストレージ・プールに含まれるシン・プロビジョニングボリューム・コピーの数
ボリューム当たりの平均入出力速度を計算するには、次の式を使用します。
入出力速度 = (入出力容量) / ( V + FlashCopy の加重係数 +
ボリューム・ミラーリングの加重係数 + シン・プロビジョニングの加重係数) 
例えば、入出力容量 5250、FlashCopy 加重 28、ミラーリング加重 5、およびシン・プロビジョニング加重 0.25 とする 20 個のボリュームがあるとします。 ボリューム当たりの入出力速度は 5250 / (20 + 28 + 5 + 2.5) = 94.6 です。 この見積もりは、ボリューム当たりの平均入出力率です。例えば、ボリュームの半分が 200 IOP (毎秒の入出力操作数) で実行でき、残りの半分が 20 IOP で実行できます。 しかし、平均負荷が 94.6 であるので、これによりシステムは過負荷になりません。

この例でボリュームへの平均入出力速度が 94.6 を超える場合、システムは過負荷になります。 おおよそのガイドラインとして、高い入出力速度は 200、中間入出力速度は 80、低い入出力速度は 10 です。

ボリューム・ミラーリングでは、1 つのボリュームが、異なるストレージ・プール内に複数のコピーを持つことができます。 このようなボリュームの入出力速度は、そのストレージ・プールのそれぞれから計算された最小入出力速度です。

システム・ストレージが過負荷になる場合、一部のボリュームを、使用可能な容量を持つストレージ・プールにマイグレーションすることができます。

注: フラッシュ・ドライブ は、 ノードに フラッシュ・ドライブ が追加されるたびに 大幅に増えるノード全体のスループットを除いて、 これらの計算から外されます。