mkfcmap

mkfcmap コマンドを使用して、後続のコピーのためにソース・ボリュームをターゲット・ボリュームにマップする、新しい FlashCopy® マッピングを作成します。

構文

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>>- mkfcmap -- -- -source --+- src_vdisk_id ---+-- ------------->
                            '- src_vdisk_name -'      

>-- -target --+- target_vdisk_id ---+-- ------------------------>
              '- target_vdisk_name -'      

>--+-------------------------+-- ------------------------------->
   '- -name -- new_name_arg -'      

>--+-----------------------------------------+-- --------------->
   '- -consistgrp --+- consist_group_id ---+-'      
                    '- consist_group_name -'        

>--+---------------------+-- --+---------------+---------------->
   '- -copyrate -- rate -'     '- -autodelete -'   

>--+-------------------------+--+----------------+-------------->
   '- -grainsize --+- 64 --+-'  '- -incremental -'   
                   '- 256 -'                         

>--+--------------------------+--------------------------------->
   '- -cleanrate ---- rate ---'   

>--+------------------------------+--+---------------+---------><
   '- -iogrp --+- iogroup_name -+-'  '- -keeptarget -'   
               '- iogroup_id  --'                        

パラメーター

-source src_vdisk_id | src_vdisk_name
(必須) ソース・ボリュームの ID または名前を指定します。
-target target_vdisk_id | target_vdisk_name
(必須) ターゲット・ボリュームの ID または名前を指定します。
-name new_name_arg
(オプション) 新規マッピングに割り当てる名前を指定します。
-consistgrp consist_group_id | consist_group_name
(オプション) 新規マッピングを追加する整合性グループを指定します。 整合性グループを指定しない場合、マッピングは独立型マッピングとして扱われます。
-copyrate rate
(オプション) コピー速度を指定します。rate 値は 0 から 100 までです。 デフォルト値は 50 です。 0 の値はバックグラウンド・コピー・プロセスを実行しないことを示します。 サポートされる -copyrate 値および対応する速度については、表 1 を参照してください。
-autodelete
(オプション) バックグラウンド・コピーが完了したらマッピングを削除することを指定します。デフォルトでは (このパラメーターが入力されない場合に適用される)、autodelete はオフに設定されます。
-grainsize 64 | 256
(オプション) マッピングのグレーン・サイズを指定します。デフォルト値は 256 です。この値は、いったん設定すると変更できません。
要確認: ソース・ディスクまたはターゲット・ディスクのどちらかに圧縮コピーが含まれている場合、デフォルト値は 64 です (ソース・ディスクまたはターゲット・ディスクがグレーン・サイズ 256 KB のマッピングに含まれていない限り)。
-incremental
(オプション) FlashCopy マッピングを差分コピーとしてマークします。 デフォルトは、非差分です。この値は、いったん設定すると変更できません。
-cleanrate rate
(オプション) マッピングのクリーニング速度を設定します。rate 値は 0 から 100 までです。 デフォルト値は 50 です。
-iogrp  iogroup_name  |  iogroup_id 
(オプション) FlashCopy ビットマップの入出力グループを指定します。この値は、いったん設定すると変更できません。 デフォルトの入出力グループは、ソース・ボリューム (ターゲット・マップが 1 つだけの場合) か、ソース VDisk またはターゲット・ボリュームが所属する他の FlashCopy マッピングの入出力グループです。
注: このコマンドの完了に使用可能なビットマップ・スペースが十分でない場合、自動的にビットマップ・メモリーで割り振られるスペースが増えます (最大ビットマップ・メモリーにまだ達していない場合)。
 -keeptarget 
(オプション) ターゲット・ボリュームとソース・ボリュームの可用性を同一に維持することを指定します。ターゲットが使用不可になった場合には、ソースも使用不可にされます (FlashCopy マッピングの停止ではありません)。

説明

このコマンドは、新しい FlashCopy マッピングを作成します。 このマッピングは、手動で削除されるまで、あるいはバックグラウンド・コピーが完了したときに自動的に削除されるまで (autodelete パラメーターがオンに設定されている場合) 保持されます。 mkfcmap コマンドには、ソースおよびターゲット・ボリュームを指定する必要があります。 mkfcmap コマンドは、ソースおよびターゲット・ボリューム のサイズが同じでない場合には失敗します。 作成するターゲット・ディスクのサイズを対応するソース VDisk と同じにするために、lsvdisk -bytes コマンドを発行して、このソース・ボリュームの正確なサイズを調べます。 既存の FlashCopy マッピングにあるターゲット・ボリュームは、ターゲット・ボリュームとして指定できません。 接続済みマッピングの結果セットのマッピングの数が 256 を超える場合は、マッピングを作成できません。

オプションでマッピングに名前を付け、整合性グループに割り当てることができます。これは、単一のコマンドで開始できるマッピングのグループになります。これらのマッピング・グループは、同時に処理できます。複数のボリュームを同時にコピーできるので、複数のディスクの整合コピーが作成されます。 この複数のディスクの整合コピーは、データベースとログ・ファイルが異なるディスクに配置されている一部のデータベース製品で必要になります。

指定したソース VDisk およびターゲット・ボリュームが、それぞれ既存マッピングのターゲット・ボリュームおよびソース・ボリュームである場合、作成されるマッピングと既存マッピングはパートナーになります。 あるマッピングが差分マッピングとして作成された場合、そのパートナーは自動的に差分マッピングになります。 1 つのマッピングはパートナーを 1 つだけ持つことができます。

以下のいずれかの条件が該当する場合を除き、メトロ・ミラー関係またはグローバル・ミラー関係のメンバーであるターゲット・ボリュームを使用する FlashCopy マッピングを作成することができます。
  • 以前のコード・レベルを実行しているクラスター化システムとの関係である。
  • マッピングの入出力グループが、指定されたマッピングのターゲット・ボリュームの入出力グループと異なっている。

copyrate パラメーターは、コピー速度を指定します。0 を指定した場合、バックグラウンド・コピーは使用不可になります。cleanrate パラメーターは、ターゲット・ボリュームのクリーニング率を指定します。 クリーニング・プロセスがアクティブになるのは、マッピングがコピー中状態でバックグラウンド・コピーが完了している場合か、マッピングがコピー中状態でバックグラウンド・コピーが使用不可の場合、またはマッピングが停止中状態の場合のみです。 マッピングが「コピー中」状態のときは、cleanrate パラメーターを 0 に設定するとクリーニングを使用不可にできます。 cleanrate0 に設定した場合、マッピングが「停止中」状態のときクリーニング・プロセスはデフォルト率 50 で実行され、停止操作は確実に完了します。

要確認: 指定されたソース・ボリュームまたはターゲット・ボリュームのいずれかが関係の変更ボリュームとして定義されている場合、このコマンドを発行することはできません。

以下の表に、コピー速度 (copyrate) およびクリーニング速度 (cleaningrate) の値と、1 秒当たりに分割が試行されるグレーン数の関係を示します。グレーンは、単一のビットによって表されるデータの単位です。

表 1. クリーニングレート、データ・レート、および 1 秒当たりのグレーン数の値の関係
ユーザー指定のクリーニングの属性値 コピーされるデータ/秒 256 KB グレーン/秒 64 KB グレーン/秒
1 から 10 128 KB 0.5 2
11 から 20 256 KB 1 4
21 から 30 512 KB 2 8
31 から 40 1 MB 4 16
41 から 50 2 MB 8 32
51 から 60 4 MB 16 64
61 から 70 8 MB 32 128
71 から 80 16 MB 64 256
81 から 90 32 MB 128 512
91 から 100 64 MB 256 1024
注: このコマンドが指定された場合、rc_controlled 状態のマップはビューに表示されません。

呼び出し例

mkfcmap -source 0 -target 2 -name mapone

結果出力

FlashCopy Mapping, id [1], successfully created

呼び出し例

mkfcmap -source 0 -target 2 -name mapone -keeptarget

結果出力

FlashCopy Mapping, id [1], successfully created