アクティブ - アクティブ (HyperSwap) メトロ・ミラー およびグローバル・ミラーの整合性グループ

いくつかのメトロ・ミラー関係またはグローバル・ミラー関係を同時に更新できるように、それらの関係を整合性グループとしてまとめることができます。整合性グループに対して発行されたコマンドが、そのグループ内のすべての関係に同時に適用されます。

メトロ・ミラー関係またはグローバル・ミラー関係は、「緩やかな (loose)」関連または「緊密な (tight)」関連を基にすることができます。メトロ・ミラー関係またはグローバル・ミラー関係は、「緩やかな (loose)」関連または「緊密な (tight)」関連を基にすることができます。緊密な関連をもつボリュームが関係に含まれている場合、整合性グループはより重要な目的に使用されます。緊密な関連の単純な例としては、アプリケーションのデータが複数のボリュームに行き渡っている場合です。さらに複雑な例は、複数のアプリケーションが別々のホスト・システム上で実行されている場合です。 各アプリケーションのデータは別々のボリューム上にあり、これらのアプリケーションは相互にデータを交換します。どちらの例でも、関係を更新する方法について特定の規則が存在します。この規則により、2 次ボリュームのセットに使用可能なデータが入っていることが保証されます。重要な特性は、これらの関係が整合していることです。

メトロ・ミラー関係、またはグローバル・ミラーは、1 つの 整合性グループにのみ属することができますが、必ずしも整合性グループに属する必要はありません。 整合性グループの部分ではない関係は、独立型関係と呼ばれます。 整合性グループは、関係を含まないことも、1 つ以上の関係を含むこともできます。 整合性グループ内のすべての関係には、一致する 1 次 (マスター) および 2 次 (補助) のシステムまたはサイトが存在する必要があります。整合性グループ内のすべての関係は、また、同じコピーの方向と状態をもっている必要があります。

メトロ・ミラー関係またはグローバル・ミラー関係は、同じ整合性グループに属することはできません。コピー・タイプは、最初の関係が整合性グループに追加された際に、その整合性グループに自動的に割り当てられます。整合性グループがコピー・タイプに割り当てられた後に、そのコピー・タイプの関係だけを整合性グループに追加することができます。異なるサイクル・モードのグローバル・ミラー関係は、同じ整合性グループに属することはできません。

システムは、以下のタイプの関係と整合性グループをサポートします。
  • メトロ・ミラー
  • グローバル・ミラー、変更ボリュームなし (サイクル・モードは「なし」に設定)
  • 変更ボリュームを使用するグローバル・ミラー (サイクル・モードを「複数」に設定)
必要に応じて、メトロ・ミラーまたはグローバル・ミラーのリモート・コピー関係または整合性グループを別のタイプで再作成することなく、その関係または整合性グループのコピー・タイプを変更することができます。例えば、長距離リンクの待ち時間がホストのパフォーマンスに影響を与える場合は、コピー・タイプをグローバル・ミラーに変更すると、待ち時間の長いリンク上でホストのパフォーマンスを向上させることができます。マルチサイクル・モードを持つグローバル・ミラー関係では、変更は追跡され、中間変更ボリュームにコピーされます。帯域幅の所要量を減らすために、変更は定期的に 2 次サイトに送信されます。メトロ・ミラー関係またはグローバル・ミラー関係、あるいは整合性グループを変更ボリュームのあるグローバル・ミラーを持つグローバル・ミラー (「Multiple」に設定されたサイクル・モード) に変更する場合は、関係または整合性グループで使用されるマスター・ボリュームと補助ボリュームの両方で変更ボリュームを作成する必要があります。
注: HyperSwap® (アクティブ - アクティブ) 関係や整合性グループのタイプは変更できません。
可能な関係の方向:
  • システム内
  • ローカル・システムからリモート・システム
  • リモート・システムからローカル・システム

メトロ・ミラーおよびグローバル・ミラーの整合性グループの状態

表 1 は、メトロ・ミラー および グローバル・ミラー 整合性グループ状態を説明しています。
表 1. メトロ・ミラーおよびグローバル・ミラーの整合性グループの状態
管理 GUI アイコン1 状態 説明
メトロ・ミラーの不整合 (停止済み) 状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーの不整合 (停止済み) 状態を示すアイコン (2/2)。 不整合 (停止済み) 1 次ボリュームは、読み取りおよび書き込み入出力操作についてアクセス可能ですが、2 次ボリュームは、どちらの操作についてもアクセスできません。 コピー・プロセスを開始して、2 次ボリュームを整合させる必要があります。
メトロ・ミラーの不整合 (コピー中) 状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーの不整合 (コピー中) 状態を示すアイコン (2/2)。 不整合 (コピー中) 1 次ボリュームは、読み取りおよび書き込み入出力操作についてアクセス可能ですが、2 次ボリュームは、どちらの操作についてもアクセスできません。 不整合停止済み (InconsistentStopped) 状態にある整合性グループに対して startrcconsistgrp コマンドが発行された後で、この状態に入ります。また、アイドリング (Idling) または整合停止済み (ConsistentStopped) 状態にある整合性グループに対して、強制オプションを指定した startrcconsistgrp コマンドが発行されたときにも、この状態に入ります。
メトロ・ミラーの整合 (停止済み) 状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーの整合 (停止済み) 状態を示すアイコン (2/2)。 整合 (停止済み) 2 次ボリュームには整合したイメージが入っていますが、1 次ボリュームよりも古くなっている可能性があります。関係が整合同期化済み (ConsistentSynchronized) 状態にあるときに、整合性グループのフリーズを強制するエラーが起こると、この状態が発生することがあります。 この状態は、stoprcconsistgrp コマンドの後の整合同期化済み (ConsistentSynchronized) または整合コピー中 (ConsistentCopying) 状態の間に発生する可能性があります。 また、この状態は、2 つのボリューム間の関係が作成され、そのボリュームが既に同期化済みである場合にも発生する可能性があります。
メトロ・ミラーの整合 (コピー中) 状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーの整合 (コピー中) 状態を示すアイコン (2/2)。 整合 (コピー中) 1 次ボリュームは、読み取りおよび書き込み入出力操作のためにアクセスできます。2 次ボリュームには整合したイメージが入っていますが、1 次ボリュームよりも古くなっている可能性があります。 この状態は、マルチサイクルを使用するグローバル・ミラー関係に含まれる整合性グループに適用されます。
メトロ・ミラーの整合 (同期化済み) 状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーの整合 (同期化済み) 状態を示すアイコン (2/2)。 整合 (同期化済み) 1 次ボリュームは、読み取りおよび書き込み入出力操作のためにアクセスできます。2 次ボリュームは、読み取り専用入出力操作についてアクセス可能です。
メトロ・ミラーのアイドル状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーのアイドル状態を示すアイコン (2/2)。 アイドリング 1 次ボリュームと 2 次ボリュームの両方が 1 次の役割で作動しています。ボリュームは書き込み入出力操作についてアクセス可能です。
メトロ・ミラーのアイドリング (切断済み) 状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーのアイドリング (切断済み) 状態を示すアイコン (2/2)。 アイドリング (切断済み) 整合性グループ内でこの状態にある側のボリュームはすべて、1 次役割で作動しており、読み取りまたは書き込み入出力操作を受け入れることができます。
メトロ・ミラーの不整合 (切断済み) 状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーの不整合 (切断済み) 状態を示すアイコン (2/2)。 不整合 (切断済み) 整合性グループ内でこの状態にある側のボリュームはすべて、1 次役割で作動しており、読み取りまたは書き込み入出力操作を受け入れることができます。
メトロ・ミラーの整合 (切断済み) 状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーの整合 (切断済み) 状態を示すアイコン (2/2)。 整合 (切断済み) 整合性グループ内でこの状態にある側のボリュームはすべて、2 次役割で作動しており、読み取りまたは書き込み入出力操作を受け入れることはできません。
メトロ・ミラーの空状態を示すアイコン (1/2)。グローバル・ミラーの空状態を示すアイコン (2/2)。 整合性グループに関係が入っていません。
整合性グループに属していないメトロ・ミラー関係およびグローバル・ミラー関係。 (状態なし) 整合性グループに属していないメトロ・ミラー関係およびグローバル・ミラー関係。

1 2 つの 管理 GUI アイコンが表示されている行では、1 つ目のアイコンが同期コピーのメトロ・ミラー状態を示します。 各行の 2 つ目のアイコンは、非同期コピーのグローバル・ミラー状態を示します。

注: ボリューム・コピーは、内容に整合性がある場合に同期されます。整合 (停止) 状態またはアイドル状態が発生した後で、1 次または 2 次ボリュームに対する書き込み操作が行われた場合、その後は同期されていない可能性があります。

アクティブ - アクティブ (HyperSwap) 関係グループの状態

表 2 では、アクティブ - アクティブ (HyperSwap)、関係グループの状態を説明しています。

表 2. アクティブ - アクティブ (HyperSwap) 関係グループの状態
管理 GUI アイコン1 状態 説明
アクティブ - アクティブ不整合 (停止済み) 状態を示すアイコン 不整合 (停止済み) どちらの変更ボリュームも、関係で定義されません。
アクティブ - アクティブ不整合 (コピー中) 状態を示すアイコン 不整合 (コピー中) この関係では、2 番目のコピーへのデータの初期同期が行われています。
アクティブ - アクティブ整合 (停止済み) 状態を示すアイコン 整合 (停止済み) この関係が -sync を使用して作成され、両方の変更ボリュームが定義されていないか、あるいはこの関係の同期後に 1 つの変更ボリュームが強制削除されました。
アクティブ - アクティブ整合 (コピー中) 状態を示すアイコン 整合 (コピー中) 2 つのコピーは異なっていますが、可能になった時点で再同期が行われます。 コピー中、status フィールドはオンラインになっています。システムがコピーできない場合、status フィールドにコピーを妨げている要因が示されます。
アクティブ - アクティブ整合 (同期化済み) 状態を示すアイコン 整合 (同期化済み) 2 つのコピーの両方に、完了したホスト書き込み操作がすべて含まれています。 高可用性フェイルオーバー・オプションと読み取りパススルー・オプションは両方とも使用可能です。
アクティブ - アクティブ・アイドリング状態を示すアイコン アイドリング 関係の履歴コピーへのアクセスを復元するために手操作による介入が使用されました。