技術的な概説
技術的な概説のトピックでは、Storwize® V3700 システムを使用するために理解しておく必要がある主な概念について説明します。
- Storwize V3700 の概要
各 IBM® Storwize V3700 システムは、仮想化 RAID ストレージ・システムです。 - アレイ構成
アレイは、論理ボリュームまたは論理デバイスを定義するのに使用される物理デバイス (ディスク・ドライブ・モジュールまたはフラッシュ・ドライブ・モジュール) の順序付けられた集合またはグループです。アレイは、ディスク・ドライブで構成される MDisk の 1 つのタイプです。それらのドライブは、アレイのメンバー です。RAID (Redundant Array of Independent Disks) は、高可用性と高性能を達成するためのメンバー・ドライブを構成する方法です。 - バッテリー
システム内の各ノード・キャニスターにはバッテリーが収められています。 - キャニスター
キャニスターは、エンクロージャーのサブコンポーネントであるハードウェア装置です。 - 容量標識
システムは、ボリューム、ドライブ、およびその他のシステム・オブジェクトの容量標識として 2 進数を使用します。 管理 GUI とコマンド・ライン・インターフェース (CLI) は、容量を示すのに異なる略語を使用しますが、これらの容量標識の値は同じです。 - コピー・オフロード
オフロード・データ転送 (ODX) は、Microsoft Windows Server 2012 の機能の 1 つです。ODX 機能は、オーケストレーション全体をストレージ・アレイにオフロードすることにより、ホストを解放し、コピー・プロセスを高速化します。 - コピー・サービス機能
システムは、データをあるシステムから別のシステムにコピーするために使用できるコピー・サービス機能を提供します。 - データ・マイグレーション
システムでは、 Storwize V3700 は、ユーザーがボリュームのデータが保管されているアレイ MDisk およびストレージ・プールを変更することを許可しています。 - ドライブ
システムは、幅広いエンタープライズ・クラスまたはニアライン・クラスのドライブ、またはフラッシュ・ドライブをサポートします。ドライブ・オブジェクトは物理ドライブを表します。サポートされているドライブが検出され、ドライブ ID が割り当てられている場合は、このオブジェクトがシステムによって自動的に作成されます。 - Easy Tier 機能
システムには、IBM Easy Tier® が組み込まれています。これは、ハード・ディスク (HDD) も含まれているストレージ・プール内にドライブが存在している場合に対応する機能です。システムは、頻繁にアクセスされるデータを、HDD MDisks から フラッシュ・ドライブ (flash drive) MDisk へと自動的にしかも処理と中断せずに移動し、そのようなデータをさらに高速なストレージ層に配置します。 - エンクロージャー
エンクロージャーは、システムの基本的な格納装置です。システムのすべてのメイン・コンポーネント (キャニスター、ドライブ、および電源機構) を含むラック・マウント・ハードウェアです。 - 外部ストレージ・システム
外部 ストレージ・システム、 またはストレージ・コントローラーは、1 つ以上のディスク・ドライブの操作を調整および制御する装置です。ストレージ・システムは、ドライブの操作をシステム全体の操作と同期させる装置です。 - ファイバー・チャネル・ポート番号およびワールドワイド・ポート名
ファイバー・チャネル (FC) ポートは、その物理ポート番号とワールド・ワイド・ポート名 (WWPN) によって識別されます。 - ホスト・クラスター
ホスト・クラスター とは、あるボリュームの集合を共有する複数の個別物理サーバーのグループのことです。 システムでは内部プロトコルを使用してボリュームへのアクセスを管理し、データの整合性を確保します。 VMware EXSi ホストや Microsoft Hyper-V ホストなどの個々のホスト・システムがホスト・クラスターに参加し、ボリュームを共有できます。 ホスト・クラスターに新規ボリュームを追加することもでき、それらはすべてのホストに同時にマップされます。 - ホスト・マッピング
ホスト・マッピングは、どのホストがシステム内の特定のボリュームにアクセスするかを制御するプロセスです。 - ホスト・オブジェクト
ホスト・オブジェクト は、ホスト・システムが通信に使用するインターフェースを識別する、ワールドワイド・ポート名 (WWPN) のリストおよび iSCSI 名のリストを表す、Storwize V3700 システム内の論理オブジェクトです。ファイバー・チャネル接続と SAS 接続では、WWPN を使用して、システムとのホスト・インターフェースを識別します。iSCSI 名は、iSCSI 修飾名 (IQN) または拡張固有 ID (EUI) のいずれかです。 - 入出力管理
ホストがボリュームに送信する入出力アクティビティーの最大数を設定できます。 この数量は、入出力管理速度 と呼びます。 管理速度は、1 秒当たりの入出力数または 1 秒当たりの MB で表示します。 - 入出力グループ
コントロール・エンクロージャー内のノード・ペアは、入出力 (I/O) グループ と呼ばれます。 - インベントリー情報 E メール
インベントリー情報 E メールは、システムのハードウェア・コンポーネントと構成を要約します。サービス担当員は、関連するマシン・コード 更新が使用可能なとき、または構成に影響を与える可能性がある問題が検出されたときに、この情報を使用してお客様に連絡することができます。インベントリー・レポートを使用可能にすることをお勧めします。 - Storwize V3700 管理 GUI の概要
Storwize V3700には、システムのモニター、管理、および構成に役立つ使いやすい管理 GUI が装備されています。 - MDisk
管理対象ディスク (MDisk) は、物理ストレージの論理装置です。MDisk は、内部ストレージからのアレイ (RAID) か、外部ストレージ・システムからのボリュームのどちらかです。 MDisk は、ホスト・システムからは認識されません。 管理対象ディスク (MDisk) は、物理ストレージの論理装置 (LU) です。MDisk は、内部ストレージからのアレイ (RAID) か、外部ストレージ・システムからエクスポートされた LU のいずれかです。 MDisk は、ホスト・システムからは認識されません。 - ノード・キャニスター
各単一処理装置は、ノード・キャニスター であり、ノード とも呼ばれます。エンクロージャー内の 2 つのノードは、ホスト・システムおよびオプションで外部ストレージ・システムに接続される入出力グループを作成します。 - オブジェクトの命名
システム内のすべてのオブジェクトは、ユーザー定義、またはシステム生成の名前を持っています。 - オブジェクトの概要
Storwize V3700 ソリューションは、一連の仮想化概念を基にしています。システムをセットアップする前に、その環境で使用される概念とオブジェクトについて理解しておく必要があります。 - パフォーマンス統計
リアルタイム・パフォーマンス統計は、Storwize V3700・システムの短期間の状況情報を提供します。 統計は、管理 GUI にグラフで表示されます。 - 電源機構 (パワー・サプライ) 装置
電源機構装置 (PSU) は、エンクロージャーのサブコンポーネントです。PSU は、電源から電力をシステム内の他のコンポーネントに配分します。 - SAN ファブリックの概要
SAN ファブリック は、ルーターとスイッチを含むネットワーク領域です。SAN は多数のゾーンで構成されます。SAN を使用している装置は、その装置が入っている同じゾーンに組み込まれている装置のみと通信できます。システムには、いくつかの特殊タイプのゾーン (システム・ゾーン、ホスト・ゾーン、およびディスク・ゾーン) が必要です。 - SAN
ストレージ・エリア・ネットワーク (SAN) は、企業内のサーバーに相互接続されているストレージ・システムのプールです。SAN 管理者は、SAN を構成している各種リソースを管理する責任者です。 - セキュア・シェル
セキュア・シェル (SSH) は、 クライアント/サーバー・ネットワークのアプリケーションです。 Storwize V3700 は、セキュア・シェルを使用して Storwize V3700 のコマンド・ライン・インターフェース (CLI) にアクセスします。 - 標準および永続予約
SCSI 予約コマンドおよび SCSI 永続予約コマンドは、SCSI 規格により指定されています。 サーバーはこれらのコマンドを使用して、他のサーバーのポートが 特定の LUN にアクセスするのを防ぎます。 - Storage Management Initiative Specification
Storage Management Initiative Specification (SMI-S) は、Storage Networking Industry Association (SNIA) によって発表された Storage Management Initiative (SMI) の設計仕様です。 - ストレージ・プール
一般に、プールまたはストレージ・プールは、指定されたボリューム・セットのすべてのデータが一緒に入っている割り振り済み容量です。システムは、2 つのタイプのプール (親プールと子プール) をサポートします。 - スイッチ
スイッチはファイバー・チャネル・ネットワークのコンポーネントで、ネットワーク上の装置間の接続を可能にします。 - システム層
IBMStorwize ファミリー・システムは、2 つの層 (レプリカ生成層およびストレージ層) のいずれかにあります。 - システム
ボリューム・ストレージ・システムは、コントロール・エンクロージャーの集合です。 - ハードウェア・オプションの更新
初期インストール時または別のときに、オプションを取り付けた状態で Storwize V3700 ハードウェアを更新することができます。 - システム・コードの更新
IBM は、Storwize V3700 上で最新リビジョンのマシン・コードに更新することを推奨します。取り付け済みのハードウェアには、ハードウェア機能を使用可能にするために特定のバージョン・レベルが必要な場合があります。 - ユーザーの役割
管理 GUI の各ユーザーは、 サインオンのためにユーザー名とパスワードを指定する必要があります。 また、各ユーザーには、 モニター、コピー・オペレーター、サービス、管理者、またはセキュリティー管理者などの役割が関連付けられています。 これらの役割は、クラスター化システム・レベルで定義されます。例えば、あるユーザーが 1 つのシステムでは管理者になり、別のシステムではセキュリティー管理者になる可能性があります。 - ボリューム
ボリュームは、システムが接続ホストに対して提示する論理ディスクです。 - 管理 GUI にアクセスするための Web ブラウザーの要件
管理 GUI にアクセスするには、サポートされている Web ブラウザーが必要です。
親トピック: 製品の概要