IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システムの構成
このシステムは、IBM Spectrum Accelerate™ に組み込まれているすべての外部ストレージ・システムへの iSCSI 接続をサポートします。
IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システムでは水平方向のスケールアウト機能がサポートされます。つまり、単一のシステムで 3 個から 15 個のノードをターゲットとして使用できます。 ただし、すべてのノードでは、すべての接続を処理する単一の共通した IQN が使用されます。フォールト・トレランスを実現するために、2 つ以上のソース・ポートに対して少なくとも 2 つのターゲット・ノードを構成してください。 ストレージ接続に使用できるソース・ポートの可用性に応じて、ソース・システムとターゲットの間に追加の接続を構成できます。
この図は、システムと IBM Spectrum Accelerate 外部ストレージ・システムとの間の接続を説明しています。この図で、システムは 2 つのノードを含む 2 つの入出力グループで構成されています。 各ノードには最大で 4 つのイニシエーター・ポートがあり、うち 2 つは、2 つのスイッチを介してストレージ・システム上のターゲット・ポートに接続するように構成されています。 各ノードの他の 2 つのポートは構成されていません。各イニシエーター上の最初のポート (オレンジ色) とターゲット・ノードはイーサネット・スイッチ 1 を介して接続されます。各イニシエーター上の 2 番目のポート (青色) とターゲット・ノードはイーサネット・スイッチ 2 を介して接続されます。IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システム上のすべてのターゲット・ノードは単一の共通した iSCSI ターゲット IQN を使用し、すべてのボリュームにはすべてのターゲット・ノードを通じてアクセスできます。 イニシエーター・システムからの接続は 2 つ以上のターゲット・ノードに対して確立する必要があります。 システム上の使用可能なソース・ポートは、外部ストレージへの接続用に構成する必要があります。 ノードが外部ストレージ用に使用可能でない場合、そのノード上のポートは接続用のソース・ポートとして使用できません。 ノードをストレージ用に使用可能にするには、 を選択します。ポートを右クリックし、「ストレージ・ポートの変更」を選択して、そのポートをストレージ・システムへの iSCSI 接続に使用できるようにします。

この図で、イニシエーター・ポート IPA、IPE、IPI、および IPM はイーサネット・スイッチ 1 を介してターゲット・ノード 1 の最初のターゲット・ポート (IP1) に接続されています。 イニシエーター・ポート IPB、IPF、IPJ、および IPN はイーサネット・スイッチ 2 を介してターゲット・ノード 2 (IP5) に接続されています。IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システムには多数のターゲット・ノードを含めることができるため、複数のノードにまたがって、ソース・ポートの数と同じ数のターゲット・ポートに接続できます。 ストレージ接続用にソース・ポートを追加したら、そのポートを構成する必要があります。
ソース・ポートの接続を定義すると、その構成はシステム上のすべてのポートに適用されます。 例えば、ターゲット・ノード 1 のターゲット・ポート IP1 は、ソース・ポート IPA、IPE、IPI、および IPM のターゲット・ポートです。ターゲット・ノード 2 のターゲット・ポートは、ソース・ポート IPB、IPF、IPJ、および IPN のターゲット・ポートです。
この構成例では、その他のポートは未構成のままですが、これらを接続するとスループットを向上できます。 この図では、イニシエーター・ノードとターゲット・ノードはそれぞれ 4 つのポートをサポートします。 イニシエーター・ポート IPC、IPD、IPG、IPH、IPK、IPL、IPO、および IPP は未構成のままです。ターゲット・ノード上のポート IP2、IP3、IP4、IP6、IP7、および IP8 も未構成です。スループットを向上するために、イニシエーター・ポート IPC、IPG、IPK、および IPO を、イーサネット・スイッチ 1 を介してターゲット・ノード 1 から N 上のいずれかの未使用ターゲット・ポートに接続できます。 これらの接続を構成すると、ソース・ノードとターゲット・ノード間に別のパスが作成されます。
管理 GUI を使用する場合
iSCSI 接続の IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システムを追加するには、以下の手順を実行します。
- 管理 GUI で、 を選択します。
- 外部ストレージのタイプとして「IBM Spectrum Accelerate」を選択します。
- 以下の値を入力して、ソース・ポートと外部ストレージ上のターゲット・ポートの間の接続を定義します。
- ユーザー名
- この接続に関連付けるユーザー名を入力します。ターゲット・ストレージ・システムで接続の認証用にチャレンジ・ハンドシェーク認証プロトコル (CHAP) が使用されている場合、ユーザー名を入力する必要があります。 ユーザー名を指定する場合は CHAP シークレットの指定が必要です。CHAP を使用しない場合、この値は必要ありません。
- CHAP シークレット (CHAP secret)
- システム上の iSCSI 接続を保護するために CHAP を使用する場合は、現在の CHAP シークレットを入力します。CHAP を使用しない場合、この値は必要ありません。
- ソース・ポート 1 の接続
- ソース・ポートから、IBM Spectrum Accelerate 外部ストレージ・システム上のターゲット・ポートへの接続を作成します。IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システムへの接続に必要な数だけソース・ポートを構成できます。ソース・ポートごとに、1 つのターゲット・ポートのみを構成できます。 ソース・ポートが既に使用されている場合、ターゲット・ポートへの接続を作成できません。
- ソース・ポート 1 の選択
- ノードとストレージ・システムの間の iSCSI 接続のイニシエーターとして使用するソース・ポート ID を選択します。 ソース・ポートを追加するにはプラス (+) アイコンをクリックします。各 IBM Spectrum Accelerate システムへの接続に必要な数だけソース・ポートを構成できます。例えば、ソース・ポート 1 は図の中の IPA です。 この図は、ソース・ポートとして使用されているソース・ポートの 1 および 2 を示していますが、ポートをどの順序で使用してもかまいません。任意のポートまたはすべてのポートを使用できます。同様に、必ずしも、ソース・ポート 1 をターゲット・ポート 1 に接続し、ソース・ポート 2 をターゲット・ポート 2 に接続する必要はありません。ソース・ポートとターゲット・ポートは、さまざまなポートからのトラフィックをどのように切り分ける必要があるかに基づいて、任意の順序で選択できます。
- リモート・ストレージ 1 のターゲット・ポート
- 最初の外部ストレージ上のターゲット・ポートの IP アドレスを入力します。 選択したソース・ポートに対するターゲット・ポートを追加するには、プラス (+) アイコンをクリックします。 各ソース・ポートには、ストレージ・システム上の各モジュールからの IP アドレスを 1 つのみ関連付けることができます。
- ソース・ポート 2 の接続
- ソース・ポートから、IBM Spectrum Accelerate 外部ストレージ・システム上のターゲット・ポートへの接続を作成します。IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システムへの接続に必要な数だけソース・ポートを構成できます。ソース・ポートごとに、1 つのターゲット・ポートのみを構成できます。 ソース・ポートが既に使用されている場合、ターゲット・ポートへの接続を作成できません。
- ソース・ポート 2 の選択
- ノードとストレージ・システムの間の iSCSI 接続のソースとして使用するソース・ポート ID を選択します。例えば、ソース・ポート 2 は図の中の IPB です。 この図は、ソース・ポートとして使用されているソース・ポートの 1 および 2 を示していますが、ポートをどの順序で使用してもかまいません。任意のポートまたはすべてのポートを使用できます。同様に、必ずしもソース・ポート 1 をターゲット・ポート 1 に接続し、ソース・ポート 2 をターゲット・ポート 2 に接続する必要はありません。ソース・ポートとターゲット・ポートは、さまざまなポートからのトラフィックをどのように切り分ける必要があるかに基づいて、任意の順序で選択できます。
- リモート・ストレージ 2 のターゲット・ポート
- 2 番目の IBM Spectrum Accelerate 上のターゲット・ポートの IP アドレスを入力します。選択したソース・ポートに対するターゲット・ポートを追加するには、プラス (+) アイコンをクリックします。 各ソース・ポートには、IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システム上の各モジュールからの IP アドレスを 1 つのみ関連付けることができます。
- 「次へ」をクリックする。
コマンド・ライン・インターフェース (CLI) の使用
IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システム上のターゲット・ポートをディスカバーおよび構成するには、以下のコマンドを入力します。これらの例では、図に示されているポート番号を使用します。 システム上の iSCSI 接続を保護するために CHAP を使用する場合は、現在の CHAP シークレットを入力します。CHAP シークレットは必須ではありません。また、ディスカバリーとセッション確立を、入出力グループで行うように指定するかシステム全体で行うように指定するかも決定します。
- -storage/-storage_6 を yes に設定してソースで IP を構成するには、次のコマンドを入力します。
ここで、ポート ID は 1 (IPA、IPE、IPI、および IPM の場合)、2 (IPB、IPF、IPJ、および IPN の場合) です。cfgportip -node node_name -ip_6 ipv6addr -prefix_6 prefix -gw_6 ipv6gw -storage_6 yes port_id
- IPv4 アドレスを構成するには、次のコマンドを入力します。
ここで、ポート ID は 1 (IPA、IPE、IPI、および IPM の場合)、2 (IPB、IPF、IPJ、および IPN の場合) です。cfgportip -node node_name -ip ipv4addr -gw ipv4gw -mask subnet_mask -storage yes port_id
- 指定された IP および CHAP シークレット (構成されている場合) を使用して iSCSI ターゲットを手動でディスカバーするには、次のコマンドを入力します。
(-srcportid 1 は図では IPA、IPE、IPI、および IPM として示されています。)svctask detectiscsistorageportcandidate -targetip IP1 -srcportid 1 -username user1 -chapsecret password
- 一番最近にディスカバーされたターゲットの状況をリストするには、lsiscsistorageportcandidate コマンドを入力します。
- ディスカバリーが正常に行われたら、次のコマンドを使用してターゲットにセッションを追加できます。
ここで、0 は、ステップ 4 の lsiscsistorageportcandidate コマンドの行 ID です。svctask addiscsistorageport -username user1 -chapsecret password 0
- 各セッションのイニシエーターとターゲットの状況を別個の行にリストするには、lsiscsistorageport コマンドを入力します。
- 該当するポートを介したターゲットへのソース・ノード接続の詳しい状況をリストするには、lsiscistorageport row_id コマンドを入力します。 この行 ID は lsiscsistorageport コマンドから得られたものです。
- 各ターゲット IP (IP2、IP5 など) でこの手順を繰り返します。毎回異なるソース・ポートを選択してください。 ターゲット IP は少なくとも 2 つのターゲット・ノードで構成します。