ファイバー・チャネルおよび FCoE SAN 構成の詳細
確実に有効な構成にするために、以下の Storwize® V3700 の構成の詳細を、ファイバー・チャネル・スイッチおよび Fibre Channel Over Ethernet (FC/FCoE ゲートウェイ、FCF) スイッチに適用します。
SAN ファブリックの機能が使用できるのは、ファイバー・チャネル・オプションが取り付けられている場合のみです。 それ以外の場合は、この情報は適用されません。
少なくとも 2 つの独立したスイッチ、またはスイッチのネットワークを持つように SAN を構成することにより、Single Point of Failure が生じない冗長ファブリックが得られるようにします。 2 つの SAN ファブリックの一方に障害が起きた場合、構成は低下モードになりますが、引き続き有効です。 FCoE と FC 用にそれぞれ別個のファブリックを維持します。これらのファブリックを結合しようとすると、追加のパスをボリュームに追加するリスクが生じる場合があります。 サポート対象の構成では、最大で 8 つのパスが許可されます。 ファブリックが 1 つだけの SAN は有効な構成ではありますが、そのファブリックに障害が起きると、データへのアクセスが失われる危険があります。 ファブリックが 1 つだけの SAN は、Single Point of Failure が発生する危険があります。
ファイバー・チャネル接続では、Storwize V3700・ノード・キャニスターは、SAN スイッチに接続されているか、またはホスト・ポートに直接接続されている必要があります。iSCSI ホストを Storwize V3700・ノード・キャニスターに接続する場合は、イーサネット・スイッチを使用する必要があります。
すべてのバックエンド・ストレージ・システムは、常に SAN スイッチにのみ接続されていなければなりません。 データ帯域幅のパフォーマンスを向上させるため、冗長ストレージ・システムから複数の接続を使用することができます。各冗長ストレージ・システムと、対応する各 SAN との間の接続は必要ありません。 例えば、IBM® DS4000® の構成で、IBM DS4000 に 2 つの冗長ストレージ・システムが含まれている場合、通常は 2 つのストレージ・システムのミニハブのみが使用されます。ストレージ・システム A は、対応関係にある SAN A に接続され、ストレージ・システム B は、対応関係にある SAN B に接続されます。Storwize V3700・ノードと ストレージ・システムの間で直接物理接続を使用する構成は、サポートされていません。
ノードをコア・ディレクターとエッジ・スイッチを含む SAN ファブリックに接続する場合は、ノード・ポートをコア・ディレクターに、ホスト・ポートをエッジ・スイッチに接続します。 このタイプのファブリックで、コア・ディレクターに接続する装置として次に優先されるものはストレージ・システムであり、ホスト・ポートはエッジ・スイッチに接続されたままにします。
Storwize V3700 SAN は、すべてのスイッチ製造メーカーの構成規則に従う必要があり、これにより構成に制約が生じる場合があります。 スイッチ製造メーカーの構成規則に従わない構成はサポートされません。
単一 SAN ファブリック内での製造メーカーの異なるスイッチの混在
個々の SAN ファブリック内では、 構成がスイッチのベンダーによってサポートされている場合にのみ、異なるベンダーのスイッチを混用してください。FC スイッチの接続に、この FCF スイッチのオプションを使用する際は、ISL オーバー・サブスクリプションの説明を検討し、計画してください。
Fibre Channel over Ethernet サーバーおよび Storwize V3700の既存のファイバー・チャネル SAN への接続
Fibre Channel over Ethernet (FCoE) は、FCoE オプションがインストールされている場合にのみ Storwize V3700 上で使用可能です。 それ以外の場合は、この情報は適用されません。
FCoE サーバーおよび Storwize V3700・システムは、さまざまな方法で接続することができます。 以下の例は、サポートされるさまざまな構成を示しています。
図 1 は、ファイバー・チャネル・フォワーダー・スイッチに接続された Storwize V3700・システムと、FCoE ホストおよび FCoE ストレージ・システムを示しています。 接続は 10 GB イーサネットです。 ファイバー・チャネル・フォワーダーは、ファイバー・チャネル ISL を使用して、既存のファイバー・チャネル SAN にリンクされています。 すべてのファイバー・チャネル・ホストまたはストレージ・システムは、既存のファイバー・チャネル SAN 上にとどまります。 Storwize V3700への接続は、SAN 経由 (Storwize V3700がファイバー・チャネル経由で接続される場合) か、またはファイバー・チャネル・フォワーダー・スイッチを経由して、Storwize V3700・システム上の FCoE ポートに接続することができます。

2 つ目の例である図 2 は 1 つ目の例とほぼ同じですが、既存のファイバー・チャネル SAN がありません。 この例では、ファイバー・チャネル・フォワーダー・スイッチに接続された Storwize V3700 システムと、FCoE ホストおよび FCoE ストレージ・システムを示しています。接続は 10 GB イーサネットです。

3 つ目の例である 図 3 では、ファイバー・チャネル・ホストが、ファイバー・チャネル・フォワーダーのファイバー・チャネル・ポートに接続されています。 Storwize V3700・システムは、FCoE ストレージ・システムとともに、ファイバー・チャネル・フォワーダーに接続されます。 接続は 10 GB イーサネットです。 ファイバー・チャネル・フォワーダーは、ファイバー・チャネル ISL を使用して、既存のファイバー・チャネル SAN にリンクされています。 すべてのファイバー・チャネル・ホストまたはストレージ・システムは、既存のファイバー・チャネル SAN 上にとどまります。 FCoE ホストは、ファイバー・チャネル・フォワーダーに接続される 10 GB イーサネット・スイッチ (トランジット・スイッチ) に接続します。

4 つ目の例である図 4 は直前の例とほぼ同じですが、既存のファイバー・チャネル SAN がありません。 ファイバー・チャネル・ホストは、ファイバー・チャネル・フォワーダー上のファイバー・チャネル・ポートに接続します。

ISL オーバー・サブスクリプション
ISL の輻輳 (ふくそう) を回避するために、全面的な SAN 設計分析を行ってください。 SAN は、過剰にサブスクライブする ISL を介する Storwize V3700から Storwize V3700へのトラフィックまたは Storwize V3700からストレージ・システムへのトラフィックを使用するように構成しないでください。 ホストから Storwize V3700へのトラフィックには、7 対 1 より大きい ISL オーバー・サブスクリプション率を使用しないでください。ISL 上の輻輳は、Storwize V3700の著しい性能低下と、ホストでの入出力エラーの原因となることがあります。
ISL オーバー・サブスクリプションの規則は、FCoE スイッチに適用されます。
ディレクター・クラス・スイッチを備えた SAN 内の Storwize V3700
SAN 内でディレクター・クラス・スイッチを使用して、多数の RAID コントローラーとホストを Storwize V3700・システムに接続することができます。 ディレクター・クラス・スイッチは内部冗長性を備えているので、複数のスイッチを使用する SAN で、代わりに 1 つのディレクター・クラス・スイッチを使用できます。 ただし、ディレクター・クラス・スイッチはネットワーク冗長性のみを備えています。物理的損傷 (例えば、洪水または火事) を保護するものではありません。物理的損傷が生じた場合、機能全体が破壊されることがあります。 比較的小規模のスイッチからなる階層化されたネットワーク、またはコア内に複数のスイッチをもつコア・エッジ・トポロジーでは、広域にわたるネットワークで包括的な冗長性が得られ、物理的な損傷に対する保護が強化されます。 単一ディレクター・クラス・スイッチは、対応関係にある複数の SAN を提供するために使用しないでください。 この構成では、真の冗長性が構成されないからです。