N_Port ID Virtualization のゾーニングに関する考慮事項
N_Port ID Virtualization (NPIV) 構成では、NPIV を使用しないファイバー・チャネル・ホスト接続と比べた場合、さらに満たす必要があるレイアウトとゾーニングに関する要件があります。それらの要件は、ノード間の NPIV ポート・フェイルオーバーがホストに認識されないようにしなければならないという事実に由来しています。このため、NPIV ポートが可視であるホスト・ポート・セットを、フェイルオーバーの結果として変更することはできません。
仮想ポートのポート ID は、それがアクティブであるノードとは無関係に、一定のままで残ります。ある入出力グループに属する 2 つのノードの各ポート ID n は、同じファブリックに接続されている必要があります。ある入出力グループに属する 2 つのノードの n のポートは、同じファブリックに接続されている必要がある一方、別の n のポートは、別のファブリック上に存在することができます。図 1 は、無効な構成を示しています。

スイッチ・ポート S2、S4、および S5 の接続を交換する必要があり、その結果、次の図 2 に示す正しい構成になります。

図 3 に示すようなハード (ポート・ベースの) ゾーニングを採用した場合も、単一のファブリック内で同じ効果を生じさせることができます。

2 つのノードが、1 つのスイッチを介して 1 つのホストに接続されています。ただし、ホストの各ポートが各ノードの 1 つのポートだけを検出できるように、ポート・ベースのゾーニングが使用されています。S1、S4、および S5 が一方のゾーン内にあり、S2、S3、および S6 がもう一方のゾーン内にあります。
IP フェイルオーバーのとき、NPIV ポートは C1 から C3、および C2 から C4 に (またはその逆の方向に) 移動します。この構成は、NPIV では無効です。ポートの可視性が H1 と H2 の間で移動するためです。このシチュエーションでポート・ベースのゾーニングを使用する場合は、ゾーンを S1、S3、および S5 のゾーンと、S2、S4、および S6 のゾーンにする必要があります。
このシチュエーションは、ソフト (WWPN ベースの) ゾーニング用の単一スイッチ内では発生しません。しかし、ノードからホストへのルートが入出力グループ内の 2 つのノード用の異なるスイッチを通過するマルチスイッチ・ファブリックでは、注意する必要があります。
ファブリックの変更が必要な場合は、各入出力グループを transitional 状態に切り替える前に、変更してください。 transitional 状態に切り替えた後、システム・ソフトウェアは不一致のファブリックの問題について警告を試みます。ポート・ベースのゾーニングが原因で起きる問題については、警告しません。
ファブリック・ゾーニングに関する規則を順守していない場合は、NPIV ポート障害のときにホスト上で望ましくない動作が起きる可能性があります。例えば、入出力の 2 分間の一時停止や、パスの冗長性の低下などです。