Easy Tier 機能

システムには、IBM® Easy Tier® が組み込まれています。これは、ハード・ディスク (HDD) も含まれているストレージ・プール内にドライブが存在している場合に対応する機能です。システムは、頻繁にアクセスされるデータを、HDD MDisks から フラッシュ・ドライブ (flash drive) MDisk へと自動的にしかも処理と中断せずに移動し、そのようなデータをさらに高速なストレージ層に配置します。

Easy Tier を使用すると、ボリューム上の非常にアクティブなデータを高速応答ストレージに割り当てる際に、手操作による介入が不要になります。この動的な多層型環境では、データが属している Storage Tier に関係なく、データ移動はホスト・アプリケーションから見てシームレスに行われます。 ただし、デフォルトの動作を手動で変更できます。例えば、4 つのタイプの MDisk の任意の組み合わせがあるプールで Easy Tier をオフにすることができます。

システムは、以下の層をサポートします。
Tier 0 フラッシュ
Tier 0 Flash Tier は、高コストで高性能のフラッシュ・ドライブがプールに含まれている場合に存在します。
Enterprise Tier
Enterprise Tier は、プールにエンタープライズ・クラス MDisk (パフォーマンスが向上するよう最適化されたディスク・ドライブ) が含まれる場合に存在します。
Nearline Tier
Nearline Tier は、プールにニアライン・クラス MDisk (容量が増えるよう最適化されたディスク・ドライブ) が含まれる場合に存在します。

すべての MDisk は層の 1 つに属しており、その層には、まだプールに組み込まれていない MDisk も含まれています。

プールに 1 つのタイプの MDisk が含まれている場合、Easy Tierバランシング・モードになります。プールに複数のタイプの MDisk が含まれている場合、Easy Tier は自動的にオンになります。 ローカル MDisk は、Tier 0 フラッシュ、Tier 1 フラッシュ、エンタープライズ、またはニアラインのドライブとして分類されます。システムは、Tier 0 と Tier 1 の両方のフラッシュ・ドライブをサポートします。Tier 0 フラッシュ・ドライブの方がコストの高いフラッシュ・ドライブであり、読み取り操作と書き込み操作で高性能を発揮します。Tier 1 フラッシュ・ドライブは、大容量である反面、パフォーマンスと書き込み耐久特性が低い、低コストのフラッシュ・ドライブです。