SAN の構成およびゾーニングに関する規則の要約
ファイバー・チャネル環境での通常動作時の Storwize® V3700・システムは、サポートされる構成とゾーニング規則によって定義されます。 単一の障害によってこれらの規則の 1 つ以上が無効になっても、障害が修正されて構成が正常なサポートされるモードに復帰するまで、この構成は引き続きサポートされます。
構成に関する用語の説明
パス は、2 つのファイバー・チャネル・ポート間の論理接続です。 2 つのファイバー・チャネル・ポートが両方とも同じゾーン内にある場合に限って、パスを作成することが可能です。
コア・スイッチ は、Storwize V3700 ポートを含むスイッチです。 SAN ファブリックのトラフィックのほとんどはシステムを経由して流れると考えられるので、ファブリックのコアにシステムを配置します。構成によっては、スイッチ間リンク (ISL) のみを搭載したコア・スイッチと、システム・ポートを備えたストレージ・エッジ・スイッチを使用します。この規則の要約では、ストレージ・エッジ・スイッチ はコア・スイッチと同じです。
デュアル・コア・ファブリック設計は、同じファブリック内で 2 つのスイッチが両方ともコア・スイッチとして指定されている環境です。 すべてのノードにファイバー・チャネル・ポートが 1 つずつ存在し、それぞれのコア・スイッチに接続されています。 可能な場合はノード間トラフィックが単一のスイッチ内のみを流れるように、ゾーニングが使用されます。
SAN 構成規則
システムは、SAN ベンダーによってサポートされるすべての SAN ファブリック構成をサポートします。
注: システムへの直接接続を構成するときの具体的な要件については、予防サービス計画の資料、「Direct Attachment of Storwize and SAN Volume Controller Systems」を参照してください。
Storwize V3700のノード接続:
- 同じ入出力グループ内のノード間の SAN 通信の構成はオプションです。同じ入出力グループに含まれるポート間で行われるすべてのノード間通信は、ISL を経由してはなりません。
- Storwize V3700とスイッチ間のシステムとスイッチ間のファイバー・チャネル接続は、ファイバー・タイプと SFP の種類 (長波と短波) によって異なることがあります。
ストレージ・システム接続 (オプション) の規則は、次のとおりです。
- システムとストレージ間の接続には、使用可能な最大の帯域幅が必要です。最適なパフォーマンスと信頼性を得るには、Storwize V3700・システムと ストレージ・システム 間のパスが ISL を経由しないようにします。これらのパスで ISL を使用する場合は、十分な帯域幅を確保してください。 障害のある ISL を特定するために、SAN モニターを行う必要があります。
- ストレージ・システムごとに、同じワールド・ワイド・ポート名 (WWPN) のセットへのパスが、それぞれのシステム・ノードに必要です。
- システムとストレージ・システムの間に複数のパスが存在し、これらのパスの一部が ISL を経由する場合は、ゾーニングを使用して、ISL を経由するパスを Storwize V3700 が使用しないようにします。
- Storwize V3700 がシステムとストレージ・システムの間で SAN ルーティング・テクノロジーをサポートするのは、ルーティングが完全に ファイバー・チャネル接続の範囲内で行われ、インターネット・プロトコル (IP) など、他のトランスポート・テクノロジーが使用されない場合です。
- SAN を使用して外部ストレージ・システムに接続する場合、同じコントロール・エンクロージャー内の各ノード・キャニスターは、同じファイバー・チャネル SAN のセットに対するファイバー・チャネル接続を備えている必要があります。
ホスト接続の規則は、次のとおりです。
- ホストとシステム間のパスは、ホストとシステム・ノード間の最大 3 つの ISL ホップをサポートします。
- システムは、システムとホストの間で SAN ルーティング・テクノロジー (FCIP リンクを含む) をサポートします。ただし、長距離 FCIP 接続を使用すると、このテクノロジーによって接続されているサーバーのパフォーマンスが低下する場合があります。
- ホストは、直接または SAN ファブリックを介して、システム・ファイバー・チャネル・ポートに接続できます。
一般的な SAN 構成の規則は、次のとおりです。
- スイッチ間で使用可能な帯域幅を最大限に活用するために、すべての ISL 上で ISL トランキング (ポート・チャネルとも呼ばれる) を使用します。
- ファイバー・チャネル・オーバー IP (FCIP) または iSCSI 接続を使用する場合は、IP ネットワーク内でジャンボ・フレームを使用することを お勧めします。
- Storwize V3700は、システムごとに 0 から 4 つの対応関係にある SAN をサポートします。
- 待ち時間の長いリンクがあると、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。 SAN 内でのファイバー・チャネル接続の長さに関しては、SAN スイッチ・ベンダーおよびその他の接続装置のサポートに関する説明に必ず従ってください。
- すべてのファイバー・チャネル装置 (ホストを除く) は、SAN ファブリック経由で接続する必要があります。直接接続を 使用しないでください。ホストは、直接、または SAN ファブリックを介して 接続できます。
- SAN には、サポートされているスイッチ、ファイバー・チャネル・エクステンダー、および SAN ルーターのみが含まれていなければなりません。 特定のファームウェア・レベルおよびサポートされるハードウェアについては、次の Web サイトを参照してください。
ゾーニングに関する規則
注:
- Storwize V3700・ポートを含むそれぞれのファブリックには、次の規則が適用されます。
- エッジ・デバイスのゾーニング要件がこれより厳密である場合は、ストレージ・システムの規則に従って、システムのゾーニング規則をさらに制限してください。例えば、IBM® DS4000® はストレージ・システム A とストレージ・システム B を同じゾーン内ではサポートしません。
ホストのゾーニングの規則は、次のとおりです。
- システムは、64 を超えるホスト・オブジェクトを含む大規模な構成すべてに対して、単一イニシエーターのゾーニングを必要とします。それぞれのサーバー・ファイバー・チャネル・ポートは個別のゾーンに属し、そのゾーンにはファイバー・チャネル・ポートと Storwize V3700・ポートが含まれている必要があります。 ホスト数が 64 未満の構成では、ゾーンに含まれる HBA およびオペレーティング・システムが同じ種類のものならば、1 つのホスト・ゾーンに最大 40 個のファイバー・チャネル・ポートを含めることができます。
- 最適のパフォーマンスを得るには、ホスト・ファイバー・チャネル・ポートごとにボリューム当たり最大 2 つのパスを組み込みます。この比率は、HBA ごとにシステム・ノード当たり 1 つのポートを含むゾーンと同等です。
- ロード・バランシングのために、システムのポート間でサーバー・ファイバー・チャネル・ポートを交互に使用します。 例えば、1 つ目のサーバーは、それぞれの Storwize V3700・ノードのポート 1 と 3 を使用してゾーニングします (ファブリックごとに 1 つの Storwize V3700・ポート)。2 つ目のサーバーは、ポート 2 と 4 を使用してゾーニングします。
- 1 つのシステム・ボリュームに対してサポートされるパスの最大数は 8 です。
- デュアル・コア SAN 設計を使用する場合は、ノード間通信に ISL リンクを使用しないことが必要条件です。このタイプの構成でホスト・ゾーンを作成する際には、ホスト・ゾーン内のそれぞれのシステム・ポートが、同じファイバー・チャネル・スイッチに接続されるようにします。
ストレージ・システムのゾーニングの規則は、次のとおりです。
- ほとんどの構成の場合、以下の規則が適用されます。
- すべてのストレージ・システムに対して、すべてのノードからのシステム・ポート、およびすべてのストレージ・システム・ポートを含むゾーンを 1 つ作成します。ただし、お使いのストレージ・システムのゾーニングに関するガイドラインで異なる方法が指示されている場合は、その指示のとおりに行います。
- Storwize V3700とストレージ・システムを含むゾーンでは、単一イニシエーターのゾーニングは必要ありません。 Storwize V3700・ポートは、相互にログインしてシステムを形成するように設計されています。
Storwize V3700のゾーニングの規則は、次のとおりです。
- システムに複数のコントロール・エンクロージャーがある場合、システム内の各ノード・キャニスターには、同じシステム内のすべての他のノードへのパスを持つポートが少なくとも 2 つ必要です。通常、これらの規則に適合するゾーニング要件は、他のゾーンで満たします。 ただし、明確にするためには、各 SAN ファブリックについて、その SAN ファブリック内のこのシステムのすべてのポートを含むゾーンを 1 つ作成してください。
- システムにコントロール・エンクロージャーが 1 つしかなく、1 つ以上のファイバー・チャネル・ポートが SAN ファブリックに接続されている場合は、ファイバー・チャネル・ネットワーク経由でのノード・キャニスター間の通信を許可してください。各 SAN ファブリック内のシステムごとに 1 つのゾーンを作成し、そのゾーンにこのシステムのすべてのポートを追加すると、このベスト・プラクティスを満たすことができます。