サイクル構成を使用しないグローバル・ミラーに関する要件

非サイクル・モードでグローバル・ミラー機能を使用する予定の場合、以下の要件について検討してください。

SAN 内のすべてのコンポーネントに、アプリケーション・ホストおよびグローバル・ミラーのバックグラウンド・コピー処理によって生じるワークロードに耐える能力が必要です。SAN 内のすべてのコンポーネントがワークロードに耐えられない場合は、アプリケーション・ホストを応答時間の増加から守るために、グローバル・ミラー関係は自動的に停止されます。

注: グローバル・ミラー操作に関するエラーは、ログに記録されません。
非サイクル・グローバル・ミラー機能を使用する場合は、以下のベスト・プラクティスに従ってください。
  • IBM® Spectrum Control または同等の SAN パフォーマンス分析ツールを使用して、SAN 環境をモニターします。 IBM Spectrum Control では、 システムのパフォーマンス統計を容易に分析することができます。
  • システムのパフォーマンス統計を分析して、リンクがサポートする必要があるピークのアプリケーション書き込みワークロードを判別します。代表的なアプリケーション入出力ワークロード・サイクルの統計を収集します。
  • バックグラウンド・コピー率を、システム間リンクおよびリモート・クラスター化システムでのバックエンド・ストレージ・システムでサポートできる値に設定します。
  • 非サイクル・グローバル・ミラー関係では、キャッシュ使用不可ボリュームは使用しないでください。
  • gmlinktolerance パラメーターを、該当する値に設定します。デフォルト値は 300 秒 (5 分) です。
  • SAN 保守作業を行う際は、以下のいずれかの処置を行ってください。
    • 保守作業中のアプリケーション入出力ワークロードを減らす。
    • gmlinktolerance 機能を無効にするか、gmlinktolerance パラメーターの値を増やす。
      注: 保守作業中に gmlinktolerance パラメーターの値を増やす場合は、保守作業が完了するまでは、その値を通常値に設定しないでください。保守作業の間、gmlinktolerance 機能を使用不可にした場合は、保守作業の完了後に使用可能にしてください。
    • グローバル・ミラー関係を停止する。
  • 非サイクル・グローバル・ミラーボリュームの優先ノードを、システム内のノード間に均等に分散させる。 入出力グループの各ボリュームには、入出力グループ内のノード間で入出力の負荷のバランスを取るために使用できる、優先ノード属性があります。 優先ノード属性は、システム間で入出力操作の経路を指定するために、グローバル・ミラー機能によっても使用されます。 ボリューム用の書き込み操作を受け取るノードは、通常そのボリュームの優先ノードです。ボリュームグローバル・ミラー関係内にある場合は、そのノードが 2 次ボリュームの優先ノードへの書き込み操作の送信を担当します。デフォルトにより、新規ボリュームの優先ノードは、 入出力グループの 2 つのノードのうちのボリュームの数が少ないほうのノードになります。 リモート・システム内の各ノードには、ローカル・システム内のノードごとに、グローバル・ミラー・システム・リソースのセット・プールがあります。 グローバル・ミラーのパフォーマンスを最大化するには、1 次ノードと 2 次ノードのあらゆる組み合わせを使用するように、リモート・システムのボリュームの優先ノードを設定します。
  • 稼働中の関係にある 2 次ボリュームに rmvdisk -force コマンドを発行しないでください。
  • 2 次ボリュームを含んでいるクラスターをアップグレードする前に、すべての関係を停止します。
  • 2 次ボリュームがファイバー・チャネル・マップのソースである場合は、ファイバー・チャネル・マップを開始する前に関係を停止します。