CLI を使用したボリュームの作成

コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用して、ボリュームを作成できます。高可用性ボリュームではないボリュームを作成することも、高可用性ボリュームを作成することもできます。

始める前に

作成するボリュームが、フラッシュ・ドライブ (flash drive) にマップされる場合、ボリュームに保管されているデータは、 フラッシュ・ドライブ の障害またはノードの障害が生じたときに保護されません。データ損失を避けるには、 フラッシュ・ドライブ にマップされるボリューム・コピーを別のノードに追加します。

この作業では、クラスター化システム (システム) がセットアップされていて、さらにストレージ・プールが既に作成されていることを前提としています。イメージ・モードのボリュームに使用する MDisk を保持するために、 空のストレージ・プールを設定することができます。

このタスクについて

注: データを MDisk 上に保持する場合は、イメージ・モード (ボリューム) を作成してください。この作業では、ボリュームをストライプ仮想化によって作成する方法を説明します。

mkvdisk コマンドは、高可用性ボリュームではない順次ボリューム、ストライプ・ボリューム、またはイメージ・モード・ボリュームを作成する場合に使用します。高可用性ボリューム (または高可用性ボリュームでないボリューム) を作成するには、mkvolume コマンドを使用します。mkimagevolume コマンドは、別のストレージ・システムから管理対象ディスクにデータをインポート (保存) することによってイメージ・モード・ボリュームを作成するために使用します。

手順

ボリュームを作成するには、以下のステップを実行します。

  1. lsmdiskgrp CLI コマンドを発行して使用可能なストレージ・プールと、各グループ内のフリー・ストレージの量をリストする。

    次の CLI コマンドを発行して、ストレージ・プールをリストします。

    lsmdiskgrp -delim :

    以下の出力が表示されます。

    id:name:status:mdisk_count:vdisk_count:capacity:extent_size:free_capacity:virtual_capacity:
    used_capacity:real_capacity:overallocation:warning:easy_tier:easy_tier_status
    0:mdiskgrp0:degraded:4:0:34.2GB:16:34.2GB:0:0:0:0:0:auto:inactive
    1:mdiskgrp1:online:4:6:200GB:16:100GB:400GB:75GB:100GB:200:80:on:active
  2. ボリュームのストレージを指定するストレージ・プールを決める。
  3. lsiogrp CLI コマンドを発行して、入出力グループ、および各入出力グループに割り当てられるボリューム数を示す。
    注: 通常、複数の入出力グループのあるシステムは、異なる入出力グループにボリュームが属している mkvdisk を持っています。ソースおよびターゲット・ボリュームが同じ入出力グループ内にあるかどうかに関係なく、FlashCopy® を使用してボリュームのコピーを作成できます。

    同様に、システム内のメトロ・ミラーまたはグローバル・ミラーを使用する計画の場合は、マスター・ボリュームと補助ボリュームの両方が同じ入出力グループに属していても、別々の入出力グループに属していても構いません。

    次の CLI コマンドを発行して、入出力グループをリストします。

    lsiogrp -delim :

    以下の出力が表示されます。

    id:name:node_count:vdisk_count:host_count
    0:io_grp0:2:0:2
    1:io_grp1:2:0:1
    2:io_grp2:0:0:0
    3:io_grp3:0:0:0
    4:recovery_io_grp:0:0:0
  4. ボリュームを割り当てる入出力グループを決定します。これにより、ホスト・システムからの入出力要求を処理するシステム内の Storwize® V3700 ノードが決まります。入出力グループが複数ある場合は、必ず入出力ワークロードがすべての Storwize V3700 ノード間で均等に共有されるように、ボリュームを入出力グループ間で配分してください。
  5. mkvdisk CLI コマンドを発行して、ストライプ仮想化を使用する (高可用性ボリュームではない) ボリュームを作成します。高可用性ボリュームを作成するには、mkvolume コマンドを使用します。

    同期が失われた後にボリューム・コピーの再同期を行う速度は、-syncrate パラメーターを使用して指定できます。表 1 は、速度を定義しています。これらの設定は、フォーマットの初期速度にも影響します。

    表 1. ボリューム・コピーの再同期速度
    Syncrate 値 コピーされるデータ (毎秒)
    1-10 128 KB
    11-20 256 KB
    21-30 512 KB
    31-40 1 MB
    41-50 2 MB
    51-60 4 MB
    61-70 8 MB
    71-80 16 MB
    81-90 32 MB
    91-100 64 MB

    デフォルトの設定は 50 です。同期が失われた後でボリューム・コピーの再同期が迅速に行われるように、同期速度を設定する必要があります。

    次の CLI コマンドを発行して、入出力グループ名およびストレージ・プール名を使用し、同期速度を指定して、2 つのコピーを持つボリュームを作成します。

    mkvdisk -iogrp io_grp1 -mdiskgrp grpa:grpb -size500 -vtype striped 
    -copies 2 –syncrate 90

    ここで、io_grp1 は ボリュームに使用させる入出力グループの名前、grpa はボリュームの 1 次コピー用のストレージ・プール の名前、grpb はボリュームの 2 番目のコピー用のストレージ・プールの名前、2 はボリューム・コピー数です。また、同期速度は 90 で、これは毎秒 32MB に相当します。

    次の CLI コマンドを発行し、入出力グループ ID およびストレージ・プール ID を使用してボリュームを作成します。

    mkvdisk -name mainvdisk1 -iogrp 0
     -mdiskgrp 0 -vtype striped -size 256 -unit gb

    ここで、mainvdisk1ボリュームを呼び出す際に必要とする名前、0 はボリュームに使用させる入出力グループの ID、0 はボリュームに使用させるストレージ・プールの ID、256 はボリュームの容量です。

    次の CLI コマンドを発行し、入出力グループ名およびストレージ・プール名を使用してシン・プロビジョニング・ボリュームを作成します。

    mkvdisk  -iogrp io_grp1 -mdiskgrp bkpmdiskgroup -vtype striped
    -size 10 unit gb -rsize 20% -autoexpand -grainsize 32 

    ここで、io_grp1ボリュームに使用させる入出力グループの名前、20% は、ボリュームに割り振る実ストレージ量を、仮想サイズに対する比率として表したものです。この例では、サイズは 10 GB であるので、2 GB が割り振られます。

    次の CLI コマンドを発行して、入出力グループ名およびストレージ・プール名を使用して、2 つのコピーを持つボリュームを作成します。

    mkvdisk -iogrp io_grp1 -mdiskgrp grpa:grpb 
    -size 500 -vtype striped -copies 2

    ここで、io_grp1 は ボリュームに使用させる入出力グループの名前、grpa はボリュームの 1 次コピー用のストレージ・プール の名前、grpb はボリュームの 2 番目のコピー用のストレージ・プールの名前、2 はボリューム・コピー数です。

    ストライピングされた高可用性ボリュームを作成するには、次の CLI コマンドを発行します。
    mkvolume -pool 0:1 -size 1000
    これは、1000 MB の容量を持つストレージ・プール 0 内にボリュームを作成します。
    イメージ・モードのボリュームを作成するには、次の CLI コマンドを発行します。
    mkimagevolume -mdisk 7 -pool 1 -thin -size 25 -unit gb
    これにより、仮想容量が 25 GBのスペース効率のよいイメージ・モード・ボリュームが、MDisk 7 を使用してストレージ・プール 1 にインポートされます。
    注: 異なるタイプの 2 つのボリューム・コピーを作成したい場合は、mkvdisk コマンドを使用して最初のコピーを作成し、次に addvdiskcopy コマンドを使用して 2 番目のコピーを追加します。高可用性ボリュームを作成するには、mkvolume コマンドを使用します。基本ボリュームを高可用性ボリュームに変換するには、addvolumecopy コマンドを使用します。
  6. lsvdisk CLI コマンドを発行して、作成されたすべてのボリュームをリストする。