SCSI イベント・レポート

ノードは、実行された SCSI コマンドのイベントをそれらのホストに通知することができます。

SCSI の状況

いくつかのイベントは、SCSI アーキテクチャーの一部であり、イベントを報告せずにホスト・アプリケーションまたはデバイス・ドライバーが処理します。イベントによっては、例えば読み取りまたは書き込みの入出力イベントや、ノードの損失、またはバックエンド装置へのアクセス障害に関連したイベントなど、アプリケーション入出力の失敗を引き起こすものがあります。 これらのイベントのトラブルシューティングを行うため、SCSI コマンドには「チェック条件 (Check Condition)」状況が戻され、32 ビットのイベント ID がセンス情報とともに含まれます。この ID は、イベント・ログ内の特定のイベントに関連しています。

ホスト・アプリケーションまたはデバイス・ドライバーがこの情報を収集し、保管する場合、アプリケーション障害をイベント・ログに関連付けることができます。

表 1 は、ノードによって戻される SCSI 状況とコードについて説明しています。

表 1. SCSI の状況
状況 コード 説明
正常 (Good) 00h コマンドは正常に実行されました。
チェック条件 (Check condition) 02h コマンドは失敗しました。センス・データが使用できます。
条件合致 (Condition met) 04h N/A
ビジー (Busy) 08h 自動応答義務条件が存在し、コマンドは NACA=0 を指定しました。
中間 (Intermediate) 10h N/A
中間 - 条件合致 (Intermediate - condition met) 14h N/A
予約競合 (Reservation conflict) 18h 予約または永続予約条件が存在している SPC2 および SAM-2 で指定されたとおり戻されました。
タスク・セット・フル (Task set full) 28h イニシエーターには、このポート上の LUN に対してキューに入れられたタスクが少なくとも 1 つあります。
ACA アクティブ (ACA active) 30h このコードは、SAM-2 で指定されたとおりに報告されます。
タスク異常終了 (Task aborted) 40h TAS が制御モード・ページ 0Ch に設定されている場合、このコードが戻されます。 ノードのデフォルト設定は TAS=0 で、変更することはできません。したがって、ノードは、この状況を報告しません。

SCSI センス

ノードは、ホストに SCSI コマンド上のイベントを通知します。表 2 では、ノードによって戻される SCSI センス・キー、コードおよび修飾子を定義しています。

表 2. SCSI センス・キー、コード、および修飾子
キー コード 修飾子 定義 説明
2h 04h 01h 作動不能。論理装置は、作動可能になるための処理を実行中です。 ノードはシステムを確認できないため、入出力操作を実行できません。 追加センスには追加情報はありません。
2h 04h 0Ch 作動不能。ターゲット・ポートは無効です。 以下の条件が考えられます。
  • ノードはシステムを確認できないため、入出力操作を実行できません。 追加センスには追加情報はありません。
  • ノードはシステムに接続していますが、バックエンド・コントローラーへの接続が失われたか、または何らかのアルゴリズム上の問題が原因で、指定された論理装置に対して入出力操作を実行できません。 オフラインのボリュームについてこのセンスは戻されます。
3h 00h 00h メディア・イベント これは、読み取りまたは書き込み入出力に対してのみ戻されます。有効範囲内の特定の LBA で、入出力にイベントが発生しました。イベントの位置は、センス・データ内で報告されます。追加センスには、イベントを対応するイベント・ログ・エントリーに関連付ける理由コードも含まれます。例えば、RAID コントローラー・イベントまたは移行済みメディア・イベントです。
4h 08h 00h ハードウェア・イベント。論理装置通信コマンドに障害が発生しました。 入出力に、RAID コントローラーが戻した入出力イベントに関連したイベントが発生しました。追加センスには、コントローラーが戻したセンス・データを指す理由コードが含まれます。これは、入出力タイプ・コマンドに対してのみ戻されます。このイベントは、準備済み、および準備中の状態にある FlashCopy ターゲット・ボリュームからも戻されます。
5h 25h 00h 要求が正しくありません。この論理装置はサポートされていません。 論理装置が存在しないか、コマンド送信側にマップされていません。

理由コード

理由コードは、センス・データのバイト 20 から 23 に出力されます。理由コードは、ノードに特定のログ・エントリーを提供します。 フィールドは、32 ビットの符号なし番号で、最上位バイトが最初に示されます。表 3 に、理由コードとその定義をリストしています。

表 3 に理由コードがリストされていない場合、そのコードは、関連するイベント・ログのシーケンス番号に対応するイベント・ログ内の特定のイベントを参照します。

表 3. 理由コード
理由コード (10 進数) 説明
40 リソースは、停止済み FlashCopy マッピングの一部です。
60 ノードがオフラインです。
71 リソースは、いずれのドメインにも結合されていません。
72 リソースは、再作成されたドメインに結合されています。
73 オフラインになったパスのいずれにも起因しない何らかの理由で、適用除外されたノード上で稼働しています。
80 修復が完了するのを待つか、ボリュームを削除します。
81 検証が完了するのを待つか、ボリュームを削除します。
82 オフラインのシン・プロビジョニング・ボリュームにより、ディレクトリー・キャッシュでデータが pinned (滞留) されました。 他のシン・プロビジョニング・ボリュームでは、十分なパフォーマンスを実現できないため、オフラインになりました。
85 クォーラム・ディスクへのチェックポイント指定が失敗したため、ボリュームがオフラインになりました。
86 repairvdiskcopy -medium コマンドにより、コピーが異なる仮想メディア・エラーが生じました。
93 オフライン RAID-5 または RAID-6 アレイによって、イン・フライト書き込みデータのピンが発生しました。他のアレイに正常なパフォーマンスを実現できないため、オフラインになりました。
94 クォーラム・ディスクへのチェックポイント指定が失敗したため、ボリュームの一部であるアレイ MDisk がオフラインになりました。
95 この理由コードは MDisk 不良ブロック・ダンプ・ファイルで使用され、再作成中のストリップとパリティーを再同期しなければならないことが原因で、または複数の障害による他の何らかの RAID アルゴリズムの理由によって、データ損失が発生したことを示します。
96 内部メタデータ・テーブルがフルになったために、ボリュームの一部である RAID-6 アレイ MDisk がオフラインになりました。