iSCSI ホスト用の VLAN の構成
iSCSI 接続ホスト用の仮想ローカル・エリア・ネットワーク (VLAN) の構成を計画する際、以下のガイドラインに従ってください。
- iSCSI トラフィックに対して VLAN タグ付けがサポートされます。VLAN により、イーサネット転送について層 2 レベルでのネットワーク・トラフィック分割が提供されます。
- デフォルトでの VLAN タグ付けは、ノード・ポートのすべての IP アドレスについて使用不可に設定されます。コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用して、オプションで、ポート・インターネット・プロトコル (IP) 用の VLAN ID を設定することができます。
- iSCSI ホスト接続に使用される IP アドレス用に VLAN ID が構成された場合の接続問題を回避するためには、イーサネット・ネットワークおよびサーバー上の該当の VLAN 設定も適切に構成する必要があります。
- システムの 1G イーサネット・ポートおよび 10G イーサネット・ポート上で VLAN ID を構成することができます。
- イーサネット・ポートの IPv4 アドレスおよび IPv6 アドレス用に VLAN ID を構成することができます。
- 同じ VLAN ID をすべてのイーサネット・ポート IP アドレス用に構成したり、あるいは各イーサネット・ポート IP アドレス上に異なる VLAN ID を構成したりすることが可能です。
- バージョン 7.4.0 よりも前のソフトウェアを実行しているシステムで既に構成されている iSCSI ホスト接続セッション用に VLAN タグを設定するのは、中断を伴うプロセスです。
- 既存のホスト接続セッション用に VLAN タグを構成するには、次のようにします。
- iSCSI 接続に使用されるホスト・ポート上に VLAN を構成します。
- ポート接続に従って、適切な VLAN タグを使用してすべての仲介スイッチを構成します。
- 適切な VLAN タグを使用してシステム・ポートを構成します。
- ホストからの入出力を中断せずに VLAN タグ付けを行う必要がある場合は、ホストに複数のポートが備わっている必要があります。各システム iSCSI ポートに対する複数の iSCSI セッションを使用して、ホスト上のマルチパス・ドライバーを正しく構成する必要があります。さらに、VLAN の構成時に、システムへの代替パスを介して入出力が継続できるように iSCSI セッションを一度に 1 つずつダウンさせる必要があります。スイッチの接続性によって、このプロセスが可能な場合とそうでない場合があります。
- ノード障害時のストレージへの信頼できる接続を確実なものにするために、入出力グループの 2 つのノード上でローカルなフェイルオーバー・ポートに同じ VLAN ID を構成します。
- 入出力グループの 2 つのノード上のローカルなフェイルオーバー・ポートに対して異なる VLAN ID が設定される場合は、両方の VLAN ID をイーサネット・スイッチ・ポートに構成します。このようにすると、障害が発生しているノードから存続するノードへの IP アドレスのフェイルオーバーが成功します。この設定は、ノード障害時にストレージへのパスが失われないようにするために必要です。
- VLAN が構成された後は、VLAN 設定に対する変更により、それらのイーサネット・ポートとの間の iSCSI トラフィックは中断されます。
- 異なるポート上に異なる VLAN を持つが、ポート上に同じサブネットをもつ構成はサポートされません。
既存のホスト・セッションでの VLAN タグの構成
既存のホスト・セッションで VLAN タグを構成するには、以下の手順を実行します。
- ホストで、iSCSI 接続に使用されるホスト・ポートに対して VLAN を構成します。このステップを実行するには、適切なホストの資料を参照してください。
- すべての仲介スイッチで、ポートの接続ごとに VLAN タグを使用してスイッチを構成します。 このステップを実行するには、適切なスイッチの資料を参照してください。
- VLAN タグを構成するポートがホスト接続に使用されていることを確認します。 管理 GUI で、「はい」が表示されていることを確認します。 「いいえ」が表示されている場合、ポートを右クリックして「iSCSI ホストの変更」を選択し、「使用可能」を選択します。 を選択します。 選択したポートの「ホスト接続」列に
- 以下の手順を実行して、適切な VLAN タグを使用してシステム上のポートを構成します。
- 管理 GUI で、 を選択します。
- VLAN を構成するポートを右クリックし、 と選択します。
- 「VLAN の変更」ページで、IPv4 または IPv6 のいずれかの接続用に VLAN を選択して使用可能にします。
- VLAN タグを入力し、フェイルオーバー・ポートに同じ VLAN タグを使用するかどうかを選択します。フェイルオーバー・ポートに同じ VLAN タグがない場合、ホストがボリュームへのアクセスを失う可能性があります。 アクセスが失われないよう、フェイルオーバー・ポートに同じ VLAN タグを選択して使用します。
- 「変更」をクリックする。
- この VLAN 構成で PFC を使用する場合は、PFC 対応スイッチで以下の手順を実行します。
- スイッチ上で iSCSI に優先度タグを設定します。
- スイッチ上で iSCSI 優先度タグに対して PFC を有効にします。
- スイッチ上で、データ・センター・ブリッジング交換 (DCBx) を有効にします。DCBx を使用すると、スイッチとアダプター・ポートで、トラフィック・クラスと PFC 機能について記述するパラメーターを交換できます。
これらの手順について詳しくは、スイッチの資料を参照してください。