Storwize V3700 環境要件

Storwize® V3700 システムをインストールする前に、物理環境が特定の要件を満たしている必要があります。 これには、十分なスペースが使用可能であり、 電源要件および環境条件が満たされていることの確認も含まれます。

安全上の注意

すべてのラック・マウント装置に対し、以下の一般的な安全上の注意を使用してください。

危険
ラック・システムで、または IT ラック・システムの周囲で作業する場合は、以下の予防措置を守ってください。
  • 重量のある装置を扱う場合、取り扱いを誤ると身体傷害または装置損傷が発生するおそれがあります。
  • ラック・キャビネットのレベル・パッドを常に下げておいてください。
  • ラック・キャビネットにスタビライザー・ブラケットを常に取り付けておいてください。
  • 機械的負荷が均等でないために起きる危険な状態を回避するため、最も重い装置は、常にラック・キャビネットの最下部に取り付けてください。サーバーやオプションの装置の取り付けは、常にラック・キャビネットの下部から始めてください。
  • ラック・マウント・デバイスを、棚代わりや、作業スペースとして使用してはなりません。ラック・マウント・デバイスの上に物を置かないでください。
    棚に物が置かれている不安定なラック
  • 各ラック・キャビネットごとに 2 本以上の電源コードが使われている場合があります。保守の際に電源を切り離すよう指示された場合は、ラック・キャビネットの電源コードをすべて外してください。
  • ラック・キャビネットに取り付ける装置はすべて、同じラック・キャビネットに取り付けられた電源装置に接続してください。あるラック・キャビネットに取り付けた装置の電源コードを、別のラック・キャビネットに取り付けた電源装置に接続してはなりません。
  • 正しく配線されていないコンセントは、システムまたは、 システムに接続されている装置の金属部品に危険な電圧をかけるおそれがあります。 感電予防のため、お客様の責任で、 コンセントの正しい配線と接地を確認してください。 (R001 パート 1/2)
注意:
  • すべてのラック・マウント・デバイスについて、ラック内部の環境温度が、製造メーカーが推奨する環境温度を超えるようなユニットをラックに取り付けないでください。
  • 通気が悪いラックに、ユニットを取り付けないでください。ユニット全体の通気について、使用されるユニットの側面、前面、または背面のいずれでも通気が妨げられていないか、あるいは低減されていないか確認してください。
  • 電源回路への装置の接続について十分配慮し、回路の過負荷のために供給配線の不具合や、過電流が起こらないように保護してください。ラックへの電源接続を正しく行うために、ラックの装置上に付いている定格ラベルを参照して、電源回路の総消費電力を判別してください。
  • (スライド式ドロワーの場合) ラックのスタビライザー・ブラケットがラックに留められていない状態のときに、ドロワーまたは機構を引き出したり、取り付けたりしないでください。複数のドロワーを同時に引き出さないでください。複数のドロワーを同時に引き出すと、ラックは不安定になります。
  • (固定ドロワーの場合) このドロワーは固定ドロワーであり、製造メーカーが特に指定しない限り、修理などのために動かしてはなりません。このドロワーをラックから部分的に、または完全に取り出すと、ラックが 不安定になったり、ドロワーがラックから落ちることがあります。(R001 パート 2/2)
重要: さらに、以下の点に留意してください。
  • ラックの設計は、取り付けられたエンクロージャーの総重量を支えなければならず、 さらに、取り付け作業中または通常使用中にラックが倒れたり押されて動くことがないように安定化機構を備えていることが必要です。
  • ラックの設計は、エンクロージャー稼働時の最高室内温度 35 ℃ (華氏 95°) を考慮することが必要です。
  • システムは、ラック・ドアと障害物によって生じる 5 パスカル (0.5 mm 水位計) を超えないバック・プレッシャーがある低圧背面排気環境で作動しなければなりません。
  • ラックは、安全性の高い配電システムを備えている必要があります。 ラックは、エンクロージャー用の過電流保護機能を備えている必要があり、また、取り付けられているエンクロージャーの総数で過負荷にならないようにする必要があります。表示されている定格電力消費量を守る必要があります。
  • 配電システムは、ラック内の各エンクロージャーごとに信頼性の高いアースを提供する必要があります。

各電源機構 (エンクロージャーごとに 2 つ) ごとの消費電力

お客様の稼働環境が次の電源要件を満たしていることを確認してください。

電源要件および冷却要件の計画に役立つように、表 1 に、エンクロージャー別に各電源機構 (PSU) の定格をリストします。

システムによって使用される電力は、システム内のエンクロージャーとドライブの数や周辺温度など、さまざまな要因によって異なります。

表 1. 電源機構ごとの電源仕様
モデルおよびタイプ PSU 入力電源要件 最大入力電流 最大電源出力 熱量値 (BTU/時)
2072-12C および 2072-12E コントロール・エンクロージャー (12 個の 3.5 型ドライブ・スロット付き) 358 W (2)

100 - 240V 単相 AC

周波数: 50 Hz から 60 Hz

10A (100V)

6A (240V)

358 W 1222
2072-24C および 2072-24E コントロール・エンクロージャー (24 個の 2.5 型ドライブ・スロット付き) 405 W (2) 405 W 1383
表 2 に示されている電力および熱の測定値は、特定の稼働環境において、記載されている条件下で得られたものです。これらの測定値は例として示されています。他の稼働環境で得られる測定値は異なる可能性があります。 お客様独自のテストを実施して、ご使用の環境に固有の測定値を判定してください。
表 2. エンクロージャーごとの電力消費量の例
モデルおよびタイプ 構成 合計電力消費量 熱量値 (BTU/時)
2072-12C

デュアル・キャニスター
デュアル 8 Gbs FC 4 ポート・ホスト・インターフェース・アダプター
12x 3TB 7,200 rpm 6Gb SAS NL 3.5" HDD

334 1141
2072-12E

デュアル・キャニスター
12x 3TB 7,200 rpm 6Gb SAS NL 3.5" HDD

267 912
2072-24C

デュアル・キャニスター
デュアル 8Gbs FC 4 ポート・ホスト・インターフェース・アダプター
24x 300GB 15,000 rpm 6Gb SAS 2.5" HDD

382 1305
2072-24E

デュアル・キャニスター
デュアル 8Gbs FC 4 ポート・ホスト・インターフェース・アダプター
24x 300GB 15,000 rpm 6Gb SAS 2.5" HDD

310 1059

それぞれの Storwize V3700 エンクロージャーには、冗長性を確保するために 2 つの PSU が収容されています。 合計電力消費量の値は、両方の PSU によって消費される合計電力量を表しています。

環境要件

システムの空気の流れは、以下のように、各エンクロージャーの前部から後部へ向かいます。
  • 空気の流れは、ドライブ・キャリアの間を通過し、各エンクロージャーを抜けて通ります。
  • 結合された電源と冷却装置のモジュールは、各キャニスターの後部から空気を排出します。
  • ラック・ドアおよびその他の障害物からのバック・プレッシャーは、5 パスカル (0.5mm 水位計) を超えることはできません。

ご使用の環境が、表 3 に示されている範囲内にあることを確認してください。

表 3. 温度の要件
環境 周辺温度 高度 相対湿度 最大露点
操作時 10°C から 35°C
(50°F から 95°F)
0 から 3050 m
(0 から 10,006 フィート)
20% から 80% 結露なし 21°C
(69°F)
 
 
非操作時 -10°C から 50°C
(14°F から 125°F)
0 から 3050m
(0 から 10,006 フィート)
8% から 80% まで (結露なし) 27°C
(80°F)
ストレージ 1°C から 60°C
(33°F から 140°F)
制限なし 5% から 80% 結露なし 29°C
(84°F)
配送時 -40°C から 60°C
(-40°F から 140°F)
制限なし 5% から 100% 結露なし 29°C
(84°F)

寸法と重量

表 4 に示されているデータに基づいて、このエンクロージャーをサポートできるラックに使用可能なスペースがあることを確認します。

表 4. 物理的特性
エンクロージャー 高さ 奥行き 最大重量
ドライブは作動可能 (ドライブ・モジュールなし) 完全に構成済み (ドライブ・モジュールを使用)

2072-12C および 2072-12E コントロール・エンクロージャー (12 個のドライブ・スロット付き)

8.7 cm (3.4 インチ)

48.3 cm (19.0 インチ)

55.6 cm (21.9 インチ)

18.0 kg (39.6 lb)

28.3 kg (62.2 lb)

2072-24C および 2072-24E コントロール・エンクロージャー (12 個のドライブ・スロット付き)

8.7 cm (3.4 インチ)

48.3 cm (19.0 インチ)

55.6 cm (21.9 インチ)

19.0 kg (41.8 lb)

27.3 kg (60.0 lb)

必要な追加スペース

エンクロージャーの周囲に、表 5 に示されているように、追加のスペース所要量が使用可能であることを確認します。

表 5. 保守スペース
位置

必要な追加スペース

理由
左側および右側

50 mm (2 インチ)

冷却用空気の流れ
背面

最小: 100 mm (4 in.)

ケーブルの出口

のサポートされるドライブ

表 6 は、Storwize V3700 システムのドライブ仕様を示しています。

表 6. ドライブの仕様
モデルおよびタイプ 3.5 型ドライブ 2.5 型ドライブ

2072-12C および 2072-12E コントロール・エンクロージャー (12 個の 3.5 型ドライブ・スロット付き)

  • 2 TB 3.5 型 7.2K RPM ニアライン SAS ディスク
  • 3 TB 3.5 型 7.2K RPM ニアライン SAS ディスク
-

2072-24C および 2072-24E コントロール・エンクロージャー (24 個の 2.5 型ドライブ・スロット付き)

-
  • 300GB 2.5" 10K RPM SAS ディスク
  • 600 GB 2.5 型 10K RPM SAS ディスク
  • 900 GB 2.5 型 10K RPM SAS ディスク
  • 146 GB 2.5 型 10K RPM SAS ディスク
  • 300 GB 2.5 型 10K RPM SAS ディスク
  • 500 GB 2.5 型 7.2K RPM ニアライン SAS ディスク
  • 1 TB 2.5 型 7.2K RPM ニアライン SAS ディスク
  • 200 GB 2.5 型フラッシュ・ドライブ
  • 400 GB 2.5 型フラッシュ・ドライブ

Storwize V7000 Gen1 モデルは、RAID レベル 0、1、5、6、および 10 のシステムでは最大 240 個のドライブをサポートします。Storwize V7000 Gen2 モデルは、RAID レベル 0、1、5、6、および 10 のシステムでは最大 504 個のドライブをサポートします。

Storwize V3700 エンクロージャーの SAS ドライブの騒音仕様

表 7 は、Storwize V3700 システムの音響仕様を示しています。

表 7. 音響の仕様
モデルおよびタイプ エンクロージャーごとの音響出力

2072-12C および 2072-12E コントロール・エンクロージャー (12 個のドライブ・スロット付き)

6.0 ベル (アイドリング時)

6.0 ベル (稼働時)

2072-24C および 2072-24E コントロール・エンクロージャー (24 個のドライブ・スロット付き)

6.1 ベル (アイドリング時)

6.1 ベル (稼働時)

記載されている放出ノイズ・レベルは、サンプルとして無作為に抽出されたマシンに対するデシベル単位の公称 (上限) 音響パワー・レベルです。 すべての測定は、ISO 7779 に従って実施され、ISO 9296 に準拠して報告されています。

Storwize V3700 エンクロージャーの衝撃/振動仕様

表 8 および表 9 は、Storwize V3700 システムの衝撃および振動のテスト結果を示しています。

表 8. 衝動テストの結果
衝撃カテゴリー テスト・レベル パフォーマンス
操作時 5g 10ms 1/2 Sine <=25g 10ms
非操作時 30g 10ms 1/2 Sine <=75g 11ms
表 9. 振動テストの結果
振動カテゴリー テスト・レベル パフォーマンス
操作時 0.21 grms 5-500Hz ランダム スループット・ロス <=10% FCAL <= 0.68 grms
非操作時 1.04 grms 2-200Hz ランダム <=3.12 grms
配送時 0.3g 2-200Hz Sine <=5g
回転振動 外部振動がない場合のエンクロージャー内の通常の操作時のパフォーマンス測定 パフォーマンス・プロファイル範囲内の、同じタイプのすべてのドライブのスループット・ロス。

Storwize V3700 エンクロージャーのサポート・レール仕様

表 10 は、Storwize V3700 システム用のラックのサポートされる奥行きを示しています。

表 10. サポートされるラックの奥行き
ラック サポートされる奥行き
標準、19 インチ 69.0 cm から 71.5 cm