CLI を使用したシステム構成のバックアップ

構成データは、 コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用してバックアップできます。

始める前に

構成データをバックアップするには、 以下の前提条件が満たされている必要があります。

  • バックアップ・コマンドの実行中は、構成を変更する独立した操作は実行できません。
  • オブジェクト名の最初の文字が下線 (_) であってはなりません。

このタスクについて

svcconfig CLI コマンドのバックアップ機能は、ボリューム、ストレージ・プール、およびノードなどの、システム構成に関する情報をバックアップするように設計されています。 ボリュームに書き込んだ他のデータは、すべてバックアップされません。 システム上のボリュームをストレージとして使用しているすべてのアプリケーションは、適切なバックアップ方式を使用してそのアプリケーション・データをバックアップする必要があります。

システム構成に重大な変更を行った後などは、データ損失を避けるために、構成データおよびアプリケーション・データを定期的にバックアップする必要があります。

注: システムは、毎日午前 1 時に構成データのバックアップを自動的に作成します。 このバックアップは、cron バックアップと呼ばれ、構成ノードの /dumps/svc.config.cron.xml_serial# に書き込まれます。

これらの説明は、いつでも手動のバックアップを生成するために使用します。重大な障害が発生すると、システムの構成データとアプリケーション・データの両方が失われる可能性があります。 構成データのバックアップを使用することで、システム構成を障害が発生する前と完全に同じ状態に復元することができます。 場合によっては、アプリケーション・データを自動的にリカバリーできることがあります。このバックアップは、システムのリカバリー手順 (Tier 3 (T3) 手順とも呼ばれる) を使用して試行することができます。アプリケーション・データのリカバリーを試行せずにシステム構成を復元するには、システム構成の復元手順 (Tier 4 (T4) リカバリーとも呼ばれる) を使用します。 これらの手順は、どちらも最近の構成データのバックアップが必要です。

構成データをバックアップするには、以下の手順を実行します。

手順

  1. 選択したバックアップ方式を使用して、ボリュームに保管したすべてのアプリケーション・データをバックアップします。
  2. 次の CLI コマンドを発行して構成をバックアップする。
    svcconfig backup
    以下の出力は、バックアップ処理の際に表示される可能性があるメッセージの例です。

    svcconfig backup CLI コマンドは、バックアップ処理および構成に関する情報を提供する 3 つのファイルを作成します。 これらのファイルは、構成ノード・キャニスターの /dumps ディレクトリー内に作成されます。

    表 1 は、バックアップ処理で作成される 3 つのファイルについて説明しています。
    表 1. バックアップ処理で作成されるファイル
    ファイル名 説明
    svc.config.backup.xml_<serial#> 構成データが含まれます。
    svc.config.backup.sh_<serial#> システムのバックアップを作成するために発行されたコマンドの名前が含まれます。
    svc.config.backup.log_<serial#> 報告されたすべてのエラーまたは警告を含む、バックアップに関する詳細が含まれます。
  3. svcconfig backup コマンドが正常に完了したことを確認し、コマンド出力に警告やエラーがないかを調査する。 以下の出力は、バックアップ処理が正常に完了した際に表示されるメッセージの例です。
    CMMVC6155I SVCCONFIG 処理は正常に完了しました。
    処理が失敗した場合は、エラーを解決して、コマンドを再実行してください。
  4. システムのハードウェア障害から保護するために、ファイルのバックアップ・コピーはシステムの外部に保持してください。バックアップ・ファイルは、システムから、安全なロケーションにコピーします。管理 GUI または IBM SmartCloud Provisioning のコマンド・ラインを使用します。例えば、次のとおりです。
    pscp  -unsafe superuser@cluster_ip:/dumps/svc.config.backup.*
     /offclusterstorage/
    cluster_ip は、システムの IP アドレスまたは DNS 名であり、offclusterstorage はバックアップ・ファイルを保管するロケーションです。
    ヒント: 構成データへのアクセスを引き続き制御するため、バックアップ・ファイルをパスワード保護されたロケーションにコピーします。