OpenVMS によるボリュームのディスカバーと割り当て

ボリュームを認識するために、OpenVMS は UDID 値を発行します。この値は、-udid XXX オプションを使用して、ボリュームの作成または変更時に設定できます。ここで、XXX は、任意の固有の数値です。

OpenVMS ファイバー接続の各ボリュームには、ユーザー定義の ID またはユニット装置 ID (UDID) が必要です。 UDID は、OpenVMS 装置名の作成時に使用される負でない整数です。 すべてのファイバー接続ボリュームの割り振りクラスは、$1$ の後に文字 DGA、その後に UDID 値が続きます。 OpenVMS システムに割り当てるすべてのストレージ・ユニット LUN は、オペレーティング・システムがこれを検出して装置名を付けられるように UDID が必要です。 OpenVMS システムが残りの割り当て済みボリュームを検出できるように、LUN 0 が作成され、存在している必要があります。

OpenVMS UDID 値は、10 進数の 0 から 32767 でなければなりません。 ただし 、CLI ユーティリティーは UDID 値の規則を強制実行しないため、入力値が有効であることを確認する必要があります。 例えば CLI は、OpenVMS に無効な値 (AaBbCcDd など) でも受け付けます。 複数のストレージ・ユニット・ボリュームに同一の UDID 値を割り当てることもできます。 ただし、OpenVMS システムに割り当てる各ボリュームは、OpenVMS クラスター内で固有の値とする必要があります。 UDID 規則についての詳細は、http://h71000.www7.hp.com にある HP OpenVMS 資料を参照してください。
注: UDID の値が 9999 より大きいボリュームは、OpenVMS クラスターから他のシステムに対して MSCP の使用ができません。

UDID 値は、MDisk と関連グループおよびホスト情報をセットアップした後で、ボリュームの作成中に入力する必要があります。 UDID 値は、コマンド chvdisk を使用して変更または追加することができます。 図 1 を参照してください。

図 1. ボリューム割り当ての出力例
mkvdisk -mdiskgrp 0 -size 2 -unit gb -iogrp io_grp0 -mdisk mdisk0 -udid 10 -name ovms_10

mkvdiskhostmap -host gs160a ovms_10
図 1 に概説された手順を使用するときは、残りの新規ディスクについても同じ手順を使用することができます。 図 2 を参照してください。
図 2. 出力例
 lsvdisk -delim :
id:name:IO_group_id:IO_group_name:status:mdisk_grp_id:mdisk_grp_name:capacity:type:
FC_id:FC_name:RC_id:RC_name:vdisk_UID
0:ovms_0:0:io_grp_0:online:0:ds6000:2.0GB:striped:::::60050768019381005000000000000000
1:ovms_1:0:io_grp_0:online:0:ds6000:2.0GB:striped:::::60050768019381005000000000000001
2:ovms_2:0:io_grp_0:online:0:ds6000:2.0GB:striped:::::60050768019381005000000000000002
3:ovms_3:0:io_grp_0:online:0:ds6000:2.0GB:striped:::::60050768019381005000000000000003
4:ovms_4:0:io_grp_0:online:0:ds6000:3.0GB:striped:::::60050768019381005000000000000004
5:ovms_5:0:io_grp_0:online:0:ds6000:3.0GB:striped:::::60050768019381005000000000000005
6:ovms_6:0:io_grp_0:online:0:ds6000:2.0GB:striped:::::60050768019381005000000000000006
7:ovms_7:0:io_grp_0:online:0:ds6000:2.0GB:striped:::::60050768019381005000000000000007

システムが既に稼働中の場合は、Show Device コマンドまたは Analyze/System ユーティリティーを使用して WWPN を見つけます。Show Device コマンドを実行するには、次のコマンドを入力します。
show device fg/full
Analyze/System ユーティリティーを実行するには、OpenVMS CMKRNL 特権が必要です。 このユーティリティーを使用するには、以下の手順を実行します。
  1. 次のコマンドを入力します。
    ANALYZE/SYSTEM
  2. SDA> プロンプトが出されたら、次のコマンドを入力します。
    fc show dev fgadapter0
ここで adapter は、アダプターを識別する文字です。 例えば、次のようなコマンドを入力します。
fc show dev fga0

OpenVMS ホスト上の新規ディスクをディスカバーするには、SYSMAN ユーティリティーを使用します。 図 3 を参照してください。

図 3. 出力例
SYSMAN> IO SCSI_PATH_VERIFY
SYSMAN> IO AUTOCONFIGURE
SYSMAN> exit
$ sho dev d

Device                  Device           Error    Volume         Free  Trans Mnt
 Name                   Status           Count     Label        Blocks Count Cnt
GS160A$DKA0:            Online               0
$1$DGA10:     (GS160A)  Online               0
$1$DGA11:     (GS160A)  Online               1
$1$DGA12:     (GS160A)  Online               1
$1$DGA13:     (GS160A)  Online               1
$1$DGA14:     (GS160A)  Online               0
$1$DGA15:     (GS160A)  Online               0
$1$DGA16:     (GS160A)  Online               0
$1$DGA17:     (GS160A)  Online               0
$1$DGA10001:  (GS160A)  Online               0
$1$DKD100:    (GS160A)  Online               0
$1$DKD300:    (GS160A)  Mounted              0  GS160A_SYS    25643715   341   1
$1$DKD500:    (GS160A)  Online               0
$1$DQA0:      (GS160A)  Online               0
$1$DQA1:      (GS160A)  Offline              1
$ init $1$dga16: dga16
$ init $1$dga17: dga17
$ mou $1$dga16 dga16
%MOUNT-I-MOUNTED, DGA16 mounted on _$1$DGA16: (GS160A)
$ mou $1$dga17 dga17
%MOUNT-I-MOUNTED, DGA17 mounted on _$1$DGA17: (GS160A)
$ init $1$dga10: dga10
$ init $1$dga11: dga11
$ mou $1$dga11 dga11
%MOUNT-I-MOUNTED, DGA11 mounted on _$1$DGA11: (GS160A)
$ sho dev d

Device                  Device           Error    Volume         Free  Trans Mnt
 Name                   Status           Count     Label        Blocks Count Cnt
GS160A$DKA0:            Online               0
$1$DGA10:     (GS160A)  Online               0
$1$DGA11:     (GS160A)  Mounted alloc       12  DGA11          4193950     1   1
$1$DGA12:     (GS160A)  Online              57
$1$DGA13:     (GS160A)  Online              57
$1$DGA14:     (GS160A)  Online              56
$1$DGA15:     (GS160A)  Online              57
$1$DGA16:     (GS160A)  Mounted alloc       12  DGA16          4193950     1   1
$1$DGA17:     (GS160A)  Mounted alloc       20  DGA17          4193950     1   1
$1$DGA10001:  (GS160A)  Online               0
$1$DKD100:    (GS160A)  Online               0
$1$DKD300:    (GS160A)  Mounted              0  GS160A_SYS    25642572   341   1
$1$DKD500:    (GS160A)  Online               0
$1$DQA0:      (GS160A)  Online               0
$1$DQA1:      (GS160A)  Offline              1
注: Storwize® V3700の通知メッセージは、ホスト上で ASC/ASCQ エラーとして表示される場合があります。例えば、x2500 (サポートされていない論理装置 (Logical Unit Not Supported))、x2900 (電源オン、リセット、またはバス装置のリセットが発生 (Power On, Reset, or Bus Device Reset Occurred))、および x3F0E (直接アクセス装置 ASC/ASCQ が認識されない (Direct Access Device ASC/ASCQ unrecognized)) です。これらのエラーの結果としてデータまたはアクセスが失われることはありません。