CLI を使用したエクステントのマイグレーション

パフォーマンスを改善するために、コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用してエクステントをマイグレーションすることができます。

このタスクについて

システムは、各種のデータ・マイグレーション機能を提供します。これらの機能を使用して、プールプール の両方でデータの配置を移動できます。これらの機能は、入出力操作と同時に使用することもできます。次のいずれかの方法を使用して、データをマイグレーションできます。
  1. 1 つの MDisk から (同じプール内の) 別の MDisk へのデータ (エクステント)のマイグレーション。 この方法を使用して、使用率の高い MDisk を除去できます。
  2. ボリュームを 1 つのプールから別のストレージ・プールへのマイグレーション。この方法を使用して、使用率の高いプールを除去できます。例えば、MDisk のプールの使用を減らすことができます。容量を親プールから受け取る子プールは、子プールにマイグレーションされるエクステントを持つことができません。
注:
  1. ソース MDisk は、他のエクステント・マイグレーション操作のソース MDisk として使用することは現在できません。
  2. 宛先 MDisk は、他のエクステント・マイグレーション操作の宛先 MDisk として使用することはできません。

ターゲットまたはソース・ボリュームがオフラインである場合、クォーラム・ディスクが定義されていない場合、あるいは定義されたクォーラム・ディスクが使用不可の場合、マイグレーション・コマンドは失敗します。 オフライン状態またはクォーラム・ディスクの状態を訂正して、コマンドを再発行してください。

ノード、MDisk およびボリュームに関する入出力 (I/O) 統計を収集することにより、特定の MDisk の使用を判別できます。 このデータを収集した後、それを分析して、使用頻度の高い MDisk を判別できます。手順に従って、エクステントを照会し、同じプール内の別の場所にエクステントをマイグレーションします。この手順は、コマンド・ライン・インターフェースを使用してのみ実行できます。

パフォーマンス・モニター・ツールによって、プール内の MDisk が過剰使用されていることが示された場合、同じプール内の別の MDisk にデータをマイグレーションすることができます。

手順

  1. 次の CLI コマンドを発行して、MDisk の各ボリュームで使用されているエクステントの数を判別する。

    lsmdiskextent mdiskname

    このコマンドは、各ボリュームが MDisk 上で使用しているエクステントの数を返します。これらのエクステントの一部を選択して、プール内でマイグレーションします。
  2. 同じボリューム内にある他の MDisk を判別する。
    1. 目的の MDisk が属しているプールを判別するために、以下の CLI コマンドを発行する。

      lsmdisk mdiskname | ID

    2. 以下の CLI コマンドを発行して、プール内の MDisk をリストする。

      lsmdisk -filtervalue mdisk_grp_name=mdiskgrpname

  3. これらの MDisk の 1 つを、エクステントのターゲット MDisk として選択する。 次の CLI コマンドを発行すると、MDisk 上にある空きエクステントの数を判別できます。
    lsfreeextents mdiskname
    各ターゲット MDisk に対して lsmdiskextent newmdiskname コマンドを発行することによって、使用率の過剰な状態が単に別の MDisk に移されただけではないかどうか確認できます。 移動するエクステントのセットを所有するボリュームが、ターゲット MDisk 上に大きなエクステントのセットを既に所有していないかどうか確認してください。
  4. エクステントの各セットについて、以下の CLI コマンドを発行して、それらを別の MDisk に移動する。

    migrateexts -source mdiskname | ID -exts num_extents
    -target newmdiskname | ID -threads 4 -vdisk vdiskid

    ここで、num_extents は、vdiskid 上のエクステントの数です。newmdiskname | ID 値は、このエクステントのセットをマイグレーションする先の MDisk の名前または ID です。
    注: スレッド数は、マイグレーション・プロセスの優先順位を示します。この場合、1 は最低の優先順位で、4 が最高の優先順位です。
  5. 移動するエクステントのセットごとに上記のステップを繰り返す。
  6. 次の CLI コマンドを発行して、マイグレーションの進行を確認できます。

    lsmigrate