MDisk

管理対象ディスク (MDisk) は、物理ストレージの論理装置です。MDisk は、内部ストレージからのアレイ (RAID) か、外部ストレージ・システムからのボリュームのどちらかです。 MDisk は、ホスト・システムからは認識されません。 管理対象ディスク (MDisk) は、物理ストレージの論理装置 (LU) です。MDisk は、内部ストレージからのアレイ (RAID) か、外部ストレージ・システムからエクスポートされた LU のいずれかです。 MDisk は、ホスト・システムからは認識されません。

外部ストレージ・システムからの MDisk は、適切なホスト・インターフェース・アダプターに取り付けられているシステムでのみサポートされます。

各 MDisk はいくつかのエクステントに分割されています。 エクステント・サイズは、プールの属性です。プールへの MDisk の追加時に MDisk が分割されてできるエクステントのサイズは、MDisk の追加先のプールの属性によって決まります。

アクセス・モードは、クラスター化システムが MDisk を使用する方法を決めます。

重要: リンク内で断続的な切断が見られたり、SAN ファブリックまたは LAN 構成内でケーブルまたは接続を取り替えた場合、1 つ以上の MDisk が劣化状況になっている可能性があります。リンクが切断されているときに入出力操作が試行され、入出力操作が何回も失敗すると、システムは部分的に MDisk を除外し、MDisk の状況を除外に変更します。問題を解決するには、該当の MDisk を組み込む必要があります。
コマンド・ライン・インターフェース (CLI) に次のコマンドを入力すると、MDisk を組み込むことができます。mdisk_name は MDisk の名前または ID です。
includemdisk mdisk_name

アクセス・モード

次のリストでは、MDisk で使用可能なアクセス・モードについて説明します。
非管理
MDisk は外部ストレージ・システムからのもので、システムによって使用されていません。
イメージ
MDisk は外部ストレージ・システムからのものであり、MDisk とボリュームの間のエクステントの 1 対 1 マッピングを使用して、直接ボリュームに割り当てられています。
アレイ
MDisk は、内部ストレージからのドライブのセットを表し、RAID を使用して一緒に管理されます。
図 1 は、物理ディスクと MDisk の例を示しています。
図 1. ストレージ・システムおよび MDisk
この図は、物理ディスクから MDisk を構成する方法を示しています。
表 1 は、内部ストレージからの MDisk の作動可能状態を説明しています。
表 1. 内部ストレージからの MDisks の状況
状況 説明
オンライン
  • MDisk は入出力に使用可能で、ユーザーの注意は不要です。
  • すべてのアレイ・メンバー・ドライブが構成済みで、システムはそれらのドライブへの冗長アクセスを備えています。
  • アレイには、パリティーを同期するためのアクティブなバックグラウンド・プロセスがある場合があります。
劣化パス
  • MDisk は入出力に使用可能ですが、ユーザーが注意する必要があります。
  • アレイのメンバーが失われているか、少なくとも 1 つのメンバー・ドライブが劣化状況です。 システムはそのドライブにフルアクセスできません。
オフライン
  • MDisk は入出力に使用できません。
  • オフラインになっているアレイ・メンバー・ドライブ数が多すぎるか、RAID 内部に何らかの問題があります。
表 2 は、外部ストレージ・システム数からの MDisk の作動可能状態を説明しています。
表 2. 外部ストレージからの MDisk の状況
状況 説明
オンライン MDisk にはすべてのオンライン・ノードがアクセスできます。 現在システムの作業メンバーになっているすべてのノードが、この MDisk にアクセスできます。 MDisk は、以下の条件が満たされている場合、オンラインです。
  • すべてのタイムアウト・エラー・リカバリー手順が完了し、ディスクをオンラインとして報告している。
  • ターゲット・ポートの論理装置番号 (LUN) インベントリーが正しく MDisk を報告した。
  • この LUN のディスカバリーが正常に完了した。
  • すべての MDisk のターゲット・ポートが、この LUN を、障害条件なしに使用可能であると報告している。
  • iSCSI 接続の場合に、クラスター内の少なくとも 1 つの入出力グループの両方のノードが MDisk にアクセスできる。
劣化パス MDisk が、システム内の 1 つ以上のノードからアクセスできません。劣化パス状況は、おそらく、ストレージ・システムまたは SAN ファブリックの構成が誤っているために起こっています。ただし、ストレージ・システムSAN ファブリック、またはノード内のハードウェア障害も、この状態を引き起こす要因となる可能性があります。この状態からリカバリーするには、以下のステップを実行します。
  1. ストレージ・システムのファブリック構成規則が正しいことを確認する。
  2. ストレージ・システムを正しく構成したことを確認する。
  3. イベント・ログにエラーがあれば修正する。
劣化ポート MDisk のイベント・ログに、1 つ以上の 1220 エラーがあります。 1220 エラーは、リモート・ファイバー・チャネル・ポートが MDisk から除外されたことを示します。このエラーによってストレージ・システムのパフォーマンスが悪くなり、通常、ストレージ・システムにハードウェア障害があることを示します。この問題を修正するには、ストレージ・システムにハードウェア障害があればこれを解決し、イベント・ログの 1220 エラーを修正します。
除外 MDisk は、アクセス・エラーが繰り返し発生した後、システムの使用から除外されました。指定保守手順を実行して、 問題を判別してください。
オフライン MDisk は、いずれのオンライン・ノードからもアクセスできません。 現在システムの作業メンバーになっているどのノードも、この MDisk にアクセスできません。 この状態は、SAN、ストレージ・システム、またはストレージ・システムに接続されている 1 つ以上の物理ディスクでの障害によって生じることがあります。MDisk は、ディスクへのすべてのパスに障害が起こった場合にのみ、オフラインであると報告されます。

エクステント

各 MDisk は、エクステント と呼ばれる同じサイズのチャンクに分割されます。 エクステントとは、MDisk とボリューム・コピーとの論理接続を提供するマッピングの単位です。

MDisk パス

外部ストレージの各 MDisk には、オンライン・パス・カウント (その MDisk にアクセスできるノードの数) があります。 このパス・カウントは、システム・ノードとストレージ・デバイスの間の入出力パス状況の要約を表します。 最大パス・カウントは、過去の任意の時点でシステムが検出したパスの最大数です。現行パス・カウントが最大パス・カウントと等しくない場合は、MDisk の機能が劣化している可能性があります。 すなわち、1 つ以上のノードがファブリックにある MDisk を認識できないことがあります。