事前設定
管理 GUI には、事前設定と呼ばれる、事前に確立された一連の構成オプションが含まれています。事前設定は、システム上でオブジェクトを短時間で構成するための、通用使用される設定です。
事前設定は、ボリュームの作成、FlashCopy®マッピングの設定、およびアレイ構成用の RAID レベルの確立に使用できます。
ボリュームの事前設定
事前設定 | 目的 |
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基本 | 1 つのサイトに単一のボリューム・コピーを作成します。 |
ミラーリング済み | 1 つのサイトに存在するボリューム・コピーを作成します。 |
カスタム | カスタマイズされた属性を持つボリュームを作成します。 |
FlashCopy マッピングの事前設定
事前設定 | 目的 |
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バックアップ | 実働データのポイント・イン・タイム・レプリカを作成します。 コピーが完了したら、実動データからバックアップ・ビューをリフレッシュできます。その場合、実動ボリュームからバックアップ・ボリュームへのデータのコピーは最小限で済みます。 この事前設定では、ソース・ボリュームと同じ属性のボリュームを自動的に作成します。 事前設定では、バックグラウンド・コピー率 50 で差分 FlashCopy マッピングを作成します。 |
クローン | 元のボリュームに影響を与えずに変更可能な、ボリュームの正確なレプリカを作成します。 コピー操作が完了すると、事前設定によって作成されたマッピングは自動的に削除されます。 この事前設定では、ソース・ボリュームと同じ属性のボリュームを自動的に作成し、バックグラウンド・コピー率 50 で FlashCopy マッピングを作成します。 FlashCopy マッピングは、FlashCopy マッピングが 100% 完了に達したら自動的に削除されるように構成されています。 |
スナップショット | 実働データのポイント・イン・タイム・ビューを作成します。 スナップショットは、独立したコピーとして作成されるものでなく、スナップショットの作成時の実動データのビューを維持するために使用されます。 この事前設定では、作成時に割り振られた容量の 0% を指定して、自動的にシン・プロビジョン・ターゲット・ボリュームを作成します。 事前設定では、0% のバックグラウンド・コピーによる FlashCopy マッピングを使用して、ソースまたはターゲットに書き込まれたデータのみをターゲット・ボリュームにコピーします。 |
アレイ構成の事前設定
アレイ構成の事前設定を使用して、RAID レベルとドライブ・クラスの推奨値に基づいてアレイ内のすべての使用可能なドライブを構成します。システムは、取り付けられているすべてのハードウェアに関する情報 (テクノロジー、速度、容量、ブロック・サイズ、および入出力グループ) を検出して、ドライブ・クラスを判別します。システム上で使用可能なすべてのドライブ・クラスに関する情報を表示するには、lsdriveclassコマンドを発行します。
その後、システムは適切な数の再作成領域またはスペア・ドライブで保護されたアレイを作成するために、すべてのドライブを使用する構成を推奨します。システムが推奨するアレイの構成と、予期されるストレージ・プール容量を表示するには、lsarrayrecommendation コマンドを使用します。コマンド出力で最初の行に表示される情報は、その構成を作成するために管理 GUI が使用するデフォルト値を示しています。
冗長性を維持するために、それぞれの事前設定により、アレイ当たり特定の数のドライブ、および特定の数のスペア・ドライブまたは再作成領域が作成されます。また、事前設定は、アレイをエンクロージャーの障害から保護するために、エンクロージャー・チェーン間でアレイ内のドライブのバランスが取られるかどうかも決定します。それぞれの事前設定には、冗長を維持するために、アレイ当たり特定の数のドライブ、およびスペア・ドライブの数が設定されます。
事前設定 | 目的 | RAID レベル | アレイ当たりのドライブ数 | スペア・ドライブ数 |
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RAID 1 | データをミラーリングして、優れたパフォーマンスを提供し、ドライブ障害から保護します。 ミラーリングされたペアは、Easy Tier® 機能で使用できるようにストレージ・プール間に分散されます。 | 1 | 2 | 1 |
RAID 5 | 単一のドライブ障害から保護します。 データおよび 1 ストリップのパリティーがすべてのアレイ・メンバー間にストライピングされます。 | 5 | 8 | 1 |
RAID 6 | 2 つのドライブ障害から保護します。 データおよび 2 ストリップのパリティーがすべてのアレイ・メンバー間にストライピングされます。 | 6 | 10 | 1 |
RAID 10 | 優れたパフォーマンスを提供し、少なくとも 1 つのドライブ障害から保護します。 すべてのデータが 2 つのアレイ・メンバーにミラーリングされます。 | 10 | 8 | 1 |
事前設定 | 目的 | RAID レベル | アレイ当たりのドライブ数 | 再作成領域の数 |
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分散 RAID 5 | 単一のドライブ障害から保護します。 データ、1 パリティー・ストリップ、および再作成領域がすべてのアレイ・メンバー間にストライピングされます。 | 5 | 最大 35 | 1 |
36 - 72 | 2 | |||
分散 RAID 6 | 2 つのドライブ障害から保護します。 データ、2 パリティー・ストリップ、および再作成領域がすべてのアレイ・メンバー間にストライピングされます。 | 6 | 73 - 100 | 3 |
101 - 128 | 4 |