addvdiskcopy
addvdiskcopy コマンドは、コピーを既存のボリュームに追加し、それによって、ミラーリングされていないボリュームをミラーリングされるボリュームに変更するために使用します。
構文
>>- addvdiskcopy -- -mdiskgrp --+-mdisk_group_id_list---+-------> '-mdisk_group_name_list-' >--+------------------------------------------+-----------------> '- -mirrorwritepriority --+- latency ----+-' '- redundancy -' >--+-----------------------+------------------------------------> '- -vtype --+-seq-----+-' '-striped-' >--+-------------------------------+----------------------------> '- -mdisk --+-mdisk_id_list---+-' '-mdisk_name_list-' >--+----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------+--> '- -rsize --+-disk_size-------------+--+--------------------------------------+--+---------------+--+----------------------+-' +-disk_size_percentage%-+ '- -warning -+-disk_size-------------+-' '- -autoexpand -' | .-32--. | '-auto------------------' '-disk_size_percentage%-' +- -grainsize -+-64--+-+ | +-128-+ | | '-256-' | '- -compressed --------' >--+---------------+--+-----------------------+-----------------> '- -createsync -' '- -syncrate --syncrate-' >--+-----------------+--+------------------------+--------------> | .-mb-. | '- -easytier --+- on --+-' '- -unit --+-b--+-' '- off -' +-kb-+ +-gb-+ +-tb-+ '-pb-' >--+-vdisk_name-+---------------------------------------------->< '-vdisk_id---'
>>- addvdiskcopy -----------------------------------------------> >--+------------------------------------------+-----------------> '- -mirrorwritepriority --+- latency ----+-' '- redundancy -' >-- -mdiskgrp --+-mdisk_group_id_list---+-----------------------> '-mdisk_group_name_list-' >-- -vtype ----image---- -mdisk --+-mdisk_id_list---+-----------> '-mdisk_name_list-' >--+----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------+--> '- -rsize --+-disk_size-------------+--+--------------------------------------+--+---------------+--+----------------------+-' +-disk_size_percentage%-+ '- -warning -+-disk_size-------------+-' '- -autoexpand -' | .-32--. | '-auto------------------' '-disk_size_percentage%-' +- -grainsize -+-64--+-+ | +-128-+ | | '-256-' | +- -compressed --------+ '- -import ------------' >--+---------------+--+-----------------------+-----------------> '- -createsync -' '- -syncrate --syncrate-' >--+-----------------+--+- tier0_flash -----+-------------------> | .-mb-. | +- tier1_flash -----+ '- -unit --+-b--+-' +- tier_enterprise -+ +-kb-+ '- tier_nearline ---' +-gb-+ +-tb-+ '-pb-' >--+------------------------+--+---------------+----------------> '- -easytier --+- on --+-' '- -autodelete -' '- off -' >--+-vdisk_name-+---------------------------------------------->< '-vdisk_id---'
パラメーター
- -mdiskgrp mdisk_group_id_list | mdisk_group_name_list
- (必須) ボリュームのコピーを作成するときに使用するストレージ・プールを指定します。追加するコピーごとにグループを指定する必要があります。注: MDisk グループが子プールからのものである場合、-vtype は striped でなければなりません。
- -mirrorwritepriority latency | redundancy
- (オプション) ミラー書き込みアルゴリズムの優先順位を構成する方法を指定します。
- latency を選択した場合、書き込み入出力 (I/O) に対する応答が遅いコピーでは、他方のコピーが正常にデータの書き込みを完了すると非同期になり、書き込み入出力は完了します。
- redundancy を選択した場合、書き込み入出力に対する応答が遅いコピーでは、応答が遅い方の入出力が完了したときに書き込み入出力を完了し、同期状態を維持します。
- -vtype seq | striped | image
- (オプション) コピーの仮想化タイプとして、順次、ストライプ、またはイメージのいずれかを指定します。
これは、ボリューム上の他のコピーの仮想化タイプと異なるタイプでもかまいません。デフォルトの仮想化タイプは striped です。 注: 子プールからイメージ・モードまたは順次モードのボリュームを作成することはできません。
- -mdisk mdisk_id_list | mdisk_name_list
- (オプション) 1 つ以上の管理対象ディスク (MDisk) を指定します。 順次モードおよびイメージ・モードのコピーについては、十分なフリー・エクステントのある単一 MDisk を指定する必要があります。イメージ・モード・コピーの場合、MDisk は非管理対象モードでなければなりません。 順次モード・コピーの場合、MDisk は管理対象モードでなければなりません。
- -syncrate syncrate
- (オプション) コピー同期速度を指定します。値ゼロ (0) を指定すると、同期化は回避されます。
サポートされる -syncrate 値および対応する速度については、表 2 を参照してください。
指定されない場合、現行値は変更されません。
- -createsync
- (オプション) 新しいボリューム・コピーと 1 次コピーとの同期化を抑止します。1 次コピーに障害があり、同期化されていない 2 次コピーがデータを提供する状態になっている場合に、このパラメーターを使用すると、データ破損が生じるおそれがあります。
1 次コピーに障害があり、あるデータが 1 次コピーから読み取られた後に、別のデータが 2 次コピーから読み取られた場合に、このパラメーターを使用すると、未書き込み領域で、読み取り固定が失われる可能性があります。
注: 高速フォーマット設定を行っているボリュームに -createsync を指定することはできません。
- -rsize disk_size | disk_size_percentage% | auto
- (オプション) コピーをシン・プロビジョニング・コピーにして、コピーの実サイズを指定します。disk_size | disk_size_percentage 値は、整数または整数とその直後に続くパーセント文字 (%) を使用して指定します。disk_size のデフォルト単位はメガバイト (MB) です。別の単位を指定するには、-unit パラメーターを使用します。auto オプションは、MDisk のサイズ全体を使用するボリューム・コピーを作成します。-rsize auto オプションを指定する場合は、-vtype image オプションも指定する必要があります。
- -compressed
- (オプション) 必ず 1 つのコピーのみを、既に 1 つ (のみ) のコピーを持つ既存のボリュームに追加し、圧縮を有効にします。 -rsize パラメーターも指定する必要があります。 要確認:
- このパラメーターは、-grainsize パラメーターと一緒に指定することはできません。
- このパラメーターを -import パラメーターと一緒に指定する場合は、-rsize auto を指定する必要があります。
- -warning disk_size | disk_size_percentage%
- (オプション) -rsize パラメーターも指定する必要があります。シン・プロビジョニング・コピー上で使用されるディスク容量が、指定されたしきい値を初めて超えた時に、警告が生成されます。disk_size には整数を指定するか (-unit パラメーターが無指定の場合は、デフォルトでメガバイト (MB) 値を表します)、ボリューム・サイズのパーセンテージを示す disk_size% を指定することができます。-autoexpand が有効であると、-warning のデフォルト値はボリューム容量の 80% になります。-autoexpand が有効でない場合は、警告に対するデフォルト値は実容量の 80% になります。警告を無効にするには、0 を指定します。
- -autoexpand
- (オプション) -rsize パラメーターも指定する必要があります。シン・プロビジョニング・コピーが、実容量を自動的に拡張することを指定します。これを行うには、そのストレージ・プールから新規エクステントを割り振ります。 -autoexpand パラメーターを指定する場合、-rsize パラメーターには、コピーによって予約される容量を指定します。これは、コピーのストレージ・プールがスペースを使用し尽したときに、まず、この予約済みスペースを消費できるようにして、コピーがオフラインになることを防ぎます。
- -grainsize 32 | 64 | 128 | 256
- (オプション) -rsize パラメーターも指定する必要があります。シン・プロビジョニング・ボリューム・コピーのグレーン・サイズ (KB) を設定します。 グレーン・サイズの値は、32、64、128、または 256 KB である必要があります。 デフォルトは 256 KB です。
- -unit b | kb | mb | gb | tb | pb
- (オプション) -rsize および -warning パラメーターのデータ単位も指定します。
- -import
- (オプション) シン・プロビジョニング・ボリュームを含むイメージ・モード・ディスクをクラスター化システム (システム) にインポートします。-rsize および -vtype image パラメーターも指定する必要があります。
- -tier tier0_flash | tier1_flash | tier_enterprise | tier_nearline
- (オプション) イメージ・モード・コピーが追加されるときの MDisk 層を指定します。
- tier0_flash
- 新規にディスカバーされたボリュームまたは外部ボリュームの tier0_flash ハード・ディスクまたは外部 MDisk を指定します。
- tier1_flash
- 新規にディスカバーされたボリュームまたは外部ボリュームに対して、tier1_flash (またはフラッシュ・ドライブ) ハード・ディスクまたは外部 MDisk を指定します。
- tier_enterprise
- 新規にディスカバーされたボリュームまたは外部ボリュームの tier_enterprise ハード・ディスクまたは外部 MDisk を指定します。
- tier_nearline
- 新規にディスカバーされたボリュームまたは外部ボリュームの tier_nearline ハード・ディスクまたは外部 MDisk を指定します。
- -easytieron | off
- (オプション) IBM® Easy Tier® 機能でこのボリュームのエクステントを移動できるかどうかを決定します。 ボリューム・コピーがストライプであり、マイグレーション中でない場合、次の表が適用されます。
表 1. ストレージ・プール Easy Tier 設定 ストレージ・プール Easy Tier 設定 ストレージ・プール内の層の数 ボリューム・コピー Easy Tier 設定 ボリューム・コピー Easy Tier 状況 オフ 1 つ オフ 非アクティブ (注 2 を参照) オフ 1 つ オン 非アクティブ (注 2 を参照) オフ 2 つ オフ 非アクティブ (注 2 を参照) オフ 2 つ オン 非アクティブ (注 2 を参照) Measure 1 つ オフ 測定 (注 3 を参照) Measure 1 つ オン 測定 (注 3 を参照) Measure 2 つ オフ 測定 (注 3 を参照) Measure 2 つ オン 測定 (注 3 を参照) Auto (注 6 を参照) 1 つ オフ 測定 (注 3 を参照) Auto (注 6 を参照) 1 つ オン 測定 (注 3 を参照) Auto (注 6 を参照) 2 つ オフ 平衡 (注 4 を参照) Auto (注 6 を参照) 2 つ オン アクティブ (注 1 を参照) オン (注 6 を参照) 1 つ オフ 測定 (注 3 を参照) オン (注 6 を参照) 1 つ オン 平衡 (注 4 を参照) オン (注 6 を参照) 2 つ オフ 測定 (注 3 を参照) オン (注 6 を参照) 2 つ オン アクティブ (注 1 を参照) 注: - ボリューム・コピーがイメージ・モードまたは順次モードであるか、マイグレーション中である場合、ボリューム・コピーの Easy Tier 状況は、active ではなく、measured になります。
- ボリューム・コピーの状況が inactive である場合、そのボリューム・コピーの Easy Tier 機能は使用不可です。
- ボリューム・コピーの状況が measured である場合、Easy Tier 機能はボリュームの使用統計を収集しますが、自動データ配置はアクティブではありません。
- ボリューム・コピーの状況が balanced である場合、Easy Tier(tm) 機能によってそのボリューム・コピーのパフォーマンスに基づくプール平衡化が使用可能です。
- ボリューム・コピーの状況が active である場合、Easy Tier 機能は、そのボリュームに対して自動データ配置モードで作動します。
- ストレージ・プールに対するデフォルトの Easy Tier(tm) 設定は Auto であり、ボリューム・コピーに対するデフォルトの Easy Tier 設定は on です。 すなわち、単一層を持つストレージ・プールに対して、プールのパフォーマンスの平衡化を除く Easy Tier 機能は使用不可になり、複数の層を持つストレージ・プール内のすべてのストライプ・ボリューム・コピーに対して自動データ配置モードが使用可能になります。
- -autodelete
- (オプション) 2 次コピーが同期されたら 1 次コピーを削除することを指定します。
- jvdisk_name | vdisk_id
- (必須) ボリューム・コピーの追加先のボリュームを ID または名前のいずれかで指定します。
説明
addvdiskcopy コマンドは、コピーを既存のボリュームに追加し、それによって、ミラーリングされていないボリュームをミラーリングされるボリュームに変更します。 mkdiskgrp パラメーターを使用して、コピー用のストレージを提供するストレージ・プールを指定します。lsmdiskgrp コマンドは、使用可能なストレージ・プールおよび各グループ内の使用可能なストレージの量をリストします。
- seq
- このポリシーは、-mdisk パラメーターと、その引数としての単一の管理対象ディスクを必要とします。 MDisk は、管理対象モードでなければなりません。
このポリシーは、指定された管理対象ディスクからエクステントを使用して、ボリュームを作成します (管理対象ディスクに十分なフリー・エクステントがあることが前提)。
- striped
- これはデフォルト・ポリシーです。-vtype パラメーターが指定されていない場合、このポリシーがデフォルト書式で使用されます。 つまり、ストレージ・プール内のすべての管理対象ディスクが、ボリュームの作成に使用されます。ストライピングは、エクステント・レベルで行われ、グループ内のそれぞれの管理対象ディスクから 1 エクステントずつ使用されます。例えば、10 管理対象ディスクが存在するストレージ・プールは、それぞれの管理対象ディスクの 1 つのエクステントを使用し、次に最初の管理対象の 11 番目のエクステントを使用し ... と続きます。
-mdisk パラメーターも指定されている場合、ストライプ・セットとして使用する管理対象ディスクのリストを提供できます。 指定できるのは、同じストレージ・プールに属する 2 つ以上の管理対象ディスクです。 ストライプ・セットで、同じ循環アルゴリズムが使用されます。 ただし、リストで、単一の管理対象ディスクを複数回指定できます。 例えば、-m 0:1:2:1 と入力した場合、管理対象ディスク 0、1、2、1、0、1、2 (以下同様) の順序でエクステントが使用されます。-mdisk パラメーターで指定される MDisk はすべて管理対象モードでなければなりません。
- image
- このポリシーを使用すると、管理対象ディスクに既にデータが存在するときに、場合によっては事前に仮想化されたサブシステムから、イメージ・モード・ボリュームを作成できます。作成されたイメージ・モード・ボリュームは、その作成元である管理対象ディスク (以前は非管理) に直接対応します。したがって、ボリューム論理ブロック・アドレス (LBA) x は、管理対象ディスク LBA i に等しくなります。このコマンドを使用して、非仮想化ディスクをシステムの制御下に置くことができます。システムの制御下に置いた後、単一の管理対象ディスクからボリュームをマイグレーションすることができます。マイグレーションされると、ボリュームはイメージ・モード・ボリュームではなくなります。
イメージ・モード・ボリュームは、他のタイプのボリューム (ストライプや順次など) が既に存在するストレージ・プールに追加できます。
注: イメージ・モード・コピーは、少なくとも、追加先になっているボリュームと同じ大きさでなければなりませんが、ボリュームのサイズを超える容量部分にはアクセスできません。
入出力グループの最初の圧縮ボリューム・コピーを作成し、圧縮をアクティブにします。 圧縮ボリュームをサポートしないノードが 1 つでも含まれる入出力グループには、圧縮ボリューム・コピーを作成することも移動することもできません。 別の入出力グループを使用する必要がありますが、リカバリー入出力グループへの移動には影響しません。
ユーザー指定の syncrate 属性値 | コピーされるデータ/秒 |
---|---|
1 から 10 | 128 KB |
11 から 20 | 256 KB |
21 から 30 | 512 KB |
31 から 40 | 1 MB |
41 から 50 | 2 MB |
51 から 60 | 4 MB |
61 から 70 | 8 MB |
71 から 80 | 16 MB |
81 から 90 | 32 MB |
91 から 100 | 64 MB |
呼び出し例
addvdiskcopy -mdiskgrp 0 -easytier off vdisk8
結果出力
Vdisk [8] copy [1] successfully created
ストレージ・プールを指定する場合の呼び出し例
addvdiskcopy -mdiskgrp 0 -vtype image -mdisk 13 -tier tier0_flash -easytier off vdisk9
結果出力
Vdisk [9] copy [1] successfully created
ミラー書き込みアルゴリズムの優先順位を構成するための呼び出し例
addvdiskcopy -mdiskgrp 0 -mirrorwritepriority latency vdisk9
結果出力
Vdisk [9] copy [1] successfully created
圧縮ボリューム・コピーの追加の呼び出し例
addvdiskcopy -mdiskgrp 1 -rsize 10% -compressed vdisk2
結果出力
Vdisk [2] copy [1] successfully created
圧縮ボリューム・コピーの追加の呼び出し例
addvdiskcopy -mdiskgrp 0 -vtype image -mdisk 13 -tier tier_nearline vdisk9
結果出力
Vdisk [9] copy [1] successfully created