MSA2000 システム上の論理装置およびターゲット・ポート

MSA2000 システム上の区画 (ボリューム) は、その区画に割り当てられている論理装置番号を使用して、論理装置としてエクスポートされます。

MSA2000 システム上の LUN

コントローラーは、アレイをボリュームと呼びます。SAS ディスクと SATA ディスクを 1 つのボリューム内に混合することはできず、コントローラー当たりのボリュームの最大数は 16 です。ボリュームはボリュームに分割することができ、これがホストに提示されます。 1 台のコントローラーにつき最大 128 個のボリュームが可能です。 1 つのボリュームの容量は、1 MB から 16 TB です。

Storwize® V3700では、個々の管理対象ディスク・サイズが 1 PB に制限されています。

LUN ID

MSA2000 システムによってエクスポートされた LUN は、VPD ページ 0x83 に識別記述子 0、3、4、5 で示されます。 LUN ID は、コントローラーの MAC アドレスに基づきます。 例えば、次のとおりです。
example;
# show volumes
Vdisk    Volume Name   Size  WR Policy    Class  Volume Serial Number  Cache Opt  Type

VD0                    VD0_V1               750.1GB  writeback    standard 00c0ffd76a330000a0fa124a01000000  standard  standard
VD2                    VD2_V1               750.1GB  writeback    standard 00c0ffd76a33000048fb124a01000000  standard  standard
VD_HC                  VD_CAP_V1            37.5GB   writeback    standard 00c0ffd76a3300005efc124a01000000  standard  standard
VD_1                   VD_1_V1              750.1GB  writeback    standard 00c0ffd7648f000064851d4a01000000  standard  standard
VD_3                   VD_3_V1              750.1GB  writeback    standard 00c0ffd7648f0000a6851d4a01000000  standard  standard
VD-R                   VD-R_V1              250.0GB  writeback    standard 00c0ffd7648f0000aa08234a01000000  standard  standard
VD-R                   VD-R_V2              250.0GB  writeback    standard 00c0ffd7648f0000ab08234a01000000  standard  standard
VD-R                   VD-R_V3              250.0GB  writeback    standard 00c0ffd7648f0000ab08234a02000000  standard  standard
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
# show network-parameters
Network Parameters Controller A
-------------------------------
IP Address     : 9.71.47.27
Gateway        : 9.71.46.1
Subnet Mask    : 255.255.254.0
MAC Address    : 00:C0:FF:D7:6A:33
Addressing Mode: DHCP

Network Parameters Controller B
-------------------------------
IP Address     : 9.71.47.30
Gateway        : 9.71.46.1
Subnet Mask    : 255.255.254.0
MAC Address    : 00:C0:FF:D7:64:8F
Addressing Mode: DHCP

LUN の作成と削除

Storage Management Utility (SMU) またはコマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用して、MSA2000 システムの作成、変更、または削除を行うことができます。 LUN は、デフォルトのバックグラウンド・タスクとしてゼロにフォーマットされ、即時に使用できます。
注: このプロセスが実行されている間、ディスクは「クリティカル」として表示されます。
論理装置 (またはボリューム) を作成するには、以下のステップを実行します。
  1. Storage Management Utility SMU インターフェースで、「管理 (Manage)」 > 「仮想ディスクの構成 (Virtual Disk Config)」 > 「VDisk の作成 (Create a VDisk)」と進みます。 SMU は、ボリュームを作成するためのウィザードを提供します。
  2. 以下のオプションがあります。
    • 手動 (Manual)
    • ボリューム名
    • RAID タイプ (RAID Type)
      注: Storwize V3700では、RAID 0 はサポートされません。
    • ボリューム数 (Number of volumes)
    • すべてのホストに公開 (Expose to all hosts)
      注: 「すべてのホストに公開 (Expose to all hosts)」オプションは、マルチシステム環境では混乱の原因になることがあります。
    • LUN 割り当て (LUN assignments)
SMU または CLI を使用して、ボリュームの変更、拡張、または削除も行えます。
注: MSA2000 システム上の LUN を削除する前に、rmdisk コマンドを使用して、Storwize V3700クラスター化システム上の MDisk を削除してください。

LUN プレゼンテーション

SMU または CLI を使用して、MSA2000 LUN のマップおよびマップ解除も行えます。

論理装置 (またはボリューム) をマップするには、SMU から、以下のステップを実行します。
  1. Storage Management Utility SMU インターフェースで、「管理 (Manage)」 > 「ボリューム管理 (Volume Management)」 > 「VDisk またはボリューム (VDisk or Volume)」 > 「ボリュームのマッピング (Volume Mapping)」と進みます。
  2. 「ホスト・アクセス特権の割り当て (Assign Host Access Privileges)」セクションの下で、「ホストのボリュームへのマップ (Map Host to Volume)」を選択します。
  3. Storwize V3700の WWPN ごとに、「ホスト WWN 名 (HOST WWN-Name)」メニューで「SVC WWPN」を選択します。
  4. Storwize V3700に提示する LUN 番号を入力します。 例えば、最初のボリュームには 0 を使用し、2 番目には 1 を使用するというようにして、すべてのボリュームを割り当てるまで続けます。
  5. 「ポート 0 アクセス (Port 0 Access)」および「ポート 1 アクセス (Port 1 Access)」で、「読み取り/書き込み (read-write)」を選択します。
  6. 「マップする (Map it)」をクリックします。 マッピングの結果が、「現在のホストとボリュームの関係 (Current Host-Volume Relationships)」セクションに表示されます。
    重要: このセクションを使用して、LUN ID が整合していること、およびすべての Storwize V3700 WWPN がマップされたことを確認します。

以下の例には 8 つのノードがあるため、ボリューム・マップの表示出力には、32 個の WWPN が表示されます (1 つのノードにつき 4 個のポート)。

example shown for an 8-node cluster, that is, 32 WWPNs;
# show volume-maps
Volume [SN 00c0ffd76a330000a0fa124a01000000, Name (VD0_V1)] mapping view:
CH       ID LUN Access Host-Port-Identifier                    Nickname
-------------------------------------------------------------------------------
0,1       0   0 rw     50050768012FFFFF
0,1       0   0 rw     5005076801105CEE
0,1       0   0 rw     500507680110008A
0,1       0   0 rw     50050768011FFFFF
0,1       0   0 rw     50050768013FFFFF
0,1       0   0 rw     50050768014FFFFF
0,1       0   0 rw     500507680140008A
0,1       0   0 rw     500507680130008A
0,1       0   0 rw     500507680120008A
0,1       0   0 rw     5005076801405CEE
0,1       0   0 rw     5005076801205CEE
0,1       0   0 rw     5005076801305CEE
0,1       0   0 rw     500507680110596B
0,1       0   0 rw     5005076801305FB8
0,1       0   0 rw     5005076801205FB8
0,1       0   0 rw     5005076801405FB8
0,1       0   0 rw     5005076801105FB8
0,1       0   0 rw     500507680120596B
0,1       0   0 rw     500507680140596B
0,1       0   0 rw     500507680130596B
0,1       0   0 rw     5005076801400009
0,1       0   0 rw     5005076801300009
0,1       0   0 rw     5005076801100009
0,1       0   0 rw     5005076801200009
0,1       0   0 rw     50050768014FFFFE
0,1       0   0 rw     50050768013FFFFE
0,1       0   0 rw     50050768012FFFFE
0,1       0   0 rw     50050768011FFFFE
0,1       0   0 rw     5005076801200001
0,1       0   0 rw     5005076801400001
0,1       0   0 rw     5005076801300001
0,1       0   0 rw     5005076801100001
注: コントローラー・モジュール A とコントローラー・モジュール B からの LUN は、同じ LUN ID (0) を持っています。 コントローラー・モジュール A とコントローラー・モジュール B は、Storwize V3700・システム上では別個のコントローラーに見えます。 システム上の管理対象ディスク (MDisk) を別々のストレージ・プールに入れて、各コントローラー・モジュールが、それに提示された MDisk 用の独自の別個のストレージ・プールを持つようにする必要があります。

特殊な LUN

各コントローラー上で、ボリュームは 0 から 126 の LUN ID を持つことができます。 MSA2000 上の LUN 0 は、両方のコントローラーから可視ですが、優先コントローラーからのみストレージへのアクセスに使用できます。 他方のコントローラー上の LUN 0 は、ストレージを提示しません。

MSA2000 システム上のターゲット・ポート

MSA2000 システムは、2 台のデュアル・アクティブ・コントローラーを備え、それぞれに 2 個のポートがあります。 SMU インターフェースを使用して、これらを Point-to-Point として設定する必要があります。

Storage Management Utility SMU インターフェースで、「管理 (Manage)」 > 「一般構成 (General Config)」 > 「ホスト・ポート構成 (Host Port Configuration)」と進みます。 「拡張オプション (Advanced Options)」を選択し、「ホスト・トポロジーの変更 (Change Host Topology)」で Point-to-Point を指定します。

各 WWPN は、パターン 2P:7N:CC:CC:CC:MM:MM:MM で示されます。ここで、P はコントローラー上のポート番号、N はコントローラー・ポートのアドレス (0 または 8)、CC:CC:CC は組織固有 ID (OUI) を表し、MM:MM:MM は特定のコントローラーに固有です。

example;
# show port-wwn
CTRL CH WWPN
-------------------------
A    0  207000C0FFD75198
A    1  217000C0FFD75198
B    0  207800C0FFD75198
B    1  217800C0FFD75198

LU アクセス・モデル

MSA2000 は、デュアル・アクティブ・システムです。 各 LUN には、それを所有するコントローラーがあり、入出力はそのコントローラー上のポートによってのみサービスされます。 1 台のコントローラーに障害が起こると (シャットダウン)、自動的にフェイルオーバーが行われます。 Storwize V3700には、フェイルオーバーを強制する方法はありません。

LU グループ化

MSA2000 システムは、LU のグループ化をサポートしていません。

LU 優先アクセス・ポート

MSA システムは、コントローラーごとに 2 個のポートがあります。 入出力は、ポート 0 を介して行われ、ポート 1 は、障害時またはコードのアップグレード時に他方のコントローラーのポート 0 にリンクされます。

所有権の検出

LUN は、所有するコントローラーのターゲット・ポートによってのみ報告されます。

フェイルオーバー

一方のコントローラーから他方のコントローラーへの LU のフェイルオーバーを起こさせる唯一の方法は、コントローラーの 1 つをシャットダウンすることです。 MSA2000 システムは通常、両方のコントローラーを介してすべてのシステム LUN を提示することはできません。 そのため、2 つの SAN ファブリックへの 4 ポート接続が必要です。 MS2000 システムのフェイルオーバーでは、存続しているコントローラーは、自身のポートをオフラインにしてから、そのポートの 1 つを戻し、障害が起きたコントローラーの WWPN をエミュレートします。
注: この動作は、フェイルオーバーが生じた時点で、存続しているコントローラーから作動可能なパスの半分が取り除かれることも意味しており、これによりシャットダウン中のコントローラーからのポートをエミュレートすることが可能になります。