chsystem
chsystem コマンドは、既存のクラスター化システム (システム) の属性を変更するために使用します。 このコマンドは、システム作成後であればいつでも使用できます。 このコマンドに関連するパラメーターはすべてオプションです。 しかし、このコマンドには 1 つ以上のパラメーターを指定する必要があります。
構文
>>- chsystem -- -- --+------------------------+-- --------------> '- -name -- system_name -' >--+-----------------------------------+-- ---------------------> '- -rcbuffersize -- new_size_in_MB -' >--+--------------------------+-- --+----------------------+----> '- -speed -- fabric_speed -' '- -alias -- id_alias -' >-- --+--------------------------------------+-- ---------------> '- -icatip -- icat_console_ip_address -' >--+---------------------------------+-- -----------------------> '- -invemailinterval -- interval -' >--+--------------------------------------+-- ------------------> '- -gmlinktolerance -- link_tolerance -' >--+-------------------------------------+-- -------------------> '- -gmmaxhostdelay -- max_host_delay -' >--+------------------------------------------------------------+--> '- -gminterdelaysimulation -- inter_system_delay_simulation -' >--+------------------------------------------------------------+--> '- -gmintradelaysimulation -- intra_system_delay_simulation -' >-- --+-----------------------------------+-- ------------------> '- -icatip -- ipv4_icat_ip_address -' >--+-------------------------------------+-- -------------------> '- -icatip_6 -- ipv6_icat_ip_address -' >--+---------------------------------+-- -----------------------> '- -ntpip -- ipv4_ntp_ip_address -' >--+-----------------------------------+-- ---------------------> '- -ntpip_6 -- ipv6_ntp_ip_address -' >--+---------------------------------+-- -----------------------> '- -isnsip -- sns_server_address -' >--+----------------------------------------+-- ----------------> '- -isnsip_6 -- ipv6_sns_server_address -' >--+----------------------------------------------------+-- ----> '- -relationshipbandwidthlimit -- bandwidth_in_mBps -' >--+-------------------------+-- -------------------------------> '- -infocenterurl -- url -' >--+----------------------------------------------------------+--> '- -iscsiauthmethod--+-none------------------------------+-' '-chap-- -chapsecret-- chap_secret -' >--+--------------------------------------------------------+---> '- -rcauthmethod --+-none------------------------------+-' '-chap-- -chapsecret-- chap_secret -' >--+-----------------------------+-- ---------------------------> +- -chapsecret-- chap_secret -+ '- -nochapsecret--------------' >--+--------------------------+-- ------------------------------> '- -layer--+-replication-+-' '-storage-----' >--+-----------------------------+-- -- ------------------------> '- -cacheprefetch --+- on --+-' '- off -' >--+-------------------------------+-- -------------------------> '- -localfcportmask --port_mask-' >--+---------------------------------+-- -----------------------> '- -partnerfcportmask --port_mask-' >--+--------------------------+-- ------------------------------> '- -hightempmode --+-on--+-' '-off-' >--+---------------------------+-- -----------------------------> '- -topology ----standard---' >--+--------------------------------------------+-- ------------> '- -vdiskprotectiontime -- value_in_minutes -' >--+--------------------------------------+-- ------------------> '- -vdiskprotectionenabled --+- yes -+-' '- no --' >--+-------------------+----------------------------------------> '- -odx --+- on --+-' '- off -' >--+------------------------------------+-----------------------> '- -easytieracceleration --+- on --+-' '- off -' >--+--------------------------------------------+---------------> '- -maxreplicationdelay -- value_in_seconds -' >--+------------------------------------------------------+---->< '- -partnershipexclusionthreshold -- value_in_seconds -'
パラメーター
- (オプション) システムの新規名を指定します。重要: 各ノードの iSCSI 修飾名 (IQN) は、システムおよびノードの名前を使用して生成されます。iSCSI プロトコルを使用している場合、名前の変更によってシステム内のすべてのノードの IQN も変更され、iSCSI 接続されたすべてのホストの再構成が必要になる場合があります。
- (オプション) 各ノード上でメトロ・ミラーおよびグローバル・ミラーの通信に使用するメモリーの量をメガバイト (MB) 単位で指定します (48 から 512 MB)。デフォルトは 48 MB です。重要: この設定の調整は、IBM サポートから指示された場合に限って行ってください。
この設定を変更するには、システム内のすべてのノードがオンラインであること、および最小で 8 ギガバイト (GB)、つまり 8192 メガバイト (MB) のメモリーが必要です。
要確認:- この設定を変更する前に、このシステムとの協力関係をすべて停止する必要があります。
- このパラメーターはローカル・システムにのみ作用し、このパラメーターを変更するとミラーリング操作が中断されます。
- (オプション) このシステムが接続するファブリックの速度を指定します。有効値は、1Gb/s または 2Gb/s です。重要: 稼働中のシステムの速度を変更すると、接続ホストに対する入出力サービスが切断されます。ファブリック速度を変更する前に、アクティブ・ホストからの入出力を停止し、ボリュームをアンマウントするか (UNIX ホスト・タイプの場合)、またはドライブ名を除去することにより (Windows ホスト・タイプの場合)、強制的にそれらのホストにすべてのキャッシュ・データをフラッシュさせます。一部のホストでは、リブートと新しいファブリック速度の検出が必要です。
- (オプション) 代替名を指定します。これはシステムの基本 ID を変更しませんが、すべての vdiskhostmap (既存のものと新規のものの両方) の VDisk_UID に影響を及ぼします。これらのオブジェクトは、別名に一致する ID のシステムに対して作成されます。したがって、システムの別名を変更すると、システムによって提示されたボリュームを各ホストがスキャンするまで、ホスト・システムへのアクセスが失われます。
- (オプション) インベントリー E メールが指定された E メール受信者に送信される間隔を指定します。 間隔の範囲は 0 から 15 です。 間隔の単位は日数です。 値を 0 に設定すると、インベントリー E メール通知の機能がオフになります。
- (オプション) グローバル・ミラー操作について不適切なシステム間リンクが許容される時間の長さ (秒数) を指定します。 このパラメーターは、10 秒単位で 20 秒から 86400 秒の値を受け入れます。デフォルトは 300 秒です。 このパラメーターの値として 0 を入力すると、リンク許容範囲を無効にできます。
- (オプション) 最大遅延時間 (ミリ秒) を指定します。この時間になると、グローバル・ミラーのリンク許容度タイマーがカウントダウンを 開始します。このしきい値により、グローバル・ミラー操作でグローバル・ミラーのソース・ボリュームの応答時間に追加できる、さらなる影響 (時間) が決まります。このパラメーターを使用すると、しきい値をデフォルト値の 5 ミリ秒から増やすことができます。
- (オプション) システム間遅延のシミュレーションを指定します。これは 2 つのシステム間のグローバル・ミラーの往復遅延 (ミリ秒) をシミュレートするものです。 デフォルトは 0 です。 有効範囲は 0 ミリ秒から 250 ミリ秒です。
- (オプション) グローバル・ミラーの往復遅延をシミュレートするシステム内遅延シミュレーションをミリ秒単位で指定します。デフォルトは 0 です。有効範囲は 0 ミリ秒から 250 ミリ秒です。
- (オプション) システムが使用するシステムの新規 IPv4 アドレスを指定します。この IP アドレスのフォーマットは、ポート指定のある小数点付き 10 進表記に従っていなければなりません (例えば、255.255.255.255:8080)。このパラメーターを指定すると、この値によって、既存の -icatip_6 アドレスはすべて上書きされます。
- (オプション) システムの新規 IPv6 アドレスを指定します。このパラメーターを指定すると、この値によって、既存の -icatip アドレスはすべて上書きされます。IPv6 アドレスのフォーマットは、以下のとおりでなければなりません。
- (オプション) Network Time Protocol (NTP) サーバーの IPv4 アドレスを指定します。NTP サーバー・アドレスを構成すると、
システムは、その NTP サーバーをシステムのタイム・ソースとしてただちに使用し始めます。別のタイム・ソースを使用するには、ゼロ・アドレスを用いた -ntpip パラメーターを指定します。
chsystem -ntpip 0.0.0.0
- 注: -ntpip_6 を指定する前に、IPv6 接頭部およびゲートウェイがそのシステムに設定されている必要があります。(オプション) NTP サーバーの IPv6 アドレスを指定します。NTP サーバー・アドレスを構成すると、システムは、該当の NTP サーバーをそのタイム・ソースとしてただちに使用し始めます。別のタイム・ソースを選択するには、次のように、ゼロ・アドレスを用いた -ntpip_6 パラメーターを指定します。
chsystem -ntpip_6 0::0
- (オプション) iSCSI ストレージ・ネーム・サービス (SNS) の IPv4 アドレスを指定します。別の IPv4 iSCSI SNS サーバーを選択するには、ゼロ・アドレスを用いた -isnsip パラメーターを指定します。
chsystem -isnsip 0.0.0.0
- (オプション) iSCSI SNS の IPv6 アドレスを指定します。構成済みの別の IPv6 iSCSI SNS サーバーを選択するには、ゼロ・アドレスを用いた -isnsip_6 パラメーターを指定します。
chsystem -isnsip_6 0::0
- (オプション) 新しいバックグラウンド・コピー帯域幅をメガバイト/秒 (MBps) 単位で 1 から 1000 の範囲で指定します。
デフォルトは 25 MBps です。このパラメーターは、システム規模で作動し、どの関係でも受け入れることができる最大バックグラウンド・コピー帯域幅を定義します。協力関係で定義されている既存のバックグラウンド・コピー帯域幅の設定値は引き続き有効であり、協力関係およびボリュームの速度として低い方の値で試行されます。注: この値は、より高い帯域幅を採用しても支障がないことが明白でなければ、デフォルトより高く設定しないでください。
- GUI で使用されているオンライン資料をオーバーライドするための、優先オンライン資料の URL を指定します。この情報はインターネット・ブラウザーによって解釈されるため、指定された情報には、ホスト名または IP アドレスが含まれる場合があります。要確認: GUI 設定ウィンドウで、現在構成されている URL を確認してください。このウィンドウを使用して、この値をデフォルト設定にリセットすることもできます。
- (オプション) システムの iSCSI 通信の認証方式を設定します。
- (オプション) ネイティブの IP 協力関係であるリモート・コピー協力関係の要求に対する認証をオンあるいはオフに切り替えます。
リモート・コピーにはメトロ・ミラーとグローバル・ミラーが含まれます。さらに次のことに注意してください。
- (オプション) iSCSI を使用するシステムの認証に使用される CHAP シークレットを設定します。このパラメーターは、iscsiauthmethod chap パラメーターが指定されている場合に必要です。 指定した CHAP シークレットは、スペースで開始または終了することはできません。
- (オプション) 以前に設定されていた iSCSI 認証用の CHAP シークレットをすべて消去します。 chapsecret を指定する場合は、nochapsecret パラメーターを指定することはできません。
- (オプション) システムがどの層に置かれているかを指定します。システムは、同じ層内のシステムと協力関係を構築することができます。
注: -layer を指定する場合、replication または storage のいずれかを指定する必要があります。 このオプションを使用できるのは、他のシステムがファブリックで認識されておらず、システムの協力関係が定義されていない場合です。
- (オプション) キャッシュのプリフェッチがシステム全体で使用可能または使用不可のどちらに設定されるかを指定します。 これは、製品サポート情報から指示された場合にのみ調整してください。
- (オプション) ローカル・システムのノード間通信専用のファイバー・チャネル (FC) 入出力 (I/O) ポート・マスクを示します。ファイバー・チャネル・ポート・マスクは、ホストやストレージ・システムのトラフィックには影響しません。
ポート・マスクは 64 個のバイナリー・ビットで、0 と 1 の組み合わせで構成されます。0 は対応する FC 入出力ポートが使用できないことを示し、1 は使用できることを示しています。マスクはローカル・システムのすべてのノードに適用されます。ローカル・システムのノード間通信には、少なくとも 2 つのポートが選択されなければなりません。マスクの結果は、選択されたポートとそれらのポートに認識される FC ゾーンのみを使用する、ローカル・システムの各ノード間の少なくとも 2 つの FC 接続にならなければなりません。有効なマスク値は、0011 (ポート 1 と 2 のみが使用可能) から 1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111 (ポートすべて使用可能) までの範囲です。例えば、マスクが 111111101101 の場合に使用可能なポートは、1、3、4、6、7、8、9、10、11、および 12 です。要確認: 部分マスク (64 文字より少ない) にはゼロが拡張して適用されます。つまり、指定されないポートは有効になりません。FC 入出力ポート ID を表示するには、lsportfc コマンドを指定します。
- (オプション) パートナー・システム間通信専用の FC 入出力ポート・マスクを示します。ファイバー・チャネル・ポート・マスクは、ホストやストレージ・システムのトラフィックには影響しません。
ポート・マスクは 64 個のバイナリー・ビットで、0 と 1 の組み合わせで構成されます。0 は対応する FC 入出力ポートが使用できないことを示し、1 は使用できることを示しています。マスクは、ローカル・システムのすべてのノードに適用されます。
マスクの有効値は、0000 (ポートすべて使用不可) から 1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111 (ポートすべて使用可能) までの範囲です。例えば、マスクが 111111101101 の場合に使用可能なポートは、1、3、4、6、7、8、9、10、11、および 12 です。要確認: 部分マスク (64 文字より少ない) にはゼロが拡張して適用されます。つまり、指定されないポートは有効になりません。FC 入出力ポート ID を表示するには、lsportfc コマンドを指定します。
- (オプション) 高温モード (HTM) を設定 (または解除) します。値は、on および off です。
- (オプション) 使用するシステム・トポロジー (standard) を指定します。
- (オプション) ボリューム保護時間を (分単位で) 設定します。
- (オプション) ボリューム保護を有効または無効にします。値は yes および no です。
- (オプション) オフロード・データ転送 (ODX) を有効または無効にします。 値は、on および off です。
- (オプション) Easy Tier® およびプール平衡化アクセラレーションを有効にします。値は、on および off です。
- (オプション) 最大複製遅延を秒単位で設定します。値は 0 から 360 までの数値であることが必要です。
- (オプション) リモート・システムの入出力操作のタイムアウト (秒数) を設定します。この値は 30 から 315 (デフォルト) までの数値でなければなりません。
説明
このコマンドは、システムの特定の機能を変更します。 1 つのコマンドで複数の機能を変更できます。
-ntpip または -ntpip_6 パラメーターを使用すると、システムは、NTP サーバーを外部のタイム・ソースとして使用できます。システムは、NTP サーバーのタイム値に従って構成ノードのシステム・クロックを 調整します。その他のノードのクロックは、構成ノードのクロックから更新されます。NTP モードでは、setsystemtime コマンドは使用不可にされます。
すべてのコマンドはオプションです。ただし、少なくとも 1 つのパラメーターを指定する必要があります。
chsystemip コマンドは、システム IP アドレスおよびサービス IP アドレスを変更するために使用します。
呼び出し例
chsystem -ntpip 9.20.165.16
結果出力
No feedback
外部 NTP サーバーをセットアップするための呼び出し例
chsystem -ntpip 123.234.123.234
結果出力
No feedback
優先 infocenterurl 値を変更するための呼び出し例
chsystem -infocenterurl http://miscserver.company.com/ibm/infocenter
結果出力
No feedback
ローカル・ポート・マスク値を変更するための呼び出し例
ローカル・マスクを 62 個の 0 と 2 個の 1 に設定する場合、ID が 1 および 2 の FC 入出力ポートを指定することで、ローカル・ノード通信に対応することができます。
chsystem -localfcportmask 11
結果出力
No feedback
パートナー・ポート・マスク値を変更するための呼び出し例
パートナー・マスクを 63 個の 0 と 1 個の 1 に設定する場合、ID が 2 の FC 入出力ポートを指定することでリモート・ノード通信に対応することができます。
svctask chsystem -partnerfcportmask 0010
結果出力
No feedback
HTM を変更するための呼び出し例
chsystem -hightempmode on
結果出力
No feedback
システム・トポロジーを設定するための呼び出し例
chsystem -topology standard
結果出力
No feedback
リモート・コピーの認証を設定するための呼び出し例
chsystem -chapsecret ABCB1234 -iscsiauthmethod none -rcauthmethod chap
結果出力
No feedback
ボリューム保護をオフにするための呼び出し例
chsystem -vdiskprotectionenabled no
結果出力
No feedback
ボリューム保護をオンにして、保護時間を 60分に設定するための呼び出し例
chsystem -vdiskprotectionenabled yes -vdiskprotectiontime 60
結果出力
No feedback
Easy Tier アクセラレーションをオンにするための呼び出し例
chsystem -easytieracceleration on
結果出力
No feedback
ODX をオンにするための呼び出し例
chsystem -odx on
結果出力
No feedback
最大複製遅延を設定するための呼び出し例
chsystem -maxreplicationdelay 100
結果出力
No feedback
協力関係除外しきい値を設定するための呼び出し例
chsystem -partnershipexclusionthreshold 120
結果出力
No feedback