協力関係のマイグレーション
2 つのシステム間の接続のタイプを変更する場合、既存のリモート・コピー協力関係および関係をマイグレーションすることができます。
既存のリモート・コピー関係と協力関係を、ファイバー・チャネルから固有の IP に、ネイティブ IP からファイバー・チャネルに、IPv4 デプロイメントから IPv6 デプロイメントに、および 1 Gbps リンクから 10 Gbps リンク (およびその逆) にマイグレーションすることが可能です。
既存のリモート・コピー関係と協力関係をファイバー・チャネルからネイティブ IP にマイグレーション
- 2 つの Storwize® V3700・システムがファイバー・チャネル協力関係にある場合、コードが 7.2.0 より前であれば、定義済みの更新スケジュールを使用して、両方の Storwize V3700・システムを更新します。
- 両方のシステムが 7.2.0 以降のコードになった後、以下のステップを実行します。
- ダウン時間をスケジュールして、関係がまだアクティブな間に、ホスト入出力を停止します。注: ホスト上のすべてのキャッシュ・データがボリュームに確実にフラッシュされるようにするために、複製されるファイバー・チャネル・ボリュームにマウントされているファイル・システムがあれば、まずそれらをアンマウントしてください。このプロセスは、すべてのファイバー・チャネル関係に対して実行する必要があります。 これは、同じボリュームが複数のホストによって (例えば、VMFS のようなクラスター化ファイル・システムで) 使用されている場合は、すべてのホスト上で実行する必要があります。他のアプリケーションを使用している場合は、アプリケーションからのすべてのキャッシュ・データをディスクに同期させてください。この手順も、アプリケーション固有の場合があります。例えば、Oracle や DB2 などは停止することが必要な場合がある一方、一部のアプリケーションではホスト上で同期化を実行することが必要な場合もあります。
- グローバル・ミラー変更ボリューム (リモート・コピー関係) が存在する場合は、以下のステップを実行します。そうでない場合は、次のステップに進みます。
- 関係を停止し、非サイクル・グローバル・ミラーに変更します。
- 関係を開始します。注: 関係が consistent_synchronizedに変更されたことを確認してください (または、関係の状態が consistent_synchronized になるまで待ちます)。
- -access フラグを指定せずに関係を停止し、各関係の状態が in_sync であることを確認します。
- リモート・コピー関係を削除します。
- すべてのリモート・コピー関係を削除した後、協力関係を停止して、両方のシステムから削除します。
- lspartnershipcandidate を実行するときにこれら 2 つのシステムが使用可能なシステムとしてリストされないように、2 サイト間のゾーニングを削除します。
- cfgportip を使用して IP ポートを構成し、IP 協力関係を確立します。さらに必要に応じて、CHAP を構成します。
- それぞれのサイトでオリジナルのマスター・ボリュームと補助ボリューム (ファイバー・チャネル協力関係で以前に使用されていた) を使用して、メトロ・ミラー、グローバル・ミラー、またはグローバル・ミラー変更ボリューム用に、-sync フラグを指定してリモート・コピー関係を作成します。
- 変更ボリュームをそれぞれの関係に追加します。
- リモート・コピー関係を開始します。
- ダウン時間をスケジュールして、関係がまだアクティブな間に、ホスト入出力を停止します。
これで、ファイバー・チャネルからネイティブ IP へのリモート・コピー関係のマイグレーションが完了します。
既存のリモート・コピー関係と協力関係をネイティブ IP からファイバー・チャネルにマイグレーション
この手順は、7.2.0 以降のコードで IP 協力関係にある 2 つの Storwize V3700 システムに適用されます。
- ダウン時間をスケジュールして、関係がまだアクティブな間に、ホスト入出力を停止します。注: 複製されるファイバー・チャネル・ボリュームにマウントされているファイル・システムがある場合は、必ず最初にアンマウントし、ホスト上のすべてのキャッシュ・データがボリュームにフラッシュされるようにします。 これは、すべてのファイバー・チャネル関係に対して実行する必要があります。これは複数のホストが同じボリュームを使用する場合 (例: VMFS などクラスター化されたファイル・システムを使用する場合)、すべてのホストに対して実行する必要があります。その他のアプリケーションを使用している場合は、アプリケーションからディスクにすべてのキャッシュ・データを同期するようにしてください。 この手順も、アプリケーション固有の場合があります。例えば、Oracle や DB2 などは停止することが必要な場合がある一方、一部のアプリケーションではホスト上で同期化を実行することが必要な場合もあります。
- グローバル・ミラー変更ボリューム (リモート・コピー関係) が存在する場合は、以下のステップを実行します。そうでない場合は、次のステップに進みます。
- 関係を停止し、非サイクル・グローバル・ミラーに変更します。
- 関係を開始します。注: 関係が consistent_synchronizedに変更されたことを確認してください (または、関係の状態が consistent_synchronized になるまで待ちます)。
- -access フラグを指定せずに関係を停止し、各関係の状態が in_sync であることを確認します。
- リモート・コピー関係を削除します。
- すべてのリモート・コピー関係を削除した後、協力関係を停止して、両方のシステムから削除します。
- 両方のシステムで、リモート・コピー・ポート・グループのポートを構成解除 (0 に設定) します。
- lspartnershipcandidate および lsfabric を実行するときにこの 2 つのシステムが使用可能なシステムとしてリストされるように、2 サイト間のゾーンを作成します。
- それぞれのサイトでオリジナルのマスター・ボリュームと補助ボリューム (IP 協力関係で以前に使用されていた) を使用して、メトロ・ミラー、グローバル・ミラー、またはグローバル・ミラー変更ボリューム用に、-sync フラグを指定してリモート・コピー関係を作成します。
- 変更ボリュームをそれぞれの関係に追加します。
- リモート・コピー関係を開始します。
この手順により、ネイティブ IP からファイバー・チャネルへのリモート・コピー関係のマイグレーションが完了します。
既存のリモート・コピー関係と協力関係をネイティブ IPv4 から IPv6 デプロイメントにマイグレーション
- システム IP に IPv6 アドレスが構成されている
- データ・パス IP (cfgportip を使用して構成された IP) が IPv6 アドレスを持っている注: IP 協力関係がアクティブな間に IPv6 アドレスをポートに割り当てることができます。ただし、アドレスをリモート・コピー・ポート・グループに追加することはできません。
この手順は、7.2.0 以降のコードで IPv4 を介しての IP 協力関係にある 2 つの Storwize V3700 システムに適用されます。
- -access フラグを指定せずに関係を停止し、各関係の状態が in_sync であることを確認します。
- すべてのリモート・コピー関係を停止した後、両方のシステムで IP 協力関係を停止します。
- システム C1 の場合: #svctask chpartnership -stop <systemid
C2>
- コマンド lspartnership は、システム C1 で fully_configured_stopped として報告します。
- コマンド lspartnership は、システム C2 で fully_configured_remote_stopped として報告します。
- システム C2 の場合:#svctask chpartnership -stop <systemid
C1>
- コマンド lspartnership は、システム C1 で fully_configured_stopped として報告します。
- コマンド lspartnership は、システム C2 でも fully_configured_stopped として報告します。
- システム C1 の場合: #svctask chpartnership -stop <systemid
C2>
- それぞれのリモート・コピー・ポート・グループで、データ・パス IP ポート上に (cfgportip を使用して) 構成された IPv6 IP アドレスを追加します。
- システム C1 の場合: #svctask cfgportip -node <node_id> -remotecopy_6 <portgrp_id_1_or_2> <port_no>
- システム C2 の場合: #svctask cfgportip -node <node_id> -remotecopy_6 <portgrp_id_1_or_2> <port_no>
注: このステップにより、リモート・コピー状況は、used から変更され unused として示されます。これは新規 IP アドレスの新規パスのディスカバリーがまだ実施されていないためです。 - IP 協力関係を変更して、IPv6 アドレスを介してディスカバリーが行われるようにします。
- システム C1 の場合: #svctask chpartnership -type ipv6 -clusterip <ipv6_ipaddr_of_cluster_c2> <systemid C2>
- システム C2 の場合: #svctask chpartnership -type ipv6 -clusterip <ipv6_ipaddr_of_cluster_c1> <systemid C1>
- システム C1 の場合: #svctask chpartnership -start <systemid C2>
- システム C2 の場合: #svctask chpartnership -start <systemid
C1> 注: これで IPv6 アドレス上の新しいデータ・パスが使用可能になったので、協力関係は、最初に not_present に変更された後、fully_configured に変更されます。not_present のまま残る場合、ノード・エラー/DMP をモニターして、起動されるかどうか調べ、トラブルシューティング・セクションで該当する DMP をチェックします。
- リモート・コピー関係を開始します。
この手順により、IPv4 から IPv6 へのリモート・コピー関係のマイグレーションが完了します。IPv6 を適宜 IPv4 に置き換えることで IPv6 から IPv4 へのマイグレーションにも同じ手順を適用できます。
新規 IP アドレスへの既存のリモート・コピー関係と協力関係のマイグレーション
システムのシステム IP アドレスおよびデータパス IP アドレスの一方または両方を変更する場合、その手順の間、複製を一時的に停止する必要があります。ただし、ホスト入出力は続行できます。この手順の完了後、その手順の間に実行依頼されたホスト書き込み操作についてのみ、関係を再同期する必要があります。
この手順は、バージョン 7.2.0 以降のコードで IP 協力関係にある 2 つのシステムに適用されます。
- 両方のシステムで IP 協力関係を停止します。
- システム C1 の場合: #svctask chpartnership -stop <systemid
C2>
- コマンド lspartnership は、システム C1 で fully_configured_stopped として報告します。
- コマンド lspartnership は、システム C2 で fully_configured_remote_stopped として報告します。
- システム C2 の場合: #svctask chpartnership -stop <systemid
C1>
- コマンド lspartnership は、システム C1 で fully_configured_stopped として報告します。
- コマンド lspartnership は、システム C2 でも fully_configured_stopped として報告します。
- システム C1 の場合: #svctask chpartnership -stop <systemid
C2>
- 以下のコマンドを使用して、一方または両方のシステム上で IP アドレスを再構成します。
chsystemip -clusterip <new ip> -port <ethernet port number>
cfgportip -node <node id> -ip <new ip address> -netmask <new netmask> -gw <new gateway>
- 再構成された IP ごとに、リモート・システム上で協力関係を再構成します。
システム C1 でシステム IP が変更された場合は、システム C2 で、次のようにします。 #svctask chpartnership -clusterip <system IP of system C1> <systemid C1>
システム C2 でシステム IP が変更された場合は、システム C1 で、次のようにします。#svctask chpartnership -clusterip <system IP of system C2> <systemid C2>
- 協力関係を再開します。
システム C1 の場合: #svctask chpartnership -start <systemid C2>
システム C2 の場合: #svctask chpartnership -start <systemid C1>
- 停止された関係をすべて再開します。
既存のリモート・コピー関係と協力関係を 1 Gbps リンクから 10 Gbps のリンクにマイグレーション (逆も可)
この手順は、7.2.0 以降のコードで 2 つの 1 Gbps リンクを介して相互に IP 協力関係にある 2 つの Storwize V3700 システムに適用されます。
- -access フラグを指定せずに関係を停止し、各関係の状態が in_sync であることを確認します。
- すべてのリモート・コピー関係を停止した後、両方のシステムで IP 協力関係を停止します。
- システム C1 の場合: #svctask chpartnership -stop <systemid
C2>
- コマンド lspartnership は、システム C1 で fully_configured_stopped として報告します。
- コマンド lspartnership は、システム C2 で fully_configured_remote_stopped として報告します。
- システム C2 の場合:#svctask chpartnership -stop <systemid
C1>
- コマンド lspartnership は、システム C1 で fully_configured_stopped として報告します。
- コマンド lspartnership は、システム C2 でも fully_configured_stopped として報告します。
- システム C1 の場合: #svctask chpartnership -stop <systemid
C2>
- それぞれのリモート・コピー・ポート・グループで、10 Gbps リンクのデータ・パス IP ポート上に (cfgportip を使用して) 構成された IP アドレスを追加します。
- システム C1 の場合: #svctask cfgportip -node <node_id> -remotecopy <portgrp_id_1_or_2> <port_no_3/port_no_4>
- 既存の 1 Gbps ポートを、次のコマンドを使用して、リモート・コピー・グループから削除します。
#svctask cfgportip -node <node_id> -remotecopy 0 <port_no_1/port_no_2>
- システム C2 の場合: #svctask cfgportip -node <node_id> -remotecopy <portgrp_id> <port_no_3/port_no_4>
- 既存の 1 Gbps ポートを、次のコマンドを使用して、リモート・コピー・グループから削除します。
#svctask cfgportip -node <node_id> -remotecopy 0 <port_no_1/port_no_2>
注: このステップにより、リモート・コピー状況は、used から変更され unused として示されます。これは新規 IP アドレスの新規パスのディスカバリーがまだ実施されていないためです。 - IP 協力関係を開始します。
- システム C1 の場合: #svctask chpartnership -start <systemid C2>
- システム C2 の場合: #svctask chpartnership -start <systemid
C1> 注: これで IPv6 アドレス上の新しいデータ・パスが使用可能になったので、協力関係は、最初に not_present に変更された後、fully_configured に変更されます。not_present のまま残る場合、ノード・エラー/DMP をモニターして、起動されるかどうか調べ、トラブルシューティング・セクションで該当する DMP をチェックします。
- リモート・コピー関係を開始します。
この手順により、1 Gbps リンクから 10 Gbps リンクへのマイグレーションが完了します。10 Gbps ポートを適宜 1 Gbps ポートに置き換えることで、10 Gbps から 1 Gbps へのマイグレーションにも同じ手順を適用できます。