ホスト・サーバーのセットアップ

システムで iSCSI イニシエーターとして使用するホスト・サーバーをセットアップするには、以下の手順を実行します。それぞれの手順は、使用される特定のホスト・タイプとオペレーティング・システムによって異なります。

ホストを構成するには、最初にソフトウェア・ベースの iSCSI イニシエーターまたはハードウェア・ベースの iSCSI イニシエーターを選択します。 例えば、ソフトウェア・ベースの iSCSI イニシエーターとしては Microsoft Windows の iSCSI ソフトウェア・イニシエーターなどがあり、ハードウェア・ベースの iSCSI イニシエーターとしてはホスト・サーバー内の iSCSI ホスト・バス・アダプターなどがあります。

管理 GUI とコマンド・ライン・インターフェースのどちらを使用しても、ホスト・サーバーをセットアップすることができます。システムを利用する iSCSI ソフトウェア・ベース・イニシエーターとして使用するようにホスト・サーバーをセットアップするには、以下の手順を実行します。

管理 GUI の使用

  1. システムを iSCSI 用にセットアップするには、以下の手順を実行します。
    1. 管理 GUI で、「設定」 > 「ネットワーク」 > 「イーサネット・ポート」を選択します。
    2. 入出力グループを展開し、変更したいノードを右クリックして、「IP 設定の変更」を選択します。
    3. 「IP 設定の変更」ページで、ノードの IP アドレスを入力します。IPv4 アドレスと IPv6 アドレスのどちらでも選択できます。「変更」をクリックする。
    4. ノードの構成とシステムのイーサネット・ポートが正しく構成されていることを確認します。「イーサネット・ポート」ページには、変更されたすべてのノードが構成済みとして表示され、「ホスト接続」「はい」に設定されています。
    5. ホストを作成するために、「ホスト」 > 「ホスト」を選択し、「ホストの追加」を選択します。「iSCSI ホスト」を選択し、iSCSI イニシエーター名を iSCSI ポートのフィールドに入力します。ホスト・サーバーを確認し、iSCSI イニシエーター名を決定します。ホストに関する追加の詳細を入力して、「ホストの追加」をクリックします。
    6. ボリュームを作成するために、「ボリューム」 > 「ボリューム」を選択し、「ボリュームの作成」を選択します。作成したいボリュームのタイプを選択し、プール、サイズ、およびその他のボリュームに関する詳細を選択します。「作成およびホストへのマップ」をクリックします。
    7. ボリュームを作成した後、「続行」をクリックして、ホストをボリュームにマップします。作成するホストを選択し、「ボリュームのマップ」をクリックします。
  2. ホスト・サーバーをセットアップするには、以下の手順を実行します。
    1. サーバー上に IP インターフェースが構成されていることを確認します。
    2. iSCSI ソフトウェア・ベース・イニシエーターのソフトウェアをサーバーにインストールします。
    3. ホスト・サーバーで iSCSI 用の構成メソッドを実行して、ホスト・サーバーの iSCSI イニシエーターがシステムにログインし、ボリュームをディスカバーするようにします。 次に、ホストは、ボリューム用のホスト・デバイスを作成します。
  3. ホスト・デバイスが作成された後、ホスト・アプリケーションでそれらのホスト・デバイスを使用できます。

CLI の使用

  1. システムを iSCSI 用にセットアップするには、以下の手順を実行します。
    1. iSCSI ボリュームを使用する入出力グループ内のノード上にあるイーサネット・ポートについて、IPv4 または IPv6 アドレス・セットを選択します。
    2. cfgportip コマンドを使用して、システム内の各ノードでノード・イーサネット・ポートを構成します。
    3. lsportip コマンドおよび lssystemip コマンドの出力を調べて、ノードおよびシステム・イーサネット・ポートが正しく構成されていることを確認します。
    4. mkvdisk コマンドを使用して、システムでボリュームを作成します。
    5. mkhost コマンドを使用して、ボリュームがマップされる iSCSI サーバー・イニシエーターを記述する、システム上のホスト・オブジェクトを作成します。
    6. mkvdiskhostmap コマンドを使用して、ボリュームを、システムのホスト・オブジェクトにマップします。
  2. ホスト・サーバーをセットアップするには、以下の手順を実行します。
    1. サーバー上に IP インターフェースが構成されていることを確認します。
    2. iSCSI ソフトウェア・ベース・イニシエーターのソフトウェアをサーバーにインストールします。
    3. ホスト・サーバーで iSCSI 用の構成メソッドを実行して、ホスト・サーバーの iSCSI イニシエーターがシステムにログインし、ボリュームをディスカバーするようにします。 次に、ホストは、ボリューム用のホスト・デバイスを作成します。
  3. ホスト・デバイスが作成された後、ホスト・アプリケーションでそれらのホスト・デバイスを使用できます。

次の作業

以下の考慮事項に注意してください。
  • AIX® では、IPv6 を使用する iSCSI はサポートされません。
  • ホスト・イニシエーターとシステムのイーサネット・ポートとの間の各接続には、IPv4 と IPv6 (サポートされている場合) のいずれも使用できます。システムのイーサネット・ポートに対しては、同じイニシエーターで IPv4 と IPv6 の両方をコンカレント使用することはサポートされません。
  • イーサネット・ポート 1 と 2 はそれぞれ、クラスター IP アドレスおよび iSCSI ターゲット IP アドレスのどちらにも構成することができます。 各システム・イーサネット・ポートに異なるクラスター IP アドレスを割り当てて、冗長イーサネット・ネットワークを使用する構成にすることができます。
  • クラスター化システムのイーサネット・ポートに関連付けられたすべてのサービス IP アドレスおよび構成 IP アドレスは、すべてのノードで同じサブネット上に存在する必要があります。 各ポートを固有のサブネットに置くことができます。 ただし、フェイルオーバーが正しく機能するように、すべてのノードで同じポート索引 (例えば、port3) が同じサブネット (例えば、192.168.1.x (x はノードによって異なります) になければなりません。
  • システム側のホスト・オブジェクトが iSCSI ホスト用に作成または再作成される場合、そのホストから既存のすべてのセッションをログアウトしてから、再度ログインする必要があります。
  • cfgportip コマンドを使用して、最大 4 つのイーサネット・ポートを iSCSI ログインに有効にすることができます。したがって、IP アドレスを使用して構成したイーサネット・ポートに「host=yes」の設定値を指定するのは 4 つ以下にしてください。他のすべての構成済みポートには「host=no」の設定値を指定します。4 つを超える構成済みポートを有効にした場合、それらのポートにログインすると、システムによって拒否されます。
  • システム上の iSCSI ホスト接続を使用して RTC を構成すると、一部の CPU コアが RTC 処理専用となり、それによって iSCSI 処理に使用可能な CPU コアの数が減るため、ホスト・パフォーマンスは低下します。