WebSphere® Integration Developer では、ビジネス・プロセスやビジネス・ルールなど、編集ツールで作成された ビジネス・インテグレーション・コンポーネントの多くを対象に、イベントの生成およびモニターを使用可能にできます。 WebSphere Integration Developer でイベントの生成とモニターを使用可能にする基本ツールは、 イベント・モニターです。
イベント・モニターがあるエディターで、1 つまたは複数のモニター可能コンポーネント・エレメントを選択してから、 イベント・モニターを使用して、選択済みのエレメントについて生成およびモニターするイベントを選択できます。 例えば、ビジネス・プロセス・エディターで、ビジネス・プロセス内の Receive アクティビティーを選択した場合、 イベント・モニターを使用して、アクティビティー開始済みイベントと アクティビティー停止イベントを生成およびモニターの対象として選択できます。 モニター可能なコンポーネントとエレメントの完全なリストは、"WebSphere Integration Developer におけるモニター可能なコンポーネントおよびエレメント" トピックにあります。
これらの概念については、以下のセクションで説明します。
WebSphere Integration Developer および WebSphere Process Server では、 共通イベント・インフラストラクチャー (CEI) を使用して、イベントの生成、送信、パーシスタンス、使用量などの 基本イベント管理サービスを提供します。 CEI は、非互換システム間のイベント交換で発生する業界全体の問題に対処するために開発されました。 多くのシステムでは、異なるイベント・インフラストラクチャー、イベント・フォーマット、およびデータ・ストアを採用して いました。 CEI を使用することで、以前は非互換だったシステムで 1 つのインフラストラクチャーを共用し、1 つの API を使用できるように なりました。 その結果、同じベンダーまたは異なるベンダーによって記述されたアプリケーション間のデータ交換が容易になりました。
CEI によってイベント管理用の インフラストラクチャーは提供されますが、イベントのフォーマットは定義されません。 これは共通ベース・イベント仕様によって定義され、ビジネス・イベント、システム・イベント、 およびパフォーマンス情報のための標準 XML ベース・フォーマットを提供します。 アプリケーション開発者および管理者は、イベントの型を構造化および開発するために 共通ベース・イベント仕様を使用できます。
共通ベース・イベント・モデルの主な概念は状態 で、これはコンピューター・システムのすべての場所で発生する すべてのオカレンスを表します。 例えば、ユーザー・ログインやスケジュールされたサーバーのシャットダウンなどがあります。 共通ベース・イベント・モデルでは、StartSituation や CreateSituation など、 一連の標準状態タイプを定義します。これは、発生しうるほとんどの状態に対応します。
共通ベース・イベント・モデルにおいてイベント とは、 ある状態に関連した情報を報告する構造化された通知です。 イベントは、次の 3 種類の情報を報告します。
共通ベース・イベント仕様は、IBM® オートノミック・コンピューティング・ツールキットの一部です。 仕様についての詳細は、IBM ®オートノミック・コンピューティングの Web サイトを 参照してください。
ビジネス・イベントは、 ビジネスに関連する情報を収集します。次に、この情報を分析して、ビジネスのさまざまな局面が 有効かどうかを評価します。例えば、あるビジネス製品のカスタマー・オーダー数が特定の時間フレーム内で 限界レベルより下にある場合を、ビジネス・イベントが明らかにすることもあります。
WebSphere Integration Developer には、ビジネス・プロセス、ビジネス・ルール、その他のコンポーネントなど、モニター可能なコンポーネントの タイプごとに、一連の定義済みビジネス・イベントが用意されています。 これは、すぐに使用できるビジネス・イベントの 完全なセットがあるため、イベント・コードを 1 行も記述する必要がないという意味です。 定義済みビジネス・イベントはすべて共通ベース・イベント仕様に基づいており、 イベント・モニターを使用してイベントを選択、生成、およびモニターできます。
イベント・モニターをサポートするすべての WebSphere Integration Developer エディターでは、 イベント・モニターに「CEI」チェック・ボックスが含まれています。 このチェック・ボックスを選択すると、ビジネス・イベント (および他のイベント) は共通ベース・イベント仕様に従って 生成され、CEI を介して送信されて CEI データ・ストアに記録されます。
ビジネス・プロセス・エディターとヒューマン・タスク・エディターの イベント・モニターには「監査ログ」チェック・ボックスもあります。 このチェック・ボックスを選択した場合、 ビジネス・プロセスおよびヒューマン・タスクに関連したビジネス・イベントは監査イベントとして Process Choreographer データベースに生成されます。 「CEI」チェック・ボックスも選択する場合、 同じビジネス・イベントが CEI データ・ストアにも生成されます。
Process Choreographer データベースに記録される監査イベントとは異なり、 CEI イベントには一般にすべてのコンポーネントおよびイベント・コンシューマーがアクセスできるということに注意してください。 そのため、特に監査イベントを扱う必要がない限り、監査イベントではなく、 CEI イベントの生成およびモニターを使用可能にすることをお勧めします。