ILE COBOL 解説書

+----------------------------------IBM 拡張----------------------------------+

形式 8 - ロケール

SET ステートメントの形式 8 によって、現行ロケールのロケール・カテゴリー の設定と照会が可能となります。

ロケールは、言語や特定の文化圏固有の情報を含むシステム・オブジェクトです。 たとえば、ロケールには世界の特定の地域の日付と時刻についての適切な形式が入っています。 ロケール内の情報は、ロケール・カテゴリーに分割されます。 たとえば、ロケール・カテゴリー LC_TIME には、日付と時刻の形式に関する情報が入っています。 実行単位ごとに、1 つの DEFAULT ロケール、1 つの現行ロケール、およびゼロないし多数の特定のロケールが存在します。 現行ロケールは、そのロケール・カテゴリーの一部またはすべてを DEFAULT または特定のロケールに設定することにより変更されます。 ロケール・カテゴリー (現行ロケールの) が設定された特定ロケールの名前を ID の中で使用できます。 ロケール・カテゴリーの内容は、下記からロケール・カテゴリーを設定することにより変更できます。

指定された各ロケール・カテゴリーは、実行単位の期間中またはカテゴリーを指定する別の SET ステートメントが処理されるまでの間効力をもちます。

SET ステートメント - 形式 8
 
                .-----------------.
                V                 |
>>-SET--LOCALE----+-LC_ALL------+-+----------------------------->
                  +-LC_COLLATE--+
                  +-LC_CTYPE----+
                  +-LC_MESSAGES-+
                  +-LC_MONETARY-+
                  +-LC_NUMERIC--+
                  +-LC_TIME-----+
                  '-LC_TOD------'
 
>--+-----------------------------------------+------------------>
   '-INTO--ID-10--+------------------------+-'
                  '-+----+--LIBRARY--ID-11-'
                    '-IN-'
 
>--+---------------------------------------------+-------------><
   '-FROM--+-DEFAULT---------------------------+-'
           +-ID-12--+------------------------+-+
           |        '-+----+--LIBRARY--ID-13-' |
           |          '-IN-'                   |
           '-簡略名-2--------------------------'
 
 
LC_ALL
ロケール・カテゴリーの LC_COLLATE、LC_CTYPE、LC_MESSAGES、 LC_MONETARY、LC_NUMERIC、LC_TIME、および LC_TOD (ロケールに含まれるこれ以外のすべてのカテゴリーも含まれます。)
LC_COLLATE
照合順序を定義するロケール・カテゴリー。
LC_CTYPE
文字種別と文字タイプを定義するロケール・カテゴリー。
LC_MESSAGES
通知メッセージと診断メッセージのフォーマット設定および対話式応答のフォーマット設定を定義するロケール・カテゴリー。
LC_MONETARY
通貨のフォーマット設定を定義するロケール・カテゴリー。
LC_NUMERIC
数字のフォーマット設定を定義するロケール・カテゴリー。
LC_TIME
日時フォーマット設定を定義するロケール・カテゴリー。
LC_TOD
時間帯差、時間帯名、および夏時間開始点と終点を定義するロケール・カテゴリー。
ID-10
ID-10 の値はロケール・カテゴリーを参照します。 ID-10 は基本英数字データ項目でなければなりません。 INTO 句が指定されている場合は、指定されたカテゴリーに対する現行ロケールの識別は、ID-10 が参照するデータ項目の中に保管されます。 INTO 句は、英数字から英数字への移動用 MOVE ステートメントの規則を使用して、FROM 句の前に処理されます。
DEFAULT
ロケール・カテゴリーを現行のデフォルトに設定します。デフォルトのロケールは、 実行単位が起動する時点で発生し、実行単位の期間中デフォルトのロケールのまま残ります。 デフォルトのロケールはまた、実行単位が活動化される時点で現行ロケールにもなり、SET ステートメントの形式 8 を使用して切り換えられるまで現行ロケールのまま残ります。
ID-12
ID-10 の値はロケール・カテゴリーを参照します。 ID-12 は基本英数字データ項目を参照する必要があります。 ID-12 で指定されたロケールが利用不能である場合は、オペレーティング・システムのエスケープ・メッセージが出されます。 FROM 句が指定されている場合は、指定されたカテゴリーの現行ロケールは、ID-12 が参照するデータ項目の内容に設定されます。 現行ロケール識別は、英数字から英数字への移動用 MOVE ステートメントの規則を使用して保管されます。
簡略名-2
簡略名-2 で指定されたロケールが利用不能である場合は、オペレーティング・システムのエスケープ・メッセージが出されます。FROM 句が指定されている場合は、指定されたカテゴリーの現行ロケールは、簡略名-2 が識別するロケール・カテゴリーに設定されます。

IN LIBRARY 句

IN LIBRARY 句を使用して、ロケール・オブジェクトが置かれる i5/OS ライブラリーを指定します。 INTO 文節の場合、ID-11 は指定されたロケール・カテゴリーのライブラリー名を使用して更新されます。 FROM 文節の場合は、ID-12 を使用してロケール・カテゴリーの設定先であるロケール・オブジェクトを位置指定します。

ID-11、ID-13
基本英数字データ項目でなければなりません。 ID-11 または ID-13 の内容は、有効な i5/OS ライブラリー名を表していなければなりません。 i5/OS ライブラリー名は、最大 10 文字の長さです。したがって ID-2 の最初の 10 文字が、ライブラリー名を形成するために使用されます。

ID-13 が指定されていない場合は、ライブラリー *LIBL が想定されます。 そうでない場合は、ID-13 には、ID-12 で指定されたロケール・オブジェクト名が存在するライブラリーが入っていなければなりません。 ID-11 が指定される場合は、 この ID には現行のロケール・カテゴリーの最後の設定先であるロケール・オブジェクトのライブラリー名が入っています。 ID-10 内のロケール名が DEFAULT である場合は、ID-11 はスペースに設定されます。

ID-11 および ID-13 は *MONOPRC コンパイラー・オプションの影響を受けず、また、i5/OS 拡張名を含むことができます。

+------------------------------End of IBM 拡張-------------------------------+


[ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]