ILE COBOL の言語サポートのレベル
ILE COBOL コンパイラーは、次のことをサポートしています。
- レベル 2 の順次入出力およびソース・テキスト操作
- レベル 1 の中核、相対入出力、索引付き入出力、
プログラム間連絡、およびソート・マージのモジュール。
標準 COBOL の報告書作成機能、通信、デバッグ、
およびセグメント化のモジュールは、ILE COBOL コンパイラーではサポートされていません。
ANSI X3.23a-1989 の組み込み関数モジュールは、ILE COBOL コンパイラーによって完全サポートされています。
ILE COBOL コンパイラーが提供するサポートのレベルを表 29 に示します。
表には、次のことが示されています。
- 標準 COBOL の機能処理モジュールごとに、ILE COBOL コンパイラーがサポートしているレベル。
- 各モジュールの説明。
次に示すのは、この表で使われている表記法の説明です。
- 1
- ILE COBOL コンパイラーでサポートされているこのモジュールのレベル。
この例では、相対入出力モジュールのレベル 1 に対するサポートが提供されています。
- 2
- モジュールを識別する 3 文字のコード。
この例では、相対入出力モジュールです。
- 3
- 標準 COBOL で定義されているサポートのレベルの範囲。
レベル 0 は、最小規格の COBOL では、標準規格に従うためにこのモジュールのサポートが必要ないことを表しています。
表 29. ILE COBOL コンパイラー・サポートのレベル
ILE COBOL でサポートされる
言語のレベル |
モジュールの説明 |
中核 1 NUC 1,2 |
プログラムの 4 つの基本的な部 (DIVISION) でのデータの内部処理、
およびテーブルの定義とアクセスのために必要な言語エレメントが含まれています。 |
順次入出力 2 SEQ 1,2 |
ファイルに書き込まれている順序でファイル・レコードにアクセスすることができます。 |
相対入出力 1 REL 0,2 |
レコードに対するランダム・アクセスまたは順次アクセスが提供されます。
各レコードは、ファイル内でのそのレコードの論理的な位置を表す整数によって、固有に識別されます。 |
索引付き入出力 1 INX 0,2 |
レコードに対するランダム・アクセスまたは順次アクセスが提供されます。
索引付きファイル内の各レコードは、レコード・キーによって固有に識別されます。 |
プログラム間通信 1 IPC 1,2 |
一般的なデータ項目に対する制御およびアクセスの転送によって、COBOL プログラムが他のプログラムと通信できるようにします。 |
ソート・マージ 1 SRT 0,1 |
ユーザーが指定するキーに従って、1 つまたは複数のファイル内のレコードを並べ替えたり、
同一規則で並べられた 2 つ以上のファイルを組み合わせたりします。 |
ソース・テキスト操作 2 STM 0,2 |
コンパイル時に、事前に定義された COBOL テキストをプログラム中に挿入することを可能にします。 |
報告書作成プログラム 0 RPW 0,1 |
印刷された報告書をほぼ自動的に作成する機能を提供します。 |
通信 0 COM 0,2 |
メッセージまたはメッセージの一部をアクセス、処理、および作成する機能を提供します。
また、メッセージ制御システムによって、ローカルおよびリモートの通信装置との通信を可能にします。 |
デバッグ 0 DEB 0,2 |
デバッグのためのステートメントおよびプロシージャーを指定できます。 |
組み込み関数 1 ITR 0,1 |
オブジェクト・プログラムの実行中に参照された時点で、自動的に値が導かれるデータ項目を参照する機能を提供します。 |
セグメント化 0 SEG 0,2 |
手続き部 (PROCEDURE DIVISION) のセクションでのオブジェクト時オーバーレイ機能を提供します。 |
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