次に、ILE RPG V5R2 における機能強化について説明します。
組み込み関数 %DEC、%DECH、%INT、%INTH、%UNS、%UNSH、 および %FLOAT が、文字パラメーターを利用できるように拡張されました。 例えば、%DEC('-12345.67' : 7 : 2) と指定すると、数値 -12345.67 が戻されます。
%BITAND、%BITOR、%BITXOR、および %BITNOT で、RPG 式内での 直接ビット操作が認められるようになりました。
データ構造定義が拡張され、 データ構造の配列、およびそれ自身がデータ構造である LIKEDS で定義されたデータ構造のサブフィールドが認められようになりました。 これにより、配列の配列、つまり構造の副配列が入っている構造の配列など、 複雑な構造のコーディングを行えるようになりました。
Example: family(f).child(i).hobbyInfo.pets(p).type = 'dog'; family(f).child(i).hobbyInfo.pets(p).name = 'Spot';
さらに、レコード様式と同じように、 新しい LIKEREC キーワードを使用してデータ構造を定義できるようになりました。
外部記述データ構造に、 プログラマーが選択した入力、出力、入出力、キー、またはすべてのフィールドを保持できるようになりました。 現在、外部記述データ構造に保持できるのは入力フィールドだけです。
キーによる入出力操作での検索引数を /FREE 計算で新たに 2 つの方法で指定できるようになりました。
Examples: D custkeyDS e ds extname(custfile:*key) /free CHAIN (keyA : keyB : key3) custrec; CHAIN %KDS(custkeyDS) custrec;
外部記述ファイルに入出力操作を使うときに、 結果フィールドにデータ構造を指定できるようになりました。 この方法は、V5R2 より前ではプログラム記述ファイルでしか行えませんでした。 ファイル内のフィールド数が多い場合は、 データ構造を使用するとパフォーマンスを向上させることができます。
UPDATE 操作により、更新するフィールドのリストを指定できるようになりました。 これは、V5R2 より前では例外出力を使用しなければ実行できませんでした。
例: update record %fields(salary:status).
最大 31 桁のパックおよびゾーン数データをサポートします。 これは、DDS でサポートされる最大長です。V5R2 より前では 30 桁しかサポートされませんでした。
FEOD 操作は、ローカルでブロック・バッファーへの書き込みしか実行せず、 コストのかかるディスク書き込みは実行しないことを示す、 拡張 N をサポートすることで拡張されました。
DTAARA キーワードが拡張され、 データ域の名前およびライブラリーを実行時に指定できるようになりました。
新しい代入演算子 +=、-=、*=、/=、**= により、 変数を古い値に基づいてより簡潔に変更できるようになりました。
Example: totals(current_customer) += count;
上記のステートメントは、 現在 "totals(current_customer)" に入っている値に "count" を追加します。 "totals(current_customer)" を 2 度コーディングする必要はありません。
ILE RPG コンパイラーは、 メイン・ソース・ファイルと /COPY ファイルの両方を IFS からコンパイルできるようになりました。 /COPY 指示および /INCLUDE 指示が IFS ファイル名をサポートするように拡張されました。
ILE RPG コンパイラーは、PCML が入っている IFS ファイルを生成し、 プログラム (CRTBNDRPG) またはエクスポートされたプロシージャー (CRTRPGMOD) に対するパラメーターを表します。
言語単位 | 要素 | 説明 |
---|---|---|
組み込み関数 | %DEC(式) | 型を表す文字のパラメーターを取れるようになった。 |
%DECH(式) | ||
%FLOAT(式) | ||
%INT(式) | ||
%INTH(式) | ||
%UNS(式) | ||
%UNSH(式) | ||
定義仕様書キーワード | DTAARA({*VAR:}データ域名) | データ域名として、名前、'LIBRARY/NAME' を指定する文字リテラル、 または実行時に実際のデータ域を指定する文字変数を指定できる。 |
DIM | データ構造の指定が可能。 | |
LIKEDS | サブフィールドの指定が可能。 | |
) | オプションの "type" パラメーターを使って、 外部記述データ構造の場合にどのタイプのフィールドを取り出すかを制御する。 | |
定義仕様書 | 長さおよび小数点以下の桁数の入力 | パック・フィールドおよびゾーン・フィールドでは、長さおよび小数点以下の桁数として 31 まで指定できる。 |
命令コード | CHAIN、DELETEREADE、READPE、SETGT、SETLL | 自由形式演算では、演算項目 1 にキー値のリストを指定できる。 |
CHAIN、READ、READC、READE、READP、READPE、 UPDATE、WRITE | 外部記述ファイルまたはレコード様式で使用する場合は、 結果フィールドにデータ構造を指定できる。 | |
UPDATE | 自由形式演算では、 最後の引数に、更新するフィールドのリストを指定できる。 | |
FEOD | 命令拡張 N を指定できる。 これは、まだ書き込まれていないバッファーはデータベースには書き込む必要があるが、 必ずしもディスクには書き込む必要がないことを示す。 | |
演算仕様書 | 長さおよび小数点以下の桁数の入力 | パック・フィールドおよびゾーン・フィールドでは、長さおよび小数点以下の桁数として 31 まで指定できる。 |
言語単位 | 要素 | 説明 |
---|---|---|
式 | 代入演算子 += -= *= /= **= | 代入演算子を使用する場合、演算のターゲットは演算の第 1 オペランドでもある。 |
制御仕様書キーワード | DECPREC(30|31) | 表示の場合 (例えば、%EDITC および %EDITW) の 10 進数中間値の精度を制御する。 |
定義仕様書キーワード | サブフィールドがレコード様式と同じであるデータ構造を定義する。 | |
組み込み関数 | %BITAND(式 : 式) | オペランドの対応するビットが両方ともオンの場合にオンであるビットの結果を戻す。 |
%BITNOT(式) | 引数のビットとは逆のビットの結果を戻す。 | |
%BITOR(式 : 式) | オペランドの対応するビットのいずれかがオンの場合にオンであるビットの結果を戻す。 | |
%BITXOR(式 : 式) | オペランドの対応するビットの 1 つだけがオンである場合にオンであるビットの結果を戻す。 | |
%FIELDS(名前{:名前...}) | 自由形式の UPDATE で、更新するフィールドを指定する場合に使用。 | |
%KDS(データ構造) | 自由形式のキー付き命令コード CHAIN、 SETLL、SETGT、READE、および READPE で、 操作のキーがデータ構造内にあることを示す場合に使用。 |
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