FIPS 標識機能を指定することにより、FIPS COBOL サブセット、すべてのオプショナル・モジュール、すべての古い言語エレメント、または FIPS COBOL やオプショナル・モジュールとすべての古いエレメントの組み合わせをモニターすることができます。
モニターとは、ソース・プログラムで使用されている構文を、ユーザーが選択した FIPS サブセットおよびオプショナル・モジュールに含まれている構文と比べる分析作業のことです。 ソース・プログラムの中で、選択された FIPS COBOL サブセットとオプショナル・モジュールに適合しない構文が使用されているなら、それらの構文が識別されます。 ソース・プログラム中で使用されている古い言語エレメントの構文についても識別されます (選択したコンパイラー・オプションに応じて異なります)。 FIPS 標識機能のパラメーターの詳細については FLAGSTD パラメーターを参照してください。
FIPS 21-4 COBOL 仕様は、標準 COBOL (本書についてで述べられているもの) の中に含まれている言語仕様です。 FIPS COBOL は、3 つのサブセットと 4 つのオプショナル・モジュールに分割されます。 3 つのサブセットは、最小、中位、および上位と呼ばれています。 4 つのオプショナル・モジュールは、報告書作成機能、通信、デバッグ、およびセグメント化です。 これら 4 つのオプショナル・モジュールは、どのサブセットでも、不可欠な部分ではありません。 しかし、オプショナル・モジュールのすべて、または任意の組み合わせを、 サブセットに関連付けるか、あるいは全く関連付けないこともできます。 FIPS 21-4 COBOL 標準規格に準拠して作成されたプログラムは、FIPS 21-4 COBOL のいずれか 1 つのサブセットに準拠していなければなりません。 表 30 に、FIPS 21-4 COBOL の各サブセットに含まれている ANSI 標準 COBOL 処理モジュールを示します。
次に示すのは、この表で使われている表記法の説明です。
ANSI モジュール名 | 上位 FIPS | 中位 FIPS | 最小 FIPS |
---|---|---|---|
中核 | 2 NUC 1,2 | 1 NUC 1,2 | 1 NUC 1,2 |
順次 I-O | 2 SEQ 1,2 | 1 SEQ 1,2 | 1 SEQ 1,2 |
相対入出力 | 2 REL 0,2 | 1 REL 0,2 | 0 REL 0,2 |
索引付き入出力 | 2 INX 0,2 | 1 INX 0,2 | 0 INX 0,2 |
ソース・テキスト操作 | 2 STM 0,2 | 1 STM 0,2 | 0 STM 0,2 |
ソート・マージ | 1 SRT 0,1 | 1 SRT 0,1 | 0 SRT 0,1 |
組み込み関数 | 1 ITR 0,1 | 0 ITR 0,1 | 0 ITR 0,1 |
プログラム間通信 | 2 IPC 1,2 | 1 IPC 1,2 | 1 IPC 1,2 |
報告書作成機能 | 0 または 1 RPW 0,1 | 0 または 1 RPW 0,1 | 0 または 1 RPW 0,1 |
セグメント化 | 0、1、または 2 SEG 0,2 | 0、1、または 2 SEG 0,2 | 0、1、または 2 SEG 0,2 |
デバッグ | 0、1、または 2 DEB 0,2 | 0、1、または 2 DEB 0,2 | 0、1、または 2 DEB 0,2 |
通信 | 0、1、または 2 COM 0,2 | 0、1、または 2 COM 0,2 | 0、1、または 2 COM 0,2 |
ILE COBOL ソース・プログラムで指定されていて、FIPS 21-4 COBOL には含まれていないエレメントには 付録A. 言語サポートのレベルに示されているフラグが付けられます。
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