ILE COBOL 解説書

基本移動

基本移動とは、受け入れ項目が基本項目であり、送り出し項目が基本項目またはリテラルである場合の移動のことです。 移動時には、データの内部表現をある形式から別の形式に変換する処理が行われます (必要であれば)。 また、このときに、受け入れ項目内で指定された編集、または受け入れ項目によって暗黙指定された編集解除が実行されます。

編集解除とは、すべての編集文字を数字編集データ項目 から論理的に除去することです。これは、この項目の未編集数字値を決定するためです。

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編集解除は、日時クラスにも起こります。 このケースでは、すべての分離文字と数字でない変換指定子はすべて日時項目から取り除かれ、結果として数字になります。

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各基本項目は次のカテゴリーの 1 つに属します。

次の規則は、有効な基本移動を実行する場合の概略です。受け入れ項目別に示します。

英字

英数字または英数字編集

数字または数字編集

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浮動小数点

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日時

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ブール

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DBCS または DBCS 編集

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国別

国別データ項目は、英字、英数字、DBCS、または国別データ項目から、さらに、非数値、DBCS、または国別 16 進リテラル、あるいは表意定数 SPACE/SPACES からもデータを受け入れます。

このような項目に移動されたデータは、左端の文字位置に位置合わせされ、必要に応じて、右側が、切り捨てられるか、 あるいは埋め込み文字コンパイル・オプションまたは PROCESS ステートメントの NTLPADCHAR オプションに指定されている埋め込み文字によって埋められます。 PROCESS ステートメントについては、「WebSphere Development Studio: ILE COBOL プログラマーの手引き」を参照してください。

転送中のデータが国別データでない場合には、受け入れフィールドに置かれる前に、 データ変換規則に従って、送り出しフィールドの表記から変換されます。

データ変換は、ソースの Coded Character Set Identifier (CCSID) に定義されている各文字を、ターゲット CCSID にマッピングすることによって実行されます。 CCSID 13488 は、国別データ CCSID を定義するために使用されます。

他のデータ項目に関連する CCSID は、以下の規則によって決まります。

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有効な基本移動

表 30 に、各カテゴリーについての有効および無効な基本移動を示します。 表の中では、以下のように表記します。


表 30. 有効な基本移動

 
 
 
 
 
送り出し項目の
カテゴリー

 
 
 
 
 
受け入れ項目のカテゴリー
英字 英数字、
英数字編集項目
数字、
数字編集
BOOLEAN (6) DBCS (8) 外部
浮動小数点 (6)
内部
浮動小数点 (6)
日付 (6) 時刻 (6) タイム・スタンプ (6) 国別 (6)
英字および SPACE 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可
英数字(1) 可(5) 不可 可 (9) 可 (9)
英数字編集項目 不可 不可 不可 不可 不可 不可
数字の整数(2) 不可 不可 不可 不可
数字非整数(3) 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可
数字編集 不可 不可 不可 不可
LOW/HIGH-VALUE、QUOTES 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可
ZERO 不可 不可 不可 不可 不可 不可
ブール(4) (6) 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可
DBCS (6) (7) (8)
DBCS 編集
不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可
浮動小数点 (10) 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可
日付 (6) 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可
時刻 (6) 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可
タイム・スタンプ (6) 不可 不可 不可 不可 不可 不可
国別 (6) 不可 不可 不可 不可 不可 不可 不可

表 30 の注

(1)
非数字リテラルを含みます。

(2)
整数の数字リテラルを含みます。

(3)
非整数の数字リテラルを含みます。

(4)
ブール・リテラルを含みます。

(5)
送り出し項目の先頭の文字は、その値に関係なく移動されます。

(6)
ブール項目、DBCS 項目、DBCS 編集項目、国別項目、内部浮動小数点項目、外部浮動小数点項目、および日時項目は、IBM 拡張です。

(7)
DBCS リテラルおよび SPACE を含みます。

(8)
DBCS データ項目を含みます。

(9)
表意定数および非数字リテラルは、数字のみから構成されていなくてはならず、数字整数フィールドとして取り扱われます。 ALL リテラルは、送り出し項目として使用することはできません。

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(10)
浮動小数点リテラル、外部浮動小数点データ項目 (USAGE DISPLAY)、および内部浮動小数点データ項目 (USAGE COMP-1 または USAGE COMP-2) を含みます。

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