文書処理の概要

ハブの設定を始める前に、WebSphere Partner Gateway のコンポーネントと、文書処理に各コンポーネントがどのように使われるのかを確認しておきましょう。

図 5. Receiver コンポーネントと Document Manager コンポーネント
この図は、文書が受信側への参加者からファイル共用システムへ流れ、Document Manager がそれを受信し、処理し、コミュニティー・マネージャーのバックエンド・システムへ送信する仕組みを示しています。

図 5 は、参加者から文書が送信され、ハブで受信され、処理された後、コミュニティー・マネージャーのバックエンド・アプリケーションに送信される仕組みの例を示しています。

注: 説明の便宜上、この文書の図では、1 つの Receiver と 1 つの Document Manager が同じサーバー・マシンにインストールされています。 (3 番目のコンポーネントである Console は表示されていません。Console は、WebSphere Partner Gateway へのインターフェースです。) 実際には、これらのコンポーネントが複数回出現したり、別々のサーバーにインストールされている場合があります。 すべてのコンポーネントが同一の共通ファイル・システムを使用する必要があります。WebSphere Partner Gateway のセットアップに使用できる他のトポロジーについては、「インストール・ガイド」を参照してください。

WebSphere Partner Gateway は、Receiver コンポーネントによって文書を受信します。Receiver は、インバウンド文書のトランスポートのモニター、到着する文書の取り出し、文書に対するいくつかの基本的な処理の実行、および Document Manager が文書を取り出すキューへの文書の配置を行います。

Receiver は、トランスポート固有です。トランスポート固有の Receiver のインスタンスは、ターゲットと呼ばれます。ターゲットは、ハブがサポートするトランスポートのタイプごとに設定します。例えば、参加者が HTTP で文書を送信する場合、それらの文書を受信するには HTTP ターゲットを設定する必要があります。

図 6. HTTP ターゲット
この図は、トランスポート固有のターゲット (この図では HTTP) によって文書がどのように受信されるかを示しています。

コミュニティー・マネージャーのバックエンド・アプリケーションが JMS で文書を送信する場合、それらの文書を受信するために JMS ターゲットをハブで設定します。

図 7. JMS ターゲット
この図は、コミュニティー・マネージャーのバックエンド・システムからの文書がトランスポート固有のターゲット (この図では JMS) によってどのように受信されるかを示しています。

トランスポートの概要で説明されているとおり、WebSphere Partner Gateway ではさまざまなトランスポートをサポートしていますが、ターゲットを定義する独自のユーザー定義トランスポートをアップロードすることもできます (ユーザー定義トランスポートのターゲットの設定を参照してください)。

Receiver は、文書をファイル共用システムに送信します。複数の文書が単一ファイルに含まれている場合 (例えば、XML または ROD 文書、または EDI 交換が一緒に送信される場合)、ターゲットは文書または交換を分割してから、それらをファイル共用システムに送信します。Document Manager コンポーネントは、このファイル・システムから文書を取り出し、ルーティング情報や、変換が必要かどうかを判断します。

例えば、参加者は AS2 パッケージ化の EDI-X12 文書を期待していたのに、コミュニティー・マネージャーがその参加者への配信用にハブに送信した EDI-X12 文書がパッケージ化されていなかったとします。参加者は AS2 パッケージ化文書を配信する HTTP URL を指定し、Document Manager は参加者の期待通りに文書をパッケージします。Document Manager は参加者のゲートウェイの構成を使用して (これは、参加者が AS2 文書の受信を期待する HTTP URL に対してセットアップされている必要があります) 文書を参加者に送信します。

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