有効なフローの概要

ここでは、WebSphere Partner Gateway で実行可能な変換のタイプについて概説します。これらの変換の詳細と設定に必要な作業については、文書交換を定義するための一般的なステップで説明します。

EDI 間のフロー

WebSphere Partner Gateway では、参加者またはコミュニティー・マネージャーから EDI 交換を受信し、それをタイプの異なる EDI 交換に変換し (例えば、EDI-X12 から EDIFACT への変換など)、変換後の文書を参加者またはコミュニティー・マネージャーに 送信することができます。EDI 交換が別の EDI 交換に変換されるときには、以下のステップが実行されます。

  1. ハブに届いた EDI 交換のエンベロープが解除されます。
  2. EDI 交換内の個々のトランザクションが受信側の EDI 形式に変換されます。
  3. 変換された EDI トランザクションがエンベロープされて受信側に送信されます。

図 23 は、3 つのトランザクションがエンベロープ解除される X12 交換を 示しています。まず各トランザクションが EDIFACT 形式に変換され、その後エンベロープされて参加者に送信されます。

図 23. EDI 交換間のフロー
この図は、X12 交換のエンベロープが解除される様子、X12 トランザクションが EDIFACT トランザクションに変換される様子、および EDIFACT トランザクションがエンベロープされてから配信される様子を示しています

トランザクションのそれぞれに変換マップが関連付けられており、そのマップにはトランザクションをどのように変換するかが 指定されています。トランザクションは、単一トランザクションに変換することができます。マップの作成時にマップ・チェーニングが使用されている場合は、複数のトランザクションに変換できます。エンベローパーのバッチ機能がオンになっている場合、1 つのエンベロープとしてハブに入るトランザクションは、1 つのエンベロープとしてハブから出ます。ただし、エンベロープのブレークポイントがある場合 (例えば、EDI 属性に異なる値が指定されている場合やエンベロープ・プロファイルが異なる場合)、またはバッチ機能がオフの場合、トランザクションは別々のエンベロープとしてハブから送信されます。エンベローパー (参加者に送信される一連のトランザクションを収集し、それらをエンベロープに包んで送信するコンポーネント) の一般的な説明は、エンベローパーを参照してください。バッチ機能についての詳細は、バッチ・モードを参照してください。

また、トランザクションに検証マップを関連付けることもできます。

EDI から XML または ROD へのフロー

WebSphere Partner Gateway では、参加者またはコミュニティー・マネージャーから EDI 交換を受信し、そのエンベロ ープを解除し、解除後の EDI トランザクションを XML 文書または ROD 文書に変換することができます。

図 24. EDI 交換から XML 文書へのフロー
この図は、X12 交換のエンベロープが解除される様子、および X12 トランザクションが XML 文書に変換される様子を示しています。

トランザクションは、単一文書に変換することができます。マップの作成時にマップ・チェーニングが使用されている場合は、複数の文書に変換できます。

XML または ROD から EDI へのフロー

WebSphere Partner Gateway では、参加者またはコミュニティー・マネージャーから XML 文書または ROD 文書を受信 し、それを EDI トランザクションに変換し、そのトランザクションをエンベロープして参加者またはコミュニティー・マネージャーに 送信することができます。

図 25 に、XML 文書が X12 トランザクションに変換され、その後エンベロープされる様子を示します。

図 25. XML 文書から EDI 交換へのフロー
この図は、XML 文書が X12 トランザクションに変換される様子、および X12 トランザクションがエンベロープされてから配信される様子を示しています。

1 つの文書を複数のトランザクションに変換することができ (マップ・チェーニングを使用してマップが作成された場合)、その各トランザクションを別の交換としてエンベロープすることができます。図 26 は、3 つの X12 トランザクションに変換される XML 文書を示しています。このうちの 2 つのトランザクションは、一緒にエンベロープされます。残りの 1 つは、別のエンベロープに含められます。

図 26. XML 文書から複数の EDI トランザクションへのフロー
この図は、XML 文書が 3 つの X12 トランザクションに変換される様子、およびそのうちの 2 つが一緒に、1 つが別個にエンベロープされてから配信される様子を示しています。

複数の XML 文書または ROD 文書から EDI 交換へのフロー

WebSphere Partner Gateway では、参加者またはコミュニティー・マネージャー から 1 つ以上の XML 文書または ROD 文書からなるファイルを受信し、それを EDI トランザクションに変換し、その EDI ト ランザクションを複数のエンベロープに包んで参加者またはコミュニティー・マネージャーに送信することができます。

各文書は、単一トランザクションに変換することができます。マップの作成時にマップ・チェーニングが使用されている場合は、複数のトランザクションに変換できます。

注:
  1. 1 つのファイルで送信する各文書は、タイプが同じである必要があります。XML 文書か ROD 文書のどちらか一方のみで、両者を混在させることはできません。
  2. どの ROD 文書も、同じタイプのものである必要があります。

図 27 は、個々の XML 文書に 分割される一連の XML 文書を示しています。各 XML 文書が X12 トランザクションに変換され、それぞれのトランザクションがエンベロープされます。

図 27. 複数の XML 文書から EDI 交換へのフロー
この図は、複数の XML 文書を格納する XML ファイルが分割される様子、XML 文書が X12 トランザクションに変換される様子、および各 X12 トランザクションが一緒にエンベロープされてから配信される様子を示しています。

図 27 では、文書は (XML スプリッター・ハンドラーによって) 分割され、変換されたトランザクションが一緒にエンベロープされます。このシナリオを実行するためには、XML スプリッター・ハンドラーの BCG_BATCHDOCS オプションがオン (デフォルト値) に設定されていることが必要です。BCG_BATCHDOCS がオンに設定されており、エンベローパーのバッチ・モードがオンであれば、これらのトランザクションを同じ EDI エンベロープに入れることができます。エンベローパーのバッチ・モード属性については、バッチ・モードで説明します。

XML から ROD、または ROD から XML へのフロー

WebSphere Partner Gateway では、参加者またはコミュニティー・マネージャーから XML 文書または ROD 文書を受信 し、それを他のタイプの文書に変換し (XML から ROD、または ROD から XML への変換)、その文書を参加者またはコミュニティー・マネージャーに送信することができます。

図 28 は、ROD 文書に変換される一連の XML 文書を示しています。

図 28. XML 文書から ROD 文書へのフロー
この図は、XML 文書が ROD 文書に変換される様子を示しています。

文書は、単一文書に変換することができます。マップの作成時にマップ・チェーニングが使用されている場合は、複数の文書に変換できます。

XML から XML、または ROD から ROD へのフロー

WebSphere Partner Gateway では、参加者またはコミュニティー・マネージャーから XML 文書または ROD 文書を受信し、それを同じタイプの文書に変換し (XML から XML、または ROD から ROD への変換)、その文書を参加者または コミュニティー・ マネージャーに送信することができます。

図 29 は、別の形式の XML 文書に変換される XML 文書を示しています。

図 29. XML 文書から XML 文書へのフロー
この図は、3 つの XML 文書の変換と、最初の文書が 2 つの XML 文書に変換され、2 つ目の文書が 1 つの XML 文書に変換され、3 つ目の文書が 2 つの XML 文書に変換される様子を示しています。

文書は、単一文書に変換することができます。マップの作成時にマップ・チェーニングが使用されている場合は、複数の文書に変換できます。

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