ハブの設定を始める前に、WebSphere Partner Gateway のコンポーネントと、文書処理に各コンポーネントがどのように使われるのかを確認しておきましょう。
図 5 は、参加者から文書が送信され、ハブで受信され、処理された後、コミュニティー・マネージャーのバックエンド・アプリケーションに送信される仕組みの例を示しています。
WebSphere Partner Gateway は、Receiver コンポーネントによって文書を受信します。Receiver は、インバウンド文書のトランスポートのモニター、到着する文書の取り出し、文書に対するいくつかの基本的な処理の実行、および Document Manager が文書を取り出すキューへの文書の配置を行います。
Receiver は、トランスポート固有です。トランスポート固有の Receiver のインスタンスは、ターゲットと呼ばれます。ターゲットは、ハブがサポートするトランスポートのタイプごとに設定します。例えば、参加者が HTTP で文書を送信する場合、それらの文書を受信するには HTTP ターゲットを設定する必要があります。
コミュニティー・マネージャーのバックエンド・アプリケーションが JMS で文書を送信する場合、それらの文書を受信するために JMS ターゲットをハブで設定します。
トランスポートの概要で説明されているとおり、WebSphere Partner Gateway ではさまざまなトランスポートをサポートしていますが、ターゲットを定義する独自のユーザー定義トランスポートをアップロードすることもできます (ユーザー定義トランスポートのターゲットの設定を参照してください)。
Receiver は、文書をファイル共用システムに送信します。複数の文書が単一ファイルに含まれている場合 (例えば、XML または ROD 文書、または EDI 交換が一緒に送信される場合)、ターゲットは文書または交換を分割してから、それらをファイル共用システムに送信します。Document Manager コンポーネントは、このファイル・システムから文書を取り出し、ルーティング情報や、変換が必要かどうかを判断します。
例えば、参加者は AS2 パッケージ化の EDI-X12 文書を期待していたのに、コミュニティー・マネージャーがその参加者への配信用にハブに送信した EDI-X12 文書がパッケージ化されていなかったとします。参加者は AS2 パッケージ化文書を配信する HTTP URL を指定し、Document Manager は参加者の期待通りに文書をパッケージします。Document Manager は参加者のゲートウェイの構成を使用して (これは、参加者が AS2 文書の受信を期待する HTTP URL に対してセットアップされている必要があります) 文書を参加者に送信します。