WebSphere Partner Gateway - Express ファイル・システムを使用し、既存のネットワークを通して WebSphere Partner Gateway Enterprise などのエンタープライズ・アプリケーションとの間で、メッセージを送受信することができます。メッセージング・ディレクトリーは、EXPRESS_HOME/data/FileSystemAdapter2/partners ディレクトリーの下にあります。i5/OS または OS/400 が稼働するシステムでは、EXPRESS_HOME ディレクトリーが /QIBM/UserData/WSPGExpress60 です。「partners」ディレクトリーには、システムに構成された各パートナーの名前の付いたサブディレクトリーが格納されています。ディレクトリー構造は、次に示す構造に似ています。
EXPRESS_HOME
data
FileSystemAdapter2
partners
partner1
partner2
...
partnerX
パートナー (たとえば「partner1」) にメッセージを送信する場合は、メッセージを「partner1」ディレクトリーの適切な「send」サブディレクトリーに移動します。各パートナーには、送信するメッセージ、送信済みメッセージ、受信済みメッセージ、および何らかのエラーが発生したメッセージを格納したディレクトリーのセットがあります。各送信ディレクトリーには、送信方式および送信されるメッセージ内容に対応したサブディレクトリーも 1 つ存在します。例えば、上の例の「partner1」には、次のサブディレクトリーがあります。
partner1
error
rec_err
received
send
sent
「error」サブディレクトリーには、送信に失敗したメッセージが格納されます。「rec_err」サブディレクトリーには、受信に失敗したメッセージが格納されます。「received」サブディレクトリーには、正常に受信したメッセージが格納されます。「send」サブディレクトリーには、現在送信中のメッセージが格納されます。「sent」サブディレクトリーには、正常に送信したメッセージが格納されます。上述のサブディレクトリーそれぞれには、固有の同一サブディレクトリーのセットがあります。それらのサブディレクトリーは、メッセージの送信で使用されるコンテンツ・タイプとメッセージング・プロトコルを識別するために用意されています。上述のディレクトリーそれぞれには、次のようなサブディレクトリー構造があります。
AS2
binary
EDI-Consent
EDIFACT
EDI-X12
MDN
XML
HTTP
AS2 ディレクトリーのサブディレクトリーは、AS2 メッセージの送受信で使用されます。「binary」サブディレクトリーには、2 項メッセージが格納されます。「EDI-Consent」、「EDIFACT」、および「EDI-X12」は、EDI 形式のメッセージです。MDN サブディレクトリーには、受信した確認通知が格納されており、「send」ディレクトリー・ツリーでは使用されません。「XML」ディレクトリーには、任意の XML メッセージが格納されます。
HTTP ディレクトリーには、HTTP POST 方式を使用して送受信されたメッセージが格納されます。
プログラマチックに、または WebSphere Partner Gateway ユーザー・インターフェースを使用せずに手動でメッセージを送受信するには、ファイル・システムを使用する必要があります。上の例の「partner1」を取引先とすれば、EDI-X12 コンテンツをファイル形式で EXPRESS_HOME/data/FileSystemAdapter2/partners/partner1/send/AS2/EDI-X12 サブディレクトリーに配置することにより、EDI-X12 メッセージを送信できます。
文書は、Express によって一度送信されると、正常に送信された場合は sent/AS2/EDI-X12 サブディレクトリーに、失敗した場合は error/AS2/EDI-X12 サブディレクトリーに移動されます。MDN を必要とする文書は、MDN を受信するまで、または MDN を待って Express がタイムアウトになるまでは移動されません。受信した MDN は、常に MDN ディレクトリーに格納されます。ファイルが「send」ディレクトリーから移動されると、タイム・スタンプがサフィックスとしてファイルに付加され、同じファイル名での複数回の送信それぞれが区別されます。
受信したメッセージは、「received」サブディレクトリーを開いて検索できます。例えば、AS2 の上位にある「partner1」からの EDI-X12 メッセージが期待される場合は、EXPRESS_HOME/data/FileSystemAdapter2/partner1/received/AS2/EDI-X12 ディレクトリーに受信メッセージが保管されます。このディレクトリーに格納されているファイルは、すべて「partner1」からの正常な EDI-X12 メッセージになります。そのメッセージは、検索および処理することが可能です。堅固なインプリメンテーションでは、partner1 からの受信メッセージで構文解析エラーが発生した場合に、partner1/rec_err/AS2/EDI-X12 ディレクトリーのモニターも行います。