WebSphere WebSphere Enterprise Service Bus, Version 6.0.1 オペレーティング・システム: AIX, HP-UX, Linux, Solaris, Windows

分散アプリケーションにおける国際化対応の課題

インターネット・ベースのビジネス・コンピューター・モデルの到来により、ア プリケーションはさまざまな地理上の地域で作動するクライアントとサーバーで構成される傾向 が高まります。

これらの相違点により、堅固なクライアント/サーバー・インフラストラクチャーを設 計するタスクに以下の課題が組み込まれます。

各クライアントとサーバーは、異なるエンディアン方式やコード・セットを使用する コンピューター上で稼働することができる

異なるエンディアン方式を持つコンピューター内に、それぞれクライアントとサーバーを持つことができます。 クライアントをリトル・エンディアン方式の CPU に置き、 サーバー・コードをビッグ・エンディアン方式の CPU で実行させることが可能です。 クライアントが、クライアントのものとは異なるコード・セット上で実行されるサーバー上の ビジネス・メソッドを呼び出す必要がある場合があります。

クライアント/サーバー・インフラストラクチャーは、正確なエンディアンおよびコード・セットの追跡および型変換の規則を定義する必要があります。 Java プラットフォームでは、すべてのストリング・データを UCS-2 形式でエンコードし、 すべてをビッグ・エンディアン形式で外部化する Java 仮想マシン (JVM) に依存するという独特 の方法でこれらの問題をほぼ解消してきました。 JVM では、ネイティブ・プラットフォームとのインターフェースをとるための、 プラットフォーム固有のプログラムのセットを使用しています。 これらのプログラムでは、 UCS-2 とプラットフォームのネイティブのコード・セットの間で必要なコード・セット型変換が実行されます。

各クライアントとサーバーは、異なるロケール設定のコンピューター上で稼働 することができる

クライアントおよびサーバーのプロセスは異なるロケール設定を使用することができます。 例えば、スペインのクライアントが、米国英語のサーバー上にあるオブジェクト上のビジネス ・メソッドを呼び出すことがあります。 いくつかのビジネス・メソッドは、本質的に ロケールに依存します。例えば、 ストリングのソート済みリストを戻すビジネス・メソッドの場合、 スペインのクライアントは、サーバーの英語照合シーケンスではなく、 スペイン語照合シーケンスに従ってそのリストがソートされることを期待します。 データ検索およびソート・プロシージャーはサーバー上で実行されるので、 合理的なソートを実行するためにクライアントのロケールが使用可能である必要があります。

類似した 考慮事項が適用される例が他にもあります。サーバーが、 日付、時刻、通貨、例外メッセージなどを含むストリングをクライアントの国/地域別の期待に沿うフォーマットで 戻さなくてはならない場合です。

クライアントとサーバーは異なる時間帯に配置することができる

クライアントおよびサーバーのプロセスは異なる時間帯で稼働させることができます。 これまで、 すべての国際化対応の文献およびリソースは、主にコード・セットおよびロケール関連問題に集中していました。 ビジネス・メソッドが 時間帯およびロケールに依存する場合があるにもかかわらず、これらの文献およびリソースでは 時間帯問題が概して無視されていました。

例えば、ベンダーが、2:00 PM までに受注した注文を同日の 5:00 PM までに処理 することを要求すると仮定します。 与えられる時刻は 当然、注文を処理しているサーバーの時間帯です。 他の時間帯にいるカスタマーに同日処理のための正しい時刻を与えるためには、 クライアントの時間帯がわかっていることが大切です。

他の時間帯依存の操作には、 サーバーにログ記録されるメッセージへのタイム・スタンプ付加、 およびファイルまたはデータベース・リソースへのアクセスが含まれます。 夏時間調整の概念によって、 時間帯問題はさらに複雑になります。

Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) は、 異なるエンディアン方式およびコード・セットを使用したコンピューター上で実行されている アプリケーション・コンポーネントに関するサポートを提供します。 さまざまなロケールまたは時間帯を持つコンピューター上で実行されているアプリケーション・ コンポーネントに対しては、専用のサポートは提供していません。

リモートのアプリケーション・コンポーネント間のロケールおよび時間帯のミスマッチを 解決するための従来の方法は、クライアント・サイドのロケールまたは時間帯をサーバーに伝 達する必要のあるすべてのビジネス・メソッドで、1 つ以上の追加パラメーターを渡すことです。 この技法は単純ですが、Enterprise JavaBeans (EJB) アプリケーションで使用した場合、以下の制限があります。

国際化対応サービスでは、 従来の技法の制限を受けることなく、 ロケールおよび時間帯のミスマッチにより発生する問題に対処できます。 このサービスは、クライアント・アプリケーション、エンタープライズ Bean、 サーブレットなどの EJB アプリケーションのさまざまなコンポーネント間で、 国際化対応コンテキストの配布を体系的に管理します。 詳しくは、WebSphere Application Server Network Deployment インフォメーション・センターを参照してください。


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Timestamp icon最終更新: 5 Mar 2006
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