アクティベーション・スペック・プロパティー

アクティベーション・スペック・プロパティーには、メッセージ・エンドポイントの Inbound イベント処理構成情報が保持されています。これらのプロパティーは、エンタープライズ・サービス・ディスカバリー・ウィザードまたは WebSphere® Process Server 管理コンソールを使用して設定できます。

J2C アクティベーション・スペック・プロパティー (メッセージ・エンドポイント・プロパティーとも呼ばれる) は、J2EE Connector Architecture 仕様の ActivationSpec インターフェースに対応します。アクティベーション・スペックがエンドポイントのアクティブ化中に使用されるため、これらのプロパティーは、ALE インターフェースを用いた作業に関係します。 エンドポイントのアクティブ化は、アダプターに適格なイベント・リスナーを通知するプロセスです。 Inbound 処理の場合、アダプターはこれらのイベント・リスナーを使用して SAP からイベントを受信してから、エンドポイント (メッセージ駆動型 Bean) に転送します。

アダプターを構成する場合は、以下のリストにあるアクティベーション・スペック・プロパティーを指定します。

表 1. アクティベーション・スペック・プロパティー
エンタープライズ・サービス・ディスカバリーでのプロパティー名 管理コンソールでのプロパティー名 説明 デフォルト値
Ale 失敗コード aleFailureCode String ディスパッチ失敗の状況コードを指定します。アダプターがイベント処理用に IDoc オブジェクトを取得した後、アダプターに SAP 失敗状況コードを更新させるには、このプロパティーに値 (68 または 58) を指定する必要があります。SAP はこの値を 40 に変換します。 なし
Ale 失敗テキスト aleFailureText String ディスパッチ失敗の記述テキストを指定します。Ale 更新状況 (AleUpdateStatus) を true に設定した場合でも、このプロパティーの値の指定はオプションです。 なし
Ale 選択可能な更新 aleSelectiveUpdate String 標準 SAP 状況コードを更新するようにアダプターを構成した場合、更新する IDoc Type と MessageType の組み合わせを指定します。Ale 更新状況 (AleUpdateStatus) を true に設定した場合に限り、このプロパティーに値を定義できます。

このプロパティーの構文は、IDocType: MessageType [;IDocType: MessageType [;...]] です。スラッシュ (/) の区切り文字で各 IDocType と MessageType を区切り、セミコロン (;) の区切り文字でセット内の項目を区切ります。

次の例では 2 つのセットを指定しています。この例では、MATMAS03 と DEBMAS03 は IDoc です。また MATMAS と DEBMAS はメッセージ・タイプです。

MATMAS03/MATMAS;DEBMAS03/DEBMAS

 
Ale 状況メッセージ・コード aleStatusMsgCode String このプロパティーは、アダプターが ALEAUD Message IDoc (ALEAUD01) を通知するときに使用するメッセージ・コードを必要に応じて指定します。このメッセージ・コードは受信パートナー・プロファイルで構成します。Ale 更新状況 (AleUpdateStatus) に true を設定した場合に限り、このプロパティーに値を設定できます。 なし
Ale サクセス・コード aleSuccessCode String Application Document Posted の成功状況コードを指定します。インターフェースがイベント処理用に IDoc オブジェクトを取得した後、アダプターに SAP 成功状況コードを更新させるには、このプロパティーに値 (52 または 53) を指定する必要があります。SAP はこの値を状況 41 (Application Document Created in Receiving System) に変換します。 なし
Ale サクセス・テキスト aleSuccessText String 成功した Application Document Posted の記述テキストを指定します。Ale 更新状況 (AleUpdateStatus) を true に設定した場合でも、このプロパティーの値の指定はオプションです。 なし
Ale 更新状況 aleUpdateStatus Boolean すべてのメッセージ・タイプで監査証跡が必要であるかどうかを指定します。アダプターがイベント処理用に IDoc オブジェクトを取得した後、アダプターに標準 SAP 状況コードを更新させるには、このプロパティーを true に設定します。 False
アプリケーション・サーバー・ホスト applicationServerHost String ロード・バランシングを行わないで実行されるようにアダプターを構成する場合、このプロパティーはアダプターがログインするアプリケーション・サーバーの IP アドレスまたは名前を指定します。 ロード・バランシング用に構成したかどうかにかかわらず、アダプターは、ゲートウェイ・ホストの名前がこのプロパティーで指定した値と同じであると想定します。 なし
送達は 1 回のみ assuredOnceDelivery Boolean このプロパティーが true に設定されている場合、アダプターは XID 情報をイベント・ストアに保管しようと試みます。false に設定されている場合、アダプターは情報の保管を試みません。 値が true の場合は、イベント送達は 1 回のみになります。値が false の場合は、1 回のみのイベント送達は行われませんが、パフォーマンスが向上します。 このプロパティーは、MDB がトランザクションの場合にのみ使用されます。トランザクションでない場合は、構成状態に関係なく、どのトランザクションも使用できません。 True
自動作成イベント・テーブル EP_CreateTable Boolean イベント・リカバリー・テーブルが存在しない場合に、アダプターがそれを自動的に作成するかどうかを示すフラグです。 True
クライアント client String アダプターがログインするときの SAP クライアント番号。この値は、通常 100 です。 100
コード・ページ番号 codepage Integer 該当する言語への接続を確立します。 このプロパティーは、Language プロパティーで指定された値に対応している必要があります。

例えば、Language が JA (日本語) に設定されている場合は、SAP アプリケーションの指示に従って、Codepage を 8000 に設定する必要があります。

Language および Codepage の正確な値については、SAP の資料を参照してください。

 
データベース・スキーマ名 EP_SchemaName String イベント・リカバリー・テーブルの自動作成に使用されるスキーマ。 なし
データ・ソース名 BiDi 特殊フォーマット biDiContext_EDTDatasource BiDiSpecialFormat String すべての EP プロパティーに固有の双方向フォーマットを制御します。  
EIS BiDi フォーマット biDiContextEIS String SAP がビジネス・データに使用する BiDi フォーマット。  
EIS BiDi 特殊フォーマット biDiContextSpecialFormat String BiDi 変換の呼び出し時に特殊処理の対象となる値のカテゴリーを指定して、そのカテゴリーが間違いなく変換されるようにします。カテゴリーは定義済みです (例えば、FTP、URL、および E メール・アドレス)。  
EIS 接続の再試行間隔 retryInterval Integer ALE イベント・リスナーを再始動するまでの時間遅延を指定します。値はミリ秒単位で指定します。  
EIS 接続の再試行制限 retryLimit Integer アダプターが ALE イベント・リスナーを再始動するときの試行回数を指定します。 値が 0 の場合は、再始動が無制限に試行されることを意味します。 0
イベント・パーシスタンス BiDi フォーマット biDiContext_EDTTablenameEIS String イベント・パーシスタンスのプロパティーの双方向フォーマットを指定します。 ILYNN
イベント・リカバリー・データ・ソース (JNDI) 名 EP_DataSource_JNDIName String イベント・リカバリー用に構成されたデータ・ソースの JNDI 名。 なし
イベント・リカバリー・テーブル名 EP_TableName String イベント・リカバリー・テーブルの名前。  
ゲートウェイ・ホスト gatewayHost String ゲートウェイ・サービスが実行されている SAP ゲートウェイ・ホスト。 なし
ゲートウェイ・サービス gatewayService String ゲートウェイ・サーバー ID。この値は、通常 sapgw00 です。00 は、SAP ゲートウェイを実行しているサーバー (通常はアプリケーション・サーバー) のシステム番号です。 複数のサーバーがある場合は、この値を 00 にすることはできません。 sapgw00
ログオン・グループ (Logon Group) logonGroup String ロード・バランシングを行うようにアダプターを構成する場合、このプロパティーは、アプリケーション・サーバーのグループを表すログオン・グループの名前を指定します。 なし
IDoc パケット・エラーの無視 ignoreIDocPacketErrors Boolean アダプターは、IDoc パケットの処理中にエラーに遭遇すると、以下の 2 つの動作のうちのどちらかを実行します。

このプロパティーが false に設定されている場合、アダプターはそのパケット内の IDoc の処理の続行を中止し、SAP システムにエラーを報告します。

このプロパティーが true に設定されている場合、アダプターはエラーをログに記録し、そのパケット内の残りの IDoc の処理を継続して行います。

このプロパティーは、単一の IDoc および非分割 IDoc パケットには使用されません。

 
言語 language String アダプターがログインする際使用する言語。 英語の場合は E
メッセージ・サーバー・ホスト messageServerHost String ロード・バランシングを行うようにアダプターを構成する場合、このプロパティーは、メッセージ・サーバーの名前を指定します。 なし
メタデータ BiDi フォーマット biDiContextMetadata String メタ構成データの双方向フォーマットを指定します。  
リスナーの数 numberofListeners Integer 開始される予定のイベント・リスナーの数を指定します。 1
パートナー文字セット partnerCharset String PartnerCharset エンコード方式を指定します。エンコード方式が指定されている場合にはその方式が使用されますが、それ以外はデフォルトのエンコード方式が使用されます。 なし
パスワード (Password) password String SAP システムでのアダプターのユーザー・アカウント用パスワード。  
パスワード BiDi フォーマット (Password BiDi Format) biDiContext_PasswordEIS String パスワード値の双方向フォーマットを指定します。 ILYNN
イベント・データ・ソースに接続するためのパスワード EP_Password String データベースに接続するためのユーザー・パスワード。 なし
RFC プログラム ID rfcProgramID String RFC サーバー・プログラムが登録に使用するプログラム ID。 なし
RFC トレース・オン RFC トレース・オン (RFCTraceOn) Boolean イベント・リスナーごとに RFC アクティビティーの詳細を記述したテキスト・ファイルを生成するかどうかを指定します。指定可能な値は true または false です。 値 true を指定すると、トレースが活動化され、テキスト・ファイルが生成されます。これらのテキスト・ファイルは、すぐにサイズが大きくなる可能性があるので、開発環境のみで使用してください。 False
SAP システム ID SAP システム ID (SAPSystemID) String ロード・バランシングを行うようにアダプターを構成する場合、このプロパティーは、SAP システムの論理名 (R3name) を指定します。 なし
BiDi 変換をスキップします biDiContextSkip String BiDi 変換の呼び出しを制御します。 指定可能な値は true または false です。値をブランクにすると、検索メカニズムが呼び出されます。  
データ・ソース名の BiDi 変換をスキップします (Skip BiDi Transformation for Datasource name) biDiContext_EDTDatasourceEIS Boolean パスワード・プロパティーの双方向テキスト変換サポートの呼び出しを制御します。 True
イベント・パーシスタンスの BiDi 変換をスキップします (Skip BiDi Transformation for Event Persistence) biDiContext_EDTTablenameSkip Boolean イベント・パーシスタンス・プロパティーの双方向テキスト変換サポートの呼び出しを制御します。 True
パスワードの BiDi 変換をスキップします biDiContext_PasswordSkip Boolean パスワード・プロパティーの双方向テキスト変換サポートの呼び出しを制御します。 True
ユーザー名の BiDi 変換をスキップします biDiContext_UserNameSkip Boolean ユーザー名プロパティーの双方向テキスト変換サポートの呼び出しを制御します。 True
システム番号 systemNumber String アプリケーション・サーバーのシステム番号。値は 2 桁の数値で、通常は 00 です。 00
ユーザー名 userName String SAP システムでのアダプターのユーザー・アカウントの名前。 なし
ユーザー名 BiDi フォーマット (User Name BiDi Format) biDiContext_UserNameEIS String ユーザー名プロパティーの双方向フォーマットを指定します。 ILYNN
イベント・データ・ソースに接続するためのユーザー名 EP_UserName String データベースに接続するためのユーザー名。 なし
関連資料
エンタープライズ・サービス・ディスカバリー接続プロパティー
リソース・アダプター・プロパティー
管理対象 (J2C) 接続ファクトリー・プロパティー
双方向変換の制御の設定

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