BAPI ビジネス・オブジェクトは、操作と動詞をサポートします。BAPI ビジネス・オブジェクトの操作は、SAP システムで実行する、そのオブジェクト用の BAPI 呼び出しを指定します。BAPI メソッドは、これに関連する操作を決定します。 BAPI ビジネス・オブジェクトの動詞は、オブジェクトの状態を指定します。
ビジネス・オブジェクトの操作は、アダプターを介して SAP への呼び出しを行うクライアント・コンポーネントによって起動されます。SAP システムに対する呼び出しには、SAP JCo API が使用されます。
操作 | 定義 |
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After-Image Create | SAP 内に入力ビジネス・オブジェクトのデータおよび構造と一致するエンティティーを新規作成します。この操作によって戻されるビジネス・オブジェクトは、SAP 内に新しく作成されたエンティティーを反映しています。 |
After-Image Update with Delete | パフォーマンスの向上を実現する UpdateWithDelete 操作の特殊形式です。この操作には常に ChangeSummary が必要です。ChangeSummary は、ビジネス・オブジェクト・レベルの作成および削除に関する情報を含んでいる必要があります。 ChangeSummary が何を実行する必要があるかを指示するため、この操作により、アダプターが既存のエンティティーを SAP から取得し、比較を行うオーバーヘッドなしに、操作を実行することができます。ChangeSummary が空の場合、アダプターは要求に対して 処理を行いません。 |
Retrieve | 完全なビジネス・オブジェクト階層を再ビルドします。
アダプターは、戻される階層ビジネス・オブジェクトを、アプリケーション・エンティティーのデータベースの状態と正確に一致させます。キー値以外の値を基準として使用することができます。 変更後イメージまたはビジネス・オブジェクトのいずれかを受け入れます。どちらの場合も、同等性のみによる比較となります。 要求ビジネス・オブジェクトは、以下のいずれかを含むことができます。 Retrieve は、ユーザー定義の基準を満たす 1 つの固有のビジネス・オブジェクトを戻すことを目的としています。Retrieve 操作を実行するための要件は、完全に BAPI に依存します。BAPI により「必須」と見なされたものが、Retrieve を正常に実行可能にするものです。 |
After-Image Delete | SAP から既存のエンティティー、およびそれに含まれているすべての子エンティティーを削除します。 SAP には論理的削除という概念があるため、レコードに「削除済み」マークが付けられますが、エンティティーは依然として存在します。これは、一部の例では、「削除済み」エンティティーがほかのエンティティーで参照されるため、データベース保全性を確保するために行われます。したがって、After-Image Delete の振る舞いは、BAPI 呼び出しに依存します。 |
サポートされていない操作、またはビジネス・グラフ内の動詞と一致しない操作に対して、アダプターは該当するエラーをログに記録し、ResourceException を生成します。
次の表に、アダプターが BAPI ビジネス・オブジェクトでサポートする動詞を示します。
動詞 | 定義 |
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Create | Inbound イベントの場合は、トップレベルのビジネス・オブジェクト、およびそれに含まれるすべての子が作成されています。Outbound 要求の場合は、トップレベルのビジネス・オブジェクト、およびそれに含まれるすべての子が SAP 内に作成されます。 |
UpdateWithDelete | トップレベルのビジネス・オブジェクトが変更されています。あるいは、トップレベルのオブジェクトが変更されます。この動詞には、子の追加または削除も含まれる場合があります。 |
Delete | トップレベルのビジネス・オブジェクト、およびそれに含まれるすべての子が削除されています。あるいは、トップレベルのビジネス・オブジェクト、およびそれに含まれるすべての子が削除されます。 |
サポートされていない動詞に対して、アダプターは ResourceException エラーを生成します。
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