ALE ビジネス・オブジェクトの構造

ALE 処理中に、アダプターはビジネス・オブジェクトを SAP アプリケーションとの間で交換します。 ビジネス・オブジェクトは、個々の IDoc または IDoc パケットを表します。このビジネス・オブジェクトは、1 つ以上の IDoc 子オブジェクト (各子オブジェクトが単一の IDoc に対応します) を含むトップレベルのラッパー・オブジェクトです。同じビジネス・オブジェクトが Inbound および Outbound 処理に使用されます。

ALE ビジネス構造を、以下の図で示しています。
図 1. ALE ビジネスの構造
IDoc ビジネス・グラフの構造の図では、それに IDoc ラッパー・ビジネス・オブジェクトが組み込まれており、さらにそのビジネス・オブジェクトには SAP トランザクション ID プロパティーおよび 1 つ以上の IDoc オブジェクトが組み込まれていることを示しています。
IDoc オブジェクトには、ダミー・キー・プロパティー、制御レコード・オブジェクト、およびデータ・レコード・オブジェクトが組み込まれています。

ALE ビジネス・グラフには、動詞とビジネス・オブジェクトが含まれています。 ビジネス・グラフは、単一カーディナリティー・ビジネス・オブジェクトを指すか、またはそれぞれが単一カーディナリティーを持つビジネス・オブジェクトのグループを表すラッパーを指すことができます。

ALE IDoc ビジネス・オブジェクトは、以下の動詞をサポートします。
  • Outbound ビジネス・オブジェクト: 動詞はサポートしない
  • Inbound ビジネス・オブジェクト: Create、UpdateWithDelete、Delete

ラッパー・ビジネス・オブジェクトには、トランザクション ID および 1 つ以上の IDoc ビジネス・オブジェクトが含まれています。 個々の IDoc の場合、ラッパー・ビジネス・オブジェクトには、IDoc ビジネス・オブジェクトのインスタンスが 1 つだけ入っています。IDoc パケットの場合、ラッパー・ビジネス・オブジェクトには、IDoc ビジネス・オブジェクトのインスタンスが複数入っています。

以下の図は、ビジネス・グラフおよびその関連ラッパー・ビジネス・オブジェクトを示しており、この例ではそれには IDoc ビジネス・オブジェクトが含まれています。
図 2. ALE ビジネス・グラフおよびラッパー・ビジネス・オブジェクトの例
SapAlereq01BG の画面取り。ビジネス・グラフから SapAlereq01 ビジネス・オブジェクトを指すポインターを示しています。
IDoc ビジネス・オブジェクト (この例では SapAlereq01IDocBO) には、以下の図で示す構造があります。
図 3. IDoc ビジネス・オブジェクトの構造の例
SapAlereq01DocBO の画面取り。ダミー・キー、制御レコード・オブジェクト、およびデータ・レコード・オブジェクトが含まれていることを示しています。
IDoc ビジネス・オブジェクトには、以下のオブジェクトが含まれています。
  • 制御レコード・ビジネス・オブジェクトには、ビジネス・オブジェクトを処理するためにアダプターが必要とするメタデータが含まれています。
  • データ・レコード・ビジネス・オブジェクトには、SAP アプリケーションが処理する実際のビジネス・オブジェクト・データ、およびアダプターがそのビジネス・オブジェクトを RFC 呼び出し用の IDoc 構造に変換するために必要とするメタデータが含まれています。

関連資料
ALE ビジネス・オブジェクトのメタデータ
ALE ビジネス・オブジェクトの操作および動詞
ALE ビジネス・オブジェクトの命名規則

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