Outbound 処理

アプリケーション・コンポーネントが エンタープライズ情報システム (EIS) で操作を呼び出す (データの 取得など) 必要がある場合、Adapter for JDBC は、アプリケーション・コンポーネントと EIS の間の コネクターとして機能します。アダプターは特定の Outbound 操作を提供します。標準の Outbound 操作は、変更後イメージ または差分スタイル・ビジネス・オブジェクトを処理できます。 また、アダプターは、Outbound 操作のためにローカル・トランザクションと XA トランザクションの両方をサポートします。

Outbound 操作

アダプターは、 ビジネス・オブジェクトによって伝えられる情報の量および目的に関連する、変更後イメージと差分という 2 つのビジネス・オブジェクト・スタイルをサポートします。変更後イメージ とは、ビジネス・オブジェクトに対する すべての変更が行われた後の、ビジネス・オブジェクトの状態のことです。 差分 とは、Update 操作で 使用される、キー値および変更対象のデータのみを含むビジネス・オブジェクト のことです。

アダプターは、以下の操作に対して 変更後イメージ・サポートを提供します。
  • Create
  • Update
  • Delete
アダプターは、以下の操作に対して差分サポートを提供します。
  • ApplyChanges

変更後イメージまたは差分サポートのない Outbound 操作:

動詞は、変更後イメージ・ビジネス・オブジェクト に対してのみ定義できます。動詞 にはビジネス・オブジェクトの状態が反映され、 操作 にはアダプターによって実行される操作が反映されます。変更後イメージに対してサポートされる最上位の動詞は、次のとおりです。
  • Create
  • Update
  • Delete
  • UpdateWithDelete

サポートされる各 Outbound 操作でアダプターがビジネス・オブジェクトを処理する方法について 詳しくは、『Outbound 操作』セクションを参照してください。

トランザクション管理

Adapter for JDBC は、ローカル・トランザクションと XA トランザクションの両方をサポートします。このアダプターでは、トランザクションとは、バックエンド・データベースまたはエンタープライズ情報システム (EIS) との独立した相互作用です。トランザクションは、アトミックな単位で実行する、データベースへの複数の操作から構成されます。これらの操作は、データベースの他のクライアント・アプリケーションから同時に実行される操作の影響は受けません。

Adapter for JDBC がトランザクションをサポートするのは、バックエンド・データベースがトランザクションをサポートする場合のみです。サポートされるトランザクションのタイプは、ローカル・トランザクションと XA トランザクションです。
  • ローカル・トランザクション では、指定されたクライアント・アプリケーションが、データベースを使用したトランザクションの開始および終了を定義します。このトランザクションでは、1 フェーズ・コミット・プロトコルを使用します。
  • XA トランザクション では、トランザクションは複数の異種データベースを使用します。このトランザクションでは、グローバル・プロトコルまたは 2 フェーズ・コミット・プロトコルを使用します。

IBM® DB2® および Oracle データベースの XA トランザクション

このアダプターは、IBM DB2 および Oracle データベースの XA トランザクションのみサポートします。

XA トランザクションでは、XADataSourceName および XADatabaseName プロパティーを使用してください。これらのプロパティーについて詳しくは、『参照』セクションの『管理 (J2C) 接続ファクトリー・プロパティー』を参照してください。

XA トランザクション・プロパティーのサンプル値を以下に示します。

IBM DB2

XADataSourceName for Type 2 Driver (db2java.zip): COM.ibm.db2.jdbc.DB2XADataSource

XADataSourceName for Type 4 Driver (db2jcc.jar): com.ibm.db2.jcc.DB2XADataSource

XADatabaseName : <dbname>
ここで、dbname はデータベースの名前です。

Oracle

XADataSourceName: oracle.jdbc.xa.client.OracleXADataSource

注: DB2 データベースを使用している場合、XADatabaseName プロパティーを構成する必要があります。Oracle データベースを使用する場合、XADatabaseName プロパティーには値は必要ありません。

DataSourceJNDIName を使用したトランザクション・サポート

DataSourceJNDIName プロパティーが、ローカルまたは XA トランザクション・データ・ソースとして定義されている場合、アダプターは、データベースへのインバウンドまたはアウトバウンド接続を獲得するためにこのプロパティーを使用します。DataSourceJNDIName は、WebSphere® Process Server または WebSphere Enterprise Service Bus 内部で作成された DataSource を表します。この名前は、XA または接続プール・データ・ソースを表す可能性もあります。

UserName プロパティーおよび Password プロパティーが指定されている場合、これらは DataSourceJNDIName と共に接続の獲得に使用されます。UserName および Password が指定されない場合、アダプターは、サーバー内部で DataSource が作成されたときに設定されたユーザー名およびパスワードを使用します。JDBCDriverClass、DatabaseURL、および XA プロパティー (XA DataSourceName および XADatabaseName) などの、その他のすべてのプロパティーは無視されます。
重要: DataSourceJNDIName プロパティーを通じて XA データ・ソースを使用する場合、XA トランザクション・サポートは、IBM DB2 データベースおよび Oracle データベースに制限されません。データベースの制限は、データベースへのデータ・ソース接続以外の接続を使用する XA トランザクション・サポートに適用されます。

ご利用条件 |


(c) Copyright IBM Corporation 2005, 2006.
(C) Copyright IBM Japan 2006
このインフォメーション・センターでは Eclipse テクノロジー (http://www.eclipse.org) が採用されています。