サポートされる Outbound 操作

WebSphere® Adapter for FTP は、Outbound 処理で以下の表に説明されている操作をサポートします。

操作 結果
Create 指定された名前のファイルが、FTP サーバーの指定されたディレクトリーに作成される。ファイルの内容は、クライアントからの要求の一部として提供されます。あるいは、アダプターが稼働しているローカル・ファイル・システムから内容を取り出すこともできます。この内容の取り出し方法は構成可能です。作成するファイルが存在しない場合は、ファイルが作成され、J2EE アプリケーションに null が返されます。ファイルは、ステージング・ディレクトリー (存在する場合) に作成され、このディレクトリーから指定されたディレクトリーに移動されます。 ステージング・ディレクトリーが存在しない場合は、ファイルは指定されたディレクトリー内に作成されます。

作成するファイルが既に存在する場合は、FTPFileCreateException 例外が送信され、ファイルは作成されず、既存のファイルも上書きされません。

Append FTP サーバーの指定されたディレクトリーにある指定された名前のファイルが、要求の中で送信された内容で付加される。ファイルが存在する場合は、内容が付加され、J2EE アプリケーションに null が返されます。付加するファイルは、指定されたディレクトリーからステージング・ディレクトリー (存在する場合) にコピーされ、ステージング・ディレクトリー内のファイルに内容が付加されます。この後このファイルは、元の指定されたディレクトリーに戻されます。ステージング・ディレクトリーが存在しない場合、指定されたディレクトリー内のファイルに内容が直接付加されます。付加するファイルが存在しない場合は、呼び出し側コンポーネントに FTPFileAppendException 例外が送信されます。
Delete 指定されたディレクトリー内のファイルが、FTP サーバーで削除される。ファイルの削除後、J2EE アプリケーションに null が返されます。ファイルが存在しない場合は、呼び出し側コンポーネントに FTPFileDeleteException 例外が送信されます。
Retrieve 要求で指定されたファイルの内容が返される。要求で指定されたファイルが存在する場合、そのファイルの内容が取得され、応答として送信されます。 ファイル内容は J2EE アプリケーションにビジネス・オブジェクトとして送信されるか、アダプターが稼働しているローカル・ファイル・システムに保管されます。 これは構成可能です。ファイル名は、fileName 属性にコンマで区切ったリストとして入力されます。ファイルが存在しない場合は、FTPFileRetrieveException 例外が呼び出し側コンポーネントに送信されます。
Overwrite この操作は、ディレクトリーのファイルに要求で指定された内容を上書きする。上書きするファイルが存在する場合は、内容が上書きされ、J2EE アプリケーションに null が返されます。上書きするファイルは、指定されたディレクトリーからステージング・ディレクトリー (使用している場合) にコピーされ、ステージング・ディレクトリー内のそのファイルに内容が上書きされます。この後このファイルは、元の指定されたディレクトリーに戻されます。ステージング・ディレクトリーが存在しない場合、指定されたディレクトリー内のファイルに内容が上書きされます。更新するファイルが存在しない場合は、呼び出し側コンポーネントに FTPFileOverwriteException 例外が送信されます。
Exists 要求内のファイル名が指定のディレクトリーに存在する場合、アダプターは DoesFileExists 属性が true に設定された ExistsResponse ビジネス・オブジェクトを返す。ファイル名が存在しない場合、またはディレクトリーが存在しない場合、アダプターは DoesFileExists 属性が false に設定された ExistsResponse ビジネス・オブジェクトを返します。
List この操作は、要求で指定したディレクトリー内のすべてのファイル名およびサブディレクトリー名を返す。ディレクトリー内のファイル名およびサブディレクトリー名が取り出され、ListResponse ビジネス・オブジェクトで応答として送信されます。指定したディレクトリーが存在しない場合は、呼び出し側コンポーネントに FTPFileListException 例外が送信されます。
ServerToServer
FileTransfer
1 つの FTP サーバー・ディレクトリーから別の FTP サーバー・ディレクトリーへ指定されたファイルを転送する。要求に 2 つのサーバーについてのすべての情報が含まれていない場合、アダプターは FTPFileServerToServer
FileTransferException 例外を送信します。
ExecuteFTPScript この操作は、WebSphere Process Server の FTP スクリプト・ファイルに存在するコマンドを実行する。操作により、FTP サーバーがサポートするコマンドのみが実行され、他のコマンドは無視されます。 操作が失敗する場合、FTPFileExecuteFTPScriptException 例外が送信されます。 アダプターは、既に確立されている接続を使用してコマンドを実行するため、スクリプト・ファイルに open または connect などの接続に関連したコマンドを指定しないでください。スクリプト・ファイル内のコマンドを FTP サーバー上の特定のディレクトリーで実行する必要がある場合は、スクリプト・ファイルにそのディレクトリーに移動する最初のコマンドを指定する必要があります。

Outbound 構成オプション

WebSphere Adapter for FTP は、Outbound 処理で以下の構成オプションをサポートします。
  • Outbound 操作は、アクティブ・データ接続モードとパッシブ・データ接続モードの両方をサポートします。 デフォルト・モードは、アクティブです。
  • ファイルは、ASCII モードまたはバイナリー・モードで転送できます。デフォルトは、バイナリーです。
  • Outbound 操作時に実行されるコマンドの監査を有効にできます。トレース・レベルが FINEST に設定されている場合、この情報はトレース・ファイルに書き込まれます。
  • 要求がアダプター・ワークステーションと FTP サーバーの間に位置する FTP プロキシーを介して渡される場合は、Socks プロキシー設定を構成できます。 プロキシー設定はアプリケーション・レベルで構成され、アダプター構成時に使用されるすべての ManagedConnectionFactory および ActivationSpec に共通です。
  • Outbound の create 操作時にファイル内容が J2EE アプリケーションから送信される場合、操作を実行する前にファイルをアダプター・ワークステーションに保管するためのオプションが提供されます。
  • Outbound 操作時に複数のファイルを取り出すには、fileName 属性にコンマ区切りのファイル名のリストが含まれている必要があります。
  • ExecuteFTPScript は、Outbound 操作の前と後に実行できます。既に確立されている接続を使用してコマンドを実行するため、スクリプト・ファイルに open などの接続に関連したコマンドを指定しないでください。
  • FTP サーバーで使用されるポート番号は、FTP URL で構成できます。 例: ftp://localhost:portNumber
  • パッシブ・データ接続モードを使用すると、ファイアウォールを介してアダプターを FTP に接続できます。
  • デフォルトのパスワードは、インポートおよびエクスポート・ファイルにプレーン・テキストで保管されます。 認証別名を構成する場合、実際のパスワードは、Inbound 構成と Outbound 構成の両方で WebSphere Process Server の認証別名から取られます。
  • FTP サーバーを使用して、ロング・リスト・コマンド (ls -l) の出力が、Apache commons net 1.4.1 でサポートされている、他のオペレーティング・システム用のデフォルト・リスト形式と異なる場合、独自のカスタム・パーサーをインプリメントして、ls -l 出力を構文解析することができます。
  • アダプターは、SSL を使用してセキュア FTP をサポートします。セキュア接続時は、パッシブ・データ接続モードが使用されます。
  • FTP 接続がタイムアウトになると、アダプターは失われた接続を検出して再確立します。接続を確立できない場合、アダプターは指定された回数再試行します。中断された転送は継続されません。 そのような転送は失われたため、ファイル転送を再開する必要があります。
  • Outbound の create 操作時に、ファイルがステージング・ディレクトリーに (存在する場合) 作成されます。その後、実際の必要なディレクトリーに移動されます。これは、ファイルが完全に書き込まれる前に第三のアプリケーションがファイルの読み取りを開始する場合に役立ちます。ステージング・ディレクトリーは、Append 操作および Overwrite 操作でも使用されます。その場合、指定されたファイルは、まずステージング・ディレクトリー (存在する場合) にコピーされ、内容が付加または上書きされてから、実際の必要なディレクトリーに戻されます。ステージング・ディレクトリーが存在しない場合、操作は実際の必要なディレクトリーで実行されます。

ご利用条件 |


(c) Copyright IBM Corporation 2005, 2006.
(C) Copyright IBM Japan 2006
このインフォメーション・センターでは Eclipse テクノロジー (http://www.eclipse.org) が採用されています。