AIX システムのインストール準備

この手順に従って、AIX システムでの WebSphere Process Server のインストールの準備を行います。

始める前に

このインストール では、InstallShield for Multiplatforms (ISMP) ウィザードが使用されます。製品はサイレント・インストールすることもできます。サイレント・モードは、コマンド行で、インストール前に編集した応答ファイルを示すパラメーターを指定して起動します。

このタスクを実行する理由と実行時期

以下の手順を使用して、WebSphere Process Server をインストールするためにオペレーティング・システムを準備します。

このタスクのためのステップ

  1. root としてログオンします。

    この製品は、root 以外のユーザーでは正常にインストール できません。製品 CD のコピーを作成する場合は、root として実行します。root 以外の ユーザーによって作成されたコピーは、正しいファイル属性を保持していないため、正常に機能しません。

  2. umask 設定が 022 であることを確認します。
    umask 設定を確認するには、以下のコマンドを実行します。
    umask
    umask 設定を 022 に設定するには、以下のコマンドを実行します。
    umask 022
  3. 製品をインストールするマシンで、WebSphere Application Server、WebSphere Application Server Network Deployment、WebSphere Process Server、WebSphere Enterprise Service Bus に関連したすべての Java プロセスを停止します。
  4. IBM HTTP Server などの Web サーバー・プロセスはすべて停止します。
  5. System Management Interface Tool (SMIT) を使用して、 インストールされるパッケージを表示し、以下のステップで説明するパッケージの更新が必要かどうかを判別します。
  6. Info-ZIP 製品の最新バージョンをダウンロードし、ZIP ファイルの問題を 回避します。 http://www.info-zip.org Web サイトにある Info-ZIP パッケージの現行バージョンをダウンロードします。
  7. AIX 5.2 保守レベル 07 に前提条件の xlC.rte 6.0 ランタイム・コードをインストールします。 xlC.rte 6.0 ランタイム・コードは、Global Security Kit (GSKit) をインストールする前にインストールする必要があります。 GSKit は、IBM HTTP Server のインストールまたは WebSphere Application Server の Web サーバー・プラグインのインストールの一環としてインストールされます。xlC.rte ランタイム・コードは、AIX サポート・サイトからフィックスとしてダウンロードしてください。AIX 5.2 の場合は、AIX 5.2 CD から xlC.rte 6.0 ランタイム・コードをインストールできます。
  8. 十分なディスク・スペースを提供します。WebSphere Process Server およびその関連製品のインストールに必要なスペースについては、 http://www.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg27006205 にある WebSphere Process Server の詳細なシステム要件を参照し、その製品のご使用のバージョンへのリンクを選択してください。
    AIX 上の JFS ファイル・システムでは、 ディレクトリーに拡張スペースを割り振ることができます。インストール・ウィザードに十分なスペースが ない場合、ISMP は動的にスペース割り振りを増やすために、より多くのスペースを要求するシステム呼び出しを発行します。 これが /usr ディレクトリーで発生したときに表示されるメッセージは、以下の例と類似しています。
    注: 次のファイル・システムがインストール中に拡張されます: /usr
    (NOTE: The following file systems will be expanded during the installation: /usr)

    プロファイル作成のための必要スペースが AIX 上にあることを手動で確認します。 基礎となる ISMP コードに既知の問題が あったため、AIX システムでのスペース検査が正しく行われません。

  9. java.lang.NullPointerException エラーを回避するため、リンク切れのあるファイル・システムをアンマウントします。
    ファイル・システムへのリンクが切れている場合、インストールしようとすると、以下のエラーが発生して失敗する可能性があります。
    An error occurred during wizard bean change notification:
    java.lang.NullPointerException
      at com.ibm.wizard.platform.aix.AixFileUtils.
         getFileSystemData(AixFileUtils.java:388)
      at com.ibm.wizard.platform.aix.AixFileUtils.
         getPartitionDataWithExecs(AixFileUtils.java:172)
      at com.ibm.wizard.platform.aix.AixFileUtils.
         getPartitionData(AixFileUtils.java:104)
      at com.ibm.wizard.platform.aix.AixFileServiceImpl.
         getPartitionNames(AixFileServiceImpl.java:397)
    ...

    以下の手順を使用して、問題のあるファイル・システムを識別してアンマウントします。

    1. df -k コマンドを使用して、ファイル・システムへのリンク切れを 検査します。 1024-blocks 列にブランク値がリストされているファイル・システムを検索します。 値が「-」(ダッシュ) になっているエントリーは問題ありません。 以下の例は、iw031864:/cdrom/db2_v72_eee_aix32_sbcs ファイル・システムと、(おそらく) /dev/lv00 ファイル・システムにも問題が存在することを示します。/proc ファイル・システムに問題はありません。
      >  df -k
      Filesystem    1024-blocks      Free %Used    Iused %Iused Mounted on
      /dev/hd4          1048576    447924   58%     2497     1% /
      /dev/hd3          4259840   2835816   34%      484     1% /tmp
      /proc                   -         -    -         -     -  /proc
      /dev/lv01         2097152    229276   90%     3982     1% /storage
      /dev/lv00
      /dev/hd2          2097152    458632   79%    42910     9% /usr
      iw031864:/cdrom/db2_v72_eee_aix32_sbcs
    2. 最初に、例の iw031864:/cdrom/db2_v72_eee_aix32_sbcs ファイル・システムのように、明確な問題を示しているファイル・システムをアンマウントします。 これを行うには、次のコマンドのいずれかを使用します。
      >  umount /cdrom/db2_v72_eee_aix32_sbcs
      >  umount /cdrom 
    3. インストールを再開します。
    4. 問題が解決しない場合は、 ブランク値があるファイル・システム (この例の /dev/lv00 ファイル・システムなど) をアンマウントしてください。
    5. リンク切れのあるファイル・システムをアンマウントしても問題が解決しない場合は、 マシンをリブートして、再度インストールを開始してください。
  10. 前提条件および相互前提条件が、必要なリリース・レベルであることを 確認します。

    インストール・ウィザードは、前提条件となるオペレーティング・システム・パッチを検査しますが、前提条件をまだ確認していない場合は、WebSphere Process Server でサポートされる前提条件となるハードウェアとソフトウェアを確認してください。この情報にアクセスするには、http://www.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg27006205 のサイトで WebSphere Process Server の詳細なシステム要件を参照し、ご使用のバージョンの WebSphere Process Server へのリンクを選択してください。

    サポートされているバージョンへのマイグレーションについては 、IBM 以外の前提条件および相互に必要な製品の資料を参照してください。

  11. emacs または他のフリーウェアで提供される cp コマンドではなく、システムの cp コマンドが使用されていることを確認します。

    システムの cp コマンドではなく、フリーウェア・パッケージの一部である cp コマンドを使用して製品をインストールする場合、インストールが 正常に完了したように見えても、製品によってインストールされる Java 2 SDK では、install_root/java ディレクトリー (install_rootWebSphere Process Server のインストール・ディレクトリーを表す) の ファイルが欠落する可能性があります。

    ファイルが欠落していると、 必要なシンボリック・リンクが壊れる可能性があります。WebSphere Process Server 製品を正常にインストールするには、PATH からフリーウェアの cp コマンドを除去する必要があります。

    オペレーティング・システムに emacs または 他のフリーウェアをインストールしている場合は、以下のステップを実行して、 システムで使用されている cp コマンドを識別し、フリーウェアの cp コマンドが使用されている場合には、 それを非活動化します。

    1. WebSphere Process Server 製品用のインストール・プログラムを実行する前に、 コマンド・プロンプトで which cp と入力します。
    2. その結果のディレクトリー出力に freeware が含まれている場合、PATH から freeware ディレクトリーを除去します。 例えば、出力が .../freeware/bin/cp のような場合は 、PATH からこのディレクトリーを除去します。
    3. WebSphere Process Server のインストール後、freeware ディレクトリーを PATH に戻します。
  12. 製品 CD のコピー上の Java 2 SDK が正常に動作していることを確認します。

    お客様用の製品 CD を ISO イメージから、または 実際の CD のコピーによって作成した場合は、以下のステップに 従って、Java 2 SDK が正常に動作することを確認します。

    1. WebSphere Process Server CD 1 としてお客様が作成した製品 CD で、 /mnt/JDK/repository/prereq.jdk/java/bin ディレクトリーに移動します。 これを実行するには、以下のコマンドを発行します。
      cd /mnt/JDK/repository/prereq.jdk/java/bin
    2. Java 2 SDK のバージョンを確認します。 これを実行するには、以下のコマンドを発行します。
      ./java -version
      Java 2 SDK が完全であれば、 コマンドはエラーを伴わずに正常に完了します。
    3. WebSphere Process Server CD 2 として作成した製品 CD で、この手順を繰り返します。
  13. オプション: Mozilla ブラウザーがインストールされていない場合は インストールします。Mozilla ブラウザーは、ランチパッド・コンソールをサポートします。 SMIT を使用して、Mozilla 1.4 または 1.7 以降のパッケージが既にインストールされているかどうかを確認します。まだインストールされていない場合、以下の手順を実行します。
    1. AIX Toolbox for Linux アプリケーションから 2 つの前提条件 glib-1.2.10-2.aix4.3.ppc.rpm と gtkplus-1.2.10-4.aix5.1.ppc.rpm をダウンロードします。 以下の ロケーションからパッケージをダウンロードします。
    2. パッケージのダウンロード後に、それらをインストールします。 次のコマンドを使用します。
      rpm -Uvh glib-1.2.10-2.aix4.3.ppc.rpm gtkplus-1.2.10-4.aix5.1.ppc.rpm
    3. サポートされる AIX 用 Mozilla (1.7.13 以降) の最新バージョンをダウンロードします。 以下のロケーションから AIX 用 Mozilla をダウンロードします。

      Web ブラウザーで表示する AIX Web サイト

      installp イメージをダウンロードし、SMIT からインストールします。

      重要: http://www.mozilla.org Web サイトで 配布されている Mozilla イメージについては、IBM ではテストもサポートも行っていません。ダウンロード Web サイトからダウンロードした Mozilla イメージのバージョンは、テスト済みであり、サポートされています。
  14. オプション: サポートされるブラウザーのロケーションをエクスポートします。

    ブラウザーの実際のロケーションを識別するコマンドを使用して、サポートされるブラウザーのロケーションをエクスポートします。

    例えば、Mozilla パッケージが /usr/bin/mozilla ディレクトリーにある場合、以下のコマンドを使用します。
    export BROWSER=/usr/bin/mozilla
  15. オプション: サイレント・インストールのみ: サイレント・インストール中に X Window サービスへの呼び出しの原因となる既知の ISMP 問題を許可します。
    ご使用の AIX マシンの DISPLAY 環境変数が、ログインされていない X サーバーを指すことがあります。 これは、以下の 2 つの共通シナリオによって発生する可能性があります。
    • ご使用の AIX マシンで X サーバーが稼働していますが、 ユーザーがログインしていないため、X サーバーはグラフィカル・ログイン・スクリーンで滞留しています。
    • ご使用の AIX マシンは、ログインされていないリモート X サーバーで X Window アプリケーションを表示するように構成されています。

    ISMP が X Window サービスを呼び出すため、サイレント・インストールはいずれの場合も停止します。

    以下の 2 つの解決策があります。
    • サイレント・インストールを開始する前に、グラフィカル・ユーザー・インターフェースを介してローカル X サーバーにログインします。
    • 以下の例に示すように、ヌルまたはブランクを指すように DISPLAY 環境変数をエクスポートします。
      export DISPLAY=null

結果

この手順によって、WebSphere Process Server をインストールできるようにオペレーティング・システムを準備します。

次の作業

オペレーティング・システムの準備ができたら、WebSphere Process Server をインストールできます。別の選択可能なさまざまなインストール手段についての説明は、ソフトウェアのインストールを参照してください。


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