更新コマンド

update コマンドは、Update Installer for WebSphere Software プログラムです。アップデート・インストーラー・ウィザードは、アップデート・インストール・ウィザード、アップデート・インストーラー・プログラム、および updateInstaller プログラムとしても知られています。

アップデート・インストーラー・プログラムは、WebSphere ソフトウェアを更新するために暫定修正、 修正パッケージおよび更新パックをインストールおよびアンインストールします。

重要: このトピックでは、便宜上、特定のディレクトリー・パスは Linux および UNIX 形式でのみ示します。これに相当する Windows パスは、ディレクトリー区切り記号以外は同一です。

概要

update コマンドは、アップデート・インストーラー・プログラムを呼び出して、サービスをインストールおよびアンインストールして WebSphere ソフトウェアを更新します。 このトピックでは、アップデート・インストーラー・コマンドおよびそのコマンド行パラメーターについて説明します。

このコマンドについての参照情報を、以下に記載します。

コマンドの使用について詳しくは、Installing maintenance packagesおよびUninstalling maintenance packagesを参照してください。

重要: 既知の問題については、WebSphere Application Server Network Deployment バージョン 6.0 のインフォメーション・センターにある更新コマンドに関する既知の問題および次善策を参照してください。

コマンド・オプション

以下のテーブルは、暫定修正のインストールおよびアンインストールのためのコマンドをリストしています。

暫定修正をインストールするためのコマンド

グラフィカル・インターフェースでインストールするには、以下のいずれかのコマンドを実行します。
表 1. グラフィカル・インターフェースを使用したインストールのためのアップデート・インストーラー・コマンド
コマンド例 インストールのタイプ 説明
update グラフィカル・インターフェース・モード 最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプを持つ暫定修正の名前で暫定修正フィールドを初期化します。

すべてのデフォルト値を受け入れて、最新のタイム・スタンプで暫定修正をインストールします。

update -W prereqsfailedpanelInstallWizardBean.active= "false" 前提条件検査をバイパスするグラフィカル・インターフェース・モード 最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプを持つ暫定修正の名前で暫定修正フィールドを初期化します。 前提条件検査をバイパスします。
update -options "responsefiles¥file_name" オプション・ファイルを持つグラフィカル・インターフェース・モード 応答ファイル内で指定された値で、すべてのグラフィカル・インターフェース値をオーバーライドします。

どちらかの値を省略した場合、デフォルトの保守パッケージが最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプを持つものとなります。 デフォルトのソフトウェアは、親ディレクトリー内にインストールされたソフトウェアです。

update -W maintenance.package="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer ¥updateinstaller¥maintenance¥PQ20029.pak" グラフィカル・インターフェース・モード 保守パッケージの名前を適用してオーバーライドします。
update -W product.location="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer" グラフィカル・インターフェース・モード WebSphere ソフトウェアのロケーションを更新してオーバーライドします。
update -W product.location="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer" -W maintenance.package="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer ¥updateinstaller¥maintenance ¥PQ20029.pak" グラフィカル・インターフェース・モード WebSphere ソフトウェアのロケーションを更新し、保守パッケージの名前を適用してオーバーライドします。
サイレント・インターフェースをインストールするには、以下のいずれかのコマンドを発行します。
表 2. サイレント・モード内にインストールするためのアップデート・インストーラー・コマンド
コマンド例 インストールのタイプ 説明
update -silent サイレント・モード 最新のタイム・スタンプを持つ暫定修正をインストールして、親ディレクトリー内にインストールされたソフトウェアを更新します。
update -silent -W prereqsfailedpanelInstallWizardBean.active= "false" 前提条件検査をバイパスするサイレント・モード 最新のタイム・スタンプを持つ暫定修正をインストールして、親ディレクトリー内にインストールされたソフトウェアを更新します。 前提条件検査をバイパスします。
update -W maintenance.package="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer¥updateinstaller ¥maintenance¥PQ20029.pak" -silent サイレント・モード デフォルトでは、ウィザードは最新の日付スタンプとタイム・スタンプを持つ暫定修正をインストールします。

パッケージ・オーバーライドを使用して、別の保守パッケージをインストールします。 応答ファイルは必要ありません。デフォルトのソフトウェアは、親ディレクトリー内にインストールされたソフトウェアです。

update -silent -options "responsefiles¥file_name" オプション・ファイルを持つサイレント・モード 応答ファイル内で指定された値で、すべてのデフォルト値をオーバーライドします。

応答ファイルからどちらかの値を省略した場合、デフォルトの保守パッケージが最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプを持つものとなります。デフォルトのソフトウェアは、親ディレクトリー内にインストールされたソフトウェアです。

update -W product.location="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer" -silent サイレント・モード 最新の日付スタンプとタイム・スタンプを持つ保守パッケージで、コマンド内で指定された WebSphere ソフトウェアを更新します。サイレント・インストールは、応答ファイルを参照しません。
update -W product.location="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer" -W maintenance.package="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer¥updateinstaller ¥maintenance¥PQ20029.pak" -silent サイレント・モード コマンド内で指定された保守パッケージで、コマンド内で指定された WebSphere ソフトウェアを更新します。 サイレント・インストールは、応答ファイルを参照しません。

暫定修正をアンインストールするためのコマンド

グラフィカル・インターフェースでアンインストールするには、以下のいずれかのコマンドを発行します。
表 3. グラフィカル・インターフェースを使用したアンインストールのためのアップデート・インストーラー・コマンド
コマンド例 インストールのタイプ 説明
update -W update.type="uninstall" グラフィカル・インターフェース・モード 最も新しくインストールされた暫定修正の名前で暫定修正フィールドを初期化します。

すべてのデフォルト値を受け入れて、最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプで暫定修正をアンインストールします。

update -W product.location="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer" -W update.type="uninstall" グラフィカル・インターフェース・モード グラフィカル・インターフェースを WebSphere ソフトウェアのロケーションでオーバーライドして、更新します。アンインストールするデフォルトの暫定修正は、そのソフトウェアに最も新しくインストールされた暫定修正です。
update -W backup.package="PQ20029.pak" -W update.type="uninstall" グラフィカル・インターフェース・モード アンインストールする保守パッケージの名前で暫定修正フィールドをオーバーライドします。
update -W product.location="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer" -W backup.package="PQ20029.pak" -W update.type="uninstall" グラフィカル・インターフェース・モード WebSphere ソフトウェアのロケーションを更新し、保守パッケージの名前をアンインストールしてオーバーライドします。
update -options "responsefiles¥file_name" オプション・ファイルを持つグラフィカル・インターフェース・モード 応答ファイル内で指定された値で、すべてのデフォルト値をオーバーライドします。

応答ファイルからどちらかの値を省略した場合、デフォルトの保守パッケージは最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプを持つインストール済みパッケージです。デフォルトのソフトウェアは、親ディレクトリー内にインストールされたソフトウェアです。

サイレント・インターフェースでアンインストールするには、以下のいずれかのコマンドを発行します。
表 4. サイレント・モードでのアンインストール用の更新インストーラー・コマンド
コマンド例 インストールのタイプ 説明
update -W update.type="uninstall" -silent サイレント・モード 最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプを持つ暫定修正をアンインストールして、親ディレクトリー内にインストールされたソフトウェアを更新します。
update -W product.location="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer" -W update.type="uninstall" -silent サイレント・モード WebSphere ソフトウェアのデフォルトのロケーションを更新してオーバーライドします。 アンインストールするデフォルトの暫定修正は、そのソフトウェアに最も新しくインストールされた暫定修正です。
update -W backup.package="PQ20029.pak" -W update.type="uninstall" -silent サイレント・モード アンインストールする保守パッケージの名前で暫定修正フィールドをオーバーライドします。
update -W product.location="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer" -W backup.package="PQ20029.pak" -W update.type="uninstall" サイレント・モード WebSphere ソフトウェアのロケーションを更新し、保守パッケージの名前をアンインストールしてオーバーライドします。
update -silent -options "responsefiles¥file_name" オプション・ファイルを持つサイレント・モード 応答ファイル内で指定された値で、すべてのデフォルト値をオーバーライドします。

応答ファイルからどちらかの値を省略した場合、デフォルトの保守パッケージは最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプを持つインストール済みパッケージです。デフォルトのソフトウェアは、親ディレクトリー内にインストールされたソフトウェアです。

複数の暫定修正のインストール

スクリプトを使用して、複数のコマンドを発行します。 それぞれのコマンドは、インストールする 1 つの保守パッケージを識別します。 例えば、次のコマンドをすべて 1 行に入力します。
update -W maintenance.package="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer¥
updateinstaller¥maintenance¥PQ20028.pak" -silent update
-W maintenance.package="C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ProcServer¥
updateinstaller¥maintenance¥PQ20029.pak" -silent

保守オペレーションの自動化

ほとんどの修正パッケージおよび更新パックは、install_root/java/jre ディレクトリー内に IBM SDK、Java Technology Edition の保守の一部を含んでいます。 更新パック、修正パッケージ、または暫定修正が SDK を更新するとき、WebSphere ソフトウェア・プログラムのアップデート・インストーラーが ISMP プロセスを開始して製品内に SDK の複製を作成し、その SDK を install_root/updateinstaller/java/jre ディレクトリーにコピーします。
install_root   /updateinstaller
      /java
         /jre

スクリプトを使用してサイレント・メンテナンスを実行するには、アップデート・インストーラー・プログラムを 2 回起動しなくてはなりません。 最初のコマンドは SDK の複製を作成するのみで、自動的にアップデート・インストーラー・プログラムを再起動はしません。 2 番目のコマンドが複製された SDK を使用して、製品内の製品および SDK を更新します。

SDK がある場合は、WebSphere のアップデート・インストーラーは常時、install_root/updateinstaller ディレクトリー内の SDK を使用します。

スクリプトから以下のコマンドを発行します。
  1. update -silent [other_options] -W relaunchwizardexecInstallWizardBean.active=false
    例えば、以下のコマンドを使用して、Solaris システム上で SDK の複製を作成します。
    /opt/IBM/WebSphere/ProcServer/updateinstaller/update ¥
       -silent ¥
       -W relaunchwizardexecInstallWizardBean.active=false ¥

    暫定修正がダウンロードされた最後の保守パッケージではない場合、最初のコマンド内の暫定修正を識別します。 コマンドを 1 行で発行する場合、Linux および UNIX の行継続文字 (¥) を省略します。

  2. update -silent
    アップデート・インストーラー・プログラムは、次のコマンドの呼び出しに、install_root/updateinstaller ディレクトリー内の SDK の複製されたコピーを使用します。 例えば、Linux システム上の WebSphere Process Server で以下のコマンドを実行して、複製された SDK を使用して更新をインストールします。
    /opt/ibm/WebSphere/ProcServer/updateinstaller/update ¥
       -silent -W maintenance.package=¥
       "/opt/ibm/WebSphere/ProcServer/updateinstaller/maintenance/  ¥
       6.0-WS-WPS-ESB-LinuxIA32-RP0000002.pak" ¥
       -W update.type="install" ¥
       -W product.location="/opt/ibm/WebSphere/ProcServer"
    コマンドを 1 行で発行する場合、Linux および UNIX の行継続文字 (¥) を省略します。

ロギング

以下のセクションでは、インストールおよびアンインストール・サービス時に発生するロギングについて説明しています。

インストール・サービス時に作成されるログ

インストール・ログ・ファイルがない場合は、install_root/logs/update/tmp ディレクトリー内の一時的ログ・ファイルを参照します。 すべての検証にパスすると、インストールが起こります。

次に、アップデート・インストーラー・プログラムが、install_root/logs/update/maintenance_package.install ディレクトリーを作成します。

ディレクトリー内に、updatelog.txt ファイル、圧縮 updatetrace.log.gz ファイル、および圧縮 updateconfig.log.gz ファイルがあります。 updateconfig.log.gz ファイルは、サービスのインストールが Ant スクリプトを実行するために内部構成マネージャー・ユーティリティーを使用するときのみ存在します。

アンインストール・サービス時に作成されるログ

暫定修正のアンインストール後にログ・ファイルがない場合は、install_root/logs/update/tmp ディレクトリー内の一時的ログ・ファイルを参照します。 すべての妥当性検査にパスすると、アンインストール手順が始まります。

次に、アップデート・インストーラー・プログラムが install_root/logs/update/maintenance_package.uninstall ディレクトリーを作成します。

ディレクトリー内に、updatelog.txt ファイル、圧縮 updatetrace.log.gz ファイル、および圧縮 updateconfig.log.gz ファイルがあります。 updateconfig.log.gz ファイルは、サービスの削除が Ant スクリプトを実行するために内部構成マネージャー・ユーティリティーを使用するときのみ存在します。

正常終了の指標

ログ・ファイルには、正常終了の指標が含まれています。
INSTCONFSUCCESS
現行の操作は正常に終了しました。これ以上ログ・ファイルを検討する必要はありません。
INSTCONFPARTIALSUCCESS
現行の操作は、部分的に正常に終了しました。システムは依然として使用可能な状態にありますが、いくつかの非クリティカル・アクションが失敗しました。 ログ・ファイルを調べて、何が失敗したのか、可能な場合どのように失敗からリカバリーするするのかを判別します。
INSTCONFFAILED
現行の操作は失敗しました。 システムはもはや使用可能な状態ではありません。 詳しくはログ・ファイルを調べてください。

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