モニター対象

処理中にサービス・コンポーネント・イベントが到達する特定のポイントを選択することによって、WebSphere Process Server のサービス・コンポーネント・イベントをモニターできます。 各サービス・コンポーネントは、それらのイベント・ポイントを定義します。処理中に、選択したポイントに到達すると、対応するイベントが送出されます。 また、サービス・コンポーネント・イベントのパフォーマンス統計、および Service Component Architecture 固有の統計のパフォーマンス統計をモニターすることもできます。

サービス・コンポーネントで実行するモニターのタイプ (問題判別、パフォーマンス調整、またはプロセス・モニター) に関係なく、実際にはこれらのコンポーネントの処理中に到達する特定のポイントをモニターしています。このポイントは、イベント・ポイント と呼ばれ、これらのポイントをモニター対象として選択します。各イベント・ポイントは、サービス・コンポーネントの種類タグ、オプションのエレメント 種類 (サービス・コンポーネント・タイプの固有機能)、およびイベントの性質 をカプセル化します。これらのすべての因子により、モニターによって送出されるイベントのタイプが決定します。

イベント性質は、サービス・コンポーネントの処理中にイベントを生成 (または「送出」) するために必要な状態について説明します。これらの性質は基本的に、モニターの対象として選択するサービス・コンポーネントの論理構造におけるキーポイントです。サービス・コンポーネント・イベントの最も一般的な性質は ENTRY、EXIT、および FAILURE ですが、特定のコンポーネントやエレメントによっては他にも多くの性質があります。指定されたサービス・コンポーネントを持つアプリケーションが続いて呼び出される場合には常に、サービス・コンポーネントの処理がイベント性質に対応するポイントを経由するたびにイベントが送出されます。

サービス・コンポーネント種類のイベントの定義方法の例として、MAP サービス・コンポーネント種類を挙げます。MAP サービス・コンポーネント種類は ENTRY、EXIT、および FAILURE の性質を持つイベントを直接送出することができます。また、MAP コンポーネント種類内の特定タイプの機能を定義する「変換」というエレメント種類も含まれてます。このエレメントも、ENTRY、EXIT、および FAILURE の性質を持つイベントを送出します。その結果、MAP サービス・コンポーネント種類は、指定するエレメントと性質の組み合わせに応じて、異なるイベントを 6 つまで送出することができます。イベント・カタログには、すべてのサービス・コンポーネントとそのエレメント、およびそのイベント性質のリストがあります。

モニターはアプリケーション処理の最上位にある機能の分離されたレイヤーであるため、サービス・コンポーネントの処理に干渉することはありません。モニターは、指定されたイベント・ポイントでアクティビティーを検出した場合のみサービス・コンポーネント処理に関係します。この状態が発生すると、モニターによってイベントが送出されます。モニターは実行するモニターのタイプに基づいて、イベントの送付先およびイベントに含まれるデータ (以下参照) を判断します。

パフォーマンス・メトリック
パフォーマンス・メトリックを収集するためにサービス・コンポーネントをモニターしている場合は、軽負荷イベントがパフォーマンス・モニター・インフラストラクチャーに送出されます。 プロセス・サーバー固有のサーバー・コンポーネント用に生成される 3 種類のパフォーマンス統計の中から、1 つ以上のパフォーマンス統計をモニター対象として選択できます。
  • 各 EXIT イベント性質のカウンター: 成功した計算をカウント。
  • 各 FAILURE イベント性質のカウンター: 失敗した計算をカウント。
  • 対応する ENTRY イベントと EXIT イベント (同期計算のみ) の間の処理所要時間。
Service Component Architecture (SCA) 統計を使用することによってアプリケーションのパフォーマンスをモニターすることもできます。この統計は、アプリケーションのサービス呼び出しから計算されます。この統計は、プロセス・サーバーの SCA 層でアプリケーション (1 つ以上のサービス・コンポーネント・イベントを含む場合がある) の実際の処理を測定するという点で、サービス・コンポーネント・イベント統計とは異なります。この統計で SCA が使用されている場合、この統計を使用して、初期アプリケーション呼び出しとサービス応答との間の多数の異なるポイントをモニターできます。
サービス・コンポーネント・イベント
サービス・コンポーネントの指定されたイベント・ポイントでモニターによって送出されるイベントからデータを収集する場合、プロセス・サーバーがイベントを生成し、そのデータが Common Base Event 形式でエンコードされるように構成します。サービス・コンポーネント・イベントは、サービス要求の呼び出し、応答、および起こりうる障害ポイントで渡されたビジネス・データを収集します。これらのイベントは、ロガーか Common Event Infrastructure (CEI) バスのどちらかにパブリッシュできます。このパブリッシュでは、出力は特別に構成された CEI サーバー・データベースに送信されます。
関連概念
パフォーマンスのモニター
サービス・コンポーネント・イベントのモニター
イベント・カタログ
関連資料
パフォーマンス・モニター・インフラストラクチャー統計

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