複数のサーバーで構成されるエンタープライズ・サービス・バスでは、スケーラビリティーの確保、処理可能なクライアント接続数の拡大、およびメッセージ・スループットの向上、という利点が得られます。また、SCA モジュールを異なるサーバーに配置して、サービスのさまざまなリソースや品質を提供したり、組織内の異なる部門を何らかの形で分離したり、テスト機能と実動機能を分離したりすることもできます。
バス環境で複数のサーバーを作成するには、Network Deployment セル内に管理対象ノードが存在している必要があります。
メディエーション・モジュールに必要な SCA ランタイムに対して、各サーバーを構成します。この拡張構成によって、SCA ランタイムで使用されるキューの宛先をこのサーバー上でローカルにホストするか、リモート・サーバー上でホストするかが定義されます。このサーバー上でキューの宛先をホストするように指定した場合、サーバーは SCA.SYSTEM バスのメンバーとなり、キューの宛先が割り当てられるメッセージング・エンジンを取得します。このサーバー上でキューの宛先をホストしないように指定した場合、サーバーは SCA.SYSTEM バスのメンバーとなる必要がなく、メッセージング・エンジンも必要ありません。
図 1 に示すシナリオを考慮してください。
SCA.SYSTEM バスに存在するすべてのメッセージング・エンジンは暗黙的に接続されているため、要求はバス内のいずれかのメッセージング・エンジンによって処理されます。バス内のそれぞれのメッセージング・エンジンに割り当てられたリソースの知識は、バス内のすべてのメッセージング・エンジン間で共用されます。
バス内のすべてのメッセージング・エンジンが同時に実行している必要はありません。1 つのメッセージング・エンジンが停止した場合でも、残りのメッセージング・エンジンが稼働し続けます。ただし、メッセージング・エンジンが所有するリソース、特にメディエーション・モジュールのキュー・ポイントは、エンジンが停止すると使用不可になります。また、あるサーバーで使用するために作成されたメッセージング・エンジンはそのサーバーでのみ実行できます。したがって、そのサーバーは Single Point of Failure であり、サーバーが稼働できない場合、メッセージング・エンジンは使用できません。サーバー・クラスターをバスのメンバーとして構成することにより、メッセージング・エンジンはクラスター内の 1 つのサーバーで実行可能となるため、サーバーに障害が起こった場合でも、メッセージング・エンジンはクラスター内の代替サーバー上で実行できます。
任意の Network Deployment セル内に、複数サーバーのエンタープライズ・サービス・バスを作成することができます。一般に、以下のステップを実行する必要があります (『Network Deployment の構成』を参照)。
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