クラスター環境の作成

クラスター環境を作成すると、WebSphere Process Server アプリケーションのフェイルオーバーとスケーリングの特性が強化されます。 クラスター環境を確立するために、ユーザーとユーザーのチームは一定の手順を実行します。

始める前に

クラスター環境を作成するには、事前に必要な作業がいくつかあります。

このタスクを実行する理由と実行時期

アプリケーションが必要とする容量と可用性が単一サーバー提供のものでは足りない場合に、クラスター環境を作成します。クラスター環境には、このほかに以下の利点があります。
ワークロード・バランシング
複数のサーバーでアプリケーション・イメージを実行することにより、クラスターがクラスター内のサーバー間でアプリケーション・ワークロードのバランスを取ります。
アプリケーションの処理能力
アプリケーションをサポートするクラスター・メンバーとして、サーバーのハードウェアを追加構成することによって、そのアプリケーションの処理能力を向上させることができます。
アプリケーションの可用性
1 つのサーバーで障害が起こった場合、アプリケーションがクラスター内のほかのサーバー上で処理を続行できるため、アプリケーション・ユーザーに影響を与えることなく、リカバリー作業を進めることができます。
保守容易性
計画した保守のために、アプリケーションの処理を停止することなく、サーバーを停止することができます。
柔軟性
管理コンソールを使用して、必要に応じて容量を追加したり除去したりすることができます。
注: このページの末尾に、関連タスクのリストを記載しています。特定のステップの関連タスクのタイトルを、そのステップの括弧付きのコメントとして示しています。そのタスクについて詳しくない場合は、関連トピックで詳細情報を参照してください。

このタスクのためのステップ

  1. セルを設計します。
    1. セルのトポロジーを設計します。セルに必要な物理的、論理的リソースを決定します。
    2. セルのさまざまなコンポーネント用にデータベースとスキーマのどちらを使用するかを決定します。
    3. イベントをモニターする必要があるかどうか、モニター対象のイベントをどのサーバーでホストするかを決定します。
  2. セルに必要なその他のデータベースを作成します。例えば、以下のようなデータベースを作成します。
    1. デフォルトのメッセージング・プロバイダーを使用する場合は、WebSphere Platform Messaging のメッセージング・エンジンが使用するデータベース (およびスキーマ)。
    2. オプション: Business Process Execution Language (BPEL) リポジトリーとして使用するデータベース (またはスキーマ)。 (Business Process Choreographer の構成)
    3. オプション: イベント・データベース用に使用するデータベース (またはスキーマ)。 (Common Event Infrastructure の構成)
  3. オプション: イベントをモニターする必要がある場合は、モニター対象のイベントを処理するクラスターを作成します。
    1. デフォルトの WebSphere Process Server テンプレートを使用して、クラスターとクラスター・メンバーを作成します。
    2. ターゲットとして構成しているクラスターとステップ 2.c で作成した Common Event Infrastructure (CEI) データベースを使用して、CEI アプリケーションをインストールし、メッセージ駆動型 Bean (MDB) アプリケーションをインストールします。 (Common Event Infrastructure の構成)
  4. オプション: 管理アプリケーションにビジネス・ルールやセレクターが含まれていて、アプリケーションのデプロイ後に、アプリケーションでそのルールやセレクターに変更を加える必要がある場合は、管理アプリケーションを処理するクラスターを作成します。
    注: ビジネス・ルールやセレクターの管理を、ほかの WebSphere Process Server コンポーネントを処理するクラスターにデプロイすることを決定した場合は、このステップをステップ 3 またはステップ 6 と組み合わせて実行することができます。
    1. デフォルトの WebSphere Process Server テンプレートを使用して、クラスターとクラスター・メンバーを作成します。
    2. 「拡張構成」パネルを使用して、ビジネス・ルールのマネージャー・サーバーをデプロイします。
  5. クラスター用のメッセージングを構成します。
    注: ほかの WebSphere Process Server コンポーネントを処理するクラスターが管理メッセージングに対応することを決定した場合は、このステップをステップ 3、ステップ 4、またはステップ 6 と組み合わせて実行することができます。
    重要: このステップは、クラスターに最初のサービス・アプリケーションをインストールする前に完了する必要があります。
    1. デフォルトの WebSphere Process Server テンプレートを使用してクラスターを作成します。
    2. 「拡張構成」パネルの 「デフォルト宛先ロケーション」を選択します。
    3. クラスターをイベント・バスのメンバーとして追加します。

      ステップ 2.c で作成したデータ・ソースを使用します。 ステップ 1.b で、1 つのデータベースで複数のスキーマを使用することを決定した場合は、メッセージング・エンジン・データ・ソースの構成時に適切なスキーマを選択します。

    4. クラスターを Business Process Choreographer バスのバス・メンバーとして追加します。

      ステップ 2.b で作成したデータ・ソースを使用します。 ステップ 1.b で、1 つのデータベースで複数のスキーマを使用することを決定した場合は、メッセージング・エンジン・データ・ソースの構成時に適切なスキーマを選択します。

  6. サービス・アプリケーション用のクラスターを作成します。
    1. デフォルトの WebSphere Process Server テンプレートを使用して、クラスターとクラスター・メンバーを作成します。
    2. 「拡張構成」パネルを使用して、メッセージング・クラスターを選択します。

      このステップをステップ 5 と組み合わせて実行する場合は、そのステップで指定したデフォルトのメッセージング・クラスターを選択してください。そうでない場合は、適切なオプションを選択して、ステップ 5で作成したクラスターを選択します。

    3. オプション: ステップ2.bで作成したデータベースまたはスキーマを使用して Business Process Choreographer のサポートを構成します。 (Business Process Choreographer の構成)

      アプリケーションに Business Process Execution Language (BPEL) またはビジネス状態マシン・コンポーネントが含まれている場合は、このステップを実行してください。

    4. オプション: 「拡張構成」パネルを使用して、 エミッター・プロファイルの Java Naming and Directory Interface (JNDI) 名を選択し、クラスターとステップ 2.c で作成したエミッター・ファクトリー・プロファイルを関連付けます。

結果

サーバーおよびインストール済みのアプリケーションを起動すると、これらが正常に始動します。

次の作業

これで、アプリケーションをクラスターにインストールできるようになりました。
関連概念
WebSphere Process Server 管理環境ロードマップのセットアップ
Service Component Architecture アプリケーションをサポートするサーバーまたはクラスターの作成
サービス・アプリケーションをサポートするサーバーまたはクラスターの準備
関連タスク
デプロイメント・マネージャーの構成
プロファイルの作成
プロファイルのサイレント作成
製品のインストール
製品の構成
カスタム・ノードのデプロイメント・マネージャーへの統合
Business Process Choreographer の構成
実動サーバーへのモジュールのインストール
関連情報
Common Event Infrastructure の管理
サーバー構成ファイルの使用
メッセージング・エンジンについて
データ・ストアについて
バス宛先の学習
デフォルトのメッセージング・プロバイダーについて

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