ハードウェア・リソースの平衡化

このタスクを使用してハードウェア・リソースを平衡化することにより、長期間にわたって実行するビジネス・プロセスのパフォーマンスを改善します。

このタスクを実行する理由と実行時期

システムの調整を始める前に、使用しているコンピューターが平衡の取れた状態になっていること、すなわち、使用可能な リソース (CPU、メモリー、および I/O) が適正な比率に保たれていること、を検証してください。(1 つまたは多数の) 非常に高速な CPU と、少ないメモリー、貧弱な I/O パフォーマンスを持つコンピューターは、調整しにくいものです。割り込み可能プロセスにおいては、適切な処理能力および十分なメモリーと並んで、複数の高速ディスク・ドライブによって提供される高い I/O パフォーマンスが重要です。実動システムでは、ビジネス・プロセスを実行する WPS マシンの WebSphere クラスターと、それとは別個のデータベース用マシンを使用することをお勧めします。

このタスクのステップ

  1. データベース・マシンで、十分なディスクが割り振られるようにします。

    WPS マシンには、2 台の物理ディスク (オペレーティング・システム用に 1 台、WPS (特にサーバー・トランザクション・ログ) 用に 1 台) を用意することをお勧めします。トランザクション・ログがパフォーマンス・ボトルネックになる場合は、ディスク・ストライピングを使用して、書き込みスループットを上げてください。

    DBMS を実行するマシンには、高速ストレージ・サブシステム (NAS または SAN) を装備することが理想です。個別ディスクのセットアップを使用する場合は、ディスクの数が多い方が有利です。

    11 台のディスク・ドライブを使用する例を以下に示します。
    • オペレーティング・システムおよびスワップ・スペース (Windows のページ・ファイル、AIX のページング・スペース、Solaris のスワップ・スペース、HP-UX のページング・スペース) 用にディスク 1 台。
    • Business Process Choreographer データベースのトランザクション・ログ用にディスク 2 台 (待ち時間を短縮しスループットを高めるために、論理ストライピングか、できればハードウェア・サポートによるストライピングで)。
    • データベース管理システム内の Business Process Choreographer データベース・テーブル・スペース用にディスク 3 台以上。さらに多くのディスクが使用可能な場合は、インスタンス・テーブルを 3 台以上のディスクに分散してください。スタッフ・アクティビティーが必要な場合は、さらに考慮事項があります。
    • メッセージング・データベースのトランザクション・ログ用にディスク 2 台。この 2 台もストライプ化することが理想です。
    • メッセージング・データベース・テーブル・スペース用にディスク 3 台。これらをストライプ化し、テーブル・スペースをアレイ上に分散します。

    RAID アレイを使用する場合は、最適なディスク数が増加します。これは、いくつかのディスクがフェイルオーバー機能を提供するために使用されるからです。

  2. 十分なメモリーを割り振ります。
    割り振るメモリーの量は、プラットフォームによって異なります。
    • 3 GB の物理メモリーと、ローカル・データベース管理システムを装備する Windows® システムの場合は、以下の設定を使用してメモリーを割り振ります。
      • Windows システム用に 512 MB
      • WebSphere® Application Server 用に 1024 MB
      • データベース用に 1.5 GB。プロセス・データベースに 900 MB、メッセージング・データベースまたはデータベースに 600 MB を割り振ります。
    • 8 GB の物理メモリーと、ローカル・データベース管理システムを装備する AIX® システムの場合は、以下の設定を使用してメモリーを割り振ります。
      • AIX システム用に 512 MB
      • WebSphere Application Server 用に 1024 MB
      • データベース用に 5 GB。プロセス・データベースに 4 GB、メッセージング・データベースまたはデータベースに 1 GB を割り振ります。
        ヒント: 使用するファイルやファイルのキャッシュなどでメモリーを使用するため、最適なパフォーマンスを確保するためには、データベースにすべてのメモリーを割り当てないでください。使用可能な高速メモリーが不足するため、データをディスクにスワップしなければならないような状態は避けてください。
    • Business Process Choreographer を実行する場合のアプリケーション・サーバーには、デフォルトより多くのメモリー量を割り振ります。アプリケーション・サーバーのヒープ・サイズのチューニングについては、アプリケーション・サーバーのチューニングを参照してください。
  3. ネットワーク使用率を監視します。 アプリケーションのパフォーマンスは、メッセージがサーバーとデータベース・サーバー間を通過する速度によって異なります。可能であれば、ネットワークの遅延を削減します。
  4. ワークロードを他のサーバーに移動します。

    他のサーバーに移動可能なアプリケーションまたはサブシステムについて考慮します。

結果

これで、ご使用のコンピューターが平衡の取れた状態になりました。

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