イベント内のビジネス・オブジェクト

特定の環境のサービス・コンポーネントはビジネス・オブジェクトを処理します。モニターでサービス・コンポーネント・イベント内のビジネス・オブジェクト・データを収集するように構成することがきます。ビジネス・オブジェクト・データは XML エレメント形式でエンコードされますが、イベントに渡される前に 2 進形式に変換されます。 このデータは拡張データ・エレメント内のイベントにカプセル化され、16 進形式で保管されます。

サービス・コンポーネント・イベントに収集するビジネス・オブジェクトの詳細レベルを指定します。この詳細レベルは、イベントに渡されるビジネス・オブジェクト・コードの量にのみ影響します。その他のすべての Common Base Event エレメント (標準とイベント固有の両方) は、イベントにパブリッシュされます。サービス・コンポーネント・イベントに適用可能な詳細レベルの名前は、WebSphere® Integration Developer を使用して静的モニターを作成したか、または管理コンソールで動的モニターを作成したかに応じて異なりますが、次の表に示すように対応しています。

管理コンソールの詳細レベル Common Base Event/WebSphere Integration Developer の詳細レベル パブリッシュされる有効搭載量情報
FINE EMPTY なし。
FINER DIGEST 有効搭載量の説明のみです。
FINEST FULL 有効搭載量のすべてです。

詳細レベルは、PayloadType という名前の拡張データ・エレメントのイベントに組み込まれ、上述の Common Base Event の名前が使用されます。ビジネス・オブジェクト・データ自体も、拡張データ・エレメント・グループの Common Base Event に、イベント拡張データ・エレメントに「_BO」を付加した名前で組み込まれます。 例えば、ビジネス・ルール・コンポーネントが EXIT (WBI.BR.EXIT) という性質のイベントを発行する場合、ビジネス・オブジェクト・コードは result という拡張データ・エレメントに渡されます。その結果、イベント内に result_BO という名前の拡張データ・エレメントが作成され、このエレメントは、実際のビジネス・オブジェクト・データを収容する子エレメントを作成します。 ビジネス・オブジェクト・コード用に作成される拡張データ・エレメント・ツリーは、次の表に示すとおり、モニターで指定した有効搭載量の詳細レベルによって異なります。

拡張データ・エレメント名 Type
FULL/FINEST
<element_name>_BO N/A
<element_name>_BO/TNS String
<element_name>_BO/TYPE String
<element_name>_BO/Raw Data HexBinary
DIGEST/FINER
<element_name>_BO N/A
<element_name>_BO/TNS String
<element_name>_BO/TYPE String
<element_name>_BO/Verb (ビジネス・グラフのみによってラップされたビジネス・オブジェクト) String
<element_name>_BO/Properties (ビジネス・グラフのみによってラップされたビジネス・オブジェクト) HexBinary
EMPTY/FINE
<element_name>_BO N/A
<element_name>_BO/TNS String
<element_name>_BO/TYPE String
<element_name>_BO/Verb (ビジネス・グラフのみによってラップされたビジネス・オブジェクト) String

実際のビジネス・オブジェクト・データは、モニターが FULL/FINEST の詳細を記録する設定になっていれば、イベントのみに組み込まれます。データはまず XML 形式で直列化されますが、その後 hexBinary 形式で Raw Data という名前のイベントに渡されます。プロセス・サーバーには、直列化された XML ビジネス・オブジェクト・データを hexBinary に変換したり、それを XML 形式に戻したりするためのエンコーダー/デコーダーが組み込まれていますが、イベントに実際に保管されるのは hexBinary 形式です。イベント出力をロガーにパブリッシュすると、ログ・ファイルの参照時に hexBinary 出力が表示されます。イベントを CEI サーバーにパブリッシュすると、Common Base Event ブラウザーを使用してイベントを表示することにより、元の XML 形式を表示できます。

以下は、WebSphere Process Server によってデータが XML 形式で直列化された後にサービス・コンポーネント・モニターで収集されたビジネス・オブジェクトです。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<mon:MonitorWrapper xsi:type="claim:Claim1BG"
  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
  xmlns:claim="http://Claim_Module"
  xmlns:mon="http://www.ibm.com/xmlns/prod/websphere/monitoring/6.0.0/mon">
  <Claim1>
    <employeeCode>ibm</employeeCode>
    <policyNumber>123</policyNumber>
    <situation>1</situation>
  </Claim1>
</mon:MonitorWrapper>

データはまず hexBinary に変換され、その後 Raw Data という名前の拡張データ・エレメントのイベントに渡されます。カプセル化されたビジネス・オブジェクト (TNSTYPE エレメントなど) を含む拡張データ・エレメント・ツリー全体が、次のようにしてイベントに渡されます。

<extendedDataElements name="Claim1BG_BO" type="no value">
     <children name="TNS" type="string">
       <values>http://Claim_Module</values>
     </children>
     <children name="TYPE" type="string">
       <values>Claim1BG</values>
     </children>
     <children name="Raw Data" type="hexBinary">
       <hexValue>3C3F786D6C2076657273696F6E3D22312E302220656E636F64696E6
       73D225554462D38223F3E0D0A3C6D6F6E3A4D6F6E69746F725772617070657220
       7873693A747970653D22636C61696D3A436C61696D3142472220786D6C6E733A7
       873693D22687474703A2F2F7777772E77332E6F72672F323030312F584D4C5363
       68656D612D696E7374616E63652220786D6C6E733A636C61696D3D22687474703
       A2F2F436C61696D5F4D6F64756C652220786D6C6E733A6D6F6E3D22687474703A
       2F2F7777772E69626D2E636F6D2F786D6C6E732F70726F642F776562737068657
       2652F6D6F6E69746F72696E672F362E302E302F6D6F6E223E0D0A20203C436C61
       696D313E0D0A202020203C656D706C6F796565436F64653EE0B982E0B89BE0B8A
       3E0B981E0B881E0B8A3E0B8A1E0B897E0B8B5E0B988E0B88AE0B988E0B8A7E0B8
       A23C2F656D706C6F796565436F64653E0D0A202020203C706F6C6963794E756D6
       265723E3132333C2F706F6C6963794E756D6265723E0D0A202020203C73697475
       6174696F6E3E313C2F736974756174696F6E3E0D0A20203C2F436C61696D313E0
       D0A3C2F6D6F6E3A4D6F6E69746F72577261707065723E0D0A
       </hexValue>
     </children>
</extendedDataElements>

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