XMS.NET アプリケーションのトレース構成方法としては、アプリケーション構成ファイルを使用した構成が推奨されます。このファイルの Trace セクションには、トレース対象を定義するパラメーター、トレース・ファイル位置と許容最大サイズ、使用されるトレース・ファイルの数、およびトレース・ファイルのフォーマットが記述されます。
アプリケーション構成ファイルを使用したトレースをオンにするには、このファイルをアプリケーションの実行可能ファイルと同じディレクトリーに格納します。
トレースはコンポーネント別およびトレース・タイプ別に使用可能にできます。また、トレース・グループ全体のトレースをオンにすることもできます。階層内の個別コンポーネントごと、または一連のコンポーネントに対してトレースをオンにできます。使用可能なトレースのタイプを以下に示します。
アプリケーション構成ファイルの Trace セクションで定義されたトレース設定の例を以下に示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <configuration> <configSections> <sectionGroup name="IBM.XMS"> <section name="Trace" type="System.Configuration.SingleTagSectionHandler" /> </sectionGroup> </configSections> <IBM.XMS> <Trace traceSpecification="*=all=enabled" traceFilePath="" traceFileSize="20000000" traceFileNumber="3" traceFormat="advanced" /> </IBM.XMS> </configuration>
表 1 で、パラメーター設定について詳しく説明します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
traceSpecification=<ComponentName>=<type>=<state> | <ComponentName> は、トレースするクラスの名前です。この名前ではワイルドカード文字 * を使用 できます。例えば *=all=enabled はすべてのクラスをトレースすることを指定し、 IBM.XMS.impl.*=all=enabled は API トレースのみが必要であることを指定します。 <type> には以下のいずれかのトレース・タイプを指定できます。
<state> は enabled または disabled のいずれかです。 複数のトレース・エレメントを続けて入力するには、「:」(コロン) 区切り文字を使用します。 |
traceFilePath="<filename>" | traceFilePath を指定しないか、または
traceFilePath が指定されているが空のストリングが含まれている場合には、トレース・ファイルは現行ディレクトリーに保管されます。トレース・ファイルを指定のディレクトリーに保管するには、traceFilePath にディレクトリー名を指定します。以下に例を示します。
traceFilePath="c:¥somepath" |
traceFileSize="<size>" | トレース・ファイルの最大許容サイズ。このサイズに達したファイルは、アーカイブされ、名前が変更されます。デフォルトの最大サイズは 20 KB です。これは、traceFileSize="20000000" と指定されます。 |
traceFileNumber="<number>" | 保存するトレース・ファイルの数。デフォルトは 4 です (1 つのアクティブ・ファイルと 3 つのアーカイブ・ファイル)。最小数は 2 です。 |
traceFormat="<format>" | デフォルトのトレース・フォーマットは basic です。traceFormat="basic" を指定するか、traceFormat を指定しないか、または traceFormat を指定するが空のストリングが含まれている場合は、トレース・ファイルはこのフォーマットで作成されます。 トレース・アナライザー・ツールと互換性のあるトレースが必要な場合は、traceFormat="advanced" を指定してください。 |
アプリケーション構成ファイルのトレース設定は動的であり、ファイルが保管または置換されるたびに再読み取りされます。編集されたファイルでエラーが検出されると、トレース・ファイルの設定はデフォルト値に戻されます。