EIS エクスポート・バインディングの主な特徴

EIS エクスポートは、Service Component Architecture (SCA) エクスポートです。このエクスポートは、SCA モジュール外部のクライアントからサービスを利用できるようにします。EIS エクスポートは、外部 EIS から SCA モジュールへのデータ転送に使用されます。EIS エクスポートは、EIS からの外部要求を listen するサブスクリプション・サービスと考えることができます。EIS エクスポートを利用する SCA コンポーネントは、EIS エクスポートをローカル・サービスと見なします。

目的

EIS エクスポートの役割は、SCA コンポーネントと外部 EIS の間のすき間を埋めることです。外部サービスを EIS エクスポートとして取り扱うことができます。この場合、外部サービスはそのデータを定期的な通知という形で送信します。

EIS エクスポートは、SCA コンポーネントに対して、モジュール外部のサービスの統一されたビューを提供します。 これにより、コンポーネントは、SAP、Siebel、 PeopleSoft などのさまざまな外部 EIS と、一貫性のある SCA モデルを使用して通信できます。

エクスポートは、EIS から要求を受け取るリスナー実装を特徴としてしています。リスナーは、JMS エクスポート用の javax.jms.MessageLister インターフェースまたはリソース・アダプター固有のリスナー・インターフェースのいずれかを実装します。また、エクスポートには、エクスポートを介して EIS に公開されるインターフェースを実装するコンポーネントも含まれます。

EIS エクスポートのランタイム実装は、インターフェースを実装するコンポーネントにリスナーを接続します。エクスポートにより、EIS 要求が、コンポーネント上の該当する操作の呼び出しにマップされます。 リスナー・バインディング、リスナー・バインディングがそれに含まれるネイティブ・メソッド・バインディングを使用する、次にネイティブ・メソッド・バインディングがデータ・バインディングを使用する、という 3 つのレベルでバインディングが作成されます。

リスナー・バインディングは、要求を受け取るリスナーを、エクスポートを介して公開されるコンポーネントに関連付けます。エクスポート定義には、コンポーネントの名前が含まれています。これにより、ランタイムがコンポーネントを探し、コンポーネントに要求を転送します。

ネイティブ・メソッド・バインディングは、ネイティブ・メソッドまたはリスナーが受け取ったイベント・タイプを、エクスポートを介して公開されたコンポーネントによって実装される操作に関連付けます。リスナーで呼び出されるメソッドとイベント・タイプの間に関係はなく、すべてのイベントはリスナーの 1 つ以上のメソッドを使用して受信されます。ネイティブ・メソッド・バインディングでは、エクスポートで定義された関数セレクターを使用して、インバウンド・データからネイティブ・メソッド名を取り出し、データ・バインディングを使用して、EIS のデータ形式をコンポーネントが認識する形式にバインドします。

EIS エクスポートのランタイム・シナリオを以下に示します。EIS 要求は、リスナー実装のメソッドの呼び出しを起動します。リスナーは、リスナーにすべての呼び出し引数 (例: JMS エクスポートに関する JMS メッセージ) を渡すエクスポート・ハンドラーを探し、これを呼び出します。ハンドラーは、リスナー・バインディングの実装を作成します。ハンドラーは、次に関数セレクターをインスタンス化し、これをリスナー・バインディング上に設定します。次のステップで、エクスポート・ハンドラーは、ネイティブ・メソッド・バインディングを初期化して、リスナー・バインディングに追加します。 ネイティブ・メソッド・バインディングごとに、データ・バインディングも初期化されます。最後に、ハンドラーはリスナー・バインディングを呼び出します。リスナー・バインディングは、エクスポートされたコンポーネントを見つけて、関数セレクターを使用しネイティブ・メソッド名を取得します。 この名前を使用して、ネイティブ・メソッド・バインディングを探します。この後、ネイティブ・メソッド・バインディングによってターゲット・コンポーネントが呼び出されます。


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