セル間で Service Component Architecture の各種サービスにアクセスできるようにする

Service Component Architecture (SCA) の利点の 1 つは、利用者が他のサービス・モジュールにすでに存在するサービスを使用できるということです。サービス・プロバイダーとサービス・コンシューマーは異なるセルにあっても構いません。このような分散システムでは、各セルに各種サービスを配置することによって、サービスの分離や管理を効率的に実施できます。

例えば、サーバー A のアプリケーションが、別のセルにあるサーバー B のサービスを必要とするとします。そのようにしてサービスを使用するには、セル間の通信を構成する必要があります。

サービス・プロバイダーはサービスのすべてのコンシューマーに対応するために、セルのサービスに対して非同期インターフェースと同期インターフェースの両方を用意する必要があります。

サービス・コンシューマーについては、アプリケーションの対話スタイルを呼び出すために実行する構成の種類を制限することができます。アプリケーションで使用される対話スタイルを管理者が知らない場合、両方のスタイルを構成します。

セル間でのサービスの使用の非同期的視点

図 1 は、プロバイダー・セル上にサービスがあり、そのモジュールを、コンシューマー・セル 1 とコンシューマー・セル 2 が非同期的に使用する環境を示しています。非同期環境でサービスを利用できるようにするには、プロバイダー・セルとコンシューマー・セルの双方がセル間の接続を定義する必要があります。可用性を重視するのであれば、特定のノードに障害が起こっても接続が使用可能のままであり続けるクラスター接続を使用するのがベストです。接続は、各セルまたはクラスターのメッセージング・エンジンの間で行われることに注意します。
図 1. セル間の非同期環境
図はサービス・プロバイダー・セル、コンシューマー・セル 1、およびコンシューマー・セル 2 を示しています。サービス・プロバイダー・セルとコンシューマー・セル 1 との間にサービス統合バスがあり、サービス・プロバイダー・セルとコンシューマー・セル 2 の間に別のサービス統合バスがあります。

サービス・プロバイダー・セルとコンシューマー・セルの間の接続はサービス統合バス・リンクで、この接続は手動で構成できます。構成を完了するには、サービス・プロバイダー・セルは、コンシューマー・セルが使用するサービスとの通信において使用する必要がある IP アドレスとポートを公開する必要があります。

セル間でのサービスの使用の同期的視点

図 2 は、プロバイダー・セル上にサービスがあり、そのモジュールを、コンシューマー・セル 1 とコンシューマー・セル 2 が同期的に使用する環境を示しています。同期環境でサービスを利用できるようにするには、プロバイダー・セルとコンシューマー・セルの双方がセル間の接続を定義する必要があります。可用性を重視するのであれば、特定のノードに障害が起こっても接続が使用可能のままであり続けるクラスター接続を使用するのがベストです。
図 2. セル間の同期環境図はサービス・プロバイダー・セルと、コンシューマー・セル 1 およびコンシューマー・セル 2 と結合されるネーム・スペースを示しています。

サービスへの参照を含む Java™ Naming and Directory Interface (JNDI) ネーム・スペースを公開することで、プロバイダー・セルのサービスが利用可能になります。コンシューマー・セルでは、公開された JNDI ネーム・スペースに結合するネーム・スペースを作成することで、サービスが使用できるようになります。


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