失敗したイベントとは?
WebSphere® Process Server のコンテキストでは、イベントとは WebSphere Process Server アプリケーションが受け取る要求です。外部ソース (インバウンド・アプリケーション・アダプターなど) から、または Web サービスの外部呼び出しから発信される場合があります。イベントは、操作するビジネス・ロジックへの参照とそのデータで構成されており、サービス・データ・オブジェクト (ビジネス・オブジェクト) 内に保管されます。イベントが受信されると、イベントは適切な WebSphere Process Server アプリケーション・ビジネス・ロジックによって処理されます。
実行の単一スレッドは、複数の枝 (またはスレッド) に分岐することができます。個々の枝は、同一のセッション・コンテキストによってメインの呼び出し側イベントにリンクされます。
これらの枝のいずれかのビジネス・ロジックが、システム障害、コンポーネント障害、またはコンポーネント使用不可が原因で完全に実行できない場合、イベントは失敗状態に移行します。複数の枝が失敗した場合、枝ごとに失敗したイベントが作成されます。WebSphere Process Server リカバリー・サブシステムは、以下のタイプの失敗したイベントを処理します。
- Service Component Architecture (SCA) 操作の非同期呼び出し中に発生したイベント障害
- ランタイム例外によって引き起こされたイベント障害 (言い換えると、ビジネス・ロジックが使用するメソッドで宣言されていない例外)
リカバリー・サブシステムは、これらのタイプの失敗したイベントを収集し、Failed Event Manager のインターフェースを使用して管理目的で利用できるようにします。
失敗したイベントには、通常、関連付けられた送信元情報と宛先情報があります。送信元と宛先は、対話のタイプに関係なく、障害ポイント (呼び出しに失敗した場所) を基にしています。
コンポーネント A がコンポーネント B を非同期で呼び出すようになっている以下の例について考えてみます。この場合、要求メッセージは A から B に送信され、応答メッセージは B から A に送信されます。
- 初期要求時に例外が発生する場合、Failed Event Manager の目的においては、コンポーネント A が送信元、コンポーネント B が宛先になります。
- 応答時に例外が発生する場合、Failed Event Manager の目的においては、コンポーネント B が送信元、コンポーネント A が宛先になります。
これは、すべての非同期呼び出しの場合に当てはまります (Failed Event Manager は同期呼び出しからの失敗を処理しません)。
失敗したイベントの管理方法
管理者は、管理コンソールで使用可能な Failed Event Manager を使用して、すべての WebSphere Process Server の失敗したイベントをブラウズおよび管理します。失敗したイベントは、再サブミットすることも、システムから削除することもできます。
失敗イベント管理の共通のタスクには、以下のタスクが含まれます。
- すべての失敗したイベントのブラウズ
- 特定の基準による失敗したイベントの検索
- 失敗したイベントのデータの編集
- 失敗したイベントの再サブミット
- 失敗したイベントの削除
Failed Event Manager にアクセスするには、「統合アプリケーション」>「Failed Event Manager」をクリックします。