WebSphere Business Integration 環境では、エンコードは次の 3 つのレベルで 処理されます。
コンテンツ・データのレベルでは、ビジネス・オブジェクトの実行時インスタンス・データを 処理します。メタおよび構成のレベルでは、外部アプリケーションと WebSphere Business Integration 環境の間の通信を 確立して管理するためにコネクターが使用するデータを処理します。ログおよびトレース・データのレベルでは、さまざまなログ・ファイルおよび トレース・ファイルに記録される通知メッセージを処理します。一部のアダプターは 柔軟なエンコード・サポートを提供しています。例えば、XML コネクターには、完全なエンコード・サポートを提供する XML ファイル・ヘッダーのエンコード仕様を処理する 機能があります。一方、SAP 用コネクターには、SAP クライアント API が提供する 限定されたエンコード・サポートしかありません。コンテンツ・レベルと メタおよび構成データ・レベルでは、コネクターに構成オプションが提供されている場合は、エンコード指定オプションによってロケール設定が 上書きされます。ログおよびトレース・データ・レベルでは、デフォルトの DOS プロンプト・コード・セットを使用して出力データをエンコードします。
コネクター間でコンテンツ・データ・エンコードをサポートするための 一般化されたアプローチはありません。コネクターが コンテンツ・データ・エンコード・サポートを処理するさまざまな手法を扱うために使用できる 基本的なアプローチは 3 つあります。これらのアプローチは次のとおりです。
これらの 3 つのアプローチにより、アダプターによってコンテンツ・データを処理する 手段が提供されます (使用するアダプターに適用できるアプローチについては、アダプター・ガイドを参照してください)。
多くの場合、メタ構成データのエンコード・サポートは、外部アプリケーションへの接続をセットアップするために使用する ミドルウェア・アダプターのコードの機能に依存します。
(アダプター・テンプレートまたはサポートされるビジネス・オブジェクト・テンプレートの 一部として) WebSphere Tools で ASCII でエンコードされたメタおよび構成データは、Unicode で リポジトリーに格納されます。実行時には、このデータをネイティブ Java API またはサード・パーティー API のいずれかの引き数として使用して、外部ソースとの通信リンクを確立します。アダプター・コードで 通信リンクを確立するために使用するミドルウェアは、ネイティブの Java API やパッケージ (Email や WebSphere MQ Connector など) をはじめ、サード・パーティー API (PeopleSoft など) にすることもできます。さらに、ミドルウェアに複数のレイヤーを持たせ、非 Windows システムの File System フォルダー や JText のようにアダプター Java コードを外部ソースから分離できます。File System フォルダーに Windows プロセスからアクセスする場合は、Java API から 出された呼び出しに対するサービスがソフトウェアによって間接的に提供され、ターゲット Windows File System の代わりに 非 Windows 区画をマウントできます。ネイティブ Java API、サード・パーティー API、ミドルウェアのいずれも明示的なエンコード指定をサポートしていることが保証されないため、WebSphere Business Integration 製品は、メタおよび構成双方向データの場合は Unicode エンコードのみを サポートします。
デフォルトでは、ログ・ファイルおよびトレース・ファイルに書き込まれる 双方向データのエンコードは、プロセスを起動する DOS プロンプトの コード・ページと同じです。しかし、アラビア語およびヘブライ語の双方向ロケールに関連したデフォルトの DOS プロンプトの コード・ページは、Windows オペレーティング・システムでのこれらの言語に対する 標準のコード・ページ (1256 および 1255) と 異なります。結果として、WebSphere Business Integration Java プロセスの DOS プロンプト・コード・ページが変更されていない場合は、これらのプロセスによってログ・トレース・ファイルに出力された双方向データは、双方向言語データの表示に標準のコード・ページを使用する ほとんどの Windows ビューアーでは正しく表示されません (詳しくは、「システム・インストール・ガイド (Windows 版)」の 『DOS プロンプト・コード・ページの変更』を 参照してください)。