InterChange Server システムでのマッピングの使用方法

マッピングによって、コラボレーションは 1 つのアプリケーションのビジネス・オブジェクトからデータを取り出し、それを変換して異なるアプリケーションのビジネス・オブジェクトを生成できます。マッピング・プロセスにおいて、コラボレーションはコネクター、アクセス・インターフェース、またはその両方と対話します。

IBM WebSphere InterChange Server システムは、複数のビジネス・オブジェクト間のデータ・マッピングに対して、次の機能を含む広範囲のサポートを提供します。

IBM WebSphere InterChange Server 環境では、通常、マッピングはアプリケーション固有のビジネス・オブジェクトと汎用ビジネス・オブジェクトの間で実行されます。IBM WebSphere InterChange Server システムは、アプリケーション固有のビジネス・オブジェクトを他のアプリケーション固有のビジネス・オブジェクトに直接的にはマップしません。その代わり、汎用オブジェクトが 2 つのアプリケーション・データ・モデルの媒介として動作して、マップされた情報を 1 つのデータ・モデルから (コネクターかサーバー・アクセス・インターフェースのどちらかを経由して) コラボレーションに運びます。次に、マップされた情報をコラボレーションから別のデータ・モデルのコネクターに運びます。

図 36 に、実行時のデータ・マッピングが発生する状態を、仮想の Employee Management コラボレーションを例にして示します。Employee Management コラボレーションがソース・コネクターから従業員ビジネス・オブジェクトを受信すると、従業員ビジネス・オブジェクトを宛先コネクターに送信します。(この例で、コラボレーションはコネクターからビジネス・オブジェクトを受信します。コラボレーションがアクセス・インターフェースからビジネス・オブジェクトを受信する場合、類似のマッピング・プロセスが実行されます。)

図 36. 実行時のデータ・マッピング


図 36 は、次の順序で示されています。

  1. App A コネクター・エージェントが App A Employee ビジネス・オブジェクトを作成し、コネクター・コントローラーに送信します。
  2. コネクター・コントローラーが App A Employee ビジネス・オブジェクトをマッピングのために InterChange Server に渡します。要求には、コネクター構成で指定されたマップ名に基づく、InterChange Server が使用する必要があるデータ・マップの名前が含まれます。
  3. マップが汎用 Employee ビジネス・オブジェクトをコネクター・コントローラーに戻します。
  4. コネクター・コントローラーが、汎用 Employee ビジネス・オブジェクトへのサブスクリプションを持つコラボレーションをチェックします。この例では、コラボレーション 1 がサブスクリプションを持っているので、コネクター・コントローラーはビジネス・オブジェクトをコラボレーション 1 に渡します。
  5. コラボレーションは処理を実行した後、別の汎用 Employee ビジネス・オブジェクトを出力として作成し、コネクター・コントローラーに送信します。
  6. コネクター・コントローラーが汎用ビジネス・オブジェクトを InterChange Server に渡して、App B Employee ビジネス・オブジェクトへのマッピングを要求します。
  7. マップがアプリケーション固有のビジネス・オブジェクトをコネクター・コントローラーに戻します。
  8. コネクター・コントローラーが App B ビジネス・オブジェクトを App B コネクター・エージェントに渡し、App B コネクター・エージェントがビジネス・オブジェクト内のデータを App B に渡します。

以上の例では、2 つのマップを使用しました。1 つはコラボレーションが使用する App A Employee ビジネス・オブジェクトから汎用 Employee ビジネス・オブジェクトへのマップ、もう 1 つは汎用 Employee ビジネス・オブジェクトから App B Employee ビジネス・オブジェクトへのマップです。Employee データは、App A から App B への 1 方向のみに移動しました。

Employee データを 2 つの異なるアプリケーション間で 方向に交換する場合、次の 4 つのマップが必要になります。

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