図 11 は、各アプリケーションとコラボレーションにあるさまざまなタイプのビジネス・オブジェクトを示しています。したがって、IBM WebSphere InterChange Server システムはビジネス・オブジェクトをそれぞれの形式に変換して、イベントやデータをアプリケーションとコラボレーション間でやり取りできるようにする必要があります。あるタイプのビジネス・オブジェクトを別のタイプに変換するプロセスをデータ・マッピングといいます。データ・マッピングは、IBM WebSphere InterChange Server システムがデータをやり取りするソースと宛先の間で同一のデータ・モデルが共有されていない場合には、常に必要です。
1 つのアプリケーションから別のアプリケーションにデータを直接マッピングするカスタム・アプリケーション統合ソリューションとは違って、InterChange Server Collaborations は、一般的に複数のアプリケーション固有のデータ・モデル間に汎用ビジネス・オブジェクトを使用します。
汎用ビジネス・オブジェクトは、共通のクロス・アプリケーション・データ・セットとして機能します。将来アプリケーションを変更する場合には、新規のコネクターを入手して、新規のアプリケーション固有のビジネス・オブジェクトを汎用ビジネス・オブジェクトにマッピングするだけで済みます。これでコラボレーションは以前と同様に動作します。
コラボレーションがビジネス・オブジェクトを異なるアプリケーションに転送するときは、マッピングによってビジネス・オブジェクトを共通のデータ・セットに、およびその逆に変換します。ビジネス・オブジェクトの変換は、次のように実行されます。
例えば、Clarify_BusOrg データと SAP_CustomerMaster データを同期するコラボレーションでは、マッピングは 2 回実行されます。
コネクター・エージェントと InterChange Server 間で渡されるビジネス・オブジェクトのマッピングは、コネクター・コントローラーが管理します。ただし、データ・マッピングを実際に行うには、システムが、マッピング・ツール である Map Designer および Relationship Designer を呼び出します。
これらのツールによって、マッピング仕様の詳細を作成および修正したり、実行時にマッピングを実行したりできます。
コネクター・コントローラーは、マッピングを必要とするビジネス・オブジェクトを受信すると、マッピング機能を呼び出します。図 13 に、コネクター・コントローラーからの マッピングの呼び出しを示します。