コラボレーション・オブジェクトの管理

コラボレーション・オブジェクトの運用には、コラボレーション・オブジェクトの実行、一時停止、停止、シャットダウンなどの作業が含まれます。コラボレーション・オブジェクトの構成方法については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。

コラボレーション・オブジェクトの実行、一時停止、停止、およびシャットダウンは、System Monitor または System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューから行うことができます。

このセクションの内容は次のとおりです。

"コラボレーション・オブジェクトの状態の表示"

コラボレーション・オブジェクトの開始、停止、および一時停止

"コラボレーション・オブジェクト・ランタイム・プロパティーの構成"

コラボレーション・オブジェクトの状態の表示

System Monitor にログオンしてコラボレーション・オブジェクト情報を含むビューを開くか、System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューを使用することによって、コラボレーション・オブジェクトの状態を表示させることができます。System Monitor にログオンするには、System Monitor へのログオン手順の手順に従います。System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューを使用するには、InterChange Server インスタンスへの接続手順の手順に従います。

コラボレーション・オブジェクトの状態は、System Monitor と System Manager のどちらを使用しているかに応じて、表示方法が異なります。

System Monitor を使用する場合のコラボレーション・オブジェクトの表示手順

System Monitor を使用してコラボレーション・オブジェクトの状態を表示するには、以下のステップを実行します。

  1. 「システム概要」ビューが表示されていない場合は、Web ページの左側のペインにある「ビュー」の「システム概要」リンクをクリックします。「システム概要」モニターが Web ページの 本文に表示されます (図 11 を参照)。

    製品をインストールしたときには、デフォルト・ビューは「システム概要」に設定され、そのビューに含まれるデフォルト・モニターは「システム概要」に設定されます。これらのデフォルトは、モニターのニーズに合わせて変更できます。手順については、システムをモニターするビューの設定を参照してください。

  2. サーバーの名前の横にある三角形をクリックし、システムのコンポーネントのリストを表示させます。すべてのコラボレーション・オブジェクトが、その状況、開始時刻、および全稼働時間とともにリスト表示されます (図 26 を参照)。

    図 26. System Monitor、「システム概要」におけるコラボレーション・オブジェクト状況の表示

    図は、コラボレーション・オブジェクトの状況の表示を示しています。この画面には、コンポーネント名、「コラボレーション」や「コネクター」などのコンポーネント・タイプ、「実行中」などのコンポーネントの状況、コネクターの始動時刻、およびコネクターの合計実行時間が表示されます。

注:
「コラボレーション概要」ビューを使用して、コラボレーションの状態を表示することもできます。

System Manager を使用する場合のコラボレーション・オブジェクト状態の表示手順

System Manager を使用してコラボレーション・オブジェクトの状態を表示するには、以下のステップを実行します。

  1. 表示するコラボレーション・オブジェクトを含む InterChange Server インスタンスに接続します。InterChange Server インスタンスへの接続方法については、InterChange Server インスタンスへの接続手順を参照してください。
  2. InterChange Server インスタンスを展開し、コラボレーション・オブジェクト・フォルダーを展開します。

    展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーの下に、さまざまな状態を示すコラボレーション・オブジェクトが異なる色で表示されます (図 27 を参照)。

図 27. System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダー

図は、「InterChange Server コンポーネント管理」画面を示しています。この画面には、「コラボレーション・テンプレート」、「コラボレーション・オブジェクト」、および「ビジネス・オブジェクト」などのすべての InterChange Server インスタンスが、ツリー・ディレクトリー形式で表示されます。

表 15 は System Monitor と、System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで表示可能なコラボレーション・オブジェクトの状態について説明しています。

表 15. コラボレーション・オブジェクトの状態
コラボレーション・オブジェクトの状況 説明
開始 コラボレーション・オブジェクトを開始します。つまり、コラボレーション・オブジェクトはトリガー・ビジネス・オブジェクトにサブスクライブし、そのオブジェクトが到着するとそれを処理します。InterChange Server を停止してから再始動すると、開始状態のコラボレーション・オブジェクトは InterChange Server が再び稼働状態になった時点で自動的に実行を開始します。
一時停止 コラボレーションを一時停止します。これによりコラボレーションは、新しいフロー・イニシエーターを受け取らなくなります。コラボレーションは、すべての現行処理を完了してからアイドル状態に入ります。

コネクターは、そのサブスクリプション情報を保守します。つまり、コネクター・キューにフロー・イニシエーターを送り続けます。これらのイニシエーターは、コラボレーションが再開されたときに処理されます。

コラボレーションの実行を再開するには、System Monitor または System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの 「コラボレーション・オブジェクト」メニューで「開始」をクリックします。

停止 コラボレーションを停止します。これによりビジネス・オブジェクトをアンサブスクライブします。コラボレーションは、すべての現行処理を完了してから非アクティブになります。「停止」コマンドは、「一時停止」コマンドと異なり、コネクターからコラボレーションへのビジネス・オブジェクトの送信を停止します。

フローを絶つことなくコラボレーションを適切に停止するには、まずポーリング状態の関連するコネクターを停止し、すべてのフローを処理できるようにします。その後、コラボレーションを停止してください。

シャットダウン コラボレーションをシャットダウンすると、現行フローの処理がただちに終了します。コラボレーションが再始動されると、シャットダウンによって中断されていたフローが処理され、キューの中で待ち状態にあったフローが回復されて、システムが回復します。この回復はただちに完了せず、システムが完全に回復するまで待つ必要があります。

注:
コラボレーション・グループに属するコラボレーション・オブジェクトを停止またはシャットダウンすると、そのグループ内のすべてのコラボレーションが停止またはシャットダウンします。コラボレーション・グループのいずれかのメンバーを開始できない場合、またはいずれかのメンバーの状態変更に失敗した場合、そのコラボレーション・グループは初期状態までロールバックされます (非アクティブになるか停止する)。

コラボレーション・オブジェクトの開始、停止、および一時停止

コラボレーション・オブジェクトを初めて機能させる場合は、そのコラボレーション・オブジェクトを構成してから開始する必要があります。コラボレーションの構成方法については、"コラボレーション・オブジェクト・ランタイム・プロパティーの構成"を参照してください。使用しているツールに応じて、コラボレーション・オブジェクトを異なる方法で実行、停止、および一時停止します。

System Monitor を使用する場合のコラボレーション・オブジェクトの開始、停止、および一時停止手順

System Monitor を使用してコラボレーション・オブジェクトを開始、停止、および一時停止するには、以下のステップを実行します。

  1. 「システム概要」ビューを表示させた状態で (図 23 を参照)、コラボレーション・オブジェクトの左側にあるボックスにチェックマークを付け、コラボレーション・オブジェクトを選択します。
  2. ビューの左上隅のアイコン・グループから 「開始」、「一時停止」、または「停止」アイコンを選択します (図 24 を参照)。

注:
「コラボレーション概要」ビューを使用して、コラボレーション・オブジェクトを開始、停止、一時停止、およびシャットダウンすることもできます。

System Manager を使用する場合のコラボレーション・オブジェクトの開始、停止、および一時停止手順

System Manager を使用してコラボレーション・オブジェクトを開始、停止、および一時停止するには、以下のステップを実行します。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューのコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで、コラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックします。
  2. 「開始」、「一時停止」、または「停止」を選択します。

コラボレーション・オブジェクト・ランタイム・プロパティーの構成

このセクションでは、実稼働環境で構成可能な コラボレーション・オブジェクト動作の性質についていくつか説明します。次のトピックを取り上げます。

"コラボレーション・オブジェクトの一般プロパティーの設定手順"

"イベント起動並行フローを処理するためのコラボレーション・オブジェクトの構成手順"

コラボレーション・オブジェクトのフロー制御の構成手順

以下の作業の詳細については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。

コラボレーション・オブジェクトの一般プロパティーの設定手順

コラボレーションの「プロパティー」ウィンドウを開き、コラボレーション・オブジェクトの一般プロパティーの値を変更するには、以下のステップを実行します。

  1. System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにある展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで、コラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」を選択します。
  2. 「プロパティー」ダイアログ・ボックスで、「コラボレーションの一般プロパティー」タブを選択します。以下のダイアログ・ボックスが表示されます。

図 28. 「プロパティー」ダイアログ・ボックス、「コラボレーションの一般プロパティー」タブ

図は、コラボレーションの一般プロパティーの表示を示しています。画面の上部には、コラボレーション、コラボレーションの有効トランザクション・レベルと最低トランザクション・レベル、システム・トレース・レベル、およびコラボレーション・トレース・レベルを作成するために使用されるテンプレートが表示されます。画面の下部には、クリティカル・エラーが発生した場合にシステムを一時停止させるかどうか、転送中状態でサービスの呼び出しを持続するかどうか、暗黙的なデータベース・トランザクションを許可するかどうか、ブロッキング・タイプを許可するかどうか、およびアクティブ化で障害が発生した場合にサブスクリプションを維持するかどうかを決定する、チェック・ボックスが配置されています。また、並行イベントの最大数、リカバリー・モードの違い、および最大イベント容量を決定することもできます。

このダイアログ・ボックスには、コラボレーション・オブジェクトの生成元であるテンプレートと、コラボレーション・テンプレートに指定されていた最小トランザクション・レベルが表示されます。

このダイアログ・ボックスでは、以下の設定を行うことができます。

イベント起動並行フローを処理するためのコラボレーション・オブジェクトの構成手順

並行イベントの処理の詳細については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。

ヒント:
コラボレーションでイベントにより起動されたフローを並行処理すると、必要なシステム・リソースが増加します。パフォーマンスを最大にするため、並行イベントを扱うのに使用されるシステム・リソースがアイドル状態にならないようにしてください。例えば、コラボレーション・キューが最大 4 つのイベントを処理するよう設定されているときに、起動された並行イベントの最大数のオプションを 10 に設定しないでください。

コラボレーションの並行フローの最大数を設定するには、以下のステップを実行します。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで、変更するコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」を選択します。「プロパティー」ダイアログ・ボックスが 表示されます (図 28 を参照)。
  2. 「コラボレーションの一般プロパティー」タブで、「並行イベントの最大数」フィールドに値を入力します。
  3. 「OK」をクリックして変更内容を保管し、ウィンドウを閉じます。
  4. 変更内容を有効にするため、コラボレーションを再始動します。

コラボレーション・オブジェクトのフロー制御の構成手順

フロー制御は、コネクターおよびコラボレーション・オブジェクト・キューのフローを管理できる 構成可能なサービスです。フロー制御を構成するためのパラメーターは、システム全体、個々のコンポーネント、またはこれら両方について 構成できます。両方を構成した場合は、個々のコンポーネント構成がシステム全体の構成より優先されます。システム全体のフロー制御を構成する手順については、システム全体のフロー制御の構成手順を参照してください。このセクションでは、コラボレーション・オブジェクトの フロー制御を構成する方法について説明します。

注:
個々のコネクターまたはコラボレーション・オブジェクトの構成変更は 動的であり、InterChange Server をリブートする必要はありません。フロー制御用のシステム全体の構成変更を行った場合は、InterChange Server をリブートする必要があります。

システムにおけるフロー制御の作動状況をモニターするには、フロー制御モニターおよび System Monitor の一部として提供されるビューを表示させるか、System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューでコラボレーション・オブジェクトまたはコネクターの統計を表示させます。フロー制御モニター、および System Monitor のビューの使用方法については、デフォルト・モニターの検討手順およびデフォルト・ビューの使用手順を参照してください。 System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューからフロー制御を表示する方法については、コラボレーション・オブジェクト統計または コネクター 統計を参照してください。

コラボレーション・オブジェクトのフロー制御を構成するには、以下のステップを実行します。

  1. System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにある展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで、フロー制御を作成するコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、ドロップダウン・メニューから「プロパティー」を選択します。「プロパティー」ダイアログ・ボックスが 表示されます (図 28 を参照)。
  2. 「コラボレーションの一般プロパティー」タブで「最大イベント容量」フィールドの値を編集し、コラボレーション・オブジェクトについてキューに入れるイベントの最大数を指定します。このプロパティーの有効な値の範囲は 1 から 2147483647 です。
  3. 「OK」をクリックします。プロパティーはただちに変更されます。

長期存続ビジネス・プロセスのタイムアウト属性の再構成手順

長期存続ビジネス・プロセスにより、コラボレーション・オブジェクトを 長期存続ビジネス・プロセスとして展開できます。コラボレーション・オブジェクトが長期存続ビジネス・プロセスで 構成されている場合は、サービス呼び出しタイムアウト値を 実行時に再構成できます。長期存続ビジネス・プロセスを持つ コラボレーション・オブジェクトの開発については、「コラボレーション開発ガイド」を参照してください。

長期存続ビジネス・プロセスを持つコラボレーションの サービス呼び出しタイムアウト値を再構成するには、以下のステップを実行します。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで、サービス呼び出しタイムアウト値を編集するコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」をクリックします。「プロパティー」ダイアログ・ボックスが表示されます。
  2. 「プロパティー」タブで、変更するサービス呼び出しタイムアウト値を表すプロパティーを探し、値フィールドをクリックします。プロパティーが強調表示されたら、値を編集できます。
    注:
    サービス呼び出しタイムアウト構成プロパティーの名前は 「CreateTimeout」や「RetreiveTimeout」などになっていますが、このプロパティーの命名規則は決められていないため、サービス呼び出しタイムアウト構成プロパティーの名前がすぐにわからない場合は、コラボレーションの開発者に問い合わせてください。
  3. 値を編集し、許可するタイムアウトを分単位で指定します。
    注:
    「値」フィールドには 0 より大きい整数を設定します。このフィールドが 0 またはブランクの場合は、待ち時間は無制限となります。数値以外の値を含む場合は、コラボレーション・ランタイム例外が出されます。
  4. 「OK」をクリックします。変更内容はただちに有効になります。InterChange Server を再始動する必要はありません。

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