データベース・サーバーのインストールおよび構成

InterChange Server にはデータベースが必要であり、データベース・アクティビティー の分割方法によっては複数のデータベースを使用できます。

このセクションには、以下の構成情報が含まれます。

注:
本書では、データベース名の参照とは UNIX 環境の SID (セグメント ID) 名を意味します。

DB2 Database Server のインストールおよび構成

このセクションでは、InterChange Server とともに使用する IBM DB2 のインストール および構成について説明します。

要確認:
InterChange Server と同じマシン上に DB2 Server がインストールされていない場合は、DB2 クライアントをインストールする必要があります。

プリインストール手順

このセクションでは、DB2 Server のプリインストール作業について説明します。 ここに示す手順は、DB2 の設定方法として推奨されるものです。 これらのプリインストール・ステップの実行手順の詳細については、DB2 資料を参照してください。

注:
必須のグループ名やユーザー名はありませんが、IBM では、ユーザー・グループおよびユーザーには以下の名前を推奨します。DB2 のデータベース名は 8 文字までという制限があります。

DB2 Server をインストールする前に、以下の作業を行う必要があります。

  1. 次の DB2 ユーザー・グループを作成します。
  2. 以下の DB2 ユーザーを作成して、各ユーザーを以下に示す適切なグループに割り当てます。

インストール情報

本書には DB2 Server のインストール手順の説明はありません。DB2 インストール・プロセスの詳細 については、DB2 製品資料を参照してください。

注:

  1. DB2 ストアード・プロシージャーを作成するには、DB2 にサポートされている C または C++ コンパイラーが必要です。このコンパイラーは、DB2 製品には付属せず、別途入手する必要があります。ストアード・プロシージャーの詳細については、DB2 資料を参照してください。

  2. DB2 をデータベースとして使用する場合 、InterChange Server では、プラットフォームによって、表 5表 6表 7、 または 表 8 に リストされた db2java.zip ファイルのバージョンが必要です。このドライバーは、 InterChange Server を実行するサーバー上に置く必要があります。インストール中に DB2 をデータベースとして選択すると、InterChange Server インストール GUI において、 このファイルのロケーションを聞かれます。

インストール時に、管理インスタンスとデータベース・インスタンスが作成されます。管理インスタンスは透過性があるので、この管理インスタンスによってデータベース・インスタンスのリモート管理を行うことができます。

DB2 Server をインストールしたら、以下の手順を実行します。

  1. db2i81 ユーザーと admin ユーザーに対して db2profile スクリプトを実行し、表 15 に示す環境変数を設定します。

    注:

    1. db2profile スクリプトは、データベース・インスタンス所有者 の sqllib ディレクトリーに入っています (例: /db2i81_home_dir/db2i81/sqllib)。ここで、db2i81_home_dir は、db2i81 ユーザーのホーム・ディレクトリーのパスです。

    2. System Monitor を始動する前に、db2profile スクリプトを実行することが重要です。


    表 15.
    DB2 ユーザーの環境変数
    環境変数 説明
    DB2INSTANCE データベース・インスタンス名。
    PATH 以下のパスが含まれます。
    • /db2i81_home_dir/ DB2_instance_name/sqllib/bin
    • /db2i81_home_dir/DB2_instance_name/sqllib/adm
    • /db2i81_home_dir/DB2_instance_name/sqllib/misc
    • /db2i81_home_dir/DB2_instance_name/sqllib/java12
    • システムの既存の PATH 環境変数 ($PATH) に指定されたその他のパス
    CLASSPATH 以下のパスが含まれます。
    • /db2i81_home_dir/DB2_instance_name/sqllib/function
    • /db2i81_home_dir/DB2_instance_name/java/db2java.zip
    • /db2i81_home_dir/DB2_instance_name/sqllib/ java/runtime.zip
    • システムの既存の CLASSPATH 環境変数 ($CLASSPATH) に指定されたその他のパス
    LIBPATH (AIX)


    LD_LIBRARY_PATH (Solaris)


    SHLIB_PATH (HP-UX) LIBPATH または LD_LIBRARY_PATH (Linux)

    次の DB2 ライブラリーのパスが含まれます。
    • /db2i81_home_dir/DB2_instance_name/sqllib/lib
    • /db2i81_home_dir/DB2_instance_name/sqllib/lib/libdb2jdbc.so

    システムの既存の LIBPATH 環境変数、LD_LIBRARY_PATH 環境変数、または SHLIB_PATH 環境変数に指定されたその他のパス

  2. env コマンドを実行し、表 15 に示す環境変数が各ユーザーごとに設定されていることを確認してください。
    注:
    DB2INSTANCE 変数が正しい値に設定されていることを確認 してください。InterChange Server がインストールされているコンピューターに DB2 クライアントが インストールされているが、DB2INSTANCE 変数が設定されていない、または 正しい値に設定されていない場合、InterChange Server を始動できません。InterChange Server が DB2 をデータベース・プラットフォームとして使用しない場合も、このようになります。 例えば、Oracle をデータベースとして使用するが、DB2INSTANCE 変数を適切に設定せずに DB2 クライアントをインストールしている場合は、 InterChange Server を始動できません。
  3. usejdbc2 スクリプト (/sqllib/java12 にあります) を実行して、それぞれのパスに適切な DB2 用のドライバーを付加します。
    注:
    このスクリプトはユーザーごとに、ユーザーがログインするたびに実行する必要があります。このスクリプトを WebSphere Business Integration 管理者アカウントの個人プロファイル・ファイル (.profile など) に追加すると、ログイン時にスクリプトを自動的に実行できます。
  4. ユーザー・プロファイル・ファイル (.profile など) に次の行を追加します。
    EXTSHM=ON; export EXTSHM
     
  5. DB2 ユーザーとしてログインして、次のコマンドを出します。
    db2set DB2ENVLIST=EXTSHM
     
  6. DB2 を再始動します。
  7. 使用パスに、Java ランタイム環境 (JRE) バージョン 1.4.2 がインストールおよび設定されていることを確認します。 これがインストールされていないと、DB2 ツールにアクセスできません。
  8. DB2 クライアント・ライブラリーが機能していることを確認します。確認方法については、DB2 製品資料を参照してください。クライアント・ライブラリーが機能していない場合は、DB2 接続を確立することは不可能です。

DB2 の構成

このセクションには、DB2 を構成するための情報が含まれます。

システム・コンソール以外の装置で DB2 を構成している場合は、DISPLAY 環境変数を設定する必要があります。この変数は、作業中のウィンドウを表示するマシンの IP アドレスを示します。 以下の行では、DISPLAY 環境変数は Bourne シェルから IP_Address に設定されています。

DISPLAY=IP_Address:0.0
 export DISPLAY
 

DISPLAY 環境変数を設定するためには、ご使用のシェルに適した構文を使用してください。

注:
ご使用の Windows コンピューターで、X Window クライアント・エミュレーション・ ソフトウェア (Reflection X、Hummingbird Exceed など) を実行する必要があります。UNIX コンピューターの DISPLAY 環境変数を Windows クライアント・コンピューター の IP アドレスに設定する必要があります。

コントロール・センターのオープン

コントロール・センターとは、データベース管理のための DB2 メイン・グラフィック・ツールです。コントロール・センターには、管理されているすべてのシステムおよびデータベース・オブジェクトの概要も表示されます。 コントロール・センターを使用して、特定の IBM WebSphere InterChange Server 環境 に対応した DB2 を構成します。

コントロール・センターにアクセスするには、以下の手順を実行します。

  1. データベース・インスタンス所有者としてログオンします。
  2. db2cc コマンドを実行してコントロール・センターを開きます。
    注:
    db2cc を実行するには、X Windows サーバー・ソフトウェアがインストールされている必要があります。

データベースの作成

このセクションでは、InterChange Server 環境で使用するリポジトリー・データベースを作成する方法について説明します。

要確認:
国際化に対応した環境で InterChange Server を使用する場合は、DB2 環境変数を以下のように設定します。
db2codepage = 1208
 
  1. コントロール・センターの左側にある DB2_instance_name フォルダーを右クリックして、「起動」を選択します。

    「起動」画面が表示されます。

  2. DB2 インストール・プロセスで作成したデータベース・インスタンスのユーザー ID およびパスワードを入力します。「OK」をクリックします。
  3. DB2_instance_name」フォルダーを展開し、「Databases」フォルダーを右クリックして「作成」->「Database Using Wizard」を選択します。

    「Create Database Wizard」画面が表示されます。

  4. 新規データベースの名前と別名を入力します。例えば、その両方に icsrepos を入力します。
    注:
    必須の名前はありませんが、推奨する名前は icsrepos です。DB2 のデータベース名は 8 文字までという制限があります。
  5. 「Finish」をクリックします。

    新規データベースの作成中であることを示す「Progress」画面が表示されます。

    注:
    新規データベースは、データベース作成プロセスの間に自動的にカタログされます。

データベース・インスタンスの構成

このセクションでは、InterChange Server 環境のデータベース・インスタンスを構成する方法について説明します。

  1. コントロール・センターの左側にある DB2_instance_name フォルダーを右クリックして、「構成」を選択します。

    「Configure Instance」画面が表示されます。

  2. 「Applications」タブを選択し、maxagents パラメーターまでスクロールして、「Maximum number of agents」フィールドに 50 以上を入力します。「OK」をクリックします。

リポジトリー・データベースの構成

このセクションでは、InterChange Server 環境で使用するリポジトリー・データベースを構成する方法について説明します。

  1. コントロール・センターの左側にある「Instances」、「DB2 instance」、および「Databases」フォルダーを展開し、database_name (例えば icsrepos) を右クリックして「構成」を選択します。

    「Configure Database」画面が表示されます。

  2. 「Performance」タブを選択し、applheapsz パラメーターまでスクロールダウンして、「Application heap size」フィールドに 4096 を入力します。
  3. 「Applications」タブを選択し、maxappls パラメーターまでスクロールダウンして、「Maximum number of active applications」フィールドに 50 以上を入力します。「OK」をクリックします。
  4. コントロール・センターを閉じます。
  5. コマンド行で次のコマンドを入力して、次のキーロック機構を使用不可にします。
    db2set DB2_RR_TO_RS=yes
     
  6. 変更した構成パラメーターを有効にするため、データベースを再始動してください。このためには、コマンド行で以下のコマンドを入力します。

クライアント/サーバー接続のテスト

クライアントとサーバーの間で DB2 接続が確立されていることをテストするには、次のコマンドを実行します。

db2 connect to database_name user logon
 

続いて password を入力します。

データベース権限の追加

権限は、ユーザーまたはグループがデータベース接続、表作成、システム管理などの一般的な操作を行うことを許可します。

データベース・マネージャーは、ユーザーが各データベース機能を使用するにあたって、個々の機能の権限を要求します。したがって、表を作成するにはユーザーが表作成を許可されている必要があり、表を変更するにはユーザーがその表の変更を許可されている必要があります。

このセクションでは、特定のユーザーにデータベース権限を追加する方法について説明します。

  1. db2cc コマンドを実行してコントロール・センターを開きます。
  2. コントロール・センターの左側にある「Instances」、「DB2 instance」、および「Databases」フォルダーを展開し、database_name (例えば icsrepos) を右クリックして「Authorities」を選択します。

    「Database Authorities」画面が表示されます。

  3. 「Add User」ボタンをクリックし、IBM WebSphere Business Integration 管理者アカウントの作成で作成した WebSphere Business Integration 管理者アカウントの名前を選択します。推奨される名前は admin です。
  4. 「すべての権限を付与」ボタンをクリックして、選択したユーザーにすべての権限を付与します。
  5. 「適用」をクリックして「OK」をクリックします。

システムのカタログ

データベースを作成および構成したら、サーバーのインストール先システムとインストール・プロセス時に作成したデータベース・インスタンスをカタログして、ご使用の DB2 環境に追加する必要があります。

  1. コントロール・センターの左側にある「システム」フォルダーを右クリックして、「システムの追加」を選択します。
  2. 次のコマンドを出します。
    db2 catalog tcpip node catalog_name_of_the_node remote host_name server
     service_name
      
     db2 catalog database_name as alias_name_of_database at node
     catalog_name_of_the_node
      
     db2 set DB2_RR_TO_RS=yes
     

注:
AIX インストールのみの場合。 オペレーティング・システムに AIX を使用している場合は、追加の手順を実行する必要があります。DB2 はローカル通信の際に共用メモリー・セグメントを使用し、AIX には共用メモリーに関して若干の制約があるので、1 つの DB2 クライアント・アプリケーションからの 10 回を超える同時データベース接続を処理しようとすると、DB2 接続でエラーが発生します。

解決策は、デフォルトの共用メモリー・セグメントではなく、TCP/IP に送付されるようにローカル接続を構成する方法です。ループバック・ノードとデータベースを定義する場合は、トランスポート・プロトコルとして TCP/IP を使用することにより、ICS からループバック・ノードとループバック・データベースに問題なく接続できます。

ループバック・ノードとデータベースを追加するには、次のコマンドを使用します。

db2 catalog tcpip node LOOPBACK remote localhost server 50000
 

ノードをカタログした後は、次のコマンドを使用してデータベースをカタログできます。

db2 catalog database icsrepos as icsdb at node LOOPBACK
 

これで、TCP を使用するリモート接続により、icsdb として icsrepos にアクセスできるようになります。InterchangeSystem.cfg ファイルでは、icsdb をデータベース名として使用してください。

Oracle Database Server のインストールおよび構成

本書には Oracle Server のインストール手順の説明はありません。Oracle インストール・ プロセスの詳細については、以下のリストの中からご使用のバージョンの Oracle 資料を 参照してください。

要確認:
これらの資料は、Oracle のインストールに関する問題を解決するのに大変役立ちます。これらの資料をご覧になることを強くお勧めします。

このセクションでは、Oracle Server のインストールおよび構成に関する以下の内容について説明します。

注:
このセクションでは、Oracle Server のインストールに関する推奨事項と、InterChange Server ソフトウェアとともに使用するための構成要件について説明します。ここに示す手順は、Oracle の設定方法の 1 つです。詳細については Oracle 資料を参照してください。

プリインストール手順

このセクションでは、Oracle Server のプリインストール作業について説明します。

Oracle Server をインストールする前に、以下の作業を行う必要があります。

  1. Oracle 管理者アカウントに属する固有のオペレーティング・システム・ユーザーを作成します。

    通常、この管理者アカウントは oracle と呼ばれます。 Oracle ソフトウェアをインストールするのは、oracle ユーザーです。

  2. Oracle 管理者用に固有のオペレーティング・システム・グループを作成します。

    通常、この管理グループは dba と呼ばれます。 一般に dba グループのメンバーになるには、Oracle 管理者アカウント (oracle) が必要です。

    注:
    WebSphere Business Integration 管理者 (デフォルトでは admin) がデータベースを管理するためには、dba グループのメンバーになる必要もあります。 WebSphere Business Integration 管理者 (デフォルトでは admin) を dba グループに追加することは、必須ではありません。ただし、IBM では、WebSphere Business Integration 管理者による Oracle Server の管理を可能にするために、この管理者を追加することをお勧めします。
  3. 表 16 に示す Oracle 管理者アカウント用の Oracle 環境変数を設定します。


    表 16.
    Oracle 管理者アカウント用の環境変数
    環境変数 説明
    ORACLE_BASE Oracle 管理者アカウントのホーム・ディレクトリーへのパス。推奨値は /home_dir です。ここで、home_dir は Oracle 管理者ユーザー・アカウントのパスです。
    ORACLE_HOME Oracle Server のインストール先ディレクトリーへのパス。
    ORACLE_SID InterChange Server データベース・インスタンスの名前を設定します (デフォルトでは cwld です)。

    任意の名前を選択できます。ただし、プラットフォームによってはファイル名の長さに制限があるため、4 文字以内で名前 (英数字) を指定してください。

    ORACLE_TERM vt100 に設定します。
    PATH 以下のパスが含まれます。
    • $ORACLE_HOME/bin
    • システムの既存の PATH 環境変数 ($PATH) に指定されたその他のパス

    使用するシステムによっては、追加のパスが必要な場合があります。重複するパスが存在しないことを確認してください。

    CLASSPATH パスとして $ORACLE_HOME/jlib を含めます。使用するシステムによっては、追加のパスが必要な場合があります。
    LIBPATH (AIX)


    LD_LIBRARY_PATH (Solaris)


    SHLIB_PATH (HP-UX) LIBPATH または LD_LIBRARY_PATH (Linux)

    Oracle ライブラリーのパス $ORACLE_HOME/lib を含みます。使用するシステムによっては、追加のパスが必要な場合があります。
    TMPDIR 一時 Oracle ディレクトリーのパスに設定します。例: /tmp/oracle

    これらの環境変数は、通常は Oracle 管理者アカウントのこのプロファイルに含まれます。プロファイルに応じた適切な構文を使用してください。例えば、デフォルトのシェル sh は、次の構文を使用して ORACLE_BASE 環境変数を設定します。

    ORACLE_BASE=/home_dir/oracle
     export ORACLE_BASE
     
  4. Oracle 管理者アカウントにパスワードを割り当てます。

    ご使用のサイトの Oracle データベース管理者には、必ずこのパスワードを通知してください。

Oracle Server のインストールにおける推奨事項

注:
Oracle Server をインストールするときには、設計に関する判断を下すために、Oracle Server の詳細な知識が必要になることがあります。Oracle Server の最適な構成を実現するために、IBM では、Oracle データベース管理者と調整してインストールの以下の部分を実行することをお勧めします。

以下に示すインストールの推奨事項は Oracle Server をインストールして InterChange Server とともに動作させるために役立ちます。 使用する環境によっては、要件が異なることもあります。

一般的なデータベースの特性

InterChange Server システムには、データベース・サーバーに関する一定の要件があります。このセクションでは、InterChange Server とともに使用するための Oracle データベース・インスタンスの設定方法を説明します。

データベース表の構成: InterChange Server データベースには、表グループが 4 つ含まれます。

ロード・バランシングの目的から、オプションとして、これら 4 つの表グループに対してデータベースを 1 つずつ構成することができます。ただし、この場合、4 つのすべての表カテゴリーを単一の InterChange Server データベース内に構成する方法をお勧めします。インストーラーではデフォルトでこの方法が使用されます。「InterChange Server 構成」画面では、別のデータベースを指定することができます。

注:
この章の以降の説明の中で InterChange Server データベースについて述べる場合はすべて、 イベント管理、トランザクション、リポジトリー、およびフロー・モニターの各表が 1 つのデータベースに 組み込まれていることを前提とします。4 つのデータベースを別々に構成する方法については、InterChange Server データベースのセットアップを参照してください。

一般的なリポジトリー・データベースの特性: InterChange Server データベース (InterChange Server リポジトリー・データベース とも呼ばれる) には、次の特性が必要です。

ユーザー接続: InterChange Server は最低でも 15 のユーザー接続を必要とします。この数字は構成可能です。詳しくは、データベース接続のセットアップを参照してください。

DBMS アクセス・アカウント: InterChange Server は、(1 つまたは複数の Oracle データベースとして保管されている) データベースにログインするために、特別なアカウントを必要とします。データベース管理者は、更新、作成および削除の特権を持つ ICS データベース・ユーザー・アカウントを作成する必要があります。このアカウントは、表、索引、同義語、ストアード・プロシージャー、および制約へのアクセスを許可されており、必要に応じて表スペースを追加する権限も持っています。

マッピングにおける一般的なリレーションシップ・データベースの特性: 一部の マッピング・インプリメンテーションでは、関係表を使用する必要があります。 デフォルトでは、関係表は InterChange Server リポジトリーに含まれます。 オプションで、関係表に対して 1 つまたは複数の分離したリレーションシップ・データベースを作成することができます。その場合は次の点に注意してください。

Oracle Server の構成

インストールが正常に終了したら、$ORACLE_HOME ディレクトリーに Oracle Server がインストールされています。通常、 デフォルトの場所は /var/opt/oracle です。

注:
このセクションでは、Oracle Server が InterChange Server システムとともに動作するための構成ステップの概要を示します。ただし、Oracle Server をインストールするときには、設計に関する判断を下すために、Oracle Server の詳細な知識が必要になることがあります。Oracle Server の最適な構成を実現するために、Oracle データベース管理者が以下の構成ステップを実行することをお勧めします。

このセクションでは、Oracle Server の構成について説明します。

構成の準備: Oracle 管理者アカウント (通常 oracle と呼ばれる) は、InterChange Server ソフトウェアをサポートするように Oracle Server を構成する必要があります。 このような構成を準備するには、以下の手順を実行します。

  1. Oracle 管理者としてログインします。

    UNIX システム管理者 (またはデータベース管理者) は、Oracle Server のインストールの一部としてこの管理者アカウントを作成しています ("Oracle Server のインストールにおける推奨事項"を参照)。したがって、このアカウントはすでに使用環境を初期化するプロファイル・ファイルを有しているはずです。Oracle 管理者アカウントのパスワードが手元にない場合は、UNIX システム管理者に連絡してください。

  2. 使用する環境に、Oracle 環境変数の適切な設定が含まれることを確認します。

    表 16 は、Oracle Server で使用する主な環境変数を示しています。使用するサイトと Oracle 管理者に問い合わせて、使用可能な追加の環境変数を探します。環境変数の設定を表示するには、env コマンドを使用します。

    要確認:
    これらの環境変数のいずれかが正しく設定されていない 場合は、UNIX システム管理者に、oracle ユーザー・アカウントのプロファイルに修正が必要な箇所があることを伝えます。(表 16 に示す) 環境変数が正しくない場合は、構成を進めないで ください。

新規データベースの作成-- InterChange Server がリポジトリー、 イベント管理、トランザクション、およびフロー・モニター用に使用するデータベースを作成 する必要があります。 デフォルトでは、データベース表のこれら 4 つのカテゴリーは単一の InterChange Server データベース内に存在します。これらの表カテゴリーを別々のデータベースに構成する方法については、InterChange Server データベースのセットアップを参照してください。

要確認:
国際化に対応した環境で InterChange Server を使用する場合は、NLS_LANG 環境変数を NLS_LANG = language_territory.UTF-8 に設定します。

ここで、language はご使用のロケールの言語名であり、territory はご使用のロケールの地域名です。例えば、US ロケールの場合、NLS_LANG の設定値は NLS_LANG = AMERICAN_AMERICA.UTF-8 になります。

InterChange Server データベースを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 以下の特性を持つ Oracle データベースを作成します。
  2. InterChange Server データベース上で、次の Oracle スクリプトを実行します。

    通常、これらのスクリプトは、$ORACLE_HOME/rdbms/admin ディレクトリーに入っています。

  3. 次の Oracle システム・ファイルに新しいデータベース SID のエントリーを追加します。

    通常、これらのファイルは、$ORACLE_HOME/network/admin ディレクトリーに入っています。

  4. IBM では、データベース・インスタンスの初期設定パラメーターを以下のように設定することをお勧めします。
    open_cursors=1200
     sequence_cache_hash_buckets=89
     sequence_cache_entries=100
     db_file_multiblock_read_count=32
     processes=300
     

表スペースとロールバック・セグメントの作成: 新しい InterChange Server データベースでは、次のデータベース・オブジェクトを追加する必要があります。

注:
このセクションでは、変数 dbname は InterChange Server データベース の名前を表します (このガイドで推奨する名前は cwld です)。dbname データベース名は、ORACLE_SID 環境変数によって表される値でなければなりません。

表スペースおよびロールバック・セグメントを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. InterChange Server リポジトリー用に、以下の特性を持つ表スペースを作成します。
  2. データベース・ロールバック・セグメント用に以下の特性を持つ表スペースを作成します。
  3. データベースの一時ソート・スペース用に以下の特性を持つ表スペースを作成します。

DBMS アクセス・アカウントの作成: InterChange Server ソフトウェアは、リポジトリーへのログインを許可するために、特別な DBMS アクセス・アカウントを必要とします。

このデータベース・アカウントは作成時に、挿入、更新、作成、および削除の特権を与えられており、表、索引、同義語、ストアード・プロシージャー、および制約へのアクセスを許可されて、さらに必要に応じて表スペースを追加する権限も持っています。

次の特性を持つ DBMS アクセス・アカウントを作成します。

データベース作成の検証: データベースを作成したら、クライアントとサーバー間の Oracle 接続が正常に機能していることを検証します。

注:
この手順では、変数 dbname は InterChange Server データベースの 名前を表します (デフォルトでは cwld)。

クライアントとサーバーの間の Oracle 接続を検査するには、以下の手順を実行します。

  1. データベースを始動して、動的パフォーマンス・ビューを使用してデータベースを検査します。
  2. /etc/services システム・ファイル内に Oracle Net8 Listener のエントリーがあることを確認します。

    通常、リスナーのデフォルト・ポート番号は 1521 です。 したがって、 /etc/services のエントリーは、次の行のようになります。

    listener    1521/tcp    # Oracle Net8 Listener
     

    このファイルにリスナーの行が存在しない場合は、UNIX システム管理者に連絡してこの行を追加してください。

  3. tnsping コマンドを実行して、Oracle インスタンスが現行マシンに対して解決されることを確認します。
  4. Oracle サーバー・プロセスがオペレーティング・システム・レベルで稼働していることを確認します。

    Oracle プロセスには、ora_pmon_dbnameora_dbw0_dbnameora_lgwr_dbname、および ora_ckpt_dbname が含まれます。次のコマンドは、Oracle サーバー・プロセスをリストする方法の 1 つです。

    ps -ef | grep ora_*
     
  5. Oracle Net8 Listener がオペレーティング・システム・レベルで稼働していることを確認します。

    次のコマンドは、リスナーが稼働しているかどうかを判断する方法の 1 つです。

    ps -ef | grep LISTENER
     

    このコマンドの次のプロセスに対する出力を確認します。

    tnslsnr LISTENER -inherit
     
  6. SQL コマンド行プロセッサーを使用して、新しいデータベースに接続します。

    SQL コマンド行プロセッサーを実行する際には、通常は次の形式を使用します。

    sqlplus username/password@dbdbname
     

    ここで、usernamepassword は DBMS アクセス・ アカウントの名前とパスワードです。デフォルトの DBMS アクセス・アカウントと Oracle サーバー ID を使用すると、次の行が表示されます。

    sqlplus wicsadmin/admin@dbcwld
     

    このプログラムが接続可能である場合、データベース・サーバーは起動されて実行中であり、データベースは使用可能です。

Copyright IBM Corp. 1997, 2004