既存の ICS システムの準備

InterChange Server システムのアップグレードには、次の手順が必要です。

InterChange Server システムのバックアップ

InterChange Server システムのバックアップを作成すると、新規バージョンのインストール時に不注意でファイルを上書きしても、そのファイルを回復できます。アップグレード手順を実行する前に、静的データと動的データ (アップグレードにかかわらず定期的にバックアップされる変更可能データ) の両方のバックアップを作成します。静的データおよび動的データの例については、表 31 を参照してください。

システムのバックアップを作成するには、以下の手順を行います。

表 31 に、各 ICS コンポーネントのバックアップ方法の概要を示します。

表 31. InterChange Server データのバックアップ方法
データのタイプ バックアップ方法
静的データ

リポジトリー
repos_copy ユーティリティーを使用し、カスタマイズした InterChange Server コンポーネントの一部またはすべてを保管します。 詳細については、「システム管理ガイド」に 記載されている InterChange Server コンポーネントのバックアップ方法を参照してください。

カスタムのコラボレーション Java クラス・ファイル (.class)、およびメッセージ・ファイル (.msg) ProductDir ディレクトリーの collaborations サブディレクトリーをシステム・バックアップに組み込みます。
ProductDir/collaborations 
 

カスタムのマップ Java クラス・ファイル (.class) これらのファイルをシステム・バックアップに組み込むため、システム・バックアップに下記のディレクトリーがあることを確認してください。
ProductDir/DLMs 
 

カスタムのコネクター システム・バックアップにディレクトリー ProductDir/connectors/connector_name を含めます。ここで、「connector_name」はカスタム・コネクターの名前です。

カスタマイズされた始動スクリプト 始動スクリプトをカスタマイズしてある場合は、これらがシステム・バックアップに組み込まれていることを確認してください。

ICS 構成ファイル (InterchangeSystem.cfg) ProductDir ディレクトリーにある ICS 構成ファイルをシステム・バックアップに組み込みます。
動的データ

相互参照表、失敗したイベントの表、および関係表 データベースにはデータベース・バックアップ・ユーティリティーを使用します。詳細については、「システム管理ガイド」に 記載されている InterChange Server コンポーネントのバックアップ方法を参照してください。

コネクター・イベント・アーカイブ表 これらの表を含むデータベースには、データベース・バックアップ・ユーティリティーを使用します。

ログ・ファイル 下記のディレクトリーをシステム・バックアップに組み込みます。
ProductDir/logs
 

システムを静止状態にする方法

InterChange Server システムをバージョン 4.3 にアップグレードするには、その前にシステムが静止状態であることを確認する必要があります。つまり、環境をバックアップしてアップグレード手順を実行する前に、進行中のイベントをすべて完了し、未確定のトランザクションをすべて解決します。

以下の手順は、InterChange Server システムを静止状態にする方法について説明します。

  1. 失敗したイベントを再実行依頼するか、そのイベントを破棄します (このステップはオプションです)。4.3 リリースの拡張された失敗イベント管理 API により、失敗したイベントをアップグレードし、システムのアップグレード後にそれらを処理することができます。
  2. すべてのアダプターについてイベント表のポーリングを停止するため、アダプターの PollFrequency プロパティーを No に設定して アダプターを再始動します。
  3. 進行中のイベントを含め、システムですべてのイベントを実行します。必ず未確定トランザクションをすべて解決してください。
  4. コラボレーションを停止します。これによって、アップグレード時に InterChange Server で稼働するイベントはなくなります。
  5. キューから以前のイベントをすべて除去することにより、キューをクリアします。
    注:
    手順 5 は、失敗したイベントを処理せずにアプリケーションから 再実行依頼する場合のみ行ってください。それ以外の場合、キューは空になっているはずですが、念のため再確認してください。失敗したイベントのアップグレードを選択する場合に、WebSphere MQ トランスポートを使用しているときは、キューを消去しないでください。代わりに、キューのバックアップを作成し、アップグレード後に復元します。詳細については、WebSphere MQ の資料を参照してください。

実行中のシステムを正常に停止する方法については、「システム管理ガイド」を参照してください。

システムのシャットダウン

バックアップが完了したら、次の手順で InterChange Server システムをシャットダウンできます。

  1. InterChange Server とその関連コンポーネントをシャットダウンします。
  2. データベース・サーバーをシャットダウンします。
  3. オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) をシャットダウンします。バージョン 4.2.2 からアップグレードする場合、ORB は IBM Java ORB です。 4.2.2 より前のバージョンからアップグレードする場合、ORB は VisiBroker バージョンです。
  4. WebSphere MQ をシャットダウンします。
    注:
    InterChange Server のバージョン 4.1.1 では、WebSphere MQ 製品は IBM MQSeries と呼ばれていました。

システムのシャットダウンの詳細については、「システム管理ガイド」を参照してください。

Windows サービスのアンインストール

接続先の Windows マシンでサービスとして稼働している InterChange Server コンポーネントがある場合は、先に これらのサービスをアンインストールしてから、Windows マシンの WebSphere Business Integration Tools のアップグレードを実行してください。新規リリースは別の場所に置かれるため、既存のサービス定義は誤りになります。アップグレードが完了したら、InterChange Server コンポーネントを サービスとして構成する手順について、「システム・インストール・ガイド (Windows 版) 」を参照してください。

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