InterChange Server の管理

InterChange Server の管理には、システムの始動と停止、および始動パラメーターとデータベースのパスワードを管理することが関係しています。このセクションでは、以下のトピックについて説明します。

InterChange Server の始動手順

"InterChange Server のシャットダウン手順"

"InterChange Server およびデータベース・パスワードの変更"

InterChange Server の始動手順

InterChange Server を始動するには、以下のステップを実行します。
UNIX

ics_manager -start スクリプトを実行します。

注:
ICS パスワードを変更した場合は、-start -uloginName -ppassword というスクリプトを使用する必要があります。
Windows

「スタート」>「プログラム」>「IBM WebSphere InterChange Server」>「IBM WebSphere InterChange Server」>「IBM WebSphere InterChange Server」をクリックします。

始動時、InterChange Server は InterchangeSystem.cfg ファイルを読み取り、ここにリストされているパラメーター値に従って自身のプロパティーを設定します。構成パラメーターのリストと説明については、「システム・インストール・ガイド (UNIX 版)」または「システム・インストール・ガイド (Windows 版)」を参照してください。

InterChange Server の始動パラメーター

InterChange Server の始動パラメーターをカスタマイズするには、以下のステップを実行します。
UNIX

ics_manager スクリプトを変更します。 このスクリプトを実行するときに次の引き数を使用することで、InterChange Server の始動、停止、または状況表示を行うことができます。

-start

-stop

-status

Windows

InterChange Server のショートカットまたは start_server.bat ファイルを変更します。

InterChange Server の始動をカスタマイズするには、表 10 のパラメーターを使用します。

表 10. InterChange Server の始動パラメーター
パラメーター 機能
-c configFile 始動時に使用される構成ファイルの名前です。デフォルトは、InterchangeSystem.cfg です。
-i すべてのエラー・メッセージを無視して InterChange Server を始動できます。
-p password InterChange Server にアクセスするためのパスワードを指定します。 このパラメーターを使用しないと、start_server コマンドは、InterchangeSystem.cfg ファイル内のパスワードを使用します。-u パラメーターとともに使用してください。
-s serverName InterChange Server の名前を指定します。この名前では、大文字と小文字が区別されます。
-u loginName InterChange Server のユーザー・ログイン名を指定します。 このパラメーターを使用しないと、start_server コマンドは、InterchangeSystem.cfg ファイル内のユーザー・ログイン名を使用します。-p パラメーターとともに使用してください。
-v InterChange Server のバージョンを開いてから終了します。

注:
パラメーター -u および -p の使用は、パスワードが平文で表示できるのでお勧めしません。これらの値は、「セキュリティー: RBAC」タブの「startServerUserName」および「startServerPassword」フィールドを使用して指定することをお勧めします。「セキュリティー: RBAC」タブの詳細については、役割ベース・アクセス制御 (RBAC) の管理を参照してください。

InterChange Server のシャットダウン手順

InterChange Server をシャットダウンすると、実行されているすべてのコラボレーションおよびコネクターと、InterChange Server 自体が停止します。データベースとの接続がすべて閉じられ、InterChange Server が使用しているマシンのシステム・リソースが戻されます。

重要:
InterChange Server をシャットダウンする際に Ctrl+C は使用しないでください。この方法を使用すると、サーバーを正常にシャットダウンできません。

使用しているオペレーティング・システムに応じて、以下のいずれかの方法を使用してサーバーをシャットダウンできます。
UNIX

ics_manager -stop スクリプトを実行します。

注:
ICS パスワードを変更した場合は、-stop -uloginName -ppassword というスクリプトを使用する必要があります。
Windows

System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで、ICS インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「シャットダウン」>「正常」を選択します。代わりに、「シャットダウン」>「即時に」を選択し、クリーンアップせずにサーバーをシャットダウンすることもできます。 どのタイプのシャットダウンが最適であるのかを判別するには、正常シャットダウンおよび 即時シャットダウンを参照してください。

注:
高可用性 (HA) システムは、System Monitor、SNMP マネージャー、または System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューを使用してシャットダウンすることはできません。これらのいずれかのツールを使用してサーバーをシャットダウンすると、HA システムはフェイルオーバーを実行します。HA システムをシャットダウンするには、MSCS Administrator を使用して、「オフラインにする (Take Offline)」コンテキスト・メニュー・オプションをまずすべてのコネクターに、次に InterChange Serverに対して使用してください。手順については、"リソースの状況の変更"を参照してください。HA システムの管理の詳細については、"高可用性 (HA) システムの管理"を参照してください。

正常シャットダウン

システムの正常シャットダウンでは、現在処理中のフローと待機中のフローをすべてシャットダウン前に完了させることができます。実行中のコラボレーションによる処理を待っているフローすべてをシャットダウン前に完了する必要があるので、この方法では時間がかかることがあります。ただし、新しいフローは受け入れられません。

システムの正常シャットダウンを選択すると、以下の処理が行われます。

注:
この手順は、高可用性 (HA) システムのシャットダウンには使用できません。HA システムのシャットダウンの詳細については"リソースの状況の変更"を参照してください。

即時シャットダウン

システムを即時に停止すると、フローはそれ以上処理されずにシステムがシャットダウンします。実行中のコネクターとコラボレーションは即時に停止します。システムを再始動すると、即時シャットダウンによって中断されていたフローは同じ処理順序で再送されます。これらのフローの 1 つがアプリケーションにデータを書き込んでいた場合、そのフローは、再送されたときに再びそのデータを書き込もうとしますが、データは既に存在するために失敗します。フローを処理中のコラボレーションがトランザクションである場合、ロールバックが起こります。フローがトランザクションでない場合は、再処理依頼キューに移されます。処理に失敗したフローの処理依頼についての詳細は、失敗したイベントの管理を参照してください。

注:
システムを即時停止しても、データの保全性や IBM WebSphere InterChange Server システムの保全性は失われません。

このオプションは、システムを迅速にシャットダウンする必要があるときに使用します。例えば、システムをリブートしたいが、コラボレーションが複数の処理待ちイベントをかかえているときなどです。この場合、正常シャットダウンでは、停止前にコラボレーションが既存の作業をすべて完了する必要があるため時間がかかることがあります。

InterChange Server およびデータベース・パスワードの変更

パスワードの暗号化は、IBM WebSphere InterChange Server システムと下層のデータベースに無許可のユーザーが入れないように保護するセキュリティー対策です。各パスワードの暗号化された文字列は InterChange Server に格納され、パスワードの暗号化を解除するときにサーバーによってアクセスされます。暗号化されたパスワードは、InterchangeSystem.cfg ファイルに PASSWORD*= parameter として格納されます。

システムのインストール時、IBM WebSphere InterChange Server の管理者パスワードとデータベース・パスワードがインストーラーから要求されます。これらのパスワードは、インストールの完了時にシステムがリブートされるときに暗号化されて格納されます。後から System Manager で InterChange Server パスワード またはデータベース・パスワードを変更できます。

repos_copy コマンドを使用するときには、リポジトリーのコピーと復元時に InterChange Server のユーザー名とパスワードが必要です。repos_copy の使用を参照してください。

InterChange Server またはデータベースのパスワードを変更する手順については、以下のセクションを参照してください。

InterChange Server のパスワードの変更手順

データベース・パスワードの変更手順

InterChange Server のパスワードの変更手順

InterChange Server のパスワードを変更する手順は、以下のとおりです。

  1. System Manager を開きます。
  2. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで InterChange Server インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「パスワードの変更」を選択します。「InterChange Server パスワードの変更」ダイアログ・ボックスが表示されます。
  3. 「旧パスワード」フィールドに現在のパスワードを入力します。
  4. 「新パスワード」フィールドに新しいパスワードを入力します。
  5. 「確認パスワード」フィールドに新しいパスワードを再度入力します。
  6. 「OK」をクリックします。

暗号化されたパスワードは、InterchangeSystem.cfg ファイルに保管されます。

重要:
InterChange Server のパスワードは、この手順でのみ変更できます。InterchangeSystem.cfg ファイル内でパスワードを編集してパスワードを変更しようとすると、InterChange Server は始動しなくなります。

データベース・パスワードの変更手順

リポジトリー・データベース・パスワードは、IBM WebSphere InterChange Server システム が一度でも始動されると System Manager を介して変更できます。

データベース・パスワードを変更する手順は、以下のとおりです。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで、データベース・パスワードを変更する InterChange Server インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「構成を編集」を選択します。ウィンドウの右上のセクションが編集ツールに変化し、多くのシステム・プロパティーを変更できるようになります。
  2. 「データベース」タブをクリックし、データベース構成プロパティーにアクセスします。データベース・プロパティーの 「サーバーのプロパティーと構成」ウィンドウが 表示されます (図 20 を参照)。

    図 20. 「構成を編集」ウィンドウの「データベース」タブ

    図は、「構成を編集」ウィンドウの「データベース」タブを示しています。ウィンドウは横長の 4 つのセクションに分割されています。一番上のセクションでは、データベースの接続性オプションを指定します。例えば、データベース・ドライバー、最大接続数、最大プール数、分単位のアイドル・タイムアウト、デッドロック再試行の最大数、および分単位のデッドロック再試行間隔などです。2 番目のセクションでは、イベント管理オプションを指定します。例えば、ホスト名、データベース、最大接続数、およびログイン方法、パスワード、ホスト番号などです。3 番目のセクションでは、トランザクション・オプションを指定します。例えば、ホスト名、データベース、最大接続数、およびログイン方法、パスワード、ホスト番号などです。4 番目のセクションでは、リポジトリー・オプションを指定します。例えば、ホスト名、データベース、最大接続数、およびログイン方法、パスワード、ホスト番号などです。

  3. 任意のデータベース・パスワードを変更します。
    1. 適切なデータベースのセクション (「イベント管理」、「トランザクション」、または「リポジトリー」) で、「変更」ボタンをクリックします。

      パスワードを変更するためのダイアログ・ボックスが表示されます。

    2. 「旧パスワード」フィールドに旧パスワードを入力します。
    3. 「新パスワード」フィールドに新規パスワードを入力します。

      最大 30 文字まで入力可能です。

    4. 「確認パスワード」フィールドに新規パスワードを再入力します。
  4. 「OK」をクリックします。

Copyright IBM Corp. 1997, 2004