Microsoft SQL Server

IBM では、使用するデータベース・サーバーとして Microsoft SQL Server 2000 (Service Pack 3 導入済みのもの) を認定しています。以下のセクションでは、InterChange Server システムで使用する SQL Server のインストールおよび構成の方法について説明します。

インストールの推奨事項

以前に InterChange Server と SQL Server 6.5 をインストールしていて、今回は SQL Server 2000 にアップグレードする場合は、アップグレード作業の中で SQL Server の構成で示す手順を再度行う必要はありません。しかし、InterchangeSystem.cfg ファイルの変更で説明しているように、Microsoft SQL Server 2000 で使用するように InterchangeSystem.cfg ファイルを 変更または新規作成する必要があります。

初めて SQL Server をインストールする場合は、以下に示すインストールの推奨事項を参考にしてください。使用する環境によっては、要件が若干異なることもあります。

インストール手順

SQL Server 2000 のインストール時に、次のオプションを選択します。

SQL Server 2000

  1. 最初の画面で「SQL Server 2000 Components」を選択します。
  2. 「Install Components」画面で「Install Database Server」を選択します。
  3. 「ウェルカム」画面で「次へ」をクリックし、「ローカル コンピュータ」を選択して「次へ」をクリックして続行します。
  4. 「インストールの選択」画面で「SQL Server の新規インスタンスの作成またはクライアント ツールのインストール」のいずれかまたは両方を選択します。
  5. 「ユーザー情報」画面で、ユーザーの「名前」と「会社」を入力し、「次へ」をクリックします。
  6. 「使用許諾契約書」に同意したら、「インストールの定義」画面で「サーバーとクライアント ツール」を選択し、「次へ」をクリックします。
  7. 「既定インストール」を受け入れ、「次へ」をクリックします。次に「セットアップの種類」画面の「標準」を選択し、「次へ」をクリックします。
    注:
    インストール先の場所を変更するには、「セットアップの種類」画面の「セットアップ先フォルダ」セクションにある「参照」ボタンをクリックして、新しい場所を指定します。
  8. 「サービス アカウント」画面で「各サービスに同じアカウントを使用する」と「ローカル システム アカウントを使用」を選択し、「次へ」をクリックします。
  9. 「認証モード」画面で「混合モード」を選択し、「ブランク パスワード」ボックスにチェックマークを付け、「次へ」をクリックします。
    注:
    InterChange Server は Windows Authentication をサポートしていません。
  10. 「ファイルコピーの開始」画面で「次へ」をクリックします。
  11. 「Setup Complete」画面で「完了」をクリックします。

InterchangeSystem.cfg ファイルの変更

インストーラーを使用して InterChange Server ソフトウェアをインストールする場合は、SQL Server の構成へスキップすることができます。インストーラーによって、自動的に InterchangeSystem.cfg ファイルは正しく生成されます。ICS システムでは、SQL に対してタイプ 4 JDBC ドライバーを使用します。このドライバーは、クライアント DLL を使用せずに DBMS (データベース管理システム) と直接通信します。

適切なドライバーを設定するには、以下の手順を実行してください。

  1. 「スタート」>「プログラム」>「IBM WebSphere InterChange Server」>「IBM WebSphere InterChange Server」>「IBM WebSphere InterChange Server 構成ウィザード」をクリックします。
  2. 「InterChange Server 構成」ウィンドウで、パラメーターを変更して「適用」をクリックします。
  3. 「変更は完了しました。」ウィンドウで「OK」をクリックし、次に「終了」をクリックします。

SQL Server の構成

InterChange Server で正しく動作するように SQL Server を構成するため、以下のセクションで説明する手順に従ってください。

サーバーの始動確認

SQL Server は自動的に Windows サービスとしてインストールされます。「サービス」ウィンドウを使用して、SQL Server が稼働していることを確認します。

  1. 「スタート」>「設定」>「コントロール パネル」をクリックし、次に「管理ツール」をダブルクリックします。
  2. 「サービス」をダブルクリックします。
  3. 「サービス」ダイアログ・ボックスで、MSSQLServer までスクロールします。
  4. 「状態」が「開始」に、「スタートアップ」が「自動」にそれぞれなっていることを確認します。

次にマシンを再始動するときは、SQL Server は自動的に始動します。

サーバーの登録確認

ローカル・サーバーはインストール時に自動的に登録されます。ローカル・サーバーが Microsoft SQL Server Enterprise Manager に表示されない場合のみ、そのサーバーを登録する必要があります。サーバーが登録済みであるかを確認するには、以下の手順を実行します。

  1. 「スタート」>「プログラム」>「Microsoft SQL Server」>「Enterprise Manager」をクリックします。
  2. 「SQL Server Enterprise Manager」ウィンドウの左側のペインで「Microsoft SQL Servers」を展開し、次に「SQL Server グループ」を展開します。
  3. 「SQL Server Enterprise Manager」ウィンドウの右側のペインで SQL Server を Enterprise Manager に登録します。
    1. サーバーを追加する「SQL Server Group」を選択してください (例えば「SQL Server Group」)。
    2. 「操作」ドロップダウン・メニューから「SQL Server の新規登録」を選択します。

      「登録された SQL Server プロパティー」ダイアログ・ボックス、または「サーバーの登録ウィザード」が表示されます。

      注:
      これ以降の手順では「登録された SQL Server プロパティー」ダイアログ・ボックスを使用することを想定していますが、入力する値はウィザードを使用しても同じです。ウィザードを使用不可にするには「次回からはウィザードを使用しないでこの作業を実行する」ボックスをチェックして「次へ」をクリックしてください。ウィザードが終了し、「登録された SQL Server プロパティー」ダイアログ・ボックスが表示されます。
    3. 「サーバー」フィールドにサーバーの名前を入力します。ローカル・サーバーを登録する場合は、「サーバー」ドロップダウン・リストから「ローカル」を選択します。
    4. 「接続」オプションとして「SQL Server 認証を使用」を選択し、ログイン名を sa に設定して、パスワードはブランクのままにします。(SQL Server システム管理者 sa は、SQL Server のデータベースやデータベース・ユーザーの作成および変更を行うすべての特権を持っています。SQL Server にログインした後は、システム管理者のパスワードを変更してください。)
    5. 「サーバー グループ」ドロップダウン・リストからサーバー・グループを選択し、「OK」をクリックします。必要なサーバー・グループが存在しない場合は、SQL 7.0 のオンライン・ヘルプの説明に従って新規サーバー・グループを作成し、選択してください。

InterChange Server リポジトリーの作成

InterChange Server リポジトリーのデータベースを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 「SQL Server Enterprise Manager」ウィンドウのコンソール・ツリーで、登録したサーバーを右マウス・ボタンでクリックして「新規作成」>「データベース」を選択します。
  2. 「データベース プロパティー」ダイアログ・ボックスで、以下のパラメーターを入力します。
  3. 他のデフォルトはすべてそのまま採用して「OK」をクリックします。
  4. データベースが作成されたことを確認するため、SQL Server Enterprise Manager の左側にある適切なサーバーのコンソール・ツリー・フォルダーを展開してください。 新規データベースは「データベース」フォルダーの下にリスト表示されます。
  5. チェックポイントが出現するたびにトランザクション・ログが切り捨てられるようにリポジトリー・データベースを構成します。ログ切り捨てを行えば、すべての有効スペースをログが使用してしまうことはありません。
    1. SQL Server 2000
      1. 「SQL Server Enterprise Manager」ウィンドウのコンソール・ツリーで、wicsrepos データベースのアイコンを右マウス・ボタンでクリックして「プロパティー」を選択します。
      2. 「オプション」タブで「Simple in the Recovery Model」プルダウン・メニューを選択し、他のデフォルトはすべてそのままにして「OK」をクリックします。
  6. tempdb データベースに、InterChange Server が使用できるディスク・スペースが少なくとも 15MB あることを確認します。
    1. 「SQL Server Enterprise Manager」ウィンドウのコンソール・ツリーで、tempdb データベースを右マウス・ボタンでクリックして「プロパティー」を選択します。
    2. 「一般」タブ (SQL Server 2000 の場合は「データ ファイル」タブ) で「割り当て済み領域」を 15MB に設定し、「ファイルの自動拡張」および「ファイルを無制限に拡張」チェック・ボックスを選択していることを確認します。
    3. 他のデフォルトはすべてそのまま採用して、「OK」をクリックします。

関係表用のデータベースの作成

デフォルトで InterChange Server マッピングの関係表はすべて ICS リポジトリーに格納されます。関係表専用のデータベースを 1 つまたは複数作成することもできます。それには、次の一般的な手順を行います。

  1. ICS リポジトリーの作成と同じ方法で (ただし別の名前で) SQL Server に リレーションシップ・データベースを作成します。
  2. Relationship Designer ツールを使用して、リレーションシップ・データベースをすべての関係表のグローバル・デフォルトとして指定するか、あるいはリレーションシップ・データベースを使用する個別の関係表を指定します。詳細については、「マップ開発ガイド」を参照してください。

ログイン・アカウントの作成

このセクションでは、Microsoft SQL Enterprise Manager を使用して ICS 管理者ログイン・アカウントを作成し、表作成特権を割り当てる方法について説明します。

  1. まだ開いていない場合は、「スタート」 > 「プログラム」 > 「Microsoft SQL Server」 > 「Enterprise Manager」とクリックして Enterprise Manager を開きます。
  2. 画面の左側にある、ログイン・アカウントを作成したい登録済みサーバーのアイコンをクリックします。
  3. (SQL Server 2000 のみ) メニュー・バーから「表示」>「タスク パッド」をクリックし、右側の「Wizard」タブをクリックします。
  4. 画面右側の「入門タスクパッド」で「データベース ソリューションのセットアップ」をクリックし、次に「ログインの作成」をクリックします (SQL Server 2000 の場合は「データベースのセットアップ」セクションの「ログインの作成」を選択します)。
  5. 「ログインの作成」ウィザードで「ウェルカム」画面で「次へ」をクリックします。
  6. 認証モードに「システム管理者が割り当てた SQL Server ログイン情報...」をクリックし、「次へ」をクリックします。
  7. 「SQL Server 認証」画面で、「ログイン ID」として wicsadmin、パスワードとして wicsadmin を入力します。この情報は、あとで InterChange Server のインストール・プロセスでも必要になります。「次へ」をクリックします。
    注:
    任意のパスワードを使用できますが、ここに示す手順ではログインおよびパスワードの両方に wicsadmin を使用します。
  8. 「セキュリティ ロールへのアクセスを許可」画面で、すべてのチェック・ボックスをクリアにして「次へ」をクリックします。
  9. 「データベースへのアクセスを許可」画面で、wicsrepos のチェック・ボックスと、関係表用に作成したデータベースがあればそのボックスを選択して「次へ」をクリックします。
  10. 「ログイン作成ウィザードの完了」画面で「完了」をクリックします。
  11. 「ログインが正常に作成されました。」というメッセージが表示されたら「OK」をクリックします。
  12. wicsrepos データベースでアカウント表作成特権を割り当てます。InterChange Server マッピング用に別の (デフォルト以外の) リレーションシップ・データベースを使用する場合は、そのデータベースにも同様に特権を割り当ててください。
    1. 「Microsoft SQL Servers」ウィンドウのデータベース・リストにある wicsrepos を右マウス・ボタンでクリックして「プロパティー」を選択します。
    2. 「権限」タブで、wicsadmin ユーザーの各ボックスをチェックします。すべてのオプションを選択するには、画面の右端までスクロールしてください。
    3. 「OK」をクリックします。
    4. ほかにも作成したリレーションシップ・データベースがあれば、それについてもステップ 12 を繰り返します。
  13. SQL Server のユーザー接続数を少なくとも 40 に増やします。InterChange Server は最低でも 15 のユーザー接続を必要とします。同じ SQL Server を使用するアプリケーションを他にも実行する場合、ユーザー接続を 40 以上に設定します。詳しくは、"データベース接続のセットアップ"を参照してください。
    1. 「SQL Server Enterprise Manager」ウィンドウの左側で、サーバーを右マウス・ボタンでクリックして「プロパティー」を選択します。
    2. 「接続」タブで、「同時ユーザー接続の最大数」ボックスに 40、または許容されるユーザー接続数を設定して、「OK」をクリックします。

      サーバーを再始動するかを尋ねるダイアログ・ボックスが表示されたら、「No」をクリックしてください。サーバーの再始動はステップ 14 の後に行います。

  14. ログイン・アカウントのデフォルト・データベースを設定します。
    1. SQL Server Enterprise Manager の左側で、登録したサーバーのディレクトリーを展開します。
    2. 「セキュリティ」フォルダーを展開して「ログイン」を選択します。「Enterprise Manager」の右側にはログイン・アカウント名とそのプロパティーが表示されます。その中には、各ログイン名のデフォルト・データベースも表示されます。
    3. wicsadmin ログイン・アカウント名を右マウス・ボタンでクリックして「プロパティー」を選択します。

      wicsadmin ログイン・アカウントの「SQL Server ログインのプロパティー」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    4. 「一般」タブで「データベース」ドロップダウン・リストから wicsrepos を選択し、「適用」をクリックして「OK」をクリックします。

以上の変更を有効にするために SQL Server を再始動してください。ただし、再始動する前に『構成の確認』の手順を実行することもできます。

構成の確認

データベース・サーバーが InterChange Server で正しく動作するように構成されていることを確認するには、MSQuery を使用します。

  1. 「スタート」>「プログラム」>「Microsoft SQL Server」>「クエリ アナライザ」をクリックします。
  2. 「SQL Server の接続」ダイアログ・ボックスで、使用しているサーバーの名前を入力するか、「SQL Server」ドロップダウン・リストからサーバーを選択します。
  3. 「SQL Server 停止時に起動する」チェック・ボックスを選択し、「SQL Server 認証」を選択します。
  4. ICS 管理者ログイン・アカウントの名前 (デフォルトでは ics) を「ログイン名」に入力し、パスワード (デフォルトでは ics) も入力して「OK」をクリックします。

    SQL Server にログインできない場合は、ログイン名とパスワード、および PATH 環境変数の設定を確認してください。

  5. 「クエリー」ウィンドウで wicsrepos データベースや、すべてのリレーションシップ・データベースが「DB」ドロップダウン・リスト内にあることを確認できます。クエリー・アナライザーを終了します。
  6. インストールに進む前にマシンを再始動してください。

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