双方向テキストの処理時に特別な注意が必要になるときがあります。特別な 注意が必要となる場合の 1 つとして、双方向言語に対応していない 旧バージョンの WebSphere Business Integration からリポジトリー・データをマイグレーションする 場合があげられます (詳しくは、データのマイグレーションを 参照してください)。特別な注意を払わないと、2 つの双方向形式のデータが 同じリポジトリーに混在してしまい、ビジネス・ロジックの正常な処理および機能に 影響が及ぶ可能性があります。別のケースは、FTP URL や E メール・アドレスなどの例外パターンがある 双方向テキストに関するものです (詳しくは、BiDi APIを 参照してください)。
旧バージョンの WebSphere Business Integration 製品からデータをマイグレーションするときには、予防措置をとる必要があります。
マイグレーション処理中に、旧バージョンから格納された双方向データを保持し、双方向言語に対応したコネクターを経由して導入された 新しい双方向データとともに使用できます。この場合、サーバー・レベルで操作対象の双方向データが Windows 形式であることは 保証されません。結果として、コラボレーションやマップなどでの 双方向データの処理が破壊され、元に戻せない場合があります。
現行バージョンの WebSphere 製品にマイグレーションする前に、現行バージョンの BiDi API を使用して、リポジトリーにある双方向データをすべて Windows の双方向形式に 変換することをお勧めします。(詳しくは、「マップ開発ガイド」 の CxBidiEngine に関する章を参照してください。)
FTP URL および E メール・アドレスに双方向変換を明示的に適用すると、データが正しく解釈されなくなる可能性があります。正確に解釈されるようにするために、このようなストリングを解析してから変換を開始し、ストリング値の中で問題が発生する可能性がある サブコンポーネントを識別します。問題が発生する可能性があるサブコンポーネントが 識別された場合は、ストリングを分割し、各サブコンポーネントに 双方向変換を適用します。変換処理が完了したら、サブコンポーネントを単一のストリングに組み立てなおし、正確な変換値を表現します。この値は、後で使用できるように格納されます。この処理は、メタ・ビジネス・オブジェクトの処理に使用されます。
WebSphere Business Integration 製品にバンドルされている BiDi API クラスにより、各種のコンポーネントに双方向形式を適用できます。BiDi API クラス関数を Adapter Framework で 使用すると、コンテンツ・データに双方向形式を適用できます。また、コネクターで使用すると、メタおよび構成データに双方向形式を適用できます。コラボレーションおよびマップで使用すると、外部ソースからインポートするデータに双方向形式を適用できます。
BiDi API クラスには、次の 3 つのメソッドがあります。
BiDiBusObjTransformation メソッドは、BusinessObject タイプのビジネス・オブジェクトの 双方向形式を変換します。このメソッドは コラボレーションの場合に有用です。(詳しくは、「コラボレーション開発ガイド」 の CxBiDiEngine に関する章を参照してください。)
BiDiBOTransformation 関数は BusinessObject インスタンスに適用します。この関数は Adapter Framework の場合に有用です。(詳しくは、「コラボレーション開発ガイド」または 「マップ開発ガイド」の CxBiDiEngine に関する章を参照してください。)
BiDiStringTransformation 関数は String オブジェクトに 適用します。この関数は、WebSphere 製品環境の内部と外部のいずれの オブジェクトにも使用できます。(詳しくは、「コラボレーション開発ガイド」または 「マップ開発ガイド」の CxBiDiEngine に関する章を参照してください。)