トレース

構成ファイルの TRACING セクションのパラメーターは、InterChange Server コンポーネントのトレースをオンおよびオフにしたり、トレースのレベルを指定します。

DB_CONNECTIVITY

InterChange Server のデータベース接続サービスと DBMS サーバーの間の対話のトレース・レベルを指定します。 InterChange Server のデータベース接続サービスは、Java Database Connectivity (JDBC) API を使用してデータベース・サーバーと通信します。

InterChange Server から DBMS サーバーへのアクセスに問題があると思われる場合は、データベース・サービスのトレースを行ってください。例えば、入力された構成変更を System Manager が完了するのに長時間かかるような場合は、その接続をチェックする必要があります。

トレースは、以下のレベルに設定できます。
0 トレースなし。
1 データベース接続サービスがデータ・ソースに接続したり、接続を切断するときに、実際の SQL ステートメントを表示したメッセージが出力されます。また、データベース接続サービスが InterChange Server サービスの接続プールを作成または削除するときもメッセージが出力されます。
2 レベル 1 のメッセージ出力に加えて、接続が作成されリリースされたことを示すメッセージが出力されます。
3 レベル 1 および 2 のメッセージ出力に加えて、使用可能な接続を検出するために行われる各内部ステップを示すメッセージが出力されます。これらのステップには、最長未使用時間の接続について既存の接続プールを除去する処理も含まれます。
4 レベル 1 から 3 のメッセージ出力に加えて、使用可能な接続を検出するために行われるステップのより詳細な情報が出力されます。
5 レベル 1 から 4 のメッセージ出力に加えて、アイドル状態の接続の終了に関するメッセージが出力されます。

例: DB_CONNECTIVITY = 1

デフォルト

DB_CONNECTIVITY = 0
 

EVENT_MANAGEMENT

イベント管理サービスのトレースのレベルを指定します。

トレースは、以下のレベルに設定できます。
0 トレースなし。
1 イベント管理サービスからデータベースに対するイベントの保管要求またはイベントの状態情報の変更要求が出力されます。このトレース情報は、イベントを受信したコネクター・コントローラーと、送信先のコラボレーションを示します。
2 レベル 1 のメッセージ出力に加えて、各コラボレーションのメモリー内 work-in-progress キューの内容が出力されます。 このトレース・メッセージには、コラボレーションの work-in-progress キューにあるイベント数と、進行中のイベント数が含まれます。項目がキューから取り出されるところか、あるいは追加されたばかりかを確認してください。

例: EVENT_MANAGEMENT = 1

デフォルト

EVENT_MANAGEMENT = 0
 

MESSAGING

InterChange Server メッセージング・ドライバーとメッセージング・サービス間の対話のトレース・レベルを指定します。

このパラメーターは、InterchangeSystem.cfg ファイルが存在するマシン上のメッセージング・ドライバーに影響します。メッセージング・ドライバーは、そのマシンにインストールされているどの InterChange Server コンポーネントに対しても機能します。コンポーネントの例を以下に示します。

トレースは、以下のレベルに設定できます。
0 トレースなし。
1 メッセージング・ドライバーがメッセージング・サービスとの間で行うメッセージの送受信をトレースします。トレース・メッセージには、そのメッセージが型付き (ビジネス・オブジェクト) メッセージか、型のない (管理) メッセージかが示されます。
2 レベル 1 のメッセージ出力に加えて、送受信されたビジネス・オブジェクトの内容が出力されます。

例: MESSAGING = 2

デフォルト

MESSAGING = 0 
 

REPOSITORY

リポジトリー・サービスのトレースのレベルを指定します。

このトレースでは、挿入、検索、および削除されるリポジトリー・オブジェクトが示されます。

リポジトリー・オブジェクトに問題が発生した場合 (例えば System Manager 上で問題が見つかった場合) は、リポジトリー・サービスをトレースしてみてください。

リポジトリー・トレースは、以下のレベルに設定できます。
0 トレースなし。
1 リポジトリー・サービスが要求に応じてオブジェクト (および必要であればその子オブジェクト) をデータベースから検索するときにメッセージが出力されます。
2 レベル 1 のメッセージ出力に加えて、リポジトリー・サービスが新規オブジェクトをリポジトリーに正常に追加するときにもメッセージが出力されます。
3 レベル 1 および 2 のメッセージ出力に加えて、リポジトリー・サービスがリポジトリー・オブジェクトを正常に変更するときにもメッセージが出力されます。
4 レベル 1 から 3 のメッセージ出力に加えて、リポジトリー・サービスがリポジトリーからオブジェクトを正常に削除するときにもメッセージが出力されます。
5 レベル 1 から 4 のメッセージ出力に加えて、リポジトリー・サービスがヘルパー・オブジェクトを作成するときにもメッセージが出力されます。ヘルパー・オブジェクトとは、実際にデータベース・サーバーに要求したり、データベース・サーバーから情報を戻すメモリー内のコードです。リポジトリーに保管されたオブジェクトのタイプごとに 1 つのヘルパー・オブジェクトがあります。
6 レベル 1 から 5 のメッセージ出力に加えて、InterChange Server がリポジトリー・オブジェクトのデータベース・スキーマを作成するときにもメッセージが出力されます。このメッセージは始動時に出力されます。
7 レベル 1 から 6 のメッセージ出力に加えて、すべての内部リポジトリー・メソッドがトレースされます。

例: REPOSITORY = 3

デフォルト

REPOSITORY = 0
 

TRACE_FILE

トレースがオンのときに、InterChange Server がトレース・メッセージを書き込む場所を指定します。トレース・メッセージは、標準出力 (STDOUT) または指定する絶対パスのファイルに送信できます。

このパラメーターの値を指定しないと、InterChange Server はロギングの宛先、つまり LOG_FILE パラメーターの値が示す場所にメッセージを書き込みます。

例:

TRACE_FILE = logs/trace.log (ProductDir ディレクトリー内)

デフォルト

TRACE_FILE = STDOUT
 

UNIX では、STDOUT はログ・ファイルを ProductDir ディレクトリー の logs サブディレクトリーにリダイレクトします。

MIRROR_TRACE_TO_STDOUT

このオプショナル・パラメーターを使用すれば、トレース・メッセージを標準出力とトレース・ファイルに送信することができます。TRACE_FILE パラメーターに有効なファイルが指定されている場合に MIRROR_TRACE_TO_STDOUT =TRUE と設定すると、トレース出力は標準出力にもミラーリングされます。TRACE_FILE が設定されていない場合は、このパラメーターは無視されます。

トレース・ファイルのミラーリングはパフォーマンスのオーバーヘッドがかかるため、このパラメーターは開発やデバッグの間のみ true に設定してください。実動中は false と指定するか、何も指定しない (この場合はデフォルトで false になる) ことをお勧めします。

デフォルト

このパラメーターのデフォルト値は false (オフ) です。

MAX_TRACE_FILE_SIZE

このオプション・パラメーターは、トレース・ファイルのサイズを指定のサイズに制限します。 サイズ単位は KB (キロバイト)、MB (メガバイト)、または GB (ギガバイト) を使用できます。単位の指定がないと、単位はデフォルトでバイトに設定されます。

例:

MAX_TRACE_FILE_SIZE = 100 KB 
  
 MAX_TRACE_FILE_SIZE = 5 MB 
  
 MAX_TRACE_FILE_SIZE = 1 GB 
  
 MAX_TRACE_FILE_SIZE = 8192
 

MAX_TRACE_FILE_SIZE パラメーターが指定されている場合は、トレース・アーカイブが暗黙的に使用可能になります。

パラメーター NUMBER_OF_ARCHIVE_TRACES にオーバーライドされていない限り、MAX_TRACE_FILE_SIZEUNLIMITED 以外の値に設定されている場合の デフォルトのアーカイブ数は 5 です。

デフォルト

このパラメーターのデフォルト値は UNLIMITED です。

NUMBER_OF_ARCHIVE_TRACES

このオプション・パラメーターは、保持するアーカイブ・トレースの数を指定します。 アーカイブ・ファイルには、TRACE_FILE に指定された値から派生したファイル名が付けられます。 パラメーター MAX_TRACE_FILE_SIZE が指定されていない場合、または TRACE_FILE=STDOUT が設定されている場合は、このパラメーターは無視されます。

例:

TRACE_FILE = traces/InterchangeSystem.trc (ProductDir ディレクトリー内)および NUMBER_OF_ARCHIVE_TRACES = 3

と指定すると、アーカイブ・トレースの名前は以下のようになります (ProductDir ディレクトリー内)。

traces/InterchangeSystem_Arc_01.trc 
 traces/InterchangeSystem_Arc_02.trc
 traces/InterchangeSystem_Arc_03.trc
 

デフォルト

このパラメーターのデフォルト値は 5 です。

RELATIONSHIP.CACHING

このオプショナル・パラメーターを設定すると、ICS がメモリー内の静的関係の関係表をロードまたはアンロードするたびにトレース・ファイルにメッセージが書き込まれます。このトレースをオンにするには、このパラメーターを 5 に設定します。5 未満の値 (0 から 4) にすると、このトレースはオフになります。デフォルトでは、InterchangeSystem.cfg ファイルの TRACING セクションに このパラメーターは存在しません。したがって、キャッシュに入れられた関係表のトレースは使用不可になります。

例: RELATIONSHIP.CACHING=5

デフォルト

このパラメーターのデフォルト値は 0 です。

TRANSACTIONS

トランザクション・サービスのトレースのレベルを指定します。

トレースは、以下のレベルに設定できます。
0

トレースなし。

1

トランザクション開始のとき、およびトランザクション・キューのコミット後処理を実行するときにメッセージが出力されます。

2

レベル 1 のメッセージ出力に加えて、トランザクション・サービスがビジネス・オブジェクトの状態をトランザクションに保管するときにもメッセージが出力されます。

3

レベル 1 および 2 のメッセージ出力に加えて、トランザクション・コラボレーションがコミットするときにもメッセージが出力されます。

4

レベル 1 から 3 のメッセージ出力に加えて、コラボレーション・ロールバックに関するメッセージも出力されます。メッセージはロールバック開始時、および各差し戻しステップの実行時に出力されます。

5

レベル 1 から 4 のメッセージ出力に加えて、ウォーム・スタート・リカバリー時にもメッセージが出力されます。ウォーム・スタート・リカバリーは、InterChange Server が予期せず終了した後で再始動するときに行われます。このときサーバーは、予期せぬ終了によって中断されたトランザクション・コラボレーションを再有効化し、ロールバックします。サーバーは、ウォーム・スタート・リカバリーが完了するまでは、新規イベントをコラボレーションに引き渡さず、キューに入れたままにします。この新規イベントは、リカバリーの最後で処理することが可能です。

例: TRANSACTIONS = 1

デフォルト

TRANSACTIONS = 0 
 

FLOW_MONITORING

フロー・モニター・サービスのトレース・レベルを指定します。

トレースは、以下のレベルに設定できます。
0

トレースなし。

1

トレースがコラボレーションに構成されているかどうかにかかわらず、 ブート時にメッセージを出力します。また、データベースに対する構成も表示します。

2

レベル 1 のメッセージを出力します。さらに、イベントが内部キューから除去されたときにも メッセージを出力します。

3

レベル 1 およびレベル 2 のメッセージを出力します。さらに、イベント・レコードが API によって除去されたときにもメッセージを出力します。

4

レベル 1 から 3 のメッセージを出力します。さらに、 イベントが内部キューにディスパッチされたときにもメッセージを出力します。

5

レベル 1 から 4 のメッセージを出力します。さらに、データベースの書き込みを出力します。

例: FLOW_MONITORING = 1

デフォルト

FLOW_MONITORING = 0 
 

SERVER_MEMORY

このオプショナル・パラメーターを設定すれば、サーバーでイベントにより起動されたフローのメモリー使用量をモニターしたり、コネクターを休止させることによってメモリー使用量の増加を制御することができます。

以下のパラメーターにトレースを設定できます。
MEMORY_UPPER_THRESHOLD_PCT

サーバーがコネクターを休止させるメモリーの最大パーセンテージ

MEMORY_LOWER_THRESHOLD_PCT

サーバーがリスナーのペーシングを開始するメモリーのパーセンテージ

MEMORY_CHECK_SLEEP

メモリー・チェッカー・スレッドがサーバーのメモリーをチェックする頻度

SLEEPTIME_AFTER_MAX_THRESHOLD

コネクターの休止後にメモリー・チェッカー・スレッドがサーバーのメモリーをチェックする頻度

例:

MEMORY_UPPER_THRESHOLD_PCT = 90
 MEMORY_LOWER_THRESHOLD_PCT = 75
 MEMORY_CHECK_SLEEP = 1
 SLEEPTIME_AFTER_MAX_THRESHOLD = 2
 

デフォルト

MEMORY_UPPER_THRESHOLD_PCT = 90
 MEMORY_LOWER_THRESHOLD_PCT = 80
 MEMORY_CHECK_SLEEP = 0
 SLEEPTIME_AFTER_MAX_THRESHOLD = 5
 

メモリー・チェッカー・スレッドのトレースを確認するには、[TRACING] サブセクションに次のパラメーターを追加します。

SERVER_MEMORY = 1 to 3
 

DOMAIN_STATE_SERVICE

ドメイン状態サービスのトレースのレベルを指定します。 このサービスは、InterChange Server システムのすべてのコンポーネントの状態を記録します。


0 トレースなし。
1 コネクターやコラボレーションなどのコンポーネントがレジストリーに追加、またはレジストリーから削除されるときにメッセージが出力されます。 また、コンポーネントの状況が変化するとき (稼働中のコネクターが停止または休止するなど) もメッセージが出力されます。
2 レベル 1 のメッセージ出力に加えて、メソッドが呼び出されるときもメッセージが出力されます。

例: DOMAIN_STATE_SERVICE = 1

デフォルト

DOMAIN_STATE_SERVICE = 0 
 

MQSERIES_TRACE_LEVEL

WebSphere MQ メッセージング・システムとの接続をデバッグするためにトレースのレベルを指定します。 このトレース・レベルは、InterChange Server から WebSphere MQ チャネルへの接続に関する情報を提供します。詳細については、WebSphere MQ のヘルプ領域でトレースを検索してください。

トレースは、以下のレベルに設定できます。
0 トレースなし。
1 開始、終了、および例外がトレースされます。
2 レベル 1 のメッセージ出力に加えて、パラメーター情報が出力されます。
3 レベル 1 および 2 のメッセージ出力に加えて、送受信された MQ ヘッダーおよびデータ・ブロックが出力されます。
4 レベル 1 から 3 のメッセージ出力に加えて、送受信されたユーザー・メッセージ・データが出力されます。
5 レベル 1 から 4 のメッセージ出力に加えて、Java 仮想マシンのメソッドがトレースされます。

デフォルト

MQSERIES_TRACE_LEVEL = 0
 

MQSERIES_TRACE_FILE

トレースがオンのときに、WebSphere MQ トレース・メッセージが送信されるファイル名を指定します。 このパラメーターに値を指定しなければ、デフォルトのファイル名 ProductDir/mqseries/CwMQ.trc が使用されます。

例:

MQSERIES_TRACE_FILE = MQSeries.trace.log (ProductDir ディレクトリー内)

デフォルト

MQSERIES_TRACE_FILE = mqseries/CwMQ.trc (ProductDir ディレクトリー内)

Copyright IBM Corp. 1997, 2004