Object Activation Daemon のセットアップ

WebSphere MQ は、メッセージを検索用に使用できる場合にアプリケーションを自動的に 始動できるようにする、トリガーと呼ばれる機能を提供します。InterChange Server は、MQ により 起動される Object Activation Daemon (OAD) を使用して、以下のタスクを処理します。

この MQ により起動される OAD は、WebSphere MQ の起動機能を使用して、アダプター・エージェントを再始動します。

OAD をセットアップするには、以下の手順を実行します。

  1. WebSphere MQ がインストール済みであることを確認します。WebSphere MQ のインストールについて 詳しくは、WebSphere MQ のインストールを参照してください。
  2. MQ により起動される OAD 用に WebSphere MQ を構成します。
  3. MQ Trigger Monitor を始動します。
  4. 自動およびリモート再始動に対応するようにアダプターを構成します。

OAD ソフトウェアのインストール

MQ により起動される OAD を使用するには、MQ Trigger Monitor をインストールする 必要があります。このモニターは、WebSphere MQ ソフトウェアの一部としてインストールされます 。WebSphere MQ のインストールおよび構成を参照してください。このソフトウェアは、コネクター・エージェントが存在するマシン上に存在しなければなりません。

注:
MQ サーバーがコネクター・エージェントのマシン上にインストールされていない 場合は、WebSphere MQ クライアントをインストールする必要があります。

次の図は、各コネクター・エージェントがリモート始動または自動再始動、あるいは その両方に参加していることを示します。参加するコネクター・エージェントが 存在する各マシンには、WebSphere MQ ソフトウェアが存在しなければなりません。そのマシン上のコネクター・エージェントの数にかかわらず、1 台のマシンに必要な MQ Trigger Monitor は 1 つのみです。ローカル・マシンに WebSphere MQ サーバーがインストールされている場合、runmqtrm コマンドによって MQ Trigger Monitor デーモンが起動されます。ローカル・マシンに WebSphere MQ クライアントがインストールされている場合、runmqtmc コマンドによって MQ Trigger Monitor デーモンが起動されます。

上の図で、

WebSphere MQ のインストール方法について詳しくは、WebSphere MQ のインストールおよび構成を参照してください。

MQ により起動される OAD 用 WebSphere MQ の構成

MQ により起動される OAD をサポートするには、トリガーを処理できるように WebSphere MQ キュー・マネージャーを構成する必要があります。このような サポートのためには、MQ 関連のオブジェクトを、MQ キュー・マネージャーが存在する 同じマシン上で作成する必要があります。

表 12. MQ により起動される OAD 用の MQ 関連オブジェクト
MQ 関連オブジェクト 説明
INITIATION.QUEUE MQ キュー・マネージャーから MQ Trigger Monitor 用のトリガー・メッセージを受信します。
プロセス定義 MQ Trigger Monitor が開始キューからトリガー・メッセージを取得したときに起動するプロセスを記述します。
アダプター・アクティブ化キュー アダプター用のトリガー・イベントを InterChange Server から受信します。

これらの MQ 関連オブジェクトを作成するには、mqtriggersetup.bat スクリプトを実行します。このスクリプトは、製品ディレクトリーの bin サブディレクトリーにあります。MQ キュー・マネージャーを含むマシン上でこのスクリプトを実行します。

注:
mqtriggersetup.bat を実行する前に、InterChange Server (ICS) と共に使用する MQ キュー・マネージャーを作成しておく必要があります。configure_mq script によってキュー・マネージャーが作成されます。詳しくは、WebSphere MQ のインストールおよび構成を参照してください。

mqtriggersetup.bat スクリプトでは次の構文を使用します。

mqtriggersetup.bat WICS_queueManager adapterName adapterStartupScript ICSinstance:

ここで、

例えば、以下のように mqtriggersetup.bat を呼び出すと、MyAdapter という アダプター用に自動再始動またはリモート再始動をセットアップできます。

mqtriggersetup.bat InterChangeServer.queue.manager MyAdapter My_ICS

C:¥Program Files¥IBM¥WebSphereBI¥connectors¥MyAdapter¥start_MyAdapter

同じマシン上に存在するそれぞれのアダプターごとに、mqtriggersetup.bat スクリプト を実行します。さらに、コネクターのいずれかがリモート・マシン上にある場合は、MQ キュー・マネージャー がインストールされているマシンごとにこのスクリプトを実行する必要があります。

MQ により起動される OAD の始動

MQ により起動される OAD を始動するには、以下のいずれかの方法で MQ Trigger Monitor を始動しなければなりません。

アダプターがインストールされているそれぞれのマシンごとに、MQ Trigger Monitor を 始動する必要があります。

明示的な MQ Trigger Monitor の始動

WebSphere MQ をインストールすると、インストール・プログラムは runmqtrm ファイルまたは runmqtmc ファイルをインストールします。これらのスクリプトはそれぞれ、MQ サーバー・リリースまたは MQ クライアントの一部として MQ Trigger Monitor を始動します。例えば、次のコマンドは (MQ サーバー・リリースで) MQ Trigger Monitor を始動します。

runmqtrm -m WICS_queueManager -q INITIATION.QUEUE

ここで WICS_queueManager は、ご使用の InterChange Server の MQ キュー・マネージャーの名前です。

注:
MQ クライアント・リリースで MQ Trigger Monitor を始動するには、上記の構文で runmqtrmrunmqtmc に置き換えます。

サービスとしての MQ Trigger Monitor のインストール

自動再始動およびリモート再始動ができるようにアダプターを構成する場合は、アダプターを、Windows サービスとして実行されるようにインストールしないでください。Windows サービスは WebSphere MQ と通信しません。代わりに MQ Trigger Monitor を、WebSphere MQ サービスとして実行されるようにインストールします。Windows システムが 始動すると、MQ Trigger Monitor は自動的に始動します。ICS は、再始動するときに、MQ により 起動される OAD を通じてアダプターを始動します。

注:
WebSphere MQ Services は、MQ Trigger Monitor をサービスとしてインストールでき、WebSphere MQ サーバー・エディションの一部として提供されています。WebSphere MQ クライアント・エディションには含まれていません。WebSphere MQ クライアントを使用している場合は、明示的な MQ Trigger Monitor の始動の説明に従って MQ Trigger Monitor を始動する必要があります。

WebSphere MQ Service を使用して MQ Trigger Monitor をサービスとしてインストールするには、以下のステップを実行します。

  1. 「スタート」>「プログラム」>「IBM WebSphere MQ」>「WebSphere MQ Services」をクリックして、WebSphere MQ Services を開きます。
  2. ICS インスタンスに対応する MQ キュー・マネージャーの名前を右マウス・ボタンで クリックし、コンテキスト・メニューの「新規」>「Trigger Monitor」をクリックします。
  3. 「Create Trigger Monitor Service」ダイアログ・ボックスで、「パラメーター」タブをクリックし、開始キュー (INITIATION.QUEUE) の名前を指定し、「OK」をクリックします。

Trigger Monitor サービスが MQ キュー・マネージャーのフォルダーに表示されます。指定した開始キューが存在する場合は、WebSphere MQ Services は 自動的に MQ Trigger Monitor を始動します。

MQ により起動される OAD 用アダプターの構成

自動再始動およびリモート再始動を使用するように個々のアダプターを構成するには、以下のステップを実行します。

  1. アダプターの OADAutoRestartAgent 構成プロパティーを true に設定します。
  2. 必要に応じて、その他の OAD 構成プロパティーを設定します。

これらのプロパティーの設定方法については、「システム管理ガイド」を参照してください。

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