ハードウェアとサポートするソフトウェアのアップグレード

システムをアップグレードするときは、ハードウェアとサポートするソフトウェアの両方について、アップグレードする必要があるかどうかを検討しなければなりません。ハードウェア要件およびソフトウェア要件については、インストール要件を参照してください。

このセクションでは、次のサポート・ソフトウェアのアップグレードについて概要を説明します。

要確認:
サポート・ソフトウェアのアップグレードが必要な場合は、システム管理者に依頼して、サポート・ソフトウェアのバックアップを作成してから アップグレードを実行します。

オブジェクト・リクエスト・ブローカーのアップグレード

4.2.2 リリースの時点において、WebSphere InterChange Server システムが VisiBroker オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) を使用し、ICS とそのクライアント (コネクター、WebSphere Business Integration ツール、SNMP エージェント、およびアクセス・クライアント) の間の通信を処理することはなくなりました。代わりに、InterChange Server システムは IBM Java ORB を使用します。4.3 ICS インストーラーは、IBM Java ORB を、Java ランタイム環境 (JRE) の一部として自動的にインストールします。4.3 リリースに付属する IBM Java ORB は、4.2.2 に付属のバージョンからアップグレードされています。したがって、アップグレード元の ICS のバージョンに関係なく、このステップを実行する必要があります。

InterChange Server は、VisiBroker Smart Agent の代わりに IBM Transient Naming Server を使用して、そのネーミング・サービスを提供するようになりました。この変更点も、バージョン 4.2.2 以降に有効になりました。システムをアップグレードして新しいネーミング・サーバーを使用するには、VisiBroker Smart Agent が IBM Transient Naming Server と同じホスト・マシンにインストールされているかどうか、およびこの同じホスト・マシン上にとどまる必要があるかどうかに応じて、次のいずれかを実行します。

注:
IBM Java ORB の概要については、「システム管理ガイド」を参照してください。

プロパティーを使用して IBM Java ORB をセットアップする処理は、4.3 のインストール時に提供される始動スクリプトに設定されています。 ただし、ORB プロパティーの中にカスタマイズしたものがある場合は、新規スクリプトにも同様の変更を加え、IBM ORB の新規バージョンへのマイグレーションに適応させる必要が生じる場合もあります。 IBM ORB プロパティーとその Visibroker 相当品の詳細については、オブジェクト・リクエスト・ブローカーの構成を参照してください。

Java ソフトウェアのアップグレード

WebSphere InterChange Server システムが、IBM 提供の Java ランタイム環境 (JRE) を使用するようになりました。さらに、Java Development Kit (JDK) を使用する場合は、プラットフォームに応じて、表 5表 6表 7 または 表 8 に記載のサポート・レベルに、使用のバージョンをアップグレードする必要があります。JDK をインストールする手順は、使用している特定の UNIX システムにより異なります。詳細な説明については、Java ソフトウェアのインストールを参照してください。既存の JRE や JDK を先にアンインストールしてから JDK の新規バージョンと InterChange Server の最新バージョンをインストールするというのも良い着想です。

注:
サーバーの始動スクリプト CWSharedEnv.sh をカスタマイズしている場合は、バージョン 4.3 にアップグレードする前にそのスクリプトのバックアップを作成する必要があります。このスクリプトは、JDK 1.4.2 をサポートするために、4.3 リリースでは変更されています。代わりのスクリプトは、インストールが完了してテストを行った後に新規スクリプトにマージできます。

WebSphere MQ のアップグレード

要確認:
このセクションで説明する手順を実行する必要があるかどうかは、現行の InterChange Server のバージョンによって異なります。

WebSphere MQ をアップグレードする場合は、次のいずれかの方法を採用できます。

WebSphere MQ 5.3 にアップグレードしている場合は、WebSphere MQ CSD07 パッチを適用してください。失敗したイベントのアップグレードを選択した場合に、WebSphere MQ トランスポートを使用しているときは、以前のデータをバックアップすることになります。この時点で、このバックアップ情報を復元してください。キュー・データの復元方法については、WebSphere MQ の資料を参照してください。

WebSphere MQ ソフトウェアをアップグレードしたら、InterChange Server と連係して使用するために構成する必要があります。 詳細については、ウィザードの使用による WebSphere MQ プロパティーの構成の説明を参照してください。

データベース・ソフトウェアのアップグレード

マイグレーション手順には、オプションとして「インプレース」データベース・アップグレードを組み込むことができます。インプレース・マイグレーションが優先される場合、新規にインストールされた InterChange Server は既存のリポジトリー情報を読み取り、最初のサーバー起動時に必要なアップグレードを実行します。 インプレース・マイグレーションが選択されない場合は、InterChange Server が起動したときに、まったく新しい空のリポジトリーと共になります。 このセクションの残りの部分では、インプレース・マイグレーションの手順の相違について明確に説明します。

既存のデータベース・ソフトウェアのバージョンと、製品の 4.3 バージョンがサポートしているバージョンとを照合してください (ソフトウェア要件)。例えば、バージョン 4.1.1 は DB2 のバージョン 7.2 をサポートしていますが、バージョン 4.3 は DB2 のバージョン 8.1 をサポートしています。

InterChange Server の旧バージョンからマイグレーションする場合は、ご使用のデータベース・ソフトウェアもアップグレードする必要があるかどうかを確認してください。 既存のデータベース・ソフトウェアと、現在サポートされているバージョン (ソフトウェア要件) とを照合してください。DB2 ユーザーを例として説明すると、4.2.x からマイグレーションする場合に必要なのは FP5 を適用することだけですが、4.1.1 からマイグレーションする場合には、DB2 マニュアルのマイグレーション手順に従って DB2 7.2 から 8.1 にマイグレーションし、それから FP5 を適用する必要があります。

データベース・ソフトウェアのアップグレードが必要な場合は、データベース管理者 (DBA) が次の手順に従っていることを確認してください。

データベース・ソフトウェアのバックアップおよびアップグレードを実行する方法の説明については、データベース・サーバーの資料を参照してください。データベースのマイグレーション方法の詳細については、データベースのインポートに進んでください。

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