WebSphere Business Integration Monitor の使用

WebSphere Business Integration Monitor は、InterChange Server などさまざまなサーバーをモニターできるスタンドアロン・モニターです。WebSphere Business Integration Monitor は、WebSphere Business Integration Modeler & Monitor 製品に組み込まれています。WebSphere Business Integration Monitor に InterChange Server 内でフローをモニターする機能を持たせるには、以下の要件を満足する必要があります。

WebSphere Business Integration Monitor のインストールと配置の方法について は、WebSphere Business Integration Monitor 資料の配置ガイドを参照してください。MQ Workflow アダプターのインストール方法については、「Adapter for WebSphere MQ Workflow ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

要確認:
InterChange Server が Microsoft SQL Server をデータベースとして使用している場合、WebSphere Business Integration Monitor を InterChange Server で使用することはできません。

このセクションの内容は次のとおりです。

WebSphere Business Integration Monitor と InterChange Server が連動する仕組み

MQWorkflow アダプターでのフロー・モニター使用可能化手順

InterChange Server のフロー・モニター構成

フロー・モニターのトレースの構成手順

注:
本書では、WebSphere Business Integration Monitor の管理方法は説明しません。WebSphere Business Integration Monitor の管理方法については、WebSphere Business Integration Monitor 資料の「管理ガイド」を参照してください。

WebSphere Business Integration Monitor と InterChange Server が連動する仕組み

InterChange Server システムがフロー・モニターを使用できるように構成されている場合に限り、WebSphere Business Integration Monitor で InterChange Server システムをモニターすることができます。フロー・モニターは、InterChange Server 内でコラボレーションを渡す際に、各フローに関連付けられたイベント情報のビューを提供するサービスです。

注:
WebSphere Business Integration Monitor は InterChange Server イベントだけをモニターし、それらのイベントに関連したビジネス・データはモニターしません。

MQWorkflow アダプターでのフロー・モニター使用可能化手順

WebSphere Business Integration Monitor は、MQWorkflow アダプターでフロー・モニターが使用可能になっている場合に限り、InterChange Server システムをモニターできます。フロー・モニターは、InterChange Server 内でコラボレーションを渡す際に、各フローに関連付けられたイベント情報のビューを提供するサービスです。

注:
BiDi 環境での通信を使用可能にするためには、BiDi データを処理できるように WebSphere MQ を構成する必要があります。詳細については、「システム・インストール・ガイド (Windows 版)」を参照してください。

フロー・モニターを有効にして MQWorkflow アダプターを使用可能にするには、以下のステップを実行します。

  1. System Manager で MQWorkflow コネクターをダブルクリックします。これにより、Connector Configurator が開きます。
  2. 「標準のプロパティー」タブで、EnableOidForFlowMonitoring プロパティーへスクロールします。
  3. 「値」列で、「true」を選択します。
  4. 「ファイル」>「保管」>「プロジェクトに保管」をクリックします。
  5. InterChange Server にリポジトリーを展開します。
  6. InterChange Server を再始動します。

InterChange Server のフロー・モニター構成

WebSphere Business Integration Monitor は、InterChange Server システムがまずフロー・モニターを有効にして構成されている場合に限り、InterChange Server システムをモニターできます。フロー・モニターは、InterChange Server 内でコラボレーションを渡す際に、各フローに関連付けられたイベント情報のビューを提供するサービスです。フロー・モニターを使用できるように InterChange Server を構成するには、次のセクションを実行します。

フロー・モニターを有効にした InterChange Server データベースの構成手順

フロー・モニターのキューの最大長の構成手順

フロー・モニターのトレースの構成手順

フロー・モニターを有効にした InterChange Server データベースの構成手順

InterChange Server データベースは、InterChange Server のインストールが完了した後に限り、フロー・モニター用に構成することができます。InterChange Server 構成ウィザードと System Manager という 2 つのツールを使用すると、フロー・モニター用に InterChange Server データベースを構成できます。

これら 2 つのツールのいずれかを使用して、フロー・モニターを有効にした InterChange Server データベースを構成するには、以下のステップを実行します。

要確認:
フロー・モニターは、Microsoft SQL Server が InterChange Server データベースである場合、InterChange Server 上で構成することはできません。
  1. 使用するツールに従って、以下の説明のいずれかを使用して、ツールを開きます。
    InterChange Server 構成ウィザード

    「スタート」>「プログラム」>「IBM WebSphere InterChange Server」>「IBM WebSphere InterChange Server」>「IBM WebSphere InterChange Server 構成ウィザード」をクリックします。

    InterChange Server 構成ウィザードが開きます。

    System Manager

    System Monitor の 「InterChange Server コンポーネント管理」 ビューから、フロー・モニター・サービスを設定するデータベースの ICS インスタンス を右マウス・ボタンでクリックし、「構成を編集」を選択します。

    System Manager ウィンドウの右上のセクションが、InterchangeSystem.cfg ファイルを編集できるツールになります。

  2. (InterChange Server 構成ウィザードまたは System Manager の「構成を編集」ウィンドウの) 「データベース」タブを選択し、ウィンドウの一番下までスクロールし、「フロー・モニター」セクションを表示します (InterChange Server 構成ウィザードについては図 17、System Manager の「構成を編集」ウィンドウについては図 18 を、それぞれ参照してください)。
    注:
    Microsoft SQL Server を InterChange Server データベースとして使用している場合、「フロー・モニター」セクションはグレーで表示されます。フロー・モニターは、Microsoft SQL Server が InterChange Server データベースである場合、InterChange Server 上で構成することはできません。

    図 17. InterChange Server 構成ウィザードの「データベース」タブ


    図 18. System Manager の「構成を編集」ウィンドウの「データベース」タブ


  3. 表 8 の情報を参考にして、「フロー・モニター」フィールドに情報を入力します。

    表 8. フロー・モニターの構成情報
    構成情報 説明
    ホスト名 データベース・サーバーが常駐するマシンのホスト名
    データベース データベース・サーバー上に作成したデータベースの名前
    スキーマ名 フロー・モニター・イベント表が常駐するデータベース・スキーマの名前。カスタム・スキーマ名を構成する場合は、スキーマ名によって指定されるログインに対して、CREATEDELETE、および INSERT 許可を与える必要があります。DB2 データベースの場合、スキーマ名は任意です。Oracle データベースの場合、スキーマ名は、表を作成したユーザーと同じにします。デフォルトのスキーマ名は、ログイン・ユーザー名と同じになります。
    注 1:
    スキーマ名フィールドの有効な値は、US-ASCII 文字セットから最大 30 文字まで指定することができます。スキーマ名は、A から Z の範囲の 1 文字で始める必要があり、最初の 3 文字は SYS にすることはできません。残りの文字は、A から Z までの文字および 0 から 9 までの数字にすることができます。
    注 2:
    「スキーマ名」フィールドは、InterChange Server の 4.2.2.2 バージョンに限り使用できます。
    最大接続 データベースとの最大同時接続数
    ログイン データベース・ログイン名
    パスワード データベース・パスワード
    ポート番号 データベース・サーバーのポート番号

フロー・モニターのキューの最大長の構成手順

キューの最大長とは、InterChange Server メモリー内で許容されるイベントの最大数をコントロールするパラメーターであり、最大数に達すると、コラボレーションは、追加イベントのエンキューの待機を開始します。フロー・モニターの実行中、多数のイベントが、トレース対象のコラボレーションの各フローに対して記録されます。これは、大量のデータベース・アクティビティーを起こし、性能低下を招く可能性があります。過度の性能低下を防止するため、コラボレーション・フローは、メモリー内の InterChange Server キューにモニター・イベントを書き込み、書き込まれたフローはデータベースに転送されます。InterChange Server システムがメモリー不足に陥らないようにするため、このキュー項目数は、キューの最大長パラメーターを構成して制限することができます。

System Manager からキューの最大長を構成するには、以下のステップを実行します。

注:
キューの最大長パラメーターは、コラボレーション単位ではなく、システム全体に限り構成可能です。
  1. 「InterChange コンポーネント管理」ビューで、そのキューの最大長を変更する InterChange Server インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「構成を編集」を選択します。System Manager ウィンドウの右上のセクションが、InterchangeSystem.cfg ファイルを編集できるツールになります。
  2. 「各種」タブをクリックします (図 19 を参照)。

    図 19. InterChange Server の「構成を編集」ウィンドウの「各種」タブ


  3. 「フロー・モニター」セクションの「最大フロー・キュー項目数」フィールドに、その数に達するとコラボレーションが追加イベントのエンキューの待機を始める、InterChange Server メモリー内で許容できるイベントの最大数を表す数値を入力します。デフォルトは 500 です。別の方法として、「最大値」チェック・ボックスを選択することもできます。イベントの許容最大数は、2147483647 です。

    変更内容は、InterchangeSystem.cfg ファイルに即時に保管されますが、サーバーを再始動するまでは有効になりません。

フロー・モニターのトレースの構成手順

InterChange Server システムに対してフロー・モニターを構成すると、トレース対象イベントに目的のトレース・レベルを設定することができます。

フロー・モニターのトレース・レベルを設定するには、以下のステップを実行します。

注:
フロー・モニターのトレース・レベルは、コラボレーション単位ではなく、システム全体に限り設定することができます。
  1. 「InterChange コンポーネント管理」ビューで、そのフロー・モニターのトレース・レベルを構成する InterChange Server インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「構成を編集」を選択します。System Manager ウィンドウの右上のセクションが、InterchangeSystem.cfg ファイルを編集できるツールになります。
  2. 「トレース・レベル」タブを選択します。
  3. 「IBM WebSphere Business Integration System トレース・レベル」グループ・ボックスで、フロー・モニターの「トレース・レベル」フィールドを探します。
  4. 「フロー・モニターのトレース・レベル (Flow Monitoring Trace level)」フィールドで、目的のトレース・レベルを 0 から 5 までの範囲で選択します。表 9 は、フロー・モニターの各種トレース・レベルを説明しています。

    表 9. フロー・モニター・トレース・レベル
    トレース・レベル 説明
    0 トレースなし
    1 ブート時に、データベースの構成を表示します
    2 未使用
    3 サーバーのメモリー内のイベント・エンキュー/デキューを示します
    4 メモリー内キュー操作の後、type または sequenceNumber などのイベント・データ詳細を示します
    5 データベース書き込みを追加します

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