一部の InterChange Server コンポーネントは、アップグレードを完了するための追加作業を行う必要があります。以下のセクションでは、これらのアップグレードを完了する方法について説明します。
バージョン 4.2.x より、ICS コンポーネントの作成は、(4.1.1 の場合のように) ICS インスタンス内で実行されるのではなく、ローカルで行われるようになりました。したがって、4.1.1 バージョンからアップグレードしている場合は、System Manager 内で統合コンポーネント・ライブラリー (ICL) を 作成する必要があります。ICL には、InterChange Server のコンポーネントが保持されています。ICL の作成方法については、「System Integration Guide」を参照してください。ICL を作成すると、InterChange Server リポジトリーから コンポーネントをインポートできます。
順序 | ICS コンポーネント | インポートの手順 |
---|---|---|
1 | ビジネス・オブジェクト |
既存のビジネス・オブジェクト定義を ICS リポジトリーから System Manager 内部の ICL にインポートします。System Manager の「Import components wizard」を使用してコンポーネントをインポートする方法の詳細については、「WebSphere InterChange Server システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。 |
2 | マップ | コラボレーション・テンプレートおよびマップのアップグレードの完了 |
3 | コラボレーション・テンプレートとコラボレーション・オブジェクト | コラボレーション・テンプレートおよびマップのアップグレードの完了 |
4 | コネクター | コネクターのアップグレードの完了 |
5 | 関係 |
既存の関係定義を ICS リポジトリーから System Manager 内部の ICL にインポートします。System Manager の「Import components wizard」を使用してコンポーネントをインポートする方法の詳細については、「WebSphere InterChange Server システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。 |
ICS リポジトリーをアップグレードすると、既存のマップおよびコラボレーション・テンプレートのアップグレードを 完了できます。このアップグレードには、以下の手順が必要です。
コードが新規バージョンと互換であることを確認するには、マップとコラボレーション・テンプレートの既存の Java クラス (.class) ファイルを調べることが重要です。
ProductDir¥DLMs¥classes¥NativeMaps
ProductDir¥collaborations¥classes¥UserCollaborations
既存の Java クラス・ファイルに次のコードが存在するかどうか確認してください。
Java クラス・ファイルを変更した場合は、コードを再コンパイルして関連のコンポーネントを ICS リポジトリーに再展開する必要があります。マップのコンパイル方法については、「マップ開発ガイド」を参照してください。コラボレーション・テンプレートのコンパイル方法については、「コラボレーション開発ガイド」を参照してください。
このセクションでは、次に示すように、コネクターを InterChange Server の 4.3 バージョンにアップグレードするための手順を説明します。
WebSphere Business Integration Adapter を InterChange Server と連動させるには、WebSphere Business Integration Adapter のバージョン 2.4 をインストールする必要があります。ただし、新規にインストールするために、既存のアダプター・ディレクトリー (ProductDir¥connectors ディレクトリーのサブディレクトリーに存在) をそのままコピーすることはできません。それらは、WebSphere Business Integration Adapter のインストーラーによって提供される共用コンポーネントであるからです。すべてのアダプターに共通の単一インストーラーは存在しなくなったため、関連の各 アダプターに固有のインストーラーを使用してアダプターをインストールする必要があります。
アダプターをインストールする方法の詳細については、個々のアダプター・ガイドを参照してください。
ICS 構成ファイル (InterchangeSystem.cfg) にコネクター・エージェント情報が含まれる場合は、登録されているコネクターごとに個別のコネクター固有構成ファイルが作成されます。
Connector Configurator で開いたファイルで、コネクター・プロパティーを設定し、「Save A Project」を選択し、構成を System Manager に保管します。System Manager では、新規コネクター構成を InterChange Server に展開できます。詳細については、「WebSphere InterChange Server システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。
WebSphere Business Integration Adapters をアップグレードする場合、ICS を 統合ブローカーとして使用しているときは、アダプターのショートカットに対して行った すべてのカスタマイズを再適用する必要があります。ショートカットは、アダプターのアップグレード中に上書きされます。
WebSphere Message Broker (MQ Integrator、MQ Integrator Broker、Business Integration Message Broker のいずれか) から InterChange Server システムへコネクターをマイグレーションするには、次の手順に従います。
アップグレードしたコネクターのコネクター固有プロパティーが最新であることを確認するには、関連のアダプター・ガイドを参照してください。
すべての InterChange Server 始動スクリプトは、VisiBroker ORB から IBM Java ORB へのマイグレーションに対応するために変更されました。4.3 以前のコネクター始動 スクリプトを変更した場合は、新規の始動スクリプトにも同様の変更を加えてください。
このリリースでは、次に示す主な変更点を含む始動スクリプト構造が導入されます。
以前のリリースでコネクター始動スクリプトをカスタマイズした場合は、スクリプトを再度吟味して、カスタマイズの内容がこの新規始動スクリプト構造の正しいファイルに存在することを確認してください。
コネクターのアップグレードまたは変更が完了したら、そのコネクターが新しい環境に合わせて適切に構成されているかを確認します。それには以下の手順を行います。
4.2.2 以降、VisiBroker は IBM ORB に置き換わっているので、VisiBroker はバージョン 4.3.0 の InterChange Server では提示されません。4.3.0 インストールに付属する IBM ORB が、唯一のサポートされるアクセス・クライアントです。旧アクセス・クライアントをバージョン 4.3 で動作させるためには、いくつか変更を行う必要があります。コード変更は以下のとおりです。
... Properties orbProperties=new java.util.Properties(); orbProperties.setProperty("org.omg.CORBA.ORBClass", "com.inprise.vbroker.orb.ORB"); orbProperties.setProperty("org.omg.CORBA.ORBSingletonClass", "com.inprise.vbroker.orb.ORBSingleton"); org.omg.CORBA.ORB orb = org.omg.CORBA.ORB.init((String[])null, orbProperties); ...
VisiBroker クラス (com.inprise.vborker.org.*) を参照する setProperty() メソッド呼び出しを含む 2 つの行を除去して、フレームワークが VisiBroker ではなく JDK のデフォルトの ORB インプリメンテーションを使用できるようにします。
アクセス・クライアントは、CORBA 2.3 準拠のどの標準 ORB でも動作します。IBM 以外の ORB の場合、起こりうる互換性問題については、当該 ORB ベンダーに問い合わせください。
アクセス・クライアントは、依然として IgetInterchangeAccessSession() メソッドを使用して、次に示すようにそのアクセス・セッションを取得できます。
accessSession = accessEngine.IgetInterchangeAccessSession(userName, passWord);
バージョン 4.3 で導入された新規のセキュリティー・メカニズムでは、代わりに SecureLoginUtility を使用して、次に示すようにアクセス・セッションを取得することをお勧めします。
Properties props = new Properties(); props.put("username", "admin"); props.put("password", "admin"); accessSession = SecureLoginUtility.login(accessEngine , props);
このようにして、ユーザー名とパスワードが暗号化されます。これにより、機密情報が伝送中に盗聴されないようにします。
カスタムの .jar ファイル (データ・ハンドラーなど) を持つその他のコンポーネントを作成した場合は、カスタムの .jar ファイルを新規ディレクトリーの適切な場所にコピーする必要があります。通常、カスタムの .jar ファイルは、製品ディレクトリーの lib サブディレクトリーにあります。
既存のユーザー・プロジェクトをエクスポートした場合は、ICS が実行してからインポートできます。System Manager を ICS インスタンスに接続し、以下のステップを行います。
インターフェースごとにプロジェクトを作成し、共通のコンポーネント (メタオブジェクトやコネクターなど) に対して個別にプロジェクトを作成することをお勧めします。System Manager を ICS インスタンスに接続し、以下のステップを行います。
プロジェクトを作成する方法については、「WebSphere InterChange Server インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。