IBM ORB Transient Naming Server の始動

IBM ORB Transient Naming Server (tnameserv) は、IBM Java ORB の一部であり、WebSphere Business Integration システムにネーミング・サービスを提供します。WebSphere Business Integration システムのコンポーネントは、始動時に、それ自身を IBM ORB Transient Naming Server に登録 します。コンポーネントが他のビジネス・インテグレーション・システム・コンポーネントにアクセスする必要があるときは、ネーミング・サービスを使用して、そのコンポーネントを見つけ出して対話するために必要な情報を判別します。例えば、アダプターが InterChange Server と通信する必要があるとき、アダプターは Transient Naming Server を通じて InterChange Server のロケーションを取得します。

ただし Transient Naming Server に障害が発生した場合、メモリーの内容は失われます。そのため、登録されていたすべてのコンポーネントを、ネーミング・サービスに登録できるようにリブートする必要が あります。Persistent Naming Server は、IBM ORB Transient Naming Server の機能を拡張して、Transient Naming Server に登録された CORBA オブジェクトの集合がネーミング・リポジトリー に保管されるようにしています。ネーミング・リポジトリーが存在するということは、これらの CORBA 参照が、Transient Naming Server のメモリー内のみに存在するのではなく、永続的であることを意味します。すなわち、Transient Naming Server に障害が発生した場合にも、これらは他のプロセスおよび ICS コンポーネントから利用可能です。シャットダウンと再始動を行わなくても、他のコンポーネントはネーミング・サービスに登録することができます。

デフォルトでは、Persistent Naming Server は使用可能になっています。すなわち、CORBA オブジェクトへの参照がネーミング・リポジトリー内に保持されています。ただし、このネーミング・サーバーを稼働するには、製品ディレクトリーの bin サブディレクトリーにある PersistentNameServer.sh 始動ファイルを使用して、明示的に始動する必要があります。この始動ファイルは以下のステップを実行します。

  1. IBM ORB Transient Naming Server を始動します。
  2. 参照される CORBA オブジェクトをネーミング・リポジトリーにロードします。

このスクリプトを起動するには、製品ディレクトリー ProductDir/bin に移動して、次のコマンドを入力します。

./PersistentNameServer.sh
 

CosNamingPersistency 構成パラメーター (ICS 構成ファイルの CORBA セクションにある) を false に設定することによって、Persistent Naming Server をオフにすることができます。詳しくは、「システム管理ガイド」に記載されている、ORB を構成する方法の詳細を参照してください。

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