コラボレーション・オブジェクトの管理

通常、コラボレーション・オブジェクトの管理には、コラボレーション・オブジェクトの実行、一時停止、停止、シャットダウンなどのタスクが含まれます。コラボレーション・オブジェクトの構成方法については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。

コラボレーション・オブジェクトの実行、一時停止、停止、およびシャットダウンは、System Monitor または「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの System Manager から行うことができます。

このセクションの内容は次のとおりです。

コラボレーション・オブジェクトの状態の表示

コラボレーション・オブジェクトの開始、停止、および一時停止

コラボレーション・オブジェクト・ランタイム・プロパティーの構成

コラボレーション・オブジェクトの状態の表示

System Monitor にログオンしてコラボレーション・オブジェクト情報を含むビューを開くか、System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューを使用することによって、コラボレーション・オブジェクトの状態を表示させることができます。System Monitor にログオンするには、System Monitor へのログオン手順の手順に従います。System Manager を使用する際は、InterChange Server Express インスタンスへの接続手順の説明に従ってください。

コラボレーション・オブジェクトの状態の表示方法は、使用しているツールに応じて以下のようになります。

System Monitor でのコラボレーション・オブジェクト状態の表示手順

System Monitor でコラボレーション・オブジェクトの状態を表示するには、以下の手順を実行します。

  1. 「システム概要」ビューが表示されていない場合は、System Monitor の左側のペインで、「ビュー」 の下にある「システム概要」リンクをクリックします。「システム概要」モニターが表示されます。

    製品をインストールしたときには、デフォルト・ビューは「システム概要」に設定され、そのビューに含まれるデフォルト・モニターは「システム概要」に設定されます。これらのデフォルトは、モニターのニーズに合わせて変更できます。手順については、システムをモニターするビューの設定を参照してください。

  2. サーバーの名前の横にある三角形をクリックし、システムのコンポーネントのリストを表示します。すべてのコラボレーション・オブジェクトが、その状況、開始時刻、および全稼働時間とともにリスト表示されます (図 31 を参照)。
    図 31. System Monitor、「システム概要」におけるコラボレーション・オブジェクト状況の表示

System Manager でのコラボレーション・オブジェクト状態の表示手順

System Manager でコラボレーション・オブジェクトの状態を表示するには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager を開き、表示したいコラボレーション・オブジェクトを含む InterChange Server Express インスタンスに 接続します (InterChange Server Express インスタンスへの接続手順を参照)。
  2. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで、InterChange Server Express インスタンスを展開した後、コラボレーション・オブジェクト・フォルダーを展開します。

    展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーの下に、さまざまな状態を示すコラボレーション・オブジェクトが異なる色で表示されます (図 32 を参照)。

図 32. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダー

表 9 は System Monitor と、「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで表示可能なコラボレーション・オブジェクトの状態について説明しています。

表 9. コラボレーション・オブジェクトの状態
コラボレーション・オブジェクトの状況 説明
開始 開始されたコラボレーションは、それが起動するビジネス・オブジェクトにサブスクライブします。このコラボレーションは、ビジネス・オブジェクトが届いた時点で、それらのビジネス・オブジェクトを処理します。InterChange Server Express を停止してから再始動すると、開始状態のコラボレーション・オブジェクトは InterChange Server Express の再始動時に自動的に実行を開始します。
一時停止 一時停止されたコラボレーションは、新しいフロー・イニシエーターを受信できません。すべての現行処理を完了してからアイドル状態に入ります。

コネクターは、そのサブスクリプション情報を保守します。つまり、コネクター・キューにフロー・イニシエーターを送り続けます。これらのイニシエーターは、コラボレーションが再開されたときに処理します。

コラボレーションの実行を再開するには、System Monitor または「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの「コラボレーション・オブジェクト」メニューで「開始」をクリックします。

停止 コラボレーションを停止します。これによりビジネス・オブジェクトをアンサブスクライブします。コラボレーションは、すべての現行処理を完了してから非アクティブになります。「停止」コマンドは、「一時停止」コマンドと異なり、コネクターからコラボレーションへのビジネス・オブジェクトの送信を停止します。

フローを絶つことなくコラボレーションを適切に停止するには、まずポーリング状態の関連するコネクターを停止し、すべてのフローを処理できるようにします。その後、コラボレーションを停止してください。

シャットダウン コラボレーションをシャットダウンすると、現行フローの処理が直ちに終了します。コラボレーションが再始動されると、シャットダウンによって中断されていたフローが処理され、キューの中で待ち状態にあったフローが回復されて、システムが回復します。この回復は直ちに完了せず、システムが完全に回復するまで待つ必要があります。
注:
コラボレーション・グループに属するコラボレーション・オブジェクトを停止またはシャットダウンすると、そのグループ内のすべてのコラボレーションが停止またはシャットダウンします。コラボレーション・グループのいずれかのメンバーを開始できない場合、またはいずれかのメンバーの状態変更に失敗した場合、そのコラボレーション・グループは初期状態までロールバックされます (使用不能になるか停止する)。

コラボレーション・オブジェクトの開始、停止、および一時停止

コラボレーション・オブジェクトを初めて実行する場合は、そのコラボレーション・オブジェクトを構成してから開始する必要があります。コラボレーションの構成方法については、コラボレーション・オブジェクト・ランタイム・プロパティーの構成を参照してください。 コラボレーション・オブジェクトを実行、停止、および一時停止する方法は、使用しているツールによって異なります。

System Monitor でコラボレーション・オブジェクトを始動、停止、および一時停止する手順

System Monitor でコラボレーション・オブジェクトを始動、停止、および一時停止するには、以下の手順を実行します。

  1. 「システム概要」ビュー (図 27 を参照) で、コラボレーション・オブジェクト の左側にあるチェック・ボックスを選択して、目的のコラボレーション・オブジェクトを選択します。
  2. ビューの左上隅のアイコン・グループから 「開始」、「一時停止」、または「停止」アイコンをクリックします (図 29 を参照)。

System Manager でコラボレーション・オブジェクトを始動、停止、および一時停止する手順

System Manager でコラボレーション・オブジェクトを始動、停止、および一時停止するには、以下の手順を実行します。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューのコラボレーション・オブジェクト・フォルダーに移動します。
  2. コラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「CollaborationName の始動」、「CollaborationName の一時停止」、または「CollaborationName の停止」を選択します。

コラボレーション・オブジェクト・ランタイム・プロパティーの構成

このセクションでは、実動環境におけるシステム管理タスクと、以下の手順について説明します。

コラボレーション・オブジェクトの一般プロパティーの設定手順

イベント起動型並行フローを処理するようにコラボレーション・オブジェクトを構成する手順

コラボレーション・オブジェクトのフロー制御の構成手順

以下の作業の詳細については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。

コラボレーション・オブジェクトの一般プロパティーの設定手順

コラボレーションの「プロパティー」ウィンドウを開き、コラボレーション・オブジェクトの一般プロパティーの 値を変更するには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager にある「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダーを展開します。
  2. コラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」をクリックします。
  3. 「プロパティー」ダイアログ・ボックスで「コラボレーションの一般プロパティー」タブ をクリックします。図 33を参照してください。
図 33. 「プロパティー」ダイアログ・ボックス、「コラボレーションの一般プロパティー」タブ

このダイアログ・ボックスには、コラボレーション・オブジェクトの生成元であるテンプレートと、コラボレーション・テンプレートに指定されていた最小トランザクション・レベルが表示されます。

このダイアログ・ボックスでは、以下の値を設定できます。

イベント起動型並行フローを処理するようにコラボレーション・オブジェクトを構成する手順

並行イベントの処理の詳細については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。

ヒント:
コラボレーションでイベントにより起動されたフローを並行処理すると、必要なシステム・リソースが増加します。パフォーマンスを最大にするため、並行イベントを扱うのに使用されるシステム・リソースがアイドル状態にならないようにしてください。例えば、コラボレーション・キューが最大 4 つのイベントを処理するよう設定されているときに、起動された並行イベントの最大数のオプションを 10 に設定しないでください。

コラボレーションの並行フローの最大数を設定するには、以下の手順を実行してください。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで、変更するコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」をクリックします。「プロパティー」ダイアログ・ボックスが 表示されます (図 33 を参照)。
  2. 「コラボレーションの一般プロパティー」タブで、「並行イベントの最大数」フィールドに値を入力します。
  3. 「ファイル」>「保管」または Ctrl+S を選択して変更内容を保管し、ウィンドウを閉じます。
  4. 変更内容を有効にするため、コラボレーションを再始動します。

コラボレーション・オブジェクトのフロー制御の構成手順

フロー制御は、コネクターおよびコラボレーション・オブジェクト・キューのフローを管理できる 構成可能なサービスです。フロー制御を構成するパラメーターは、システム全体、個々のコンポーネント、またはその両方について構成できます。両方を構成した場合は、個々のコンポーネント構成がシステム全体の構成より優先されます。システム全体のフロー制御を構成する手順については、システム全体のフロー制御の構成手順を参照してください。このセクションでは、コラボレーション・オブジェクトの フロー制御を構成する方法について説明します。

注:
個々のコネクターまたはコラボレーション・オブジェクトの構成変更は 動的であり、InterChange Server Express をリブートする必要はありません。フロー制御用のシステム全体の構成変更を行った場合は、InterChange Server Express をリブートする必要があります。

システム内でのフロー制御の動作をモニターするには、フロー制御モニター、および System Monitor の一部として 提供されるビューを表示するか、System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで コラボレーション・オブジェクトまたはコネクターの統計を表示します。フロー制御モニター、および System Monitor のビューの使用方法については、デフォルト・モニターの検討手順およびデフォルト・ビューの使用手順を参照してください。System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューでフロー制御を表示する方法については、コラボレーション・オブジェクト統計の表示手順、または コネクター統計の表示手順を参照してください。

コラボレーション・オブジェクトのフロー制御を構成するには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager にある「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダーを展開します。
  2. フロー制御を作成したいコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」をクリックします。「プロパティー」ダイアログ・ボックスが 表示されます (図 33 を参照)。
  3. 「コラボレーションの一般プロパティー」タブで「最大イベント容量」フィールドの値を編集し、コラボレーション・オブジェクトについてキューに入れるイベントの最大数を指定します。このプロパティーの値の有効な範囲は 1 から 2147483647 です (1 と 2147483647 を含む)。
  4. 「ファイル」>「保管」または Ctrl+S を選択します。プロパティーは直ちに変更されます。

長期存続ビジネス・プロセスのタイムアウト属性の再構成手順

長期存続ビジネス・プロセスにより、コラボレーション・オブジェクトを 長期存続ビジネス・プロセスとして展開できます。コラボレーション・オブジェクトが長期存続ビジネス・プロセスで 構成されている場合は、サービス呼び出しタイムアウト値を実行時に再構成できます。長期存続ビジネス・プロセスを持つ コラボレーション・オブジェクトの開発については、「コラボレーション開発ガイド」を参照してください。

長期存続ビジネス・プロセスを持つコラボレーションの サービス呼び出しタイムアウト値を再構成するには、以下の手順を実行します。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで、サービス呼び出しタイムアウト値を編集するコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」をクリックします。「プロパティー」ダイアログ・ボックスが表示されます。
  2. 「プロパティー」タブをクリックして、変更するサービス呼び出しタイムアウト値を表すプロパティーを探し、値フィールドをクリックします。プロパティーが選択されたら、値を編集できます。
    注:
    サービス呼び出しタイムアウト構成プロパティーの名前は 「CreateTimeout」や「RetrieveTimeout」などになっていますが、このプロパティーの命名規則は決められていないため、サービス呼び出しタイムアウト構成プロパティーの名前がすぐにわからない場合は、コラボレーションの開発者に問い合わせてください。
  3. 値を編集し、許可するタイムアウトを分単位で指定します。
    注:
    「値」フィールドには 0 より大きい整数を設定します。このフィールドが 0 またはブランクの場合は、待ち時間は無制限となります。数値以外の値を含む場合は、コラボレーション・ランタイム例外を引き起こします。
  4. 「ファイル」>「保管」または Ctrl+S を選択します。変更内容は直ちに有効になります。InterChange Server Express を再始動する必要はありません。

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