汎用メタオブジェクト

コネクター構成ファイルの 3 つのプロパティーに対応し、これらのプロパティーによって設定される汎用メタオブジェクトのグループが、コネクター内に 3 つ存在します。これらは、構成メタオブジェクト、サービス登録メタオブジェクト (実際にはネストされた一連のオブジェクト)、およびデータ・ハンドラー・メタオブジェクト (これもネストされた一連のオブジェクト) です。

構成メタオブジェクト

構成メタオブジェクトとは、BIA_Static_MO のことです。このメタオブジェクトには、さまざまなメッセージ・タイプを処理するための静的なメタ情報がアプリケーション固有の情報 (ASI) の値として格納されます。

図 5. Business Object Designer Express での BIA_Static_MO
スクリーン・ショット

この例のオブジェクトに該当する属性は次のとおりです。

MO レベルの属性 説明
Default デフォルト値が記述されます。
HL7_Message_Create HL7_Message オブジェクトに関連した Create 動詞の静的メタ属性値が記述されます。
HL7_Message HL7_Message オブジェクトに関連した静的メタ属性値が記述されます。

指定したメッセージ・タイプごとに ASI の値として格納されているメッセージ・タイプを処理するための静的メタ情報の種類は、次のとおりです。

メッセージ・タイプごとのアプリケーション固有の情報 説明
mode = 可能な値は sync または async です。「sync」の場合、コネクターはイベント処理時に同期方式でブローカーと通信します。「async」の場合、通信は非同期になります。
collabName = 同期イベント処理の場合にのみ関係があります。コネクターが呼び出す必要があるコラボレーションに名前を付けます。
client = Clientx サービス呼び出し要求処理の場合にのみ関係があります。コネクターの構成属性 Clientx に格納されているリモート・サーバー構成情報に名前を付けます。

サービス登録メタオブジェクト

サービス登録メタオブジェクトとは、BIA_MO_Service のことです。これは、メッセージ・タイプの処理時に使用できる複数の種類の「サービス」を記述する一連のオブジェクトのうち、トップレベルのオブジェクトです。「サービス」とは、再使用可能な任意の機能のことです。このリリースでは「データ・ハンドラー・サービス」のみを定義しますが、データベース・アクセス用の「データベース・サービス」など、その他のサービスも定義できます。

図 6. Business Object Designer Express での BIA_MO_Service
スクリーン・ショット

このオブジェクトに該当する属性は次のとおりです。

MO レベルの属性 説明
DataHandlerService 詳細な情報が格納されている BIA_MO_DataHandlerServiceDetails を参照します。

BIA_MO_DataHandlerServiceDetails オブジェクトは、データ・ハンドラー・サービスの追加情報を提供します。

図 7. Business Object Designer Express での BIA_MO_DataHandlerServiceDetails
スクリーン・ショット

このオブジェクトに該当する属性は次のとおりです。

MO レベルの属性 説明
Service Type サービス・タイプを指定するための追加情報が格納されます。コネクターの処理のためには使用されません。
ServiceName サービス名を指定します。DataHandlerService の場合、これは、DataHandlerMimeType 属性のコネクター構成ファイルに指定されているように、処理の対象となるメッセージの MIME タイプになります。
ServiceInformation 詳細な情報が格納されている BIA_MO_DataHandlerService を参照します。

BIA_MO_DataHandlerService オブジェクトは、適切なデータ・ハンドラーおよびそのメソッドを呼び出すための情報を提供します。

図 8. Business Object Designer Express での BIA_MO_DataHandlerService
スクリーン・ショット

このオブジェクトに該当する属性は次のとおりです。

MO レベルの属性 説明
hl7 特定の MIME タイプの処理を定義します。この属性で参照されるオブジェクト (例は BIA_MO_DataHandlerService_HL7) には、データ・ハンドラーが使用する特定の情報が格納されています。後述する関連の子属性 (+ 記号で表示) は、格納される側のオブジェクトに属します。これらの子属性は、ここに示す MIME タイプが BIA_MO_DataHandlerServiceDetails オブジェクトの ServiceName 属性に一致した場合に使用されます。
+EventMethodFormat イベント処理時に呼び出される HL7 DataHandler メソッドを格納します。
+RequestMethodFormat サービス呼び出し要求処理時に呼び出される HL7 DataHandler メソッドを格納します。
+CharSet ソケットに到着するメッセージ・データの CharSet を格納します。
+SupportMultipleMessages 到着するデータに含まれるメッセージが 1 つか複数かを示します。
ncpdp 別のタイプ固有オブジェクト (ここでの例は BIA_MO_DataHandlerService_NCPDP) を参照することにより、2 番目の MIME タイプの処理を定義します。

データ・ハンドラー・メタオブジェクト

データ・ハンドラー・メタオブジェクトとは、BIA_MO_DataHandler_Default のことです。これは、指定のデータ・ハンドラーが使用する情報が格納されている階層で、トップレベルのオブジェクトです。この情報は、サービス登録オブジェクト階層に格納されている情報とは異なります。

図 9. Business Object Designer Express での BIA_MO_DataHandlerDefault
スクリーン・ショット

このオブジェクトに該当する属性は次のとおりです。

MO レベルの属性 説明
hl7 DataHandlerMimeType 属性のコネクター構成ファイルに指定したとおりに MIME タイプの処理を定義します。参照されるオブジェクト (この例では BIA_MO_DataHandler_HL7) には、データ・ハンドラーが使用する、タイプ固有の情報が格納されています。

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