Adapter for eMatrix は双方向に動作します。アダプターは、eMatrix システムで発生した イベントを処理し、統合ブローカーによって eMatrix システムに送信された要求を 処理することができます。
アダプターは、ポーリング機構によってイベントを検出し、処理します。 この機構を使用すると、ユーザーは、イベント優先順位を設定し、イベント検出頻度 およびアダプターが処理できるイベント数を制御できます。このレベルの制御によって、大規模システム内でのアダプターの負荷のバランスを取り、重大イベントの経路を滑らかにできます。 これらの値は、アダプターの構成可能プロパティーで 設定されます (コネクターの構成を参照)。
アダプターは、Java Program Object (JPO) および eMatrix ビジネス・オブジェクト定義を使用して、イベントに関する情報の保管および送信を行います。 IBM では、選択して使用できる 2 つのデフォルト JPO を提供しています。この JPO は、以下のとおりです。
この説明では、デフォルトの WBIEventLogger JPO の使用を想定しています。eMatrix オブジェクトの 構造の詳細については、ビジネス・オブジェクトの理解を参照してください。
イベント通知においては、WBIEventLogger JPO が中核をなします。アクションが、特定のビジネス・オブジェクトまたは関係に関連するときは常に、トリガーを定義し、この JPO を呼び出すことができます。JPO は、オブジェクト ID および指定されたオプション を使用して、eMatrix 内で新規イベントのビジネス・オブジェクトまたは関係を作成します。
例えば、「Part Assembly」と呼ばれるオブジェクト・タイプに関連したイベントを追跡したい場合、eMatrix を構成し、そのようなアクションが発生したときに JPO を起動することができます。 トリガーが起動すると、JPO は、PartAssembly ID およびイベント中に行われるアクション・タイプ を記録します。
トリガー定義の詳細については、JPO の構成を参照してください。
アプリケーションをポーリングする場合、アダプターは、未処理イベントを eMatrix に照会します。アダプターは、構成プロパティーの EventStatus として READY_FOR_POLL の値を持っているすべてのイベントを 検査します。アダプターは、WBIEventLogger JPO が作成したイベント・レコードを検索します。
すべてのイベントは同じボールトに存在します。アダプターは、始動時に EventVault プロパティーの値を読み取ります。
アダプターは、次に、関連した eMatrix オブジェクトを検索し、それを統合ブローカーに送信します。イベントが統合ブローカーにパブリッシュされたら、アダプターは、イベントを eMatrix に保存することもできます。
イベントに関する情報は、未処理イベントの場合、「<prefix>_Event」、処理済みイベントの場合、「<prefix>_Archived_Event」と呼ばれる eMatrix オブジェクトに保持されます。アダプターは、状況コードを使用してイベントの状態を追跡します。
予期せずにアダプターが終了すると、アダプターは、再始動時に「未確定」イベントを報告します。イベントが統合ブローカーに正常にパブリッシュされたかどうかをアダプターが判別できない場合、イベントには未確定というラベルが付けられます。アダプターは、通常のイベントを処理する前に、これらのイベントを処理する必要があります。アダプターが行う アクションの詳細については、エラー処理を参照してください。