ビジネス・サービスの理解

この節では、ビジネス・サービスとは何かについて説明し、ビジネス・サービスをサポートするビジネス・オブジェクトの作成方法を示します。以下のトピックで構成されています。

ビジネス・サービスの説明

ビジネス・サービスをサポートするビジネス・オブジェクトの処理

ビジネス・サービスの説明

Siebel ビジネス・サービスは、Siebel アプリケーションと外部アプリケーションとの間でのデータの移動やデータ・フォーマットの変換といった一連の機能の使用をカプセル化して単純化する、Siebel 内のエンティティーです。Siebel ビジネス・コンポーネント およびビジネス・オブジェクトは、通常は Siebel データ・モデル内の特定のデータやテーブルに 関連付けられているオブジェクトです。これに対し Siebel ビジネス・サービスは、特定のオブジェクトに関連付けられているのではなく、特定の目標を達成するためにオブジェクトに対して操作を実行します。

アダプターは、EAI Siebel Adapter (Siebel が提供する汎用ビジネス・サービス)、Siebel が定義する Application Service Interface (ASI)、およびカスタム仕様で作成されたビジネス・サービスをサポートします。

EAI Siebel Adapter および ASI は、IBM ビジネス・オブジェクトに関しては、同じように処理されます。これらは、IBM ビジネス・オブジェクト処理用の動詞として使用される、類似したメソッドを実装します。EAI Siebel Adapter は、Siebel ビジネス・オブジェクトに基づく統合オブジェクトであればすべて受け入れることができます。そのため、IBM WebSphere(R) Business Integration Adapter for Siebel は、統合オブジェクトを IBM ビジネス・オブジェクトによって表すことで、EAI Siebel Adapter をサポートします。同様に、アダプターは、Siebel ASI を実装する統合オブジェクトを IBM ビジネス・オブジェクトによって表すことで、Siebel ASI をサポートします。

カスタム仕様で作成されたビジネス・オブジェクトは、異なる方法で処理されます。これらは任意のメソッドを実装できるため、IBM ビジネス・オブジェクトは、統合オブジェクトではなく、サービス自体を表します。詳細については、カスタム・ビジネス・サービスのサポートを参照してください。

EAI Siebel Adapter および ASI を、カスタム仕様で作成されたビジネス・サービスとしてアダプターによって処理することができ、IBM ビジネス・オブジェクトを、直接これらのサービスを表すように作成することができます。ただし、この方法は推奨されません。ビジネス・オブジェクトの作成を参照してください。

注:
アダプターは、Siebel に対してビジネス・オブジェクトを示す IBM オブジェクトと、アプリケーション固有の情報「BSN=」によって Siebel 統合オブジェクトを表す IBM ビジネス・オブジェクトを区別します。表 10 を参照してください。

ビジネス・サービスをサポートするビジネス・オブジェクトの処理

アダプターは、統合オブジェクトの表現である着信ビジネス・オブジェクトのプロパティー・セットを作成します。以下の例では、アダプターが、統合オブジェクトを表す IBM ビジネス・オブジェクトからプロパティー・セットを作成する方法について説明します。

例:

例: Siebel 統合オブジェクト

Account (PRM ANI) (統合オブジェクト)
			     +Account (統合コンポーネント)
     +Business address (統合コンポーネント)

例: Siebel 統合オブジェクトを表す IBM ビジネス・オブジェクト

Siebel <IntObjectName> (ParentIntegrationComponent)
     Attribute1 FN=<fieldname>
     Attribute2 FN=<fieldname>
     Attribute3 FN=<fieldname>
     +ChildIntegrationComponent
          childAttribute1 FN=<fieldname>
          childAttribute2 FN=<fieldname>

Parent Integration コンポーネントのオブジェクト・レベル ASI は、BSN=<name>;IO=<Name>;IC=<Name> となります。

Child Integration コンポーネントでは、IO=<Name>;IC=<Name> となります。

以下の表には、統合オブジェクトを作成する際のビジネス・オブジェクト・レベルのアプリケーション・テキストおよび単純属性レベルのアプリケーション・テキストを示します。

表 10. ビジネス・オブジェクト・レベルのアプリケーション・テキスト
パラメーター 説明
IO= このビジネス・オブジェクトに対応する Siebel 統合オブジェクトの名前
IC= このビジネス・オブジェクトに対応する Siebel 統合コンポーネントの名前
BSN= このビジネス・オブジェクトで使用するビジネス・サービスの名前。アプリケーション固有情報 (Siebel Account または Siebel Contact など) を使用する場合は、特定のビジネス・サービスが存在していなければなりません。他の統合オブジェクトを使用する場合は、Siebel Enterprise Applications Integration (EAI) が存在していなければなりません。
SiebASI= (使用すべきでない) ビジネス・オブジェクトが ASI 統合オブジェクトを表す場合、SiebASI=true になります。
アダプターおよび ODA の現行バージョンは、BSTYPE アプリケーション固有情報タグを代わりに使用します。
BSTYPE=
ビジネス・サービスのタイプを決定します。
  • EAI Siebel Adapter で、IBM ビジネス・オブジェクトが Siebel 統合オブジェクトを表す場合、アプリケーション固有の情報内に、BSTYPE=GENERIC と記述する必要があります。
  • Siebel ASI で、IBM ビジネス・オブジェクトが Siebel 統合オブジェクトを表す場合、アプリケーション固有の情報内に、BSTYPE=ASI と記述する必要があります。
  • カスタム仕様で作成されたビジネス・サービスで、IBM ビジネス・オブジェクトがサービスを表す場合、アプリケーション固有の情報内に、BSTYPE=CUSTOM と記述する必要があります。
表 11. 単純属性オブジェクト・レベルのアプリケーション・テキスト
パラメーター 説明
FN= この属性に対応する Siebel 統合コンポーネントのフィールドのフィールド名

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