データ・ストレージおよびアクセス

Exchange Server は、パブリックまたはプライベートいずれかのストア 内にデータを編成します。 このようなインフォメーション・ストアには、さらにデータを編成するためのフォルダーを作成できます。 プライベート・インフォメーション・ストア内のフォルダーには、受信トレイ、送信トレイ、連絡先、タスクなど、個々のユーザーのフォルダーが含まれます。パブリック・インフォメーション・ストア内のフォルダーには、組織のメンバー全員が使用可能なフォルダー (グローバル・アドレス一覧フォルダーなど) が含まれます。

Connector for Exchange Server では、カスタム・イベント・ストアおよびアーカイブ・ストアのフォルダーだけでなく、Exchange Server ユーザーのフォルダーも使用します。 イベント・ストアには、Event Listener が受け取ったすべてのイベントが保持されます。また、アーカイブ・ストアには、アーカイブされたすべてのイベントが保持されます。これらのフォルダーにアクセスするために、コネクターは WebDAV API を使用します。WebDAV は HTTP 1.1 プロトコルの拡張で、アプリケーションが Exchange ストア内のフォルダー、項目、および項目プロパティーにアクセスできるようになります。

各フォルダーには、項目が含まれます。項目は、Exchange Server における基本的なビジネス・エンティティーであり、MailItem、ContactItem、AppointmentItem、および TaskItem などのオブジェクトを含みます。

AppointmentItems に Recipient オブジェクトが含まれる場合があります。WebDAV では Recipient オブジェクトに直接アクセスすることはできません。親 AppointmentItem を介して Recipient オブジェクトにアクセスする必要があります。

TaskItems および AppointmentItems は繰り返し可能で、同じタスクまたは予定が複数回発生することを指定します。Adapter for Exchange バージョン 1.0.x は、CDO を使用して Exchange ストア情報にアクセスしており、TaskItem の繰り返しを使用できましたが、今回の Adapter for Exchange バージョン 2.0.x では使用できません。タスクが発生するたびに別の TaskItems を作成する必要があります。AppointmentItem の繰り返しは正常に処理されます。

各項目には、メッセージの内容を定義する複数のフィールドが含まれています。例えば、ContactItem には、FirstName フィールド、LastName フィールド、および MailingAddress フィールドがあります。WebDAV は、名前、タイプ、およびプロパティーを表す URI タグで構成されるアプリケーション固有情報 (ASI) 値のプロパティー情報を使用してこれらの属性フィールドにアクセスします。例えば、ContactItem には、「Birthday」というフィールドがあります。WebDAV では、このフィールドは次のように識別されます。

さらに、Outlook を使用すると 4 つのカスタム・フィールドをその ContactItem に追加できます。これらのフィールドにアクセスするには、「UserField1」や「UserField2」などの名前を使用します。

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