アダプター・アーキテクチャー

Adapter for eMatrix は、コネクター、Java Program Object (JPO)、およびアダプター・フレームワーク を持った Object Discovery agent (ODA) で構成されています。それらが一緒に動作することによって、eMatrix は、統合ブローカーと情報を交換できるようになります。その結果、会計および CRM のパッケージなどの外部アプリケーションとも通信できるようになります。

このアダプターには、以下の 3 つの基本コンポーネントが含まれます。

アダプターは、eMatrix ビジネス・オブジェクトおよび eMatrix 内の接続を 操作します。MQL ステートメントを実行することもあります。MQL コマンドを使用することによって、アダプターは、eMatrix によってサポートされるほとんどすべてのアクションを実行できます。

アダプターは、eMatrix アダプター開発キット (ADK) と呼ばれる Java ベースの API および別個の eMatrix コラボレーション・サーバーを使用して、eMatrix アプリケーション と通信します。eMatrix ADK を使用すると、アダプターは、eMatrix コラボレーション・サーバーを介してアプリケーションに要求を渡すことにより、アプリケーション内のオブジェクトに照会したり、それらを操作したりできます。

アーキテクチャーの概要

アダプターは、統合ブローカーおよびアプリケーションとの間で、データ・フローを取り次ぎます。フローは以下のとおりです。

これらのフローについて、以下で詳しく説明します。

要求処理

要求処理は統合ブローカーによって開始されます。統合ブローカーはビジネス・オブジェクト を Adapter for eMatrix に渡します。アダプターは、Java ベースの eMatrix ADK を使用して eMatrix コラボレーション・サーバーと通信します。図 1 は、データ・フローのアーキテクチャーの概要 を示しています。

図 1. eMatrix アダプターにおける要求処理

要求処理は以下のように行われます。

  1. 統合ブローカーは、ビジネス・オブジェクトの形でアダプターに要求を発行します。このオブジェクトには、タイプ情報およびビジネス・オブジェクトの動詞が含まれています。
  2. アダプターは、該当する eMatrix ADK 呼び出しを行うことによって、ビジネス・オブジェクトを処理します。
  3. eMatrix ADK 呼び出しが行われるたびに、コラボレーション・サーバーは、指定されたアクションを eMatrix システム内の該当するオブジェクトに対して実行し、結果をコネクターに戻します。
  4. 要求の処理を完了すると、アダプターは、状況コードを統合ブローカーに戻します。必要な場合、変更結果を持ったビジネス・オブジェクトも戻します。

イベント通知

Adapter for eMatrix は、実行時にイベント・ポーリングを使用し、eMatrix システム内のイベントを検出します。図 2 は、統合ブローカーがアダプターを介してアプリケーションをポーリングしたときに発生する、イベントの順序を示しています。

注:
ポーリングを行うには、最初に、モニターしたいイベントの eMatrix トリガー を構成する必要があります。これは、初期セットアップ時に行われます。詳細については、アダプターの構成を参照してください。

図 2. eMatrix アダプターにおけるイベント通知

イベント通知は以下のように行われます。

  1. eMatrix システムでアクションが実行され、トリガーが起動します。
    トリガーはさまざまな方法で起動できます。例えば、構成済みトリガーで eMatrix オブジェクトを変更するなどです。
  2. トリガーが起動すると、eMatrix システムは、関連する Java Program Object (JPO) を実行します。これにより、eMatrix 内で新規イベント・オブジェクトが作成されます。
  3. アダプターは、指定された間隔で eMatrix をポーリングし、JPO が作成した新規イベント・オブジェクトがないか調べます。
  4. アダプターはイベント・オブジェクトを検索します。
  5. アダプターは、次に、関連する eMatrix エンティティーを検索し、それらをビジネス・オブジェクトに変換してから、統合ブローカーにパブリッシュします。 アダプターは、eMatrix のビジネス・オブジェクトと関係の両方を検索できます。

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