Lotus Domino Server の変更

アダプターを実行する前に、Lotus Domino Server を次のように変更する必要があります。

  1. Lotus Domino Internet Interoperability Protocol (IIOP) および HTTP サーバー (Web アプリケーション用サーバー) を稼動するようにサーバーを構成し、アプリケーションからのリモート・コールを許可するようにサーバーを構成します。これらの変更は、Lotus Domino Administrator を用いて行います。
  2. Lotus Domino Server の NOTES.INI ファイルを変更します。
  3. イベント表および関連ファイルと、イベント・リスナーを Lotus Domino Server の該当するディレクトリーにコピーします。
  4. イベント表を構成します。
  5. アダプターが NCSO.jar ファイルへアクセスできるように設定します。

Lotus Domino Administrator を用いた構成変更

アダプターを作動させるため、Lotus Domino Server を、アプリケーションからのリモート・コールを受け入れるように構成する必要があります。構成は、Lotus Domino Administrator を用いて行います (詳細については、Lotus Domino の管理者用資料を参照してください)。以下のセクションで、構成を行う必要のある項目を説明します。変更内容を有効にするためには、変更後にサーバーを再始動してください。

HTTP

Lotus Domino Server で、HTTP サーバー (Web アプリケーション用サーバー) を使用可能にします。セットアップ方法の詳細については、Lotus Domino の管理マニュアルを参照してください。

IIOP

Lotus Domino Internet Interoperability Protocol (IIOP、DIIOP とも呼ばれる) を使用可能にします。IIOP 用に、TCP/IP ポート番号が構成され、使用可能になっていることを確認してください。

Java/COM

制限付き Java エージェントおよび制限なし Java エージェントを実行 (R6 の場合はメソッドも実行) するためには、アダプター用に構成されたユーザー名を構成する必要があります。また該当するものがあれば、着信ビジネス・オブジェクト内で指定されるユーザー名も構成します。

注:
アダプター用に構成されたユーザー名は、Connector Configurator Express で構成された ApplicationUserName の値です。 詳細については、アプリケーション固有の構成プロパティーを参照してください。

次のようにして構成します。

R5 の場合:

  1. 「セキュリティー」タブを選択します。
  2. 「Java/COM の制限」セクションの、「制限なし Java/Javascript/COM の実行」および「制限付き Java/Javascript/COM の実行」の両方の下の「可能ユーザー」カラムに、Connector Configurator Express ファイル内で構成されている ApplicationUserName を入力します。また該当するものがあれば、着信ビジネス・オブジェクト内で指定されるユーザー名も入力します。

R6 の場合:

  1. 「セキュリティー」タブを選択します。
  2. 「Programmability の制限 (Programmability Restrictions)」セクションの「可能ユーザー」列に、Connector Configurator Express ファイル内で構成されている ApplicationUserName を入力します。また該当するものがあれば、以下の項目について、着信ビジネス・オブジェクト内で指定されるユーザー名 (1 つまたは複数) も入力します。

NOTES.INI の変更

使用しているオペレーティング・システムに応じて、Lotus Domino Server の NOTES.INI ファイルに次の行を追加します。

Windows の場合: EXTMGR_ADDINS=nbiald.dll

i5/OS の場合: EXTMGR_ADDINS=biald
WRKDOMSVR を実行するようにアダプターを構成するには、biald を EXTMGR_ADDINS 設定に追加します。

注:
追加の設定値はコンマで分離され、例えば「EXTMGR_ADDINS=decsext,biald」のようになります。

Linux の場合: EXTMGR_ADDINS=libbiald.so

これにより、Lotus Domino Server の始動時にイベント・リスナーが呼び出されます。

注:
イベント・リスナーは Lotus Domino Extension Manager ライブラリーです。したがって、NOTES.INI ファイルで他の Lotus Domino Extension Manager ライブラリーと同じ行に記述する必要があります。記述するときには、コンマを使用してほかのエントリーと区切ります。

Lotus Domino Server へのファイルのコピー

アダプター・ホスト・コンピューターの ProductDir/connectors/Domino/dependencies ディレクトリーから、イベント表ファイルとイベント・リスナーを Lotus Domino Server の該当するディレクトリーにコピーする必要があります。次の表に、コピーする必要のあるファイルとコピー先ディレクトリーを示します。

表 4. Lotus Domino Server のディレクトリーにコピーするファイル
コピー先ディレクトリー ファイル 説明
Lotus Domino データ・ディレクトリー
BIALD_EventTable.nsf
イベント表
Lotus Domino データ・ディレクトリー
BIALD_emptytrash.gif
BIALD_movetotrash.gif
BIALD_newconfig.gif

イベント表ビットマップ
(Lotus Notes Client を介して
イベント表を参照するとき
に表示される)
次のいずれか 1 つをコピーします。
Lotus Domino Server ルート libbiald.so
イベント・リスナー
(i5/OS システム用)。
このファイルは、i5/OS で
Lotus Domino Server を
実行している場合にのみ
コピーします。
Lotus Domino Server ルート libbiald.so
イベント・リスナー
(Linux システム用)。
このファイルは、Linux で
Lotus Domino Server を
実行している場合にのみ
コピーします。
Lotus Domino Server ルート nbiald.dll
イベント・リスナー
(Windows システム用)。
このファイルは、Windows
で Lotus Domino Server を
実行している場合にのみ
コピーします。

イベント表ファイルのコピー

インストール・ディレクトリーから Lotus Domino データ・ディレクトリーに次のファイルをコピーします。(Windows では、Lotus Domino データ・ディレクトリーのデフォルトは c:¥Lotus¥Domino¥Data です。Linux ではデフォルト値がないので、状況に応じて異なるディレクトリー名が使用されます。)

BIALD_EventTable.nsf

BIALD_emptytrash.gif

BIALD_movetotrash.gif

BIALD_newconfig.gif

i5/OS システムの場合:
データ・ディレクトリーのデフォルトは /Domino/dominoserverName/data です。ここで、dominoserverName は Lotus Domino Server の名前です。

Linux の場合:
このデータ・ディレクトリーのデフォルトは /local/notesdata です。

イベント・リスナーのコピー

インストール・ディレクトリー (%ProductDir%)/connectors/Domino/dependencies から Lotus Domino Server のルート・ディレクトリーにイベント・リスナーをコピーします。

Lotus Domino Server を実行するオペレーティング・システムに応じて、次のファイルをコピーします。

Windows システムの場合: nbiald.dll
インストール先ルート・ディレクトリーは、通常 c:¥lotus¥domino になります。

i5/OS システムの場合: libbiald.so
次の CL コマンドを使用してシンボリック・リンクを作成する必要があります:ADDLINK OBJ('/QSYS.LIB/QWBISVR44.LIB/LIBBIALD.SVRPGM')
NEWLNK('/QIBM/UserData/LOTUS/NOTES/LIBBIALD.SRVPGM')

Linux システムの場合: libbiald.so
インストール後、このファイルは
${CROSSWORLDS}/connectors/Domino/dependencies にあります。実行のために構成された後、このファイルを /opt/lotus/notes/latest/linux にコピーします。

注:
イベント・リスナーは Linux Domino Server ではサポートされません。

イベント表の構成

アダプターのイベント・リスナーが、Lotus Domino Server で発生したイベントをモニターできるようにするには、アダプターのイベント表を構成する必要があります。イベント表は、Lotus Notes Client からオープンできる Lotus Domino データベース・ファイルです。

イベント表を構成するには、以下のステップを実行します。

  1. Lotus Notes Client で「ファイル」>「データベース」>「開く」を選択し、このアダプターでサポートされている Lotus Domino Server の名前を選択します。
  2. BIALD_EventTable データベースを選択します。リストに表示されない場合には、「ファイル名」フィールドに BIALD_EventTable.nsf と入力するか、またはこのファイルを検索します。次のようなウィンドウが表示されます。
    ターゲット・データベースが選択された「データベースを開く」フィールドを示します。
  3. 「開く」をクリックします。次のウィンドウが表示されます。
    イベント表ビュー (EventArchiveView、EventConfigurationView、および EventTableView) が左側のパネルに表示されているウィンドウを示します。EventConfigurationView が選択されています。ウィンドウ上部の関連する選択ボタンは、「ごみ箱を空にする」、「ゴミ箱に移動する (Move to Trash)」、および「新規サーバー設定」です。
  4. 左側のパネルのナビゲーション・ビューで「EventConfigurationView」を選択します。
  5. メニュー・バーで「新規サーバー設定」を選択します。次のテーブルが表示されます。
    WebSphere Business Integration Adapter for Lotus Domino 構成テーブルを示します。左側の列は「イベント情報 (Event Info)」、右側の列は「値 (Value)」です。「イベント情報 (Event Info)」の下に、2 つの行があります。上が「データベース・パス (Database Path)」、下が「イベント・タイプ」です。1 行目の右の列にデータベース・パスを入力します。そして、チェック・ボックスを使用して、イベントを Create、Delete、または Update するかどうかを 2 行目から (その順序で) 選択します。
  6. 「データベース・パス (Database Path)」フィールドに、アダプターがモニターするデータベースのパスを入力します。 このパスは、Lotus Domino server root directory/Data を基準にした相対パスです。例えば、データベース名が Buyer、パスが Lotus Domino server root/Data/BusApp/Buyer.nsf の場合には、「データベース・パス (Database Path)」フィールドに BusApp/Buyer と入力します。
  7. アダプターが特定のイベント・タイプをモニターできるようにするため、「イベント・タイプ」行で動詞のタイプまたは動詞のタイプの組み合わせを次のように選択します。
    アダプターのモニター対象イベント 選択する動詞
    Create イベント Create と Update
    Delete イベント Delete
    Update イベント Update
    例えば次のように選択すると、アダプターが create イベント、update イベント、および delete イベントをモニターするようになります。
    Create、Delete、および Update がすべて選択された WebSphere Business Integration Adapter for Lotus Domino 構成テーブルを示します。
    注:
    アダプターは、Update イベントをモニターせずに、Create イベントのみをモニターすることはできません。Create イベントをモニターするには、次の例に示すように、Create だけでなく Update も選択する必要があります。
    Create および Update が選択された WebSphere Business Integration Adapter for Lotus Domino 構成テーブルを示します。Create イベントをモニターするためには両方を設定する必要があります。
  8. 「ファイル」>「保存」を選択して構成を保管し、イベント表データベースを閉じます。

NCSO.jar ファイルをアクセス可能にする

NCSO.jar ファイルは、Lotus Domino Toolkit for Java/CORBA に含まれています。このツールキットは、Lotus Domino Server に付属しています。(ファイルは Lotus Domino Server および Lotus Notes Client で提供されています。) NCSO.jar には、Lotus Domino API (Lotus Domino Objects for Java として知られる) が含まれています。 このファイルを指し示すようにアダプター始動スクリプトを更新する必要があります。

NCSO.jar の格納先

NSCO.jar は一般に、Lotus Domino Server の次のディレクトリーに格納されています。

DirectoryName¥Data¥domino¥java

ここで、DirectoryName は、Lotus Domino Server のディレクトリーまたは Lotus Notes Client のディレクトリーの名前です。

注:
Linux の場合は、上記のパス名の中の円記号をスラッシュ (/) に置き換えてください。

始動スクリプトの変更

アダプター始動スクリプトで以下に示す行を変更し、NCSO.jar を指し示すようにします。

Linux: 次の行

DOMINOJAVACLASSES=/server1/domino/java CON_SPEC_JAR_ONE=${DOMINOJAVACLASSES}/NCSO.jar

を次のように変更します。

DOMINOJAVACLASSES=directoryname CON_SPEC_JAR_ONE=${DOMINOJAVACLASSES}/NCSO.jar

ここで、

directorynameNCSO.jar が格納されているディレクトリーの名前です。

Windows: 次の行

set DOMINOCLASSES=C:¥Notes¥Data¥domino¥java¥NCSO.jar

を次のように変更します。

set DOMINOCLASSES=directoryname¥NCSO.jar

ここで、

directoryname は NCSO.jar が格納されているディレクトリーの名前です。

i5/OS の場合:

デフォルト設定は、DOMINOCLASSES=/QIBM/ProdData/lotus/notes/data
/domino/JAVA/NCSO.jar です。

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