システムのジョブのスケジューリング

ジョブをスケジュールすると、コネクターとコラボレーションの運用状態 (始動、停止、一時停止) を 操作するためのスケジュールを作成できます。コンポーネントの状態を操作することによって、InterChange Server Express によるイベントの処理をさらに適切に管理できます。サーバーの作業負荷をスケジュール期間に分散させ、トラフィックを低減させることにより、より効率的なリソース管理を実現できます。このセクションの内容は次のとおりです。

ジョブのスケジューリングの概要

スケジュールの作成手順

スケジュールの変更手順

スケジュールの削除手順

スケジュールの表示手順

スケジュールの使用可能化または使用不能化の手順

ジョブのスケジューリングの概要

ジョブは、System Manager の「スケジュール」ウィンドウでスケジュールします (図 49 を参照)。「スケジュール」ウィンドウでは、スケジュール項目を作成、変更、削除することができます。コンポーネントに定義されている全スケジュールのリストを表示させるか、必要に応じて特定のスケジュールを表示させることができます。また、サーバー上の全スケジュールを使用可能または使用不可にすることもできます。

図 49. System Manager の「スケジュール」ウィンドウ

コンポーネントのスケジュールを作成するときには、アクション (状態変更) が起こる時期と頻度 (再帰) などの情報を指定します。デフォルトでは、コンポーネントにスケジュールは定義されていません。 1 つのコンポーネントには必要な数だけスケジュールを定義できます。スケジュールを設定すると、そのスケジュールを使用可能に、または使用不可にすることができます。

「スケジュール」ウィンドウでは、以下の項目を決定することができます。

コンポーネント
スケジュールされているコネクターまたはコラボレーションの名前です。
状況
「使用可能」はスケジュールをオンにし、「使用不可」はスケジュールをオフにします。デフォルトの状況は「使用可能」です。
発効日
スケジュールが使用可能になる日時です。デフォルトは現在の日時です。
時間帯
サーバーがある場所の時間帯です。デフォルトは太平洋標準時 (PST) です。
アクション
スケジュールによって実行されるアクションです。この場合のアクションとは、開始、一時停止、および停止です。
次を検出
スケジュールされたアクションが次に起こる日時です。スケジュールが再帰的でない場合、日付は「有効期限」と同じです。スケジュールが使用不可になっているときは、このフィールドはブランクです。
コメント
このフィールドにはスケジュールについてのコメントを入力できます。

スケジュールを再帰的にすると、日次、週次、月次などのオプションから選択できます。

各スケジュールは指定の時刻に起こる 1 つのアクションで構成されるため、サーバーがコンポーネントを処理する間隔を作成するには、処理を開始するスケジュールと停止させるスケジュールの両方を定義する必要があります。例えば、コネクターについて、毎日午前 1 時にイベントの処理を開始するスケジュールを 1 つ作成し、さらに午前 3 時に処理を一時停止する別のスケジュールを作成することができます。コネクターは、この 2 時間の間だけ、そのコネクターをサブスクライブしているコラボレーションによって処理されるようにイベントを InterChange Server Express に送ることができます。

コネクターのスケジューリングの概要

コネクターの動作をスケジュールするときは、選択する状態 (開始、一時停止、停止) によって処理の範囲が決まります。 例えば、コネクターを開始すると、そのコネクターは PollFrequency の設定に従って、新しいイベントがないかアプリケーションを絶えずポーリングします。コネクターを一時停止すると、コネクターは再始動されるまでポーリングを停止しますが、InterChange Server Express からのサービス呼び出し要求を扱うことはできます。停止したコネクターは非アクティブです。

コラボレーションのアクティビティーとともにコネクターのアクティビティーを操作して、アプリケーションのイベント処理専用の時間を指定の時間枠にスケジュールすることができます。このためには、コラボレーションとコネクターの両方が同じ間隔だけ実行される必要があります。コネクターが一時停止されると、キューに格納されていたイベントはコネクターがアクティビティーを再開したときに処理できます。

コラボレーション・オブジェクトのスケジューリングの概要

コネクターの場合と同様に、コラボレーション・オブジェクトの動作をスケジュールするときは、選択する状態 (開始、一時停止、停止) によって処理の範囲が決まります。 コラボレーションの状態については、コラボレーション・オブジェクトの状態の表示を参照してください。例えば、コラボレーション・オブジェクトを開始すると、コラボレーション・オブジェクトはコネクターから受け取るビジネス・オブジェクトを処理します。コラボレーション・オブジェクトを停止すると、以降のイベントはすべて無視されます。このため、コラボレーション・オブジェクトを停止する必要がない限りは一時停止するようにしてください。

重要:
コラボレーション・オブジェクトを停止すると、アンサブスクライブされているものとしてコネクターがイベントを削除することがあります。「停止」を選択すると、警告としてメッセージが生成されます。

コラボレーション・オブジェクトを一時停止すると、そのコラボレーション・オブジェクトを再始動するまでイベントはコラボレーション・キューの中に格納されています。

注:
スケジュールしたコラボレーション・オブジェクトがコラボレーション・グループに属する場合、そのグループ内のすべてのコラボレーション・オブジェクトは同じアクションでスケジュールされます。

コネクターのアクティビティーとともにコラボレーション・オブジェクトのアクティビティーを操作して、アプリケーションのイベント処理専用の時間を指定の時間枠にスケジュールすることができます。このためには、コラボレーション・オブジェクトとコネクターの両方が同じ間隔だけ実行される必要があります。同じコネクターにバインドされているいくつかのコラボレーション・オブジェクトに異なる処理枠を割り当て、作業負荷を分散させて、コネクターが処理する必要のあるトラフィック量をある程度制御することができます。例えば図 50 で、各コラボレーション・オブジェクトには専用の時間が割り当てられ、この時間中にコネクターは対応するコラボレーション・オブジェクトのイベントのみを処理します。

図 50. 専用処理

複数のコラボレーション・オブジェクトが同じビジネス・オブジェクトをサブスクライブすることができます。この場合、オブジェクトは InterChange Server Express に送られて待機します。このオブジェクトをサブスクライブしている各コラボレーション・オブジェクトが一時停止の後に開始されると、オブジェクトはコラボレーション・オブジェクトに取得されます。

スケジュールのオーバーライドの概要

System Monitor を使用することで、スケジュールされたコンポーネントの状態をオーバーライドすることができます (例えばスケジューラーによって数分前に停止したコラボレーション・オブジェクトを開始するなど)。 または、スケジューラーで変更できない状態にコンポーネントを設定することができます。例えば、コラボレーションが一時停止されるようにスケジュールされているとき、このコラボレーション・オブジェクトを停止して、スケジューラーによって一時停止されないようにできます (コラボレーション・オブジェクトは停止から一時停止に遷移できません)。このような場合、スケジューラーは手動の変更をオーバーライドせずに、エラーを記録します。

スケジュールの作成手順

コラボレーションまたはコネクターのスケジュールを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager の「スケジュール」フォルダーを 右マウス・ボタンでクリックして「スケジュール」ウィンドウを開き、「コンポーネントのスケジュールを編集」をクリックします。「スケジュール」ウィンドウが表示されます。これを図 49 に示します。
  2. System Manager で、スケジュールするコラボレーションまたはコネクターを選択し、そのコラボレーションまたはコネクターを「スケジュール」ウィンドウにドラッグします。

    コンポーネントの名前およびタイプを示す新しい行エントリーが「スケジュール」ウィンドウに作成されます (ClarifyConnector (Connector) など)。

  3. 各スケジュール・セルの下矢印をクリックして、以下のようにスケジュールに関する情報を入力します。
    1. スケジュール項目をオンにするには、「状況」フィールドで「使用可能」を選択します。スケジュール項目をオフにする場合は「使用不可」を選択します。

      使用可能にされたスケジュールは、「OK」をクリックすると直ちに有効になります。使用不可にされたスケジュールは、使用可能にされるまでは即時に休止されます。スケジュールを使用不可にした場合、「次を検出」セルはブランクになります。これは、このスケジュール項目にはスケジュール上の出現がないことを示します。

    2. 「有効期限」フィールドで、スケジュール項目が発生する日時を選択します。

      デフォルトでは、現在の日時が設定されています。MM/DD/YYYY hh:mm:ss 形式を使用します。(「編集」メニューから選択可能な)「設定」ウィンドウで構成した時刻形式に基づいて、12 時間または 24 時間形式のクロックが使用されます。

    3. 必要に応じて、「時間帯」フィールドで、スケジュール項目が作成される場所の時間帯を選択します。デフォルトでは、スケジュール項目の時間帯は「太平洋標準時」に設定されています。

      例えば、コネクターのスケジュールはニューヨークで作成されますが (「東部標準時」を選択します)、InterChange Server Express は日本にある場合です。InterChange Server Express は、この情報を使用してスケジュールの現地時間を決定して、適切な時刻にジョブを実行できます。

    4. 「アクション」フィールドで、実行するアクションを選択します。この場合のアクションとは、開始一時停止、および停止です。
    5. コメントを「コメント」フィールドに入力します。最大 255 文字まで入力可能です。
  4. このスケジュールを進行させる場合は、「繰り返し」チェック・ボックスを選択し、アクションの次の出現に関する情報を入力します。ラジオ・ボタンのいずれかを選択して繰り返し情報の入力形式を決定します。その後、下矢印メニューを使用して特定のデータ情報を選択します。

    繰り返しオプションを使用可能にしない場合、「次を検出」フィールドはブランクになり、スケジュールは実行後に有効期限が切れます。特定の日時に特定のコンポーネントに対して 1 つのアクションのみがスケジュールされるようにするために、整合性検査が行われます。スケジューリングの競合に関する検査は行われません。

    注:
    InterChange Server Express では、繰り返しイベントの標準時間と夏時間の間の変更は自動的に処理されます。
  5. 「依存関係を表示」チェック・ボックスを選択すると、コラボレーション・オブジェクトのバインド済みコネクターおよびコラボレーションのスケジュールが表示されます。
  6. 「有効期限切れを表示」チェック・ボックスを選択すると、すでに処理され、実行時間の有効期限が切れたスケジュールが表示されます。有効期限が切れるのは、非繰り返しスケジュールのみです。
  7. 「OK」をクリックして、スケジュール項目を作成します。これは、InterChange Server Express が情報を受信した後に有効になります。

    InterChange Server Express およびコンポーネントが地理的に離れている場合、若干処理が遅れることがあります。 コンポーネントの状態を直ちに変更する必要がある場合は、スケジューラーではなく、System Monitor を使用して、コンポーネントを開始、停止、または一時停止してください。

    ヒント:
    コンポーネントに対してイベントが処理される時間間隔をスケジュールするには、「開始」アクションを使用してスケジュールを作成します。そして、「停止」または「一時停止」アクションを使用して別のスケジュールを作成する必要があります。 始動スケジュールと終了スケジュールの決定方法やその例については、ジョブのスケジューリングの概要を参照してください。

スケジュールの変更手順

コラボレーションまたはコネクターの既存のスケジュールを変更するには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager でコラボレーションまたはコネクターを右マウス・ボタンでクリックし、「コンポーネントのスケジュールを編集」をクリックします。「スケジュール」ウィンドウが表示されます (図 49 を参照)。
  2. 「スケジュール」ウィンドウで任意のフィールドを編集し、その値を変更します。

    「繰り返し」オプションを編集するには、スケジュール項目行の任意の位置でカーソルをクリックします。クリックすると、スケジュール項目の繰り返し値 (割り当てられている場合) が「繰り返し」ペインに表示されます。

  3. 「OK」をクリックして変更内容を保管し、終了します。

スケジュールの削除手順

コラボレーション・オブジェクトまたはコネクターの既存のスケジュールを削除するには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager でコラボレーションまたはコネクターを右マウス・ボタンでクリックし、「コンポーネントのスケジュールを編集」をクリックします。「スケジュール」ウィンドウが表示されます (図 49 を参照)。
  2. スケジュール・リストでスケジュール項目を選択し、「削除」ボタンをクリック (またはキーボードの Delete キーを使用) してスケジュールを除去します。
  3. 「OK」をクリックして変更内容を保管し、終了します。

スケジュールの表示手順

スケジュールまたはスケジュールのグループを表示するには、以下の手順を実行します。

  1. スケジュールを表示するために以下のいずれかのオブジェクトを選択します。
  2. メイン・ウィンドウから「コンポーネント」>「スケジュール」をクリックし、システム内のすべてのスケジュールを表示します。
  3. 「スケジュール」ウィンドウで特定の列に基づいてスケジュールをソートするには、その列の見出しをクリックします。

スケジュールの使用可能化または使用不能化の手順

スケジュールを個々に使用不可または使用可能にするには、以下の手順を実行します。

  1. スケジュールを表示するオブジェクトを選択します。

    スケジュールの表示手順 を参照してください。

  2. 「スケジュール」ウィンドウで以下のいずれかを行い、スケジュールを使用可能または使用不可にします。
  3. 「OK」をクリックして保管し、終了します。

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