コネクターの構成

コネクターの構成プロパティーには、標準構成プロパティーとアダプター固有の構成プロパティーという 2 つのタイプがあります。アダプターを実行する前に、Connector Configurator Express を使用して、これらのプロパティーの値を設定する必要があります。詳細については、付録B. Connector Configurator Expressを参照してください。

コネクターは、始動時に構成値を取得します。実行時セッション中に、1 つ以上のコネクター・プロパティーの値の変更が必要になることがあります。AgentTraceLevel など一部のコネクター構成プロパティーへの変更は、即時に有効になります。他のコネクター・プロパティーを変更する場合は、変更後に、コネクター・コンポーネントの再始動またはシステムの再始動が必要です。プロパティーが動的 (変更が即時に有効化) であるか、または静的 (コネクター・コンポーネントの再始動またはシステムの再始動が必要) であるかを判別するには、System Manager の「コネクターのプロパティー」ウィンドウにある「更新メソッド」列を参照します。

標準コネクター・プロパティー

標準コネクター構成プロパティーでは、すべてのアダプターが使用する情報を提供します。これらのプロパティーの詳細については、付録A. コネクターの標準構成プロパティーを参照してください。

付録にリストされている標準構成プロパティーについて、このコネクター固有の情報を以下の表に示します。

プロパティー 説明
DuplicateEvent Elimination コネクターはこのプロパティーを使用しません。
Locale このコネクターは国際化対応されているため、このプロパティーの値は変更することができます。
PollEndTime コネクターはこのプロパティーを使用しません。
PollFrequency コネクターはこのプロパティーを使用しません。
PollStartTime コネクターはこのプロパティーを使用しません。

コネクターを稼働させる前に、ApplicationName 構成プロパティーの値を設定する必要があります。

コネクター固有のプロパティー

コネクター固有の構成プロパティーは、コネクターが実行時に必要とする情報を提供します。これらのプロパティーを使用すれば、コネクター内の静的情報やロジックを、再コーティングや再ビルドせずに変更できるようになります。

コネクター固有のプロパティーを構成するには、Connector Configurator Express を使用します。「アプリケーション構成プロパティー」タブをクリックして、構成プロパティーを追加または変更します。詳細については、付録B. Connector Configurator Expressを参照してください。

コネクター固有のプロパティーはすべてオプションであり、ユーザー固有のコネクター構成要件を基にした設定が可能です。コネクターは、必要に応じて、ファクトリー・オブジェクトと接続の両方を作成することも、ファクトリー・オブジェクトのみ、または接続のみを作成することもできます。

表 2 に、コネクターのコネクター固有 構成プロパティーと、その説明および指定可能な値を示します。+ 文字は、プロパティー階層内でのその項目の位置を示しています。図 3 に示すような、プロパティーの階層関係など、プロパティーに関する詳細については、それに続くセクションを参照してください。

表 2. コネクター固有の構成プロパティー
名前 指定可能な値 デフォルト値
+ Factory なし なし
+ + FactoryClass クラス名 なし
+ + FactoryInitializer 初期化指定子のメソッド名 なし
+ + + Arguments 暗号化ストリングまたは非暗号化ストリング なし
+ + FactoryMethod メソッド名 なし
+ + + Arguments 暗号化ストリングまたは非暗号化ストリング なし
+ ConnectionPool なし なし
+ + ConnectionClass クラス名 なし
+ + ConnectionInitializer 初期化指定子のメソッド名 なし
+ + + Arguments 暗号化ストリングまたは非暗号化ストリング なし
+ + PoolSize 整数 0
+ ThreadingModel ApartmentFree Free

図 3 に、コネクター固有プロパティーの階層関係を示します。

図 3. コネクター固有プロパティーの階層

Factory

ファクトリー・クラスの情報を表す階層プロパティー。

FactoryClass

ファクトリー・クラスの名前。

FactoryInitializer

FactoryClass に対する初期化指定子のメソッド名。このメソッドがコンストラクターとして機能することはありません。

Arguments

FactoryInitializer メソッドのパラメーターを 示すストリング値。この値は、暗号化ストリングの場合もあれば、非暗号化ストリングの場合もあります。

FactoryMethod

FactoryClass に対する FactoryMethod のメソッド名。FactoryMethod を指定すると、接続プールは FactoryMethod を使用して接続を取得します。接続オブジェクトが作成されると、ConnectionInitializer が呼び出されます。接続の取得は、常に FactoryMethod を通じて行われるとは限りません。

Arguments

FactoryMethod のパラメーターは、Factory に対する引数 (Argument1、Argument2 など) である必要があります。また、適切な順序でリストされなければなりません。プロパティー名には、メソッドが実行するパラメーターの数に応じて、Argument1Argument2 などの名前を指定します。各引数の値は、暗号化ストリングまたは非暗号化ストリングになります。

ConnectionPool

接続クラスの情報を表すためのプロパティー。

ConnectionClass

プール可能な接続クラスの名前。

プール・サイズ (接続数) は、PoolSize プロパティーで指定した値に基づきます。

接続は、数種類の状態情報を使用してアプリケーションを参照するため、単独使用のサーバーに接続をプールする場合は、接続が参照するアプリケーションについて複数インスタンスが作成されるということに注意してください。各インスタンスは、単一 BO ハンドラー・スレッドに呼び出されます。

同様に、マルチ使用サーバーで接続をプールする場合は (サーバー・オブジェクトのインスタンスの 1 つが接続を確立するために再利用される場合あり)、ファクトリーおよびファクトリー・メソッド呼び出しをセットアップして、接続プールを作成する必要があります。この場合、各 BO ハンドラー・スレッドは、処理時に必要となる 離散的接続を接続プールからプルします。

ConnectionInitializer

プール可能な ConnectionClass 初期化指定子メソッドの名前。このメソッドがコンストラクターとして機能することはありません。

ConnectionInitializer は、接続を作成したのがファクトリーであるかどうかに関係なく、接続オブジェクトの作成後に呼び出されます。

Arguments

初期化指定子のパラメーターを示すストリング値。この値は、暗号化ストリングの場合もあれば、非暗号化ストリングの場合もあります。

PoolSize

接続プールのサイズを決定します。このプロパティーは、ConnectionClass を指定する場合に必要です。

ThreadingModel

コネクターがスレッド化モデルに Multi-Threaded Apartment (MTA) を使用するのか、または Single Threaded Apartment (STA) を使用するのかを指示します。このプロパティーを Apartment に設定すると、コネクターは STA モード (非スレッド・セーフ) で稼働します。STA モードにすると、コネクターは単一スレッドになります。

このプロパティーを Free に設定すると、コネクターは MTA モードで稼働します。MTA モード (スレッド・セーフ) の場合、マルチスレッド・クライアントは、オブジェクトに対して直接呼び出しを実行できます。デフォルト値は Free です (スレッド・セーフの Multi-Threaded Apartment モード)。

注:
コネクターを Single-Threaded Apartment モード (プロパティー値を Apartment に設定) で実行する場合、接続プールおよびファクトリーは使用できません。

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