InterChange Server Express の管理

一般に InterChange Server Express の管理には、システムの始動とシャットダウン、および始動パラメーターとデータベース・パスワードの管理が含まれます。 このセクションでは、以下のトピックについて説明します。

InterChange Server Express の始動手順

InterChange Server Express の始動パラメーターのカスタマイズ手順

OS/400 および i5/OS の場合の InterChange Server Express モードの設定手順

InterChange Server Express のシャットダウン

InterChange Server Express とデータベースのパスワードの変更

InterChange Server Express の始動手順

InterChange Server Express を始動するには、以下の手順を実行します。

始動時、InterChange Server Express は InterchangeSystem.cfg ファイルを読み取り、ここにリストされているパラメーター値にしたがって自身のプロパティーを設定します。構成パラメーターのリストと説明については、Windows、Linux、または OS/400 および i5/OS 用の「WebSphere Business Integration Server Express インストール・ガイド」を参照してください。

InterChange Server Express の始動パラメーターのカスタマイズ手順

InterChange Server Express 始動パラメーターをカスタマイズするには、以下の手順を実行します。

InterChange Server Express の始動をカスタマイズするには、表 4 のパラメーターを使用します。

表 4. InterChange Server Express の始動パラメーター
パラメーター 機能
-c configFile 始動時に使用される構成ファイルの名前です。デフォルトは、InterchangeSystem.cfg です (Linux ではサポートされていません)。
-design デザイン・モードでサーバーを始動する際に指定します。
-test 統合テスト環境の場合に、サーバーがテスト・モードで始動するように指定します。これにより、統合テスト環境でのビジネス・オブジェクト検査が使用可能になります。通常は -design オプションと組み合わせて使用し、依存関係の制約なしに成果物を個別に展開することができるようにします。
-i すべてのエラー・メッセージを無視して InterChange Server Express を始動できます。
-p password InterChange Server Express にアクセスするためのパスワードを指定します。 このパラメーターを使用しないと、start_server コマンドは、InterchangeSystem.cfg ファイル内のパスワードを使用します。-u パラメーターとともに使用してください。
-s serverName InterChange Server Express インスタンスの名前を指定します。この名前では、大文字と小文字が区別されます。
Linux および Windows の場合は、このパラメーターは WebSphereICS としてハードコーディングされるので、start_server.bat スクリプトまたは ics_manager スクリプトに変更を加えて、サーバー名を変更する必要があります。
OS/400 および i5/OS の場合、デフォルト名が QWBIDFT44 ですが、別のインスタンスを作成することができます。serverName パラメーターは、submit_ics_server.sh から start_server.sh に渡されます。start_server.sh を直接呼び出さず、代わりにパラメーターとして serverName を必要とする submit_ics_server.sh を呼び出してください。
-u loginName InterChange Server Express のユーザー・ログイン名を指定します。 このパラメーターを使用しないと、start_server コマンドは、InterchangeSystem.cfg ファイル内のユーザー・ログイン名を使用します。-p パラメーターとともに使用してください。
-v InterChange Server Express のバージョンを表示してから終了します (Linux ではサポートされていません)。

OS/400 および i5/OS の場合の InterChange Server Express モードの設定手順

サーバー・モードを設定することにより、モード・パラメーター (design、production、testOn または testOff) が submit_ics_server.sh スクリプトに渡される場合を除いて、毎回サーバーを設定されたモードで始動することができます。

OS/400 および i5/OS のサーバー・モードを設定するには、以下の手順を実行します。

  1. コマンド行から QSH コマンドを入力し、QSHELL 環境から /QIBM/Proddata/WBIServer44/bin にディレクトリー変更します。
  2. 次のスクリプトを実行します。 set_ics_server_mode.sh WebSphereICSName ModeType

    ここで、

注:
テスト・モードの設定は、InterChange Server Express を再始動するときに有効になります。例外は、submit_ics_server.sh を使用してこのアクションがオーバーライドされる場合です。

注:
サーバーの設定モードがデザイン・モードでも、実動モードで始動する場合は、submit_ics_server.sh WebSphereICSName production スクリプトを実行することができます。

InterChange Server Express のシャットダウン

InterChange Server Express をシャットダウンすると、実行中のすべてのコラボレーション およびコネクターと InterChange Server Express 自体が停止します。データベースとの接続すべてが閉じられ、InterChange Server Express が使用しているマシンのシステム・リソースが戻されます。

重要:
InterChange Server Express をシャットダウンする場合は、Ctrl+C キー (OS/400 および i5/OS の場合は QWBISVR44 サブシステムでの ENDSBS SBS(QWBISVR44) OPTION(*IMMED) CL コマンド) を使用しないでください。この方法を使用すると、サーバーを正常にシャットダウンできません。

InterChange Server Express の正常シャットダウン手順

サーバーの正常シャットダウンを行うには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager で「InterChange Server コンポーネント管理」ビューに移動します。
  2. InterChange Server Express インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「シャットダウン」>「正常」をクリックします。
Linux

Linux では、$./ics_manager -stopgraceful スクリプトを使用して InterChange Server Express を正常にシャットダウンできます。

OS/400 および i5/OS

OS/400 および i5/OS では、stop_server_gracefully.sh スクリプトを使用して InterChange Server Express を正常にシャットダウンできます。コマンド行から QSH コマンドを入力し、QSHELL 環境から /QIBM/Proddata/WBIServer44/bin にディレクトリー変更して、stop_server_gracefully.sh serverName を実行します。
オプショナル・パラメーターは、-uUserName および -pPassword です。これらのパラメーターが指定されない場合は、デフォルト値が使用されます。
デフォルト以外の値を指定する場合は、以下のスクリプトを実行します。
stop_server_gracefully.sh serverName -uUserName -pPassword

システムの正常シャットダウンでは、現在処理中のフローと待機中のフローをすべてシャットダウン前に完了させることができます。ただし、実行中のコラボレーションによる処理を待っているフローをすべて完了させる必要があるため、このシャットダウンには時間がかかることがあります。既存のフローはコラボレーションによって処理されますが、新しいフローは受け取られません。

システムを正常シャットダウンする場合は、以下のことが行われます。

InterChange Server Express の即時シャットダウン手順

サーバーを即時シャットダウンするには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager で「InterChange Server コンポーネント管理」ビューに移動します。
  2. InterChange Server Express インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「シャットダウン」>「即時に」をクリックします。
Linux

Linux では、$./ics_manager -stop スクリプトを使用して InterChange Server Express を即時にシャットダウンできます。

OS/400 および i5/OS

OS/400 および i5/OS では、stop_server.sh スクリプトを使用することもできます。コマンド行から QSH コマンドを入力し、QSHELL 環境から /QIBM/Proddata/WBIServer44/bin にディレクトリー変更して、stop_server.sh serverName-uUserName-pPassword を付けて実行します。 -uUserName パラメーターと -pPassword パラメーターはオプションです。これらのパラメーターが指定されない場合は、デフォルト値が使用されます。

システムを即時に停止すると、フローはそれ以上処理されずにシステムがシャットダウンします。実行中のコネクターとコラボレーションは即時に停止します。システムを再始動すると、即時シャットダウンによって中断されていたフローは同じ処理順序で再送されます。これらのフローの 1 つがアプリケーションにデータを書き込んでいた場合、そのフローは、再送されたときに再びそのデータを書き込もうとしますが、データはすでに存在するために失敗します。フローを処理中のコラボレーションがトランザクションである場合、ロールバックが起こります。フローがトランザクションでない場合は、再処理依頼キューに移されます。処理に失敗したフローの処理依頼についての詳細は、フローの失敗を参照してください。

注:
システムを即時停止しても、データの保全性や InterChange Server Express システムの保全性は失われません。

このオプションは、システムを迅速にシャットダウンする必要があるときに使用します。例えば、システムをリブートしたいが、コラボレーションが複数の処理待ちイベントを持っているときなどです。この場合、正常シャットダウンでは、停止前にコラボレーションが既存の作業をすべて完了する必要があるため時間がかかることがあります。

InterChange Server Express とデータベースのパスワードの変更

パスワードの暗号化は、IBM WebSphere Business Integration Server Express システムと下層のデータベースに無許可のユーザーが入れないように保護するセキュリティー対策です。各パスワードの暗号化された文字列は InterChange Server Express に格納され、パスワードの暗号化を解除するときにサーバーによってアクセスされます。暗号化されたパスワードは、InterchangeSystem.cfg ファイルに PASSWORD*= parameter として格納されます。

システムのインストール時、InterChange Server Express の管理者パスワードとデータベース・パスワードがインストーラーから要求されます。これらのパスワードは、インストールの完了時にシステムがリブートされるときに暗号化されて格納されます。その後、RBAC が使用可能な場合にのみ、System Manager で InterChange Server Express パスワードまたはデータベース・パスワードを変更できます。役割ベースのアクセス制御の詳細については、役割ベース・アクセス制御 (RBAC) の管理を参照してください。

InterChange Server Express のユーザー名とパスワードは、リポジトリーのコピーと復元時に必要となります。repos_copy の使用を参照してください。

InterChange Server Express またはデータベースのパスワードを変更する手順については、以下のセクションを参照してください。

InterChange Server Express のパスワードの変更手順

データベース・パスワードの変更手順

InterChange Server Express のパスワードの変更手順

InterChange Server Express のパスワードを変更するには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager を開きます。
  2. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで InterChange Server Express インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「パスワードの変更」をクリックします。「InterChange Server パスワードの変更」ダイアログ・ボックスが表示されます。
  3. 「旧パスワード」フィールドに現在のパスワードを入力します。
  4. 「新パスワード」フィールドに新規パスワードを入力します。
  5. 新しいパスワードをもう一度「確認パスワード」フィールドに入力します。
  6. 「OK」をクリックします。

暗号化されたパスワードは、InterchangeSystem.cfg ファイルに保管されます。

重要:
InterChange Server Express のパスワードは、この手順でのみ変更できます。InterchangeSystem.cfg ファイル内でパスワードを編集してパスワードを変更しようとすると、InterChange Server は始動しなくなります。

データベース・パスワードの変更手順

リポジトリー・データベースのパスワードは、InterChange Server Express システムの実行後に、System Manager を通じて変更できます。

注:
OS/400 および i5/OS では、データベース・ユーザー ID とパスワードを変更しないようにお勧めします。InterChange Server Express を OS/400 および i5/OS にインストールすると、パスワードが指定されない *USER クラスのユーザー・プロファイル QWBISVR44 が作成されます。このプロファイルの下に、すべての必要な項目がインストールされ、データベースが作成されます。このため、どんな形式のパスワードも構成ファイルで指定する必要がありません。異なるプロファイルを使用する場合は、パスワードを指定する必要があります。

データベース・パスワードを変更するには、以下の手順を実行します。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで、データベース・パスワードを変更したい InterChange Server Express インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「構成を編集」をクリックします。編集ツールが表示されます。
  2. 「データベース」タブをクリックし、データベース構成プロパティーにアクセスします。データベース・プロパティーの 「サーバーのプロパティーと構成」ウィンドウが 表示されます (図 21 を参照)。
    図 21. 「構成を編集」ウィンドウの「データベース」タブ
  3. 以下の手順に従って、データベース・パスワードを変更します。
  4. 「OK」をクリックします。

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