図 1 には、コネクター・コンポーネント、コネクター・コンポーネントと WebSphere Business Integration システムとの関係、およびコネクター・コンポーネントの接続先である TCP/IP ネットワークとの関係を示します。
医療業界における HL7 プロトコルなど、業界には固有のメッセージ標準が存在するため、こうした標準を使用すると、データは TCP/IP ネットワークを介して直接送出できます。TCP/IP アダプターは、このようなメッセージを、接続の相手側における TCP アプリケーションの特性に関係なく、WebSphere Business Integration システムの内外に送付するための堅固で拡張が容易な手段を提供します。
イベント処理、つまりインバウンド処理では、TCP アダプターのコネクターは TCP サーバーとして動作し、指定のソケットを listen して、クライアントとの接続が確立されるとソケットにおけるロードのセットアップおよび管理を実行します。 データは接続管理コンポーネントからメッセージ処理コンポーネントに転送されます。ここでは、PIMO と呼ばれるサブコンポーネントを使用して、何らかの基本的な前処理が実行されます。前処理が終了すると、コネクターは事前に構成されたデータ・ハンドラーを呼び出して、メッセージを対応するビジネス・オブジェクトに変換します。次に、コネクター・フレームワークは、このオブジェクトを統合ブローカーに公開します。コネクターのインスタンス 1 つにつき、1 つの TCP サーバーを構成できます。
要求処理、つまりアウトバウンド処理では、統合ブローカーが、事前に構成されたターゲット・ホストまたはアプリケーションに送信するメッセージを表すビジネス・オブジェクトをコネクターに送信します。 データ・ハンドラーはオブジェクトをメッセージに変換します。このメッセージは、必要に応じて、PIMO サブコンポーネントによる後処理のために送信することもできます。次に、TCP クライアントとして機能するコネクターは、適切なサーバーと通信し、接続を確立して、データの送出を管理します。コネクターは、必要に応じて、ターゲット・サーバーからの応答を処理することもできます。コネクターのインスタンス 1 つにつき、複数の TCP クライアントを構成できます。