アダプターの構成

インストールしたら、始動する前に、以下のようにして、アダプター・コンポーネントを構成します。

JPO の構成

JPO トリガーが動作するには、前もって特定の構成プロパティーが設定されている 必要があります。これらの構成プロパティーを設定するには、各 JPO のソース・コードを編集する必要があります。

Adapter for eMatrix と一緒にインストールされる JPO は、WBIEventLogger および InstallEventTables です。それらをインストールしたら、eMatrix Business Modeler でそれぞれの JPO を探し、ソース・コードを編集する必要があります。

編集する必要があるフィールドは、以下の 表 2 にリストされています。

表 2. JPO 構成プロパティー
プロパティー名 説明 デフォルト値
wbiPrefix eMatrix 内で、すべての WebSphere Business Integration eMatrix メタエンティティー (タイプ、属性、ポリシー) にそれら独自のネーム・スペースを提供するために使用されるプレフィックス。コネクター構成プロパティーの wbiPrefix に指定された値は、InstallEventTables ファイルおよび WBIEventLogger.java ファイルで宣言された wbiPrefix と一致する必要があります。 wbi_
vault 新規イベントが作成される eMatrix ボールトの名前。
EventVault コネクター構成プロパティーに指定された値に一致する 必要があります。
WBI_Events
adapterUser eMatrix システムで要求を行うときにアダプターが使用する ID。
ApplicationUserName コネクター構成プロパティーに指定された値に一致する必要があります。
「ピンポン」作用を防止するのに重要です (下記参照)。
adapter

ピンポン作用の防止

トリガーが割り当てられている eMatrix システム内のオブジェクト をアダプターが変更すると、そのトリガーが新しいイベントを生成し、それがブローカーに戻されてパブリッシュされる場合があります。次の仕組みによって、このことが起こらないようにできます。

JPO は、呼び出されると、特にそれを呼び出したユーザーに関連付けられたユーザー ID を含む、コンテキスト・オブジェクトを受け取ります。このユーザー ID は、JPO プロパティーの adapterUser で設定されます。WBIEventLogger JPO は、起動されると、eMatrix コンテキスト・オブジェクトから受け取ったユーザー ID を検査します。

ユーザーが Adapter for eMatrix の場合、JPO の adapterUser プロパティーの値は、コネクターの ApplicationUserName プロパティーの値に一致します。この場合、JPO はそのイベントを無視し、イベントはログに記録されません。ユーザー ID が一致しない場合、JPO は新しいイベントを作成します。

注:
JPO の adapterUser プロパティーとアダプターの ApplicationUserName プロパティーを 同じ値に設定することが重要です。そうしない場合は、ピンポン作用が発生します。

コネクターの構成

アダプターのコネクター・コンポーネントには、2 種類の構成プロパティーがあります。1 つは標準の構成プロパティーで、ほとんどのアダプターに適用されます。もう 1 つはアプリケーション固有の構成プロパティーで、ご使用のアダプターにのみ適用されます。コネクターを実行する前に、必ずこれらのプロパティーの値を設定してください。

標準構成プロパティー

標準コネクター構成プロパティーを構成するには、Connector Configurator Express ツールを使用します。 詳細については、付録B. Connector Configurator Expressに記載されています。このツールは、コネクターを構成するためのグラフィカル・ユーザー・インターフェースを提供します。「標準構成プロパティー (Standard Config Properties)」タブを選択し、構成プロパティーを追加または変更します。

コネクターの構成プロパティーの値の指定が終了すると、Connector Configurator Express が InterChange Server Express のアダプター・リポジトリーに値を保管します。

コネクターは、始動時に構成値を取得します。実行時のセッション中に、1 つ以上のコネクター・プロ パティーの値を変更できます。

プロパティーが動的と静的のいずれであるかを判別するには、Connector Configurator Express の 「更新メソッド」欄を参照してください。

アプリケーション固有の構成プロパティー

アプリケーション固有のコネクター構成プロパティーは、アプリケーションに関連し、実行時にコネクターによって必要とされる情報を提供します。また、コネクター内の静的情報やロジックを、再コーディングや再ビルドを行わずに変更する方法も提供します。

これらのプロパティーを構成するには、Connector Configurator Express を使用し ます。 構成プロパティーを追加または変更するには、「アプリケーション構成プロパティー」タブを選択します。詳細については、付録B. Connector Configurator Expressを参照してください。

表 3 には、コネクターのアプリケー ション固有の構成プロパティーが、説明および指定可能な値とともにリストされてい ます。

表 3. eMatrix 用のアプリケーション固有の構成プロパティー
プロパティー 説明 指定可能な値 デフォルト値 必須
ApplicationUserName eMatrix システムに接続するときに使用される名前。 <任意> adapterUser JPO 構成プロパティーに設定された値に一致する必要がある。 WBI はい
ApplicationPassword eMatrix システムに接続するときに使用されるパスワード。
<任意>
WBI はい
EventVault アダプターがイベントを検索するボールト。 <任意> ボールト JPO 構成プロパティーに設定された値に一致する必要がある。 WBIEventVault はい
inDoubtEvents 未確定イベントのリカバリー方針。値が指定されないと、アダプターは開始時に失敗する。 以下のいずれか:
  • FailOnStartup
  • Reprocess
  • LogError
  • Ignore
Reprocess
はい
ArchiveProcessed True の場合、アダプターは すべてのイベントを保存する。False または未定義の場合、アダプターは、イベントが処理された後に、それらを eMatrix から削除する。 true または false false
DefaultVault アダプターが新規オブジェクトを作成し、既存オブジェクトを操作するデフォルト・ボールト。 <任意> DefaultWBIVault
DefaultPolicy eMatrix に新規オブジェクトを 作成するときに、アダプターが使用するデフォルト・ポリシー。 <任意> DefaultWBIPolicy
KeepRelations true の場合、アダプターは、ビジネス・オブジェクトの更新時 に関係を維持する。false の場合、アダプターは、更新要求で未定義のすべての 関係を破棄する。 true または false false
UseDefaults UseDefaults が true に設定される場合、アダプターは、ビジネス・オブジェクト定義 でデフォルト設定を使用する。 true または false true
PollQuantity 各ポーリング呼び出しで、アダプターが処理できる 最大イベント数。 <任意の正の整数> 1
WBIPrefix eMatrix システムで、イベント通知に関連付けられたすべてのビジネス・オブジェクトおよび属性の接頭部。
注:
既存のビジネス・オブジェクトまたは属性は、この値で開始することはできない。


<任意> JPO wbiPrefix 構成プロパティーに指定された値に一致する必要がある。 wbi_
EmatrixServer リモート・ビジネス・オブジェクト・サーバーの名前。 <任意> :bos
Hostname コラボレーション・サーバーの URL。 <任意> localhost:1099

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