失敗したイベントの処理

InterChange Server Express のツールである Failed Event Manager と Flow Manager の 2 つを 使用すると、失敗したイベントを検索、表示、および処理することができます。Failed Event Manager は、役割ベースの セキュリティーを備えた、ブラウザーから操作するツールです。失敗したイベントを Web から処理することが可能です。Flow Manager は、InterChange Server Express 製品とともにインストールされるツールです。トランザクション・フローを解決するには、Flow Manager を使用する必要がありますが、Failed Event Manager と Flow Manager の両方を使用して失敗したイベントを処理することができます。 このセクションでは、以下のトピックについて説明します。

Failed Event Manager の使用

Flow Manager の使用

Failed Event Manager の使用

Failed Event Manager を使用すると、失敗したイベントを Web から表示および管理できます。Failed Events Manager にアクセスするには、System Monitor にログオンします。Failed Events Manager カテゴリーは左側のフレームに表示され、「アクセス権限」と「照会」の 2 つの選択項目を持ちます。「アクセス権限」項目を使用すると、ご使用のログオン・ユーザー名に現在関連付けられている Failed Event Manager アクセス権限を表示できます。「照会」項目では、Failed Event Manager で操作を実行するときの表示が開かれます。

これらの失敗したイベントに対して実行できるアクションは、役割ベースのセキュリティーに応じて異なります。管理者は、4 つのデフォルト役割の 1 つ以上をユーザーに割り当てることができます。これらの役割の詳細については、Failed Event Manager のデフォルト役割を参照してください。

管理者は、特定のチーム向けにカスタム役割をすることも作成できます。これらの役割の詳細については、Failed Event Manager のカスタム役割を参照してください。

Failed Event Manager は、IBM WebSphere Application Server Express または Tomcat (Windows および Linux システムのみ) と連動します。WebSphere Application Server、WebSphere Application Server Express、または Tomcat とともに動作するように Failed Event Manager をセットアップする方法の追加情報については、「WebSphere Business Integration Server Express インストール・ガイド」 (Windows 版)(Linux 版)、または (OS/400 および i5/OS 版) を参照してください。OS/400 および i5/OS は Tomcat をサポートしていません。

Failed Event Manager は、以下のバージョンの WebSphere Application Server、WebSphere Application Server Express、および Tomcat とともに動作します。

このセクションでは、以下の手順について説明します。

Failed Event Manager のセキュリティーおよび役割ベースのアクセス

Failed Event Manager にはデフォルト役割が組み込まれています。管理者は、追加のセキュリティー役割を作成することもできます。役割ベースのアクセス制御の詳細については、役割ベース・アクセス制御 (RBAC) の管理を参照してください。

Failed Event Manager のデフォルト役割

Failed Event Manager には、以下に示す 4 つの基本的な役割があります。

Administrator 以外のデフォルト役割を作成するには、System Manager のサーバー管理ツールを使用します。すべてのデフォルト役割は、失敗したイベントを表示するために、サーバー・レベルのセキュリティー・ポリシー許可のみを持っている必要があります。詳細については、セキュリティー・ポリシー許可の管理を参照してください。

注:
SubmitEvents 役割は、コラボレーションとコネクターの失敗したイベントを実行依頼および削除する、コンポーネント・レベルでのセキュリティー・ポリシー許可を組み込んでいる別のカスタム役割との組み合わせでのみ使用できます。
Failed Event Manager のカスタム役割

System Manager のサーバー管理ツールを使用して、Failed Event Manager で使用するカスタム役割を作成することもできます。ユーザーには、カスタム役割とデフォルト役割の両方を割り当て可能です。カスタム役割はコンポーネント・レベルでのアクセスを許可します。例えば、適切な役割を持つユーザーに許可する操作を、特定のイベント所有者 (コネクターまたはコラボレーション) に属する失敗したイベントの表示に制限することができます。詳細については、役割の管理を参照してください。

すべてのカスタム役割は、失敗したイベントを表示するために、サーバー・レベルでのセキュリティー・ポリシー許可を持っている必要があります。

コンポーネント・レベルでは、各カスタム役割はコンポーネントごとに Submit_Failed_Events および Delete_Failed_Events セキュリティー許可を持っている必要があります。イベント所有者 (コラボレーション・オブジェクトまたはコネクター・オブジェクト) が識別されている必要もあります。

Failed Event Manager へのログオン手順

System Monitor にログオンすると、Failed Events Manager にアクセスできます。Failed Events Manager は、System Monitor ビューおよび設定とともに左側のフレームに表示されます。

Failed Event Manager には、Windows プラットフォーム限定のサポートされるブラウザーからのみアクセスできます。サポートされるブラウザーは以下のとおりです。

WebSphere Business Integration Server Express では System Monitor と Failed Events Manager が統合されたので、失敗したイベントにアクセスするには、まず System Monitor にログオンする必要があります。System Monitor にログオンしたあとは、左側のフレームから Failed Events Manager オプションを選択するだけです。

System Monitor へのログインについては、System Monitor へのログオン手順を参照してください。

失敗したイベントの表示手順

失敗したイベントに関する情報を Failed Event Manager で表示するには、以下の手順を実行します。

  1. 「照会」ページで、失敗したイベントのうち、表示したいイベントについての情報を選択します。
  2. 「サブミット」をクリックします。

    図 64 に示すような「失敗したイベントのテーブル (Table of Failed Events)」が表示されます。

    図 64. Failed Event Manager の「失敗したイベントのテーブル (Table of Failed Events)」

    表示されているビジネス・オブジェクトへのアクセス権を持つ役割が 1 つも自分に割り当てられていない場合は、この表の「ビジネス・オブジェクト」ボタンが使用できません (図 65 を参照)。

    注:
    ご使用のブラウザーに応じて、ボタンまたは他のコントロールが表示されなかったり、表示されても使用不可の場合があります。

    図 65. ビジネス・オブジェクトの表示権限がない場合の Failed Event Manager の「失敗したイベントのテーブル (Table of Failed Events)」
  3. 失敗した特定のイベントについて詳細を表示したい場合は、左列のチェック・ボックスを選択し、「詳細」列の「表示」をクリックします。

    図 66 に示すような「イベントの詳細」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    図 66. Failed Event Manager の「イベントの詳細」ダイアログ・ボックス
  4. ビジネス・オブジェクトへのアクセス権を持つ役割に割り当てられている場合、「ビジネス・オブジェクト」列の「ビジネス・オブジェクト」ボタンをクリックすると、ビジネス・オブジェクトに関する詳細が表示されます。「ビジネス・オブジェクト・データ」ダイアログ・ボックスが表示されます (図 67 を参照)。
    図 67. Failed Event Manager の「ビジネス・オブジェクト・データ」ダイアログ・ボックス

失敗したイベントの Failed Event Manager での処理手順

失敗したイベントを処理するには、「失敗したイベントのテーブル (Table of Failed Events)」で以下の手順を実行します。

  1. 失敗したイベントのうち、処理したいイベントの左列にあるチェック・ボックスを選択します。
  2. 以下のいずれかを実行します。

Failed Event Manager でのアクセス権の検査手順

Failed Event Manager の役割ベースのセキュリティーでユーザーに割り当てられた役割を検査するには、以下の手順を実行します。

  1. Failed Event Manager にログオンします (Failed Event Manager へのログオン手順を参照)。
  2. 「照会」ページが開いたら、左下にある「ご使用のアクセス権限を検査してください。」リンクをクリックします。

    使用可能なデフォルト役割を示すページが表示されます。 役割名を入力すると、自分がその役割に割り当てられているかどうかを確認できます。

Flow Manager の使用

失敗したイベントの検索、表示、処理を行うには、Flow Manager を使用します。これは、InterChange Server Express 製品とともにインストールされるツールです。Flow Manager により、未解決のフローを探して表示するための照会を 容易に構成できます。また Flow Manager により、複数サーバーの未解決のフローを表示し、スタンドアロン・ツールまたは System Manager エディターのどちらかとして起動できます。

未解決のフローを表示すると、表示内のフローを選択してサブミットしたり、破棄したり、その他のアクションを実行したりできます。失敗したフローの背景情報については、フローの失敗を参照してください。

以下のトピックでは、Flow Manager を使用して照会の作成、詳細の表示、およびイベントの処理を行う方法について説明します。

Flow Manager をスタンドアロン・ツールとして始動する場合のステップ

System Manager から Flow Manager を始動する場合のステップ

未解決のフローの検索手順

未解決のフローの詳細の表示手順

未解決のフローの処理手順

Flow Manager をスタンドアロン・ツールとして始動する場合のステップ

Flow Manager をスタンドアロン・ツールとして始動するには、以下の手順を実行します。

  1. 「スタート」>「プログラム」>「IBM WebSphere Business Integration Express」>「Toolset Express」>「管理」>「Flow Manager」をクリックします。Flow Manager のアプリケーション・ウィンドウが開きます。
  2. 「サーバー」>「サーバーに接続」を選択します。「InterChange Server に接続」ウィンドウが表示されます。
  3. 次のいずれかの方法でサーバー名を入力します。Windows の場合のデフォルト・サーバーは WebSphereICS です。OS/400 および i5/OS の場合のデフォルト・サーバーは QWBIDFT44 です。
  4. 接続するサーバーのユーザー名とパスワードを入力します。「ユーザー名とパスワードを保管」チェック・ボックスにチェックマークを付けると、ユーザー名とパスワードがサーバー名とともにレジストリーに保管され、パスワードが暗号化されます。「接続」をクリックします。
    注:
    レジストリーから不要なユーザーまたはサーバーを除去するには、「オプション」をクリックします。表示される「オプション」ダイアログ・ボックスで、サーバーまたはユーザーを削除できます。
    次の図に、「オプション」ダイアログ・ボックスを示します。
    図 68. 「オプション」ダイアログ・ボックス

「InterChange Server に接続」ダイアログ・ボックスで「接続」をクリックすると、Flow Manager が開きます (図 69 を参照)。

図 69. Flow Manager

System Manager から Flow Manager を始動する場合のステップ

System Manager から Flow Manager を始動するには、以下の手順を実行します。

  1. System Manager を始動してサーバーに接続します。
  2. System Manager で、「InterChange Server コンポーネント管理」ビューのサーバーを右マウス・ボタンでクリックし、「Flow Manager」をクリックします。

未解決のフローの検索手順

未解決のフローをすべて検索するには、Flow Manager で以下の手順を実行します。

  1. Flow Manager を始動します。Flow Manager をスタンドアロン・ツールとして始動する場合のステップまたは System Manager から Flow Manager を始動する場合のステップを参照してください。
  2. 以下のいずれかを実行します。
  3. 検索条件を指定したら、「検索」ボタンをクリックするか、「FlowManager」>「イベント」>「検索」をクリックします。結果は「Flow Manager」ウィンドウの下半分に表示されます。
  4. 現在のフィルター情報を照会として保管するには、「FlowManager」>「照会」>「保管」をクリックします。入力した照会名は、「照会」リストに表示されます。
「イベント属性」タブ

「イベント属性」タブは、未解決のイベントを特性に基づいて検索する場合に選択します (図 70 を参照)。

図 70. Flow Manager の「イベント属性」タブ

「イベント属性」タブでは、次のオプションを使用できます。

「日時」タブ

「日時」タブを使用すると、特定の期間に失敗したフローのみを照会することができます (図 71 を参照してください)。

図 71. 「日時」タブ

「日時」タブでは、次のオプションを使用できます。

「エラー・テキストおよびビジネス・オブジェクト属性」タブ

「エラー・テキストおよびビジネス・オブジェクト属性」タブを使用すると、特定のビジネス・オブジェクト、ビジネス・オブジェクト属性、および属性値のみを含む 照会を作成できます (図 72 を参照してください)。

図 72. 「エラー・テキストおよびビジネス・オブジェクト属性」タブ

以下の列で値を選択してください。

また、「含まれるエラー・テキスト」フィールドに入力したテキストを含むメッセージを生成する未解決のフローのみを照会することもできます。

注:
「含まれるエラー・テキスト」フィールドに入力したキーワードの大文字と小文字は区別されません。

未解決のフローの詳細の表示手順

未解決のフローの詳細を Flow Manager で表示するには、以下の手順を実行します。

  1. 「照会」リストから照会を選択します。
  2. 以下のいずれかを実行します。

    結果は「Flow Manager」ウィンドウの下半分に表示されます。

    イベントのリストと以下の情報を含む未解決のフロー表が表示されます。

    待機中イベントの場合は、「イベント状況」セルには以下の情報が表示されます。

    待機
    [タイムアウト有効期限:...]
    [シナリオ名:...]
    [シナリオ・ノード ID...]

  3. イベントの詳細情報にアクセスするには、そのイベントを含む行をダブルクリックします (または、「FlowManager」>「イベント」>「すべて選択」をクリックします)。これにより、「イベントの詳細を表示」ダイアログ・ボックスが開かれます (図 73 を参照してください)。
    図 73. Flow Manager の「イベントの詳細を表示」ダイアログ・ボックス
  4. 選択したイベントに関連付けられているビジネス・オブジェクトの詳細情報にアクセスするには、「FlowManager」>「イベント」>「詳細を表示」をクリックします。「ビジネス・オブジェクト・データの表示」ダイアログ・ボックスが表示されます (図 74 を参照)。
    図 74. 「ビジネス・オブジェクト・データの表示」ダイアログ・ボックス

未解決のフローに対してアクションを実行する場合は、未解決のフローの処理手順を参照してください。

照会の管理手順

未解決のフローについて作成した照会を管理するには、以下のいずれかを実行します。

照会結果の管理手順

未解決のフローについて作成した照会を管理するには、以下の手順を実行します。

  1. Flow Manager の結果リストから、イベントを 1 つ以上選択します。
  2. 以下のいずれかを実行します。

未解決のフローの処理手順

結果リスト内の失敗したイベントを Flow Manager で処理するには、以下の手順を実行します。

  1. Flow Manager の結果リストから、イベントを 1 つ以上選択します。
  2. 以下のいずれかを実行します。

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