JText コネクターが使用するビジネス・オブジェクト

JText コネクターのビジネス・オブジェクトは、変換用に指定した データ・ハンドラーが必要とするフォーマットでデータを引き渡す必要があります。ただし、JText コネクターは、アプリケーション・コネクターの アプリケーション固有ビジネス・オブジェクトと互換性のある特別に設計された ビジネス・オブジェクトのセットを必要としないこともあります。

例えば、NameValue データ・ハンドラーは、各データが CustomerName=KumarRegion=NE、および Department=HR などの データを識別するためのストリングを持つことを 要求します。JText コネクターが汎用ビジネス・オブジェクトを使用できるのは、すべての汎用ビジネス・オブジェクト定義に属性が含まれていて、その 名前でそれぞれのデータを識別できるためです。

ただ、汎用ビジネス・オブジェクトは多数の異なるアプリケーション で必要な情報のスーパーセットであり、各汎用ビジネス・オブジェクトには、通常 1 つのアプリケーションで 必要な情報よりはるかに多くの情報が含まれています。

このため、データをそれぞれのアプリケーションが処理しやすいサイズ に変換するには、処理するデータのタイプによってビジネス・オブジェクトを 作成することをお勧めします。この種のビジネス・プロジェクトは、任意のアプリケーション で必要なデータとデータ・ハンドラーで必要な情報のみを 提供します。

例えば、FixedWidth データ・ハンドラーの場合は、すべてのビジネス・オブジェクト 属性に対して MaxLength 属性プロパティー用に指定された値を設定していなければ なりません。XML 用の WebSphere Business Integration Server Express データ・ハンドラーの場合他の指定情報が必要です。その一方で、NameValue および Delimited データ・ハンドラー の場合は、すでに汎用ビジネス・オブジェクトに 含まれている情報をビジネス・オブジェクトに含める必要はありません。各データ・ハンドラー固有の 情報についての詳細は、「データ・ハンドラー・ガイド」を参照してください。

ビジネス・オブジェクトには、データを引き渡す以外にも、コネクターがビジネス・オブジェクトのイベント・ファイル名を動的に取得したり、出力ファイル名を統合ブローカーに戻す ための情報を含めることができます。この動的処理を行えるように コネクターを構成するには、ビジネス・オブジェクト・レベルのアプリケーション固有の情報に、以下の名前と値のペアを含める必要が あります。

ビジネス・オブジェクトにデータ・ハンドラーが使用する追加のアプリケーション 固有の情報が含まれる場合は、ビジネス・オブジェクトで名前と値のペアを最初に 置き、セミコロン (;) で追加のアプリケーション固有の情報と 区切る 必要があり ます。コネクターは、動的処理を使用するかどうかを判別するためにセミコロンより 前の名前と値のペアを読み取り、さらにセミコロンより後に情報があればそれを データ・ハンドラーに受け渡します。

動的子メタオブジェクトの使用

動的子メタオブジェクトを使用すると、InterChange Server Express とのファイル名の 交換が可能になります。このセクションの内容は、以下のとおりです。

動的子メタオブジェクトの使用目的

動的子メタオブジェクトを作成して使用すると、コネクターは 以下を行うことができます。

サービス呼び出し要求

イベント処理

コネクターは、ビジネス・オブジェクトの読み取り先であるファイルの名前 を子の InFileName 属性に取り込みます。

動的子メタオブジェクトの使用方法

コネクターがファイル名を動的に処理できるようにするには、以下を行う必要があります。

  1. 特定の属性を持つ動的子メタオブジェクトを作成します。
  2. データ・ビジネス・オブジェクトで、動的子メタオブジェクトを表す 属性を追加します。
  3. データ・ビジネス・オブジェクトは、以下のビジネス・オブジェクト・レベルの アプリケーション固有の情報を指定します。
    cw_mo_JTextConfig = DynChildMOAttrName

    ここで、DynChildMOAttrName は、動的子ビジネス・オブジェクトを表すデータ・ビジネス・オブジェクト 内の属性の名前です。その例については、図 2 を参照してください。

    重要:
    データ・ハンドラーを使用するときは、cw_mo_ 接頭部が必要です。接頭部を付けない場合は、コネクターは、指定された出力ファイルをデータ・ビジネス・オブジェクトと見なして これに動的子メタオブジェクトを書き込みます。
  4. 動的子メタオブジェクトは、動的子メタオブジェクト内の属性の 値を指定します。

動的子メタオブジェクトの属性

動的子メタオブジェクトには、以下の属性を含める 必要があります。

図 2 は、動的子メタオブジェクトを含む カスタマー・ビジネス・オブジェクトの例を示しています。

図 2. 動的子メタオブジェクトの例
動的子メタオブジェクトの例

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