TCP/IP Adapter のランタイム・コンポーネントであるコネクターは、TCP サーバー (インバウンド・モード、つまりイベント処理モード時) または TCP クライアント (アウトバウンド・モード、つまりサービス要求モード時) のいずれかとして機能します。実際の TCP プロトコルを実装しているコネクターのモジュールのことを接続マネージャーと呼びます。
接続マネージャーには、Protocol Listener フレームワークと Protocol Handler フレームワークの 2 つの部分があります。Protocol Listener フレームワークは、コネクター構成ファイル (CFG) の ServerConfiguration セクションのプロパティー設定に基づいて、TCP サーバーとして機能します。CFG の詳細については、付録B. コネクター固有のプロパティーおよび必須のビジネス・オブジェクト・プロパティーを参照してください。Protocol Listener フレームワークは、着信要求を listen して、Request Pool と呼ばれるスレッド管理コンポーネントを介して複数の要求の並列処理機能を提供します。すべての新規着信要求は、Request Pool で新規の Request オブジェクトになります。Request Pool のサイズは、構成プロパティー MaxRequestPoolSize によって設定されます。Request Pool 内の要求は、CFG の MaxRequestProcessors プロパティーによって構成された数まで、作業者スレッドで処理されます。任意のある時点で、コネクターは最大で (MaxRequestPoolSize + MaxRequestProcessors) 件の要求を処理できます。ここでも、スレッド管理とロード・バランシングが考慮されます。作業者スレッドは、着信要求をバイト配列にパッケージ化し、それを Message Processing フレームワークに渡します。
Protocol Handler フレームワークは、TCP クライアントとして機能し、CFG の ClientConfiguration 部分に設定されているプロパティーに基づいて、サービス呼び出し要求データを受け取り、それをリモート・ホストに送信します。