トレース・メッセージ

トレースは、コネクターまたは Event Listener の振る舞いを詳細にトレースするためにオンにできる オプションのデバッグ機能です。トレース・メッセージは構成可能であり、動的変更が可能です。要求の詳細に応じてさまざまなレベルを設定します。以下のセクションで、Exchange アダプターの各コンポーネントのトレースについて説明します。

推奨: トレースは、パフォーマンスを向上させ、ファイル・サイズを小さくするために、実動システム上ではオフにするか、できるだけ低レベルに設定しておいてください。

コネクターでのトレースの使用

トレース・ メッセージは、デフォルトでは「STDOUT」(画面) に書き込まれます。また、トレースを ファイルに書き込むように構成することもできます。

表 15 に、各トレース・レベルでコネクターが出力する各種のトレース・メッセージを示します。すべての トレース・メッセージがコネクター・プロパティー TraceFileName によって指定され たファイルに表示されます。これらのメッセージは、WebSphere Business Integration Server Express Adapter アーキテクチャーによって出力されるトレース・メッセージに追加されます。

表 15. コネクターのトレース・メッセージ
トレース・レベル トレース・メッセージ
レベル 0 コネクターのバージョンを識別するメッセージ。このレベルでは他のトレースは行われません。これはデフォルトのトレース・レベルです。
レベル 1 トレース・メッセージには以下のようなものがあります。
  • 状況メッセージ。
  • 処理される各ビジネス・オブジェクトの識別 (キー) 情報を提供するメッセージ。
レベル 2 ビジネス・オブジェクト処理時にコネクターが検出または検索した配列および子ビジネス・オブジェクトに関する情報を含む、ビジネス・オブジェクト・ハンドラー・メッセージ。
レベル 3 ビジネス・オブジェクト処理に関する情報を提供するメッセージ。例えば、コネクターがビジネス・オブジェクト間で一致するものを検出した場合、またはビジネス・オブジェクトの配列中で特定のビジネス・オブジェクトを検出した場合に、このタイプのメッセージがデリバリーされます。
レベル 4 トレース・メッセージには以下のようなものがあります。
  • アプリケーション固有のテキスト・メッセージ (例えば、ビジネス・オブジェクト のアプリケーション固有のテキスト・フィールドを構文解析する関数によって戻される値を示す メッセージ)。
  • コネクターが、コネクターのプロセス・フローのトレースに役立つ関数を開始または終了 したかどうかを識別するメッセージ。
レベル 5 トレース・メッセージには以下のようなものがあります。
  • コネクターの初期化を示すメッセージ (例えば、検索された各構成プロパティーの値を示すメッセージ)。
  • コネクターに処理される前のビジネス・オブジェクトの表現 (すなわち、コネクターがコラボレーションから受け取ったときのビジネス・オブジェクトの状態を表示します) およびコネクターによる処理が完了した後のビジネス・オブジェクトの表現 (すなわち、コネクターがコラボレーションに戻すときのビジネス・オブジェクトの状態を表示します) を構成するメッセージ。
  • 処理時のビジネス・オブジェクト・ダンプを構成するメッセージ。

Event Listener でのトレースの使用

デフォルトでは、トレース・メッセージは Information イベントとして Windows イベント・ログに書き込まれます。表 16 では、Event Listener が 各トレース・レベルで出力するトレース・メッセージのタイプを説明しています。

表 16. Event Listener のトレース・メッセージ
トレース・レベル トレース・メッセージ
レベル 0 Event Listener 識別メッセージ (例えば、2002/07/10 15:01:46.812: This is version 1.0 of the Exchange adapter)。このメッセージは、最初にイベント・シンクが作成されたときに必ず表示されます
レベル 1 トレース・メッセージには以下のようなものがあります。
  • 状況メッセージ。
  • 処理される各イベントの識別 (キー) 情報を提供するメッセージ。
  • onSave()、onDelete()、onSyncSave()、onSyncDelete()、onTimer()、 onMDBStartUp()、および onMDBShutDown() メソッドを実行するたびに発行されるメッセージ。
レベル 2 E メール・メッセージが CwEvent ユーザーに送信されるたびに発行されるメッセージ。
レベル 3 イベント固有のフラグ (例えば、EVT_NEW_ITEM、EVT_COPY、 EVT_MOVE など) を表示するメッセージ。
レベル 4 イベント・ストアのフィールド値を示すメッセージ。フィールドには、EventID、Event type、FolderURI、MessageURI、およびPriority があります。
レベル 5 トレース・メッセージには以下のようなものがあります。
  • 初期化メッセージ (例えば、検索された各構成プロパティーの値を示すメッセージ)。
  • 個々のメソッドの入り口点と出口点をトレースするメッセージ。

Copyright IBM Corp. 2004, 2005