同期シナリオの実行

このシナリオでは、Synch OrderStatus Service HTTP サービスを呼び出します。シナリオを実行する前に、シナリオに関するデータの流れを段階を追って説明します。

  1. CLIENT_SYNCH_TLO_OrderStatus.Retrieve イベントが、Test Connector の 1 つのインスタンスで動作する SampleSAP という名前のアプリケーションで発生します。
  2. イベントが SampleSAP から CLIENT_SYNCH_OrderStatus_Collab という名前のコラボレーションに送信されます。
  3. 続いて、イベントがコラボレーションから HTTP コネクターに送信されます。
  4. HTTP コネクターは、CLIENT_SYNCH_TLO_OrderStatus の子要求である XML_OrderStatus オブジェクトを見つけます。
  5. HTTP コネクターは、XML データ・ハンドラーを呼び出して XML_OrderStatus ビジネス・オブジェクトを XML メッセージに変換します。
  6. XML 要求は URL にPOST されます。前に説明したように、同じ HTTPConnector が、同じ URL で XML 要求を listen します。コネクターのプロトコル・リスナーが XML メッセージを受け取ります。
  7. コネクターのプロトコル・リスナーは XML メッセージを XML_OrderStatus に変換してから、SERVICE_SYNCH_TLO_Order オブジェクトを作成します。XML_OrderStatus オブジェクトが SERVICE_SYNCH_TLO_Order オブジェクトの子として設定されます。
  8. 次に、HTTP コネクターが SERVICE_SYNCH_TLO_OrderStatus オブジェクトを InterChange Server Express で実行中の SERVICE_SYNCH_OrderStatus_Collab コラボレーションに同期的に通知します。これは同期実行であるため、コラボレーションが実行されて応答が戻るまで、HTTP コネクターはブロックされたままになります。
  9. 次に、HTTP コネクターが SERVICE_TLO_OrderStatus オブジェクトを InterChange Server Express で実行中の SERVICE_SYNCH_OrderStatus_Collab コラボレーションに同期的に通知します。これは同期実行であるため、コラボレーションが実行されて応答が戻るまで、HTTP コネクターはブロックされたままになります。
  10. 値を編集し、SampleSiebel アプリケーションから Reply Success を選択すると、イベントは SERVICE_SYNCH_OrderStatus_Collab コラボレーションに戻されます。
  11. SERVICE_SYNCH_OrderStatus_CollabSERVICE_SYNCH_TLO_OrderStatus オブジェクトを受信します。次に、コラボレーションがビジネス・オブジェクトを HTTPConnector に送信します。
  12. HTTPConnector は、SERVICE_SYNCH_OrderStatus_TLO の子である XML_OrderStatus ビジネス・オブジェクトを見つけます。 このビジネス・オブジェクトは、XML データ・ハンドラーによって XML 応答メッセージ に変換されます。
  13. XML 応答は、HTTP クライアントに送り戻されます。
  14. HTTP クライアント (この場合はHTTP コネクターのプロトコル・ハンドラー) が応答を受信します。コネクターが応答メッセージによって XML データ・ハンドラーを呼び出します。 XML データ・ハンドラーは、応答メッセージを XML_OrderStatus ビジネス・オブジェクトに変換します。HTTPConnector がこのオブジェクトを CLIENT_SYNCH_OrderStatus_TLO の子として設定します。
  15. CLIENT_SYNCH_OrderStatus_TLOCLIENT_SYNCH_OrderStatus_Collab コラボレーションに戻されます。
  16. 次に、CLIENT_SYNCH_OrderStatus_CollabCLIENT_SYNCH_OrderStatus_TLO を Test Connector の 1 番目のインスタンスとして実行中の SampleSAP というアプリケーションに送信します。Test Connector がこのオブジェクトを表示します。

同期シナリオを実行するには、以下の手順を実行します。

  1. InterChange Server Express 統合ブローカーがまだ稼働していない場合は始動します。
  2. HTTP コネクターを始動します。
  3. Test Connector の 2 つのインスタンスを開始します。
  4. Test Connector を使用して、SampleSAPConnector および SampleSiebelConnector のプロファイルを定義します。
  5. エージェントのシミュレートを開始するため、それぞれの「Test Connector」メニューから「ファイル」->「エージェントの接続」を選択します。
  6. Test Connector を使用して SampleSAPConnector をシミュレートしながら、メニューから「編集」->「ビジネス・オブジェクトのロード」を選択します。以下のファイルをロードします。
    WBI_folder¥connectors¥HTTP¥samples¥WebSphereICS¥OrderStatus
     ¥CLIENT_SYNCH_TLO_OrderStatus.bo
    Test Connector は CLIENT_SYNCH_TLO_OrderStatus がロードされたというメッセージを表示します。
  7. HTTP URL アドレスを確認します。
  8. Test Connector を使用して SampleSAPConnector をシミュレートしながら、ロードしたテスト・ビジネス・オブジェクトをクリックします。メニューから「要求」>「送信」を選択します。データの流れについての詳細は、このセクションで前述した段階的な説明を参照してください。
  9. SampleSiebelConnector をシミュレートしている Test Connector インスタンスの右パネルに、SERVICE_SYNCH_TLO_OrderStatus.Retrieve というラベルの付いたイベントが表示されます。ビジネス・オブジェクトをダブルクリックしてウィンドウに表示します。
  10. ビジネス・オブジェクトの Request 属性を展開します。要求の値を検査し、SampleSAPConnector から送られた値が完全な状態にあることを確認します。
  11. LOAD BO を選択し、ビジネス・オブジェクトの応答属性にデータを取り込みます。以下のファイルをロードします。 Test Connector は SERVICE_SYNCH_TLO_OrderStatus がロードされたというメッセージを表示します。
  12. 「要求」->「返信」->「成功」を選択します。
  13. SampleSAPConnector をシミュレートしている Test Connector の右パネルに SERVICE_SYNCH_TLO_OrderStatus.Retrieve というラベルの付いたイベントが表示されます。
  14. SERVICE_SYNCH_TLO_OrderStatus.Retrieve ビジネス・オブジェクトをダブルクリックします。ダブルクリックすると、ビジネス・オブジェクトがウィンドウに表示されます。SampleSiebelConnector によってオーダーの状況が戻された場合は、取り込まれたビジネス・オブジェクトの Response 属性が表示されます。Response 属性を展開してオーダーの状況を確認します。
  15. ビジネス・オブジェクトのインスペクションが完了したら、ウィンドウを閉じます。「要求」->「返信」->「成功」を選択します。

これにより、同期シナリオの実行が完了します。

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