コネクターの内部ビジネス・オブジェクトは、(イベント・モード時に) データをネットワークから取り出すときや、(サービス呼び出し要求モード時に) データをネットワークに送り出すときに、過渡的なデータ・ラッパーとして使用されます。
イベント・モードでは、コネクターは TCP サーバーとして動作し、リモート・アプリケーションからの要求をソケットで listen して、データを送信するチャネルを確立します。接続管理サブコンポーネントは、接続を確立し、ネットワークからの着信データのストリームを管理します。この内容としては、ロード・バランシングや、複数の要求を処理するための並列処理の設定などがあります。データは、内部に流れてくると、メッセージ処理コンポーネントに渡されます。ここでデータは、基本的なデータ・ラッパーである BIA_ContentBO に保持されます。
BIA_ContentBO に該当する属性は次のとおりです。
BO レベルの属性 | 説明 |
---|---|
Content | アプリケーション・データまたはプロトコル・データを格納します。 |
Content オブジェクトは、BIA_InputMessage ビジネス・オブジェクトの内部に格納されています。入力メッセージ・オブジェクトには、最初、リモート・アプリケーションからの完成したメッセージと未完成のメッセージが格納されています。コネクターは、完成したメッセージと未完成のメッセージを分離し、未完成のメッセージは完成するまでキューに入れます。完成したメッセージは BIA_InputMessage オブジェクトでラップして、PIMO フレームワークに送信します。ここでは、メッセージに対して何らかの形の前処理を実行してから、最終処理のためにデータ・ハンドラーに渡します。
BIA_InputMessage オブジェクトに該当する属性は次のとおりです。
BO レベルの属性 | 説明 |
---|---|
CharSet | 着信バイトに適用されるエンコード方式 |
Content | ソケットに到着する内容を BIA_ContentBO として格納します。属性の長さは着信メッセージの長さと比較して制限されるため、この属性のカーディナリティーは N になります。 |
サービス呼び出し要求モードでは、リモート・アプリケーションに送信されるメッセージを表す WBI ビジネス・オブジェクトは、統合ブローカーから送信されます。これらのオブジェクトは、データ・ハンドラーによって適切なメッセージ形式に変換されます。コネクターは、このメッセージ・データを、BIA_ApplicationMessage オブジェクトに格納されている BIA_ContentBO でラップします。このメッセージ・データには、PIMO 後処理が実行される場合があります。そのタイミングは、TCP クライアントとして動作するコネクターが、TCP/IP ネットワークを介して、コネクター構成ファイルで指定されている宛先にメッセージ・データを返送した後になります。
BIA_ApplicationMessage オブジェクトに該当する属性は次のとおりです。
BO レベルの属性 | 説明 |
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Charset | 着信バイトに適用されるエンコード方式 |
Content | データ・ハンドラーから到着する内容を BIA_ContentBO として格納します。属性の長さは着信メッセージの長さと比較して制限されるため、この属性のカーディナリティーは N になります。 |
コネクターが使用する汎用の内部ビジネス・オブジェクトは、その他に 2 つあります。1 つは、BIA_ResponseMessage オブジェクトで、ここには、サービス呼び出し要求の結果として、リモート・アプリケーションからの確認通知メッセージが (Content オブジェクトにラップされた状態で) 格納されています。もう 1 つは BIA_FinalMessage オブジェクトで、ここには、接続管理サブコンポーネント自体の情報が格納されています。すべての内部ビジネス・オブジェクトおよびメタオブジェクトの定義ファイルは、次のディレクトリーに XML スキーマ・ファイル (.xsd) として格納されています。Windows の場合は ProductDir¥connectors¥TCPIP¥Samples で、Linux の場合は ProductDir/connectors/TCPIP/Samples です。これらを表示するには、Business Object Designer Express または XML 対応のブラウザーを使用します。