InterChange Server Express は、コラボレーションのためのマルチスレッド化された Java ベースの実行フレームワークです。InterChange Server Express は、自身の Java 仮想マシン (JVM) 内で実行されます。 このセクションでは、InterChange Server Express のサービスおよび機能について説 明します。
InterChange Server Express は、コラボレーションの実行時に受信するすべてのビジネス・オブジェクトを永続的に保管します。これによって、InterChange Server Express は、イベント通知や呼び出しを失うことなく、予期しない終了またはコラボレーションの障害 から回復することができます。
コネクター・コントローラーは、コネクターのクライアント側と InterChange Server Express の間に存在するインターフェースです。コネクター・コントローラーは、ビジネス・オブジェクトが IBM WebSphere Business Integration Server Express システムをトラバースするときにその経路を定め、コネク ターのクライアント側とコラボレーションのリンクおよびマッピング・プロセスの管理を行います。
コネクター・コントローラーを使用することにより、管理者は次のことを実行できます。
InterChange Server Express は、すべてのオブジェクトの構成情報および定義を、InterChange Server リポジトリーという永続ストアに保持します。InterChange Server リポジトリーは、リレーショナル・データベース内の表の集合から構成されます。 表は、XML 文書形式で、オブジェクト定義と構成情報を保管します。
データベース接続サービスは、InterChange Server Express とリポジトリー間の対話を管理します。データベース接続サービスは、Java Database Connectivity API (JDBC) を使用して、リポジトリーと対話します。
InterChange Server Express では、データベース接続プールは、IBM WebSphere Business Integration Server Express システムの System Manager ツールを使用して定義することができます。 ユーザー定義のデータベース接続プールにより、開発者がコラボレーションまたはマップから関連するデータベースに直接アクセスできるようになります。この機能は、以下をサポートします。
IBM WebSphere Business Integration Server Express システムは、コラボレーションをトランザクションの一種であるかのように実行できるサービスをサポートします。
トランザクションの品質特性は、アプリケーション全体でデータの整合性が重要である コラボレーションにとって理想的です。他のトランザクションのように、トランザクション・コラボレーションには一連のステップが含ま れます。エラーが発生すると、InterChange Server Express はトランザクションのように ロールバックを実行して、完了した各ステップを元に戻すことができます。
ただし、コラボレーションと従来のトランザクションは、次の点で大きく異なりま す。
この結果、トランザクション・コラボレーションをサポートするために、InterChange Server Express が使用する手法は、従来のトランザクションをサポートするために使用する 手法とは異なります。コラボレーションに関連するトランザクション・レベルは、InterChange Server Express がトランザクションのセマンティクスを強化する度合いを定義 します。
InterChange Server Express を実装すると、InterChange Server Express で障害後のリブートに要する時間を短縮する機能、すべてのフローが回復する前に InterChange Server Express で他の作業を行えるようにする機能、および失敗したイベントの再実行依頼を制御する機能が提供されます。
InterChange Server Express は、コラボレーションとコネクターが回復するのを待たずに ブートを完了します。つまり、コラボレーションとコネクターは、InterChange Server Express のブート後に非同期に回復できます。これにより、コネクターとコラボレーションの回復中に、System Monitor などの System Manager トラブルシューティング・ツールを使用することできます。
この機能の使用はオプションであり、コラボレーション・オブジェクト・プロパティーを使用して構成されます。この機能を使用可能にすると、InterChange Server Express の障害が発生 した場合、コラボレーションの WIP フローの回復はサーバーがリ ブートするまで据え置かれます。このため、これらのフローに関連するメモリー 使用量を節約できます。サーバーのリブート後、イベントを再実行依頼することができます。
非トランザクション・コラボレーションが宛先アプリケーションに重複してイベ ントを送信するのを回避するため、障害の発生時に、リカバリーに、自動的に転送 中のすべてのサービス呼び出しを再実行依頼させたくない場合があります。この 場合には、障害およびリカバリーが発生したときにコラボレーションが転送中の すべてのサービス呼び出しイベントを持続するように、コラボレーションを構成します (サーバーの障害に先立って実行します)。InterChange Server Express が回復するとき、サービス呼び出しを処理していたフローは転送中状態を維持するので、個々の未解決のフローを調査したり、それらのフローを再実行依頼するときに (またはする場合には) 制御したりすることができま す。
JMS 対応コネクター (トランスポート機構として JMS を使用するコネクター) に対して、以下の機能が、リカバリー状態での保障されたイベント・デリバリーに役立つ場合があります。
コンテナー管理対象イベント機能は、JMS イベント・ストアを使用する JMS 対応コネクターに対して有効です。システム・クラッシュおよびリカバリーが発生した場合に、イベント・ストアとコネクター・フレームワーク間で処理中であったイベントは、コネクター・フレームワークによって 1 回のみ受信され、2 度は配信されないことが保障されます。この機能は、オプションであり、コネクター・プロパティーを通して構成され、トランスポート機構として、JMS を使用するコネクターとのみ使用されます。
重複イベント除去機能は、JMS 対応コネクターにとって有効であり、コネクターのアプリケーション固有のコードで固有のイベント ID を使用して、イベントが重複してデリバリー・キューに配信されないようにします。この機能は、オプションであり、コネクター・プロパティーを通して構成され、トランスポート機構として、JMS を使用するコネクターとのみ使用されます。