システムをアップグレードするには、その前に次の手順を実行する必要があります。
既存の WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus システムで定義されたすべてのユーザー・プロジェクトは、ツールとともにローカル・マシンに格納されます。インストーラーを実行して別のバージョンの WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus にアップグレードすると、新規にアップグレードされたツールは、既存のユーザー・プロジェクトが存在する System Manager ワークスペースへのパスを自動的に認識しません。
アップグレード済みのシステムで既存のユーザー・プロジェクトを使用できるようにするには、次のいずれかを実行します。
既存のプロジェクトをマイグレーションするには、まずプロジェクトをソリューションとして一時的な場所にエクスポートし、その後、新規にアップグレードされた System Manager にインポートして戻します。
ユーザー・プロジェクトと、ユーザー・プロジェクトがソリューションとして参照する統合コンポーネントをエクスポートするには、以下の手順を実行します。
InterChange Server Express を動作させた状態で、System Manager を InterChange Server Express インスタンスに接続し、以下の手順を実行します。
Launchpad インストール・インターフェースは、いくつかの前提条件ソフトウェアを自動的にアップグレードします。ただし、WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus の現行バージョンによるアップグレードがサポートされている前提条件ソフトウェアより前のバージョンの前提条件ソフトウェアがある場合は、WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus をアップグレードする前に、前提条件ソフトウェアを手動でアップグレードする必要があります。(サポートされているバージョンの前提条件ソフトウェアについては、http://www.ibm.com/software/integration/wbiserverexpress を参照してください。) 前提条件ソフトウェアは、何らかの他の理由がある場合、手動でアップグレードすることもできます。前提条件ソフトウェアを、現行リリース (WebSphere Business Integration Server Express 4.4) でサポートされているバージョンに手動でアップグレードすると、残りのアップグレードを実行するときに、Launchpad により、現行バージョンの前提条件ソフトウェアがあると検出されます。特定の前提条件ソフトウェアを手動でアップグレードする場合は、そのソフトウェアに用意されているアップグレード手順に従ってください。
以下のセクションでは、いくつかの前提条件ソフトウェアのアップグレード・シナリオや、任意のデータベースを対象に実行が必要な手順について説明します。ソフトウェアをアンインストールするかアップグレードする前に、システムのバックアップに記載されている手順に従うようにしてください。
WebSphere Business Integration Express システムのアップグレードを準備する場合、データベースをマイグレーションするためのオプションとして、インプレース・データベース・マイグレーションと非インプレース・データベース・マイグレーションの 2 つがあります。インプレース・データベース・マイグレーションとは、古いリポジトリーを再利用し、WebSphere Business Integration Express サーバーの最初の始動時に、WebSphere Business Integration Express によってリポジトリーのアップグレードを実行するという意味です。非インプレース・データベース・マイグレーションとは、新規で空のリポジトリー・データベースを使用したアップグレードという意味です。インプレース・データベース・マイグレーションについては、システムのバックアップに記載の特殊な手順に従うようにしてください。
以下のセクションは、IBM DB2 に適用されます。
以前のバージョンの DB2 をアンインストールして、いずれのバージョンの DB2 も存在しない状態にすると、Launchpad により、DB2 バージョン 8.2 Express をインストールするよう求められます。
必要なバージョン (8.1.5) より前のバージョンの DB2 がある場合は、Launchpad により、DB2 バージョン 8.2 Express をインストールするよう求められます。
DB2 バージョン 8.1.5 以上をインストールしてある場合は、DB2 の新しいバージョンのインストールを Launchpad から要求されることはありません。この場合、8.2 より前のバージョンの DB2 を使用しており、バージョン 8.2 の DB2 にアップグレードするには、手動でアップグレードする必要があります。
以前サポートされていた DB2 のバージョン (8.1.2 Express - 8.1.4 Express) からのアップグレードを Launchpad を使用して行う場合は、旧バージョンの DB2 で WebSphere Business Integration Express に使用されていたのと同じユーザー名およびパスワードを、インストールされる新バージョンの DB2 でも使用する必要があります。WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus バージョン 4.3.1 でサポートされているユーザー名とパスワードは、smbadmin (ユーザー名) と smbP4$$word (パスワード) であるため、この DB2 インスタンスが WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus バージョン 4.3.1 で使用された場合、ユーザー名/パスワードは、この組み合わせになっている必要があります。
このためには、以下の手順を実行します。
Microsoft SQL Server 2000 をデータベースとして使用している場合は、Microsoft SQL Server のアップグレード手順に従って、手動でアップグレードする必要があります。Launchpad は、この製品を自動的にはアップグレードしません。
WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus バージョン 4.4 では、WebSphere Application Server Express バージョン 5.1.1 以上をサポートします。バージョン 6.0 は、Launchpad がインストールしたバージョンです。5.1.1 より前のバージョンの WebSphere Application Server は、すべてアンインストールしてください。すでに 5.1.1 があり、6.0 にアップグレードする場合は、Launchpad によってアップグレードが要求されることはないため、手動でアップグレードする必要があります。
以前のバージョンの WebSphere Business Integration Express によってサポートされている IBM WebSphere MQ の旧バージョンがインストールされている場合は、Launchpad により、サポートされるバージョンに自動的にアップグレードされます。例えば、MQ 5.3 CSD 05 がインストールされている場合は、Launchpad により、CSD 07 に自動的にアップグレードされます。
Launchpad により、適切なバージョンの IBM JDK (バージョン 1.4.2) がインストールされます。前のバージョンを削除する必要はありません。
システムをアップグレードするには、その前にシステムが静止状態であることを確認する必要があります。つまり、環境をバックアップしてアップグレード手順を実行する前に、進行中のイベントをすべて完了し、未確定のトランザクションをすべて解決します。
以下の手順では、システムを静止状態にする方法について説明します。
実行中のシステムを正常に停止する方法については、「システム管理ガイド」を参照してください。
システムのバックアップを作成すると、新規バージョンのインストール時に不注意でファイルを上書きしても、そのファイルを回復できます。アップグレード手順を実行する前に、静的データと動的データ (アップグレードにかかわらず定期的にバックアップされる変更可能データ) の両方のバックアップを作成します。静的データおよび動的データの例については、表 3 を参照してください。
システムのバックアップを作成するには、以下の手順を行います。
repos_copy -sWICSEX -oRepositoryExpress.txt -uadmin -pnull
ProductDir¥mqseries¥crossworlds_mq.tst
IBM では、InterChange Server Express 製品ディレクトリー全体 のシステム・バックアップをとることをお勧めします。
表 3 に、各コンポーネントのバックアップ方法の概要を示します。
データのタイプ | バックアップ方法 | |
---|---|---|
静的データ | ||
リポジトリー | repos_copy ユーティリティーを使用し、カスタマイズしたシステム・コンポーネントの一部またはすべてを保管します。詳しくは、「システム管理ガイド」のコンポーネントのバックアップ方法の説明を参照してください。 | |
カスタムのマップ Java クラス・ファイル (.class) | これらのファイルをシステム・バックアップに組み込むため、システム・バックアップに以下のディレクトリーがあることを確認してください。
ProductDir¥DLMs |
|
カスタム・コネクター | システム・バックアップにディレクトリー ProductDir¥connectors¥connector_name を含めます。ここで、「connector_name」はカスタム・コネクターの名前です。 | |
カスタマイズされた始動スクリプト | 始動スクリプトをカスタマイズしてある場合は、これらがシステム・バックアップに組み込まれていることを確認してください。 | |
ICS Express 構成ファイル (InterchangeSystem.cfg) | ProductDir ディレクトリーにある ICS Express 構成ファイルをシステム・バックアップに組み込みます。 | |
動的データ | ||
相互参照表、失敗したイベントの表、および関係表 | データベースにはデータベース・バックアップ・ユーティリティーを使用します。詳しくは、「システム管理ガイド」のシステム・コンポーネントのバックアップ方法の説明を参照してください。 | |
コネクター・イベント・アーカイブ表 | これらの表を含むデータベースには、データベース・バックアップ・ユーティリティーを使用します。 | |
ログ・ファイル | 以下のディレクトリーをシステム・バックアップに組み込みます。
ProductDir¥log |
バックアップが完了したら、次の手順でシステムをシャットダウンできます。
システムのシャットダウンの詳細については、「システム管理ガイド」を参照してください。