Exchange Server のビジネス・オブジェクト

Adapter for Exchange Server は、Exchange Outlook Message オブジェクト・モデルに基づいてビジネス・オブジェクトをサポートします。サポートされるビジネス・オブジェクトには、以下の高水準オブジェクトが含まれます。

さらに、共通属性データを表す次の 2 つのオブジェクトがあります。

注:
ビジネス・オブジェクト定義は、新しいリリースで更新されている可能性があります。本書の記述時点では、TaskItem RecurrenceItems はコネクターにアクセスできません。ご使用のリリースに該当するかどうかまたはその他の変更があるかどうかの確認については、「リリース情報」を参照してください。このアダプターの以前のバージョンを実行している場合は、更新されたビジネス・オブジェクト定義をすべて最新にする必要があります。そのためには、該当するファイルを BO Designer にロードして (ディレクトリー・パスについては、コネクターのインストールを参照)、ユーザーのブローカー・リポジトリーに保存します。

このアダプターの現行リリースでは、Attachment ビジネス・オブジェクトをサポートしていません。

Exchange 項目に子がない場合、単一アダプターのビジネス・オブジェクトが Exchange ビジネス・エンティティー全体を表します。例えば、繰り返しパターンを持たない予定は、AppointmentItem ビジネス・オブジェクトで表します。

Exchange 項目が階層構造である場合、アダプターのビジネス・オブジェクトは親ビジネス・エンティティーを表し、その属性は子情報を持つ子オブジェクトを参照します。例えば、繰り返し発生する予定は、RecurrencePattern 子ビジネス・オブジェクトを指す属性を持つ親 AppointmentItem ビジネス・オブジェクトで表します。

属性プロパティー

ビジネス・オブジェクト属性を定義するプロセスには、さまざまなプロパティーの設定を含みます。表 8 に、単純属性のプロパティーを示します。

表 8. 単純属性のプロパティー
属性 説明
Name 属性の名前を指定します。
Type 属性のデータ型 (Boolean、Date、Integer、または String) を指定します。
MaxLength N/A
IsKey 属性がキー・フィールドであるかどうかを指定します。
IsForeignKey N/A
IsRequired 属性がビジネス・オブジェクトの必要フィールドであるかどうかを指定します。
AppSpecificInfo この属性のアクセスに使用する URI を指定します。
DefaultValue 指定されていると、インバウンド・ビジネス・オブジェクトに属性が設定されていない場合、およびコネクターの UseDefaults プロパティーの設定が true の場合にコネクターがこの値を使用します。

表 9 に、子オブジェクトを参照する親ビジネス・オブジェクト属性のプロパティーを示します。

表 9. 子ビジネス・オブジェクトを参照する属性のプロパティー
属性 説明
Name 子ビジネス・オブジェクトの名前を指定します。
Type 子ビジネス・オブジェクトのデータ型を指定します。有効なデータ型は以下のとおりです。
  • Recipient
  • RecurrencePattern
ContainedObjectVersion 子ビジネス・オブジェクトのバージョンを指定します。
Relationship 参照オブジェクトは親オブジェクトに含まれていることを指定します。
IsKey N/A
IsForeignKey N/A
IsRequired 属性がビジネス・オブジェクトに必要であるかどうかを指定します。
AppSpecificInfo N/A
Cardinality 特定の属性から参照可能な子オブジェクトの数を指定します。値は 1 (1 つのオブジェクトのみ参照可能な場合) または N (複数のオブジェクトが参照可能な場合) です。

アプリケーション固有の情報

アプリケーション固有の情報により、ビジネス・オブジェクトの操作および処理に関する、アプリケーション依存の情報がコネクターに提供されます。ビジネス・オブジェクト定義を拡張または変更する場合には、定義内のアプリケーション固有の情報と、コネクターが予期する構文とを必ず一致 させる必要があります。

アプリケーション固有の情報はビジネス・オブジェクトに指定でき、また各ビジネス・オブジェクトの属性にも指定できます。

ビジネス・オブジェクト用のアプリケーション固有テキスト

ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有の情報では、アダプター用の 2 つのキー・プロパティー (OutlookMessageClass および ContentClass) を扱います。 OutlookMessageClass は、現行の Exchange Adapter ビジネス・オブジェクトに対応する Exchange 項目の名前を指定します。ContentClass は、現行の Exchange Adapter ビジネス・オブジェクトに対応する WebDAV ネーム・スペースを指定します。以下の表は、該当する相関関係を示します。

表 10. ビジネス・オブジェクト用のアプリケーション固有テキスト
アダプター・ビジネス・
オブジェクト
OutlookMessageClass ContentClass
AppointmentItem IPM:Appointment urn:content-classes:appointment
ContactItem IPM:Contact urn:content-classes:person
MailItem IPM:Note urn:content-classes:message
TaskItem IPM:Task urn:content-classes:task

単純属性用のアプリケーション固有テキスト

表 11 に示すように、コネクターは単純属性用のアプリケーション固有テキストを使用します。

表 11. 単純属性用のアプリケーション固有テキスト
パラメーター 説明
PropertyName この属性に対応する URI を指定します。
Access 現在の属性が読み取り/書き込み (Get/Put) であるか、読み取り専用 (Get) であるかを指定します。

動詞に関するアプリケーション固有テキスト

表 12 に示すように、コネクターは動詞用のアプリケーション固有テキストを使用します。

表 12. 動詞に関するアプリケーション固有テキスト
パラメーター 説明
SetToNullOnCxIgnore サービス呼び出し要求の処理中に CxIgnore や CxBlank が見つかった場合の動作を定義します。この値は、true または false です。true の場合に CxIgnore または CxBlank が見つかると、値は null にセットされます。false の場合に CxIgnore が見つかっても、値は変更されません。false の場合に CxBlank が見つかると、値は null にセットされます。

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