IBM は、注文、販売、交換、返品、または修理できるすべてのものを品目と定義します。 この広い定義により、エンタープライズ・リソース・プランニング (ERP) アプリケーション、カスタマー・インタラクション・マネージメント (CIM) アプリケーション、およびサプライ・チェーン (SC) アプリケーションで ItemOrder ビジネス・オブジェクトを使用できるようになります。 ERP および SC アプリケーションでは、「品目」の概念を組織が調達 (未加工の材料)、製造、および販売 (完成品) するすべてのものとして解釈します。 CIM アプリケーションでは、「品目」を「固定製品」として概念的に解釈します。
品目の定義はそのライフ・サイクルの中で、新しい製品として、または新規か改良された品目のコンポーネントとして作成される段階から、成熟し、最終的に老朽化する段階まで展開されます。 したがって、ある会社内の複数の組織が品目マスター・レコードの保守をサポートします。
図 1 は、複数の組織によって品目情報がライフ・サイクルを通して定義され、複数の運用で使用される仕組みを示しています。 IBM は、これらの運用を複数のビジネス・オブジェクトに分離します。
ItemOrder ビジネス・オブジェクトには、ライフ・サイクルの注文管理部分に関するデータ属性が含まれます。 品目は、注文管理組織用フィールドの値を受信したあとにのみ、注文管理オブジェクト (1 つのレコード) で参照可能になります。 各組織エンティティーでは、ビジネス・アプリケーションで保守されるそれぞれの論理データ・セットを保有します。 例えば、ある組織が「Sales01」と「Sales02」というビジネス単位を使用して、注文管理情報の論理グループを表すものとします。 その場合、Sales01 および Sales02 の注文は別個の品目によってサポートされ、それぞれに 1 つのビジネス単位用の注文管理フィールドが存在します。
ItemOrder の属性は、特定の注文管理組織エンティティー用に保守されるフィールド・セットを取り込みます。
注: 汎用 ItemBasic、ItemOrder、および ItemPlanning を処理するコラボレーション・テンプレートにアダプターをバインドするため、これらのビジネス・オブジェクトは汎用 Item と同様、リポジトリーにすべてインストールする必要があります。アダプターはこれらのオブジェクトをサポートするよう構成する必要があります。汎用 Item を直接使用しないインストールであっても、このオブジェクトはリポジトリー内に置き、すべての関連アダプターでサポートする必要があります。
ItemOrder は 5 つの子ビジネス・オブジェクトを含む階層型ビジネス・オブジェクトです。 図 1 は汎用 ItemOrder ビジネス・オブジェクトの階層を示しています。
図 1. 汎用 ItemOrder ビジネス・オブジェクトの階層
ItemOrder には、品目に関して次のような主要な情報が含まれます。
注: IBM コラボレーション・テンプレートは起動された品目およびその前提品目の同期中に ItemBasic、ItemOrder、および ItemPlanning ビジネス・オブジェクトを処理できるため、これらのビジネス・オブジェクトでキー属性の一貫性を保つことが重要です。ItemId、SalesArea、および Plant は、ItemBasic、ItemOrder、および ItemPlanning のデフォルト・キー属性です。 これらのいずれかを変更してキー解除する場合、または追加の属性をキーに指定する場合は、3 つすべてのビジネス・オブジェクトで同じ変更を加える必要があります。
ItemOrder には、品目に関する販売グループ情報が含まれます。 グループ情報は、報告書の作成または機能目的で使用できます。つまり、販売組織内の品目について報告書を作成したり、あるいは類似グループ内の品目を処理する機能を提供するためです。 グループ属性には、Product Hierarchy、Commission Group 、Sales Statistics Group、Rebate Group、および Product Group に関するデータが含まれます。
また、ItemOrder ではユーザー指定のグループ情報に 5 属性、および属性が構成されているかどうかを指定するために 10 属性を提供します。 ItemOrder には、基本 UOM (品目の主要な計測単位で、その他の計測単位に型変換可能)、販売 UOM、および配送用に品目の UOM が含まれます。 また、OtherUOM 子ビジネス・オブジェクトも含まれます。
ItemOrder には、最初の注文の受領日、最初の出荷時期、サービス開始日、および品目の最終サポート日が含まれます。
ItemOrder には、品目の型とカタログ番号、注文方法、および支払い条件が含まれます。 品目の Product Category (ビジネス・アプリケーション内の品目に機能上影響を与える可能性があります。例えば、SAP Item Category)、Sales Status (Item が注文サイクルの中で処理できるかどうかを示します)、および手数料率が含まれます。ItemOrder には、品目の Accounting Rule、Invoice Rule 、Service Level、Availability Check Code、Availability-to-Promise Rule、Picking Rule、Order Lead Time、および Safety Lead Time のデータが含まれます。
ItemOrder には、最低および最高許容マージンと、パーセント単位の最低および最高許容マージンなどのマージン情報が含まれます。 ItemOrder には、最小の注文生産数量、最小および最大の注文数量、最小配送数量、および注文数量を増加できる増分などの数量情報が含まれます。
ItemOrder には、品目について検査が必要か、結合生産物かどうか、保証の有無、返品の可否、注文の可否、および適用する手数料の有無を示すフラグが含まれます。 また、品目についてリサイクル、廃棄、修理、サービス、再利用、交換、設置、直送、構成、および注文生産が可能かどうかを示すフラグも含まれます。
ItemOrder には、以下の子ビジネス・オブジェクトが含まれます。
子ビジネス・オブジェクト | 説明 | カーディナリティー |
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OtherUOM |
OtherUOM は基本計測単位 (UOM) と代替 UOM を含みます。 代替 UOM は型変換因子指数を使用して基本 UOM に型変換されます。これは、型変換因子分子および分母として保管された値に基づきます。 型変換は、分子を分母で除算した結果を、代替 UOM の数量で除算した基本 UOM の数量で乗算することにより実行します。 例えば、4 で除算した 1 ボックスは、25 ボックスで除算した 100 でそれぞれ乗算されます。 OtherUOM は、品目のサイズ、重さ、ボリューム、および寸法などの物理情報を含みます。 このビジネス・オブジェクトは、長さ、幅、高さ、重さ、ボリューム、および寸法について代替 UOM の計測単位を含みます。 OtherUOM は代替 UOM 用に品目の EAN または UPC コードと単位のタイプを含みます。 注: ItemBasic と ItemOrder は両方とも OtherUOM を含むため、IBM はこの子ビジネス・オブジェクトを自身のリポジトリー・テキスト・ファイルに保管します。ItemBasic および ItemOrder で正しく処理するためには、次のリポジトリー・ファイルが存在する必要があります。
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n |
SalesText | SalesText は、品目の名前と組織の属性値を連結して作成できる品目の固有 ID、説明の記載される言語、テキストのクラスとコード、注釈タイプがテキスト・クラスと同一かどうかを示すフラグ、および簡略、中間、詳細な説明テキストを含みます。 | n |
TaxData | TaxData は、品目の名前と組織の属性値を連結して作成できる品目の固有 ID、税の適用に使用する課税製品 ID、およびその他の税クラスとカテゴリー・データを含みます。 | n |
Price |
Price は、品目の名前と組織の属性値を連結して作成できる品目の固有 ID、その販売区域 (販売組織に関連)、会計レベル (会計または評価の組織単位に関連)、施設 (製造工場、配送センター、サービス・センターなどの運用組織単位に関連)、ウェアハウス (ビンやラックの格納、削減、キャパシティーなどのウェアハウス管理機能に関連)、在庫場所 (組織単位内の特定の保管場所に関連。例えば、Plant '0001' の Storage Location '0001' であれば 0001$0001) を含みます。 Price は、品目の価格タイプ、価格リスト ID、価格の値、最低金額、および価格通貨を含みます。 価格 UOM と、価格 UOM がデフォルト UOM かどうかを示すフラグを含みます。 価格の最低額と最高額、その増分などの情報を含みます。 |
n |
Cost |
Cost は、品目の名前と組織の属性値を連結して作成できる品目の固有 ID、その販売区域 (販売組織に関連)、会計レベル (会計または評価の組織単位に関連)、施設 (製造工場、配送センター、サービス・センターなどの運用組織単位に関連)、ウェアハウス (ビンやラックの格納、削減、キャパシティーなどのウェアハウス管理機能に関連)、在庫場所 (組織単位内の特定の保管場所に関連。例えば、Plant '0001' の Storage Location '0001' であれば 0001$0001) を含みます。 Cost は、品目の売り上げ勘定、コスト要素、単位原価、コスト通貨、およびコスト UOM などの情報も含みます。 |
n |
汎用 ItemOrder ビジネス・オブジェクトは、次の動詞をサポートします。
汎用 ItemOrder ビジネス・オブジェクトの属性を調べるには、System Manager または Process Designer Express を使用してください。