既存のシステムの準備

システムをアップグレードするには、その前に次の手順を実行する必要があります。

システムを静止状態にする方法

システムをアップグレードするには、その前にシステムが静止状態であることを確認する必要があります。つまり、環境をバックアップしてアップグレード手順を実行する前に、進行中のイベントをすべて完了し、未確定のトランザクションをすべて解決します。

以下の手順では、システムを静止状態にする方法について説明します。

  1. 失敗したイベントを再実行依頼するか、そのイベントを破棄します (このステップはオプションです)。
  2. すべてのコネクターについてイベント表のポーリングを停止するため、コネクターの PollFrequency プロパティーを No に設定して コネクターを再始動します。
  3. 進行中のイベントを含め、システムですべてのイベントを実行します。必ず未確定トランザクションをすべて解決してください。
  4. キューから以前のイベントをすべて除去することにより、キューをクリアします。
    注:
    手順 4 は、失敗したイベントを処理せずにアプリケーションから 再実行依頼する場合のみ行ってください。それ以外の場合、キューは空になっているはずですが、念のため再確認してください。

実行中のシステムを正常に停止する方法については、「システム管理ガイド」を参照してください。

システムのバックアップ

システムのバックアップを作成すると、新規バージョンのインストール時に不注意でファイルを上書きしても、そのファイルを回復できます。アップグレード手順を実行する前に、静的データと動的データ (アップグレードにかかわらず定期的にバックアップされる変更可能データ) の両方のバックアップを作成します。静的データおよび動的データの例については、表 3 を参照してください。

システムのバックアップを作成するには、以下の手順を行います。

表 3 に、各コンポーネントのバックアップ方法の概要を示します。

表 3. データのバックアップ方法
データのタイプ バックアップ方法
静的データ
リポジトリー repos_copy ユーティリティーを使用し、カスタマイズしたシステム・コンポーネントの一部またはすべてを保管します。詳しくは、「システム管理ガイド」のコンポーネントのバックアップ方法の説明を参照してください。
カスタムのマップ Java クラス・ファイル (.class) これらのファイルをシステム・バックアップに組み込むため、システム・バックアップに下記のディレクトリーがあることを確認してください。
ProductDir¥DLMs
カスタムのコネクター システム・バックアップにディレクトリー ProductDir¥connectors¥connector_name を含めます。ここで、「connector_name」はカスタム・コネクターの名前です。
カスタマイズされた始動スクリプト 始動スクリプトをカスタマイズしてある場合は、これらがシステム・バックアップに組み込まれていることを確認してください。
ICS Express 構成ファイル (InterchangeSystem.cfg) ProductDir ディレクトリーにある ICS Express 構成ファイルをシステム・バックアップに組み込みます。
動的データ
相互参照表、失敗したイベントの表、および関係表 データベースにはデータベース・バックアップ・ユーティリティーを使用します。詳しくは、「システム管理ガイド」のシステム・コンポーネントのバックアップ方法の説明を参照してください。
コネクター・イベント・アーカイブ表 これらの表を含むデータベースには、データベース・バックアップ・ユーティリティーを使用します。
ログ・ファイル 下記のディレクトリーをシステム・バックアップに組み込みます。
ProductDir¥log

システムのシャットダウン

バックアップが完了したら、次の手順でシステムをシャットダウンできます。

  1. InterChange Server Express とその関連コンポーネントをシャットダウンします。
  2. データベース・サーバーをシャットダウンします。
  3. WebSphere MQ をシャットダウンします。

システムのシャットダウンの詳細については、「システム管理ガイド」を参照してください。

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