コネクターに対する SAP アプリケーションの使用可能化

コネクターのインストールと、標準およびコネクター固有の構成プロパティーの構成が終わったら、オプションとして、SAP アプリケーション内からコネクターのイベント処理およびロギング機能を変更することができます。

イベント分配のセットアップ

ロード・バランシングを使用すると、イベントおよびビジネス・オブジェクト要求の処理を、複数のコネクターに分配できます。コネクターが同時に処理できるトランザクションは 1 つのみです。ただし、特定のビジネス・オブジェクトを処理するように複数のコネクターを設定しておけば、複数のイベントと複数のビジネス・オブジェクトを同時に処理できます。複数コネクターのセットアップの詳細については、複数のコネクター・インスタンスの作成を参照してください。

複数のコネクターに対するイベント分配をセットアップするには、以下の手順を行います。

  1. IBM WebSphere BI Station に移動します (トランザクション /n/CWLD/HOME)。
  2. 「Configuration」タブをクリックし、次に「Event Distribution」ボタンをクリックします。
  3. 「New Entries」ボタンをクリックし (F5)、「New Entries」ウィンドウで、ビジネス・オブジェクト名、コネクター名、および統合ブローカー名を入力します。
  4. 各ビジネス・オブジェクトについて、カウンター・フィールドに数値を入力します。ビジネス・オブジェクトとカウンターの組み合わせは、イベント分配表に対する固有キーを提供します。カウンターには、6 桁までの任意の数値を入力できます。

注:
テスト環境では、複数のユーザーが、複数のコネクターによってサブスクライブされた同じビジネス・オブジェクトをテストする場合があります。そのビジネス・オブジェクトに対して各ユーザーが特定のイベントを必要とする場合には、コネクターと統合ブローカーのどの組み合わせに対してどのイベントを渡すか区別するためにユーザー名を指定することができます。「User (Event Trigger)」フィールドで、そのビジネス・オブジェクトに対して適切なユーザー名を入力してください。

イベント・フィルター操作のセットアップ

SAP アプリケーション内の構成表にすべての変更を収容することはできません。したがって、アダプターは、イベントにフィルターをかけるために変更できる ABAP 組み込みプログラムを提供しています。このプログラム /CWLD/TRIGGERING_RESTRICTIONS は、イベントに追加のフィルターを掛けることができるように、イベント・トリガー /CWLD/ADD_TO_QUEUE 内から呼び出されます。

注:
変更を行う場合は、コードの再コンパイルが必要になるため、開発者特権が必要になります。

組み込みプログラム /CWLD/TRIGGERING_RESTRICTIONS を表示または変更するには、以下の手順を行います。

  1. IBM WebSphere BI Station に移動します (トランザクション /n/CWLD/HOME)。
  2. 「Configuration」タブをクリックし、次に「Event Restriction」ボタンをクリックします。

イベント優先順位のセットアップ

イベントの重要性に基づいて、処理されるイベントの優先順位を設定できます。各ビジネス・オブジェクト、統合ブローカー、およびコネクターの組み合わせの優先順位を設定することで、コネクターによるイベントの検索を遅らせることができます。例えば、あるイベントの優先順位を 10 に設定すると、コネクターはそのイベントを検索するまでに、イベント表を 10 回ポーリングします。そのため、コネクターがイベント表を 5 秒おきにポーリングする場合、コネクターはイベントを 50 秒後に選出します。コネクターがポーリングするたびに、優先順位の値は、そのイベントが検索され、処理されるまで、1 ずつ削減されます。

イベントの優先順位を設定するには、以下の手順を行います。

  1. IBM WebSphere BI Station に移動します (トランザクション /n/CWLD/HOME)。
  2. 「Configuration」タブをクリックし、次に「Event Distribution」ボタンをクリックします。
  3. 該当するビジネス・オブジェクトに対して、「Priority」列に 1 から 99 の値を入力します。

ログ表スペース・サイズの拡張

コネクターのログ表は、デフォルトでは PSAPUSER1D という名前の表スペースにあり、索引は表スペース PSAPUSER1I にあります。PSAPUSER1D および PSAPUSER1I という SAP アプリケーション表スペースは、カスタマーが使用するために予約されており、一般には小容量です。このデフォルトのサイズのため、アクティビティーのレベルやアダプターのためにインストールされた SAP システムのロギング・レベルにもよりますが、これらの表スペースはすぐに満杯になってしまうことがあります。

これらの表スペースの現在のサイズを表示するには、トランザクション DB02 に移動し、「Current Sizes」ボタンをクリックします。これらの表スペースに必要なサイズは、WebSphere Business Integration システムでキャプチャーされるイベントのボリュームによって決まります。

デフォルトのサイズでは小さすぎる場合は、SAP データベース管理者に問い合わせてサイズを変更してください。

トランスポート・オブジェクトの数値範囲の検証

WebSphere Business Integration システム用として 4 つのオブジェクトがありますが、これらは、SAP アプリケーションの中に十分な数値範囲を持っていることが必要です。トランスポートをインストールすると、以下のオブジェクトとそれらのデフォルトの数値範囲が設定されます。

関連付けられている数値範囲が正しく設定されているかどうかを検証します。数値範囲を表示するには、以下の手順を行います。

  1. トランザクション SNRO に移動します。
  2. 「Object」フィールドにオブジェクト名を取り込みます (例えば、/CWLD/EVT)。
  3. 「Number Ranges」をクリックし、次に「Intervals」をクリックします。
重要: 既にイベントが生成されているインストール済み環境で、トランスポート・ファイルを再インストールすると、既存のイベント ID を使用して新しいイベントが作成される場合があります。この問題を回避するには、IBM WebSphere BI Station の「Configuration」タブに移動してロギングをオフにし、ログを完全に切り捨ててから、コネクター・トランスポート・ファイルを再インポートします。コネクター・トランスポート・ファイルが正常にロードされたら、ロギングを元どおりオンにします。 イベント・ログの切り捨ての詳細については、イベント・ログの切り捨てのセットアップを参照してください。

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