Connector for SAP は Java で記述され、Vision コネクター・フレームワークとコネクター・モジュール (コネクターのアプリケーション固有コンポーネント、コネクター・フレームワーク、およびビジネス・オブジェクト・ハンドラー) の 2 つの部分から構成されています。 Vision コネクター・フレームワークは、すべての WebSphere Business Integration システム・アダプターにより使用されるコネクター・フレームワークに対して、メタデータ主導型の抽象化レイヤーを提供します。
Vision コネクター・フレームワークは、アダプター・フレームワークのメソッドを拡張します。コネクター・モジュールは、Vision コネクター・フレームワークのメソッドを拡張し、SAP アプリケーションと通信します。
図 2 に、コネクターのアーキテ クチャーを示すとともに、アダプター・フレームワークと Vision コネクター・フレームワーク の関係を示します。visionConnectorAgent クラスには、任意の数のコネクター・モジュールを実装できます。
Vision コネクター・フレームワークは、初期化、ポーリング、および終了要求を、コネクター・モジュールに対して動的にルーティングします。また、ビジネス・オブジェクトをビジネス・オブジェクト・ハンドラーに対して動的にルーティングします。ビジネス・オブジェクト・ハンドラーは、ビジネス・オブジェクトをサポートするために特別に設計されたコネクター・モジュールです。コネクターでは、要求やビジネス・オブジェクトを動的にルーティングするために、ビジネス・オブジェクトの動詞のアプリケーション固有情報と、特定のアプリケーション固有コネクター構成プロパティーの値を使用します。
Vision コネクター・フレームワークは、visionConnectorAgent および visionBOHandler の 2 つのクラスから構成されます。
図 3 に、Vision コネクター・フレームワーク およびコネクター・モジュールとの関連を示します。
Vision コネクター・フレームワークは、コネクターに次の機能を提供します。
コネクター・モジュールは、Vision コネクター・フレームワークのメソッドを拡張する Java クラスです。 これらは、SAP アプリケーションへのログイン、イベントおよびビジネス・オブジェクトの処理、および SAP アプリケーションへの接続の終了などの特定の機能を提供することによって、Vision コネクター・フレームワークをサポートします。コネクター・モジュールは、Vision コネクター・フレームワークと SAP アプリケーションとの間の要求を実行します。デフォルトでは、Vision コネクター・フレームワークは コネクター・モジュールのルート・ディレクトリーとして connectors¥SAP ディレクトリーを使用します。
コネクター・モジュールでは、一部のフレームワーク・メソッドが使用されない場合があります。例えば、あるモジュールが init() メソッドと terminate() メソッドを使用し、別のモジュールが pollForEvents() メソッドのみを使用するという状況も考えられます。ただし、visionConnectorAgent クラスと visionBOHandler クラスのすべてのメソッドは、どのコネクター・モジュールに対しても実装されている必要があります。コネクターが使用しないメソッドは、ダミー・メソッド、つまり存在するという以外には何もしないメソッドとして実装されている必要があります。