汎用 ReturnsBillingStatus ビジネス・オブジェクト

汎用 ReturnsBillingStatus ビジネス・オブジェクトは、Order Status コラボレーション・テンプレートと連動する汎用ビジネス・オブジェクトの 1 つで、ほかの Status オブジェクトには依存しません。 このオブジェクトは、返品販売注文と関連する返品請求書類 (貸方伝票など) の状態を、この状態が変化するたびに取り込むために使用します。

例えば、返品配送により、対応する ReturnsBillingStatus ビジネス・オブジェクトの作成が「Not Billed」の状況で起動されます。 返品注文細目の送り状をリリースすると、新しい ReturnsBillingStatus ビジネス・オブジェクトの作成が起動され、この場合の状況は「Partially Billed」となります。

ビジネス・オブジェクトの構造

ReturnsBillingStatus ビジネス・オブジェクトは階層構造です。 属性の 1 つは ReturnsBillingStatusLine 子ビジネス・オブジェクトを参照します。ここには関連する返品注文の細目に関する返品請求状況の情報が含まれます。

各 ReturnsBillingStatus ビジネス・オブジェクトは、関連する返品注文の構造に一致します。 返品注文に 2 つの細目がある場合、ReturnsBillingStatus は 1 つのヘッダーと 2 つの ReturnsBillingStatusLine ビジネス・オブジェクトを保有します。 起動されたイベントが 1 細目だけの請求状況変更を反映する場合でも、ReturnsBillingStatus は返品注文の細目ごとに別個の子ビジネス・オブジェクトを参照します。

例えば、ある返品注文に 2 つの細目があり、そのうちの片方だけが返品されたものとします。 返品された細目の貸方伝票を送付することにより、2 つの ReturnsBillingStatusLine ビジネス・オブジェクトを持つ ReturnsBillingStatus ビジネス・オブジェクトの作成が起動されます。 子ビジネス・オブジェクトのうち片方だけに、イベントを起動した状況の変更が含まれています。 もう一方の子ビジネス・オブジェクトには、現在のトリガー・イベントに固有の情報は含まれません。

ReturnsBillingStatus: 状況概要の変更に関する報告

ReturnsBillingStatus には、返品注文 ID、関連する顧客 ID、購入注文 ID、返品理由、注文を最後に変更した人物とその変更日などのヘッダー情報が含まれます。 さらに、返品注文のすべての細目について請求状況を要約する BillingStatusHeader 属性も含まれます。 この属性の値としては、「Not Billed」、「Partially Billed」、「Bill Created 」、および「Fully Billed」があります。

ReturnsBillingStatusLine: 細目の状況変更に関する報告

ReturnsBillingStatusLine には、返品注文細目 ID、関連する返品請求状況 ID、および細目を最後に変更した人物とその変更日などの細目情報が含まれます。 表 1 の説明にあるように、返品注文の返品細目状況を含めるために、ReturnsBilllingStatusLine 属性が使用されます。

表 1: ReturnsBillingStatusLine ビジネス・オブジェクトの状況属性

属性 報告される値
BillingStatusLine 返品注文細目に関する請求書類の状況。
AccountingStatusLine 返品注文細目の送り状が会計部門にリリースされたかどうかの識別。値は、例えば「Not Released」、「Partially Released」、および「Fully Released」になります。
ProcessingStatusLine 返品注文細目の物理的な状況。値は、例えば「Entered」、「Booked」、および「Scheduled」になります。
ApprovalStatusLine 返品注文細目の承認に関する状況。値は、例えば「Not Approved」、「Level 1 Approved」、「Level 2 Approved」、および「Complete」になります。
RejectionStatusLine 配送業務が何らかの理由で拒否された場合の注文細目の拒否状況。値は、例えば「Not Rejected」、「Rejected Customer」、および「Rejected Part」になります。
ReturnDeliverySchLineStatus 返品配送がスケジューリングされているかどうかの識別。値は、例えば「Not Scheduled」、「Partially Scheduled」、および「Fully Scheduled」になります。

汎用 ReturnsBillingStatus ビジネス・オブジェクトによって、以下の操作中に返品注文とその返品請求書類の間の状況変更が報告されます。

1 つの販売注文に請求書類が複数ある場合など、複雑な販売注文請求状況の処理についての詳細は、汎用 OrderDeliveryStatus ビジネス・オブジェクトに関する説明を参照してください。

サポートされる動詞

ReturnsBillingStatus は次の動詞をサポートします。

オブジェクトの調査

汎用 ReturnsBillingStatus ビジネス・オブジェクトの属性を調べるには、System Manager または Process Designer Express を使用してください。

関連リファレンス

Copyright IBM Corp. 1997, 2004

Copyright IBM Corp. 2004