コネクターの動作方法

コネクターのアプリケーション固有コンポーネントは、イベントについてイベント表のイベント・ビューをポーリングします。該当するイベント (subscribed-to イベントと呼ばれる場合もある) を検出すると、Lotus Domino Server からそのイベントに関する情報を検索し、アプリケーション固有のビジネス・オブジェクトを作成します。コネクターは、Lotus Domino Server への API 呼び出しによって取得したデータをビジネス・オブジェクトに取り込みます。次に、コネクター・フレームワークを通じてこのビジネス・オブジェクトを InterChange Server Express に送信します。

着信ビジネス・オブジェクト (InterChange Server Express からアダプターに送信されたビジネス・オブジェクト) について、コネクターは、InterChange Server Express からビジネス・オブジェクトを受信し、アクティブな動詞に従ってビジネス・オブジェクトを処理してから、Lotus Domino にオペレーション要求を送信します。

以降のセクションでは、Lotus Domino Server で発生したイベントが InterChange Server Express に渡される仕組みと、別のアプリケーションからの要求が Lotus Domino Server に転送される方法について説明します。

イベント処理

Lotus Domino Server で発生したイベントは、次のように InterChange Server Express へ渡されます。

  1. イベント・リスナーは始動時に、イベント表の構成ビューを読み取り、データベース名を取得し、モニターするイベントを判別します。
  2. イベント・リスナーは、データベースからイベントを検出し、イベント表の構成ビューの情報に従ってこれらのイベントをフィルターに掛けます。イベントのタイプがイベント表の構成ビューに指定されているタイプである場合、このイベントに関する情報が維持されます。
  3. イベント・リスナーは、このイベントに関する情報 (キー・データ) をイベント表のイベント・ビューに格納します。
  4. コネクター (アプリケーション固有のコンポーネント) が、イベント表のイベント・ビューをポーリングし、イベントのキー・データを取得します。
  5. コネクターのアプリケーション固有コンポーネントが、イベント・キー・データを使用して Lotus Domino Server から該当するイベント関連データをすべて検索します。
  6. コネクターのアプリケーション固有のコンポーネントがビジネス・オブジェクトを作成して、コネクター・フレームワークに送信します。コネクター・フレームワークは、そのビジネス・オブジェクトを InterChange Server Express に送信します。
  7. 他のアプリケーションが InterChange Server Express の Lotus Domino イベント情報を要求する場合には、InterChange Server Express がこのイベント情報をそのアプリケーションへ渡します。(この処理の詳細は異なります。詳細については、「WebSphere Business Integration Server Express インストール・ガイド」を参照してください。)

図 1 に、Lotus Domino アダプターによるイベントの処理方法を示します。
上述の Adapter for Lotus Domino によるイベント処理を示すブロック・ダイアグラム

図 1. Lotus Domino アダプターのイベント処理

要求の処理

InterChange Server Express から発生するイベントの場合、次のように処理されます。

  1. InterChange Server Express はビジネス・オブジェクトをコネクターに送信します。
  2. コネクターが Lotus Domino Server とのセッションを確立します。
  3. InterChange Server Express により Lotus Domino Server に渡された要求に対応するアクションが、このサーバーで実行されます。(例えば、Notes 文書のフィールド更新が要求された場合には、Lotus Domino データベースで値が更新されます。)
  4. アダプターが、要求されたアクションの状況 (正常に完了したか、または問題が発生したかどうか) を InterChange Server Express に送信します。次に InterChange Server Express は、要求を発行したアプリケーションにこの情報を戻します。

図 2 に、Lotus Domino アダプターによる要求の処理方法を示します。InterChange Server Express は統合ブローカーです。


上述の Adapter for Lotus Domino による要求処理を示すブロック・ダイアグラム

図 2. Lotus Domino アダプターの要求処理

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