コネクターの構成プロパティーには、標準構成プロパティーとアダプター固有の構成プロパティーという 2 つのタイプがあります。Connector Configurator Express (WebSphere Business Integration Server Express に付属のツール) を使用してアダプターを実行を実行する前に、これらのプロパティーの値を設定する必要があります。コネクター構成プロパティーの値の指定が完了すると、それらの値は Connector Configurator Express によりリポジトリーに保管されます。これにより、アダプターの始動時にこれらのプロパティー値が使用可能になります。
Connector Configurator Express を使用してコネクター・プロパティーを構成します。
標準構成プロパティーにより、すべてのアダプターによって使用される情報が提供されます。これらのプロパティーの資料については 付録 A, コネクターの標準構成プロパティーを参照してください。
コネクターは、始動時に構成値を取得します。実行時セッション中に、1 つまたは複数のコネクター・プロパティーの値を変更することがあります。
動的プロパティーであるか静的プロパティーであるかを判別するには、Connector Configurator Express の更新メソッド列を参照してください。
ロギング・パラメーターとトレース・パラメーターは標準構成プロパティーである点に注意してください。ロギングとトレースのセットアップ方法の詳細については、付録 A, コネクターの標準構成プロパティーを参照してください。
アプリケーション固有のコネクター構成プロパティーは、コネクターが実行時に必要とする情報を提供します。これらのプロパティーを使用すれば、再コーディングや再ビルドせずに、コネクター内の静的情報やロジックを変更できます。
これらのプロパティーを表示および構成するには、Connector Configurator Express の「アプリケーション構成プロパティー (Application Config Properties)」タブを選択し、構成プロパティーを追加または変更します。詳しくは、付録 B, "Connector Configurator Express"を参照してください。
表 5 に、コネクターのアプリケーション固有構成プロパティーと、各プロパティーの説明および指定可能な値を示します。
表 5. Lotus Domino のアプリケーション固有の構成プロパティー
プロパティー | 説明 | 型 | デフォルト値 |
---|---|---|---|
DominoServerName |
Lotus Domino Server のマシン名 | String | なし |
ApplicationUserName |
Lotus Domino ユーザー名 | String | なし |
ApplicationPassword |
Lotus Domino ユーザー・パスワード | String | なし |
EventDBName
|
Lotus Domino イベント・データベース名 | String | BIALD_EventTable.nsf |
DocumentBOName
|
Lotus Domino のビジネス・オブジェクト名 | String | DominoDocument |
ForceSave
| アダプターが Create 要求または Update 要求を処理するときに ForceSave が true であると、アダプターによる要求の処理時に文書が他のユーザーまたはコンポーネントにより編集、保管されている場合でも、この文書は強制的に保管され、前のバージョンの文書は破棄されます。ForceSave が false であり、アダプターによる要求の処理時に他のユーザーまたはコンポーネントがこの文書を編集している場合の処理結果は、MakeResponse プロパティーによって決まります。 | Boolean | false |
MakeResponse
| アダプターが Create 要求または Update 要求を処理するときに、ForceSave が false であり MakeResponse が true の場合には、現行の文書が元の文書への返答になります。MakeResponse が false の場合には、保管操作が取り消されます。ForceSave が true の場合には、MakeResponse プロパティーの設定値は無効です。 | Boolean | true |
ForceDelete
| アダプターが Delete 要求を処理するときに ForceDelete が true であると、アダプターにより開かれた文書を別のユーザーが変更している場合でも、この文書が削除されます。ForceDelete が false であり、アダプターにより開かれた文書を別のユーザーが変更している場合には、この文書は削除されません。 | Boolean | false |
InDoubtEvents
| InProgress イベントのリカバリー・オプションです。指定できる値は Reprocess、FailOnStartup、 LogError、または Ignore です。これらのオプションの詳細については、表 6 を参照してください。 | String | Reprocess |
DateFormats | 着信ビジネス・オブジェクトの Created および LastModified 日付のフォーマット。InterChange Server Express からビジネス・オブジェクトを受信すると、Lotus Domino アダプターはそのビジネス・オブジェクトの Created および LastModified 日付を Lotus Domino Server が 解釈できる Java 形式に変換する必要があります。セミコロン (;) で区切ることで、複数のフォーマットを指定できます。アダプターは着信日付をリスト順に、指定されたフォーマットと比較します。フォーマットが指定されていない場合は、アダプターのホスト・システムの日付フォーマットが使用されます。日付フォーマットは、Java 2 Platform, Standard Edition (J2SE) v1.3.1 の java.text.SimpleDateFormat API で必要な日付フォーマットに準拠している必要があります。 | String |
MM/dd/yy hh:mm aaa; MM/dd/yy |
DominoServerName、ApplicationUserName、および ApplicationPassword を構成する必要があります。InterChange Server Express から受信されるオブジェクトでサーバー名、ユーザー名、およびパスワードが定義されている場合には、Lotus Domino Server とアダプターのセッションを確立するときにこれらの情報が使用されます。ビジネス・オブジェクトにこれらの情報が含まれていない場合には、アダプターでは構成ファイルでこれらの項目に定義されている値が使用されます。
InDoubtEvents に指定できる値については、表 6
を参照してください。未確定イベントとは、イベントの送信が成功または失敗したかどうかを示すイベント状況を更新する前にアダプターが終了した場合に、アダプターの終了時に処理中であったイベントです。アダプターを再始動すると、アダプターは処理中だったイベントをイベント表で確認し、InDoubtEvents
プロパティーに設定されているオプションに基づいて処理を行います。
表 6. InDoubtEvents プロパティーに指定できる値