統合コンポーネントはローカル・ファイル・システムのライブラリーに作成し、InterChange Server Express インスタンスに展開して実行可能にします。
統合コンポーネントのパッケージを展開するには、System Manager グラフィカル・インターフェースまたは repos_copy コマンド行インターフェースを使用します。System Manager の使用については、配置ウィザードを使用するコンポーネントの展開を参照してください。repos_copy の使用については、repos_copy の使用を参照してください。各インターフェースの利点および欠点については、System Manager を使用した展開または repos_copy を使用した展開の決定を参照してください。
表 6 に、展開に System Manager を使用する場合と repos_copy を使用する場合の利点および欠点を示します。2 つのインターフェースを評価し、ニーズに適したインターフェースを使用してください。
表 6. 展開における System Manager および repos_copy の利点および欠点
インターフェース | 利点 | 欠点 |
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System Manager |
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repos_copy |
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ユーザー・プロジェクトを System Manager から異なるサーバーに配置するときは、一部の統合コンポーネントに対する構成プロパティーを新しいサーバー環境に合わせて変更することが必要になる場合があります。例えば、ソリューション内のアダプターが、開発サーバーとテスト・サーバーすべてに有効なデータベース URL、ユーザー名、およびパスワードを指定するプロパティーを持っているとします。ただし、そのソリューションが配置される実稼働環境が、それらのプロパティーに対して別な値を要求しています。アダプター (手動でコネクター・コンフィギュレーターを使用して、コネクターの構成プロパティーを変更して)、および新しい環境で変更が必要な他の統合コンポーネントを手動で再構成する代わりに、System Manager の配置構成機能を使用することができます。
System Manager の配置構成機能により、特定の統合コンポーネント・プロパティーに対する値のセットを定義し、ユーザーが指定する特定のサーバー (1 つ以上) に適用可能にすることができます。値は、統合コンポーネント・ライブラリーに関連する配置ファイル (拡張子 .dfg) に格納されます。配置コンフィギュレーターでリスト表示されているサーバーの 1 つに、既存のユーザー・プロジェクトを配置する場合、System Manager は、配置ファイルのプロパティー値を使用して、ユーザー・プロジェクトの関連コンポーネント用の既存の構成ファイルを変更します。
この機能は、コネクター、マップ、コラボレーション、および関係のプロパティーを変更する場合に使用できます。
配置構成機能を使用して、プロパティーを作成、配置するには、以下の手順を実行します。
配置構成ダイアログを開くには、以下を実行します。
配置ファイルにサーバーを追加するには、「サーバーの選択」セクションで、作成している配置時プロパティーを使用するサーバーの名前を指定する必要があります。
サーバーの選択または名前の指定が終了したら、そのサーバーに使用するために振り当てる統合コンポーネント、プロパティー、および値を追加する必要があります。
1 つのサーバーに要素を以前追加した後に、「配置構成」ダイアログで新規のサーバーを追加する場合は、新規のサーバーには、以前作成した要素が自動的に読み込まれます。その後、それらの要素を削除または変更することができます。
これまで、どのようなサーバーにも「配置構成」ダイアログで構成要素を追加していない場合は、同ダイアログで、最初から要素を追加する必要があります。追加は、(このセクションで後述するように) 既存の配置ファイルをインポートするか、「配置構成」ダイアログで手動で要素を追加して行うことができます。要素を手動で追加するには、カーソルを「プロパティー名」列に置いて、右マウス・ボタンをクリックします。「コンポーネントの選択」ダイアログが現れ、「配置構成」ダイアログを開くために右マウス・ボタンでクリックした ICL で使用可能なすべての統合コンポーネントが表示されます。必要に応じて、カテゴリーを拡張します。次に、プロパティーを構成する対象の個別のコンポーネントごとに、そのチェック・ボックスをクリックし、「OK」を選択します。個別のコンポーネントごとに、この操作を順番に行います。「OK」を選択するたびに、「コンポーネントの選択」ダイアログが閉じ、「配置構成」ダイアログが表示され、追加した新規のコンポーネントが示されます。
追加した各コンポーネントに対して、その値を設定するプロパティーも追加する必要があります。これを行うには、以下のステップを実行します。
ここで、上記のプロパティーに対して使用する値を指定する必要があります。これを行うには、以下のステップを実行します。
終わったら「OK」をクリックします。「Deployment Configurator」ダイアログが閉じます。再度、「Deployment Configurator」ダイアログを開くと、作成した中で最後の構成がデフォルトで表示されます。複数の構成を作成した場合 (すなわち、「配置構成」ダイアログで複数のサーバーの名前を指定した場合) は、「宛先サーバーを選択してください。」ドロップダウン・ボックスを使用して、他のどの構成でも表示することができます。
配置構成の作成を終了すると、統合コンポーネント・プロパティーとその値を別のサーバーに配置することができます。配置後、配置構成時にユーザーが指定したプロパティー値が、サーバーに取り込んだコンポーネントに適用されます。以下のいずれかの方法で、サーバーに配置することができます。
配置構成プロパティーの作成時に「Deployment Configurator」で名前を指定したサーバーが、InterChange Server Express の登録されたインスタンスである場合は、System Manager を使用して、System Manager を使用するコンポーネントの展開の説明に従って、そのサーバーに接続し、ユーザー・プロジェクトを配置することができます。
プロジェクトを配置すると、System Manager は、System Manager の設定がそのように設定されているものとして、配置構成プロパティー値を使用して、統合コンポーネントの構成内の既存プロパティー値を上書きします。元の統合コンポーネント定義が影響を受けないことに注意してください。変更は、サーバーに配置する前に値がメモリー内で変更されるときの配置時に行われます。
配置前に、System Manager の設定をチェックしてください。設定をチェックするには、System Manager 内部から Windows メニューに進み、「設定」>「System Manager の設定」>「配置設定」を開きます。「配置設定」表示で、配置構成プロパティーを使用するかどうかに従って、「配置中、配置構成プロパティーを常に適用」ボックスのチェックマークを付けたり外したりします。
System Manager を使用してユーザー・プロジェクトを展開する際は、展開するユーザー・プロジェクトのコンポーネントを選択できます。作成した配置構成プロパティー値は、選択されているコンポーネントにしか適用されません。
配置構成ファイルは、System Manager を使用したパッケージへのコンポーネントのエクスポートの説明に従って、ユーザー・プロジェクトまたは個々の ICL をリポジトリー・パッケージ・ファイルにエクスポートするときに作成されたパッケージ内に含まれます。ICL に対して、これを実行すると、ICL 上に作成した任意の配置構成ファイル (*.dfg ファイル) が、パッケージに含まれます。ユーザー・プロジェクトに対して上記を実行すると、ユーザー・プロジェクト内の任意の ICL 上に作成された配置構成ファイルが、パッケージに含まれます。パッケージとしてユーザー・プロジェクトをエクスポートするとき、含まれている ICL から特定のコンポーネントのみを選別して選ぶと、その ICL に対応する配置構成ファイルが、選択したコンポーネントのみに対するプロパティーと値を格納します。
配置構成プロパティーのファイルは、配置構成プロパティーのエクスポートとインポートの説明に従って、エクスポートできます。これは、『第 6 章 repos_copy の使用』の説明に従い、InterChange Server Express リポジトリーからリポジトリー・ファイル・パッケージをエクスポートする場合、および配置構成プロパティーを含める場合に特に有効になります。配置構成ファイルを作成するときには、このファイルは、InterChange Server Express リポジトリー内ではなく、System Manager 内に常駐しています。したがって、repos_copy を使用して InterChange Server Express リポジトリーからパッケージを作成するときには、配置構成ファイルは、このリポジトリー内には含まれていません。配置コンフィギュレーター・ファイルを追加するには、「プロパティー記述子のエクスポート」ダイアログを使用して、このファイルをエクスポートした後、以下の構文を使用して、構成内容を repos_copy パッケージ・ファイルにコピーします。
repos_copy -sserverName -uusername -ppassword -ireposcopyfile -ixdideploymentdescriptorfile
System Manager から ICL またはユーザー・プロジェクトをエクスポートする場合、配置記述子.dfg ファイルは、関連する記入項目とともに、リポジトリー jar ファイルに含まれます。その後、repos_copy ユーティリティーを使用して、サーバーに .jar ファイルをコピーします。.jar ファイル内の構成ファイルに対する値は、サーバーに配置される前に自動的にコンポーネントに適用されます。
変換が実行されないようにする場合は、以下のオプションを使用して抑制することができます。
repos_copy -sserverName -uusername -ppassword -ireposcopyfile -xdn
-xdn オプションは、リポジトリー .jar ファイル内の .dfg ファイルを無視し、プロパティー値を変更しないで、配置パッケージをサーバーに送信します。
1 つのサーバーに対して、「Deployment Configurator」内で配置構成プロパティーの作成を終了すると、それらのプロパティーをファイルにエクスポートした後、別のサーバーの配置構成プロパティーの出発点としてそのファイルをインポートすることができます。これを行うには、「プロパティー名」列のフィールドを右マウス・ボタンでクリックして、「インポート」を選択します。「プロパティーのインポート」ダイアログが表示され、以下の選択項目を示します。
この選択肢はデフォルトです。この選択肢を使用すると、既存の配置構成ファイルで設定されているサーバー名、統合コンポーネント、プロパティー、および値がすべて除去され、インポートするファイル内で設定されているサーバー名、プロパティー、および値がすべて追加されます。実質的には、元のファイルの内容全体をインポートするファイルの内容全体で置き換えることになります。
「Merge」オプションにより、インポートされたファイル内で設定されているサーバー名、統合コンポーネント、プロパティー、および値がすべて既存のファイルに追加されます。マージは完全に階層的で、細分化されています。例えば、元のファイルが Server1 しか格納していなく、インポート・ファイルが、Server1 と Server2 を格納している場合は、Server2 名、および Server2 に関連する統合コンポーネント、プロパティー、および値がすべて元のファイルに追加されます。元のファイルに設定済みの Server1 名は除去されません。インポート・ファイル内の Server1 に統合コンポーネントが存在するが、元のファイルの Server1 には存在しない場合、そのコンポーネントは、元のファイルの Server1 に追加されます。同様に、インポート・ファイル内の Server1 に特定の統合コンポーネントに対して、プロパティーが存在するが、元のファイルには存在しない場合は、そのプロパティーが、インポート・ファイル内の Server1 の特定の統合コンポーネントに対して追加されます。最下位レベルで、値の交換が行われます。すなわち、インポート・ファイル内の特定のサーバー名における特定の統合コンポーネントの特定のプロパティーに対する値が、元のファイル内の同じサーバー名に関連する同じ統合コンポーネントの同じプロパティーに対する値に (存在する場合) 置き換わります。
あるサーバーに対して作成された配置構成プロパティーは、別のサーバーの構成にコピーし、貼り付けることができます。プロパティーのコピー、貼り付けを行う場合は、それらのプロパティーに割り当てられている値もすべて、コピーされ、貼り付けられます。プロパティーを貼り付けるとき、構成内に既に存在する同じプロパティーは、貼り付け操作によって上書きされます。
製品の ¥bin ディレクトリーにある deploymentconfigutil.zip ファイル内に格納されているスタンドアロン・ユーティリティーにより、System Manager を使用しなくても、*.dfg ファイルを編集することができます。これは、例えば、データベース管理者が、データベースとの対話のため、コネクター・パスワード・プロパティーを特定の値に設定する必要があるが、System Manager を使用している実装者にその値を知られたくない場合などに有効なことがあります。実装者は、System Manager の Deployment Configurator 機能を使用して、デフォルト値で *.dfg ファイルを作成した後、そのファイルをデータベース管理者に送信できます。その後、データベース管理者は、(統合コンポーネントまたはプロパティーの追加または削除ではなく) プロパティー値の変更を可能にするスタンドアロン・ユーティリティーを実行します。データベース管理者は、スタンドアロン・ユーティリティーを使用して、パスワード値を変更した後、ファイルを実装者に送信して戻します。実装者は、System Manager を使用して、*.dfg ファイルを Deployment Configurator にインポートします。
このユーティリティーは、事前定義パスワードによってコントロールされ、パスワードを取得するには、製品サポート・センターに連絡する必要があります。このパスワードは、配置記述子ファイルに指定されているパスワードまたは暗号化されたデータを、ユーザーが正当な権限なく変更することを防止するためのものです。
このスタンドアロン・ユーティリティーは、IBM¥WebSphere¥bin ディレクトリーに常駐する deploymentconfigutil.zip ファイルに格納されています。この zip ファイルは、System Manager または InterChange Server Express をインストールしていないシステム上で解凍し、使用できます。
状態を持つコンポーネント (コネクター、コラボレーション・オブジェクト、マップ、関係、データベース接続プールなど) の場合、展開した後に、サーバーのリブート時にコンポーネントが初期化される状態を設定できます。コンポーネントの展開後の初期状態を設定するには、以下の手順を実行します。
複数のコンポーネントを選択する場合、以下のような Windows の標準的な選択方法を使用できます。
展開を実行する前に、展開するコンポーネントから構成されるパッケージを検証して、展開を確実に成功させることができます。コンポーネントのパッケージを検証するには、以下の手順を実行します。
ユーザー・プロジェクトの作成については、ユーザー・プロジェクトの作成を参照してください。ユーザー・プロジェクトへのショートカットの追加については、ユーザー・プロジェクトへのショートカットの追加を参照してください。
System Manager によって、図 19 に示すような「プロジェクトを検証」ウィザードが表示されます。
重複するコンポーネントを選択しなかった場合は、ステップ 6 に進みます。
重複するコンポーネントを選択した場合は、ステップ 5 に進みます。
System Manager によって、図 20 に示すような「ローカル複写」画面が表示されます。
図 20. 検証するユーザー・プロジェクトからの個別のコンポーネントの選択
重複するコンポーネントから個別のコンポーネントを選択します。
System Manager は、選択されたコンポーネントを含むパッケージを作成し、それをサーバー・リポジトリーに対して検証します。検証が成功したかどうかを示すメッセージが表示されます。
コンポーネントは、以下のセクションで説明されている 2 つの方法のいずれかで、InterChange Server Express インスタンスに展開できます。
配置ウィザードを使用して、InterChange Server Express インスタンスにコンポーネントのパッケージを展開するには、以下の手順を実行します。
マップを除き、展開するコンポーネントがサーバー・リポジトリーにすでに存在する場合は、展開前にコンポーネントを停止する必要があります (マップは迅速に実行されて通常はアイドル状態であるため、アクティブなマップ定義を再展開できます)。
パッケージを展開する前に、InterChange Server Express コンポーネント管理ビューまたは System Monitor を使用し、サーバー内の重複するコンポーネントを停止します。詳細については、リポジトリー内のコンポーネントの状態の管理を参照してください。
ユーザー・プロジェクトの作成については、ユーザー・プロジェクトの作成を参照してください。ユーザー・プロジェクトへのショートカットの追加については、ユーザー・プロジェクトへのショートカットの追加を参照してください。
System Manager によって、図 21 に示すような「配置ウィザード (1 ページ)」画面が表示されます。
関係スキーマとデータベース接続プールは、それらに参照することで機能するインターフェースに対して作成する必要があります。実行する目的でインターフェースを展開する場合は、インターフェースが使用するコンポーネントすべてに対して、このオプションを使用可能にする必要があります。
マップとコラボレーション・テンプレートは、それらを参照することで機能するインターフェースに対してコンパイルする必要があります。
ユーザー・プロジェクト内で重複するコンポーネントを選択した場合は、図 22 に示すように、「配置ウィザード (2 ページ)」画面が表示されます。
表示されたユーザー・プロジェクトのフォルダーを展開し、重複しているローカル・コンポーネントのうち、配置する方のコンポーネントのチェック・ボックスを有効にします。
選択内容に応じて、以下のいずれかを実行します。
サーバー上の既存のコンポーネントを配置するように選択した場合は、図 23 に示すような「サーバー重複オブジェクト」画面が表示されます。
表示されたユーザー・プロジェクトのフォルダーを展開し、サーバー・リポジトリーで上書きする重複コンポーネントのチェック・ボックスを有効にします。
System Manager が選択されたコンポーネントをサーバー・リポジトリーに展開します。サーバー・ロギング出力を参照すると、展開セッションが開始され、コンポーネントがリポジトリーに追加されたときに記録されたメッセージが表示されます。
展開セッションが完了すると、System Manager に、展開の正常終了を示す情報プロンプトが表示されるか、展開の失敗を示すエラー・プロンプトが表示されます。
System Manager ビューで、ドラッグ・アンド・ドロップ操作を使用して、コンポーネントを配置するには、以下の手順を実行します。
パッケージを展開する前に、InterChange Server Express コンポーネント管理ビューまたは System Monitor を使用し、サーバー内の重複するコンポーネントを停止します。詳細については、リポジトリー内のコンポーネントの状態の管理 を参照してください。
System Manager が、指定した InterChange Server Express インスタンスにコンポーネントを配置しようとします。メッセージとエラーは、コンソール・ビューに表示されます。