ジョブをスケジュールすると、コネクターとコラボレーションの運用状態 (始動、停止、一時停止) を操作するためのスケジュールを作成できます。コンポーネントの状態を操作することによって、InterChange Server Express によるイベントの処理をさらに適切に管理できます。サーバーの作業負荷をスケジュール期間に分散させ、トラフィックを低減させることにより、より効率的なリソース管理を実現できます。このセクションの内容は次のとおりです。
ジョブは、System Manager の「スケジュール」ウィンドウでスケジュールします (図 46 を参照)。「スケジュール」ウィンドウでは、スケジュール項目を作成、変更、削除することができます。コンポーネントに定義されている全スケジュールのリストを表示させるか、必要に応じて特定のスケジュールを表示させることができます。また、サーバー上の全スケジュールを使用可能または使用不可にすることもできます。
図 46. System Manager の「スケジュール」ウィンドウ
コンポーネントのスケジュールを作成するときには、アクション (状態変更) が起こる時期と頻度 (再帰) などの情報を指定します。デフォルトでは、コンポーネントにスケジュールは定義されていません。 1 つのコンポーネントには必要な数だけスケジュールを定義できます。スケジュールを設定すると、そのスケジュールを使用可能に、または使用不可にすることができます。
「スケジュール」ウィンドウでは、以下の項目を決定することができます。
スケジュールを再帰的にすると、日次、週次、月次などのオプションから選択できます。
各スケジュールは指定の時刻に起こる 1 つのアクションで構成されるため、サーバーがコンポーネントを処理する間隔を作成するには、処理を開始するスケジュールと停止させるスケジュールの両方を定義する必要があります。例えば、コネクターについて、毎日午前 1 時にイベントの処理を開始するスケジュールを 1 つ作成し、さらに午前 3 時に処理を一時停止する別のスケジュールを作成することができます。コネクターは、この 2 時間の間だけ、そのコネクターをサブスクライブしているコラボレーションによって処理されるようにイベントを InterChange Server Express に送ることができます。
コネクターの動作をスケジュールするときは、選択する状態 (開始、一時停止、停止) によって処理の範囲が決まります。例えば、コネクターを開始すると、そのコネクターは PollFrequency の設定に従って、新しいイベントがないかアプリケーションを絶えずポーリングします。コネクターを一時停止すると、コネクターは再始動されるまでポーリングを停止しますが、InterChange Server Express からのサービス呼び出し要求を扱うことはできます。停止したコネクターは非アクティブです。
コラボレーションのアクティビティーとともにコネクターのアクティビティーを操作して、アプリケーションのイベント処理専用の時間を指定の時間枠にスケジュールすることができます。このためには、コラボレーションとコネクターの両方が同じ間隔だけ実行される必要があります。コネクターが一時停止されると、キューに格納されていたイベントはコネクターがアクティビティーを再開したときに処理できます。
コネクターの場合と同様に、コラボレーション・オブジェクトの動作をスケジュールするときは、選択する状態 (開始、一時停止、停止) によって処理の範囲が決まります。コラボレーションの状態については、"コラボレーション・オブジェクトの状態の表示"を参照してください。例えば、コラボレーション・オブジェクトを開始すると、コラボレーション・オブジェクトはコネクターから受け取るビジネス・オブジェクトを処理します。コラボレーション・オブジェクトを停止すると、以降のイベントはすべて無視されます。このため、コラボレーション・オブジェクトを停止する必要がない限りは一時停止するようにしてください。
コラボレーション・オブジェクトを一時停止すると、そのコラボレーション・オブジェクトを再始動するまでイベントはコラボレーション・キューの中に格納されています。
コネクターのアクティビティーとともにコラボレーション・オブジェクトのアクティビティーを操作して、アプリケーションのイベント処理専用の時間を指定の時間枠にスケジュールすることができます。このためには、コラボレーション・オブジェクトとコネクターの両方が同じ間隔だけ実行される必要があります。同じコネクターにバインドされているいくつかのコラボレーション・オブジェクトに異なる処理枠を割り当て、作業負荷を分散させて、コネクターが処理する必要のあるトラフィック量をある程度制御することができます。例えば図 47 で、各コラボレーション・オブジェクトには専用の時間が割り当てられ、この時間中にコネクターは対応するコラボレーション・オブジェクトのイベントのみを処理します。
複数のコラボレーション・オブジェクトが同じビジネス・オブジェクトをサブスクライブすることができます。この場合、オブジェクトは InterChange Server Express に送られて待機します。このオブジェクトをサブスクライブしている各コラボレーション・オブジェクトが一時停止の後に開始されると、オブジェクトはコラボレーション・オブジェクトに取得されます。
System Monitor を使用することで、スケジュールされたコンポーネントの状態をオーバーライドすることができます (例えばスケジューラーによって数分前に停止したコラボレーション・オブジェクトを開始するなど)。または、スケジューラーで変更できない状態にコンポーネントを設定することができます。例えば、コラボレーションが一時停止されるようにスケジュールされているとき、このコラボレーション・オブジェクトを停止して、スケジューラーによって一時停止されないようにできます (コラボレーション・オブジェクトは停止から一時停止に遷移できません)。このような場合、スケジューラーは手動の変更をオーバーライドせずに、エラーを記録します。
コラボレーションまたはコネクターのスケジュールを作成するには、以下のステップを実行します。
コンポーネントの名前およびタイプを示す新しい行エントリーが「スケジュール」ウィンドウに作成されます (ClarifyConnector (Connector) など)。
使用可能にされたスケジュールは、「OK」または「適用」を選択すると直ちに有効になります。使用不可にされたスケジュールは、使用可能にされるまでは即時に休止されます。スケジュールを使用不可にした場合、「次を検出」セルはブランクになります。これは、このスケジュール項目にはスケジュール上の出現がないことを示します。
デフォルトでは、現在の日時が設定されています。MM/DD/YYYY hh:mm:ss 形式を使用します。(「編集」メニューから選択可能な)「設定」ウィンドウで構成した時刻形式に基づいて、12 時間または 24 時間形式のクロックが使用されます。
例えば、コネクターのスケジュールはニューヨークで作成されますが (「東部標準時」を選択します)、InterChange Server Express は日本にある場合です。InterChange Server Express は、この情報を使用してスケジュールの現地時間を決定して、適切な時刻にジョブを実行できます。
繰り返しオプションを使用可能にしない場合、「次を検出」フィールドはブランクになり、スケジュールは実行後に有効期限が切れます。特定の日時に特定のコンポーネントに対して 1 つのアクションのみがスケジュールされるようにするために、整合性検査が行われます。スケジューリングの競合に関する検査は行われません。
InterChange Server Express およびコンポーネントが地理的に離れている場合、若干処理が遅れることがあります。コンポーネントの状態を直ちに変更する必要がある場合は、スケジューラーではなく、System Monitor を使用して、コンポーネントを開始、停止、または一時停止してください。
コラボレーションまたはコネクターの既存のスケジュールを変更するには、以下のステップを実行します。
「繰り返し」オプションを編集するには、スケジュール項目行の任意の位置でカーソルをクリックします。クリックすると、スケジュール項目の繰り返し値 (割り当てられている場合) が「繰り返し」ペインに表示されます。
コラボレーション・オブジェクトまたはコネクターの既存のスケジュールを削除するには、以下のステップを実行します。
スケジュールまたはスケジュールのグループを表示するには、以下のステップを実行します。
スケジュールを個々に使用不可または使用可能にするには、以下のステップを実行します。
"スケジュールの表示手順" を参照してください。