e-commerce 環境で発生する共通の問題は、品目の可用性と希望日までの確実な配送の見通しの問題です。このクラスの問題は一般に、ATP または納期回答 (販売可能在庫数量の確認) と呼ばれます。
サプライ・チェーン最適化システムまたはエンタープライズ・リソース・プランニング (ERP) システムを使用する企業は一般に、製品が希望配送日までに納入できるかどうかを判別するシステムに照会します。一部の企業 (特に複数のベンダーとオンライン取引関係がある企業) では、製品の注文を確定する前の製品納期情報が重要視されます。
ATP (納期回答) 機能とは、企業の ERP またはサプライ・チェーン最適化システムに効率的にアクセスできる機能です。次の例で、サーバー・アクセス API は、次のタスクを実行するために使用されます。
- データ変換 - 着信引用オブジェクトを HTML フォーマットから IBM WebSphere ビジネス・オブジェクトに変換します。
- コラボレーション実行 - 着信引用オブジェクトで検出されるそれぞれの品目ごとに ATP データを取得するコラボレーションを起動します。
- 結果の取得 - 結果を HTML 表として戻します。
図 9 に、単一の納期回答コラボレーションを示します。
図 9. 納期回答 e-commerce シナリオ

- ブラウザー・クライアントが、IncomingQuote オブジェクトに相当するデータが格納されている HTML フォームを送信します。IncomingQuote オブジェクトは、サード・パーティー・アプリケーションによって提供される HTML フォーマット済みデータです。
- サーブレット (以下の実例コードを参照) は、サーバー・アクセス API を使用して HTML を汎用 SalesQuote オブジェクトに変換し、続いてそれをコラボレーションに送信します。
- 続いて、ATP アクセス・コラボレーションは、SAP コネクターから納期回答日付を取得します。
- コラボレーションは、この情報をサーブレットに戻します。
- サーブレットは、それぞれの希望品目ごとに納期回答日付が格納された HTML 表を作成し、この表をクライアント・ブラウザー上に表示します。
