Business Object Designer Express での OracleAppsODA の使用

このセクションでは、Business Object Designer Express で OracleAppsODA を使用して、ビジネス・オブジェクト定義を生成する方法について説明します。Business Object Designer Express の起動については、「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」を参照してください。

ODA の起動後、Business Object Designer Express を起動させ、ODA を構成し、実行します。Business Object Designer Express で ODA を使用してビジネス・オブジェクト定義を生成する手順は、6 つのステップから構成されます。Business Object Designer Express は、これらのステップを順にガイドするウィザードを提供します。

ODA の起動後、このウィザードを起動するには、次の手順を実行します。

  1. Business Object Designer Express を開きます。
  2. 「ファイル」メニューから、「ODA を使用して新規作成...」サブメニューを選択します。

    Business Object Designer Express に、ウィザードの最初のウィンドウ (「エージェントの選択」という名前) が表示されます。図 6 に、このウィンドウを示します。

ODA を選択、構成、および実行するには、以下のステップを実行してください。

  1. ODA の選択
  2. "初期化プロパティーの構成"
  3. "ノードの展開と表、ビュー、およびストアード・プロシージャーの選択"
  4. "データベース・オブジェクトの選択の確認"
  5. "定義の生成"と、オプションで "追加情報の入力"
  6. "定義の保管"

ODA の選択

図 6 は、Business Object Designer Express の 6 ステップ・ウィザードで最初に表示されるダイアログ・ボックスを示したものです。このウィンドウで、実行する ODA を選択します。

図 6. ODA の選択


ODA を選択するには、以下の手順を行います。

  1. 「エージェントの検索」ボタンをクリックすることにより、登録済みまたは現在実行中の ODA のすべてを「検索されたエージェント」フィールドに表示します。
    注:
    Business Object Designer Express で希望する ODA を見つけられなかった場合、ODA のセットアップをチェックしてください。
  2. 表示リストから、目的の ODA を選択します。

    Business Object Designer Express の「エージェント名」フィールドに、選択した ODA が表示されます。

初期化プロパティーの構成

Business Object Designer Express は、OracleAppsODA と初めて通信する際に、一連の初期化プロパティーの入力を要求します。その画面を図 7 に示します。これらのプロパティーは、OracleAppsODA を使用するたびに入力せずに済むように、名前を付けたプロファイルに保存できます。ODA プロファイルの指定方法については、「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」を参照してください。

図 7. エージェント初期化プロパティーの構成


表 15 に示されている OracleAppsODA プロパティーを構成する。

表 15. OracleAppsODA プロパティー
行番号 プロパティー名 プロパティー・タイプ 説明
1 UserName String データベースへの接続権限を持つユーザーの名前。
2 Password String データベースへの接続権限を持つユーザーのパスワード。
3 DatabaseUrl String そのデータベースへの接続を可能にする URL。例: jdbc:oracle:thin:@MACHINENAME:1521:SIDNAME
4 DatabaseDriver String その接続の確立に使用されるドライバーの名前。例: oracle.jdbc.driver.OracleDriver
5 DefaultBOPrefix String ビジネス・オブジェクトの名前を固有にするために、名前の前に付加するテキスト。

この値は、必要であれば、Business Object Designer Express がビジネス・オブジェクト・プロパティーの入力を求めてきたときに変更することができます。詳細については、"追加情報の入力"を参照してください。

6 TraceFileName String OracleAppsODA がトレース情報を書き込むファイル。

ファイルが存在しない場合、OracleAppsODA はファイルを ¥ODA¥OracleApps ディレクトリーに作成します。ファイルがすでに存在している場合、OracleAppsODA はトレース情報をファイルの後に追加します。

OracleAppsODA は次の命名規則に従ってファイルに名前を付けます。例えば、エージェントが OracleAppsODA という名前である場合、そのエージェントは、OracleAppsODAtrace.txt という名前のトレース・ファイルを生成します。

このプロパティーを使用して、このファイルとは異なる名前を指定します。

7 TraceLevel Integer OracleAppsODA に対して有効なトレースのレベル。
8 MessageFile String エラー/メッセージ・ファイルの名前。

OracleAppsODA は、命名規則に従ってファイル名を表示します。例えば、エージェントが OracleAppsODA という名前である場合、メッセージ・ファイル・プロパティーの値は、OracleAppsODAAgent.txt と表示されます。重要: エラーおよびメッセージ・ファイルは ¥ODA¥messages ディレクトリーに置かれていなければなりません。

このプロパティーを使用して、既存のファイルの確認や指定をします。

重要

Business Object Designer で表示されているデフォルト値が存在しないファイルを指している場合には、メッセージ・ファイルの名前を訂正します。このダイアログ・ボックスから移動したときに、名前が不正確であった場合に、Business Object Designer は、ODA の起動元となったウィンドウにエラー・メッセージを表示します。このメッセージは、Business Object Designer ではポップアップしません。有効なメッセージ・ファイルの指定に失敗すると、ODA はメッセージなしに稼働します。

ノードの展開と表、ビュー、およびストアード・プロシージャーの選択

OracleAppsODA のすべての初期化プロパティーの構成を終えると、Business Object Designer Express は、指定されたデータベースへ接続し、データベース内にあるすべてのスキーマ名をツリーで表示します。ツリー内のノードとして表されている名前は展開できます。スキーマ名をクリックすると、各スキーマ内にある表、ビュー、およびストアード・プロシージャーがすべて表示されます。図 8 は、このダイアログ・ボックスでいくつかのスキーマを展開したところです。

図 8. ノードを展開したスキーマのツリー


生成されるビジネス・オブジェクト定義データの保管先データベース・オブジェクトをすべて指定するには、必要とされるテーブルとビューをすべて選択してから「次へ」をクリックします。戻されるオブジェクトをフィルター操作する方法については、「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」を参照してください。

データベース・オブジェクトの選択の確認

生成されるデータベース・オブジェクト定義を関連付けたいデータベース・オブジェクトにすべて指定すると、Business Object Designer Express は、選択されたテーブルとビューだけを含むダイアログ・ボックスを表示します。図 9 にこのダイアログ・ボックスを示します。

図 9. データベース・オブジェクトの選択の確認


このウィンドウには、以下のオプションが表示されます。

定義の生成

データベース・オブジェクトを確認すると、Business Object Designer Express が定義を生成中であることを知らせるダイアログ・ボックスが表示されます。

追加情報の入力

OracleAppsODA に追加情報が必要とされる場合、Business Object Designer Express は、「BO プロパティー」ウィンドウを表示して、必要な情報の入力を求めます。

「BO プロパティー」ウィンドウにおいて、次の情報を入力または変更します。

注:
「BO プロパティー」ダイアログ・ボックス内のフィールドに複数の値がある場合、そのフィールドは、ダイアログ・ボックスが最初に表示されたときには、空のフィールドように見えます。フィールドをクリックすると、その値のドロップダウン・リストが表示されます。

図 10. ストアード・プロシージャーとストアード・プロシージャー属性の関連付け


ビジネス・オブジェクトに追加されるストアード・プロシージャーの属性は、接続先データベースの特定のスキーマに含まれるストアード・プロシージャーのいずれかと関連付けることができます。ストアード・プロシージャーは、ドロップダウン・リストを使用して、ストアード・プロシージャーの属性ごとに選択することができます。ドロップダウン・リストには、接続先データベースの特定のスキーマに含まれるストアード・プロシージャーがすべて表示されます。ここで指定した情報に基づいて、各属性に必要な ASI 情報が生成されます。

オブジェクト・レベルの ASI (アプリケーション固有の情報) は、TN=tableName のようになります。

また、属性レベルでは、ASI は CN=ColumnName のようになります。

ビジネス・オブジェクトがストアード・プロシージャーから生成されているときに、SPForCreate などの Oracle Applications Adapter ストアード・プロシージャー属性が、ビジネス・オブジェクトに関連付けられている場合は、ODA が、ストアード・プロシージャー属性に対して、そのスキーマ内のすべてのストアード・プロシージャー名のリストを提供し、必要なストアード・プロシージャーをビジネス・オブジェクトに関連付けることを可能にします。これにより、以下のような Oracle Applications Adapter ストアード・プロシージャー属性に対する ASI が生成されます。

SPN=stored procedure Name; IN=a1:a2; OUT=b1:b2; IO=c1:c2

ここで、IN はその後に続くストアード・プロシージャー用のパラメーターが入力タイプであることを意味し、OUT はその後に続くパラメーターが出力タイプであることを意味し、IO はその後に続くパラメーターが入出力タイプであることを意味しています。ODA は、ASI を生成するとき、RS を (true または false に) 設定しません。したがって、この情報は手動で設定する必要があります。

ビジネス・オブジェクトに追加される動詞は標準の動詞です。これは、基本的には Retrieve、RetrieveByContent、Create、Update、および Delete です。

ストアード・プロシージャーの戻りパラメーターのタイプが ResultSet である場合、ODA は、結果セットを分析し、結果セットの列がビジネス・オブジェクトの属性になるようにビジネス・オブジェクトを作成します。ストアード・プロシージャーによって戻される列に対応する ASI には、CN=StoredProcedureColumnName が設定されます。ODA では、ドライバーから戻される JDBC メタデータ情報を基にキー属性を設定します。この情報が戻されない場合、ODA は、デフォルトではどの属性もキー属性としてマークしません。その他の属性 (長さや型など) については、いずれも、表から生成された属性に設定される場合と同様に設定されます。

定義の保管

「BO プロパティー」ダイアログ・ボックスで必要なすべての情報を指定し、「OK」をクリックすると、Business Object Designer Express にウィザードの最終ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスでは、定義をサーバーまたはファイルに保管したり、定義を Business Object Designer Express で開いて編集することができます。さらに変更を加える方法については、「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」を参照してください。

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