コネクター・アーキテクチャー

コネクターを使用すると、WebSphere ビジネス・プロセスは、データが変更された場合に SWIFT メッセージを発行または受信するアプリケーションとの間でビジネス・オブジェクトを非同期で交換できます (コネクターは、同期確認通知もサポートしています)。

SWIFT は、Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunications の略語です。これは、金融メッセージング規格の作成と保守を目的とする、国連に認可された国際標準化機構 (ISO) です。

図 1 に示されているように、コネクターはいくつかのコンポーネント (WebSphere コンポーネントは 太字で示されています) と対話します。これらのコンポーネントは、WebSphere ビジネス・オブジェクトの世界と SWIFT メッセージの世界の橋渡しをします。IBM WebSphere Business Integration Server Express and Express Plus の場合、図 1 の統合ブローカーは WebSphere InterChange Server Express です。

図 1. SWIFT アーキテクチャーのコネクター


SWIFT 環境を構成するさまざまなコンポーネントについて以下に説明します。

Connector for SWIFT

Connector for SWIFT はメタデータ主導型です。メッセージ・ルーティングおよびフォーマット変換は、イベント・ポーリング手法によって開始されます。コネクターはキューから WebSphere MQ メッセージを検索し、SWIFT データ・ハンドラーを呼び出してメッセージを対応するビジネス・オブジェクトに変換し、そのオブジェクトを対応するビジネス・プロセスにデリバリーします。反対方向の場合、コネクターは WebSphere InterChange Server Express からビジネス・オブジェクトを受け取り、同じデータ・ハンドラーを使用して SWIFT メッセージに変換し、WebSphere MQ キューにデリバリーします。

メッセージの処理に使用されるビジネス・オブジェクトのタイプと動詞は、WebSphere MQ メッセージのヘッダーに含まれる Format フィールドのメタデータによって決定されます。ビジネス・オブジェクト名と動詞を格納するメタオブジェクトを構築し、WebSphere MQ メッセージ・ヘッダーの Format フィールドのテキストに関連付けます。

オプションで、コネクターに渡されるビジネス・オブジェクトに子として追加される動的なメタオブジェクトを構成することもできます。子メタオブジェクトの値は、コネクター全体を対象として指定されている静的なメタオブジェクトに指定されている値をオーバーライドします。子メタオブジェクトが定義されていない場合や、必要な変換プロパティーが定義されていない場合は、コネクターはデフォルトで、その値に対する静的なメタオブジェクトを調べます。単一の静的なコネクター・メタオブジェクトの代わりに、またはそれを補足するために、1 つ以上の動的な子メタオブジェクトを指定することができます。

コネクターは複数の入力キューのポーリングが可能で、各キューをラウンドロビン方式でポーリングして、各キューから構成可能な数のメッセージを検索します。ポーリング中に検索するメッセージごとに、コネクターは動的な子メタオブジェクト (ビジネス・オブジェクトに指定されている場合) を追加します。子メタオブジェクトの値はコネクターに対し、メッセージ・フォーマットとメッセージが検索された入力キューの名前を、属性に取り込むよう指示できます。

入力キューからメッセージを検索する場合、コネクターは、FORMAT テキスト・フィールドに対応するビジネス・オブジェクト名を探します。次に、ビジネス・オブジェクトの名前とともに、メッセージがデータ・ハンドラーに渡されます。ビジネス・オブジェクトにメッセージの内容が正常に取り込まれると、コネクターはコラボレーションがそのビジネス・オブジェクトにサブスクライブしているかどうかをチェックしてから、gotApplEvents() メソッドを使用して InterChange Server Express にデリバリーします。

SWIFT データ・ハンドラー

コネクターは SWIFT データ・ハンドラーを呼び出して、ビジネス・オブジェクトを SWIFT メッセージに (あるいは SWIFT メッセージをビジネス・オブジェクトに) 変換します。SWIFT データ・ハンドラーの詳細については、SWIFT データ・ハンドラーを参照してください。

WebSphere MQ

Connector for SWIFT は、エンタープライズ・メッセージング・システムにアクセスするための API である JavaTM Message Service (JMS) の MQ インプリメンテーションを使用します。これによって、着信および発信 WebSphere MQ イベント・キューとの対話が可能になります。

MQSA

WebSphere MQ イベント・キューは、WebSphere MQ Interface for SWIFTAlliance (MQSA) との間でメッセージを交換します。MQSA ソフトウェアは WebSphere MQ メッセージング機能と SWIFT メッセージ・タイプを統合し、デリバリー、確認通知、キュー管理、タイム・スタンプ、およびその他の機能を実行します。

SWIFTAlliance Access

SWIFTAlliance Access Gateway は、IP を介してリモートの金融アプリケーションとの間で SWIFT メッセージを送受信する窓口となります。コネクターは SWIFTAlliance Access 5.0 をサポートしています。

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