アダプターの構成

コネクターには、標準構成プロパティーとコネクター固有の構成プロパティーの 2 種類の構成プロパティーがあります。アダプターを実行する前に、これらのプロパティーの値を設定してください。InterChange Server Express を統合ブローカーとして使用するコネクターのプロパティーを構成する場合は、Connector Configurator Express を使用します。詳細については、付録 B, "Connector Configurator Express"を参照してください。

コネクターは、始動時に構成値を取得します。ランタイム・セッション時に、1 つ以上のコネクター・プロパティーの値を変更することができます。AgentTraceLevel などのコネクター構成プロパティーに対する変更は、即時に有効になります。その他のコネクター・プロパティーに対する変更は、変更後にコンポーネントまたはシステムのいずれかを再始動する必要があります。プロパティーが動的 (即時に有効になる) と静的 (コネクター・コンポーネントまたはシステムのいずれかの再始動が必要になる) のいずれであるかを判別するには、Connector Configurator Express の「更新メソッド」の列を参照してください。

標準コネクター・プロパティー

標準構成プロパティーは、すべてのコネクターが使用する情報を提供します。これらのプロパティーの詳細については、付録 A, コネクターの標準構成プロパティーを参照してください。

このアダプターが統合ブローカーとしてサポートしているのは InterChange Server Express だけなので、このコネクターに関連する構成プロパティーは InterChange Server Express だけに適用されます。

コネクター固有のプロパティー

コネクター固有の構成プロパティーでは、ランタイムにコネクターが必要とする情報を指定します。また、エージェントのコードを変更したり再ビルドしたりすることなく、アダプター内の静的情報やロジックを変更することもできます。

以下の表に、アダプターのコネクター固有の構成プロパティーをリストします。プロパティーの説明については、以下の各セクションを参照してください。

注:
これらのプロパティーには、デフォルトのキュー名値も含まれます。これらの値は、ユーザー環境で実際に使用しているキュー名と一致するように変更する必要があります。


表 10. コネクター固有のプロパティー
名前 指定可能な値 デフォルト値 必須

ApplicationPassword

ログイン・パスワード


いいえ

ApplicationUserName

ログイン・ユーザー ID


いいえ

ArchiveQueue

正常に処理されたメッセージのコピーが送信されるキュー

queue://<queue_manager_name>/
WC_MQCONN.ARCHIVE

いいえ

Channel

MQ サーバーのコネクター・チャネル


はい

ConfigurationMetaObject

構成メタオブジェクトの名前


はい

DataHandlerClassName

データ・ハンドラーのクラス名

com.crossworlds.DataHandlers. text.xml

いいえ

DataHandlerConfigMO

データ・ハンドラーのメタオブジェクト

MO_DataHandler_ Default

はい

DataHandlerMimeType

ファイルの MIME タイプ

text/xml

いいえ

ErrorQueue

未処理のメッセージのキュー

queue://<queue_manager_name>/ WC_MQCONN.ERROR

いいえ

FeedbackCodeMappingMO

フィードバック・コードのメタオブジェクト


いいえ

HostName

WebSphere MQ サーバー


はい

InDoubtEvents

FailOnStartup Reprocess Ignore LogError

Reprocess

いいえ

InputQueue

ポーリング・キュー

queue://<queue_manager_name>/ WC_MQCONN.IN

いいえ

InProgressQueue

進行中のイベント・キュー

queue://<queue_manager_name>/ WC_MQCONN.IN_PROGRESS

はい

PollQuantity

InputQueue プロパティーで指定された各キューから検索されるメッセージの数

1

いいえ

Port

WebSphere MQ リスナー用に設定されたポート


はい

ReplyToQueue

アダプターが要求を発行したときの応答メッセージの引き渡し先のキュー

queue://<queue_manager_name>/ WC_MQCONN.REPLYTO

いいえ

UnsubscribedQueue

アンサブスクライブされたメッセージが送信されるキュー

queue://<queue_manager_name>/ WC_MQCONN.UNSUBSCRIBE

いいえ

UseDefaults true または false false

ApplicationPassword

WebSphere MQ にログインする場合に UserID と併用するパスワード。

デフォルト値は None です。

ApplicationPassword がブランクまたは取り除かれていると、アダプターは WebSphere MQ が提供するデフォルトのパスワードを使用します。

ApplicationUserName

WebSphere MQ にログインする場合に Password と併用するユーザー ID。

デフォルト値は None です。

ApplicationUserName がブランクまたは取り除かれていると、アダプターは WebSphere MQ が提供するデフォルトのユーザー ID を使用します。

ArchiveQueue

正常に処理されたメッセージのコピーの送信先のキュー。

デフォルト値は queue://<queue_manager_name>/WC_MQCONN.ARCHIVE です。

Channel

アダプターが WebSphere MQ と通信する際に使う MQ サーバー・アダプターのチャネル。

デフォルト値は None です。

Channel がブランクまたは取り除かれていると、アダプターは WebSphere MQ が提供するデフォルトのサーバー・チャネルを使用します。

ConfigurationMetaObject

コネクターの構成情報が収められている静的メタオブジェクトの名前。

デフォルト値は None です。

DataHandlerClassName

メッセージからビジネス・オブジェクトへの変換およびビジネス・オブジェクトからメッセージへの変換に使用する、データ・ハンドラー・クラス。

デフォルト値は com.crossworlds.DataHandlers.text.xml です。

DataHandlerConfigMO

構成情報を提供するためにデータ・ハンドラーに渡すメタオブジェクト。

デフォルト値は MO_DataHandler_Default です。

DataHandlerMimeType

特定の MIME タイプに基づいてデータ・ハンドラーを要求することができます。WebSphere Commerce でアダプターを使用する場合は XML データ・ハンドラーが必要です。

デフォルト値は text/xml です。

ErrorQueue

処理できなかったメッセージの送信先のキュー。

デフォルト値は queue://<queue_manager_name>/WC_MQCONN.ERROR です。

FeedbackCodeMappingMO

InterChange Server Express にメッセージの受信を同期で肯定応答する場合に使用するデフォルトのフィードバック・コードをオーバーライドし、再割り当てすることができます。このプロパティーでは、各属性名を認識してフィードバック・コードを表すメタオブジェクトを指定できます。フィードバック・コードの対応する値は、InterChange Server Express に渡される戻り状況です。デフォルトのフィードバック・コードのリストについては、"同期の引き渡し"を参照してください。アダプターは、MQ 固有のフィードバック・コードを表す以下の属性値を受け取ります。

アダプターがメタオブジェクトの属性値として受け入れる InterChange Server Express 固有の状況コードは、以下のとおりです。

以下の表に、サンプル・メタオブジェクトを示します。

表 11. サンプルのフィードバック・コード・メタオブジェクト属性
属性名 デフォルト値
MQFB_APPL_FIRST

SUCCESS

MQFB_APPL_FIRST + 1

FAIL

MQFB_APPL_FIRST + 2

UNABLE_TO_LOGIN

デフォルト値は None です。

HostName

WebSphere MQ のサービスを提供するサーバーの名前。

デフォルト値は None です。

InDoubtEvents

予想外のアダプターのシャットダウンにより完全に処理されなかった処理中イベントを処理する方法を指定します。初期化時に処理中キュー内にイベントが見つかった場合に取るアクションを、以下の 4 つの中から選択します。

デフォルト値は Reprocess です。

InputQueue

アダプターがポーリングして新しいメッセージを探すメッセージ・キュー。複数のキュー名 (セミコロンを区切り文字とする) を指定することができます。例えば、MyQueueAMyQueueBMyQueueC の 3 つのキューをポーリングする場合、コネクター構成プロパティー InputQueue の値は MyQueueA;MyQueueB;MyQueueC になります。

InputQueue プロパティーが指定されていない場合、コネクターは正常に始動しますが、警告メッセージが出力され、要求の処理しか実行されず、イベントの処理は実行されません。

アダプターは、ラウンドロビン方法でキューをポーリングし、各キューから pollQuantity の数を上限としてメッセージを取得します。例えば、pollQuantity が 2 で、MyQueueA に 2 つのメッセージ、MyQueueB に 1 つのメッセージ、MyQueueC に 5 つのメッセージが含まれている場合、アダプターは以下のようにメッセージを取り出します。

pollQuanity の値は 2 なので、アダプターは pollForEvents への呼び出しごとに各キューから最大 2 つのメッセージを取り出します。最初の循環 (2 回のうちの 1 回目) では、アダプターは MyQueueA、MyQueueB、MyQueueC それぞれから先頭のメッセージを取り出します。これで、1 回目のポーリングが完了します。pollQuantity の値が 1 の場合は、アダプターはこれで停止します。

pollQuanity の値は 2 なので、アダプターは 2 回目のポーリング (2 回のうちの 2 回目) を開始し、MyQueueA と MyQueueC からそれぞれ 1 つのメッセージを取り出します。MqQueueB は空なので、スキップします。すべてのキューをそれぞれ 2 回ずつポーリングした後、メソッド pollForEvents への呼び出しは完了します。メッセージを取り出す順序は以下のようになります。

  1. MyQueueA から 1 つのメッセージ
  2. MyQueueB から 1 つのメッセージ
  3. MyQueueC から 1 つのメッセージ
  4. MyQueueA から 1 つのメッセージ
  5. MyQueueB は空なのでスキップする
  6. MyQueueC から 1 つのメッセージ

デフォルト値は queue://<queue_manager_name>/WC_MQCONN.IN です。

InProgressQueue

処理中にメッセージを保持するメッセージ・キュー。

デフォルト値は queue://<queue_manager_name>/WC_MQCONN.IN_PROGRESS です。

PollQuantity

pollForEvents スキャン時に InputQueue プロパティーで指定された各キューから取得するメッセージの数。

デフォルト値は 1 です。

Port

WebSphere MQ リスナーに対して設定されているポート。

デフォルト値は None です。

ReplyToQueue

アダプターが要求を発行したときの応答メッセージの引き渡し先のキュー。

デフォルト値は queue://<queue_manager_name>/WC_MQCONN.REPLY です。

UnsubscribedQueue

サブスクライブされていないメッセージの送信先のキュー。

デフォルト値は queue://<queue_manager_name>/WC_MQCONN.UNSUBSCRIBED です。

注:
* 間違っている場合や、認識されていない場合があるので、WebSphere MQ が提供する値は必ず確認してください。問題がある場合は、暗黙的に値を指定してください。

UseDefaults

Create 操作では、UseDefaults が true に設定されている場合、コネクターは、isRequired ビジネス・オブジェクト属性ごとに有効な値またはデフォルト値が設定されているかどうかを検査します。値が設定されている場合、Create 操作は正常に実行されます。パラ メーターが false に設定されている場合は、コネクターの検査対象が有効な値のみとなるので、有効な値が設定されていないと、Create 操作は異常終了します。デフォルト値は false です。

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