ビジネス・オブジェクト定義の要件

Request-Response データ・ハンドラーを使用するには、データ・ハンドラーに必要な構造を提供するようにビジネス・オブジェクト定義を作成または修正する必要があります。ただし、他のデータ・ハンドラーとは異なり、メタデータを持たせるようにビジネス・オブジェクト定義を変更する必要はありません。このセクションでは、Request-Response データ・ハンドラーと連動するビジネス・オブジェクト定義の作成に必要な情報を示します。特に、以下の情報を取り上げます。

要求/応答ビジネス・オブジェクト構造の理解

Request-Response データ・ハンドラーは、要求または応答データ・ハンドラーとビジネス・オブジェクトを送受信するときにビジネス・オブジェクト定義を使用します。Request-Response データ・ハンドラーは、処理可能なビジネス・オブジェクトの構造に対して特定の要件を設定します。データ・ハンドラーに渡されるビジネス・オブジェクトは、1 つの要求子オブジェクトと 1 つ以上の応答子オブジェクトを持つ必要があります。これらの子オブジェクトは、自身を処理するデータ・ハンドラーの要件に適合する必要があります。

注:
Request-Response データ・ハンドラーでは、ビジネス・オブジェクト定義またはその属性にアプリケーション固有情報を設定する必要はありません

要求/応答ビジネス・オブジェクトを表すビジネス・オブジェクトの構造 を図 31 に示します。

図 31. 要求/応答ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト構造


ビジネス・オブジェクト定義を Request-Response データ・ハンドラーの要件に適合したものにするためには、以下の各ビジネス・オブジェクトごとに提供されるガイドラインを使用してください。

トップレベル・ビジネス・オブジェクト

Request-Response データ・ハンドラーは、トップレベル・ビジネス・オブジェクトが呼び出し側コンテキストとの間で送受信する情報を保持しているものとして動作します。表 30 では、Request-Response データ・ハンドラーがビジネス・オブジェクトのプロパティーをどのように解釈するかを説明し、また、Request-Response データ・ハンドラーで使用できるようにビジネス・オブジェクトを修正する場合のプロパティーの設定方法を説明しています。

表 30. トップレベル・ビジネス・オブジェクト定義のプロパティー
プロパティー名 説明
Name 各ビジネス・オブジェクト定義には、固有の名前を付ける必要があります。これらのビジネス・オブジェクト定義の先頭に標準プレフィックスを付加することをお勧めします。トップレベル・ビジネス・オブジェクトの名前は、次のようにメッセージ標準によって異なります。
BusObj プレフィックス + 応答ビジネス・オブジェクト
 
Version ビジネス・オブジェクト定義の現行バージョンを表す定数。現在の値は 1.0.0 です。
アプリケーション固有情報 アプリケーション固有情報は不要です。

このトップレベル・ビジネス・オブジェクトには次の属性が必要です。

要求ビジネス・オブジェクト

Request-Response データ・ハンドラーは、要求データ・ハンドラーの要求情報を保持するため、トップレベル・ビジネス・オブジェクトの最初の属性が要求ビジネス・オブジェクトであるものとして動作します。この属性は単一カーディナリティーである必要があります。表 31 では、Request-Response データ・ハンドラーがこのビジネス・オブジェクト定義のプロパティーをどのように解釈するかを説明し、また、Request-Response データ・ハンドラーで使用できるようにビジネス・オブジェクトを修正する場合のこれらのプロパティーの設定方法を説明しています。

表 31. 要求ビジネス・オブジェクト定義のプロパティー
プロパティー名 説明
Name 各ビジネス・オブジェクト定義には、固有の名前を付ける必要があります。この名前は、要求データ・ハンドラーが処理するビジネス・オブジェクト定義名と一致しなければなりません。
Version ビジネス・オブジェクト定義の現行バージョンを表す定数。現在の値は 1.0.0 です。
アプリケーション固有情報 使用される要求データ・ハンドラーによって異なります。

注:
要求ビジネス・オブジェクトのフォーマットの詳細については、要求データ・ハンドラーとして動作するデータ・ハンドラーの資料を参照してください。

例えば、RequestDataHandlerMimeTypetext/xml として指定した場合、要求ビジネス・オブジェクトとして定義する子オブジェクトは、XML データ・ハンドラー との互換性を持つ必要があります。

応答ビジネス・オブジェクト

Request-Response データ・ハンドラーは、応答データ・ハンドラーの応答情報を保持するため、トップレベル・ビジネス・オブジェクトの 2 番目以降の属性に応答ビジネス・オブジェクトがあるものとして動作します。この属性は単一カーディナリティーである必要があります。応答データ・ハンドラーが複数のタイプのビジネス・オブジェクトを戻す可能性がある場合、トップレベル・ビジネス・オブジェクトはそれぞれのタイプごとに 1 つの属性を持ちます。表 32 では、Request-Response データ・ハンドラーがこのビジネス・オブジェクト定義のプロパティーをどのように解釈するかを説明し、また、Request-Response データ・ハンドラーで使用できるようにビジネス・オブジェクトを修正する場合のこれらのプロパティーの設定方法を説明しています。

表 32. 応答ビジネス・オブジェクト定義のプロパティー
プロパティー名 説明
Name 各ビジネス・オブジェクト定義には、固有の名前を付ける必要があります。この名前は、応答データ・ハンドラーが処理するビジネス・オブジェクト定義名と一致しなければなりません。
Version ビジネス・オブジェクト定義の現行バージョンを表す定数。現在の値は 1.0.0 です。
アプリケーション固有情報 使用される要求データ・ハンドラーによって異なります。

注:
要求ビジネス・オブジェクトのフォーマットの詳細については、要求データ・ハンドラーとして動作するデータ・ハンドラーの資料を参照してください。

例えば、ResponseDataHandlerMimeTypetext/abc として指定した場合、要求ビジネス・オブジェクトとして定義する子オブジェクトは、abc MIME タイプを処理できるカスタム・データ・ハンドラーとの互換性を持つ必要があります。

Request-Response データ・ハンドラーのビジネス・オブジェクト定義の作成

このセクションでは、Request-Response データ・ハンドラーの要件に適合する構造を表すビジネス・オブジェクト定義の作成方法について説明します。Business Object Designer Express を使用して、必要に応じてビジネス・オブジェクト定義から属性を追加または削除し、属性プロパティーを編集します。

要求/応答ビジネス・オブジェクト構造の理解 で説明したように、Request-Response データ・ハンドラーでは次のビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。

トップレベル・ビジネス・オブジェクト定義の作成

Request-Response データ・ハンドラー用のトップレベル・ビジネス・オブジェクト定義を作成するには、Business Object Designer Express を使用して手動でビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。

  1. トップレベル・ビジネス・オブジェクト定義を作成します。

    このトップレベル・ビジネス・オブジェクト定義の構造については 、トップレベル・ビジネス・オブジェクトを参照してください。

  2. トップレベル・ビジネス・オブジェクトに、子ビジネス・オブジェクトを作成します。トップレベル・ビジネス・オブジェクト内で、表 33 に示すビジネス・オブジェクトの子オブジェクト属性を作成します。

    表 33. Request-Response データ・ハンドラー用のビジネス・オブジェクト
    属性 ビジネス・オブジェクト
    要求ビジネス・オブジェクト 要求に関する情報が含まれます。 要求ビジネス・オブジェクト
    応答ビジネス・オブジェクト 要求の応答に関する情報が含まれます。 応答ビジネス・オブジェクト

その他のビジネス・オブジェクト定義の作成

要求および応答ビジネス・オブジェクト定義を作成するには、次のいずれかの方法を使用できます。

Copyright IBM Corp. 2004