コラボレーション・オブジェクトの管理

通常、コラボレーション・オブジェクトの管理には、コラボレーション・オブジェクトの実行、一時停止、停止、シャットダウンなどのタスクが含まれます。コラボレーション・オブジェクトの構成方法については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。

コラボレーション・オブジェクトの実行、一時停止、停止、およびシャットダウンは、System Monitor または 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの System Manager から行うことができます。

このセクションの内容は次のとおりです。

"コラボレーション・オブジェクトの状態の表示"

コラボレーション・オブジェクトの開始、停止、および一時停止

"コラボレーション・オブジェクト・ランタイム・プロパティーの構成"

コラボレーション・オブジェクトの状態の表示

System Monitor にログオンしてコラボレーション・オブジェクト情報を含むビューを開くか、System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューを使用することによって、コラボレーション・オブジェクトの状態を表示させることができます。System Monitor にログオンするには、System Monitor へのログオン手順の手順に従います。System Manager を使用する際は、InterChange Server Express インスタンスへの接続手順の説明に従ってください。

コラボレーション・オブジェクトの状態の表示方法は、使用しているツールに応じて以下のようになります。

System Monitor でのコラボレーション・オブジェクト状態の表示手順

System Monitor でコラボレーション・オブジェクトの状態を表示するには、以下のステップを実行します。

  1. 「システム概要」ビューが表示されていない場合は、System Monitor の左側のペインで、「ビュー」 の下にある「システム概要」リンクをクリックします。システム概要モニターが表示されます (図 11を参照)。

    製品をインストールしたときには、デフォルト・ビューは「システム概要」に設定され、そのビューに含まれるデフォルト・モニターは「システム概要」に設定されます。これらのデフォルトは、モニターのニーズに合わせて変更できます。手順については、システムをモニターするビューの設定を参照してください。

  2. サーバーの名前の横にある三角形をクリックし、システムのコンポーネントのリストを表示します。すべてのコラボレーション・オブジェクトが、その状況、開始時刻、および全稼働時間とともにリスト表示されます (図 29 を参照)。

    図 29. System Monitor、「システム概要」におけるコラボレーション・オブジェクト状況の表示


System Manager でのコラボレーション・オブジェクト状態の表示手順

System Manager でコラボレーション・オブジェクトの状態を表示するには、以下のステップを実行します。

  1. System Manager を開き、表示したいコラボレーション・オブジェクトを含む InterChange Server Express インスタンスに接続します (InterChange Server Express インスタンスへの接続手順を参照)。
  2. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで、InterChange Server Express インスタンスを展開した後、コラボレーション・オブジェクト・フォルダーを展開します。

    展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーの下に、さまざまな状態を示すコラボレーション・オブジェクトが異なる色で表示されます (図 30 を参照)。

図 30. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダー


表 8 は System Monitor と、「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで表示可能なコラボレーション・オブジェクトの状態について説明しています。

表 8. コラボレーション・オブジェクトの状態
コラボレーション・オブジェクトの状況 説明
開始 開始されたコラボレーションは、それが起動するビジネス・オブジェクトにサブスクライブします。このコラボレーションは、ビジネス・オブジェクトが届いた時点で、それらのビジネス・オブジェクトを処理します。InterChange Server Express を停止してから再始動すると、開始状態のコラボレーション・オブジェクトは InterChange Server Express の再始動時に自動的に実行を開始します。
一時停止 一時停止されたコラボレーションは、新しいフロー・イニシエーターを受信できません。すべての現行処理を完了してからアイドル状態に入ります。

コネクターは、そのサブスクリプション情報を保守します。つまり、コネクター・キューにフロー・イニシエーターを送り続けます。これらのイニシエーターは、コラボレーションが再開されたときに処理します。

コラボレーションの実行を再開するには、System Monitor または「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの「コラボレーション・オブジェクト」メニューで「開始」をクリックします。

停止 コラボレーションを停止します。これによりビジネス・オブジェクトをアンサブスクライブします。コラボレーションは、すべての現行処理を完了してから非アクティブになります。「停止」コマンドは、「一時停止」コマンドと異なり、コネクターからコラボレーションへのビジネス・オブジェクトの送信を停止します。

フローを絶つことなくコラボレーションを適切に停止するには、まずポーリング状態の関連するコネクターを停止し、すべてのフローを処理できるようにします。その後、コラボレーションを停止してください。

シャットダウン コラボレーションをシャットダウンすると、現行フローの処理が直ちに終了します。コラボレーションが再始動されると、シャットダウンによって中断されていたフローが処理され、キューの中で待ち状態にあったフローが回復されて、システムが回復します。この回復は直ちに完了せず、システムが完全に回復するまで待つ必要があります。

注:
コラボレーション・グループに属するコラボレーション・オブジェクトを停止またはシャットダウンすると、そのグループ内のすべてのコラボレーションが停止またはシャットダウンします。コラボレーション・グループのいずれかのメンバーを開始できない場合、またはいずれかのメンバーの状態変更に失敗した場合、そのコラボレーション・グループは初期状態までロールバックされます (使用不能になるか停止する)。

コラボレーション・オブジェクトの開始、停止、および一時停止

コラボレーション・オブジェクトを初めて実行する場合は、そのコラボレーション・オブジェクトを構成してから開始する必要があります。コラボレーションの構成方法については、"コラボレーション・オブジェクト・ランタイム・プロパティーの構成"を参照してください。コラボレーション・オブジェクトを実行、停止、および一時停止する方法は、使用しているツールによって異なります。

System Monitor でコラボレーション・オブジェクトを始動、停止、および一時停止する手順

System Monitor でコラボレーション・オブジェクトを始動、停止、および一時停止するには、以下のステップを実行します。

  1. 「システム概要」ビュー (図 25 を参照) で、コラボレーション・オブジェクトの左側にあるチェック・ボックスを選択して、目的のコラボレーション・オブジェクトを選択します。
  2. ビューの左上隅のアイコン・グループから「開始」、「一時停止」、または「停止」アイコンをクリックします (図 27 を参照)。

System Manager でコラボレーション・オブジェクトを始動、停止、および一時停止する手順

System Manager でコラボレーション・オブジェクトを始動、停止、および一時停止するには、以下のステップを実行します。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューのコラボレーション・オブジェクト・フォルダーに移動します。
  2. コラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「CollaborationName の始動」、「CollaborationName の一時停止」、または「CollaborationName の停止」を選択します。

コラボレーション・オブジェクト・ランタイム・プロパティーの構成

このセクションでは、実動環境におけるシステム管理タスクと、以下の手順について説明します。

"コラボレーション・オブジェクトの一般プロパティーの設定手順"

"イベント起動型並行フローを処理するようにコラボレーション・オブジェクトを構成する手順"

コラボレーション・オブジェクトのフロー制御の構成手順

以下の作業の詳細については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。

コラボレーション・オブジェクトの一般プロパティーの設定手順

コラボレーションの「プロパティー」ウィンドウを開き、コラボレーション・オブジェクトの一般プロパティーの値を変更するには、以下のステップを実行します。

  1. System Manager にある「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダーを展開します。
  2. コラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」をクリックします。
  3. 「プロパティー」ダイアログ・ボックスで「コラボレーションの一般プロパティー」タブをクリックします。図 31を参照してください。

図 31. 「プロパティー」ダイアログ・ボックス、「コラボレーションの一般プロパティー」タブ


このダイアログ・ボックスには、コラボレーション・オブジェクトの生成元であるテンプレートと、コラボレーション・テンプレートに指定されていた最小トランザクション・レベルが表示されます。

このダイアログ・ボックスでは、以下の値を設定できます。

イベント起動型並行フローを処理するようにコラボレーション・オブジェクトを構成する手順

並行イベントの処理の詳細については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。

ヒント:
コラボレーションでイベントにより起動されたフローを並行処理すると、必要なシステム・リソースが増加します。パフォーマンスを最大にするため、並行イベントを扱うのに使用されるシステム・リソースがアイドル状態にならないようにしてください。例えば、コラボレーション・キューが最大 4 つのイベントを処理するよう設定されているときに、起動された並行イベントの最大数のオプションを 10 に設定しないでください。

コラボレーションの並行フローの最大数を設定するには、以下のステップを実行してください。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで、変更するコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」をクリックします。「プロパティー」ダイアログ・ボックスが表示されます (図 31 を参照)。
  2. 「コラボレーションの一般プロパティー」タブで、「並行イベントの最大数」フィールドに値を入力します。
  3. 「OK」をクリックして変更内容を保管し、ウィンドウを閉じます。
  4. 変更内容を有効にするため、コラボレーションを再始動します。

コラボレーション・オブジェクトのフロー制御の構成手順

フロー制御は、コネクターおよびコラボレーション・オブジェクト・キューのフローを管理できる構成可能なサービスです。フロー制御を構成するパラメーターは、システム全体、個々のコンポーネント、またはその両方について構成できます。両方を構成した場合は、個々のコンポーネント構成がシステム全体の構成より優先されます。システム全体のフロー制御を構成する手順については、システム全体のフロー制御の構成手順を参照してください。このセクションでは、コラボレーション・オブジェクトのフロー制御を構成する方法について説明します。

注:
個々のコネクターまたはコラボレーション・オブジェクトの構成変更は動的であり、InterChange Server Express をリブートする必要はありません。フロー制御用のシステム全体の構成変更を行った場合は、InterChange Server Express をリブートする必要があります。

システム内でのフロー制御の動作をモニターするには、フロー制御モニター、および System Monitor の一部として提供されるビューを表示するか、System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューでコラボレーション・オブジェクトまたはコネクターの統計を表示します。フロー制御モニター、および System Monitor のビューの使用方法については、デフォルト・モニターの検討手順およびデフォルト・ビューの使用手順を参照してください。System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューでフロー制御を表示する方法については、コラボレーション・オブジェクト統計の表示手順、または コネクター統計の表示手順を参照してください。

コラボレーション・オブジェクトのフロー制御を構成するには、以下のステップを実行します。

  1. System Manager にある「InterChange Server コンポーネント管理」ビューにあるコラボレーション・オブジェクト・フォルダーを展開します。
  2. フロー制御を作成したいコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」をクリックします。「プロパティー」ダイアログ・ボックスが表示されます (図 31 を参照)。
  3. 「コラボレーションの一般プロパティー」タブで「最大イベント容量」フィールドの値を編集し、コラボレーション・オブジェクトについてキューに入れるイベントの最大数を指定します。このプロパティーの値の有効な範囲は 1 から 2147483647 です (1 と 2147483647 を含む)。
  4. 「OK」をクリックします。プロパティーは直ちに変更されます。

長期存続ビジネス・プロセスのタイムアウト属性の再構成手順

長期存続ビジネス・プロセスにより、コラボレーション・オブジェクトを長期存続ビジネス・プロセスとして展開できます。コラボレーション・オブジェクトが長期存続ビジネス・プロセスで構成されている場合は、サービス呼び出しタイムアウト値を実行時に再構成できます。長期存続ビジネス・プロセスを持つコラボレーション・オブジェクトの開発については、「コラボレーション開発ガイド」を参照してください。

長期存続ビジネス・プロセスを持つコラボレーションのサービス呼び出しタイムアウト値を再構成するには、以下のステップを実行します。

  1. 「InterChange Server コンポーネント管理」ビューの展開されたコラボレーション・オブジェクト・フォルダーで、サービス呼び出しタイムアウト値を編集するコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「プロパティー」をクリックします。「プロパティー」ダイアログ・ボックスが表示されます。
  2. 「プロパティー」タブをクリックして、変更するサービス呼び出しタイムアウト値を表すプロパティーを探し、値フィールドをクリックします。プロパティーが選択されたら、値を編集できます。
    注:
    サービス呼び出しタイムアウト構成プロパティーの名前は「CreateTimeout」や「RetrieveTimeout」などになっていますが、このプロパティーの命名規則は決められていないため、サービス呼び出しタイムアウト構成プロパティーの名前がすぐにわからない場合は、コラボレーションの開発者に問い合わせてください。
  3. 値を編集し、許可するタイムアウトを分単位で指定します。
    注:
    「値」フィールドには 0 より大きい整数を設定します。このフィールドが 0 またはブランクの場合は、待ち時間は無制限となります。数値以外の値を含む場合は、コラボレーション・ランタイム例外を引き起こします。
  4. 「OK」をクリックします。変更内容は直ちに有効になります。InterChange Server Express を再始動する必要はありません。

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