ビジネス・オブジェクト定義の生成

このセクションでは、Business Object Designer Express 内で JD Edwards OneWorld ODA を使用してビジネス・オブジェクト定義を生成する方法を説明します。Business Object Designer Express の起動および使用については、「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」を参照してください。

ODA の始動

Windows での ODA の始動

ODA は、メタデータ・リポジトリー (IDL ファイル) が存在するファイル・システムをマウント可能な任意のマシンから実行できます。実行には、Windows 2000 の始動ファイル start_OneWorldODA.bat を使用します。この始動ファイルには、必要な OneWorld .jar ファイルおよび Connector .jar ファイルへのパスなどの始動パラメーターが記述されています。

OneWorld 対応の ODA のデフォルト名は、OneWorldODA です。この名前は、始動スクリプト (start_OneWorldODA.bat) 内の AGENTNAME を変更することによって変更できます。

ODA を始動するには、次のコマンドを実行します。

start_OneWorldODA

OS/400 での ODA の始動

ODA を始動するには、 /QIBM/UserData/WBIServer43/<instance_name>/ODA/OneWorld/ start_OneWorldODA.sh の ODA 始動スクリプトを変更する必要があります。

JAR_DIR ディレクトリーを設定する行は、Kernel.jar と Connector.jar がコピーされた場所に変更する必要があります。

JD Edwards Oneworld からコピーされた JAR ファイルのパスを入力します。

OS/400 で ODA を始動するには、次のいずれかの方法を使用します。

Business Object Designer Express の実行

Business Object Designer Express では、ODA を使用してビジネス・オブジェクト定義を生成するステップをユーザーに示すウィザードを提供しています。以下に示すステップがあります。

エージェントの選択

  1. Business Object Designer Express 始動します。
  2. 「ファイル」>「ODA を使用して新規作成」 をクリックします。「ビジネス・オブジェクト・ウィザード - ステップ 1/6 - エージェントの選択」画面が表示されます。
  3. 「検索されたエージェント」リストで ODA/AGENTNAME (start_OneWorldODA スクリプトから) を選択し、「次へ」をクリックします。(必要なエージェントがリストされていない場合は「エージェントの検索」 をクリックする必要があります。)

    図 2. 「エージェントの選択」画面

エージェントの構成

「次へ」をクリックすると、「ビジネス・オブジェクト・ウィザード - ステップ 2/6 - エージェントの構成」画面が表示されます。図 3 では、この画面をサンプル値とともに示しています。



図 3. 「エージェントの構成」画面

この画面で設定するプロパティーを、表 4 で説明します。この画面で入力したすべての値をプロファイルに保管することができます。次回 ODA を実行するときに、プロパティー・データを再入力しなくても、ドロップダウン・メニューからプロファイルを選択するだけで、保管された値を再利用できます。それぞれ指定された値の組み合わせが異なる複数のプロファイルを保管することも可能です。


表 4. 「エージェントの構成」プロパティー
プロパティー名 デフォルト値 タイプ 説明
BOPrefix なし String 生成するビジネス・オブジェクトの名前に ODA が追加するプレフィックス。
JarFileDirectory なし String (必須) .jar ファイルが配置されているディレクトリー。アダプターを使用して起動する必要のあるビジネス関数を含む .jar ファイルはすべて、このディレクトリーに配置しなければなりません。
TraceFileName なし String トレース・メッセージ・ファイルの名前。例えば OneWorldODAtrace.txt など。
TraceLevel 5 Integer (必須) エージェントのトレース・レベル (0 から 5)。トレース・レベルの詳細については、トレースを参照してください。
MessageFile なし String (必須) ODA が表示するすべてのメッセージを記述したメッセージ・ファイルの名前。OneWorld の場合、このファイルの名前は BIA_OneWorldODAAgent.txt となります。メッセージ・ファイルの名前を正しく指定しなかった場合、ODA はエラーを生成します。

  1. ODA で新規プロファイルを作成したい場合は、任意の時点で、「プロファイル」グループ・ボックス内の「新規」ボタンおよび「保管」ボタンを使用します。ODA を再び使用するときには、既存のプロファイルを選択することができます。
  2. 表 4 に定義されているように、各プロパティーの値を入力します。
    注:
    プロファイルを使用する場合、プロパティー値はプロファイルから取り込まれますが、必要に応じて値を変更することができます。新規の値を保管することも可能です。

ビジネス・オブジェクトの選択

図 4 に示すように、「ビジネス・オブジェクト・ウィザード - ステップ 3/6 - ソースの選択」画面が表示されます。

生成するオブジェクトの選択に関連する規則を以下にリストします。

この画面にリストされる OneWorld オブジェクトの中で、上位オブジェクトの子オブジェクトであるものを判別するには、オリジナルの GenJava ファイルを参照してください。また、この画面にリストされるすべての OneWorld オブジェクトを選択して、それぞれに対応するオブジェクトを生成することもできます。生成されたビジネス・オブジェクトは、親子関係を反映します。

図 4. 「ソースの選択」画面

  1. 必要であれば、OneWorld モジュールを展開して、サブオブジェクトのリストを表示します。
  2. 使用する OneWorld オブジェクトを選択します。
  3. 「次へ」をクリックします。

オブジェクト選択の確認

ビジネス・オブジェクト・ウィザード - ステップ 4/6 - ビジネス・オブジェクト定義のソース・ノードの確認」画面が表示されます。ここで選択したオブジェクトが示されます。

ODA を用いて生成したビジネス・オブジェクトについては、ビジネス・オブジェクトを保管する前に、Business Object Designer Express 内でキー・フィールドに手動でマークを付ける必要があります。ODA は、属性をキー・フィールドとしてマーク付けすることはありません。



図 5. 「ソース・ノードの確認」画面

変更するには「戻る」をクリックし、リストが正しいことを確認するには「次へ」をクリックします。

ビジネス・オブジェクト・ウィザード - ステップ 5/6 - ビジネス・オブジェクトの生成中...」画面が表示され、そこに、ウィザードがビジネス・オブジェクトを生成していることを示すメッセージが表示されます。

個別ウィンドウで、選択したビジネス・オブジェクトを開くオプションをチェックします。

ビジネス・オブジェクト情報の指定

ビジネス・オブジェクトの作成後に、そのオブジェクトで有効な動詞、オブジェクトでの指定された動詞のメソッド・シーケンス、ビジネス・オブジェクト・レベル ASI、および属性レベル ASI を指定することができます。このセクションでは、ODA を Business Object Designer Express とともに使用して、この情報を指定する方法を説明します。これらの情報のカテゴリーと、JD Edwards OneWorld コネクター内のビジネス・オブジェクト構造での役割の詳細については、ビジネス・オブジェクトの理解を参照してください。

動詞の選択

Business Object Designer Express で、ビジネス・オブジェクト作成を完了してから別個のウィンドウで開いたときに最初に表示される画面は、「BO プロパティー - コンポーネントの動詞を選択してください (BO Properties - Select Verbs for component)」画面です。図 6 は、AddressBook ビジネス・オブジェクトに対応するこの画面を示します。

図 6. 「コンポーネントの動詞を選択してください」画面

この画面で、ビジネス・オブジェクトがサポートする動詞を指定します。動詞の名前を入力してそれらを「;」で区切ると、特定のビジネス・オブジェクトに必要な動詞を指定できます。動詞の名前は「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」で指定されている命名規則に合っている必要があります。

WebSphere Business Integration Server Express Plus で使用される標準の動詞は、CreateRetrieveDelete、および Update です。OneWorld コネクター用のビジネス・オブジェクト動詞 ASI の詳細については、動詞 ASIを参照してください。

動詞 ASI の指定

選択した動詞ごとに、ビジネス関数が動詞を実行する指定の順序で、個別のウィンドウが表示されます。

図 7 は、図 4 および図 5 で作成された AddressBook ビジネス・オブジェクトの Retrieve 動詞のこの画面を示します。



図 7. 動詞メソッド・シーケンスの設定

  1. MethodSequence プロパティーの「値」リスト内で、その動詞で最初にビジネス・オブジェクトに実行させたいメソッドをクリックします。図 7 では、メソッド・シーケンスは以下のようになっています。

    動詞のビジネス関数シーケンスを指定すると、その動詞に関連付けられた動詞 ASI が作成されます。必要な場合、この動詞 ASI は後から変更することができます。

  2. 「OK」をクリックします。

別ウィンドウでのビジネス・オブジェクトのオープン

ビジネス・オブジェクト・ウィザード - ステップ 6/6 - ビジネス・オブジェクトの保管」画面が表示され、そこに、別ファイルにビジネス・オブジェクトのコピーを保管するオプション、別ウィンドウで新規ビジネス・オブジェクトを開くオプション、および OneWorld ODA をシャットダウンするオプションが示されます。別ウィンドウで新規ビジネス・オブジェクトを開くオプションを選択したときに、Business Object Designer Express が表示するウィンドウの中で、それらのビジネス・オブジェクトの属性を変更できます。



図 8. 「ビジネス・オブジェクトの保管」画面

Business Object Designer Express の個別ウィンドウで、ビジネス・オブジェクトを開く必要があります。トップレベル・ビジネス・オブジェクトのキーを指定した後に、生成されたビジネス・オブジェクト定義をファイルに保管することができます。

別のウィンドウでビジネス・オブジェクトを開くには、次の操作を実行します。

  1. 「別のウィンドウで新規ビジネス・オブジェクトを開く」を選択します。ダイアログ・ボックスが表示されます。
  2. 「完了」をクリックします。それぞれのビジネス・オブジェクトが別々のウィンドウに表示されます。そのウィンドウで、作成したばかりのビジネス・オブジェクトおよびビジネス・オブジェクト動詞の ASI 情報を表示し、設定することができます。詳細については、ビジネス・オブジェクト情報の指定を参照してください。

ビジネス・オブジェクトをファイルに保管するには、次の操作を実行します (親レベルのビジネス・オブジェクト用のキーを指定しておく必要があります) 。

  1. 「ビジネス・オブジェクトのコピーを個別のファイルに保管する」を選択します。ダイアログ・ボックスが表示されます。
  2. 新規ビジネス・オブジェクト定義のコピーを保管したい場所を入力します。

Business Object Designer Express は、ファイルを指定された場所に保管します。

ODA での作業を完了した後、「ODA JD Edwards OneWorld ODA をシャットダウン (Shutdown ODA JD Edwards OneWorld ODA)」をチェックしてから「完了」をクリックすることによって ODA をシャットダウンすることができます。

ODA の停止

Windows での ODA の停止

ODA での作業を完了した後、「ODA JD Edwards OneWorld ODA をシャットダウン (Shutdown ODA JD Edwards OneWorld ODA)」チェック・ボックスを選択してから「完了」をクリックすることによって ODA をシャットダウンすることができます。

OS/400 での ODA の停止

ODA の停止は、始動するのに使用した方法により異なります。

OS/400 での ODA の始動のステップ 1 またはステップ 2 で説明した方法のいずれかを使用して始動した場合は、以下を実行します。

  1. CL コマンド WRKACTJOB SBS(QWBISVR43) を実行します。画面にサブシステムで実行中のすべてのジョブが表示されます。
  2. リストをスクロールして、 ODA のジョブ記述と一致するジョブ名のジョブを見つけます。ODAName JD Edwards OneWorld ODA の場合は、QWBIJDEODA です。
  3. オプション 4 を選択して F4 キーを押し、ENDJOB コマンドのプロンプトを表示して、OPTION パラメーターの *IMMED コマンドを指定します。
  4. Enter キーを押します。

OS/400 での ODA の始動のステップ 3 を使用して ODA を始動した場合は、start_ODAName.sh スクリプトを実行した F3 キーを押します。

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