予定されたインストールに必要なソフトウェア前提条件の状況がいずれも「OK」であれば、WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus のインストールに進むことができます。それには、以下の作業を行います。
- Launchpad の「ソフトウェア前提条件」画面の下部にある「製品のインストール」というラベルのボタンを選択します。
「ソフトウェアご使用条件 (Software License Agreement)」画面が表示されます。
図 9. 「ソフトウェアご使用条件 (Software License Agreement)」画面

- ソフトウェアご使用条件の条件を読み、「ご使用条件に同意します (I accept the terms in the license agreement)」という項目のそばにあるラジオ・ボタンを選択して契約書の条件に同意し、「次へ」を選択します。
「宛先」画面が表示されます。
図 10. 「宛先」画面

- 「宛先」画面で、デフォルトのインストール先 C:¥IBM¥WebSphereServer をそのまま使用するか、別のロケーションを参照して「次へ」を選択します。
- 注:
- ディレクトリー・パスの中にスペースが入らないようにしてください。本書では、インストール・ディレクトリー C:¥IBM¥WebSphereServer は ProductDir と呼ばれます。
次のいずれかの処理が実行されます。
- InterChange Server Express コンポーネントのインストールを選択した場合、インストーラーは、適切な前提条件が存在し、正しく構成されていることを検査するとともに、InterChange Server Express コンポーネントをインストールするマシンに存在するプロセッサーが 2 つ以下であることを確認します。
- 前提条件が満たされていない場合は、エラー・メッセージが表示され、インストールは強制的に取り消されます。
- 前提条件が満たされた場合は、製品のインストールが開始します。この場合、ステップ 5 から手順を続行します。
- InterChange Server Express コンポーネントのインストールを選択しなかった場合は、「ネーム・サーバー構成」画面が表示されます。この場合、ステップ 4 から手順を続行します。
図 11. 「ネーム・サーバー構成」画面

- 「ネーム・サーバー構成」画面で、InterChange Server Express コンポーネントをインストールした (またはインストールする予定の) コンピューターの IP アドレスを入力して、「次へ」を選択します。これにより、インストール・プロセスが開始します。ネーム・サーバーの詳細については、ネーム・サーバーの構成を参照してください。
- インストール・プロセスが開始すると、インストーラーは、インストール用に十分なディスク・スペースがあるかどうかを検査します。
- WebSphere MQ サービスへのリスナーの追加のセクションにある指示に従って、WebSphere MQ サービスにリスナーを追加します。
インストール・プロセスでは、以下の処理が完了しました。
- 製品コンポーネントがインストールされました。
- Toolset Express が使用する Cwtools.cfg ファイルが構成されました。
- InterChange Server Express が使用する InterchangeSystem.cfg ファイルが構成されました。
- WebSphere MQ のキュー・マネージャーが構成されました。
- InterChange Server Express およびアダプターがサービスとして構成されました。
- プラットフォーム固有の構成および登録が提供されました。
- コンテンツが InterChange Server Express に配置されました。
この時点で、WebSphere Business Integration Server Express and Express Plus のファイルとディレクトリーの表示に示すシステムのファイルおよびディレクトリー構造を見ることができます。インストール・プロセスを詳しく記録する、wbi_server_exp_install_log.txt と呼ばれるログ・ファイルは、ProductDir¥log ディレクトリーにあります。
WebSphere Business Integration Server Express and Express Plus をインストールするときは、製品コンポーネントの全部または一部のサブセットをインストールできます。インストール可能なコンポーネントは、Launchpad の左側のパネルの「製品のインストール」ボタンを選択して表示される画面から、あるいはサイレント・インストール時に使用される応答ファイル内から選択できます。
インストールに使用可能なコンポーネントは、使用する Windows プラットフォームによって異なります。インストールされたコンポーネントに対するサポートは、それらのコンポーネントが実稼働環境で使用されるか、開発環境で使用されるかによって異なります。実稼働環境と開発環境の両方の Windows プラットフォームでサポートされている製品コンポーネントの一覧については、表 4 を参照してください。
以下のセクションでは、インストール可能なコンポーネントを Windows オペレーティング・システムごとに説明しています。
InterChange Server Express および Toolset Express コンポーネントの詳細については「システム管理ガイド」、アダプターの詳細については個々のアダプター・ガイドを参照してください。すべての文書は、Web サイト http://www.ibm.com/websphere/wbiserverexpress/infocenter で参照できます。
Windows 2000 システムへのインストール時に、以下のコンポーネントのセットから選択できます。
Windows XP システムへのインストール時に、以下のコンポーネントのセットから選択できます。
Windows 2003 システムへのインストール時に、以下のコンポーネントのセットから選択できます。
Toolset Express コンポーネントまたはアダプターを、WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus の InterChange Server Express コンポーネントとは別のロケーションにインストールする場合、インストーラーはネーム・サーバーを構成する必要があります。このため、ユーザーは、InterChange Server Express を格納する (または格納する予定の) マシンの IP アドレスの入力を求められます。インストーラーは、インストール中に「ネーム・サーバー構成」画面に入力された IP アドレスからこの情報を取得し、それを使用して、ローカル・マシンの ProductDir¥bin¥CWSharedEnv.bat ファイルの ORB_HOST プロパティー値を設定します。
WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus のインストールによってキュー・マネージャーが作成されました。以下の手順に従って WebSphere MQ リスナーを Windows サービスとして追加し、自動始動するように構成する必要があります。
- 「スタート」>「プログラム」>「IBM WebSphere MQ」>「WebSphere MQ Explorer」を選択し、WebSphere MQ Explorer を起動します。
- WebSphere MQ Explorer の左ペインで、該当するキュー・マネージャー名を含むキュー・マネージャー・フォルダーを選択します。右ペインの「Queue Manager Status」に、キュー・マネージャーの状況が「Running」と表示されます。表示されない場合は、右ペインのキュー・マネージャー名を右マウス・ボタンでクリックし、ドロップダウン・リストから「スタート」を選択します。「Queue Manager Status」が「Running」に変わります。
- WebSphere MQ Services を開きます。それには、右ペインのキュー・マネージャー名を右マウス・ボタンでクリックし、ドロップダウン・リストから「すべてのタスク」>「サービス」を選択してください。
- 「MQServices」ウィンドウの左ペインで、「Console
Root」ツリーの下の「WebSphere MQ Services」を展開し、キュー・マネージャーを選択します。
右ペインには、特定キューとして、Queue Manager、Command Server、および Channel Initiator の 3 項目がリスト表示されます。Channel Initiator が表示されない場合は、以下の手順を実行してください。
- 「MQServices」ウィンドウの左ペインで、「Console
Root」ツリーの下のキュー・マネージャー名を右マウス・ボタンでクリックします。
- ドロップダウン・リストから、「新規」>「Channel Initiator」を選択します。
- 「Create Channel Initiator Service」ダイアログで、デフォルト値をそのまま使用し、「OK」を選択します。
- 各項目を右マウス・ボタンでクリックし、「すべてのタスク」>「自動」を選択して、始動モードを「自動」に構成します。
- これらのサービスのいずれかが実行されていない場合は、各サービスを右マウス・ボタン・クリックし、「すべてのタスク」>「開始」を選択して、手動で始動します。
- 左ペインの「Console Root」ツリーの下で、キュー・マネージャー名を右マウス・ボタン・クリックし、ドロップダウン・リストから「新規」>「Listener」を選択して、リスナーを追加します。
- 「Create Listener Service」ダイアログ・ボックスの「パラメーター」タブで、プロトコルに「TCP」 を選択し、ポート番号に「1414」を選択し、「OK」を選択します。
各リスナーに固有のポート番号を使用する必要があります。デフォルトの 1414
とは別の番号をポートに割り当てて「OK」を選択します。
- リスナーを右マウス・ボタンでクリックし、「すべてのタスク」>「自動」を選択して、リスナーを自動始動するように構成します。
- リスナーを右マウス・ボタンでクリックし、「すべてのタスク」>「開始」を選択して、リスナーを手動で始動します。
- 「MQServices」ウィンドウと「IBM WebSphere MQ Explorer」を閉じます。変更を保管するかどうかを確認するプロンプトが表示されたら、「はい」をクリックします。
- マシンを再始動する場合:
- マシンを再始動する必要はありませんが、再始動する場合は、以下の手順に従って Channel Initiator および Listener が始動していることを確認します。
- 「スタート」>「プログラム」>「IBM WebSphere MQ」>「WebSphere MQ Services」を選択します。(あるいは、タスクバーにある「WebSphere MQ」アイコンを右マウス・ボタンでクリックして「WebSphere MQ Services」を選択します。)
- 「MQServices」ウィンドウで、Channel Initiator が稼動していること、および自動始動に設定されていることを確認します。Channel Initiator が稼動しており、自動始動に設定されている場合は、ステップ 3 に進みます。それ以外の場合は、以下の手順を実行します。
- Channel Initiator が稼動していない場合は、System Manager の右ペインで Channel Initiator を右マウス・ボタン・クリックし、「すべてのタスク」>「開始」を選択します。
- Channel Initiator が自動始動に設定されていない場合は、System Manager の右ペインで Channel Initiator を右マウス・ボタンでクリックし、「すべてのタスク」>「自動」を選択します。
- 「MQServices」ウィンドウで、Listener が稼動していること、および自動始動に設定されていることを確認します。Listener が稼動しており、自動始動に設定されている場合は、「MQServices」ウィンドウを閉じます。それ以外の場合は、以下の手順を実行します。
- Listener が稼動していない場合は、以下の手順を実行します。
- System Manager の右ペインで Listener を右マウス・ボタン・クリックし、「プロパティー」を選択します。
- 「パラメーター」タブで、「プロトコル」フィールドには「TCP」を、ポートには「1414」を選択します。次に、「OK」を選択します。
- System Manager の右ペインで Listener を右マウス・ボタン・クリックし、「すべてのタスク」>「開始」を選択します。
- Listener が自動始動に設定されていない場合は、System Manager の右ペインで Listener を右マウス・ボタンでクリックし、「すべてのタスク」>「自動」を選択します。
WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus のインストールが完了したら、結果のファイル・システムとその内容を表示できます。ディレクトリーは、デフォルトで C:¥IBM¥WebSphereServer ディレクトリー (本書では ProductDir と呼ぶ) の下に配置されます。
- 注:
- ProductDir に表示されるファイルおよびディレクトリーは、インストール時に選択したコンポーネントと使用中の Windows プラットフォームによって決まります。ご使用の環境にあるファイルおよびディレクトリーは、以下にリストするファイルおよびディレクトリーとは異なります。
表 1. Windows 2000 システムでの WebSphere Business Integration Server Express and Express Plus インストールのディレクトリー構造
ディレクトリー名
| 内容
|
- _uninstWBIServerExp (WebSphere Business Integration Server Express インストール)
- _uninstWBIServerExpPlus (WebSphere Business Integration Server Express Plus インストール)
| このディレクトリーには、WebSphere Business Integration
Server Express または Express Plus を削除するときに使用する Java 仮想マシン (JVM) および uninstaller.exe ファイルが格納されています。
|
_uninstZip
| このディレクトリーには、インストール中に unzip されたすべてのファイルのリストがあります。
|
bin
| このディレクトリーには、システムが使用する実行可能ファイル、.dll ファイル、および .bat ファイルがあります。
|
collaborations
| このディレクトリーには、インストールされたコラボレーションの .class ファイルやメッセージ・ファイルを格納するサブディレクトリーがあります。
|
connectors
| このディレクトリーには、システムの各アダプターに固有のファイルがあります。アダプターがサポートするアプリケーションにインストールする必要があるアダプター固有ファイルもあります。
|
DataHandlers
| このディレクトリーには、システムが使用するデータ・ハンドラーの .jar ファイルがあります。
|
DevelopmentKits
| このディレクトリーには、開発者がさまざまなシステム・コンポーネントを作成する際に役立つサンプル・ファイルがあります。提供サンプルには、Server Access for EJB、Server Access for J2EE
Connector Architecture、コネクター (C++ および Java)、Object Discovery
Agents などがあります。
|
DLMs
| このディレクトリーには、Dynamic Loadable Module (DLM)、および InterChange Server Express マップに関するその他のファイルを格納するサブディレクトリーがあります。
|
jre
| このディレクトリーには、IBM Java ランタイム環境 (JRE) ファイルがあります。
|
legal
| このディレクトリーにはライセンス・ファイルがあります。
|
lib
| このディレクトリーにはシステム用の .jar ファイルがあります。
|
log
| このディレクトリーには、インストールまたはアンインストール時に表示されるエラーや警告がすべて格納されているログ・ファイルがあります。
ファイル名は wbi_server_exp_install_log.txt です。
|
messages
| このディレクトリーには、生成されたメッセージ・ファイルがあります。
|
mqseries
| このディレクトリーには WebSphere
MQ 固有のファイル (一部実行可能ファイルを含む) があります。
|
ODA
| このディレクトリーには、各エージェントのオブジェクト・ディスカバリー・エージェント .jar ファイルおよび .bat ファイルがあります。
|
repository
| このディレクトリーには、システム・コンポーネントの定義があります。
|
Samples
| このディレクトリーには、ベンチマーク・サンプル用のコンポーネント定義、およびコラボレーション用のサンプル・メール・ファイルがあります。
|
src
| このディレクトリーには、相互参照用の Relationship Service API のサンプルがあります。
|
templates
| このディレクトリーには、start_connName.bat ファイルがあります。
|
Tools
| このディレクトリーには、インストール時に選択された Workbench ファイルがあります。
|
WBFEM
| このディレクトリーには、Failed Event Manager ファイルがあります。
|
WBSM
| このディレクトリーには System Monitor ファイルがあります。
|
WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus をインストールした後に、追加コンポーネントをインストールすることができます。これを行うには、Launchpad の左側のパネルから「製品のインストール」ボタンを選択します。これにより Launchpad には、インストールするコンポーネントを選択する画面が表示されます (詳細は、必要なソフトウェア前提条件の識別を参照)。特定の画面から一部のコンポーネントをすでにインストールした場合、選択画面は表示されますが、すでにインストールされたコンポーネントの横のチェック・ボックスは使用不可になります。
Launchpad は、新規 WebSphere Business Integration Server Express または Express Plus コンポーネントのインストールと同様に、追加ソフトウェア前提条件が必要かどうかを新規の選択内容に基づいて決定し、そのインストールをガイドします。
