概要

FixedWidth データ・ハンドラーは、データ変換モジュールです。主に、ビジネス・オブジェクトを固定幅フィールド形式のストリングまたはストリームに変換し、また逆の変換を行います。固定幅ストリングまたはストリームは、text/fixedwidth MIME タイプの直列化データです。

データ・ハンドラーは、固定幅フィールドを用いたテキスト・データを構文解析します。フィールド長は、各ビジネス・オブジェクト属性の MaxLength プロパティーで指定されています。 このプロパティーの値は、ビジネス・オブジェクト定義に格納されています。

デフォルトのトップレベル・コネクターのメタオブジェクト (MO_DataHandler_Default ) は、text/fixedwidth MIME タイプをサポートします。そのため、MO_DataHandler_Default データ・ハンドラー・メタオブジェクトをサポートするように構成されたコネクターは、FixedWidth データ・ハンドラーを呼び出すことができます。アクセス・クライアントがこのデータ・ハンドラーを呼び出すことができるようにするためには、text/fixedwidth MIME タイプをサポートするように MO_Server_DataHandler メタオブジェクトを変更する必要があります。詳細については、トップレベルのメタオブジェクトの変更を参照してください。

FixedWidth データ・ハンドラーの機能

FixedWidth データ・ハンドラーは、ビジネス・オブジェクト定義内の属性の MaxLength プロパティーの値を使用して、データを読み書きする方法を決定します。 MaxLength は、右そろえまたは左そろえのための埋め込みも含めた属性値の最大文字数を定義します。

桁そろえのためにデータに追加またはデータから除去するスペースに使用する埋め込み文字を構成することができます。

埋め込み文字は、ビジネス・オブジェクトをストリングに変換するときに追加され、ストリングをビジネス・オブジェクトに変換するときに除去されます。また、左そろえ、または右そろえされるように、ビジネス・オブジェクト属性値の桁そろえを構成することもできます。これにより、属性値データが意味のある文字を保存できるようになります。Alignment メタオブジェクト属性の値を表 35 で説明します。


表 35. 桁そろえメタオブジェクト属性の値
説明
LEFT 左側をトリムし、右側をパッドします。
RIGHT 右側をトリムし、左側をパッドします。
BOTH ストリングをビジネス・オブジェクトに変換するときに、左右両側をトリムします。ビジネス・オブジェクトをストリングに変換するときは、埋め込み文字で右側をパッドします。

さらに、Truncation メタオブジェクト属性を使用すれば、ビジネス・オブジェクト値を MaxLength に切り捨てるか、または属性値が MaxLength よりも長いストリングであればエラーを生成するように、FixedWidth データ・ハンドラーを構成することができます。 ビジネス・オブジェクト名、動詞、およびカーディナリティー 1 または n の子オブジェクトのビジネス・オブジェクト・カウントに用いられる長さ (サイズ) を設定することもできます。

ストリング属性の MaxLength プロパティーの値を設定するには、Business Object Designer Express を使用します。他のタイプ (整数、倍精度浮動小数点数など) の MaxLength プロパティーの値を変更するには、ビジネス・オブジェクト定義をファイルに保存し、そのファイルを手動で編集した後、変更した定義をビジネス・インテグレーション・システムにインポートする必要があります。

ビジネス・オブジェクトと FixedWidth ストリング処理

FixedWidth データ・ハンドラーは、表 36 に示す操作を実行します。

表 36. FixedWidth データ・ハンドラーのデータ操作
データ・ハンドラー操作 詳細
呼び出し元からビジネス・オブジェクトを受け取り、ビジネス・オブジェクトを FixedWidth ストリングまたはストリームに変換し、その FixedWidth データを呼び出し元に渡します。 FixedWidth 文書へのビジネス・オブジェクトの変換
呼び出し元からストリングまたはストリームを受け取り、ビジネス・オブジェクトを作成し、そのビジネス・オブジェクトを呼び出し元に返します。 ビジネス・オブジェクトへの FixedWidth 文書の変換

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