以降のセクションでは、コネクターがビジネス・オブジェクト要求を処理する方法、構成のためにメタオブジェクトを使用する方法、およびコネクターがイベント通知を処理する方法について説明します。
コネクターは、要求/応答動作により、コネクターと URL の間でデータをやり取りします。コネクターは InterChange Server Express からビジネス・オブジェクト要求を受け取り、この要求を XML ストリームに変換します。要求ストリームは、POST メソッドにより URL に渡されます。戻される応答ストリームは、内容が同様な場合と異なる場合とがあります。応答ストリームは応答ビジネス・オブジェクトに変換され、当初のトップレベルのビジネス・オブジェクトと共に InterChange Server Express に戻されます。ビジネス・オブジェクト要求のタイプは、ビジネス・オブジェクト応答のタイプと異なる場合もあるので注意してください。
以下に、要求/応答サイクルの全体を示します。
InterChange Server Express からビジネス・オブジェクト要求を受け取ったコネクターは、この要求を、適切なプロトコルを使用して渡すことのできる要求ストリームに変換する必要があります。要求ビジネス・オブジェクトの変換と URL への送信には、プロトコル・ハンドラーと XML データ・ハンドラーが使用されます。
図 3 に要求プロセスを示します。
特に、コネクターがトップレベル・ビジネス・オブジェクトを InterChange Server Express から受け取った場合の処理フローは次のようになります。
同期式プロトコル・ハンドラーを使用している場合、応答ビジネス・オブジェクトが URL から戻るとき、応答ストリームの形式で戻ります。非同期式プロトコル・ハンドラーを使用している場合には、戻りコードがそのまま戻ります。応答処理は要求処理と同様ですが、応答ストリームをビジネス・オブジェクトに変換して戻す必要のある点が違います。
図 4 に、応答ビジネス・オブジェクトがコネクターに戻る処理フローを示します。
特に、プロトコル・ハンドラーが URL から応答ストリームを受け取ったとき、MIME タイプが text/xml の場合の処理フローは次のようになります。
応答ストリームのデータ形式は、当初の要求ビジネス・オブジェクト内のデータ形式と異なる場合があります。
イベント通知では、コネクターは、ビジネス・オブジェクトを使用して、URL からイベントを取り込みます。コネクターは、応答 XML 文書として戻った要求 XML 文書を送ることにより、URL のポーリングを実行します。応答には、コネクターからイベントとして InterChange Server Express に渡された子ビジネス・オブジェクトが格納されています。各子ビジネス・オブジェクトは、1 つのイベントとして処理されます。非同期プロトコル・ハンドラーはイベント通知をサポートしていません。
イベント通知用のビジネス・オブジェクトは、XML ビジネス・オブジェクトの要求および応答ビジネス・オブジェクトと同じビジネス・オブジェクト処理操作に従います。アンサブスクライブされたイベントはすべてファイルにアーカイブされます。このアーカイブの形式は、WebSphere Business Integration Server Express Adapters の標準ビジネス・オブジェクト・ダンプ形式です。
イベント通知を有効にするには、イベント通知ビジネス・オブジェクトを定義し、これらのビジネス・オブジェクトの処理のために URL (Web サーブレットや cgi-bin スクリプトなど) を設定することが必要です。コネクターは、POST メソッドを使用して、XML イベント要求文書をストリームとして URL に送ります。URL は XML 文書を STDIN からのストリームとして読み取り、1 つ以上のイベント・オブジェクトを格納した XML 文書をストリームとして STDOUT に書き込みます。
図 5 に、イベント通知の基本プロセスを示します。
ビジネス・オブジェクトの定義の詳細については、コネクター用ビジネス・オブジェクトの開発を参照してください。
コネクターは国際化され、2 バイト文字セットをサポートし、特定の言語でメッセージ・テキストを配信できるようになっています。コネクターは、1 つの文字コードを使用する場所から別のコード・セットを使用する場所にデータを転送するとき、データの意味を保存するように文字変換を実行します。Java 仮想マシン (JVM) 内での Java ランタイム環境は、Unicode 文字コード・セットでデータを表します。Unicode には、最も広く知られている文字コード・セット (単一バイトおよびマルチバイトの両方) の文字のエンコードが含まれています。WebSphere Business Integration システムのほとんどのコンポーネントは Java で記述されています。したがって、ほとんどの統合コンポーネントの間でデータが転送されても、文字変換の必要はありません。エラー・メッセージと通知メッセージを適切な言語で適切な国と地域に合わせて記録するには、該当する環境の Locale 標準構成プロパティーを設定します。構成プロパティーの詳細については、付録 A, 標準構成プロパティーを参照してください。