ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報

ビジネス・オブジェクト定義のアプリケーション固有の情報は、ビジネス・オブジェクトの処理方法に関するアプリケーションに依存した指示をコネクターに提供します。この情報には、以下の内容が含まれます。

アプリケーション固有ビジネス・オブジェクトを拡張または変更する場合は、ビジネス・オブジェクト定義のアプリケーション固有の情報が、コネクターで予期されている構文に一致するようにしてください。

以下のセクションでは、この機能をより詳細に説明します。

トップレベル・ビジネス・オブジェクトの動詞のアプリケーション固有情報

トップレベル・ビジネス・オブジェクトの動詞は、vDynRetBOH ビジネス・オブジェクト・ハンドラーのクラスを指定します。このアプリケーション固有の情報は、必ず次に示すものである必要があります。

sap.bapimodule.vDynRetBOH
 

単純属性のアプリケーション固有の情報

属性のアプリケーション固有の情報は、以下の情報を指定します。

アプリケーション固有情報の書式は、4 つの名前 = 値パラメーターから構成されています。各パラメーターには、パラメーター名とその値が含まれています。各パラメーター・セットは、後続のセットとコロン (:) で区切られます。

属性アプリケーション固有の情報の書式を次に示します。大括弧 ([ ]) で囲まれているのは、オプションのパラメーターです。オプションのセットの各メンバーは、縦棒 (|) で区切られています。コロンは区切り文字なので、省略できません。

TN=TableName:CN=ColumnName:[FK=[..]
    fk_attributeName]:[OP=GT|GE|EQ|NE|LE|LT|LIKE]
 

表 46 に、それぞれの名前 = 値パラメーターの説明を示します。

表 46. 属性アプリケーション固有情報内の名前 = 値パラメーター
パラメーター 説明
TN=TableName データベース表の名前。
CN=ColumnName データベース表列 (フィールド) の名前。
FK=[..]fk_attribute Name このプロパティーの値は、外部キー関係が親ビジネス・オブジェクトに格納されているか、現在のビジネス・オブジェクトに格納されているかによって異なります。

属性が外部キーでない場合は、このパラメーターをアプリケーション固有の情報に含めないでください。

OP=GT|GE|EQ|NE|LE|LT| LIKE オペランド・オプションは次のとおりです。
  • GT-- より大
  • GE-- 以上
  • EQ-- 等しい (デフォルト・オプション)
  • NE-- 等しくない
  • LE-- 以下
  • LT-- より小
  • LIKE-- 類似

パフォーマンスを最大化するために、EQ を指定することをお勧めします。オペランドが指定されていない場合、コネクターは EQ を使用します。

各単純属性に必須のパラメーターは、テーブル名と列名です。オペランドには、デフォルトで EQ (等しい) が使用されます。基本的な書式を次の例に示します。

TN=KNA1:CN=KUNNR
 

重要:
これらのパラメーターに値を指定する場合は、大文字と小文字の区別に注意してください。

ビジネス・オブジェクト内の単純属性の場合、アプリケーション固有の情報フィールドに値を指定しない (つまり長さを 0 にする) ことができます。コネクターでは、そのような属性は無視されます。これは、コネクターが子ビジネス・オブジェクトの隣接する配列を区切るために使われているプレースホルダー属性を処理しないようにするための便利な方法です。

ビジネス・オブジェクトのすべての属性のすべてのアプリケーション固有情報が、コネクターで照会を作成または実行するために十分な情報を提供しない場合、コネクターは失敗を戻します。

例: 現在のビジネス・オブジェクトが外部キーを格納している場合

図 33 に、ビジネス・オブジェクト内の属性を参照する 2 つの外部キーを持つ WebSphere ビジネス・オブジェクトの例を示します。この例では、ビジネス・オブジェクトのデータは 2 つのテーブルで表されています。一方のテーブルにはアドレス・データが、他方のテーブルには都道府県名および国名の省略語に関するルックアップ・データが格納されています。このデータを処理するために、コネクターは 2 回のテーブル読み込みを実行します。

図 33. 例: 現在のビジネス・オブジェクトが外部キーを格納している場合


属性情報

表 47 に、この例の SAP_Address にある各属性のテーブル名、列名、キー、および外部キーを示します。

表 47. ビジネス・オブジェクト属性の例の説明
属性 テーブル名 列名 キー 外部キー デフォルト
address_id ADRC ADDRNUMBER true

city ADRC CITY1 false

state ADRC REGION false

country ADRC LAND1 false

language T005U SPRAS true
E
fk_country T005U LAND1 false FK=country
fk_state T005U BLAND false FK=state
state_description T005U BEZEI false

属性アプリケーション固有情報

表 47 の情報に基づいた fk_state 属性のアプリケーション固有情報は次のとおりです。

TN=T005U:CN=BLAND:FK=state
 

fk_country 属性のアプリケーション固有情報は次のとおりです。

TN=T005U:CN=LAND1:FK=country
 

SQL 照会

次の SELECT ステートメントは、コネクターが SAP_Address で表されるテーブルでデータを検索するために作成する WHERE 文節を示したものです。

SELECT * FROM ADRC WHERE ADDRNUMBER = address_idValue
 SELECT * FROM T005U WHERE SPRAS = 'E' AND LAND1 = countryValue AND
 BLAND = stateValue
 

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