すべてのビジネス・オブジェクト処理は、コネクターの Java コンポーネントから開始されます。これは、どのビジネス・オブジェクトについても、またどの使用可能な動詞についても同じです。単体テストを実行するために、IBM では、ビジネス・オブジェクト要求を送信するコネクターのアクションをシミュレートする ABAP プログラムを提供しています。
具体的には、このプログラムは ABAP 機能モジュール /CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN を呼び出すことで、コネクターの Java コンポーネントでの doVerbFor() 処理をシミュレートします。doVerbFor() と同様に、テスト・プログラムは ABAP 機能モジュールに渡す入力として、ビジネス・オブジェクトを必要とします。ABAP テスト・プログラムは、入力としてテキスト・ファイルを使用します。
すべての入力テスト・ファイルは、同じ ASCII テキスト・フォーマットを持っています。テスト・プログラムはこのファイル・フォーマットから、 /CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN に渡されるビジネス・オブジェクトに似るようにデータを再構成します。以下に示す規則は、ビジネス・オブジェクト入力ファイルに適用されます。
属性プロパティー | 説明または可能な値 |
---|---|
Name | 属性の名前 |
Value | 属性の値または CxIgnore = 'CxIgnore' または CxBlank = ' ' |
IsKey | 属性がキーかどうかを指定する値。
0 = no 1 = yes |
Peers |
NumberOfPeers 同じレベルの子ビジネス・オブジェクトの総数を表す整数の値
例えば、Item ビジネス・オブジェクトに 2 行の項目がある場合、各行項目の値は「2」になります。 |
AppInfo | 各ビジネス・オブジェクトに特定のアプリケーション固有情報 |
テスト・プログラムのほかに、IBM ではオブジェクト・テスト入力ファイルを生成するプログラムも提供しています。テスト・ファイル生成プログラムは、いくつかの異なる入力の 1 つに基づいてテスト・ファイルを作成します。表 17
に、テスト・ファイル生成プログラムのオプションのリストを示します。
オプション | 必要な入力 | 出力の説明 |
---|---|---|
Dynamic Ret/Tran | 以下の表における表エントリー
| 動的検索表と動的トランザクション表でのネット使用に基づいて、属性の完全なセットまたは一部を収めたテスト入力ファイル。これは動的検索と動的トランザクションのメタデータです。 |
IDoc Structure | SAP アプリケーションで定義した IDoc タイプ | すべての可能なオブジェクト (セグメント) および属性 (セグメント・フィールド) の 1 つのインスタンスを収めたテスト入力ファイル。これは IDoc 構造体です。 |
IDoc object |
| そのキーで識別される特定のオブジェクトについて存在する属性 (フィールド) およびオブジェクト (セグメント) のみを収めたテスト入力ファイル。これは IDoc オブジェクトです。 |
Repository Definition | リポジトリーをロードするために使用されたものと同じテキスト・ファイル (統合ブローカーが WebSphere InterChange Server Express の場合) | すべての可能なオブジェクトと属性の 1 つのインスタンスを収めたテスト入力ファイル。これはリポジトリー定義です。 |
IDoc オブジェクトを生成することは、有効な属性値を持つ入力ファイルをテスト・ファイル生成ツールで生成でき、値が検証されているため Create、Update、または Delete 動詞のテストが容易になる点で有用です。
その他の 3 つのオプション (Dynamic Ret/Tran、IDoc Structure、および CW Repository Definition) は、属性値を持たない入力ファイルを提供する点で類似しています。