マップ: 詳細

表 2 に示すように、マップは 2 つの部分からなるエンティティーで、マップ定義とランタイム・オブジェクトで構成されます。

マップ定義

マップ開発システムに対して、マップ定義 を使用してマップを定義します。 マップ定義は、System Manager のプロジェクトに保管されます。Map Designer Express ツールは、マップ定義 (通常は単にマップと呼ばれます) の作成を支援するダイアログを提供します。完了したマップ定義を System Manager のプロジェクトに保管する処理も行います。

Map Designer Express を使用してマップ定義を作成する方法の詳細については、"マップの作成: 基本手順"を参照してください。

マップ定義は、マップに関する次の情報を提供します。

マップ定義名

マップ定義は、単なるテンプレート、またはマップの説明です。マップ定義は、あるビジネス・オブジェクトの属性を別のビジネス・オブジェクトに変換する方法についての情報を提供します。したがって、マップ定義の名前は、マップの方向と、マップが変換するビジネス・オブジェクトを識別する必要があります。

ソース・ビジネス・オブジェクトと宛先ビジネス・オブジェクト

マップは、1 つ以上のソース・ビジネス・オブジェクトと 1 つ以上の宛先ビジネス・オブジェクトで構成されます。ソース・ビジネス・オブジェクト は、変換されるビジネス・オブジェクトです。宛先ビジネス・オブジェクト は、ソース・ビジネス・オブジェクトのデータを使用して生成されたビジネス・オブジェクトです。

マップ変換

マップの残りの部分は、一連の変換ステップで構成されます。変換ステップ は、宛先属性の値を戻す Java コードのセグメントです。 マップには、変換される宛先属性ごとに 1 つの変換ステップが含まれます。変換は Java コードとしてインプリメントされるため、Java ソース (.java) ファイルに保管されます。

表 2 に、宛先ビジネス・オブジェクトで実行できる変換の一部を示します。

標準的な変換には、値の設定、移動、結合、分割、サブマップ、および相互参照があります。カスタム変換を作成するときは、グラフィカル関数ブロックを使用できるだけでなく、「関係」、「内容ベースのロジック」、「日付変換」、および「ストリング」変換の Java コードを使用することもできます。

表 2. マップの変換

変換 説明 詳細情報の参照先
標準的な変換 Map Designer Express でコードを自動生成できる変換

値を設定 宛先属性の値を指定します "属性への値の指定"

移動 (コピー) ソース属性を宛先属性にコピーします "ソース属性の宛先属性へのコピー"

結合 2 つ以上のソース属性を 1 つの宛先属性に結合します "属性の結合"

分割 ソース属性を 2 つ以上の宛先属性に分割します "属性の分割"

サブマップ 子ビジネス・オブジェクトのマップを呼び出します "サブマップを使用した変換"

相互参照 ビジネス・オブジェクトの一致関係を保守します "一致関係の相互参照"
カスタム変換 上記の標準的な変換以外の変換を作成します "カスタム変換の作成"

関係 各アプリケーションが独自の形式でデータを保持しているため、直接マップできないビジネス・オブジェクトを関連付けます 関係のインプリメント

内容ベースのロジック ソース属性の内容に基づいて宛先属性を変換します "内容ベースのロジック"

日付変換 ソース属性の形式から宛先属性の形式に日付を変換します "日付の形式設定"

ストリング 大文字小文字変換やサブストリングの取得など、ストリングで基本的な変換を実行します "式ビルダーを使用したストリング変換"

ソース属性と宛先属性の間に明白な対応が存在する場合、変換ステップは、ソース値を宛先属性にそのままコピーします。その他の変換には、計算、ストリング操作、データ型変換、Java を使用してコーディングできるその他のロジックがあります。

図 2 に、一般的な属性変換の種類を示します。

図 2. 一般的な属性変換

図 2 に示すように、ソース・ビジネス・オブジェクトの属性は、次のように処理されます。

値を属性にコピーする、値を 2 つ以上の属性に分割する、2 つ以上の値を 1 つの属性に結合するなど、単純な変換では、ステップを図で指定すると、Map Designer Express によって Java コードが生成されます。複雑な変換を行うには、グラフィカル・エディターを使用して変換をカスタマイズするか、独自の Java コードを作成します。

マップ・インスタンス

マップ定義は、マップのランタイム・インスタンス化 (マップ・インスタンス) を行うためのテンプレートです。

マップの実行時に、マップ開発システムは、マップ定義と変換コードに基づいてマップのインスタンスを作成します。

各マップ・インスタンスは、以下の情報を提供します。

マップ・インスタンスは、BaseDLM クラスのインスタンスによって、マッピング API で表されます。

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