プロジェクトの処理

Business Object Designer Express は、プロジェクト の概念を使用してビジネス・オブジェクト定義の作成、変更、または削除を行う仮想作業域を定義します。環境に応じて、Business Object Designer Express がダイアログ・ボックスで指す「プロジェクト」は以下のいずれかにすることができます。

表 8. Business Object Designer Express のプロジェクト
Business Object Designer

Express 環境

プロジェクト
System Manager から Business Object Designer Express を実行していない場合 現在の Business Object Designer Express セッションで作業するためにローカル・ディレクトリーからビジネス・オブジェクト定義をインポートした仮想作業域。ローカル・プロジェクト とも呼びます。
System Manager から Business Object Designer Express を実行している場合 Business Object Designer Express および System Manager が実行されている Windows マシンの統合コンポーネント・ライブラリー (ICL)。ICL ベースのプロジェクト とも呼びます。

各タイプのプロジェクトの使用に関する詳細については、以下のセクションで説明します。

System Manager を使用せずに Business Object Designer Express を実行している場合

System Manager から Business Object Designer Express を実行していない場合は、Business Object Designer Express は「プロジェクト」としてローカル・プロジェクトを使用します。ローカル・プロジェクトは、処理するビジネス・オブジェクト定義をインポートできる仮想作業域です。

Business Object Designer Express によるローカル・プロジェクトの処理

ローカル・プロジェクトにおける Business Object Designer Express 機能の動作に関する全体像を以下に示します。これらのタスクの実行に関する詳細については、Business Object Designer Express の開始以降のトピックで説明しています。

System Manager から Business Object Designer Express を実行している場合

System Manager から Business Object Designer Express を実行する場合は、ビジネス・オブジェクト定義の開発および管理を行うためのさらに多くの洗練された機能にアクセスできます。System Manager では、ビジネス・オブジェクト定義は、コラボレーションやマップなどの他のビジネス・インテグレーション・コンポーネントとともに 統合コンポーネント・ライブラリー (ICL) に格納されます。ICL はビジネス・インテグレーション・コンポーネントのリポジトリーであり、ビジネス・インテグレーション・ソリューションを構築するための構成ブロックとして使用できます。各 ICL には、統合コンポーネントの種類ごとに 1 つのフォルダーの集合があります。これを図 21 に示します。

図 21. System Manager の統合コンポーネント・ライブラリー


ビジネス・オブジェクト定義の開発および展開を行う方法は以下のとおりです。Business Object Designer Express でビジネス・オブジェクト定義を開発し、ICL のビジネス・オブジェクト・フォルダーに保管します。ビジネス・オブジェクト定義をビジネス・インテグレーション・ソリューションで使用する場合は、その定義を 1 つ以上のユーザー・プロジェクト に関連付けます。各ユーザー・プロジェクトには、個々のビジネス・インテグレーション・ソリューションの実装に必要なすべてのビジネス・インテグレーション・コンポーネントが含まれます。例えば、PeopleSoft アダプターの実装に必要なコンポーネントを含むユーザー・プロジェクトでは、ビジネス・オブジェクト・フォルダーにそのアダプターが必要とするすべてのビジネス・オブジェクト定義があります。

ICL と同様に、各ユーザー・プロジェクトにはビジネス・インテグレーション・コンポーネント・フォルダーの集合が含まれます。しかし、ユーザー・プロジェクトには ICL コンポーネントの仮想的なコピーのみが含まれます。ビジネス・オブジェクト定義を変更する場合は、ICL のインスタンスを変更します。行った変更内容は、ビジネス・オブジェクト定義を含むすべてのユーザー・プロジェクトに自動的に伝搬されます。すなわち、あるビジネス・オブジェクト定義が 2 つのユーザー・プロジェクトに含まれる場合に統合コンポーネント・ライブラリーの定義を変更すると、その変更はユーザー・プロジェクトに存在する仮想コピーに自動的に反映されます。このように ICL のビジネス・オブジェクト定義と対応するユーザー・プロジェクトの仮想コピーがリンクしているため、複数のビジネス・インテグレーション・ソリューションで展開するときに、ビジネス・オブジェクト定義の変更および保守を 1 箇所に集中させることができます。


図 22. ICL のビジネス・オブジェクト定義に対する変更は ユーザー・プロジェクトの仮想コピーに自動的に伝搬される


統合コンポーネント・ライブラリーを使用したビジネス・インテグレーション・コンポーネントの開発については、ご使用のシステムのインプリメンテーション・ガイドを参照してください。

Business Object Designer Express による ICL ベースのプロジェクトの処理

System Manager から Business Object Designer Express を実行する場合は、選択した統合コンポーネント・ライブラリーが「プロジェクト」として使用されます。ICL ベースのプロジェクトにおける Business Object Designer Express 機能の動作に関する全体像を以下に示します。これらのタスクの実行に関する詳細については、Business Object Designer Express の開始以降のトピックで説明しています。

System Manager を使用せずに Business Object Designer Express を実行している場合は、統合コンポーネント・ライブラリーにはアクセスできません。この環境では、Business Object Designer Express はローカル・プロジェクトを使用します。詳しくは、System Manager を使用せずに Business Object Designer Express を実行している場合を参照してください。

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