マップのテスト

ソース・ビジネス・オブジェクトにサンプル・データを指定し、マップのテスト実行を行って、マップの変換ステップをテストできます。テスト実行 はコネクターにより送信されたイベントまたはアクセス・クライアントにより送信された呼び出しに関係しないマップの実行です。マップは Map Designer Express 内で実行されます。 マップをテストし、テスト結果を表示するため、Map Designer Express ウィンドウには「テスト」タブが異なるタブとして提供されています。

注:
デバッグのためにマップがテスト環境から選択されると、テスト環境では Map Designer Express を起動し、テスト中のマップへの入力ビジネス・オブジェクトを Map Designer Express に与えます。

このセクションでは、以下の主要ステップを使用して、テスト実行をセットアップし、実行する方法について説明します。

ヒント: 上記と異なるテスト方法は、ここで詳しくは説明しませんが、マップにブレークポイントを設定し、コネクターからトリガー・イベントを送って、マップを実行させる方法です。

テスト実行の準備手順

テストを実行する前に、次の手順を実行します。

  1. マップを開いてプロジェクトからデバッグします。
  2. マップを最後に変更した後にコンパイルしていない 場合、「ファイル」メニューから「コンパイル」を選択してマップをコンパイルします。 詳細については、"マップのコンパイル"を参照してください。
  3. Map Designer Express の「テスト」タブが現在タブ・ウィンドウに表示されていない 場合、「テスト」タブを選択します。

テスト・データの作成

マップをテストするごとに、ソース・ビジネス・オブジェクトにデータをロードする必要があります。 それには、「テスト」タブの「ソース・テスト・データ」ペインを使用します (図 41 を参照)。「ソース・テスト・データ」ペインでは、次のテスト情報を指定できます。

要確認:
呼び出しのコンテキストと汎用ビジネス・オブジェクトは、マップ内の関係をテストする場合にのみ 必要です。詳細については、"関係を含むマップのテスト"を参照してください。

最初のマップ・テスト

はじめてマップをテストするときは、「ソース・テスト・データ」ペインに属性の値を手入力する必要があります。

次のセクションでは、このデータを入力する方法について説明します。

ソース・ビジネス・オブジェクトのテスト・データの作成に関するガイドライン

はじめてソース・ビジネス・オブジェクトのデータを作成するときは、次の規則に従ってください。



図 41. 「テスト」タブの「ソース・テスト・データ」ペイン

子ビジネス・オブジェクトのテスト・データ作成手順

ソース・ビジネス・オブジェクトに子ビジネス・オブジェクトがあり、子属性のテスト・データを指定する場合、必要な各子オブジェクトのインスタンスを最初に作成する必要があります。 それには以下の手順を実行します。

  1. 子ビジネス・オブジェクト名を右マウス・ボタンでクリックし、コンテキスト・メニューから「インスタンスを追加」を選択します。 オブジェクトを展開すると、Map Designer Express が作成したインスタンスが表示されます。

    ガイドライン: 追加した最初のインスタンスのインデックス番号はゼロです。インスタンスには必要な数を設定できます (子属性に複数のカーディナリティーがある場合に限る)。

  2. インスタンス・インデックス番号の横にある正記号 (+) をクリックし、子ビジネス・オブジェクトを展開します。

    結果: オブジェクトを展開すると、このインスタンスの子属性が表示されます。

  3. 子ビジネス・オブジェクト・インスタンスのデータを作成するときは、次のガイドラインに従います。

2 回目以降のマップ・テスト

2 回目以降のテスト実行では、Map Designer Express は前に指定されたテスト・データを再利用します。このデータに対して、次のいずれかの処置を実行することができます。

ブレークポイントの設定

ブレークポイントを設定すると、マップの実行はブレークポイントが設定された宛先属性の変換の直前で一時停止します。

ブレークポイントを使用して、マップの実行をステップスルーし、個々の操作のシーケンスと結果を検査できます。ブレークポイントは必要な数を設定できます。

ガイドライン: ブレークポイントはマップの定義の一部にはなっていません。Map Designer Express でマップを開いた後、および (「デバッグ」>「テスト実行」、または「デバッグ」>「拡張」>「起動」のどちらかを使用して) マップをデバッグするときに、マップ上にブレークポイントを設定してください。Map Designer Express からマップをデバッグしない場合、マップはブレークポイントによる影響を受けません。

注:
変換が定義されている宛先属性にのみブレークポイントを設定できます。

ブレークポイントの設定手順

ブレークポイントを設定するには、次のステップを実行します。

  1. 次のメソッドのいずれかを行います。

    注:
    「ブレークポイントの切り替え」オプションは、ブレークポイント定義のオンとオフを切り替えます。ブレークポイントが現在設定されていない 場合、「ブレークポイントの切り替え」により設定されます。ブレークポイントが現在設定されている場合、「ブレークポイントの切り替え」により設定が解除されます。

    結果: 図 42 に示すように、ブレークポイントが設定されている宛先属性の横には暗色の円が表示されます。



    図 42. 設定されたブレークポイント

    ブレークポイントを設定すると、マップ・インスタンスの実行はこのブレークポイントで一時停止し、マップの現在の状況を調べることができます。少なくとも 1 つのブレークポイントを指定しない限り、マップは最後まで実行され、次のメッセージを出して終了します。

    Test run finished
     

    規則: ブレークポイントを設定した宛先属性に関連したソース・データには常に値を指定する必要があります。値を指定しないと、変換規則は正常に実行され、ブレークポイントは正常に実行されますが、通常、宛先値は空になります (変換規則の定義に従います)。詳細については、"テスト・データの作成"を参照してください。

    マップのすべてのブレークポイントを表示するには、「デバッグ」メニューから「ブレークポイント」を選択します。

    結果: 「ブレークポイント」ダイアログが表示されます (図 43 を参照)。

    図 43. 「テスト」タブの「ブレークポイント」ダイアログ

  2. 「ブレークポイント」ダイアログから、次のいずれかのアクションを実行できます。

テスト・マップの実行

ソース・テスト・データを入力し、必要なブレークポイントを設定したら、マップ・テストの準備が整いました。マップ・テストの実行は、次の手順から構成されます。

  1. テスト実行の開始手順
  2. ブレークポイント処理の手順 (ブレークポイントが設定されている場合)

テスト実行の開始手順

テスト実行を開始するには、次の手順を実行します。

  1. 次のいずれかのアクションを行います。

    結果: 「Connect to IBM WebSphere Business Integration Server Express」ダイアログ・ボックスが表示され、ここでテスト用のサーバーに接続できます。

  2. ダイアログで、サーバー名、ユーザー名、およびパスワードを入力します。
  3. テスト実行のため、マップと従属ビジネス・オブジェクトを配置するかどうかを指定します。

    ガイドライン: テスト用に最小限のビジネス・オブジェクト・セットをサーバーに配置すると、デバッグの初期化時間を減らすことができます。

結果: マップの実行が開始します。Map Designer Express の出力ウィンドウに次のメッセージが表示されます。

Starting test run...
 

ブレークポイント処理の手順

ブレークポイントを設定した宛先属性に到達すると、マップの実行は一時停止します。ブレークポイントに到達すると、Map Designer Express は次のアクションを行います。

  1. ブレークポイントが設定された宛先属性を強調表示にし、その横に暗色の円と黄色の矢印を表示します。
  2. 出力ウィンドウに次のメッセージを表示します。
    Test Run stopped at attribute AttrName (next transformation > "Rule").
     

    ヒント: マップの実行の一時停止中、「宛先テスト・データ」ペインの「値」列を調べ、それまでに処理された宛先属性の値を調べることができます。

  3. ユーザーが次のいずれかのアクションを行った場合、ブレークポイントを処理し、マップの実行を続行します。

    結果: テスト実行がランタイム・エラーなしに終了すると、出力ウィンドウに次のメッセージが表示されます。

    Test run finished.
     

テスト実行結果の表示

テスト実行の結果は、「宛先テスト・データ」ペインにある宛先ビジネス・オブジェクトに表示されます。マップ変換による値はこのテーブルの「値」列に表示されます。テスト実行結果は、次のいずれかの方法で表示できます。

プロセスの監視

データとブレークポイントが設定されているテスト実行の間、宛先ビジネス・オブジェクトに値が入力される過程を監視できます。処理が進むにつれて、値が「宛先テスト・データ」ペインの「値」列に表示されます。マップの実行がブレークポイントで一時停止すると、その属性より実行順序が前である すべての宛先属性の値が表示されています。

変換が実行される過程を表示するには、次の操作を行います。

実行後の結果の表示

マップの実行が終わってからテスト実行結果を表示するには、「宛先テスト・データ」ペインで宛先ビジネス・オブジェクトを調べてください。

テスト結果を保管するには、次の操作を行います。

マップの変更と再実行手順

マップをテストしていると、マップの変更が必要になることがあります。マップを編集し、その後テストを続行するには、次の手順を実行します。

  1. 「テーブル」タブまたは「ダイアグラム」タブに切り替え、マップ変換を表示します。
  2. マップを編集し、エラーを訂正します。
  3. マップを再コンパイルします。
  4. 「テスト」タブに切り替えて、テスト・プロセスを続行します。
  5. 新規テスト実行を開始します。

要確認:

  1. 成功か失敗かにかかわらず、必ずテスト実行を完了してからマップを再コンパイルしてください。

  2. マップを変更する場合は、変更後そのマップを配置して、変更内容がサーバーに反映されるようにしてください。

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