構成ファイル・プロパティーの設定

新規のコネクター構成ファイルを作成して名前を付けると、または既存のコネクター構成ファイルを開くと、Connector Configurator Express に構成画面が表示されます。構成画面には、必要な構成値のカテゴリーに対応する複数のタブがあります。

標準プロパティーとコネクター固有プロパティーの違いは、以下のとおりです。

「標準プロパティー」「コネクター固有プロパティー」のフィールドは、どのフィールドが構成可能であるかを示すために色分けされています。

標準コネクター・プロパティーの設定

標準構成プロパティーにより、すべてのコネクターによって使用される情報が提供されます。これらのプロパティーの資料が必要な場合は、付録 A, コネクターの標準構成プロパティーを参照してください。

付録に記載の構成プロパティーに関する情報のうち、このコネクターに固有のものを表 6 に示します。


表 6. このコネクター固有のプロパティー情報
プロパティー
CharacterEncoding
 
このコネクターは Java ベースのコネクターであるため、このプロパティーは使用しません。
Locale
 
このコネクターは国際化されているため、このプロパティーの値は変更できます。現在サポートされているロケールを知るには、コネクターのリリース情報を参照してください。

標準のプロパティーの値を変更するには、以下の手順を実行します。

  1. 値を設定するフィールド内でクリックします。
  2. 値を入力するか、ドロップダウン・メニューが表示された場合にはメニューから値を選択します。
  3. 標準のプロパティーの値をすべて入力後、以下のいずれかを実行することができます。

アプリケーション固有の構成プロパティー

アプリケーション固有 (またはコネクター固有) の構成プロパティーは、コネクターが実行時に必要とする情報です。また、このプロパティーには、コネクター内の静的情報やロジックを、コネクターの再コーディングや再ビルドなしに変更する方法が指定されます。

表 7 に、コネクター固有のコネクター構成プロパティーを示します。プロパティーの説明については、以下の各セクションを参照してください。

表 7. コネクター固有の構成プロパティー
名前 指定可能な値 デフォルト値 必須
ArchivingEnabled
true または false
true
 
Yes
 
EventLog
ファイル名とファイルの場所
event.log
 
No
 
EventRecovery
abort または retry
retry
 
Yes
 
FTPPollFrequency
ポーリング・サイクル数

 
No
 
GenerateTemplate
BOName

 
No
 
OutputLog
要求の処理中に、着信ビジネス・オブジェクトごとの次のシーケンス番号を登録するファイル
Output.Log
 
No
 
PollQuantity
各ポーリング時に処理されるイベントの数
25
 
No
 
SortFilesOnTimestamp
true または false False No

ArchivingEnabled

アーカイブをオンにします。このプロパティーを true に設定した場合、イベント・ファイルがアーカイブ・ディレクトリーに指定の拡張子でアーカイブされます。このプロパティーを false に設定した場合は、イベント・ファイルはアーカイブされません。この場合、コネクターがすべてのイベントを 統合ブローカーに送信した後、このファイルを削除します。詳細については、イベント・アーカイブの指定を参照してください。

デフォルト値は true です。

EventLog

コネクターによって生成されたイベントのファイルの保管場所を示します。このファイルは、この製品がインストールされている connectors ディレクトリーの JText サブディレクトリーの中にあります。

デフォルト値は event.log です。

EventRecovery

リカバリー動作を指定します。このプロパティーを retry に設定した場合、コネクターは event.log ファイルを使用して失敗したイベントをリカバリーします。このプロパティーを abort に設定した場合、コネクターは失敗したイベントを検出すると終了します。詳細については、イベント・ログ・ファイルを参照してください。

デフォルト値は retry です。

FTPPollFrequency

標準のポーリング・サイクル数を基準として、コネクターによる FTP サーバーのポーリング回数を決定します。例えば PollFrequency 標準構成プロパティーが 10000 に設定され、FTPPollFrequency6 に設定されている場合、コネクターはローカル・イベント・ディレクトリーに 10 秒ごとにポーリングし、リモート・ディレクトリーに 60 秒ごとにポーリングします。コネクターが FTP ポーリングを実行するのは、このプロパティーに値を指定した場合のみです。FTPPollFrequency0 またはブランクが設定された場合、コネクターは FTP ポーリングを実行しません。デフォルトでは、ポーリングを実行しません。

このプロパティーのデフォルト値はありません。

GenerateTemplate

コネクターの始動後に、コネクターがサポートされる各ビジネス・オブジェクト用のテンプレートを生成できるようにします。このプロパティーの構文は BOName;BOName になります。BOName には、特定のビジネス・オブジェクトの名前が入ります。例えば、Customer ビジネス・オブジェクトと Item ビジネス・オブジェクトの 2 つのテンプレートを生成する場合、Customer;Item と指定します。詳細については、テスト用サンプル・ビジネス・オブジェクトの生成を参照してください。

このプロパティーのデフォルト値はありません。

OutputLog

要求の処理中に、コネクターがビジネス・オブジェクトのタイプごとの固有の出力ファイルの作成時に使用するシーケンス番号を格納するファイルの名前を指定します。ファイルのフォーマットは以下のようになります。

BusinessObjectName = NextSequenceNumber
 

ここで、BusinessObjectName は要求ビジネス・オブジェクトの名前で、NextSequenceNumber は最近受け取ったビジネス・オブジェクトのシーケンス番号に 1 を加えた値を表します。例えば、コネクターが Customer と Item というビジネス・オブジェクトを処理している場合に、出力ログ・ファイルに以下の項目が入っているとします。

Customer = 12
 Item = 2
 

このファイルは、コネクターがすでに 11 の Customer と 1 つの Item を処理済みであることを示しています。次の Customer と Item のビジネス・オブジェクトはそれぞれ、Customer_12.out ファイルと Item_2.out ファイルに書き込まれます。コネクターが、要求 Order ビジネス・オブジェクトを受け取ると、出力ログ・ファイルに新しい行を追加して、このビジネス・オブジェクトを Order_1.out ファイルに書き込みます。

FileSeqEnabled メタオブジェクトが true に設定されている場合、コネクターはこのシーケンス番号を使用して、ビジネス・オブジェクトごとに作成する出力ファイルに固有の名前を付けます。コネクターが各出力ファイルに名前を付けるとき、ビジネス・オブジェクトの名前、または OutputFileName メタオブジェクト属性に名前が指定されているファイルに下線 (_) とシーケンス番号を付加します。出力ログはユーザーが読み取り可能なフォーマットで格納されるため、標準のテキスト・エディターを使用してこのファイルを読んだり、値をリセットしたりすることができます。

OutputFileName 属性の詳細については、出力ファイル名の指定を参照してください。出力ログの詳細については、要求処理の指定を参照してください。生成されたファイルの名前を元に戻す方法については、ファイル名の戻りを参照してください。

デフォルトは Output.Log です。

PollQuantity

ポーリングごとに処理するイベントの数を指定します。コネクターのポーリング・メソッドにより、指定の数のイベント・レコードを検索し、検索されたイベント・レコードを 1 回のポーリングで処理します。1 回のポーリングで複数のイベントを処理することで、アプリケーションが多数のイベントを生成するときのパフォーマンスを向上させることができます。ただし、ポーリング・メソッドによるイベントの処理中には統合ブローカーの要求がブロックされるため、イベント数にあまり大きい数を設定しないでください。各ポーリング呼び出しに時間がかかると、統合ブローカーの要求処理が遅れます。詳細については、JText コネクターのパフォーマンス調整を参照してください。

デフォルト値は 25 です。

SortFilesOnTimestamp

アダプターは、タイム・スタンプに基づいてイベント・ファイルを選択できます。このプロパティーは、ポーリング時にアダプターによって少数の巨大なイベント・ファイルだけが選択された場合に、true に設定するのが最善です。小さなイベント・ファイルが数多く存在する場合は、各ポーリングでファイルをソートするためにかかる時間が超過しないようにするため、この値を false に設定します。

デフォルト値は False です。

注:
タイム・スタンプに基づくソートは、Windows プラットフォームでのみサポートされています。また、JText アダプターは、FTP サーバーが mdtm (変更日付と時刻) コマンドをサポートする場合にのみ、FTP サイトからのタイム・スタンプに基づいてリモート・ファイルをポーリングできます。

アプリケーション固有の構成プロパティーの設定

アプリケーション固有の構成プロパティーの場合、プロパティー名の追加または変更、値の構成、プロパティーの削除、およびプロパティーの暗号化が可能です。プロパティーのデフォルトの長さは 255 文字です。

  1. グリッドの左上端の部分で右マウス・ボタンをクリックします。ポップアップ・メニュー・バーが表示されます。プロパティーを追加するときは「追加」をクリックします。子プロパティーを追加するには、親の行番号で右マウス・ボタンをクリックし、「子を追加」をクリックします。
  2. プロパティーまたは子プロパティーの値を入力します。
  3. プロパティーを暗号化するには、「暗号化」ボックスを選択します。
  4. 標準コネクター・プロパティーの設定の説明に従い、変更内容を保管するかまたは破棄するかを選択します。

各プロパティーごとに表示される「更新メソッド」は、変更された値をアクティブにするためにコンポーネントまたはエージェントの再始動が必要かどうかを示します。

重要:
事前設定のアプリケーション固有のコネクター・プロパティー名を変更すると、コネクターに障害が発生する可能性があります。コネクターをアプリケーションに接続したり正常に実行したりするために、特定のプロパティー名が必要である場合があります。

コネクター・プロパティーの暗号化

「プロパティーを編集」ウィンドウの「暗号化」チェック・ボックスにチェックマークを付けると、アプリケーション固有のプロパティーを暗号化することができます。値の暗号化を解除するには、「暗号化」チェック・ボックスをクリックしてチェックマークを外し、「検証」ダイアログ・ボックスに正しい値を入力し、「OK」をクリックします。入力された値が正しい場合は、暗号化解除された値が表示されます。

各プロパティーとそのデフォルト値のリストおよび説明は、各コネクターのアダプター・ユーザーズ・ガイドにあります。

プロパティーに複数の値がある場合には、プロパティーの最初の値に「暗号化」チェック・ボックスが表示されます。「暗号化」を選択すると、そのプロパティーのすべての値が暗号化されます。プロパティーの複数の値を暗号化解除するには、そのプロパティーの最初の値の「暗号化」チェック・ボックスをクリックしてチェックマークを外してから、「検証」ダイアログ・ボックスで新規の値を入力します。入力値が一致すれば、すべての複数値が暗号化解除されます。

更新メソッド

付録『コネクターの標準構成プロパティー』の プロパティー値の設定と更新にある更新メソッドの説明を参照してください。

コネクター・プロパティーはほとんどが静的なプロパティーであり、それらの更新メソッドコンポーネント再始動です。変更を有効にするには、変更したコネクター構成ファイルを保管した後、コネクターを再始動する必要があります。

サポートされるビジネス・オブジェクト定義の指定

コネクターで使用するビジネス・オブジェクトを指定するには、Connector Configurator Express の「サポートされているビジネス・オブジェクト」タブを使用します。汎用ビジネス・オブジェクトと、アプリケーション固有のビジネス・オブジェクトの両方を指定する必要があり、またそれらのビジネス・オブジェクト間のマップの関連を指定することが必要です。

サポートされるビジネス・オブジェクトを指定するときには、指定するビジネス・オブジェクトとそのオブジェクトに対応するマップが、システムに存在していなければなりません。ビジネス・オブジェクト定義 (データ・ハンドラー・メタオブジェクトのビジネス・オブジェクト定義を含みます) とマップ定義は、統合コンポーネント・ライブラリー (ICL) プロジェクトに保管されている必要があります。ICL プロジェクトの詳細については、「WebSphere Business Integration Server Express ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

注:
コネクターによっては、アプリケーションでイベント通知や (メタオブジェクトを使用した) 追加の構成を実行するために、特定のビジネス・オブジェクトをサポートされているものとして指定することが必要な場合もあります。詳細については、本書のビジネス・オブジェクトに関する章と、「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」を参照してください。

ビジネス・オブジェクト定義がコネクターでサポートされることを指定する場合や、既存のビジネス・オブジェクト定義のサポート設定を変更する場合は、「サポートされているビジネス・オブジェクト」タブをクリックし、以下のフィールドを使用してください。

ビジネス・オブジェクト名

ビジネス・オブジェクト定義がコネクターによってサポートされることを指定するには、System Manager を実行し、以下の手順を実行します。

  1. 「ビジネス・オブジェクト名」リストで空のフィールドをクリックします。System Manager プロジェクトに存在するすべてのビジネス・オブジェクト定義を示すドロップダウン・リストが表示されます。
  2. 追加するビジネス・オブジェクトをクリックします。
  3. ビジネス・オブジェクトの「エージェント・サポート」(以下で説明) を設定します。
  4. 「Connector Configurator Express」ウィンドウの「ファイル」メニューで、「プロジェクトに保管」をクリックします。追加したビジネス・オブジェクト定義に指定されたサポートを含む、変更されたコネクター定義が、System Manager のプロジェクトに保管されます。

サポートされるリストからビジネス・オブジェクトを削除する場合は、以下の手順を実行します。

  1. ビジネス・オブジェクト・フィールドを選択するため、そのビジネス・オブジェクトの左側の番号をクリックします。
  2. 「Connector Configurator Express」ウィンドウの「編集」メニューから、「行を削除」をクリックします。リスト表示からビジネス・オブジェクトが除去されます。
  3. 「ファイル」メニューから、「プロジェクトの保管」をクリックします。

サポートされるリストからビジネス・オブジェクトを削除すると、コネクター定義が変更され、削除されたビジネス・オブジェクトはコネクターのこのインプリメンテーションで使用不可になります。コネクターのコードに影響したり、そのビジネス・オブジェクト定義そのものが System Manager から削除されることはありません。

エージェント・サポート

ビジネス・オブジェクトがエージェント・サポートを備えている場合、システムはコネクター・エージェントを介してアプリケーションにデータを配布する際にそのビジネス・オブジェクトの使用を試みます。

一般に、コネクターのアプリケーション固有ビジネス・オブジェクトは、そのコネクターのエージェントによってサポートされますが、汎用ビジネス・オブジェクトはサポートされません。

ビジネス・オブジェクトがコネクター・エージェントによってサポートされるよう指定するには、「エージェント・サポート」ボックスにチェックマークを付けます。「Connector Configurator Express」ウィンドウでは、「エージェント・サポート」を選択しても問題ないかどうかの検証は行われません。

最大トランザクション・レベル

コネクターの最大トランザクション・レベルは、そのコネクターがサポートする最大のトランザクション・レベルです。

ほとんどのコネクターの場合、選択可能な項目は「最大限の努力」のみです。

トランザクション・レベルの変更を有効にするには、サーバーを再始動する必要があります。

関連付けられたマップ

各コネクターは、ビジネス・オブジェクト定義とそれらに関連付けられたマップのうち現在 InterChange Server Express でアクティブであるものを示すリストをサポートします。このリストは、「関連付けられたマップ」タブを選択すると表示されます。

ビジネス・オブジェクトのリストには、エージェントでサポートされるアプリケーション固有のビジネス・オブジェクトと、コントローラーがサブスクライブ・コラボレーションに送信する、対応する汎用オブジェクトが含まれます。マップの関連によって、アプリケーション固有のビジネス・オブジェクトを汎用ビジネス・オブジェクトに変換したり、汎用ビジネス・オブジェクトをアプリケーション固有のビジネス・オブジェクトに変換したりするときに、どのマップを使用するかが決定されます。

特定のソースおよび宛先ビジネス・オブジェクトについて一意的に定義されたマップを使用する場合、表示を開くと、マップは常にそれらの該当するビジネス・オブジェクトに関連付けられます。ユーザーがそれらを変更する必要はありません (変更できません)。

サポートされるビジネス・オブジェクトで使用可能なマップが複数ある場合は、そのビジネス・オブジェクトを、使用する必要のあるマップに明示的にバインドすることが必要になります。

「関連付けられたマップ」タブには以下のフィールドが表示されます。

トレース/ログ・ファイル値の設定

コネクター構成ファイルまたはコネクター定義ファイルを開くと、Connector Configurator Express は、そのファイルに含まれるロギングとトレースに関する値をデフォルト値として使用します。これらの値は、Connector Configurator Express 内で変更できます。

ログとトレースの値を変更するには、以下の手順を実行します。

  1. 「トレース/ログ・ファイル」タブをクリックします。
  2. ログとトレースのどちらでも、以下のいずれかまたは両方へのメッセージの書き込みを選択できます。

データ・ハンドラー

データ・ハンドラー・セクションの構成が使用可能となるのは、DeliveryTransport の値に JMS を、また ContainerManagedEvents の値に JMS を指定した場合のみです。このタブは、アダプターが保証付きイベント・デリバリーを利用するものである場合に使用可能になります。

これらのプロパティーに使用する値については、標準プロパティーに関する付録の『ContainerManagedEvents』の説明を参照してください。

Copyright IBM Corp. 2004