このセクションでは、ビジネス・オブジェクト開発プロセスの概要を説明します。
開発プロセスを開始する前に、次の事項を確認してください。
- WebSphere Business Integration システムが、ユーザーがアクセスできるコンピューター上にインストールされていること。
WebSphere Business Integration システムのインストールと始動の方法については、WebSphere Business Integration Server Express の「インストール・ガイド」を参照してください。
- InterChange Server Express およびそのリポジトリーのデータベース・サーバーも稼働しています。
このステップは、リポジトリーに定義を保管する準備またはリポジトリーから定義を削除する準備が完了しているときにのみ必要です。開発のみの場合には、InterChange Server Express に接続せずに、Business Object Designer Express をローカルで実行できます。
- Object Discovery Agent (ODA) を使用してビジネス・オブジェクト定義を生成する場合は、Object Activation Daemon (OAD) を起動しなければ、その ODA を使用してビジネス・オブジェクト定義を生成することはできません。詳しくは、ODA を使用するための準備を参照してください。
ビジネス・オブジェクトの開発ステージは次のとおりです。
- ビジネス・プロセスの統合にとって重要なデータ要件を把握します。
- アプリケーション固有のビジネス・オブジェクトを作成する場合には、コネクター、データ・ハンドラー、およびサポートされているアプリケーション固有のビジネス・オブジェクトの間の関係を把握します。
- InterChange Server と併用する汎用ビジネス・オブジェクトを作成する場合は、コラボレーション・オブジェクトとビジネス・オブジェクトの間の関係を把握します。
- ビジネス・オブジェクト定義を以下のどちらかの方法で作成します。
- データ・ソースからの生成 -- WebSphere Business Integration システムは、いくつかのコネクターに関するビジネス・オブジェクト定義の生成を容易にするためのツールを提供しています。そのようなツールとしては、Object Discovery Agent やコマンド・ライン・ツールがあります。これらのツールは、アプリケーションへの接続、ビジネス・エンティティー固有のビジネス・オブジェクト要件の明確化、およびそれらの要件からの定義の生成を目的に設計されたものです。Business Object Designer Express は、Object Discovery Agent に対するグラフィカル・ユーザー・インターフェースを提供し、検出および定義生成のプロセスの管理を容易にします。有用なツールまたはユーティリティーがあるかどうかを調べるには、使用するアダプターおよびデータ・ハンドラーのガイドを確認してください。また、資料のメイン・ページのコネクターのカテゴリーの下にある『コネクター機能チェックリスト』にも有用な情報があります。カスタム・アダプターがアプリケーションと通信するように開発されている場合は、Object Discovery Agent Kit を使用して、アダプター用のカスタム Object Discovery Agent を作成できます。
- 手動 -- Business Object Designer Express は、ビジネス・オブジェクト定義を手動で簡単に作成できるグラフィカル・ユーザー・インターフェースです。オブジェクト・ディスカバリーが実行可能なアプリケーションは存在しないため、InterChange Server Express で使える汎用ビジネス・オブジェクトを作成する場合に、このインターフェースが最も役に立ちます。
- データ・ソースからビジネス・オブジェクト定義を自動的に生成するツールを使用した場合は、生成された構造およびアプリケーション固有の情報が要件に適合していることを検証してください。手動での作成を要する特別な構成を判別するには、ビジネス・オブジェクト定義を使用するコネクターのアダプター・ガイドを参照してください。
- ビジネス・オブジェクトをシステム上で実行することにより、テストとデバッグを行い、必要に応じて編集します。
次の図に、ビジネス・オブジェクト開発プロセスの概要を示します。また、特定のトピックについての情報がどの章に記載されているかについても示します。

