Siebel EAI のコンテキストでは、データは統合メッセージ形式でトランスポートされます。このコンテキストでは、メッセージは通常、メッセージ・タイプと構造を示すヘッダー・データと、注文や会計、従業員レコードなどのデータの 1 つ以上のインスタンスからなる本文から 構成されています。
以下の図は、Siebel のコネクターおよびアーキテクチャーのプロセスを示しています。
図 17. Siebel コネクターおよびアーキテクチャーのプロセス
IBM 汎用 Siebel ビジネス・サービスは、Siebel 接続 DLL ソリューションの一部として提供されています。ビジネス・サービスは、データの移動タスクやデータ・フォーマットの変換タスクといった一連の機能の使用をカプセル化して単純化するオブジェクトです。ビジネス・コンポーネントおよびビジネス・オブジェクトは、通常は Siebel データ・モデル内の特定のデータやテーブルに関連付けられています。また、ビジネス・サービスは特定のオブジェクトに関連付けられず、オブジェクトを操作して働きかけ、特有の目的を果たします。
IBM 汎用ビジネス・サービスは、ワークフローや他のビジネス・サービスによって起動することができます。汎用ビジネス・サービスは、プロパティー・セットの形式で要求を受信します。XML コンバーターは、データをプロパティー・セットから XML ストリングに 変換します。変換の際に、DataHandler ではサポートされないストリングのタグは除去されます。タグが除去された XML ストリングは、プロパティー・セットとして EAI DLL トランスポートに送信され、受信メソッドまたは送信メソッドを 起動します。EAI DLL トランスポート・アダプターは、IBM Siebel 接続 DLL との間で統合メッセージの送受信を行います。
EAI DLL トランスポート・アダプターは以下を行います。
コラボレーションを実行するために、IBM Siebel 接続 DLL はサーバー・アクセス・インターフェースを呼び出します。コラボレーションは、複数のアプリケーションを表すことができるビジネス・プロセスを表します。Siebel から の XML 要求は、XML DataHandler を使用してビジネス・オブジェクトへと変換されます。
InterChange Server Express は、サーバー・アクセス・インターフェースを介して XML DataHandler を 起動します。このインスタンスでは、DataHandler によって Siebel からの XML 入力が汎用ビジネス・ オブジェクトへと変換されます。その結果生成されたメッセージは、InterChange Server Express に よって Siebel 接続 DLL へと戻されます。接続 DLL は、メッセージを IBM Siebel 汎用ビジネス・サービスへと渡します。汎用ビジネス・サービスでは、すでに除去された Siebel 固有の タグがメッセージに再び付加され、XML コンバーター・サービスを使用して、元の Siebel プロパティー・セットに変換されます。メッセージは汎用 Siebel ビジネス・サービスの出力プロパティー・セットに設定されます。この時点で、Siebel ワークフローはメッセージを取得します。