タスク・マネージャー・ビューの使用

タスク・マネージャー・ビューにより、インターフェースをテストするときに実行する必要のある多くのタスクを自動化できます。

テストを実行するときには、一般的に特定の段階で複数のタスクを実行する必要があります。例えば、テストの実行を準備する場合、InterChange Server Express を始動し、それに統合テスト環境パースペクティブを接続する必要があります。テストの後の段階でインターフェース内のコネクターとアクセス・クライアントに関するクライアント・シミュレーター・ビューを起動し、それらを InterChange Server Express インスタンスに接続する必要があります。テストの実行中に特定の段階に関連することのあるすべてのタスクを容易に実行するために、タスク・マネージャーにより関連タスクがグループで表示されます。例えば、クライアント・シミュレーター・ビューを起動して InterChange Server Express インスタンスに接続するタスクは、「クライアント・シミュレーターを開始」という名前のタスク・グループに集められます。タスク・マネージャーにより、単一タスクまたはタスク・グループ全体として実行することができます。

図 65 に、複数のタスクとタスク・グループが選択されたタスク・マネージャー・ビューを示します。

図 65. タスク・マネージャー・ビュー


表 23 に、タスク・マネージャー・ビューのタスクおよびタスク・グループを示します。


表 23. タスク・マネージャー・ビュー内のタスクおよびタスク・グループ
タスク名 タスクの説明
サーバーを始動 InterChange Server Express の始動に関連するすべてのタスクのグループです。
サーバーを起動 InterChange Server Express インスタンスを始動します。このタスクは、「サーバーを始動」タスク・グループに含まれます。
サーバー初期化待ち InterChange Server Express が正常に始動するまで、統合テスト環境によるサーバーへの接続の試行を待機します。

このタスクを選択せずに、統合テスト環境を未始動の InterChange Server Express に接続を試行しても、統合テスト環境はサーバーに接続できません。このオプションを有効にすることにより、InterChange Server Express への統合テスト環境の接続タスクが自動化されます。

サーバーに接続 統合テスト環境を InterChange Server Express インスタンスに接続することにより、コンポーネントの管理と配置、およびデータの表示を可能にします。このタスクは、「サーバーを始動」タスク・グループに含まれます。
注:
統合テスト環境がサーバーに接続するには、IBM Java オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) が実行されている必要があります。
サーバーのリセット 「リポジトリーをクリア」タスクのグループです。
リポジトリーをクリア InterChange Server Express インスタンスのリポジトリーを削除します。統合テスト環境を使用して多数のコンポーネントを配置する際、コンポーネントの一部が既にリポジトリーに存在する場合は、このタスクを実行します。このタスクは、「サーバーのリセット」タスク・グループに含まれます。
配置 タスク・マネージャー・ビューを使用してコンポーネントを InterChange Server Express リポジトリーに配置するのに関連するすべてのタスクのグループです。

インターフェースをテストするために、インターフェースのすべての従属コンポーネントを配置する必要があります。

統合テスト環境を使用してコンポーネントを配置するには、InterChange Server Express インスタンスを設計モードで始動する必要があります。詳細については、設計モードで始動するための InterChange Server Express の構成を参照してください。

依存関係ビューの詳細については、アウトライン・ビューの使用を参照してください。

デフォルトの従属オブジェクトを配置 インターフェースが機能するために必要であるとシステムで判別されたすべてのコンポーネントと、依存関係ビューの「デフォルトの従属オブジェクト」ノードにリストされているすべてのコンポーネントを配置します。

このタスクは、「配置」タスク・グループに含まれます。

Deploy Optional Maps
ユーザーの従属オブジェクトを配置 アウトライン・ビューの「ユーザーの成果物」ノードに追加するすべてのコンポーネントを配置します。

このタスクは、「配置」タスク・グループに含まれます。

クライアント・シミュレーターを開始 コネクター・エージェントおよびアクセス・クライアントのエミュレートに関連するすべてのタスクのグループです。
クライアント・シミュレーター・ビューアーの割り当て インターフェースに関係するすべてのコネクターおよびアクセス・クライアントのクライアント・シミュレーター・ビュー・ウィンドウを開始します。

このタスクは、「クライアント・シミュレーターを開始」タスク・グループに含まれます。

サーバー接続 クライアント・シミュレーター・ビューを InterChange Server Express インスタンスに接続します。

ビジネス・オブジェクトを交換するには、コネクター・エージェントとアクセス・クライアントを InterChange Server Express に接続する必要があります。

デフォルトでは、コネクターはリポジトリー内にある自身の定義を使用して始動します。リポジトリー定義を使用したコネクターのエミュレートで説明するように、クライアント・シミュレーター・ビューを使用してエージェントを構成ファイルと関連付けることができます。

エミュレート対象のコネクターの DeliveryTransport プロパティーが、値 IDL に設定されている場合、クライアント・シミュレーターはこの方法でしか自動的にサーバーへ接続できません。

このタスクは、「クライアント・シミュレーターを開始」タスク・グループに含まれます。

注:
統合テスト環境がサーバーに接続するには、IBM ORB が実行されている必要があります。
BO トレースの開始 ビジネス・オブジェクト・トレースに関連するすべてのタスクのグループです。

ビジネス・オブジェクト・トレースでは、ビジネス・オブジェクトがシステムのコンポーネントで処理されると、ビジネス・オブジェクト・データを記録します。詳細については、BO インスペクター・ビューの使用を参照してください。

BO トレース・フォルダーをクリア

ビジネス・オブジェクト・トレース・データが保管さるフォルダーをクリアします。次の理由で、ビジネス・オブジェクト・トレース・フォルダーをクリアする必要があります。

  • ビジネス・オブジェクト・トレース・ファイルは、統合テスト環境パースペクティブで表示するためにロードするには、ディスク・ストレージを必要としリソースを使用します。ストレージとリソースを保持するためにフォルダーをクリアする必要がある場合があります。
  • 古いテスト・データを統合テスト環境で表示しないようにできます。以前のテストのビジネス・オブジェクト・テスト・データをクリアして、その後のテストのデータのみを表示するようにできます。

このタスクは、「BO トレースの開始」タスク・グループに含まれます。

BO トレースの開始

ビジネス・オブジェクト・トレースを開始します。テストの実行中にビジネス・オブジェクト・データを保管するために、統合テスト環境のビジネス・オブジェクト・トレースを開始する必要があります。

このタスクは、「BO トレースの開始」タスク・グループに含まれます。

BO トレースの停止

ビジネス・オブジェクト・トレースを停止します。

ビジネス・オブジェクト・トレースは大量のリソースを使用するタスクであるため、テストの目的によっては、かえって問題となる場合があります。このような場合は、ビジネス・オブジェクト・トレースを停止できます。

サーバーの切断 統合テスト環境を InterChange Server Express インスタンスから切断します。ただし、InterChange Server Express インスタンスはシャットダウンしません。
サーバーをシャットダウン InterChange Server Express インスタンスをシャットダウンします。

タスクの選択

タスクやタスク・グループを選択するには、いくつかの方法があります。表 24 に、各種方法を示します。最も効率的にするために各種の方法を組み合わせることをお勧めします。


表 24. タスク・マネージャー・ビューでタスクおよびタスク・グループを選択する方法
実現する内容 方法
グループ内の単一タスクにチェックマークを付ける タスクの横のチェック・ボックスをクリックします。
タスク・グループにチェックマークを付ける タスク・グループの横のチェック・ボックスをクリックします。
ビュー内のすべてのタスクにチェックマークを付ける タスク・マネージャー・ビューのタイトル・バーの右端の下矢印をクリックし、メニューから「すべてにチェックマークを付ける」を選択します。
ビュー内のすべてのタスクのチェックマークを解除する タスク・マネージャー・ビューのタイトル・バーの右端の下矢印をクリックし、メニューから「すべてにチェックマークを外す」を選択します。
設定タスクにチェックマークを付ける タスク・マネージャー・ビューのタイトル・バーの右端の下矢印をクリックし、メニューから「設定の選択内容」を選択します。

詳細については、設定タスク選択の構成を参照してください。

デフォルトのタスクにチェックマークを付ける タスク・マネージャー・ビューのタイトル・バーの右端の下矢印をクリックし、メニューから「デフォルトの選択内容」を選択します。

タスクおよびタスク・グループのデフォルトの選択は、以下のとおりです。

  • サーバーを始動
    • サーバーを起動
    • サーバー初期化待ち
    • サーバーに接続
  • 配置
    • デフォルトの従属オブジェクトを配置
    • オプションの成果物を配置
    • ユーザーの従属オブジェクトを配置
  • クライアント・シミュレーターを開始
    • クライアント・シミュレーター・ビューアーの割り当て
  • BO トレースの開始
    • BO トレースの開始

タスク・マネージャー・ビューの実行

タスク・マネージャー・ビューで選択したタスクを実行するには、いくつかの方法があります。次のセクションで、各種方法を説明します。

選択したタスク・グループの実行

複数のタスク・グループ内のすべてのタスクを一度に実行できます。これにより、さまざまな段階で手動で管理しないで、テストのためのインターフェースを容易に準備できます。

例えば、便利な方法は、「サーバーを始動」「クライアント・シミュレーターを開始」、および 「BO トレースの開始」の各タスク・グループ内のすべてのタスクを実行する方法です。

選択したタスク・グループ内のすべてのタスクを実行するには、以下の手順を実行します。

  1. 実行するタスクのチェック・ボックスを使用可能にします。
  2. 実行するタスクが所属するタスク・グループのチェック・ボックスを使用可能にします。
  3. 選択したタスク・グループ内の選択したタスクを実行するには、以下のいずれかを実行します。

矛盾する結果となるタスクまたはタスク・グループのチェック・ボックスを使用可能にしないでください。例えば、「サーバーを起動」「サーバーをシャットダウン」タスクの両方を使用可能にしないでください。

タスク・グループの実行

単一のタスク・グループを実行するには、タスク・グループを右マウス・ボタン・クリックして「実行」を選択します。右マウス・ボタン・クリックしたタスク・グループ内のタスクのみが実行されます。タスクを実行するにはタスク・グループのチェック・ボックスは使用可能である必要はありません。しかしグループ内の実行するタスクのチェック・ボックスは使用可能になっている必要があります。

「クライアント・シミュレーターを開始」タスク・グループでは、この方法を頻繁に使用することがあります。テストを最初に準備するためにタスク・グループを頻繁に実行します。詳細は選択したタスク・グループの実行を参照してください。しかし、一連のテストの過程でオープンしたクライアント・シミュレーター・ビューをクローズし、その後起動して再度接続する必要がある場合があります。このとき、既に実行したすべてのタスクを実行する必要はありません。「クライアント・シミュレーターを開始」タスク・グループを実行するだけで構いません。

単一タスクの実行

単一タスクを実行するには、タスクを右マウス・ボタン・クリックして「実行」を選択します。右マウス・ボタン・クリックしたタスクのみが実行されます。タスクを実行するのに、タスクのチェック・ボックスは使用可能である必要はありません。

この方法はサーバーのシャットダウンに使用できます。直後にサーバーを再始動するが、必要なチェック・ボックスをすべて再度使用可能にしたくない場合があります。この場合は、「サーバーをシャットダウン」タスクを右マウス・ボタン・クリックして、シャットダウンのみ実行します。

タスクの停止

現在実行中のタスクのキューの停止をタスク・マネージャーに指示できます。これにより現在実行中のどのタスクでも終了できますが、その後のタスクは実行されません。例えば、「サーバーを起動」タスクが実行中にタスクの停止を選択すると、タスク・マネージャーによりサーバーの始動が完了されます。

現在実行中のタスクを停止するには、以下のいずれかを実行します。

タスクの強制終了

現在実行中のタスクのキューの強制終了をタスク・マネージャーに指示できます。これにより現在実行中のタスクが終了し、その後のタスクも実行されません。例えば、「サーバーを起動」タスクが実行中にタスクの強制終了を選択すると、タスク・マネージャーがサーバーの始動を完了できなくなります。

現在実行中のタスクを強制終了するには、タスク・マネージャー・ビューのタイトル・バーの右端の下矢印をクリックし、メニューから「タスクの強制終了」を選択します。

タスクの一時停止

現在実行中のタスクを一時停止して、タスク・マネージャーが現在実行中のタスクは完了するが、残りのタスクは一時停止を解除するまで実行しないようにします。これにより一連のタスクを開始し、後のタスクに到達する前に実行する必要があるが実行するのを忘れたアクションを、残りのタスクを停止して再始動しないで、実行できます。例えば、サーバーを始動して従属オブジェクトを配置するが、コンポーネントの一部が既にリポジトリーに存在することを、タスクが開始してから気がついた場合、配置段階が開始する前にタスクを一時停止します。その後、repos_copy を使用してリポジトリーを削除し、配置が開始されたときに失敗しないようにできます。

現在実行中のタスクを一時停止するには、以下のいずれかを実行します。

タスクの実行を再開するには、以下のいずれかを実行します。

設定タスク選択の構成

選択内容を設定として保管し、最もよく使用する選択方式を適宜適用できるようにできます。

タスク選択の設定を構成するには、以下の手順を実行します。

  1. ワークベンチのメニュー・バーから 「ウィンドウ」>「設定」を選択します。
  2. 「統合テスト環境」ノードを展開します。
  3. 「タスク・マネージャー」を選択します。
  4. タスク・グループを展開し、設定を適用するときに選択する個々のタスクおよびタスク・グループのチェック・ボックスを使用可能にします。
  5. 「OK」をクリックします。

図 66 に、タスク・マネージャーの設定インターフェースを示します。

図 66. 統合テスト環境のタスク設定


デフォルトのタスク選択の構成

特定のテスト・ユニットをオープンするたびにデフォルトで使用可能にするタスクおよびタスク・グループを構成するには、以下の手順を実行します。

  1. デフォルトの選択を保管するテスト・ユニットをオープンします。
  2. タスク・グループを展開し、テスト・ユニットをオープンするときに選択する個々のタスクおよびタスク・グループのチェック・ボックスを使用可能にします。
  3. 選択内容を保管するには、以下のいずれかを実行します。

次回にテスト・ユニットをオープンすると、選択したタスクがタスク・マネージャー・ビューで選択されています。

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