Adapter for JText を使用したテキスト・ファイルの処理

Adapter for JText コネクターは、ビジネス・オブジェクト・データをテキスト・ファイルに変換し、テキスト・ファイルをビジネス・オブジェクト・データに変換できます。この機能により、InterChange Server Express とファイル・ベースのアプリケーション (メインフレームなど) との間でビジネス・オブジェクトを交換できます。多くのアプリケーションは、そのビジネス・データをアプリケーション・プログラミング・インターフェースを介して管理しますが、そうでないアプリケーションもあります。 ただし、ほぼすべてのアプリケーションはテキスト・ファイルの処理機能を備えているため、これによって Adapter for JText は一般向けで強力な統合コンポーネントになります。

SystemTestObject コラボレーション・オブジェクトは、Adapter for JText のインスタンスを使用してデータを交換します。このインスタンスは、この SystemTest サンプルでは SystemTestConnector という名前が付けられています。このサンプルは標準的な統合インターフェースを表していませんが、それは、エンタープライズ・データの交換は個別のアプリケーション間で行なわれるためです。ただし、このサンプルは、IBM WebSphere Business Integration Server Express サーバーの交換時に通常関連する大半の種類のコンポーネントを検証する、アプリケーションに依存しない方法を提供します。

SystemTestConnector は、IBM WebSphere Business Integration Server Express のインストール環境にある ¥¥Sample¥System フォルダー内のデータ・ディレクトリーをポーリングします。このインストール・フォルダーには、Employee.in フォルダーが格納されており、ここには、Employee ビジネス・エンティティーのレコードが多数格納されています。

次のデータは、このタイプのレコードの 1 つを表しています。

このタイプのレコードは、区切り文字で区切られている名前/値ペアと呼ばれています。 EmployeeId などのメタデータ名は、メタデータ名が表すデータを示します。個々のフィールドは、段落の改行などの特殊文字で識別されます。 個々のレコードは、セミコロンなどの特殊文字で識別されます。

JText コネクターは、Employee.in ファイルを処理し、内部に格納されているレコードをビジネス・オブジェクトに変換して、これらのビジネス・オブジェクトを InterChange Server Express に送信します。 ビジネス・オブジェクトは、コラボレーションによって処理されます。コラボレーションは、小規模のビジネス・ロジックをビジネス・オブジェクトに適用します。コラボレーションは、ビジネス・オブジェクトを SystemTestConnector に戻します。ここで各ビジネス・オブジェクトはファイルに変換され、データ・フォルダーに格納されます。 SystemTestConnector は、いくつかのデータ・フォルダーを使用して、新規イベントのポーリングを実行し、SystemTestConnector が処理するビジネス・オブジェクトを出力します。 SystemTestConnector は、それ自身の出力を循環的に処理し、システムを流れる安定したデータ・フローを提供します。

コラボレーション・オブジェクトの基本になっている SystemTest コラボレーション・テンプレートは、コラボレーションによって処理されるビジネス・オブジェクト内のいくつかのフィールドで、正しくない Java 数値書式設定操作を試行することを目的として設計されています。この正しくない操作を行なうと、障害のあるフローが生成されるため、Flow Manager を使用してシステム内の障害を解決する実験を行なうことができます。 Flow Manager の詳細については、「システム管理ガイド」を参照してください。

次の手順では、Adapter for JText を使用し、システム内のインターフェースのペアを介してテキスト・ファイルを処理します。

注:
以下の手順を実行するためには、InterChange Server Express および System Manager は始動済みであり、Test Connector およびコラボレーション・オブジェクトはアクティブになっていることを確認済みであることが前提になります。
  1. System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで、SystemTestObject コラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、メニュー・バーの「統計」をクリックして、「統計」ビューを開きます。

    注:
    「統計」ビューには、コラボレーションによって処理されるイベントの情報が表示されます。このビューに表示される情報は、ビジネス・プロセス・インターフェースをテストする場合、非常に役立ちます。
  2. 「スタート」>「プログラム」>「IBM WebSphere Business Integration Express」>「サンプル」>「SystemTest」>「SystemTest 実行サンプル」をクリックして、SystemTest サンプル・バッチ・ファイルを実行します。 このバッチ・ファイルにより、JTextConnector が始動し、サンプル・データが格納されているファイルが、コネクターによってポーリングされたフォルダーにコピーされます。

    SystemTest サンプル・コンソール・ウィンドウの内側に表示される情報は、JTextConnector が始動してイベントをポーリングおよび処理すると、すばやくスクロールされます。ログに記録された情報を読むには、コンソール・ウィンドウの内側をクリックしてマークを付け、処理を停止します。

  3. Enter キーを押してコンソール・ウィンドウのマークを解除します。これにより、処理が再開されます。
  4. 「System Manager」ウィンドウが最大化されていない場合は、「System Manager」ウィンドウのタイトル・バーを右マウス・ボタンでクリックし、コンテキスト・メニューの「最大化」をクリックして、ウィンドウを最大化します。
  5. System Manager の SystemTestObject コラボレーション・オブジェクトを対象として以前開いた「統計」ビューには、処理されたイベントの総数、正常に処理されたイベントの数、失敗したイベントの数を示すカウンターが表示されます。このインターフェースは、正常なフローだけでなく障害が発生したフローも表示できるように、時折イベントを不合格にするよう設計されています。
  6. 使用マシンにおける IBM WebSphere Business Integration Server Express のデフォルトのインストール・パスである ¥¥IBM¥WebSphereServer¥Samples¥SystemTest¥data フォルダーを開き、コネクターがデータを処理したときにコネクターによって作成されたファイルを表示します。
  7. インターフェースを数分間実行したら、System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューに表示される SystemTestConnector を右マウス・ボタンでクリックし、「SystemTestConnector のシャットダウン (Shut Down SystemTestConnector)」 をクリックします。

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