統合コンポーネントは相互に依存し合ってビジネス・インテグレーション・システムでの役割を果たします。例えば、ビジネス・オブジェクト定義は、他のビジネス・オブジェクト定義を子として含むことができ、コラボレーション・テンプレートは、そのポートと関連付けられているビジネス・オブジェクト定義を持ち、コネクターは、そのサポートしているビジネス・オブジェクトと関連付けられているマップを持ちます。システムが正常に機能するためには、これらの依存関係が満たされている必要があり、実動モードで起動されると、InterChange Server Express は、すべての依存関係と参照が解決されていることを確認します。未解決の依存関係または参照を検出すると、InterChange Server Express は実動モードでは始動しません。
コンポーネント間の関係について説明するときには、状況に応じて依存関係および参照という用語を使用します。例えば、コネクター定義が InterChange Server Express とデータを交換するには、サポートするビジネス・オブジェクト定義およびそれらのビジネス・オブジェクト定義に関連付けられたマップが存在している必要があります。この場合には、ビジネス・オブジェクト定義およびマップはコネクター定義の依存関係です。ビジネス・オブジェクト定義とコネクター定義の間に同じ関係がある場合でも、ビジネス・オブジェクトの文脈では、コネクターはビジネス・オブジェクト定義の参照の 1 つであり、そのビジネス・オブジェクトを子として含むほかのビジネス・オブジェクト、そのビジネス・オブジェクトを変換するマップ、ポート定義用にビジネス・オブジェクトをサポートするコラボレーション・テンプレートなどを持ちます。
表 8 に、依存関係および参照となるコンポーネントをコンポーネント・タイプごとに示します。
コンポーネント | 依存関係 | 参照 |
---|---|---|
ビジネス・オブジェクト |
|
|
関係 |
| なし |
コネクター |
|
|
マップ |
|
|
コラボレーション・テンプレート |
| なし |
コラボレーション・オブジェクト |
|
|
System Manager を使用すると、統合コンポーネントの依存関係および参照を表示させることができます。
コンポーネントの依存関係を表示させるには、System Manager でコンポーネントを右マウス・ボタンでクリックし、コンテキスト・メニューから「依存関係を表示」を選択します。「依存関係ツリー」ウィザードが表示されます。詳細については、依存関係ツリーの使用を参照してください。
コンポーネントの参照を表示させるには、System Manager でコンポーネントを右マウス・ボタンでクリックし、コンテキスト・メニューから「参照の表示」を選択します。「オブジェクト参照」ウィンドウが表示されます。
依存関係および参照によっては、システムで自動的に検出および実行できないものがあります。表 9 に、システムが依存関係および参照を判別できないコンポーネントを示します。
システムでこれらの依存関係および参照を検出することはできませんが、システムを正常に動作させるには、これらが満たされている必要があります。必ずプロジェクト・ドキュメンテーションを正確に保ち、環境から環境にインターフェースを展開するときにはこれらの依存関係も含めてください。
表 9. システムが依存関係および参照を判別できないコンポーネント
コンポーネント | 説明 |
---|---|
関係 | マップおよびコラボレーション・テンプレートは関係を使用できますが、これは Java コードの API から行います。システムは、すべてのマップおよびコラボレーション・テンプレートのすべてのコードを構文解析して関係の使用を検出することができません。 |
データベース接続プール | マップおよびコラボレーション・テンプレートはデータベース接続プールを使用できますが、これは Java コードの API から行います。システムは、すべてのマップおよびコラボレーション・テンプレートのすべてのコードを構文解析してデータベース接続プールの使用を検出することができません。 |
データ・ハンドラー | コネクターも、他のコンポーネントと同様にデータ・ハンドラーを使用してデータをフォーマットできます。データ・ハンドラーはシステムによって一切管理されないため、検出できません。 |
コード内のみで使用されるコンポーネント | ビジネス・オブジェクト定義をソースまたは宛先としてマップにドラッグ・アンド・ドロップした場合は、システムはマップがビジネス・オブジェクトに依存するかどうかを判別できますが、カスタム Java コードでのみ行われるコンポーネントの使用は検出できません。新規ビジネス・オブジェクトをインスタンス化するか、マップまたはコラボレーションで手動でマップを呼び出す場合は、システムはその依存関係を検出できません。 |
スケジュール | 現在、システムはスケジュールの依存関係および参照の検出をサポートしていません。 |