ビジネス・プロセス・インターフェースが正しく開発されているかどうかを調べるには、ビジネス・オブジェクトを正常に交換および処理できることを確認する必要があります。このセクションでは、以下の作業の方法について説明します。
要求ビジネス・オブジェクトは、インターフェースを起動するイベントのソースであるコネクターを Test Connector がエミュレートしているときに Test Connector から送信するビジネス・オブジェクトです。要求ビジネス・オブジェクトの処理は、ビジネス・オブジェクト・インスタンスの作成、データの取り込み、要求の送信から構成されます。
Test Connector に新規ビジネス・オブジェクトを作成するには、以下の手順を実行します。
図 53 に、ビジネス・オブジェクト Caesar_Customer を示します。このビジネス・オブジェクトは Create 動詞を持ち、ロケールは en_US であり、各単純属性に値が指定されており、Caesar_Address 子ビジネス・オブジェクトの単一のインスタンスがあります。
ビジネス・オブジェクトを作成またはロードし、属性の値を指定すると、いくつかの方法でそのビジネス・オブジェクトを要求として InterChange Server Express に送信できます。
ソース・コネクターが非同期モードで要求ビジネス・オブジェクトを送信する場合は、応答ビジネス・オブジェクトの取得を予期していません。要求ビジネス・オブジェクトがディスパッチされると、トランザクションにおけるソース・コネクターの役割は終了します。通常、応答ビジネス・オブジェクトは InterChange Server Express によって処理されます。Test Connector のデフォルトのモードは非同期モードです。
ビジネス・オブジェクトを非同期的に送信するには、以下の手順を実行します。
コネクター定義で指定したブローカーが InterChange Server Express の場合は、ビジネス・オブジェクト要求がサーバーに送信され、処理されます。
コネクター定義で指定したブローカーが、サポートされるメッセージ・ブローカーか WebSphere Application Server の場合には、ビジネス・オブジェクトは RequestQueue 標準プロパティーで指定しているキューに置かれます。
ソース・コネクターが要求ビジネス・オブジェクトを同期的に送信する場合は、宛先アプリケーションが要求を処理した後、統合ブローカーから応答ビジネス・オブジェクトを取得することを予期しています。同期モードでは、Test Connector は、ソース・コネクターの Synchronous Request Queue プロパティーによって指定されたキューに応答ビジネス・オブジェクトを入れます。Test Connector のデフォルトのモードは非同期モードです。
処理を選択したコラボレーション・オブジェクトの構成済みポートにビジネス・オブジェクト要求が送信されます。
バッチ・モードでは、送信する特定のビジネス・オブジェクトのインスタンスの数を Test Connector で指定できます。また、インスタンスごとに固有値に設定するトップレベル・オブジェクトの 1 つの属性 (基本キー属性など) も指定できます。Test Connector は、指定した単一属性の値を増分しながら、指定した回数だけビジネス・オブジェクトをコピーし、各ビジネス・オブジェクトを送信します。このオプションにより、多数のビジネス・オブジェクトを素早く簡単に作成できます。
選択した属性が一致関係の一部として動的相互参照に参加するキー・フィールドである場合は、初期値およびそれに従う値はすべて固有でなければなりません。さもなければ、相互参照ロジックが失敗し、要求ビジネス・オブジェクトも失敗します。
値が固有であることを確認するには、Relationship Manager を使用するか、以下のように関係参加者の表に対して SQL ステートメントを実行します。
バッチ・モードでビジネス・オブジェクトを送信するには、以下の手順を実行します。
通常、選択する属性は、ビジネス・オブジェクトを一意的に識別する属性 (基本キーなど) にしてください。
Test Connector が、指定した数のビジネス・オブジェクトを生成します。これらのビジネス・オブジェクトでは指定の属性の値がインスタンスごとに増分され、それ以外はすべて同一です。
処理を選択した InterChange Server Express にビジネス・オブジェクト要求が送信されます。
図 54 では、以下のようなバッチ・モード構成を示しています。
以下のセクションでは、ビジネス・オブジェクト・インスタンスの単純属性および複合属性の値を設定するためのさまざまな方法について説明します。
単純属性の値を指定するには、「値」列で該当するセルをクリックし、値を入力します。
子ビジネス・オブジェクトのインスタンスを追加するには、子ビジネス・オブジェクトを表す属性を右マウス・ボタンでクリックし、コンテキスト・メニューから「インスタンスを追加」を選択します。
子ビジネス・オブジェクトを表す属性の横に正符号 (+) が追加され、少なくとも 1 つの子ビジネス・オブジェクト・インスタンスが存在することが示されます。子オブジェクト属性を展開すると、インスタンスごとに番号付きのエントリーが表示されます。個々のインスタンスの横にも正符号 (+) があるため、個々のインスタンスを展開したり属性の値を設定したりすることができます。
さらに子ビジネス・オブジェクト・インスタンスを追加するには、子ビジネス・オブジェクトを表す属性を右マウス・ボタンでクリックし、コンテキスト・メニューから「インスタンスを追加」を選択します。
子ビジネス・オブジェクトのインスタンスを削除するには、インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、コンテキスト・メニューから 「インスタンスを削除」を選択します。
子ビジネス・オブジェクトのすべてのインスタンスを削除するには、子ビジネス・オブジェクトを表す属性を右マウス・ボタンでクリックし、コンテキスト・メニューから「全インスタンスを削除」を選択します。
子ビジネス・オブジェクトの動詞を設定すると、値がビジネス・プロセスに及ぼす影響をテストできます。これは、子オブジェクトの相互参照用を含むロジックのトラブルシューティングを行う場合に役立ちます。
子ビジネス・オブジェクト・インスタンスの動詞を設定するには、その子ビジネス・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、コンテキスト・メニューから「動詞を設定」を選択します。「動詞の選択」プロンプトが表示されたら、適切な動詞を選択し、「OK」をクリックします。
宛先コネクターによって受信されたビジネス・オブジェクトの属性は、応答として送信する前に編集できます。この場合には「応答ビジネス・オブジェクト」ダイアログのツールバーを使用します。このツールバーにあるツールバー・ボタンを使用すると、ビジネス・オブジェクトの値を設定できます。詳細については、応答ビジネス・オブジェクトの編集を参照してください。
Test Connector でビジネス・オブジェクトを保存すると、将来のテストに使用したり、テクニカル・サポートと共用して問題のトラブルシューティングに使用したり、応答データとして使用したりすることができます。作成したビジネス・オブジェクトや宛先コネクターの「Test Connector」ウィンドウに要求として表示されるビジネス・オブジェクトを含め、任意のビジネス・オブジェクトを保管できます。デフォルトでは、ビジネス・オブジェクトはビジネス・オブジェクト拡張子 (.bo) が付いたファイルに保管されます。
(特にテスト・データ・ファイルの場合は) 各インターフェースまたは各コネクターに専用のサブディレクトリーを持つディレクトリーまたはディレクトリー構造を作成することをお勧めします。この編成により、必要なファイルを探しやすくなり、テストが効率的になります。さらに、ビジネス・オブジェクトのテスト・データ・ファイルにはそのビジネス・オブジェクト定義と同じ名前を付けることをお勧めします。
要求として作成したビジネス・オブジェクト・インスタンスを保管するには、以下の手順を実行します。
Test Connector の宛先インスタンスによって受信され、応答として送信されるビジネス・オブジェクト・インスタンスを保管するには、以下の手順を実行します。
ファイルに保管したビジネス・オブジェクトをロードするには、以下の手順を実行します。
Test Connector からビジネス・オブジェクトを削除するには、メニュー・バーから「編集」>「ビジネス・オブジェクトを削除」を選択します。
要求としてビジネス・オブジェクトを送信すると、トランザクションが失敗しなかった場合は、インターフェースの宛先コネクターをエミュレートしている Test Connector インスタンスの「ビジネス・オブジェクト要求リスト」ペインにビジネス・オブジェクトが表示されます。
要求ビジネス・オブジェクトを受け入れると、必要に応じて編集できます。詳細については、応答ビジネス・オブジェクトの編集を参照してください。
応答ビジネス・オブジェクトは、インターフェースでビジネス・オブジェクト要求の宛先となるコネクターをエミュレートしているときに Test Connector から送信するビジネス・オブジェクトです。要求ビジネス・オブジェクトの処理は、ビジネス・オブジェクト・インスタンスの編集およびブローカーへの応答の送信から構成されます。
Test Connector の宛先インスタンスでビジネス・オブジェクト要求を受信したときには、一般に属性の値を編集します。例えば、関係に参加する基本キー属性の固有値を指定したり、他の属性の値を変更してビジネス・オブジェクトの実際の値に応じて応答を変えるマップまたはコラボレーション・ロジックをテストしたりすることができます。ビジネス・オブジェクト属性の値を設定するには、以下の手順を実行します。
保管したデータをビジネス・オブジェクト要求にロードする機能は、応答として送信する前に応答ビジネス・オブジェクトにデータを取り込む必要がある場合に非常に有用です。応答データを必要とする属性ごとに値を手動で入力する代わりに、値を 1 回入力し、ビジネス・オブジェクトを保管しておくと ("ビジネス・オブジェクトの保管"を参照)、以後のテストでは保管したデータをロードできます。
要求ビジネス・オブジェクトを受け入れたら、必要に応じてビジネス・オブジェクトを編集し、応答として送信します。
表 21 に、Test Connector の応答オプション、および C++ コネクターと Java コネクターの両方における対応するコネクター戻りコードを示します。
表 21. Test Connector の応答タイプおよびコネクター戻りコード
Test Connector の応答タイプ | C++ コネクターの戻りコード | Java コネクターの戻りコード |
---|---|---|
成功 | BON_SUCCESS | SUCCESS |
失敗 | BON_FAIL | FAIL |
複数のヒット | BON_MULTIPLE_HITS | MULTIPLE_HITS |
内容による検索に失敗 | BON_FAIL_RETRIEVE_BY_CONTENT | RETRIEVEBYCONTENT_FAILED |
検出なし | BON_BO_DOES_NOT_EXIST | BO_DOES_NOT_EXIST |
重複する値 | BON_VALDUPES | VALDUPES |
要求ビジネス・オブジェクトに応答するには、以下の手順を実行します。
Test Connector は、同じタイプの 2 つのビジネス・オブジェクトを比較し、値が異なる属性を表示できます。この機能を使用すると、トランザクション実行の異なる時点におけるビジネス・オブジェクトに対する変更を表示させることができます (例えば、統合ブローカーに送信されたビジネス・オブジェクトを、統合ブローカーが更新する前と後で比較できます)。2 つのビジネス・オブジェクトを比較するには、以下の手順を実行します。
Test Connector によって「ビジネス・オブジェクトの比較」ウィンドウが開かれ、2 つのビジネス・オブジェクトで値が異なる属性が表に表示されます。図 55 に、2 つのビジネス・オブジェクト・インスタンスの比較を示します。