ビジネス・オブジェクトのアーキテクチャーでは、属性に適用されるさまざまなプロパティーが定義されています。このセクションでは、これらのプロパティーの一部について、コネクターでどのように解釈されるかを説明します。また、ビジネス・オブジェクトを変更する場合に、どのように設定すればよいかについても説明します。
どのビジネス・オブジェクト属性にも、固有の名前が含まれていなければなりません。
どのビジネス・オブジェクト属性にも、Integer や String などの型か、子ビジネス・オブジェクトのタイプが含まれていなければなりません。コネクターでは、Date、Long Text、または String 型の属性を検出すると、その値を引用符で囲み、文字データとして取り扱います。
子ビジネス・オブジェクト (または子ビジネス・オブジェクトの配列) を表すビジネス・オブジェクト属性では、いずれもこのプロパティーに値 1 または n が設定されています。子ビジネス・オブジェクトを表す属性はすべて、ContainedObjectVersion プロパティー (子のバージョン番号を指定) と Relationship プロパティー (値の Containment を指定) を持ちます。
String 型の属性では、このプロパティーにより、その属性の値に許可される最大長が指定されます。
どのビジネス・オブジェクトでも、1 つ以上の単純属性がキーに指定されなければなりません。属性をキーとして定義するには、このプロパティーを Yes に設定します。ビジネス・オブジェクト属性の型が String の場合は、データベースのデータ型は型 char ではなく、Varchar にしてください。
単純属性のキー・プロパティーを true に設定すると、コネクターは、ビジネス・オブジェクトの処理中に生成する SELECT、UPDATE、RETRIEVE、および DELETE の各 SQL ステートメントの WHERE 文節にその属性を追加します。
親/子関係を子に格納する子 (複数カーディナリティーであるか、単一カーディナリティーであるかを問いません) に含まれるある属性で、キー・プロパティーが true に設定されている場合、コネクターは、親の基本キーを SELECT ステートメントの WHERE 文節に使用します。Key プロパティーは使用しません。子の外部キー属性をセットするために値が使用されるビジネス・オブジェクト属性の、名前を指定する方法は、属性レベルのアプリケーション固有情報を参照してください。
コネクターでは、このプロパティーを使用して、属性が外部キーであるかどうかを判別します。
Required プロパティーは、属性が値を必要とするかどうかを指定します。
このプロパティーが単一カーディナリティーの子ビジネス・オブジェクトを表す属性に対して指定されている場合、その親ビジネス・オブジェクト内には、この属性の子ビジネス・オブジェクトが含まれている必要があります。
コネクターでは、Create 要求を伴うビジネス・オブジェクトを受信しても、以下の条件の両方が true である場合には、作成操作を失敗させます。
また、Retrieve 要求を伴うビジネス・オブジェクトを受信しても、そのビジネス・オブジェクトの必須属性に有効な値またはデフォルト値が含まれていない場合には、検索操作を失敗させます。
コネクターは、子ビジネス・オブジェクトの配列を含む属性に関しては、このプロパティーを使用しません。
このプロパティーに関する詳細については、属性レベルのアプリケーション固有情報を参照してください。
このプロパティーは、データベース表の値が格納されない単純属性に値を設定するために、コネクターで使用される値 (デフォルト値) を指定します。コネクターは、子ビジネス・オブジェクト (または子ビジネス・オブジェクトの配列) を表す属性に関しては、このプロパティーを評価しません。
UseDefaults 構成プロパティーが true に設定されている場合にのみ、コネクターはこのプロパティーを評価します。詳細については、表 7 を参照してください。
ビジネス・オブジェクトの単純属性には、特殊値 CxIgnore を格納することができます。コネクターでは、統合ブローカーからビジネス・オブジェクトを受信したとき、値が CxIgnore の属性をすべて無視します。それらの属性は、不可視として取り扱われます。
コネクターでは、データベースからのデータの受信時に、SELECT ステートメントからある属性に対して null 値が戻された場合には、デフォルトでその属性の値を CxIgnore に設定します。その属性のアプリケーション固有情報の UNVL パラメーターに値がすでに指定されている場合には、コネクターはその値を使用して null を表します。
コネクターの要件として、すべてのビジネス・オブジェクトに 1 つ以上の基本キー属性が含まれていなければなりません。したがって、開発者は、コネクターに渡される WebSphere Business Integration Adapter ビジネス・オブジェクトに、CxIgnore に設定されていない基本キーが、必ず 1 つ以上含まれるようにしてください。この要件の例外は、コネクターがカウンターまたはシーケンスを使用して、あるいはデータベースによって基本キーを生成するビジネス・オブジェクトの場合のみです。
コネクターは、データベースへのデータの挿入時に、値が指定されていないビジネス・オブジェクト属性があると、その属性の UseNullValue プロパティーに指定されている値を使用します。UseNullValue に関する詳細については、表 12 の UNVL=value を参照してください。