一致関係の定義

一致関係 は 2 つ以上のビジネス・オブジェクト間の 1 対 1 に基づいた関連を確立します。 つまり、特定の関係インスタンスに、各参加者のインスタンスは 1 つしかありません。通常、顧客 ID、製品 ID など、ビジネス・オブジェクトのキー属性を変換するとき、一致関係を作成します。背景情報の詳細については、"一致関係"を参照してください。

InterChange Server Express では、表 84 に示す一致関係の種類がサポートされます。

表 84.
一致関係の種類
一致関係タイプ 説明 詳細情報の参照先
単純一致関係
単一のキー属性で 2 つのビジネス・オブジェクトを関連付けます。 "単純一致関係の使用"
複合一致関係
複合キー (複数の属性から構成) で 2 つのビジネス・オブジェクトを関連付けます。 "複合一致関係の使用"

一致関係の定義手順

Relationship Designer Express を使用して一致関係を定義するには、次の手順を実行します。

  1. "関係定義の作成"のステップ 1 から 4 に従って、関係定義と参加者定義を作成します。

    ガイドライン: 関連付ける各ビジネス・オブジェクトの参加者定義を作成します。一致関係では、アプリケーション固有のビジネス・オブジェクトおよび汎用ビジネス・オブジェクトの参加者が必要です。

  2. 「参加者タイプ」ウィンドウから参加者定義にビジネス・オブジェクト定義をドラッグして、各参加者定義とビジネス・オブジェクトを関連付けます。 Relationship Designer Express のメインウィンドウに正記号 (+) 記号が表示されたら、ドラッグ・ボタンを解放できます。「参加者タイプ」ウィンドウを開く方法については、"関係定義の作成"のステップ 5 を参照してください。

    一致関係の場合、参加者タイプはビジネス・オブジェクトです。すべての一致関係は、汎用ビジネス・オブジェクトの参加者タイプを持つ 1 つの参加者、およびアプリケーション固有のビジネス・オブジェクトごとに 1 つの参加者から構成されます。

  3. 特定の定義と関連付けるビジネス・オブジェクトごとに、そのビジネス・オブジェクトを他の参加者と関連付ける属性を追加します。

    追加するためには、「参加者タイプ」ウィンドウで関連したビジネス・オブジェクトを展開し、属性を選択し、Relationship Designer Express メインウィンドウのビジネス・オブジェクトにドラッグします。選択した属性が、ビジネス・オブジェクト間の関係の基礎となります。

    一致関係の場合、通常、属性は各ビジネス・オブジェクト定義のキー属性です。 キーのタイプにより一致関係の種類が決まります。

  4. 関係定義名を強調表示にし、「編集」メニューから「拡張設定」を選択します。

    はじめに、「拡張設定」ウィンドウに関係定義設定が表示されます (図 113 を参照)。

    1. 次のように関係定義を変更します。
      • 「関係タイプ」「ID」ボックスを選択する。

        結果: この設定は、各参加者の関係インスタンス ID とキー属性に一意性制約を設定して、InterChange Server Express が関係を一致関係として処理するように指定します。このアクションにより、各関係インスタンスのすべての参加者間で 1 対 1 の対応が保証されます。

      • 関係表をデフォルト・データベース (デフォルトでは WebSphere Business Integration システム・リポジトリー) 以外のデータベースに配置する場合、ウィンドウの「DBMS 設定」領域に適切なデータベース情報を入力する。詳細については、"関係定義の拡張設定"を参照してください。
    2. 参加者定義の拡張設定を変更します。
      • 「拡張設定」ウィンドウのオブジェクト・ブラウザーで関係定義を展開し、汎用ビジネス・オブジェクトを表す参加者定義を強調表示にし、参加者定義設定を表示する (図 114 を参照)。「IBM WBI-managed」というラベルのボックスを選択します。

        結果: このアクションは、Relationship Designer Express が汎用ビジネス・オブジェクトの関係表を作成しない ように指定します。 maintainSimpleIdentityRelationship() メソッドを使用して関係を保守するとき、WebSphere Business Integration システムはアプリケーション固有の関係表に保管された関係インスタンス ID を使用して、関係属性を変換します。

      • この参加者の関係表またはストアード・プロシージャーの名前をカスタマイズする場合は、ウィンドウの該当するフィールドに名前を入力する。詳細については、"参加者定義の拡張設定"を参照してください。
    3. 「OK」をクリックして「拡張設定」ウィンドウを閉じます。
  5. "関係定義の作成"のステップ 7 から 8 の記述に従って、関係定義を保管します。

子ビジネス・オブジェクトの関連付け

一致関係を作成するとき、多くの場合、関連付けるビジネス・オブジェクトは子ビジネス・オブジェクトを備えています。例えば、一部の顧客ビジネス・オブジェクトには、住所情報を保管する子ビジネス・オブジェクトがあります。子オブジェクトは、表 85 が示す種類の関係に参加できます。

表 85. 子ビジネス・オブジェクト用の関係
子ビジネス・オブジェクトの状態 関係の種類 詳細情報の参照先
子ビジネス・オブジェクトのキーは、その親のコンテキストを越えて子を一意的に 識別します。 単純一致関係
"子レベルの単純一致関係のコーディング"
子ビジネス・オブジェクトのキーは、その親のコンテキストを越えて子を一意的に識別しません 複合一致関係

更新操作中、子ビジネス・オブジェクトを一致関係の一部として維持します。 親子関係
"子インスタンスの管理"

子が複数カーディナリティーの子ビジネス・オブジェクトである場合、インデックスを変更し、参加者に特定の子を参照させることができます。

それには、子のキー属性を選択し、右マウス・ボタンをクリックし、コンテキスト・メニューから「インデックスを変更」を選択します。 マップのソースと宛先の子が 1 対 1 に対応する場合、インデックスは重要ではなく、変更する必要はありません。しかし、マップがそれ以外の方法で子を変換する場合、特定のインデックス番号を入力できます。例えば、子ビジネス・オブジェクトが住所を表し、3 番目のソース住所が最初の宛先住所に対応する場合、インデックスをそれぞれ 20 に変更できます。

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