汎用 InventoryLevel ビジネス・オブジェクト
この汎用 InventoryLevel ビジネス・オブジェクトは、特定の Inventory Type および Stock Type について品目の在庫数量を取り込むために使用します。
Inventory Type は在庫のカテゴリーを表します。
このようなカテゴリーにより、組織は所有権または物理的な位置が原因で別個に管理する在庫を示すことができます。
例えば、会社は以下のような Inventory Type を使用できます。
- On-Hand Inventory。物理的に会社に配置され、会社が所有する在庫
- Consignment Inventory。物理的には会社に配置されていないものの、会社が所有する在庫
- Vendor Inventory。物理的には会社に配置されているものの、会社が所有していない在庫。Stock Type は在庫の状態を表します。
Stock Type の例としては、「Unrestricted」、「Quality Inspection」、「Blocked Stock」、および「In-Transit」などがあります。
各 Inventory Type および Stock Type の組み合わせは、汎用 InventoryLevel ビジネス・オブジェクトの単一のインスタンスによって表されます。
例えば、ある会社が「Widget」という製品を販売するものとします。
現在、この会社には Widget が 保有在庫として 200 個あり、顧客 A のところに委託在庫として Widget が 30 個あります。保有在庫の 50 個は Stock Type が伝送中です。
150 個は Stock Type が無制限です。
委託在庫の Stock Type はすべて無制限です。
IBM では、この情報を次の 3 つの別個の InventoryLevel ビジネス・オブジェクトとして表します。
- Inventory Type が On-Hand で、In-Transit である 50 個の Widget
- Inventory Type が On-Hand で、Unrestricted である 150 個の Widget
- Inventory Type が Customer Consignment で、Unrestricted である 30 個の Widget
問題および前提事項
- InventoryLevel は、次のタイプのソース・アプリケーションと宛先アプリケーション間におけるデータ同期に使用されます。
- ソース・アプリケーションが在庫レベル情報のマスターまたは所有者として指定されている
- 宛先アプリケーションに、トランザクション (サイクル・カウントや物理的な調整など) またはある在庫場所レベルの品目について在庫数量を効率的に改訂するメカニズム (テーブルの直接更新など) がある
- InventoryLevel には関連品目のコスト情報が含まれません。
IBM では、品目の価格を在庫レベル調整処理から切り離して管理することを想定しています。
品目のコスト情報は、汎用 ItemBasic ビジネス・オブジェクトに含まれます。
- 在庫レベルの計測単位は、コラボレーション・システム間で同じです。
- InventoryLevel には、財務、評価、会計に関係する情報は一切含まれません。
- 販売可能在庫 (ATP) 数量はいくつかの要因に基づく場合があるため、InventoryLevel に一切含まれません。
これらの要因には、予約、購入注文、および未払いの販売注文があります。
- 品目の改訂データは InventoryLevel に一切含まれません。
ビジネス・オブジェクトの構造
InventoryLevel は階層型ビジネス・オブジェクトで、ソース・アプリケーションと宛先アプリケーション間で改訂された在庫レベルを反映させるために必要な情報が含まれます。
以下のような情報が含まれます。
- 在庫内の品目に関する最新の調整済み数量
- 関連する品目、顧客、ベンダーの ID
- 品目の属する組織の ID
- 品目が蓄えられている物理的位置の ID
- Inventory Type と Stock Type
- 計測単位
- 変更を加えた処理日
InventoryLevel には、InventorySerialNumber 子ビジネス・オブジェクト (カーディナリティーは n) が含まれます。InventorySerialNumber により、在庫管理の品目ごとに複数の製造番号が持てるようになります。
サポートされる動詞
汎用 InventoryLevel ビジネス・オブジェクトは、次の動詞をサポートします。
- 要求処理 (宛先アプリケーションへ送信): Create、Update、Delete、および RetrieveByContent
- イベント通知 (ソース・アプリケーションから受信): Create
オブジェクトの調査
汎用 InventoryLevel ビジネス・オブジェクトの属性を調べるには、System Manager または Process Designer Express を使用してください。
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