System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューを使用すると、IBM WebSphere InterChange Server Express システムをモニターし、システム内のコンポーネント状態の変化に対する通知メッセージをすべて取得できます。このビューでは、InterChange Server Express コンポーネントの始動、停止、一時停止、シャットダウンや、コンポーネント・プロパティーの変更を行うこともできます。コンポーネントの開始、停止、一時停止、およびコンポーネント・プロパティーの変更については、システムのコンポーネントの管理を参照してください。
次のセクションでは、System Manager を使用して InterChange Server Express インスタンスに接続し、「InterChange Server コンポーネント管理」ビューからコンポーネント統計を表示する方法について説明します。
System Manager の「InterChange Server コンポーネント管理」ビューを使用するには、最初に InterChange Server Express インスタンスに接続する必要があります。
InterChange Server Express インスタンスに接続するには、以下のステップを実行します。
- System Manager を開きます。
- System Manager の左下の区間にある「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで、接続したい InterChange Server Express インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、ポップアップ・メニューの「接続」をクリックします (図 17 を参照)。
- 注:
- 最初にデフォルトのサーバーを登録する必要があります。Windows と Linux の場合のデフォルト・サーバーは WebSphereICS、OS/400 の場合のデフォルト・サーバーは QWBIDFT です。
図 17. InterChange Server Express に接続

- 表示される「ログイン」ダイアログ・ボックスで、以下の情報を入力します。
- 「ユーザー名」フィールドで、サーバーに対するユーザー名を入力または選択します。
- 「パスワード」フィールドで、サーバーに対するパスワードを入力します。
- 「OK」をクリックします。
接続が確立されると、InterChange Server Express インスタンス ・アイコン上のライトが赤から緑に変わり、そのサーバーに配置されたオブジェクトがすべてサーバーの下のフォルダー内に表示されます (図 18 を参照してください)。
図 18. 「InterChange Server コンポーネント管理」 ビュー、InterChange Server Express への接続の表示

「InterChange Server コンポーネント管理」ビューで InterChange Server Express 環境の統計をモニターすると、高度なシステム管理を容易に行うことができます。統計は、InterChange Server Express、コラボレーション・オブジェクト、およびコネクターについて表示できます。
システムが正常に動作しているときの統計情報を監視しこれに慣れておくことにより、問題が発生したときにモニターを使用して問題の識別と切り分けを行い、フロー処理において問題となっている部分を正確に把握することができます。
システムの統計をモニターすることは、システムのリソースを最適に構成するうえでも役立ちます。統計には、現在構成されているパラメーターが示され、フロー処理中にはリソースを追跡するグラフが表示されます。システムのリソースが効率的に使用されているかどうか、また、調整が必要かどうかを容易に知ることができます。以下の手順では、「サーバー統計」ウィンドウ、「コラボレーション・オブジェクト統計」ウィンドウ、および「コネクター統計」ウィンドウの使用方法について説明します。
- 注:
- システム統計を表示するには、まず System Manager を InterChange
Server Express インスタンスに接続する必要があります。
InterChange Server Express インスタンスへの接続手順については、InterChange Server Express インスタンスへの接続手順を参照してください。
InterChange Server Express の統計を確認するには、以下のステップを実行します。
- System Manager を開き、「InterChange Server コンポーネント管理」ビューに移動します。
- InterChange Server Express インスタンスを右マウス・ボタンでクリックし、「統計」をクリックします。
System Manager の右上の区間にサーバー統計が表示されます (図 19 を参照)。
図 19. InterChange Server Express の「統計」ウィンドウ

- 「データベース接続」の下では、以下の情報を参照できます。
- InterChange Server Express システムの接続キャッシュが現在使用しているデータベース接続の数と、サーバー・ブート以降に使用された接続の最大数を調べてください。これにより、InterChange Server Express の基盤データベース・サーバーとの対話を容易に調整できます。
InterchangeSystem.cfg ファイルとそれぞれの基盤データベース・サーバーの .cfg ファイルのパラメーターを使用すると、最適な接続数を構成できます。
- 使用している接続数が最も多い接続プールを探してください。データベースの最大接続数の制約が満たされるように InterChange Server Express を構成したり、そのプールの最大接続数を増やすように設定することができます。
- InterchangeSystem.cfg ファイルの DB_CONNECTIVITY セクションの中のデータベース・パラメーターは、InterChange Server Express とデータベース管理システム (DBMS) との対話全体を制御します。これらのパラメーターの詳細については、Windows、Linux、または OS/400 用の「WebSphere Business Integration Server Express インストール・ガイド」を参照してください。
「データベース接続」領域には、以下の統計が表示されます。
- 構成済みの最大キャッシュ
- 構成されている接続の最大数です。これは属性 MAX_CONNECTIONS の値です。この属性が構成されていない場合は、デフォルトが表示されます。
- 使用中のキャッシュ
- 接続キャッシュから使用されている現行の接続数です。
- キャッシュのピーク
- サーバーのブート後にサーバーによって接続キャッシュから使用された接続の最大数です。
キャッシュの統計の下にある領域には、システム・プールと動的接続プールがリストされます。システム・プールは、REPOSITORY、EVENTS_MANAGEMENT、FLOW_MONITORING、および TRANSACTIONS です。動的プールは関係プールです。これらのプールごとに以下の詳細データが保守されます。
- フリー
- 接続プールの中の現在使用可能な接続の数です。
- 使用中
- この接続プールによって使用されている現行の接続数です。
- 構成済み最大値
- 構成されている接続の最大数です。これは、InterchangeSystem.cfg ファイル内の各種の接続プール (イベント管理、トランザクション、リポジトリー) の各サブセクションの中の属性 MAX_CONNECTIONS の値です。この属性が構成されていない場合は、デフォルトが表示されます。
- ピーク
- サーバーのブート以降にサーバーによってこのプールから使用された接続の最高値です。
- 「メッセージ・キュー項目数」の下では、構成済みキュー・マネージャー内のすべてのサブスクリプション・キューのリストを参照できます。以下の統計が表示されます。
- キュー名
- サブスクリプション・キューの名前です。
- 現行
- このキュー内の現在のメッセージ数です。この数には、WIP (work-in-progress) キューの中のサブスクリプション・メッセージは含まれません。
- 構成済み最大値
- このキューに格納できる物理メッセージの最大数です。
コラボレーション・オブジェクト統計を確認するには、以下のステップを実行します。
- System Manager を開き、「InterChange Server コンポーネント管理」ビューに移動します。
- コラボレーション・オブジェクト・フォルダーを展開します。
- 統計を表示したいコラボレーション・オブジェクトを右マウス・ボタンでクリックし、「統計」をクリックします。
そのコラボレーション・オブジェクトの統計が、System Manager の右上の区間に表示されます (図 20 を参照してください)。
図 20. コラボレーション・オブジェクトの「統計」ウィンドウ

- 注:
- コラボレーション・グループ全体としての統計は保守されません。コラボレーション・グループに属する各コラボレーション・メンバーの統計が保守されます。グループ・メンバーごとに統計が異なることがあります。
- 通常の失敗率が上昇した場合には、失敗したフローの統計を調べてください。失敗の原因には、コネクターが使用できないことやデータの破壊など、さまざまな状況があります。この率はできるだけ低く抑える必要があります。なぜなら、失敗を再サブミットするにはなんらかのユーザー介入が必要となるからです。失敗数は、コラボレーションが一時停止している間は保持され、コラボレーションが停止するとリセットされます。
- 一般統計を表示するには、「統計」ウィンドウの上部セクションで以下の操作を実行します。
- コラボレーション・オブジェクトが開始された時刻、実行されている時間、Web ベースのサーブレットからのアクセス呼び出しの数、成功したフローと失敗したフローの数、処理されたフローの合計数を一目で確認できます。
- 「構成されている並行イベントの最大数」には、イベントにより起動されたフローの並行処理の最大数が表示されます。並行フローの詳細については、「システム・インプリメンテーション・ガイド」を参照してください。
- 「フロー状況」の下では、以下のことを行えます。
- この領域は、所要時間が指定時間より長いフローを検索するときに使用します。これにより、該当するフローの FlowEventID や関連アプリケーションなどの詳細情報を認識、取得できます。
- 時間と分のセレクターを使用して所要時間を入力します。この所要時間を超える処理時間のフローがリストされます。「詳細」ボタンを押すと、これらのフローに関して、FlowInitiatorID、関連コネクター、ビジネス・オブジェクト、アプリケーションなどの補足的な情報が表示されます。
- 「フロー制御」の下では、以下のことを行えます。
- このセクションには、バッファーに入れられたイベントの数とデータベース内で保留中のイベントの数が表示されます。また、2 つの構成可能なフロー制御プロパティー、最大イベント容量およびブロック化状況も表示されます。
- このセクションを使用すると、コラボレーション・オブジェクトのフロー制御をモニターし、コラボレーション・オブジェクトのフロー制御プロパティーを再構成する必要があるかどうかを判断することができます。フロー制御プロパティーを再構成の手順については、コラボレーション・オブジェクトのフロー制御の構成手順を参照してください。
- 「統計」ウィンドウの下では、以下のことを行えます。
- 「進行中」、「キュー中」、および「現在の速度」
の各領域を使用して、キューに入れられているフローの数、現在処理中の数、およびフローの処理速度をモニターできます。
- 通常の処理時の「平均サービス時間」の数値を基準として使用し、処理速度が向上しているかどうかを判別できます。通常のシステム動作時には、この数値はほぼ一定となります。この数値が大幅に増大した場合は、ネットワークまたはアプリケーションのスローダウンなどの問題や、解決が必要なその他の状況が発生したことを示している可能性があります。
- 必要であれば、キューに入れられたイベント統計を使用して、並行フロー処理についてコラボレーションを調整してください。キューが一貫して長い場合は、コラボレーションの並行イベントにより起動されたフローの数を増やし、コラボレーションを再始動するという方法もあります。ただし並行フローの数を増やすと、システムの処理サイズが大きくなり、データベース接続を追加する必要が生じることがあります。
コネクター統計を確認するには、以下のステップを実行します。
- System Manager を開き、「InterChange Server コンポーネント管理」ビューに移動します。
- コネクター・フォルダーを展開します。
- 統計を表示したいコネクターを右マウス・ボタンでクリックし、「統計」をクリックします。
そのコネクターの統計が、System Manager の右上の区間に表示されます (図 21 を参照してください)。このウィンドウには、コネクターのアプリケーション、コネクターの始動時刻、コネクターの実行時間、コネクターが受信/送信したビジネス・オブジェクトの数、フロー制御情報など、実行中のコネクターに関する情報が表示されます。
図 21. コネクターの統計

- 「時間」の下では、コネクターの始動時刻と実行時間を参照できます。
- 「ビジネス・オブジェクト」の下では、コネクターの実行中に受信/送信されたビジネス・オブジェクトの総数を参照できます。
- 「送受信したビジネス・オブジェクト」の下では、コネクターが送信/受信したビジネス・オブジェクトの名前を参照できます。送信したビジネス・オブジェクトの数と受信したビジネス・オブジェクトの数が一致しない場合は、一部のビジネス・オブジェクトの処理が完了していない可能性があります。
- 「サブスクリプション」の下では、コラボレーションがサブスクライブしたサブスクリプションとそのサブスクリプションのビジネス・オブジェクト名および動詞のリストを参照できます。サブスクリプションのリストを検査して、コラボレーションおよびイニシエーターの名前がすべて存在し、それらがすべて必要なものであるかを確認してください。
- 「フロー制御」の下では、バッファーに入れられたイベントの数とデータベース内で保留中のイベントの数を参照できます。「最大イベント容量」と「ブロック化状況」という 2 つの構成可能なフロー制御プロパティーがリストされます。このセクションは、コネクターのフロー制御をモニターし、コネクターのフロー制御プロパティーの再構成が必要かどうかを判別するために使用します。フロー制御プロパティーの再構成の手順については、コネクターのフロー制御の構成手順を参照してください。
