トレース

トレースは、コネクターの動作を詳細に追跡するために使用できるオプショナル・デバッグ機能です。トレース・メッセージは、デフォルトでは STDOUT に書き込まれます。トレース・プロパティーは、標準構成プロパティーである AgentTraceLevel、TraceFileName、および ControllerTraceLevel を用いて設定されます。トレース・メッセージの構成について詳しくは、付録 A, "コネクターの標準構成プロパティー"を参照してください。

表 9 に、トレース・レベル別の受信する情報のタイプを示します。


表 9. トレース・メッセージの内容
レベル 説明
レベル 0 コネクターのバージョンを識別します。このレベルでは、他のトレースは実行されません。
レベル 1
  • 状況情報を示します。
  • 処理された各ビジネス・オブジェクトの主要情報を示します。
  • ポーリングが発生するたびに記録します。

レベル 2
  • コネクターにより処理される各オブジェクトに使用されるビジネス・オブジェクト・ハンドラーを示します。
  • ビジネス・オブジェクトが InterChange Server Express に通知されるたびに、ログに記録します。
  • 要求ビジネス・オブジェクトを受信するたびにオブジェクトの受信を示します。

レベル 3
  • 必要に応じて、処理される外部キーを識別します。このレベルのメッセージは、コネクターがビジネス・オブジェクトで外部キーを検出した場合、またはコネクターがビジネス・オブジェクトに外部キーを設定した場合に表示されます。
  • ビジネス・オブジェクトの処理。例えば、ビジネス・オブジェクト間の一致の検出、子ビジネス・オブジェクト配列でのビジネス・オブジェクトの検出などがあります。

レベル 4
  • アプリケーション固有情報を示します。この情報には、ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報フィールドを処理するメソッドにより戻される値などがあります。
  • コネクターが関数を開始または終了した時期を示します。このレベルのメッセージは、コネクターのプロセス・フローをトレースするときに役立ちます。
  • スレッド固有の処理をすべて記録します。例えば、コネクターが複数のスレッドを作成した場合、メッセージには新しいスレッドの作成がすべて記録されます。

レベル 5
  • コネクター初期化を示します。このレベルのメッセージには、InterChange Server Express から検出された Connector Configurator Express プロパティーの値などを含めることができます。
  • コネクターが作成した各スレッドの、実行中の状態の詳細を示します。
  • アプリケーションで実行されるステートメントを示します。コネクターのログ・ファイルには、ターゲット・アプリケーションで実行されるすべてのステートメントと、必要に応じて置換される変数の値が記述されます。
  • ビジネス・オブジェクト・ダンプを記録します。コネクターは、オブジェクトの処理開始前のビジネス・オブジェクト (コネクターがコラボレーションから受信するオブジェクト) を示すテキストと、処理完了後のビジネス・オブジェクト (コネクターがコラボレーションに戻したオブジェクト) を示すテキストを作成します。

Copyright IBM Corp. 2004