標準構成プロパティー

このセクションでは、各標準コネクター構成プロパティーの定義を示します。

AdminInQueue

統合ブローカーからコネクターへ管理メッセージが送信されるときに使用されるキューです。

デフォルト値は CONNECTORNAME/ADMININQUEUE です。

AdminOutQueue

コネクターから統合ブローカーへ管理メッセージが送信されるときに使用されるキューです。

デフォルト値は CONNECTORNAME/ADMINOUTQUEUE です。

AgentConnections

AgentConnections プロパティーは、orb.init[] により開かれる ORB 接続の数を制御します。

デフォルトでは、このプロパティーの値は 1 に設定されます。このデフォルト値を変更する必要はありません。

AgentTraceLevel

アプリケーション固有のコンポーネントのトレース・メッセージのレベルです。デフォルト値は 0 です。コネクターは、設定されたトレース・レベル以下の該当するトレース・メッセージをすべてデリバリーします。

ApplicationName

コネクターのアプリケーションを一意的に特定する名前です。この名前は、システム管理者が WebSphere Business Integration システム環境をモニターするために使用されます。コネクターを実行する前に、このプロパティーに値を指定する必要があります。

BrokerType

使用する統合ブローカーを指定します。ICS を指定する必要があります。

CharacterEncoding

文字 (アルファベットの文字、数値表現、句読記号など) から数値へのマッピングに使用する文字コード・セットを指定します。

注:
Java ベースのコネクターでは、このプロパティーは使用しません。C++ ベースのコネクターでは、現在、このプロパティーに ascii7 という値が使用されています。

デフォルトでは、ドロップ・リストには、サポートされる文字エンコードの一部のみが表示されます。ドロップ・リストに、サポートされる他の値を追加するには、製品ディレクトリーにある ¥Data¥Std¥stdConnProps.xml ファイルを手動で変更する必要があります。詳細については、本書の『Connector Configurator Express』の使用方法に関する付録を参照してください。

ConcurrentEventTriggeredFlows

コネクターがイベントのデリバリー時に並行処理できるビジネス・オブジェクトの数を決定します。この属性の値を、並行してマップおよびデリバリーできるビジネス・オブジェクトの数に設定します。例えば、この属性の値を 5 に設定すると、5 個のビジネス・オブジェクトが並行して処理されます。デフォルト値は 1 です。

このプロパティーを 1 よりも大きい値に設定すると、ソース・アプリケーションのコネクターが、複数のイベント・ビジネス・オブジェクトを同時にマップして、複数のコラボレーション・インスタンスにそれらのビジネス・オブジェクトを同時にデリバリーすることができます。これにより、統合ブローカーへのビジネス・オブジェクトのデリバリーにかかる時間、特にビジネス・オブジェクトが複雑なマップを使用している場合のデリバリー時間が短縮されます。ビジネス・オブジェクトのコラボレーションに到達する速度を増大させると、システム全体のパフォーマンスを向上させることができます。

ソース・アプリケーションから宛先アプリケーションまでのフロー全体に並行処理を実装するには、次のようにする必要があります。

ConcurrentEventTriggeredFlows プロパティーは、順次に実行される単一スレッド処理であるコネクターのポーリングでは無効です。

ContainerManagedEvents

このプロパティーにより、JMS イベント・ストアを使用する JMS 対応コネクターが、保証付きイベント・デリバリーを提供できるようになります。保証付きイベント・デリバリーでは、イベントはソース・キューから除去され、単一 JMS トランザクションとして宛先キューに配置されます。

このプロパティーは、DeliveryTransport プロパティーが値 JMS に設定されている場合にのみ表示されます。

デフォルト値は No value です。

ContainerManagedEvents を JMS に設定した場合には、保証付きイベント・デリバリーを使用できるように次のプロパティーも構成する必要があります。

また、MimeType、DHClass、および DataHandlerConfigMOName (オプション) プロパティーを設定したデータ・ハンドラーも構成する必要があります。これらのプロパティーの値を設定するには、Connector Configurator Express の「データ・ハンドラー」タブを使用します。「データ・ハンドラー」タブの値のフィールドは、ContainerManagedEventsJMS に設定した場合にのみ表示されます。

注:
ContainerManagedEvents を JMS に設定した場合、コネクターはその pollForEvents() メソッドを呼び出さなくなる ため、そのメソッドの機能は使用できなく なります。

ControllerStoreAndForwardMode

宛先側のアプリケーション固有のコンポーネントが使用不可であることをコネクター・コントローラーが検出した場合に、コネクター・コントローラーが実行する動作を設定します。

このプロパティーを true に設定した場合、イベントが ICS に到達したときに宛先側のアプリケーション固有のコンポーネントが使用不可であれば、コネクター・コントローラーはそのアプリケーション固有のコンポーネントへの要求をブロックします。アプリケーション固有のコンポーネントが作動可能になると、コネクター・コントローラーはアプリケーション固有のコンポーネントにその要求を転送します。

ただし、コネクター・コントローラーが宛先側のアプリケーション固有のコンポーネントにサービス呼び出し要求を転送した後でこのコンポーネントが使用不可になった場合、コネクター・コントローラーはその要求を失敗させます。

このプロパティーを false に設定した場合、コネクター・コントローラーは、宛先側のアプリケーション固有のコンポーネントが使用不可であることを検出すると、ただちにすべてのサービス呼び出し要求を失敗させます。

デフォルト値は true です。

ControllerTraceLevel

コネクター・コントローラーのトレース・メッセージのレベルです。デフォルト値は 0 です。

DeliveryQueue

DeliveryTransport が JMS の場合のみ適用されます。

コネクターから WebSphere InterChange Server Express へビジネス・オブジェクトが送信されるときに使用されるキューです。

デフォルト値は CONNECTORNAME/DELIVERYQUEUE です。

DeliveryTransport

イベントのデリバリーのためのトランスポート機構を指定します。指定可能な値は、IDL (CORBA IIOP) または JMS (Java Messaging Service) です。デフォルトは IDL です。

DeliveryTransport プロパティーに指定されている値が IDL である場合、コネクターは、CORBA IIOP を使用してサービス呼び出し要求と管理メッセージを送信します。

JMS

Java Messaging Service (JMS) を使用しての、コネクターとクライアント・コネクター・フレームワークとの間の通信を可能にします。

JMS をデリバリー・トランスポートとして選択すると、jms.MessageBrokerNamejms.FactoryClassNamejms.Passwordjms.UserName などの追加の JMS プロパティーが Connector Configurator Express に表示されます。このうち最初の 2 つは、このトランスポートの必須プロパティーです。

重要:
WebSphere InterChange Server Express で動作しているコネクターで JMS トランスポート機構を使用すると、メモリー制限が発生することがあります。

この環境では、WebSphere MQ クライアント内でメモリーが使用されるため、(サーバー側の) コネクター・コントローラーと (クライアント側の) コネクターの両方を始動するのは困難な場合があります。

DuplicateEventElimination

このプロパティーを true に設定すると、JMS 対応コネクターによるデリバリー・キューへの重複イベントのデリバリーが防止されます。この機能を使用するには、コネクターに対し、アプリケーション固有のコード内でビジネス・オブジェクトの ObjectEventId 属性として一意のイベント ID が設定されている必要があります。これはコネクター開発時に設定されます。

このプロパティーは、false に設定することもできます。

注:
DuplicateEventEliminationtrue に設定する際は、MonitorQueue プロパティーを構成して保証付きイベント・デリバリーを使用可能にする必要があります。

EnableOidForFlowMonitoring

このプロパティーを true に設定すると、アダプター・フレームワークは、フロー・モニターを使用できるようにするため、着信 ObjectEventId を外部キーとしてマークします。

デフォルト値は false です。

FaultQueue

コネクターでメッセージを処理中にエラーが発生すると、コネクターは、そのメッセージを状況表示および問題説明とともにこのプロパティーに指定されているキューに移動します。

デフォルト値は CONNECTORNAME/FAULTQUEUE です。

JvmMaxHeapSize

エージェントの最大ヒープ・サイズ (メガバイト単位)。

デフォルト値は 128M です。

JvmMaxNativeStackSize

エージェントの最大ネイティブ・スタック・サイズ (キロバイト単位)。

デフォルト値は 128K です。

JvmMinHeapSize

エージェントの最小ヒープ・サイズ (メガバイト単位)。

デフォルト値は 1M です。

jms.FactoryClassName

JMS プロバイダーのためにインスタンスを生成するクラス名を指定します。JMS をデリバリー・トランスポート機構 (DeliveryTransport) として選択する際は、このコネクター・プロパティーを必ず 設定してください。

デフォルト値は CxCommon.Messaging.jms.IBMMQSeriesFactory です。

jms.MessageBrokerName

JMS プロバイダーのために使用するブローカー名を指定します。JMS をデリバリー・トランスポート機構として選択するときは (DeliveryTransport を参照)、このコネクター・プロパティーを必ず 設定してください。

デフォルト値は crossworlds.queue.manager です。

jms.NumConcurrentRequests

コネクターに対して同時に送信することができる並行サービス呼び出し要求の数 (最大値) を指定します。この最大値に達した場合、新規のサービス呼び出し要求はブロックされ、既存のいずれかの要求が完了した後で処理されます。

デフォルト値は 10 です。

jms.Password

JMS プロバイダーのためのパスワードを指定します。このプロパティーの値はオプションです。

デフォルトはありません。

jms.UserName

JMS プロバイダーのためのユーザー名を指定します。このプロパティーの値はオプションです。

デフォルトはありません。

Locale

言語コード、国または地域、および、希望する場合には、関連した文字コード・セットを指定します。このプロパティーの値は、データの照合やソート順、日付と時刻の形式、通貨記号などの国/地域別情報を決定します。

ロケール名は、次の書式で指定します。

ll_TT.codeset
 

ここで、以下のように説明されます。

ll
2 文字の言語コード (普通は小文字)

TT
2 文字の国または地域コード (普通は大文字)

codeset
関連文字コード・セットの名前。名前のこの部分は、通常、オプションです。

デフォルトでは、ドロップ・リストには、サポートされるロケールの一部のみが表示されます。ドロップ・リストに、サポートされる他の値を追加するには、製品ディレクトリーにある ¥Data¥Std¥stdConnProps.xml ファイルを手動で変更する必要があります。詳細については、本書の『Connector Configurator Express』の使用方法に関する付録を参照してください。

デフォルト値は en_US です。コネクターがグローバル化に対応していない場合、このプロパティーの有効な値は en_US のみです。特定のコネクターがグローバル化に対応しているかどうかを判別するには、以下の Web サイトにあるコネクターのバージョン・リストを参照してください。

http://www.ibm.com/software/websphere/wbiadapters/infocenter、または http://www.ibm.com/websphere/integration/wicserver/infocenter

LogAtInterchangeEnd

統合ブローカーのログ宛先にエラーを記録するかどうかを指定します。ブローカーのログ宛先にログを記録すると、電子メール通知もオンになります。これにより、エラーまたは致命的エラーが発生すると、InterchangeSystem.cfg ファイルに指定された MESSAGE_RECIPIENT に対する電子メール・メッセージが生成されます。

例えば、LogAtInterChangeEndtrue に設定した場合にコネクターからアプリケーションへの接続が失われると、指定されたメッセージ宛先に、電子メール・メッセージが送信されます。デフォルト値は false です。

MaxEventCapacity

コントローラー・バッファー内のイベントの最大数。このプロパティーは、フロー制御で使用されます。

値は 1 から 2147483647 の間の正整数です。デフォルト値は 2147483647 です。

MessageFileName

コネクター・メッセージ・ファイルの名前です。メッセージ・ファイルの標準位置は ¥connectors¥messages です。メッセージ・ファイルが標準位置に格納されていない場合は、メッセージ・ファイル名を絶対パスで指定します。

コネクター・メッセージ・ファイルが存在しない場合は、コネクターは InterchangeSystem.txt をメッセージ・ファイルとして使用します。このファイルは、製品ディレクトリーに格納されています。

注:
特定のコネクターについて、コネクター独自のメッセージ・ファイルがあるかどうかを判別するには、該当するアダプターのユーザーズ・ガイドを参照してください。

MonitorQueue

コネクターが重複イベントをモニターするために使用する論理キューです。このプロパティーは、DeliveryTransport プロパティー値が JMS であり、かつ DuplicateEventEliminationTRUE に設定されている場合にのみ使用されます。

デフォルト値は CONNECTORNAME/MONITORQUEUE です。

OADAutoRestartAgent

コネクターが自動再始動機能およびリモート再始動機能を使用するかどうかを指定します。この機能では、MQ により起動される Object Activation Daemon (OAD) を使用して、異常シャットダウン後にコネクターを再始動したり、System Monitor からリモート・コネクターを始動したりします。

自動再始動機能およびリモート再始動機能を使用可能にするには、このプロパティーを true に設定する必要があります。MQ により起動される OAD 機能の構成方法については、「システム・インストール・ガイド (Windows 版)」を参照してください。

デフォルト値は false です。

OADMaxNumRetry

異常シャットダウンの後で MQ により起動される OAD がコネクターの再始動を自動的に試行する回数の最大数を指定します。このプロパティーを有効にするには、OADAutoRestartAgent プロパティーを true に設定する必要があります。

デフォルト値は 1000 です。

OADRetryTimeInterval

MQ により起動される OAD の再試行時間間隔の分数を指定します。コネクター・エージェントがこの再試行時間間隔内に再始動しない場合は、コネクター・コントローラーはコネクター・エージェントを再び再始動するように OAD に要求します。OAD はこの再試行プロセスを OADMaxNumRetry プロパティーで指定された回数だけ繰り返します。このプロパティーを有効にするには、OADAutoRestartAgent プロパティーを true に設定する必要があります。

デフォルト値は 10 です。

PollEndTime

イベント・キューのポーリングを停止する時刻です。形式は HH:MM です。ここで、HH は 0 から 23 時を表し、MM は 0 から 59 分を表します。

このプロパティーには必ず有効な値を指定してください。デフォルト値は HH:MM ですが、この値は必ず変更する必要があります。

PollFrequency

ポーリング・アクション間の時間の長さです。PollFrequency は以下の値のいずれかに設定します。

デフォルト値は 10000 です。

重要:
一部のコネクターでは、このプロパティーの使用が制限されています。このプロパティーが使用されるかどうかを特定のコネクターについて判別するには、該当するアダプター・ガイドのインストールと構成についての章を参照してください。

PollQuantity

コネクターがアプリケーションからポーリングする項目の数を指定します。アダプターにコネクター固有のポーリング数設定プロパティーがある場合、標準プロパティーの値は、このコネクター固有のプロパティーの設定値によりオーバーライドされます。

PollStartTime

イベント・キューのポーリングを開始する時刻です。形式は HH:MM です。ここで、HH は 0 から 23 時を表し、MM は 0 から 59 分を表します。

このプロパティーには必ず有効な値を指定してください。デフォルト値は HH:MM ですが、この値は必ず変更する必要があります。

RequestQueue

WebSphere InterChange Server Express からコネクターへビジネス・オブジェクトが送信されるときに使用されるキューです。

デフォルト値は CONNECTOR/REQUESTQUEUE です。

RepositoryDirectory

コネクターが XML スキーマ文書を読み取るリポジトリーの場所です。この XML スキーマ文書には、ビジネス・オブジェクト定義のメタデータが含まれています。

この値は <REMOTE> に設定する必要があります。これは、コネクターが InterChange Server Express リポジトリーからこの情報を取得するためです。

ResponseQueue

DeliveryTransport が JMS の場合のみ適用されます。

JMS 応答キューを指定します。JMS 応答キューは、応答メッセージをコネクター・フレームワークから統合ブローカーへデリバリーします。WebSphere InterChange Server Express は、要求を送信した後、JMS 応答キューで応答メッセージを待機します。

RestartRetryCount

コネクターによるコネクター自体の再始動の試行回数を指定します。このプロパティーを並列コネクターに対して使用する場合、コネクターのマスター側のアプリケーション固有のコンポーネントがスレーブ側のアプリケーション固有のコンポーネントの再始動を試行する回数が指定されます。

デフォルト値は 3 です。

RestartRetryInterval

コネクターによるコネクター自体の再始動の試行間隔を分単位で指定します。このプロパティーを並列コネクターに対して使用する場合、コネクターのマスター側のアプリケーション固有のコンポーネントがスレーブ側のアプリケーション固有のコンポーネントの再始動を試行する間隔が指定されます。指定可能な値の範囲は 1 から 2147483647 です。

デフォルト値は 1 です。

SourceQueue

DeliveryTransport が JMS で、ContainerManagedEvents が指定されている場合のみ適用されます。

JMS イベント・ストアを使用する JMS 対応コネクターでの保証付きイベント・デリバリーをサポートするコネクター・フレームワークに、JMS ソース・キューを指定します。詳細については、"ContainerManagedEvents"を参照してください。

デフォルト値は CONNECTOR/SOURCEQUEUE です。

SynchronousRequestQueue

DeliveryTransport が JMS の場合のみ適用されます。

同期応答を要求する要求メッセージを、コネクター・フレームワークからブローカーに配信します。このキューは、コネクターが同期実行を使用する場合にのみ必要です。同期実行の場合、コネクター・フレームワークは、SynchronousRequestQueue にメッセージを送信し、SynchronousResponseQueue でブローカーから戻される応答を待機します。コネクターに送信される応答メッセージには、元のメッセージの ID を指定する 相関 ID が含まれています。

デフォルトは CONNECTORNAME/SYNCHRONOUSREQUESTQUEUE です。

SynchronousResponseQueue

DeliveryTransport が JMS の場合のみ適用されます。

同期要求に対する応答として送信される応答メッセージを、ブローカーからコネクター・フレームワークに配信します。このキューは、コネクターが同期実行を使用する場合にのみ必要です。

デフォルトは CONNECTORNAME/SYNCHRONOUSRESPONSEQUEUE です。

SynchronousRequestTimeout

DeliveryTransport が JMS の場合のみ適用されます。

コネクターが同期要求への応答を待機する時間を分単位で指定します。コネクターは、指定された時間内に応答を受信できなかった場合、元の同期要求メッセージをエラー・メッセージとともに障害キューに移動します。

デフォルト値は 0 です。

WireFormat

トランスポートのメッセージ・フォーマットです。設定値は CwBO です。

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