Hierarchical Dynamic Retrieve Module のトラブルシューティング

このセクションでは、 Hierarchical Dynamic Retrieve Module の始動時または実行時に発生する可能性のある問題について説明します。以下の項目について説明します。

エラー処 理とロギング

コネクターは、検索が失敗する原因となる条件が発生すると、エラー・メッセージを記録します。また、そのようなエラーが発生すると、コネクターは失敗したビジネス・オブジェクトのテキスト表現も、統合ブローカーから受け取ったままの状態で出力します。テキストは、コネクターの構成に応じて、コネクター・ログ・ファイルまたは標準の出力ストリームに書き込まれます。このテキストを使用すると、エラーの原因を調べることができます。

エラー・ タイプ

表 53 に、Hierarchical Dynamic Retrieve Module が各トレース・レベルで出力する、トレース・メッセージのタイプを示します。これらは、Java コネクター実行ラッパーや WebSphere MQSeries メッセージ・インターフェースなどの、WebSphere Business Integration システムのアーキテクチャーで出力されるトレース・メッセージに追加されるメッセージです。

表 53. コネクター・トレース・メッセージ
トレース・レベル トレース・メッセージ
レベル 0 コネクターのバージョンを識別するメッセージ。

このレベルでは、これ以外のトレースは実行されません。

レベル 1 機能モジュールの開始および終了メッセージ。これらのメッセージは、コネクター実行スレッドが、ある機能を開始したり、終了した際に書き込まれます。このメッセージは、コネクターの処理フローをトレースするために役立ちます。
レベル 2 コネクターがビジネス・オブジェクトの処理中に検出または検索した配列や子ビジネス・オブジェクトなどの情報を格納している、ビジネス・オブジェクト・ハンドラー・メッセージ。
レベル 3
  • コネクターがビジネス・オブジェクト内で外部キーをいつ検出または設定したかなどの情報を格納している、外部キー処理メッセージ。
  • ビジネス・オブジェクト処理に関する情報を提供するメッセージ。これらのメッセージは、例えばコネクターが複数のビジネス・オブジェクトの間に一致を検出したとき、子ビジネス・オブジェクトの配列内でビジネス・オブジェクトを検出したとき、あるいは検索中に子ビジネス・オブジェクトを削除したときに出力されます。

レベル 4
  • アプリケーション固有情報メッセージ。例えば、ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報プロパティーを構文解析する関数から戻された値を示すメッセージ。
  • コネクターがいつ Java メソッドを開始または終了したかを識別するメッセージ。これは、コネクターの処理フローをトレースするために役立ちます。
  • SQL ステートメント。このレベルおよびこれより上のレベルでは、コネクターは実行したすべての SQL ステートメントを出力します。
  • 検索時における属性値に対する変更。このレベルおよびこれより上のレベルでは、コネクターは属性の名前およびその新しい値を出力します。

レベル 5
  • コネクターの初期設定を示すメッセージ。例えば、統合ブローカーから検索した各構成プロパティーの値を示すメッセージ。
  • ビジネス・オブジェクトのダンプからなるメッセージ。
  • コネクターがビジネス・オブジェクトの処理を開始する前 (コネクターが統合ブローカーから受け取った際のビジネス・オブジェクトの状態を表示) およびコネクターがビジネス・オブジェクトの処理を完了した後 (コネクターが統合ブローカーに戻す際のビジネス・オブジェクトの状態を表示) のビジネス・オブジェクトの表現からなるメッセージ。

コネク ター・メッセージ・ファイル

コネクターが生成したエラー・メッセージは、Connector.txt. という名前のメッセージ・ファイルに保存されます。それぞれのエラーには、エラー・メッセージの前にエラー番号が付けられます。例えば、次のようにします。

1210
  
 SAP Hierarchical Dynamic Retrieve Module unable to initialize.
  
 1211
  
 SAP Hierarchical Dynamic Retrieve module failed to locate...
 

RFC_READ_TABLE の呼び出し失敗

SAP RFC_READ_TABLE 関数はキャラクター・ベースのデータ型を処理しません。フィールドで以下のデータ型が使用されている場合には、このモジュールはデータの検索に失敗します。

SQL SELECT の失敗

SELECT ステートメントが失敗した場合には、キーとしてマーク付けされているか、または外部キーとして使われている単純属性に、一重引用符 (') が含まれているかどうかを検査します。含まれていた場合は、一重引用符 (') を 2 つの一重引用符 ('') に変換するように、ビジネス・オブジェクトのマップを修正します。

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