データ・ハンドラーの構成

データ・ハンドラー・メタオブジェクトにより、コネクターや Server Access Interface プロセスが入力ファイルの MIME タイプまたはビジネス・オブジェクト要求で指定された MIME タイプに基づいてデータ・ハンドラーをインスタンス化できます。

データ・ハンドラーを構成するには、そのメタオブジェクトが正しく初期化され、呼び出し元 (コネクターまたはアクセス・クライアント) で使用できることを確認する必要があります。

注:
IBM 提供の各データ・ハンドラーは、データ・ハンドラー・メタオブジェクトに定義される構成プロパティーを使用します。

IBM 提供のデータ・ハンドラーをサポートするために、IBM は表 7 にリストするデータ・ハンドラー・メタオブジェクトを提供します。

表 7. IBM 提供のデータ・ハンドラーのメタオブジェクト
メタオブジェクト・レベル 数量 ロケーション
トップレベル


InterChange Server Express の場合 1 つ repository¥edk

コネクターの場合 1 つ DataHandlers¥repository¥ DataHandlers
各データ・ハンドラーにつき 1 つ DataHandlers¥repository¥ DataHandlers

1 つ以上のデータ・ハンドラーを呼び出し元で使用するように構成するには、次のようにする必要があります。

トップレベルのメタオブジェクト

トップレベルのデータ・ハンドラー・メタオブジェクトにより、MIME タイプが子データ・ハンドラー・メタオブジェクトに関連付けられます。

子メタオブジェクトにより構成情報が用意され、インスタンス化するデータ・ハンドラー・クラスの名前が常に格納されます。したがって、トップレベルのメタオブジェクトは MIME タイプとデータ・ハンドラーを関連付けます。特定のトップレベル・メタオブジェクトにアクセスできる呼び出し側のすべてのコンポーネントは、MIME タイプがこのメタオブジェクトに存在する任意のデータ・ハンドラーを呼び出すことができます。

特定のトップレベル・メタオブジェクトの内部で該当する MIME タイプ属性をグループ化し、使用が必要なデータ・ハンドラーを格納しているメタオブジェクトの名前を呼び出し側のコンポーネントから指定することにより、呼び出し側のコンポーネントがサポートできるデータ・ハンドラーを制御できます。IBM は次のトップレベルのデータ・ハンドラー・メタオブジェクトを提供します。

MO_Server_DataHandler メタオブジェクト

Server Access Interface プロセスは MO_Server_DataHandler メタオブジェクトを使用して、使用できるデータ・ハンドラーを識別します。 提供される MO_Server_DataHandler のバージョンは、MIME タイプをサポートするようには構成されていません。単一のダミー属性のみが含まれています。ご使用の WebSphere Business Integration Express にインストールされているデータ・ハンドラーをサポートするように、このメタオブジェクトをカスタマイズすることができます。アクセス・クライアントが MIME タイプをサポートするように設定する場合は、トップレベルの MO_Server_DataHandler メタオブジェクトの dummy 属性を、サポートされる MIME タイプの名前に変更して、その MIME タイプに対して関連する子メタオブジェクトを指定します。

例えば、アクセス・クライアントで text_xml MIME タイプをサポートする には、dummy 属性を text_xml に名前変更し、その属性のタイプとして、その MIME タイプの関連した子メタオブジェクトの名前を指定します。この子メタオブジェクトが XML データ・ハンドラーを構成します。図 9 は、MO_Server_DataHandler メタオブジェクトに、MO_DataHandler_DefaultXMLConfig 子メタオブジェクトを表す属性 text_xml が含まれている場合を示しています。

図 9. MO_Server_DataHandler メタオブジェクト


アクセス・クライアントが別の MIME タイプをサポートするようにする場合は、トップレベルの MO_Server_DataHandler メタオブジェクトの新しい属性を MIME タイプごとに定義して、その MIME タイプに対して関連する子メタオブジェクトを指定します。複数のデータ・ハンドラーを起動する場合は、データ・ハンドラー・インスタンスごとに子メタオブジェクトを定義する必要があります。追加の MIME タイプをサポートするには、以下のいずれかの方法があります。

注:
データ・ハンドラーのトップレベルのサーバー・メタオブジェクト名は、MO_Server_DataHandler のデフォルト名でなければなりません が、トップレベルのメタオブジェクトに任意の数の子メタオブジェクトを組み込むように構成できます。

MO_DataHandler_Default メタオブジェクト

デフォルトでは、コネクターは MO_DataHandler_Default メタオブジェクトを使用して、使用できるデータ・ハンドラーを識別します。 提供される MO_DataHandler_Default は、IBM が提供するすべてのデータ・ハンドラー (この資料には記載されていない一部のアダプター固有データ・ハンドラーを含む) の MIME タイプをサポートするように構成されています。

使用するコネクターが別の MIME タイプをサポートするようにする場合は、コネクターがサポートする各 MIME タイプについて属性が MO_DataHandler_Default メタオブジェクトに存在することを確認する必要があります。この属性は、該当する MIME タイプを指定して、その MIME タイプの関連する子メタオブジェクトを表す必要があります。追加の MIME タイプをサポートするには、独自のカスタム MIME タイプおよび子メタオブジェクトを定義します。ただし、この MIME タイプをサポートするデータ・ハンドラーが存在する場合に限ります。

注:
コネクターのトップレベルのメタオブジェクトの名前は、特定のコネクター、さらにはコネクターが処理する必要のある特定のビジネス・オブジェクトまたは特定のファイル・タイプに対応して変更することができます。しかし、どのオブジェクトを使用する場合でも、コネクター定義でサポートされる必要があります。したがって、別のトップレベル・オブジェクトを使用する場合は、それをサポートするようにコネクター定義を構成する必要があります。詳細については、データ・ハンドラーを使用するようにコネクターを構成する方法を参照してください。

図 10 に、2 つのデータ・ハンドラー (XML と NameValue) を定義する、コネクターのトップレベルのデータ・ハンドラー・メタオブジェクトを示します。

図 10. 2 つの異なるデータ・ハンドラーのメタオブジェクトの例


注:
データ・ハンドラーをアクセスできるコネクターの場合、トップレベルのデータ・ハンドラー・メタオブジェクトは、コネクターのサポート・オブジェクトのリストに存在する必要があります。存在しない場合、コネクターは始動時にメタオブジェクトをロードできません。

子メタオブジェクト

子データ・ハンドラー・メタオブジェクトはフラットなビジネス・オブジェクトで、データ・ハンドラーを初期化する構成情報が格納されます。データ・ハンドラーのタイプが異なれば構成要件が異なるので、子メタオブジェクトはさまざまな属性を持ちます。この構成情報により、データ・ハンドラー・インスタンスの振る舞いをカスタマイズします。したがって、子メタオブジェクト内の一連の属性値により特定の構成が定義され、次にそれが特定のデータ・ハンドラーの振る舞いに関連付けられます。特定の子メタオブジェクトにアクセスするすべての呼び出し元は、構成情報によって定義されている関連のデータ・ハンドラーの振る舞いを呼び出します。

IBM は、表 8 に示すように、提供する各データ・ハンドラーに関する子データ・ハンドラー・メタオブジェクトを提供します。


表 8. 子データ・ハンドラー・メタオブジェクト
子メタオブジェクト 詳細
MO_DataHandler_DefaultXMLConfig XML データ・ハンドラーの構成
MO_DataHandler_DefaultFixedWidthConfig FixedWidth データ・ハンドラーの構成
MO_DataHandler_DefaultDelimitedConfig Delimited データ・ハンドラーの構成
MO_DataHandler_DefaultNameValueConfig NameValue データ・ハンドラーの構成
MO_DataHandler_DefaultRequestResponseConfig Request-Response データ・ハンドラーの構成

Copyright IBM Corp. 2004