ABAP Extension Module でのビジネス・オブジェクトの処理

この章では、ABAP Extension Module のビジネス・オブジェクト処理について説明します。コネクターがビジネス・オブジェクトを処理する方法の詳細を示します。この章は、コネクターの Java コンポーネントおよび ABAP コンポーネントでのビジネス・オブジェクトの処理過程を示すことを目的としています。

この章の内容は以下のとおりです。

Adapter for mySAP.com (R/3 V.4.x) の Extension Module のビジネス・オブジェクト処理は、特定のネイティブ SAP API が使用されているかどうかに関係なく、すべてのビジネス・オブジェクトについて同じです。例えば、呼び出しトランザクションまたは IDoc に基づいてビジネス・オブジェクトを開発する場合、ビジネス・オブジェクト・データは同じ方法で処理されます。この処理は、ビジネス・オブジェクトがイベント通知の一部として実行された検索として SAP アプリケーションに送信される場合でも、ビジネス・オブジェクト要求として送信される場合でも同じです。ビジネス・オブジェクトの動詞も処理を変更しません。

図 11 に、アプリケーション固有ビジネス・オブジェクトからフラット (階層なし) 構造への変換および処理と、アプリケーション固有ビジネス・オブジェクトへの逆方向の変換および処理を示します。SAP アプリケーションから渡されるビジネス・オブジェクト・データは、このアプリケーションに渡されるデータと同じ構造を持っている必要がありますが、値は異なっている可能性があります。

図 11. ビジネス・オブジェクトの処理


ビジネス・オブジェクト処理は、4 つのステップから構成されます。以下に示す 4 つのステップは、図 11 の番号に対応しています。

  1. コネクターはアプリケーション固有ビジネス・オブジェクトを、ビジネス・オブジェクト・データを含んだフラットな構造に変換し、そのデータを SAP アプリケーションに渡します。
  2. コネクターの機能モジュール /CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN は、ビジネス・オブジェクト・データを動的に ABAP Handler に転送します。
  3. ABAP Handler は、ビジネス・オブジェクト・データを処理し、ビジネス・オブジェクト応答データを生成し、/CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN を介して新規ビジネス・オブジェクト・データをコネクターに戻します。
  4. コネクターは新しいビジネス・オブジェクト・データを受け取り、このデータと、アプリケーション固有ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト定義を使用して新しいビジネス・オブジェクトを作成し、統合ブローカーに渡します。

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