コネクターの構成

コネクターを実行するには、コネクターの標準構成プロパティーとコネクター固有のコネクター構成プロパティーを構成する必要があります。

入力した構成値は、リポジトリーに保存されます。

標準構成プロパティー

標準の構成プロパティーにより、すべてのコネクターによって使用される情報が提供されます。これらのプロパティーの詳細については、付録 A, コネクターの標準構成プロパティーを参照してください。

表 4 では、付録にある構成プロパティーについて、このコネクター固有の情報を示します。

表 4. このコネクターに固有のプロパティー情報
プロパティー
CharacterEncoding コネクターでは、このプロパティーは使用されません。
Locale このコネクターは国際化されているため、このプロパティーの値は変更できます。現在サポートされているロケールを知るには、アダプターのリリース情報を参照してください。
PollFrequency イベントの処理のために RFC Server Module または ALE Module を使用している場合、このプロパティーの値を key または no に設定しないでください。この値を key または no に設定することにより、コネクターが始動時にこれらモジュールのインスタンスを作成することを防止することができます。

コネクターを実行するには、ApplicationName 構成プロパティーの値を指定する必要があります。

コネクター固有の構成プロパティー

コネクター固有の構成プロパティーは、コネクターが実行時に必要とする情報を提供します。また、コネクター固有のプロパティーを使用すると、コネクターのコード変更や再ビルドを行わなくても、コネクター・フレームワークおよびコネクターのアプリケーション固有コンポーネント内の静的情報またはロジックを変更できます。

表 5 は、コネクター固有構成プロパティーの早見表です。「モジュール」列には、関連付けられているプロパティーを使用するコネクター・モジュールのリストが記載されています。

表 5. コネクター固有構成プロパティーの早見表
名前 使用可能な値 デフォルト値 モジュール
ABAPDebug true または false false ABAP Extension

BAPI

HDR

AleEventDir パス
ALE
AleUpdateStatus true または false false ALE
AleSelectiveUpdate IDocType:MessageType
ALE
AleStatusMsgCode MessageCode
ALE
AleSuccessCode 52 または 53 52 ALE
AleFailureCode 68 または 58 68 ALE
AleSuccessText SuccessText
ALE
AleFailureText FailureText
ALE
ApplicationPassword
SOFTWARE すべて
ApplicationUserName
CROSSWORLDS すべて
ArchiveDays

ALE
Client

すべて
Group アプリケーション・サーバーのグループを表すログオン・グループの有効な名前
すべて
gwService ゲートウェイ・サーバー ID sapgw00 RFC Server ALE
Hostname IP-address または server-name
すべて
InDoubtEvents Reprocess、FailOnStartUp、 LogError、または Ignore Ignore ABAP Extension
Language
E すべて
MaxNumberOfConnections
2 ABAP Extension、

ALE (要求処理のみ)、

BAPI HDR

Modules ModuleName
すべて
Namespace true または false true ABAP Extension
NumberOfListeners 任意の正整数 1 RFC Server、

ALE

PollQuantity 任意の正整数 20 ABAP Extension、

ALE

RefreshLogonCycle true true すべて
RfcProgramId プログラム ID CWLDSERVER RFC Server、

ALE

RfcTraceOn true または false false すべて
SAPALE_Archive_Queue 有効な MQSeries キュー名
ALE
SAPALE_Event_Queue 有効な MQSeries キュー名
ALE
SAPALE_Wip_Queue 有効な MQSeries キュー名
ALE
SAPALE_Error_Queue


SAPALE_Unsubscribed_Queue


SAPSystemID SAP R/3 システムの論理名
すべて
SAPtid_MQChannel 有効な MQ チャネル
ALE
SAPtid_MQPort 有効な MQ ポート
ALE
SAPtid_Queue 有効な MQ キュー名
ALE (要求処理のみ)
SAPtid_QueueManager 有効な MQ キュー・マネージャー名
ALE
SAPtid_QueueManagerHost 有効な MQ キュー・マネージャー・ホスト名
ALE
SAPtid_QueueManagerLogin 有効な MQ キュー・マネージャー・ログイン名
ALE
SAPtid_QueueManagerPassword 有効な MQ キュー・マネージャー・パスワード
ALE
Sysnr システム番号 00 すべて
DateTimeFormat なしまたはレガシー
すべて
TransIdCollabName

現在サポートはありません
UseDefaults true または false false ABAP Extension

ALE

BAPI

ABAPDebug

コネクターでビジネス・オブジェクトの処理を開始する際に、適切な機能モジュール用の ABAP Debugger を呼び出すかどうかを指定します。このプロパティーを true に設定すると、コネクターは次のコネクター・モジュール用の ABAP Debugger をオープンします。

コネクターで ABAP Debugger が呼び出されるのは、次の場合のみです。

注:
ブレークポイントの追加を行えるのは、デバッガーが開いた後のみです。
重要:
このプロパティーは、実稼働環境では常に false に設定する必要があります。

デフォルト値は false です。

AleEventDir

ALE Module がイベントの記録およびリカバリーのために使用する event ディレクトリーに対応するルート・ディレクトリー (¥ale) の場所を指定します。コネクターが最初に始動したときに、始動元のディレクトリー内にこのルート・ディレクトリーが存在しない場合、コネクターはルート・ディレクトリーと event サブディレクトリーを作成します。

例えば、コネクターの場所が ¥connectors¥SapConnector1 (製品ディレクトリー内) の場合、コネクターは次のディレクトリーを作成します。

¥connectors¥SapConnector1¥ale
 
Linux

コネクターを最初に始動する際に、コネクターが配置されているディレクトリー以外のディレクトリーから始動した場合、コネクターはこのプロパティーの値に関係なく、コネクターを始動したディレクトリーにルート・ディレクトリーを作成します。

OS/400

コネクターを最初に始動する際に、コネクターが配置されているディレクトリー以外のディレクトリーから始動した場合、コネクターはこのプロパティーの値に関係なく、コネクターを始動したディレクトリーにルート・ディレクトリーを作成します。

詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値は次のとおりです。
Linux

$<ProductNameDir>/connectors/SAP/ale

OS/400

$<ProductNameDir>/connectors/SAP/ale

Windows

%ProductNameDir%¥connectors¥SAP¥ale

AleUpdateStatus

すべてのメッセージ・タイプに対して監査証跡を必要とするかどうかを指定します。ALE Module がイベント処理のために IDoc オブジェクトを検索した後で、コネクターで標準の SAP 状況コードが更新されるようにするためには、このプロパティーを true に設定する必要があります。

詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値は false です。

AleSelectiveUpdate

コネクターで標準の SAP 状況コードが更新されるように構成した場合、どの IDocType と MessageType の組み合わせを更新するかを指定します。このプロパティーの値は、AleUpdateStatustrue に設定されている場合にのみ定義できます。

このプロパティーの構文は次のとおりです。

IDocType:MessageType[,IDocType:MessageType[,...]]
 

ここで、コロン (:) 区切り文字はそれぞれの IDocType と MessageType を分離し、コンマ (,) 区切り文字はエントリーをセットごとに分離します。下の例では、セットが 2 つある場合が示されています。この例で、MATMAS03DEBMAS03 は IDoc、MATMASDEBMAS はメッセージ・タイプです。

MATMAS03:MATMAS,DEBMAS03:DEBMAS
 

詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

AleStatusMsgCode

必要があれば、コネクターが ALEAUD メッセージ IDoc (ALEAUD01) を通知する際に使用するメッセージ・コードを指定します。このメッセージ・コードは、受信側のパートナー・プロファイルで構成してください。このプロパティーの値は、AleUpdateStatustrue に設定されている場合にのみ定義できます。

詳細については、IDoc の状況を更新するための SAP の構成を参照してください。

AleSuccessCode

Application Document Posted の正常状況コードを指定します。ALE Module がイベント処理のために IDoc オブジェクトを検索した後で、コネクターで SAP 正常状況コードが更新されるようにするには、このプロパティーに値を指定する必要があります (52 または 53)。SAP では、この値を状況 41 (Application Document Created in Receiving System) に変換します。

詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

AleFailureCode

ディスパッチ失敗に対する状況コードを指定します。ALE Module がイベント処理のために IDoc オブジェクトを検索した後で、コネクターで SAP 失敗状況コードが更新されるようにするには、このプロパティーに値を指定する必要があります (68 または 58)。SAP はこの値を 40 に変換します。

詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

AleSuccessText

正常な Application Document Posted に対する記述テキストを指定します。このプロパティー値の設定は、AleUpdateStatustrue に設定した場合でも省略可能です。

詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

AleFailureText

ディスパッチ失敗に対する記述テキストを指定します。このプロパティー値の設定は、AleUpdateStatustrue に設定した場合でも省略可能です。

詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

ApplicationPassword

SAP アプリケーションでのコネクターのユーザー・アカウントのパスワードです。デフォルトは SOFTWARE です。

ApplicationUserName

SAP アプリケーションでのコネクターのユーザー・アカウントの名前です。デフォルトは CROSSWORLDS です。

ArchiveDays

TIDManagement ファイルを要求ディレクトリーから削除する必要が生じたあとの日数は、ArchiveDays コネクター構成のプロパティーによって決まります。内部的に保守されるデフォルト値は、7 日です。

Client

コネクターがログインする際のクライアント番号で、多くの場合 100 です。

Group

ロード・バランシング用のコネクターを構成しているときには、アプリケーション・サーバーのグループを表すログオン・グループの名前を指定します。詳細については、ロード・バランシングの活用を参照してください。

gwService

ゲートウェイ・サーバーの ID。多くの場合、sapgw00 です。00 は、SAP Gateway を実行しているサーバー (通常はアプリケーション・サーバー) のシステム番号で、複数存在する場合は 00 を指定することはできません。デフォルトは sapgw00 です。

Hostname

ロード・バランシング用のコネクターを構成しているときには、メッセージ・サーバーの名前を指定します。ロード・バランシングなしに実行するコネクターを構成しているときには、コネクターのログイン先となるアプリケーション・サーバーの IP アドレスまたは名前を指定します。いずれの場合も、コネクターは、ゲートウェイ・ホストの名前がこのプロパティーに対して指定された値と同じと仮定します。

InDoubtEvents

InDoubtEvents は、イベント表の進行中のイベントの処理法を記述します。 Reprocess は、イベント表の進行中のイベントを再処理します。 FailOnStartup は、コネクターをシャットダウンし、進行中のイベントがあった場合は致命的エラーをログに記録します。LogError は、進行中のイベントがイベント表にあることを通知するエラーをログに記録します。 Ignore は、進行中のイベントを無視します。

Language

コネクターがログインする際の言語です。デフォルトは、E で、英語に設定されます。

MaxNumberOfConnections

コネクターと SAP アプリケーションとの間の、同時実行可能な相互作用の最大数。これらの相互作用には、イベントのポーリングや、サービス呼び出し要求の処理が含まれます。このプロパティーは、 ABAP Extension Module、BAPI Module、および ALE Module でのみ使用されます。ALE Module は、サービス呼び出し要求のためにのみこのプロパティーを使用します。

各相互作用は SAP アプリケーション・サーバー上でダイアログ・プロセスを使用するため、接続の数は、使用可能なダイアログ・プロセスの数を超えることはできません。詳細については、同時実行可能な複数の相互作用の処理を参照してください。

このプロパティーに値を設定しない場合、コネクターではデフォルト値の 2 が使用されます。

Modules

コネクターが init()pollForEvents()、および Terminate() の要求を実行するために使用するモジュールを指定します。具体的には、Vision コネクター・フレームワークで使用されるコネクター・モジュールを指定します。複数のコネクター・モジュールを指定する場合は、それぞれの値をコンマで区切ります。スペースは入れないでください。

サポートされるコネクター・モジュールと、それらを指定するための構文は次のとおりです。

ABAP Extension Module--Extension

ALE Module--ALE

BAPI Module--Bapi

RFC Server Module--RfcServer

Namespace

コネクターが、コネクター・ネーム・スペース /CWLD/ で定義された ABAP コンポーネントを使用するかどうかを指定します。コネクターがネーム・スペースで定義された ABAP コンポーネントを使用するようにするには、値を true に設定する必要があります。デフォルトは true です。

NumberOfListeners

コネクターが初期化される際に作成されるリスナー・スレッドの数を指定します。1 つのリスナー・スレッドは、一度に 1 つの要求を処理できます。それぞれのリスナー・スレッドは一度に 1 つのイベントを処理します。そのため、複数のリスナー・スレッドが作成されていると、コネクターは複数のイベントを並行処理できます。デフォルトは、1 です。

リスナー・スレッドの数は、SAP で使用可能な作業プロセスの数を超えないことを推奨します。

PollQuantity

単一のポーリングで選出されるイベントの最大数を定義します。デフォルトは 20 です。

RefreshLogonCycle

SAP クライアントの接続について、すべてのリソースを解放するかどうかを指定します。デフォルトは false です。

RfcProgramId

リスナー・スレッドが RFC 対応機能からのイベントを処理できるように、コネクターが SAP Gateway に登録する ID です。この値は、SAP アプリケーションに登録されたプログラム ID (トランザクション SM59) と一致している必要があります。デフォルトは CWLDSERVER です。

SAP アプリケーション内のプログラム ID の構成の詳細については、RFC Server Module の SAP gateway への登録を参照してください。

RfcTraceOn

各リスナー・スレッドに関する RFC アクティビティーの詳細を記述したテキスト・ファイルを生成するかどうかを指定します。指定できる値は true または false です。true を指定するとトレースが活動化し、トレースがテキスト・ファイルに生成されます。これらのテキスト・ファイルは急速に大きくなるため、これらのファイルを開発環境のみで使用することをお勧めします。デフォルトは false です。

SAPALE_Archive_Queue

ALE Module がイベントの処理を修了した後、TID と IDoc データをアーカイブする MQ Series キューを指定します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

SAPALE_Event_Queue

ALE Module によるイベント処理の間、TID と IDoc データを保管する MQ Series キューを指定します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

SAPALE_Wip_Queue

ALE Module がイベント・キューあての MQ メッセージを作成しているとき、TID と IDoc データを保持する MQ Series 処理中 (wip) キューを指定します。コネクターは、1 つのイベントのデータをすべて受信した後、このキューのデータを SAPALE_Event_Queue に移します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

SAPALE_Error_Queue

WIP キューとイベント・キューの間で失敗した MQ メッセージを処理するためのキューを定義します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

SAPALE_Unsubscribed_Queue

アンサブスクライブされた IDoc オブジェクトを収集するためのキューを定義します。以前は、アンサブスクライブされた IDoc オブジェクトはアーカイブ・キューに置かれていました。これらのメッセージは、イベント管理ユーティリティーを使用して再サブミットできます。コネクターは、SAP からコネクターへのデータを処理するときにサブスクリプションを検査するようになったため、トランザクションはコラボレーションが開始されるまで SAP に残ります。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

SAPSystemID

ロード・バランシング用のコネクターを構成しているときには、SAP R/3 システムの論理名 (R3name とも呼びます) を指定します。詳細については、ロード・バランシングの活用を参照してください。

SAPtid_MQChannel

MQSeries キュー・マネージャー用のクライアント・チャネルを指定します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

SAPtid_MQPort

ALE Module 用のキューを処理する MQSeries キュー・マネージャーとの通信に使用するポートを指定します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

SAPtid_Queue

TID と TID 状況が設定されているメッセージが存在する MQ Series キューを指定します。このプロパティーは、 ALE Module が要求を処理するときにのみ使用します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

SAPtid_QueueManager

TID および IDoc データを格納するキューを管理する MQSeries キュー・マネージャーの名前です。このプロパティーは、 ALE Module がイベントおよび要求を処理するときに使用します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

SAPtid_QueueManagerHost

MQSeries キュー・マネージャーが存在するホストの名前です。このプロパティーは、 ALE Module がイベントおよび要求を処理するときに使用します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

SAPtid_QueueManagerLogin

MQSeries キュー・マネージャーにログインするためのユーザー名です。このプロパティーは、 ALE Module がイベントおよび要求を処理するときに使用します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

SAPtid_QueueManagerPassword

MQSeries キュー・マネージャーにユーザーがログインするためのパスワードです。このプロパティーは、 ALE Module がイベントおよび要求を処理するときに使用します。詳細については、ALE Module の概要を参照してください。

デフォルト値はありません。

Sysnr

アプリケーション・サーバーのシステム番号です。この値は 2 桁の数値で、多くの場合 00 です。デフォルトは 00 です。

DateTimeFormat

DATE および TIME の各フィールド値で指定された区切り文字を保存します。Legacy に設定すると、コネクターは DATE および TIME フィールドの区切り文字を保存します。それ以外の場合は、区切り文字が除去され、値の長さが属性で定義された長さに合わせられます。

TransIdCollabName

重要:
コネクターによるこのプロパティーのサポートはなくなりました。

UseDefaults

Create または Update 操作の場合、UseDefaults が true に設定されていれば、統合ブローカー用のアダプター・フレームワークは、必要に応じてマーク付けされた各ビジネス・オブジェクト属性に有効な値またはデフォルト値が指定されているか検査します。値が指定されている場合には、Create または Update は正常に実行されます。パラメーターが false に設定されていると、コネクターは有効な値のみチェックし、値が設定されていなければ、Create 処理または Update 処理は失敗します。デフォルトは false です。

Copyright IBM Corp. 2004