前提条件となる作業

このセクションでは、アダプターをインストールして実行する前に、WebSphere Commerce およびその他のソフトウェアに対して実行しなければならないインストール作業と構成作業について説明します。

実行しなければならない作業は、以下のとおりです。

  1. WebSphere Commerce のインストールと構成
  2. Commerce 拡張パックのインストールと構成
  3. WebSphere Commerce ストアのパブリッシュ
  4. WebSphere MQ キューの作成と構成
  5. WebSphere Application Server (WAS) の JMS 設定の構成
  6. WebSphere Commerce 内の JMS ConnectionSpec の構成
  7. WebSphere Commerce の JVM 設定の更新
  8. WebSphere Commerce Adapter の使用可能化

WebSphere Commerce のインストールと構成

WebSphere Commerce バージョン 5.4 (Fix Pack 6 以上を適用) をインストールするか、WebSphere Commerce バージョン 5.5 (Fix Pack 4 以上を適用) をインストールします。インストール手順とインストール後の構成については、製品に付属の資料を参照してください。 WebSphere Commerce メッセージング・システムは、メッセージを処理してバックエンド・システムとやり取りするために装備されています。

CMDREG テーブルを更新する必要があります。これは、XML メッセージ・フォーマットを使用するための、WebSphere Commerce データベース内のコマンド・レジストリー・テーブルです。

Commerce 拡張パックのインストール

Commerce 拡張パックをインストールするには、URL
http://www.ibm.com/software/commerce/epacks か ら Commerce 拡張パック・ドライバーをダウンロードし、readme.txt ファイルの指示に従います。

ストアのパブリッシュ

このアダプターは、WebSphere Commerce の既存のパブリッシュ済みストアと併用することができます。また、新しいストアを作成することもできます。

WebSphere MQ キューの構成

アダプターの使用に必要な WebSphere MQ キューの構成は、WebSphere Commerce と IBM WebSphere InterChange Server Express をインストールする場合の接続形態により、ある程度異なります。サポートされている接続形態は、以下のとおりです。

マシンが 1 台の場合

この接続形態では、WebSphere Commerce と InterChange Server Express と Adapter for WebSphere Commerce がすべて、1 台のマシンにインストールされています。単一のキュー・マネージャーが、ソリューションで使用するすべての WebSphere MQ キューを処理します。InterChange Server Express をインストールしたときにセットアップしたキュー・マネージャーを使用することをお勧めします。

注:
Windows、OS/400、および Linux では、デフォルトのキュー・マネージャーが異なります。例えば、OS/400 の場合、デフォルトのキュー・マネージャーは serverName.QUEUE.MANAGER です。ここで、serverName は InterChange Server Express インスタンスの名前です。デフォルトで作成されるインスタンスは QWBDIFT なので、このキュー・マネージャーは QWBDIFT.QUEUE.MANAGER です。詳しくは、コンソールのヘルプ・メニュー (コンソール・メニューから「ヘルプ」->「ヘルプ」を選択) を参照してください。

この接続形態では、以下の役割を行うキューが必要です。

マシンが 1 台の接続形態では、上記のキューはすべてローカルです。キューを手動で作成する場合は、そのキューに割り当てる名前を選択します。このソリューションでバッチ・ファイルを使用する場合 (以下を参照) は、バッチ・ファイルが、事前に割り当て済みの名前を使ってキューを作成します。

Windows 環境用のキューの生成

Windows 環境でアダプターを使用している場合は、バッチ・ファイルを使用して、マシンが 1 台の接続形態に適したキューを生成することができます。このファイルは、製品パッケージと一緒に、IBM InterChange Server Express のインストールで使用したルート・ディレクトリー内の ¥Connector¥WebSphereCommerce¥Utilities サブディレクトリーにインストールされます。このバッチ・ファイルを使用してキューを作成するには、以下のように、ファイル ConfigureWebSphereCommerceAdapter.bat を実行します。

コマンド・プロンプトに、以下のように入力します。

ConfigureWebSphereCommerceAdapter
 <InterChangeServerName>.queue.manager
 

ここで、<InterChangeServerName> は WebSphere InterChange Server Express の名前です。

これで、InterChange ServerName.queue.manager という名前のキュー・マネージャーが作成され、必要な WebSphere MQ キューが作成されます。バッチ・ファイルによって作成される、作成済みキューの名前は、以下のとおりです。

WC_MQCONN.IN_PROGRESS: アダプター用の InProgress Queue。

WC_MQCONN.ERROR: アダプター用の InterChange Server Express Error Queue。

WC_MQCONN.ARCHIVE: アダプター用の Archive Queue。

WC_MQCONN.REPLY: アダプター用の Reply-To_Queue。

WC_MQCONN.UNSUBSCRIBED: アダプター用の UnSubscribed Queue。

WCS_Serial_Inbound: WebSphere Commerce 用の Serial Inbound Queue。WebSphere Application Server の JMS 設定の構成 (WAS 4.x の場合)に示すように、WebSphere Commerce に対して定義されている JMS キュー名と一致しなければなりません。

WCS_Outbound: WebSphere Commerce 用の Outbound Queue。WebSphere Application Server の JMS 設定の構成 (WAS 4.x の場合)に示すように、WebSphere Commerce に対して定義されている JMS キュー名と一致しなければなりません。

WCS_Parallel_Inbound: WebSphere Commerce 用の Parallel Inbound Queue。WebSphere Application Server の JMS 設定の構成 (WAS 4.x の場合)に示すように、WebSphere Commerce に対して定義されている JMS キュー名と一致しなければなりません。

WCS_Error: WebSphere Commerce 用の Error Queue。WebSphere Application Server の JMS 設定の構成 (WAS 4.x の場合)に示すように、WebSphere Commerce に対して定義されている JMS キュー名と一致しなければなりません。

WCS_Inbound: WebSphere Commerce 用の Inbound Queue。WebSphere Application Server の JMS 設定の構成 (WAS 4.x の場合)に示すように、WebSphere Commerce に対して定義されている JMS キュー名と一致しなければなりません。

OS/400 環境用のキューの生成

OS/400 環境でアダプターを使用する場合は、キューを作成する必要があります。

ご使用のシステムに応じて、次の 2 通りの方法でキューを作成できます。

WebSphere Business Integration Server Express Console を使用してキューを作成する

WebSphere Business Integration Server Express Console を使用する場合は、以下の手順でキューを作成します。

  1. WebSphere Business Integration Server Express Console アプリケーションを始動します。
  2. 「スタート」>「プログラム」>「IBM WebSphere Business Integration Console」>「コンソール」を選択します。
  3. OS/400 システム名または IP アドレスを入力し、ユーザー・プロファイルおよびパスワードを入力します。

    ユーザー・プロファイルは、Server Express コンポーネントのインストール時に作成された WebSphere MQ キュー QWBIDFT.QUEUE.MANAGER に対するアクセス権を持っている必要があります。

  4. コンソールの「ファイル」メニューから、「ファイル」>「キュー・マネージャーの構成」項目を選択します。

    メモ帳でファイル mq_temp.tst が開いて、このファイルを編集できるようになります。

  5. カラム 1 に「*」がないすべての行のカラム 1 に「*」文字を入力する必要があります。
  6. ファイルの先頭に以下の行を追加します。

    DEFINE QL (WC_MQCONN.IN_PROGRESS)

    DESCR (WBI Adapter In Progress Queue)

    DEFINE QL (WC_MQCONN.ERROR)

    DESCR (WBI Adapter Error Queue)

    DEFINE QL (WC_MQCONN.ARCHIVE)

    DESCR (WBI Adapter Archive Queue)

    DEFINE QL (WC_MQCONN.REPLY)

    DESCR (WBI Adapter Reply-To Queue)

    DEFINE QL (WC_MQCONN.UNSUBSCRIBED)

    DESCR (WBI Adapter UnSubscribed Queue)

    DEFINE QL (WCS_Serial_Inbound)

    DESCR (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Serial Inbound Queue)

    DEFINE QL (WCS_Outbound)

    DESCR (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Outbound Queue)

    DEFINE QL (WCS_Parallel_Inbound)

    DESCR (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Parallel Inbound Queue)

    DEFINE QL (WCS_Error)

    DESCR (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Error Queue)

    DEFINE QL (WCS_Inbound)

    DESCR (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Inbound Queue)

  7. メモ帳を保管して閉じます。

    コンソールにより、OS/400 上のキューが作成されます。

コマンド行を使用してキューを作成する

CL コマンドを使用してキューを作成する場合は、コマンド・プロンプトで以下のように入力します。

  1. STRMQM MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  2. CRTMQMQ QNAME (WC_MQCONN.IN_PROGRESS)
  3. QTYPE (*LCL)
  4. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  5. TEXT (WBI Adapter In Progress Queue)
  6. CRTMQMQ QNAME (WC_MQCONN.ERROR)
  7. QTYPE (*LCL)
  8. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  9. TEXT (WBI Adapter Error Queue)
  10. CRTMQMQ QNAME (WC_MQCONN.ARCHIVE)
  11. QTYPE (*LCL)
  12. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  13. TEXT (WBI Adapter Archive Queue)
  14. CRTMQMQ QNAME (WC_MQCONN.REPLY)
  15. QTYPE (*LCL)
  16. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  17. TEXT (WBI Adapter Reply-To Queue)
  18. CRTMQMQ QNAME (WC_MQCONN.UNSUBSCRIBED)
  19. QTYPE (*LCL)
  20. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  21. TEXT (WBI Adapter UnSubscribed Queue)
  22. CRTMQMQ QNAME (WCS_Serial_Inbound)
  23. QTYPE (*LCL)
  24. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  25. TEXT (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Serial Inbound Queue)
  26. CRTMQMQ QNAME (WCS_Outbound)
  27. QTYPE (*LCL)
  28. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  29. TEXT (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Outbound Queue)
  30. CRTMQMQ QNAME (WCS_Parallel_Inbound)
  31. QTYPE (*LCL)
  32. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  33. TEXT (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Parallel Inbound Queue)
  34. CRTMQMQ QNAME (WCS_Error')
  35. QTYPE (*LCL)
  36. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  37. TEXT (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Error Queue)
  38. CRTMQMQ QNAME (WCS_Inbound)
  39. QTYPE (*LCL)
  40. MQMNAME (serverName.QUEUE.MANAGER)
  41. TEXT (WebSphere Commerce MQ Adapter JMS Inbound Queue)

    ここで、serverName は InterChange Server Express インスタンスです (OS/400 の場合、デフォルトは QWBIDFT)。

マシンが 2 台でキュー・マネージャーが 2 つの場合

この接続形態では、WebSphere Commerce が 1 台のマシンにインストールされ、IBM WebSphere InterChange Server Express と Adapter for WebSphere Commerce がもう 1 台のマシンにインストールされています。

WebSphere MQ は、マシンごとにインストールしなければならないので、インストールごとに別々のキュー・マネージャーを使用します。以下に、各マシンで作成するキューを示します。

注:
この表では、キューの名前はそれぞれのキューの役割を表していますが、WebSphere Commerce システムで使用している JMS キューの名前と一致していれば、どのようなキュー名を設定しても構いません。
この表で、接頭部 WCS は、WebSphere Commerce システムがインストールされているマシンで作成され、そのマシンに常駐するキュー・マネージャーで管理されるキューを示します。
接頭部 InterChange Server Express は、InterChange Server Express とコネクターがインストールされているマシンで作成され、そのマシンに常駐するキュー・マネージャーで管理されるキューを示します。

WebSphere Commerce マシン上のキュー

InterChange Server Express マシン上のキュー

WCS_Outbound Queue

WebSphere Commerce から InterChange Server Express へのメッセージの送信用。このキューは、リモート・キューとして InterChange Server Express マシン上の ICS_Inbound を指す、リモート・キュー定義として作成されます。

ICS_Inbound queue

WebSphere Commerce から InterChange Server Express に送信されるメッセージの受信用。

WCS_Serial Inbound queue

InterChange Server Express から WebSphere Commerce に送信されるメッセージの受信用。

ICS_Outbound queue

InterChange Server Express から WebSphere Commerce へのメッセージの送信用。このキューは、リモート・キューとして WebSphere Commerce マシン上の WCS_Serial Inbound を指す、リモート・キュー定義として作成されます。

InterChange Server Express へ

WebSphere Commerce システムから InterChange Server Express への送信キュー。

WebSphere Commerce へ

InterChange Server Express から WebSphere Commerce システムへの送信キュー。

WCS_Error_queue

WebSphere Commerce で正常に処理できないメッセージが保管されます。

ICS_Error_queue

メッセージは、ビジネス・オブジェクトに正常に変換されないと、ここに保管されます。

WCS_Parallel Inbound

アダプターは、並列インバウンド・キューを利用しません。


ICS_InProgress queue

WebSphere Commerce から InterChange Server Express に送信される有効なメッセージのオリジナル・バージョンは、アダプターが処理を完了するまでここに保管されます。処理が完了すると、オリジナルのメッセージはローカルのアーカイブ・キューに移されます。


ICS_Archive_queue

メッセージがアダプターにより完全に処理されて、WebSphere Commerce から InterChange Server Express に送信されると、メッセージのオリジナル・バージョンはここに保管されます。


ICS_Unsubscribed_queue

メッセージがビジネス・オブジェクトに正常に変換されたが、アダプターでサポートされるビジネス・オブジェクトに対応していないと、ここに保管されます。

2 つのシステム間の通信を確立するには、チャネルと送信キューを使用します。

この接続形態では、各マシンごとに以下の役割を実行するチャネルを作成しなければなりません。
WebSphere Commerceマシン上のチャネル InterChange Server Express マシン上のチャネル

Sender_WCS

Sender_ICS

Receiver_ICS

Receiver_WCS

チャネルの作成

以下の手順では、別々のマシンとキューに対応付けるように、特定のサーバーとキュー・マネージャーの名前を指定しています。チャネルは、正しいキューが参照し合っていることを確認するためのものです。キューの「ローカル」バージョンは、実際の情報を保持するためのものです。

WebSphere Commerce マシンで、以下の構成作業を行います。

注:
ここで使用するチャネルの名前は、単なる例です。
  1. WebSphere MQ Explorer を使用して、WebSphere Commerce システムで 2 つのチャネルを作成します。1 つは、「WCS」という送信側チャネル、もう 1 つは「ICS」という受信側チャネルです。
  2. ローカル・キューを作成します (例えば、「ToICSSystem」という名前を使用します)。
  3. ToICSSystem キューを送信キューとして設定します。
  4. WCS_Outbound Queue について、以下のプロパティーを設定します。
    1. リモート・キュー名 ICS_Inboundリモート・キュー・マネージャー名 ICS_server_name.queue.manager。例えば、ICS.queue.manager とします。
    2. ステップ 2 で作成した「ToICSSystem」について、送信キュー名のプロパティーを設定します。
  5. 送信側チャネルを構成するには、以下のようにします。
    1. IP アドレスとポートからなる接続名を指定します (例えば、9.182.12.235(1414))。ここで、9.182.12.235 は、InterChange Server Express が実行されているマシンの IP アドレスで、1414 は、デフォルトのリスナー・ポートです。
    2. 送信キューの名前を「ToICSSystem」として指定します。

これで、WebSphere Commerce マシンの構成作業は終わりです。

InterChange Server Express マシンで、以下の構成作業を行います。

  1. WebSphere MQ Explorer を使用して、「ICS」という送信側チャネルと「WCS」という受信側チャネルの 2 つのチャネルを作成します。
    注:
    WebSphere Business Integration Server Express システムの送信側チャネルの名前は、WebSphere Commerce の受信側チャネルの名前と一致していなければなりません。WebSphere Business Integration Server Express システムの受信側チャネルの名前は、WebSphere Commerce の送信側チャネルの名前と一致していなければなりません。
  2. 新しいローカル・キュー (例えば、「ToWCSSystem」) を作成します。ToWCSSystem キューを送信キューとして設定します。
  3. WebSphere Business Integration Server Express システムにリモート定義キューを作成します。このリモート定義キューは、コネクター・コンポーネントで出力キューとして使用してください。以下のプロパティーを設定します。
    1. リモート・キュー名 WCS_SerialInbound
    2. リモート・キュー・マネージャー名 <wcssytems_Q_manager_name>。例えば、QM_wcsfvt3 とします。
    3. 送信キュー名のプロパティーを「ToWCSSystem」に設定します。
  4. 送信側チャネルを構成するには、以下のようにします。
    1. IP アドレスとポートからなる接続名を指定します (例えば、9.182.12.18(1414))。ここで、9.182.12.18 は、WebSphere Commerce が実行されているマシンの IP アドレスで、1414 はデフォルトのリスナー・ポートです。
    2. 送信キューの名前を「TOWCSSystem」として指定します。

WebSphere Commerce マシンと InterChange Server Express マシンの両方で WebSphere MQ キューとチャンネルの構成が終了したら、受信側チャネル、送信側チャネルの順に始動します。

マシンが 2 台でキュー・マネージャーが 1 つの場合

この接続形態では、WebSphere Commerce が 1 台のマシンにインストールされ、InterChange Server Express と Adapter for WebSphere Commerce がもう 1 台のマシンにインストールされています。WebSphere MQ のインスタンスは 1 つしか実行されていないので、両方のマシンで使用するキューは単一のキュー・マネージャーで管理されます。このシナリオでは、ローカル・キューしか使用しません。

この接続形態では、以下の役割を行うキューが必要です。

WebSphere Application Server の JMS 設定の構成 (WAS 4.x の場合)

Java Messaging Service Connection Factory と JMS キューを作成して WebSphere MQ で使用できるように、WebSphere Application Server (WAS) を構成する必要があります。以下の手順を実行します。

注:
WebSphere Application Server の JMS 設定を構成する前に、WebSphere Commerce バージョン 5.4 (Fix Pack 6 以上を適用) をインストールする必要があります。以下の説明は WAS 4.x にのみ適用されます。ご使用の WebSphere Commerce および WAS のバージョンでのインストール手順については、該当するマニュアルを参照してください。
  1. コマンド・プロンプトから、以下のことを実行します。
    1. 1 行に以下のコマンドを入力し、classpath 変数を更新します。
      set classpath= %classpath%;
       MQ_install_path¥java¥lib¥com.ibm.mqjms.jar;
       MQ_install_path¥java¥lib¥com.ibm.mq.jar;
       MQ_install_path¥java¥lib¥com.ibm.mq.iopp.jar;
       MQ_install_path¥java¥lib¥com.ibm.ibmorb.jar;WAS_install_path¥lib¥ns.jar
       

      MQ_install_path
      WebSphere MQ のインストール・パス。

      WAS_install_path
      WebSphere Application Server のインストール・パス。
    2. 以下のコマンドを入力して、新しい環境変数 MQ_JAVA_INSTALL_PATH を追加します。
      set MQ_JAVA_INSTALL_PATH=MQ_install_path¥java
       

      MQ_install_path
      WebSphere MQ のインストール・パス。
    3. 以下のコマンドを入力して、WebSphere Application Server に付属の JDK (Java Development Kit) を使用するように環境を更新します。
      set PATH = WAS_Intall_Path¥Java¥bin;%PATH%
       

      WAS_install_path
      WebSphere Application Server のインストール・パス。
  2. WebSphere Application Server が実行されていて、上記のステップ 1 で定義した正しいクラスパス変数と環境変数が追加されていることを確認します。また、java -version を実行して、バージョンを WAS_Install_Path¥Java¥bin に示されている情報と突き合わせて、使用している JDK が WAS の JDK であることも確認します。
  3. MQ_install_path¥java¥bin ディレクトリーで、JMSAdmin.config ファイルを開き、以下の値を設定します。

    INITIAL_CONTEXT_FACTORY=com.ibm.ejs.ns.jndi.CNInitialContextFactory PROVIDER_URL=iiop://localhost:900

    上記の値は、WebSphere Commerce と WebSphere MQ が同じマシンにインストールされていることを前提とします。

    SECURITY_AUTHENTICATION=none

  4. コマンド行入力として JMSAdmin.config ファイルを指定し、JMSAdmin プログラムを実行します。

    コマンド・プロンプト:> JMSAdmin -cfg JMSAdmin.config -t -v

    このコマンドを実行すると、WebSphere Application Server が提供する JNDI (Java Naming and Directory Interface) サービスを検索できるようになります。InitCtx> プロンプトが表示されるので、これを使用して JMS 管理コマンドを実行することができます。

  5. QueueConnectionFactory を登録し、以下のコマンドを入力してコード化文字セット ID を設定します。

    上記の一連のコマンドを実行すると、このキュー・コネクション・ファクトリーの項目が WebSphere Application Server データベースの BINDINGBEANTBL テーブル下に作成されます。これらのオブジェクトは、WebSphere Application Server データベースに登録されます。

  6. WebSphere MQ キューに対して設定した名前と使用している WebSphere MQ キュー・マネージャーにマップするように、以下の JMSQueue を定義します。JMSqueue の名前は、ユーザー要件に合わせてカスタマイズできますが、定義する JMSqueue に対応する WebSphere MQ の名前は、大文字小文字を含め、WebSphere MQ で設定したキュー名と正確に一致しなければなりません。このアダプターに付属のバッチ・ファイルを使用して、単一マシンの接続形態に適した WebSphere MQ キューを作成している場合は、以下の表に示すように、バッチ・ファイルで生成されたこれら保証済みの WebSphere MQ キュー名を、定義する JMS キューに対応する値として使用してください。

    JMS キューを定義する構文は、以下のとおりです。

注:
マシンが 2 台でキュー・マネージャーが 2 つの場合と同じように、アウトバウンド・キューにリモート・キュー定義を使用している場合は、JMS_Outbound_Queue をローカルの WebSphere MQ キューに対して定義しないでください。リモート・キュー定義を使用している場合、アウトバウンド・キューの構文は、以下のようになります。define q(JMS_Outbound_Queue)qmanager(Your_Queue_Manager_Name)
define q(JMS_Outbound_Queue)qmanager
   (Your_Queue_Manager_Name)
   queue(Your_Outbound_QueueName)
 
define q(JMS_Inbound_Queue)qmanager
   (Your_Queue_Manager_Name)
   queue(Your_Inbound_QueueName)
 
define q(JMS_Parallel_Inbound_Queue)qmanager
   (Your_Queue_Manager_Name)queue
     (Your_Parallel_Inbound_Queue_Name)
 
define q(JMS_Serial_Inbound_Queue)qmanager
   (Your_Queue_Manager_Name)queue
    (Your_Serial_Inbound_Queue_Name)
 
define q(JMS_Error_Queue)qmanager
   (Your_Queue_Manager_Name)
    queue (Your_Error_Queue_Name)
 

表 6. JMS キュー名の定義

Your_Outbound_QueueName

アウトバウンド・キューに対して作成する WebSphere MQ キュー。デフォルトでは、これは、アダプターが WebSphere Commerce から InterChange Server Express に渡すメッセージを選ぶときにポーリングするキューです。バッチ・ファイルで作成されるデフォルトの WebSphere MQ キュー設定では、この値は WCS_Outbound になります。

Your_Serial_Inbound_Queue

逐次インバウンド・キューに対して作成する MQ キュー。これは、WebSphere Commerce の MQ アダプターが、InterChange Server Express から Websphere Commerce に送信するメッセージを入れるキューです。バッチ・ファイルで作成されるデフォルトの WebSphere MQ キュー設定では、この値は WCS_Serial_Inbound になります。

Your_Parallel_Inbound_Queue_Name

これは、並列インバウンド・キューに対して作成する WebSphere MQ キューです。

Your_Error_Queue_Name

エラー・キューに対して作成する WebSphere MQ キュー。メッセージでエラーが発生すると、WebSphere Commerce MQ Adapter はここにメッセージを送信します。バッチ・ファイルで作成されるデフォルトの WebSphere MQ キュー設定では、この値は WCS_Error になります。

Your_Queue_Manager_Name

WebSphere Commerce システムのユーザー設定で、WebSphere MQ キューを処理するキュー・マネージャーの名前。バッチ・ファイル ConfigureAdapterQueues.bat (WebSphere Commerce のインストールと構成を参照) で作成されるセットアップなど、マシンが 1 台の一般的なセットアップでは、InterChange Server Express に対して設定したキュー・マネージャーを使用して、WebSphere Commerce システムのキューも管理します。 このようなセットアップでは、デフォルトは <InterchangeServerName>.queue.manager になります。

キューを作成し終えたら、JMSAdmin コンソールを使用して、アウトバウンド・キューとエラー・キューの以下のプロパティーを設定します。ここでは、JMS が固有の WebSphere MQ アプリケーションを扱うことを指定します。

JMSAdmin ツールを終了するために、end と入力します。これで、WebSphere Application Server で WebSphere Commerce が実行されるように Java Messaging Service を構成する作業は終わりです。

WebSphere Application Server の JMS 設定の構成 (WAS 5.x の場合)

WebSphereCommerce 5.5 の導入により、Commerce インスタンスが WAS 5.x の WebSphere Application Server として作成されるようになりました。 5.x バージョンの WebSphere Application Server 用に JMS を作成するときは、JMS 設定は、WAS 4.x バージョンに関して記載されている JMSAdministrator ツールを使用するのではなく、WAS 管理者ユーザー・インターフェースを介して構成する必要があります。WAS 管理者インターフェースにログオンしたら (管理者インターフェースへの接続方法については WAS の資料を参照)、以下の一般手順を使用して JMS を構成します。

WAS 5.x の WebSphere Application Server 用に JMS を構成するには、以下の手順を実行します。

  1. 「リソース」>「WebSphere MQ JMS プロバイダー (WebSphere MQ JMS Provider)」を選択します。
  2. スコープを、ご使用の WebSphere Commerce サーバー (名前は WC_<ご使用の Commerce インスタンス>) のスコープに設定し、「適用」を選択します。
  3. WebSphere MQ Queue Connection Factory を選択します。
  4. 「接続ファクトリー (Connection Factory)」画面で「新規」を選択し、新規接続ファクトリーを追加します。
  5. ファクトリーに対して、以下の設定を入力します。
    1. 「接続名」 (これは任意の名前を指定可能)
    2. 「JNDI 名」 (JNDI を使用する際にこの接続を参照するために使用する名前)
    3. 「キュー・マネージャー」 (前のステップで定義したキューが置かれているキュー・マネージャー。例えば、<ICSName>.QUEUE.MANAGER)
    4. 「ホスト (Host)」 (キュー・マネージャーが置かれているホスト名)
    5. 「ポート」 (キュー・マネージャー用の MQ リスナー・ポート。例えば、1416)
    6. 「チャネル」 (通信用としてキュー・マネージャーに定義されている MQ チャネル。例えば、CHANNEL1)
    7. このファクトリーの「XA を使用可能にする (Enable XA)」チェック・ボックスを選択解除します。
    8. クライアントに対するトランスポート・タイプを設定します。
  6. 「追加プロパティー (Additional Properties)」>「接続プール」の下で、最大接続数値として 50 を入力します (注: この数値は推奨値であり、必須値ではありません)。
  7. 「OK」を選択します。
  8. 「MQ キュー宛先 (MQ Queue Destinations)」を選択し、前のステップで定義したそれぞれのキューごとに宛先を追加します。
  9. それぞれのキュー宛先ごとに、以下の値を入力します。
    1. 「名前」 (キュー名。例えば、JMS_Outbound_Queue)
    2. 「JNDI 名」 (JNDI 内でキューを参照する名前。例えば、JMS_Outbound_Queue)
    3. 「基本キュー名 (Base Queue Name)」 (キュー・マネージャーでの実際のキュー名。 例えば、WCS_Outbound)
    4. 「基本キュー・マネージャー (Base Queue Manager)」 (前のセクションで定義したキューが置かれているキュー・マネージャー名。例えば、<ICSName>.QUEUE.MANAGER)
    5. 「ターゲット・クライアント (Target Client)」 (MQ に設定します)
  10. WAS のメイン構成に変更を保管します。

注:
キュー・マネージャーが OS/400 上にある場合は、以下のコマンド行コマンドを実行します。

GRTMQMAUT OBJ(*ALL) OBJTYPE(*ALL) USER(<WAS_SubSystem_Name>) AUT(*ALL) MQMNAME(<ICSName>.QUEUE.MANAGER)

例えば: GRTMQMAUT OBJ(*ALL) OBJTYPE(*ALL) USER(QEJBSVR) AUT(*ALL) MQMNAME(QWBIDFT.QUEUE.MANAGER)

WebSphere Commerce 内での JMS ConnectionSpec の構成

注:
JMSQueue 名と JMS Connection Factory は、インスタンス XML ファイル内で、Commerce Configuration Manager の connectionSpec セクションに入力した値と同じでなければなりません。詳細については、WebSphere Commerce Configuration Manager の「トランスポート (Transports)」セクションを参照してください。また、以下の説明も参照してください。

WebSphere Commerce 管理コンソールを始動します。サイト管理者としてログインし、「構成」セクションに移動して、「トランスポート (Transport)」オプションを選択します。トランスポートとして WebSphere MQ を選択し、状況をアクティブに変更します。管理コンソールからログアウトします。

WebSphere Commerce ソリューションでは、「WebSphere Commerce インストール・ガイド」に記載されているように、「ストア」の作成と使用が必要です。同資料の『サンプル・ストアのパブリッシュ (Publishing a Sample Store)』のセクションに従ってストアのパブリッシュを完了したら、今度はストア管理者として管理コンソールにログオンし、使用しているストアを選択します。「構成」セクションで、ストアに MQ Transport を追加します。これに対する項目は、STORETRANS テーブルに作成されます。

メッセージング・システムのトランスポート・アダプターを使用可能にするには、WebSphere Commerce Configuration Manager を立ち上げて、以下のことを実行します。

  1. 「ホスト名」>「インスタンス」を選択します。
  2. Components フォルダーを開きます。
  3. 「TransportAdapter」を選択します。
  4. 「コンポーネントを使用可能にする (Enable Component)」チェック・ボックスを選択し、「適用」を選択します。

以下のように、このインスタンスで connectionSpec に使用している値を使って、JMSQueue の名前と JMS Connection Factory を構成します。

  1. 「ホスト名」>「インスタンス」を選択します。
  2. 「トランスポート (Transports)」を選択し、「アウトバウンド (Outbound)」>「JMS」と展開します。
  3. 「ConnectionSpec」を選択します。
  4. 「ConnectionFactory」に、WAS の JMS 設定を構成したときに作成した名前を入力します。上記で作成した Inbound Queue、Error Queue、および Outbound Queue の名前を入力します。
  5. 「適用」を選択します。
  6. 「インバウンド (Inbound)」>「JMSInbound CCF Connector」-「逐次 (Serial)」と展開します。
  7. 「ConnectionSpec」を選択します。
  8. ConnectionFactory 名、SerialInbound、Error、および Output の各 JMS キュー名を入力します。
  9. 「適用」を選択します。
  10. 「インバウンド (Inbound)」-「JMSInbound CCF Connector」-「並列 (Parallel)」と展開します。
  11. 「ConnectionSpec」を選択します。
  12. ConnectionFactory、ParralelInbound、Error、Output の各 JMS キュー名を入力します。
  13. 「適用」を選択します。

終わったら、Configuration Manager を終了します。

WebSphere Commerce の JVM 設定の更新

インスタンスに合わせて WebSphere Application Server クラスパスを更新し、その他の jar ファイル項目を追加する必要があります。このためには、WebSphere Application Server Advanced Administrative Console を開き、以下のことを実行します。

  1. WebSphere Commerce インスタンスが実行されているホストを選択します。
  2. 「WebSphere 管理可能ドメイン (WebSphere Administrative Domain)」を選択します。
  3. 「ノード (Nodes)」を選択します。
  4. ホスト名を選択します。
  5. 「アプリケーション・サーバー (Application Servers)」を選択します。
  6. 「WebSphere Commerce Server instance_name」を選択します (ここで、instance_name は WebSphere Commerce インスタンスの名前です)。
  7. インスタンスの JVM 設定に進みます。
  8. 「新規システム・プロパティーの追加 (Add a new system property)」を選択します。
  9. 以下のシステム・プロパティーを入力します。
    name= ws.ext.dirs value=MQ_INSTALL_PATH/java/lib
     

    ここで、MQ_INSTALL_PATH は WebSphere WebSphere MQ のインストール・パスです。

  10. WebSphere Application Server サービスを再始動し、すべての変更を有効にします。

アダプターに対する WebSphere MQ の使用可能化

WebSphere Commerce で、管理コンソール下の構成オプションを使用して、WebSphere Commerce と IBM WebSphere InterChange Server Express のインプリメンテーションで使用しているアウトバウンドとインバウンドのメッセージング用の WebSphere MQ キューと通信するように WebSphere Commerce を構成します。必要に応じて、「WebSphere Commerce オンライン・ヘルプ」ガイドを参照してください。

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