Business Object Designer Express での XML ODA の使用

このセクションでは、XML ODA を使用してビジネス・オブジェクト定義を生成するために Business Object Designer Express を使用する方法について説明します。 Business Object Designer Express の起動については、「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」を参照してください。 Business Object Designer Express には、これらの各段階を順に示すビジネス・オブジェクト・ウィザードが用意されています。ODA の 起動後、Business Object Designer Express を起動し、(ODA を構成して実行する) ビジネス・オブジェクト・ウィザードへのアクセスを取得する必要があります。ビジネス・オブジェクト・ウィザードには、ODA を使用してビジネス・オブジェクト定義を生成するための 6 つの 段階があります。

ODA の起動後、このウィザードを起動するには、次の手順を実行します。

  1. Business Object Designer Express を開きます。
  2. 「ファイル」メニューから、「ODA を使用して新規作成...」サブメニューを選択します。

    ビジネス・オブジェクト・ウィザードの最初のウィンドウ (「エージェントの選択」 ウィンドウ) が表示されます。図 38 に、このウィンドウを示します。

ODA を選択、構成、および実行するには、以下の手順に従ってください。

  1. ODA の選択
  2. 構成プロパティーの指定
  3. ノードの展開と XML エレメントの選択
  4. オブジェクトの選択の確認
  5. ビジネス・オブジェクト定義の生成およびオプションで追加情報の入力
  6. ビジネス・オブジェクト定義の保管

ODA の選択

図 38 に、ビジネス・オブジェクト・ウィザード の 6 段階のウィザードの最初のダイアログ・ボックスを示します。このウィンドウでは、実行する ODA を選択します。

図 38. ODA の選択


ODA を選択するには、以下の手順を行います。

  1. 「エージェントの検索」ボタンをクリックすることにより、登録済みまたは現在実行中の ODA のすべてを「検索されたエージェント」フィールドに表示します。あるいは、ホスト名とポート番号を使用して、ODA を検出することもできます。
    注:
    ビジネス・オブジェクト・ウィザードが目的の ODA を見つけられなかった場合は、ODA の設定を調べてください。
  2. 表示リストから、目的の ODA を選択します。

    ビジネス・オブジェクト・ウィザードの「エージェント名」フィールドに、選択した ODA が表示されます。

構成プロパティーの指定

ビジネス・オブジェクト・ウィザードは、XML ODA と初めて通信するときに、図 39 に 示すように一連の ODA 構成プロパティーを入力するよう求めてきます。

図 39. ODA 構成プロパティーの指定


XML ODA プロパティーの構成を表 59 に示します。


表 59. XML ODA 構成プロパティー
行番号 プロパティー名 プロパティー・タイプ 説明
1 FileName String DTD またはスキーマ文書の絶対パス名。 DTD ファイルには、.dtd という拡張子が必要です。スキーマ文書ファイルには、.xsd という拡張子が必要です。
2 Root String

root エレメントとして処理される予定の XML エレメント。 root エレメントを指定しない場合、XML ODA は、以下を前提事項として動作します。

  • ODA が DTD の構文解析をする場合は、最初の XML エレメントが root として処理されます。
  • ODA がスキーマ文書の構文解析をする場合は、最初のグローバル・エレメントが root として処理されます。

3 TopLevel String ODA が生成するトップレベル・ビジネス・オブジェクトに使用する名前。ODA は、トップレベル・ビジネス・オブジェクトの先頭にビジネス・オブジェクト・プレフィックスを付加します。このプレフィックスは BOPrefix プロパティーによって指定され、下線 (_) で区切られます。トップレベルの名前を指定しない と、ODA では、BOPrefix _Root (BOPrefix および RootBOPrefix プロパティーおよび Root プロパティーの値) という名前をトップレベル・ビジネス・オブジェクトの名前として割り当てます。
4 BOSelection String

ビジネス・オブジェクト定義の適用対象となるエレメントの名前を XML ODA によって選択できるかどうかを指定するブール値 (true または false)。

  • このプロパティーを false に設定すると、ユーザーは XML ODA によって root エレメント以外のエレメントを選択できなくなり、root とそのすべての子エレメントのビジネス・オブジェクト定義が生成されるようになります。
  • このプロパティーを true に設定すると、ユーザーは XML ODA によってすべてのエレメントを選択できるようになり、選択したエレメントのビジネス・オブジェクト定義のみが生成されるようになります。

デフォルトは false です。

5 BOPrefix String XML 文書の各ビジネス・オブジェクト定義の名前に対して ODA が適用するプレフィックス。ビジネス・オブジェクト・プレフィックスを指定しないと、ODA はビジネス・オブジェクト定義の名前の先頭にストリングを付加しません
6 DoctypeorSchemaLocation String

XML ODA が以下を対象として属性を生成するかどうかを指定するブール値 (true または false)。

  • DTD の処理時: DOCTYPE タグ
  • スキーマ文書の処理時: schemaLocation 属性および xsi 属性 (XML スキーマ・インスタンス・ネーム・スペース内)

デフォルトは true です。

7 TraceFileName String

XML ODA によるトレース情報の書き込み先ファイルの絶対パス名。このファイルが存在しない場合、XML ODA は指定のディレクトリーにこのファイルを作成します。このファイルがすでに存在する場合、XML ODA はこのファイルに追記します。

デフォルトでは、XML ODA により、XMLODAtrace.txt という名前のトレース・ファイルが 製品ディレクトリーの ODA¥XML サブディレクトリーに作成されます。

トレース・ファイルに別の名前を指定する場合は、このプロパティーを使用してください。

8 TraceLevel Integer XML ODA に対して有効なトレースのレベル。有効な値は 0 から 5 です。このプロパティーのデフォルト値は 5 (フル・トレースが有効) です。詳細については、"エラー・メッセージ・ファイルおよびトレース・メッセージ・ファイルでの作業"を参照してください。
9 MessageFile String

エラー・ファイルおよびメッセージ・ファイルの絶対パス名。デフォルトでは、XML ODA により、XMLODAAgent.txt という名前のメッセージ・ファイルおよびエラー・ファイルが作成されます。

要確認: エラー・ファイルとメッセージ・ファイルは必ず 製品ディレクトリーの ODA¥messages サブディレクトリーに置いてください。

このプロパティーは、既存のファイルを確認または指定するときに使用します。

要確認:
Business Object Designer Express に表示されているデフォルト値が、存在しないファイルを指している場合には、メッセージ・ファイルの名前を訂正します。このダイアログ・ボックスから次に進んだときに名前が不正確な場合、Business Object Designer Express は ODA の起動元となったウィンドウにエラー・メッセージを表示します。このメッセージは、Business Object Designer Express ではポップアップしません。有効なメッセージ・ファイルを指定できないと、ODA はメッセージを表示せずに動作します。

これらのプロパティーは、XML ODA を使用するたびに再入力しなくても済むよう、指定のプロファイルに保存することができます。 ODA プロファイルの指定については、「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」を参照してください。

ノードの展開と XML エレメントの選択

Business Object Designer Express は、前の段階で構成されたプロパティーを使用してツールを指定の XML スキーマ (DTD またはスキーマ文書) に接続します。接続後、Business Object Designer Express はツリーを表示します。このツリーのノードは、XML スキーマで定義されているすべての XML エレメントを表しています。

トップレベルの XML エレメントを展開すると、階層全体を表示できます。XML ODA は、XML エレメントごとに子ビジネス・オブジェクト定義を作成します。

図 40 に、このダイアログ・ボックスといくつかの XML エレメントが展開されている様子を示します。

図 40. 展開されたノードが表示されている XML エレメントのツリー


必要な XML エレメントをすべて選択して、「次へ」をクリックします。

オブジェクトの選択の確認

生成済みのビジネス・オブジェクト定義を関連付ける予定の XML エレメントをすべて指定した後に Business Object Designer Express が表示するダイアログ・ボックスには、選択済みオブジェクトのみが表示されます。図 41 に、このダイアログ・ボックスを示します。

図 41. オブジェクトの選択の確認


このウィンドウには、以下のオプションがあります。

ビジネス・オブジェクト定義の生成

XML エレメントを選択後、次のダイアログ・ボックスでは、Business Object Designer Express がビジネス・オブジェクト定義を生成していることが通知されます。大量のコンポーネント・インターフェースを選択した場合は、この生成に時間がかかることがあります。

図 42 に、このダイアログ・ボックスを示します。

図 42. ビジネス・オブジェクト定義の生成


XML ODA は、次の情報からビジネス・オブジェクト定義の名前を生成します。

XML ODA は、これらの値を下線 (_) 文字で区切ります。したがって、生成される名前は次のようなフォーマットになります。

BOPrefix_TopLevel_XMLelement
 

追加情報の入力

XML ODA には動詞に関する追加情報が必要なため、Business Object Designer Express は「BO プロパティー」ウィンドウを表示して、情報の入力を求めてきます。図 43 に、このダイアログ・ボックスを示します。

図 43. 追加情報の入力 - 動詞


「BO プロパティー」ウィンドウでは、動詞の情報を入力または変更します。「」フィールドの内側をクリックして、ポップアップ・メニューから 1 つ以上の動詞を選択します。ポップアップ・メニューに表示されるのは、対象のビジネス・オブジェクトによってサポートされる動詞です。

注:
「BO プロパティー」ダイアログ・ボックスのフィールドに複数の値が設定されている場合、このダイアログ・ボックスを初めて表示したときは、このフィールドに何も表示されません。フィールドの内側をクリックすると、その値のドロップダウン・リストが表示されます。

XML 文書内に anyAttribute エレメントを含むスキーマ文書がある場合は、図 44に示すように、追加の「BO プロパティー」ウィンドウが表示されます。

図 44. 追加情報の入力 - 属性名


この「BO プロパティー」ウィンドウでは、XML ODA により作成するビジネス・オブジェクトの属性名を入力します。各属性の間はセミコロン (;) で区切ってください。anyAttribute の詳細については、サポートされるスキーマ文書構造を参照してください。

ビジネス・オブジェクト定義の保管

「BO プロパティー」ダイアログ・ボックスで必要なすべての情報を指定し、「OK」をクリックすると、Business Object Designer Express にウィザードの最終ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスでは、以下のいずれかの操作を実行できます。

変更方法の詳細については、「ビジネス・オブジェクト開発ガイド」を参照してください。

図 45 に、このダイアログ・ボックスを示します。

図 45. ビジネス・オブジェクト定義の保管


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