ABAP Handler へのビジネス・オブジェクト発送

ビジネス・オブジェクト・データは、フラットな構造に変換されると、アダプターの ABAP 機能モジュール /CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN が呼び出されることにより、SAP メモリーに渡されます。/CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN は、ビジネス・オブジェクト・データを操作せず、後続の処理を行う適切な ABAP Handler に発送するのみです。/CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN は、ビジネス・オブジェクト・データを ABAP Handler に渡すと、ビジネス・オブジェクト・データが戻されるまで待機します。

注:
すべてのビジネス・オブジェクト検索および要求は、 /CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN を通じて処理されることに注意してください。

/CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN は、ビジネス・オブジェクトの動詞のアプリケーション固有情報を使用して、どの ABAP Handler がビジネス・オブジェクト・データを処理するかを決定します。実行時には、/CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN は動詞のアプリケーション固有情報を読み取り、指定された ABAP Handler にビジネス・オブジェクト・データを渡します。

すべての ABAP Handler は、動詞アプリケーション固有情報の使用をコネクターに対して予約する必要があります。

動詞のアプリケーション固有情報の書式は、次のとおりです。

:function1:function2:function3
 

ここで、/CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGENfunction1 を実行し、function2function3 をパラメーターとして渡します。例えば、Customer Update および Material Retrieve では、function1 のみを実行します。

Create、Update、および Delete 動詞では、:/CWLD/RFC_DYNAMIC_TRANSACTION を指定します。

Retrieve 動詞では、:/CWLD/RFC_DYNAMIC_RETRIEVE: を指定します。

アダプターが提供する ABAP Handler の 1 つに、機能モジュール /CWLD/IDOC_HANDLER があります。この ABAP Handler は、フラットな構造のデータを IDoc 定義のインスタンスに再フォーマットし、再フォーマットされたデータを、IDoc のその特定のタイプを処理するように記述された別の ABAP Handler に渡します。IDoc Handler API の使用方法の例を以下に示します。

Sales Order Update = :/CWLD/IDOC_HANDLER:Y_XR_ORDER_C2

Sales Order Retrieve = :/CWLD/IDOC_HANDLER:Y_XR_ORDER_C4

この例では、/CWLD/IDOC_HANDLER が実行され、ビジネス・オブジェクト・データとともに第 2 の機能モジュール名を渡します。/CWLD/IDOC_HANDLER は第 2 の ABAP Handler への呼び出しを実行し、IDoc 形式のビジネス・オブジェクト・データを、Order オブジェクトを処理するように記述された Y_XR_ORDER_C2 または Y_XR_ORDER_C4 機能モジュールに渡します。 IDoc Handler の動詞サポートをセットアップするステップについての詳細は、"Object Definition Generator を使用したビジネス・オブジェクト定義の開発"を参照してください。

注:
/CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN は、function1 の値のみを使用します。function2function3 は、ABAP Handler により使用されることがあります。

ABAP Handler を動的に呼び出すために、/CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN は、すべての ABAP Handler のインターフェースが正確に同じであることを必要とします。これにより、/CWLD/RFC_DO_VERB_NEXTGEN は任意の ABAP Handler との間で、戻りコードや戻りテキスト・メッセージとともに、ビジネス・オブジェクト・データを送受信できます。機能モジュール・インターフェースの詳細については、IBM WebSphere 機能モジュール・インターフェースを参照してください。

Copyright IBM Corp. 2004