HTTP/S を通じた SOAP 文書の送信

SOAP 文書は、HTTP/S を通じて交換される他のタイプの文書とは異なり、標準の Adapter for Web Services を使用します。Adapter for Web Services は、SOAP データ・ハンドラーを呼び出して SOAP メッセージをビジネス・オブジェクトに変換し、ビジネス・オブジェクトを SOAP メッセージに変換します。このセクションでは、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて WebSphere Business Integration Connect と WebSphere InterChange Server の間で SOAP 文書を送受信する方法について説明します。

注:

  1. WebSphere Business Integration Connect と 4.2.2 より前の WebSphere InterChange Server との間で HTTP トランスポート・プロトコルを通じて SOAP 以外の文書を送受信するには、4.2.2 より前の ICS での HTTP トランスポート・プロトコルの使用を参照してください。

  2. WebSphere Business Integration Connect と v4.2.2 の WebSphere InterChange Server との間で HTTP トランスポート・プロトコルを通じて SOAP 以外の文書を送受信するには、v4.2.2 の ICS での HTTP トランスポート・プロトコルの使用を参照してください。

ビジネス・オブジェクトの構造および WSDL Object Discovery Agent (ODA) については、Adapter for Web Services の資料を参照してください。ODA は、目的の Web サービスの情報を含む SOAP ビジネス・オブジェクトを生成するときに使用できる設計時ツールです。

「管理者ガイド」で説明されているように、バックエンド・システムから Web サービス呼び出しを受信するターゲット (Web サービス・ターゲット) と、コミュニティー参加者から Web サービス呼び出しを受信するターゲット (外部 Web サービス・ターゲット) を設定しておく必要があります。

送受信に必要なコンポーネント

HTTP トランスポート・プロトコルを使用して Business Integration Connect から InterChange Server へ SOAP 文書を送信するには、表 69 にリストされているコンポーネントを使用します。これらのコンポーネントはすべて、Business Integration Connect リリースの一部として提供されています。

表 69. HTTP を通じて InterChange Server へ SOAP 文書を送信するために必要なコンポーネント
コンポーネント 説明 注記および制約事項
WebSphere Business Integration Adapter for Web Services

このアダプターによって、InterChange Server は、HTTP メッセージの形式でデータを送受信するアプリケーションとビジネス・オブジェクトを交換できます。

  1. このアダプターは、SOAP 以外の文書では使用できません
  2. Adapter for Web Services 3.1.0 (またはそれ以降) を使用するようにしてください。「Adapter for Web Services ユーザーズ・ガイド」を参照して、そのレベルのアダプターに、ご使用の WebSphere InterChange Server のバージョンとの互換性があることを確認します。

注:
SOAP 文書に添付ファイルが含まれる場合、Attachment Data Handler を使用してそれらのファイルを処理する必要はありません。

コミュニティー参加者による Web サービスの起動方法

コミュニティー・マネージャーが提供する Web サービスとして公開されているコラボレーションに対し、コミュニティー参加者が要求を送信すると、以下の手順が実行されます。

  1. コミュニティー参加者は、コラボレーション用に生成された WSDL 文書内で指定された宛先へ、SOAP 要求メッセージを送信します。WSDL に指定されているエンドポイントは、実際のエンドポイントではなく、Business Integration Connect の Web サービスの宛先 (URL) です。
  2. Business Integration Connect はメッセージを受信し、それを Adapter for Web Services へ送付します。
  3. Adapter for Web Services は、SOAP データ・ハンドラーに SOAP メッセージを送信して、SOAP メッセージをビジネス・オブジェクトに変換します。アダプターは、Web サービスとして公開されているコラボレーションを起動します。
  4. これが要求/応答操作の場合、コラボレーションは SOAP 応答 (または障害) ビジネス・オブジェクトを戻します。
  5. コラボレーションが SOAP 応答 (または障害) ビジネス・オブジェクトを戻した場合、Adapter for Web Services は SOAP データ・ハンドラーを呼び出して SOAP 応答 (または障害) ビジネス・オブジェクトを SOAP 応答メッセージに変換します。アダプターはその応答を Business Integration Connect に戻します。コラボレーションが SOAP 応答 (または障害) ビジネス・オブジェクトを戻さなかった場合、Adapter for Web Services は、適切な HTTP 応答状況コードを戻します。
  6. Business Integration Connect はその応答を Web サービスに送付します。

コミュニティー・マネージャーによる Web サービスの起動方法

Business Integration Connect によって提供される Public WSDL を使用すると、WSDL ODA によってビジネス・オブジェクトを作成できます。コミュニティー・マネージャーが使用するためにコミュニティー参加者が Web サービスを提供する場合、コミュニティー・マネージャーが Web サービスを起動するために使用するパブリック URL には、次の照会ストリングが含まれていなければなりません。

?to=<Community participant Web Service Provider's business ID>
 

例えば次のアドレスは、Web サービスのプロバイダーが、ビジネス ID 123456789 の参加者であることを、Business Integration Connect に知らせます。

http://WBIChost/bcgreceiver/Receiver?to=123456789
 

WSDL ODA は、Web サービスのトップレベル・ビジネス・オブジェクトの URL 属性のデフォルト値に、照会ストリングを追加しなくなります。

コラボレーションが、コミュニティー参加者の Web サービスを起動する要求を (Adapter for Web Services へ) 送信すると、以下の手順が実行されます。

  1. コラボレーションは、アダプターにサービス呼び出し要求を送信します。アダプターは、SOAP データ・ハンドラーを呼び出して、ビジネス・オブジェクトを SOAP 要求メッセージに変換します。
  2. アダプターは、Business Integration Connect 上の外部 Web サービス・ターゲット (URL) に SOAP メッセージを送信することによって、Web サービスを起動します。
  3. Business Integration Connect は、プロキシーとして機能し、宛先 (コミュニティー参加者) の Web サービスに対応するエンドポイントに SOAP メッセージを送信します。これにより Web サービスが起動されます。
  4. 起動された Web サービスは、SOAP 要求メッセージを受信し、要求された処理を実行します。
  5. 起動された Web サービスは、SOAP 応答 (または障害) メッセージを送信します。片方向操作の場合は、適切な HTTP 状況コードが戻されます。
  6. これが要求/応答 Web サービスである場合、Business Integration Connect は SOAP 応答 (または障害) メッセージをアダプターに送付します。アダプターは、データ・ハンドラーを呼び出して、そのメッセージを応答または障害ビジネス・オブジェクトに変換します。コネクターは SOAP 応答または障害ビジネス・オブジェクトをコラボレーションに戻します。

Copyright IBM Corp. 1997, 2004