WebSphere Business Integration Connect は、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて、バージョン 4.2.2 より前の WebSphere InterChange Server (ICS) との間で文書を送受信することができます。
注:
このセクションでは、4.2.2 より前の InterChange Server、および HTTP を通じて Business Integration Connect とともに使用する ICS 互換コンポーネントの構成方法を、以下のトピックにより説明します。
このセクションでは、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて Business Integration Connect から 4.2.2 より前のバージョンの ICS へ文書を送信する方法を説明するために、以下の情報を提供します。
Business Integration Connect が InterChange Server に文書を送信すると、InterChange Server 内のイベント通知が開始されます。
Business Integration Connect は、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて、バージョン 4.2.2 より前の以下の InterChange Server に文書を送信できます。
Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを使用して 4.2.2 より前の ICS に文書を送信するには、以下に示す 2 つのコンポーネントを構成する必要があります。
表 45 に、これらの構成ステップの要約を示します。
表 45. Business Integration Connect と InterChange Server の構成
コンポーネント | バージョン | 詳細の参照先 |
---|---|---|
WebSphere Business Integration Connect | 4.2.2 |
|
WebSphere InterChange Server | 4.1.1、4.2.0、4.2.1 | HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS の成果物の作成 |
また、HTTP トランスポートを通じて ICS に文書を送信するには、表 46 に示す ICS 互換コンポーネントを使用する必要があります。これらのコンポーネントのほとんどは、Business Integration Connect リリースの一部として提供されています。
表 46. HTTP を通じて 4.2.2 より前の ICS へ文書を送信するために必要なコンポーネント
図 9 では、Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前の ICS へ文書を送信する方法の概要を示します。
図 9. Business Integration Connect からコラボレーションへの HTTP トランスポート・プロトコルを通じたメッセージ・フロー
図 9 に示すように、WebSphere Business Integration Connect サーブレットは、Business Integration Connect が直接対話する ICS 互換コンポーネントです。
この Connect サーブレットはアクセス・クライアントであり、ICS コラボレーションの実行を要求できる InterChange Server 外部のプロセスです。
アクセス・クライアントは、サーバー・アクセス・インターフェースというアプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) から呼び出しを発行して、ICS と対話します。これらの呼び出しは、WebSphere InterChange Server Access が受け取り解釈します。WebSphere InterChange Server Access は、アクセス・クライアントとの対話を処理する ICS 内のコンポーネントです。サーバー・アクセス・インターフェース は、コラボレーションを同期的に起動します。
注:
Business Integration Connect が、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて ICS 内部のコラボレーションへ文書を送信することによって、イベント通知に参加する手順を以下に説明します。
Business Integration Connect は、ターゲット・ゲートウェイとして指定された URL へ文書を送信します。
HTTP 要求メッセージには、次の 2 つの部分があります。
各 URL は、起動されるコラボレーションと対応しています。(Connect サーブレットの構成を参照してください。)
Connect サーブレットは、InterChange Server への文書の送信のみ可能であり (文書の受信はできません)、InterChange Server とのイベント通知にのみ関与できます。
Wrapper Data Handler の仕事は、Java ストリングをそれに対応するビジネス・オブジェクト構造に変換することです。InterChange Server はビジネス・オブジェクトが入力されることを前提とします。
このペイロード・ビジネス・オブジェクトの動的メタオブジェクトの子である HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトに、HTTP ヘッダーを設定します。
Wrapper Data Handler は、ペイロード・ビジネス・オブジェクトが階層構造になっていることを前提としています。このペイロード・ビジネス・オブジェクトの構造については、文書送信用のビジネス・オブジェクト定義の作成を参照してください。
起動するコラボレーション・オブジェクト用のコラボレーション・ポートが、外部ポートとして構成されていることを確認してください。ポートの構成方法の詳細については、WebSphere InterChange Server の資料を参照してください。
応答ビジネス・オブジェクト (トップレベル・ビジネス・オブジェクト内) にデータが取り込まれているかどうかは、以下に示すように、InterChange Server および Business Integration Connect 間の対話のタイプによって決まります。
詳細については、応答ビジネス・オブジェクトを参照してください。
WebSphere Business Integration Connect サーブレットはアクセス・クライアントであり、InterChange Server 内部のコラボレーションの実行を要求できる InterChange Server 外部のプロセスです。アクセス・クライアントは、サーバー・アクセス・インターフェースというアプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) から呼び出しを使用して、ICS と対話します。これらの呼び出しは、WebSphere InterChange Server Access が受信して解釈します。WebSphere InterChange Server Access は、アクセス・クライアントとの対話を処理する InterChange Server のコンポーネントです。
Connect サーブレットを構成するには、以下の手順を実行します。
Connect サーブレット、Wrapper Data Handler、および Wrapper Data Handler のリポジトリー・ファイルは、Business Integration Connect のインストール・メディアで提供されます。これらのロケーションは、表 47 のようになっています。
表 47. Connect サーブレットのコンポーネントのロケーション
このサーブレットは WebSphere InterChange Server バージョン 4.1.1、4.2.0、および 4.2.1 と接続することができます。これらのバージョンのうちのいずれかの InterChange Server がサポートされているプラットフォーム上に、配置することができます。さらに、サーバー・アクセス・インターフェースがそのプラットフォームでサポートされていることを確認する必要があります。ご使用の ICS のバージョンをサポートしているプラットフォームのリストについては、WebSphere InterChange Server の資料を参照してください。
表 47 のコンポーネントを配置するには、次の手順に従います。
これらのファイルは InterChange Server 製品ディレクトリーの lib サブディレクトリーにあります。
注:
これらのファイルは、Business Integration Connect インストール・メディアの以下のディレクトリーにあります。
integration/wbi/wics/http/lib/thirdparty
Connect サーブレットが InterChange Server とは異なるマシン上にある場合、以下のいずれかの操作を実行して、.ior ファイルを使用可能にすることができます。
HTTP を通じた 4.2.2 より前の ICS への文書の送信で説明したように、サーブレット・プロパティー・ファイルには、ポート名および動詞など、WebSphere Business Integration Connect サーブレットがコラボレーションを起動するために必要な情報が記述されています。WebSphere InterChange Server に関する一般情報を指定して、このサーブレット・プロパティー・ファイルを作成する必要があります。次に、サーブレットが起動するコラボレーションについて、そのコラボレーションに関する情報を提供します。
このセクションでは、Connect サーブレットのプロパティーの設定方法について、以下の情報を提供します。
サーブレット・プロパティー・ファイルには、表 48 に示すセクションが含まれています。
表 48. サーブレット・プロパティー・ファイルのセクション
サーブレット・プロパティー・ファイルのセクション | 説明 | 詳細の参照先 |
---|---|---|
一般情報 | InterChange Server インスタンスを示すプロパティー | InterChange Server インスタンスの識別 |
コラボレーション情報 | 起動する各コラボレーションを示すプロパティー | 起動するコラボレーションの識別 |
ロギング情報 | サーブレットのロギングを構成するプロパティー | サーブレット・ログ・ファイルのロケーションの指定 |
InterChange Server インスタンスの識別:
Connect サーブレットのプロパティー・ファイルの最初のセクションには、Business Integration Connect と通信する InterChange Server インスタンスを識別する一般情報が含まれています。この ICS インスタンスには、Business Integration Connect が起動する必要のあるコラボレーション (複数可) が含まれています。表 49 に、サーブレット・プロパティー・ファイルの一般プロパティーを示します。
表 49. サーブレット・プロパティー・ファイルの一般プロパティー
プロパティー名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
ICS_SERVERNAME | WebSphere InterChange Server が稼働しているホスト・マシン。 | Server1 |
ICS_VERSION | WebSphere InterChange Server のバージョン番号。指定可能な値は、4.1.1、4.2.0、および 4.2.1 です。 | 4.2.0 |
ICS_IORFILE |
相互運用オブジェクト参照 (.ior) ファイルのファイル名。WebSphere InterChange Server Access へのアクセスに使用します。例では、Windows システムでのパスの指定方法を示します。
| c:/myiorlocation/
Server1ICS.ior |
ICS_USERNAME | WebSphere InterChange Server に接続するためのユーザー ID。 | admin |
ICS_PASSWORD | WebSphere InterChange Server に接続するためのパスワード。 | null |
ICS_ENCRYPTED_PASSWORD | ICS_PASSWORD の暗号化の有無。パスワードが暗号化される場合、サーブレットはこのフィールドを true に設定します。 | false |
ICS_DISABLEENCRYPTION | パスワード暗号化が使用不可 (true) であるか、使用可能 (false) であるかを指示。パスワードの暗号化を許可する場合は、このフィールドを false に設定します。 | true |
Connect サーブレットのプロパティー・ファイルの 2 番目のセクションには、コラボレーション URL を関連コラボレーション・プロパティーと関連付けるコラボレーション情報が含まれています。このセクションでは、以下のように、コラボレーション URL を 2 つの部分に分けて識別します。
このファイルで構成されている URL の数を整数で指定します。
関連コラボレーション・プロパティーの名前は、WBIC_URL_count_propertyName という形式になっています。表 50 では、このような WBIC_URL_count_propertyName プロパティーのサンプルを定義しています。この表の「例」の列で、最初のコラボレーション URL の WBIC_URL_count_propertyName プロパティーのサンプル値を提供しています (count は 1)。
表 50. サーブレット・プロパティー・ファイルのコラボレーション・プロパティー
プロパティー名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
WBIC_SERVLET_COUNT |
このファイルで構成されている URL の数。
| 1 |
WBIC_URL_1 | 相対 URL の名前。 | PurchaseOrder |
WBIC_URL_1_COLLAB | コラボレーションの名前。 | PurchaseOrderCollab |
WBIC_URL_1_PORT | コラボレーションのポート名。 | From |
WBIC_URL_1_VERB | コラボレーションがサブスクライブする動詞。 | Create |
WBIC_URL_1_WRAPPER_MIME | Wrapper Data Handler がサポートする MIME タイプ。例は小文字になっているので注意してください。 | wbic/wrapper |
WBIC_URL_1_CHARENCODE | HTTP 要求に使用される文字エンコード方式。有効な Java 文字エンコード方式を指定します。 | UTF-8 |
サーブレット・プロパティー・ファイルのコラボレーション・セクションでは、実行するコラボレーションを識別するための相対 URL が提供されます。実行時にコラボレーションを検索するため、Connect サーブレットは以下の情報を結合します。
例えば、表 50 に示すサンプル値を使用する場合、Connect サーブレットは PurchaseOrderCollab コラボレーションの URL を取得する必要があります。この URL を検索するには、サーブレットは以下の手順を実行します。
サーブレットは、Web サーバーからサーブレット URL を取得します。例えば、次のロケーションで Connect サーブレットを配置したものと考えます。
http://www.yourcompany.com/tasks
表 50 では、WBIC_URL_1 プロパティーには、値 "PurchaseOrder" が格納されています。そのため、Connect サーブレットはこのストリングをサーブレット URL に追加して、次のコラボレーション URL を取得します。
http://www.yourcompany.com/tasks/PurchaseOrder
コラボレーション・プロパティー内で、WBIC_URL_1_WRAPPER_MIME プロパティーは Wrapper Data Handler の MIME タイプを指定します。複数の MIME タイプを指定する場合は、複数のメタオブジェクトが必要です。ラッパー子メタオブジェクトの作成を参照してください。
サーブレット・ログ・ファイルのロケーションの指定: Connect サーブレットのプロパティー・ファイルの 3 番目のセクションで、ロギング・プロパティーを指定します。次のステートメントを追加して、プロパティー・ファイル内でサーブレット・ログ・ファイルのロケーションを指定します。
log4jappender.RollingFile.File=logFileLocation
図 10 に示すように、log4jappender.RollingFile.File プロパティーは、サーブレット・プロパティー・ファイル内の Log4J を構成するセクションにあります。 Connect サーブレットを構成する際は、log4jappender.RollingFile.File プロパティーにログ・ファイルのロケーションを指定するだけで構いません。 Log4J について十分な知識がある方は、その他のプロパティーを設定することもできます。
サンプル・サーブレット・プロパティー・ファイル: 図 10 は、サーブレット・プロパティー・ファイルの例を示しています。このファイルでは、表 49 と表 50 の「例」列に示す値を構成します。
# Example properties file for WebSphere Business Integration # Connect Servlet ICS_SERVERNAME=Server1 ICS_VERSION=4.2 ICS_IORFILE=C:/myiorlocation/Server1InterChangeServer.ior ICS_USERNAME=admin ICS_PASSWORD=null ICS_ENCRYPTED_PASSWORD=false ICS_DISABLEENCRYPTION=true
# Collaboration properties for single collaboration WBIC_SERVLET_COUNT=1
WBIC_URL_1=PurchaseOrder WBIC_URL_1_COLLAB=PurchaseOrderCollab WBIC_URL_1_CHARENCODE=UTF-8 WBIC_URL_1_PORT=From WBIC_URL_1_VERB=Create WBIC_URL_1_WRAPPER_MIME=wbic/wrapper
#Log4J Debug Properties #Possible Categories - debug/info/warn/error/fatal #Default Category "error". Output to: stdout and RollingFile log4j.rootCategory=debug,RollingFile log4j.appender.RollingFile=org.apache.log4j.RollingFileAppender
#Log File Name log4j.appender.RollingFile.File=D:¥¥_DEV¥¥servlet.log log4j.appender.RollingFile.MaxFileSize=1000KB
#Number of backup files to keep log4j.appender.RollingFile.MaxBackupIndex=10 log4j.appender.RollingFile.layout=org.apache.log4j.PatternLayout log4j.appender.RollingFile.layout.ConversionPattern= %d{yyyy-MM-ddHH:mm:SS} %-5p [%c{1}] - %m%n
Business Integration Connect インストール・メディアの SAMPLES ディレクトリーにもサンプル・サーブレット・プロパティー・ファイルがあります。
Connect サーブレットの配置記述子 web.xml は、サーブレットの初期化パラメーターを提供します。サーブレット・プロパティー・ファイルのロケーションを示すには、この配置記述子で WBIC_FILENAME パラメーターを設定します。このパラメーターは、Connect サーブレット・プロパティー・ファイルの絶対パス名を指定します。
例えば、図 10 に示すサンプル・サーブレット・プロパティー・ファイルが connectServlet.cfg という名前で、Connect サーブレットの配置ディレクトリー (例えば C:¥WBIC¥integration) にある場合、WBIC_FILENAME パラメーターを次のように設定する必要があります。
C:¥WBIC¥integration¥connectServlet.cfg
Wrapper Data Handler は、(Connect サーブレットが HTTP メッセージから作成した) シリアライズ形式の文書をそれに対応するビジネス・オブジェクトに変換します。コラボレーションを呼び出す際、Connect サーブレットは、Business Integration Connect から受信したシリアライズ形式の文書を InterChange Server に送信します。このコラボレーション要求は、InterChange Server 内の WebSphere Server Access によって受信されます。 図 9 に示すように、Server Access は Wrapper Data Handler を呼び出して、Business Integration Connect 文書を渡します。Wrapper Data Handler は、対応するペイロード・ビジネス・オブジェクトを戻します。
Wrapper Data Handler を構成するには、以下の手順を実行します。
Wrapper Data Handler の構成手順を、以下のセクションにまとめています。データ・ハンドラーに関する一般情報については、WebSphere InterChange Server 資料セット内の「データ・ハンドラー・ガイド」を参照してください。
InterChange Server は、Wrapper Data Handler を実行時にロードできるように、そのロケーションを知っていなければなりません。ロケーションを指定するには、以下の手順を実行します。
起動するデータ・ハンドラーを確認するため、(InterChange Server 内の) Server Access はトップレベル・データ・ハンドラー・メタオブジェクト MO_Server_DataHandler を検査します。
このファイルは、InterChange Server 製品ディレクトリーの以下のサブディレクトリーにあります。
repository¥edk
このトップレベル・メタオブジェクトは、MIME タイプを子メタオブジェクトに関連付けます。子メタオブジェクトには、データ・ハンドラーの構成情報が含まれています。そのため、構成ビジネス・オブジェクトを作成するには、以下の手順を実行する必要があります。
Wrapper Data Handler の構成情報を使用して子メタオブジェクトを初期化する必要があります。
MIME タイプを Wrapper Data Handler の子メタオブジェクトの名前と関連付けているこのメタオブジェクト内に、項目を作成する必要があります。
Wrapper Data Handler を構成するには、その子メタオブジェクトを作成し、構成情報を用いて初期化する必要があります。データ・ハンドラーは、このメタオブジェクトの属性を使用して、インスタンスを生成するデータ・ハンドラー・クラスの名前などの構成情報を取得します。このメタオブジェクトを作成するには、表 51 に示す属性を含むビジネス・オブジェクト定義を作成します。
表 51. ラッパー子メタオブジェクト内のプロパティーの構成
属性 | 説明 |
---|---|
ClassName |
クラス名 (必須)。次のデータ・ハンドラー・クラスを指しています。 com.ibm.bcg.integration.wbi.datahandlers. WBICWrapperDataHandler |
TopBOPrefix | トップレベル・ビジネス・オブジェクトの名前を決定するためにプレフィックスが使用されます。要求用に構成されたデータ・ハンドラーによって戻された要求ビジネス・オブジェクトで、ビジネス・オブジェクト・レベルのアプリケーション固有情報に wbic_mainboname タグがない 場合、トップレベル・オブジェクトの名前は、要求ビジネス・オブジェクトの名前に TopBOPrefix を追加することによって得られます。 |
wbic_request_mime |
要求メッセージのペイロード処理のために Wrapper Data Handler が起動するデータ・ハンドラーがサポートする MIME タイプ。このデータ・ハンドラーが、WebSphere InterChange Server Access から起動できるように構成されていることを確認してください。詳細については、MO_Server_DataHandler メタオブジェクトの編集を参照してください。
|
wbic_response_mime |
応答メッセージのペイロード処理のために Wrapper Data Handler が起動するデータ・ハンドラーの MIME タイプ。
|
使用する必要のある Wrapper Data Handler のそれぞれの インスタンスごとに、子メタオブジェクトを定義することができます。例えば、要求 MIME タイプを 1 つだけ、または要求 MIME タイプと応答 MIME タイプの組み合わせを 1 種類だけサポートすればよい場合には、単一の子メタオブジェクトを作成し、wbic_request_mime および wbic_response_mime 属性にそれぞれデフォルト値を設定することができます。ただし、要求 MIME タイプと応答 MIME タイプの異なる組み合わせをサポートする必要がある場合は、それぞれの組み合わせごとに 1 つずつ子メタオブジェクトを作成することができます。
Business Integration Connect には、Wrapper Data Handler 用のサンプル子メタオブジェクトを含む、以下の InterChange Server リポジトリー・ファイルがあります。
ProductDir/Integration/WBI/WICS/WBICServlet/MO_DataHandler_WBICWrapper.in
ここで、ProductDir は、Business Integration Connect 製品のインストール先のディレクトリーを表します。このリポジトリー・ファイルで定義される Wrapper Data Handler の単一インスタンスは、要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクトの両方について、区切りデータ・ハンドラーを呼び出すように構成されています。 図 11 は、MO_DataHandler_WBICWrapper という名前のサンプル子メタオブジェクトを示しています。
図 11. Wrapper Data Handler のサンプル子メタオブジェクト
要求メッセージに XML を使用する文書のサポートも必要である場合、Wrapper Data Handler の 2 番目のインスタンスを表す 2 番目の子メタオブジェクトを作成することになります。この子メタオブジェクトでは、wbic_request_mime 属性のデフォルト値は MIME タイプ text/xml となります。
WebSphere InterChange Server Access は、アクセス・クライアントで処理可能な MIME タイプとその MIME タイプをサポートするデータ・ハンドラーとを関連付ける際に、トップレベル・メタオブジェクト MO_Server_DataHandler を使用します。具体的には、このトップレベル・メタオブジェクトは MIME タイプをデータ・ハンドラー子メタオブジェクトに関連付けます。
MO_Server_DataHandler メタオブジェクトはビジネス・オブジェクト定義です。そのため、このメタオブジェクトを編集するには、MO_Server_DataHandler を Business Object Designer で表示させ、Wrapper Data Handler のサポートされる各インスタンスごとに新規の属性を追加します。このデータ・ハンドラーの各インスタンスは、要求 MIME タイプと応答 MIME タイプの一意の組み合わせです。
MO_Server_DataHandler メタオブジェクトに対し、以下の変更を加えます。
この属性の属性タイプは、Wrapper Data Handler の子メタオブジェクトのビジネス・オブジェクト定義です (ラッパー子メタオブジェクトの作成を参照)。
これらの属性の属性タイプは、関連データ・ハンドラーの子メタオブジェクトになります。
例えば、Wrapper Data Handler が図 11 に示すように構成されているものとします。wbic_wrapper MIME タイプを、MO_DataHandler_WBICWrapper 子メタオブジェクトが構成する Wrapper Data Handler のインスタンスと関連付ける属性を持つ、MO_Server_DataHandler メタオブジェクトを図 12 に示します。また、この MO_Server_DataHandler メタオブジェクトは、要求 MIME タイプと応答 MIME タイプ (text/delimited) を区切りデータ・ハンドラーの子メタオブジェクトと関連付けます。
図 12. wbic_wrapper MIME タイプの Wrapper Data Handler への関連付け
サポートする必要のある要求および応答 MIME タイプの一意の組み合わせごとに、Wrapper Data Handler インスタンスに関連付けられた MIME タイプが名前であり、関連子メタオブジェクトの名前がタイプである MO_Server_DataHandler トップレベル・メタオブジェクト内に属性を追加することによって、この処理を繰り返します。また、構成された要求 MIME タイプと応答 MIME タイプ (およびそれらの子メタオブジェクト) が MO_Server_DataHandler 内に存在することを確認してください。
WebSphere Business Integration Connect サーブレットは、ペイロード・ビジネス・オブジェクト形式で InterChange Server に文書を送信します。Connect サーブレットの場合、ペイロード・ビジネス・オブジェクトは、ビジネス・オブジェクトの階層として表現されます。Wrapper Data Handler は、Business Integration Connect 文書を受信すると、このビジネス・オブジェクト階層を作成します。そこで、この階層を表現するためのビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。
Connect サーブレットは InterChange Server のイベント通知にのみ 関与するので、トップレベル・ビジネス・オブジェクトの要求属性と応答属性は、表 52 のように解釈されます。
表 52. イベント通知における要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクト
属性 | 使用法 |
---|---|
要求ビジネス・オブジェクト | Business Integration Connect からの要求メッセージが格納されます。このメッセージは、コラボレーションを起動するイベントです。 |
応答ビジネス・オブジェクト | 対話が同期的である場合、応答メッセージが格納されます。 |
このビジネス・オブジェクト構造の作成方法については、HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS に対するビジネス・オブジェクト定義の作成を参照してください。
このセクションでは、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前のバージョンの InterChange Server から Business Integration Connect への文書を受信する方法を説明するために、以下の情報を提供します。
Business Integration Connect が InterChange Server から受信する文書は、InterChange Server 内の要求処理によって開始されています。
Business Integration Connect は、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて、バージョン 4.2.2 より前の以下の InterChange Server から文書を受信できます。
Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを使用してバージョン 4.2.2 より前の InterChange Server から文書を受信するには、これらの 2 つのコンポーネントを構成する必要があります。
表 45 に、これらの構成ステップの要約を示します。また、HTTP プロトコルを通じて InterChange Server から文書を受信するには、表 53 に示す ICS 互換コンポーネントを使用する必要があります。
表 53. HTTP を通じて 4.2.2 より前の InterChange Server から文書を受信するために必要なコンポーネント
コンポーネント | 説明 | 注記および制約事項 |
---|---|---|
WebSphere Business Integration Adapter for XML
(Adapter for XML)
|
このアダプターによって、InterChange Server は、HTTP メッセージの形式でデータを受信するアプリケーションとビジネス・オブジェクトを交換できます。Adapter for XML と Business Integration Connect は、URL アドレスを通じて通信します。
|
Adapter for XML は、Business Integration Connect には同梱されていません。このアダプターのバージョン 3.1.x 以降を使用する必要があります。
|
HTTP または HTTPS プロトコル・ハンドラー |
このプロトコル・ハンドラーは、Adapter for XML とともに動作して、情報のストリームを URL に送受信します。
| このプロトコル・ハンドラーは Business Integration Connect に付属しています。詳細については、HTTP プロトコル・ハンドラーの配置を参照してください。 |
ペイロード・データ・ハンドラー | このデータ・ハンドラーは、文書のペイロードを文書形式 (通常 XML) とビジネス・オブジェクト表現の間で変換します。 | このデータ・ハンドラーは必須であり、ペイロード文書の MIME タイプをサポートしていなければなりません。 |
Attachment Data Handler | このデータ・ハンドラーは、添付ファイルを含む文書を、文書フォーマットとビジネス・オブジェクト表現の間で変換します。 | このデータ・ハンドラーは、文書に添付ファイルが含まれている場合のみ必要です。詳細については、添付ファイルのある文書の処理を参照してください。 |
図 13 では、Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前の InterChange Server から文書を受信する方法の概要を示します。
図 13. HTTP トランスポート・プロトコルによるコラボレーションから Business Integration Connect へのメッセージ・フロー
Business Integration Connect が、InterChange Server 内部のコラボレーションによって開始された文書を受信することによって、要求処理に参加する手順を以下に説明します。
要求子オブジェクトには、カスタム HTTP ヘッダーを含む動的メタオブジェクトを指すアプリケーション固有情報が含まれています。Business Integration Connect はこの情報があること前提としています。
プロトコル・ハンドラーは、トップレベル・ビジネス・オブジェクトから MIME タイプと URL を読み出して、使用するデータ・ハンドラーと受信側のアドレスを判別します。
HTTP プロトコル・ハンドラーは、データ・ハンドラーを呼び出して、ビジネス・オブジェクトを HTTP ストリームに変換します。
HTTP プロトコル・ハンドラーは要求ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報を調べて cw_mo_conn タグを探します。このタグは動的メタオブジェクトに対応する属性を示します。文書にバックエンド統合パッケージ化を使用している場合、この動的メタオブジェクト内でカスタム HTTP ヘッダー情報を指定することができます。
この属性にデータが取り込まれている場合、プロトコル・ハンドラーは要求メッセージにトランスポート・レベル・ヘッダーを設定します。HTTPProperties 属性内で、コンテンツ・タイプ標準 HTTP ヘッダーを指定することもできます。詳細については、v4.2.2 の ICS 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成を参照してください。
Business Integration Connect は、ターゲットとして構成されているこの URL で listen します。
Adapter for XML の ReturnBusObjResponse コネクター・プロパティーが true であれば、同期的に起動されます。プロトコル・ハンドラーは、応答メッセージを応答ビジネス・オブジェクトに変換し、それを Adapter for XML に戻します。Adapter は、このビジネス・オブジェクトをトップレベルのビジネス・オブジェクトに設定します。次に、トップレベル・ビジネス・オブジェクトが InterChange Server 内部のコラボレーションに戻されます。
InterChange Server からの文書を受信するには ICS 互換コンポーネントを使用する必要があります。そのため、表 54 に示す設定タスクと構成タスクを実行する必要があります。HTTP を通じた 4.2.2 より前の InterChange Server との通信用に Business Integration Connect を構成する方法については、発信文書のサポートを参照してください。
手順 | 詳細の参照先 |
---|---|
1. HTTP プロトコル・ハンドラーを配置します。
| HTTP プロトコル・ハンドラーの配置 |
2. WebSphere Business Integration Adapter for XML を構成します。
| Adapter for XML の構成 |
Business Integration Connect では、Business Integration Connect にメッセージを送受信するためのカスタム HTTP プロトコル・ハンドラーを提供しています。HTTP プロトコル・ハンドラーは、Business Integration Connect インストール・メディアの以下のファイル内にあります。
Integration/WBI/WICS/WBICServlet/bcgwbiprotocol.jar
このカスタム・プロトコル・ハンドラーは、Adapter for XML バージョン 3.1.x 以降にプラグインすることができます。サポートされる InterChange Server のバージョンとプラットフォームのリストについては、ご使用のアダプターのバージョンに対応する「Adapter for XML ユーザーズ・ガイド」を参照してください。
HTTP プロトコル・ハンドラーを Adapter for XML に配置するには、HTTP プロトコル・ハンドラーを実行時にロードできるように、Adapter for XML にそのロケーションを知らせなければなりません。HTTP プロトコル・ハンドラーのロケーションを指定するには、以下の手順を実行します。
connectors/xml
Adapter for XML は ICS 互換コンポーネントです。Business Integration Connect は、これを使用することにより、HTTP メッセージ形式で InterChange Server と文書を交換できます。以下のようにして、InterChange Server との要求処理の対話をサポートします。
Business Integration Connect から InterChange Server へ HTTP メッセージを送信するには、HTTP を通じた 4.2.2 より前の ICS への文書の送信で説明しているように、WebSphere Business Integration Connect サーブレットを使用します。
この製品は別途入手する必要があり、「Adapter for XML ユーザーズ・ガイド」の説明に従ってインストールする必要があります。アダプターの資料を参照して、そのバージョンのアダプターに、ご使用の InterChange Server のバージョンとの互換性があることを確認します。
InterChange Server と通信するように Adapter for XML を構成したら、これらのセクションの手順に従って、Business Integration Connect からの HTTP メッセージを受け入れるようにこのアダプターを構成します。
図 13 に示すように、Adapter for XML のプロトコル・ハンドラーは、データ・ハンドラーを使用して、InterChange Server から受信したビジネス・オブジェクトを適切な HTTP ストリームに変換します。
ペイロードを変換する際に使用するデータ・ハンドラーを指定するには、ビジネス・オブジェクトの変換 に示す手順を実行する必要があります。また、このペイロード・データ・ハンドラーを使用するように Adapter for XML を構成する必要もあります。 Connector Configurator を使用して、Adapter for XML がデータ・ハンドラーを識別する際に使用するトップレベル・データ・ハンドラー・メタオブジェクトを、DataHandlerConfigMO コネクター構成プロパティーに指定します。アダプター用のサポートされるビジネス・オブジェクトのリストに、トップレベル・データ・ハンドラー・メタオブジェクトの名前が含まれていることを確認してください。
Adapter for XML は、JavaProtocolHandlerPkgs コネクター構成プロパティーを使用して、Java プロトコル・ハンドラー・パッケージの名前を識別します。 Business Integration Connect と統合する場合は、Business Integration Connect が提供する HTTP プロトコル・ハンドラーのパッケージ名が JavaProtocolHandlerPkgs プロパティーに設定されていることを確認してください。
com.ibm.bcg.integration.wbi.utils.protocolhandlers
Adapter for XML は、ReturnBusObjResponse コネクター構成プロパティーを使用して、応答ビジネス・オブジェクトを戻すかどうかを指定します。応答ビジネス・オブジェクトが戻されるのは、対話が同期的である場合に限られます。 デフォルトでは、ReturnBusObjResponse コネクター構成プロパティーに false が設定されています。応答ビジネス・オブジェクトを戻すように Adapter for XML を構成するには、ReturnBusObjResponse コネクター構成プロパティーに true を設定します。
コネクター構成プロパティーを構成するには、Connector Configurator ツールを使用します。このツールは、WebSphere Business Integration Adapter for XML リリースの一部として提供されています。 Connector Configurator 内で、コネクター・プロパティーの「コネクター固有 (Connector-specific)」タブに ReturnBusObjResponse プロパティーが表示されます。
WebSphere Business Integration Adapter for XML は、ペイロード・ビジネス・オブジェクト形式で InterChange Server から情報を受信します。Adapter for XML の場合、ペイロード・ビジネス・オブジェクトは、ビジネス・オブジェクトの階層として表現されます。Adapter for XML は、Business Integration Connect 文書を受信すると、このビジネス・オブジェクト階層を作成します。そこで、この階層を表現するためのビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。
Adapter for XML は InterChange Server の要求処理にのみ 関与するので、トップレベル・ビジネス・オブジェクトの要求属性と応答属性は、表 55 のように解釈されます。
表 55. 要求処理における要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクト
このビジネス・オブジェクト構造の作成方法については、HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS に対するビジネス・オブジェクト定義の作成を参照してください。
Connect サーブレットは、ペイロード・ビジネス・オブジェクト形式で InterChange Server に文書を送信します。 Adapter for XML は、InterChange Server からのメッセージをこれと同じ形式で受信します。 Business Integration Connect 文書を送受信する際、これらのコンポーネントは両方ともペイロード・データ・ハンドラーを呼び出して、このビジネス・オブジェクトを処理します。
したがって、表 56 に示すビジネス・オブジェクト定義を作成する際は、Adapter for XML と Connect サーブレットで前提としているペイロード・ビジネス・オブジェクト構造を表すように、これらのビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。
表 56. HTTP トランスポート・プロトコルのビジネス・オブジェクト定義
条件 | ビジネス・オブジェクト定義 | 詳細の参照先 |
---|---|---|
「パッケージ化なし」または「バックエンド統合パッケージ化」を文書で使用しており、なおかつ 文書に添付ファイルがない 場合 |
ペイロード・ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト階層:
| HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS のペイロード・ビジネス・オブジェクト構造の作成 |
文書にバックエンド統合パッケージ化を使用している場合 |
トランスポート・レベルのヘッダー情報を保持するビジネス・オブジェクトを、ペイロード・ビジネス・オブジェクトに追加します。
| 4.2.2 より前の InterChange Server 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成 |
文書に添付ファイルが含まれる場合 (「バックエンド統合パッケージ化」が必要) | 添付ファイルを表現する追加ビジネス・オブジェクトを作成する必要があります。 | 添付ファイル関連のビジネス・オブジェクト定義の作成 |
Wrapper Data Handler (文書送信用) と、Adapter for XML および HTTP プロトコル・ハンドラー (文書受信用) はどちらも、ペイロード・ビジネス・オブジェクトについて、同じビジネス・オブジェクト構造を前提としています。
このビジネス・オブジェクト構造は、以下のビジネス・オブジェクトから構成されます。
図 14 は、ペイロード・ビジネス・オブジェクト定義のビジネス・オブジェクト構造のサンプルを示しています。この構造は、HTTP トランスポート・プロトコルを使用する 4.2.2 より前の InterChange Server で使用されます。
図 14. 4.2.2 より前の InterChange Server 用の HTTP ペイロード・ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト構造
トップレベル・ビジネス・オブジェクトは要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクトのラッパーです。このビジネス・オブジェクト用にビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。表 57 に、トップレベル・ビジネス・オブジェクト定義の属性をまとめています。
属性 | 属性タイプ | 説明 |
---|---|---|
URL | ストリング |
ビジネス・オブジェクト内のデータの宛先。
|
MimeType | ストリング |
URL に渡されるデータのコンテンツ・タイプとフォーマットを定義します。
|
BOPrefix | ストリング |
呼び出すデータ・ハンドラーを決定するために使用されます。
|
Response | ビジネス・オブジェクト | 応答メッセージを表す子ビジネス・オブジェクト (応答があることを前提としている場合)。
このビジネス・オブジェクトの目的は、要求処理に参加しているか、イベント通知に参加しているかによって異なります。このビジネス・オブジェクトの構造について詳しくは、応答ビジネス・オブジェクトを参照してください。 |
Request | ビジネス・オブジェクト | 要求メッセージを表す子ビジネス・オブジェクト。
このビジネス・オブジェクトの目的は、要求処理に参加しているか、イベント通知に参加しているかによって異なります。このビジネス・オブジェクトの構造について詳しくは、要求ビジネス・オブジェクトを参照してください。 |
トップレベル・ビジネス・オブジェクトの構造の詳細な説明については、「Adapter for XML ユーザーズ・ガイド」を参照してください。
要求ビジネス・オブジェクトには、URL に渡すデータが格納されています。要求メッセージ内のさまざまな XML タグの属性が含まれています。この要求ビジネス・オブジェクトの目的は、以下のように、参加している InterChange Server タスクの種類によって異なります。
詳細については、文書送信用のビジネス・オブジェクト定義の作成 を参照してください。
詳細については、文書受信用のビジネス・オブジェクト定義の作成を参照してください。
要求ビジネス・オブジェクトの構造の基本的な説明については「Adapter for XML ユーザーズ・ガイド」を参照してください。Business Integration Connect とともに使用する場合は、要求ビジネス・オブジェクト定義の構造を 2 箇所カスタマイズする必要があります。
この属性は、メッセージのヘッダーの構成情報を提供します。詳細については、4.2.2 より前の InterChange Server 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成を参照してください。
表 58. 要求ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報内のタグ
アプリケーション固有情報のタグ | 説明 | 必要であるか |
---|---|---|
wbic_mainboname | トップレベル・ビジネス・オブジェクトの名前を示します。 | はい |
cw_mo_conn | HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー・フィールドを含む動的メタオブジェクトを指定します。詳細については、4.2.2 より前の InterChange Server 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成を参照してください。 | いいえ (バックエンド統合パッケージ化を使用している場合のみ必要) |
応答ビジネス・オブジェクトには、URL から受信するデータが格納されます。応答メッセージ内のさまざまな XML タグの属性が含まれています。この応答ビジネス・オブジェクトの目的は、以下のように、参加している InterChange Server タスクの種類によって異なります。
応答がイベント通知の一部であるか、要求処理の一部であるかにかかわらず、Business Integration Connect と InterChange Server 間の交換が同期 しており、要求に対してビジネス応答があることが前提となっている場合のみ、要求ビジネス・オブジェクトは送信されます。
このような場合には、以下の追加的な手順を実行する必要があります。
このタグの構文は次のようになっています。
wbic_type=reply
このタグが指定されていない 場合、Wrapper Data Handler は、wbic_response_mime 属性 (トップレベル・ビジネス・オブジェクト内) が示す子メタオブジェクトを使用して、応答に使用するデータ・ハンドラーを決定します。
Business Integration Connect と InterChange Server の間の交換が非同期 である場合、Business Integration Connect は応答があることを前提としない ため、応答ビジネス・オブジェクトを作成する必要はありません。
cXML 文書の場合、XML Object Discovery Agent (ODA) を使用して、ビジネス・オブジェクトを作成することができます。XML ODA は cXML DTD を消費できます。ただし、XML ODA は ENTITY をサポートしません。そのため、XML ODA とともに cXML DTD を実行するには、あらかじめ ENTITY を DTD から除去する必要があります。
XML ODA を使用してビジネス・オブジェクトを生成するときに、ルート・エレメントとして cXML タグを選択することができます。ただし、このようにすると、cXML DTD 全体をキャプチャーするため、ビジネス・オブジェクトの規模が大きくなります。小規模なビジネス・オブジェクトを作成したい場合、ルート・エレメントとして異なるタグを選択することができます。その場合は Data Handler for XML 対応のカスタム・ネーム・ハンドラーを作成する必要があります。データ・ハンドラーは、トップレベル・ビジネス・オブジェクトのネーム解決のためにこのネーム・ハンドラーを起動します。カスタム・ネーム・ハンドラーの作成については、Data Handler for XML の資料を参照してください。
HTTP トランスポート・プロトコルを通じてバックエンド統合パッケージ化を使用して文書を送信する場合、要求ビジネス・オブジェクトには、カスタム・トランスポート・レベル・ヘッダー情報が含まれている必要があります。
Wrapper Data Handler と Adapter for XML はどちらも、このカスタム・ヘッダー情報が動的メタオブジェクト内に存在することを前提としています。
図 15 は、要求ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト構造を示しています。これは、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて「バックエンド統合パッケージ化」を使用する Business Integration Connect 文書を表しています。
図 15. 要求ビジネス・オブジェクトと HTTP 動的メタオブジェクトとの関係
以下の手順を実行して、ビジネス・オブジェクト構造に動的メタオブジェクトが含まれるようにします。
この手順の各ステップについて、以下のセクションで説明します。
HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトには、バックエンド統合パッケージ化に必要な HTTP プロパティーが含まれます。また、コンテンツ・タイプ・ヘッダーを要求メッセージ内に設定することを指定する Content-Type 属性と、メッセージの長さをバイト単位で指定するコンテンツ長属性を含めることもできます。表 4 では、有効なトランスポート・ヘッダー・フィールドのそれぞれについて説明しています。
HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクト定義を作成するには、以下の手順を実行します。
すべての属性の属性タイプをストリングにする必要があります。属性には、(表 4 のヘッダー・フィールドの列に示すような) HTTP プロパティーの名前をそのまま付けることができます。
この属性レベルのアプリケーション固有情報の形式は、次のようになっています。
name=HTTPproperty
ここで、HTTPproperty は、表 4 のヘッダー・フィールド列の値のいずれかです。
図 15 では、HttpProps_BusObj ビジネス・オブジェクト定義にはさまざまなトランスポート・ヘッダー・フィールドの属性が含まれています。これらの属性のすべてに、関連プロトコル・ヘッダーの名前を指定する属性レベルのアプリケーション固有情報があります。例えば、x-aux-sender-id 属性には次のようなアプリケーション固有情報セットがあります。
name=x-aux-sender-id
動的メタオブジェクトには、HTTP ヘッダー情報の構成情報を持つ子ビジネス・オブジェクトが含まれています。ビジネス・オブジェクト構造に動的メタオブジェクトが含まれるようにする必要があります。動的メタオブジェクトのビジネス・オブジェクト定義には、HttpProperties という名前の属性を組み込む必要があります。この属性の属性タイプは、HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト定義です (HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトの作成参照)。
例えば、図 15 では、HttpDynMO_BusObj ビジネス・オブジェクト定義には、属性タイプが HttpProps_BusObj である HttpProperties 属性が含まれています。
要求ビジネス・オブジェクト定義は、Business Integration Connect から要求されている情報を表します。要求ビジネス・オブジェクトの作成方法については、要求ビジネス・オブジェクトを参照してください。動的メタオブジェクトをペイロード・ビジネス・オブジェクト構造に取り込むには、要求ビジネス・オブジェクト定義に以下の変更を加える必要があります。
この属性の属性タイプは、動的メタオブジェクトのビジネス・オブジェクト定義です (HTTP 動的メタオブジェクトの作成参照)。
cw_mo_conn タグの形式は、次のようになっています。
cw_mo_conn=dynamicMetaObjAttr
ここで、dynamicMetaObjAttr は、動的メタオブジェクトを保持する要求ビジネス・オブジェクト内の属性の名前です。
例えば、図 15 では、HttpDynMO という名前の属性が要求ビジネス・オブジェクト定義 WBIC_HttpRequest_BusObj に追加されています。この属性には、タイプ HttpDynMO_BusObj の子ビジネス・オブジェクトである動的メタオブジェクトが含まれています。さらに、この動的メタオブジェクトを識別するため、要求ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報は、次のような cw_mo_conn タグを組み込むように変更されています。
cw_mo_conn=HttpDynMO
HTTP トランスポート・プロトコルを通じて Business Integration Connect と通信するように 4.2.2 より前の InterChange Server を構成するには、表 59 に示す InterChange Server 成果物を作成する必要があります。
表 59. HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前の ICS と通信するための成果物
ICS 成果物 | 目的 | 詳細の参照先 |
---|---|---|
ビジネス・オブジェクト定義 | 文書を表します。 | HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS に対するビジネス・オブジェクト定義の作成 |
コネクター・オブジェクト (要求処理でのみ必要) | 実行時の Adapter for XML を表します。 | XML コネクター・オブジェクトの作成 |
コラボレーション・テンプレートとコラボレーション・オブジェクト | 文書処理の際に InterChange Server が使用するビジネス・プロセスを表します。 | Adapter for XML と通信する場合のコラボレーションのバインド |
HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前の InterChange Server で要求を処理するには、Adapter for XML を使用して文書を InterChange Server に送信する必要があります。 Adapter for XML のインスタンスを実行時に取得するには、System Manager で以下の手順を実行します。
Business Integration Connect とともに使用するように Adapter for XML を構成する方法については、Adapter for XML の構成を参照してください。
コラボレーションの作成で説明したように、ビジネス・オブジェクトの受信場所や送信場所を InterChange Server で認識するには、コラボレーション・オブジェクトが実行時に存在しなければなりません。 Business Integration Connect に情報を送信するコラボレーションのコラボレーション・オブジェクトを作成する際は、そのポートをバインドする必要があります。要求処理の場合は、Adapter for XML を使用して要求を Business Integration Connect に送信する「to」コラボレーション・ポートに対して、Adapter for XMP 用に作成したコネクター・オブジェクトを設定します。つまり、Adapter for XMP は、宛先 アダプターとなります。