文書の受信

ハブの処理システムにコンポーネントを経由して入力される文書は、受信側 と呼ばれます。

受信側は、インバウンド文書のトランスポートのモニター、到着した文書の検索、それに対する基本的な処理の実行、およびメイン処理エンジンが検索できるストレージ・キューへの配置を行います。

受信側は、トランスポート固有です。WBI Connect には、FTP/S、JMS、File、SMTP、および HTTP/S トランスポートを処理するように設計された受信側が付属しています。バージョン 4.2.2 には、ユーザーが特定のニーズに基づいて独自の受信側を開発できるように API も組み込まれています。

使用するには、受信側をターゲット と呼ばれるトランスポート構成に関連付けます。

ターゲットには、Business Integration Connect に着信する文書のエントリー・ポイントの URI を指定します。ここでは、Document Manager が文書を検索するときのリポジトリー・ロケーションを指定します。各ターゲットは、単一トランスポート・タイプを使用して、送信する文書をサポートします。複数の文書フォーマットがサポートされる場合は、指定されたトランスポートごとに各タイプのターゲットが 1 つ存在する可能性があります。ターゲットは、WBI Connect の GUI ベース制御コンポーネントである、Community Console を使用して構成されます。

提供されている受信側と同じ方法で、ユーザーが作成した受信側にターゲットを 1 つ以上持つことができます。ターゲットを構成して受信側と関連付けるためのコンソールの使用方法の詳細については、「ハブ構成ガイド」を参照してください。

Connect 4.2.2 のユーザーは、全く新しい受信側の追加に加え、ユーザー出口プラグイン・モジュールを開発して着信文書を受信側が処理する方法をカスタマイズできます。これらのモジュールは、ハンドラー と呼ばれます。

追加処理を行うためにユーザー出口ハンドラーを呼び出すことのできる受信側の処理シーケンス内の場所として、前処理、同期検査、および後処理の 3 つがあります。構成ポイント とも呼ばれるこれらの各場所で、ユーザーはコンソールを使用して 1 つ以上のハンドラーを指定できます。

このリリースでハンドラーを追加できるのは、ユーザー設計の受信側または WBI-C 提供の HTTP 受信側だけです。

前処理ハンドラーは、メイン処理が行われる Document Manager に文書を送信する前に、文書の必要な前処理を実行するために使用されます。例えば、複数のレコードが 1 つのラッパー・メッセージで送信される場合があります。前処理で個別のメッセージを相互に分離してから、実際の処理のために送信することができます。

文書の伝送は、同期でも非同期でもかまいません。同期伝送では、開始パートナーは伝送する文書に応答する文書を予期します。非同期伝送では、応答文書は予期しません (しかし、HTTP 状況コードなどの一部の単純な情報が戻されることがあります)。ユーザー出口は、同期状況についての文書の検査を特定のハンドラーで処理するために使用できます。WBI-C には、DefaultSynchronousSyncCheckHandlerDefaultAsynchrounousSyncCheckHandler の 2 つのデフォルトの同期検査ハンドラーが付属していますが、ユーザーは独自のハンドラーを設定できます。これは、別個の同期および非同期ターゲット (別のハンドラーを使用) を定義するとスループットを向上できる一部の文書タイプの場合に、特に役立ちます。

後処理ハンドラーは、同期要求が出されたときに、開始パートナーに WBI-C が戻す応答文書を処理するために使用されます。

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