コミュニティー参加者間で交換される文書は、すべてのパートナーのニーズに適合できるように、いくつかの方法で変形が必要な場合が頻繁に発生します。Document Manager コンポーネントの中核であるビジネス・プロセス・エンジン (BPE) が、これらの変形を実行します。
この目的のために、BPE は、固定インバウンド・ワークフロー、可変ワークフロー、および固定アウトバウンド・ワークフローの 3 つの基本単位にグループ化される、一連のステップで行います。ユーザー出口により、ユーザー定義プロセスをこれらの各基本単位にプラグインすることができます。
固定インバウンド・ワークフローは、受信側から Document Manager に着信するすべての文書に行う標準処理を対象とします。これは、ステップの数とタイプが常に同じであるので、固定です。しかしユーザーは、ユーザー出口を使用して、最初の 2 つのステップであるプロトコル・アンパックおよびプロトコル処理ステップの両方での処理に関するカスタマイズされたハンドラーを提供できます。
WBI-C に送信されるすべてのメッセージは、固有のビジネス・プロトコルの仕様に基づいてパッケージされます。例えば、RosettaNet 文書は RNIF 仕様に基づいてパッケージされます。プロトコル・アンパックには、メッセージをさらに処理するためのメッセージのアンパックが含まれます。このプロセスには、暗号化解除、圧縮解除、シグニチャー検証、ルーティング情報の抽出、ユーザー認証、ビジネス文書パーツの抽出が含まれる場合があります。WBI-C には、RNIF、AS2、MIME、EAI、および NONE パッケージのハンドラーが用意されています。他のパッケージ・タイプのハンドラーが必要な場合は、ユーザー出口として作成できます。
プロトコル処理には、プロトコル固有情報の判別が含まれます。これには、ルーティング情報 (送信側 ID、宛先 ID)、プロトコル情報 (Rosettanet バージョン V02.02 などのビジネス・プロトコルとバージョン)、および文書フロー/プロセス情報 (3A4 バージョン V02.02 など) を判別するための構文解析が含まれる場合があります。WBI-C には、XML、RosettaNet、および EDI の処理が用意されています。他のプロトコル (例えば CSV) の処理は、ユーザー出口プラグインを使用して用意できます。
ユーザー出口を使用して新規のパッケージ・タイプや新規のプロトコル・タイプをセットアップする場合は、新規のパッケージまたは新規のプロトコル情報をコンソールにもセットアップする必要があります。詳しくは、「ハブ構成ガイド」を参照してください。
BPE での中核の変形処理は可変ワークフローで行われます。 可変ワークフローは、順次に整列された複数のステップで構成され、それらすべてが集まってアクション となります。
アクションは、参加者接続の作成プロセスの一部として、コンソールで指定されます。WBI-C には、11 個の定義済みアクションが用意されています。ユーザー出口を使用すると、新規のシーケンスに配置する全く新しい一連のステップを開発するか、あるいは既存のアクションをコピーし、既存のステップをユーザー定義のステップで置換するか、または既存のシーケンスにユーザー定義ステップを追加し、既存のアクションを変更して新規のアクションを作成できます。
注: 内部的な WBI-C 特定の目的に使用されている可能性があるため、WBI-C が用意したステップすべてを新しいユーザー定義に使用できるわけではありません。詳しくは、テンプレートとしての WBI-C 提供アクション、およびその状況を参照してください。
アクションは、一連のステップから構成されます。これらのステップの作成には、ユーザー出口プラグインを使用できます。 通常、ステップには、次のタイプが含まれます。
注: これらのステップでは、典型的な例のみを示します。可変ワークフローは、ビジネス・プロセス・ロジックの実装を意図しています。ロジックで、実際に必要なステップを指示します。
ステップが定義されると、ステップが実行されるシーケンスをアクションに指定する必要があります。例えば、定義ステップが検証と変形の場合、検証のみ、別の検証に続いて変形、および 3 番目の検証に続いて変形してさらに変形された文書の検証、から構成されるアクションを順序付けることができます。ステップのシーケンスは、アクションとしてまとめてコンソールにリンクされます。詳しくは、「ハブ構成ガイド」を参照してください。
文書が該当する可変ワークフローで処理されると、その宛先に送信する準備としてパッケージ化する必要があります。WBI-C には、RNIF、バックエンド統合、AS、NONE パッケージ用と、cXML および SOAP プロトコル用のハンドラーが用意されています。他のパッケージ・ハンドラーが必要な場合は、ユーザー出口ステップとして作成できます。通常、これらのステップは次の 1 つ以上の処理を行います。
文書がパッケージされるとストレージ・キューに入れられ、送信側に引き渡すために Delivery Manager によって取り出されるまでそこに置かれます。