Message Broker での HTTP トランスポート・プロトコルの使用

このセクションでは、HTTP トランスポート・プロトコルを使用して WebSphere Business Integration Connect と WebSphere Business Integration Message Broker の間で文書を送受信する方法について説明します。

注:
HTTP トランスポート・プロトコルに言及する部分はすべて、HTTPS にも同様に適用されます。

HTTP トランスポートを通じた文書に必要なコンポーネント

HTTP トランスポート・プロトコルを使用して Business Integration Connect と Message Broker の間で文書を送受信する場合、特殊なコンポーネントは不要です。必要なのは、Business Integration Connect と Message Broker のみです。Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを使用して Message Broker バージョン 5.0 と通信するには、これら 2 つのコンポーネントを構成しておく必要があります。表 84 に、これらの構成ステップの要約を示します。

表 84. Business Integration Connect および Message Broker の構成
コンポーネント バージョン 詳細の参照先
WebSphere Business Integration Connect 4.2.2

HTTP トランスポート・プロトコルでの発信文書の構成

HTTP トランスポート・プロトコルでの着信文書の構成

WebSphere Business Integration Message Broker 5.0 Message Broker の構成

さらに、HTTP トランスポート・プロトコルを使用して Business Integration Connect と Message Broker の間で文書を送受信するには、JMS プロバイダーとして IBM WebSphere MQ バージョン 5.3 を使用する必要があります。

HTTP トランスポートを通じた文書の送信

Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを通じて Message Broker に文書を送信できるようにするには、Message Broker メッセージ・フロー内の特殊な HTTP トランスポート・ノードを使用して、Business Integration Connect によって HTTP ストリームとして送信された文書を取り出します。メッセージ・フローのノードは、必要な計算を実行して、文書を宛先 (JMS 出力キュー) に送付します。

Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを通じて Message Broker 内のメッセージ・フローに文書を送信する手順を以下に示します。

  1. Business Integration Connect は Message Broker に HTTP メッセージを送信します。

    文書のパッケージ化タイプがバックエンド統合であれば、Business Integration Connect は、このメッセージ内にカスタム・プロパティーを用意しています。

    注:
    Business Integration Connect 内部で、Business Integration Connect からのメッセージの送信先であり、Message Broker のポーリング対象である URL を示すゲートウェイを構成する必要があります。詳細については、HTTP トランスポート・プロトコルでの発信文書の構成を参照してください。
  2. メッセージ・フローの HTTPInput ノードは、文書を取り出して、メッセージ・フローの次のノードに送信します。このノードは、通常は Compute ノードです。
  3. メッセージ・フローのノードが実行され、ビジネス・ロジックが稼働します。

    ビジネス・ロジックが完了すると、メッセージ・フローは結果の文書を HTTPReply ノードに送信します。

  4. HTTPReply ノードは、デフォルトで出力メッセージをクライアント (Business Integration Connect) に送信します。

    あるいは、メッセージ・フローはメッセージを MQOutput ノードに置くこともできます。MQOutput ノードは、文書を受信すると、その文書を適切な JMS キューまたは他のアプリケーションに送信します。

HTTP トランスポートを通じた文書の受信

Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを使用して Message Broker から文書を受信できるようにするには、Message Broker メッセージ・フロー内の特殊な HTTP トランスポート・ノードを使用して、Business Integration Connect が HTTP ストリームとして受信する予定の文書を送信します。メッセージ・フローのノードは、必要な計算を実行し、Business Integration Connect に関する要求と応答を処理します (同期対話の場合)。

Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを通じて Message Broker 内のメッセージ・フローから文書を受信する手順を以下に示します。

  1. Message Broker 内のメッセージ・フローは、MQInput ノード (JMS 入力キュー) で文書を受信します。
  2. メッセージ・フローの MQInput ノードは、文書を受信し、それを HTTPRequest ノードに送信します。
  3. HTTPRequest ノードは、指定された URL を使用して、クライアント (Business Integration Connect) との要求および応答の対話を処理します。
  4. Business Integration Connect は、ターゲットで構成されているように、URL からメッセージを受信します。

    ターゲットについて詳しくは、HTTP トランスポート・プロトコルでの着信文書の構成を参照してください。

HTTP トランスポート用のメッセージ・フローの作成

Message Broker メッセージ・フローが HTTP トランスポート・プロトコルを通じて文書を処理するには、次のトランスポート・ノードを使用します。

これらのトランスポート・ノードの使用順序は、通信の方向によって以下のように異なります。


表 85. HTTP を通じて Message Broker に文書を送信するためのノード
ノード・タイプ 目的 注記
HTTPInput メッセージ・フローに入る Business Integration Connect 要求文書を受信します。

このトランスポート・ノードの「URL 選択子 (URL Selector)」フィールド (Basic プロパティー内) を、Business Integration Connect が文書を送信する URL に設定します。つまり、Business Integration Connect ゲートウェイで構成された URL に設定する必要があります。URL は、次のような形式になります。

http://hostName:port/path
 

ここで、hostName は Message Broker があるマシンの名前で、port は Message Broker が listen する HTTP ポート番号です。path は、このマシンのロケーションを示します。

詳細については、HTTP トランスポート・プロトコルでの発信文書の構成を参照してください。

Compute ヘッダー情報の更新など、ビジネス・ロジックのタスクを実行します。 ESQL を使用して、ビジネス・ロジックを実行します。Compute ノードは結果のメッセージを HTTPReply ノードに送信します。
HTTPReply 応答を Business Integration Connect に戻します。 デフォルトで、このノードは出力メッセージをクライアントに送信します。ただし、出力メッセージを MQOutput ノードに送信するよう構成することもできます。
MQOutput HTTPReply ノードから文書を受信し、それを Business Integration Connect に送信します。 このトランスポート・ノードは、結果の文書を JMS 出力キューに送信し、JMS 出力キューは文書を次の宛先に送付します。

表 86. HTTP を通じて Message Broker から文書を受信するためのノード
ノード・タイプ 目的 注記
MQInput Business Integration Connect から文書を受信します。 このトランスポート・ノードは、JMS 入力キューから着信文書を受信します。
HTTPRequest Business Integration Connect との要求/応答の対話を処理します。

このトランスポート・ノードでは、「Web サービス URL (Web Services URL)」フィールド (Basic プロパティー内) を、Business Integration Connect が文書を listen する URL に設定します。つまり、Business Integration Connect ターゲットで構成された URL に設定する必要があります。URL は、次のような形式になります。

http://hostName:port/bcgreceiver/path
 

ここで、hostName は Business Integration Connect があるマシンの名前で、port は Business Integration Connect 受信側が listen する HTTP ポート番号です。path は、このマシンのロケーションを示します。

詳細については、HTTP トランスポート・プロトコルでの着信文書の構成を参照してください。

メッセージ・フロー・ノードの作成および構成方法についての詳細は、WebSphere Business Integration Message Broker の資料を参照してください。

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