4.2.2 より前の ICS での HTTP トランスポート・プロトコルの使用

WebSphere Business Integration Connect は、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて、バージョン 4.2.2 より前の WebSphere InterChange Server (ICS) との間で文書を送受信することができます。

注:

  1. WebSphere Business Integration Connect と InterChange Server バージョン 4.2.2 との間で HTTP トランスポート・プロトコルを通じて文書の送受信を行うには、v4.2.2 の ICS での HTTP トランスポート・プロトコルの使用を参照してください。

  2. HTTP トランスポート・プロトコルを通じて SOAP 文書を交換する場合は、HTTP/S を通じた SOAP 文書の送信を参照してください。

このセクションでは、4.2.2 より前の InterChange Server、および HTTP を通じて Business Integration Connect とともに使用する ICS 互換コンポーネントの構成方法を、以下のトピックにより説明します。

HTTP を通じた 4.2.2 より前の ICS への文書の送信

このセクションでは、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて Business Integration Connect から 4.2.2 より前のバージョンの ICS へ文書を送信する方法を説明するために、以下の情報を提供します。

Business Integration Connect が InterChange Server に文書を送信すると、InterChange Server 内のイベント通知が開始されます。

送信に必要なコンポーネント

Business Integration Connect は、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて、バージョン 4.2.2 より前の以下の InterChange Server に文書を送信できます。

Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを使用して 4.2.2 より前の ICS に文書を送信するには、以下に示す 2 つのコンポーネントを構成する必要があります。 表 45 に、これらの構成ステップの要約を示します。

表 45. Business Integration Connect と InterChange Server の構成
コンポーネント バージョン 詳細の参照先
WebSphere Business Integration Connect 4.2.2

HTTP トランスポート・プロトコルでの発信文書の構成

HTTP トランスポート・プロトコルでの着信文書の構成

WebSphere InterChange Server 4.1.1、4.2.0、4.2.1 HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS の成果物の作成

また、HTTP トランスポートを通じて ICS に文書を送信するには、表 46 に示す ICS 互換コンポーネントを使用する必要があります。これらのコンポーネントのほとんどは、Business Integration Connect リリースの一部として提供されています。

表 46. HTTP を通じて 4.2.2 より前の ICS へ文書を送信するために必要なコンポーネント
コンポーネント 説明 注記および制約事項
WebSphere Business Integration Connect サーブレット (Connect サーブレット)

このサーブレットは WebSphere InterChange Server アクセス・クライアントです。アクセス・クライアントは InterChange Server (ICS) の外部のプロセスであり、ICS 内部のコラボレーションの実行を要求できます。

このサーブレットは、バージョン 4.2.2 より前の WebSphere InterChange Server で使用できます。

注:
このサーブレットは、WebSphere InterChange Server バージョン 4.2.2 では使用できません。
Wrapper Data Handler

このデータ・ハンドラーは、HTTP メッセージを適切なデータ・ビジネス・オブジェクトに変換するために、Connect サーブレットによって呼び出されます。メッセージに合った適切なデータ・ハンドラーを起動します。例えば、ペイロードが XML でフォーマットされている場合は、Data Handler for XML を呼び出すように Wrapper Data Handler を構成できます。

なし
ペイロード・データ・ハンドラー このデータ・ハンドラーは、文書のペイロードを文書形式 (通常 XML) とビジネス・オブジェクト表現の間で変換します。 このデータ・ハンドラーは必須であり、ペイロード文書の MIME タイプをサポートしていなければなりません。
Attachment Data Handler

このデータ・ハンドラーは、文書メッセージの添付文書を処理します。

このデータ・ハンドラーは、文書に添付ファイルが含まれている場合のみ 必要です。

注:
表 46 にリストされているすべてのコンポーネントは、Business Integration Connect インストール用メディアに格納されています。これらのコンポーネントのロケーションについては、Business Integration Connect サーブレットの配置を参照してください。

図 9 では、Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前の ICS へ文書を送信する方法の概要を示します。

注:
Wrapper Data Handler、Attachment Data Handler、およびペイロード・データ・ハンドラーは、すべて InterChange Server 内で実行されます。

図 9. Business Integration Connect からコラボレーションへの HTTP トランスポート・プロトコルを通じたメッセージ・フロー


図 9 に示すように、WebSphere Business Integration Connect サーブレットは、Business Integration Connect が直接対話する ICS 互換コンポーネントです。

この Connect サーブレットはアクセス・クライアントであり、ICS コラボレーションの実行を要求できる InterChange Server 外部のプロセスです。

アクセス・クライアントは、サーバー・アクセス・インターフェースというアプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) から呼び出しを発行して、ICS と対話します。これらの呼び出しは、WebSphere InterChange Server Access が受け取り解釈します。WebSphere InterChange Server Access は、アクセス・クライアントとの対話を処理する ICS 内のコンポーネントです。サーバー・アクセス・インターフェース は、コラボレーションを同期的に起動します。

注:

  1. Business Integration Connect とバックエンド・システム間の対話によっては非同期のものもありますが、その場合でも Server Access は、コラボレーションを同期的に呼び出し、コラボレーションの実行が完了するまで待機します。

  2. アクセス・クライアントおよび Server Access について詳しくは、WebSphere InterChange Server 資料セットの「アクセス開発ガイド」を参照してください。

Business Integration Connect が、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて ICS 内部のコラボレーションへ文書を送信することによって、イベント通知に参加する手順を以下に説明します。

  1. Business Integration Connect は、WebSphere Business Integration Connect サーブレットを起動して、InterChange Server へ文書を送信します。

    Business Integration Connect は、ターゲット・ゲートウェイとして指定された URL へ文書を送信します。

    注:
    Connect サーブレットを使用して、複数のコラボレーションを起動することができます。
  2. Connect サーブレットは、Business Integration Connect が送信する HTTP 要求メッセージから、Java ストリングを作成します。

    HTTP 要求メッセージには、次の 2 つの部分があります。

  3. Connect サーブレットは、サーブレット・プロパティー・ファイルを検査して、使用する動詞および MIME タイプとともに、起動するコラボレーションを決定します。

    各 URL は、起動されるコラボレーションと対応しています。(Connect サーブレットの構成を参照してください。)

  4. Connect サーブレットは、サーバー・アクセス・インターフェースの呼び出しを使用して、サーブレット・プロパティー・ファイルからの情報と Java ストリングを WebSphere InterChange Server Access に送信します。

    Connect サーブレットは、InterChange Server への文書の送信のみ可能であり (文書の受信はできません)、InterChange Server とのイベント通知にのみ関与できます。

    注:
    InterChange Server を用いた要求処理をサポートするため、Business Integration Connect は WebSphere Business Integration Adapter for XML と対話する必要があります。詳細については、HTTP を通じた 4.2.2 より前の ICS からの文書の受信を参照してください。
  5. InterChange Server 内の WebSphere InterChange Server Access が Java ストリングを受信して、Wrapper Data Handler を呼び出します。

    Wrapper Data Handler の仕事は、Java ストリングをそれに対応するビジネス・オブジェクト構造に変換することです。InterChange Server はビジネス・オブジェクトが入力されることを前提とします。

  6. Wrapper Data Handler は、Java ストリングをそのビジネス・オブジェクト構造に変換する際に以下の手順を実行します。
    1. Java ストリングからヘッダーとペイロードを抽出します。
      注:
      Business Integration Connect が送信する文書に添付ファイルが含まれている場合は、Attachment Data Handler を呼び出すように Wrapper Data Handler を構成できます。 Attachment Data Handler の動作は、添付ファイルのある文書の処理で説明しています。
    2. ペイロードの MIME タイプを検査し、その MIME タイプ用に構成されたデータ・ハンドラーを呼び出して、ペイロードをペイロード・ビジネス・オブジェクトに変換します。
    3. HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトと動的ビジネス・オブジェクトを作成します。

      このペイロード・ビジネス・オブジェクトの動的メタオブジェクトの子である HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトに、HTTP ヘッダーを設定します。

    4. トップレベル・ビジネス・オブジェクトを作成し、イベント・ビジネス・オブジェクトを要求ビジネス・オブジェクトとして設定します。

      Wrapper Data Handler は、ペイロード・ビジネス・オブジェクトが階層構造になっていることを前提としています。このペイロード・ビジネス・オブジェクトの構造については、文書送信用のビジネス・オブジェクト定義の作成を参照してください。

    5. トップレベル・ビジネス・オブジェクトを InterChange Server 内の Server Access に戻します。
  7. Server Access はコラボレーションを起動し、トップレベル・ビジネス・オブジェクトをコラボレーションに渡します。

    起動するコラボレーション・オブジェクト用のコラボレーション・ポートが、外部ポートとして構成されていることを確認してください。ポートの構成方法の詳細については、WebSphere InterChange Server の資料を参照してください。

  8. コラボレーションは、トップレベルのビジネス・オブジェクトを実行して、これを Wrapper Data Handler に戻します。

    応答ビジネス・オブジェクト (トップレベル・ビジネス・オブジェクト内) にデータが取り込まれているかどうかは、以下に示すように、InterChange Server および Business Integration Connect 間の対話のタイプによって決まります。

    詳細については、応答ビジネス・オブジェクトを参照してください。

  9. 対話が正常に行われた場合、Connect サーブレットは HTTP 200 OK 肯定応答を Business Integration Connect に戻します。

Connect サーブレットの構成

WebSphere Business Integration Connect サーブレットはアクセス・クライアントであり、InterChange Server 内部のコラボレーションの実行を要求できる InterChange Server 外部のプロセスです。アクセス・クライアントは、サーバー・アクセス・インターフェースというアプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) から呼び出しを使用して、ICS と対話します。これらの呼び出しは、WebSphere InterChange Server Access が受信して解釈します。WebSphere InterChange Server Access は、アクセス・クライアントとの対話を処理する InterChange Server のコンポーネントです。

注:
アクセス・クライアントおよび Server Access について詳しくは、WebSphere InterChange Server 資料セットの「アクセス開発ガイド」を参照してください。

Connect サーブレットを構成するには、以下の手順を実行します。

Business Integration Connect サーブレットの配置

Connect サーブレット、Wrapper Data Handler、および Wrapper Data Handler のリポジトリー・ファイルは、Business Integration Connect のインストール・メディアで提供されます。これらのロケーションは、表 47 のようになっています。

表 47. Connect サーブレットのコンポーネントのロケーション
コンポーネント ロケーション
Connect サーブレット Integration/WBI/WICS/WBICServlet/ bcgwbiservlet.war
Wrapper Data Handler Integration/WBI/WICS/WBICServlet/ bcgwbiwrapperdh.jar
Wrapper Data Handler のリポジトリー・ファイル Integration/WBI/WICS/WBICServlet MO_DataHandler_WBIWrapper.in

注:
添付ファイルを含む文書を送信することが予想される場合は、Attachment Data Handler の配置で説明しているように、Attachment Data Handler と関連するリポジトリー・ファイルを配置することもできます。

このサーブレットは WebSphere InterChange Server バージョン 4.1.1、4.2.0、および 4.2.1 と接続することができます。これらのバージョンのうちのいずれかの InterChange Server がサポートされているプラットフォーム上に、配置することができます。さらに、サーバー・アクセス・インターフェースがそのプラットフォームでサポートされていることを確認する必要があります。ご使用の ICS のバージョンをサポートしているプラットフォームのリストについては、WebSphere InterChange Server の資料を参照してください。

表 47 のコンポーネントを配置するには、次の手順に従います。

  1. Web サーバーの資料に従って、Connect サーブレットおよび関連ファイルを Web サーバーに配置します。
  2. Connect サーブレットの CLASSPATH に以下のファイルがあることを確認します。

    これらのファイルは InterChange Server 製品ディレクトリーの lib サブディレクトリーにあります。

    注:

    1. これらのファイルは、起動する InterChange Server と同じバージョンの InterChange Server に含まれていたものでなければなりません。

    2. これらのファイルは、Web サーバー内の Connect サーブレットの Web コンテナーで使用できなければなりません。ファイルを Web コンテナーで使用できるようにする方法については、Web サーバーの資料を参照してください。
  3. Connect サーブレットの CLASSPATH に以下のファイルがあることを確認します。

    これらのファイルは、Business Integration Connect インストール・メディアの以下のディレクトリーにあります。

    integration/wbi/wics/http/lib/thirdparty
     

    注:
    これらのファイルは、Web サーバー内の Connect サーブレットの Web コンテナーで使用できなければなりません。ファイルを Web コンテナーで使用できるようにする方法については、Web サーバーの資料を参照してください。
  4. InterChange Server 相互運用オブジェクト参照 (.ior ) ファイルを、Connect サーブレットが配置されたマシン上で利用できるようにします。

    Connect サーブレットが InterChange Server とは異なるマシン上にある場合、以下のいずれかの操作を実行して、.ior ファイルを使用可能にすることができます。

    注:
    Connect サーブレットのプロパティー・ファイル内の ICS_IORFILE プロパティーを、この .ior ファイルのロケーションで更新する必要もあります。詳細については、InterChange Server インスタンスの識別を参照してください。

Connect サーブレット・プロパティーの設定

HTTP を通じた 4.2.2 より前の ICS への文書の送信で説明したように、サーブレット・プロパティー・ファイルには、ポート名および動詞など、WebSphere Business Integration Connect サーブレットがコラボレーションを起動するために必要な情報が記述されています。WebSphere InterChange Server に関する一般情報を指定して、このサーブレット・プロパティー・ファイルを作成する必要があります。次に、サーブレットが起動するコラボレーションについて、そのコラボレーションに関する情報を提供します。

このセクションでは、Connect サーブレットのプロパティーの設定方法について、以下の情報を提供します。

サーブレット・プロパティー・ファイルの作成

サーブレット・プロパティー・ファイルには、表 48 に示すセクションが含まれています。

表 48. サーブレット・プロパティー・ファイルのセクション
サーブレット・プロパティー・ファイルのセクション 説明 詳細の参照先
一般情報 InterChange Server インスタンスを示すプロパティー InterChange Server インスタンスの識別
コラボレーション情報 起動する各コラボレーションを示すプロパティー 起動するコラボレーションの識別
ロギング情報 サーブレットのロギングを構成するプロパティー サーブレット・ログ・ファイルのロケーションの指定

InterChange Server インスタンスの識別  Connect サーブレットのプロパティー・ファイルの最初のセクションには、Business Integration Connect と通信する InterChange Server インスタンスを識別する一般情報が含まれています。この ICS インスタンスには、Business Integration Connect が起動する必要のあるコラボレーション (複数可) が含まれています。表 49 に、サーブレット・プロパティー・ファイルの一般プロパティーを示します。

表 49. サーブレット・プロパティー・ファイルの一般プロパティー
プロパティー名 説明
ICS_SERVERNAME WebSphere InterChange Server が稼働しているホスト・マシン。 Server1
ICS_VERSION WebSphere InterChange Server のバージョン番号。指定可能な値は、4.1.1、4.2.0、および 4.2.1 です。 4.2.0
ICS_IORFILE

相互運用オブジェクト参照 (.ior) ファイルのファイル名。WebSphere InterChange Server Access へのアクセスに使用します。例では、Windows システムでのパスの指定方法を示します。

注:
このパスは 1 行で入力する必要があります。
c:/myiorlocation/

Server1ICS.ior

ICS_USERNAME WebSphere InterChange Server に接続するためのユーザー ID。 admin
ICS_PASSWORD WebSphere InterChange Server に接続するためのパスワード。 null
ICS_ENCRYPTED_PASSWORD ICS_PASSWORD の暗号化の有無。パスワードが暗号化される場合、サーブレットはこのフィールドを true に設定します。 false
ICS_DISABLEENCRYPTION パスワード暗号化が使用不可 (true) であるか、使用可能 (false) であるかを指示。パスワードの暗号化を許可する場合は、このフィールドを false に設定します。 true

注:
表 49 の「例」の列で示した値を定義するサンプル・サーブレット・プロパティー・ファイルについては、サンプル・サーブレット・プロパティー・ファイルを参照してください。

起動するコラボレーションの識別 

Connect サーブレットのプロパティー・ファイルの 2 番目のセクションには、コラボレーション URL を関連コラボレーション・プロパティーと関連付けるコラボレーション情報が含まれています。このセクションでは、以下のように、コラボレーション URL を 2 つの部分に分けて識別します。


表 50. サーブレット・プロパティー・ファイルのコラボレーション・プロパティー
プロパティー名 説明
WBIC_SERVLET_COUNT

このファイルで構成されている URL の数。

  • 1 に設定されている場合、サーブレットは WBIC_URL_1 の URL とプロパティーを処理します。
  • 2 に設定されている場合、サーブレットは WBIC_URL_1 および WBIC_URL_2 の URL とプロパティーを処理します。

1
WBIC_URL_1 相対 URL の名前。 PurchaseOrder
WBIC_URL_1_COLLAB コラボレーションの名前。 PurchaseOrderCollab
WBIC_URL_1_PORT コラボレーションのポート名。 From
WBIC_URL_1_VERB コラボレーションがサブスクライブする動詞。 Create
WBIC_URL_1_WRAPPER_MIME Wrapper Data Handler がサポートする MIME タイプ。例は小文字になっているので注意してください。 wbic/wrapper
WBIC_URL_1_CHARENCODE HTTP 要求に使用される文字エンコード方式。有効な Java 文字エンコード方式を指定します。 UTF-8

注:
表 50 の「例」の列で示した値を定義するサンプル・サーブレット・プロパティー・ファイルについては、サンプル・サーブレット・プロパティー・ファイルを参照してください。

サーブレット・プロパティー・ファイルのコラボレーション・セクションでは、実行するコラボレーションを識別するための相対 URL が提供されます。実行時にコラボレーションを検索するため、Connect サーブレットは以下の情報を結合します。

例えば、表 50 に示すサンプル値を使用する場合、Connect サーブレットは PurchaseOrderCollab コラボレーションの URL を取得する必要があります。この URL を検索するには、サーブレットは以下の手順を実行します。

  1. Connect サーブレットのロケーションを示す サーブレット URL を取得します。

    サーブレットは、Web サーバーからサーブレット URL を取得します。例えば、次のロケーションで Connect サーブレットを配置したものと考えます。

    http://www.yourcompany.com/tasks
     
  2. サーブレット URL に、WBIC_URL_count プロパティー内のパスを追加します。

    表 50 では、WBIC_URL_1 プロパティーには、値 "PurchaseOrder" が格納されています。そのため、Connect サーブレットはこのストリングをサーブレット URL に追加して、次のコラボレーション URL を取得します。

    http://www.yourcompany.com/tasks/PurchaseOrder
     

コラボレーション・プロパティー内で、WBIC_URL_1_WRAPPER_MIME プロパティーは Wrapper Data Handler の MIME タイプを指定します。複数の MIME タイプを指定する場合は、複数のメタオブジェクトが必要です。ラッパー子メタオブジェクトの作成を参照してください。

サーブレット・ログ・ファイルのロケーションの指定  Connect サーブレットのプロパティー・ファイルの 3 番目のセクションで、ロギング・プロパティーを指定します。次のステートメントを追加して、プロパティー・ファイル内でサーブレット・ログ・ファイルのロケーションを指定します。

log4jappender.RollingFile.File=logFileLocation
 

図 10 に示すように、log4jappender.RollingFile.File プロパティーは、サーブレット・プロパティー・ファイル内の Log4J を構成するセクションにあります。 Connect サーブレットを構成する際は、log4jappender.RollingFile.File プロパティーにログ・ファイルのロケーションを指定するだけで構いません。 Log4J について十分な知識がある方は、その他のプロパティーを設定することもできます。

サンプル・サーブレット・プロパティー・ファイル  図 10 は、サーブレット・プロパティー・ファイルの例を示しています。このファイルでは、表 49表 50 の「例」列に示す値を構成します。

図 10. サンプル・サーブレット・プロパティー・ファイル

# Example properties file for WebSphere Business Integration
 # Connect Servlet
  ICS_SERVERNAME=Server1
  ICS_VERSION=4.2
  ICS_IORFILE=C:/myiorlocation/Server1InterChangeServer.ior
  ICS_USERNAME=admin
  ICS_PASSWORD=null
  ICS_ENCRYPTED_PASSWORD=false
  ICS_DISABLEENCRYPTION=true
 
# Collaboration properties for single collaboration
  WBIC_SERVLET_COUNT=1
 
  WBIC_URL_1=PurchaseOrder
  WBIC_URL_1_COLLAB=PurchaseOrderCollab
  WBIC_URL_1_CHARENCODE=UTF-8
  WBIC_URL_1_PORT=From
  WBIC_URL_1_VERB=Create
  WBIC_URL_1_WRAPPER_MIME=wbic/wrapper
 
#Log4J Debug Properties
 #Possible Categories - debug/info/warn/error/fatal
 #Default Category "error". Output to: stdout and RollingFile
 log4j.rootCategory=debug,RollingFile
 log4j.appender.RollingFile=org.apache.log4j.RollingFileAppender
 
#Log File Name
 log4j.appender.RollingFile.File=D:¥¥_DEV¥¥servlet.log
 log4j.appender.RollingFile.MaxFileSize=1000KB
 
#Number of backup files to keep
 log4j.appender.RollingFile.MaxBackupIndex=10
 log4j.appender.RollingFile.layout=org.apache.log4j.PatternLayout
 log4j.appender.RollingFile.layout.ConversionPattern=
    %d{yyyy-MM-ddHH:mm:SS} %-5p [%c{1}] - %m%n
 

Business Integration Connect インストール・メディアの SAMPLES ディレクトリーにもサンプル・サーブレット・プロパティー・ファイルがあります。

サーブレット・プロパティー・ファイルのロケーションの識別

Connect サーブレットの配置記述子 web.xml は、サーブレットの初期化パラメーターを提供します。サーブレット・プロパティー・ファイルのロケーションを示すには、この配置記述子で WBIC_FILENAME パラメーターを設定します。このパラメーターは、Connect サーブレット・プロパティー・ファイルの絶対パス名を指定します。

例えば、図 10 に示すサンプル・サーブレット・プロパティー・ファイルが connectServlet.cfg という名前で、Connect サーブレットの配置ディレクトリー (例えば C:¥WBIC¥integration) にある場合、WBIC_FILENAME パラメーターを次のように設定する必要があります。

C:¥WBIC¥integration¥connectServlet.cfg
 

Wrapper Data Handler の構成

Wrapper Data Handler は、(Connect サーブレットが HTTP メッセージから作成した) シリアライズ形式の文書をそれに対応するビジネス・オブジェクトに変換します。コラボレーションを呼び出す際、Connect サーブレットは、Business Integration Connect から受信したシリアライズ形式の文書を InterChange Server に送信します。このコラボレーション要求は、InterChange Server 内の WebSphere Server Access によって受信されます。 図 9 に示すように、Server Access は Wrapper Data Handler を呼び出して、Business Integration Connect 文書を渡します。Wrapper Data Handler は、対応するペイロード・ビジネス・オブジェクトを戻します。

Wrapper Data Handler を構成するには、以下の手順を実行します。

Wrapper Data Handler の構成手順を、以下のセクションにまとめています。データ・ハンドラーに関する一般情報については、WebSphere InterChange Server 資料セット内の「データ・ハンドラー・ガイド」を参照してください。

Wrapper Data Handler のロケーションの指定

InterChange Server は、Wrapper Data Handler を実行時にロードできるように、そのロケーションを知っていなければなりません。ロケーションを指定するには、以下の手順を実行します。

  1. ICS 始動スクリプト start_server.bat を編集します。このスクリプトは、InterChange Server 製品ディレクトリーの bin サブディレクトリーにあります (InterChange Server が稼動しているマシン上)。
  2. このファイルで、Wrapper Data Handler の JAR ファイル bcgwbiwrapperdh.jar を、ICS 始動時に組み込まれる JAR ファイルのリストに追加します。通常、データ・ハンドラー JAR ファイルは ICS 始動スクリプトの DATAHANDLER 変数に追加されます。
    注:
    オプションの Attachment Data Handler をインストールした場合、その JAR ファイルも ICS 始動スクリプトに追加する必要があります。詳細については、Attachment Data Handler のロケーションの指定を参照してください。

Wrapper Data Handler 用の構成ビジネス・オブジェクトの作成

起動するデータ・ハンドラーを確認するため、(InterChange Server 内の) Server Access はトップレベル・データ・ハンドラー・メタオブジェクト MO_Server_DataHandler を検査します。

このファイルは、InterChange Server 製品ディレクトリーの以下のサブディレクトリーにあります。

repository¥edk
 

このトップレベル・メタオブジェクトは、MIME タイプを子メタオブジェクトに関連付けます。子メタオブジェクトには、データ・ハンドラーの構成情報が含まれています。そのため、構成ビジネス・オブジェクトを作成するには、以下の手順を実行する必要があります。

  1. ラッパー子メタオブジェクトの作成

    Wrapper Data Handler の構成情報を使用して子メタオブジェクトを初期化する必要があります。

  2. MO_Server_DataHandler メタオブジェクトの編集

    MIME タイプを Wrapper Data Handler の子メタオブジェクトの名前と関連付けているこのメタオブジェクト内に、項目を作成する必要があります。

ラッパー子メタオブジェクトの作成

Wrapper Data Handler を構成するには、その子メタオブジェクトを作成し、構成情報を用いて初期化する必要があります。データ・ハンドラーは、このメタオブジェクトの属性を使用して、インスタンスを生成するデータ・ハンドラー・クラスの名前などの構成情報を取得します。このメタオブジェクトを作成するには、表 51 に示す属性を含むビジネス・オブジェクト定義を作成します。

注:
Business Object Designer を使用してこのビジネス・オブジェクト定義を作成します。

表 51. ラッパー子メタオブジェクト内のプロパティーの構成
属性 説明
ClassName

クラス名 (必須)。次のデータ・ハンドラー・クラスを指しています。

com.ibm.bcg.integration.wbi.datahandlers.
 WBICWrapperDataHandler
 
TopBOPrefix トップレベル・ビジネス・オブジェクトの名前を決定するためにプレフィックスが使用されます。要求用に構成されたデータ・ハンドラーによって戻された要求ビジネス・オブジェクトで、ビジネス・オブジェクト・レベルのアプリケーション固有情報に wbic_mainboname タグがない 場合、トップレベル・オブジェクトの名前は、要求ビジネス・オブジェクトの名前に TopBOPrefix を追加することによって得られます。
wbic_request_mime

要求メッセージのペイロード処理のために Wrapper Data Handler が起動するデータ・ハンドラーがサポートする MIME タイプ。このデータ・ハンドラーが、WebSphere InterChange Server Access から起動できるように構成されていることを確認してください。詳細については、MO_Server_DataHandler メタオブジェクトの編集を参照してください。

注:
文書に添付ファイルが含まれている場合、この構成プロパティーの MIME タイプは、Attachment Data Handler を呼び出す MIME タイプにする必要があります。詳細については、添付ファイルのある文書の処理を参照してください。
wbic_response_mime

応答メッセージのペイロード処理のために Wrapper Data Handler が起動するデータ・ハンドラーの MIME タイプ。

注:
Business Integration Connect で応答があることを前提としていなければ、wbic_response_mime を設定する必要はありません。

重要:
表 51 の属性に値を割り当てるには、属性のデフォルト値を設定してください。例えば、Wrapper Data Handler が要求メッセージ用に区切りデータ・ハンドラーを使用するという場合は、wbic_request_mime 属性のデフォルト値を text/delimited に設定してください。

使用する必要のある Wrapper Data Handler のそれぞれの インスタンスごとに、子メタオブジェクトを定義することができます。例えば、要求 MIME タイプを 1 つだけ、または要求 MIME タイプと応答 MIME タイプの組み合わせを 1 種類だけサポートすればよい場合には、単一の子メタオブジェクトを作成し、wbic_request_mime および wbic_response_mime 属性にそれぞれデフォルト値を設定することができます。ただし、要求 MIME タイプと応答 MIME タイプの異なる組み合わせをサポートする必要がある場合は、それぞれの組み合わせごとに 1 つずつ子メタオブジェクトを作成することができます。

Business Integration Connect には、Wrapper Data Handler 用のサンプル子メタオブジェクトを含む、以下の InterChange Server リポジトリー・ファイルがあります。

ProductDir/Integration/WBI/WICS/WBICServlet/MO_DataHandler_WBICWrapper.in
 

ここで、ProductDir は、Business Integration Connect 製品のインストール先のディレクトリーを表します。このリポジトリー・ファイルで定義される Wrapper Data Handler の単一インスタンスは、要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクトの両方について、区切りデータ・ハンドラーを呼び出すように構成されています。 図 11 は、MO_DataHandler_WBICWrapper という名前のサンプル子メタオブジェクトを示しています。

図 11. Wrapper Data Handler のサンプル子メタオブジェクト


要求メッセージに XML を使用する文書のサポートも必要である場合、Wrapper Data Handler の 2 番目のインスタンスを表す 2 番目の子メタオブジェクトを作成することになります。この子メタオブジェクトでは、wbic_request_mime 属性のデフォルト値は MIME タイプ text/xml となります。

MO_Server_DataHandler メタオブジェクトの編集

WebSphere InterChange Server Access は、アクセス・クライアントで処理可能な MIME タイプとその MIME タイプをサポートするデータ・ハンドラーとを関連付ける際に、トップレベル・メタオブジェクト MO_Server_DataHandler を使用します。具体的には、このトップレベル・メタオブジェクトは MIME タイプをデータ・ハンドラー子メタオブジェクトに関連付けます。

MO_Server_DataHandler メタオブジェクトはビジネス・オブジェクト定義です。そのため、このメタオブジェクトを編集するには、MO_Server_DataHandler を Business Object Designer で表示させ、Wrapper Data Handler のサポートされる各インスタンスごとに新規の属性を追加します。このデータ・ハンドラーの各インスタンスは、要求 MIME タイプと応答 MIME タイプの一意の組み合わせです。

MO_Server_DataHandler メタオブジェクトに対し、以下の変更を加えます。

例えば、Wrapper Data Handler が図 11 に示すように構成されているものとします。wbic_wrapper MIME タイプを、MO_DataHandler_WBICWrapper 子メタオブジェクトが構成する Wrapper Data Handler のインスタンスと関連付ける属性を持つ、MO_Server_DataHandler メタオブジェクトを図 12 に示します。また、この MO_Server_DataHandler メタオブジェクトは、要求 MIME タイプと応答 MIME タイプ (text/delimited) を区切りデータ・ハンドラーの子メタオブジェクトと関連付けます。

図 12. wbic_wrapper MIME タイプの Wrapper Data Handler への関連付け


サポートする必要のある要求および応答 MIME タイプの一意の組み合わせごとに、Wrapper Data Handler インスタンスに関連付けられた MIME タイプが名前であり、関連子メタオブジェクトの名前がタイプである MO_Server_DataHandler トップレベル・メタオブジェクト内に属性を追加することによって、この処理を繰り返します。また、構成された要求 MIME タイプと応答 MIME タイプ (およびそれらの子メタオブジェクト) が MO_Server_DataHandler 内に存在することを確認してください。

注:
Business Integration Connect 文書内の添付ファイルを処理するために Attachment Data Handler を使用している場合は、Attachment Data Handler の構成で説明しているように、Attachment Data Handler をサポートするように MO_Server_DataHandler を変更することも必要です。

文書送信用のビジネス・オブジェクト定義の作成

WebSphere Business Integration Connect サーブレットは、ペイロード・ビジネス・オブジェクト形式で InterChange Server に文書を送信します。Connect サーブレットの場合、ペイロード・ビジネス・オブジェクトは、ビジネス・オブジェクトの階層として表現されます。Wrapper Data Handler は、Business Integration Connect 文書を受信すると、このビジネス・オブジェクト階層を作成します。そこで、この階層を表現するためのビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。

Connect サーブレットは InterChange Server のイベント通知にのみ 関与するので、トップレベル・ビジネス・オブジェクトの要求属性と応答属性は、表 52 のように解釈されます。


表 52. イベント通知における要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクト
属性 使用法
要求ビジネス・オブジェクト Business Integration Connect からの要求メッセージが格納されます。このメッセージは、コラボレーションを起動するイベントです。
応答ビジネス・オブジェクト 対話が同期的である場合、応答メッセージが格納されます。

このビジネス・オブジェクト構造の作成方法については、HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS に対するビジネス・オブジェクト定義の作成を参照してください。

HTTP を通じた 4.2.2 より前の ICS からの文書の受信

このセクションでは、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前のバージョンの InterChange Server から Business Integration Connect への文書を受信する方法を説明するために、以下の情報を提供します。

Business Integration Connect が InterChange Server から受信する文書は、InterChange Server 内の要求処理によって開始されています。

受信に必要なコンポーネント

Business Integration Connect は、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて、バージョン 4.2.2 より前の以下の InterChange Server から文書を受信できます。

Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを使用してバージョン 4.2.2 より前の InterChange Server から文書を受信するには、これらの 2 つのコンポーネントを構成する必要があります。 表 45 に、これらの構成ステップの要約を示します。また、HTTP プロトコルを通じて InterChange Server から文書を受信するには、表 53 に示す ICS 互換コンポーネントを使用する必要があります。

表 53. HTTP を通じて 4.2.2 より前の InterChange Server から文書を受信するために必要なコンポーネント
コンポーネント 説明 注記および制約事項

WebSphere Business Integration Adapter for XML

(Adapter for XML)

このアダプターによって、InterChange Server は、HTTP メッセージの形式でデータを受信するアプリケーションとビジネス・オブジェクトを交換できます。Adapter for XML と Business Integration Connect は、URL アドレスを通じて通信します。

Adapter for XML は、Business Integration Connect には同梱されていません。このアダプターのバージョン 3.1.x 以降を使用する必要があります。

注:
このアダプターは、WebSphere InterChange Server バージョン 4.2.2 とともにのみ 使用できます。
HTTP または HTTPS プロトコル・ハンドラー

このプロトコル・ハンドラーは、Adapter for XML とともに動作して、情報のストリームを URL に送受信します。

このプロトコル・ハンドラーは Business Integration Connect に付属しています。詳細については、HTTP プロトコル・ハンドラーの配置を参照してください。
ペイロード・データ・ハンドラー このデータ・ハンドラーは、文書のペイロードを文書形式 (通常 XML) とビジネス・オブジェクト表現の間で変換します。 このデータ・ハンドラーは必須であり、ペイロード文書の MIME タイプをサポートしていなければなりません。
Attachment Data Handler このデータ・ハンドラーは、添付ファイルを含む文書を、文書フォーマットとビジネス・オブジェクト表現の間で変換します。 このデータ・ハンドラーは、文書に添付ファイルが含まれている場合のみ必要です。詳細については、添付ファイルのある文書の処理を参照してください。

図 13 では、Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前の InterChange Server から文書を受信する方法の概要を示します。

注:
HTTP プロトコル・ハンドラーに言及する部分はすべて、HTTPS プロトコル・ハンドラーにも同様に適用されます。

図 13. HTTP トランスポート・プロトコルによるコラボレーションから Business Integration Connect へのメッセージ・フロー


Business Integration Connect が、InterChange Server 内部のコラボレーションによって開始された文書を受信することによって、要求処理に参加する手順を以下に説明します。

  1. InterChange Server 内部のコラボレーションは、Adapter for XML に対して要求子オブジェクトと応答子オブジェクトを含むトップレベル・ビジネス・オブジェクトを送信することにより、サービス呼び出しを行います。

    要求子オブジェクトには、カスタム HTTP ヘッダーを含む動的メタオブジェクトを指すアプリケーション固有情報が含まれています。Business Integration Connect はこの情報があること前提としています。

  2. Adapter for XML は、HTTP プロトコル・ハンドラーを呼び出します。
  3. HTTP プロトコル・ハンドラーはデータ・ハンドラーを使用して、コラボレーションが送信したビジネス・オブジェクトを HTTP ストリームに変換します。

    プロトコル・ハンドラーは、トップレベル・ビジネス・オブジェクトから MIME タイプと URL を読み出して、使用するデータ・ハンドラーと受信側のアドレスを判別します。

  4. HTTP プロトコル・ハンドラーは、トップレベルのビジネス・オブジェクトから、データを最初に取り込んだビジネス・オブジェクトを取得します。これは要求ビジネス・オブジェクトです。

    HTTP プロトコル・ハンドラーは、データ・ハンドラーを呼び出して、ビジネス・オブジェクトを HTTP ストリームに変換します。

    注:
    文書に添付ファイルがある場合、Attachment Data Handler をインストールし、それを呼び出して要求ビジネス・オブジェクトを添付ファイル付き文書に変換するように Adapter for XML を構成します。詳細については、添付ファイルのある文書の処理を参照してください。
  5. HTTP プロトコル・ハンドラーは、要求ビジネス・オブジェクトから、動的メタオブジェクトの名前を判別します。

    HTTP プロトコル・ハンドラーは要求ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報を調べて cw_mo_conn タグを探します。このタグは動的メタオブジェクトに対応する属性を示します。文書にバックエンド統合パッケージ化を使用している場合、この動的メタオブジェクト内でカスタム HTTP ヘッダー情報を指定することができます。

  6. HTTP プロトコル・ハンドラーは、動的メタオブジェクトを調べて HTTPProperties 属性を探します。

    この属性にデータが取り込まれている場合、プロトコル・ハンドラーは要求メッセージにトランスポート・レベル・ヘッダーを設定します。HTTPProperties 属性内で、コンテンツ・タイプ標準 HTTP ヘッダーを指定することもできます。詳細については、v4.2.2 の ICS 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成を参照してください。

  7. HTTP プロトコル・ハンドラーは、データ・ハンドラーが戻したストリングを使用して、HTTP ストリームを作成します。また、動的メタオブジェクトに定義されているように、カスタム・ヘッダー情報を設定します。
  8. HTTP プロトコル・ハンドラーは、生成された要求メッセージをストリームとして指定された URL へ送信します。

    Business Integration Connect は、ターゲットとして構成されているこの URL で listen します。

  9. Business Integration Connect は HTTP 200 OK で応答します。

    Adapter for XML の ReturnBusObjResponse コネクター・プロパティーが true であれば、同期的に起動されます。プロトコル・ハンドラーは、応答メッセージを応答ビジネス・オブジェクトに変換し、それを Adapter for XML に戻します。Adapter は、このビジネス・オブジェクトをトップレベルのビジネス・オブジェクトに設定します。次に、トップレベル・ビジネス・オブジェクトが InterChange Server 内部のコラボレーションに戻されます。

HTTP を使用して 4.2.2 より前の ICS と通信する環境の設定

InterChange Server からの文書を受信するには ICS 互換コンポーネントを使用する必要があります。そのため、表 54 に示す設定タスクと構成タスクを実行する必要があります。HTTP を通じた 4.2.2 より前の InterChange Server との通信用に Business Integration Connect を構成する方法については、発信文書のサポートを参照してください。

表 54. 文書を送信するための環境の設定
手順 詳細の参照先

1. HTTP プロトコル・ハンドラーを配置します。

HTTP プロトコル・ハンドラーの配置

2. WebSphere Business Integration Adapter for XML を構成します。

Adapter for XML の構成

注:
文書に添付ファイルが含まれている場合、添付ファイルのある文書の処理で説明しているように、Attachment Data Handler をインストールおよび構成する必要もあります。

HTTP プロトコル・ハンドラーの配置

Business Integration Connect では、Business Integration Connect にメッセージを送受信するためのカスタム HTTP プロトコル・ハンドラーを提供しています。HTTP プロトコル・ハンドラーは、Business Integration Connect インストール・メディアの以下のファイル内にあります。

Integration/WBI/WICS/WBICServlet/bcgwbiprotocol.jar
 

このカスタム・プロトコル・ハンドラーは、Adapter for XML バージョン 3.1.x 以降にプラグインすることができます。サポートされる InterChange Server のバージョンとプラットフォームのリストについては、ご使用のアダプターのバージョンに対応する「Adapter for XML ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

HTTP プロトコル・ハンドラーを Adapter for XML に配置するには、HTTP プロトコル・ハンドラーを実行時にロードできるように、Adapter for XML にそのロケーションを知らせなければなりません。HTTP プロトコル・ハンドラーのロケーションを指定するには、以下の手順を実行します。

  1. Adapter for XML の始動スクリプト start_xml.bat を編集します。このスクリプトは、WebSphere Business Integration Adapters がインストールされた製品ディレクトリーの以下のサブディレクトリーにあります。
    connectors/xml
     
  2. この始動スクリプトで、カスタム HTTP プロトコル・ハンドラーの JAR ファイル bcgwbiprotocol.jar を、Adapter for XML の CLASSPATH 内の JAR ファイルのリストに追加します。

Adapter for XML の構成

Adapter for XML は ICS 互換コンポーネントです。Business Integration Connect は、これを使用することにより、HTTP メッセージ形式で InterChange Server と文書を交換できます。以下のようにして、InterChange Server との要求処理の対話をサポートします。

注:
このアダプターのイベント通知機能は使用されません。

Business Integration Connect から InterChange Server へ HTTP メッセージを送信するには、HTTP を通じた 4.2.2 より前の ICS への文書の送信で説明しているように、WebSphere Business Integration Connect サーブレットを使用します。

重要:
WebSphere Business Integration Connect には WebSphere Business Integration Adapter for XML は組み込まれていません

この製品は別途入手する必要があり、「Adapter for XML ユーザーズ・ガイド」の説明に従ってインストールする必要があります。アダプターの資料を参照して、そのバージョンのアダプターに、ご使用の InterChange Server のバージョンとの互換性があることを確認します。

InterChange Server と通信するように Adapter for XML を構成したら、これらのセクションの手順に従って、Business Integration Connect からの HTTP メッセージを受け入れるようにこのアダプターを構成します。

ペイロード・データ・ハンドラーの指定

図 13 に示すように、Adapter for XML のプロトコル・ハンドラーは、データ・ハンドラーを使用して、InterChange Server から受信したビジネス・オブジェクトを適切な HTTP ストリームに変換します。

注:
Adapter for HTTP が呼び出すデータ・ハンドラーは、文書のペイロードを変換します。文書が XML トランスポート・エンベロープでラップされている (添付ファイルを含んでいる、またはエンベロープ・フラグが Yes に設定されている) 場合は、Attachment Data Handler をペイロード・データ・ハンドラーとして構成します。詳細については、添付ファイルのある文書の処理を参照してください。

ペイロードを変換する際に使用するデータ・ハンドラーを指定するには、ビジネス・オブジェクトの変換 に示す手順を実行する必要があります。また、このペイロード・データ・ハンドラーを使用するように Adapter for XML を構成する必要もあります。 Connector Configurator を使用して、Adapter for XML がデータ・ハンドラーを識別する際に使用するトップレベル・データ・ハンドラー・メタオブジェクトを、DataHandlerConfigMO コネクター構成プロパティーに指定します。アダプター用のサポートされるビジネス・オブジェクトのリストに、トップレベル・データ・ハンドラー・メタオブジェクトの名前が含まれていることを確認してください。

プロトコル・ハンドラー・パッケージ名の構成

Adapter for XML は、JavaProtocolHandlerPkgs コネクター構成プロパティーを使用して、Java プロトコル・ハンドラー・パッケージの名前を識別します。 Business Integration Connect と統合する場合は、Business Integration Connect が提供する HTTP プロトコル・ハンドラーのパッケージ名が JavaProtocolHandlerPkgs プロパティーに設定されていることを確認してください。

com.ibm.bcg.integration.wbi.utils.protocolhandlers
 

応答ビジネス・オブジェクトのサポートの指定

Adapter for XML は、ReturnBusObjResponse コネクター構成プロパティーを使用して、応答ビジネス・オブジェクトを戻すかどうかを指定します。応答ビジネス・オブジェクトが戻されるのは、対話が同期的である場合に限られます。 デフォルトでは、ReturnBusObjResponse コネクター構成プロパティーに false が設定されています。応答ビジネス・オブジェクトを戻すように Adapter for XML を構成するには、ReturnBusObjResponse コネクター構成プロパティーに true を設定します。

注:
コミュニティー・マネージャーが使用するパッケージ化とビジネス・プロトコルについて、Business Integration Connect が同期的な対話をサポートしている場合は、ReturnBusObjResponse コネクター構成プロパティーに true を設定し、トップレベル・ビジネス・オブジェクトに応答ビジネス・オブジェクトを提供してください。

コネクター構成プロパティーを構成するには、Connector Configurator ツールを使用します。このツールは、WebSphere Business Integration Adapter for XML リリースの一部として提供されています。 Connector Configurator 内で、コネクター・プロパティーの「コネクター固有 (Connector-specific)」タブに ReturnBusObjResponse プロパティーが表示されます。

文書受信用のビジネス・オブジェクト定義の作成

WebSphere Business Integration Adapter for XML は、ペイロード・ビジネス・オブジェクト形式で InterChange Server から情報を受信します。Adapter for XML の場合、ペイロード・ビジネス・オブジェクトは、ビジネス・オブジェクトの階層として表現されます。Adapter for XML は、Business Integration Connect 文書を受信すると、このビジネス・オブジェクト階層を作成します。そこで、この階層を表現するためのビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。

Adapter for XML は InterChange Server の要求処理にのみ 関与するので、トップレベル・ビジネス・オブジェクトの要求属性と応答属性は、表 55 のように解釈されます。


表 55. 要求処理における要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクト
属性 使用法
要求ビジネス・オブジェクト InterChange Server からの要求情報が格納されます。プロトコル・ハンドラーとデータ・ハンドラーは、この情報を変換して、Business Integration Connect が listen する URL に送信します。
応答ビジネス・オブジェクト 対話が同期的である場合、Business Integration Connect からの応答情報が格納されます。

このビジネス・オブジェクト構造の作成方法については、HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS に対するビジネス・オブジェクト定義の作成を参照してください。

HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS に対するビジネス・オブジェクト定義の作成

Connect サーブレットは、ペイロード・ビジネス・オブジェクト形式で InterChange Server に文書を送信します。 Adapter for XML は、InterChange Server からのメッセージをこれと同じ形式で受信します。 Business Integration Connect 文書を送受信する際、これらのコンポーネントは両方ともペイロード・データ・ハンドラーを呼び出して、このビジネス・オブジェクトを処理します。

したがって、表 56 に示すビジネス・オブジェクト定義を作成する際は、Adapter for XML と Connect サーブレットで前提としているペイロード・ビジネス・オブジェクト構造を表すように、これらのビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。

表 56. HTTP トランスポート・プロトコルのビジネス・オブジェクト定義
条件 ビジネス・オブジェクト定義 詳細の参照先
「パッケージ化なし」または「バックエンド統合パッケージ化」を文書で使用しており、なおかつ 文書に添付ファイルがない 場合

ペイロード・ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト階層:

  • トップレベル・ビジネス・オブジェクト
  • 要求ビジネス・オブジェクト
  • 応答ビジネス・オブジェクト (応答が予期される場合)

HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS のペイロード・ビジネス・オブジェクト構造の作成
文書にバックエンド統合パッケージ化を使用している場合

トランスポート・レベルのヘッダー情報を保持するビジネス・オブジェクトを、ペイロード・ビジネス・オブジェクトに追加します。

  • 動的メタオブジェクト
  • HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクト

4.2.2 より前の InterChange Server 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成
文書に添付ファイルが含まれる場合 (「バックエンド統合パッケージ化」が必要) 添付ファイルを表現する追加ビジネス・オブジェクトを作成する必要があります。 添付ファイル関連のビジネス・オブジェクト定義の作成

注:
cXML 文書用のビジネス・オブジェクトを定義する場合は、cXML 用のビジネス・オブジェクトの作成を参照してください。

HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS のペイロード・ビジネス・オブジェクト構造の作成

Wrapper Data Handler (文書送信用) と、Adapter for XML および HTTP プロトコル・ハンドラー (文書受信用) はどちらも、ペイロード・ビジネス・オブジェクトについて、同じビジネス・オブジェクト構造を前提としています。

このビジネス・オブジェクト構造は、以下のビジネス・オブジェクトから構成されます。

図 14 は、ペイロード・ビジネス・オブジェクト定義のビジネス・オブジェクト構造のサンプルを示しています。この構造は、HTTP トランスポート・プロトコルを使用する 4.2.2 より前の InterChange Server で使用されます。

注:
このビジネス・オブジェクト構造の詳細な説明については、「Adapter for XML ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

図 14. 4.2.2 より前の InterChange Server 用の HTTP ペイロード・ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト構造


トップレベル・ビジネス・オブジェクト

トップレベル・ビジネス・オブジェクトは要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクトのラッパーです。このビジネス・オブジェクト用にビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。表 57 に、トップレベル・ビジネス・オブジェクト定義の属性をまとめています。

表 57. トップレベル・ビジネス・オブジェクトの属性
属性 属性タイプ 説明
URL ストリング

ビジネス・オブジェクト内のデータの宛先。

重要:
この属性は、Wrapper Data Handler には使用されません。ただし、Adapter for XML はこの属性を使用します。
MimeType ストリング

URL に渡されるデータのコンテンツ・タイプとフォーマットを定義します。

重要:
この属性は、Wrapper Data Handler には使用されません。ただし、Adapter for XML はこの属性を使用します。
BOPrefix ストリング

呼び出すデータ・ハンドラーを決定するために使用されます。

重要:
この属性は、Wrapper Data Handler には使用されません
Response ビジネス・オブジェクト 応答メッセージを表す子ビジネス・オブジェクト (応答があることを前提としている場合)。

このビジネス・オブジェクトの目的は、要求処理に参加しているか、イベント通知に参加しているかによって異なります。このビジネス・オブジェクトの構造について詳しくは、応答ビジネス・オブジェクトを参照してください。

Request ビジネス・オブジェクト 要求メッセージを表す子ビジネス・オブジェクト。

このビジネス・オブジェクトの目的は、要求処理に参加しているか、イベント通知に参加しているかによって異なります。このビジネス・オブジェクトの構造について詳しくは、要求ビジネス・オブジェクトを参照してください。

注:
Attachment Data Handler を使用して添付ファイルを処理する場合は、添付ファイルを保持する要求ビジネス・オブジェクトを変更する必要があります。詳しくは、添付ファイル関連のビジネス・オブジェクト定義の作成を参照してください。

トップレベル・ビジネス・オブジェクトの構造の詳細な説明については、「Adapter for XML ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

要求ビジネス・オブジェクト

要求ビジネス・オブジェクトには、URL に渡すデータが格納されています。要求メッセージ内のさまざまな XML タグの属性が含まれています。この要求ビジネス・オブジェクトの目的は、以下のように、参加している InterChange Server タスクの種類によって異なります。

注:
このビジネス・オブジェクト構造は、2 つの子ビジネス・オブジェクトを要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクトとして識別します。ただし、この構造は、要求処理とイベント通知のどちらにおいても 使用されます。

要求ビジネス・オブジェクトの構造の基本的な説明については「Adapter for XML ユーザーズ・ガイド」を参照してください。Business Integration Connect とともに使用する場合は、要求ビジネス・オブジェクト定義の構造を 2 箇所カスタマイズする必要があります。


表 58. 要求ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報内のタグ
アプリケーション固有情報のタグ 説明 必要であるか
wbic_mainboname トップレベル・ビジネス・オブジェクトの名前を示します。 はい
cw_mo_conn HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー・フィールドを含む動的メタオブジェクトを指定します。詳細については、4.2.2 より前の InterChange Server 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成を参照してください。 いいえ (バックエンド統合パッケージ化を使用している場合のみ必要)

応答ビジネス・オブジェクト

応答ビジネス・オブジェクトには、URL から受信するデータが格納されます。応答メッセージ内のさまざまな XML タグの属性が含まれています。この応答ビジネス・オブジェクトの目的は、以下のように、参加している InterChange Server タスクの種類によって異なります。

応答がイベント通知の一部であるか、要求処理の一部であるかにかかわらず、Business Integration Connect と InterChange Server 間の交換が同期 しており、要求に対してビジネス応答があることが前提となっている場合のみ、要求ビジネス・オブジェクトは送信されます。

このような場合には、以下の追加的な手順を実行する必要があります。

注:
応答ビジネス・オブジェクトには、動的メタオブジェクトの属性は含まれていません

Business Integration Connect と InterChange Server の間の交換が非同期 である場合、Business Integration Connect は応答があることを前提としない ため、応答ビジネス・オブジェクトを作成する必要はありません。

cXML 用のビジネス・オブジェクトの作成

cXML 文書の場合、XML Object Discovery Agent (ODA) を使用して、ビジネス・オブジェクトを作成することができます。XML ODA は cXML DTD を消費できます。ただし、XML ODA は ENTITY をサポートしません。そのため、XML ODA とともに cXML DTD を実行するには、あらかじめ ENTITY を DTD から除去する必要があります。

XML ODA を使用してビジネス・オブジェクトを生成するときに、ルート・エレメントとして cXML タグを選択することができます。ただし、このようにすると、cXML DTD 全体をキャプチャーするため、ビジネス・オブジェクトの規模が大きくなります。小規模なビジネス・オブジェクトを作成したい場合、ルート・エレメントとして異なるタグを選択することができます。その場合は Data Handler for XML 対応のカスタム・ネーム・ハンドラーを作成する必要があります。データ・ハンドラーは、トップレベル・ビジネス・オブジェクトのネーム解決のためにこのネーム・ハンドラーを起動します。カスタム・ネーム・ハンドラーの作成については、Data Handler for XML の資料を参照してください。

4.2.2 より前の InterChange Server 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成

HTTP トランスポート・プロトコルを通じてバックエンド統合パッケージ化を使用して文書を送信する場合、要求ビジネス・オブジェクトには、カスタム・トランスポート・レベル・ヘッダー情報が含まれている必要があります。

Wrapper Data Handler と Adapter for XML はどちらも、このカスタム・ヘッダー情報が動的メタオブジェクト内に存在することを前提としています。

図 15 は、要求ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト構造を示しています。これは、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて「バックエンド統合パッケージ化」を使用する Business Integration Connect 文書を表しています。

図 15. 要求ビジネス・オブジェクトと HTTP 動的メタオブジェクトとの関係


以下の手順を実行して、ビジネス・オブジェクト構造に動的メタオブジェクトが含まれるようにします。

  1. バックエンド統合パッケージ化に必要な HTTP プロパティーを保持するビジネス・オブジェクト定義を作成します。
  2. 動的メタオブジェクトのビジネス・オブジェクト定義を作成します。
  3. 要求ビジネス・オブジェクトが動的メタオブジェクトの属性を組み込むようにビジネス・オブジェクト定義を変更します。

この手順の各ステップについて、以下のセクションで説明します。

HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトの作成

HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトには、バックエンド統合パッケージ化に必要な HTTP プロパティーが含まれます。また、コンテンツ・タイプ・ヘッダーを要求メッセージ内に設定することを指定する Content-Type 属性と、メッセージの長さをバイト単位で指定するコンテンツ長属性を含めることもできます。表 4 では、有効なトランスポート・ヘッダー・フィールドのそれぞれについて説明しています。

HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクト定義を作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 各トランスポート・ヘッダー・フィールドごとにビジネス・オブジェクト定義内部の属性を作成します。

    すべての属性の属性タイプをストリングにする必要があります。属性には、(表 4ヘッダー・フィールドの列に示すような) HTTP プロパティーの名前をそのまま付けることができます。

    注:
    HTTP プロパティー名の唯一の例外は、コンテンツ・タイプ・フィールドには、Content_Type という名前の属性が必要であることです。
  2. HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクト内の各属性ごとに、関連属性の目的を示すアプリケーション固有情報を追加します。

    この属性レベルのアプリケーション固有情報の形式は、次のようになっています。

    name=HTTPproperty
     

    ここで、HTTPproperty は、表 4ヘッダー・フィールド列の値のいずれかです。

図 15 では、HttpProps_BusObj ビジネス・オブジェクト定義にはさまざまなトランスポート・ヘッダー・フィールドの属性が含まれています。これらの属性のすべてに、関連プロトコル・ヘッダーの名前を指定する属性レベルのアプリケーション固有情報があります。例えば、x-aux-sender-id 属性には次のようなアプリケーション固有情報セットがあります。

name=x-aux-sender-id
 

HTTP 動的メタオブジェクトの作成

動的メタオブジェクトには、HTTP ヘッダー情報の構成情報を持つ子ビジネス・オブジェクトが含まれています。ビジネス・オブジェクト構造に動的メタオブジェクトが含まれるようにする必要があります。動的メタオブジェクトのビジネス・オブジェクト定義には、HttpProperties という名前の属性を組み込む必要があります。この属性の属性タイプは、HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト定義です (HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクトの作成参照)。

例えば、図 15 では、HttpDynMO_BusObj ビジネス・オブジェクト定義には、属性タイプが HttpProps_BusObj である HttpProperties 属性が含まれています。

要求ビジネス・オブジェクト定義の変更

要求ビジネス・オブジェクト定義は、Business Integration Connect から要求されている情報を表します。要求ビジネス・オブジェクトの作成方法については、要求ビジネス・オブジェクトを参照してください。動的メタオブジェクトをペイロード・ビジネス・オブジェクト構造に取り込むには、要求ビジネス・オブジェクト定義に以下の変更を加える必要があります。

  1. 要求ビジネス・オブジェクト定義に、動的子メタオブジェクトを保持する属性を追加します。

    この属性の属性タイプは、動的メタオブジェクトのビジネス・オブジェクト定義です (HTTP 動的メタオブジェクトの作成参照)。

  2. 要求ビジネス・オブジェクト定義のビジネス・オブジェクト・レベルのアプリケーション固有情報に、動的メタオブジェクトを含む属性を示す cw_mo_conn タグを追加します。

    cw_mo_conn タグの形式は、次のようになっています。

    cw_mo_conn=dynamicMetaObjAttr
     

    ここで、dynamicMetaObjAttr は、動的メタオブジェクトを保持する要求ビジネス・オブジェクト内の属性の名前です。

例えば、図 15 では、HttpDynMO という名前の属性が要求ビジネス・オブジェクト定義 WBIC_HttpRequest_BusObj に追加されています。この属性には、タイプ HttpDynMO_BusObj の子ビジネス・オブジェクトである動的メタオブジェクトが含まれています。さらに、この動的メタオブジェクトを識別するため、要求ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報は、次のような cw_mo_conn タグを組み込むように変更されています。

cw_mo_conn=HttpDynMO
 

HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS の成果物の作成

HTTP トランスポート・プロトコルを通じて Business Integration Connect と通信するように 4.2.2 より前の InterChange Server を構成するには、表 59 に示す InterChange Server 成果物を作成する必要があります。

表 59. HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前の ICS と通信するための成果物
ICS 成果物 目的 詳細の参照先
ビジネス・オブジェクト定義 文書を表します。 HTTP を使用する 4.2.2 より前の ICS に対するビジネス・オブジェクト定義の作成
コネクター・オブジェクト (要求処理でのみ必要) 実行時の Adapter for XML を表します。 XML コネクター・オブジェクトの作成
コラボレーション・テンプレートとコラボレーション・オブジェクト 文書処理の際に InterChange Server が使用するビジネス・プロセスを表します。 Adapter for XML と通信する場合のコラボレーションのバインド

XML コネクター・オブジェクトの作成

HTTP トランスポート・プロトコルを通じて 4.2.2 より前の InterChange Server で要求を処理するには、Adapter for XML を使用して文書を InterChange Server に送信する必要があります。 Adapter for XML のインスタンスを実行時に取得するには、System Manager で以下の手順を実行します。

  1. 以下のようにコネクター・オブジェクトを作成します。
  2. コネクター・オブジェクトを構成します。

    Business Integration Connect とともに使用するように Adapter for XML を構成する方法については、Adapter for XML の構成を参照してください。

Adapter for XML と通信する場合のコラボレーションのバインド

コラボレーションの作成で説明したように、ビジネス・オブジェクトの受信場所や送信場所を InterChange Server で認識するには、コラボレーション・オブジェクトが実行時に存在しなければなりません。 Business Integration Connect に情報を送信するコラボレーションのコラボレーション・オブジェクトを作成する際は、そのポートをバインドする必要があります。要求処理の場合は、Adapter for XML を使用して要求を Business Integration Connect に送信する「to」コラボレーション・ポートに対して、Adapter for XMP 用に作成したコネクター・オブジェクトを設定します。つまり、Adapter for XMP は、宛先 アダプターとなります。

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