ターゲットの設定

ターゲットとは、文書が受信されるハブ上の場所をいいます。これらの文書は、コミュニティーの参加者から送信される (最終的にはコミュニティー・マネージャーに配信される) 場合もあれば、コミュニティー・マネージャーから送信される (最終的には参加者に配信される) 場合もあります。

ハブへの文書の送信に使用するトランスポートのタイプごとに、少なくとも 1 つのターゲットを設定する必要があります。例えば、HTTP または HTTPS トランスポートで送信される文書を受信するには、HTTP ターゲットを設定します。コミュニティーの参加者が FTP で文書を送信する場合は、FTP ターゲットを設定します。

次の図は、4 つのターゲットを設定して、ハブに着信した文書を処理する方法を示しています。ターゲットのうち 2 つは参加者から発信される文書用で、残りの 2 つはコミュニティー・マネージャーから発信される文書用です。(なお、WebSphere Business Integration Connect によりデフォルトでサポートされているトランスポートのリストに、新たにトランスポートを追加することができます。)

図 21. トランスポートおよび関連付けられたターゲット


ターゲットを設定するには、以下のステップを実行します。

  1. 「ハブ管理」>「ハブ構成」>「ターゲット」をクリックします。
  2. ユーザー定義のトランスポートをアップロードする場合は、以下のステップを実行します。それ以外の場合は、3 に進みます。
    1. 「トランスポート・タイプのインポート」をクリックします。
    2. トランスポートを定義する XML ファイルの名前を入力します (または、「参照」を使用して、必要なファイルへ移動します)。
    3. 「アップロード」をクリックします。

    注: 「ターゲット・リスト」からユーザー定義のトランスポート・タイプを削除することもできます。 WebSphere Business Integration Connect で提供されているトランスポートは、削除できません。また、ユーザー定義のトランスポートを使用してターゲットを作成した後は、このユーザー定義のトランスポートを削除できません。

  3. 「ターゲットの作成」をクリックします。
  4. ターゲットの名前を入力します。例えば、HttpTarget などのターゲット名を付けます。このフィールドは必須です。ここで入力した名前は「ターゲット」リストに表示されます。
  5. (オプション) ターゲットの状況を指定します。デフォルトは「使用可能」です。使用可能状態のターゲットは、文書を受信することができます。使用不可状態のターゲットは、文書を受信できません。
  6. (オプション) ターゲットの説明を入力します。
  7. リストからトランスポートを選択します。なお、ユーザー定義のトランスポートをインポートした場合は、そのトランスポートがリストに表示されます。

上記のステップは、すべてのターゲットに共通しています。ただし、ターゲットを選択した後は、追加フィールドがページに表示されます。表示されるフィールドは、選択したトランスポートによって異なります。

以下に、ターゲットの構成に必要な追加ステップを、トランスポートのタイプ別に示します。なお、トランスポート固有の情報を指定して HTTP/S またはユーザー定義のターゲットを定義した後で、ターゲットの構成ポイントを変更することができます。構成ポイントの変更を参照してください。

HTTP/S ターゲットの設定

Receiver コンポーネントには、事前定義された bcgreceiver サーブレットがあります。これは HTTP/S POST メッセージの受信に使用されます。このサーブレットが受信したメッセージにアクセスするには、HTTP ターゲットを作成する必要があります。

HTTP/S ターゲットに必要な情報を指定するには、以下のステップを実行します。

  1. (オプション) ゲートウェイのタイプを指定します。ゲートウェイ・タイプによって、送信の性質が定義されます。例えば、文書交換を製品に書き込む前にテストする場合は、「テスト」を指定します。デフォルトは「実動」です。
  2. HTTP/S ターゲットの URI を入力します。この名前は bcgreceiver で始める必要があります。 (例: bcgreceiver/submit)。HTTP/S でサーバーに着信した文書は、その後 bcgreceiver/submit で受信されます。
  3. (オプション) 同期ルーティング値を変更します。
    1. 「最大同期タイムアウト」に、同期接続がオープン状態を保つ時間 (ミリ秒数) を入力します。デフォルトは 600000 です。
    2. 「最大同期シミュレーション接続」に、システムが許容する同期接続の最大数を入力します。デフォルトは 100 です (同時同期接続の最大数)。
  4. 構成ポイントを変更する場合、あるいは同期交換に関与する AS2、cXML、RNIF、または SOAP 文書に対してターゲットを設定する場合は、構成ポイントの変更を参照してください。

FTP ターゲットの設定

FTP ターゲットに必要な情報を指定するには、以下のステップを実行します。

  1. 「FTP ルート・ディレクトリー (FTP Route Directory)」フィールドに、FTP サーバーのルート・ディレクトリーを入力します。 FTP サーバーのディレクトリーの設定については、文書を受信する FTP サーバーの構成を参照してください。
  2. (オプション) 「ファイル未変更間隔」に、ファイル・サイズが未変更の状態を保つ時間 (秒数) を指定します。この時間を過ぎると、Document Manager が処理する文書を取り出します。デフォルト値は 3 秒です。
  3. (オプション) 「スレッド番号」に、Document Manager が同時に処理する文書の数を指定します。デフォルト値の 1 を使用することをお勧めします。
  4. (オプション) 「除外するファイル拡張子」に、Document Manager が FTP ディレクトリー内で文書を検出した場合に無視する (処理対象から除外する) 文書のタイプを指定します。例えば、Document Manager がスプレッドシート・ファイルを無視するようにしたい場合は、そのファイルの拡張子を入力します。デフォルトでは、どのファイル・タイプも除外されません。

SMTP ターゲットの設定

SMTP (POP3) ターゲットに必要な情報を指定するには、以下のステップを実行します。

  1. (オプション) ゲートウェイのタイプを指定します。デフォルトは「実動」です。
  2. メールを配信する POP3 サーバーの場所を入力します。
  3. (オプション) ポート番号を入力します。何も入力しなかった場合は、値 110 が使用されます。
  4. ユーザー ID とパスワードが必要な場合は、メール・サーバーへのアクセスに必要なユーザー ID とパスワードを入力します。
  5. (オプション) 「タイムアウト」に、ターゲットが文書を調べるために POP3 サーバーをモニターする時間 (秒数) を指定します。このフィールドはオプションです。デフォルトは 1 ミリ秒です。
  6. (オプション) 「スレッド番号」に、Document Manager が同時に処理する文書の数を指定します。デフォルト値の 1 を使用することをお勧めします。
  7. (オプション) SMTP ターゲットが文書を調べるために POP3 サーバーをポーリングする時刻 (時分) を選択します。
  8. (オプション) ポーリングが行われる曜日を選択します。デフォルトでは、ポーリングが毎日行われます。
  9. (オプション) ポーリングが行われる日付を選択します。デフォルトでは、ポーリングが毎日行われます。

JMS ターゲットの設定

JMS ターゲットに必要な情報を指定するには、以下のステップを実行します。

  1. (オプション) ゲートウェイのタイプを指定します。デフォルトは「実動」です。
  2. JMS プロバイダーの URL を入力します。これは、WebSphere Business Integration Connect を JMS 対応として構成した際に入力した値 (バインディング・ファイルのファイル・システム・パス) と一致していなければなりません。JMS トランスポート・プロトコル用のハブの構成を参照してください。
  3. ユーザー ID とパスワードが必要な場合は、JMS キューへのアクセスに必要なユーザー ID とパスワードを入力します。
  4. JMS キュー名の値を入力します。このフィールドは必須です。
  5. JMS ファクトリー名の値を入力します。このフィールドは必須です。
  6. (オプション) プロバイダー URL パッケージを入力します。
  7. JNDI ファクトリー名を入力します。何も入力しなかった場合は、値 com.sun.jndi.fscontext.RefFSContextFactory が使用されます。このフィールドは必須です。
  8. (オプション) 「タイムアウト」に、ターゲットが文書を調べるために JMS キューをモニターする時間 (秒数) を指定します。このフィールドはオプションです。
  9. (オプション) 「スレッド番号」に、Document Manager が同時に処理する文書の数を指定します。デフォルト値の 1 を使用することをお勧めします。

例えば、"ハブを構成するための準備"の JMS 構成例と一致するように JMS ターゲットを設定したい場合は、以下のようにします。

  1. 「ターゲット名」ボックスに、値 JMSTarget を入力します。
  2. 「JMS プロバイダー URL」ボックスに、値 file:/C:/TEMP/JMS/JMS を入力します。
  3. 「JMS キュー名」ボックスに、値 inQ を入力します。
  4. 「JMS ファクトリー名」ボックスに、値 WBICHub を入力します。

ファイル・システム・ターゲットの設定

ファイル・システム・ターゲットに必要な情報を指定するには、以下のステップを実行します。

  1. (オプション) ゲートウェイのタイプを指定します。デフォルトは「実動」です。
  2. 「文書ルート・パス」に、文書を受信するディレクトリーを指定します。
  3. (オプション) 「ポーリング間隔」に、新しい文書を調べるためにディレクトリーをポーリングする間隔を指定します。何も入力しなかった場合は、5 秒間隔でディレクトリーがポーリングされます。
  4. (オプション) 「ファイル未変更間隔」に、ファイル・サイズが未変更の状態を保つ時間 (秒数) を指定します。この時間を過ぎると、Document Manager が処理する文書を取り出します。デフォルト値は 3 秒です。
  5. (オプション) 「スレッド番号」に、Document Manager が同時に処理する文書の数を指定します。デフォルト値の 1 を使用することをお勧めします。

構成ポイントの変更

同期交換に関与する特定のビジネス・プロトコル (RosettaNet、cXML、SOAP、および AS2) に対して、同期検査構成ポイントのハンドラーを指定する必要があります。また、HTTP/S またはユーザー定義のターゲットが文書を処理する方法を変更するには、アップロードしたユーザー定義ハンドラー (またはシステム提供のプロセス) をターゲットの他の構成ポイントに適用します。

これらの構成ポイントにユーザーが作成したハンドラーを適用するには、まずユーザー定義ハンドラーのアップロードの説明に従って、ハンドラーをアップロードする必要があります。また、システム提供のハンドラーを使用することも可能です。このハンドラーは、すでに使用可能であり、アップロードする必要はありません。

構成ポイントを変更するには、以下のステップを実行します。

  1. ターゲットを作成中である場合は、ステップ 2 に進みます。ターゲット構成を更新する場合は、「ハブ管理」>「ハブ構成」>「ターゲット」をクリックします。次に、ターゲットの横にある虫メガネのアイコンをクリックします。その後、 をクリックします。
  2. AS2、cXML、SOAP、または RNIF 同期トランザクションのハンドラーを指定する場合は、以下のステップを実行します。
    1. 「構成ポイント・ハンドラー」リストから「同期検査」を選択します。
    2. 「使用可能なリスト」から適切なハンドラーを選択し、「追加」をクリックして、「構成済みリスト」にこのハンドラーを追加します。

      このリストにさらにハンドラーを追加する場合は、このステップを繰り返します。ターゲットの場合、ハンドラーは、「構成済みリスト」に表示されている順序で呼び出されます。最初に使用可能なハンドラーが要求を処理し、リストの以降のハンドラーは呼び出されません。特定の同期検査ハンドラー (例えば、AS2 トランザクションの com.ibm.bcg.server.sync.As2SyncHdlr) をリストしてからデフォルトの同期検査ハンドラーをリストすることをお勧めします。

    3. このターゲットのハンドラーの定義が完了したら、「保管」をクリックします。それ以外の場合は、ステップ 3 に進みます。
  3. 「構成ポイント・ハンドラー」リストから、変更する構成ポイントを選択します。ターゲットの場合、変更できる構成ポイントは、前処理同期検査、および後処理です。

    図 22. ターゲットの構成ポイント・ハンドラー


  4. 変更する各ハンドラーに対して、以下のステップを 1 つ以上実行します。
    1. 「使用可能なリスト」からハンドラーを選択し、「追加」をクリックして、ハンドラーを追加します。ハンドラーは、「構成済みリスト」に移動します。
    2. 「構成済みリスト」からハンドラーを選択し、「削除」をクリックして、ハンドラーを削除します。ハンドラーは、「使用可能なリスト」に移動します。
    3. ハンドラーを選択し、「上に移動」または「下に移動」をクリックして、ハンドラーが使用される順序を変更します。
    4. ハンドラーを選択し、「繰り返し」をクリックして、ハンドラーが複数回処理されるようにします。
    5. 「構成済みリスト」からハンドラーを選択し、「構成」をクリックして、ハンドラーを構成します。構成できる属性のリストが表示されます。
  5. 「保管」をクリックします。

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