JMS キューの作成

JMS トランスポート・プロトコルは、Business Integration Connect とバックエンド・システムの間で受け渡される JMS メッセージを保持するために、JMS キューを使用します。WebSphere MQ バージョン 5.3 を使用した場合の JMS キューの作成手順を以下に示します。

  1. MQ キュー・マネージャーの作成
  2. MQ チャネルおよび伝送キューの作成
  3. MQ JMS ローカル・キューの作成

MQ キュー・マネージャーの作成

Business Integration Connect およびバックエンド・システム用のキュー・マネージャーをまだ定義していない場合は、MQ JMS キューを作成する前にこの定義を行ってください。JMS 統合を行う場合は、キュー・マネージャーが必要です。新規キュー・マネージャーをインストールするか、既存のキュー・マネージャーを使用するかを決定してください。既存のキュー・マネージャーとしては、Business Integration Connect と同じキュー・マネージャーや、バックエンド・システムと同じキュー・マネージャー、あるいはその他の既存のキュー・マネージャーがあります。キュー・マネージャーの作成方法については、WebSphere MQ の資料を参照してください。

注:
バックエンド・システムと Business Integration Connect が別々のマシン上にある場合、キュー・マネージャーはどちらのマシンにでも置くことができます。Business Integration Connect もバックエンド・システムも、キュー・マネージャーにアクセスするときは、そのマシンのホスト名を指定します。

この章の中のサンプルでは、次の名前の WebSphere MQ キュー・マネージャーが存在することを前提としています。

bcg.queue.manager
 

MQ チャネルおよび伝送キューの作成

キュー・マネージャーが用意できたら、以下のオブジェクトが作成されていることを確認します。

MQ チャネルと伝送キューを作成するには、WebSphere MQ に付属の WebSphere MQ Command Environment、runmqsc を使用します。このツールは、キュー管理コマンドを入力するためのコマンド行インターフェースを提供します。

注:
これらの MQ オブジェクトを作成する方法は、使用しているプラットフォームによって異なります。これらのオブジェクトを作成する手順については、WebSphere MQ の資料を参照してください。

runmqsc ツールを使用して MQ チャネルと伝送キューを作成するには、次の手順に従います。

  1. コマンド・プロンプトを開き、次のディレクトリーに移動します。
    WebSphereMQ_Root¥java¥bin
     

    ここで、WebSphereMQ_Root は WebSphere MQ のインストール・ディレクトリーです。

  2. 次のコマンドを入力して、WebSphere MQ Command Environment を開始します。
    runmqsc queueManager
     

    ここで、queueManager は、WebSphere MQ キュー・マネージャーの名前です。

    注:
    runmqsc ツールを使用するには、mqm ユーザーとしてログインする必要があります
  3. runmqsc コマンド行では、次のコマンドを入力できます。
    1. JMS 伝送キューを定義します。
      define qlocal(transQueueName) usage(xmitq) put(enabled)
          get(enabled)
       

      ここで、transQueueName は、JMS 伝送キューの目的の名前です。

    2. 送信側チャネルを定義します。
      define channel(sndrChannelName) chltype(sdr) xmitq(transQueueName)
          conname('remote m/c ip')
       stop channel(sndrChannelName)
       

      ここで、sndrChannelName は JMS 送信側チャネルの目的の名前で、transQueueName は、ステップ 3a で作成した JMS 伝送キューの名前です。

    3. 受信側チャネルを定義します。
      define channel(rcvrChannelName) chltype(rcvr) xmitq(transQueueName)
       stop channel(rcvrChannelName)
       

      ここで、rcvrChannelName は JMS 受信側チャネルの目的の名前で、transQueueName は、ステップ 3a で作成した JMS 伝送キューの名前です。

  4. この後のキュー管理コマンドで必要になるため、WebSphere MQ Command Environment は開いたままにしておきます。

図 30 に、bcg.queue.manager キュー・マネージャーによってホスティングされる JMS チャネルと伝送キューの作成例を示します。

図 30. JMS チャネルと伝送キューのサンプルを作成するコマンド

runmqsc bcg.queue.manager
 
   define qlocal(TRANSQ) usage(xmitq) put(enabled) get(enabled) 
    define channel(SENDER) chltype(sdr) xmitq(TRANSQ) 
    conname('remote m/c ip')
    stop channel(SENDER)
    define channel(RECEIVER) chltype(rcvr)
    stop channel(RECEIVER)
 

図 30 のコマンドを実行すると、次の MQ オブジェクトが作成されます。

MQ JMS ローカル・キューの作成

MQ JMS ローカル・キューを作成するには、WebSphere MQ Command Environment、runmqsc を使用します。

注:
これらの MQ JMS キューは、Business Integration Connect が存在するマシンに作成する必要があります。

runmqsc ツールを使用してローカル MQ キューを作成するには、次の手順に従います。

  1. runmqsc コマンド行では、次のコマンドを入力できます。
    1. 次のコマンドを入力して、バックエンド・システムからメッセージを受信する JMS インバウンド・キューを定義します。
      define qlocal(inQueueName)
       

      ここで、inQueueName は、JMS インバウンド・キューの目的の名前です。

    2. 次のコマンドを入力して、バックエンド・システムにメッセージを送信する JMS アウトバウンド・キューを定義します。
      define qlocal(outQueueName)
       

      ここで、outQueueName は、JMS アウトバウンド・キューの目的の名前です。

  2. 次のコマンドを入力して、WebSphere MQ Command Environment を終了します。
       end
     

    以降の構成手順で必要になるため、コマンド・プロンプトは開いたままにしておくことができます。

注:
Business Integration Connect との対話で、バックエンド・システムとの一方向 の通信のみが必要な場合は、Business Integration Connect がサポートする方向のキューのみを作成できます。

図 31 に、bcg.queue.manager キュー・マネージャーによってホスティングされる JMS キューの作成例を示します。

図 31. サンプルの JMS キューを作成するためのコマンド

      define qlocal(JMSIN)
    define qlocal(JMSOUT)
  
 

図 31 のコマンドを実行すると、次の JMS キューが作成されます。

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