v4.2.2 の ICS での HTTP トランスポート・プロトコルの使用

WebSphere Business Integration Connect は、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて、WebSphere InterChange Server (ICS) バージョン 4.2.2 との間で文書を送受信することができます。

注:

  1. WebSphere Business Integration Connect と 4.2.2 より前の WebSphere InterChange Server との間で HTTP トランスポート・プロトコルを通じて文書を送受信するには、4.2.2 より前の ICS での HTTP トランスポート・プロトコルの使用を参照してください。

  2. HTTP トランスポート・プロトコルを通じて SOAP 文書を交換する場合は、HTTP/S を通じた SOAP 文書の送信を参照してください。

このセクションでは、v4.2.2 の InterChange Server、および HTTP を通じて Business Integration Connect とともに使用する ICS 互換コンポーネントの構成方法を、以下のトピックにより説明します。

HTTP トランスポートを通じた v4.2.2 ICS への文書に必要なコンポーネント

Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを使用して v4.2.2 の InterChange Server と通信するには、以下に示す 2 つのコンポーネントを構成する必要があります。 表 60 に、これらの構成ステップの要約を示します。

表 60. Business Integration Connect と InterChange Server の構成
コンポーネント バージョン 詳細の参照先
WebSphere Business Integration Connect 4.2.2

HTTP トランスポート・プロトコルでの発信文書の構成

HTTP トランスポート・プロトコルでの着信文書の構成

WebSphere InterChange Server 4.2.2 HTTP を使用する v4.2.2 の ICS の成果物の作成

また、Business Integration Connect と v4.2.2 の InterChange Server との間で HTTP トランスポート・プロトコルを使用して文書を送受信するには、表 61 に示す ICS 互換コンポーネントを使用する必要があります。

表 61. v4.2.2 の InterChange Server で HTTP を通じて文書を転送する際に必要なコンポーネント
コンポーネント 説明 注記および制約事項

WebSphere Business Integration Adapter for HTTP

(Adapter for HTTP)

このアダプターによって、InterChange Server は、HTTP ストリームの形式でデータを送受信するアプリケーションとビジネス・オブジェクトを交換できます。

このアダプターは、バージョン 4.2.2 より前の WebSphere InterChange Server とともに使用することはできません。

ペイロード・データ・ハンドラー このデータ・ハンドラーは、文書のペイロードを文書形式 (通常 XML) とビジネス・オブジェクト表現の間で変換します。 このデータ・ハンドラーは必須であり、ペイロード文書の MIME タイプをサポートしていなければなりません。
Attachment Data Handler

このデータ・ハンドラーは、文書メッセージの添付文書を処理します。

このデータ・ハンドラーは、文書に添付ファイルが含まれている場合のみ 必要です。

以降のセクションでは、Business Integration Connect と v4.2.2 の InterChange Server との間で HTTP トランスポート・プロトコルを通じて文書を送受信する際に、表 61 に示すコンポーネントがどのように機能しているのかについて説明します。

HTTP を通じた v4.2.2 の ICS への文書の送信

Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを使用して v4.2.2 の InterChange Server に文書を送信するには、Business Integration Connect が HTTP ストリームとして送信した文書を、Adapter for HTTP を使用して取得する必要があります。アダプターは、取得した文書を InterChange Server に送付します。図 16 は、Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを通じて v4.2.2 の InterChange Server に文書を送信する手順の概要を示したものです。

図 16. Business Integration Connect からコラボレーションへの HTTP トランスポート・プロトコルを通じたメッセージ・フロー


HTTP を通じた v4.2.2 の ICS からの文書の受信

Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを使用して v4.2.2 の InterChange Server から文書を受信するには、Adapter for HTTP を使用する必要があります。Adapter for HTTP は、InterChange Server から受信したメッセージを、Business Integration Connect が取得できる HTTP ストリームとして送信します。 図 17 は、Business Integration Connect が HTTP トランスポート・プロトコルを通じて v4.2.2 の InterChange Server から文書を受信する手順の概要を示したものです。

図 17. HTTP トランスポート・プロトコルによるコラボレーションから Business Integration Connect へのメッセージ・フロー


v4.2.2 の ICS での HTTP トランスポート用環境の設定

InterChange Server との間で文書を送受信するには ICS 互換コンポーネントが必要となります。そのため、Adapter for HTTP に対して設定タスクと構成タスクを実行する必要があります。

HTTP を通じて InterChange Server とともに使用するように Business Integration Connect を構成する方法については、InterChange Server のための Business Integration Connect の構成を参照してください。

Adapter for HTTP は ICS 互換コンポーネントです。Business Integration Connect は、これを使用することにより、v4.2.2 の InterChange Server と HTTP メッセージ形式で文書を交換できます。以下のような InterChange Server との対話をサポートします。

重要:
WebSphere Business Integration Connect には WebSphere Business Integration Adapter for HTTP は組み込まれていません

この製品を個別に入手し、「Adapter for HTTP ユーザーズ・ガイド」の指示に従ってインストールする必要があります。アダプターの資料を参照して、そのバージョンのアダプターに、ご使用の InterChange Server のバージョンとの互換性があることを確認します。

InterChange Server と通信するように Adapter for HTTP を構成したら、これらのセクションの手順に従って、Business Integration Connect からの HTTP メッセージを listen するようにこのアダプターを構成します。

ペイロード・データ・ハンドラーの指定

図 17 に示すように、Adapter for HTTP は、データ・ハンドラーを使用して、InterChange Server から受信したビジネス・オブジェクトを適切な HTTP ストリームに変換します。

注:
Adapter for HTTP が呼び出すデータ・ハンドラーは、文書のペイロードを変換します。文書が XML トランスポート・エンベロープでラップされている (添付ファイルを含んでいる、またはエンベロープ・フラグが Yes に設定されている) 場合は、Attachment Data Handler をペイロード・データ・ハンドラーとして構成します。詳細については、添付ファイルのある文書の処理を参照してください。

ペイロードを変換する際に使用するデータ・ハンドラーを指定するには、ビジネス・オブジェクトの変換 に示す手順を実行する必要があります。また、このペイロード・データ・ハンドラーを使用するように Adapter for HTTP を構成する必要もあります。ペイロード・データ・ハンドラーは、以下のいずれかの方法で設定できます。

プロトコル・ハンドラー・パッケージ名の構成

Adapter for HTTP は、JavaProtocolHandlerPackages コネクター構成プロパティーを使用して、Java プロトコル・ハンドラー・パッケージの名前を識別します。 Business Integration Connect と統合する場合は、以下に示すデフォルト値が JavaProtocolHandlerPackage プロパティーに設定されていることを確認してください。

com.ibm.net.ssl.internal.www.protocol
 

HTTP プロトコル・リスナーの構成

Adapter for HTTP は、プロトコル・リスナーの構成に必要な情報を保持する階層構成プロパティーをサポートします。トップレベル構成プロパティーは、ProtocolListenerFramework と呼ばれます。このトップレベル・プロパティーには、いくつかのレベルのサブプロパティーが含まれます。Adapter for HTTP とともに使用するプロトコル・ハンドラーを構成するには、以下の手順に従って、ProtocolListener プロパティー内のプロパティーを構成します。

  1. 以下の構成プロパティーの下のサブプロパティーを使用して、プロトコル・リスナーを構成します。
    ProtocolListenerFramework
        ProtocolListeners
           HttpListener1
     

    プロトコル・リスナーを構成するには、表 62 に示すサブプロパティーを設定します。

    表 62. プロトコル・リスナーの構成
    プロパティー 説明
    Protocol

    プロトコル・リスナーのタイプ:

    • HTTP
    • HTTPS

    http または https

    Host プロトコル・リスナーが listen する IP アドレス WebSphere Business Integration Connect が稼働しているローカル・マシンの IP アドレス
    Port プロトコル・リスナーが要求を listen するポート 8080

  2. プロトコル・リスナーがサポートする URL 構成を、以下の構成プロパティーの下のサブプロパティーを使用して構成します。
    ProtocolListenerFramework
        ProtocolListeners
           HttpListener1
              URLsConfiguration
                 URL1
     

    プロトコル・リスナーが受信する HTTP 要求の URI を ContextPath プロパティーに設定します。

    注:
    このディレクトリーは、Business Integration Connect ゲートウェイがそのターゲット URI として指定するディレクトリーと同じにする必要があります。詳細については、HTTP トランスポート・プロトコルでの発信文書の構成を参照してください。
  3. 文書に添付ファイルが含まれる場合は、以下の構成プロパティーのサブプロパティーを設定して、プロトコル・リスナーの変換を構成する必要があります。
    ProtocolListenerFramework
        ProtocolListeners
           HttpListener1
              URLsConfiguration
                 URL1
                    TransformationRules
                       TransformationRule1
     

    プロトコル・リスナーの添付ファイル変換を構成するには、表 63 に示すサブプロパティーを設定します。使用する Attachment Data Handler のインスタンスごとに変換ルールが 1 つ必要です。 Attachment Data Handler の詳細については、添付ファイルのある文書の処理を参照してください。

    表 63. プロトコル・リスナーの添付ファイル変換の構成
    プロパティー 説明
    ContentType データ・ハンドラーで変換するデータのコンテンツ・タイプ 添付ファイル・データに関連付けられたコンテンツ・タイプ
    MimeType 呼び出すデータ・ハンドラーを指定する際に使用する MIME タイプ Attachment Data Handler のインスタンスに関連付けられた MIME タイプ
    Charset 指定されたコンテンツ・タイプのデータを変換する際に使用する文字セット 添付ファイル・データの文字セット

これらのプロパティーの詳細については、「Adapter for HTTP ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

HTTP を使用する v4.2.2 の ICS のビジネス・オブジェクト定義の作成

Adapter for HTTP が InterChange Server との間で文書を送受信する際は、ペイロード・ビジネス・オブジェクト形式が使用されます。 Business Integration Connect の文書を送受信する際、Adapter for HTTP は、ペイロード・データ・ハンドラーを呼び出して、このビジネス・オブジェクトを処理します。

したがって、表 64 に示すビジネス・オブジェクト定義を作成する際は、Adapter for HTTP で前提としているペイロード・ビジネス・オブジェクト構造を表すように、これらのビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。

表 64. Adapter for HTTP のビジネス・オブジェクト定義
条件 ビジネス・オブジェクト定義 詳細の参照先
メッセージにパッケージ化なしまたはバックエンド統合パッケージ化を使用しており、同時に 文書に添付ファイルが含まれていない 場合

ペイロード・ビジネス・オブジェクト:

  • トップレベル・ビジネス・オブジェクト
  • 要求ビジネス・オブジェクト
  • 応答ビジネス・オブジェクト (オプション)
  • 障害ビジネス・オブジェクト (オプション)

HTTP を使用する v4.2.2 の ICS のペイロード・ビジネス・オブジェクト構造の作成
メッセージにバックエンド統合パッケージ化を使用している場合

メッセージ・ヘッダー情報を保持するビジネス・オブジェクトを、ペイロード・ビジネス・オブジェクトに追加します。

  • 動的メタオブジェクト
  • HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクト

v4.2.2 の ICS 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成
文書に添付ファイルが含まれる場合 添付ファイルを表現する追加ビジネス・オブジェクトを作成する必要があります。 添付ファイル関連のビジネス・オブジェクト定義の作成

HTTP を使用する v4.2.2 の ICS のペイロード・ビジネス・オブジェクト構造の作成

Adapter for HTTP は、以下のビジネス・オブジェクトから構成されるペイロード・ビジネス・オブジェクト構造を前提としています。

図 18 は、ペイロード・ビジネス・オブジェクト定義のビジネス・オブジェクト構造のサンプルを示しています。この構造は、HTTP トランスポート・プロトコルを使用する v4.2.2 の InterChange Server で使用されます。

注:
このビジネス・オブジェクト構造の詳細な説明については、「Adapter for HTTP ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

図 18. v4.2.2 の ICS 用の HTTP ペイロード・ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト構造


トップレベル・ビジネス・オブジェクト

トップレベル・ビジネス・オブジェクトは要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクトのラッパーです。このビジネス・オブジェクト用にビジネス・オブジェクト定義を作成する必要があります。表 57 に、トップレベル・ビジネス・オブジェクト定義の属性をまとめています。


表 65. トップレベル・ビジネス・オブジェクトの属性
属性 属性タイプ 説明
MimeType ストリング

URL に渡されるデータのコンテンツ・タイプとフォーマットを定義します。

Charset ストリング

呼び出すデータ・ハンドラーを決定するために使用されます。

Request ビジネス・オブジェクト 要求メッセージを表す子ビジネス・オブジェクト。

このビジネス・オブジェクトの目的は、要求処理に参加しているか、イベント通知に参加しているかによって異なります。このビジネス・オブジェクトの構造について詳しくは、要求ビジネス・オブジェクトを参照してください。

Response ビジネス・オブジェクト 応答メッセージを表す子ビジネス・オブジェクト (応答があることを前提としている場合)。

このビジネス・オブジェクトの目的は、要求処理に参加しているか、イベント通知に参加しているかによって異なります。このビジネス・オブジェクトの構造について詳しくは、応答ビジネス・オブジェクトを参照してください。

注:
Adapter for HTTP を Business Integration Connect とともに使用するときは、障害ビジネス・オブジェクトをトップレベル・ビジネス・オブジェクトに含める必要はありません。

表 66 に、トップレベル・ビジネス・オブジェクト定義に組み込むことのできるアプリケーション固有情報をまとめています。

表 66. トップレベル・ビジネス・オブジェクト定義のアプリケーション固有情報
アプリケーション固有情報 タグ 説明
ビジネス・オブジェクト・レベル ws_mode 対話が同期と非同期のどちらであるかを定義します。
属性レベル ws_botype 要求ビジネス・オブジェクトまたは応答ビジネス・オブジェクトをどの属性に格納するのかを定義します。

トップレベル・ビジネス・オブジェクトの構造とそのアプリケーション固有の情報の詳細については、「Adapter for HTTP ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

要求ビジネス・オブジェクト

要求ビジネス・オブジェクトには、URL に渡すデータが格納されています。要求ビジネス・オブジェクトは、HTTP 要求メッセージを表します。この要求ビジネス・オブジェクトの目的は、以下のように、参加している InterChange Server タスクの種類によって異なります。

注:
トップレベル・ビジネス・オブジェクトは、子ビジネス・オブジェクトを要求ビジネス・オブジェクトと応答ビジネス・オブジェクトとして識別します。ただし、この構造は、要求処理とイベント通知のどちらにおいても 使用されます。

要求ビジネス・オブジェクトの構造の基本的な説明については、「Adapter for HTTP ユーザーズ・ガイド」を参照してください。Business Integration Connect とともに使用する場合は、要求ビジネス・オブジェクト定義の構造を 2 箇所カスタマイズする必要があります。


表 67. 要求ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報内のタグ
アプリケーション固有情報のタグ 説明 必要であるか
ws_tloname トップレベル・ビジネス・オブジェクトの名前を示します。 ビジネス・オブジェクト定義がイベント通知に参加している場合のみ必要
cw_mo_http HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー・フィールドを含む HTTP プロトコル構成メタオブジェクトを指定します。詳細については、v4.2.2 の ICS 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成を参照してください。 バックエンド統合パッケージ化を使用している場合のみ必要

注:
XML トランスポート・エンベロープでラップされた文書を Attachment Data Handler を使用して処理する場合は、添付ファイルを保持する要求ビジネス・オブジェクトを変更する必要があります。詳しくは、添付ファイル関連のビジネス・オブジェクト定義の作成を参照してください。

応答ビジネス・オブジェクト

応答ビジネス・オブジェクトには、URL から受信するデータが格納されます。応答メッセージ内のさまざまな XML タグの属性が含まれています。この応答ビジネス・オブジェクトの目的は、以下のように、参加している InterChange Server タスクの種類によって異なります。

応答ビジネス・オブジェクトが送信されるのは、Business Integration Connect と InterChange Server との間で情報が同期的 に交換されており、要求に対する応答としてビジネス応答が期待される場合に限られます。 応答がイベント通知と要求処理のどちらの一部であるのかは関係ありません。

障害ビジネス・オブジェクトの構造の基本的な説明については「Adapter for HTTP ユーザーズ・ガイド」を参照してください。Business Integration Connect とともに使用する場合は、要求ビジネス・オブジェクト定義の構造をカスタマイズする必要があります。

Business Integration Connect と InterChange Server の間の交換が非同期 である場合、Business Integration Connect は応答があることを前提としない ため、応答ビジネス・オブジェクトを作成する必要はありません。

v4.2.2 の ICS 用の HTTP トランスポート・レベル・ヘッダー情報の作成

HTTP トランスポート・プロトコルを通じてバックエンド統合パッケージ化を使用して文書を送信する場合、要求ビジネス・オブジェクトには、カスタム・トランスポート・レベル・ヘッダー情報が含まれている必要があります。

Adapter for HTTP は、このカスタム・ヘッダー情報が動的メタオブジェクト内に存在することを前提としています。

図 19 は、要求ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト構造を示しています。これは、HTTP トランスポート・プロトコルを通じて「バックエンド統合パッケージ化」を使用する Business Integration Connect 文書を表しています。

図 19. 要求ビジネス・オブジェクトと HTTP プロトコル構成メタオブジェクトとの関係


以下の手順を実行して、ビジネス・オブジェクト構造に HTTP プロトコル構成メタオブジェクトが含まれるようにします。

  1. バックエンド統合パッケージ化に必要な HTTP プロパティーを保持するビジネス・オブジェクト定義を作成します。
  2. HTTP プロトコル構成メタオブジェクトのビジネス・オブジェクト定義を作成します。
  3. 要求ビジネス・オブジェクトが HTTP プロトコル構成メタオブジェクトの属性を組み込むようにビジネス・オブジェクト定義を変更します。

この手順の各ステップについて、以下のセクションで説明します。

ユーザー定義プロパティー・ビジネス・オブジェクトの作成

Adapter for HTTP は HTTP プロトコル構成メタオブジェクトにカスタム・プロパティーを保持するユーザー定義プロパティー・ビジネス・オブジェクトをサポートします。Business Integration Connect はこのビジネス・オブジェクトを使用して、バックエンド統合パッケージ化に必要な HTTP プロパティーを保持します。また、コンテンツ・タイプ・ヘッダーを要求メッセージ内に設定することを指定する Content-Type 属性と、メッセージの長さをバイト単位で指定するコンテンツ長属性を含めることもできます。表 4 では、有効なトランスポート・ヘッダー・フィールドのそれぞれについて説明しています。

HTTP ヘッダー・フィールド用のユーザー定義プロパティー・ビジネス・オブジェクト定義を作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 各トランスポート・ヘッダー・フィールドごとにビジネス・オブジェクト定義内部の属性を作成します。

    すべての属性の属性タイプをストリングにする必要があります。属性には、(表 4ヘッダー・フィールドの列に示すような) HTTP プロパティーの名前をそのまま付けることができます。

  2. HTTP プロパティー・ビジネス・オブジェクト内の各属性ごとに、関連属性の目的を示すアプリケーション固有情報を追加します。

    この属性レベルのアプリケーション固有情報の形式は、次のようになっています。

    ws_prop_name=HTTPproperty
     

    ここで、HTTPproperty は、表 4ヘッダー・フィールド列の値のいずれかです。

図 19 では、HttpProps_BusObj ビジネス・オブジェクト定義にはさまざまなトランスポート・ヘッダー・フィールドの属性が含まれています。これらの属性のすべてに、関連プロトコル・ヘッダーの名前を指定する属性レベルのアプリケーション固有情報があります。例えば、x-aux-sender-id 属性には次のようなアプリケーション固有情報セットがあります。

ws_prop_name=x-aux-sender-id
 

HTTP プロトコル構成メタオブジェクトの作成

イベント通知の場合、要求、応答、または障害の各ビジネス・オブジェクトには、構成情報 (ヘッダー情報など) を保持する動的メタオブジェクト、HTTP プロトコル構成メタオブジェクトを格納できます。

HTTP プロトコル構成ビジネス・オブジェクトの構造の基本的な説明については、「Adapter for HTTP ユーザーズ・ガイド」を参照してください。Business Integration Connect とともに使用する場合は、HTTP プロトコル構成ビジネス・オブジェクト定義の構造をカスタマイズする必要があります。

  1. 必要なすべてのフィールドについて、ビジネス・オブジェクト定義内部の属性を作成します。

    すべての属性の属性タイプをストリングにする必要があります。

    注:
    HTTP プロトコル構成メタオブジェクト内の属性の完全なリストについては、「Adapter for HTTP ユーザーズ・ガイド」を参照してください。
  2. UserDefinedProperties 属性をこのビジネス・オブジェクト定義に追加します。

    この属性の属性タイプは、ユーザー定義プロパティー・ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト定義です (ユーザー定義プロパティー・ビジネス・オブジェクトの作成を参照)。

例えば、図 19 では、HttpConfigMO_BusObj ビジネス・オブジェクト定義には、属性タイプが HttpProps_BusObj である UserDefinedProperties 属性が含まれています。

要求ビジネス・オブジェクト定義の変更

要求ビジネス・オブジェクト定義は、Business Integration Connect から要求された情報を表します。要求ビジネス・オブジェクトの作成方法については、要求ビジネス・オブジェクトを参照してください。動的メタオブジェクトをペイロード・ビジネス・オブジェクト構造に取り込むには、要求ビジネス・オブジェクト定義に以下の変更を加える必要があります。

  1. HTTP プロトコル構成メタオブジェクトを保持する属性を要求ビジネス・オブジェクト定義に追加します。

    この属性の属性タイプは、HTTP プロトコル構成メタオブジェクトのビジネス・オブジェクト定義です (HTTP プロトコル構成メタオブジェクトの作成を参照)。

  2. HTTP プロトコル構成メタオブジェクトを含む属性を識別するために、要求ビジネス・オブジェクト定義のビジネス・オブジェクト・レベルのアプリケーション固有情報に cw_mo_http タグを追加します。

    cw_mo_http タグの形式は、次のようになっています。

    cw_mo_http=HttpConfigMetaObjAttr
     

    ここで、HttpConfigMetaObjAttr は、プロトコル構成メタオブジェクトを保持する要求ビジネス・オブジェクト内の属性の名前です。

例えば、図 19 では、HttpConfigMO という名前の属性が要求ビジネス・オブジェクト定義 WBIC_HttpRequest_BusObj に追加されています。この属性には、タイプ HttpConfigMO_BusObj の子ビジネス・オブジェクトである動的メタオブジェクトが含まれています。さらに、この動的メタオブジェクトを識別するため、要求ビジネス・オブジェクトのアプリケーション固有情報は、次のような cw_mo_http タグを組み込むように変更されています。

cw_mo_http=HttpConfigMO
 

HTTP を使用する v4.2.2 の ICS の成果物の作成

HTTP トランスポート・プロトコルを通じて Business Integration Connect と通信するように v4.2.2 の InterChange Server を構成するには、表 68 に示す InterChange Server 成果物を作成する必要があります。

表 68. HTTP トランスポート・プロトコルを通じて v4.2.2 の ICS と通信するための成果物
ICS 成果物 目的 詳細の参照先
ビジネス・オブジェクト定義 文書を表します。 HTTP を使用する v4.2.2 の ICS のビジネス・オブジェクト定義の作成
コネクター・オブジェクト 実行時の Adapter for HTTP を表します。 HTTP コネクター・オブジェクトの作成
コラボレーション・テンプレートとコラボレーション・オブジェクト 文書処理の際に InterChange Server が使用するビジネス・プロセスを表します。 Adapter for HTTP と通信する場合のコラボレーションのバインド

HTTP コネクター・オブジェクトの作成

Adapter for HTTP のインスタンスを実行時に取得するには、System Manager で以下の手順を実行する必要があります。

  1. 以下のようにコネクター・オブジェクトを作成します。
  2. コネクター・オブジェクトを構成します。

    Business Integration Connect で使用するために Adapter for HTTP コネクター・オブジェクトを構成する方法については、v4.2.2 の ICS での HTTP トランスポート用環境の設定を参照してください。

Adapter for HTTP と通信する場合のコラボレーションのバインド

コラボレーションの作成で説明したように、ビジネス・オブジェクトの受信場所や送信場所を InterChange Server で認識するには、コラボレーション・オブジェクトが実行時に存在しなければなりません。 Business Integration Connect との間で情報を送受信する際に Adapter for HTTP を使用するコラボレーションに対してコラボレーション・オブジェクトを作成するときは、以下のようにコラボレーション・ポートをバインドする必要があります。

Copyright IBM Corp. 1997, 2004