基本構成 - HTTP で AS パッケージを使用した EDI 文書の交換

ここでは、単純なハブ構成の例を示します。定義されるターゲットは、参加者からハブに着信する文書用と、コミュニティー・マネージャーのバックエンド・システムからハブに着信する文書用の 2 つです。この例で設定される交換処理では、WebSphere Business Integration Connect に用意されている文書フロー定義を使用するため、これらのフローを基に接続を作成するだけで済みます。カスタム XML は、ここでは使用しません。

ハブの構成

ハブの設定では、まず 2 つのターゲットを作成します。

ターゲットの定義

HTTP の受信用ターゲットを作成するには、以下のステップを実行します。

  1. 「ハブ管理」>「ハブ構成」>「ターゲット」をクリックします。
  2. 「ターゲットの作成」をクリックします。
  3. 「ターゲット名」に HttpTarget と入力します。
  4. 「トランスポート」リストから「HTTP/S」を選択します。
  5. 「ゲートウェイ・タイプ」には、デフォルトの「実動」を使用します。
  6. 「URI」に /bcgreceiver/submit と入力します。
  7. 「保管」をクリックします。

次に、ファイル・システム上のディレクトリーをポーリングするためのターゲットを作成します。ターゲットを作成すると、ファイル・システム上に新規ディレクトリーが自動的に作成されます。

ファイル・システム・ターゲットを作成するには、以下のステップを実行します。

  1. 「ハブ管理」>「ハブ構成」>「ターゲット」をクリックします。
  2. 「ターゲットの作成」をクリックします。
  3. 「ターゲット名」に FileSystemTarget と入力します。
  4. 「トランスポート」リストから「ファイル・ディレクトリー」を選択します。
  5. 「デフォルト・ゲートウェイ・タイプ」には、デフォルトの「実動」を使用します。
  6. 「文書ルート・パス」に ¥temp¥FileSystemTarget と入力します。

    注: これにより、C:¥temp ディレクトリー内に FileSystemTarget ディレクトリーが作成されます。ファイル・システム上に C:¥temp ディレクトリーがあることを確認してください。

  7. 「保管」をクリックします。

文書フローおよび対話の定義

この例では、以下の交換処理を設定します。

パッケージ化とプロトコルが含まれているため、文書フロー定義を新規作成する必要はありません。パッケージ、プロトコル、文書フローは、システムで事前に定義されているものを使用します。

ただし、これらの事前定義された文書フローに基づいて、対話を定義する必要があります。以下の 2 つの対話が必要です。

まず、1 つ目の対話 (ソース形式がパッケージ化なしの EDI-X12 文書で、ターゲット形式が AS でパッケージ化された EDI-X12 文書) を作成します。

  1. 「ハブ管理」>「ハブ構成」>「文書フロー定義」の順にクリックします。
  2. 「対話の管理」をクリックし、次に「対話の作成」をクリックします。
  3. 「ソース」列から、以下のものを選択します。
    1. パッケージ: なし
    2. プロトコル: EDI-X12
    3. 文書フロー: すべて
  4. 「ターゲット」列から、以下のものを選択します。
    1. パッケージ: AS
    2. プロトコル: EDI-X12
    3. 文書フロー: すべて
  5. 「アクション」「パススルー」に設定します。
  6. 「保管」をクリックします。

次に、2 つ目の対話 (ソース形式が AS でパッケージ化された EDI-X12 文書で、ターゲット形式がパッケージ化なしの EDI-X12 文書) を作成します。

  1. 「対話の作成」をクリックします。
  2. 「ソース」列から、以下のものを選択します。
    1. パッケージ: AS
    2. プロトコル: EDI-X12
    3. 文書フロー: すべて
  3. 「ターゲット」列から、以下のものを選択します。
    1. パッケージ: なし
    2. プロトコル: EDI-X12
    3. 文書フロー: すべて
  4. 「アクション」「パススルー」に設定します。
  5. 「保管」をクリックします。

参加者および参加者接続の作成

ここでは、外部参加者とコミュニティー・マネージャーを作成します。参加者用のゲートウェイには標準のトランスポートが組み込まれており、ゲートウェイ用の構成ポイントは定義されていません。

参加者の作成

新規の参加者を 2 件作成します。Partner One を定義するには、以下のステップを実行します。

  1. メインメニューから、「アカウント管理」をクリックします。「参加者の検索」ページがデフォルトのビューになります。
  2. 「作成」をクリックします。
  3. 「参加者ログイン名」partnerOne と入力します。
  4. 「参加者名」Partner One と入力します。
  5. 「参加者タイプ」で、「コミュニティー・マネージャー」を選択します。
  6. 「ビジネス ID」の下の「新規」をクリックします。
  7. 「タイプ」「DUNS」のままにして、ID 値 123456789 を入力します。
  8. 「ビジネス ID」の下の「新規」をクリックします。
  9. 「Freeform」を選択して、ID 値 12-3456789 を入力します。
  10. 「保管」をクリックします。

Partner Two を定義するには、以下のステップを実行します。

  1. 「アカウント管理」>「プロファイル」>「コミュニティー参加者」をクリックします。
  2. 「作成」をクリックします。
  3. 「参加者ログイン名」partnerTwo と入力します。
  4. 「参加者名」Partner Two と入力します。
  5. 「参加者タイプ」で、「コミュニティー参加者」を選択します。
  6. 「ビジネス ID」の下の「新規」をクリックします。
  7. 「タイプ」「DUNS」のままにして、ID 値 987654321 を入力します。
  8. 「ビジネス ID」の下の「新規」をクリックします。
  9. 「Freeform」を選択して、ID 値 98-7654321 を入力します。
  10. 「保管」をクリックします。

これで、ハブに対して Partner One と Partner Two の両方が定義されました。

次に、Partner One と Partner Two の両方のゲートウェイを構成します。

ゲートウェイの作成

Partner One のファイル・ディレクトリー・ゲートウェイを作成する前に、このゲートウェイで使用するディレクトリー構造を作成する必要があります。ここでは、ルート・ドライブに FileSystemGateway というディレクトリーを新規作成します。このディレクトリーは、Partner One が参加者から受信したファイルを格納するのに使用します。

コミュニティー・マネージャーである Partner One の場合、ゲートウェイがバックエンド・システムへの入り口点となります。

Partner One のゲートウェイを作成するには、以下のステップを実行します。

  1. 「アカウント管理」>「プロファイル」>「コミュニティー参加者」をクリックします。
  2. 「検索」をクリックします。
  3. アイコンをクリックして、「Partner One」を選択します。
  4. 水平ナビゲーション・バーから「ゲートウェイ」をクリックします。
  5. 「作成」をクリックします。
  6. 「ゲートウェイ名」FileSystemGateway と入力します。
  7. 「トランスポート」で、「ファイル・ディレクトリー」を選択します。
  8. 「ターゲット URI ファイル (Target URI file)」file://C:¥FileSystemGateway と入力します。
  9. 「保管」をクリックします。

次に、新規作成したゲートウェイを Partner One のデフォルト・ゲートウェイとして設定します。

  1. 「リスト」をクリックし、Partner One 用に構成されたゲートウェイをすべて表示します。
  2. 「デフォルト・ゲートウェイの表示」をクリックします。
  3. リストから、「実動ゲートウェイ・タイプ (Production Gateway Type)」として FileSystemGateway を選択します。
  4. 「保管」をクリックします。

Partner Two のゲートウェイを作成します。

  1. 「アカウント管理」>「プロファイル」>「コミュニティー参加者」をクリックします。
  2. 「検索」をクリックし、次に虫メガネのアイコンをクリックして Partner Two を選択します。
  3. 水平ナビゲーション・バーから「ゲートウェイ」をクリックします。
  4. 「作成」をクリックします。
  5. 「ゲートウェイ名」HttpGateway と入力します。
  6. 「トランスポート」で、「HTTP/1.1」を選択します。
  7. 「ターゲット URI ファイル (Target URI file)」http://<IP_address>:80/input/AS2 と入力します。ここで、<IP_address> は Partner Two のマシンを表します。
  8. 「ユーザー名」partnerOne と入力します。
  9. 「パスワード」partnerOne と入力します。
  10. 「保管」をクリックします。

この例の Parter Two では、参加者がシステムにログインする際にユーザー名とパスワードが必要となる点に注意してください。

この参加者に対しても、デフォルト・ゲートウェイを定義する必要があります。

  1. 「リスト」をクリックし、次に「デフォルト・ゲートウェイの表示」をクリックします。
  2. リストから、「実動ゲートウェイ・タイプ (Production Gateway Type)」として HttpGateway を選択します。
  3. 「保管」をクリックします。

B2B 機能の設定

次に、Partner One (コミュニティー・マネージャー) の B2B 機能を定義します。

  1. メインメニューから、「アカウント管理」>「プロファイル」>「コミュニティー参加者」をクリックします。
  2. 「検索」をクリックします。
  3. 虫メガネのアイコンをクリックして、Partner One を選択します。
  4. 水平ナビゲーション・バーから「B2B 機能」をクリックします。
  5. 以下のステップを実行して、「パッケージ: AS」、「プロトコル: EDI-X12」、「文書フロー: すべて」に対するソースとターゲットを設定します。
    1. 「ソースの設定」の下で、「パッケージ: AS」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    2. 「ターゲットの設定」の下で、「パッケージ: AS」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    3. 「パッケージ: AS」の横にあるフォルダーのアイコンをクリックし、フォルダーを展開します。
    4. ソースとターゲットの両方で、「プロトコル: EDI-X12 (すべて)」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    5. 「プロトコル: EDI-X12 (すべて)」の横にあるフォルダーのアイコンをクリックし、フォルダーを展開します。
    6. ソースとターゲットの両方で、「文書フロー: すべて」をアクティブにするアイコンをクリックします。
  6. 以下のステップを実行して、「パッケージ: なし」、「プロトコル: EDI-X12」、「文書フロー: すべて」に対するソースとターゲットを設定します。
    1. 「ソースの設定」の下で、「パッケージ: なし」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    2. 「ターゲットの設定」の下で、「パッケージ: なし」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    3. 「パッケージ: なし」の横にあるフォルダーのアイコンをクリックし、フォルダーを展開します。
    4. ソースとターゲットの両方で、「プロトコル: EDI-X12 (すべて)」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    5. 「プロトコル: EDI-X12 (すべて)」の横にあるフォルダーのアイコンをクリックし、フォルダーを展開します。
    6. ソースとターゲットの両方で、「文書フロー: すべて」をアクティブにするアイコンをクリックします。

次に、Partner Two の B2B 機能を設定します。

  1. メインメニューから、「アカウント管理」>「プロファイル」>「コミュニティー参加者」をクリックします。
  2. 「検索」をクリックします。
  3. 虫メガネのアイコンをクリックして、Partner Two を選択します。
  4. 水平ナビゲーション・バーから「B2B 機能」をクリックします。
  5. 以下のステップを実行して、「パッケージ: AS」、「プロトコル: EDI-X12」、「文書フロー: すべて」に対するソースとターゲットを設定します。
    1. 「ソースの設定」の下で、「パッケージ: AS」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    2. 「ターゲットの設定」の下で、「パッケージ: AS」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    3. 「パッケージ: AS」の横にあるフォルダーのアイコンをクリックし、フォルダーを展開します。
    4. ソースとターゲットの両方で、「プロトコル: EDI-X12 (すべて)」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    5. 「プロトコル: EDI-X12 (すべて)」の横にあるフォルダーのアイコンをクリックし、フォルダーを展開します。
    6. ソースとターゲットの両方で、「文書フロー: すべて」をアクティブにするアイコンをクリックします。
  6. 以下のステップを実行して、「パッケージ: なし」、「プロトコル: EDI-X12」、「文書フロー: すべて」に対するソースとターゲットを設定します。
    1. 「ソースの設定」の下で、「パッケージ: なし」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    2. 「ターゲットの設定」の下で、「パッケージ: なし」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    3. 「パッケージ: なし」の横にあるフォルダーのアイコンをクリックし、フォルダーを展開します。
    4. ソースとターゲットの両方で、「プロトコル: EDI-X12 (すべて)」をアクティブにするアイコンをクリックします。
    5. 「プロトコル: EDI-X12 (すべて)」の横にあるフォルダーのアイコンをクリックし、フォルダーを展開します。
    6. ソースとターゲットの両方で、「文書フロー: すべて」をアクティブにするアイコンをクリックします。

参加者接続の定義

パッケージ化なしで、Partner One から Partner Two に配信される EDI 文書用の参加者接続を定義します。

  1. 「アカウント管理」>「参加者の接続」をクリックします。
  2. 「ソース」リストから Partner One を選択します。
  3. 「ターゲット」リストから Partner Two を選択します。
  4. 「検索」をクリックします。
  5. 以下の詳細情報を指定し、この接続に対して「アクティブ化」をクリックします。
    1. ソース
      1. パッケージ: なし (N/A)
      2. プロトコル: EDI-X12 (すべて)
      3. 文書フロー: すべて (すべて)
    2. ターゲット
      1. パッケージ: AS (N/A)
      2. プロトコル: EDI-X12 (すべて)
      3. 文書フロー: すべて (すべて)

次に、AS2 パッケージでラップされた、Partner Two から Partner One に配信される EDI 文書用の接続を定義します。前の節で定義した接続と良く似ていますが、AS2 属性も構成する点が異なります。

  1. 「アカウント管理」>「参加者の接続」をクリックします。
  2. 「ソース」リストから Partner Two を選択します。
  3. 「ソース」リストから Partner One を選択します。
  4. 「検索」をクリックします。
  5. 以下の詳細情報を指定し、この接続に対して「アクティブ化」をクリックします。
    1. ソース
      1. パッケージ: AS (N/A)
      2. プロトコル: EDI-X12 (すべて)
      3. 文書フロー: すべて (すべて)
    2. ターゲット
      1. パッケージ: なし (N/A)
      2. プロトコル: EDI-X12 (すべて)
      3. 文書フロー: すべて (すべて)

次に、Partner Two の「パッケージ: AS (N/A)」欄の横にある「属性」を選択します。

  1. 画面をスクロールダウンし、「パッケージ: AS (N/A)」の横にあるフォルダーのアイコンをクリックして、「パッケージ: AS (N/A)」の属性を編集します。
  2. 「AS MDN E-Mail Address (AS1)」の値を入力します。有効な E メール・アドレスであれば何でも構いません。
  3. 「AS MDN HTTP URL (AS2)」の値を入力します。入力値は http://<IP_Address>:57080/bcgreceiver/submit です。ここで、<IP_Address> はハブを表します。
  4. 「保管」をクリックします。

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