統計モジュール

WebSphere® eXtreme Scale は、内部統計モデルを使用して、データの追跡およびフィルター処理を行います。このモデルは、すべてのデータ・ビューで統計のスナップショットを収集するために使用される基礎となる構造です。

概要

WebSphere eXtreme Scale での統計は、StatsModules コンポーネント内で追跡され、収容されます。統計モデルには、以下のいくつかのタイプの統計モジュールが存在します。
OGStatsModule
トランザクション応答時間など、ObjectGrid インスタンスの統計を提供します。
MapStatsModule
エントリー数やヒット率など、単一マップの統計を提供します。
QueryStatsModule
計画作成や実行時間など、照会の統計を提供します。
AgentStatsModule
シリアライズ時間や実行時間など、DataGrid API エージェントの統計を提供します。
HashIndexStatsModule
HashIndex 照会および保守の実行時間の統計を提供します。
SessionStatsModule
HTTP セッション・マネージャー・プラグインの統計を提供します。
統計モジュールについて詳しくは、統計 APIを参照してください。

ローカル環境での統計

モデルは、前のリストで説明したすべての StatsModule タイプから構成される n 進ツリー (すべてのノードについて同じ次数を持つツリー構造) に似た編成になっています。 この編成構造のため、ツリー内のすべてのノードは、StatsFact インターフェースで表現されます。 StatsFact インターフェースは、集約の目的で個別のモジュールまたはモジュールのグループを表わすことができます。例えば、ツリー内のいくつかのリーフ・ノードが特定の MapStatsModule オブジェクトを表わす場合、これらのノードの親 StatsFact ノードには、すべての子モジュールついて集約された統計が含まれます。StatsFact オブジェクトのフェッチ後には、インターフェースを使用して対応する StatsModule を取得することができます。

ツリー・マップに非常によく似ており、対応するパスまたはキーを使用して特定の StatsFact を取得することができます。パスは、要求されたファクトへのパスに沿ったすべてのノードから構成される String[] 値です。 例えば、MapA と MapB という 2 つのマップを含む ObjectGridA という名前の ObjectGrid を作成したとします。MapA の StatsModule へのパスは、[ObjectGridA, MapA] のようになります。両方のマップの集約統計へのパスは、[ObjectGridA] となります。

分散環境での統計

分散環境では、統計モジュールは異なるパスを使用して取得されます。サーバーには複数の区画を入れることができるため、統計ツリーは、各モジュールが属する区画を追跡する必要があります。結果として、特定の StatsFact オブジェクトをルックアップするためのパスは異なります。前の例を使用しますが、マップが区画 1 に存在するという点を付け加えると、MapA の StatsFact オブジェクトを取得するためのパスは [1,ObjectGridA, MapA] となります。