Spring は、Java アプリケーションの開発用のフレームワークです。WebSphere® eXtreme Scale では、 Spring を使用してトランザクションを管理し、デプロイされたメモリー内データ・グリッドに含まれるクライアントおよびサーバーの構成を行うことがサポートされています。
Spring は、 Java Platform, Enterprise Edition アプリケーション・サーバーに似たコンテナー管理トランザクションを提供します。 しかし、Spring メカニズムはさまざまな実装環境を使用できます。WebSphere eXtreme Scale が提供 するトランザクション・マネージャー統合は、Spring が ObjectGrid トランザクションのライフサイクルを 管理することを可能にします。詳しくは、Spring を使用したトランザクションの管理を参照してください。
また、eXtreme Scale が Spring と 統合されることによって、拡張ポイントまたはプラグイン用に Spring スタイルの Bean を 定義することが可能になります。この機能によって、拡張ポイントの構成の柔軟性が高まり、洗練された構成が できるようになります。
Spring 管理の拡張 Bean に加えて、 eXtreme Scale は、「objectgrid」という 名前の Spring 名前空間を提供します。Bean および組み込みの実装がこの名前空間に事前定義されていて、ユーザー が eXtreme Scale をより簡単に構成できるようになっています。これらのトピックに関する詳しい説明と、Spring 構成を 使用して eXtreme Scale コンテナー・サーバーを 始動する方法の例については、Spring 拡張 Bean および名前空間のサポートを参照してください。
従来のスタイルの Spring 構成では、 ObjectGrid Bean は singleton タイプかプロトタイプ・タイプのどちらか です。ObjectGrid は、「断片」有効範囲と呼ばれる新しい有効範囲も サポートします。Bean が断片有効範囲と定義されている場合、断片当たり 1 つの Bean のみが 作成されます。同じ断片内でその Bean 定義に一致する ID を持つ Bean に対する要求はすべて、その 1 つの特定の Bean インスタンスが Spring コンテナーによって戻される結果になります。
以下の例に示す com.ibm.ws.objectgrid.jpa.plugins.JPAPropFactoryImpl Bean の定義では、有効範囲が断片であると設定されています。したがって、断片当たり、JPAPropFactoryImpl クラスの 1 つのインスタンスのみが作成されます。
<bean id="jpaPropFactory" class="com.ibm.ws.objectgrid.jpa.plugins.JPAPropFactoryImpl" scope="shard" />
Spring Web Flow は、デフォルトではセッション状態 を HTTP セッションに保管します。Web アプリケーションでセッション管理のために eXtreme Scale を使用している場合、Spring は自動的に eXtreme Scale を使用して状態を保管します。また、フォールト・トレランスもセッションと同じように有効になります。
詳しくは、HTTP セッション管理を参照してください。
eXtreme Scale Spring 拡張 は ogspring.jar ファイルに入っています。Spring サポートが正しく機能するためには、この Java アーカイブ (JAR) ファイルがクラスパスになければなりません。 WebSphere Extended Deployment で実行して いる Java EE アプリケーションが WebSphere Application Server Network Deployment を拡張した場合、 spring.jar ファイルおよびその関連ファイル をエンタープライズ・アーカイブ (EAR) モジュールに入れます。同じ場所 に ogspring.jar ファイルも入れる必要があります。