eXtreme Scale の動的キャッシュ・プロバイダーのインストールと構成は、要件と、セットアップした環境によって異なります。
このタスクについて
IBM® WebSphere Commerce での
eXtreme Scale 動的キャッシュ・プロバイダーの使用については、
IBM WebSphere Commerce 資料の以下のトピックを参照してください。
定義したオブジェクト・キャッシュまたはサーブレット・キャッシュ・インスタンスにキャッシュを特別に送信しない場合には、
動的キャッシュ API 呼び出しは、恐らく baseCache によって処理されます。
eXtreme Scale
動的キャッシュ・プロバイダーを JSP、Web サービス、あるいは、コマンド・キャッシングのために使用する場合、
eXtreme Scale 動的キャッシュ・プロバイダーを使用するように baseCache インスタンスを設定する必要があります。
baseCache インスタンスの構成には同じ構成プロパティーが使用されます。
これらの構成プロパティーは、Java 仮想マシン (JVM) のカスタム・プロパティーとして
設定する必要があるので注意してください。
この注意は、サーブレット・キャッシングを除き、このセクションで説明するすべてのキャッシュ構成プロパティーに該当します。
サーブレット・キャッシングに動的キャッシュ・プロバイダーを使用して eXtreme Scale を使用する場合には、必ず、カスタム・プロパティーではなくシステム・プロパティーで使用可能化を構成してください。
手順
- eXtreme Scale 動的キャッシュ・プロバイダーを使用可能にします。
- オプション: 複製キャッシュ・インスタンスを使用する場合、キャッシュのレプリカ生成設定を構成します。
eXtreme Scale 動的キャッシュ・プロバイダーでは、ローカル・キャッシュ・インスタンスまたは
複製キャッシュ・インスタンスを使用できます。ローカル・キャッシュ・インスタンスのみを使用する場合、このステップはスキップできます。
次のいずれかの方式を使用して、複製キャッシュを構成します。
- 管理コンソールでキャッシュ・レプリカ生成を有効にする。
WebSphere Application Server バージョン 7.0 では、いつでもキャッシュ・レプリカ生成を有効にできます。WebSphere Application Server バージョン 6.1 では、DRS レプリカ生成ドメインを
作成する必要があります。
- com.ibm.ws.cache.CacheConfig.enableCacheReplication カスタム・プロパティーを使用してキャッシュ・レプリカ生成を
有効にして、DRS レプリカ生成ドメインが割り当てられていない場合でも、それが複製されたキャッシュであることを
報告するようキャッシュに強制する。このカスタム・プロパティーの値を true に設定します。
このカスタム・プロパティーは、オブジェクト・キャッシュまたはサーブレット・キャッシュを使用する場合は
キャッシュ・インスタンスに設定し、baseCache インスタンスを使用する場合は JVM に設定してください。
- オプション: eXtreme Scale を JSP フラグメント・キャッシュとして
使用する場合、com.ibm.ws.cache.CacheConfig.disableTemplateInvalidation カスタム・プロパティーを
true に設定して、JSP 再ロード時のテンプレート・ベースの無効化を使用不可に設定します。
- 動的キャッシュ・サービスのトポロジーを構成します。
eXtreme Scale 動的キャッシュ・プロバイダーで唯一必須の構成パラメーターが、キャッシュ・トポロジーです。
このカスタム・プロパティーは、キャッシュ・インスタンスに設定するか、baseCache インスタンスを
使用する場合は動的キャッシュ・サービスに設定してください。カスタム・プロパティーの名前を com.ibm.websphere.xs.dynacache.topology と入力します。
このプロパティーに許可される 3 つの値は次のとおりです。許可される値のいずれかを使用する必要があります。
- embedded
- embedded_partitioned
- remote
組み込みトポロジーまたは組み込み区画化トポロジーを使用する場合は、com.ibm.ws.cache.CacheConfig.ignoreValueInInvalidationEvent カスタム・プロパティーを
true に設定して、シリアライゼーションのコストをいくらかでも節約することを
お勧めします。このカスタム・プロパティーは、キャッシュ・インスタンスに設定するか、baseCache インスタンスを
使用する場合は JVM に設定してください。
- オプション: 組み込み区画化トポロジーを使用する場合、動的キャッシュ・サービスの初期コンテナー数を構成します。
初期コンテナーの数を構成することで、組み込み区画化トポロジーを使用するキャッシュのパフォーマンスを最大化することができます。
WebSphere Application Server Java 仮想マシンで、変数を
システム・プロパティーとして設定します。
プロパティーの名前を com.ibm.websphere.xs.dynacache.num_initial_containers と入力します。
この構成プロパティーの推奨値は、この分散キャッシュ・インスタンスに
アクセスする WebSphere Application Server インスタンスの総数に等しい、または
それよりわずかに少ない整数です。例えば、データ・グリッド・メンバー間で動的キャッシュ・サービスが共有される場合、
この値にはデータ・グリッド・メンバーの数を設定します。
組み込みトポロジーまたは組み込み区画化トポロジーの場合は、WebSphere Application Server のバージョン 7.0 を使用する必要があります。
JVM プロセスで以下のカスタム・プロパティーを設定して、初期コンテナーをすぐに使用できるようにします。
com.ibm.ws.cache.CacheConfig.createCacheAtServerStartup=true
- eXtreme Scale カタログ・サービス・グリッドを構成します。
分散キャッシュ・インスタンスの動的キャッシュ・プロバイダーとして eXtreme Scale を使用している場合、eXtreme Scale カタログ・サービス・ドメインを構成する必要があります。
単一のカタログ・サービス・ドメインで、eXtreme Scale でサポートされる複数の動的キャッシュ・サービス・プロバイダーに対応することができます。
カタログ・サービスは、
WebSphere Application Server プロセスの内部または外部で実行されます。eXtreme Scale バージョン 7.1 から、管理コンソールを使用してカタログ・サービス・ドメインを構成すると、
動的キャッシュでその設定が使用されます。追加の手順を実行してカタログ・サービスをセットアップする必要はありません。
詳しくは、WebSphere Application Server でのカタログ・サービス・ドメインの作成を参照してください。
- カスタム・キー・オブジェクトを構成します。
キーとしてカスタム・オブジェクトを使用している場合、オブジェクトは Serializable インターフェースまたは Externalizable インターフェースを実装している必要があります。
組み込みトポロジーあるいは組み込み区画化トポロジーを使用している場合、まるでデフォルトの動的キャッシュ・プロバイダーで使用しているかのようにオブジェクトを WebSphere 共有ライブラリー・パスに配置する必要があります。
詳細は、WebSphere Application Server Network Deployment インフォメーション・センターの 動的キャッシュ用の DistributedMap および DistributedObjectCache インターフェースの使用を参照してください。
リモート・トポロジーを使用している場合は、カスタム・キー・オブジェクトをスタンドアロン eXtreme Scale コンテナーの CLASSPATH に配置する必要があります。
詳しくは、コンテナー・サーバーの始動を参照してください。
- オプション: リモート・トポロジーを使用する場合、eXtreme Scale コンテナー・サーバーを
構成します。
- 組み込みトポロジーまたは組み込み区画化トポロジー:
キャッシュ・データは、WebSphere eXtreme
Scale コンテナー・サーバーに保管されます。コンテナー・サーバーは、
WebSphere Application Server プロセスの内部または外部で実行できます。
キャッシュ・インスタンスに組み込みトポロジーまたは組み込み区画化トポロジーを使用している場合、eXtreme Scale プロバイダーは、WebSphere プロセスの内部に自動的にコンテナーを作成します。
これらのトポロジーの場合、それ以上の構成は必要ありません。
- リモート・トポロジー:
リモート・トポロジーを使用する場合、キャッシュ・インスタンスに
アクセスする WebSphere Application Server インスタンスを開始する
前に、スタンドアロン eXtreme Scale コンテナー・サーバーを開始しておく必要があります。スタンドアロン・コンテナー・サーバーの
開始については、コンテナー・サーバーの始動を参照してください。特定の動的キャッシュ・サービスのすべてのコンテナー・サーバーが、同じカタログ・サービス・エンドポイントを指していることを確認してください。
スタンドアロン eXtreme Scale 動的キャッシュ・プロバイダー・コンテナーの XML 構成ファイルは、was_root/optionalLibraries/ObjectGrid/dynacache/etc ディレクトリー (WebSphere Application Server 上のインストールの場合)、または wxs_install_root/ObjectGrid/dynacache/etc ディレクトリー (スタンドアロン・インストールの場合) にあります。
このファイルの名前は、dynacache-remote-objectgrid.xml および dynacache-remote-definition.xml です。
これらのファイルのコピーを作成して編集し、eXtreme Scale 動的キャッシュ・プロバイダーの
スタンドアロン・コンテナーを開始するときに使用してください。
dynacache-remote-deployment.xml ファイルの numInitialContainers パラメーターは、実行中の
コンテナー・プロセスの数に一致しなければなりません。なお、dynacache-remote-objectgrid.xml ファイルの numberOfPartitions 属性のデフォルト値は 47 です。
注: 一連のコンテナー・サーバー・プロセスには、
リモート・トポロジーを使用するよう構成されたすべての動的キャッシュ・インスタンスを
処理するために十分な空きメモリーが必要です。
catalog.services.cluster カスタム・プロパティーの値が同じ、または同等の値を共有する
WebSphere Application Server
プロセスはすべて、同じスタンドアロン・コンテナーのセットを使用しなければなりません。コンテナーの数とそれらのコンテナーが常駐するサーバーの数は、適切に見積もる必要があります。詳細情報については、
動的キャッシュのキャパシティー・プランニングを参照してください。
eXtreme Scale 動的キャッシュ・プロバイダーのスタンドアロン・コンテナーを開始するコマンド行エントリーを次に示します。
startOgServer.sh container1 -objectGridFile
../dynacache/etc/dynacache-remote-objectgrid.xml -deploymentPolicyFile
../dynacache/etc/dynacache-remote-deployment.xml -catalogServiceEndPoints
MyServer1.company.com:2809
- 分散トポロジーまたは組み込みトポロジーでは、サイジング・エージェントを使用可能にして、メモリー消費量の推定精度を向上させます。
サイジング・エージェントは、メモリー消費量を推定します (usedBytes 統計)。
このエージェントでは、Java 5 以上の JVM が必要です。
以下の引数を JVM コマンド行に追加することで、エージェントをロードします。
-javaagent:WXS lib directory/wxssizeagent.jar
組み込みトポロジーでは、
WebSphere Application Server プロセスのコマンド行に引数を追加します。
分散トポロジーでは、eXtreme Scale プロセス (コンテナー) および WebSphere Application Server プロセスのコマンド行に引数を追加します。