eXtremeMemory を構成することにより、オブジェクトを Java ヒープでなく ネイティブ・メモリーに保管できます。eXtremeMemory を構成すると、新しいトランスポート・メカニズムである eXtremeIO が 使用可能になります。オブジェクトを Java ヒープから移動することで、ガーベッジ・コレクションに伴う 一時停止を回避でき、より安定したパフォーマンスを得られるうえ、応答時間も予測可能になります。
JVM は、プロセス・メモリーを収集、圧縮、および拡張するために使用量ヒューリスティックに 依存します。これらの操作はガーベッジ・コレクターによって実行されます。 しかし、ガーベッジ・コレクションの実行には関連のコストが付随します。Java ヒープのサイズと データ・グリッド内のオブジェクトの数が増すにつれ、ガーベッジ・コレクションの 実行にかかるコストも増えます。JVM は、異なるユース・ケースや目標 (最適なスループット、最適な一時停止時間、世代別、バランス、およびリアルタイムのガーベッジ・コレクション) に応じたそれぞれのヒューリスティックを提供します。 完璧なヒューリスティックは 存在しません。単一ヒューリスティックがすべての可能な構成に適合するわけではありません。
WebSphere® eXtreme Scale はデータ・キャッシングと 分散マップを使用します。分散マップのエントリーには、既知のライフサイクルが入っています。 このライフサイクルには、次の操作、GET、INSERT、DELETE、および UPDATE が 含まれます。これら既知のマップ・ライフサイクルを使用することで、eXtremeMemory および eXtremeIO は、JVM 使用量ヒューリスティックよりも 効率的にメモリーを使用できます。
次の図は、eXtremeMemory の使用が、どのように環境内でより 一貫性のある相対応答時間をもたらすかを示しています。相対応答時間が高いパーセンタイルに 近づくにつれ、eXtremeMemory を使用する要求のほうが相対応答時間が少なくなります。図は 95 から 100 パーセンタイルを表示しています。