eXtreme Scale サーバーの更新

保守を適用するか、新しいバージョンをインストールすることで、サービスを中断せずに WebSphere® eXtreme Scale を新しいバージョンにアップグレードできます。

始める前に

メジャー・バージョン・リリースまたは適用する保守のバイナリー・ファイルを入手している必要があります。使用可能なリリースおよび保守パッケージについての最新情報は、WebSphere eXtreme Scale の IBM サポート・ポータルから入手できます。

このタスクについて

サービスを中断しないでアップグレードするには、まずカタログ・サーバーをアップグレードし、次にコンテナー・サーバーをアップグレードし、最後にクライアント・サーバーをアップグレードする必要があります。

手順

  1. データ・グリッド内の各カタログ・サーバーに対して、次のステップを繰り返して、カタログ・サービス層をアップグレードします。 どのコンテナー・サーバーやクライアントをアップグレードする前に、カタログ・サービス層をアップグレードします。個々のカタログ・サーバーは、バージョン互換性により相互運用が可能です。したがって、サービスを中断せずに、一度に 1 つのカタログ・サーバーに対してアップグレードを適用できます。
    1. 次の正常クォーラム状況を確認します。 以下のコマンドを実行します。
      xsadmin -quorumStatus
      xscmd -c showQuorumStatus
      この結果は、すべてのカタログ・サーバーが接続されたことを示します。
    2. 2 つのカタログ・サービス・ドメインの間でマルチマスター・レプリカ生成を使用している場合、カタログ・サーバーをアップグレードする間、2 つのカタログ・サービス・ドメイン間のリンクは除去してください。
      xsadmin –ch host -p 1099 -dismissLink domain_name
      xscmd –c dismissLink –cep host:2809 -fd domain_name
      このコマンドの実行は一方のカタログ・サービス・ドメインからのみ必要で、これで、2 つのカタログ・サービス・ドメイン間のリンクを除去できます。
    3. カタログ・サーバーの 1 つをシャットダウンします。 stopOgserver コマンドまたは xscmd -c teardown コマンドを使用できます。あるいは、WebSphere Application Server 内でカタログ・サービスを実行しているアプリケーション・サーバーをシャットダウンします。カタログ・サーバーはどのような順序で停止してもかまいませんが、プライマリー・カタログ・サーバーを最後にシャットダウンすると、ターンオーバーが減少します。ログ・ファイルの中の CWOBJ8106 メッセージを見ると、どれがプライマリー・カタログ・サーバーかが分かります。通常の場合、カタログ・サーバーがシャットダウンされるときにクォーラムは維持されますが、ベスト・プラクティスは、各シャットダウンの後、xscmd -c showQuorumStatus コマンドを使用して、クォーラムを照会することです。

      xscmd -c teardown コマンドを使用する場合、サーバー名をフィルタリングできます。stopOgServer コマンドには、並行して停止する正確なサーバー名またはサーバー名のリストを入力することが必要です。多数のサーバーの停止またはティアダウン・プロセスを並行して呼び出すのではなく、シャットダウン・プロセスをグループにすべきです。シャットダウンするサーバーをグループにすると、データ・グリッドは、その周辺の断片を移動することで、シャットダウンされるサーバーに反応できます。次のいずれかのコマンドを使用して、サーバーをシャットダウンできます。

      stopOgServer コマンドまたは xscmd -c teardown コマンドに、停止するサーバーの特定のリストを指定できます。

      stopOgServer <server_name>[,<server_name>]
      xsadmin –teardown <server_name>[,<server_name>]
      xscmd –c teardown -sl <server_name>[,<server_name>]
      上記の例では、stopOgServer コマンドまたは xscmd -c teardown コマンドは同じシャットダウン・タスクを完了しています。 しかし、xscmd -c teardown コマンドでは、停止するサーバーをフィルタリングできます。ゾーンまたはホスト名によるサーバーのフィルタリングについて詳しくは、xscmd ユーティリティーによるサーバーの正常停止を参照してください。 teardown コマンドは、一致したサーバーをフィルタリングして、選択されたサーバーが正しいかどうかを尋ねます。
    4. カタログ・サーバーに更新をインストールします。 カタログ・サーバーを製品のメジャー・リリースにマイグレーションするか、保守パッケージを適用することができます。詳しくは、次のトピックを参照してください。
    5. カタログ・サーバーを再始動します。

      スタンドアロン環境を使用している場合、詳しくは、スタンドアロン・カタログ・サービスの開始を参照してください。WebSphere Application Server 環境を使用している場合、詳しくは、WebSphere Application Server 環境でのサーバーの開始と停止を参照してください。

      カタログ・サーバーは、すべてのカタログ・サーバーが同じレベルに移行するまで、互換モードで実行されます。マイグレーションされていないサーバーでは新しい機能を使用できないため、互換モードは、たいていは、メジャー・リリースのマイグレーションで適用されます。カタログ・サーバーを互換モードで実行できる時間の長さについて制限はありませんが、ベスト・プラクティスは、できるだけ速やかにすべてのカタログ・サーバーを同じレベルにマイグレーションすることです。

    6. 構成内の残りのカタログ・サーバーに対して更新を適用します。
  2. データ・グリッド内の各コンテナー・サーバーに対して、次のステップを繰り返して、コンテナー・サーバーをアップグレードします。 コンテナー・サーバーは任意の順序でアップグレードできます。しかし、更新の中の新しい機能を使用している場合は、サーバーを最初に更新し、次にクライアントを更新するように考慮してください。
    1. アップグレードするコンテナー・サーバーを停止します。 stopOgserver コマンドまたは teardown コマンドを使用して、コンテナー・サーバー層をグループで停止できます。ティアダウン操作のバッチ処理およびサーバーの始動操作の並列実行により、配置メカニズムは断片を大きなグループで移動できます。
      xsadmin –teardown -fz DefaultZone
      xscmd -c teardown -z DefaultZone
      
      Connecting to Catalog service at localhost:1099
      
      サーバーのティアダウンのためのフィルター・オプションを処理しています
      
      次のサーバーがティアダウンされます。
      
        container00
        container01
        container02
        container03
        container04
      
      
      リストされたサーバーをティアダウンしますか? (Y/N)
    2. コンテナー・サーバーに更新をインストールします。 コンテナー・サーバーを製品のメジャー・リリースにマイグレーションするか、保守パッケージを適用することができます。詳しくは、次のトピックを参照してください。
    3. コンテナー・サーバーを再始動します。
    4. 構成の残りのコンテナー・サーバーをアップグレードします。
  3. マルチマスター・レプリカ生成を使用している場合、カタログ・サービス・ドメインに再接続します。 カタログ・サービス・ドメインに再接続するには、xscmd -c establishLink コマンドを使用します。
    xsadmin –ch host –p 1099 –establishLink dname fdHostA:2809,fdHostB:2809
    xscmd –c establishLink -cep host:2809 -fd dname -fe fdHostA:2809,fdHostB:2809
  4. [Version 8.5 and later] すべてのサーバーが WebSphere eXtreme Scale の新バージョンを使用しているか確認するには、xscmd -c showinfo コマンドを実行します。
    xscmd –c showinfo

次のタスク

また、このステップは、旧バージョンに戻す場合や保守パッケージをアンインストール場合にも使用できます。ただし、マルチマスター・レプリカ生成を使用しているときにバージョン 7.1.0 に戻すと、リンクを再確立するときに、両方向レプリカ生成は正しく機能しないことがあります。この場合、両方のカタログ・サービス・ドメインを再始動し、establishLink コマンドを使用してカタログ・サービス・ドメインを再リンクします。