クォーラム・メカニズムの構成

クォーラム・メカニズムはカタログ・サービスごとに構成します。 カタログ・サービス・ドメイン内のすべてのカタログ・サーバーでクォーラム・メカニズムを使用可能にする必要があります。

始める前に

クォーラム・メカニズムを使用可能にするには、このタイプの構成をサポートする トポロジーを構成しなければなりません。構成は次の要件に対応している必要があります。

このタスクについて

デフォルトではクォーラム・メカニズムが使用不可になっています。 次のようなシナリオでは、クォーラム・メカニズムを使用可能にしてください。 カタログ・サービス・ドメインが 単一データ・センター内に含まれている場合、またはローカル・エリア・ネットワーク (LAN) 上にある場合は、クォーラム・メカニズムを 使用不可にしたままでかまいません。このタイプの構成では、デフォルトのハートビート設定が 使用され、ブラウン・アウトの時間は 10 秒未満であると想定されます。検出期間は約 30 秒ごとで あるため、ブラウン・アウトが短時間発生しても、それによってデータ・グリッド内の 配置変更が起こることはありません。

クォーラムを使用可能にする場合は、配置操作を実行するため、すべての カタログ・サーバーが使用可能で、データ・グリッドと通信している必要があります。ネットワーク・ブラウン・アウトが発生した場合、すべてのカタログ・サーバーが使用可能になるまで配置は休止されます。 データ・センターの障害が発生した場合は、障害があったカタログ・サーバーをクォーラムから 除去するため、管理者による手動の処置が必要です。

手順

  1. カタログ・サーバーのクォーラムを使用可能にします。
    WebSphere Application Server の場合、サーバー・プロパティー・ファイルを使用して クォーラムを構成する必要があります。スタンドアロン環境の場合、プロパティー方式を使用するか、 サーバーの開始時にクォーラムを使用可能にすることができます。
    • サーバー・プロパティー・ファイル内に enableQuorum=true プロパティーを設定する。
      この構成は、WebSphere Application Server でも スタンドアロン環境でも使用できます。
      図 1. objectGridServer.properties ファイル
      catalogClusterEndPoints=cat0:cat0.domain.com:6600:6601,
      cat1:cat1.domain.com:6600:6601
      catalogServiceEndPoints= cat0.domain.com:2809, cat1.domain.com:2809
      enableQuorum=true
      プロパティー・ファイルの構成の詳細については、サーバー・プロパティー・ファイルを参照してください。
    • startOgServer コマンドで -quorum 使用可能フラグを渡す。

      この構成方式は、スタンドアロン・サーバーの開始時にのみ使用できます。

      # bin/startOgServer cat0 –serverProps objectGridServer.properties -quorum true
      startOgServer コマンドの詳細については、startOgServer スクリプトを参照してください。
  2. 同一ゾーン内のコンテナー・サーバーを開始します。

    複数のデータ・センターにまたがるデータ・グリッドを実行する場合、サーバーは ゾーン情報を使用して、そのサーバーが存在するデータ・センターを識別する必要があります。コンテナー・サーバーにゾーンを設定することにより、WebSphere eXtreme Scale が、データ・センターのスコープ内にある コンテナー・サーバーのヘルスをモニターでき、データ・センター間のトラフィックを最小化できます。コア・グループ内のコンテナー・サーバー JVM は、(広域ネットワークのような) リンクで接続された複数の LAN にまたがってはなりません。コンテナー・サーバーのゾーンを定義する方法の詳細については、コンテナー・サーバーのゾーンの定義を参照してください。

    コンテナー・サーバー JVM はゾーン ID でタグ付けされます。 コンテナー JVM のデータ・グリッドは JVM から成る小さいコア・グループに自動的に分割されます。 1 つのコア・グループには同じゾーンからの JVM のみが含まれます。いかなる時点でも、異なるゾーンからの JVM が同じコア・グループに存在することはありません。

    コア・グループはそのメンバー JVM の障害の検出を活発に試みます。

タスクの結果

カタログ・サービス・ドメイン内のカタログ・サーバーでクォーラム・メカニズムを 使用可能に設定すると、データ・グリッドの配置操作を実行するために、すべての カタログ・サーバーが使用可能でなければなりません。ネットワーク・ブラウン・アウトが短時間発生した場合、クォーラム内のすべてのカタログ・サーバーが使用可能になるまで 配置操作は一時的に停止されます。

これらのステップを繰り返して、追加のカタログ・サーバーを クォーラムに追加できます。

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