ネットワーク・ポートの計画

WebSphere® eXtreme Scale は、 分散キャッシュであり、オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) および 伝送制御プロトコル (TCP) スタックを使用して Java 仮想マシン間で通信するためにオープン・ポートを必要とします。特に、ファイアウォールのある環境や、カタログ・サービスやコンテナーを複数ポートで使用している場合は、ポートを計画し、制御します。

重要: ポート番号を指定する際は、オペレーティング・システムで一時ポート範囲にあるポートを設定することは避けてください。 一時ポート範囲にあるポートを使用すると、ポートの競合が発生する場合があります。

カタログ・サービス・ドメイン

カタログ・サービス・ドメインでは、以下のポートを定義する必要があります。
peerPort
高可用性 (HA) マネージャーがピア・カタログ・サーバー間で TCP スタックを介して通信するためのポートを指定します。WebSphere Application Server では、この設定は HA マネージャー・ポート構成によって継承されます。
clientPort
カタログ・サーバーがカタログ・サービス・データにアクセスするためのポートを指定します。WebSphere Application Server では、このポートは、カタログ・サービス・ドメイン構成を介して設定されます。
listenerPort
オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) がバインドする先のポート番号を指定します。この設定は、コンテナーおよびクライアントが ORB を介してカタログ・サービスと通信するように構成します。WebSphere Application Server では、listenerPort は BOOTSTRAP_ADDRESS ポート構成によって継承されます。このプロパティーは、コンテナー・サーバーとカタログ・サービスの両方に適用されます。

デフォルト: 2809

JMXConnectorPort
Java Management Extensions (JMX) サービスのバインド先の Secure Sockets Layer (SSL) ポートを定義します。
JMXServicePort
MBean サーバーが Java Management Extensions (JMX) との通信を listen するポート番号を指定します。JMXServicePort プロパティーは、JMX 用の非 SSL ポートを指定します。 構成の中の各 JVM に対して、異なるポート番号を使用しなければなりません。JMX/RMI を使用する場合は、たとえデフォルトのポート値を使用する場合であっても、JMXServicePort とポート番号を明示的に指定してください。このプロパティーは、コンテナー・サーバーとカタログ・サービスの両方に適用されます。 (スタンドアロン環境の場合のみ必須。)

デフォルト: カタログ・サーバーの場合は 1099

jvmArgs (オプション)
Java 仮想マシン (JVM) 引数リストを指定します。セキュリティーが有効になっているときは、startOgServer スクリプトの -jvmArgs -Dcom.ibm.CSI.SSLPort=<sslPort> 引数を使用して、Secure Sockets Layer (SSL) ポートを構成する必要があります。

コンテナー・サーバー

WebSphere eXtreme Scale コンテナー・サーバーも、いくつかのポートが作動することを必要とします。デフォルトでは、eXtreme Scale コンテナー・サーバー は、HA マネージャー・ポートおよび ORB リスナー・ポートを、動的ポートと共に自動的に 生成します。ファイアウォールのある環境では、ポートの計画を立て、それらを制御することが有益です。コンテナー・サーバーが特定のポートを使用して始動するようにするために、startOgServer コマンドで以下のオプションを使用できます。
haManagerPort
HA マネージャーが使用するポート番号を指定します。 このプロパティーが設定されていない場合、空きポートが選択されます。 このプロパティーは、WebSphere Application Server 環境では無視されます。
listenerPort
オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) がバインドする先のポート番号を指定します。この設定は、コンテナーおよびクライアントが ORB を介してカタログ・サービスと通信するように構成します。WebSphere Application Server では、listenerPort は BOOTSTRAP_ADDRESS ポート構成によって継承されます。このプロパティーは、コンテナー・サーバーとカタログ・サービスの両方に適用されます。

デフォルト: 2809

JMXConnectorPort
Java Management Extensions (JMX) サービスのバインド先の Secure Sockets Layer (SSL) ポートを定義します。
JMXServicePort
MBean サーバーが Java Management Extensions (JMX) との通信を listen するポート番号を指定します。JMXServicePort プロパティーは、JMX 用の非 SSL ポートを指定します。 構成の中の各 JVM に対して、異なるポート番号を使用しなければなりません。JMX/RMI を使用する場合は、たとえデフォルトのポート値を使用する場合であっても、JMXServicePort とポート番号を明示的に指定してください。このプロパティーは、コンテナー・サーバーとカタログ・サービスの両方に適用されます。 (スタンドアロン環境の場合のみ必須。)

デフォルト: カタログ・サーバーの場合は 1099

xioChannel.xioContainerTCPSecure.Port
サーバー上の eXtremeIO の SSL ポート番号を指定します。transportType プロパティーが SSL-Supported または SSL-Required に設定されている場合のみこのプロパティーが使用されます。
xioChannel.xioContainerTCPNonSecure.Port
サーバー上の eXtremeIO の非セキュア・リスナー・ポート番号を指定します。値を設定しなければ、一時ポートが使用されます。transportType プロパティーが TCP/IP に設定されている場合のみこのプロパティーが使用されます。
制約事項: xioChannel.xioContainerTCPNonSecure.Port プロパティーは Liberty プロファイルではサポートされません。
jvmArgs (オプション)
Java 仮想マシン (JVM) 引数リストを指定します。セキュリティーが有効になっているときは、startOgServer スクリプトの -jvmArgs -Dcom.ibm.CSI.SSLPort=<sslPort> 引数を使用して、Secure Sockets Layer (SSL) ポートを構成する必要があります。

ポート制御の適切な計画は、数百の Java 仮想マシンを 1 台のマシンで開始する場合、不可欠です。ポートの競合があると、コンテナー・サーバーが始動しません。

クライアント

WebSphere eXtreme Scale クライアントは、DataGrid API またはいくつかの他のコマンドを使用しているときに、サーバーからコールバックを受信できます。クライアントがサーバーからのコールバックを listen するポートを指定するには、クライアント・プロパティー・ファイル内の listenerPort プロパティーを使用します。
haManagerPort
HA マネージャーが使用するポート番号を指定します。 このプロパティーが設定されていない場合、空きポートが選択されます。 このプロパティーは、WebSphere Application Server 環境では無視されます。
JVM arguments (オプション)
Java 仮想マシン (JVM) 引数リストを指定します。セキュリティーが有効になっているときは、クライアント・プロセスの開始時に -jvmArgs -Dcom.ibm.CSI.SSLPort=<sslPort> システム・プロパティーを使用する必要があります。
listenerPort
オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) がバインドする先のポート番号を指定します。この設定は、コンテナーおよびクライアントが ORB を介してカタログ・サービスと通信するように構成します。WebSphere Application Server では、listenerPort は BOOTSTRAP_ADDRESS ポート構成によって継承されます。このプロパティーは、コンテナー・サーバーとカタログ・サービスの両方に適用されます。

デフォルト: 2809

WebSphere Application Server のポート

WebSphere Application Server でのカタログ・サービス・ドメインの作成で示されているように、カタログ・サービス・ドメインは管理コンソールで定義できます。

管理コンソールで以下のパスの 1 つをクリックして、特定のサーバーのポートを表示できます。
  • WebSphere Application Server Network Deployment バージョン 6.1: 「サーバー」 > 「アプリケーション・サーバー」 > 「server_name」 > 「ポート」 > 「end_point_name」
  • WebSphere Application Server Network Deployment バージョン 7.0: 「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「WebSphere Application Server」 > 「server_name」 > 「ポート」 > 「port_name」