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レッスン 1.1: トポロジーの理解とチュートリアル・ファイルの入手

チュートリアル用の環境を準備するには、WebSphere® Application Server セキュリティーを 構成する必要があります。 ユーザー・アカウント・レジストリーとして内部ファイル・ベースの統合リポジトリーを使用して、管理およびアプリケーション・セキュリティーを構成します。

このレッスンでは、チュートリアルで使用するサンプル・トポロジーと アプリケーションを紹介します。チュートリアルの実行を開始するには、アプリケーションをダウンロードし、 環境内の正しい場所に構成ファイルを配置する必要があります。サンプル・アプリケーションは WebSphere eXtreme Scale wiki からダウンロードできます。

WebSphere Application Server サンプル・トポロジー

このチュートリアルでは、セキュリティーを使用可能に設定したサンプル・アプリケーションを使用してデモンストレーションする 4 つの WebSphere Application Server アプリケーション・サーバーを作成します。 これらのアプリケーション・サーバーは、それぞれ 2 つのサーバーが入った、2 つのクラスターにグループ化されます。

  • appCluster クラスター: EmployeeManagement サンプル・エンタープライズ・アプリケーションをホストします。このクラスターには、s1 と s2 の 2 つのアプリケーション・サーバーがあります。
  • xsCluster クラスター: eXtreme Scale コンテナー・サーバーをホストします。 このクラスターには、xs1 と xs2 の 2 つのアプリケーション・サーバーがあります。
このデプロイメント・トポロジーでは、s1 および s2 のアプリケーション・サーバーは、データ・グリッドに保管されたデータにアクセスするクライアント・サーバーです。xs1 サーバーと xs2 サーバーは、データ・グリッドをホストするコンテナー・サーバーです。

デフォルトでは、カタログ・サーバーがデプロイメント・マネージャー・プロセスでデプロイされます。このチュートリアルは、デフォルトの振る舞いを使用します。デプロイメント・マネージャー内でカタログ・サーバーをホストすることは、実稼働環境ではお勧めしません。実稼働環境では、カタログ・サーバーの始動場所を定義するカタログ・サービス・ドメインを作成する必要があります。詳しくは、WebSphere Application Server でのカタログ・サービス・ドメインの作成を参照してください。

代替の構成: すべてのアプリケーション・サーバーを、単一のクラスター内で (例えば appCluster クラスター内で) ホストすることができます。 この構成では、クラスター内のすべてのサーバーがクライアントとコンテナー・サーバーの両方を兼ねます。 このチュートリアルでは、2 つのクラスターを使用して、クライアントをホストしているアプリケーション・サーバーとコンテナー・サーバーをホストしているアプリケーション・サーバーを区別しています。

図 1. チュートリアルのトポロジー
クライアント・ブラウザーは、EmployeeMangement Module アプリケーションを含む appCluster クラスターと接触します。
このアプリケーションは、カタログ・サービスを含むデプロイメント・マネージャー、およびデータ・グリッド・コンテナーを含む xSCluster クラスターと通信します。

アプリケーション

このチュートリアルでは、2 つのアプリケーションと、1 つの共有ライブラリー・ファイルを使用します。
  • EmployeeManagement.ear: EmployeeManagement.ear アプリケーションは、単純化された Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) エンタープライズ・アプリケーションです。これには、従業員プロファイルを管理するための Web モジュールが含まれます。Web モジュールには、コンテナー・サーバーに保管された従業員プロファイルを表示、挿入、更新、および削除する management.jsp ファイルが含まれます。
  • XSDeployment.ear: このアプリケーションにはエンタープライズ・アプリケーション・モジュールが 含まれ、アプリケーション成果物は含まれません。 キャッシュ・オブジェクトは EmployeeData.jar ファイルにパッケージ化されます。 EmployeeData.jar ファイルは、XSDeployment.ear ファイルが クラスにアクセスできるように、XSDeployment.ear ファイルの 共有ライブラリーとしてデプロイされます。 このアプリケーションの目的は、eXtreme Scale 構成ファイルをパッケージすることにあります。 このエンタープライズ・アプリケーションが開始されると、eXtreme Scale ランタイムによって eXtreme Scale 構成ファイルが自動的に検出され、その結果コンテナー・サーバーが 作成されます。これらの構成ファイルには、objectGrid.xmlobjectGridDeployment.xml ファイルが含まれます。
  • EmployeeData.jar: この JAR ファイルは com.ibm.websphere.sample.xs.data.EmployeeData クラス という 1 つのクラスを含んでいます。 このクラスは、グリッドに保管される従業員データを表します。この Java アーカイブ (JAR) ファイルは、共有ライブラリーとして EmployeeManagement.ear および XSDeployment.ear ファイルと一緒に デプロイされます。

チュートリアル・ファイルの入手

  1. WASSecurity.zip ファイルと security.zip ファイルをダウンロードします。 サンプル・アプリケーションは WebSphere eXtreme Scale wiki からダウンロードできます。
  2. WASSecurity.zip ファイルを、バイナリーおよびソース成果物を表示するためのディレクトリー、例えば /wxs_samples/ ディレクトリーに解凍します。 今後、チュートリアルの 中ではこのディレクトリーを samples_home と 呼びます。WASSecurity.zip ファイルの内容の説明、およびソースを Eclipse ワークスペースにロードする方法については、パッケージの中の README.txt ファイルを参照してください。
  3. security.zip ファイルを samples_home ディレクトリーに解凍します。security.zip ファイルには、このチュートリアルで使用する次のセキュリティー構成が含まれます。
    • catServer2.props
    • server2.props
    • client2.props
    • securityWAS2.xml
    • xsAuth2.props

構成ファイルについて

objectGrid.xml ファイルと objectGridDeployment.xml ファイルは、アプリケーション・データを保管するデータ・グリッドとマップを作成します。

これらの構成ファイルには、objectGrid.xmlobjectGridDeployment.xml という名前を付ける必要があります。 アプリケーション・サーバーが始動すると、eXtreme Scale は、EJB および Web モジュールの META-INF ディレクトリーで、これらのファイルを検出します。 これらのファイルが検出された場合、Java 仮想マシン (JVM) は構成ファイルの中に定義されたデータ・グリッドのコンテナー・サーバーとして機能するとみなされます。

objectGrid.xml ファイル

objectGrid.xml ファイルは、Grid という名前の ObjectGrid を 1 つ定義します。 Grid データ・グリッドには、アプリケーションの従業員プロファイルを保管する 1 つの Map1 というマップがあります。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<objectGridConfig xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
 xsi:schemaLocation="http://ibm.com/ws/objectgrid/config ../objectGrid.xsd"
 xmlns="http://ibm.com/ws/objectgrid/config">

 <objectGrids>
        <objectGrid name="Grid" txTimeout="15">
            <backingMap name="Map1" />
        </objectGrid>
    </objectGrids>

</objectGridConfig>

objectGridDeployment.xml ファイル

objectGridDeployment.xml ファイルは、Grid データ・グリッドのデプロイ方法を指定します。 グリッドがデプロイされると、グリッドは 5 つの区画と 1 つの同期レプリカを持ちます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<deploymentPolicy xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
 xsi:schemaLocation="http://ibm.com/ws/objectgrid/deploymentPolicy ../deploymentPolicy.xsd"
 xmlns="http://ibm.com/ws/objectgrid/deploymentPolicy">

    <objectgridDeployment objectgridName="Grid">
        <mapSet name="mapSet" numberOfPartitions="5" minSyncReplicas="0" maxSyncReplicas="1" >
            <map ref="Map1"/>
        </mapSet>
    </objectgridDeployment>

</deploymentPolicy>

レッスンのチェックポイント

このレッスンでは、チュートリアル用のトポロジーについて学習し、構成ファイルと サンプル・アプリケーションを環境に追加しました。

コンテナー・サーバーの自動始動について詳しくは、コンテナー・サーバーの自動始動のための WebSphere Application Server アプリケーションの構成を参照してください。
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