統計の概説

WebSphere® eXtreme Scale での統計は、内部統計ツリーに作成されます。 内部ツリーからは、StatsAccessor API、Performance Monitoring Infrastructure (PMI) モジュール、および MBean API が作成されます。

次の図は、WebSphere eXtreme Scale の統計の一般的なセットアップを示しています。

図 1. 統計の概説
アプリケーションは、WebSphere PMI、StatsAccessor API、MBean API を使用して統計データにアクセスできます。
これらの API のそれぞれは統計ツリーに対するビューを提供しますが、使用される理由は異なります。

統計 API

ツリー・マップに非常によく似ており、特定のモジュールを取得するための対応するパスおよびキー、すなわちこの場合は細分度または集約レベルがあります。例えば、ツリー 内に常に任意のルート・ノードがあって、「accounting」という名前の ObjectGrid に属している「payroll」という名前 のマップに関して統計が収集されると想定します。 例えば、マップの集約レベルまたは細分度についてモジュールにアクセスするには、パスの String[] を渡すことができます。この場合、各 String がノードのパスを表わすので、これは String[] {root, "accounting", "payroll"} と同等です。この構造の利点は、ユーザーがパス内のどのノードにも配列を指定でき、そのノードの集約レベルを取得できるという点です。このため、String[] {root, "accounting"} を渡すと、マップ統計が取得されますが、これは「accounting」というグリッド全体に対するものです。これにより、ユーザーは、モニターする統計のタイプを、アプリケーションに必要などのような集約レベルでも指定できます。

WebSphere Application Server PMI モジュール

WebSphere eXtreme Scale には、WebSphere Application Server PMI で使用するための統計モジュールが組み込まれています。WebSphere Application Server プロファイルが WebSphere eXtreme Scale で拡張されると、拡張スクリプトにより WebSphere eXtreme Scale モジュールが自動的に WebSphere Application Server 構成ファイルに統合されます。 PMI を使用すると、統計モジュールを使用可能および使用不可にしたり、さまざまな細分度で統計を自動的に集約したり、また組み込み Tivoli® Performance Viewer を使用してデータをグラフ化することさえできます。詳しくは、WebSphere Application Server PMI によるモニターを参照してください。

ベンダー製品と Managed Bean (MBean) との統合

eXtreme Scale API および Managed Bean は、 サード・パーティーのモニタリング・アプリケーションと簡単に統合できるように設計されて います。eXtreme Scale トポロジーに関する情報を分析するために使用できる単純な Java Management Extensions (JMX) コンソールの例のいくつかとして、JConsole や MC4J があります。またプログラマチック API を使用して、eXtreme Scale パフォーマンスのスナップショットを作成するか、そのパフォーマンスを追跡するアダプター実装を作成することもできます。WebSphere eXtreme Scale には、すぐに使用可能なモニター機能を持つサンプルのモニター・アプリケーションが含まれており、拡張したカスタム・モニター・ユーティリティーを作成するためのテンプレートとしてこれを使用できます。
図 2. MBean の概説
詳しくは、サンプル: xsadmin ユーティリティーを参照してください。特定のベンダー・アプリケーションとの統合について詳しくは、以下のトピックを参照してください。