トランザクション処理の概要

WebSphere® eXtreme Scale は、データとの相互作用のメカニズムとしてトランザクションを使用します。

データとの相互作用のために、アプリケーション内のスレッドは、独自のセッションを必要とします。 アプリケーションがスレッド上で ObjectGrid を使用する必要がある場合、ObjectGrid.getSession メソッドの 1 つを呼び出してセッションを取得します。このセッションを使用すると、アプリケーションは ObjectGrid マップに保管されているデータの処理を行うことができます。

アプリケーションが Session オブジェクトを使用する場合、そのセッションはトランザクションのコンテキスト内にある必要があります。 Session オブジェクトに対する begin メソッド、commit メソッド、および rollback メソッドにより、トランザクションは、開始してコミット、あるいは開始してロールバックを行います。 また、アプリケーションは自動コミット・モードで動作することも可能で、この場合、マップに対する操作が実行されるたびに、Session は自動的にトランザクションを開始してコミットします。 自動コミット・モードでは複数の操作を単一トランザクションにグループ化することはできないため、複数操作のバッチを作成して単一トランザクションにする場合は、自動コミット・モードの方が時間がかかるオプションです。 ただし、単一の操作しか含まないトランザクションの場合は、自動コミット・モードの方が速いオプションになります。

アプリケーションがセッションを終了したときは、オプションの Session.close() メソッドを使用してセッションを閉じます。 セッションを閉じると、セッションがヒープから解放され、getSession() メソッドの後続の呼び出しの再利用が可能となるため、パフォーマンスが向上します。