z/OS ログ・ストリーム

z/OS® システム・ロガーは、ログ・ストリームと呼ばれるデータを収集します。このデータをローカル・ストレージ・バッファーおよびシスプレックス・カップリング・ファシリティーに書き込むか、または DASD に書き込んで、長期保管します。ログ・ストリームは、特定のアプリケーションで、高性能なロギングを提供します。

ログ・ストリームの一般情報については、「z/OS MVS シスプレックスのセットアップ」(SA88-8591) を参照してください。

WebSphere® Application Server for z/OS では、以下のタイプのデータのログ・ストリームを使用することができます。
  • WebSphere Application Server エラー・ログのデータ。このデータをプリント・データ・セットの代わりにログ・ストリームにルーティングすることができます。
  • WebSphere Application Server トランザクション・ログのデータ。このデータを階層ファイル・システム (HFS) データ・セットの代わりにログ・ストリームにルーティングすることができます。
  • WebSphere Application Server の Session Initiation Protocol (SIP) リカバリー・ログのデータ。ログ・ストリームにルーティングされます。

WebSphere Application Server エラー・ログ

WebSphere Application Server エラー・ログは、詳細なランタイム・エラーおよび状況メッセージを記録するために使用します。ras_log_logstreamName 変数が設定されている場合は、エラー・ログ・メッセージは、指定された z/OS ログ・ストリームに書き込まれます。ras_log_logstreamName 変数が設定されていない場合、または指定されたログ・ストリームが存在しない場合は、エラー・ログ・レコードは、STDERR に書き込まれます。

WebSphere Application Server エラー・ログを z/OS ログ・ストリームに送信することの主なメリットは、複数のサーバーおよびサーバント領域のエラー・ログを統合できることです。カップリング・ファシリティーにエラー・ログ・ストリームを配置した場合、同じシスプレックス内のさまざまなシステムのエラー・ログを統合することもできます。

WebSphere Application Server for z/OS には、エラー・ログ・ストリームを作成する、以下のサンプル・ジョブがあります。
BBOERRLC
WebSphere Application Server エラー・ログのカップリング・ファシリティー・ログ・ストリームを作成します
BBOERRLD
WebSphere Application Server エラー・ログの DASD 専用ログ・ストリームを作成します
copyZOS.sh スクリプトを使用して、これらのジョブを区分データ・セットに書き込みます。

ログ・ストリームの作成後、スクリプトまたは管理コンソールを使用して、ras_log_logstreamName 変数に、出力を新規作成のログ・ストリームに送るすべてのサーバーのログ・ストリーム名を設定します。

SBBOEXEC プロファイル・データ・セット内にある BBORBLOG スクリプトを使用して、エラー・ログを表示します。 詳細については、インフォメーション・センターにある「ログ・ブラウズ・ユーティリティーを使用した、エラー・ログ内容の表示」トピックを参照してください。

トランザクション XA パートナー・ログ

WebSphere Application Server トランザクション XA パートナー・ログは、トランザクション (JTA) 情報を記録するために使用されます。この情報は、特定のサーバーのトランザクション・ディレクトリー・ファイルの設定によって、HFS ファイルまたは z/OS ログ・ストリームに書き込まれます。
  • トランザクション・ディレクトリー値が dir://directory_name の場合、指定されたファイル・システム・ディレクトリーがトランザクション情報の保管に使用されます。
  • トランザクション・ディレクトリー値が logstream://logstream_name の場合、トランザクション情報は指定されたログ・ストリームに書き込まれます。
デフォルトでは、dir://app_server_root/tranlog/server_name になっています。

WebSphere Application Server トランザクション・ログの z/OS ログ・ストリームを使用してそのログ・ストリームをカップリング・ファシリティーに配置することによって、システム間の再始動操作のパフォーマンスを向上させることができます。

WebSphere Application Server for z/OS は、以下のサンプル・ジョブを SBBOJCL 製品データ・セットで提供して、トランザクション・ログ・ストリームを作成します。
BBOTXALC
WebSphere Application Server トランザクション・ログのカップリング・ファシリティー・ログ・ストリームを作成します
BBOTXALD
WebSphere Application Server トランザクション・ログの DASD 専用ログ・ストリームを作成します
copyZOS.sh スクリプトを使用して、これらのジョブを区分データ・セットに書き込みます。

ログ・ストリームの作成後、管理コンソールを使用して、サーバーのトランザクション・サービス設定の構成タブ (「サーバー」>「サーバー・タイプ」>「WebSphere Application Server」>「server_name」>「コンテナー・サービス」>「トランザクション・サービス」) で、個々のサーバーのトランザクション・ログを logstream://logstream_name に設定してから、サーバーを再始動します。詳細については、インフォメーション・センターにある「トランザクション・サービス設定」トピックを参照してください。

注: アプリケーション・サーバーを Network Deployment セルに統合する場合は、既存のトランザクション・エラーをすべてクリアする必要があります。 トランザクションのロギングが z/OS ログ・ストリームに対して行われている場合、アプリケーション・サーバーのシャットダウン後にサーバーのトランザクション・ログ・ストリームを削除し、新しく統合されたアプリケーション・サーバーを開始する前にそれを再作成してください。

SIP リカバリー・ログ・ストリームの作成

Network Deployment セル構成で、複数の LPAR に複製パートナーがある場合は、カップリング・ファシリティーに SIP リカバリー・ログ・ストリームが存在している必要があります。DASD リカバリー・ログ・ストリームは、すべての複製パートナーが同じ LPAR 上にある場合にのみ使用できます。

SIP ログ・ストリームの名前は、次のような 極めて特殊なパターンに従う必要があります。セル名E. サーバー名.D およびセル名.サーバー名.M です。

ログ・ストリームが満杯であるか、破損していることを示すエラーが発生する場合があります。この場合、ログ・ストリームの削除および再定義が必要になる場合があります。以下に、これらのアクションの実行に使用できるジョブの例を示します。

ログ・ストリームの削除:
//DEFLOGA  JOB MSGLEVEL=(1,1),MSGCLASS=H,NOTIFY=&SYSUID,REGION=0M 
//*                            
//LOGDEFN  EXEC PGM=IXCMIAPU,REGION=4M      
//SYSPRINT DD   SYSOUT=*
//*                            
//SYSIN    DD   *
     DATA TYPE(LOGR)                                   
     DELETE LOGSTREAM          
     NAME(WT0CELL.WT0S000.M)   
     DELETE LOGSTREAM          
     NAME(WT0CELL.WT0S000.D)   
     DELETE LOGSTREAM          
     NAME(WT0CELL.WT0S001.M)   
     DELETE LOGSTREAM          
     NAME(WT0CELL.WT0S001.D)
/* 
ログ・ストリームの再作成:
//DEFLOGA  JOB MSGLEVEL=(1,1),MSGCLASS=H,NOTIFY=&SYSUID,REGION=0M  
//*                                
//LOGDEFN  EXEC PGM=IXCMIAPU,REGION=4M             
//SYSPRINT DD   SYSOUT=*
//*                                
//SYSIN    DD   *
     DATA TYPE(LOGR)                                   
     DEFINE LOGSTREAM 
     NAME(WT0CELL.WT0S000.M)
     DASDONLY(YES)
     HLQ(LOCAL) MODEL(NO)
     LS_SIZE(2048)
     STG_SIZE(2048)
     LOWOFFLOAD(60)
     HIGHOFFLOAD(80)
     DEFINE LOGSTREAM
     NAME(WT0CELL.WT0S000.D)     
     DASDONLY(YES)
     HLQ(LOCAL) MODEL(NO)
     LS_SIZE(2048)
     STG_SIZE(2048)
     LOWOFFLOAD(60) 
     HIGHOFFLOAD(80)
     DEFINE LOGSTREAM
     NAME(WT0CELL.WT0S001.M)
     DASDONLY(YES)
     HLQ(LOCAL) MODEL(NO)
     LS_SIZE(2048)
     STG_SIZE(2048)
     LOWOFFLOAD(60) 
     HIGHOFFLOAD(80)
     DEFINE LOGSTREAM
     NAME(WT0CELL.WT0S001.D)
     DASDONLY(YES)
     HLQ(LOCAL) MODEL(NO)
     LS_SIZE(2048)
     STG_SIZE(2048)
     LOWOFFLOAD(60)    
     HIGHOFFLOAD(80)       
/*     
//

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http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-zos&topic=cins_logstrm
ファイル名:cins_logstrm.html