Virtual member manager
によって提供される単一モデルは、IBM® のカスタマーが独自のカスタマー・データの単一ビューを実現するのを支援します。
Virtual member manager
は、組織エンティティーのデータを共有するために WebSphere
およびカスタマー・アプリケーションの共通 API を提供します。共有するためのキーは、共通 API を使用できるほど多くはありませんが、代わりにデータの共通モデルを使用
することができます。共通モデルとは、同じデータを使用し、そのデータを同じ方法で解釈することを意味します。
Virtual member manager は、さまざまなアプリケーションをサポートする必要があります。現在多くのアプリケーションは、組織エンティティーを
管理するための独自のコンポーネントを持ち、その結果として組織エンティティーのそれら独自のモデルを持っています。
Virtual member manager からの共通モデルは、このようなさまざまなアプリケーションによって使用されるモデルを収束します。
Virtual member manager は、
適応や変換の実行を、主としてリポジトリー・アダプターに依存しています。しかし、
リポジトリー・アダプターの機能には制限があります。
例えば、業務上または技術上の理由で既存のリポジトリーが Virtual member manager
のモデルのエンティティー・タイプをサポートできないときに、Virtual member manager
のアプリケーションがそのエンティティー・タイプを必要としている場合には、
そのリポジトリー・アダプターは新しいエンティティー・タイプのエントリーを保管するために使用可能な追加のリポジトリーを持つ必要があります。同じ制限はプロパティー・レベルで適用されます。既存のリポジトリーで
一部のプロパティーが使用できない場合には、既存のリポジトリーを補うために別のリポジトリーを使用できなければなりません。
既存のリポジトリーには、次の 2 種類のデータ・カテゴリーが存在します。
- 既存のリポジトリーで提供できるデータ (すなわち、エントリーおよびそれらのプロパティー)。
このようなデータは、そのリポジトリー・アダプターによって Virtual member manager のモデルに適応させることができます。
- 既存のリポジトリーで提供できないが、
Virtual member manager のアプリケーションが必要としているデータ (すなわち、エントリーおよびそれらのプロパティー)。
このようなデータは、別のリポジトリーに保管する必要があります。これは既存のデータではないので、適応または変換の量が最小に
なるような方法で保管することができます。
追加のリポジトリーが必要な場合には、Virtual member manager
は考えられる次の 2 つの解決方法を提供します。
- Virtual member manager によって提供された、
すぐに使用できる限定されたデータ統合機能。Virtual member manager は、
エントリー・レベルの結合およびプロパティー・レベルの結合を実行するように構成できます。
エントリー・レベルの結合は、既存のリポジトリーが一定のエンティティーをサポートできない
(例えば、カスタマーの LDAP ディレクトリーが読み取り専用で、ディレクトリーに追加のグループを作成できない)
場合に役立ちます。データベース・リポジトリーは、既存のリポジトリーを補足して、追加のグループ
を保管するために使用できます。プロパティー・レベルの結合は、既存のリポジトリーがエンティティーの一定のプロパティーを
サポートできない (例えば、カスタマーの LDAP ディレクトリーが読み取り専用で、
個人およびグループ・エントリーの追加のプロパティーを許可しない) 場合に役立ちます。
Virtual member manager のリポジトリーは、この場合に追加のプロパティーを保管するために使用できます。
Virtual member manager は、単一エントリーのすべてのプロパティーを
(プロパティー拡張とメイン・リポジトリーの両方から) 収集して、
それらを論理エントリーの 1 つとして Virtual member manager のアプリケーションに渡すことができます。
アプリケーションは、プロパティーが 2 つの異なる場所からきていることを知りません。
- Virtual member manager
とのデータ統合および同期化を専門とする製品の使用。より進んだデータ統合が必要な場合には、
IBM Tivoli® Directory Integrator または WebSphere Information Integrator などの製品を使用することができます。このような製品は、
複数のリポジトリーからのデータを、異なる方法で結合、調整、および同期化できる拡張機能を提供します。IBM Tivoli Directory Integrator と WebSphere Information Integrator の両方が、Virtual member manager
に単一リポジトリーのイメージを渡します。