リソース・リカバリー・サービス (Resource Recovery Services) (RRS) の準備

WebSphere® Application Server for z/OS® は、リソース・リカバリー・サービス (Resource Recovery Services) (RRS) を使用して、2 フェーズ・トランザクション・コミットをサポートしています。

このタスクについて

注: RRS は、 WebSphere Application Server for z/OS サーバーが開始される前に、稼働中になっていなければなりません。詳しくは、「z/OS MVS プログラミング : リソース・リカバリー」(SA88-8582) を参照してください。

通常、シスプレックスのシステムはすべて、同期点処理の RRS ログの共通セットを共有します。 同期点処理用にシスプレックスの特定のシステムを関連付けたい場合、 RRS を開始するときに、ログ・グループ名を指定することができます。 デフォルトのログ・グループ名はシスプレックス名です。RRS を開始するときに、異なるログ・グループ名を指定する場合、 同じ RRS ログ・グループ名を使用するシスプレックス内のすべてのシステムを使用して、 同期点処理を調整します。

RRS は、ログ・グループのシステムが共有する 5 つのログ・ストリームを使用します。RRS を実行するすべての MVS™ イメージは、 カップリング・ファシリティーおよび DASD へのアクセスを必要とし、 その上で、そのログ・グループのシステム・ロガー・ログ・ストリームが定義されます。
注: RRS ログ・ストリームは、 カップリング・ファシリティーのログ・ストリームとして、または DASD 専用ログ・ストリームとして定義することができます。

カップリング・ファシリティーのログ・ストリームを使用する場合、 シスプレックス内の異なるシステム上の RRS イメージは独立して稼働しますが、作業を追跡するために ログ・ストリームを共有します。ストリームが失敗した場合、シスプレックス内の異なるシステム上の RRS の インスタンスは、共有ログを使用して、失敗したシステムの作業を引き継ぐことができます。

DASD 専用ログ・ストリームは、RRS イメージが 1 つだけの単一システム・シスプレックス、 または RRS イメージ間で情報が共有されないシスプレックスでのみ使用します。

次のリストは RRS ログをまとめたものです。このリストで、lgname はログ・グループ名です。デフォルトのログ・グループ名はシスプレックス名です。
ATR.lgname.ARCHIVE
完了したリカバリー単位 (UR) に関する情報。 このログ・ストリームは推奨ですが、オプションです。
ATR.lgname.RM.DATA
RRS サービスを使用するリソース・マネージャーに関する情報。
ATR.lgname.MAIN.UR
活動中の UR の状態。RRS は UR の完了が遅延した場合、この情報を定期的に RRS 遅延 UR 状態ログに移動します。
ATR.lgname.DELAYED.UR
UR の完了が遅延した場合の、活動中の UR の状態。
ATR.lgname.RESTART
再始動で必要となる、不完全な UR に関する情報。この情報により、 機能 RRS インスタンスは、障害を起こした RRS インスタンスで残された不完全な作業を引き継ぐことが可能になります。

複数システム・シスプレックスで、RRS ログ・ストリームは通常、 カップリング・ファシリティーにあります。

WebSphere Application Server for z/OS の RRS トランザクション・ログはすべて、 DELAYED.UR ログ・ストリームだけに生じます。 その場合でも、新規コンテナー、または WebSphere Application Server for z/OS インフラストラクチャーの変更をデプロイする場合に備えて、 実稼働ワークロードを処理できるように、MAIN.UR ログ・ストリームを構成することがあります。WebSphere Application Server for z/OS は、RM.DATA または RESTART ログに大きな影響を与えることはありません。

以下のステップを使用して、RRS を構成します。

手順

  1. RRS カタログ式プロシージャー、ATRRRS を、SYS1.SAMPLIB から SYS1.PROCLIB (または、MSTJCLxx 連結内の別の proclib) へコピーし、それを RRS にリネームします。

    必要な場合は、RRS カタログ式プロシージャーのログ・グループ名 (GNAME) を 特定の値に設定することができます。ただし、いくつかのシステム間で ATRRRS proc を共有する場合、RRS 開始時にログ・グループ名を設定するか、 IEASYMxx 内のシステム変数を使用して、各システムの RRS ログ・グループ名を設定する方がよい場合があります。

  2. RRS アドレス・スペースのディスパッチング優先順位の設定

    RRS のディスパッチング優先順位を制御する最良の方法は、ワークロード・マネージャー (WLM) を通じて行います。IBM® は、RRS を SYSSTC サービス・クラスに入れることをお勧めします。 ユーザーが選択するサービス・クラスは、RRS を使用するアプリケーションおよびリソース・マネージャーの ディスパッチング優先順位より高いか等しいディスパッチング優先順位を RRS に提供しなければなりません。 SYSSTC は通常、これを達成します。システム提供サービス・クラスに関する情報は、 「z/OS MVS 計画: ワークロード管理」(SA88-8574) を参照してください。

  3. RRS をサブシステムとして定義します。
    次のステートメントを 活動中の IEFSSNxx parmlib メンバーに配置します。
    SUBSYS SUBNAME(RRS)
    このステートメントを、1 次サブシステムを定義するステートメントの後に配置します。 サブシステム名 (RRS) は、RRS カタログ式プロシージャーの名前と一致しなければなりません。 IEFSSNxx について詳しくは、「z/OS MVS 初期設定およびチューニング 解説書」(SA88-8564) を参照してください。
    注: RRS は動的サブシステム定義をサポートしないため、 SETSSI ADD,SUBNAME=RRS コマンドを使用して RRS をサブシステムとして定義することはできません。 このコマンドが成功したように見える場合でも、以降の RRS を開始しようとすると障害が発生します。
  4. RRS ログ・ストリームをセットアップします。
  5. RRS を開始します。
    • 特定ログ・グループ名「lgname」で RRS を開始するには、以下の MVS コンソール・コマンドを入力します。
      START RRS,GNAME=lgname
    • RRS を停止するには、 次の MVS コンソール・コマンドを入力します。
      SETRRS CANCEL
      注: WebSphere Application Server for z/OS サーバーの実行中は、RRS を停止してはいけません。

次のタスク

RRS のセットアップおよび実行について詳しくは、「z/OS MVS プログラミング: リソース・リカバリー 」(SA88-8582) を参照してください。

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