z/OS オペレーティング・システムへのインテリム・フィックスおよびフィックスパックのインストール

製品フィックスパックには、WebSphere® Application Server を新しい製品レベルに上げるためのバンドル済みサービスが含まれています。インテリム・フィックスでは、特定の既知の問題に対する修正サービスを提供します。 IBM® Installation Manager を使用して、WebSphere Application Server バージョン 9.0 のご使用のサービス・レベルで利用できるフィックスで、本製品を更新することができます。

始める前に

WebSphere Application Server for z/OS® のアップグレードについては、IBM ソフトウェア・サポート・センターにお問い合わせください。 アップグレードについて詳しくは、「WebSphere Application Server for z/OS: Program Directory」を参照してください。最新の情報は、IBM ソフトウェア・サポー ト・センターおよび Fix Central から入手できます。

IBM Installation Manager を使用して、WebSphere Application Server for z/OS に対する製品保守を適用します。「ポスト・インストーラー」と呼ばれるスクリプトのセット (WebSphere Application Server for z/OS の一部) を使用して、必要な構成ファイル・システムの変更を行います。これが、結果として製品保守になります。

注:
  • WebSphere Application Server for z/OS バージョン 7 以前の場合、非常に影響の大きい (HIPER) APAR またはプログラム・エラー (PE) PTF には、HIPER または PE というフラグが付いていました。 これらのフラグは、一般的な製品の使用において、障害または例外を引き起こす可能性のある問題を示していました。 PTF を適用する場合、SMP/E は、HIPER または PE の問題が含まれる PTF レベルを適用しようとすると警告を出しました。 これにより、その PTF を手動でバイパスしたり、HIPER もしくは PE が解決された PTF レベルに上昇させることができました。
  • WebSphere Application Server Version 8.0 で導入されたパッケージとインストールの変更により、バージョン 8.0 以上に対して取り上げられる APAR には、HIPER または PE のフラグが立たなくなりました。代わりに、これまで HIPER とみなされていた可能性のある APAR は、 FLASH 通知を介してカスタマー認識に引き上げられます。FLASH 通知を確実に受け取るために、WebSphere Application Server サポート Web サイト の「通知」セクションを使用して通知サブスクリプションを申し込んで管理する必要があります。

    これまで PE の フラグが立てられていた可能性のある APAR は、影響を受けるレベルのフィックスパック Web ページのトップ付近にある表に追加されます。また、部分フィックスの場合、そのフィックスが回帰または「MDVPARTL」を修正する場合は、修正を行う APAR の「特殊アクティビティー」フィールドが「MDVREGR」で更新されます。問題が非常に広範囲 なものである場合は、FLASH 通知も送信されます。

ヒント: インフォメーション・センターのこのセクションにある、ほとんどすべての説明が IBM Installation Manager の前の各バージョンで機能しますが、ここに記載された情報は、Installation Manager バージョン 1.8 以降をインストールしているか、またはこれらのバージョンにアップグレードしているユーザー用に最適化されています。

手順

  1. Installation Manager を使用して、製品データ・セットおよびファイル・システム構造に必要な保守を適用します。
    1. WebSphere Application Server バージョン 9.0 で利用できるフィックスのリスト、および各フィックス固有の情報を入手するには、以下の操作を実行します。
      1. Fix Central にアクセスします。
      2. 製品グループで、WebSphere を選択します。
      3. 製品で、WebSphere Application Server を選択します。
      4. 更新する製品のバージョン (9.x.x.x) を選択します。
      5. プラットフォームで、使用するオペレーティング・システムを選択し、「次へ進む」をクリックします。
      6. 「フィックスの参照」を選択して、「次へ進む」をクリックします。
      7. 各フィックスの下の「詳細情報」をクリックすると、フィックスに関する情報が表示されます。
      8. 推奨: インストールするフィックスの名前のリストを作成します。
    2. 以下のいずれかの手順を使用してフィックスで WebSphere Application Server バージョン 9.0 を更新します。
      • インテリム・フィックスまたはフィックスパックで製品を更新するには、フィックスが含まれたライブ・サービス・リポジトリーにアクセスして、Web ベースの更新を使用します。
        ローカル・システムで Installation Manager を使用して、ライブ Web ベース・サービス・リポジトリーからのインテリム・フィックスで WebSphere Application Server バージョン 9.0 を更新します。
        • ライブ・サービス・リポジトリーの場合、インストール時に一般出荷可能な製品オファリング・リポジトリー用に使用される URL と同じものを使用します。 これらの URL は、次のパターンに基づいています。
          http://www.ibm.com/software/repositorymanager/offering_ID
          ここで、offering_ID は、サポートされるオペレーティング・システム用の WebSphere Application Server の製品オファリング 内にあるオファリング ID です。
        • これらのロケーションには、Web ブラウザーを使用してアクセスできる Web ページはありません。 これらは、Installation Manager で製品を保守できるように、これに指定する Web ベースのリモート・リポジトリーのロケーションです。
        サービス・リポジトリーからフィックスをインストールするには、以下の操作を実行します。
        1. 製品ファイル・システムを、そのファイル・システムが Installation Manager を使用して元々マウントされていたパスに読み取りおよび書き込み操作用でマウントします。
        2. IBM ソフトウェアのユーザー ID とパスワードを含む Installation Manager クレデンシャル・ストレージ・ファイルをまだお持ちでない場合、リポジトリーへのアクセスを許可するクレデンシャル・ファイルを作成してください。
          注: これらは、保護された IBM ソフトウェア Web サイトにアクセスするために使用するクレデンシャルです。
          鍵リングを作成するか、または鍵リングに他のクレデンシャルを追加するには、次のように imutilsc saveCredential コマンドを使用します。
          imutilsc saveCredential 
            -secureStorageFile storage_file
            -userName IBM_software_ID
            -userPassword IBM_software_password
            -url repository_URL

          imutilsc saveCredential コマンドについては、IBM Installation Manager の資料を参照してください。

          ヒント: ストレージ・ファイルの作成時、imutilsc コマンドを実行しても指定された URL が見つからない場合は、リポジトリーの URL ロケーションの最後に /repository.config を追加します。
        3. Installation Manager のユーザー ID で、以下の操作を実行します。
          1. Installation_Manager_binaries/eclipse/tools ディレクトリーに移動します。 Installation_Manager_binaries は、Installation Manager のインストール・ルート・ディレクトリーです。
          2. フィックスをインストールします。
            インテリム・フィックスをインストールするには、次のコマンドを使用します。
            imcl install fix_name
              -installationDirectory product_installation_location
              -repositories repository_URL
              -secureStorageFile storage_file
            フィックスパックをインストールするには、次のコマンドを使用します。
            imcl install offering_ID_offering_version
              -installationDirectory product_installation_location
              -repositories repository_URL
              -secureStorageFile storage_file
              -acceptLicense          
            ヒント:
            • offering_ID は、サポートされるオペレーティング・システム用の WebSphere Application Server の製品オファリングにリストされているオファリング ID です。
            • オファリング ID にアンダースコアー付きで追加可能な (オプション) offering_version は、インストール対象のオファリングの特定のバージョンを表します。(例えば、9.0.0.20160503_0200 など)。
              • offering_version が指定されていない場合、最新バージョンのオファリングとそのバージョンのすべてのインテリム・フィックスがインストールされます。
              • offering_version が指定されている場合、指定されたバージョンのオファリングがインストールされ、そのバージョンのインテリム・フィックスはインストールされません
              オファリング・バージョンは、リポジトリーに対して以下のコマンドを実行した場合に、オファリング ID の最後にアンダースコアー付きで追加されています。
              imcl listAvailablePackages -repositories source_repository
            • どのインテリム・フィックスをオファリングと共にインストールするかを示す -installFixes 引数に、nonerecommended、または all を指定することもできます。
              • オファリング・バージョンが指定されていない場合、-installFixes オプションは、デフォルトの all に設定されます。
              • オファリング・バージョンが指定されている場合、-installFixes オプションは、デフォルトの none に設定されます。
          3. オプション: 以下により、すべてのインストール済みパッケージをリストしてインストールを確認します。
            imcl listInstalledPackages -long
      • インテリム・フィックスまたはフィックスパックで製品を更新するには、Fix Central からフィックスが含まれたファイルをダウンロードしてローカル更新を使用します。
        Fix Central からは、フィックスが含まれた圧縮ファイルをダウンロードすることができます。 圧縮された個々のフィックス・ファイルには、フィックス用の Installation Manager リポジトリーが含まれており、通常 .zip の拡張子が付いています。 フィックス・ファイルをダウンロードした後に、Installation Manager を使用してフィックスで WebSphere Application Server バージョン 9.0 を更新することができます。
        1. フィックスをダウンロードするには、以下の操作を実行します。
          1. Fix Central にアクセスします。
          2. 製品グループで、WebSphere を選択します。
          3. 製品で、WebSphere Application Server を選択します。
          4. 更新する製品のバージョン (9.x.x.x) を選択します。
          5. プラットフォームで、使用するオペレーティング・システムを選択し、「次へ進む」をクリックします。
          6. 「フィックスの参照」を選択して、「次へ進む」をクリックします。
          7. ダウンロードするフィックスを選択して、「次へ進む」をクリックします。
          8. ダウンロード・オプションを選択して、「次へ進む」をクリックします。
          9. ご使用条件に同意する場合は、「同意します」をクリックします。
          10. 「今すぐダウンロード」をクリックして、フィックスをダウンロードします。
          11. 圧縮されたフィックス・ファイルを、それらをインストールする z/OS システムにバイナリー形式で転送します。
          12. フィックスパックをインストールする場合は、システム上の任意のディレクトリーに圧縮されたリポジトリー・ファイルを解凍します。
        2. ダウンロードしたファイルからフィックスをインストールするには、以下の操作を実行します。
          1. 製品ファイル・システムを、そのファイル・システムが Installation Manager を使用して元々マウントされていたパスに読み取りおよび書き込み操作用でマウントします。
          2. Installation Manager のユーザー ID で、以下の操作を実行します。
            1. Installation_Manager_binaries/eclipse/tools ディレクトリーに移動します。 Installation_Manager_binaries は、Installation Manager のインストール・ルート・ディレクトリーです。
            2. フィックスをインストールします。
              インテリム・フィックスをインストールするには、次のコマンドを使用します。
              imcl install fix_name 
                 -installationDirectory product_installation_location
                 -repositories compressed_file
              フィックスパックをインストールするには、次のコマンドを使用します。
              imcl install offering_ID_offering_version
                -installationDirectory product_installation_location
                -repositories location_of_expanded_files
                -acceptLicense          
              ヒント:
              • offering_ID は、サポートされるオペレーティング・システム用の WebSphere Application Server の製品オファリングにリストされているオファリング ID です。
              • オファリング ID にアンダースコアー付きで追加可能な (オプション) offering_version は、インストール対象のオファリングの特定のバージョンを表します。(例えば、9.0.0.20160503_0200 など)。
                • offering_version が指定されていない場合、最新バージョンのオファリングとそのバージョンのすべてのインテリム・フィックスがインストールされます。
                • offering_version が指定されている場合、指定されたバージョンのオファリングがインストールされ、そのバージョンのインテリム・フィックスはインストールされません
                オファリング・バージョンは、リポジトリーに対して以下のコマンドを実行した場合に、オファリング ID の最後にアンダースコアー付きで追加されています。
                imcl listAvailablePackages -repositories source_repository
              • どのインテリム・フィックスをオファリングと共にインストールするかを示す -installFixes 引数に、nonerecommended、または all を指定することもできます。
                • オファリング・バージョンが指定されていない場合、-installFixes オプションは、デフォルトの all に設定されます。
                • オファリング・バージョンが指定されている場合、-installFixes オプションは、デフォルトの none に設定されます。
            3. オプション: 以下により、すべてのインストール済みパッケージをリストしてインストールを確認します。
              imcl listInstalledPackages -long
      • フィックスパックで製品を更新するには、SMP/E 管理リポジトリーにフィックスパック PTF を適用してローカル更新を使用します。

        基本製品が含まれた SMP/E 管理リポジトリーに製品の新しいフィックスパック・レベルを追加することができます。これは、そのフィックスパック用の PTF をこのリポジトリーに適用することによって行います。 利用できるフィックスパックおよび PTF のリストについては、WebSphere Application Server for z/OS のサービス・ページを参照してください。PTF をインストールすると、Installation Manager を使用して WebSphere Application Server バージョン 9.x をその新しいフィックスパックで更新することができます。

        1. WebSphere Application Server バージョン 9.0 リポジトリー (FMID HBBO900) にフィックスパック用の PTF を適用します。
        2. 次のアクションを実行します。
          1. 製品ファイル・システムを、そのファイル・システムが Installation Manager を使用して元々マウントされていたパスに読み取りおよび書き込み操作用でマウントします。
          2. Installation Manager のユーザー ID で、以下の操作を実行します。
            1. Installation_Manager_binaries/eclipse/tools ディレクトリーに移動します。 Installation_Manager_binaries は、Installation Manager のインストール・ルート・ディレクトリーです。
            2. imcl install コマンドを使用して、新しい製品フィックスパック・レベルをインストールします。 例:
              imcl install com.ibm.websphere.zOS.v90_offering_version
                -installationDirectory product_installation_location
                -repositories /usr/lpp/InstallationManagerRepository/HBBO900
                -acceptLicense
              ヒント:
              • offering_version は、リポジトリーに対して以下のコマンドを実行した場合に、オファリング ID の最後にアンダースコアー付きで追加されています。以下に例を示します。
                imcl listAvailablePackages 
                  -repositories /usr/lpp/InstallationManagerRepository/HBBO900
              • この製品が WebSphere Application Server バージョン 9.0 での使用のためにインストールされる場合、この製品は WebSphere Application Server 製品ファイル・システムにインストールされます。
            3. オプション: 以下により、すべてのインストール済みパッケージをリストしてインストールを確認します。
              imcl listInstalledPackages -long

    WebSphere Application Server の更新について詳しくは、z/OS での製品の更新を参照してください。

  2. 製品ファイル・システムを実動ロケーションで再マウントします。

    このファイル・システムは、通常読み取り専用でマウントされます。

  3. フィックスまたは APAR カバー・レターの指示どおりに、他のすべてのマイグレーション・アクションを実行します。
  4. ご使用のサーバー (複数の場合あり) を始動して、必要なポストインストール・タスクを完了させます。

    サーバーの始動時に、構成ファイル・システムを新しいサービス・レベルに更新するために、 ポスト・インストーラーが各ノードに対して自動的に実行されます。

    注: Network Deployment セル内では、デプロイメント・マネージャー・ノードは、セルのアプリケーション・サーバー・ノードと同じサービス・レベルか、またはそれよりも後のサービス・レベルである必要があります。 デプロイメント・マネージャー・ノードを新しいサービス・レベルに必ずアップグレードしてください。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



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ファイル名:tins_install_fixes_z.html