ジョブ・マネージャーとコマンド行を使用したバージョン 9.0 製品のインストール

柔軟な管理環境では、ジョブ・マネージャーを使用して、応答ファイルとコマンド行による IBM WebSphere® Application Server のインストール、更新、およびアンインストールができます。

始める前に

ジョブ・マネージャーを使用して WebSphere Application Server をインストールする前に、プライマリー・マシンに WebSphere Application Server バージョン 9.0 がインストールされていることを確認してください。

注: Installation Manager をインストール、アンインストール、および更新する CIM ジョブは z/OS ターゲット上ではサポートされていません。CIM 管理オファリング・ジョブを使用する前に、まずは z/OS ターゲット上に Installation Manager をインストールする必要があります。

このタスクについて

WebSphere Application Server をインストールするには、 wsadmin を使用して manageOfferings コマンドを実行します。 manageOfferings コマンドは応答ファイルとセキュリティー鍵リングを使用します。 応答ファイルでは、ターゲット・マシン上の製品のインストール先ディレクトリーに対するパラメーターを設定し、ターゲット・マシン上の製品データの保管場所を指定し、製品のダウンロード元リポジトリーの URL を指定することができます。 セキュリティー・セットアップによっては、鍵リング・クレデンシャルを指定して製品リポジトリーにログインすることもできます。

集中インストール・マネージャーは、 リモート・ノードでインストール・プロセスを正常に完了した後で、 インストール・プロセス中に指定された一時ロケーションにある インストール・イメージ・ファイルを削除します。インストールが失敗した場合、 これらのファイルは一時ロケーションに残され、 インストール・エラーとなった原因をユーザーが判別する際に使用できます。 ただし、ファイルを削除しても問題はありません。

サポートされる構成 サポートされる構成: IBM Installation Manager 1.8.5 以降が必要です。sptcfg

手順

  1. ジョブ・マネージャーを開始します。 詳しくは、ジョブ・マネージャーの開始の項目を参照してください。
  2. ホストをジョブ・マネージャーに登録します。 ターゲット・マシンに製品をインストールする前に、その製品をジョブ・マネージャーに登録する必要があります。 wsadmin ツールを使用して registerHost コマンドを実行します。
    • 秘密鍵を使用してホストを登録できます。以下に例を示します。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask registerHost  {-host hostname -hostProps 
        {{privateKeyFile filename} {username root }{saveSecurity true}}}
      • Jython を使用:
        AdminTask.registerHost('[-host hostname -hostProps 
        [[username user][privateKeyFile filename][saveSecurity true]]]')
    • ユーザー名とパスワードを使用してホストを登録できます。以下に例を示します。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask registerHost {-host hostname -hostProps { {password xxxxx} 
        { username root } {saveSecurity true}}}
      • Jython を使用:
        AdminTask.registerHost('[-host hostname -hostProps [[password xxxxx][username user]
        [saveSecurity true]]]')
  3. オプション: 製品をインストールするターゲットへの接続をテストします。 ターゲット・マシンに製品をインストールする前に、接続をテストすることができます。
    • クレデンシャルを指定しないで接続をテストすると、そのテストでは既存のクレデンシャルのデフォルトが使用されます。以下に例を示します。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob {-jobType testConnection -targetList {hostname}}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob('-jobType testConnection -targetList [hostname]')
    • ユーザー名とパスワードを指定してテスト接続ジョブをサブミットすることができます。以下に例を示します。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob {-jobType testConnection -targetList 
        {hostname} -username username -password password}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob('-jobType testConnection -targetList 
        [hostname]  -username username -password password')
    • ユーザー名と秘密鍵ファイルを使用して、テスト接続ジョブをサブミットすることができます。以下に例を示します。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob {-jobType testConnection -targetList 
        {hostname} -username username -privateKeyFile private_key_filename}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob('-jobType testConnection -targetList 
        [hostname] -username username -privateKeyFile C:¥temp¥private_key_filename')
  4. オプションで、ターゲット・マシンに何がインストールされているかを確認するインベントリー・ジョブを実行することができます。
    1. ユーザー名とパスワードを使用してインベントリー・ジョブをサブミットします。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob {-jobType inventory -targetList {hostname} 
        -username username -password password}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob('-jobType inventory -targetList [hostname] 
        -username username -password password')
    2. ユーザー名とパスワードを指定しないでインベントリー・ジョブをサブミットします。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob {-jobType inventory -targetList {hostname}}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob('-jobType inventory -targetList [hostname]')
  5. オプション: ターゲット・マシン上に Installation Manager をインストールまたは更新します。

    既に Installation Manager の正しいバージョンをターゲット・マシンにインストールしている場合は、次のステップに進みます。 詳しくは、ジョブ・マネージャーを使用した Installation Manager の管理の項目を参照してください。

  6. SSH セキュリティーを使用している場合、公開鍵ファイルをインストールします。

    ジョブ・マネージャーと同じクレデンシャルを使用して、公開鍵ファイルをインストールすることができます。 このステップは、IBM i ターゲットには適用されません。

    1. installSSHPublicKey 管理タスクを実行します。例えば、以下のようにします。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob {-jobType installSSHPublicKey -targetList {target} 
        -jobParams { {publicKeyFile keyfilepath} } -description "test installSSHPublicKey"}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob ('-jobType installSSHPublicKey -targetList [target] 
        -jobParams [[publicKeyFile keyfilepath]] -description "test installSSHPublicKey"')
  7. manageOfferings コマンドの応答ファイルをセットアップします。
    1. 応答ファイルを作成します。 Installation Manager を使用して応答ファイルを作成できます。詳しくは、Installation Manager による応答ファイルの作成の項目を参照してください。
    2. 応答ファイルを編集して、ターゲット・マシンに関する情報が含まれるようにすることができます。
    3. 応答ファイルを使用して、Installation Manager に適合する任意のオファリングをインストールすることができます。 詳しくは、Installation Manager インフォメーション・センターを参照してください。
    1. 応答ファイルを filename.txt として保存します。
  8. manageOfferings コマンドを実行します。 ジョブが正常に実行されるようにするには、acceptLicense TRUE を指定する必要があります。
    1. ジョブ・マネージャー・プロファイルの bin ディレクトリーで wsadmin を開きます。
    2. wsadmin で manageOfferings コマンドを入力します。 以下に例を示します。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob {-jobType manageOfferings -targetList hostname -username user -password ******* 
        -jobParams{{responseFile <RESPONSE FILE LOCATION>} {acceptLicense TRUE} {IMPath <IM install location>} 
        {keyringFile <key ring file location>} {keyringPassword pwd} }}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob ('-jobType manageOfferings -targetList hostname -username user -password ******* 
        -jobParams[[responseFile <RESPONSE FILE LOCATION>] [acceptLicense TRUE][IMPath <IM install location>] 
        [keyringFile <key ring file location>] [keyringPassword pwd]]')
      manageOfferings コマンドは、このタスクに作成された応答ファイルをプルして、製品のインストールを開始します。
    このジョブには以下のパラメーターが必要です。
    • responseFile: (応答ファイルのパス名) このパラメーターには、ジョブ・マネージャー・マシン上のオファリング応答ファイルへの絶対パス名が含まれます。
    このジョブでは以下のパラメーターはオプションです。
    1. IMPath: (IBM Installation Manager のパス) このパラメーターにはリモート・マシン上の IBM Installation Manager の絶対パスが含まれます。 リモート・マシン上に Installation Manager のインスタンスが複数ある場合は、このパラメーターを使用します。インストールされている Installation Manager のインスタンスが 1 つのみの場合は、ジョブでそれを見つけることができるため、このパラメーターは空のままで構いません。ターゲット・マシンに複数の Installation Manager インスタンスがインストールされているかどうかを指定してください。
    2. keyringFile: (IBM Installation Manager の鍵リング・ファイル): パッケージ・リポジトリーで、認証用の鍵リング・ライフが必要とされる場合は、ジョブ・マネージャー・マシン上の 鍵リング・ファイルの絶対パス名を指定します。
    3. keyringPassword: (鍵リング・パスワード): 鍵リング・ファイルがパスワード保護されている場合、鍵リング・パスワードを指定します。
    4. secureStorageFile: (セキュア・ストレージ・ファイル) セキュア・ファイルを使用してユーザー・クレデンシャルを保管している場合は、セキュア・ストレージ・ファイルの絶対パス名を指定します。
    5. masterPasswordFile: (マスター・パスワード・ファイル) 「This text is the passphrase for a master password file」などのマスター・パスフレーズを含むマスター・パスワード・ファイルを使用している場合は、マスター・パスワード・ファイルの絶対パス名を指定します。
  9. オプション: collectFile および distributeFile 管理用タスクを実行します。

    オプションで、ターゲット・マシンとのファイル転送を行い、ターゲット・マシン上のファイルを削除します。 例えば、インストールが失敗した場合、ジョブが失敗した理由を調べるため、ログ・ファイルをターゲット・マシンから転送することが考えられます。これらの管理タスクを使用する際に、ファイル名にワイルドカードを指定することができます。

    トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): 宛先は、ディレクトリーでなければなりません。ファイルにすることはできません。gotcha
    • リモート・ホストからファイルを収集するには次のようにします。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob {-jobType collectFile -targetList hostname -jobParams 
        {{source D:¥¥WAS85¥¥logs¥¥manageprofiles¥¥response.log} {destination log}}}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob('-jobType collectFile -targetList hostname -jobParams 
        [[source D:¥¥WAS85¥¥logs¥¥manageprofiles¥¥response.log] [destination log]')
    • リモート・ホストにファイルを配布するには次のようにします。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob{-jobType distributeFile -targetList hostname 
        -jobParams {{source test.txt}{destination D:¥¥temp¥¥test.txt} }}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob('-jobType distributeFile -targetList hostname 
        -jobParams [[source test.txt][destination D:¥¥temp¥¥test.txt] ]')
    • リモート・ホストでファイルを削除するには次のようにします。
      • Jacl を使用:
        $AdminTask submitJob{-jobType removeFile -targetList hostname 
        -jobParams {{location D:¥¥temp¥¥test.txt}}}
      • Jython を使用:
        AdminTask.submitJob('-jobType removeFile -targetList hostname 
        -jobParams [[location D:¥¥temp¥¥test.txt] ]')
  10. ターゲット・マシンに新規にインストールした製品のプロファイルを作成します。
    制約事項: このステップは、z/OS ターゲットには適用されません。
    以下のパラメーターを指定します。
    • targetList: 新規プロファイルの作成先マシン
    • wasHome: ジョブ・マネージャーを実行しているマシン上の製品をインストールしたディレクトリー
    • responsefile: 応答ファイルの保存先ディレクトリーを入力します。 このテキスト・ファイルは、作成するプロファイルのパラメーターと情報を提供します。
    以下に例を示します。
    • Jacl を使用:
      $AdminTask submitJob {-jobType manageprofiles -targetList hostname 
      -jobParams {{wasHome D:¥¥WAS70GA} {responseFile D:¥¥temp¥¥mp1.txt}}}
    • Jython を使用:
      $AdminTask submitJob {-jobType manageprofiles -targetList hostname 
      -jobParams {{wasHome D:¥¥WAS70GA} {responseFile D:¥¥temp¥¥mp1.txt}}}

タスクの結果

ターゲット・マシンに製品がインストールされて、ジョブ・マネージャーを使用してプロファイルが作成されました。

次のタスク

ジョブ・マネージャーを使用して、ターゲット・コンピューター上で任意のコマンドまたはスクリプトを実行することができます。

  • Jacl を使用:
    $AdminTask runCommand {-host hostname -jobParams 
    {{command command_to_run}{workingDir working_directory_on_remote_host}}}
  • Jython を使用:
    $AdminTask.runCommand ('-host hostname -jobParams 
    [[command command_to_run][workingDir working_directory_on_remote_host]]')

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ファイル名:tagt_job_install_was.html