ロードマップ: アプリケーション・サーバーのマイグレーションと共存

マイグレーションでは、WebSphere® Application Server の前のリリースから構成情報を収集し、この情報を新規リリースの構成にマイグレーションします。共存では、WebSphere Application Server の新規リリースと以前のリリースが同じマシンで同時に実行されます。

始める前に

サポートされる構成 サポートされる構成:

この項目では、プロファイル構成マイグレーションについて説明します。アプリケーションを最新バージョンにマイグレーションするには、WebSphere Application Server Migration Toolkit を使用します。詳しくは、WASdev の Migration Toolkit を参照してください。

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マイグレーション、共存、およびインターオペラビリティーの概要およびマイグレーションに関する考慮事項を参照してください。マイグレーションの計画および実行に役立つリソースについては、Knowledge Collection: Migration planning for WebSphere Application Server を参照してください。

マイグレーション・ツールでは、基本的に既存の WebSphere 構成およびユーザー・アプリケーションがバックアップ・ディレクトリーに保存され、このバックアップ・ディレクトリーのコンテンツを処理して前のリリースの WebSphere Application Server から最新のリリースに構成とアプリケーションがマイグレーションされます。

旧バージョンの WebSphere Application Server がある場合は、その旧バージョンの構成およびアプリケーションを新バージョンにマイグレーションするかどうかを決定する必要があります。

マイグレーションは、旧バージョンのアンインストールを行うものではありません。
  • スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・マイグレーションの場合と、マイグレーション時に前のデプロイメント・マネージャーを使用不可にしないデプロイメント・マネージャー・マイグレーションの場合は、旧リリースが引き続き機能します。
  • 統合ノード・マイグレーションの場合と、マイグレーション時に前のデプロイメント・マネージャーを使用不可にするデプロイメント・マネージャー・マイグレーションの場合は、マイグレーションが正常に完了すると旧リリースが使用不可になります。 migrationDisablementReversal.jacl スクリプトを使用すれば、旧バージョンを再度使用可能にすることができます。

2 つの異なるバージョンのアプリケーション・サーバーを同時に実行する場合、2 つのバージョンは共存しています。例えば、バージョン 7.0 と 8.5 のアプリケーション・サーバーが同一マシン上で稼働している場合、それらは共存しています。

共存をサポートするためには、プロファイルのマイグレーション時に -setPorts および -resolvePortConflicts オプションを使用するか、ポートの競合を手動で解決して 2 つのリリースが同じポートを使用しないようにする必要があります。最初のプロファイルの開始時にバインドされたポートがあると、そのポートが使用中であるため、2 番目のプロファイルは開始されなくなります。 プロファイルのリリースが常時 1 つだけアクティブである場合は、ポートの変更は不要です。

マイグレーション時の問題のトラブルシューティングのヘルプについては、マイグレーションのトラブルシューティングを参照してください。

このタスクについて

バージョン 9.0 へのマイグレーションについて詳しくは、製品構成のマイグレーションを参照してください。リリース間の 共存について詳しくは、共存アプリケーション・サーバーの実行を参照してください。

手順

  1. サポートされているバージョンに対する製品の前提条件および相互要件を更新します。

    現在の要件については、IBM® WebSphere Application Server supported hardware, software, and APIs サイトを参照してください。

  2. バージョン 9.0 製品をインストールします。

    WebSphere Application Server バージョン 9.0 をインストールした後、既存のセルやノードをマイグレーションする前に、完全な WebSphere Application Server Network Deployment セル構成を作成して、それが正しく機能するかどうか確認することをお勧めします。このプロセスにより、システムは必要なすべての前提条件を備え、新しいレベルの WebSphere Application Server をサポートすることが確実になります。

    詳しくは、資料の『タスクの概説: IBM i でのインストール (Task overview: Installing on IBM i)』の項目を参照してください。

  3. WebSphere Application Server バージョン 7.0 以降の製品構成をバージョン 9.0 にマイグレーションします。

    マイグレーション・ツールを使用して構成を自動的にマイグレーションするか、または手動で マイグレーションするかを選択できます。

    • マイグレーション・ツールを使用して構成を自動的にマイグレーションします。

      詳しくは、マイグレーション・ツールの使用を参照してください。

      以下の 2 つの WebSphere Application Server Network Deployment マイグレーション・シナリオを使用できます。
      • 全ノード・アップグレードを使用した自動マイグレーション

        このシナリオでは、マイグレーション・ツールを使用して、すべての統合ノードだけでなくデプロイメント・マネージャーもマイグレーションします。

        この方法には、以下の利点と考慮事項があります。
        • 利点
          • 古い構成を自動的にコピーします。

            これには、すべてのリソース定義、仮想ホスト定義、セキュリティー設定、クラスター定義などが含まれています。

          • デフォルトで、ノード定義、サーバー定義、およびデプロイ済みアプリケーションなどを含めて、バージョン 7.0 以降とまったく同じ構成をバージョン 9.0 で再作成します。
          • スクリプト互換性のサポートを使用可能にすることができます。

            詳しくは、WASPostUpgrade コマンドを参照してください。

        • 考慮事項
          • 構成のマイグレーションを開始する前に、マイグレーションにどの程度の時間がかかるかを知っておく必要があります。
          • 保守ウィンドウ内でマイグレーションを行う必要があります。
      • 混合ノードを使用した自動マイグレーション
        このシナリオは、以下のアクティビティーが含まれています。
        • マイグレーション・ツールを使用してデプロイメント・マネージャーのみをマイグレーションします。
        • バージョン 9.0 のノードを追加します。
        • アプリケーションはバージョン 9.0 でテストされるため、バージョン 9.0 にアプリケーションを移動します。
        • 必要なくなったときに、バージョン 7.0 以降のノードのセルを除去します。
        この方法には、以下の利点と考慮事項があります。
        • 利点
          • 古い構成を自動的にコピーします。

            これには、すべてのリソース定義、仮想ホスト定義、セキュリティー設定、クラスター定義などが含まれています。

          • デフォルトで、ノード定義、サーバー定義、およびデプロイ済みアプリケーションなどを含めて、バージョン 7.0 以降とまったく同じ構成をバージョン 9.0 で再作成します。
          • 混合ノード構成を使用できます。
          • スクリプト互換性のサポートを使用可能にすることができます。

            詳しくは、WASPostUpgrade コマンドを参照してください。

          • アプリケーションを繰り返し移動できます。
        • 考慮事項
          • 構成のマイグレーションを開始する前に、マイグレーションにどの程度の時間がかかるかを知っておく必要があります。
          • 保守ウィンドウ内でマイグレーションを行う必要があります。
    • 構成を手動でマイグレーションします。
      構成の手動マイグレーションには、以下のアクティビティーが含まれています。
      • バージョン 9.0 用の新規の環境を構築します。
      • 既存の管理スクリプト・セットを使用してバージョン 9.0 の環境全体をセットアップすることをお勧めします。
      • アプリケーションはバージョン 9.0 でテストされるため、バージョン 9.0 にアプリケーションを移動します。
      • 必要なくなったときに、バージョン 7.0 以降のセルを除去します。
      構成を手動でマイグレーションする場合は、以下の点について考慮します。
      • 利点
        • 保守、複製、および災害時回復でスクリプトを再利用できます。
        • 必要に応じてトポロジーを簡単にリファクタリングすることができます。
      • 考慮事項
        • 管理スクリプトのセットは重要な投資です。
        • マイグレーションを行う前にスクリプトの非互換性および変更に対処する必要があります。
        • 混合ノード構成を使用することはできません。
  4. Web サーバー構成のマイグレーションの説明に従って、Web サーバー・プラグインをマイグレーションします。
  5. オプション: 共存させる複数のバージョンの WebSphere Application Server をセットアップします。

    WebSphere Application Server の複数のインスタンスおよびバージョンが同一のマシン上で同時に稼働する場合は、ランタイム競合が発生してはいけません。ポート割り当てで潜在的な競合が発生するおそれがあります。 詳しくは、ポート番号設定を参照してください。


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