マイグレーションのトラブルシューティング
WebSphere® Application Server の旧バージョンからマイグレーションするときに問題が発生する場合があります。
始める前に

この項目では、プロファイル構成マイグレーションについて説明します。アプリケーションを最新バージョンにマイグレーションするには、WebSphere Application Server Migration Toolkit を使用します。詳しくは、WASdev の Migration Toolkit を参照してください。
sptcfg手順
- WebSphere Application Server の旧バージョンからバージョン 9.0 にマイグレーションするときに問題が発生した場合は、ログ・ファイルおよびその他の入手可能な情報を確認します。
- ログ・ファイルを探してブラウズし、手掛かりを得ます。
- migration_backup_dir/logs/WASPreUpgrade.time_stamp.log
- migration_backup_dir/logs/WASPostUpgrade.time_stamp.log
- app_server_root/logs/clientupgrade.time_stamp.log
- ログ・ファイルの 1 つで、「MIGR0259I: マイグレーションは正常に完了しました」または
「MIGR0271W:
マイグレーションは警告を伴って完了しました」というメッセージを検索します。
- migration_backup_dir/logs/WASPreUpgrade.time_stamp.log
- migration_backup_dir/logs/WASPostUpgrade.time_stamp.log
- app_server_root/logs/clientupgrade.time_stamp.log
「MIGR0286E: マイグレーションは完了できませんでした」 というメッセージが表示された場合は、ログ・ファイルに表示されるエラー・メッセージに基づいて問題の訂正を試みてください。 エラーを訂正したら、製品のインストール・ルートの bin ディレクトリーからコマンドを再実行します。
- アクセスしようとしているリソースをホストするサーバーの保守ログを開き、エラー・メッセージと警告メッセージを参照します。
- WebSphere Application Server を実行して、dumpNameSpace コマンドを実行し、より簡単に表示できるように、出力のパイプとリダイレクトを行うか、「more」コマンドで表示します。
このコマンドを実行すると、ディレクトリー・パスとオブジェクト名を含む、WebSphere Application Server のネーム・スペース内のすべてのオブジェクトが表示されます。
- クライアントがアクセスする必要のあるオブジェクトが表示されない場合は、
管理コンソールを使用して、以下の条件を確認します。
- ターゲット・リソースをホスティングするサーバーが始動している。
- ターゲット・リソースをホストする Web モジュールまたは エンタープライズ Java™ Bean コンテナーが実行されている。
- ターゲット・リソースの JNDI 名が正しく指定されている。
- マイグレーション・ツールからトレース・データを分析するか、または分析を行う組織にデータを転送します。 WASPreUpgrade コマンドまたは WASPostUpgrade コマンドを使用する際に、トレースに関する以下のパラメーターを指定できます。
- -traceString
- これはオプション・パラメーターです。値 trace_spec は、
収集するトレース情報を指定します。
- 可能なすべてのトレース情報を収集するためには、"*=all=enabled" (引用符も含めます) を指定します。
これを指定すると、非常に大きなトレース・ファイルが作成されます。例えば、WASPostUpgrade コマンドの場合には 1 GB を超えることがあります。
- マイグレーション情報のみを収集するためには、"Migration.*=all" を指定します。
- ほとんどのマイグレーション情報を収集するためには、"Migration.Flow=all:Migration.*=finer" を指定します。
- サポート・チームで必要とされる最小量のマイグレーション・データを収集するためには、"Migration.Flow=finer:Migration.*=fine" を指定します。
これはデフォルトです。
- 可能なすべてのトレース情報を収集するためには、"*=all=enabled" (引用符も含めます) を指定します。
- -traceFile
- これはオプション・パラメーターです。値 file_name は、 トレース情報の出力ファイルの名前を指定します。
-traceString または -traceFile パラメーターを指定しないと、 コマンドはデフォルトでトレース・ファイルを作成し、そのファイルを backup_directory/logs ディレクトリーに配置します。
既知の問題およびその解決方法に関して、IBM® サポートから入手できる現行情報については、 IBM サポート・ページを参照してください。 IBM サポートの資料を利用すると、この問題の解決に必要な情報収集の時間を節約できます。 PMR を開く前に、IBM サポート・ページを参照してください。
- ログ・ファイルを探してブラウズし、手掛かりを得ます。
- マイグレーション・プロセス中
に、WASPreUpgrade ツールまたは WASPostUpgrade ツールを
使用するときに問題が発生する可能性があります。
- WASPreUpgrade ツールを使用するときに問題が発生する可能性があります。
- 「見つかりません」または「そのようなファイルまたはディレクトリーがありません」というメッセージが戻されます。
この問題は、WASPreUpgrade ツールを、バージョン 9.0 の app_server_root¥bin 以外のディレクトリーから実行しようとすると発生することがあります。WASPreUpgrade スクリプトがバージョン 9.0 の app_server_root¥bin ディレクトリーにあることを確認し、その場所からファイルを起動します。
- 管理コンソール内のサポートされる JDBC プロバイダーのドロップダウン・リストに、DB2® JDBC ドライバーおよび DB2 JDBC ドライバー (XA) が見つかりません。
管理コンソールは、推奨されない JDBC プロバイダー名を表示しなくなりました。 管理コンソール内で使用される新しい JDBC プロバイダー名は、 より説明的で、よりわかりやすくなりました。 新しいプロバイダーが、推奨されないプロバイダーと異なるのは名前だけです。
推奨されない名前は、マイグレーション上の理由から (例えば、既存の JACL スクリプト用として)、 引き続き jdbc-resource-provider-templates.xml ファイルに存在します。 ただし、JACL スクリプトでは新規 JDBC プロバイダー名を使用することが推奨されます。
- 以下のメッセージを受信します。
MIGR0108E: 指定された WebSphere ディレクトリーには、アップグレードできるバージョンの WebSphere がありません。
このエラーの原因としては、以下のことが考えられます。- WebSphere Application Server バージョン 7.0 以降 をインストールしている場合、WASPreUpgrade ツールがバージョン 9.0 のインストール・ルートの bin ディレクトリーから実行されていない可能性があります。
- WASPreUpgrade ツールの実行時に、「IBM WebSphere Application Server, Release 6.x」と類似するメッセージが表示されるかどうか確認してください。
このメッセージは、WebSphere Application Server バージョン 9.0 のマイグレーション・ユーティリティーではなく、バージョン 7.0 以降 のマイグレーション・ユーティリティーが実行されていることを示します。
- 環境パスを変更するか、現行ディレクトリーを変更して、バージョン 9.0 の WASPreUpgrade ツールを起動できるようにします。
- WASPreUpgrade ツールの実行時に、「IBM WebSphere Application Server, Release 6.x」と類似するメッセージが表示されるかどうか確認してください。
- WASPreUpgrade ツールを起動するときに無効なディレクトリーが指定されました。
- WebSphere Application Server バージョン 7.0 以降 をインストールしている場合、WASPreUpgrade ツールがバージョン 9.0 のインストール・ルートの bin ディレクトリーから実行されていない可能性があります。
- WASPreUpgrade ツールは、前の環境をバックアップしないで終了することがあります。
次の例のように、このツールが正常に実行されているように見えるにもかかわらず、
マイグレーション・トレース・ファイルに次の例のようなメッセージが示されることがあります。MIGR0201I: マイグレーション機能がログ・ファイル WASPreUpgrade.log を初期化しました。 MIGR0300I: マイグレーション機能が既存の Application Server 環境の保存を開始しています。 MIGR0302I: 既存ファイルを保存しています。 MIGR0303I: 既存の Application Server 環境が保存されました。 MIGR0420I: マイグレーションの最初のステップが正常に完了しました。
[10/9/08 18:26:40:363 CDT] 00000000 Save 1 Skipped instance dmgr01 because user root /opt/migration_backup/profiles/dmgr01 does not exist.
WASPreUpgrade ツールは、ポインターを含む profileList.ser ファイルのコピーを、WASPostUpgrade ツールによって使用されるバックアップ・ディレクトリーに書き出します。 その後何らかの理由でそのファイルがマイグレーションによって削除されずに残ると、その後のマイグレーションで WASPreUpgrade ツールを実行したときに、実際のパスではなく古いパスが使用されます。 この問題を解決するために、profileList.ser ファイルを削除して WASPreUpgrade ツールを再実行することができます。
詳しくは、WASPreUpgrade コマンドを参照してください。
トラブルの回避 (Avoid trouble): バージョン 6.1 統合ノードをバージョン 9.0 にマイグレーションする際、WASPreUpgrade コマンドが失敗する場合があります。 以下の例のようなエラーを受け取ることがあります。
IBM JCC Provider Driver を使用して DB2 データベースが作成されていて、WebSphere バージョン 6.1 ノードをバージョン 9.0 デプロイメント・マネージャーに同期化している場合に、WebSphere バージョン 6.1 ノード上でこの問題が発生する可能性があります。 バージョン 6.1 ノードは、バージョン 7.0 以降のドライバー・レベルをサポートしません。ノード同期プロセスは、すべてのドライバー定義を削除できません。[07/16/2011 11:07:10:357 CDT] MIGR0344I: Processing configuration file /opt/WAS61fep/profiles/v6109node74_01/config/cells/ndcell/clusters/Station1EJBCluster /resources.xml. [07/16/2011 11:07:10:436 CDT] org.eclipse.emf.ecore.resource.Resource$IOWrappedExcept ion: Unresolved reference 'DataSource_1310769433958'. (file:/opt/WAS61fep/profiles/v6109node74_01/config/cells/ndcell/clusters/Station1EJBC luster/resources.xml, 9, 323) java.lang.Exception: org.eclipse.emf.ecore.resource.Resource$IOWrappedException: Unresolved reference 'DataSource_1310769433958'. (file:/opt/WAS61fep/profiles/v6109node74_01/config/cells/ndcell/clusters/Station1EJBC luster/resources.xml, 9, 323) at com.ibm.wsspi.migration.document.wccm.WCCMDocument.setInputStream(WCCMDocument.ja va:162)
この問題を解決するために、修正する必要のあるすべての resources.xml ファイルをバックアップします。 バージョン 6.1 ノード・エージェント・プロセスを停止します。WASPreUpgrade コマンドを実行する前に、WebSphere バージョン 6.1 ノードの resources.xml ファイルを編集して、 孤立した resources.jdbc:CMPConnectorFactory エントリーを削除します。デプロイメント・マネージャーのコピーは編集しないでください。
gotcha - 「見つかりません」または「そのようなファイルまたはディレクトリーがありません」というメッセージが戻されます。
- WASPostUpgrade ツールを使用するときに問題が発生する可能性があります。
- 統合ノードのマイグレーション後に、以下のテキスト内で強調表示されているものに類似した例外が WASPostUpgrade ログに示されることがあります。
この例外は syncNode 操作中に発生し、エラーとしてリストされますが、この例外が何らかの障害の原因となることはありません。 操作全体が正常に完了し、メッセージは再発生しません。 マイグレーションされた統合ノード上のサーバーが開始されると、問題のファイルは再生成されます。 このメッセージは無視しても問題ありません。MIGR0304I: 前の WebSphere 環境をリストアしています。 MIGR0367I: 現行の Application Server 環境をバックアップしています。 CEIMI0006I Common Event Infrastructure のマイグレーションを開始しています。 MIGR0486I: ファイル server.xml のトランスポート設定は推奨されません。 MIGR0486I: ファイル server.xml の PMIService:initialSpecLevel 設定は推奨されません。 MIGR0486I: ファイル server.xml の PMIService:initialSpecLevel 設定は推奨されません。 MIGR0404W: 古い構成内のノード・エージェントを使用しないでください。それは使用不可になりました。 MIGR0351I: マイグレーション機能は、SOAP プロトコルを使用してデプロイメント・マネージャーと同期化しようとしています。 MIGR0241I: syncNode の出力です。 ADMU0116I: Tool information is being logged in file /usr/WAS80/profiles/AppSrv01/logs/syncNode.log ADMU0128I: AppSrv01 プロファイルを使用してツールを開始しています ADMU0401I: Deployment Manager packppc.rtp.raleigh.ibm.com とノード aaixae15aNode01 の syncNode オペレーションを開始します: 8879 ADMU0016I: ノードとセル間の構成を同期化します。 AWXJR0006E ファイル /usr/WAS80/java/jre/PdPerm.properties が見つかりませんでした。 ArchiveUtil.toLocalURLs ArchiveUtil.toLocalURLs ArchiveUtil.toLocalURLs ADMU0402I: ノード aaixae15aNode01 の構成が Deployment Manager packppc.rtp.raleigh.ibm.com と同期化されました: 8879 MIGR0352I: デプロイメント・マネージャーと正常に同期化されました。 CEIMI0007I Common Event Infrastructure のマイグレーションが完了しました。 MIGR0307I: 前の Application Server 環境のリストアが完了しました。 MIGR0271W: マイグレーションは、1 つ以上の警告を伴って、正常に完了しました。
- 以下のエラー・メッセージを受信することがあります。
MIGR0484E: 名前 -profileName wasio2651 のプロファイルまたはインスタンスが見つかりませんでした。 MIGR0272E: マイグレーション機能がコマンドを完了できません。
古いプロファイル名と新規プロファイル名は一致していなければなりません。MIGR0484E メッセージで -profileName の後に示された値と一致する名前のバージョン 9.0 プロファイルを指定して、WASPostUpgrade コマンドを再実行してください。
- 「見つかりません」または「そのようなファイルまたはディレクトリーがありません」というメッセージが戻されます。
この問題は、WASPostUpgrade ツールを、バージョン 9.0 の app_server_root¥bin 以外のディレクトリーから実行しようとすると発生することがあります。WASPostUpgrade スクリプトがバージョン 9.0 の app_server_root¥bin ディレクトリーにあることを確認し、その場所からファイルを起動します。
- 以下のメッセージを受信します。
MIGR0102E: 無効なコマンド行です。MIGR0105E: 1 次ノード名を指定する必要があります。
このエラーの原因として最も可能性が高いのは、WebSphere Application Server バージョン 7.0 以降 をインストールしている場合に、バージョン 9.0 のインストール・ルートの bin ディレクトリーから WASPostUpgrade ツールを実行しなかったことです。
この問題を解決するには、バージョン 9.0 のインストール・ルートの bin ディレクトリーから、WASPostUpgrade コマンドを実行します。
- セル内に統合ノードをマイグレーションする場合は、以下のエラー・メッセージを受信します。
MIGR0304I: 前の WebSphere 環境をリストアしています。 com.ibm.websphere.management.exception.RepositoryException: com.ibm.websphere.management.exception.ConnectorException: ADMC0009E: SOAP RPC 呼び出しに失敗しました: invoke MIGR0286E: マイグレーションは完了できませんでした。
統合ノードの WASPostUpgrade マイグレーション・ステップの間に、統合ノードがデプロイメント・マネージャーから構成の更新を検索しようとするとき、接続タイムアウトが発生します。 バージョン 9.0 にマイグレーションする構成が以下のエレメントのいずれかを含んでいる場合、構成全体のコピーは、接続タイムアウトより長い時間がかかる可能性があります。- 多くの小さなアプリケーション
- いくつかの大きなアプリケーション
- 1 つの非常に大きなアプリケーション
ベスト・プラクティスは、WASPostUpgrade コマンドを実行して統合ノードをマイグレーションする前に、タイムアウト値を 変更することです。- 統合ノードをマイグレーションするプロファイル用の、バージョン 9.0 ディレクトリー内の以下のロケーションに進みます。
profile_root/properties
- そのディレクトリー内で soap.client.props ファイルを開いて、com.ibm.SOAP.requestTimeout プロパティーの値を検索します。 これは秒単位のタイムアウト値です。 デフォルト値は 180 秒です。
- com.ibm.SOAP.requestTimeout の値を変更して、構成をマイグレーションするのに十分な大きさにします。
例えば、以下のエントリーによって、30 分のタイムアウト値が与えられます。
com.ibm.SOAP.requestTimeout=1800
注: 必要に合った最小のタイムアウト値を選択します。 選択したタイムアウトを少なくとも 3 回待機するように準備します。1 回はバックアップ・ディレクトリーにファイルをダウンロードするため、1 回はデプロイメント・マネージャーにマイグレーション済みファイルをアップロードするため、 そしてもう 1 回はデプロイメント・マネージャーをマイグレーション済みノード・エージェントと同期化するためです。 - WASPreUpgrade コマンドが作成したバックアップ・ディレクトリー内の以下のロケーションに進みます。
backupDirectory/profiles/profile_name/properties
- そのディレクトリー内で soap.client.props ファイルを開いて、com.ibm.SOAP.requestTimeout プロパティーの値を検索します。
- com.ibm.SOAP.requestTimeout の値を、バージョン 9.0 ファイル内で使用した値と同じ値に変更します。
代わりに、以下の 1 つまたは両方が現在の状況に当てはまる場合、デプロイメント・マネージャーをバージョン 9.0 にマイグレーションする際に、WASPostUpgrade コマンド内の -includeApps script を指定するソリューションを考慮することもできます。- セル内のすべてのノードを即時にマイグレーションします。 ただし、セル全体がマイグレーションされた後で、デプロイメント・マネージャーのバックアップ・ディレクトリー内のすべてのアプリケーションに対してアプリケーション・インストール・スクリプトを手動で実行し、次にその構成をすべてのマイグレーション済みノードと同期化する必要があります。
- インストールされたアプリケーションなしで実行できます。
以下のステップに従い、この代替手順を実行します。- デプロイメント・マネージャーをバージョン 9.0 にマイグレーションする場合、WASPostUpgrade コマンドに -includeApps script を指定します。
- アプリケーションをインストールする前に、セル全体をバージョン 9.0 へマイグレーションします。
- wsadmin コマンドを実行して、各アプリケーションをインストールします。
- 通常のオペレーションまたは関連する保守ウィンドウを使用して、バージョン 9.0 の構成にアプリケーションをインストールします。
- -conntype NONE を指定します。以下に例を示します。
wsadmin -f application_script -conntype NONE
- すべてのマイグレーション済みノードの間で構成を同期化します。
- 「文書を一時ファイルにコピーできません」というエラー・メッセージを受信します。
以下に例を示します。
MIGR0304I: 前の WebSphere 環境をリストアしています。 com.ibm.websphere.management.exception.DocumentIOException: 文書を一時ファイルにコピーできません: cells/sunblade1Network/applications/LARGEApp.ear/LARGEApp.ear
ファイル・システムがいっぱいの可能性があります。 ファイル・システムがいっぱいの場合は、一部のスペースをクリアして、WASPostUpgrade コマンドを再実行します。
- 以下のメッセージを受信します。
MIGR0108E: 指定された WebSphere ディレクトリーには、アップグレードできるバージョンの WebSphere がありません。
このエラーの原因としては、以下のことが考えられます。- WebSphere Application Server バージョン 6.1 をインストールしている場合、WASPostUpgrade ツールがバージョン 9.0 のインストール・ルートの bin ディレクトリーから実行されていない可能性があります。
- WASPostUpgrade ツールの実行時に、「IBM WebSphere Application Server, Release 6.1」と類似するメッセージが表示されるかどうか確認してください。
このメッセージは、バージョン 9.0 のマイグレーション・ユーティリティーではなく、前のリリースからのマイグレーション・ユーティリティーが実行されていることを示します。
- 環境パスを変更するか、現行ディレクトリーを変更して、バージョン 9.0 の WASPostUpgrade ツールを起動できるようにします。
- WASPostUpgrade ツールの実行時に、「IBM WebSphere Application Server, Release 6.1」と類似するメッセージが表示されるかどうか確認してください。
- WASPreUpgrade または WASPostUpgrade ツールを 起動するときに無効なディレクトリーが指定されました。
- WASPreUpgrade ツールが実行されていません。
- WebSphere Application Server バージョン 6.1 をインストールしている場合、WASPostUpgrade ツールがバージョン 9.0 のインストール・ルートの bin ディレクトリーから実行されていない可能性があります。
- 以下のエラー・メッセージを受信します。
MIGR0253E: バックアップ・ディレクトリー migration_backup_directory は存在しません。
このエラーの原因としては、以下のことが考えられます。- WASPostUpgrade ツールの前に WASPreUpgrade ツールが
実行されませんでした。
- エラー・メッセージで指定されたバックアップ・ディレクトリーが存在するかどうかを調べます。
- 存在しない場合は、WASPreUpgrade ツールを実行します。
詳しくは、WASPreUpgrade コマンドを参照してください。
- WASPostUpgrade ツールを再試行します。
- 無効なバックアップ・ディレクトリーが指定されている可能性があります。
例えば、そのディレクトリーが バージョン 7.0 以降 のツリーのサブディレクトリーであり、WASPreUpgrade ツールを実行して製品の旧バージョンをアンインストールしてから、WASPostUpgrade ツールを実行するまでに、このディレクトリーが削除された場合などです。
- エラー・メッセージで指定されている完全なディレクトリー構造が存在するかどうかを判別してください。
- 可能な場合、マイグレーションのバックアップ・ディレクトリーを完全に正しく指定して、WASPreUpgrade ツールを再実行してください。
- バックアップ・ディレクトリーが存在せず、 そのディレクトリーを保持していた旧バージョンがなくなっている場合は、 バックアップ・リポジトリーまたは XML 構成ファイルから旧バージョンを再ビルドします。
- WASPreUpgrade ツールを再実行します。
- WASPostUpgrade ツールの前に WASPreUpgrade ツールが
実行されませんでした。
- WASPostUpgrade コマンドを実行した後で、WASPreUpgrade を再度実行する必要があるかどうかを判別します。
デプロイメント・マネージャーまたは統合ノードのマイグレーションの実行中に、WASPostUpgrade は古い環境を使用不可する場合があります。 WASPostUpgrade を実行した後で、古いインストールに対して再度 WASPreUpgrade を実行する場合は、古い app_server_root/bin ディレクトリー にある migrationDisablementReversal.jacl スクリプトを実行する必要があります。 この JACL スクリプトを実行すると、バージョン 7.0 以降 の環境は再び有効な状態になり、ユーザーは WASPreUpgrade を実行して有効な結果を生成することができます。
- 統合マイグレーションが失敗し、メッセージ MIGR0405E が表示されます。統合マイグレーションの一部としてデプロイメント・マネージャー上で行われるマイグレーションが失敗しました。 このエラーが発生した理由について詳しくは、...DeploymentManagerProfile/temp ディレクトリーの下の デプロイメント・マネージャー・ノード上にあるフォルダー your_node_name_migration_temp を開いてください。 以下に例を示します。
/websphere80/appserver/profiles/dm_profile/temp/nodeX_migration_temp
デプロイメント・マネージャー・ノード上での このノードのマイグレーションに関連するログおよびその他のすべての物は、このフォルダー内にあります。 このフォルダーは、このシナリオに関連する IBM サポートにも必要です。
- マイグレーション中にバージョン 9.0 のアプリケーションが失われます。
統合マイグレーション中にバージョン 9.0 のアプリケーションのインストールに失敗した場合、これらのアプリケーションは構成の同期中に失われます。この問題が発生する理由は、WASPostUpgrade の最終ステップの 1 つが syncNode コマンドの実行であることです。 この結果として、デプロイメント・マネージャー・ノード上に構成がダウンロードされ、 統合ノード上の構成が上書きされます。アプリケーションのインストールに失敗した場合、 これらのアプリケーションは、デプロイメント・マネージャー・ノードに配置されている構成内にはありません。 この問題を解決するには、マイグレーション後に、そのアプリケーションを手動でインストールします。 これらのアプリケーションが標準バージョン 9.0 のアプリケーションの場合は、app_server_root/installableApps ディレクトリー内にあります。
マイグレーション中に失われたアプリケーションを手動でインストール するには、wsadmin コマンドを使用して、マイグレーション・ツールによって バックアップ・ディレクトリー内に作成された install_application_name.jacl スクリプトを実行します。
Linux 環境では、例えば、次のパラメーターを使用します。./wsadmin.sh -f migration_backup_directory/install_application_name.jacl -conntype NONE
以下のパラメーターを使用します。app_server_root/bin/wsadmin -f migration_backup_directory/install_application_name.jacl -conntype NONE
- バージョン 9.0 のアプリケーションのインストールに失敗します。
WASPostUpgrade が完了した後で、wsadmin コマンドを使用して、アプリケーションを手動でインストールします。
マイグレーション中にインストールが失敗したアプリケーションを手動でインストール するには、wsadmin コマンドを使用して、マイグレーション・ツールによって バックアップ・ディレクトリー内に作成された install_application_name.jacl スクリプトを実行します。
Linux 環境では、例えば、次のパラメーターを使用します。./wsadmin.sh -f migration_backup_directory/install_application_name.jacl -conntype NONE
以下のパラメーターを使用します。app_server_root/bin/wsadmin -f migration_backup_directory/install_application_name.jacl -conntype NONE
詳しくは、WASPostUpgrade コマンドを参照してください。
- 統合ノードのマイグレーション後に、以下のテキスト内で強調表示されているものに類似した例外が WASPostUpgrade ログに示されることがあります。
- トレース・ファイルは、400 メガバイトの割り振りを超過していますが、WASPostUpgrade はそれでも実行中です。
追加のディスク・スペースが使用可能でない場合は、マイグレーションは失敗します。
マイグレーションにこの問題が発生したと思われる場合は、以下のアクションを実行してください。
- WASPostUpgrade コマンドを実行する前にマイグレーション・ウィザードを停止します。
- マイグレーション中の各プロファイルごとにコマンド行から WASPostUpgrade コマンドを実行します。
コマンド行から WASPostUpgrade コマンドを実行する場合:
- -oldProfile パラメーターと -profileName パラメーターを組み込んで、マイグレーションするプロファイルを指定します。
- トレース・ストリングに com.ibm.ejs.ras.TraceNLS* パラメーターを追加して、トレース・ログのサイズを削減します。
例えば、以下のようなトレース設定を指定することができます:
com.ibm.ejs.ras.TraceNLS*=info
- WASPreUpgrade ツールを使用するときに問題が発生する可能性があります。
- バージョン 7.0 以降 の構成内に存在しているエンタープライズ・アプリケーションを新規のバージョン 9.0 にインストールするためのマイグレーション・プロセス・オプションを選択すると、マイグレーションのアプリケーション・インストール・フェーズでエラー・メッセージが表示される可能性があります。
バージョン 7.0 以降の構成内に存在しているアプリケーションには、誤ったデプロイメント情報 (通常は、以前の WebSphere Application Server ランタイムで十分に検査されていない無効な XML 文書) が含まれている可能性があります。現在、ランタイムには改良されたアプリケーション・インストール検査プロセスが組み込まれているため、 誤った形式の EAR ファイルのインストールは失敗します。 この結果、WASPostUpgrade のアプリケーション・インストール・フェーズが 失敗し、「E:」エラー・メッセージが表示されます。 これは、「致命的な」マイグレーション・エラーと見なされます。
アプリケーション・インストールでこの問題が原因でマイグレーションが失敗した場合は、 以下のいずれかを実行できます。- バージョン 7.0 以降 のアプリケーション内の問題を修正し、マイグレーションを再度行います。
- マイグレーションを続行し、このエラーを無視します。
この場合は、障害の原因となったアプリケーションはマイグレーション・プロセスによって インストールされませんが、その他のマイグレーション・ステップはすべて完了します。
後で該当するアプリケーション内で問題を修正し、管理コンソールまたはインストール・スクリプトを使用して新規バージョン 9.0 の構成にこのアプリケーションを手動でインストールできます。
- バージョン 5.1 デプロイメント・マネージャーからマイグレーションされたバージョン 6.1 構成から IBM バージョン 9.0 にデプロイメント・マネージャーをマイグレーションすると、セル内のいずれかのバージョン 5.1 統合ノードで syncNode コマンドが失敗することがあります。 例えば、バージョン 5.1 ノードで syncNode コマンドを実行したときに、次のテキストに類似したメッセージが表示されることがあります。
bash-3.00# ./syncNode.sh dmgrhostname 8879 -username MyAdminUser -password MyAdminPassword
ADMU0116I: Tool information is being logged in file /usr/WebSphere/AppServer/logs/syncNode.log ADMU0401I: Deployment Manager dmgrhostname とノード My511Node の syncNode オペレーションを開始します: 8879 ADMU0111E: プログラムがエラーで終了します: com.ibm.websphere.management.exception. AdminException: ADMU2092E: ノードとデプロイメント・マネージャーが持つ製品拡張機能は同じでなければなりませんが、それらは一致していません。ノードの製品拡張機能は BASE で、デプロイメント・マネージャーの製品拡張機能は PME です。 ADMU0211I: エラーの詳細については次のファイルを参照してください: /usr/WebSphere/AppServer/logs/syncNode.log ADMU1211I: 障害を完全にトレースするには、-trace オプションを使用してください。
- EJB 3.0 仕様には javax.ejb.Remote アノテーションが含まれているため、javax.ejb および java.rmi パッケージ全体をインポートするために Enterprise Java Beans が書かれていると、特定の EJB 2.1 Bean のコンパイルが失敗する場合があります。 次の例に示すようなコンパイル・エラーが発生する可能性があります。
ejbModule/com/ibm/websphere/samples/trade/ejb/QuoteHome.java(17): The type Remote is ambiguous
- WebSphere Application Server バージョン 6.1 をインストールしてノードをバージョン 9.0 デプロイメント・マネージャーに統合すると、予期しない一連のセキュリティー例外メッセージが出されることがあります。 ノード・エージェントの system.out ログには、以下の例外が含まれます。
[7/8/08 16:41:31:416 EDT] 0000001c DefaultTokenP E HMGR0149E: コア・グループ DefaultCoreGroup に接続しようとして、拒否されました。 送信プロセスの名前は wasinst101Cell01¥ndrack104Node08¥server1 で、IP アドレスは /9.42.92.86 です。 ローカル・プロセスのグローバル・セキュリティーは 使用可能 です。送信プロセスのグローバル・セキュリティーは 使用可能 です。受信したトークンは x2>W 9 Sv? から始まっています。例外は次のとおりです。 com.ibm.websphere.security.auth.WSLoginFailedException: 鍵またはトークンのタイプが無効なため、LTPA トークンの検証が失敗しました。 at com.ibm.ws.security.ltpa.LTPAServerObject. validateToken(LTPAServerObject.java:876) at com.ibm.ws.security.token.WSCredentialTokenMapper. validateLTPAToken(WSCredentialTokenMapper.java:1178) at com.ibm.ws.hamanager.runtime.DefaultTokenProvider. authenticateMember(DefaultTokenProvider.java:214) at com.ibm.ws.hamanager.coordinator.impl.DCSPluginImpl. authenticateMember(DCSPluginImpl.java:723) at com.ibm.ws.dcs.vri.transportAdapter.rmmImpl.ptpDiscovery. DiscoveryRcv.acceptStream(DiscoveryRcv.java:266) at com.ibm.rmm.ptl.tchan.receiver.PacketProcessor. fetchStream(PacketProcessor.java:470) at com.ibm.rmm.ptl.tchan.receiver.PacketProcessor. run(PacketProcessor.java:917)
デプロイメント・マネージャーはバージョン 9.0 を使用しますが、すべてのノードおよび別名ノードはバージョン 6.1 を使用しています。この問題を解決するには、すべてのバージョン 6.1 ノードをバージョン 6.1.0.17 以降にアップグレードしてください。
マイグレーションされたバージョン 9.0 ノード・エージェントに登録される新規ポート には、WC_defaulthost、WC_defaulthost_secure、WC_adminhost、 WC_adminhost_secure、SIB_ENDPOINT_ADDRESS、SIB_ENDPOINT_SECURE_ADDRESS、 SIB_MQ_ENDPOINT_ADDRESS、SIB_MQ_ENDPOINT_SECURE_ADDRESS があります。これらの ポートは、ノード・エージェントによって必要とされず、安全に削除できます。
次のタスク
問題がリストされていない場合は、IBM サポートに連絡してください。


http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-iseries&topic=tmig_troubleshoot
ファイル名:tmig_troubleshoot.html