IBM® WebSphere® Application Server 製品を AIX® システムにインストールするには、その前にオペレーティング・システムを準備するためのステップを実行する必要があります。
始める前に
注: WebSphere Application Server は、空でないディレクトリーにインストールされないようになっています。
WebSphere Application Server を lost+found サブディレクトリーのあるディレクトリーにインストールすると、空のディレクトリーを使用するようにプロンプトされます。
それでも、このディレクトリーにインストールしたい場合は、
lost+found ディレクトリーを削除できます。しかし、
次回に fsck が実行されると、lost+found ディレクトリーが作成されます。
これは既存のインストール済み環境には何も影響しませんが、アンインストール時にこのディレクトリーは除去されません。
制約事項: Cygwin/X を使用してリモート AIX マシンで Eclipse ベースのアプリケーションを実行する際の既知の問題があります。これは、プロファイル管理ツールの使用に影響します。例えば、リモート AIX で Cygwin/X を使用すると、プロファイル管理ツールのスプラッシュ画面が現れますが、プロファイル管理ツールが実際に立ち上がることは決してありません。これらの問題に関する既存の Bugzilla 報告書の詳細は、
以下の情報を参照してください。
https://bugs.eclipse.org/bugs/show_bug.cgi?id=36806
別の X サーバーを使用する場合、これらの問題は発生しない場合があります。
このタスクについて
オペレーティング・システムの準備作業には、ディスク・スペースの割り振りやパッチのオペレーティング・システムへのインストールなどが含まれます。
IBM は WebSphere Application
Server 製品を各オペレーティング・システム・プラットフォームでテストします。このようなテストによって、
WebSphere Application Server 製品が正常に実行されるようにするためにオペレーティング・システムの変更が
必要かどうかを確認しています。必要な変更を行わなければ、WebSphere Application Server 製品は正常には実行されません。
手順
- オペレーティング・システムにログオンします。
root または root 以外のインストーラーとしてログオンできます。
オーナーが
ファイルの読み取り/書き込みを行うことができ、その他のユーザーが現行の
システム・ポリシーに従ってファイルにアクセスできるようにする、umask を選択します。
root の場合は、022 の umask を推奨します。非 root ユーザーの場合は、グループを共有しているかどうかによって異なりますが、002 または 022 の umask を使用できます。umask 設定を確認するには、以下のコマンドを実行します。
umask
umask 設定を 022 に設定するには、以下のコマンドを実行します。
umask 022
- 製品をインストールするマシン上で、WebSphere Application
Server 関連のすべての Java™ プロセスを停止します。
- IBM HTTP Server などの Web サーバー・プロセスはすべて停止します。
- 製品には、IBM Software Development Kit (SDK)
バージョン 6 が含まれます。
- System Management Interface Tool (SMIT) を使用して、
インストールされるパッケージを表示し、以下のステップで説明するパッケージの更新が必要かどうかを判別します。
- Info-ZIP 製品の最新バージョンをダウンロードし、ZIP ファイルの問題を回避します。
サービス・ストリームでは主に ZIP ファイルが使用されているため、http://www.info-zip.org Web サイトから Info-ZIP パッケージの現行バージョンをダウンロードして、ご使用の AIX オペレーティング・システムを準備してください。
- 十分なディスク・スペースを提供します。
必要なディスク・スペース量は、インストールされているフィーチャーおよび製品の数によって異なります。
製品を Installation Manager を使用してインストールする場合、「インストールの要約」パネルに、選択したフィーチャーおよび製品に基づいて、必要なディスク・スペース量の概算値が表示されます。
すべてのフィーチャーおよび製品をインストールする場合は、約 2 GB のディスク・スペースが必要です。
ディスク・スペースの見積もりには、下記の製品、コンポーネント、およびフィーチャーが含まれます。- メイン・アプリケーション・サーバー製品のインストール
- プロファイル
- サンプル・アプリケーション
- IBM HTTP Server
- Web Server Plug-in
- Application Client for WebSphere Application Server
AIX 上の JFS ファイル・システムでは、ディレクトリーに拡張スペースを割り振ることができます。Installation Manager に十分なスペースがない場合、Installation Manager は動的にスペース割り振りを増やすための、より多くのスペースを要求するシステム呼び出しを発行します。
アプリケーションおよび構成を以前のバージョンからマイグレーションする計画がある場合は、アプリケーション・オブジェクトに十分なディスク・スペースがあることを検証します。
以下の場合に大まかなガイドラインとして、アプリケーションのサイズの 110% に相当するスペースを見込んでおいてください。
- java.lang.NullPointerException エラーを回避するため、リンク切れのあるファイル・システムをアンマウントします。
インストールする前に、リンク切れのあるファイル・システムをアンマウントします。
ファイル・システムへのリンクが切れている場合、インストールしようとすると失敗する可能性があります。
df -k コマンドを使用して、
ファイル・システムへのリンクが切れていないかどうか検査します。
1024-blocks size 列にブランク値がリストされているファイル・システムを検索します。
値が「-」(ダッシュ) になっている列は問題ありません。
以下の例は、
/dev/lv00 ファイル・システムの問題を示しています。
> df -k
Filesystem 1024-blocks Free %Used Iused %Iused Mounted on
/dev/hd4 1048576 447924 58% 2497 1% /
/dev/hd3 4259840 2835816 34% 484 1% /tmp
/proc - - - - - /proc
/dev/lv01 2097152 229276 90% 3982 1% /storage
/dev/lv00
/dev/hd2 2097152 458632 79% 42910 9% /usr
iw031864:/cdrom/db2_v72_eee_aix32_sbcs
/proc ファイル・システムに問題はありません。
iw031864:/cdrom/db2_v72_eee_aix32_sbcs ファイル・システムには、
明らかに問題があります。
/dev/lv00 ファイル・システムにも問題がありそうです。
以下のコマンドのいずれか 1 つを使用して、この問題を解決します。
> umount /cdrom/db2_v72_eee_aix32_sbcs
> umount /cdrom
インストールを再開します。
問題が解決しない場合は、
ブランク値があるファイル・システム (この例の /dev/lv00 ファイル・システムなど) をアンマウントしてください。
リンク切れのあるファイル・システムをアンマウントしても問題が解決しない場合は、
マシンをリブートして、再度インストールを開始してください。
- 前提条件および相互前提条件が、必要なリリース・レベルであることを確認します。
Installation Manager は前提条件となるオペレーティング・システム・パッチを検査しますが、前提条件をまだ検討していない場合は、「Supported hardware and software」Web サイトで前提条件を参照してください。
サポートされているバージョンへのマイグレーションの方法については、IBM 以外の前提条件および相互に必要な製品の資料を参照してください。
注: 製品をインストールした後にプロファイル管理ツールまたは構成マイグレーション・ツールを実行するには、GTK+ 2.18 以降がインストール済みである必要があります。GTK+ 3 および Motif はサポートされていません。
GTK をインストールしていない場合、次のメッセージのようなエラーが表示されます。
Eclipse:
エラーが発生しました。
ログ・ファイル /workspace/.metadata/.log を参照してください。
- gtk2-2.18.9-5 またはそれ以降のパッケージおよびその依存関係をダウンロードします.
依存関係には以下のパッケージが含まれます。
- atk
- cairo
- expat
- fontconfig
- freetype2
- glib2
- jasper
- jbigkit
- libffi
- libjpeg
- libpng
- libtiff
- libXft
- libxml2
- libXrender
- pango
- pixman
- xz
- zlib
- libxlsmp.a(smprt.o) 依存ライブラリーがインストールされていない場合はインストールします。
- root ユーザーとして次のコマンドを実行して、ライブラリーがインストールされているかどうかを確認します。
# lslpp -l |grep xlsmp
- ライブラリーがインストールされていない場合、System Management Interface Tool (SMIT) または smitty コマンドを使用して AIX インストール・メディアから xlsmp.aix53.rte パッケージをインストールします。
- 次のコマンドを実行して、RPM データベースを更新します。
/usr/sbin/updtvpkg
- gtk2rpms などの空のディレクトリーに、RPM パッケージを解凍します。
- RPM パッケージをインストールします。これらのパッケージは、以下に示すグループと順序でインストールする必要があります。
- gettext および libiconv
- GTK を除くその他のパッケージ
- gtk2
パッケージをインストールする前に、それぞれのグループ用にサブディレクトリーを作成します。以下のコマンドにより、
gtk2rpms ディレクトリーのサブディレクトリー
step1、
step2、および
step3 が作成されます。
cd gtk2rpms
mkdir step1
mv gettext-0.17-8.aix6.1.ppc.rpm step1
mv libiconv-1.14-22.aix6.1.rpm step1
mkdir step3
mv gtk2-2.20-1-4.aix6.1.ppc.rpm step3
mkdir step2
mv *.rpm step2
以下のコマンドを実行して、指定された順序でパッケージをインストールします。
- gettext および libiconv パッケージをインストールします。LIBPATH には /opt/freeware/lib が含まれていてはいけません。これが含まれていると、libiconv パッケージのインストール時に libiconv.a エラーが発生します。
unset LIBPATH
cd step1; rpm -Uvh step1/*.rpm ; cd ..
- GTK を除く他のすべてのパッケージをインストールします。LIBPATH には /opt/freeware/lib が含まれていなければなりません。これが含まれていないと、fontconfig パッケージのインストール時にエラーが発生します。
export LIBPATH=/opt/freeware/lib:/usr/lib
cd step2; rpm -Uvh *.rpm ; cd ..
- gtk2 パッケージをインストールします。
cd step3; rpm -Uvh *.rpm ; cd ..
Installation Manager またはプロファイル管理ツールを始動する前に、LIBPATH に /opt/freeware/lib が含まれていて、/usr/lib の前に配置されていることを確認してください。
- emacs やその他のフリーウェアを使用する際に、システム cp コマンドを検査します。
ご使用のオペレーティング・システムに、emacs やその他のフリーウェアがインストール済みである場合は、システム
cp コマンドが使用されているかどうかを検証します。
- WebSphere Application Server 製品用のインストール・プログラムを実行する前に、コマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。
which cp
- その結果表示されるディレクトリー出力に freeware が含まれている場合は、PATH から freeware ディレクトリーを除去します。
例えば、メッセージが .../freeware/bin/cp のように出力されるとします。
その場合は、PATH からこのディレクトリーを除去します。
- WebSphere Application Server 製品をインストールします。
- freeware ディレクトリーを PATH に追加します。
フリーウェア・パッケージの一部である cp コマンドを指定してインストールする場合、インストールが正常に完了したように見えても、本製品がインストールする Java 2 SDK で、app_server_root/java ディレクトリーに欠落ファイルがある場合があります。
ファイルが欠落していると、必要なシンボリック・リンクが壊れる可能性があります。PATH からフリーウェア cp コマンドを除去すると、アプリケーション・サーバー製品を正常にインストールできます。
- 独自のディスクを作成した場合は、インストール・イメージ・ディスク上の Java SDK が正常に機能していることを確認します。
例えば、Passport Advantage® からインストール・イメージをダウンロードした場合や、
インストール・イメージをバックアップ・ディスクにコピーした場合です。いずれの場合でも、以下のステップを実行して、ディスクに有効な Java Software Development Kit (SDK) があることを確認します。
- ディレクトリーを、製品ディスクの
/JDK/jre.pak/repository/package.java.jre/java/jre/bin ディレクトリーに
変更します。 例:
cd /JDK/jre.pak/repository/package.java.jre/java/jre/bin
- Java のバージョンを確認します。 以下のコマンドを入力します。
./java -version
Java が完全であれば、
コマンドはエラーを伴わずに正常に完了します。
- オプション: Mozilla Firefox ブラウザーがインストールされていない場合はインストールします。
次のロケーションから AIX 用 Mozilla をダウンロードします。Web
browsers for AIX
installp イメージをダウンロードし、SMIT からインストールします。
- オプション: サポートされるブラウザーのロケーションをエクスポートします。
ブラウザーの実際のロケーションを識別するコマンドを使用して、サポートされるブラウザーのロケーションをエクスポートします。
例えば、
Mozilla Firefox パッケージが
bin/firefox ディレクトリーにある場合、
以下のコマンドを使用して BROWSER=/usr/bin/firefox をエクスポートします。
EXPORT BROWSER=/usr/bin/firefox
- オプション: ワークロード・パーティション (WPAR) を準備します。
AIX バージョン 6.1 上の WPAR に製品をインストールする場合は、WPAR に /usr および /opt ファイル・システムの専用で書き込み可能なバージョンがあることを確認する必要があります。このタイプの WPAR がない場合は、次の手順で新規 WPAR を作成します。
- ネットワークの IP アドレスにマップする WPAR の名前を選択するか、新規 WPAR のエントリーを /etc/hosts ファイルに追加します。
サブネット IP アドレスも分かっている必要があります。
- 次のコマンドを使用して WPAR を作成します。
mkwpar -n <wpar_name> -h <host_name> -N netmask=<A.B.C.D> address=<A.B.C.D> -r -l
注: -l パラメーターを指定すると、/usr および /opt ファイル・システムの専用の書き込み可能バージョンが作成されます。
次のタスク
最適なパフォーマンスのためには、ご使用のオペレーティング・システム用に Java 環境を調整します。詳しくは、特定の AIX オペレーティング・システム用の Java チューニング情報を参照してください。
前提条件の検証、製品ディスクの検証、およびインストール目的の設定後に、
インストールを開始することができます。
次のいずれかのインストール手順を使用します。