z/OS 標準命名規則
WebSphere® Application Server for z/OS® では、セルおよびノードは、 プロファイル管理ツールまたは zpmt コマンドで作成されたカスタマイズ・ジョブを使用して、ビルドされます。 プロファイル管理ツールを使用してこれらのカスタマイズ・ジョブを作成する場合には、ほとんどのフィールドがデフォルト値で事前設定されています。 1 文字または 2 文字のセル、クラスター、およびシステム ID の値がカスタマイズ中に指定された場合、標準命名規則に従った、デフォルト値が使用されます。
標準命名規則は、初期使用と実動使用の両方に適しており、セルおよびサーバーのグループを作成することができます。各グループは、ユーザー ID およびグループ名の共通セットを共有します。 セルおよびサーバーのグループは、同じセル ID を共有して識別されます。
標準命名規則と基本命名規則の違い
この管理グループは、実際には WebSphere Application Server アーキテクチャーの一部ではありません。z/OS 上で、セルのグループが SAF グループ ID とユーザー ID の共通セットを使用できるというだけです。 これによって、セル間の接続のセットアップが単純化します。 一方、別のセルで異なる SAF グループ ID とユーザー ID を使用すると、管理とランタイムを分離して、 異なる SAF ID を使用したセルが、指定した方法でのみ対話できるようにするか、まったく対話できないようすることが可能になります。
セル、システム、およびクラスター ID の選択
- この 2 文字の大文字英数字の値を使用して、同じセル ID を共有するすべてのセルおよびサーバーで使用される、SAF ユーザー ID およびグループの名前を作成します。
セル名、ノード名、および他の値をビルドするために、システム ID とともに使用されます。
2 つのセル間の対話を単純化するためには、同じセル ID を使用してセルを作成します。 2 つのセル間の対話を最小化または阻止するためには、異なるセル ID を使用してセルを作成します。
制約事項: - この 1 文字の大文字英数字の値を使用して、Network Deployment セル内のアプリケーション・サーバー・ノードおよびさまざまなタイプの他のサーバーを互いに識別します。
名前は、セルの範囲の各 z/OS システム上で 1 つのアプリケーション・サーバー・ノードを持つ Network Deployment セルを作成する慣習を基にしています。
ただし、この 1 文字の ID を使用して、同じ z/OS システム上の複数のノードを識別したり、同じセル ID を持つ、複数の単一ノード・セルを識別したりすることもできます。
後者の場合、システム ID は実際の z/OS システムを表すものである必要はありません。
1 つの z/OS ごとに 1 つのノードを持つ Network Deployment セルの場合、各 z/OS システムに 1 文字の英数字を割り当てて、 そのシステム上の統合対象または管理対象のアプリケーション・サーバーを構成する際にその値を使用します。 他のタイプのセルの場合、同じタイプのどの 2 つのサーバーもセル ID とシステム ID を共有しないという条件の下、任意の規則を割り当てることができます。
- この 2 文字の大文字英数字の値を使用して、アプリケーション・サーバー・ノード内のアプリケーション・サーバーを識別します。 任意のアプリケーション・サーバーをアプリケーション・サーバー・クラスターのベースとして使用できるようにするために、 Network Deployment セル内の各クラスター化されていないアプリケーション・サーバーをそれ自身のクラスター ID を使用して作成します。 この項目の最後の例では、各名前の部分を識別しやすくするために、クラスター ID が 2 桁の数字で指定されています。
セル名、ノード名、およびサーバー名のデフォルト値
固有のシステム ID をそれぞれの他のセル・タイプに割り当てることによって、 単一のセル ID で標準命名規則を使用して、1 つの Network Deployment セルおよび最大 36 個のそれぞれの他のセル・タイプを構成することができます。 すなわち、共通セル ID を共有する、2 つのスタンドアロン・アプリケーション・サーバーまたは 2 つのジョブ・マネージャーには別々のシステム ID を割り当てる必要があります。
名前 | ND セル・デプロイメント・マネージャー | ND セル管理対象ノード | スタンドアロン・アプリケーション・サーバー | 管理エージェント | ジョブ・マネージャー | セキュア・プロキシー・サーバー | セキュア・プロキシー管理エージェント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
セル名 | aaCELL | aaCELL | aaBASEs | aaADMAs | aaJMGRs | aaPROXs | aaPRXAs |
ノード名 | aaDMNODE | aaNODEs | aaNODEs | aaADMAs | aaJMGRs | aaPROXs | aaPRXAs |
Network Deployment セルには 1 つのデプロイメント・マネージャーが含まれており、 1 つのシステム ID につき 1 つの (管理対象または統合対象) アプリケーション・サーバー・ノードを含めることができます。 スタンドアロン・アプリケーション・サーバーのノード名は、Network Deployment セルと同じ規則を使用します。このため、簡単に統合することができます。 他のサーバー・タイプは、複数のノードや複雑な命名規則が必要ないため、セル名とノード名と同じ値を使用します。
これまで使用した名前は、セル・ショート・ネームやノード・ショート・ネームなど、大文字である必要がある、z/OS ショート・ネームであるため、すべて大文字でした。 これらの値にはそれぞれ、大/小文字混合のロング・ネームもあります。これは、内部 WebSphere Application Server バージョンの名前です。 便宜上、標準命名規則は、ショート・ネームのものと同じロング・ネームの値を使用しますが、小文字に変換します。
サーバー名は、セル ID、システム ID、およびクラスター ID (アプリケーション・サーバーの場合) から作成されます。 Network Deployment セルには、1 つのデプロイメント・マネージャーのみを持つことができ、他の非アプリケーション・サーバー・タイプはそれぞれ、 単一のサーバーのみを持ちます。各サーバーには、サーバーをワークロード管理に識別するために使用され、 クラスター化されるアプリケーション・サーバーの初期クラスター名にも使用される、汎用ショート・ネームも割り当てられます。
名前 | ND セル・デプロイメント・マネージャー | ND セルまたはスタンドアロンのアプリケーション・サーバー | 管理エージェント | ジョブ・マネージャー | セキュア・プロキシー・サーバー | セキュア・プロキシー管理エージェント |
---|---|---|---|---|---|---|
サーバー名 | aaDMGR | aaSRnns | aaADMAs | aaJMGRs | aaPROXs | aaPRXAs |
汎用名 | aaDMGR | aaSRnn | aaADMAs | aaJMGRs | aaPROXs | aaPRXAs |
このアプリケーション・サーバー命名規則によって、同じ命名規則に従ったアプリケーション・サーバー・ノード内に追加サーバーを作成することができます。また、クラスター化も簡単になります。
SAF グループ名およびユーザー ID 名のデフォルト
ccCFG | 構成グループ 管理特権およびサーバー特権を提供します。 |
ccSRVG | サーバント・グループ サーバント領域が必要な特権を提供します |
ccGUESTG | 非認証のローカル・ユーザーまたはゲスト・グループ セルのみにアクセスする基本特権を提供します |
ccACRU | コントローラー・ユーザー ID コントローラー、制御領域付属、およびデーモンによって開始されたタスク |
ccASRU | サーバント・ユーザー ID サーバントによって開始されたタスク |
ccADMIN | 管理者ユーザー ID セル構成に使用。特定の環境では WAS 管理者として使用 |
ccGUEST | 非認証ユーザーのユーザー ID (z/OS 管理対象セキュリティーのみ) セキュリティーのため、不明ユーザーとして提示 |
構成ファイル・システム名およびマウント・ポイントのデフォルト値
OMVS.MNT.cell_short_name/node_short_name.HFS
(HFS データ・セットの場合)
OMVS.MNT.cell_short_name/node_short_name.ZFS
(zFS データ・セットの場合)
これらの名前をローカルの規則に合うように変更することができますが、各データ・セットに関連したセルおよびノードを分かりやすくしてください。
これらの構成ファイル・システムのデフォルト・マウント・ポイントは、以下のように、可読性のため、セルおよびノードのロング・ネーム (デフォルトではロング・ネームを小文字に変換しただけのもの) を使用します。
/wasv9config/cell_long_name/node_long_name
データ・セットの名前を変更することはできますが、初期カスタマイズの後にマウント・ポイントを変更することはできません。これは、マウント・ポイントは、 構成ファイル中で参照されているからです。 この 1 つの結果として、スタンドアロン・アプリケーション・サーバーを Network Deployment セルに統合する際、マウント・ポイントに古い (スタンドアロン) セル名が含まれていても、 スタンドアロン・アプリケーション・サーバーは元の構成マウント・ポイントを保持します。 スタンドアロン・アプリケーション・サーバーを特定の Network Deployment セルに統合することを知っているユーザーは、 ノードの最終的なセル名を反映するために、スタンドアロン・アプリケーション・サーバーの作成時に、構成ファイル・システム・データ・セット名およびマウント・ポイントを手動で更新することができます。
ジョブ名およびカタログ式プロシージャー名のデフォルト値
ほとんどのアプリケーション・サーバーは、1 つのコントローラー (制御領域) と 1 つ以上のサーバント (サーバント領域) で構成されます。 アプリケーション・サーバーには、制御領域付属と呼ばれるメッセージ領域も 1 つ含まれます。制御領域のジョブ名は、サーバー・ショート・ネームと同じです。 サーバントの初期ジョブ名は、サーバー・ショート・ネームの後ろに「S」を付加したものになり、 制御領域付属の初期ジョブ名は、サーバー・ショート・ネームの後ろに「A」を付加したものになります。 (このため、サーバー・ショート・ネームの長さは、慣習的に 7 文字に制限されています。)
各制御領域、サーバント領域、および制御領域付属には、サーバーの構成ファイル・システムをポイントするカタログ式プロシージャーが必要です。 実際、これは、各ノードに、専用のコントローラー、サーバント、および制御領域付属 (一部の場合) のカタログ式プロシージャーが含まれることを意味します。 しかし、アプリケーション・サーバー・ノード内の異なるサーバーは、構成ファイル・システムを共有しているため、専用のカタログ式プロシージャーを必要としません。
名前 | ND セル・デプロイメント・マネージャー | アプリケーション・サーバー・ノード (ND セル内のノード・エージェント) | アプリケーション・サーバー・ノード (アプリケーション・サーバー) | 管理エージェント | ジョブ・マネージャー | セキュア・プロキシー・サーバー | セキュア・プロキシー管理エージェント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
コントローラー・ジョブ名 | ccDMGR | ccAGNTs | ccSRnns | ccADMAs | ccJMGRs | ccPROXs | ccPRXAs |
サーバント・ジョブ名 | ccDMGRs | ccAGNTsS | ccSRnnsS | ccADMAsS | ccJMGRsS | ccPRXAsS | |
付属ジョブ名 | ccSRnnsA | ||||||
コントローラー・プロシージャー | ccDCR | ccACRs | ccACRs | ccGCRs | ccJCRs | ccXCRs | ccYCRs |
サーバント・プロシージャー | ccDSR | ccASRs | ccASRs | ccGSRs | ccJSRs | ccYSRs | |
付属プロシージャー | ccAARs |
名前 | ND セル (すべてのノード) | スタンドアロン・アプリケーション・サーバー | 管理エージェント | ジョブ・マネージャー | セキュア・プロキシー・サーバー | セキュア・プロキシー管理エージェント |
---|---|---|---|---|---|---|
デーモンのジョブ名 | ccDEMN | ccDEMNs | ccDMNGs | ccDMNJs | ccDMNXs | ccDMNYs |
デーモン・プロシージャー | ccDEMN | ccDEMNs | ccDMNGs | ccDMNJs | ccDMNXs | ccDMNYs |