WASPreUpgrade コマンド
WebSphere® Application Server バージョン 9.0 の WASPreUpgrade コマンドを使用して、前にインストールしたバージョンの WebSphere Application Server の構成をマイグレーション固有のバックアップ・ディレクトリーに保存します。
ロケーション
このコマンド・ファイルは、バージョン 9.0 app_server_root/bin ディレクトリーにあり、このディレクトリーから実行する必要があります。
権限
このコマンド・スクリプトを実行するには、 ユーザー・プロファイルに *ALLOBJ 権限が必要です。
構文
WASPreUpgrade backupDirectory
currentWebSphereDirectory
[-properties properties_file_name]
[-traceString trace_spec [-traceFile file_name ]]
[-workspaceRoot profile1=user_workspace_folder_name_1;profile2=user_workspace_folder_name_2]
[-username < user name >]
[-password < password >]
[-javaoption < -Xms...m > -javaoption < -Xmx...m > ] [-requireEmbeddedDBMigration true | false]
[-keepDmgrEnabled true | false]
パラメーター
このコマンドには、以下のパラメーターがあります。
- これは必須パラメーターで、最初に指定する必要があります。
値 backupDirectory は、コマンド・スクリプトが構成を保管したディレクトリーの名前を指定します。
トラブルの回避 (Avoid trouble): WAS_INSTALL および USER_INSTALL ルート・ディレクトリーは、WebSphere バックアップ・ディレクトリーとして無効なディレクトリーです。gotcha
これは、WASPostUpgrade コマンドが構成を読み取るディレクトリーでもあります。
ディレクトリーが存在しない場合は、WASPreUpgrade コマンド・スクリプトが作成します。
- これは必須パラメーターで、2 番目に指定する必要があります。
これは、マイグレーションがサポートされる WebSphere Application Server
バージョン 7.0 以降のどのエディションであってもかまいません。currentWebSphereDirectory 値は、マイグレーションするソース WebSphere Application Server インスタンスのバージョン 7.0 以降のプロファイルの、インスタンス・ルート・ディレクトリーまたはプロファイル・ルート・ディレクトリーの名前を指定します。
- これはオプション・パラメーターです。properties_file_name 値は、WASPreUpgrade などのマイグレーション・ツールがどのように動作するのかを定義するパラメーター・プロパティーを含んでいるプロパティー・ファイルへのパスを指定します。
コマンド・ラインに大部分のオプション・パラメーターを指定するのではなく、 マイグレーション・プロパティー・ファイル内にパラメーター・プロパティーを定義することができます。プロパティー・ファイルで定義されているパラメーターがコマンド・ラインでも指定された場合は、コマンド・ラインに指定されたパラメーターが優先されます。
注: 一部のパラメーターはプロパティー・ファイル内に指定できません (-properties パラメーター自体や、-username および -password など)。プロパティーとして定義できないパラメーターのリストについては、 app_server_root/bin ディレクトリー内のテンプレート migration.properties ファイルを参照してください。 - これはオプション・パラメーターです。値 trace_spec は、
収集するトレース情報を指定します。
すべてのトレース情報を収集するには、 "*=all=enabled" (引用符を付けて) を指定します。
-traceString または -traceFile パラメーターを指定しないと、 コマンドはデフォルトでトレース・ファイルを作成し、そのファイルを backupDirectory/logs ディレクトリーに配置します。
- これはオプション・パラメーターです。値 file_name は、
トレース情報の出力ファイルの名前を指定します。
-traceString または -traceFile パラメーターを指定しないと、 コマンドはデフォルトでトレース・ファイルを作成し、そのファイルを backupDirectory/logs ディレクトリーに配置します。
- これはオプション・パラメーターです。値 user_workspace_folder_name_x は、1 つ以上のプロファイルに対して管理コンソールでカスタマイズした「マイ・タスク」設定のロケーションを指定します。
- これはオプション・パラメーターです。値 user name は、現在の WebSphere Application Server インストール済み環境の管理ユーザー名を指定します。以下の条件が該当する場合、これは必須パラメーターです。
- デプロイメント・マネージャーをマイグレーションしている。
- ソース・インストールで管理セキュリティーまたはグローバル・セキュリティーが有効である。
- マイグレーションする WebSphere Application Server インストール済み環境が バージョン 8.0 以上である。
- これはオプション・パラメーターです。値 password は、現行の WebSphere Application Server インストール済み環境の管理パスワードを指定します。以下の条件が該当する場合、これは必須パラメーターです。
- デプロイメント・マネージャーをマイグレーションしている。
- ソース・インストールで管理セキュリティーまたはグローバル・セキュリティーが有効である。
- マイグレーションする WebSphere Application Server インストール済み環境が バージョン 8.0 以上である。
- これはオプション・パラメーターです。このパラメーターを使用して、
WASPreUpgrade コマンドが使用する Java™ ヒープのメモリー・サイズを指定します。
値「-Xms...m」は、開始ヒープ・サイズを示すために指定するパラメーターです。 「...」は、使用する予定だったサイズ (M バイト) に置き換えます。 例えば、初期ヒープ・サイズを 128 MB にする場合には、このパラメーターに -javaoption -Xms128m と指定します。
値「-Xmx...m」は、最大ヒープ・サイズを示すために指定するパラメーターです。 「...」は、使用する予定のサイズ (M バイト) に置き換えます。 例えば、最大ヒープ・サイズを 1024 MB にする場合には、このパラメーターに -javaoption -Xmx1024m と指定します。
- これは、組み込みデータベースをマイグレーションするためのオプション・パラメーターです。
値が true として指定された場合は、組み込みデータベースのマイグレーション時に発生するすべての例外で、WASPreUpgrade コマンドが失敗します。値が false として指定された場合は、組み込みデータベースのマイグレーション時に発生するすべての例外がトレース・ファイルに記録され、WASPreUpgrade コマンドは続行されます。
デフォルト値は true です。
- これは、バージョン 8.0 のデプロイメント・マネージャー・プロファイルをマイグレーションするために使用するオプション・パラメーターです。
WASPreUpgrade が実行されると、バージョン 8.0 のデプロイメント・マネージャー・プロファイルが停止されます。デフォルトでは、デプロイメント・マネージャーは停止されたままになります。値を true に設定すると、WASPreUpgrade は、コマンドの実行が終了する前にデプロイメント・マネージャーを開始します。
デフォルト値は false です。
ロギング
WASPreUpgrade ツールは、 実行中に画面に状況を表示します。また、このツールは広範囲にわたるロギング情報のセットを、 backupDirectory ディレクトリーに作成された WASPreUpgrade.time_stamp.log ファイルに保管します。 ここで、backupDirectory は、backupDirectory パラメーターに指定された値です。 テキスト・エディターを使用して、WASPreUpgrade.time_stamp.log ファイルを 表示することができます。
マイグレーション済みリソース
WASPreUpgrade は、 すべてのリソースを保管しますが、classes ディレクトリー内のエンティティーはマイグレーションしません。