数多くのアプリケーションを持つ大規模な WebSphere Application Server Network Deployment 構成のマイグレーション

数多くの大規模アプリケーションを持つ既存の WebSphere® Application Server Network Deployment の構成を使用しており、マイグレーションを行うために特定の保守ウィンドウを使用する必要がある場合は、標準のマイグレーション・シナリオを使用すると、問題が発生する可能性があります。この場合は、 構成ツリー内のリソースをバージョン 7.0 以降のデプロイメント・マネージャー構成からバージョン 9.0 のデプロイメント・マネージャー管理プロファイルにコピーしても、バージョン 9.0 プロファイルへのアプリケーションの追加は据え置くようにすると、 バージョン 7.0 以降のデプロイメント・マネージャーを使用して環境を管理し続けることができます。

始める前に

サポートされる構成 サポートされる構成:

この項目では、プロファイル構成マイグレーションについて説明します。アプリケーションを最新バージョンにマイグレーションするには、WebSphere Application Server Migration Toolkit を使用します。詳しくは、WASdev の Migration Toolkit を参照してください。

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ヒント: 接続タイムアウトの問題が発生する可能性を回避するには、 接続タイムアウト値を変更してから、WASPostUpgrade コマンドを実行して、 小さなアプリケーション、数個の大規模アプリケーション、または 1 つの非常に大規模な アプリケーションが含まれるセルで統合ノードをマイグレーションします。例えば、SOAP コネクターを 使用する場合は、以下のアクションを実行します。
  1. 統合ノードをマイグレーションするプロファイル用の、バージョン 9.0 ディレクトリー内の以下のロケーションに進みます。
    profile_root/properties 
  2. そのディレクトリー内で soap.client.props ファイルを開いて、com.ibm.SOAP.requestTimeout プロパティーの値を検索します。 これは秒単位のタイムアウト値です。 デフォルト値は 180 秒です。
  3. com.ibm.SOAP.requestTimeout の値を変更して、構成をマイグレーションするのに十分な大きさにします。 例えば、以下のエントリーによって、30 分のタイムアウト値が与えられます。
    com.ibm.SOAP.requestTimeout=1800
    注: 必要に合った最小のタイムアウト値を選択します。 選択したタイムアウトを少なくとも 3 回待機するように準備します。1 回はバックアップ・ディレクトリーにファイルをダウンロードするため、1 回はデプロイメント・マネージャーにマイグレーション済みファイルをアップロードするため、 そしてもう 1 回はデプロイメント・マネージャーをマイグレーション済みノード・エージェントと同期化するためです。
  4. WASPreUpgrade コマンドが作成したバックアップ・ディレクトリー内の以下のロケーションに進みます。
    backupDirectory/profiles/profile_name/properties
  5. そのディレクトリー内で soap.client.props ファイルを開いて、com.ibm.SOAP.requestTimeout プロパティーの値を検索します。
  6. com.ibm.SOAP.requestTimeout の値を、バージョン 9.0 ファイル内で使用した値と同じ値に変更します。

マイグレーション、共存、およびインターオペラビリティーの概要およびマイグレーションに関する考慮事項を参照してください。マイグレーションの計画および実行に役立つリソースについては、Knowledge Collection: Migration planning for WebSphere Application Server を参照してください。

このタスクについて

このストラテジーを使用すると、既存のトポロジーがまだ実行および管理されている間に、バックグラウンドで WebSphere Application Server バージョン 9.0 WebSphere Application Server Network Deployment の完全な構成を構築することによって、特定の保守ウィンドウの要件を満たすことができます。

マイグレーション時の問題のトラブルシューティングのヘルプについては、マイグレーションのトラブルシューティングを参照してください。

手順

  1. WebSphere Application Server バージョン 7.0 以降のデプロイメント・マネージャーが実行中で、既存の環境が管理されていることを確認し、バージョン 9.0 のデプロイメント・マネージャーは実行されていないことを確認します。

    このことは、2 つの異なるデプロイメント・マネージャーが同じ環境を管理することを防ぐために 重要となります。

  2. WebSphere Application Server のスクリプトを実行するために Qshell 環境を開始します。
    次のコマンドをコマンド行から入力します。
    STRQSH
  3. WASPreUpgrade コマンドを実行します。
    以下のパラメーターを使用します。
    app_server_root/bin/WASPreUpgrade 
     backup_directory_name
     old_profile_root
    ここで、
    • app_server_root は、バージョン 9.0 がインストールされている場所です。
    • backup_directory_name (必須パラメーター) は、WASPreUpgrade マイグレーション・ツールによって保存された構成と ファイルが格納されている、統合されたファイル・システム・ディレクトリーへの完全修飾パスです。

      このディレクトリーが存在しない場合、ディレクトリーが作成されます。また、このツールは、WASPreUpgrade コマンドが実行したステップが 記述されている WASPreUpgrade.log という名前のログ・ファイルも書き込みます。

    • old_profile_root (必須パラメーター) は、マイグレーション対象のバージョン 7.0 以降のインスタンスまたはプロファイルへのパスです。

    WASPreUpgrade コマンドとそのパラメーターについて 詳しくは、WASPreUpgrade コマンドを参照してください。

  4. WASPostUpgrade コマンドを実行します。
    以下のパラメーターを使用します。
    app_server_root/bin/WASPostUpgrade
     backup_directory_name
     -profileName 80ND_profile_name
     -includeApps script
     -keepDmgrEnabled true
    ここで、
    • app_server_root は、バージョン 9.0 がインストールされている場所です。
    • backup_directory_name (必須パラメーター) は、WASPreUpgrade マイグレーション・ツールが バージョン 7.0 以降 のデプロイメント・マネージャー構成を保存するために使用した、統合されたファイル・システム・ディレクトリーへの完全修飾パスです。
    • 80ND_profile_name (必須パラメーター) は、スクリプトによって構成がマイグレーションされるバージョン 9.0 のデプロイメント・マネージャー管理プロファイルの名前です。

    WASPostUpgrade コマンドとそのパラメーターについて 詳しくは、WASPostUpgrade コマンドを参照してください。

    この時点で保守ウィンドウを終了できますが、WebSphere Application Server バージョン 7.0 以降のデプロイメント・マネージャーを使用して環境を管理できます。

  5. 管理ファイルをカスタマイズします。
    1. 生成された管理ファイルが含まれているマイグレーション・バックアップ・ディレクトリー に移動します。
    2. 必要に応じて管理ファイルを結合および調整します。

      一部の管理ファイルにアプリケーションをグループ化したり、installed.ear.destination パラメーターを使用して installedApplications ディレクトリーを指定したりします。

  6. WebSphere Application Server のスクリプトを実行するために Qshell 環境を開始します。
    次のコマンドをコマンド行から入力します。
    STRQSH
  7. wsadmin コマンドを実行してアプリケーションをインストールします。
    • 通常のオペレーションまたは関連する保守ウィンドウを使用して バージョン 9.0 の構成にアプリケーションをインストールします。
    • -conntype NONE を指定します。以下に例を示します。
      wsadmin -f application_script -conntype NONE

    すべてのアプリケーションがインストールされると、WebSphere Application Server バージョン 9.0 のデプロイメント・マネージャーを使用して開始できるようになります。

  8. WebSphere Application Server バージョン 7.0 以降 のデプロイメント・マネージャーを停止します。

    このことは、2 つの異なるデプロイメント・マネージャーが同じ環境を管理することを防ぐために 重要となります。

    これを行う方法はいくつかあります。 1 つの簡単な方法として、バージョン 7.0 以降のデプロイメント・マネージャーのノード・ディレクトリーにある serverindex.xml ファイルの名前を他の名前に変更します。

  9. WebSphere Application Server バージョン 9.0 のデプロイメント・マネージャーを開始します。
    1. WebSphere Application Server のスクリプトを実行するために Qshell 環境を開始します。
      次のコマンドをコマンド行から入力します。
      STRQSH
    2. QWAS9 サブシステムが開始されていない場合は、デフォルト・プロファイルを開始します。
      次のコマンドをコマンド行から入力します。
      STRSBS QWAS9/QWAS9
    3. startManager スクリプトを使用して、バージョン 9.0 のデプロイメント・マネージャーを開始します。
      以下のパラメーターを使用します。
      app_server_root/bin/startManager
       -profileName 80ND_profile_name
      ここで、
      • app_server_root は、バージョン 9.0 がインストールされている場所です。
      • 80ND_profile_name は、バージョン 9.0 のデプロイメント・マネージャー管理プロファイルの名前です。

タスクの結果

この時点で、WebSphere Application Server バージョン 9.0 のデプロイメント・マネージャーが実行され、通常のアプリケーション同期が発生します。

以下の手順のいずれかを実行できます。
  • アプリケーションをインストールする前に、セル全体をマイグレーションします。
  • 次のアクションを実行します。
    1. アプリケーションをインストールし、セルを混合状態のままにします。
    2. 準備が整ったら、接続タイムアウト値を変更 (この文書の最初にあるヒントで 説明されています) してから、WASPostUpgrade コマンドを実行して、 統合ノードをマイグレーションします。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-iseries&topic=tmig_largend
ファイル名:tmig_largend.html