柔軟な管理環境では、ジョブをリモート・ターゲットにサブミットすることにより、
アプリケーションの管理、リモート・マシンでの製品構成の変更、またはスクリプトの実行などの汎用タスクの実行が可能です。
いつジョブが開始するか、再帰的で
あるかどうか、およびいつ有効期限が切れるかを指定できます。
始める前に
ジョブをサブミットできるようにするには、その前に、少なくとも 1 つのターゲットをジョブ・
マネージャーに登録しておく必要があります。ターゲットは、管理エージェントに最初に登録されたアプリケーション・サーバー・ノード、デプロイメント・マネージャー・ノード、またはホスト・コンピューターにすることができます。
ジョブ・マネージャーおよびターゲットを開始します。
ターゲットがスタンドアロンのアプリケーション・サーバーの場合は、管理エージェントも開始します。
ジョブをサブミットするには、ジョブ・マネージャーで使用する ID に、管理者ロールまたはオペレーター・ロールの権限が付与されている必要があります。ジョブをサブミットするときに、ターゲットでの認証および許可のためにユーザー名とパスワードを指定できます。
ジョブ・パラメーターにユーザー名とパスワードを入力しない場合、ジョブ・マネージャーにあるジョブをサブミットする者のクレデンシャルが使用されます。複数のターゲットにジョブをサブミットする場合は、そのユーザー名とパスワード、またはサブミットする者のクレデンシャルは、ジョブのすべてのターゲットに適合するものでなければなりません。
ジョブを
ターゲットのグループに対してサブミットすることによって、複数のターゲットの管理を簡略化できます。ターゲットのグループはそれぞれに、ターゲットの 1 つのグループを表します。
ターゲットのグループにジョブをサブミットできるようにするには、その前に、該当のターゲットのグループを
作成しておく必要があります。
ジョブ・マネージャーの機能は、ジョブ・マネージャー内またはデプロイメント・マネージャー内に存在します。簡潔にするため、この資料では、この機能をジョブ・マネージャー と呼びます。
このタスクについて
ジョブ・マネージャーまたはデプロイメント・マネージャーの管理コンソールを使用して、アプリケーションを管理したり、リモート・ワークステーションでの製品構成の変更などのタスクを実行したり、またはスクリプトの実行などの汎用タスクを実行することができます。ジョブのサブミットを完了
するには、ジョブのタイプを選択して、ジョブを実行するターゲットを選択し、ジョブ・タイプに
固有のジョブのパラメーターを指定して、ジョブをスケジュールし、サマリーを確認し、ジョブをサブミットします。
このセクションのトピックでは、ジョブ・マネージャー・コンソールまたはデプロイメント・マネージャー・コンソールを使用してジョブをサブミットする方法を説明します。コンソールを使用する代わりに、AdministrativeJobs
コマンド・グループ内の wsadmin submitJob コマンドを使用してコマンド行からジョブをサブミットすることができます。管理ジョブ・タイプに関するトピックを参照してください。
手順
- ジョブ・マネージャー・コンソールまたはデプロイメント・マネージャー・コンソールのナビゲーション・ツリーから、の順でクリックします。
- ジョブ・タイプを選択します。
- リストからジョブ・タイプを選択します。
ジョブ・タイプの
リストは、ジョブ・マネージャーに登録したターゲットによって異なります。リストに表示
される値は、AdminTask オブジェクトの getJobTypes および getJobTypeMetadata コマンドから
取得されます。アプリケーションを管理したり、リモート・マシンでの製品構成の変更を行ったり、またはスクリプトの実行などの汎用タスクを行うジョブ・タイプがあります。
- オプションでジョブの説明を指定します。
説明は、最大
256 文字のストリングで指定できます。デフォルトの説明は、ジョブ・タイプです。デフォルトの
説明は変更または追加できます。「検索」オプションを使用して既存のジョブを表示する場合には、説明が役立ちます。
- 「次へ」をクリックします。
- ジョブ・ターゲットを選択します。
ジョブを実行する
ターゲットを決定します。
- リストからターゲットのグループを選択するか、または「ターゲット名」を
選択します。
選択したジョブ・タイプに有効なターゲットのグループのみが、ターゲットのグループの
リストに表示されます。
- 「ターゲット名」を選択した場合、ターゲット名を入力して、「追加」
をクリックするか、または「検索」オプションによりターゲットのリストを生成します。
- 入力するターゲット名
- ターゲット名を入力する場合は、ジョブ・マネージャーに登録しているターゲットである必要が
あります。「次へ」をクリックすると、ターゲット名の妥当性検査が実行されます。
- ターゲット名のリスト
- 「検索」をクリックします。
「ターゲットの検索」ページ
が表示されます。
- 「ターゲット・タイプ」に、「すべて」、「ホスト」、
または「ノード」を選択します。
デフォルト値は「すべて」です。
- 特定のキーワードで検索操作を実行する場合は、有効な演算子およびテキスト・ストリングを指定してください。
キーワードのリストは動的です。有効な
演算子は、= (等しい)、!= (等しく
ない)、is null、および is not null です。
テキスト・ストリングは、完全なものでも部分的なものでもよく、変数または不明な文字を
指定するためのアスタリスク (*) を含むことができます。
- 「検索」をクリックします。
「除外されるターゲット」リストに結果が表示されます。
- ターゲットにするターゲットを、「除外されるターゲット」リストから「選択されたターゲット」リストに移動します。
- 特定のターゲットを「除外されるターゲット」リストから「選択されたターゲット」リストに移動するには、「除外されるターゲット」リストのターゲットを選択し、「>」を選択します。
- 特定のターゲットを「選択されたターゲット」リストから「除外されるターゲット」リストに移動するには、「選択されたターゲット」リストのターゲットを選択し、「<」を選択します。
- 「選択されたターゲット」リストに必要なターゲットのリストが表示されたら、「OK」をクリックします。
「ジョブ・ターゲットを選択 (Choose job target)」ページに、ターゲットが表示されます。
- ターゲットが認証を要求する場合、ターゲットがジョブを実行できるようにユーザー名とパスワードを指定します。
例えば、ターゲット・ホストにアクセスするには、通常は、「ユーザー名 (User name)」と「パスワード認証 (Password
authentication)」の値を指定します。ユーザー名とパスワードはホストのログイン値です。ターゲット・ホストにパスワードが不要な場合、これらのフィールドは空白のままにします。
代替ユーザーがターゲット・ホストでコマンドを実行するようにする場合は、
「sudo の使用」を選択してジョブ実行の前にユーザーを変更して、必要に応じて代替ユーザーのユーザー名とパスワードを指定します。
sudo は、「代替ユーザーが実行する (substitute user do)」ことを意味します。
ターゲット・ホストでパスワードが必要とされない場合は、これらのパスワード・フィールドはブランクのままにします。
以下の選択の組み合わせが有効です。
- 「sudo の使用」を選択し、ユーザー名
および sudo パスワードをブランクのままにします。このように選択した場合、/etc/sudoers ファイル
内に設定されたデフォルト・ユーザーが使用され、接続ユーザーの
パスワードが使用されます。
- 「sudo の使用」を選択し、ユーザー名を指定し、
sudo パスワードをブランクのままにします。このように選択した場合、指定されたユーザーが使用され、
接続ユーザーのパスワードが使用されます。
- 「sudo の使用」を選択し、ユーザー名を指定し、
sudo パスワードを指定します。このように選択した場合、指定されたユーザーおよび sudo パスワードが
使用されます。
デフォルトは、sudo を
使用しないことです。sudo オプションは、AIX、HP-UX、Linux、および Solaris オペレーティング・システム
でのみサポートされます。
公開/秘密鍵認証を使用する場合は、「
公開/秘密鍵認証 (Public-private
key authentication)」を選択し、鍵ストアへの絶対パス、および鍵ストアに必要な場合はパスフレーズを指定します。
ベスト・プラクティス: 公開/秘密鍵認証を使用するには、まず、ssh-keygen などの鍵生成ツールを使用して 1 対の鍵を生成します。次に、ターゲット・ホスト上のユーザーの
authorized_keys ファイルに公開鍵を追加します。それから、この
「ジョブ・ターゲットの選択 (Choose job targets)」ページで、ユーザー名、完全修飾秘密鍵ファイル、およびオプションで完全修飾パスフレーズを指定します。
best-practices
- 「次へ」をクリックします。
- ジョブのパラメーターを指定します。
ジョブのパラメーターの
リストは動的で、ジョブ・タイプに基づいています。例えば、アプリケーションをインストールするジョブ・タイプの場合、アプリケーション名、インストールするアプリケーションのロケーション、およびオプションでシステムによってアプリケーションがインストールされるサーバーの名前を指定します。
複数のターゲットに 1 つのジョブを
サブミットするときには、パラメーター値はジョブのすべてのターゲットに
適合するものでなければなりません。
以下の表では、パラメーターのタイプを
説明します。
パラメーターのタイプ |
説明 |
ストリング |
適切なパラメーターのテキストを入力できます。テキストは、ジョブが
サブミットされるまで、妥当性検査が実行されません。 |
ターゲット・リソース |
ターゲット・リソースを選択できます。最初のステップで選択したジョブ・タイプ
に従って、リソースを検索するために「検索」オプションを利用できます。 |
- 利用可能な場合は、オプションで「検索」をクリックします。
「ターゲット・リソースの検索」ページが表示されます。
- 特定のキーワードで検索操作を実行する場合は、有効な演算子およびテキスト・ストリングを指定してください。
キーワードのリストは動的です。有効な
演算子は、= (等しい)、!= (等しく
ない)、is null、および is not null です。
テキスト・ストリングは、完全なものでも部分的なものでもよく、変数または不明な文字を
指定するためのアスタリスク (*) を含むことができます。
- 「検索」をクリックします。
すべての選択された
エンドポイントのリストに共通の「使用可能リソース」に、結果が表示されます。
- 「OK」をクリックして結果を保存し、
ジョブ・パラメーターを指定するページに戻ります。
- 「次へ」をクリックします。
- ジョブをスケジュールします。
指定する日時は
ジョブ・マネージャーに関連しています。
- オプションで、ジョブの完了時に通知が送信される 1 つ以上の電子メール・アドレスを指定します。
複数の電子メール・アドレスを指定する場合は、コンマで区切ります。電子メール・アドレスは、コンソールの設定に
保存されます。
各電子メール・アドレスは、フォーマット・エラーがないか検証されます。
- ジョブがサブミットに対して利用可能になる時間を選択します。
ジョブを今利用可能にするためにサブミットするか、またはジョブがジョブ・マネージャーから取り出される時間と
日付を指定することができます。
- ジョブの有効期限を選択します。
ジョブの有効期限は、
実行のためにターゲットがジョブを利用できなくなる時刻のことです。
デフォルトの有効期限を使用する、ジョブの有効期限の日時を指定する、または
ジョブの有効期限が切れるまでの時間数を指定できます。デフォルトの有効期限は、ジョブ・マネージャーの構成ページで定義されます。
- オプションで、ジョブが再帰する間隔、間隔の開始日時、および間隔の
終了日時を指定します。
- 「次へ」をクリックします。
- サマリーを確認して、ジョブをサブミットします。
- オプションを変更する場合は、変更対象のページが表示されるまで「前へ」を
クリックします。そのページを修正し、「ジョブのサマリーおよびサブミット
(Summary and submit the job)」ページが表示されるまでページを進めます。
- オプションを確認した後、「終了」をクリックしてジョブを
サブミットします。
サブミットしたジョブの状況のみが表示される「ジョブの状況 (Job status)」コレクション・ページが表示されます。
タスクの結果
ジョブをサブミットしても、その後ですぐジョブが実行するとは限りません。
ジョブ・マネージャーは、サブミットされたジョブをキューに入れます。管理エージェントとデプロイメント・マネージャーは、オンライン時に、構成されたポーリング間隔に基づいてジョブ・マネージャーにジョブがないかをポーリングします。デフォルトのポーリング間隔
は 30 秒です。管理エージェントとデプロイメント・マネージャーがジョブを取得し、ジョブ・マネージャーに結果を戻すには、少なくとも 2 ポーリング周期かかります。ターゲットのジョブでの処理時間によっては、ジョブ完了までの周期はさらに長い場合があります。
次のタスク
ジョブのサブミット後に、「ジョブ状況」ページで固有のジョブ ID (例: 122763380912576341) が表示されます。ジョブ ID を使用して、ジョブの照会、中断、再開、または削除を行うことができます。ジョブ ID
をクリックすると、そのジョブのアクティベーション時間や有効期限の時間を含むそのジョブ固有のプロパティーと、ジョブの状況が表示されます。ジョブ状況のリンクをクリックすると、各ジョブ・ターゲットのジョブ・ヒストリーが表示されます。状況のリフレッシュ・アイコン
をクリックして、表示されている状況をリフレッシュします。
ジョブ・マネージャー・コンソールまたは
wsadmin コマンドを使用して、ジョブの状態と状況を確認できます。
ジョブ状態は、ジョブ・マネージャーの観点から、ジョブが実行プロセスのどこにあるのかを示します。表 1 に、ジョブ状態をリストします。
表 1. ジョブ状態. 状態は、ジョブがアクティブかどうかを示します。ジョブ状態 |
説明 |
Pending |
ジョブはサブミットされたが、まだターゲットでの実行に使用可能になっていません。 |
Active |
1 つ以上のターゲットがジョブの実行を開始しています。 |
Expired |
ジョブの有効期限が切れています。ジョブの有効期限が切れる前にターゲットがそのジョブの実行を開始していた場合は、そのジョブの実行は続行されます。ジョブの有効期限が切れた後は、ターゲットはジョブの実行を開始できません。 |
Suspended |
ジョブはオペレーションを中断しました。ジョブの中断前にターゲットがそのジョブの実行を開始していた場合は、そのジョブの実行は続行されます。
ジョブが中断された後は、ターゲットはジョブの実行を開始できません。 |
ジョブ状況は、
管理対象ターゲットでのジョブ処理のヒストリーを示します。標準的なジョブ・ヒストリーでは、状況は「Distributed」から「In progress」、「Succeeded」へと進行します。表 2 に、ジョブ状況の値を示します。
表 2. ジョブ状況の説明. 状況は、ジョブが正常に完了したかどうかを示します。ジョブ状況 |
説明 |
Not attempted |
ターゲットはジョブを受け取っていません。状況は
NOT_ATTEMPTED です。 |
Distributed |
ターゲットはジョブを受け取りました。状況は
DISTRIBUTED です。 |
In progress |
ターゲットは、このジョブを他のジョブと並行して実行しています。状況は ASYNC_IN_PROGRESS です。 |
失敗 |
ジョブは失敗し、もう実行していません。状況は
FAILED です。 |
Rejected |
ターゲットはジョブを拒否しました。例えば、ターゲットがそのジョブ・タイプをサポートしていないためです。状況は REJECTED です。 |
成功しました |
ジョブは正常に完了しました。状況は SUCCEEDED です。 |
Partially succeeded |
この状況は、クラスターが複数のクラスター・メンバーを持つ場合の startCluster ジョブと stopCluster ジョブ、
および、複数のターゲットにアプリケーションがインストールされている場合の startApplication ジョブ
と stopApplication ジョブにのみ適用されます。いくつかのクラスター・メンバーが始動または停止された、またはアプリケーションをすべてのアプリケーション・ターゲット上で開始していない場合にのみ、ジョブの状況は
PARTIALLY_SUCCEEDED です。 |
デフォルトでは、サブミットされたジョブは 1 日間 (24 時間) アクティブになっています。アクティブなジョブは、マシン・リソースを消費する稼働中の Java プロセスです。必要のないジョブは削除してください。ジョブ・マネージャー・コンソールの「ジョブ状況」ページを使用できます。とクリックしてジョブを選択し、「削除」をクリックします。