セルのカスタム・プロパティー

データの名前と値のペアを構成することができます。 名前はプロパティー・キー、値はストリング値で、これらを使用することにより、セルの構成プロパティーを設定できます。 セルに新規カスタム・プロパティーを定義すると、管理コンソールで提供されるもの以外の設定を構成することができます。 このトピック では、セルの構成に使用できるカスタム・プロパティーのリストを示します。

セルにカスタム・プロパティーを指定するには、以下のようにします。

  1. 管理コンソールで「システム 管理」 > 「セル」 > 「カスタム・プロパティー」をクリックします。
  2. 「カスタム・プロパティー」ページで、「新規」をクリックします。
  3. 設定ページで、構成するカスタム・プロパティーの名前を「名前」フィールド に入力し、設定する値を「値」フィールドに入力します。
  4. 「適用」または「OK」をクリックしてから、「保存」をクリックして構成の変更を保存します。
  5. セルがあるサーバーを再始動します。

製品には以下のカスタム・プロパティーが用意されています。

com.ibm.websphere.management.launcher.options

displayServerInFront の値を指定すると、ps -ef コマンドの出力の先頭部分に、セル、ノード、およびサーバーの名前が表示されます。 このプロパティーの使用は、サーバーのプロセス ID の識別に役立ちます。 このプロパティーはサーバー・プロセスには影響しません。

情報
プロパティー com.ibm.websphere.management.launcher.options
データ型 ストリング
デフォルト none
[z/OS]

com.ibm.websphere.process.terminator.deletepid

デフォルトでは、サーバー・モニター・ポリシーの autoRestart 属性は false に設定されます。通常は自動再始動管理 (ARM) を使用して、アプリケーション・サーバーの自動再始動が管理されるからです。 サーバー・モニター・ポリシーの autoRestart 属性は、server.xml ファイルで定義されます。

サーバーの自動再始動の管理に ARM を使用しないために autoRestart 属性を true に設定した場合は、セル構成にセル・カスタム・プロパティー com.ibm.websphere.process.terminator.deletepid も追加し、そのカスタム・プロパティーを true に設定する必要があります。 autoRestart 属性の設定 だけを変更すると、セル内のサーバーは stopImmediate コマンドに応じて再始動することを 続けます。

情報
プロパティー com.ibm.websphere.process.terminator.deletepid
データ型 ブール
デフォルト false

enableAdminAuthorizationCache

デフォルトでは、許可のキャッシングは使用不可にされます。このプロパティー 値を true にすることによってキャッシングを使用可能にできます。

{
wsadmin> set c [$AdminConfig list Cell]
wsadmin> $AdminConfig create Property $c {{name enableAdminAuthorizationCache}{value true}}
}

このプロパティーが設定されると、RACF® 許可が行われる回数は減ります。

IBM_CLUSTER_CALLBACK_TIMEOUT

クライアントがクラスターに対する最初の要求をサブミットした後、そのクラスターのデータが収集されるまでノード・エージェントが待機する時間をミリ秒単位で指定します。 IBM_CLUSTER_ENABLE_PRELOAD カスタム・プロパティーが true に設定されている場合は、 このプロパティーに値を指定する必要はありません。この場合はサーバーの開始プロセス中に データがプリロードされるためです。

このプロパティーに指定した時間が、収集すべきクラスター・データの量に対して十分でない場合は、クライアントが最初に何度かクラスターに要求を送信したときに、「NO_IMPLEMENT: No Cluster Data Available」例外が発生することがあります。 このプロパティーに適切な時間の長さを指定するか、またはタイムアウトを完全になくす 0 の値を指定すると、クラスター・データが指定の長さの時間内で収集されるため、「NO_IMPLEMENT: No Cluster Data Available」の例外が発生しなくなります。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_CALLBACK_TIMEOUT
データ型 整数
デフォルト 180000 (3 分に相当)

IBM_CLUSTER_CUSTOM_ADVISOR_THREAD_POOL_SIZE

カスタム・アドバイザーの実行に使用されるスレッド・プールの、スレッドの数を指定します。

プロキシー・サーバー上で構成されたすべてのカスタム・アドバイザーを実行するために使用されるスレッド・プールが 1 つあります。 プール内にあるスレッド数より多くのカスタム・アドバイザーが構成され、ポーリング間隔およびその他の状況から、プール内のスレッドより多くのカスタム・アドバイザーを同時に実行する必要がある場合、 一部のカスタム・アドバイザーはキューに入れられ、スレッドが使用可能になりしだい実行されます。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_CUSTOM_ADVISOR_THREAD_POOL_SIZE
データ型 整数
範囲 1 - 50
デフォルト 5

IBM_CLUSTER_ENABLE_ACS_DELAY_POSTING

ActiveClusterSet に対する更新の公開が遅延されるかどうかを指定します。 このカスタム・プロパティーを使用可能にすると、大規模な SIBus トポロジーと構成済みの宛先でのパフォーマンスが向上し、結果としてメッセージング・エンジンの始動と停止の時間が削減されます。

このプロパティーが true に設定されると、更新の公開が遅延されます。

このプロパティーが false に設定されると、更新はすぐに公開されます。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_ENABLE_ACS_DELAY_POSTING
データ型 ブール
デフォルト true

IBM_CLUSTER_ENABLE_CAR_DELAY_POSTING

ClusterDescription に対する更新の公開が遅延されるかどうかを指定します。 このカスタム・プロパティーを使用可能にすると、大規模なサービス統合バス (SIBus) トポロジーと構成済みの宛先でのパフォーマンスが向上し、結果としてメッセージング・エンジンの始動と停止の時間が削減されます。

このプロパティーが true に設定されると、更新の公開が遅延されます。

このプロパティーが false に設定されると、更新はすぐに公開されます。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_ENABLE_CAR_DELAY_POSTING
データ型 ブール
デフォルト true

IBM_CLUSTER_ENABLE_PRELOAD

ノード・エージェントでサーバー始動時にプリロード・ロジックを 実行するかどうかを指定します。プリロードがない場合、 ノード・エージェントは、クラスターに対する最初の要求を受け取ってからでないと、そのクラスターのデータをロードしません。

このプロパティーが true に設定されていると、 クラスター・データは始動時にノード・エージェントにロードされ、実行時に 作成および伝搬する必要はありません。

このプロパティーを false に設定すると、クラスターへ初めて要求があったときにクラスター・データが作成され、伝搬されます。これにより、クライアントがクラスターに要求を送信する最初の数回に「NO_IMPLEMENT: No Cluster Data Available」の例外が発生する場合があります。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_ENABLE_PRELOAD
データ型 ブール
デフォルト true

IBM_CLUSTER_ENABLE_SERVLET30_NON_DEFAULT_COOKIE_NAMES

異なるクラスターにある複数のアプリケーションでのセッション・アフィニティーをプロキシー・サーバーが 維持できるよう、web.xml ファイル内または ServletContextListener インスタンス内に Cookie 名が指定される ことを示すには、このカスタム・プロパティーを指定し、値を true に設定します。プロキシー・サーバーは、 JSESSIONID 以外の Servlet 3.0 セッション Cookie を認識できるため、セッション・アフィニティーを維持できます。

Servlet 3.0 非デフォルト Cookie と、 サーバー、アプリケーション、またはモジュールのレベルでの非デフォルト Cookie の両方を構成する場合、Servlet 3.0 Cookie が 最高の優先順位を持ちます。

セッション管理構成を変更した場合は、そのクラスターのすべてのメンバーが新しい構成に更新されるまで待ってから、クラスターを Ripple 始動します。 そうしない場合、セッション・フェイルオーバーが正常に機能しない可能性があります。

アプリケーションまたはモジュールのセッション管理構成を変更した場合は、そのクラスターのすべてのメンバーが新しい構成に更新されるまで待ってから、アプリケーションを停止し、再始動します。 そうしない場合、セッション・フェイルオーバーが正常に機能しない可能性があります。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_ENABLE_SERVLET30_NON_DEFAULT_COOKIE_NAMES
データ型 ブール
デフォルト false

IBM_CLUSTER_PURGE_NOTIFICATIONS

ID に対する通知について ClusterObservers が登録されていないときに、それらの ID への参照を削除するかどうかを指定します。 ID が削除されると、この ID に関する BulletinBoard の関連するポストがすべてクリアされます。 このプロパティーを true に設定すると、ClusterObservers が登録されていない ID への参照を削除できます。

通常は、サービス統合バス (SIB) 階層型シナリオで定義された多数の宛先があります。このプロパティーが false に設定されていて、WebSphere® Application Server に加えて WebSphere Process Server などの製品がインストールされていると、ワークロード管理 (WLM) は掲示板に保管されているデータのガーベッジ・コレクションを正しく行うことができません。 この状況では、プロセスを再始動しないでアプリケーションのインストールおよびアンインストールなどの特定のタスクを繰り返した場合、ゆっくりとしたメモリー・リークが発生することがあります。プロセス が再始動される場合は、そのサーバーに関連するすべてのポストは自動的に削除されるので、 メモリー・リークが防止されます。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_PURGE_NOTIFICATIONS
データ型 ブール
デフォルト false

IBM_CLUSTER_REUSE_ORIGINAL_IOR

クラスター・データをクライアントに戻せるようになるまで Java™ シン・クライアントまたはサーバー・プロセスが継続接続を試みることができるかどうかを指定します。 その後は、以降のすべての試みでそのクラスター・データが使用されます。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_REUSE_ORIGINAL_IOR
データ型 ブール
デフォルト true

IBM_CLUSTER_RIPPLESTART_NOTIFICATION_TIMEOUT

値をミリ秒単位で指定し、 ripple 始動機能がプロセスを再始動するまでに、プロセスのシャットダウンを待つ時間を示します。 ripple 始動を試みた場合に、始動操作が開始する前にプロセスがシャットダウンしていないと、1 つ以上のプロセスが再始動されなくなります。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_RIPPLESTART_NOTIFICATION_TIMEOUT
データ型 整数
デフォルト 300000 ミリ秒 (5 分)

IBM_CLUSTER_USE_LEGACY_COMPRESSOR

バージョン 6.1.0.37 以降、ワークロード管理 (WLM) は、プロセス間で送信されるデータの圧縮と解凍のために 新しいプロシージャーを使用するようになりました。このプロシージャーは、2,000 以上の宛先を持つ大規模な WebSphere Process Server とサービス統合バスのトポロジーにおける圧縮オーバーヘッドを軽減します。 このプロシージャーは、 各バイトが固有であるために一連のバイトが実際には圧縮できなかった場合 に、圧縮されたデータが失われることも防ぎます。圧縮されていないデータに対する WLM の以前の処理方法では、この状況でデータが失われる可能性がありました。

圧縮および解凍のためのこの最適化されたプロシージャーは、ほとんどの 環境に適しています。ただし、このプロシージャーがご使用の環境で問題を引き起こす場合は、IBM_CLUSTER_USE_LEGACY_COMPRESSOR カスタム・プロパティーをご使用のセル設定に追加し、それを true に設定します。 このプロパティーを true に設定すると、 WLM はバージョン 6.1.0.37 以降がインストールされる前と同じ方法でデータの 圧縮と解凍を処理します。

このカスタム・プロパティーをセル設定に追加した場合、ノードを同期し、この変更が有効になる前にセル内のすべてのプロセスを再始動する必要があります。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_USE_LEGACY_COMPRESSOR
データ型 ブール
デフォルト false

IBM_CLUSTER_WBI_SUPPORT

ご使用のシステムが WebSphere Business Integration バージョン 5.1 クライアントまたは WebSphere Process Server for Multiplatforms バージョン 5.0.2 クライアントのいずれかとの対話をサポートするかどうかを指定します。 WebSphere Business Integration バージョン 5.1 クライアントまたは WebSphere Process Server for Multiplatforms バージョン 5.0.2 クライアントがご使用のシステムにデータを送信する必要がある場合は、このプロパティーを true に設定する必要があります。 このプロパティーがセル構成の設定に含まれていない場合、または false に設定されている場合は、相互運用性の問題があり、やり取りされるデータ・ストリームが破損し、結果として以下の例外が発生します。
Exception stack trace: javax.naming.NamingException:
Error during resolve.  Root exception is rg.omg.CORBA.NO_IMPLEMENT:Trace from server:
  server_name at host host_name
トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): このプロパティーは、アプリケーション・サーバーのカスタム・プロパティーとしても指定することができます。 ただし、このプロパティーが両方のレベルで指定されている場合は、サーバー・レベルでプロパティーに指定されている値は、セル・レベルでこのプロパティーに指定されている値に優先します。 サーバー・レベルでプロパティー を使用可能にするには、管理コンソールで「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「WebSphere Application Server」をクリックし、「サーバー・インフラストラクチャー」の下 で「管理」 > 「カスタム・プロパティー」をクリックします。gotcha
情報
プロパティー IBM_CLUSTER_WBI_SUPPORT
データ型 ブール
デフォルト false

IBM_CLUSTER_WLM_ENFORCE_VHOST_IN_WEBAPP

このプロパティーを true に設定すると、WebSphere プロキシー・サーバー内の WLM は Web アプリケーションに構成されている仮想ホストを必ず選択するようになります。 仮想ホストが Web アプリケーション内に構成されている場合、使用可能なエンドポイントをプロキシーの WLM が検索するときには、その仮想ホストに関連付けられているポート上のエンドポイントのみ考慮されます。

情報
プロパティー IBM_CLUSTER_WLM_ENFORCE_VHOST_IN_WEBAPP
データ型 ブール
デフォルト False

LargeTopologyOptimization

このカスタム・プロパティーを false に設定すると、次のようなすべての Intelligent Management 機能が使用不可になります。
  • オンデマンド・ルーター、ルーティング・ルール、およびポリシー
  • 動的クラスター、動的ワークロード・バランシング、過負荷保護、および Elasticity サポートを提供する自律コントローラー
  • トラフィック優先順位付けを提供するサービス・ポリシー
  • ヘルス管理
Intelligent Management を使用不可にする前に、これらのどの機能も必要ないことを確認してください。 デフォルトでは、Intelligent Management は使用可能で、構成オプションを設定することでアクティブ化されます。 ほとんどの機能は、特定の Intelligent Management 構成を変更するまで非アクティブです。 Intelligent Management の機能が不要の場合は、 このセル・カスタム・プロパティーを false に設定すると、 すべての Intelligent Management 機能が使用不可になります。 Performance Monitoring Infrastructure (PMI) を使用不可にする場合は、この値を false に設定します。 Intelligent Management が使用可能であったときにプロファイルが作成されて、その後、 Intelligent Management を使用不可にした場合は、 環境変数 LargeTopologyOptimization_console=disable を設定し、プロファイルを再作成すると、 Intelligent Management パネルが管理コンソールに表示されなくなります。 プロファイルを再作成しないと、 Intelligent Management パネルは管理コンソールに引き続き表示されますが、動作はしません。
情報
プロパティー LargeTopologyOptimization
有効範囲 セル
true、false
デフォルト true

トピックのタイプを示すアイコン 参照トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=ragt_cell_customprops
ファイル名:ragt_cell_customprops.html