要求メトリックのパフォーマンス・データ

このページを使用して、要求メトリックのパフォーマンス・データをトレース・レコード・フォーマットに解釈する方法を学習します。

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][z/OS]要求メトリック・データのトレース・レコードは、次の 2 つのログ・ファイルに出力されます。 Web サーバー・プラグイン・ログ・ファイルとアプリケーション・サーバー・ログ・ファイルです。 ログ・ファイルのデフォルトの名前は、SystemOut.log および http_plugin.log です。 ただし、ユーザーはこれらのログ・ファイル名およびその場所を指定することができます。これらのログ・ファイルのデフォルトのディレクトリーは以下のとおりです。
  • [AIX Solaris HP-UX Linux Windows][z/OS]plugin_install_root/logs/web_server_name/http_plugin.log および install_root/profiles/profile_name/logs/server_name
  • [IBM i]plugin_install_root/logs/web_server_name/http_plugin.log および profile_root/logs/server_name
および
WebSphere Application Server のログ・ファイルにおけるトレース・レコード・フォーマットは、 以下のとおりです。
PMRM0003I: parent:ver=n,ip=n.n.n.n,time=nnnnnnnnnn,pid=nnnn,reqid=nnnnnn,event=nnnn 
- 
current:ver=n,ip=n.n.n.n,time=nnnnnnnnnn,pid=nnnn,reqid=nnnnnn,event=nnnn 
           type=TTT detail=some_detail_information elapsed=nnnn
Web サーバー・プラグインのログ・ファイルにおけるトレース・レコード・フォーマットは、 以下のとおりです。
PLUGIN:
parent:ver=n,ip=n.n.n.n,time=nnnnnnnnnn,pid=nnnn,reqid=nnnnnn,event=nnnn 
- current:ver=n,ip=n.n.n.n,time=nnnnnnnnnn,pid=nnnn,reqid=nnnnnn,event=nnnn 
           type=TTT detail=some_detail_information elapsed=nnnn bytesIn=nnnn 
           bytesOut=nnnn

トレース・レコード・フォーマットは、2 つの相関関係子 (親相関関係子および現行相関関係子) で構成されます。 親相関関係子は、アップストリーム要求を表し、 現行相関関係子は、現行の操作を表します。 親相関関係子と現行相関関係子が同じである場合、レコードは WebSphere Application Server に入るときに行われる操作を表します。

特定の要求のトレース・レコードを相関させるには、 該当のアプリケーション・サーバーのログ・ファイルの PMRM0003I というメッセージ ID を持つレコードと、Web サーバー・プラグインのログ・ファイルの PLUGIN トレース・レコードを収集します。レコードは、現行相関関係子と親相関関係子を突き合わせることにより、相互に関連付けられます。 論理ツリーは、親トレース・レコードの現行相関関係子を子レコードの親相関関係子と接続することにより、作成することができます。 このツリーは、サーバー・クラスター全体の要求の工程を示しています。 次を参照してください。 トランザクション・フローの例については、要求メトリックを使用する理由を参照してください。

親相関関係子 (情報分離) は、parent: というキーワードに続く、 コンマで区切られたフィールドで表されます。 同様に、現行相関関係子は、current: というキーワードに続く、 コンマで区切られたフィールドで表されます。

親相関関係子および現行相関関係子のフィールドは、次のとおりです。
  • ver: 相関関係子のバージョン。 便宜上、これは親相関関係子と現行相関関係子の両方に複写されます。
  • ip: 相関関係子を生成したアプリケーション・サーバーのノードの IP アドレス。 システムに複数の IP アドレスがある場合、要求メトリックは、その IP アドレスのいずれか 1 つを使用してシステムを識別します。
  • pid: 相関関係子を生成したアプリケーション・サーバーのプロセス ID。
  • time: 相関関係子を生成したアプリケーション・サーバー・プロセスの開始時刻。
  • reqid: アプリケーション・サーバー・プロセスに固有の、 要求メトリックにより要求に割り当てられた ID。
  • event: 実際のトレース・イベントを識別するために割り当てられたイベント ID。
親相関関係子と現行相関関係子に続く、時刻指定オペレーションのメトリック・データは以下のとおりです。
  • type: 時刻指定されているオペレーションのタイプを表すコード。 サポートされるタイプは、HTTP、URI、EJB、JDBC、JMS、COMMONJ_WORK_POOLED、COMMONJ_TIMER、Web サービス要求者、および Web サービス・プロバイダーです。
  • detail: 時刻設定されているオペレーションの名前を示します (以下の Universal Resource Identifier (URI)、HTTP、EJB、JDBCJ、JMS、非同期 Beans、および Web サービスの説明を参照)。
  • elapsed: このオペレーション (呼び出された すべてのサブオペレーションを含む) の経過時間を、<単位> によって測定した時間。 経過時間はミリ秒単位です。
  • bytesIn: Web サーバー・プラグインが受け取った要求のバイト数。
  • bytesOut: Web サーバー・プラグインからクライアントに送信された応答のバイト数。
type フィールドおよび detail フィールドの説明は、以下のとおりです。
  • HTTP: Web サーバー・プラグインがトレース・レコードを生成します。 detail は、要求を呼び出すときに使用される URI の名前です。
  • URI: トレース・レコードは Web コンポーネントにより生成されます。 URI は、要求を呼び出すときに使用される URI の名前です。
  • EJB: エンタープライズ Bean の完全修飾パッケージおよびメソッド名。
  • JDBC その JDBC 呼び出しのインターフェース名およびメソッド名。
  • JMS: JMS にはさまざまな JMS パラメーターの詳細が含まれています。
  • 非同期 Bean: 非同期 Bean の名前を指定する詳細。非同期 Bean には 2 つのタイプ、COMMONJ_WORK_POOLED および COMMONJ_TIMER が含まれています。
  • Web サービス: Web サービスには、さまざまな Web サービス・パラメーターの詳細が含まれています。Web サービスには 2 つのタイプ、Web サービス要求者および Web サービス・プロバイダーが含まれています。
  • SIB: メッセージの送受信およびメディエーションを含むサービス統合バス内での計測に使用されます。
  • JCA: J2EE コネクター・アーキテクチャー。 この詳細は、JCA 呼び出しが行われたクラス名を指定します。
  • JNDI: JNDI ネーミング検索に使用されます。 この詳細は、JNDI 名を指定します。
  • JMS 送受信: JMS のメッセージの送受信により、トレース・レコードを生成します。
  • SIB 送受信: SIB のメッセージの送受信により、トレース・レコードを生成します。

[z/OS]アプリケーション・サーバー用のサーバント領域が複数ある場合は、SystemOut.log ファイルも複数 (各サーバント領域に 1 つずつ) 存在します。 そのため、要求メトリックが、複数の SystemOut.log ファイルにトレース・レコードを記録する場合があります。 要求を処理するサーバント領域は、それぞれの SystemOut.log ファイルに、関連するレコードを記録します。 現在の要求メトリック相関関係子の PID は、 それに対応するサーバント領域の PID です。システムに複数の IP アドレスがある場合は、 そのうちの 1 つを相関関係子の IP にすることができますが、 同一サーバント領域内では同じ IP を使用する必要があります。

注: このトピックでは、 1 つ以上のアプリケーション・サーバー・ログ・ファイルを参照します。推奨される代替案として、分散システムや IBM® i システムの SystemOut.logSystemErr.logtrace.logactivity.log ファイルではなく、High Performance Extensible Logging (HPEL) ログおよびトレース・インフラストラクチャーを使用するようにサーバーを構成できます。また HPEL は、ネイティブ z/OS® ロギング機能と連携させて使用することができます。HPEL を使用する場合、LogViewer コマンド・ライン・ツールを サーバー・プロファイルの bin ディレクトリーから使用して、すべてのログ・ファイルにアクセスし、 情報をトレースできます。HPEL の使用について詳しくは、HPEL を使用してのアプリケーションの トラブルシューティングに関する情報を参照してください。

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http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=rprf_tracerecord
ファイル名:rprf_tracerecord.html