Web サーバー構成のマイグレーション

最新バージョンの WebSphere® Application Server をサポートするように、Web サーバーをマイグレーションできます。

始める前に

サポートされる構成 サポートされる構成:

この項目では、プロファイル構成マイグレーションについて説明します。アプリケーションを最新バージョンにマイグレーションするには、WebSphere Application Server Migration Toolkit を使用します。詳しくは、WASdev の Migration Toolkit を参照してください。

sptcfg

手順

  1. Web サーバー構成をマイグレーションします。

    IBM® HTTP Server (IHS) を前のバージョンからアップグレードするときは、 以下のステップを実行して、新しいバージョンを前のバージョンと同じディレクトリー・ロケーションにインストールします。新しいバージョンを別のディレクトリーにインストールする場合は、ステップ 1 から 4 を実行する必要はありません。残りのステップを実行する必要があるかどうかは、バージョン 9.0 の構成を、前のバージョンの IBM HTTP Server の構成とどの程度類似したものにしたいかで決まります。

    1. IBM HTTP Server および IBM HTTP Server 管理サーバーを停止します。
    2. 既存のインストール・ディレクトリーを新しいロケーションにコピーします。

      このアクションによって、構成、鍵、およびコンテンツが保存されます。

      以下のコマンドを実行して、前のインストール済み環境をコピーします。

      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris]
      cp –rp current_install_directory new_directory_name 
      [Windows]
      xcopy current_install_directory new_directory_name /s /e /k /i 
    3. 前の IBM HTTP Server バージョンをアンインストールします。
    4. 前のインストール・ディレクトリーを削除します。

      アンインストールでは、変更されたファイルや追加されたファイル、フィックスパック・ファイル、およびアンインストール・ファイルなど、アンインストールされずに残ってしまうファイルがあるため、アンインストール・プロセスを完了するには、前のインストール・ディレクトリーを手動で削除する必要があります。アンインストールで問題が発生した場合は、続行する前に、http_server_install/logs/uninstall ディレクトリーにあるアンインストール・ログ・ファイルを調べ、それらのファイルのバックアップを作成してください。

      インストール・ディレクトリーを削除するには、以下のコマンドを実行します。

      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris]
      rm -r  current_install_directory  
      [Windows]
      rd /s current_install_directory
    5. IBM HTTP Server バージョン 9.0 をインストールします。

      既存のバージョンをアップグレードする場合は、前のインストール済み環境が存在したディレクトリーにインストールします。

      新しいバージョンを既存のバージョンと併存させる場合は、 新しいバージョンを別のディレクトリーにインストールします。

    6. プラグイン構成ツール (pct ツール) を実行して、Web サーバー・プラグインを構成します。pct ツールの実行に関する情報については、「pct ツールを使用した Web サーバー・プラグインの構成」トピックを参照してください。
    7. 前のバージョンの IBM HTTP Server、および IBM HTTP Server 管理サーバーに対して行ったカスタム構成を復元します。
      • 前のカスタマイズの内容を特定します。

        構成ファイルの開始点として、前のバージョンの IBM HTTP Server で提供されていた httpd.conf 構成ファイルを使用していた場合は、各構成ファイルの内容を、前の IBM HTTP Server インストール済み環境を含むディレクトリー内の対応する .default ファイルと比較します。例えば、httpd.conf ファイルの内容を httpd.conf.default ファイルと比較すれば、オリジナルのインストール以降、httpd.conf ファイルに対して行ったカスタマイズの内容がわかります。 その後、他の構成ファイルについても同様の比較を実行します。

        前のバージョンの IBM HTTP Server で提供されていた httpd.conf 構成ファイルを構成ファイルの開始点として使用しなかった場合、前の設定内容を特定するには、さらに込み入った手作業による分析を実行する必要があります。この状況では、 新しい IBM HTTP Server で提供されている httpd.conf.default ファイルの設定内容を、 前の IBM HTTP Server バージョンで提供されていた httpd.conf.default ファイルの設定内容と比較することもできます。この比較であれば、 この 2 つの httpd.conf.default ファイルに含まれている構成の相違点を特定することができます。その後、この情報を使用して、カスタマイズした構成ファイルをバージョン 9.0 IBM HTTP Server で機能するように変更することができます。

        bin/envars ファイルを、前の IBM HTTP Server インストール済み環境が含まれているディレクトリー内の bin/envars-std ファイルと比較します。これにより、このファイルに対して行われたカスタマイズがあれば、それがどのようなものかが特定されます。

      • このカスタマイズを、新しくインストールされた IBM HTTP Server の構成ファイル、および envars ファイルにマージします。

        前のバージョンの IBM HTTP Server に対して行った構成のカスタマイズを特定した後、適用できる場合は、バージョン 9.0 IBM HTTP Server の構成ファイルに対しても同じ変更を行います。

        構成ファイルに、 前のバージョンからの WebSphere Application Server プラグイン・ステートメントが含まれている場合は、重複の原因とならないように、そのステートメントは削除してください。それらのステートメントを削除しないと、HTTP Server がバージョン 9.0 プラグイン・バイナリー・モジュールを開始する際に、そのモジュールが既にロードされていることを示すエラーが発生する場合があります。

        構成ファイルには、WebSphere Application Server のサンプルにアクセスするためのエントリーが重複して含まれている場合もあります。旧バージョンのエイリアスをすべて除去し、バージョン 9.0 のエントリーを保存します。

    8. HTML コンテンツを復元します。 Web ページのコンテンツが、すでに IBM HTTP Server のインストール・ディレクトリー下に格納されている場合は、それらのコンテンツ・ファイルを、IBM HTTP Server の旧バージョンが含まれているディレクトリーから新しいバージョンのインストール・ディレクトリーにコピーします。
    9. 前の IBM HTTP Server のインストール・ディレクトリー内に SSL 鍵ファイルがあれば、それらをすべて新しいインストール・ディレクトリーにコピーします。
  2. 共存する IBM HTTP Server に対するポートの割り当てを変更します。

    IBM HTTP Server の前のバージョンはそのまま保持し、新しいディレクトリーに IBM HTTP Server をインストールした場合、デフォルトでは、管理サーバーと Web サーバーは、前のバージョンの管理サーバーと Web サーバーが使用していたのと同じポートを使用します。両方のバージョンの IBM HTTP Server を同時に実行すると、 どちらかのサーバー・バージョンのポート番号を変更しない限り、ポートの競合が発生します。

    どちらかの IBM HTTP Server のポート番号を変更するには、 変更する IBM HTTP Server のサーバー構成ファイルを編集します。これらのファイルは、http_server_install/conf ディレクトリーにあります。

  3. Apache プラグイン・モジュールをアップグレードします。

    Apache API は前のメジャー・リリースから変更されていないので、前のリリースで機能していたモジュールをビルドし直す必要はありません。しかし、サード・パーティー・ベンダーのモジュールを使用している場合は、ベンダーに問い合わせて、アップグレード後の IBM HTTP Server のバージョンでそのモジュールがサポートされることを確認してください。

    IBM HTTP Server バージョン 9.0 インストール済み環境以外のソースからの Apache プラグイン・モジュールは、Apache 2.2 をサポートするようにビルドされる必要があります。IBM HTTP Server の古いバージョンで使用されていたモジュールの配布者は、Apache 2.2 をサポートするためにそのモジュールの再コンパイルが必要となる場合があります。

    • WebSphere Application Server には、Apache 2.2 用のプラグイン、および IBM HTTP Server バージョン 9.0 が用意されています。
    • サード・パーティー・ベンダーからのモジュールを使用している場合は、Apache 2.2 API (アプリケーション・プログラミング・インターフェース) で機能するモジュールのバージョンをベンダーに問い合わせてください。
    • 自社開発のモジュールを使用している場合は、そのモジュールを、Apache 2.2 をサポートするようにビルドし直す必要があります。また、そのモジュールには変更が必要になる場合もあります。
  4. IHS サービス名を更新します。

    WebSphere Application Server の Web サーバー定義にある IHS サービス名は、(1) これが Windows サーバーであり、(2) IHS を前のバージョンと同じディレクトリーにインストールし、(3) 前のインストール済み環境からの Web サーバー定義を使用する場合に更新します。

    Windows サーバー・システム上の IBM HTTP Server については、「サービス」(Windows の「コンピュータの管理」ユーティリティー内) を使用して新しい IBM HTTP Server サービスに使用される名前を決め、それからこのサービス名を使用するために Web サーバー定義を更新します。

  5. Web サーバー定義をマイグレーションします Web サーバー定義は、スタンドアロンのプロファイル、またはデプロイメント・マネージャーから Web サーバーを管理するために使用されます。
    注:
    • 同じホストの同じディレクトリーにある IBM HTTP Server を更新した場合は、アクションは不要です。現行の Web サーバー定義で十分です。
    • 更新された IBM HTTP Server が元のホスト上の新しいディレクトリーにある場合は、 次のようにして Web サーバーを選択してパスを更新します。WebSphere Application Server 管理コンソールで「サーバー」>「サーバー・タイプ」>「Web サーバー」をクリックします。
    • 更新された IBM HTTP Server が新しいホスト上にある場合は、プラグイン・ロードマップに従って、新しい Web サーバー定義を作成します。新しい Web サーバーが正しく機能していることを確認したら、古い Web サーバー定義は削除してかまいません。完全な説明については、「Web サーバーのトポロジー・ダイアグラムおよびロードマップの選択」を参照してください。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tins_migWebserver
ファイル名:tins_migWebserver.html