分散オペレーティング・システム上のジョブ・スケジューラー・サーバーと通信するための、z/OS での IBM MQ を使用した外部スケジューラー・インターフェースのセットアップ

高性能のバッチ外部スケジューラー・コネクターをインストールし、構成することができます。このコネクターは、固有のコンパイル型言語で実装されたネイティブ WSGrid コネクターであり、通信に IBM MQ を使用します。

このタスクについて

ネイティブ WSGrid の利点には次の 2 つがあります。

  1. 使用のたびに Java™ 仮想マシン (JVM) の始動処理を行う必要をなくすことによって、z/OS® システム・プロセッサー の使用効率を高めます。
  2. z/OS で使用可能な最も堅固なメッセージング・サービスを 使用することで、z/OS をご使用の多くのお客様によって既によく知られ、使用されているメッセージング・サービスによる信頼性の高い操作を保証します。

WSGRID を 開始する環境の認証済みユーザー ID は バッチ ジョブ・スケジューラーに伝搬されます。 結果の バッチ ジョブは、そのユーザー ID を 使用して実行されます。このユーザー ID は、バッチ ジョブをサブミットするための 十分な WebSphere® 特権 (すなわち、lradmin ロールまたは lrsubmitter ロール) も持っている必要があります。例えば、 JCL ジョブ WSGRID1 が技術ユーザー ID TECH1 の下で実行するようにサブミットされた場合、結果の バッチ ジョブ もユーザー ID TECH1 の下で稼働します。ユーザー ID TECH1 には、WSGRID によって使用される IBM MQ 入力キューおよび出力キューとのやり取りが許可されている必要があります。

手順

  1. IBM MQ on z/OS をセットアップします
    1. ジョブ・スケジューラーがキュー・マネージャーと通信できるように、IBM MQ でサーバー接続チャネルを定義します。

      例えば、以下の MQSC コマンドは SVRCONN チャネルを作成します。

      DEFINE CHANNEL(WSGRID.SVRCONN) CHLTYPE(SVRCONN) TRPTYPE(TCP) REPLACE
    2. IBM MQ キューを定義します。

      キュー・マネージャーはローカルでなければなりません。2 つのキュー が必要です。1 つは入力用、もう 1 つは出力用です。任意の命名規則に 従ってこれらのキューに名前を付けることができます。例えば、入力キューに名前 WASIQ を 使用し、出力キューに名前 WASOQ を使用します。これらのキュー は共有モードで設定されている必要があります。

    3. WSGRID ロード・モジュールを作成します。
      1. <was_root>/stack_products/WCG/bin ディレクトリーで unpack スクリプトを検索します。 unpackWSGRID スクリプトは REXX スクリプトです。
      2. unpackWSGrid スクリプトを使用して、WSGRID をアンパックします。コマンド・オプションを表示するには、入力を指定せずに unpackWSGRID スクリプトを実行します。unpackWSGRID <was_home> [<hlq>] [<work_dir>] [<batch>] [<debug>]

        以下に、使用可能なコマンド・オプションのリストを示します。

        <was_home>
        必要な WebSphere Application Server ホーム・ディレクトリーを指定します。
        <hlq>
        出力データ・セットのオプションの高位修飾子を指定します。デフォルト値は <user id> です。
        <work_dir>
        作業ディレクトリーを指定します (オプション)。デフォルト値は /tmp です。
        <batch>
        このスクリプトの実行モードを指定します (オプション)。使用可能な値は、batch または interactive です。 デフォルト値は interactive です。
        <debug>
        デバッグ・モードを指定します (オプション)。使用可能な値は、debug または nodebug です。 デフォルト値は nodebug です。

        次の例で、<was_home> の値のみを指定した unpackWSGrid スクリプトからの出力を示します。

        Unpack WSGRID with values:
            WAS_HOME=/WebSphere/ND/AppServer
            HLQ =USER26
            WORK_DIR=/tmp
            BATCH =INTERACTIVE
            DEBUG =NODEBUG
            Continue? (Y|N)
            Y
            User response: Y
            Unzip /WebSphere/ND/AppServer/bin/cg.load.xmi.zip
            extracted: cg.load.xmi
            Move cg.load.xmi to /tmp
            Delete old dataset 'USER26.CG.LOAD.XMI'
            Allocate new dataset 'USER26.CG.LOAD.XMI'
            Copy USS file /tmp/cg.load.xmi to dataset 'USER26.CG.LOAD.XMI'
            Delete USS file /tmp/cg.load.xmi
            Delete old dataset 'USER26.CG.LOAD'
            Go to TSO and issue RECEIVE INDSN('USER26.CG.LOAD.XMI') to create
            CG.LOAD
      3. TSO、ISPF、オプション 6 - コマンドに移動し、receive 操作を実行します。

        以下に例を示します。

        RECEIVE INDSN('USER26.CG.LOAD.XMI')

        結果は次の出力のようになります。

        Dataset BBUILD.CG.LOAD from BBUILD on PLPSC
        The incoming data set is a 'PROGRAM LIBRARY'
        Enter restore parameters or 'DELETE' or 'END' +

        Enter をクリックして終了します。次のような出力が表示されます、

        IEB1135I IEBCOPY FMID HDZ11K0 SERVICE LEVEL UA4
        07.00 z/OS   01.07.00 HBB7720  CPU 2097
        IEB1035I USER26   WASDB2V8 WASDB2V8   17:12:15 MON
        COPY INDD=((SYS00006,R)),OUTDD=SYS00005
        IEB1013I COPYING FROM PDSU  INDD=SYS00006 VOL=CPD
        USER26.R0100122
        IEB1014I
        IGW01551I MEMBER WSGRID HAS BEEN LOADED
        IGW01550I 1 OF 1 MEMBERS WERE LOADED
        IEB147I END OF JOB - 0 WAS HIGHEST SEVERITY CODE
        Restore successful to dataset 'USER26.CG.LOAD'
        ***
  2. 分散オペレーティング・システムで実行されているジョブ・スケジューラー・サーバーをセットアップします。
    1. 分散オペレーティング・システムで実行されているジョブ・スケジューラー・サーバーまたはサーバー・クラスターにシステム・アプリケーション JobSchedulerMDILP をインストールします。
      1. デプロイメント・マネージャーから、次の入力パラメーターを指定して installWSGridMQClientMode.py スクリプトを実行します。

        ./wsadmin.sh -username <username> -password <userpassword> -f ../stack_products/WCG/bin/installWSGridMQClientMode.py

        -install
        {-cluster <clusterName> | -node <nodeName> -server <server>}
        -remove
        {-cluster <clusterName> | -node <nodeName> -server <server>}
        -qmgr
        <queueManagerName>
        -qhost
        <queueManagerHost>
        -qport
        <queueManagerPort>
        -svrconn
        <serverConnectionChannel>
        -inqueue
        <inputQueueName>
        -outqueue
        <outputQueueName>

        例えば、クラスターに対しては以下のようになります。

        ./wsadmin.sh -username <username> -password <password>
        -f <was_home>/stack_products/WCG/bin/installWSGridMQClientMode.py 
        -install -cluster <clusterName> -qmgr <queueManagerName>
        -qhost <queueHostName> -qport <queuePort> -svrconn 
        <serverConnectionChannel> -inqueue <inputQueueName>
        -outqueue <outputQueueName>

        例えば、サーバーに対しては以下のようになります。

        ./wsadmin.sh -username <username> -password <password>
        -f <was_home>/stack_products/WCG/bin/installWSGridMQClientMode.py 
        -install -node <nodeName> -server <server> -qmgr <queueManagerName> 
        -qhost <queueHostName> -qport <queuePort> -svrconn <serverConnectionChannel> 
        -inqueue <inputQueueName> -outqueue <outputQueueName>
    2. 変更を有効にするために、すべてのジョブ・スケジューラー・アプリケーション・サーバーを再始動します。
    トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): セキュリティーが有効な場合は、z/OS システム上の実行依頼者ユーザー ID は、分散システム上で lradmin または lrsubmitter ロールに属するユーザーとして定義されている必要があります。gotcha

タスクの結果

分散オペレーティング・システム上のジョブ・スケジューラー・サーバーと通信するように外部ジョブ・スケジューラー・インターフェースが構成されました。

次のタスク

外部ジョブ・スケジューラー・インターフェースから バッチ にジョブをサブミットします。


トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tgrid_zoscgnative_distjobsched
ファイル名:tgrid_zoscgnative_distjobsched.html