Web Services Addressing サポート
この製品の Web Services Addressing (WS-Addressing) サポートによって、World Wide Web Consortium (W3C) WS-Addressing 仕様を使用する Web サービス用の環境が提供されます。 この仕様ファミリーは、transport-neutral なメカニズムを提供して Web サービスをアドレッシングし、 エンドツーエンド・アドレッシングを実現します。
- アプリケーション内でエンドポイント参照を作成し、これらの参照を 使用して Web Service Resource インスタンスを指定するために WS-Addressing アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) を使用する必要がある Web サービス開発者。
- IBM 専有の WS-Addressing システム・プログラミング・インターフェース (SPI) を使用して、Web サービス・メッセージでメッセージ・アドレッシング・プロパティーを指定するなどの、より高度な WS-Addressing 操作を行う必要があるシステム・プログラマー。
- JAX-WS アプリケーションのポリシー・セットを構成する管理者。
開発者向け WS-Addressing サポートは、JAX-WS 標準インターフェースおよび WS-Addressing 仕様の IBM 専有実装の 2 つのプログラミング・インターフェース・セットで構成されます。
JAX-WS WS-Addressing サポートのフィーチャー
この製品は JAX-WS WS-Addressing API をサポートしています。この API を使用して、エンドポイント参照の作成、WS-Addressing サポートの使用可能化、および Web サービスの WSDL 操作に関連付けられるアクション URI の指定などの基本的なアドレッシング機能を実行することができます。 これらの API は、単純な WS-Addressing 機能を実行して、移植可能な JAX-WS アプリケーションを作成したい場合に使用してください。
- WS-Addressing エンドポイント参照の Java™ 表記。
- 実行時に、アプリケーションのエンドポイント、または同じアプリケーションの他のエンドポイントの、Java エンドポイント参照インスタンスを作成することができます。 エンドポイント参照の URI を指定する必要はありません。
- エンドポイント参照の URI を指定することで、他のアプリケーションのエンドポイントの Java エンドポイント参照インスタンスを作成できます。
- サービスでアノテーションを使用して、WS-Addressing サポートを有効に するかどうか、WS-Addressing サポートを必須とするかどうか、およびどのメッセージ交換パターンを 使用するか (同期、非同期、あるいは両方) を指定できます。
- クライアントでフィーチャーを使用して、WS-Addressing サポートを有効にするかどうか、および WS-Addressing サポートを必須とするかどうかを指定できます。
- エンドポイント参照を使用して、クライアント・プロキシーまたはディスパッチ・オブジェクトを構成することができます。
- Web Services Resource (WS-Resource) インスタンスを表す、エン
ドポイント参照の Java サポート。
- 参照パラメーターをエンドポイント参照作成時にエンドポイント参照 と関連付け、これを特定のリソース・インスタンスと相互に関連付けることができます。
- ターゲットとした Web サービスでは、着信メッセージの参照パラメーターを抽出し、Web サービスがメッセージを適切な WS-Resource インスタンスに転送できるようにすることができます。
- JAX-WS 2.2 仕様の一部として、エンドポイント参照のメタデータ内に追加のバインディング情報を指定できます。 この機能は WebSphere Application Server バージョン 7 で追加されましたが、JAX-WS 2.1 仕様には含まれていなかったため、エンドポイント参照での追加のメタデータをサポートしていない WebSphere Application Server 以外のサーバーと相互運用した場合、非互換性の問題が発生した可能性があります。 JAX-WS 2.2 では、エンドポイント参照での WSDL メタデータがサポートされているため、アプリケーションはこの仕様の他の実装と互換性が保たれるようになります。 詳しくは、トピック『Web Services Addressing の概要』を参照してください。
- WSDL 文書に WS-Policy アサーションを追加することにより、クライアントまたはサービスで WS-Addressing を有効にし、構成することができます。 WebSphere Application Server では、WSDL 文書の WS-Policy 側に保持されている WS-Addressing 情報が処理され、その情報はアプリケーションの構成に使用されます。 詳しくは、トピック『WS-Policy を使用する JAX-WS アプリケーションに対する Web Services Addressing サポートの使用可能化』を参照してください。
- アドレッシング・アノテーションまたは AddressingFeature を使用する Web サービス・アプリケーションで、同期または非同期メッセージ交換パターンのどちらを必要とするか指定できます。 コード内のアドレッシング・アノテーションまたは AddressingFeature クラスで、responses パラメーターを使用してください。 詳しくは、トピック『アドレッシング・アノテーションを使用する JAX-WS アプリケーションに対する Web Services Addressing サポートの使用可能化』または『アドレッシング・フィーチャーを使用する JAX-WS アプリケーションに対する Web Services Addressing サポートの使用可能化』を参照してください。
- デプロイメント記述子を使用して WS-Addressing を構成できます。 アプリケーションのデプロイメント記述子ファイルに、1 つの <addressing> エレメントと、オプションの子エレメントを追加してください。詳しくは、トピック『デプロイメント記述子を使用する JAX-WS アプリケーションに対する Web Services Addressing サポートの使用可能化』を参照してください。
- WSDL 文書からコードを生成することができます。その生成された Java コードに WebSphere Application Server が @Action および @FaultAction アノテーションを自動的に挿入します。 詳しくは、トピック『Web Services Addressing のアノテーション』を参照してください。
IBM 専有 WS-Addressing サポートのフィーチャー
この製品では、JAX-RPC アプリケーションおよび JAX-WS アプリケーションで使用可能な WS-Addressing 仕様の IBM 専有の実装を提供します。これにより、可用性の高いオブジェクトを表すエンドポイント参照を作成する、または SOAP ヘッダーにメッセージ・アドレッシング・プロパティーを直接設定するなどのより高度な機能を実行することができます。これらの API および SPI は、アドレッシングを使用する JAX-RPC アプリケーションを作成したい場合、または JAX-WS API では実現できない、より高度な機能を実行したい場合に使用してください。
- アプリケーションのデプロイメント環境に基づいて、サーバーの任意のエンドポイントを表す Java エンドポイント参照インスタンスを簡単に作成できます。 エンドポイント参照の URI を指定する必要はありません。 さらに、エンドポイント参照は、高可用性管理対象オブジェクトまたはワークロード管理対象オブジェクトを表すこともできます。
- クライアント JAX-WS BindingProvider 要求コンテキスト・オブジェクトを構成するか、WS-Addressing エンドポイント参照を使用して、JAX-RPC スタブ・オブジェクトまたは呼び出しオブジェクトを構成できます。 これらのオブジェクト上の今後の呼び出しは、エンドポイント参照で表されるエンドポイントがターゲットとなります。 また、呼び出しは、そのエンドポイント参照と関連付けられた WS-Addressing 仕様 (名前空間) に自動的に準拠します。
- アプリケーション・プログラミング・レベルで使用可能である以上の、エンドポイント参照の推論と操作。
- WS-Addressing 仕様で指定されているように、エンドポイント参照の内容を操作することができます。
- WS-Addressing 名前空間、ひいては指定動作を、エンドポイント参照と関連付けることができます。
- WS-Addressing メッセージ・アドレッシング・プロパティーの Java 表記。
- アウトバウンド Web サービス・メッセージに対して、WS-Addressing メッセージ・アドレッシング・プロパティーを指定することができます。 ターゲットとなる Web サービスで、インバウンド Web サービス・メッセージからメッセージ・アドレッシング・プロパティーを抽出できます。
- ほとんどの場合、アウトバウンド WS-Addressing メッセージの WS-Addressing 名前空間は、ターゲットのエンドポイント参照に基づいて自動的に派生しますが、ユーザーがこれを指定することもできます。 ターゲットとなる Web サービスで、着信メッセージの WS-Addressing 名前空間を取得することができます。
WS-Addressing 仕様およびインターオペラビリティーに対するサポート
デフォルトで、 この製品は、http://www.w3.org/2005/08/addressing 名前空間により識別された W3C WS-Addressing 1.0 のコア・バインディング仕様および SOAP バインディング仕様をサポートしています。特に他に記載していない限り、この資料で説明されている WS-Addressing セマンティクスはこれらの仕様を指します。
インターオペラビリティーについては、このバージョンの製品では他のレベルの WS-Addressing 仕様もサポートされています (特に、http://schemas.xmlsoap.org/ws/2004/08/addressing 名前空間による WS-Addressing W3C サブミット)。
JAX-WS アプリケーションについては、この製品は、http://www.w3.org/2007/05/addressing/metadata 名前空間により識別された WS-Addressing のメタデータ仕様をサポートしています。 この仕様によって、http://www.w3.org/2006/05/addressing/wsdl 名前空間で識別された WS-Addressing Web サービス記述言語 (WSDL) のバインディング仕様が置き換えられます。
- wsaw:UsingAddressing 拡張性エレメント (WSDL バインディング・エレメントでのみ)。 このエレメントに対してサポートされている名前空間は、http://www.w3.org/2006/05/addressing/wsdl 名前空間および http://www.w3.org/2006/02/addressing/wsdl 名前空間 (非推奨) です。
- wsaw:Action 拡張性エレメント。このエレメントに対してサポートされている名前空間は、http://www.w3.org/2006/05/addressing/wsdl 名前空間、http://www.w3.org/2006/02/addressing/wsdl 名前空間 (非推奨)、および http://schemas.xmlsoap.org/ws/2004/08/addressing 名前空間です。