HTTPTransport ポリシー・プロパティーおよびバインディング・プロパティー
setPolicyType および setBinding コマンドで -attributes パラメーターを使用して、HTTPTransport ポリシーおよびポリシー・セット・バインディングに追加の構成情報を指定します。 アプリケーションおよびシステム・ポリシー・セットで、HTTPTransport ポリシーおよびバインディングを使用することができます。
AdminTask オブジェクトの PolicySetManagement グループにある以下のコマンドとパラメーターを使用して、ポリシー・セットの構成をカスタマイズします。
- ポリシーおよびバインディング構成のプロパティーを表示するには、getPolicyType コマンドおよび getBinding コマンドの -attributes パラメーターを使用します。属性を取得するには、プロパティー名を getPolicyType コマンドまたは getBinding コマンドに渡します。
- ポリシーおよびバインディング構成にプロパティーを追加したり、更新したり、プロパティーを除去するには、setPolicyType コマンドおよび setBinding コマンドの -attributes パラメーターを使用します。属性を追加したり、更新したりするには、プロパティーの名前と値を指定します。 setPolicyType コマンドおよび setBinding コマンドは、その属性が存在する場合は値を更新します。また、その属性が存在しない場合は属性と値を追加します。 属性を除去するには、空ストリング ("") で値を指定します。-attributes パラメーターがプロパティー・オブジェクトを受け入れます。
注: -attributes パラメーターに提供されたプロパティーの名前または値が無効な場合は、例外が発行されて setPolicyType コマンドと setBinding コマンドは失敗します。無効なプロパティーは、エラーまたは警告として SystemOut.log ファイルに記録されます。ただし、コマンドの例外に、その例外の原因となったプロパティーの詳細情報が含まれない場合があります。
setPolicyType コマンドと setBinding コマンドが失敗した場合は、SystemOut.log ファイルを調べて、-attributes パラメーターの入力に 1 つまたは複数の無効なプロパティーがあることを示す、エラー・メッセージまたは警告メッセージを探します。
注: このトピックでは、
1 つ以上のアプリケーション・サーバー・ログ・ファイルを参照します。推奨される代替案として、分散システムや IBM® i システムの SystemOut.log、SystemErr.log、trace.log、activity.log ファイルではなく、High Performance Extensible Logging (HPEL) ログおよびトレース・インフラストラクチャーを使用するようにサーバーを構成できます。また HPEL は、ネイティブ z/OS® ロギング機能と連携させて使用することができます。HPEL を使用する場合、LogViewer コマンド・ライン・ツールを
サーバー・プロファイルの bin ディレクトリーから使用して、すべてのログ・ファイルにアクセスし、
情報をトレースできます。HPEL の使用について詳しくは、HPEL を使用してのアプリケーションの
トラブルシューティングに関する情報を参照してください。

複合セル環境をサポートするために、WebSphere Application Server は、バージョン 7.0 およびバージョン 6.1 のバインディングをサポートします。セル・レベルの 汎用バインディングは、バージョン 7.0 以降に特化したものですが、アプリケーション固有のバインディングは、そのアプリケーションに必要なバージョンのままです。 ユーザーがアプリケーション固有のバインディングを作成すると、 アプリケーション・サーバーは、そのアプリケーションで使用する必要があるバインディング・バージョンを 判別します。
次のセクションでは、以下を構成するポリシーおよびバインディング・プロパティーについて説明します。
HTTPTransport ポリシー・プロパティー
HTTPTransport ポリシー・セットは、HTTPS、Basic 認証、圧縮、およびバイナリー・エンコード・トランスポート・メソッドで使用できます。
setPolicyType コマンドで以下の属性を指定して、HTTPTransport ポリシーを構成します。
- protocolVersion
- 使用する HTTP のバージョンを指定します。 有効なバージョンの値は HTTP/1.1 および HTTP/1.0 です。
- maintainSession
- メッセージの送信時に、HTTP セッションを有効にするかどうかを指定します。 有効な値は yes または no です。
- chunkTransferEnc
- チャンク (大きい塊) 転送エンコードを使用可能にするかどうかを指定します。 有効な値は yes または no です。
- sendExpectHeader
- Expect 100-request ヘッダーを送信するかどうかを指定します。 有効な値は yes または no です。
- compressRequest:name
- 要求を圧縮するかどうかを指定します。 有効な値は、gzip、x-gzip、deflate、または none です。
- compressResponse:name
- 応答を圧縮するかどうかを指定します。 有効な値は、gzip、x-gzip、deflate、または none です。
- acceptRedirectionURL
- URL リダイレクトを自動的に受け入れるかどうかを指定します。 有効な値は yes または no です。
- messageResendOnce
- 複数回のメッセージ送信を可能にするかどうかを指定します。 有効な値は yes または no です。
- connectTimeout
- メッセージ送信時に、接続がタイムアウトになるまで待機する時間 (秒単位) を指定します。 ゼロより大きい整数値を指定してください。 ゼロ以下の値を指定すると、connectTimeout プロパティーはデフォルト値の 180 秒に設定されます。 このプロパティーに最大値は設定されません。
- writeTimeout
- 書き込みがタイムアウトになるまで待機する時間 (秒単位) を指定します。 整数値を指定します。ゼロより大きい整数値を指定してください。 ゼロ以下の値を指定すると、connectTimeout プロパティーはデフォルト値の 300 秒に設定されます。 このプロパティーに最大値は設定されません。
- readTimeout
- 読み取りがタイムアウトになるまで待機する時間 (秒単位) を指定します。 整数値を指定します。ゼロより大きい整数値を指定してください。 ゼロ以下の値を指定すると、connectTimeout プロパティーはデフォルト値の 300 秒に設定されます。 このプロパティーに最大値は設定されません。
- persistConnection
- メッセージ送信時に持続接続を使用するかどうかを指定します。 有効な値は yes または no です。
以下の setPolicyType コマンドの例では、各 HTTPTransport バインディング・プロパティーに対して値を設定しています。
AdminTask.setPolicyType('[-policySet "WSHTTPS custom" -policyType HTTPTransport
-attributes "[[protocolVersion HTTP/1.1]
[sessionEnable yes][chunkTransferEnc yes][sendExpectHeader yes][compressRequest:name gzip][compressResponse:name
gzip][acceptRedirectionURL yes][messageResendOnce no][connectTimeout 300][writeTimeout 300]
[readTimeout 300][persistConnection yes]]"]')
HTTPTransport バインディング・プロパティー
setBinding コマンドで以下の属性を指定して、HTTPTransport バインディングを構成します。
- outAsyncResponseBasicAuth:userid
- アウトバウンド非同期応答の基本認証のユーザー名を 指定します。
- outAsyncResponseBasicAuth:password
- アウトバウンド非同期応答の基本認証のパスワードを指定します。
- outAsyncResponseProxy:userid
- アウトバウンド非同期サービス応答プロキシーのユーザー名を 指定します。
- outAsyncResponseProxy:password
- アウトバウンド非同期サービス応答プロキシーのパスワードを指定します。
- outAsyncResponseProxy:port
- アウトバウンド非同期サービス応答プロキシーのポート番号を 指定します。
- outAsyncResponseProxy:host
- アウトバウンド非同期サービス応答プロキシーのホスト名を 指定します。
- outRequestBasicAuth:userid
- アウトバウンド・サービス要求の基本認証のユーザー名を指定します。
- outRequestBasicAuth:password
- アウトバウンド・サービス要求の基本認証のパスワードを指定します。
- outRequestProxy:userid
- アウトバウンド・サービス要求プロキシーのユーザー名を指定します。
- outRequestProxy:password
- アウトバウンド・サービス要求プロキシーのパスワードを指定します。
- outRequestProxy:port
- アウトバウンド・サービス要求プロキシーのポート番号を指定します。
- outRequestProxy:host
- アウトバウンド・サービス要求プロキシーのホスト名を指定します。
以下の setBinding コマンドの例では、各 HTTPTransport バインディング・プロパティーに対して値を設定しています。
AdminTask.setBinding('[-bindingLocation "" -bindingName generalCellWideBind1 -policyType
HTTPTransport
-attributes "[[outAsyncResponseBasicAuth:userid myID][outAsyncResponseBasicAuth:password myPW][outAsyncResponseProxy:host hostname]
[outAsyncResponseProxy:port 9060][outAsyncResponseProxy:userid myID][outAsyncResponseProxy:password myPW]
[outRequestBasicAuth:userid myID][outRequestBasicAuth:password myPW]
[outRequestProxy:userid myID]
[outRequestProxy:password myPW][outRequestProxy:port 9061][outRequestProxy:host hostname]]"]')