インバウンド・トランスポート・オプション

メッセージを受信するメッセージング・エンジンを構成する際に適用できる、 ネットワーク設定やセキュリティー設定などの多くのオプションがあります。

サービス統合のためのネットワーク・トランスポートの構成は、 トランスポート・チャネル・サービスを介して管理されます。このサービスを使用して、 ネットワークを介してアプリケーション・サーバーとの接続を確立 するために使用できるプロトコルを追加、除去、または変更することができます。

アプリケーション・サーバーを構成して、サーバーがホスティングする メッセージング・エンジンとの通信時に、複数の異なるプロトコルの組み合わ せ、すなわちトランスポート・チェーンを使用することができ ます。トランスポート・チャネル・サービスでは、以下のものがサポートされます。
  • TCP
  • TCP ネットワーク経由の Secure Sockets Layer (SSL)
  • Hyper Text Transfer Protocol (HTTP) 接続を介したトンネリング
  • HTTPS (セキュア HTTP) 接続を介したトンネリング
クライアント・コンテナーで稼働する JMS アプリケーションのようなメッセージング・エンジン・クライアントおよび他のメッセージング・エンジンは、これらのトランスポート・チェーンを使用してメッセージング・エンジンと通信することができます。

さらに、2 つの異なる種類のトランスポート・チェーンのどちらかを、IBM MQ リンクおよび IBM MQ クライアント・リンクで使用するように構成することもできます。これらのトランスポート・チェーンは以下のものがサ ポートされます。

IBM MQ メッセージング・プロバイダーを使用する IBM MQ キュー ・マネージャーの送信側チャネルおよび WebSphere® Application Server アプリケーションは、 これらのトランスポート・チェーン・タイプのいずれかを使用してメッセー ジング・エンジンと通信することができます。

デフォルトのテンプレートを使用してサーバーを作成すると、ア プリケーション・サーバーがホストするメッセージング・エンジンと 通信ができるように、以下のトランスポート・チェーンが自動的に作成されます。
InboundBasicMessaging
TCP プロトコルによる通信を可能にします。ノード上の最初のサーバーに対してこのチェ ーンで使用されるデフォルトのポートは、7276 です。例えば、 特定のノード上に 2 番目のサーバーを作成する場合は、選択したポートが既に使用されていないことを確認してください。 他のアプリケーション・サーバーでホストされているメッセージング・エンジン、およびクライアント・コンテナーで稼働する JMS アプリケーションは、このトランスポート・チェーンを使用してサーバーのメッ セージング・エンジンと通信することができます。
InboundSecureMessaging
TCP ネットワーク経由の Secure Sockets Layer (SSL) をベースにした暗号化プロトコルによるセキュア通信を提供します。ノード上の最初のサーバ ーに対してこのチェーンで使用されるデフォルトのポートは、7286 です。例えば、 特定のノード上に 2 番目のサーバーを作成する場合は、選択したポートが既に使用されていないことを確認してください。 このチェーンの SSL 構成情報は、アプリケーション・サー バーのデフォルトの SSL レパートリーに基づいています。他のアプリケーション・ サーバーでホストされているメッセージング・エンジン、 およびクライアント・コンテナーで稼働する JMS アプリケーションは、この トランスポート・チェーンを使用して通信を行うことができます。
InboundBasicMQLink
TCP ネットワーク経由で接続する IBM MQ メッセージング・プロバイダーを使用することで、IBM MQ キュー・マネージャーの送信側チャネルおよびアプリケーションをサポートします。このチェーンで使用されるデフォルトのポート は 5558 で、競合を避けるためにこの値を自動的に調整することが可能です。
InboundSecureMQLink
IBM MQ メッセージング・プロバイダーを使用することで、IBM MQ キュー・マネージャーの送信側チャネルおよびアプリケーションが、TCP ネットワーク 経由で SSL ベースの暗号化接続を確立できるようにします。このチェーンで 使用されるデフォルトのポートは 5578 で、競合を避けるためにこの値 を自動的に調整することが可能です。
soReuseAddr
WebSphere Application Server 管理者がバインド動作を制御することを 許可します。WebSphere Application Server が再始動される際 に、インバウンド TCP チャネルで、listen するソケットをバインドしようとして問題があった場合、 バインドが成功するか、または、許容されるバインド試行回数を超えるまで、 エラーが SystemOut ファイルに書き込まれます。このカスタム・プロパティーは、バインド処理中にエラー・メッセージが繰り返されるのを 回避するのに役立ちます。

デフォルトでは、これらのトランスポート・チェーンはすべて、SIBFAPInboundThreadPool スレッド・プールを使用して受信データを処理するように構成されています。 通常は、このスレッド・プールの最小サイズまたは最大サイズを変更する必要はありません。

管理コンソールでこれらのチェーンを管理するには、 次のいずれかを選択します。
  • 「サーバー」 ->「サーバー・タイプ(Server Types)」 ->「WebSphere Application Server (WebSphere application servers)」 -> 「server_name -> [サーバー・メッセージング (Server messaging)]「メッセージング・エンジン・インバウンド・トランスポート (Messaging engine inbound transports)」
  • 「サーバー」 ->「サーバー・タイプ(Server Types)」 ->「WebSphere Application Server (WebSphere application servers)」 -> 「server_name -> [サーバー・メッセージング]「IBM MQ リンク・インバウンド・トランスポート」
また、これらの管理コンソール・パネルを使用して、テンプレー トのセットから新しいトランスポート・チェーンを定義することもできます。

メッセージング・エンジンとの通信に使用するインバウンド・チャネル ・チェーンは通常、それらのメッセージング・エンジンをホスティングするア プリケーション・サーバーの始動時に開始されます。これは、アプリケー ション・サーバーがアクティブなメッセージング・エンジンをホスティングしていない場合でも起こり得ます。インバウンド・チェーンが開始すると、 それに割り当てられている TCP ポートにバインドし、ネットワーク接続を 受け入れます。以下の表に、メッセージング機能に関連するインバウンド・ チェーンが開始する環境を示します。

表 1. インバウンド・チェーンが開始する場合のシナリオ. 最初の列には、インバウンド・チェーンが開始されるサービス統合バスのシナリオがリストされます。 2 番目の列には、そのシナリオに対してメッセージング・チェーンが開始されるかどうかが示されます。 3 番目の列には、そのシナリオに対して IBM MQ 相互運用チェーンが開始されるかどうかが示されます。
  メッセージング・チェーン IBM MQ 相互運用チェーン
SIB サービスはサーバーに対して使用不可 未開始 未開始
SIB サービスがサーバーで使用可能で、IBM MQ リンクまたは IBM MQ クライアント・リンクのリソースが定義されていない 始動済み 未開始
SIB サービスは使用可能で、IBM MQ リンクまたは IBM MQ クライアント・リンクのリソースが定義されている 始動済み 始動済み

SIB サービスの使用可能化または使用不可化について詳しくは、SIB サービス詳細フォームを参照してください。

IBM MQ 関連リソースの定義について詳しくは、IBM MQ リンク送信側チャネル [設定]などを参照してください。

注: 特定のインバウンド・チャネル・チェーンとメッセージング・ エンジンの間にはアフィニティーはありません。サーバー上のアクティブな メッセージング・エンジンは、稼働中のインバウンド・チャネル・ チェーンからの連絡を受けることができます。これはネットワーク通信 を保護しようとする際に重要な意味を持ち、アプリケーション・サーバー でアクティブなメッセージング・エンジンとの通信は、同じカテゴリー内 のサーバー上でアクティブな、セキュリティーの最も低いメッセージング ・チェーン、すなわちメッセージング・チェーンまたは MQ 相互運用 チェーンと同程度のセキュリティーが確保されているにすぎません。

インバウンド・トランスポート・チェーンは、以下の場所で名前により 指定することができます。
  • バス [設定]内部エンジン・トランスポート・チェーンフィールド。 これは、同じセル内の複数のノード間で接続を確立する際に使用するチェーンを指定します。
  • デフォルトのメッセージング・プロバイダーの統合された接続ファクトリー [設定]ターゲット・インバウンド・トランスポート・チェーンフィールド。 これは、リモート・メッセージング・エンジンへの接続時 に JMS アプリケーションが使用するためのネットワーク接続を確立する際に 使用するトランスポート・チェーン名を指定します。

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