dumpNameSpace ツール
dumpNameSpace ツールを使用して、 ネーム・サーバーを介してアクセスした名前空間の内容をダンプすることができます。 dumpNameSpace ツールは、Java™ Naming and Directory Interface (JNDI) に基づいています。
dumpNameSpace ツールを 実行する場合は、ネーミング・サービスがアクティブでなければなりません。 dumpNameSpace ツールは、 サーバー・プロセスに対してローカルな名前空間 (java: や local: などの URL スキームが使用されている名前空間) をダンプすることはできません。 local: 名前空間には、ローカル・インターフェースを持つエンタープライズ Bean への参照が含まれています。 java: および local: の名前空間をダンプする場合は、java:、local:、およびサーバー名前空間用の名前空間ダンプ・ユーティリティーを使用してください。
これを除外する非デフォルト開始コンテキストが指定されていない場合、 そのツールは、指定されたホストおよびポートのサーバーのサーバー・ルート・コンテキストをダンプします。 そのツールは、その他のサーバーのサーバー・ルート・コンテキストはダンプしません。

dumpNameSpace の実行
コマンド行から、または ツールのプログラム・インターフェースを使用して、ツールを実行することができます。 このセクションでは、コマンド行呼び出しについて説明します。dumpNameSpace ツールのプログラム・インターフェースを介して dumpNameSpace ツールにアクセスするには、WebSphere® Application Server API 資料のクラス com.ibm.websphere.naming.DumpNameSpace を参照してください。
コマンド行からこのツールを実行するには、 app_server_root/bin ディレクトリーで dumpNameSpace コマンドを入力します。
![[AIX]](../images/aixlogo.gif)
![[HP-UX]](../images/hpux.gif)
![[Linux]](../images/linux.gif)
![[Solaris]](../images/solaris.gif)
![[z/OS]](../images/ngzos.gif)
dumpNameSpace.sh [[-keyword value]...]
![[Windows]](../images/windows.gif)
![[IBM i]](../images/iseries.gif)
dumpNameSpace [[-keyword value]...]
セキュリティーを有効にして dumpNameSpace ツールを実行し、com.ibm.CORBA.loginSource プロパティーを profile_root/properties/sas.client.props ファイル内で設定していると、 ログイン・プロンプトが表示されます。
ログイン・プロンプトをキャンセルすると 、dumpNameSpace ツールは「UNAUTHENTICATED」証明書を使ってアウトバウンドを続行します。 つまり、デフォルトでは、「Everyone」アクセス許可ポリシーと等価である 「UNAUTHENTICATED」証明書が使用されます。 このデフォルト設定を変更する には、app_server_root/properties/sas.client.props ファイルの com.ibm.CSI.performClientAuthenticationRequired プロパティーの 値を、true に変更します。
sas.client.props ファイル内に com.ibm.CORBA.loginSource プロパティーを設定していない場合、dumpNameSpace ツールによって、クレデンシャル内で設定されているユーザー名とパスワードを使用して、 アウトバウンドが続行されます。
管理認証において Kerberos (KRB5) が使用可能な場合、authenticationTarget では BasicAuth および KRB5 の両方がサポートされます。Kerberos 認証を使用するには、コネクター・タイプに応じて sas.client.props、soap.client.props、および ipc.client.props のファイルを更新する必要があります。Kerberos 認証を使用すると、ユーザー・パスワードはワイヤー間で流出することはありません。パスワードの片方向ハッシュにより、クライアントが識別されます。
パラメーター
dumpNameSpace ツールのキーワードとそれに関連する値は、 以下のとおりです。
- -host myhost.company.com
- 名前空間をダンプしたいブートストラップ・ホストまたは WebSphere Application Server ホスト
を指定します。
値はデフォルトで localhost になります。
ツールがローカル・マシンから実行されていない場合、値に -host を指定してください。
-host パラメーターは、ツールにリモート・マシンのサーバーに接続するよう指示します。
例えば、
を実行 して、myhost.mycompany.com で実行中のサーバーの名前空間を表示します。dumpNameSpace -host myhost.mycompany.com
- -port nnn
- ブートストラップ・ポートを指定します。指定しない場合、デフォルトは 2809 です。
- -root {cell | server | node | host | legacy | tree | default}
- ダンプの初期コンテキストとして使用するルート・コンテキストを指定します。適用できるルート・オプションおよびデフォルト・ルート・コンテキストは、ダンプを獲得するネーム・サーバーのタイプによって異なります。-root オプションの
説明は以下のとおりです。
WebSphere Application Server サーバーの場合:
表 1. 製品サーバーの -root オプションの説明. ルート・コンテキストは、ダンプの初期コンテキストとして使用します。 -root オプション 説明 セル 製品バージョン 5.0 以降のサーバーの DumpNameSpace デフォルト。セル・ルート・コンテキストからツリーをダンプします。 server サーバー・ルート・コンテキストからツリーをダンプします。 ノード ノード・ルート・コンテキストからツリーをダンプします。 tree ツリー・ルート・コンテキストからツリーをダンプします。 アプリケーション アプリケーション・ルート・コンテキストからツリーをダンプします。 すべての WebSphere Application Server および その他のネーム・サーバーの場合:
表 2. 製品および製品以外のサーバーの -root オプションの説明. ルート・コンテキストは、ダンプの初期コンテキストとして使用します。 -root オプション 説明 デフォルト JNDI がそのサーバー・タイプに対してデフォルトで戻す初期コンテキストからツリーをダンプします。これは、製品以外のネーム・サーバーと互換性のある 唯一の -root オプションです。 - -url some_provider_URL
- 初期 JNDI コンテキストの取得に使用される java.naming.provider.url プロパティーの値。このオプションは、 -host、-port、および -root オプションの代わりに使用できます。 -url オプションが指定されている場合、-host、 -port、および -root オプションは無視されます。
- -factory com.ibm.websphere.naming.WsnInitialContextFactory
- JNDI 初期コンテキストを取得するのに使用する初期コンテキスト・ファクトリーを示します。 値はデフォルトで com.ibm.websphere.naming.WsnInitialContextFactory になります。通常、 デフォルト値は変更する必要はありません。
- -startAt some/subcontext/in/the/tree
- ブートストラップ・ホストのルート・コンテキストから、 ダンプを開始すべきトップレベル・コンテキストへのパスを示します。 ツールは、このポイント以下のサブコンテキストを再帰的にダンプします。これは、デフォルトで、空ストリング、すなわちブートストラップ・ホスト・ルート・コンテキストになります。
- -format { jndi | ins }
表 3. -format オプションの説明. オプションには jndi および ins が含まれます。 -format オプション 説明 jndi デフォルト。ネーム・コンポーネントをアトミック・ストリングとして表示します。 ins Interoperable Naming Service (INS) 規則 (id.kind) を使用して構文解析される名前コンポーネントを表示します。 - -report { short | long }
表 4. -report オプションの説明. オプションには short および long が含まれます。 -report オプション 説明 short デフォルト。バインディング名およびバインド済みオブジェクト・タイプをダンプします。 この出力は JNDI Context.list() によっても提供されます。 long バインディング名、バインド済みオブジェクト・タイプ、ローカル・オブジェクト・タイプ、およびローカル・オブジェクトのストリング表現 (すなわち IOR、ストリング値、およびその他の印刷される値) をダンプします。 ユーザー定義クラスのオブジェクトが long の報告オプションで正しく表示されるためには、 オブジェクトが入っているディレクトリーを、検索を行うディレクトリーのリストに加える必要がある場合があります。 コマンド行で、環境変数 WAS_USER_DIRS を設定します。 値には、1 つ以上のディレクトリーを組み込むことができます。
WAS_USER_DIRS=/usr/classdir1:/usr/classdir2 export WAS_USER_DIRS
set WAS_USER_DIRS=c:¥classdir1;d:¥classdir2
これで、 指定されたディレクトリー内のすべての .zip、.jar、および .class ファイルは、 dumpNameSpace ツールを実行するときにクラス・ローダーによって解決することができます。
- -traceString "some.package.name.to.trace.*=all=enabled"
- サーバーによって生成されたフォーマットと同じフォーマットでトレース・ストリングを表します。 その出力はファイル DumpNameSpaceTrace.out に送られます。
戻りコード
dumpNameSpace ツールには、以下の戻りコードがあります。
戻りコード | 説明 |
---|---|
0 | 標準のシステム出口。 dumpNameSpace の実行の結果、エラーは発生しませんでした。 |
1 | 開始コンテキストの取得中にエラーが発生しました。 |
2 | 例外を伴って、他のエラーが発生しました。 dumpNameSpace の実行の結果、(開始コンテキストの取得中に発生したエラーとは別の) エラーが発生しました。 |
3 | 非サポートのオプションが指定されました。 |