トランザクション・サービス設定

トランザクション・サービスの設定を指定するには、このページを使用します。 トランザクション・サービスは、 複数のリソース・マネージャーに対する更新を調整してデータのアトミック更新を保証することのできる、 サーバーのランタイム・コンポーネントです。トランザクションは、アプリケーション、またはアプリケーションがデプロイされているコンテナーにより、 開始したり終了したりします。

この管理コンソール・ページを表示するには、「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「WebSphere Application Server」 > 「server_name」 > 「[コンテナー設定] コンテナー・サービス > 「トランザクション・サービス」をクリックします。

トランザクション・ログ・ディレクトリー

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]トランザクション・サービスがリカバリー用のログ・ファイルを保管するディレクトリーの名前をこのサーバーに指定します。 [AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]オプションで、トランザクション・ログ・ファイルのサイズを指定できます。[z/OS]z/OS® プラットフォームの場合は、JTA パートナー・ログのロケーションを指定します。

次のいずれかの状態でアプリケーション・サーバーのトランザクション・ログ・ファイルのディレクトリーを変更する場合に、このプロパティーを設定します。
  • アプリケーションが分散リソースまたは XA トランザクションを使用する場合。例えば、1 つのトランザクションで複数のデータベースおよびリソースにアクセスする場合など。
  • トランザクションを高可用性にするためにシステムを構成する場合。この場合、トランザクション・ログ・ディレクトリーは、クラスター内のサーバーごとに固有のディレクトリーでなければならず、クラスター内のすべてのサーバーがトランザクション・ログ・ディレクトリーにアクセスできなければなりません。

    高可用性 (HA) 環境では、クラスター内の各サーバーのトランザクション・ログと補正ログ・ディレクトリーの両方が固有である必要があります。

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]

サーバーの構成時にこのディレクトリーを指定しない場合、トランザクション・サービスはインストール・ディレクトリー app_server_root/ tranlog/cell_ name/node_ name/server_ name に基づくデフォルト・ディレクトリーを使用します。

アプリケーション・サーバーで実行中のアプリケーションが複数のリソースにアクセスすると、そのアプリケーション・サーバーは、分散トランザクションを適切に調整して管理できるよう、トランザクション情報を製品ディレクトリーに保管します。トランザクションの負荷が比較的大きい場合、このようにしてパーシスタント情報を保管すると、アプリケーション・サーバーのパフォーマンスが低下することがあります。これは、アプリケーション・サーバーが、オペレーティング・システムと基礎となるストレージ・システムに依存しているからです。パフォーマンスを向上させるには、別個の、物理的に大容量のストレージ・システム上にログ・ファイルの新規ディレクトリーを指定します。

アプリケーション・サーバーが以下の症状を 1 つ以上示している場合は、トランザクション・ログ・ディレクトリーを変更してください。
  • トランザクションが増加しているにもかかわらず、CPU 使用率が低い状態のままである。
  • 数回のタイムアウトによりトランザクションが失敗する。
  • 例外「Unable to enlist transaction」により、トランザクションがロールバックされる。
  • 実行の途中でアプリケーション・サーバーが停止し、再始動する必要がある。
  • アプリケーション・サーバーが稼働しているディスクの使用率が高くなる。
ログ・ファイル用のストレージ・システムには、以下をお勧めします。
  • 新磁気ディスク制御機構 (RAID) にログ・ファイルを保管します。

    RAID 構成では、物理メディアにデータを書き込むタスクが、複数のドライブで共有されます。 この技法により、トランザクション情報を記録するためのストレージに同時アクセスでき、 ログのデータにさらに高速アクセスできます。アプリケーションおよびストレージ・サブシステムの設計に応じて、10% から 100%、場合によってはさらに大きなパフォーマンスの向上が見込まれます。

  • オペレーション・システムの I/O モードを同時 I/O (CIO) に設定した状態で、ログ・ファイルを保管しないでください。

    トランザクション・ログ・ディレクトリーを指定する場合、ファイル・システムで、 同期のライトスルーおよび書き込みシリアライゼーションの操作のみが使用されることを確認します。 AIX® JFS2 など、オペレーティング・システムによっては、ファイル・システムが書き込み操作のシリアライゼーションを強制的に行うことのない、オプションの同時入出力 (CIO) モードをサポートしているものもあります。これらのシステムでは、アプリケーション・サーバーのトランザクションのリカバリー・ログ・ファイルに CIO モードを使用しないでください。

トランザクション・ログ・ファイルのサイズを指定するには、ファイル・サイズの設定値を組み込みます。次のいずれかのフォーマットを使用します。ここで、directory_name はトランザクション・ログ・ディレクトリーの名前、file_size はトランザクション・ログ・ファイルの新規のディスク・スペースの割り振りを表します。このディスク・スペースは KB (nK) または MB (nM) で指定します。 指定可能なトランザクション・ログ・ファイルの最小サイズは 64K です。64K より小さい値を指定した場合やファイル・サイズの値を指定しなかった場合は、デフォルトの値 1M が使用されます。

;file_size   <!-- This format keeps the default directory -->
directory_name;file_size
dir://directory_name/directory_name;file_size
/directory_name/directory_name;file_size

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]トランザクション・ログのサイズについて詳しくは、サーバーの可用性を最適化するためのトランザクション・ロギングの管理を参照してください。

通知
データ型 ストリング
デフォルト ディレクトリー名: app_server_root/tranlog/cell_name/node_name/server_name

ファイル・サイズ: 1MB

推奨 RAID-0 構成で、ともに RAID に組み込まれた 3 つまたは 4 つ以上のディスク・ドライブを持つ ファイル・システムを作成します。 次に、このファイル・システム上 で、デフォルトのサイズのトランザクション・ログを作成します。 負荷がかかった状態でサーバーが稼働している場合は、ディスクの 入出力をチェックします。 ディスクの入出力時間が 5% を超える場合は、物理ディスクをさらに追加してこの値を抑えることを検討してください。
[z/OS]

z/OS では、このログは XA リソースのリカバリーに使用されます。 WebSphere® 製品上で実行されるアプリケーションが XA リソースにアクセスする場合、WebSphere 製品は、リソースに関する情報を保管して、XA トランザクションのリカバリーを可能にします。以下の構文を使用してください。

[location type URL tag] location_specification
  • location type URL tag は、JTA パートナー・ログのオプションのロケーション・タイプを指定します。
    • デフォルトは dir:// です。これは、JTA パートナー・ログのロケーションが、location_specification で指定される完全修飾 HFS ディレクトリーにあることを指定します。
  • location specification は、JTA パートナー・ログのロケーション名を指定します。
    • ログ・ストリームを指定するために、構文 logstream://HLQ を使用します。
      アプリケーション・サーバーのインストール済み環境で、カップリング・ファシリティー (CF) へのログ・ストリーム の構成の規則に従っていた場合、ログ・ストリームには、構文 HLQ.server.X に従って名前が付けられます。ここで、HLQ はインストール・ダイアログで指定された 1 文字から 8 文字のユーザー定義された値です。この HLQ 値を使用して JTA パートナー・ログのロケーションを指定します。
      トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): すべてのログ・ストリームに AUTODELETE(NO) を設定します。gotcha
    • location type URL tagdir:// の場合は、location specification には完全修飾 HFS ディレクトリーを使用します。 ディレクトリーの完全な名前は、WebSphere ノード内で 固有である必要があります。

デフォルトは dir://app_server_root/tranlog/server name です。

トランザクション・ログ・ファイルのサイズを指定するには、ファイル・サイズの設定値を組み込みます。次のいずれかのフォーマットを使用します。ここで、directory_name はトランザクション・ログ・ディレクトリーの名前、file_size はトランザクション・ログ・ファイルの新規のディスク・スペースの割り振りを表します。このディスク・スペースは KB (nK) または MB (nM) で指定します。 指定可能なトランザクション・ログ・ファイルの最小サイズは 64K です。64K より小さい値を指定した場合やファイル・サイズの値を指定しなかった場合は、デフォルトの値 1M が使用されます。

dir://directory_name/directory_name;file_sizeK
/directory_name/directory_name;file_sizeK
;file_sizeK   <!-- This keeps the default directory -->

合計トランザクション存続時間タイムアウト

このサーバー上で開始されたトランザクション・サービスがタイムアウト完了処理を開始するまでに、そのトランザクションで許されているデフォルトの最大時間 (秒単位)。 このタイムアウトが発生するまでに完了処理を開始しないトランザクションは、すべてロールバックされます。

このタイムアウトは、アプリケーション・コンポーネントがその独自のトランザクション・タイムアウトを設定しない場合にのみ使用されます。

[z/OS]タイムアウトが起こると、トランザクションはおよそ 4 分間の猶予期間中に実行を継続することができます。 トランザクションが猶予期間中にコミットまたはロールバックされた場合は、トランザクションの結果は常にロールバックされます。 トランザクションが猶予期間の後も完了しない場合は、コントローラーはアプリケーション・コンポーネントが稼働しているサーバント領域を、ABEND EC3 RSN=04130002 または 04130005 で異常終了させます。
注: トランザクション合計存続時間タイムアウトと最大トランザクション・タイムアウトにのみ猶予期間があります。 DISABLE_TRANSACTION_TIMEOUT_GRACE_PERIOD カスタム・プロパティーを使用して、猶予期間を使用不可にすることができます。

このタイムアウトの上限は、最大トランザクション・タイムアウトにより制限されます。 例えば、トランザクション存続期間のタイムアウトの合計値として 500 を設定し、最大トランザクション・タイムアウトの値として 300 を設定すると、トランザクションは 300 秒後にタイムアウトになります。

このタイムアウトを 0 に設定すると、タイムアウトは適用されず、その代わりに最大トランザクション・タイムアウトの値が使用されます。

通知
データ型 整数
単位
デフォルト 120
[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]範囲 [AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]0 から 2 147 483 647

[z/OS]範囲 [z/OS]

[z/OS]0 から 2 147 040

非同期応答タイムアウト

サーバーが前の WS-AT プロトコル・メッセージを再送するまでにインバウンドの Web Services アトミック・トランザクション (WS-AT) プロトコルに対する応答を待つ時間 (秒単位) を指定します。

通知
データ型 整数
単位
デフォルト 30
範囲 0 から 2 147 483 647

クライアント非活動タイムアウト

リモート・クライアントからの各トランザクション要求間の 最大所要時間 (秒単位) を指定します。クライアントの非活動時間がこのタイムアウトを超過すると、 このアプリケーション・サーバーでトランザクションがロールバックされます。

この値を 0 に設定した場合、タイムアウト制限はありません。

通知
データ型 整数
単位
デフォルト 60
範囲 0 から 2 147 483 647

最大トランザクション・タイムアウト

このサーバーで実行するトランザクションのトランザクション・タイムアウトの上限 (秒単位) を指定します。この値は、トランザクション・タイムアウトの合計に指定した値以上でなければなりません。このサーバーで実行するトランザクションの完了までの最大時間 (秒単位) を指定します。この値はトランザクション存続時間のタイムアウトの合計より大きいか等しく、さらにアプリケーション・コンポーネントのタイムアウトより大きいか等しい必要があります。 トランザクションの最大タイムアウトを、トランザクション存続時間のタイムアウトの合計またはアプリケーション・コンポーネントのタイムアウトのいずれかより小さい値に設定すると、トランザクションの最大タイムアウトに達したときに、より多くの時間を必要とする可能性があるアプリケーション・コンポーネント・トランザクションがタイムアウトになります。

このタイムアウトは、その他のすべてのトランザクション・タイムアウト期間の上限を制限します。

表 1. トランザクション・タイムアウト設定. この表は、異なるタイムアウトの設定値が、サーバーで稼働しているトランザクションにどのように適用されるのかを示しています。
タイムアウトの設定 影響を受けるトランザクション
最大トランザクション・タイムアウト このサーバーで稼働する、トランザクション存続時間タイムアウトの合計による影響も、アプリケーション・コンポーネント・タイムアウトによる影響も受けないすべてのトランザクション。 これらのトランザクションには、このサーバー以外からインポートされたトランザクション (クライアントからインポートされたトランザクションなど) が含まれます。
合計トランザクション存続時間タイムアウト このサーバーで発信したすべてのトランザクションで、アプリケーション・コンポーネント・タイムアウトにより影響を受けないトランザクション。関連付けられたアプリケーション・コンポーネントは、独自のタイムアウトを設定しません。
アプリケーション・コンポーネント・タイムアウト アプリケーション・コンポーネント固有のトランザクション。

このトランザクション・タイムアウトの設定は管理コンソールでは行えません。

コンポーネントがコンテナー管理 Bean の場合は、コンポーネントのデプロイメント記述子内でこのタイムアウトを設定します。例えば、Rational® Application Developer などのアセンブリー・ツールを使用できます。

コンポーネントが Bean 管理 Bean の場合は、UserTransaction.setTransactionTimeout メソッドを使用してプログラムでこのタイムアウトを設定します。

タイムアウトを 0 に設定すると、そのタイムアウトは適用されず、事実上、使用不可になります。 すべてのタイムアウトを 0 に設定すると、トランザクションがタイムアウトになることはありません。

例えば、次のタイムアウト値を考えてみます。
表 2. タイムアウト値の例. この表は、種々のタイムアウト設定とその値をリストします。
タイムアウトの設定
最大トランザクション・タイムアウト 360
合計トランザクション存続時間タイムアウト 240
アプリケーション・コンポーネント・タイムアウト 60
この例では、アプリケーション・コンポーネントに固有のトランザクションは、60 秒後にタイムアウトになります。その他のローカル・トランザクションは 240 秒後にタイムアウトになり、このサーバーの外部からインポートされる任意のトランザクションは 360 秒後にタイムアウトになります。次にこのアプリケーション・コンポーネント・タイムアウトを 500 に変更すると、アプリケーション・コンポーネント・トランザクションは 360 秒後 (最大トランザクション・タイムアウトの値) にタイムアウトになります。 最大トランザクション・タイムアウトを 0 に設定すると、アプリケーション・コンポーネント・トランザクションは 500 秒後にタイムアウトになります。 アプリケーション・コンポーネントのタイムアウトを削除すると、アプリケーション・コンポーネント・トランザクションは 240 秒後にタイムアウトになります。

タイムアウトの発生を素早く判別し、それ以上リソースがロックされないようにするために、アプリケーション・サーバーはタイムアウト状態が発生したトランザクション・パスでそれ以上トランザクション処理が行われないようにします。これは、現行トランザクション・コンテキスト下で作業を実行しようとする場合と、異なるトランザクション・コンテキスト下で作業を実行しようとする場合に同じように適用されます。

通知
データ型 整数
単位
デフォルト 300
[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]範囲 [AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i][AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]0 から 2 147 483 647
[z/OS]範囲 [z/OS][z/OS]0 から 2 147 040

ヒューリスティックな再試行制限

アプリケーション・サーバーがコミットまたはロールバックなどの完了シグナルを再試行する回数を指定します。 再試行が行われるのは、リソース・マネージャーまたはリモート・パートナーからの一時的な例外の後、または、すべての Web Services アトミック・トランザクション (WS-AT) パートナーが応答する前に、構成済みの非同期応答タイムアウトの有効期限が切れた場合です。

アプリケーション・サーバーが再試行を中止した場合、リソース・マネージャーまたはリモート・パートナーは、リソースまたはパートナーのトランザクション・ブランチが適切に完了するようにする必要があります。アプリケーション・サーバーは、(リソースまたはパートナーに代わって) ヒューリスティック障害を示す例外を出します。 コミット要求が出された場合は、トランザクションの開始元はコミット操作の例外を受け取ります。つまり、トランザクションがコンテナーで開始されると、そのコンテナーは、リモート例外または Enterprise JavaBeans (EJB) 例外を EJB クライアントに返します。

分散トランザクションの従属サーバーのリカバリー中にヒューリスティック再試行回数の制限を超えた場合は、ヒューリスティック完了指示プロパティーによって、トランザクションの完了方法が指定されます。

通知
データ型 整数
デフォルト 0
範囲 0 から 2 147 483 647

値 0 (デフォルト) は、無制限に再試行することを意味します。

ヒューリスティックな再試行待ち

リソース・マネージャーまたはリモート・パートナーからの一時的な例外の後、コミットまたはロールバックなどの完了シグナルを再試行する前に、アプリケーション・サーバーが待機する秒数を指定します。

通知
データ型 整数
デフォルト 0
範囲 0 から 2 147 483 647

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]0 という値は、アプリケーション・サーバーが再試行待ちを決定することを意味します。サーバーは 10 回再試行が失敗するたびに、再試行待ち時間を 2 倍にします。

[z/OS]この変数を 0 にしておくと、アプリケーション・サーバーはそれ以降もこのトランザクションを完了しようとします。 システムのスループットを改善するために、各回の試行前の待ち時間はだんだん長くなります。

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]

ヒューリスティック・レポートのロギングの使用可能化

アプリケーション・サーバーが、1 フェーズ・コミット・リソースおよび 2 フェーズ・コミット・リソースの両方に関係のあるトランザクションからの about-to-commit-one-phase-resource イベントをログに記録するかどうかを指定します。

このプロパティーによって、ヒューリスティック・レポートのロギングが可能になります。 アプリケーションが、1 フェーズ・コミット・リソースを 2 フェーズ・コミット・トランザクションに参加させるように構成されている場合には、 アプリケーション・サーバー障害時のヒューリスティック結果のレポートには、トランザクション・ログに書き込まれる追加情報が必要です。 このプロパティーが使用可能になっている場合には、1 フェーズ・コミット・リソースおよび 2 フェーズ・コミット・リソースの両方に関係のあるそれぞれのトランザクションに、1 つの追加ログが書き込まれます。1 フェーズ・コミット・リソースに関係のないトランザクションには、追加レコードの書き込みは行われません。

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]
通知
データ型 チェック・ボックス
デフォルト クリア
範囲
クリア
アプリケーション・サーバーは、1 フェーズ・コミット・リソースおよび 2 フェーズ・コミット・リソースに関係のあるトランザクションの中の "about to commit one-phase resource" イベントを記録しません。
選択
アプリケーション・サーバーは、1 フェーズ・コミット・リソースおよび 2 フェーズ・コミット・リソースに関係のあるトランザクションの中の "about to commit one-phase resource" イベントを記録します。

ヒューリスティックな完了指示

ヒューリスティックな結果を伴うトランザクションを完了するのに使用する指示を指定します。アプリケーション・サーバーによってトランザクションをコミットまたはロールバックするか、管理者が手動で完了するかのいずれかを指定します。

ヒューリスティック完了指示プロパティーは、以下のシチュエーションでトランザクションをどのように完了するかを指定します。
  • トランザクション・マネージャーは、最終参加者サポート (LPS)・リソースのヒューリスティック結果を報告します。
  • 分散トランザクションでの従属サーバーのリカバリー中に、ヒューリスティック再試行の制限が超過されます。
  • トランザクションは、Java EE コネクター・アーキテクチャー (JCA)・プロバイダーからインポートされます。

このプロパティーは、前述のシチュエーションにおけるトランザクションにのみ適用されます。

通知
データ型 ドロップダウン・リスト
デフォルト ROLLBACK
範囲
COMMIT
アプリケーション・サーバーは、ヒューリスティックにトランザクションをコミットします。
ROLLBACK
アプリケーション・サーバーは、ヒューリスティックにトランザクションをロールバックします。
MANUAL
アプリケーション・サーバーでは、管理者がヒューリスティックな結果を持つトランザクションを手動で完了するかロールバックします。

ヒューリスティック障害の容認

このサーバー上のすべてのアプリケーションが、1 フェーズ・リソースを含む 2 フェーズ・トランザクションで、ヒューリスティック障害が起こる可能性を受け入れるかどうかを指定します。これを設定すると、サーバーの最終参加者サポート (LPS) が構成されます。 最終参加者サポートは、単独の 1 フェーズ・リソースが 1 つ以上の 2 フェーズ・リソースがある 2 フェーズ・トランザクションに参加できるようにする、 トランザクション・サービスの拡張です。

「ヒューリスティック障害の容認」オプションが選択されていない場合は、ヒューリスティック障害を受け入れるようアプリケーションを個別に構成する必要があります。アプリケーションの構成は、アセンブルするときに行うか、またはデプロイメントの後に 「最終参加者サポートの拡張 (Last participant support extension)」ペインを使用して行うことができます。

通知
データ型 チェック・ボックス
デフォルト クリア
範囲
選択
サーバーにデプロイされているすべてのアプリケーションは、ヒューリスティックな結果によるリスクの増加を受け入れます。
クリア
ヒューリスティックな結果によるリスクの増加を受け入れるよう、アプリケーションを個別に構成する必要があります。

ファイル・ロックの使用可能化

トランザクション・サービスのリカバリー・ログをオープンする際、ファイル・ロックを使用するかどうかを指定します。

この設定を使用可能にすると、ファイル・ロックは、 トランザクション・サービスのリカバリー・ログ・ファイルにアクセスする前に取得されます。ファイル・ロックを使用すると、高可用性の WebSphere Application Server デプロイメントにおいて、特定のトランザクション・サービスのリカバリー・ログに一度にアクセスできるアプリケーション・サーバーを 1 つだけにすることができます。この設定は、高可用性の構成をサポートしていない標準デプロイメントには影響しません。
重要: この設定では、Network File System (NFS) バージョン 4 などの互換性のあるネットワーク・ファイル・システムが正常に動作している必要があります。
通知
データ型 チェック・ボックス
デフォルト 選択

トランザクション調整の許可の使用可能化

トランザクション・サービス・プロトコル・メッセージの機密保護機能のある交換を使用可能にするかどうかを指定します。

トランザクション調整の許可が使用可能になっていると、 トランザクション・サービスは、トランザクションを処理する前に、呼び出し元が管理者ロールに 許可されていることを検証します。

サーバー上で WebSphere Application Server セキュリティーを使用可能にしない限り、この設定による影響はありません。

通知
データ型 チェック・ボックス
デフォルト 選択

デフォルトの WS-Transaction 仕様レベル

Web Services アトミック・トランザクション (WS-AT) または Web Services ビジネス・アクティビティー (WS-BA) の調整コンテキストを含むアウトバウンド要求に使用する、デフォルトの WS-Transaction 仕様レベルを指定します。

WS-Transaction 1.0、WS-Transaction 1.1、または WS-Transaction 1.2 から選択できます。これらの仕様について詳しくは、アプリケーション・サーバーの WS-AT サポートまたは WS-BA サポートに関するトピックを参照してください。

デフォルトの WS-Transaction 仕様レベルが使用されるのは、レベルがプロバイダーのポリシー (WS-Transaction WS-Policy 表明) から判断できない場合です。 これは、例えば、ターゲット Web サービスの WSDL からも、クライアントの WS-Transaction ポリシー・タイプからも ポリシー・アサーションを入手できない場合や、 ポリシー・アサーションが使用可能でも、複数の仕様レベルが適用可能な場合です。

通知
データ型 ドロップダウン・リスト
デフォルト 1.0

外部の WS-Transaction HTTP(S) URL 接頭部

外部 WS-Transaction HTTP(S) の URL 接頭部を選択または指定します。

  • HTTP サーバーまたは Proxy Server for WebSphere などの中継ノードを使用して、Web Services アトミック・トランザクション(WS-AT) プロトコルまたは Web Services ビジネス・アクティビティー (WS-BA) プロトコルに準拠した要求を送信する場合。
  • デフォルト以外のプロトコル、ホスト、またはポートの値を URL に使用して WS-Transaction EndpointReferences が公開されるように構成したい場合。 例えば、WebSphere プロキシー・サーバーなどのフォワード・プロキシーを介してアプリケーション・サーバーに流れるインバウンドの WS-Transaction プロトコル要求を構成する際は、このフィールドを使用して、SSL チャネル・チェーン (グローバル・セキュリティーが使用可能でない場合)、または非 SSL チャネル (グローバル・セキュリティーが使用可能な場合) を指定してください。

指定済みカスタム接頭部、または選択済み接頭部が構成されている場合、その接頭部が使用されます。 指定済みカスタム接頭部も選択済み接頭部も設定されていない場合、セキュリティーが使用可能であれば、デフォルトでアプリケーション・サーバーの SSL 対応 Web コンテナー・チャネル・チェーンの 1 つが自動選択されます。 セキュリティーが使用可能でない場合は、非 SSL 対応 Web コンテナー・チャネル・チェーンが自動選択されます。

トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): トランザクション調整の許可の設定は、SSL / 非 SSL の選択に影響はありません。 トランザクション調整の許可と WS-Transactions の関係について詳しくは、『セキュアな環境での Web Services Transaction サポートの構成』のトピックを参照してください。gotcha

中継ノードがプロキシー・サーバーでない場合は、接頭部は、サーバーごとに固有である必要があります。

プロキシー・サーバーを使用している場合は、クラスターの各サーバーで同一の接頭部にすることもできます。 これは、プロキシー・サーバーが要求を転送するサーバーを動的に決定しているからです。

接頭部の選択

このオプションは、WS-AT および WS-BA サービス・エンドポイントに使用する外部エンドポイント URL 情報をリストから選ぶ場合に選択します。

通知
データ型 ドロップダウン・リスト
デフォルト なし

カスタム接頭部の指定

このオプションは、WS-AT および WS-BA サービス・エンドポイントに使用する外部エンドポイント URL 情報をフィールド内に指定する場合に選択します。

接頭部には以下のフォーマットの 1 つを使用します。ここで、host_name および port は、サーバーの HTTP または HTTPS プロキシーである中継ノードを表しています。
http://host_name:port
https://host_name:port
通知
データ型 ストリング
デフォルト なし

手動トランザクション

管理者による手動完了を待っているトランザクション数を指定します。

手動完了を待機しているトランザクションがある場合は、「検討」 リンクをクリックして、 「手動の完了が必要なトランザクション」パネルに これらのトランザクションのリストを表示できます。

通知
データ型 整数
デフォルト 0

再試行トランザクション

再試行されるリソースを持つトランザクション数を指定します。

再試行されているリソースを持つトランザクションがある場合は、 「検討」 リンクをクリックして、これらのトランザクションのリストを、 「リソースを再試行するトランザクション」パネル上に表示できます。

通知
データ型 整数
デフォルト 0

ヒューリスティック・トランザクション

ヒューリスティックに完了したトランザクション数を指定します。

ヒューリスティックに完了したトランザクションがある場合は、「検討」 リンクをクリックをして、これらのトランザクションのリストを、 「ヒューリスティックな結果となるトランザクション」パネル上に表示できます。

通知
データ型 整数
デフォルト 0

インポートされた準備済みトランザクション

インポートされて準備済みであるが、まだコミットされていないトランザクションの数を指定します。

インポートされ、準備済みではあるがまだコミットされていないトランザクションがある場合は、 「検討」 リンクをクリックして、これらのトランザクションのリストを、 「インポートされた準備済みのトランザクション」パネル上に表示できます。

通知
データ型 整数
デフォルト 0

追加プロパティー

「追加プロパティー」で「カスタム・プロパティー」リンクをクリックすると、WebSphere Application Server トランザクション・サービスのカスタム・プロパティーを表示または変更できます。

カスタム・プロパティー」を使用して、トランザクション・サービスのリカバー時に情報メッセージを管理コンソールに表示して、SystemOut.log ファイルに書き込むかどうかを指定できます。

WebSphere Application Server トランザクション・サービスのカスタム・プロパティーについて詳しくは、関連リンクを参照してください。


トピックのタイプを示すアイコン 参照トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=udat_contranserv
ファイル名:udat_contranserv.html