柔軟な管理環境では、「wsadmin スクリプトの実行」ジョブをサブミットして、ジョブ・マネージャーの管理対象ターゲット上にある wsadmin スクリプト・ファイル内のコマンドを実行することができます。
wsadmin スクリプト・ファイルを実行するジョブをサブミットするには、その前にスクリプト・ファイルを配布しておく必要があります。
始める前に
「wsadmin スクリプトの実行」ジョブを実行する前に、以下を実行してください。
- ジョブ・マネージャーおよびターゲットを開始します。
ターゲットがスタンドアロンのアプリケーション・サーバーの場合は、管理エージェントも開始します。
- wsadmin スクリプト・ファイルを作成します。
例えば、Jython
言語で次のスクリプトを持つ、extract_server_props.py
という名前のスクリプト・ファイルを作成します。
AdminTask.extractConfigProperties('[-propertiesFileName server.props -configData Server=server1 ]')
スクリプトは extractConfigProperties
コマンドを実行し、server1
という名前のアプリケーション・サーバーのサーバー構成プロパティー・ファイルを抽出します。
サーバー構成プロパティーは、server.props という名前のファイルに書き込まれます。
スクリプトの戻りコードにより、スクリプトを実行するジョブの成否がわかります。スクリプトの戻りコードがゼロ (0) の場合、ジョブは正常に実行されたことを示します。戻りコードがゼロ以外の値の場合、ジョブは失敗したことになります。
詳しくは、wsadmin
スクリプトに関するトピックを参照してください。
- スクリプト・ファイルをジョブ・マネージャー・プロファイルの /config/temp/JobManager
ディレクトリーにコピーします。
JobManager ディレクトリーが存在しない場合は、ジョブ・マネージャー・プロファイルの /config/temp ディレクトリーに、JobManager ディレクトリーを作成します。
ディレクトリーの作成やディレクトリーへのアクセスを行うには、適切な権限が必要です。
スクリプト・ファイルが管理対象ターゲットにある場合は、「ファイルの収集」ジョブを実行して、
スクリプト・ファイルを管理対象ターゲットから ジョブ・マネージャー・プロファイル/config/temp/JobManager/jobToken/targetName ディレクトリーにコピーできます。
ファイルの収集ジョブのトピックを参照してください。
- 「ファイルの配布」ジョブを実行して、スクリプト・ファイルを管理対象ターゲットにコピーします。ファイルの配布時に指定した宛先値を覚えておいてください。
ファイルの配布ジョブのトピックを参照してください。
extract_server_props.py
スクリプトの例の場合、「宛先」値として extract_server_props.py を割り当てることができます。
このタスクについて
ジョブ・マネージャーまたはデプロイメント・マネージャーの管理コンソールを使用して、選択したターゲット上にある wsadmin スクリプト・ファイルを実行するジョブをサブミットすることができます。コンソールから「wsadmin スクリプトの実行」ジョブを選択し、ファイルを指定し、ジョブ・オプションを指定し、ジョブをスケジュールに入れ、サマリーを確認して、ジョブをサブミットします。
コンソールを使用する代わりに、AdministrativeJobs コマンド・グループ内の runWsadminScript ジョブを実行することもできます。管理ジョブのタイプに関するトピックを参照してください。
手順
- 管理コンソールのナビゲーション・ツリーから、の順でクリックします。
- スクリプトを実行するジョブを選択します。
- リストから「wsadmin スクリプトの実行」ジョブ・タイプを選択します。
- オプションで、ジョブの説明を入力します。
- 「次へ」をクリックします。
- スクリプトを実行するターゲットを選択します。
- リストからターゲットのグループを選択するか、または「ターゲット名」を選択します。
- 「ターゲット名」を選択した後は、ターゲット名を指定して「追加」をクリックするか、「検索」をクリックして、「ターゲットの検索」ページで選択したターゲットを指定します。
例えば、extract_server_props.py Jython
スクリプト・ファイルを配布したジョブをサブミットしたと仮定します。server1 という名前のサーバーを持つターゲットを指定します。
管理エージェントまたはデプロイメント・マネージャーが、server1
という名前のサーバーを持つ複数のアプリケーション・サーバー・ターゲットを管理する場合は、ターゲットを
1 つのみ指定します。複数のターゲットを指定すると、最後に作成された
server.props ファイルのみが保持されます。
以前に作成された server.props ファイルは上書きされます。
- ユーザー認証が必要な場合は、ユーザー名、パスワード、またはその他必要な認証値を指定します。
- 「次へ」をクリックします。
- ジョブのパラメーターを指定します。
- 「スクリプト・ファイルのロケーション」に、スクリプト・ファイルの配布時に指定された「宛先」の値を指定します。
例えば、Jython スクリプト・ファイル
extract_server_props.py を配布したジョブをサブミットし、「宛先」の値として extract_server_props.py を割り当てたと仮定します。
「スクリプト・ファイルのロケーション」には、この宛先の値を使用します。
extract_server_props.py
extract_server_props.py
スクリプトを正常に実行するには、「ターゲット名」に指定したターゲットに、server1 という名前のサーバーがなければなりません。
- 「プロファイル・ロケーション」に、オプションで、ファイルをターゲットに配布したときに指定したプロファイルの宛先の値を指定します。
- 「スクリプト・パラメーター」に、wsadmin スクリプトの実行に必要なパラメーターを指定します。
パラメーター属性にスペースが含まれる場合は、そのパラメーターを二重引用符 (") で囲みます。引用符で囲んだパラメーター属性に引用符が含まれている場合は、その組み込まれている引用符の前にバックスラッシュを付加します。
extract_server_props.py
の例の場合、オプションで、wsadmin が Jython 言語を使用するように指定します。
-lang jython
- 「次へ」をクリックします。
- ジョブをスケジュールします。
指定する日時は
ジョブ・マネージャーに関連しています。
- オプションで、ジョブの終了時に通知を送信する宛先の電子メール・アドレスを 1 つ以上指定します。
- ジョブがサブミットに対して利用可能になる時間を選択します。
ジョブを今利用可能にするためにサブミットするか、またはジョブがジョブ・マネージャーから取り出される時間と
日付を指定することができます。
- ジョブの有効期限を選択します。
- オプションで、ジョブが再帰する間隔、間隔の開始日時、および間隔の
終了日時を指定します。
- 「次へ」をクリックします。
- サマリーを確認して「終了」をクリックし、ジョブをサブミットします。
次のタスク
「ジョブ状況」ページで wsadmin スクリプトの実行ジョブの ID
をクリックし、ジョブ状況を表示します。状況のリフレッシュ・アイコン
をクリックして、表示されている状況をリフレッシュします。
ジョブが正常に完了していない場合は、ジョブの実行の結果発生したエラー・メッセージを確認して、エラー条件を修正し、ジョブを再度サブミットします。
ジョブ状況が「Succeeded」であれば、スクリプトが正常に実行されたことを確認します。extract_server_props.py
の例の場合、スクリプトが正常に実行されると、ターゲットは server1
のプロパティーを server.props という名前のファイルに抽出します。デプロイメント・マネージャーはそのファイルを自身のルート・ディレクトリー (例:
Dmgr01) に置きます。
スタンドアロン・ターゲットはそのファイルを自身の管理エージェントのルート・ディレクトリー (例:
AdminAgent01) に置きます。