IBM MQ との相互運用 : 主な IBM MQ の概念

IBM MQ の基本的な概念に精通していない場合は、WebSphere® Application Server との相互運用で重要な IBM MQ のオブジェクトに関する資料を参照してください。

キューおよびトピック

キューは、メッセージの格納に使用するデータ構造です。 アプリケーション・プログラムは、JMS または IBM MQ API 呼び出しを使用して、IBM MQ キューにメッセージを配置することができます。 その他のアプリケーションは、キューからメッセージを取得できます。

トピックとは、パブリッシュ/サブスクライブ・メッセージでパブリッシュされた情報のサブジェクトのことです。 アプリケーション・プログラムは、特定のキューにメッセージを配置する代わりに、メッセージをトピックにパブリッシュできます。その他のアプリケーションは、トピックにサブスクライブしてそのトピックにパブリッシュされたすべてのメッセージを受信することによって、メッセージを取得します。

アプリケーションがメッセージをキューに配置するとき、メッセージのコピーは 1 つしか存在しません。複数のアプリケーションがキューからメッセージを取得できる場合でも、各メッセージを受信できるコンシューマーは、1 つだけです。ただし、アプリケーションがメッセージをトピックにパブリッシュする場合、任意の数のサブスクライバーがメッセージのコピーを受信できます。

キュー・マネージャーとキュー共有グループ

IBM MQ キューは、キュー・マネージャーによって所有されます。キュー・マネージャーは、所有するキューの維持、および受信するすべてのメッセージの適切なキューへの配置を行う役割を果たします。アプリケーション・プログラムがメッセージをキューに配置する場合、キュー・マネージャーに接続します。キュー・マネージャーも、通常の操作の一部としてメッセージをキューに配置できます。

IBM MQ バージョン 7 以降、IBM MQ の各トピックも、キュー・マネージャーに所有されます。キュー・マネージャーはメッセージをパブリッシャーから受信し、サブスクライバーからサブスクリプションを受信します。キュー・マネージャーは、インタレストをメッセージのトピックに登録したサブスクライバーへの、パブリッシュされたメッセージのルーティングを行う役割を果たします。 以前のバージョンの IBM MQ では、パブリッシュ/サブスクライブ・メッセージングは、キュー・マネージャーではなくパブリッシュ/サブスクライブ・ブローカーによって処理されます。

IBM MQ for z/OS® では、シスプレックスの複数のキュー・マネージャーによってアクセスできる共有キューをセットアップできます。 共有キューに配置されるメッセージは、zSeries カップリング・ファシリティーのリスト構造に格納され、大きなメッセージは、メッセージ・データを共有 DB2® テーブルに保留します。

共有キューの同じセットにアクセスできるキュー・マネージャーは、キュー共有グループと呼ばれるグループを形成します。キュー共有グループの各メンバーは、DB2 システムに接続して、キューおよびチャネルを含むIBM MQ オブジェクトの共有定義にアクセスします。 グループのキュー・マネージャーは、共有キューに保留されているメッセージを取得します。 このため、共有キューの 1 つにアクセスするアプリケーションは、キュー共有グループ内の任意のキュー・マネージャーに接続するため、アプリケーションは特定のキュー・マネージャーの可用性に左右されません。

ローカル・キュー、リモート・キュー、およびクラスター

IBM MQ ネットワークでは、相互通信は複数のキュー・マネージャーまたは (IBM MQ for z/OS 用) キュー共有グループ間でメッセージを送信することによって行われます。

IBM MQ アプリケーション・プログラムは、ローカル・キュー、 すなわち、アプリケーションが接続されているキュー・マネージャー上にあるキューにメッセージを配置できます。 キュー・マネージャーには、所有するそれぞれのキューごとに定義があります。キュー・マネージャーは、 他のキュー・マネージャーが所有するキューの定義を保持することもできます。アプリケーションが接続されているローカル・キュー・マネージャー側から見ると、これらのその他のキューはリモート・キューであり、それらを所有するキュー・マネージャーはリモート・キュー・マネージャーです。

ローカル・キュー・マネージャーに接続されている IBM MQ アプリケーション・プログラムは、ローカル・キューにメッセージを配置するだけでなく、リモート・キューをターゲットにしたメッセージを配置することもできます。次に、IBM MQ は、リモート・キューを所有するリモート・キュー・マネージャーにメッセージを送信する必要があります。メッセージの宛先が、リモート・キュー・マネージャーの IBM MQ キューに指定されている場合、ローカル・キュー・マネージャーは、リモート・キュー・マネージャーに転送する準備が整うまで、それらのメッセージを伝送キュー内に保持します。伝送キューは、特別なタイプのローカル・キューです。メッセージは、正常に伝送され、リモート・キュー・マネージャーに保管されるまで、このキュー上に保管されます。

IBM MQ プラットフォームで利用できる通信プロトコルを使用して、IBM MQ キュー・マネージャーに接続してクラスターを形成することができます。 クラスターのキュー・マネージャーをグループ化する場合、キューはキュー・マネージャーによってホストされます (このため、共有キューではありません)。ただし、クラスターに接続することによって、キュー・マネージャーはクラスターのその他のキュー・マネージャーにメッセージを送信して、ホストする一部またはすべてのキューを、クラスターのその他すべてのキュー・マネージャーがクラスター・キューとして利用できるようにすることが可能です。各リモート・キュー、および各リモート・キュー・マネージャーへの接続のために、各キュー・マネージャーで明示的な定義をセットアップする必要はありません。 クラスターの各キュー・マネージャーも、単一クラスターの伝送キューを使用して、その他のキュー・マネージャーのメッセージを保留するため、各リモート・キュー・マネージャーに対して伝送キューをセットアップする必要はありません。

IBM MQ バージョン 7 以降、パブリッシュ/サブスクライブ・メッセージングのトピックを所有する IBM MQ キュー・マネージャーをまとめて接続することもできます。トピックを所有するキュー・マネージャーを、すべてのメンバー間のリンクを使用して、パブリッシュ/サブスクライブ・クラスターにグループ化することや、接続されたキュー・マネージャー間の親と子の関係を使用して、パブリッシュ/サブスクライブ階層にグループ化することができます。 トピックへのパブリケーションおよびサブスクリプションは、クラスターまたは階層のすべてのキュー・マネージャー間で共有できます。

メッセージ・チャネル

IBM MQ メッセージは、キューに配置されている場合でも、トピックにパブリッシュされている場合でも、メッセージ・チャネルを介してキュー・マネージャーの間で送信されます。メッセージ・チャネルは、2 つのキュー・マネージャー間の単方向通信リンクです。 このチャネルは、リモート・キュー・マネージャーがホストする任 意の数のキューやトピック、または任意の数のターゲット・キュー・マネージャーに宛て られたメッセージを送信することができます。

IBM MQ で、次のタイプのメッセージ・チャネルを定義できます。
  • 送信側 - 受信側チャネル
  • 要求元 - サーバー・チャネル
  • 要求側 - 送信側チャネル
  • サーバー - 受信側チャネル
  • クラスター - 送信側チャネル
  • クラスター - 受信側チャネル

例えば、送信側 - 受信側チャネルと呼ばれるメッセージ・チャネルのタイプを定義するには、ローカル・キュー・マネージャーなどの送信側で、送信側チャネルを定義します。 次に同じ名前を使用して、例えばリモート・キュー・マネージャーなどの受信側で、受信側チャネルを定義します。 メッセージ・チャネルは単一方向であるため、メッセージを双方向に流すには、キュー・マネージャー間で反対方向の 2 つ目のメッセージ・チャネルを定義する必要があります。

クラスターのキュー・マネージャーの場合、キュー・マネージャーの各ペアの間でメッセージ・チャネルを定義する必要はありません。代わりに、2 つのメッセージ・チャネルを定義して各キュー・マネージャーをクラスターに接続します。1 つがメッセージの受信のためのクラスター - 受信側チャネル、もう 1 つがキュー・マネージャーが導入してクラスターについて学習するクラスター - 送信側チャネルです。これでキュー・マネージャーは、クラスターのその他のキュー・マネージャーにメッセージを送信できるようになります。

メッセージ・チャネルと MQI チャネルを混同しないでください。 MQI は、IBM MQ の Message Queue Interface で、アプリケーションがキュー・マネージャーと対話する場合に使用します。MQI チャネルは、IBM MQ クライアント・アプリケーションが使用する接続タイプであり、別のシステム上で実行されるキュー・マネージャーに接続し、キュー・マネージャーへの MQI 呼び出しを発行するために使用されます。


トピックのタイプを示すアイコン 概念トピック



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