柔軟な管理環境では、「プロパティーの構成」ジョブをサブミットして、ジョブ・マネージャーの管理対象アプリケーション・サーバーにプロパティー・ファイルを適用することができます。管理対象アプリケーション・サーバー・ターゲット用のプロパティー・ファイルを編集した後は、ジョブ・マネージャーを使用してプロパティー・ファイルを管理対象ターゲットに配布し、変更したファイルを適用してアプリケーション・サーバーの構成を更新します。
始める前に
プロパティー・ファイルは製品の構成を照会および変更する方法を提供します。このファイルは、名前と値のペアで最もよく使用されるプロパティーをリストしたものです。
ジョブをサブミットしてプロパティー・ファイルを適用するには、その前に以下を実行しておきます。
- ジョブ・マネージャーを開始します。プロパティー・ファイルをデプロイメント・マネージャー・ターゲットに適用する場合は、デプロイメント・マネージャーとそのデプロイメント・マネージャーの統合ノードを始動します。プロパティー・ファイルをスタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ターゲットに適用する場合は、管理エージェントを始動します。
ターゲットは、ジョブ・マネージャーによって管理されている必要があります。
- AdminTask オブジェクトの PropertiesBasedConfiguration コマンド・グループ内の extractConfigProperties
コマンドを使用して、ジョブ・マネージャーが管理するアプリケーション・サーバーのプロパティー・ファイルを抽出します。ローカルで
extractConfigProperties コマンドを実行するか、「wsadmin スクリプトの実行」ジョブにあるプロパティー・ファイルを抽出する
wsadmin スクリプトを実行する必要があります。
ジョブ・マネージャーには、プロパティー・ファイルを特定して抽出するジョブはありません。
例えば、サーバー名が server1
でプロファイル名が AppSrv02 であるアプリケーション・サーバー・ターゲットのサーバー構成を抽出するとします。AppSrv02 プロファイルの
bin ディレクトリーから、次の wsadmin
コマンドを実行します。
wsadmin -lang jython
AdminTask.extractConfigProperties('[-propertiesFileName server.props -configData Server=server1 ]')
AppSrv02 プロファイルの bin ディレクトリーにある
server.props という名前のファイルに、サーバー構成が抽出されます。
- エディターでプロパティー・ファイルを開いて、1 つ以上のプロパティーの値を変更し、ファイルを保存します。
重要: プロパティー・ファイルは
UTF-8 である必要があります。生成されるファイルは自動的に UTF-8 となります。
編集後もファイルが UTF-8 であることを確認してください。UTF-8を処理するエディター、または、ファイルに 7 ビットの US-ASCII
文字セット以外の文字がない場合は US-ASCII を処理するエディターを使用します。
- プロパティー・ファイルをジョブ・マネージャー・プロファイルの /config/temp/JobManager
ディレクトリーにコピーします。
JobManager ディレクトリーが存在しない場合は、ジョブ・マネージャー・プロファイルの /config/temp ディレクトリーに、JobManager ディレクトリーを作成します。
ディレクトリーの作成やディレクトリーへのアクセスを行うには、適切な権限が必要です。
プロパティー・ファイルが管理対象ターゲットにある場合は、「ファイルの収集」ジョブを実行して、
プロパティー・ファイルを管理対象ターゲットから ジョブ・マネージャー・プロファイル/config/temp/JobManager/jobToken/targetName ディレクトリーにコピーできます。
ファイルの収集ジョブのトピックを参照してください。
- 「ファイルの配布」ジョブを実行して、ジョブ・マネージャーから
プロパティー・ファイルを 1 つ以上のアプリケーション・サーバー・ターゲットに配布します「宛先」に指定した値は、プロパティー・ファイルを適用するジョブでそのロケーションを使用するので、すべて覚えておいてください。
トラブルの回避 (Avoid trouble): プロパティー・ファイルをターゲットに配布してから、「
プロパティーの構成」ジョブを実行する必要があります。
ファイルの配布ジョブは、ジョブ・マネージャー・プロファイルの /config/temp/JobManager
ディレクトリーにあるプロパティー・ファイルを、ターゲットにコピーします。そのターゲットのプロパティー・ファイルの名前が、ファイル配布時の宛先に指定される値となります。ファイルの配布ジョブのトピックを参照してください。
gotcha
- プロパティー・ファイルが変数マップ・ファイルを使用する場合は、「ファイルの配布」ジョブを実行して変数マップ・ファイルを配布します。「宛先」に指定した値を覚えておいてください。
ジョブをサブミットするには、ジョブ・マネージャーで使用する ID に、管理者ロール
またはオペレーター・ロールの権限が付与されている必要があります。ジョブのサブミット時には、ターゲットでの認証および許可用に、ユーザー名とパスワードを指定することができます。
複数のターゲットにジョブをサブミットする場合は、そのユーザー名とパスワード、またはサブミットする者のクレデンシャルを、すべてのジョブ・ターゲットに適用できる必要があります。
このタスクについて
ジョブ・マネージャーまたはデプロイメント・マネージャーの管理コンソールを使用して、プロパティー・ファイルを適用しアプリケーション・サーバーを構成するジョブをサブミットすることができます。
コンソールから「プロパティーの構成」ジョブを選択し、適用するプロパティー・ファイルを指定し、ジョブ・オプションを指定し、ジョブをスケジュールに入れ、サマリーを確認して、ジョブをサブミットします。
このジョブは、アプリケーション・サーバーの構成に対して以下の変更を行います。
- プロパティー・ファイルで指定された各プロパティーに対応する属性を、新しい値に設定します。
- 指定されたプロパティーに対応する属性が構成の中に存在していない場合は、構成内に属性を作成します。
- プロパティー・ファイルで指定された構成オブジェクトが構成の中に存在していない場合は、構成オブジェクトを作成します。
オプションで、プロパティー・ファイルの適用時にジョブ・マネージャーが変数マップ・ファイルで設定されている変数を使用するように指定することができます。
プロパティー・ファイルとともに組み込む変数マップ・ファイルのロケーションを指定します。
以下のステップでは、ジョブ・マネージャー・コンソールまたはデプロイメント・マネージャーを使用してジョブをサブミットする方法について説明します。
コンソールを使用する代わりに、AdministrativeJobs コマンド・グループ内の configProperties コマンドを実行してジョブをサブミットし、アプリケーション・サーバー・ターゲットのプロパティーを構成することができます。
管理ジョブ・タイプに関するトピックを参照してください。
プロパティーの構成ジョブは、AdminTask
オブジェクトの PropertiesBasedConfiguration コマンド・グループ内の applyConfigProperties
コマンドを使用して、ターゲットのプロパティーを構成します。
手順
- 管理コンソールのナビゲーション・ツリーから、の順でクリックします。
- プロパティー・ファイルを 1 つ以上のアプリケーション・サーバー・ターゲットに適用するジョブを選択します。
- リストから「プロパティーの構成」ジョブ・タイプを選択します。
- オプションで、ジョブの説明を入力します。
- 「次へ」をクリックします。
- ジョブ・ターゲットとして、プロパティー・ファイルの適用によって構成するアプリケーション・サーバー・ターゲットを選択します。
- 「ターゲット名」を選択します。
- 以前にプロパティー・ファイルを配布したターゲット名を指定し、「追加」をクリックします。または、「検索」をクリックし、「ターゲットの検索」ページで選択したターゲットとしてアプリケーション・サーバー・ターゲットを指定します。
- 「次へ」をクリックします。
- ユーザー認証が必要な場合は、ユーザー名、パスワード、またはその他必要な認証値を指定します。
- 「次へ」をクリックします。
- プロパティーの構成ジョブのパラメーターを指定します。
- 適用するプロパティー・ファイルのロケーションを指定します。
プロパティー・ファイルのロケーションは、「ファイルの配布」ジョブで指定した宛先の値です。
- プロパティー・ファイルが変数マップ・ファイルを使用する場合は、その変数マップ・ファイルのロケーションを指定します。
「ファイルの配布」ジョブで指定した宛先の値を使用します。
- 「次へ」をクリックします。
- ジョブをスケジュールします。
指定する日時は
ジョブ・マネージャーに関連しています。
- オプションで、ジョブの完了時に通知が送信される 1 つ以上の電子メール・アドレスを指定します。
複数の電子メール・アドレスを
指定する場合は、コンマで区切ります。電子メール・アドレスは、コンソールの設定に
保存されます。
各電子メール・アドレスは、フォーマット・エラーがないか検証されます。
- ジョブがサブミットに対して利用可能になる時間を選択します。
ジョブを今利用可能にするためにサブミットするか、またはジョブがジョブ・マネージャーから取り出される時間と
日付を指定することができます。
- ジョブの有効期限を選択します。
ジョブの有効期限とは、
ターゲットが実行するためにジョブを利用できなくなる時刻のことです。
デフォルトの有効期限を使用する、ジョブの有効期限の日時を指定する、または
ジョブの有効期限が切れるまでの時間数を指定できます。デフォルトの有効期限は、ジョブ・マネージャーの構成ページで定義されます。
- オプションで、ジョブが再帰する間隔、間隔の開始日時、および間隔の
終了日時を指定します。
- 「次へ」をクリックします。
- サマリーを確認して「終了」をクリックし、ジョブをサブミットします。
タスクの結果
ジョブ・マネージャーは以下の操作を実行します。
- 「プロパティーの構成」ジョブをそのターゲットで使用できるようにします。
- 各ターゲットのジョブの状況を報告します。
次のタスク
「ジョブ状況」ページでジョブ ID をクリックし、ジョブ状況を表示します。状況のリフレッシュ・アイコン
をクリックして、表示されている状況をリフレッシュします。
ジョブが正常に完了していない場合は、ジョブの実行の結果発生したエラー・メッセージを確認して、エラー条件を修正し、ジョブを再度サブミットします。
ジョブ状況が「Succeeded」であれば、ターゲットでプロパティー・ファイルが適用されていることを確認します。