ポリシー・セットにより、アドレス指定、メッセージング、セキュリティーなどのサービスの構成設定を組み合わせることで、Web サービスの「サービスの品質」の構成を単純化できます。管理対象外クライアントでポリシー・セットを使用するには、コマンド行呼び出しでクライアントによってコンシューム可能な方法でポリシー・セットを構造化します。
始める前に
ポリシー・セットを作成する前、または既存のポリシー・セットを変更する前に、まず、Web サービスのセキュリティーおよびその他の要件を識別します。
注: 使用できるのは、
Axis2 Web サービス・エンジン上で実行される JAX-WS アプリケーションを使用するポリシー・セットのみです。
JAX-RPC アプリケーション用のポリシー・セットは使用できません。
このタスクについて
ポリシー・セットとは、サービスがどのように定義されるのかについて表明したものであり、ポリシー・セットを使用して、アプリケーション・レベルまたはシステム・レベルで Web サービスを制御できます。ポリシー・セットは、デプロイされているサービス用のアプリケーション・サーバーを介して保守されますが、管理対象外であるシン・クライアントを使用する場合は、ポリシー・セットを手動で構成してそれらを使用できるようにする必要があります。
手順
- ポリシー・セットを作成するか、既存のポリシー・セットをアプリケーション・サーバーからエクスポートします。
- 新規ポリシー・セットの場合は、スクリプトまたは管理コンソールを使用してポリシー・セット・ファイルを作成します。Web サービス・ポリシー・セットの管理について詳しくは、管理コンソールを使用したポリシー・セットの管理のトピックを参照してください。
- 既存のポリシー・セットをエクスポートするには、以下のようにします。
- を選択します。
- リストからエクスポートするポリシー・セットを選択します。
- 「エクスポート...」をクリックします。
- ポリシー・セット名をクリックしてアーカイブ・ファイルをダウンロードします。
- ポリシー・セット・ファイルを META-INF ディレクトリーに配置して、管理対象外クライアントが使用できるようにします。
トラブルの回避 (Avoid trouble): ポリシー・セットをアプリケーション・サーバーからエクスポートした場合は、ポリシー・セット・ファイルをアーカイブから抽出して META-INF ディレクトリーに配置する必要があります。
gotcha
以下に、ポリシー・セット・コレクションのファイル構造の例を示します。 -META-INF
-PolicySets
-policy_set1
policySet.xml
-PolicyTypes
-policy_type1
policy.xml
-policy_type2
policy.xml
-policy_set2
...
- 実装するポリシー・セットを参照する clientPolicyAttachments.xml ファイルを作成して META-INF ディレクトリーに配置します。
- Rational Application Developer または他の開発ツールで clientPolicyAttachments.xml ファイルを作成します。 以下のサンプルでは、clientPolicyAttachments.xml ファイルの例を示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<psa:PolicySetAttachment
xmlns:psa="http://www.ibm.com/xmlns/prod/websphere/200605/policysetattachment"
xmlns:ps="http://www.ibm.com/xmlns/prod/websphere/200605/policyset">
<psa:PolicySetReference name="policy_set1" id="1342">
<psa:Resource pattern="WebService:/">
</psa:Resource>
</psa:PolicySetReference>
</psa:PolicySetAttachment>
- clientPolicyAttachments.xml ファイルが META-INF ディレクトリー内にあることを確認します。
- ポリシー・セットと互換性があるアプリケーション固有または汎用のクライアント・ポリシー・セット・バインディングを作成します。 汎用バインディングをアプリケーション・サーバーからエクスポートするか、Rational Application Developer などの開発ツールを使用してアプリケーション固有バインディングを作成できます。バインディングについて詳しくは、ポリシー・セットのバインディングの定義および管理を参照してください。 バインディングをアプリケーション・サーバーからエクスポートするには、以下のようにします。
- を選択します。
- リストからエクスポートするバインディングを選択します。
- 「エクスポート...」をクリックします。
- バインディング名をクリックしてアーカイブ・ファイルをダウンロードします。
- バインディング・ファイルを META-INF ディレクトリーに配置して、管理対象外クライアントが使用できるようにします。
トラブルの回避 (Avoid trouble): バインディングをアプリケーション・サーバーからエクスポートした場合は、ファイルをアーカイブから抽出して META-INF ディレクトリーに配置する必要があります。
gotcha
以下のように、使用するのが汎用バインディングかアプリケーション固有バインディングかによって、ファイル構造が異なります。- 以下に、bindings サブディレクトリー内にある汎用バインディング・セットの例を示します。
-META-INF
-bindings
-binding1
bindingDefinition.xml
-PolicyTypes
-policy_type1
bindings.xml
-policy_type2
bindings.xml</p><p>
-binding2
...
- 以下にアプリケーション固有バインディングの例を示します。このバインディングでは、bindings サブディレクトリーはありません。
-META-INF
-binding1
bindingDefinition.xml
-PolicyTypes
-policy_type1
bindings.xml
-policy_type2
bindings.xml
-binding2
...
- ポリシー・セットおよびバインディングのロケーションがシン・クライアントの開始時のクラス・パスに含まれていることを確認します。 例えば、以下のように、コマンド行でクラス・パスを指定できます。
java -cp policy_set/ my_client