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z/OS 用ワークロード管理 (WLM) 調整のヒント
管理コンソールを使用して、サーバントのジョブ制御言語 (JCL) PROC 名およびサーバントの JCL Parm を指定し、それによって動的なアプリケーション環境をセットアップすることができます。 動的なアプリケーション環境をセットアップした場合でも、ご使用の環境の WLM の目標を設定する必要があります。
適切な WLM の目標を設定することは、アプリケーションのスループットに大きく影響することがあります。 WebSphere® Application Server のアドレス・スペースには、適正な高い優先順位を与える必要があります。 z/OS® システムの WLM の目標を設定する際には以下の項目を実行するとよいでしょう。
- ロケーション・サービス・デーモンおよびコントローラーを SYSSTC または高速として分類します。
- STC 分類規則を使用し、アプリケーション・サーバーの速度目標を分類します。
サーバントの存続期間の初期段階、または IEAOPTxxWLMの ManageNonEnclaveWork パラメーターを yes に設定した場合には、以下のようになります。
- Java ガーベッジ・コレクションは、この分類の下で実行します。Java ガーベッジ・コレクションは、CPU およびストレージを集中的に使用するプロセスです。 速度目標の設定が高すぎると、ガーベッジ・コレクションは予想より多くのシステム・リソースを消費する可能性があります。 Java ヒープが正しく調整されている場合、各サーバントのガーベッジ・コレクションは、その時間の 5% 以下で実行されます。 また、サーバントの他の作業は、ガーベッジ・コレクションの実行中、多くの時間停止しているため、ガーベッジ・コレクション処理に適切な優先順位を指定することが必要です。
- JavaServer Page ファイルのコンパイルは、この分類の下で実行されます。 ご使用のシステムが、これらのコンパイルを実行時に行うように構成されている場合、 速度目標の設定が低すぎると、JavaServer Page ファイルのコンパイルが完了するのを待機する遅延が長くなる可能性があります。
IEAOPTxxWLM の ManageNonEnclaveWork パラメーターを no に設定した場合、またはこのパラメーターを指定しなかった場合は、ほとんどの Java ガーベッジ・コレクションおよび JavaServer Page コンパイルは、処理のために割り当てられたサーバント用に確立されたサービス・クラス基準に従って処理されます。
アプリケーション作業は、作業マネージャーの下に分類されています。
- 達成可能な応答時間の目標のパーセンテージを設定します。
例えば、作業の 80% が .25 秒で完了するという目標が標準的な目標です。アプリケーション作業の速度目標はそれ程意味がなく、 設定すべきではありません。
- 目標を複数の期間にします。
同一のサービス・クラス内に明確に短期および長期実行トランザクションを保有する場合、この戦略は利用価値があります。 一方、可能であれば、通常は、この作業を別のサービス・クラスにフィルタリングしたほうがよいでしょう。 別のサービス・クラス内にあることで、作業を別のサーバントに入れることができます。 これにより、WLM は、目標の管理においてさらに多くの自由が得られます。
- サーバント領域、およびアプリケーション環境内で実行されているアプリケーションに対する固有の WLM レポート・クラスを定義します。 固有の WLM レポート・クラスを定義することにより、Resource Measurement Facility (RMF) は、より詳細なパフォーマンス情報をレポートすることができます。
- WLM 構成が制限なしに設定されている場合、wlm_maximumSRCount=x 変数および wlm_minimumSRCount=y 変数を使用してサーバントの最大数と最小数を制御します。
これらの変数の値を指定するには、管理コンソールで「サーバー」>「サーバー・タイプ」>「WebSphere Application Server」とクリックし、適切なアプリケーション・サーバーを選択します。
トラブルの回避 (Avoid trouble): wlm_maximumSRCount 変数の値を指定する場合は、このアプリケーション環境用に定義したサービス・クラスの数以上の値を指定する必要があります。 この値が定義されたサービス・クラスの数よりも少ない場合、使用可能なサーバントの数が十分でないため、タイムアウトが発生する可能性があります。gotcha
- RMF Postprocessor のワークロード・アクティビティー・レポートで報告される結果を定期的に検討してください。
- 秒毎のトランザクション (常にクライアントのトランザクション率と同じではありません)
- 平均応答時間 (および応答時間の分布)
- 使用された CPU 時間
- さまざまな遅延に関連したパーセント応答時間
- デフォルトが SYSOTHER となる作業に注意してください。z/OS インフォメーション・センターのトピック『Subsystem-Specific Performance Hints』に記述されているように、サービス定義が分類されていないと、エンクレーブを使用するサブシステム内の作業でパフォーマンスの低下が起こる可能性があります。この作業に対してサービス定義に種別規則を追加していないと、その作業は SYSOTHER サービス・クラスに自動的に割り当てられ、任意目標を持つことになります。
- 制御領域で発生する BBOO0037E Function
IWMSRCRR failed with RC=8,REASON=00000868 というエラー・メッセージに注意してください。
制約事項: アクティブな WebSphere Application Server アドレス・スペースを使用した z/OS システムでのワークロード管理 (WLM) 処理を検討している場合に、 WLM に登録しようとしているサーバーの数が、最大値の 256 を超えるとこのメッセージが発生します。 厳密に言うと、WLM に登録しようとする 257 番目のサーバー (およびその後のサーバー) がこのメッセージで失敗します。 256 という最大値は、決まったシステム制限で、変更することはできません。