クライアント・アプリケーションのタイプ
アプリケーション・サーバーから独立して実行されるクライアント・アプリケーションを作成できます。 クライアント・アプリケーションは、基盤となるクライアントが提供するフレームワークを使用して、WebSphere® Application Server が提供するリソースにアクセスします。
複数のタイプのクライアントが、WebSphere Application Server とともにインストールされるか、または任意で Application Client for WebSphere Application Server とともにインストールされます。
図 1. WebSphere Application Server 用に提供されているクライアント

- スタンドアロン・シン・クライアントは、小規模で組み込み可能な Java™ SE クライアントであり、単独で実行することも、他の機能を提供するために他の 1 つ以上のスタンドアロン・シン・クライアントとともに実行することもできます。 JMS 用のリソース・アダプターは、WebSphere Application Server の内部で実行されているサービス統合リソースへの完全な接続をサード・パーティーのアプリケーションに提供する、スタンドアロンのリソース・アダプターです。
Java Platform, Enterprise Edition (Java EE) クライアントは、Application Client インストールまたは WebSphere Application Server インストールのランタイム環境を Java EE モードで使用しています。 Java EE クライアントは、ランタイム環境でクライアント・コンテナーを使用して、Java EE クライアント・アプリケーションで使用するセキュリティー、トランザクション、ネーミング、データベース・アクセスなどのシステム・サービスに対するアクセスを簡略化します。
Java シン・クライアントは、Application Client インストールまたは WebSphere Application Server インストールのランタイム環境を Java Platform, Standard Edition (Java SE) モードで使用しています。 Java シン・クライアント・ランタイム環境は、オブジェクト解決、セキュリティー、Reliability Availability and Serviceability (RAS)、およびその他のサービスについて、フル機能の Java SE クライアント・アプリケーションに必要なサポートを提供します。 ただし、Java シン・クライアントは、これらのサービスへのアクセスを容易にするクライアント・コンテナーはサポートしません。
アプレット・クライアント・モデル の Java アプレットは、WebSphere Application Server (基本) の リモート・クライアント・マシンにある HTML (ハイパーテキスト・ マークアップ言語) 文書に組み込まれています。 このタイプのクライアントでは、ユーザーは HTML 文書内の Java アプレットを介して WebSphere Application Server (基本) 内のエンタープライズ Bean にアクセスします。
ActiveX アプリケーション・クライアント・モデルは、Java Native Interface (JNI) アーキテクチャーを使用して、Java 仮想マシン (JVM) API にプログラマチックにアクセスします。 したがって、JVM コードは ActiveX アプリケーション (Visual Basic、VBScript、または Active Server Pages (ASP) ファイル) と同じプロセス・スペースに存在し、プロセスが終了するまでプロセスに接続されたままの状態になります。
次の表に、使用可能なさまざまな種類のクライアントの比較を示します。
スタンドアロン・シン・クライアント | JMS 用リソース・アダプター | Java EE クライアント (Application Client の Java EE モード) | Java シン・クライアント (Application Client の Java SE モード) | Java EE クライアント (Application Server の Java EE モード)1 | Java シン・クライアント (Application Server の Java SE モード)1 | |
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固有の特性 | フットプリントの小さい組み込み可能な単一の jar | フットプリントの小さい JCA v1.5 リソース・アダプター | 多数のファイルと大きいクライアント・フットプリント | 多数のファイルと大きいクライアント・フットプリント | 多数のファイルと非常に大きいサーバー・フットプリント | 多数のファイルと非常に大きいサーバー・フットプリント |
サポートされる実行環境 | Java SE | Java EE v1.4 アプリケーション・サーバー: Apache Geronimo, WebSphere Application Server Community Edition, JBoss | Java EE クライアント・コンテナー | Java SE | Java EE クライアント・コンテナー | Java SE |
サポートされる Java ベンダー | IBM®、Sun、および HP-UX | J2EE ベンダーとして | 提供される IBM アプリケーション・サーバー | 提供される IBM アプリケーション・サーバー | 提供される IBM アプリケーション・サーバー | 提供される IBM アプリケーション・サーバー |
サポートされる Java バージョン | 表 2を参照してください。 | 提供される IBM JRE | 提供される IBM JRE | 提供される IBM JRE | 提供される IBM JRE | |
サポートされるトランザクション | トランザクションなしおよびローカル・トランザクション | トランザクションなし、ローカル・トランザクション、および JMS の XA トランザクション | トランザクションなし、および JMS のローカル・トランザクション | トランザクションなし、および JMS のローカル・トランザクション | トランザクションなし、JMS のローカル・トランザクション | トランザクションなし、および JMS のローカル・トランザクション |
簡単な組み込み | はい | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ |
WebSphere Application Server への JNDI 検索機能を含む | Thin Client for Enterprise JavaBeans (EJB) を介して使用可能 | 該当しない (ホスト・アプリケーション・サーバー JNDI に依存) | はい | はい | はい | はい |
接続サポート | TCP および SSL | TCP および SSL | TCP、HTTP、および SSL | TCP、HTTP、および SSL | TCP、HTTP、および SSL | TCP、HTTP、および SSL |
主な制限 | Thin Client for JMS は HTTP 接続をサポートしません。 Web サービスについて、SOAP/JMS の使用はシン・クライアント環境ではサポートされません |
HTTP 接続に非対応 | なし | なし | なし | なし |
ライセンス・タイプ | IPLA (コピー無制限、再配布禁止)、および ILAN (再配布) | IPLA (コピー無制限、再配布禁止)、および ILAN (再配布) | IPLA (コピー無制限、再配布禁止)、および ILAN (再配布) | IPLA (コピー無制限、再配布禁止)、および ILAN (再配布) | IPLA | IPLA |
1 この欄の情報は、WebSphere Application Server がクライアント・ランタイム環境として使用された場合に関してのものです。
以下の表は、スタンドアロン・シン・クライアントでサポートされる JRE バージョンに関する追加情報を示したものです。
タイプ | JRE バージョン |
---|---|
Enterprise JavaBeans シン・クライアント | |
Java Message Service シン・クライアント | |
Java API for XML-based RPC (JAX-RPC) シン・クライアント | |
Java API for XML-Based Web Services (JAX-WS) シン・クライアント | |
管理シン・クライアント | |
Java Persistence API (JPA) |