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ディスパッチ要求のモニター
ディスパッチ進捗モニター (DPM) を使用して、ディスパッチされた要求が、指定された時間間隔の経過後もまだ処理中である場合に、そのディスパッチされた要求に関するデータを、その時間間隔で収集します。 データの収集後、新しい時間間隔が開始されます。最初の時間間隔と同様、この時間間隔が経過すると、データは再び収集されます。DPM がアクティブであり、要求がサーバントで実行中である限り、データは引き続き各時間間隔の終わりに収集されます。
始める前に
- 要求をモニターするプロトコルのタイプを決定します。IIOP、HTTP、HTTPS、MDB、SIP、または SIPS の各プロトコルを使用する要求のデータを収集するように DPM を構成できます。また、キューイングのコントローラーを介してサーバントに送信される CRA からの要求のデータを収集するように DPM を構成することも可能です。
- DPM が各要求に関するデータを収集する頻度を決定します。 例えば、長期間実行している要求のデータのみを収集するとします。 このシチュエーションでは、即座に完了する要求のデータは収集されないような時間の長さを、間隔に設定してください。
- 各時間間隔の終了時に DPM で収集するデータのタイプを決定します。DPM が、SVC ダンプ、Java™ コア・ダンプ、ヒープ・ダンプ、または Java Tdump を取得するか、あるいはトレースバック・データを収集するように構成できます。
このタスクについて
要求で使用されるプロトコル (HTTP や IIOP など) に対して DPM がアクティブでない場合に、 要求がサーバントにディスパッチされると、DPM はその要求をモニターしません。 要求のディスパッチ後に、modify コマンドを発行し、そのプロトコルに対して動的に DPM を有効にしても、 DPM は要求をモニターしません。 DPM がプロトコルに対して有効になった後、DPM はそのプロトコルを使用する新しい要求のみをモニターします。
DPM 間隔とダンプ・アクションは、最初、WLM 分類ファイルから取得されます。 modify DPM コマンドは、サーバー全体のこれらの値をオーバーライドします。 DPM 間隔またはダンプ・アクションをリセットすると、オーバーライドが無効になり、 リセットされたパラメーターの値が WLM 分類ファイルから再取得されます。
要求に対して使用されているプロトコルで DPM がアクティブになっている場合、その要求がサーバントでディスパッチされる前に、 動的な変更を加えることができます。動的な変更は、指定された時間間隔、および実行するダンプ・アクションに対して可能です。 動的な変更を行うと、ディスパッチされた要求では現在の間隔の終了時に有効になり、新しい要求では最初の間隔の開始時に有効になります。
手順
f server,dpm,[IIOP=nnn|HTTP=nnn|HTTPS=nnn
| MDB=nnn | CRA=nnn | SIP=nnn | SIPS=nnn | OLA=nnn | INTERVAL=nnn
| dump_action=xxx | clear_all | reset_all]
- nnn プレースホルダーは、特定のプロトコル・タイプまたは CRA 要求の時間間隔の長さを秒単位で指定します。プレースホルダー nnn の値は、0 から 255 の整数、または reset でなければなりません。 値 0 は、 プロトコルに間隔がなく、そのプロトコルを使用する要求に対して DPM が使用不可であることを意味します。 値 reset は、DPM 間隔の制御が WLM 分類ファイルに戻されることを意味します。
- プレースホルダー xxx に有効な値は、SVCDUMP、 JAVACORE、HEAPDUMP、TRACEBACK、JAVATDUMP、NONE、または RESET です。 値 RESET は、ダンプ・アクションの制御が WLM 分類ファイルに戻されることを意味します。
- INTERVAL パラメーターに値を指定すると、6 つのすべてのプロトコルの DPM 間隔に同じ値が設定されます。
- 値 clear_all は、 関連するすべての要求プロトコルの時間間隔を 0 に設定し、 ダンプ・アクションを None に設定します。
- 値 reset_all は、 すべての DPM 間隔と dump_action パラメーターをリセットします。DPM 間隔とダンプ・アクションの制御は、WLM 分類ファイルに戻されます。
ゼロ以外の値を 1 つ以上の DPM 関連プロトコルに対して指定した場合、これらのプロトコルに対してこの機能が自動的に有効になります。 特定のプロトコルに対して DPM を無効にするには、そのプロトコルのパラメーターを 0 に設定します。 すべての DPM 関連プロトコルに対して DPM を無効にするには、dump_action パラメーターを NONE に設定します。この設定は、特定のプロトコルのパラメーターに指定された値をオーバーライドします。
タスクの結果
あるプロトコルに対して DPM がアクティブで、時間間隔が経過したときにトレースバック・データが収集される場合、 以下の例のような情報が、サーバーのログ・ファイルに書き込まれます。
BossLog: { 0175} 2008/05/05 12:16:01.418 01 SYSTEM=SY1 SERVER=BBOS001
PID=0X00010144 TID=0X00000034 0XF6FAF20 c=./bbgrjtr.cpp at line:+885 ...
BBOJ0118I: ThreadDetails: ASID = 005B, TCB = 0X008CBE88, Request = fffff503,
Is JVM Blocked = false, Tried to interrupt = false, Given up = false,
Internal Work Thread = false, Hung Reason = Not Hung,
SR Dispatch Time = 2008/05/05 12:15:31.371625,
CTL Receive Time = 2008/05/05 12:15:31.366693,
CTL Queued to WLM Time = 2008/05/05 12:15:31.371328,
Details = , ODI Details = .JVM INTERRUPTIBLE THREAD, Monitor ACTIVE.
BossLog: { 0176} 2008/05/05 12:16:01.423 01 SYSTEM=SY1 SERVER=BBOS001 PID=0X00010144
TID=0X00000034 0XF6F9DE0 c=./bbgrjtr.cpp at line:+885 ...
BBOJ0117I: JAVA THREAD STACK TRACEBACK FOR THREAD WebSphere:ORB.thread.pool t=008cbe88:
Dispatch Progress Monitor
Traceback for thread WebSphere:ORB.thread.pool t=008cbe88:
com.ibm.ws390.orb.ClientDelegate.invokeRequestCFW(Native Method)
com.ibm.ws390.orb.ClientDelegate.commonInvoke(ClientDelegate.java:998)
com.ibm.ws390.orb.ClientDelegate.invoke(ClientDelegate.java:845)
org.omg.CORBA.portable.ObjectImpl._invoke(ObjectImpl.java:484)
com.ejb.test.hello.second._SayHelloSecondHome_Stub.create(_SayHelloSecondHome_Stub.java:207)
com.ejb.test.hello.first.SayHelloFirstBean.sayHelloOne(SayHelloFirstBean.java:76)
com.ejb.test.hello.first.EJSRemoteStatelessSayHelloFirst_67c1d243.
sayHelloOne(EJSRemoteStatelessSayHelloFirst_67c1d243.java:41)
次のタスク
- 現在の DPM 設定を表示します。DPM の現在の設定を確認するために、以下の表示コマンドを発行できます。
f <varname>server</varname>,display,dpm
以下のメッセージが、このコマンドの応答として表示されます。
BBOO0361I DISPATCH PROGRESS MONITOR (DPM) SETTINGS: IIOP(000):HTTP(010):HTTPS(015) :MDB(000):SIP(020):SIPS(000):OLA(000),DUMP_ACTION (JAVATDUMP)
バージョン 8.5.5.1 以降では、以下のメッセージと類似したメッセージが、このコマンドの応答として表示されます。BBOO0361I DISPATCH PROGRESS MONITOR (DPM) SETTINGS: IIOP(000):HTTP(000):HTTPS(015):MDB(000):SIP(020):SIPS(000):OLA(000):CRA(015) DUMP_ACTION(TRACEBACK) BBOO0188I END OF OUTPUT FOR COMMAND DISPLAY,DPM
- DPM に実行させるダンプ・アクションを変更します。変更コマンドまたは
WebSphere® 変数の server_region_dpm_dump_action を使用して、DPM に実行させるダンプ・アクションを変更できます。変更コマンドを使用して DPM に実行させるダンプ・アクションを変更するには、適切なダンプ・アクションを指定して以下のコマンドを発行します。
f server,dpm,dump_action=[SVCDUMP | JAVACORE | HEAPDUMP | TRACEBACK | JAVATDUMP | NONE ]
WebSphere 変数の server_region_dpm_dump_action を使用して、DPM に実行させるダンプ・アクションを変更するには、以下のアクションを実行します。- 管理コンソールで、 をクリックします。
- 使用可能なサーバーのリストから適切なノードまたはセルを選択して、 をクリックします。
- 「名前」フィールドに server_region_dpm_dump_action を指定し、「値」フィールドに SVCDUMP、JAVACORE、HEAPDUMP、TRACEBACK、JAVATDUMP、または NONE を指定します。