WS-ReliableMessaging のデフォルト・ポリシー・セット

WS-ReliableMessaging デフォルト・ポリシー・セットは、Web サービス間の高信頼性メッセージ交換を提供するために事前に構成されています。この 2 つのポリシー・セット (WS-I RSP と WS-I RSP ND) は即時に使用でき、残りはデフォルトのリポジトリーからいつでもインポートできます。

WS-ReliableMessaging を使用すれば、カスタム・コードを書き込まなくても、信頼性の高い SOAP over HTTP ベースの Web サービスを構築することができます。提供された編集不可のデフォルト・ポリシー・セットを変更を加えないでそのまま使用することも、コピーを作成してカスタマイズすることもできます。

WS-ReliableMessaging ポリシーを含むデフォルト・ポリシー・セットにはすべて WS-Addressing ポリシーも含まれています。 WS-ReliableMessaging ポリシーは、その意図する受信側に信頼性の高いメッセージを配信する機能を提供します。 WS-Addressing ポリシーは Web サービスおよびメッセージを均一にアドレス指定するためのトランスポート・ニュートラルな方法を提供し、WS-ReliableMessaging は WS-Addressing を使用して非同期要求および応答機能を提供します。
注: WS-ReliableMessaging バージョン 1.1 メッセージングでは、 WS-Addressing が必須です。WS-ReliableMessaging および WS-Addressing ポリシーを含むポリシー・セット を使用する場合に WS-Addressing ポリシーがオプションとして構成されていると、 WebSphere Application Server は WS-Addressing 設定をオーバーライドし、 WS-Addressing を自動的に使用可能にします。
WS-ReliableMessaging ポリシーを含む以下のデフォルト・ポリシー・セットは、管理コンソールを使用したポリシー・セットの表示で説明されているように、すぐに使用できます。
WS-I RSP
このポリシー・セットは WS-ReliableMessaging バージョン 1.1 を使用可能にし、最低限のサービス品質である「管理対象外の非パーシスタント」を使用します。 このサービス品質は、最低限の構成で実現できます。ただし、これは非トランザクションであり、ネットワークで失われたメッセージの再送信を可能にしていても、 サーバーが使用不可になるとメッセージが失われることになります。 このサービス品質は単一サーバー専用であり、クラスターでは機能しません。 In-order 配信が「false」に設定されていると、 メッセージは必ずしも送信された順序で配信されるとは限りません。 メッセージの保全性は、本文、タイム・スタンプおよび WS-Addressing ヘッダーをデジタル署名することにより保たれます。 メッセージの機密性は、本文と署名を暗号化することで守られます。このポリシー・セットは、WS-SecureConversation 仕様と WS-Security 仕様に準拠しています。
WS-I RSP ND
これは、ネットワーク・デプロイメント・バージョンの WS-I RSP ポリシー・セットです。 このポリシー・セットは WS-I RSP デフォルト・ポリシーを提供し、「管理対象の非パーシスタント」サービス品質を追加します。 このメモリー内のサービス品質オプションでは、メッセージング・エンジンを使用してシーケンスの状態を管理し、 メモリーが少ない場合はメッセージがディスクに書き込まれます。 このサービス品質は、ネットワーク内で失われたメッセージの再送信を許可し、サーバー障害のリカバリーまで行うことができます。ただし、メッセージング・エンジンを再始動すると状態は廃棄されるため、 その場合にはメッセージが失われます。 このオプションは、単一サーバーだけではなくクラスターもサポートしています。
次に示す WS-ReliableMessaging ポリシーを含む上記以外のデフォルト・ポリシー・セットは、管理コンソールを使用したポリシー・セットのインポートで説明されているように、インポートすればすぐに使用できます。
LTPA WS-I RSP
このポリシー・セットは WS-I RSP デフォルト・ポリシー・セットを提供し、クライアントをサービスに対して認証するための要求メッセージに含まれる Lightweight Third Party Authentication (LTPA) トークンを追加します。
Username WS-I RSP
このポリシー・セットは WS-I RSP デフォルト・ポリシー・セットを提供し、クライアントをサービスに対して認証するための要求メッセージに含まれるユーザー名トークンを追加します。 ユーザー名トークンは要求では暗号化されます。
WSReliableMessaging 1_0
このポリシー・セットは WS-ReliableMessaging バージョン 1.0 および WS-Addressing の両方を使用可能にし、最低限のサービスの品質である「管理対象外の非パーシスタント」を使用します。このサービス品質は、最低限の構成で実現できます。ただし、これは非トランザクションであり、ネットワークで失われたメッセージの再送信を可能にしていても、 サーバーが使用不可になるとメッセージが失われることになります。 このサービス品質は単一サーバー専用であり、クラスターでは機能しません。 In-order 配信が「false」に設定されていると、 メッセージは必ずしも送信された順序で配信されるとは限りません。
このポリシー・セットは .NET-based Web サービスで使用できます。
WSReliableMessaging デフォルト
このポリシー・セットは WS-ReliableMessaging バージョン 1.1 および WS-Addressing の両方を使用可能にし、最低限のサービスの品質である「管理対象外の非パーシスタント」を使用します。 このサービス品質は、最低限の構成で実現できます。ただし、これは非トランザクションであり、ネットワークで失われたメッセージの再送信を可能にしていても、 サーバーが使用不可になるとメッセージが失われることになります。 このサービス品質は単一サーバー専用であり、クラスターでは機能しません。 In-order 配信が「false」に設定されていると、 メッセージは必ずしも送信された順序で配信されるとは限りません。
WSReliableMessaging パーシスタント
このポリシー・セットは WS-ReliableMessaging および WS-Addressing の両方を使用可能にし、最大のサービスの品質である「管理対象パーシスタント」を使用します。このサービスの品質は非同期 Web サービス呼び出しをサポートし、サービス統合メッセージング・エンジンとメッセージ・ストアを使用してシーケンスの状態の管理を行います。 トランザクション内で処理されるメッセージは、Web サービス要求元サーバーおよび Web サービス・プロバイダー・ サーバーで保持され、サーバー障害が起こった際にリカバリーが可能です。 In-order 配信が「false」に設定されていると、 メッセージは必ずしも送信された順序で配信されるとは限りません。
このポリシー・セットは管理対象のパーシスタントのサービス品質を指定するため、WS-ReliableMessaging 状態の管理に使用するサービス統合バスとメッセージング・エンジンへのバインディングを定義する必要があります。管理コンソールまたは wsadmin ツールを使用して、WS-ReliableMessaging ポリシー・セットを Web サービス・アプリケーションに関連付けおよびバインドすることができます。

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