HA マネージャー
製品には、HA マネージャー・コンポーネントが組み込まれています。HA マネージャーが提供するサービスは、製品コンポーネントでのみ使用可能です。
- singleton サービスの可用性を高めるフレームワーク。 このフレームワークを使用する singleton サービスの例には、クラスター・メンバー向けのトランザクション・マネージャー、およびデフォルト・メッセージング・プロバイダー (サービス統合バスと呼ばれます) があります。
- サーバーで状態データを容易に交換できるようにするメカニズム。 このメカニズムは通常、電子掲示板と呼ばれます。
- プロセス間の高速かつ信頼性の高いメッセージングのための特殊なフレームワーク。 このフレームワークは、メモリー間の複製のために製品を 構成する際に、データ複製サービスによって使用されます。
HA マネージャー・インスタンスは、セル内のすべてのアプリケーション・サーバー、プロキシー・サーバー、 ノード・エージェントおよびデプロイメント・マネージャーで実行されます。 セルは、コア・グループと呼ばれる複数の高可用性ドメインに分割できます。 各 HA マネージャー・インスタンスは、特殊かつ専用の構成可能なトランスポート・チャネルを使用して、 同じコア・グループ内の他のすべての HA マネージャー・インスタンスとのネットワーク接続を確立します。 トランスポート・チャネルは、HA マネージャー・インスタンスがコア・グループの他のメンバーが開始、 停止、または失敗するときを検出できるようにするメカニズムを提供します。
コア・グループ内で、高可用性アクティビティーを調整するために HA マネージャー・インスタンスが選択されます。 選択されたインスタンスは、コア・グループ・コーディネーターと呼ばれます。 コーディネーターは高可用性で、コーディネーターとして機能しているプロセスが停止または失敗した場合 には、 別のインスタンスが選択されて、継続性を失わずに、コーディネーターのロールを引き継ぐようになっていま す。
高可用性コンポーネント
高可用性コンポーネント とは、 そのコンポーネントを実行できるプロセスに高可用性グループが定義されているコンポーネントです。 コーディネーターは、高可用性グループのメンバーシップを追跡し、 どのプロセスで各高可用性コンポーネントを実行できるかを認識します。
コーディネーターは、高可用性ポリシーと各高可用性グループとの関連付けも行います。 高可用性ポリシー とは、高可用性コンポーネントの管理においてコーディネーターを支援する一連のディレク ティブです。 例えば、ディレクティブは、特定のプロセスが使用可能である場合、そのプロセスでコンポーネントを実行 することを指定します。 ディレクティブは構成可能で、これにより、ご使用のインストールに合わせてポリシーを調整できるようになります。
コーディネーターには、コア・グループ・プロセスの開始、停止または失敗が通知され、 所定の時刻にどのプロセスが使用可能であるかを認識します。 コーディネーターは、高可用性グループおよびポリシー情報とともにこの情報を使用して、 コンポーネントが機能し続けていることを確認します。 コーディネーターは、ポリシー・ディレクティブを使用して、各コンポーネントをどのプロセスで開始し、 実行するかを決定します。 選択されたプロセスが失敗した場合、コーディネーターは別の適格なプロセスでコンポーネントを再開します。 これにより、リカバリー時間が短くなり、フェイルオーバーが自動化され 、代わりのプロセスを開始する必要がなくなります。
状態データの交換
HA マネージャーは、プロセスが現在の状態に関する情報を交換できる、特殊なメッセージング・メカニズ ムを提供します。 各プロセスは、現在の状態に関連した情報を送信または通知し、 他のプロセスの状態が変更されたときに通知を受けるために登録することができます。 ワークロード管理 (WLM) コンポーネントは、このメカニズムを使用して、 ルーティング・テーブル情報の作成および保守を行います。 このメカニズムを使用して作成、保守されるルーティング・テーブルは、高可用性です。
複製
この製品に付属のデータ複製サービス (DRS) は、HTTP セッション・データ、ステートフル EJB セッション、およびクラスター・メンバー間の動的キャッシュ情報の複製に使用されます。 メモリー間の複製のために DRS が構成されている場合は、 HA マネージャー用に定義されたトランスポート・チャネルを使用して、クラスター・メンバー間でこのデータを渡します。