サービス統合のマッチング基準

マッチング基準とは、ポリシー定義内の、1 つ以上の名前と値のペアのセットです。 マッチング基準は、ポリシーを特定のメッセージング・エンジン、またはメッセージング・エンジンのセットにバインドさせるために使用します。 これを実行するためには、ポリシーのマッチング基準を、 ポリシーが管理する高可用性グループ HAGroup、すなわちメッセージング・エンジンが含まれる HAGroup のプロパティーと一致するように構成します。

注: メッセージング・エンジン・ポリシー・アシスタンスを使用して、クラスター内のメッセージング・エンジンに対してメッセージング・エンジンの動作を構成する場合は、 適切なマッチング基準が自動的に作成されるため、何も指定する必要はありません。
下の表に、メッセージング・エンジンに対する HAGroup プロパティー の名前および値と、そのプロパティーがポリシー・マッチング基準で使用される場合に一致するメッセージング・エンジンのセットをリストします。
名前 ポリシーが一致するメッセージング・エンジン
type WSAF_SIB 任意のメッセージング・エンジン
WSAF_SIB_MESSAGING_ENGINE メッセージング・エンジンの名前。これは、サーバー内のメッセージング・エンジンの場合は node.server-bus という 形式であり、クラスター内のメッセージング・エンジンの場合は cluster.number-bus という形式 です。ここで、number は、メッセージング・エンジンがバスに 追加された順序に関連します (クラスターをバスに追加するときに作成される最初の メッセージング・エンジンの number は 000 です)。 特定のメッセージング・エンジン
WSAF_SIB_BUS バスの名前 特定のバス中のすべてのメッセージング・エンジン
IBM_hc クラスターの名前 特定のクラスター中のすべてのメッセージング・エンジン

マッチング基準を使用して、ポリシーを、すべて のメッセージング・エンジン、指定され たバス上のすべて のメッセージング・エンジン、特定のク ラスター内のすべてのメッセージング・エンジン、 または特定の名前を持つ単一 のメッセージング・エンジンに関連付けることができます。

最も汎用的なポリシーは、製品に組み込まれているデフォルト の "Default SIBus Policy" です。このポリシーには、 マッチング基準が 1 つだけ (type=WSAF_SIB) あります。これは、 他のポリシーにはあまり一致しないすべて のメッセージング・エンジンに一致します。

HAGroup に割り当 てられるポリシーについては、ポリシーの基準がすべて一致しなければなりません。 また、複数のマッチング基準を指定することも可能です。その突き合 わせで一致する項目が多いほど、一致の度合いは高くなります。これらの基準を論理的に組み合わせて、メッセージング・エンジンの HAGroup に突き合わせることができる一連のポリシーの効果的なフィルタリング条件にすることができます。 ポリシーに HAGroup の いずれかのプロパティーに一致しないマッチング基準がある場合は、ポリシー をその HAGroup に突き合わせることができません。

例えば、HAGroup に WSAF_SIB_BUS=MyBus となるプロパティーが含まれることを必要とするマッチング基準を追加した場合、 MyBus という名前のバス上のメッセージング・エンジンにのみ一致するようにポリシーを制限することができます。

また、HAGroup に WSAF_SIB_MESSAGING_ENGINE=MyCluster.002-MyBus となるプロパティーが含まれていることを必要とするマッチング基準を追加した場合、 MyCluster.002-MyBus という名前のメッセージング・エンジンにのみ一致するようにポリシーが制限されます。

IBM_hc マッチング基準を使用して、(同じタイプとは限らない) 同じサーバー・クラスター内にあるリソースで同じポリシーを使用することができます。

論理的に不可能な基準の組み合わせを構成しないように注意してくださ い。例えば、存在しないバスを指定した場合、または存在しないメッセージング・エンジンを指定した場合には、ポリシーは、どの HAGroup に対しても一致しません。

また、どのメッセージング・エンジンについても、競合する一致を生成するポリシーを定義しないようにする必要もあります。 メッセージング・エンジンが、複数のポリシーに対して同じ強度で一致した場合、解決できない競合が生じて、エラーになります。

すべてのメッセージング・エンジンは、「Default SIBus Policy」で 1 回一致します。 そのため、別のポリシーを定義してマッチング基準を指定した場合、複数のマッチング基準を指定して、そのマッチング基準が「Default SIBus Policy」が生成する一致より強い一致を生成するようにしてください。

例えば、バス上のすべてのメッセージング・エンジンにポリシーを関連付ける場合、ポリシーにマッチング基準 type=WSAF_SIB および WSAF_SIB_BUS=bus_name を指定します。 バス上のすべてのメッセージング・エンジンが、このポリシーで指定された基準に 2 回一致します。 そのため、このポリシーの一致が最も強くなり、それらのメッセージング・エンジンと関連付けられ、「Default SIBus Policy」と競合しません。

必要な一致を十分に強いものにして、競合する一致の可能性を最小化する 1 つの方法は、ポリシーを関連付けるレベルの細分化に応じて、より多くのマッチング基準を指定することです。 以下に例を示します。
  • 「Default SIBus Policy」は、type=WSAF_SIB というマッチング基準を指定します。
  • バス上のすべてのメッセージング・エンジンにポリシーを関連付けるには、ポリシーにマッチング基準 type=WSAF_SIB および WSAF_SIB_BUS=bus_name を指定します。
  • クラスター内のすべてのメッセージング・エンジンにポリシーを関連付けるには、ポリシーにマッチング基準 type=WSAF_SIB、WSAF_SIB_BUS=bus_name、 および IBM_hc=cluster_name を指定します。
  • 特定のメッセージング・エンジンにポリシーを関連付けるには、ポリシーにマッチング基準 type=WSAF_SIB、WSAF_SIB_BUS=bus_name、 IBM_hc=cluster_name、および WSAF_SIB_MESSAGING_ENGINE=messaging_engine_name を指定します。

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