診断アラート
WebSphere® Application Server バージョン 9.0 では、共通問題のトラブルシューティングに対してより多くの診断アラートを提供するように、パフォーマンスおよび診断アドバイザーが拡張されています。
接続ファクトリーおよび データ・ソースの振る舞いをモニターするために、 複数のアラートを使用できます。 これらのアラートの中には、直接的で簡単に理解できるものもあります。 それ以外のアラートは、さらに複雑であり、IBM® サポートによる使用のみを目的としています。
ConnectionErrorOccured 診断アラート
リソース・アダプターまたはデータ・ソースで、接続が使用できないなどの接続の問題が検出された場合、接続エラーが発生したことが接続マネージャーに通知されます。 これにより、プール・パージ・ポリシー構成設定に応じて、個々の接続またはプール・パージが破壊されます。この場合、プール内のすべての接続が破壊されることになります。 使用できない接続が異常に多く検出された場合は、バックエンドに問題がある可能性を示すアラートが送信されます。
接続効率低下診断アラート
個々の接続の使用と保留の時間の割合がしきい値を下回った場合、アラートが呼び出しスタックとともに送信されます。
コンポーネント間での使用による JCA プログラミング・モデル違反の診断アラート
コンポーネント間での使用検出を使用可能にしている場合、最初に接続ファクトリーを通じてハンドルを取得したコンポーネントとは異なる Java EE アプリケーション・コンポーネントで接続ハンドルが使用されると、アプリケーション・サーバーはアラートを発生します。 アプリケーションが接続ハンドルをパラメーターで渡す場合や、複数のアプリケーション・コンポーネントによって共有されているキャッシュからアプリケーションがハンドルを取得する場合に、この状態が偶然に発生する場合があります。 コンポーネントによって接続ハンドルがこのように使用されると、アプリケーションまたはデータの保全性の問題の原因となる場合があります。 開発中は、コンポーネント間の接続使用を検出するアラートを使用可能にして、潜在的なアプリケーション問題を識別および回避してください。
ローカル・トランザクション内包 (LTC) ネスティングしきい値超過診断アラート
LTC 定義については、『ローカル・トランザクション内包 (LTC)』と『トランザクション・タイプおよび接続の振る舞い』の情報、および「Default behavior of managed connections in WebSphere Application Server」トピックを参照してください。
完了する前にスレッド上で多数の LTC が開始された場合は、アラートが送信されます。 このアラートは、複数の共有可能接続を保持している複数のネストされた LTC により、接続プールで予期しない接続の不足が発生した場合などの状態をデバッグするのに便利です。
マルチスレッド使用による JCA プログラミング・モデル違反の診断アラート
アプリケーション・コンポーネントが接続ファクトリーを使用して接続ハンドルを取得している場合に、コンポーネントが、ハンドルを取得したスレッドとは異なるスレッド上でハンドルを使用すると、マルチスレッド使用の検出により、アラートが発生します。 接続をこのように使用すると、この振る舞いは、特に、アプリケーションが接続ハンドルを管理対象ではないスレッド上で使用する場合、データ保全性に問題が発生する原因となる場合があります。 アプリケーションの開発中には、アラートを使用可能にして、マルチスレッド接続の使用を検出してください。
プール効率低下診断アラート
プール内のすべての接続の保留と使用の平均時間がしきい値を下回った場合、アラートが送信されます。
シリアル再使用違反診断アラート
シリアル再使用については、『トランザクション・タイプおよび接続の振る舞い』を参照してください。シリアル再使用違反が適切なシナリオも存在しますが、ほとんどの場合、この違反は意図されたものではなく、データ保全性の問題が発生する可能性があります。
このアラートが有効な場合、LTC 内でシリアル再使用違反が発生するたびに、アラートが送信されます。
サージ・モード開始または終了診断アラート
サージ・モードが構成された場合は、サージ・モードが開始または終了するたびにアラートが送信されます。 詳しくは、サージ・モードの資料を参照してください。
滞留接続ブロック・モードの開始または終了診断アラート
滞留接続検出が構成されている場合は、滞留接続ブロッキングが開始または停止されるたびにアラートが送信されます。 スタック接続情報を参照してください。
スレッド最大接続数超過診断アラート
スレッド上で 1 つ以上の LTC と結合する 管理対象接続数が多すぎた場合、 またはデータ・ソースのプール可能な接続が多すぎた場合は、 アラートが送信されます。