アプリケーション・サーバーにおける Web Services Distributed Management サポート

WebSphere® Application Server における Web サービス用の Web Services Distributed Management (WSDM) サポートは、管理機能を公開したアプリケーション・サーバー内で実行します。

WSDM のアプリケーション・サーバー実装では、WSDM アプリケーションは Java™ Platform, Enterprise Edition (Java EE) エンタープライズ・アーカイブ (EAR) ファイルとしてパッケージされています。EAR ファイルは アプリケーション・サーバー・システム・アプリケーションとしてデプロイされます。

重要: WSDM はシステム・アプリケーションで、製品がインストールされる際にデフォルトで使用不可になります。最初に WSDM を使用可能にしてから、 それを使用して製品リソースを管理する必要があります。WSDM を使用可能にするには、スクリプトを使用します。
製品の WSDM サポートは、次の 2 つの部分から構成されています。
  • WSDM ランタイム環境およびサポート
  • WSDM リソース・モデルおよびサービス実装

WSDM ランタイム環境は、管理可能なリソース用の基本機能を提供します。WSDM ランタイム環境は基本となる Web サービス・プラットフォームおよび WSDM リソースと対話して、要求および応答のサービスを提供します。WSDM 機能を 提供する際に WSDM ランタイム環境が使用する仕様には、いくつかの種類があります。 すなわち、WS-AddressingWS-ResourceFramework、および WS-Notification です。要求ごとに、WSDM ランタイム環境はその要求を、エンドポイント参照 (EPR) を基にして適切なリソース・サービス実装にルーティングします。EPR は WS-Addressing 仕様で定義されます。 各 EPR にはターゲット・アドレス、ランタイム固有のデータ、および参照プロパティーが含まれ、 これによって WSDM リソースのインスタンスが一意的に識別されます。リソース・サービス実装が応答を戻すと、WSDM ランタイム環境はその応答を、Management Using Web Services (MUWS) 仕様で指定された適切な SOAP メッセージ・フォーマットにラップして、応答を要求側に戻します。アプリケーション・サーバーは、Apache Muse 2.0 を利用して、WSDM に対するランタイム・サポートを提供します。Apache MUSE 2.0 は、 開発ツールと WSDM ランタイム環境の両方を提供します。

アプリケーション・サーバーの WSDM リソース・モデルは、 製品のエレメントのうち管理対象リソースであるものを識別し、 さらに、その管理対象リソースがサポートする具体的なプロパティー、操作、および通知を定義します。 リソース・モデルは、製品内のリソースおよび管理機能と対話する インターフェースを定義します。リソース・モデルには、 2 つの WSDM 仕様 (Management Using Web Services (MUWS) と Management of Web Services (MOWS)) で 定義される該当機能が組み込まれています。つまり、 実装は WSDM 仕様インターフェースを製品管理インターフェースおよびプログラミング・インターフェースにマッピングすることです。実装では、 新規機能は製品に導入されず、 既存の管理機能およびプログラミング機能にアクセスするための代替インターフェースが導入されます。さらに、リソース・モデルは、 追加の管理容易性機能を提供するため、特定の機能も定義します。各機能では、自動管理システムの管理対象リソースのための、 プロパティー、オペレーション、イベントのセットが定義されます。個々のリソースは、 Web サービス記述言語 (WSDL) ファイルと関連付けられます。 このファイルに、 その管理容易性機能の定義が含まれます。

実装は WSSecurity デフォルト・ポリシー・セットに接続しており、 クライアント・ユーザー ID の管理操作を実行します。このユーザー ID には、 管理アクションを実行するための特権が必要です。 オートノミック・コンピューティング (AC) マネージャーのロールによって、WSDM 実装に対する要求が出され、 このユーザーが管理アクション、および AC マネージャーにより公開されるその他の機能を実行するための適切な権限を持っていることが確認されます。

アプリケーション・サーバーでの WSDM サポートの利点は、 この製品が標準で複数製品管理ソリューションに参加できることです。 標準の Web サービス相互運用可能インターフェースにより製品管理機能を公開することで、アプリケーション・サーバーを、WSDM 仕様に基づく大規模管理システムと結合することができます。


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ファイル名:rwbs_wsdmsup.html