スタンドアロンのクライアント・アプリケーション (WebSphere® Application Server で
ホストされているエンタープライズ Bean にアクセスする Java™ アプリケーションなど) で、
WebSphere Application Server
との対話に問題が発生した場合には、そのアプリケーションのトレースを
使用可能にすると解決に役立つことがあります。
クライアント・プログラムのトレースを使用可能にすると、そのアプリケーションが使用する WebSphere
Application Server クラス (ネーミング・サービス・クライアント・クラスなど)
によってトレース情報が生成されます。
このタスクについて
共通のトラブルシューティング技法は、アプリケーション・サーバーおよびクライアント・アプリケーションの両方でトレースを使用可能にし、
タイム・スタンプに従って記録を突き合わせることです。これによって、問題が発生した場所を識別できます。
また、変更コマンドを使用して、MVS™ コンソールからトレースを構成することもできます。
手順
- クライアント・アプリケーションで WebSphere Application Server
クラスのトレースを使用可能にするには、以下の例に示すような
システム・プロパティーをクライアント・アプリケーションの開始スクリプトまたはコマンドに追加します。
出力の場所、およびクラスとそのトレースに含まれている詳細は、WebSphere Application
Server へのトレースの追加と同じ規則に従っています。
例えば、
com.ibm.sample.MyClientProgram という名前の
スタンドアロン・クライアント・アプリケーション・プログラムをトレースするには、
次のコマンドを入力します。
java -DtraceSettingsFile=MyTraceSettings.properties
-Djava.util.logging.manager=com.ibm.ws.bootstrap.WsLogManager
-Djava.util.logging.configureByServer=true com.ibm.samples.MyClientProgram
![[AIX Solaris HP-UX Linux Windows]](../images/dist.gif)
ファイル名で識別されるファイルは、
アプリケーション・クライアントまたはスタンドアロン・プロセスのクラスパスにある
プロパティー・ファイルでなければなりません。%install_root\properties\TraceSettings.properties ファイルを、クライアント・アプリケーションの Java アーカイブ (JAR) ファイルと同じディレクトリーにコピーして、トレース・プロパティー・ファイルを
作成します。
ファイル名で識別されるファイルは、
アプリケーション・クライアントまたはスタンドアロン・プロセスのクラスパスにある
プロパティー・ファイルでなければなりません。app_server_root/properties/TraceSettings.properties ファイルを、
クライアント・アプリケーションの Java アーカイブ (JAR)
ファイルと同じディレクトリーにコピーして、トレース・プロパティー・ファイルを
作成します。
-DtraceSettingsFile=TraceSettings.properties プロパティーを使用して、シン・クライアントの ORB コンポーネントのトレースを使用可能にすることはできません。シン・クライアントの ORB トレース出力は、コマンド行で com.ibm.CORBA.Debug.Output
= debugOutputFilename パラメーターを設定することによって指示できます。
java.util.logging.manager および java.util.logging.configureByServer システム・プロパティーでは、
WebSphere Application Server
特定の LogManager クラスを使用し、
traceSettingsFile プロパティーで指定されたファイルからの構成を使用するように Java ロギングを構成します。
デフォルトの Java ロギング・プロパティー・ファイルは、Java SE
ランタイム環境 6 (JRE6) にあり、適用されません。
![[AIX Solaris HP-UX Linux Windows]](../images/dist.gif)
MyTraceSettings.properties ファイルを構成し、
traceFileName プロパティーを使用して、トレース出力をファイルに送信することができます。
2 つのオプションのいずれかを指定します。 - 出力ファイルの完全修飾名。例えば、traceFileName=c:¥¥MyTraceFile.log のようになります。
可視出力を生成するには、このプロパティーを指定しなくてはなりません。
- stdout。このオプションを指定すると、出力は System.out に書き込まれます。
- Trace String プロパティーを指定してメッセージを書き込むために、
トレース・ストリングを指定することもできます。このプロパティーでは、サーバーで使用可能な開始トレース仕様に似た
開始トレース仕様を指定します。 便宜のために、トレース設定ファイルには、
複数の個々のトレース・ストリングを 1 行ごとに 1 つずつ入力できます。
タスクの結果
オプションの各プロパティー設定を使用した結果を以下に示しま
す。
- トレース・ストリングを指定せずに traceFileName プロパティーに有効な設定を指定すると、
指定されたファイルまたは System.out のみにメッセージが書き込まれます。
- traceFileName プロパティー値を指定せずにトレース・ストリングを指定すると、
出力が生成されません。
- 有効な traceFileName プロパティー、およびトレース・ストリングを両方
指定すると、traceFileName プロパティーで指定したロケーションに、
メッセージおよびトレース・エントリーの両方が書き込まれます。