ジョブ・マネージャーを使用したクラスターの作成

柔軟な管理環境では、「クラスターの作成」ジョブをサブミットすることができます。 クラスターとは、ワークロードのバランスをとるために一括して管理するサーバーの集合のことです。 このジョブは、デプロイメント・マネージャー・ノード上で実行されるクラスターを作成します。 クラスターは、ジョブ・マネージャーの管理対象リソースになります。

始める前に

ジョブ・マネージャー、デプロイメント・マネージャー、およびクラスターを追加する統合ノードを開始します。

デプロイメント・マネージャーがジョブ・マネージャーの管理対象ノードになっていない場合は、そのデプロイメント・マネージャーをジョブ・マネージャーに登録します。 登録することで、ジョブ・マネージャーがデプロイメント・マネージャーとその統合ノードを管理できるようになります。 「クラスターの作成」ジョブをサブミットするには、デプロイメント・マネージャー・ノードがジョブ・マネージャーの管理対象ノードになっている必要があります。

クラスターの構成方法を決めます。
  • クラスターおよびワークロード管理に関するトピック、特にクラスターのウェイトの設定についての情報を検討します。
  • アプリケーション・サーバー、プロキシー・サーバー、またはオンデマンド・ルーターを、クラスターでグループ化するかどうかを決めます。
  • 最初のクラスター・メンバーを追加するノードを決めます。 ターゲット・ノードは、ジョブ・マネージャーの管理対象ノードになっている必要があります。
  • [z/OS]シスプレックス内の複数のシステムにまたがり、トランザクションの活動化ポリシーを使用したステートフル・セッション Bean がこれらのシステムにデプロイされている サーバーのクラスターの場合は、シスプレックス内の複数のシステム間で共有されている階層ファイル・システム (HFS) 上で非活性化ディレクトリーを定義します。

ジョブをサブミットするには、ジョブ・マネージャーで使用する ID に、管理者ロール またはオペレーター・ロールの権限が付与されている必要があります。ジョブをサブミットするときに、ターゲットでの認証および許可のためにユーザー名とパスワードを指定できます。 複数のターゲットにジョブをサブミットする場合は、そのユーザー名とパスワード、またはサブミットする者のクレデンシャルが、すべてのジョブ・ターゲットに適用される必要があります。

このタスクについて

クラスターにより、アプリケーション・サーバーのグループを単一のユニットとして管理し、クラスターのメンバーである各アプリケーション・サーバーにクライアント要求を分散することが可能になります。 以下を行う必要がある場合、クラスターを作成します。

  • 複数のアプリケーション・サーバーにわたってクライアント要求のバランスをとります。
  • ユーザーのアプリケーションに高可用性の環境を提供します。

ジョブ・マネージャーまたはデプロイメント・マネージャーの管理コンソールを使用して、1 つ以上の管理対象ノード上にクラスターを作成することができます。コンソールから「クラスターの作成」ジョブを選択し、ジョブ・オプションを指定し、サマリーを確認して、ジョブをサブミットします。このトピックでは、ジョブ・マネージャー・コンソールまたはデプロイメント・マネージャー・コンソールを使用してジョブをサブミットする方法について説明します。

コンソールを使用する代わりに、AdministrativeJobs コマンド・グループ内の createCluster ジョブ・スクリプトを実行することもできます。管理ジョブのタイプに関するトピックを参照してください。

手順

  1. 管理コンソールのナビゲーション・ツリーから、「ジョブ」 > 「サブミット」の順でクリックします。
  2. クラスターを作成するジョブを選択します。
    1. リストから「クラスターの作成」ジョブ・タイプを選択します。
    2. オプションでジョブの説明を指定します。
    3. 「次へ」をクリックします。
  3. クラスターを追加するジョブ・ターゲットを選択します。

    クラスターを追加できる 1 つ以上のデプロイメント・マネージャーの管理対象ノードを選択します。

    1. リストからターゲットのグループを選択するか、または「ターゲット名」を選択します。
    2. ターゲット名」を選択した後は、ターゲット名を指定して「追加」をクリックするか、「検索」をクリックして、「ターゲットの検索」ページで選択したターゲットを指定します。
    3. ユーザー認証が必要な場合は、ユーザー名、パスワード、またはその他必要な認証値を指定します。
    4. 「次へ」をクリックします。
  4. クラスターの作成ジョブのパラメーターを指定します。
    1. クラスター名」に、そのターゲット内で固有のクラスター名を指定します。

      ターゲットにある 既存クラスターの名前を参照するには、「ジョブ」 > 「ターゲット・リソース」 とクリックします。「ターゲット・リソース」ページに、管理対象ターゲット上のクラスター、サーバー、アプリケーションがリストされます。既に使用されているクラスター名を判別した後、「ジョブ・パラメーターの指定」ページに戻って作成するクラスターに固有の名前を指定します。

      例えば、管理対象デプロイメント・マネージャー・ノード myNode01 に、単一のクラスター cluster1 が存在するとします。次のように、myNode01 内で固有の名前を指定します。
      cluster2
    2. クラスターに対してノードを有効範囲とするルーティング最適化を有効にしない場合は、「ローカルを優先 (Prefer local)」を選択解除します (false)。デフォルト値は選択済み (true) です。

      有効になると、ノードを有効範囲とするルーティング最適化により、クラスターが置かれているターゲットへ要求がルーティングされます。

    3. クラスター・タイプ」で、作成するサーバー・クラスターのタイプを指定します。

      クラスターを作成してアプリケーション・サーバーをグループ化する場合は、このフィールドは空のままにします。デフォルトのタイプは APPLICATION_SERVER です。

      それ以外の場合は、PROXY_SERVER または ONDEMAND_ROUTER を指定します。

    4. z/OS ターゲットにクラスターを作成する場合は、オプションで、クラスターのショート・ネームを指定します。

      値を指定しない場合は、製品によって固有のショート・ネームが生成されます。

    5. オプションで、「追加のジョブ・パラメーター」を展開し、クラスターをさらに詳しく定義する値を指定します。
      表 1. クラスター作成用の追加のジョブ・パラメーター. 必要に応じてジョブのパラメーターを指定します。
      パラメーター名 説明
      ドメインの作成 新規クラスターの名前に設定された名前で複製ドメインを作成するには、「ドメインの作成 (Create domain)」を選択します (true)。 この製品は、HTTP セッション・データの複製に、複製ドメインを使用します。 デフォルト値はクリア (false) です。
      サーバー・ノード 既存のサーバーをクラスターの最初のメンバーに変換する場合は、その既存サーバーを所有する管理対象ノードの名前を指定します。
      サーバー名 既存のサーバーをクラスターの最初のメンバーに変換する場合は、「サーバー・ノード」で指定したノードに常駐する既存サーバーの名前を指定します。
      メンバーのウェイト 新しいクラスター・メンバーのウェイトの値をデフォルトの 2 以外にする場合は、別のウェイト値を指定します。 有効な値は、0 から 100 までの数値です。 ウェイトは、サーバーに向けられる作業の量を制御します。 ウェイトが他のクラスター・メンバーに割り当てられているウェイトよりも大きい場合、 そのサーバーのワークロードは他のサーバーより大きくなります。
      ノード・グループ すべてのクラスター・メンバーを単一のノード・グループに所属させる場合は、そのノード・グループの名前を指定します。
      複製エントリー ドメインの作成」を選択している場合は、オプションで true を指定して、クラスターの複製ドメインにこのメンバーのレプリケーター・エントリーを作成します。デフォルト値は false です。
    6. 「次へ」をクリックします。
  5. ジョブをスケジュールします。

    指定する日時は ジョブ・マネージャーに関連しています。

    1. オプションで、ジョブの終了時に通知を送信する宛先の電子メール・アドレスを 1 つ以上指定します。

      複数の電子メール・アドレスを指定する場合は、コンマで区切ります。

    2. ジョブがサブミットに対して利用可能になる時間を選択します。
    3. ジョブの有効期限を選択します。
    4. オプションで、ジョブが再帰する間隔、間隔の開始日時、および間隔の 終了日時を指定します。
    5. 「次へ」をクリックします。
  6. サマリーを確認して「終了」をクリックし、ジョブをサブミットします。

タスクの結果

ターゲットがジョブを実行し、クラスターの作成を試行します。

次のタスク

「ジョブ状況」ページでクラスターの作成ジョブの ID をクリックし、ジョブ状況を表示します。状況のリフレッシュ・アイコン ジョブ状況の「クリックすると表示を更新できます」アイコン をクリックして、表示されている状況をリフレッシュします。

ジョブが正常に完了していない場合は、ジョブの実行の結果発生したエラー・メッセージを確認して、エラー条件を修正し、ジョブを再度サブミットします。

ジョブが正常に実行された場合は、「ジョブ」 > 「ターゲット・リソース」の順にクリックし、リソースのリストに新しいクラスターが表示されていることを確認します。 そのクラスターの状況は 停止済み になります。

クラスターを作成した後は、 クラスター・メンバーを作成するジョブを実行することができます。 クラスターに少なくとも 1 つのクラスター・メンバーがなければ、そのクラスターを始動することはできません。


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ファイル名:tagt_jobmgr_create_cluster.html