IBM MQ との相互協調処理: 主なフィーチャーの比較

WebSphere® Application ServerIBM MQ ネットワーク間でメッセージを送信できる方法は 3 つあります。 このトピックでは、3 つの方法それぞれの主なフィーチャーを比較します。

表 1. IBM MQ との相互協調処理の 3 つの方法の主なフィーチャーの比較. この表の最初の列は、バスがない IBM MQ メッセージング・プロバイダーを使用した相互協調処理の主要なフィーチャーを示し、2 番目の列は (IBM MQ リンクを使用した) 外部バスとして IBM MQ ネットワークを使用した相互協調処理の主要なフィーチャーを示します。 3 番目の列は、バス・メンバーとして IBM MQ サーバー (キュー・マネージャーまたはキュー共有グループ) を使用した相互協調処理の主要なフィーチャーを示します。
IBM MQ メッセージング・プロバイダー (バスなし) 外部バスとしての IBM MQ ネットワーク (IBM MQ リンクを使用) バス・メンバーとしての IBM MQ サーバー (キュー・マネージャーまたはキュー共有グループ)。
JMS アプリケーションは、デフォルトのメッセージング・プロバイダーを使用して IBM MQ メッセージング・プロバイダーにメッセージを受け渡し、IBM MQ メッセージング・プロバイダーは、JMS メッセージング・プロトコルを使用して IBM MQ キューまたはトピックにメッセージを受け渡します。
JMS アプリケーションは、デフォルトのメッセージング・プロバイダーを使用して
サービス統合バスにメッセージを受け渡します。バスは、IBM MQ リンクを介して IBM MQ キューまたはトピックにメッセージを受け渡します。サービス統合からは、IBM MQ システムがあたかも外部バスであるかのように見えます。
JMS アプリケーションは、デフォルトのメッセージング・プロバイダーを使用してサービス統合バスにメッセージを受け渡します。
バスは、IBM MQ サーバーを介して IBM MQ キューにメッセージを受け渡します。
サービス統合からは、IBM MQ システムがあたかもバス・メンバーであるかのように見えます。

コネクティビティー

IBM MQ メッセージング・プロバイダーにより、IBM MQ バージョン 6 以降と相互運用できます。ご使用の構成で必要になるフィックスパック・レベルについて詳しくは、以下のリンクを参照してください。http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg21498708 IBM MQ リンクを使用した場合、すべてのプラットフォームのサポートされるバージョンまたはリリースの IBM MQ と相互運用できます。 IBM MQ サーバーを使用した場合、IBM MQ for z/OS® バージョン 6 またはそれ以降、あるいは IBM MQ バージョン 7 またはそれ以降とのみ相互運用できます。
IBM MQ メッセージング・プロバイダーを使用します。 デフォルトのメッセージング・プロバイダーを使用します。 デフォルトのメッセージング・プロバイダーを使用します。
サービス統合バスは使用しません。 サービス統合バスを使用します。 サービス統合バスを使用します。
WebSphere Application Server は、IBM MQ メッセージング・プロバイダーを JMS メッセージング・プロバイダーとみなします。

IBM MQ メッセージング・プロバイダーは、IBM MQ ネットワークによって、キュー・マネージャーまたはキュー共有グループに接続する IBM MQ クライアントとみなされます。

IBM MQ リンクのそれぞれの端はもう一方の端からは自然な形態で見られるため、IBM MQ ネットワークはサービス統合バスには外部バスのように見え、サービス統合バスは IBM MQ ネットワークには仮想キュー・マネージャーのように見えます。 IBM MQ サーバーは、 IBM MQ キュー・マネージャーまたは キュー共有グループを、バス・メンバーであるとみなすか、または、サービス統合バスのためにメッセージをキューイングするための メカニズムであるとみなします。キューはバス宛先として見られます。

IBM MQ サーバーは、IBM MQ ネットワークによって、キュー・マネージャーまたはキュー共有グループに接続する IBM MQ クライアントとみなされます。

WebSphere Application Server アプリケーション・サーバーと、IBM MQ キュー・マネージャーまたはキュー共有グループの間で複数の接続を提供します。 接続は、WebSphere Application Server アプリケーション が IBM MQ キューにアクセスすることを可能にする必要がある場合のみ、確立されます。 サービス統合バスと IBM MQ ネットワーク (1 つ以上の相互接続された IBM MQ キュー・マネージャーまたはキュー共有グループで構成されます) の間の単一接続を実現します。この単一接続は、サービス統合ネットワークと IBM MQ ネットワークの間で交換されるすべてのメッセージを転送するために使用されます。リンクは、 メッセージをゲートウェイ・メッセージング・エンジンまたはキュー・マネージャー経由でルーティングする、漏斗のような 働きをします。1 つのサービス統合ネットワークからの複数のリンクを確立したい場合は、 IBM MQ ネットワーク上の複数のキュー・マネージャーまたはキュー共有グループを表す、 複数の外部バスを定義できます。 サービス統合バスのメッセージング・エンジンと、IBM MQ キュー・マネージャーまたはキュー共有グループの間で複数の接続を実現します。接続は、WebSphere Application Server アプリケーション が IBM MQ キューにアクセスすることを可能にする必要がある場合のみ、確立されます。接続は、それが所属する先の メッセージ・バスのプロパティーを使用するように構成でき、それによって、 各 IBM MQ サーバー はバス固有になることが可能になります。
WebSphere Application ServerIBM MQ ネットワークの間の接続は、TCP/IP 通信リンクを使用することができます。また、IBM MQ キュー・マネージャーと同じイメージ上で WebSphere Application Server AS が稼働している場合、直接呼び出しインターフェースを使用することができます (これをバインディング・モードと呼びます)。接続のチャネル は、双方向 MQI チャネルです。 サービス統合バス・ネットワークと IBM MQ ネットワークの間の接続は、TCP/IP 通信リンクを使用します。接続の送信側チャネルと受信側チャネルは、 メッセージ・チャネルです。 サービス統合バス・ネットワーク と IBM MQ ネットワークの間の接続は、TCP/IP 通信リンクを使用することができます。また、IBM MQ キュー・マネージャーと同じイメージ上で WebSphere Application Server アプリケーション・サーバーが稼働している場合、直接呼び出しインターフェースを使用することができます (これをバインディング・モードと呼びます)。接続のチャネル は、双方向 MQI チャネルです。
IBM MQ for z/OS では、メッセージは共有キューに保管できます。 1 つのキュー・マネージャーに障害が起こっても、別のキュー・マネージャー からメッセージを取り出すことができます (Single Point of Failure は存在しません)。 通信リンクに一時的に障害が起こった場合、 メッセージは IBM MQ またはサービス 統合バスによって保管され、通信リンクが復旧したら配信されます。 IBM MQ for z/OS では、メッセージは共有キューに保管できます。 1 つのキュー・マネージャーに障害が起こっても、別のキュー・マネージャー からメッセージを取り出すことができます (Single Point of Failure は存在しません)。

アプリケーション

サービス統合バスを IBM MQ ネットワークに統合しません。WebSphere Application Server で実行されるサービス統合バス・メディエーションは、IBM MQ キューにあるメッセージを処理できません。また、IBM MQ アプリケーションは、IBM MQ サーバーを使用してメッセージをサービス統合バス・キュー・タイプの宛先に渡したり、そのような宛先からメッセージを取得したりすることはできません。 ゲートウェイ・キュー・マネージャーを介して、サービス統合バスを IBM MQ ネットワークに統合します。トラフィックは間接トラフィックとすることができ、マップされたキューにルーティングされます。 より密接な統合が可能です。メッセージ・アプリケーションは、IBM MQ キューのメッセージを直接生成およびコンシュームできます。
WebSphere Application Server アプリケーションは、メッセージを IBM MQ キューに送信できます。 送信されたメッセージは、すぐにキューに追加されます。IBM MQ キュー が使用不可である場合、アプリケーションはメッセージを送信できません。 WebSphere Application Server アプリケーションは、メッセージを IBM MQ キューに送信できます。 送信されたメッセージは、 IBM MQ への伝送のためにサービス統合バスによって 保管されます (これはストア・アンド・フォワード ・メッセージングと呼ばれます)。アプリケーションは、 IBM MQ キューが使用不可の場合でもメッセージの送信を続けることができます。 WebSphere Application Server アプリケーションは、メッセージを IBM MQ キューに送信できます。 送信されたメッセージは、すぐにキューに追加されます。IBM MQ キュー が使用不可である場合、アプリケーションはメッセージを送信できません。
WebSphere Application Server アプリケーションは、メッセージを IBM MQ キューから受信できます。 アプリケーションはメッセージ・コンシューマーを使用してメッセージを受信でき、IBM MQ キューに着信したメッセージをすぐに処理するようにメッセージ駆動型 Bean を構成できます。 WebSphere Application Server アプリケーションは、IBM MQ キューからメッセージを受信できません。 これらのキューは外部バス内の宛先であるためです。 IBM MQ から WebSphere Application Server アプリケーションに渡されるメッセージの場合、IBM MQ アプリケーションはそれらのメッセージを、WebSphere Application Server アプリケーションによって使用されるサービス統合バス内の適切な宛先に送信する必要があります。 WebSphere Application Server アプリケーションは、メッセージを IBM MQ キューから受信できます。 アプリケーションはメッセージ・コンシューマーを使用してメッセージを受信でき、IBM MQ キューに着信したメッセージをすぐに処理するようにメッセージ駆動型 Bean を構成できます。また、WebSphere Application Server で稼働するサービス統合バス・メディエーションも、メッセージが IBM MQ キューに着信すると、ただちにそのメッセージを処理することができます。
WebSphere Application Server アプリケーションは、IBM MQ 環境にあるアプリケーションと同じように、メッセージを IBM MQ トピックにパブリッシュし、IBM MQ トピックのメッセージをサブスクライブできます。 WebSphere Application Server アプリケーションおよび IBM MQ アプリケーションが、IBM MQ 環境と WebSphere Application Server 環境の両方に存在する選択されたトピックに対するパブリッシュまたはサブスクライブを行えるように、パブリッシュ/サブスクライブ・ブリッジを IBM MQ リンクにセットアップできます。 IBM MQ サーバーは、 Point-to-Point メッセージングのためにキューとの接続を提供します。パブリッシュ/サブスクライブ・メッセージング用のトピックを IBM MQ サーバーに関連付けることはできません。
メッセージは、メッセージング・エンジンではなく、キュー上に保管されます。1 つ以上の WebSphere Application Server アプリケーションがそれぞれ別々のサーバー上で稼働していても、それらのアプリケーションは、そのメッセージにアクセスすることができます。 メッセージはメッセージング・エンジンに保管されます。 メッセージは、メッセージング・エンジンではなく、キュー上に保管されます。1 つ以上の WebSphere Application Server アプリケーションがそれぞれ別々のサーバー上で稼働していても、それらのアプリケーションは、そのメッセージにアクセスすることができます。
メッセージは、コンシューマー・アプリケーションによってキューからプルされ、プロデューサー・アプリケーションによってプッシュされます。 コンシューマーが作動可能かどうかにかかわらず、メッセージはリンクを越えてプッシュされます。 メッセージは、WebSphere Application Server コンシューマーによってキューからプルされ、WebSphere Application Server プロデューサーによってプッシュされます。
メディエーションをサポートしません。 メディエーションをサポートしません。 メッセージの内容、ルーティング、およびロギングのさまざまなメディエーション・シナリオをサポートします。
アプリケーションで IBM MQ ネットワークからのメッセージをプルできるため、より簡単に最大限のロード・バランシングを達成できます。 メッセージは、IBM MQ ネットワークからアプリケーションにプッシュされますが、WebSphere Application Server でワークロード・バランシング・オプションが使用可能です。 アプリケーションで IBM MQ ネットワークからのメッセージをプルできるため、より簡単に最大限のロード・バランシングを達成できます。

管理およびセキュリティー

管理コンソールを使用した構成と管理。 管理コンソールを使用した構成と管理。 管理コンソールを使用した構成と管理。構成および管理中に、IBM MQ ネットワーク上のキューを自動的に検出します。
管理は IBM MQ で行われます。WebSphere Application Server では、宛先、接続ファクトリー、リスナー・ポート、アクティベーション・スペックなどの JMS 成果物を定義する必要があります。 IBM MQ および WebSphere Application Server の連携管理ドメイン:
  • IBM MQ 接続を反映するために、チャネル、外部宛先、およびバスの定義をお互いに承認します。
  • リンクの両側が開始されている必要があります。
  • 管理者はリンクを停止または開始できます。
IBM MQ および WebSphere Application Server の独立管理可能ドメイン:
  • 分離権限
  • 管理の変更の一時的な分離
IBM MQ でサーバー接続チャネルを定義することが必要な場合があります。 IBM MQ でパートナー・チャネル定義を規定する必要があります。 IBM MQ でサーバー接続チャネルを定義することが必要な場合があります。
WebSphere Application Server アプリケーションおよびメディエーションが、特定の IBM MQ との間でメッセージを送受信するアクセス権は、IBM MQ 管理によって制御されます。 WebSphere Application Server アプリケーションが特定の IBM MQ キューにメッセージを送信するアクセス権は、サービス統合バス管理によって制御されます。

IBM MQ アプリケーションがサービス統合の宛先にメッセージを送信するためのアクセス権は、IBM MQ 管理によって制御されます。

WebSphere Application Server アプリケーションおよびメディエーションが、特定の IBM MQ キューとの間でメッセージを送受信するアクセス権は、サービス統合バス管理によって制御されます。

WebSphere Application ServerIBM MQ キューにアクセスするためのアクセス権 (アプリケーションおよびメディエーションに対するアクセス権を含む) は、IBM MQ 管理によって制御されます。

WebSphere Application Server バージョン 7 以降では、リスナー・ポートは安定化されています。詳しくは、安定化されたフィーチャーに関する項目を参照してください。リスナー・ポートを使用する WebSphere MQ メッセージ駆動型 Bean のデプロイメント構成を、アクティベーション・スペックを使用する構成に移行する準備を行う必要があります。[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]非 ASF モードのアクティベーション・スペックの構成方法について詳しくは 『非 ASF モードのアクティベーション・スペックの構成』を参照してください。 ただし、アプリケーションを WebSphere Application Server バージョン 7 より前のアプリケーション・サーバーで実行する必要がないと確認するまでは、このマイグレーションを開始しないでください。例えば、1 つのアプリケーション・サーバー・クラスターにバージョン 6.1 のメンバーとそれより新しいバージョンのメンバーがある場合は、クラスター内のすべてのアプリケーション・サーバーをその新しいバージョンにマイグレーションするまでは、そのクラスター上のアプリケーションを、アクティベーション・スペックを使用するようにマイグレーションしないでください。


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http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=cmm_comp_feat
ファイル名:cmm_comp_feat.html