wsadmin スクリプト・クライアントの開始

wsadmin ツールを使用すると、アプリケーション・サーバー、アプリケーション・デプロイメント、 およびサーバーのランタイム操作を構成して管理することができます。

このタスクについて

wsadmin ツールは、スクリプトを実行することにより、 ご使用の環境の構成タスクを自動化する機能を提供します。ただし、wsadmin ツールを使用する場合、以下のようないくつかの制限があります。
  • wsadmin ツールは、Jython および Jacl スクリプト言語のみをサポートします。

    WebSphere Application Server のバージョン 6.1 リリースから、 wsadmin ツールと関連付けられている Jacl 構文が非推奨になりました。 wsadmin ツール用の Jacl 構文は製品に残り、少なくとも 2 回の製品のメジャー・リリースの間はサポートされます。 その期間の後、Jacl 言語のサポートは wsadmin ツールから除去される可能性があります。wsadmin ツールの Jython 構文は、WebSphere Application Server 管理自動化の戦略的方針を示します。アプリケーション・サーバーでは、 製品の自動化と Jython 構文の使用をサポートする、大幅に拡張された管理機能とツールを提供しています。

    非推奨の機能 (Deprecated feature) 非推奨の機能 (Deprecated feature): Jacl は非推奨であり、 デフォルトのスクリプト言語は Jython です。depfeat
    トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): WebSphere® Application Server コンポーネント・クラスのすべてが同じ .jar ファイルにパッケージされているわけではありません。wsadmin ツールを使用して Jython スクリプトを実行する場合は、jython.package.path システム・プロパティーを wsadmin コマンドに含めて、wsadmin の開始中に必要な JAR ファイルがすべて jython パッケージ・パスに設定されるようにしてください。
    ./wsadmin.sh -lang jython -javaoption
    "-Djython.package.path=/usr/WebSphere70/AppServer/plugins/com.ibm.ws.wlm.jar"   

    runtime.jar および admin.jar 以外の .jar ファイルにパッケージされている別の WebSphere Application Server クラスからWebSphere Application Server 機能を起動したい場合、 複数の jar ファイルを jython.package.path システム・プロパティー用に指定されたパスに含め、 セミコロン (;) で区切ってください。

    ./wsadmin.sh -lang jython -javaoption
    "-Djython.package.path=/usr/WebSphere70/AppServer/plugins/com.ibm.ws.wlm.jar;com.ibm.ws.wccm.jar"  

    ws_ant を使用して jython スクリプト内の WebSphere Application Server 機能を起動したい場合、 .prop テキスト・ファイルを作成し、そのファイルに以下の行を含めてください。

    jython.package.path=/usr/WebSphere70/AppServer/plugins/com.ibm.ws.wlm.jar  

    そして、 ant スクリプトの xml ファイルにプロパティー・ファイルを含めてください。以下に例を示します。

    		<taskdef name="wsadmin" classname="com.ibm.websphere.ant.tasks.WsAdmin"/>
    		<target name="main">
        <wsadmin conntype="NONE" lang="jython" failonerror="true" properties="/tmp/jython.prop"
                 script="/home/fsgapp/MSTWasBuild/project/scripts/socr/socr/jython/configure.py"> 
        			</wsadmin>
    	</target>
    gotcha
  • wsadmin ツールは、 製品の同一またはそれ以上のバージョンを実行しているアプリケーション・サーバー、デプロイメント・マネージャー、 管理エージェント、およびジョブ・マネージャーのインストール、 構成、デプロイメント、およびランタイム操作を管理します。 wsadmin ツールは、wsadmin ツールのバージョンより古いバージョンの製品を実行しているアプリケーション・サーバー、 デプロイメント・サーバー、管理エージェント、またはジョブ・マネージャーには接続できません。 例えば、バージョン 7.x wsadmin クライアントはバージョン 6.x アプリケーション・サーバー に接続できません。しかし、バージョン 6.x wsadmin クライアント はバージョン 7.x アプリケーション・サーバーには接続できます。この制限が存在するのは、各製品リリースの wsadmin ツールに新機能が追加されているためです。 前の製品バージョンを実行中のアプリケーション・サーバーで、新規コマンド機能を使用することはできません。
  • 混合セル環境では、wsadmin ツールはデプロイメント・マネージャー・ノード・レベルで作動します。 すべてのコマンド機能が使用可能であることを確認するために、wsadmin はアプリケーション・サーバー・ノード・レベルで実行しないでください。

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows]wsadmin ランチャーは、 AdminConfig、AdminControl、AdminApp、AdminTask、および Help オブジェクトなど、 いくつかのスクリプト・オブジェクトをサポートします。スクリプトは、アプリケーション管理、構成、オペレーション制御を行うため、 および製品プロセスで稼働する MBean との通信を行うために、これらのオブジェクトを使用します。スクリプトを使用してほかのタスクを実行する前に、 wsadmin スクリプト・クライアントを開始する必要があります。

[z/OS]セキュリティーが有効な wsadmin ツールを開始する前に、トピック『WebSphere Application Server 管理者向け SSL 考慮事項 (SSL considerations for WebSphere Application Server administrators』および『クライアントおよびサーバーの SSL セキュリティーの定義』を参照してください。

柔軟な管理環境では、 wsadmin ツールを基本アプリケーション・サーバー、デプロイメント・マネージャー、管理エージェント、またはジョブ・マネージャー・プロセスに接続することができます。基本アプリケーション・サーバーのポート、 またはジョブ・マネージャーに割り当てられたプロファイル名を指定しない場合、 wsadmin ツールは自動的に管理エージェントに接続します。

トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): アプリケーション管理設計は、 EE 仕様レベル EAR またはクライアントより高レベルのモジュールのインストールを 許可しません。wsadmin で実行されるクライアント・コードは EAR ファイルを読取り、その内容を使用して、アプリケーションに適用可能なデプロイメント構成 オプションを生成します。クライアント・サイド・コード は、そのクライアントがサポートするよりも高い仕様レベルを処理することはできません。gotcha

手順

  1. wsadmin スクリプト・クライアントを開始するコマンドを見つけます。

    [z/OS]スクリプト・プロセスを起動するコマンドは、app_server_root/bin ディレクトリー内にあります。 wsadmin.sh ファイルを使用します。

    [AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]以下から 1 つを選択します。
    • 特定のプロファイルを使用して、スクリプト・プロセスを起動します。 スクリプト・プロセスを起動する QShell コマンドは、 profile_root/bin ディレクトリー内にあります。 QShell スクリプトの名前は wsadmin です。 このオプションを使用する場合、-profileName profile_name パラメーターを指定する必要はありません。
    • デフォルト・プロファイルを使用して、スクリプト・プロセスを起動します。 wsadmin Qshell コマンドは、app_server_root/bin ディレクトリー内にあります。 デフォルト・プロファイルに接続したくない場合は、-profileName profile_name パラメーターを指定して使用したいプロファイルを示す必要があります。
  2. 柔軟な管理環境で、ベース・アプリケーション・サーバー、管理エージェント、 またはジョブ・マネージャーのプロセスのいずれに接続するかを決定します。
    • 管理エージェント・プロセスに接続する場合。
      wsadmin ツールを管理エージェントに接続して、サーバーの構成、処理、および管理を行います。 接続オプションを指定しない場合、 wsadmin ツールは自動的に管理エージェント・プロセスに接続します。以下のコマンドを使用して管理エージェントに接続します。
      wsadmin -lang jython
    • 基本アプリケーション・サーバー・プロセスに接続する場合。
      wsadmin ツールを基本アプリケーション・サーバーに接続して、対象のサーバーの設定を管理します。 この接続タイプは、1 つのサーバーを含み、管理エージェントに登録されたノードへ接続する場合に使用します。 基本アプリケーション・サーバーに接続するには、次のようなコマンドを使用します。
      wsadmin -conntype SOAP [-port 4213] -lang jython
    • ジョブ・マネージャー・プロセスに接続する場合。
      wsadmin ツールをジョブ・マネージャーに接続して、 管理ジョブをサブミット、モニター、および管理します。ジョブ・マネージャーに接続するには、次のようなコマンドを使用します。
      wsadmin -profileName JobMgr01 -lang jython
  3. wsadmin ツールの追加の接続オプションを検討します。
    wsadmin スクリプト・クライアントは、幾つかの異なる方法で開始することができます。 スクリプトを実行するための方法を指定するには、 以下のいずれかの wsadmin ツール・オプションを実行します。
    スクリプト・コマンドを対話式に実行します。

    wsadmin を、-f または -c 以外のオプションを指定するか、 オプションを指定しないで実行します。 wsadmin ツールが、wsadmin プロンプトによる対話シェルを起動して表示します。wsadmin プロンプトから、任意の Jacl または Jython コマンドを入力します。 AdminControl、AdminApp、AdminConfig、AdminTask、または Help の各 wsadmin オブジェクトを使用して、 コマンドを呼び出すこともできます。 対話式スクリプト・セッションを終了するには、 quit コマンドまたは exit コマンドを使用します。これらのコマンドは、引数を取りません。

    次の例では、wsadmin ツールを起動しています。
    • Jython を使用した wsadmin ツールの起動:
      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris][z/OS]
      wsadmin.sh -lang jython
      [IBM i]
      wsadmin -lang jython
      [Windows]
      wsadmin.bat -lang jython
    • Jython を使用した wsadmin ツールの起動 (セキュリティーが有効の場合):
      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris][z/OS]
      wsadmin.sh -lang jython -user user_name -password password
      [IBM i]
      wsadmin -lang jython -user user_name -password password
      [Windows]
      wsadmin.bat -lang jython -user user_name -password password
    • Jacl を使用した wsadmin ツールの起動 (オプションなし):
      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris][z/OS]
      wsadmin.sh -lang jacl
      [IBM i]
      wsadmin -lang jacl
      [Windows]
      wsadmin.bat -lang jacl
    個別のコマンドとしてスクリプト・コマンドを実行します。

    -c オプションを指定して wsadmin ツールを実行します。

    [AIX][HP-UX][Linux][Solaris][z/OS]wsadmin -c オプションを使用して、ドル記号の文字 ($) を含むコマンドを起動した場合、コマンド行は変数で置き換えようとします。 この問題を回避するには、円記号 (¥) を使用してドル記号をエスケープします。 例えば、wsadmin -c "¥$AdminApp install ..." のようにします。.

    次の例では、コマンドを個々に実行しています。
    • Jython を使用して AdminApp オブジェクトのリスト・コマンドを実行:
      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris][z/OS]
      wsadmin.sh -lang jython -c 'AdminApp.list()'
      [IBM i]
      wsadmin -lang jython -c "AdminApp.list()"
      [Windows]
      wsadmin -lang jython -c "AdminApp.list()"
    • Jacl を使用して AdminApp オブジェクトのリスト・コマンドを実行:
      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris][z/OS]
      wsadmin.sh -c "¥$AdminApp list"
      または
      wsadmin.sh -c '$AdminApp list'
      [IBM i]
      wsadmin -c "$AdminApp list"
      [Windows]
      wsadmin -c "$AdminApp list"
    スクリプトでスクリプト・コマンドを実行します。

    -f オプションを指定して wsadmin ツールを実行し、 実行するコマンドをファイル内に配置します。

    [z/OS]WebSphere Application Server for z/OS® では、Jacl および Jython コマンド・ファイルに複数のエンコードがサポートされています。 コマンド・ファイルのデフォルトのエンコードは ASCII です。EBCDIC でエンコードされたファイルを実行するには、次の Java 仮想マシン (JVM) 引数を、-javaoption フラグによって wsadmin.sh ファイルに追加します。
    -Dscript.encoding=Cp1047
    以下に例を示します。
    wsadmin.sh -javaoption -Dprofile.encoding=Cp1047
    この代わりに、ファイルの ASCII バージョンを参照する wsadmin.sh ファイルか、 ファイルの EBCDIC バージョンを参照する別の wsadmin.sh ファイルを使用することができます。 例えば、 wsadminE.sh ファイルに wsadmin.sh ファイルをコピーします。次に -Dscript.encoding=Cp1047wsadminE.sh ファイルに追加します。
    次の例では、 スクリプトを実行しています。
    • Jython を使用した a1.py スクリプトの実行:
      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris][z/OS]
      wsadmin.sh -lang jython -f  al.py
      [IBM i]
      wsadmin -lang jython -f  al.py
      [Windows]
      wsadmin -lang jython -f  al.py

      ここで、 a1.py ファイルには、以下のコマンドが含まれます。

      apps = AdminApp.list()
      print apps
    プロファイル・スクリプトのスクリプト・コマンドを実行します。

    プロファイル・スクリプト とは、メイン・スクリプトの前、 または対話モードに入る前に実行するスクリプトです。 プロファイル・スクリプトを使用して、ユーザー用またはインストール・システム 用にカスタマイズされたスクリプト環境をセットアップすることができます。

    [z/OS]WebSphere Application Server for z/OS では、Jacl および Jython プロファイル・スクリプトに複数のエンコードがサポートされています。 プロファイル・ファイルのデフォルトのエンコードは ASCII です。EBCDIC でエンコードされたプロファイル・スクリプト・ファイルを実行するには、次の Java 仮想マシン (JVM) 引数を wsadmin.sh ファイルに追加します。
    -Dprofile.encoding=Cp1047
    以下に例を示します。
    wsadmin.sh -javaoption -Dprofile.encoding=Cp1047
    この代わりに、ファイルの ASCII バージョンを参照する wsadmin.sh ファイルか、 ファイルの EBCDIC バージョンを参照する別の wsadmin.sh ファイルを使用することができます。 例えば、 wsadminE.sh ファイルに wsadmin.sh ファイルをコピーします。次に -Dprofile.encoding=Cp1047wsadminE.sh ファイルに追加します。
    デフォルトでは、以下のプロファイル・スクリプト・ファイルが app_server_root/properties/wsadmin.properties ファイル内の com.ibm.ws.scripting.profiles プロファイル・プロパティーのために構成されます。
    • app_server_root/bin/securityProcs.jacl
    • app_server_root/bin/LTPA_LDAPSecurityProcs.jacl

    デフォルトではこれらのファイルは ASCII です。profile.encoding オプションを使用して EBCDIC でエンコードされたプロファイル・スクリプト・ファイルを実行する には、ファイルのエンコード方式を EBCDIC に変更します。

    プロファイル・スクリプトでスクリプト・コマンドを実行するには、-profile オプションを指定して wsadmin ツールを実行し、実行対象のコマンドをプロファイル・スクリプトに組み込みます。

    スクリプト環境をカスタマイズする場合は、1 つ 以上のプロファイル・スクリプトを実行するよう指定します。

    プロファイルを作成する際には、ノード名に括弧を使用しないでください。

    次の例では、 プロファイル・スクリプトを実行しています。
    • Jython を使用した a1prof.py スクリプトの実行:
      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris][z/OS]
      wsadmin.sh -lang jython -profile alprof.py
      [IBM i]
      wsadmin -lang jython -profile alprof.py
      [Windows]
      wsadmin.bat -lang jython -profile alprof.py

      ここで、 a1prof.py ファイルには、以下のコマンドが含まれます。

      apps = AdminApp.list()
      print "Applications currently installed:¥n " + apps
    • Jacl を使用した a1prof.py スクリプトの実行:
      [AIX][HP-UX][Linux][Solaris][z/OS]
      wsadmin.sh -profile alprof.jacl
      [IBM i]
      wsadmin -profile alprof.jacl
      [Windows]
      wsadmin.bat -profile alprof.jacl

      ここで、 a1prof.py ファイルには、以下のコマンドが含まれます。

      set apps [$AdminApp list]
      puts "Applications currently installed:¥n$apps"

タスクの結果

wsadmin は、サーバー・プロセスへの接続を確立すると、次の出力を戻します。

Jython の出力例:
Applications currently installed:
 DefaultApplication
ivtAppqueryWASX70311: For help, enter: "print Help.help()"
wsadmin>
Jacl example output:
Applications currently installed:
 DefaultApplication
ivtAppqueryWASX70311: For help, enter: "$Help help"
wsadmin>
[z/OS]次のメッセージが出た場合:
[ Unable to allocate an initial java heap of 268435456 bytes. ]
[ **Out of memory, aborting** ]
[ *** panic: JVMST016: Cannot allocate memory for initial java heap ]
CEE5207E The signal SIGABRT was received.
wsadmin スクリプト・クライアントは開始できませんでした。これは、ログイン時の領域サイズが、Java 仮想マシン (JVM) で指定され、wsadmin の開始時に作成される最小ヒープ・サイズ (-Xms) の割り当てには不十分であるためです。wsadmin.sh ファイルのステートメント PERF_JVM_OPTIONS="-Xms256m -Xmx256m で指定されている、-Xms オプションのデフォルト値 は 256 MB です。この問題を解決するには、TSO からログアウトしてから再びログインし、ログイン画面で Size パラメーターの値を増やします。ログイン画面で Size パラメーターの値を増加できない場合は、パラメーター値の増加の妨げとなっている IEFUSI があるかどうかを確認します。

[z/OS]OMVS に telnet でログインしている場合、ログインで受け取るアドレス・スペース・サイズを判別するために使用される値は、 BPXPRMxx parmlib メンバーで指定されています。BPXPRMxx によって、完全な環境の z/OS UNIX が制御されます。このため、MAXASSIZE パラメーター用に設定されている値によって、アドレス・スペースのサイズが決まります。ただし、RACF を使用している場合は、このアドレス・サイズを個々のユーザー用にそれぞれの RACF OMVS セグメントで設定することもできます。この場合、ASSIZEMAX パラメーターに指定されている値は、そのユーザーのアドレス・スペース・サイズ制限 (バイト数) を示します。例えば、ASSIZEMAX=0268435456 の設定は、そのユーザーに割り当てられているアドレス・スペースが 256 MB であることを示します。


トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=txml_launchscript
ファイル名:txml_launchscript.html