JMSTransport ポリシーおよびバインディング・プロパティー
setPolicyType および setBinding コマンドで -attributes パラメーターを使用して、JMSTransport ポリシーおよびポリシー・セット・バインディングに追加の構成情報を指定します。 アプリケーション・ポリシー・セットでは、JMSTransport ポリシーおよびバインディングを使用できます。
AdminTask オブジェクトの PolicySetManagement グループにある以下のコマンドとパラメーターを使用して、ポリシー・セットの構成をカスタマイズします。
- ポリシーおよびバインディング構成のプロパティーを表示するには、getPolicyType コマンドおよび getBinding コマンドの -attributes パラメーターを使用します。属性を取得するには、プロパティー名を getPolicyType コマンドまたは getBinding コマンドに渡します。
- ポリシーおよびバインディング構成にプロパティーを追加したり、更新したり、プロパティーを除去するには、setPolicyType コマンドおよび setBinding コマンドの -attributes パラメーターを使用します。属性を追加したり、更新したりするには、プロパティーの名前と値を指定します。 setPolicyType コマンドおよび setBinding コマンドは、その属性が存在する場合は値を更新します。また、その属性が存在しない場合は属性と値を追加します。 属性を除去するには、空ストリング ("") で値を指定します。-attributes パラメーターがプロパティー・オブジェクトを受け入れます。
注: -attributes パラメーターに提供されたプロパティーの名前または値が無効な場合は、例外が発行されて setPolicyType コマンドと setBinding コマンドは失敗します。無効なプロパティーは、エラーまたは警告として SystemOut.log ファイルに記録されます。ただし、コマンドの例外に、その例外の原因となったプロパティーの詳細情報が含まれない場合があります。
setPolicyType コマンドと setBinding コマンドが失敗した場合は、SystemOut.log ファイルを調べて、-attributes パラメーターの入力に 1 つまたは複数の無効なプロパティーがあることを示す、エラー・メッセージまたは警告メッセージを探します。
注: このトピックでは、
1 つ以上のアプリケーション・サーバー・ログ・ファイルを参照します。推奨される代替案として、分散システムや IBM® i システムの SystemOut.log、SystemErr.log、trace.log、activity.log ファイルではなく、High Performance Extensible Logging (HPEL) ログおよびトレース・インフラストラクチャーを使用するようにサーバーを構成できます。また HPEL は、ネイティブ z/OS® ロギング機能と連携させて使用することができます。HPEL を使用する場合、LogViewer コマンド・ライン・ツールを
サーバー・プロファイルの bin ディレクトリーから使用して、すべてのログ・ファイルにアクセスし、
情報をトレースできます。HPEL の使用について詳しくは、HPEL を使用してのアプリケーションの
トラブルシューティングに関する情報を参照してください。

複合セル環境をサポートするために、WebSphere Application Server は、バージョン 7.0 およびバージョン 6.1 のバインディングをサポートします。セル・レベルの 汎用バインディングは、バージョン 7.0 以降に特化したものですが、アプリケーション固有のバインディングは、そのアプリケーションに必要なバージョンのままです。 ユーザーがアプリケーション固有のバインディングを作成すると、 アプリケーション・サーバーは、そのアプリケーションで使用する必要があるバインディング・バージョンを 判別します。
次のセクションでは、以下を構成するポリシーおよびバインディング・プロパティーについて説明します。
JMSTransport ポリシー・プロパティー
JMSTransport ポリシー・セットは、Java Message Service (JMS) を使用して要求および応答のメッセージを交換するアプリケーションに対して JMS トランスポートを構成する場合に使用します。
setPolicyType コマンドで以下の属性を指定して、JMSTransport ポリシーを構成します。
- requestTimeout
- 要求タイムアウト値を指定します。要求タイムアウト値とは、クライアントがサーバーへの要求の送信後に応答を待機する時間 (秒数) です。 デフォルト値は 300 秒です。ゼロ以下の整数値を指定すると、プロパティー requestTimeout は 300 秒のデフォルト値に設定されます。 このプロパティーに最大値はありません。
- allowTransactionalAsyncMessaging
- クライアントが片方向の要求か、非同期の両方向の要求のどちらでトランザクションを使用するかを指定します。 このプロパティーのデフォルト値は false です。 このプロパティーの値を true に設定すると、トランザクション・メッセージングが使用可能になります。 使用可能になると、クライアントがトランザクションの下で動作している場合、クライアント・ランタイムは、JMS トランスポートによってサーバーとの間で SOAP 要求および応答メッセージをトランザクションとして交換します。
- クライアント・トランザクションが宛先キューまたはトピックへの SOAP 要求メッセージの送信に使用され、サーバーではクライアントによるトランザクションのコミット後にのみ要求メッセージを受信します。 同様に、サーバーはコンテナー管理トランザクションの制御のもとで要求メッセージを受信し、該当する場合はその同じトランザクションを使用して、クライアントに応答メッセージを返送します。その後、クライアントではサーバー・トランザクションのコミット後に応答メッセージを受信します。
以下の setPolicyType コマンドの例では、各 JMSTransport バインディング・プロパティーに対して値を設定しています。
AdminTask.setPolicyType('[-policySet "JMS custom" -policyType JMSTransport
-attributes "[[requestTimeout 300][allowTransactionalAsynMessaging false]]"]')
JMSTransport バインディング・プロパティー
setBinding コマンドで以下の属性を指定して、JMSTransport バインディングを構成します。
- outRequestBasicAuth:userid
- アウトバウンド・サービス要求の基本認証のユーザー名を指定します。
- outRequestBasicAuth:password
- アウトバウンド・サービス要求の基本認証のパスワードを指定します。
以下の setBinding コマンドの例では、各 HTTPTransport バインディング・プロパティーに対して値を設定しています。
AdminTask.setBinding('[-bindingLocation "" -bindingName generalCellWideBind1
-policyType JMSTransport -attributes "[[outRequestBasicAuth:userid myID] [outRequestBasicAuth:password myPW]]"]')