コア・グループ・トランスポート

コア・グループ・メンバーは、特殊かつ専用のネットワーク・トランスポートを介して相互通信します。 複数のトランスポート実装がサポートされており、それぞれにその独自の利点と欠点があります。

以下のいずれかのタイプのトランスポートを使用して、コア・グループ・メンバー間の通信をセットアップできます。ただし、ユニキャスト・トランスポートについては非推奨のサポートであるため、可能な場合はチャネル・フレームワーク・トランスポートを使用してください。
  • チャネル・フレームワーク・トランスポート (デフォルトのトランスポート)
  • ユニキャスト・トランスポート

これらすべてのトランスポート・オプションでは、コア・グループ・メンバー間の通信に TCP/IP 接続が必要です。 高可用性ディスカバリー・プロトコルでは、これらの接続が必ずオープンされますが、 選択されたトランスポートが接続をオープンします。 さらにディスカバリー・プロトコルでは、 コア・グループ・メンバーごとに、そのコア・グループの他のすべてのメンバーへの接続がオープンされることが保証されるため、 実行中のすべてのコア・グループ・メンバーが TCP/IP を介して完全に接続されます。

各コア・グループ・メンバーには、DCS_UNICAST_ADDRESS と呼ばれる構成済みのエンドポイントがあります。 このエンドポイントには、コア・グループ・メンバーが TCP/IP 接続を listen する場所を示す、 ホストとポートの情報が含まれています。

チャネル・フレームワーク・トランスポート

チャネル・フレームワーク・トランスポートは、最も柔軟で拡張が容易なトランスポート・オプ ションであり、ほとんどのトポロジーで最適のオプションです。 チャネル・フレームワーク・トランスポートは、コア・グループ接続にほとんどのセキュリティー・オプションを提供します。 しかし、チャネル・フレームワーク・トランスポートの拡張機能では、パフォーマンスが若干低下します。 このパフォーマンスへの影響は、 複製スループットを第一の目的とする、最も要求が厳しいトポロジーの場合の問題です。

チャネル・フレームワーク・トランスポートは、コア・グループ・メンバー接続のデフォルト・トランスポート・タイプです。 チャネル・フレームワーク・トランスポートを使用すると、 すべての通信が直接コア・グループの TCP/IP 接続を介して行われます。 接続をオープンし、データを送受信する作業は、チャネル・フレームワーク・トランスポートと、 関連したチャネル実装が代行します。

例えば、配布および一貫性サービス (DCS) メッセージ用にチャネル・フレームワーク・トランスポートを使用するには、 DCS_UNICAST_ADDRESS エンドポイントの他に、 DCS トランスポート・チェーン (これはデフォルトです) または DCS_SECURE トランスポート・チェーンのいずれかを構成する 必要があります。 DCS トランスポート・チェーンは、ネットワーク通信に TCP チャネルを使用します。 DCS_SECURE トランスポート・チェーンには、 暗号化通信サポートを追加するために、TCP チャネルと Secure Sockets Layer (SSL) チャネルの両方が組み込まれて います。

チャネル・フレームワーク機能は、接続管理のための共通モデルを提供します。 また、この機能には、トランスポート・チェーンに結合できるさまざまなチャネルを実装するためのサポートが含まれています。 さまざまなタイプのチャネルを結合する機能を使用すると、 カスタム・トランスポート・チェーンを作成できます。 チャネル・フレームワーク機能では、ポート共有もサポートされます。 これにより、将来のカスタマイズをさらに柔軟に行うことができるようになります。

チャネル・フレームワーク・トランスポートを使用する場合、 コア・グループ・ネットワーク接続を保護する 2 つの異なるメカニズムが使用可能です。
  1. 製品で管理セキュリティーが使用可能な場合は、Lightweight Third-party Authentication (LTPA) トークンを使用して すべての着信接続要求を認証します。
  2. SSL バージョンのトランスポート・チェーンが選択された場合は、SSL を使用してすべての通信を暗号化します。

これらのメカニズムを別々に、または組み合わせて使用すると、 最高水準のセキュリティーが可能になります。

ユニキャスト・トランスポート

非推奨の機能 (Deprecated feature) 非推奨の機能 (Deprecated feature): ユニキャスト・トランスポートのサポートは、推奨されません。可能な限り、使用するトランスポート・タイプに合ったチャネル・フレームワーク・トランスポートを使用してください。depfeat

ユニキャスト・トランスポートの通信メカニズムは、 チャネル・フレームワーク・トランスポートの通信メカニズムに似ています。 すべての通信は、コア・グループの TCP/IP 接続を介して行われます。 主な違いは、トランスポート・チェーンの代わりに標準ネットワーク接続が確立され、 それを使用してコア・グループ・メンバー間の通信が実行されることです。

ユニキャスト・トランスポートはチャネル・フレームワークを介さないため、 チャネル・フレームワーク・トランスポートよりも多少高速です。 このパフォーマンスの改善は、メモリー間の複製を多く使用するトポロジー、および チャネル・フレームワーク・トランスポートを使用して得られるスループットが不適切なトポロジーで役立つ場合があり ます。

内部ベンチマークによると、チャネル・フレームワーク・トランスポートではなく、 ユニキャスト・トランスポートを使用することでスループットが向上していることがわかります。 しかし、このパフォーマンス向上は、追加の一時ポートの使用により得られるものです。

ユニキャスト・トランスポートでは、 チャネル・フレームワーク・トランスポートと比べてセキュリティー・オプションの数が少なくなります。 チャネル・フレームワーク・トランスポートの場合と同様に、製品で 管理セキュリティー が使用可能な場合は、 LTPA トークンを使用してすべての着信接続要求を認証します。ただし、ユニキャスト・トランスポートの場合、SSL 暗号化オプションは使用できません。

ユニキャスト・トランスポートは、基本的なセキュリティーを使用し、最適なパフォーマンスを 提供します。 チャネル・フレームワーク・トランスポートで提供される柔軟性と引き換えに、 パフォーマンスが向上します。 SSL 暗号化通信を構成したり、カスタム・トランスポート・チェーンを作成したりすることはできなくなります。 ただし、一般的なアプリケーション・サーバー環境では、 ユニキャスト・トランスポートにより、メモリー間のセッション複製などの機能に対して最適なパフォーマンスが提供されます。

ユニキャスト・トランスポートでは、チャネル・フレームワーク・トランスポートより多くの一時ポートが使 用されるため、コア・グループ・サイズの増加に伴い、チャネル・フレームワーク・トランスポートほど 順調に拡大するとは限りません。


トピックのタイプを示すアイコン 概念トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=crun_ha_transprotocol
ファイル名:crun_ha_transprotocol.html