クラスターへのメンバーの追加

クラスターを使用して、複数のアプリケーション・サーバーを含む環境でワークロードのバランスを取ることができます。

始める前に

環境に定義済みのクラスターがまだない場合は、クラスターを作成します。

このタスクについて

前のバージョンの製品からマイグレーションする場合は、セル内の一部のノードをアップグレードし、それ以外のノードは前のリリース・レベルのままにしておくことができます。 その間、前のリリース・レベルのサーバー、および現行リリースで実行されているサーバーを同一のセルで管理することになります。

クラスターを作成する際には、最初のクラスター・メンバーを配置するノードを指定します。 混合セル環境では、そのノード・グループの任意のサーバーで新規クラスター・メンバーを作成することができます。 例えば、クラスターが属するノード・グループがバージョン 7.0 ノードとバージョン 6.1 ノードで構成されている場合は、 バージョン 6.1 ノードまたはバージョン 7.0 ノードのいずれかのサーバーを使用して、新規クラスター・メンバーを作成できます。

トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): クラスターにメンバーを追加すると、デプロイメント・マネージャー・プロファイルと管理対象プロファイル (クラスター・メンバー) が同じ LPAR にある場合、 その新規クラスター・メンバー用の仮想ホストが自動的に構成されます。したがって、このシチュエーションでは、新規クラスター・メンバー用の仮想ホストにホスト別名ポートが自動的に追加されます。 しかし、デプロイメント・マネージャー・プロファイルと 管理対象プロファイルが別々の LPAR にある場合は、新規クラスター・メンバー用の 仮想ホストを手動で構成する必要があります。gotcha

新規クラスター・メンバーの作成、既存のクラスター・メンバーに関する情報の表示、または既存のクラスター・メンバーの管理を行うには、以下の手順を実行します。

手順

  1. 管理コンソールで、「サーバー」>「クラスター」>「WebSphere Application Server クラスター」>cluster_name>「クラスター・メンバー」とクリックします。 「クラスター・メンバー」ページにはクラスターのメンバーがリストされ、それぞれのメンバーごとに以下の項目が示されます。
    • メンバーが存在するノード。
    • アプリケーション・サーバーのバージョン。 この情報は、クラスターが混合クラスターであるかどうかを指定します。
    • メンバーの構成済みウェイト。
    • メンバーの実行時ウェイト。 このウェイトは、このクラスター・メンバーに現在指図されているワークロードの比率を示します。
    • メンバーが始動済みであるか、停止済みであるか、または問題が発生しているか。
  2. 新規」をクリックして、新規クラスター・メンバーを作成します。

    新規」をクリックすると、「Create a new cluster member」ウィザードが開始します。 このウィザードを使用して、構成済みクラスターに新規メンバーを追加します。

    ユーザーが作成する最初のクラスター・メンバーのコピーは、 クラスター・データの一部として保管され、 作成するすべての追加クラスター・メンバーに対するテンプレートになります。通常は、クラスターに追加するクラスター・メンバーの作成に使用できるテンプレートは 1 つのみです。ただし、クラスターに製品のバージョンが異なるノードが含まれている場合は、 バージョンごとに異なるテンプレートがあります。例えば、クラスターにバージョン 6.1 ノードと バージョン 7.0 ノードの両方のクラスター・メンバーが含まれている場合、クラスターには 2 つのテンプレートがあります。バージョン 6.1 テンプレートは、バージョン 6.1 ノードに追加のクラスター・メンバーを作成するときに使用され、バージョン 7.0 テンプレートは、バージョン 7.0 ノードに追加のクラスター・メンバーを作成するときに使用されます。

    新規クラスター・メンバーの作成に使用可能なクラスター・メンバー・テンプレートを表示するには、管理コンソールで、 「サーバー」>「クラスター」>「WebSphere Application Server クラスター」> 「cluster_name」 >「クラスター・メンバー」>「テンプレート」をクリックします。

    1. クラスター・メンバーとして定義するアプリケーション・サーバーの名前を指定します。 この名前はノード内で固有でなければなりません。
    2. クラスター・メンバーのノードを選択します。
    3. [z/OS]このクラスター・メンバーのショート・ネームを指定します。 ショート・ネームはデフォルトのジョブ名であり、Workload Manager (WLM)、 自動リスタート・マネージャー、RACF®、開始済みタスク制御など、オペレーティング・システム固有の機能に対して クラスター・メンバーを指示します。
    4. サーバーのウェイトを指定します。

      指定したウェイト値は、アプリケーション・サーバーに送信される要求の数を制御します。サーバーのウェイトとして 0 から 20 までの値を指定しても、クラスターのメンバーとしてサーバーに与えられるウェイトは、サーバーに割り当てられたウェイトとクラスターのすべてのメンバーのウェイトの合計に基づいた比率になります。 この比率において、サーバーに割り当てられたウェイトは分子であり、クラスターのすべてのメンバーのウェイトの合計は分母です。

      新規メンバーをクラスターに追加すると、そのクラスター内の各サーバーに送信されるクライアントまたはアプリケーション要求の数は減少します (クラスターに着信する要求の数が同一であると仮定した場合)。同様に、クラスターから新規メンバーを除去すると、そのクラスター内の各サーバーに送信されるクライアントまたはアプリケーション要求の数は増加します (クラスターに着信する要求の数が同一であると仮定した場合)。

      例えば、メンバー A、B、および C から構成されるクラスターがあり、 それぞれのウェイトが 2、3、および 4 である場合、要求の 2/9 はメンバー A に割り当てられ、 3/9 はメンバー B に、4/9 はメンバー C に割り当てられます。 新規メンバー D がこのクラスターに追加され、メンバー D のウェイトが 5 であれば、 メンバー A は要求の 2/14 を取得し、メンバー B は 3/14、メンバー C は 4/14、メンバー D は 5/14 を取得することになります。

      [z/OS]z/OS® では、一部のワークロード・タイプのバランスを取るためにウェイトが使用されますが、そのほかでは z/OS システムによってバランスが保たれます。
      • HTTP 要求の場合、HTTP トラフィックを Web サーバー・プラグイン とクラスター化されたアプリケーション・サーバーを処理するコントローラーとの間で 分散するためにウェイトが使用されます。HTTP トラフィックを受信するアプリケーション・サーバーには高いウェイト値を割り当てます。
      • Web サービスの呼び出しの場合、情報はあるアプリケーション・サーバーのサーバントから別のアプリケーション・サーバーのコントローラーに転送されます。 呼び出しを受信するアプリケーション・サーバーは、最も高いウェイト値を持ちます。
      • ウェイトは Internet Inter-ORB Protocol (IIOP) 要求に何の影響も与えません。 IIOP 要求は、シスプレックス・ディストリビューターを使用して正しいアプリケーション・サーバーに配布されます。
      トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): サービス統合に伴うワークロード・バランシング、またはアプリケーション・サーバーのメッセージ駆動型 Bean に伴うワークロード・バランシングの場合は、追加の構成が必要となります。 詳しくは、「サービス統合の高可用性とワークロードの共有を構成する」のトピックを参照してください。gotcha
    5. 固有の HTTP ポートを生成するかどうかを指定します。
    6. 「メンバーの追加」をクリックして、そのクラスター・メンバーの定義を完了します。 このクラスターの最初のクラスター・メンバーは、このクラスター・メンバーに対するテンプレートとして使用されます。 これらのステップを繰り返すと、別のクラスター・メンバーも定義できます。
    7. 追加クラスター・メンバーの定義が終了したら、新規クラスター・メンバーの要約情報を検討します。 新規メンバーのプロパティー設定のいずれかで変更が必要な場合は、そのクラスター・メンバーを選択し、「編集」をクリックします。 プロパティー設定の変更が終了したら、「メンバーの更新」をクリックして変更を保存します。
    8. 新規クラスター・メンバーの定義を終了したら、「次へ」をクリックしてクラスターの要約ページを表示し、次に、「終了」をクリックし、それらの新規クラスター・メンバーを作成します。
  3. 検討」をクリックし、「変更をノードと同期する」を選択してから、 「保存」をクリックして変更内容を保存します。

タスクの結果

これで、既存のサーバー・クラスターのメンバーであるアプリケーション・サーバーが作成されました。

次のタスク

新規メンバーを作成したときに、固有ポートの生成を選択した場合、 新規サーバーで使用する予定の仮想ホストの別名リストを更新します。

また、以下のアクションも実行できます。

  • 管理コンソールの「クラスター・メンバー」ページで、クラスター・メンバーの 1 つの名前をクリックし、そのクラスター・メンバーの構成設定を検証します。 不適切な設定があれば、すべて変更できます。

    例えば、 クラスター・メンバーの開始プロセス中にすべてのクラスター・メンバー・コンポーネントを開始する必要がない 場合は、「必要に応じてコンポーネントを開始 (Start components as needed)」を選択することもできます。 これは新しいクラスター・メンバーの作成時は自動的には選択されません。 このプロパティーを選択すると、クラスター・メンバー・コンポーネントは必要に応じて動的に開始されます。 このプロパティーを選択しないと、開始プロセス中にすべてのクラスター・メンバー・コンポーネントが開始されます。つまり、このプロパティーを選択すると、開始プロセス時に開始される コンポーネントが少なくなるため、一般的に開始時のパフォーマンスが向上します。

  • 「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「WebSphere Application Server」 > server_nameとクリックするか、「サーバー」>「クラスター」>「WebSphere Application Server クラスター」>cluster_name>「クラスター・メンバー」>cluster_member_name」とクリックして、以下のいずれかのタスクを実行します。
    • このクラスター・メンバーの追加アプリケーション・サーバー・プロパティーを指定します。
    • 「インストールされているアプリケーション」をクリックします。
  • [AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]バックアップ・クラスターを作成する。
  • クラスターを始動する。
  • スクリプトを使用して、クラスター・メンバーを追加する作業を自動化する。

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ファイル名:trun_wlm_member.html