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WebSphere Application Server から CICS にインポートされたトランザクションのモニター
このタスクについて
グローバル・トランザクションで実行中の WebSphere® Application Server コンポーネントから、TXN=Y パラメーターで始動した CICS® リンク・サーバーへ要求が出される場合、グローバル・トランザクションは CICS に伝搬されます。
トランザクションのブランチが CICS によって新しく作成され、WebSphere はコーディネーターとして、CICS は従属するものとして機能します。トランザクション・ブランチ全体の表記は CICS で作業単位 (UOW) として定義され、コーディネーターの表記は CICS で作業リンク単位 (UOWLINK) として定義されます。
CICS リンク・サーバーはこの UOWLINK にマークを付けるため、それとシステム上の他の UOWLINK を区別し、発信元 WebSphere サーバー、およびブランチ作成に使用する最適化されたローカル・アダプターの登録に、トレースバックできます。
UOWLINK には、以下のフィールドを設定します。
- ロール
WebSphere は、UOW 全体の結果を調整しているため、coordinator に設定します。
- タイプ
IIOP に設定します。IIOP コーディネーターおよびリソース・モデルが、WebSphere コーディネーターと CICS 従属との関係を最もよく表しています。
- ホスト調整を行う WebSphere サーバーを記述するストリングに設定します。ストリング構文は次のようになります。
ここで、DGN はデーモン・グループ名、NDN はノード・ショート・ネーム、そして SVN は、トランザクションを調整している WebSphere Application Server のサーバー・ショート・ネームです。RGN は、トランザクション・ブランチの作成に使用されるリンク・サーバーの登録名です。WOLA:<DGN>/<NDN>/<SVN>:<RGN>
以下の例の値、
は、ノード SY1、デーモン・グループ SY1 の WebSphere サーバー BBOS001 がトランザクションを開始し、リンク・サーバー MYLINKSERVER を使用する CICS にインポートされたことを示します。WOLA:SY1/SY1/BBOS001:MYLINKSERVER
EXEC CICS INQUIRE UOW API および EXEC CICS INQUIRE UOWLINK API を CICS プログラム内から使用して、これらの CICS 従属ブランチの状況をモニターできます。
CICS 提供の CEMT トランザクションは、上記の API を使用して、現在 CICS が認識している UOW を表示します。同期点処理中にエラーが発生した場合は、特定の UOW に関して照会できます。この状態の例は、グローバル・トランザクションが in-doubt または 2 フェーズ・コミットのフェーズ 1 と 2 の間にあるときに、CICS UOW を実行中のタスクが異常終了した場合です。CEMT INQUIRE UOW トランザクションの出力例は以下のようになります。
| INQUIRE UOW |
| STATUS: RESULTS - OVERTYPE TO MODIFY |
| Uow(C5B2837D664B4D25) Inf Act Tra(CSOL) Tas(0000003) |
| Age(00000373) Use(CICSUSER) |
| Uow(C5B2837DCB24B56B) Inf Act Tra(CSSY) Tas(0000005) |
| Age(00000373) Use(CICSUSER) |
| Uow(C5B2837DCB2B046B) Inf Act Tra(CSSY) Tas(0000006) |
| Age(00000373) Use(CICSUSER) |
| Uow(C5B2837DDE3D9C96) Inf Act Tra(CSTP) Tas(0000008) |
| Age(00000373) Use(CICSUSER) |
| Uow(C5B28380EF477F93) Inf Act Tra(CSHQ) Tas(0000020) |
| Age(00000370) Use(CICSUSER) |
| Uow(C5B2839DD76D01D5) Inf Act Tra(CSNE) Tas(0000021) |
| Age(00000339) Use(CICSUSER) |
| Uow(C5B284C7C4C9535B) Inf Act Tra(OLAT) Tas(0000043) |
| Age(00000027) Ter(L320) Netn(L320 ) Use(CICSUSER) |
| Uow(C5B284C7C81DB991) Inf Act Tra(BBO$) Tas(0000044) |
| Age(00000027) Use(CICSUSER) |
|+ Uow(C5B284C82EAF3BE0) Ind Shu Tra(BBO#) Tas(0000047) |
| Age(00000026) Use(CICSUSER) |
| |
| SYSID=CICS APPLID=CICSHTH3 |
| RESPONSE: NORMAL TIME: 14.13.08 DATE: 03.18.10 |
|PF 1 HELP 3 END 5 VAR 7 SBH 8 SFH 9 MSG 10 SB 11 SF
この例では、UOW C5B284C82EAF3BE0 は in-doubt (省略形「Ind」で表示) であり、また shunted (省略形「Shu」で表示) でもあります。UOW を実行中のタスクが使用できなくなったため、UOW は中断されました。原因は、タスクが異常終了したか、前の CICS インスタンスからの UOW が存在するかのいずれかです。カーソルをこの UOW 上に置いて「Enter」をクリックすると、以下のように、UOW についてさらに詳しく表示されます。| INQUIRE UOW |
| RESULT - OVERTYPE TO MODIFY |
| Uow(C5B284C82EAF3BE0) |
| Uowstate( Indoubt ) |
| Waitstate(Shunted) |
| Transid(BBO#) |
| Taskid(0000047) |
| Age(00000047) |
| Termid() |
| Netname() |
| Userid(CICSUSER) |
| Waitcause() |
| Link() |
| Sysid() |
| Netuowid(..MCLNT2L.CICSHTH3.dH......) |
| Otstid(.......O.b...... .Ep6E3.S....m.............O.b...... .Ep6E3.S....) |
| Otstid(m..........................) |
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| |
| SYSID=CICS APPLID=CICSHTH3 |
| TIME: 14.13.28 DATE: 03.18.10 |
|PF 1 HELP 2 HEX 3 END 5 VAR 7 SBH 8 SFH 10 SB 11 SF
重要: Transid は BBO# で、これは CICS リンク・タスクのデフォルトのトランザクション ID です。UOW が in-doubt のままである理由を判別するには、この UOW の UOWLINK オブジェクトを調べて、コーディネーターが存在するかどうかを確認します。
以下の例は、CEMT INQUIRE UOWLINK の出力です。
UOW C5B284C82EAF3BE0 に対して UOWLINK は 1 つあります。これは IIOP タイプのリンクで、省略形「Iio」で表されます。また、OTS コーディネーター・リンクで、省略形「Coo Ots」で表されます。カーソルをこの UOWLINK 上に置いて「Enter」をクリックすると、以下のように、この UOWLINK の詳細が表示されます。| INQUIRE UOWLINK |
| STATUS: RESULTS - OVERTYPE TO MODIFY |
| Uowl(01020001) Uow(C5B284C7C4C9535B) Rmi Lin(BBOATRUE) |
| Unk Net(..MCLNT2L.L320.dGDI........) |
| Uowl(01030001) Uow(C5B284C7C81DB991) Rmi Lin(BBOATRUE) |
| Unk Net(..MCLNT2L.CICSHTH3.dGH.....) |
| Uowl(01010003) Uow(C5B284C82EAF3BE0) Rmi Lin(BBOATRUE) |
| Sub Net(..MCLNT2L.CICSHTH3.dH......) |
| Uowl(01040001) Uow(C5B284C82EAF3BE0) Iio |
| Coo Ots Net(..MCLNT2L.CICSHTH3.dH......) |
| Uowl(01000002) Uow(C5B284E2AEAA9951) Rmi Lin(BBOATRUE) |
| Unk Net(..MCLNT2L.CICSHTH3.dS..r...) |
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| SYSID=CICS APPLID=CICSHTH3 |
| RESPONSE: NORMAL TIME: 14.13.38 DATE: 03.18.10 |
|PF 1 HELP 3 END 5 VAR 7 SBH 8 SFH 9 MSG 10 SB 11 SF |
|
| INQUIRE UOWLINK |
| RESULT - OVERTYPE TO MODIFY NOT FOUND |
| Uowlink(01040001) |
| Uow(C3F5C2F2F8F4C3F8) |
| Type(Iiop) |
| Link() |
| Action( ) |
| Role(Coordinator) |
| Protocol(Ots) |
| Resyncstatus() |
| Sysid() |
| Rmiqfy() |
| Netuowid(..MCLNT2L.CICSHTH3.dH......) |
| Urid() |
| Host(WOLA:PLEX1/SY1/BBOS001:OLASERVER) |
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| SYSID=CICS APPLID=CICSHTH3 |
| TIME: 14.13.46 DATE: 03.18.10 |
|PF 1 HELP 2 HEX 3 END 5 VAR 7 SBH 8 SFH 10 SB 11 SF |
重要: この画面では、Uow() フィールドは EBCDIC テキストから 16 進表記に変換されているため、前の画面と一致しません。例えば、C3=C、F5=5、および C2=B です。コーディネーターを表すホストは WOLA:PLEX1/SY1/BBOS001:OLASERVER です。これは、コーディネーターが WOLA、つまり WebSphere Optimized Local Adapters であることを示しています。接続先のサーバーは BBOS001 で、デーモン・グループ PLEX1 のノード SY1 にあります。このトランザクション・ブランチの作成に使用されている登録名は OLASERVER です。この UOW は、サーバー BBOS001 がこの UOW の結果を配信するまで待機する必要があります。
CEMT トランザクションについて詳しくは、CICS Transaction Server for z/OS® バージョン 4.1 インフォメーション・センターの『CEMT INQUIRE コマンド (CEMT INQUIRE command)』トピックを参照してください。EXEC CICS INQUIRE UOW および EXEC CICS INQUIRE UOWLINK の各 API コマンドについて詳しくは、CICS Transaction Server for z/OS バージョン 4.1 インフォメーション・センターの『システム・コマンド (System Commands)』トピックを参照してください。