アプリケーションが複数ある状況で JSR 289 Application Router を使用した場合のチューニング考慮事項

アプリケーションが複数ある状況で JSR 289 Application Router を使用する場合は、チューニング考慮事項を活用して過負荷状態やエラー状態を回避してください。

注: このトピックでは、 1 つ以上のアプリケーション・サーバー・ログ・ファイルを参照します。推奨される代替案として、分散システムや IBM® i システムの SystemOut.logSystemErr.logtrace.logactivity.log ファイルではなく、High Performance Extensible Logging (HPEL) ログおよびトレース・インフラストラクチャーを使用するようにサーバーを構成できます。また HPEL は、ネイティブ z/OS® ロギング機能と連携させて使用することができます。HPEL を使用する場合、LogViewer コマンド・ライン・ツールを サーバー・プロファイルの bin ディレクトリーから使用して、すべてのログ・ファイルにアクセスし、 情報をトレースできます。HPEL の使用について詳しくは、HPEL を使用してのアプリケーションの トラブルシューティングに関する情報を参照してください。
複数のアプリケーションをデプロイするとき、単一のアプリケーション・サーバーまたはサーバー・クラスターに対して過密な SIP プロトコル・トラフィックが存在すると、以下のエラーをログ・ファイルで見ることがあります。
  • 予想外で過剰な SIP アプリケーション 503 サーバー利用不可エラー・メッセージ
  • プロキシーおよびサーバー過負荷エラー
注: これらのエラー・メッセージは、デプロイするアプリケーションが 1 つのときは生成されません。
プロキシー・サーバーと Session Initiation Protocol (SIP) コンテナーは、システムを通過するメッセージの量を追跡しているときは同期されません。 アプリケーション・ルーターを使用して、アプリケーション間での複数メッセージの経路指定が行われることがあります。 これらのメッセージが生成されると、プロキシー・サーバーを通過しなくてもコンテナー・メッセージ・カウンターは増加します。
以下の条件が成り立つときは、この問題を診断することができます。
  • 過密な SIP プロトコル・トラフィックが存在する。
  • 複数のアプリケーションが単一のノードまたはクラスターにデプロイされている。

プロキシー・サーバーまたはアプリケーション・サーバーの SystemOut.log ログ・ファイル、あるいはその両方の SystemOut.log ログ・ファイルで、プロキシー・サーバー、アプリケーション・サーバー、またはその両方で予期しない過負荷条件が検出されたかどうか調べてください。 さらにまた、SIP アプリケーションからログに記録された 503 サーバー利用不可メッセージがないかどうかも調べてください。

問題の解決

メッセージは、プロキシー・サーバーに送られる前に、SIP コンテナーのアプリケーション間で共有されます。 このようなエラー・メッセージや SIP パフォーマンスの低下を回避するためには、アプリケーションが複数ある状況でアプリケーション・ルーターを使用したときに生成されるさらなる SIP メッセージも考慮するよう SIP コンテナーを調整してください。 SIP コンテナーを調整するには、管理コンソールで以下のステップを実行します。
  1. 「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」の順に展開し、「WebSphere Application Server」 > server_name をクリックします。
  2. コンテナー設定」で、「SIP コンテナー設定」を展開し、「SIP コンテナー」をクリックします。
  3. SIP アプリケーション・ルーターが生成するメッセージの予想される増加数を補うように「平均期間あたりの最大メッセージ数」の値を増やします。
  4. 増やした「平均期間あたりの最大メッセージ数」値を補うように「最大アプリケーション・セッション数」の値を増やします。

プロキシー・サーバーはサーバーで生成されるメッセージの量を検出できません。 ただし、次の設定を変更すると、コンテナーごとにデプロイされるアプリケーションの数に対するコンテナーでのメッセージング能力が増大することがあります。

表 1. DAR および CAR SIP コンテナー・チューニング値.

次の表は、コンテナーごとにデプロイされるアプリケーションの数に対する DAR および CAR SIP コンテナー・チューニング値をリストしたものです。

SIP コンテナー SIP アプリケーションが 1 つだけデプロイされた場合 SIP アプリケーションが 3 つデプロイされた場合
平均期間あたりの最大メッセージ数 value = 26640 value = 79920
最大アプリケーション・セッション数 value = 36000 value = 96000
注:平均期間あたりの最大メッセージ数」フィールドと「最大アプリケーション・セッション数」フィールドの値は、処理能力、メモリー、およびデプロイされたアプリケーションによって決まります。 これらのフィールドについては、SIP コンテナー設定のトピックにリストされている値を使用して、ご使用の環境の要件を満たすように調整してください。

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ファイル名:ccea_sipapprouter_tuning.html