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マルチクラスター・フェイルオーバーおよびロード・バランシング・ルーティングの オンデマンド・ルーターの構成

別のクラスターに要求をルーティングするようにオンデマンド・ルーター (ODR) を構成するには、マルチクラスター・フェイルオーバーおよびロード・バランシングのルーティング・ポリシーにカスタム・プロパティーを使用します。 プライマリー・クラスターで障害が起こった場合、環境内の複数クラスター間で負荷を分散する場合、または特定のクラスターに要求を送付する場合は、別のセル内のクラスターに要求をルーティングします。

始める前に

  • セルに対して ODR を作成します。詳しくは、『ODR の作成』を参照してください。
  • マルチクラスター・ポリシーのクラスター およびアプリケーションを構成してデプロイします。
  • クラスターが 異なるセルにある場合、セルが通信できるようにコア・グループ・ブリッジを構成するか、 汎用サーバー・クラスター定義を使用します。

このタスクについて

フェイルオーバーおよびロード・バランシングにはマルチクラスター・ルーティング・ポリシーを使用してください。 マルチクラスター・フェイルオーバーでは、プライマリー・クラスターでの障害発生時にワークロードを引き継ぐ クラスターを指定することができます。ロード・バランシング・ルーティングでは、 複数クラスター間で要求の負荷を分散することができます。

手順

  1. マルチクラスター・ルーティング・ポリシーのカスタム・プロパティーを作成します。 管理コンソールで、「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「オンデマンド・ルーター」 > ODR_name > 「オンデマンド・ルーター・プロパティー」 > 「オンデマンド・ルーター設定」 > 「カスタム・プロパティー」 > 「新規」とクリックします。
  2. 名前」フィールドにマルチクラスター・ルーティング・ポリシーの名前を入力します。 名前は、トークン MCRP@ ストリングで開始する必要があります。「名前」フィールドの完全な構文規則は以下のとおりです。
    MCRP@cell_name[$application_name[$web_module_name[$cluster_name]]]
    注: マルチクラスター・フェイルオーバーおよびロード・バランシング・ルーティング・ポリシーを構成する場合の推奨は、カスタム・プロパティーを通じてまだ構成していない限り、wsadmin タスクを通じて行われます。 詳しくは、『ODR ルーティング・ポリシー・ルールの管理用タスク』を参照してください。
    表 1. 「名前」フィールド構文のコンポーネント
    オプション 説明
    MCRP カスタム・プロパティーがマルチクラスター・ルーティング・ ポリシー (MCRP) となるよう指定します。このプレフィックスは大文字で指定する 必要があります。
    @ 必須シンボル。 このシンボルは、ポリシー名とセルの間の分離文字です。 この構成では通常、ポリシー名属性とセル名を分離するためにこの文字が使用されます。
    cell_name セルの名前を指定します。 このセルは、WebSphere® Application Server を実行する有効なセルである必要があります。 大/小文字およびスペルは、WebSphere Application Server 構成と一致する必要があります。
    $ WebSphere Application Server の各オブジェクトを分離します。
    application_name ファイル拡張子を除いたアプリケーション名を指定します。 例えば、エンタープライズ・アプリケーション名が StockTrade.ear である場合、application_name 値として StockTrade を指定します。
    web_module_name .war ファイル拡張子を除いた Web モジュール名を 指定します。
    cluster_name アプリケーションをデプロイする クラスター名を指定します。
    [ ] オプションの変数を示します。

    以下は、「名前」フィールドの例です。

    次の名前は、myCell01 内のすべてのアプリケーションに対するポリシーを構成するために使用されます。

    MCRP@myCell01

    次の名前は、myApplicationmyWebModule に対するポリシーを構成するために使用されます。

    MCRP@myCell01$myApplication$myWebModule

    次の名前は、myApplication のすべての Web モジュールに対するポリシーを構成するために使用されます。

    MCRP@myCell01$myApplication
    次の名前は、myWebModule がマップされる先の myCluster1 に対するポリシーを構成するために使用されます。
    MCRP@myCell01$myApplication$myWebModule$myCluster
  3. 」フィールドに値を入力します。 「値」フィールドの完全な構文規則は以下のとおりです。
    policy_type@cell_name1$cluster_name1[,cell_name2$cluster_name2,...]
    表 2. 「値」フィールド構文のコンポーネント
    オプション 説明
    policy_type

    policy_type 値は大/小文字を区別しません。failoverwlor、 または wrr の各値は、大文字または小文字のいずれでも指定できます。

    有効な値:

    フェイルオーバー: 「名前」フィールドで指定されたセル内にあるアプリケーションの Web モジュールの 要求が失敗した場合、その要求は @ シンボルの後の「」フィールドで 指定されたセルおよびクラスターにフェイルオーバーします。プライマリー・セルがダウンした場合、要求は構成されたセルおよびクラスターのみに 送付されます。セルの状況は、「サービス使用不可」を表す HTTP 状況コード 503 によって 示されます。

    wlor: 重み付き最小の未処理要求ロード・バランシング・ ポリシーを指定します。このポリシーは、ODR がアクティブになると有効となり、 そのカスタム・プロパティー構成を読み取ります。このロード・バランシング・ポリシーでは、重みだけでなく、クラスターに存在する未処理の HTTP 要求数も考慮します。このポリシーの場合、要求がそれを処理できるクラスターにさらに効果的に分散されます。wrr よりも wlor のほうが推奨されます。

    新しい重み値は、Dynamic Work Load Manager (DWLM) から 15 秒ごとに取得され、アプリケーション・レベルの応答時間が考慮の対象となります。mcrp.ui システム・プロパティーを使用して、新規の更新時間を秒単位で 指定します。
    注: ODR のデフォルトの動作では、要求が既存の ODR ルーティング・ルールに一致しない場合、または ODR ルーティング・ルールが存在しない場合に、セルおよびクラスター間の wlor ロード・バランシングを実行するようになっています。

    wrr: 重み付き ラウンドロビン・ロード・バランシング・ポリシーを指定します。このポリシーは、ODR がアクティブになると有効となり、 そのカスタム・プロパティー構成を読み取ります。

    新しい重み値は、Dynamic Work Load Manager (DWLM) から 15 秒ごとに取得され、アプリケーション・レベルの応答時間が考慮の対象となります。mcrp.ui システム・プロパティーを使用して、新規の更新時間を秒単位で 指定します。

    cell_name セルの名前を指定します。 このセルは、WebSphere Application Server を実行する有効なセルでなければなりません。大/小文字およびスペルは、WebSphere Application Server のセル名と一致する必要があります。
    cluster_name

    クラスター名として、 クラスター、ローカル・セル内の動的クラスター、コア・グループ・ブリッジ・サービスと ブリッジされたセル内のクラスター、または汎用サーバー・クラスターの名前を 指定できます。

    クラスター名の値は、先頭を大文字とし、 管理コンソールでクラスターを作成して名前を指定したときと同じスペルで 指定する必要があります。

    , リスト内の値の集合を分離するには、コンマ (,) を使用します。

    cell_nameapplication_namecluster_name などの Java™ Platform, Enterprise Edition (Java EE) 成果物名はすべて、WebSphere Application Server 構成で指定されたものと同じスペルにする必要があります。

    名前」または「」フィールドの cell_name および cluster_name の値には、 ワイルドカード (*) を使用できます。 セル名の代わりにワイルドカードを使用すると、 セル・グループ内のすべてのセルが指定されます。 セル・グループは、コア・グループ・ブリッジと連結されたすべてのセルで定義されます。 cluster_name 値の代わりにワイルドカードを使用すると、所定のセル内のすべてのクラスターが指定されます。 ワイルドカード値の使用は、マルチクラスター・ロード・バランシング・ ルーティングを使用している場合のみ有効となります。

    以下は、「値」フィールドの例です。

    以下のポリシーは、フェイルオーバー・ポリシーを構成します。障害が発生すると、要求は、thesaharaCell01 セル内の myGSC1 汎用サーバー・クラスターにフェイルオーバーすることができます。
    failover@myCell01$myCluster1,myCell01$myGSC1
    以下のポリシーは、重み付きの最小の未処理要求ロード・バランシング・ポリシーを構成します。
    wlor@thesaharaCell01$myCluster1,myCell2$myCluster2
    以下のポリシーは、重み付きラウンドロビン・ポリシーを構成します。
    wrr@thesaharaCell01$myNYCGSC,cell_2$cluster_2
    以下の値は、構成されたアプリケーションがデプロイされるすべての セルおよびクラスターの組み合わせの間で、負荷を分散します。
    wrr@*$*
  4. 適用」または「OK」をクリックし、新規カスタム設定をコミットします。

タスクの結果

ODR は、マルチクラスター・ルーティング・ポリシーの構成に従って、 複数のクラスターにルーティングします。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=twve_odrcustom
ファイル名:twve_odrcustom.html