createSIBEngine コマンド
wsadmin ツールを使用して、createSIBEngine コマンドによってサーバー・バス・メンバーまたはクラスター・バス・メンバーのメッセージング・エンジンを作成します。 サーバーまたはクラスターをサービス統合バスのメンバーとして追加すると、 少なくとも 1 つのメッセージング・エンジンが自動的に作成されます。 クラスター・バス・メンバーの追加のメッセージング・エンジンを作成するには、createSIBEngine コマンドを使用します。
各サーバー・バス・メンバーで所有できるメッセージング・エンジンは正確に 1 つだけですが、クラスター・バス・メンバーは追加のエンジンをサポートできます。 クラスター用の追加メッセージング・エンジンを作成して、メッセージ・ストアのデータ・ストアを使用する場合は、データ・ストアと、 データ・ストアとの対話を行うためにメッセージング・エンジンが使用する JDBC データ・ソースの両方を明示的に構成する必要があります。データ・ソースは、ノード・ スコープではなくクラスター・スコープで作成する必要があります。メッセージング・エンジンの作成について詳しくは 、クラスターで実行中のメッセージング・エンジンのデータ・ソースの構成を参照してください。
コマンドを実行するには、wsadmin スクリプト・クライアントの AdminTask オブジェクトを使用します。
wsadmin スクリプト・クライアントは Qshell から実行されます。.
詳しくは、wsadmin スクリプトを使用した WebSphere スクリプトを実行するための Qshell の構成.
- Jython で使用可能なサービス統合バス・コマンドのリストと、各コマンドの簡単な説明を見るには、wsadmin プロンプトで以下のコマンドを入力します。
print AdminTask.help('SIBAdminCommands')
- 特定のコマンドの概要ヘルプの場合は、wsadmin プロンプトで以下のコマンドを入力します。
print AdminTask.help('command_name')
AdminConfig.save()
目的
createSIBEngine コマンドにより、サーバーまたはクラスター・バス・メンバーの新規メッセージング・エンジンを作成します。 このコマンドにより、クラスター・バス・メンバーの追加のメッセージング・エンジンを作成します。
クラスターでメッセージング・エンジン・ポリシー・アシスタンスが使用可能になっており、スケーラビリティー・ポリシーまたは高可用性を備えたスケーラビリティー・ポリシーが指定されている場合は、指定されたポリシーに準拠するメッセージング・エンジン設定が自動的に作成されます。
このコマンドの使用後に、クラスターでメッセージング・エンジン・ポリシー・アシスタンスが使用可能になっており、カスタム・ポリシーが指定されている場合に、createMissingSIBEnginePolicy コマンドを使用して、メッセージング・エンジンのコア・グループ・ポリシーを作成できます。
ターゲット・オブジェクト
なし。
必須パラメーター
- -bus bus_name
- バス・メンバーが構成されているサービス統合バスの名前です。listSIBuses コマンドを使用して、既存のバスの名前をリストすることができます。
条件付きパラメーター
- -node node_name
- -server server_name
- バス・メンバーであるサーバーのメッセージング・エンジンを作成するには、サーバーが稼働するノードの名前とサーバーの名前の両方を指定します。
- -cluster cluster_name
- バス・メンバーであるサーバー・クラスターにメッセージング・エンジンを作成するには、そのクラスターの名前を指定します。
オプション・パラメーター
- -description text
- 管理を目的とした、メッセージング・エンジンの説明 (オプション)。
- -initialState STARTED | STOPPED
- 初期状態は、サーバーまたはサーバー・クラスターの始動時にメッセージング・エンジンを自動的に開始するかどうかを決定します。
- STARTED
- 関連付けられているアプリケーション・サーバーの開始時にメッセージング・エンジンが開始され、メッセージの処理に使用できるようになります。
- STOPPED
- 関連付けられているアプリケーション・サーバーの開始時に、メッセージング・エンジンが停止され、メッセージを処理できません。
- -highMessageThreshold number
- メッセージング・エンジンがそのメッセージ・ポイントに配置できるメッセージの総数の最大値。
メッセージング・エンジンが作成されると、バスの高いメッセージしきい値を使用して、 このプロパティーのデフォルト値が設定されます。 メッセージ・ポイントがこのメッセージング・エンジンに作成されると、 このプロパティーの値が使用され、メッセージ・ポイントにデフォルトの高いメッセージしきい値が設定されます。
- -failover TRUE | FALSE
- メッセージング・エンジンのホスト・サーバーに障害が起こった場合に、クラスター内のメッセージング・エンジンが、クラスターの別のサーバーにフェイルオーバーできるかどうかを指定するパラメーター。このパラメーターには、考えられる値が 2 つあります。
- TRUE
- メッセージング・エンジンはフェイルオーバーできます。
- FALSE
- メッセージング・エンジンはフェイルオーバーできません。
デフォルト値は FALSE です。クラスターでメッセージング・エンジン・ポリシー・アシスタンスが使用可能になっており、カスタム・ポリシーが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。これを行うには、addSIBusMember コマンドまたは modifySIBusMemberPolicy コマンドを使用します。
- -failback TRUE | FALSE
- 優先サーバー・リストにあるより優先度の高いサーバーが再度使用可能になった場合に、フェイルオーバーしたクラスター内のメッセージング・エンジンが、そのサーバーにフェイルバックできるかどうかを指定するパラメーター。このパラメーターには、考えられる値が 2 つあります。
- TRUE
- メッセージング・エンジンはフェイルバックできます。このオプションを使用する 場合は、-preferredServerList パラメーターを指定してください。
- FALSE
- メッセージング・エンジンはフェイルバックできません。
デフォルト値は FALSE です。クラスターでメッセージング・エンジン・ポリシー・アシスタンスが使用可能になっており、カスタム・ポリシーが設定されている場合は、このパラメーターを使用します。これを行うには、addSIBusMember コマンドまたは modifySIBusMemberPolicy コマンドを使用します。
- -preferredServersOnly TRUE | FALSE
- クラスター内のメッセージング・エンジンは、優先サーバー・リストにあるサーバー上でのみ実行できるのか、またはクラスター内の任意のサーバー上で実行できるのかを指定するパラメーター。このパラメーターには、考えられる値が 2 つあります。
- TRUE
- メッセージング・エンジンは、優先サーバー・リストにあるサーバー上でのみ実行できます。このオプションを使用する 場合は、-preferredServerList パラメーターを指定してください。
- FALSE
- メッセージング・エンジンは、クラスター内のどのサーバーでも実行できます。
デフォルト値は FALSE です。クラスターでメッセージング・エンジン・ポリシー・アシスタンスが使用可能になっており、カスタム・ポリシーが設定されている場合は、このパラメーターを使用します。これを行うには、addSIBusMember コマンドまたは modifySIBusMemberPolicy コマンドを使用します。
- -preferredServerList {{node_name server_name}}
- クラスター内のメッセージング・エンジンを実行するサーバーの優先順のリスト。リストにあるサーバーごとに、サーバーが稼働するノードの名前とサーバーの名前の両方を指定します。このパラメーターにはデフォルト値はありません。クラスターでメッセージング・エンジン・ポリシー・アシスタンスが使用可能になっており、カスタム・ポリシーが設定されている場合は、このパラメーターを使用します。これを行うには、addSIBusMember コマンドまたは modifySIBusMemberPolicy コマンドを使用します。
- -fileStore
- メッセージング・エンジンのメッセージ・ストアとして使用するファイル・ストアを作成します。ファイル・ストアは、 オペレーティング・システムを介してファイル・システムのファイルを直接使用する、メッセージ・ストアのタイプの 1 つです。データ・ストアを使用する方法もあります。詳しくは、関連リンクを参照してください。
- -logSize size
- ログ・ファイルのサイズ (MB)。-fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -logDirectory directory_name
- ログ・ファイル・ディレクトリーの名前 (デフォルトのログ・ディレクトリーを使用しない場合)。 -fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -minPermanentStoreSize size
- 永久保管ファイルの最小サイズ (MB)。-fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -minTemporaryStoreSize size
- 一時保管ファイルの最小サイズ (MB)。-fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -maxPermanentStoreSize size
- 永久保管ファイルの最大サイズ (MB)。-fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -maxTemporaryStoreSize size
- 一時保管ファイルの最大サイズ (MB)。-fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -unlimitedPermanentStoreSize TRUE | FALSE
- 永久保管サイズを無制限にするかどうかを指定するパラメーター。このパラメーターには、考えられる値が 2 つあります。
- TRUE
- 永久保管サイズは無制限です。
- FALSE
- 永久保管サイズは制限されています。このオプションを使用する場合は 、-maxPermanentStoreSize パラメーターを指定してください。
-fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -unlimitedTemporaryStoreSize TRUE | FALSE
- 一時保管サイズを無制限にするかどうかを指定するパラメーター。このパラメーターには、考えられる値が 2 つあります。
- TRUE
- 一時保管サイズは無制限です。
- FALSE
- 一時保管サイズは制限されています。このオプションを使用する場合は 、-maxTemporaryStoreSize パラメーターを指定してください。
-fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -permanentStoreDirectory directory_name
- 永久保管ディレクトリーの名前 (デフォルトの永久保管ディレクトリーを使用しない場合)。 -fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -temporaryStoreDirectory directory_name
- 一時保管ディレクトリーの名前 (デフォルトの一時保管ディレクトリーを使用しない場合)。 -fileStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -dataStore
- メッセージング・エンジンのメッセージ・ストアとして使用するデータ・ストアを作成します。
データ・ストアは、メッセージング・エンジンがデータベース内にパーシスタント・データを保管するために使用するテーブルのセットから構成されています。 データ・ストアを構成するテーブルのリストについては 、データ・ストア・テーブルを参照してください。 データ・ストアのすべてのテーブルは、 同じデータベース・スキーマで保持されます。データ・ストアごとに異なるスキーマ名を使用すると、 同じデータベースに複数のデータ・ストアを作成できます。
ファイル・ストアを使用する方法もあります (デフォルト)。 詳しくは、関連リンクを参照してください。 - -createDefaultDatasource TRUE | FALSE
- メッセージング・エンジンの作成時にデフォルトのデータ・ソースを作成するかどうかを指定するパラメーター。このパラメーターには、考えられる値が 2 つあります。
- TRUE
- デフォルトのデータ・ソースを作成します。
- FALSE
- デフォルトのデータ・ソースを作成しません。
-dataStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。-cluster パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用しないでください。
- -datasourceJndiName jndi_name
- データ・ストア用のリレーショナル・データベース管理システ ム (RDBMS) にアクセスするためにメッセージング・エンジンが使用する、データ・ソースの JNDI 名。-dataStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -authAlias auth_alias
- メッセージング・エンジンがデータ・ソース内のデータベースに接続するために使用する認証別名の名前。-dataStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -createTables TRUE | FALSE
- データ・ソース用のデータベース表を自動的に作成するかどうかを指定するパラメーター。このパラメーターには、考えられる値が 2 つあります。
- TRUE
- データ・ソース用のデータベース表を作成します。
- FALSE
データ・ソース用のデータベース表を作成しません。このオプションを使用する場合は、データベース管理者がデータベース・テーブルを作成する必要があります。
データ・ソース用のデータベース表を作成しません。z/OS オペレーティング・システムの場合、表を作成してはならないので、このオプションを使用する必要があります。
-dataStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
- -restrictLongDBLock TRUE | FALSE
- アクティブ・メッセージング・エンジンが、データベースの SIBOWNER 表上に長期実行ロックを保持する必要があるかどうかを指定するパラメーター。
このオプションが選択されると、メッセージング・エンジンは、短期間のみ、そのデータベースにロックを設定します。
アクティブ・メッセージング・エンジンがデータベースに応答しない場合は、アクティブ・メッセージング・エンジンは短期間ロックのみを保持するため、スタンバイ・メッセージング・エンジンがデータベースの所有権を取得できます。このパラメーターには、考えられる値が 2 つあります。
- TRUE
- データベースでの長期実行ロックを制限します。
- FALSE
- データベースでの長期実行ロックを制限しません。
-dataStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
重要: このプロパティーは、選択されても、 WebSphere® Application Server バージョン 9.0 以降の sibDBUpgrade コマンドを使用してデータベース・テーブルがアップグレードされるまで有効になりません。 - -schemaName schema_name
- データ・ストア用の表が入ったデータベース・スキーマの名前 (デフォルトのスキーマ名を使用しない場合)。 デフォルト・スキーマについて詳しくは、データベースへのユーザーとスキーマの作成を参照してください。-dataStore パラメーターが指定されている場合は、このパラメーターを使用します。
メッセージ・ストアおよびその属性の選択によっては、異なる組み合わせのパラメーターを指定します。 メッセージング・エンジンのメッセージ・ストアを指定する際にエラーが発生しないようにするには 、wsadmin ツールを使用してファイル・ストアまたはデータ・ストアでメッセージング・エンジンを作成する場合のエラーの回避を参照してください。
例
デフォルトのファイル・ストアを使用する、bus1 上の cluster1 のメッセージング・エンジンを作成します。
AdminTask.createSIBEngine ('[-bus bus1 -cluster cluster1]')
デフォルト設定で、ファイル・ストアを使用する、bus1 上の cluster1 のメッセージング・エンジンを作成します。
AdminTask.createSIBEngine ('[-bus bus1 -cluster cluster1 -fileStore]')
オプション設定で、ファイル・ストアを使用する、bus1 上の cluster1 のメッセージング・エンジンを作成します。
AdminTask.createSIBEngine ('[-bus bus1 -cluster cluster1 -fileStore
-logSize 3636363 -logDirectory C:¥mylogdirectory]')
デフォルト設定で、データ・ストアを使用する、bus1 上の cluster1 のメッセージング・エンジンを作成します。
AdminTask.createSIBEngine ('[-bus bus1 -cluster cluster1 -dataStore]')
オプション設定で、データ・ストアを使用する、bus1 上の cluster1 のメッセージング・エンジンを作成します。
AdminTask.createSIBEngine ('[-bus bus1 -cluster cluster1 -dataStore
-createDefaultDatasource true -datasourceJndiName myjndi]')
bus1 のメンバー であり、メッセージング・エンジンのメッセージ・ストアとしてファイル・ストアを使用する cluster1 に、 新規メッセージング・エンジンを追加します。
AdminTask.createSIBEngine('[-bus bus1 -cluster cluster1 -fileStore true
-logSize 100 -minPermanentStoreSize 200 -maxPermanentStoreSize 500
-unlimitedPermanentStoreSize false -permanentStoreDirectory C:¥myfilestore
-minTemporaryStoreSize 200 -maxTemporaryStoreSize 500
-unlimitedTemporaryStoreSize false -temporaryStoreDirectory C:¥myfilestore
-logDirectory C:¥myfilestore ]')
bus1 のメンバーで ある cluster1 に新規メッセージング・エンジンを追加します。この場合、cluster1 では、メッセージング・エンジン・ポリシー・アシスタンスが使用可能になっており、カスタム・メッセージング・エンジン・ポリシーが指定されています。メッセージング・エンジンのメッセージ・ストアとしてファイル・ストアを使用します。メッセージング・エンジンを、フェイルバックではなくフェイルオーバーして、server1 および server2 でのみ実行するように設定します。
AdminTask.createSIBEngine('[-bus bus1 -cluster cluster1 -fileStore true
-logSize 100 -minPermanentStoreSize 200 -maxPermanentStoreSize 500
-unlimitedPermanentStoreSize false -permanentStoreDirectory C:¥myfilestore
-minTemporaryStoreSize 200 -maxTemporaryStoreSize 500
-unlimitedTemporaryStoreSize false -temporaryStoreDirectory C:¥myfilestore
-logDirectory C:¥myfilestore -failover true -failback false
-preferredServersOnly true -preferredServerList [[node1 server1] [node2 server2]]]')