[z/OS]

WLM 遅延モニター

WebSphere® Application Server for z/OS® では、ワークロード・マネージャー (WLM) サービスを使用して、トランザクションの開始から終わりまでの応答時間および実行遅延時間を報告します。

Resource Measurement Facility (RMF™) によって収集された WLM データは、RMF レポートの次の 2 つのフェーズに取り込まれます。
  • BTE - 開始から終わりまでのフェーズ。コントローラーによって処理された要求に適用されます。
  • EXE - 実行フェーズ。サーバントによって処理された要求に適用されます。
この状況情報を使用して、パフォーマンス・ボトルネックが発生する可能性のある場所を判別することができます。 このフィーチャーは、z/OS V1R2 を WLM APAR OW51848 および RMF APAR OW52227 とともに使用する場合に使用可能です。

ワークロード管理について詳しくは、 「 z/OS MVS™ 計画: ワークロード管理」を参照してください。 WLM 遅延モニターについて詳しくは、 「 z/OS MVS プログラミング: ワークロード管理サービス」を参照してください。 両方とも z/OS Internet Library website で入手できます。

新規トランザクションがシステムに入力されると、WebSphere Application Server for z/OS アプリケーション制御領域 (ACR) は分類サービスを開始します。WebSphere Application Server for z/OS ACR サービス・クラスに関連する遅延は、BTE フェーズおよび EXE フェーズについて、別々に数えられます。このサポートにより、WLM は、 パフォーマンス・ブロック (PB) を別プログラムと関連付けて、トランザクションのフローで発生する遅延を 記録することが可能です。状態サンプルは進行中に収集され、 平均トランザクション応答時間のパーセンテージとして報告されます。 次の表には、状態、状態のコード、各 RMF レポートが報告されるセクション、意味、および推奨される応答を示します。

表 1. WLM 遅延モニター状態. この情報を RMF レポートで使用して、システムのパフォーマンス上の問題が発生している可能性のある場所を 判別することができます。
状態 Code レポート 意味 応答
ACTIVE ACTIVE SUB BTE と EXE の両方 WebSphere は要求をアクティブに処理しています
ACTIVE_APPLIC ACTIVE APPL BTE と EXE の両方 アプリケーションが実行しています アプリケーション・モニター・ツールを使用して、 遅延の原因を判別します。
WAITING TYPE1 TYP1   未使用
WAITING TYPE2 TYP2   未使用  
WAITING TYPE3 TYP3   未使用
WAITING TYPE 4 TYP4 BTE RRS への OTS 呼び出し。 コントローラーが分散トランザクションをコミットしようとしている場合に、コントローラーでのみ 発生します。
  1. 他のサーバー上で遅延を調査します。
  2. ネットワーク上の問題を探します。
  3. 遅延を回避するため、アプリケーションを 1 つのサーバーに結合することを検討します。
WAITING REGIST TO WORKTABLE WORK   未使用  
WAITING OTHER_PRODUCT OTHER   未使用  
WAITING DISTRIB DIST BTE クライアントであるコントローラーが 応答を待機し、アウトバウンドしました。
  1. 他のサーバー上で遅延を調査します。
  2. ネットワーク上の問題を探します。
  3. 遅延を回避するため、アプリケーションを 1 つのサーバーに結合することを検討します。
WAITING SESS_NETWORK REMT   未使用  
WAITING SESS_SYSPLEX SYSP   未使用  
WAITING REGULAR_THREAD REGT BTE コントローラーでスレッドを待機します。 作業は、処理可能な要求より多くの要求を受信しているため、コントローラーでボトルネックとなっています。 同じクラスター内に新規サーバーを作成します。これにより、作業を共有する制御領域が 2 つになり、処理を分散して、処理の競合を未然に防ぐことができます。
WAITING SSL_THREAD SSLT BTE コントローラーで SSL スレッドを待機します。 作業は、処理可能な数より多くの SSL ハンドシェークの要求を受信しているため、 コントローラーでボトルネックとなっています。 同じクラスター内に新規サーバーを作成します。これにより、作業を共有する制御領域が 2 つになり、処理を分散して、処理の競合を未然に防ぐことができます。
  1. SSL スレッドを増加させます。
  2. SSL 構成を調べます。
  3. 同じクラスター内に新規サーバーを作成します。
WAITING SESS_LOCALMVS LOCL   未使用
WAITING TYPE6 TYP6 EXE ZIOP 処理での遅延を示します。 IBM サポートに連絡して、支援を受けてください。
WAITING TYPE7 TYP7 BTE DNS または TCP/IP の構成上の問題を示します。
  1. すべての DNS サーバーが稼働していることを確認します。
  2. OPING または ONSLOOKUP を調べます。
WAITING TYPE8 TYP8 EXE J2C リソース・マネージャー遅延
  1. J2C コネクターを、DB2、IMS、および CICS のようなリソース・マネージャーへ呼び出します。
  2. モニター・ツールを使用して、他のリソース・マネージャーをチェックします。
WAITING TYPE9 TYP9   未使用
WAITING TYPE10 TY10 EXE サーバントは、以下のいずれかのアクションを実行するために、 コントローラーに対する呼び出しを発行しました。
  1. LocateFunction
  2. ControlFunction
  3. FlushService
  4. FRCAService
  5. PushService
  6. GIOPOutboundResponseFragmentService
  7. GIOPOutboundRequestFragmentService
  8. SIBusMessageListenerDispatch
コントローラーでの遅延をチェックします。
WAITING TYPE11 TY11 EXE サーバントがコントローラーに対する呼び出しを発行し、 コントローラーが RMI/IIOP を使用して別の分散オブジェクト・サーバーに対する呼び出しを発行しました。
  1. 他のサーバー上で遅延を調査します。遅延は、セッション・キャッシュを示す可能性があります。
  2. ネットワーク上の問題を探します。
  3. アウトバウンド呼び出しを回避します。
WAITING TYPE12 TY12   未使用
WAITING TYPE13 TY13   未使用
WAITING TYPE14 TY14   未使用
WAITING TYPE15 TY15   未使用

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ファイル名:rprf_wlmdm.html