応答デジタル署名検証用クライアントの構成: 検証メソッドの選択

Web Services Security 拡張および Web Services Security バインディングは、アセンブリー・ツール内の Web サービス・エディターの「WS 拡張」タブおよび「WS バインディング 」タブを使用して構成できます。

始める前に

重要: バージョン 5.x とバージョン 6 以降のアプリケーションには重要な相違点があります。 この情報は、WebSphere® Application Server バージョン 6.0.x 以降で使用されるバージョン 5.x アプリケーションのみをサポートしています。 この情報はバージョン 6.0.x 以降のアプリケーションには適用されません。
以下のステップを実行する前に、以下のいずれかのトピックに目を通して、IBM® アセンブリー・ツールに含まれる Web サービス・エディターの「WS 拡張」タブおよび「WS バインディング」タブについて十分理解してください。 これら 2 つのタブは、Web Services Security 拡張および Web Services Security バインディングをそれぞれ構成するために使用できます。 どのメッセージ・パーツが、クライアントが検証する必要があるデジタル署名情報を含むかを指定する必要があります。 応答デジタル署名検証用クライアントの構成: メッセージ・パーツの検証を参照して、どのメッセージ・パーツが、サーバーによってデジタル署名され、 クライアントによって検証される必要があるのかを指定します。サーバーの応答送信側用に指定したメッセージ・パーツは、クライアントの応答受信側用に指定したメッセージ・パーツと一致する必要があります。 同様に、サーバー用に選択したデジタル署名メソッドは、クライアントが使用するデジタル署名メソッドと一致する必要があります。

このタスクについて

以下のステップを実行して、応答デジタル署名検証用にクライアントを構成します。 これらのステップでは、拡張機能を変更して、検証中にクライアントがどのデジタル署名メソッドを使用するかを指定する方法について説明します。

手順

  1. アセンブリー・ツールを起動します。 詳しくは『アセンブリー・ツール』の関連情報を参照してください。
  2. Java™ Platform, Enterprise Edition (Java EE) パースペクティブに切り替えます。「ウィンドウ」 > 「パースペクティブを開く」 > 「その他」 > 「J2EE」とクリックします。
  3. 「アプリケーション・クライアント・プロジェクト」 > application_name > 「appClientModule」 > 「META-INF」とクリックします。
  4. application-client.xml ファイルを右クリックし、「アプリケーションから開く (Open with)」 > 「デプロイメント記述子エディター (Deployment descriptor editor)」と選択します。
  5. WS バインディング (WS Binding)」タブをクリックします。
  6. 「セキュリティー応答受信側のバインディング構成」 > 「署名情報」セクションを展開します。
  7. 編集」をクリックして、デジタル署名メソッドを選択します。 署名情報ダイアログが表示されたら、以下の情報を選択または入力します。
    • 正規化方式アルゴリズム
    • ダイジェスト方式アルゴリズム
    • シグニチャー方式アルゴリズム
    • 署名鍵名
    • 署名鍵ロケーター
    SOAP メッセージへのデジタル署名に関する概念的な情報については、XML デジタル署名を参照してください。 次の表では、それぞれの選択ごとの目的について説明します。 以下の定義の一部は XML Signature 仕様を基にしています。 この仕様は http://www.w3.org/TR/xmldsig-core にあります。
    表 1. デジタル署名メソッド. このメソッドを使用して、応答デジタル署名検証用クライアントを構成します。
    名前 目的
    正規化方式アルゴリズム 正規化方式アルゴリズムは、シグニチャー操作の一部としてダイジェストされる前に <SignedInfo> エレメントを正規化するために使用されます。
    ダイジェスト方式アルゴリズム ダイジェスト方式アルゴリズムは、<DigestValue> を生成するように指定されている場合、 データに変換が適用された後で、そのデータに適用されるアルゴリズムです。 <DigestValue> の署名によって、リソース内容が署名者鍵にバインドされます。 クライアントの応答受信側構成用に選択したアルゴリズムは、サーバーの応答送信側構成で選択したアルゴリズムと一致している必要があります。
    シグニチャー方式アルゴリズム シグニチャー方式は、 正規化された <SignedInfo> エレメントを <SignatureValue> エレメントに変換するために使用するアルゴリズムです。 クライアントの応答受信側構成用に選択したアルゴリズムは、サーバーの応答送信側構成で選択したアルゴリズムと一致している必要があります。
    Use certificate path reference」または「Trust any certificate メッセージに署名がされている場合には、署名で使用される公開鍵が、そのメッセージとともに伝送されます。 この公開鍵を受信側の端末で検証するには、証明書パス参照を構成します。 「Use certificate path reference」を選択すると、メッセージとともに送信された証明書を検証するために、 トラスト・アンカー参照および証明書ストア参照を構成する必要があります。 「Trust any certificate」を選択した場合は、シグニチャーはメッセージとともに送信された証明書によって検証され、証明書自体は検証されません。
    Use certificate path reference: トラスト・アンカー参照 トラスト・アンカーは、トラステッド、自己署名証明書、認証局 (CA) 証明書を含む鍵ストアからなる構成です。 これらの証明書は、トラステッド証明書で、ユーザーのデプロイメント内の任意のアプリケーションで使用できます。
    Use certificate path reference: 証明書ストア参照 証明書ストアは、X.509 証明書の集合で構成されています。 これらの証明書は、ユーザーのデプロイメント内のすべてのアプリケーションに対してトラステッドではありません。 ただし、アプリケーションの証明書を検証するための中継として使用することがあります。
  8. オプション: FIPS 準拠アルゴリズムのみを「署名メソッド・アルゴリズム」および「ダイジェスト方式アルゴリズム」ドロップダウン・リストに表示したい場合、「FIPS 準拠アルゴリズムのみを表示」を選択します。このオプションは、 WebSphere Application Server の管理コンソールの「SSL 証明書および鍵管理」パネルで「連邦情報処理標準 (FIPS) を使用する」オプションを 設定した WebSphere Application Server 上でこのアプリケーションを実行する場合に使用します。

タスクの結果

重要: クライアントおよびサーバーの署名情報が正しく構成されているにもかかわらず、 クライアントの実行時に Soap body not signed エラーを受信した場合には、 アクターを構成する必要がある場合があります。アセンブリー・ツールの Web Services Client Editor において、クライアント上の以下の場所でアクターを構成できます。
  • 「セキュリティー拡張」 > 「クライアント・サービス構成詳細」とクリックして、「アクター URI」フィールドに アクター情報を指示します。
  • 「セキュリティー拡張」 > 「要求送信側構成」 > 「詳細」をクリックして、「アクター」フィールドでアクター情報を示します。
要求を処理して応答を戻すサーバー上の Web サービスに対しても、同じアクター・ストリングを構成する必要があります。アクターの構成は、 アセンブリー・ツールの Web サービス・エディターの以下の場所で 行います。
  • 「セキュリティー拡張」 > 「サーバー・サービス構成」とクリックします。
  • 「セキュリティー拡張」 > 「応答送信側サービス構成の詳細」 > 「詳細」をクリックして、「アクター」フィールドでアクター情報を示します。

クライアントおよびサーバー上のアクター情報は、両方ともまったく同一のストリングである 必要があります。クライアントとサーバーの 「アクター」フィールドが一致する場合には、 要求または応答はダウンストリームに転送されずに、処理されます。 他の Web サービスのゲートウェイとして動作する Web サービスがある場合は、「アクター」フィールドが異なる場合があります。ただし、そのような Web サービスがない場合には、 アクター情報がクライアントとサーバーで一致していることを必ず確認してください。複数の Web サービスがゲートウェイとして機能しており、 それらの Web サービスに、そのゲートウェイを介して渡される要求として構成された同じアクターがない場合には、 Web サービスはクライアントからのメッセージを処理しません。 代わりに、これらの Web サービスは、その要求をダウンストリームに送信します。正しいアクター・ストリングを含む ダウンストリーム・プロセスによって、要求が処理されます。 応答でも同じ状況が発生します。 したがって、該当するクライアントとサーバーの「アクター」フィールドが同期化されていることを確認することが重要です。

クライアントがメッセージ・パーツにデジタル署名を検証するためにどのメソッドを使用するかが指定されました。

次のタスク

サーバーを応答署名用に構成し、クライアントを要求デジタル署名検証用に構成したら、クライアントおよびサーバーがメッセージ要求を処理するように構成されていることを検証してください。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



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ファイル名:twbs_confclrespdigsignmeth.html