メディエーション
メディエーションとは、WebSphere® Application Server のメッセージング機能を拡張 し、メッセージングを使用するシステム、サービス、アプリケーション、またはコンポーネントの接続を簡素化するために使用できる Java™ プログラムです。メディエーションは、メッセージングを使用するシステム、サービス、アプリケーション、またはコンポーネントの接続を簡素化するために使用できます。
- ある形式から別の形式へのメッセージ変換。
- 1 つ以上の追加ターゲット宛先へのメッセージのルーティング。
- データ・ソースからメッセージへのデータの追加。
- メディエーション内の条件ロジックに基づいたメッセージ配信の制御。
- メッセージ ID が保持されます。メッセージ本体を処理した後でそのメッセージを再送信する場合、MDB は新しいメッセージ ID とメッセージ・プロパティーの新しいメッセージを送信します。メディエーションを使用すると、 メッセージ ID が保持されるため、メッセージの追跡がより簡単になります。
- メッセージング・テクノロジーから独立しています。メディエーションのプログラミング・モデルによって、 すべてのメッセージに対する Service Data Object (SDO) バージョン 1インターフェースと、 プロパティーおよびメタデータにアクセスするための共通 API が提供されます。
メッセージがメディエーション・ポイントに到達すると、メディエーションはメッセージをコンシュームしてから、変換、サブセット設定、集約、または集約の解除のいずれかを実行します。次にメッセージは別の宛先に転送されるか、同じ宛先に戻されます。いずれの場合も、メッセージはキュー・ポイントに送信され、そこでメッセージング・アプリケーションによってコンシュームされます。 これは、以下の図に示されます。

メディエーション・ポイントまたはキュー・ポイント、あるいはその両方が WebSphere MQ キューになるように宛先を構成できます。 両方が Websphere MQ キューである場合、次の図で示すように、WebSphere MQ アプリケーションは外部メディエーションとして機能します。

WebSphere Application Server はメディエーション・フレームワーク・ランタイムを提供します。このランタイムを使用すると、メッセージを仲介することができます。IBM® Rational® Application Developer と アセンブリー・ツール では、メディエーションの開発、アセンブル、テスト、およびデプロイに必要なツールが提供されています。
インバウンド・サービス、アウトバウンド・サービス、キュー、トピック・スペースなど、 サービス統合バスのあらゆるタイプの宛先を仲介することができます。宛先を仲介するとき、 宛先は仲介前および仲介後という 2 つのパートに分割されます。 メディエーションは、仲介前のパートからメッセージを受け取ります。メッセージの提供は、 別の宛先にリダイレクトされたり、メディエーションによって破棄されず、 メディエーションがメッセージを仲介後のパートに格納します。仲介後のパートのメッセージは、 メッセージ・コンシューマーに送信されます。宛先を 2 つのパートに分割すると、メッセージの非同期メディエーションが可能になります。
デプロイメント時に、管理者は、トランザクションの保全性を保証するためにメディエーションをグローバルな作業単位で動作させることを選択することも、宛先でのメッセージのスループットが重要な場合には並行性をサポートすることを選択することもできます。
デプロイメントの後、管理者は WebSphere Application Server 管理コンソールを使用して、実行時に使用するメディエーションを構成します。メディエーションは特定の宛先で使用するように構成されています。 その物理ロケーションはメディエーション・ポイントと呼ばれます。 メディエーションの提供するメッセージ処理は、 メディエーション・ポイントがメッセージング・ランタイム環境からのメッセージを受信すると開始します。メディエーションはメッセージを操作し、例えばメッセージを変換したり別の宛先に転送したりします。