メッセージング・エンジンが始動できないときの高可用性の管理

サーバー上でメッセージング・エンジンを始動しようとして失敗する場合、そのサーバーはメッセージング・エンジンの実行場所として使用不可にされます。 メッセージング・エンジンの始動を妨げていた問題が解決されたら、サーバーを手動で再び使用可能にして、高可用性環境を保守する必要があります。

このタスクについて

高可用性環境では、メッセージング・エンジンは複数のアプリケーション・サーバー上で実行できます。 サーバー上でメッセージング・エンジンを始動しようとして失敗したり、実行中のメッセージング・エンジンをホスティングしているサーバーが停止したりする場合、HA マネージャーは別の適格なサーバー上でメッセージング・エンジンを再始動します。 HA マネージャーがそのサーバー上でメッセージング・エンジンを始動できない場合、サーバーはそのメッセージング・エンジンの実行場所として使用不可になり、次のメッセージがそのサーバーの JVM ログで生成されます。
CWSID0039E: HAManager が開始した活動化が失敗しました。メッセージング・エンジン messaging_engine_name は使用不可にされます。

状況によっては、メッセージング・エンジンが繰り返し始動できない可能性があります。 以下の例では、3 つのサーバーで成るクラスター内でホスティングされたメッセージング・エンジンが、データ・ストアを使用するように構成されます。 クラスターは、データ・ストアをホスティングしているデータベースの前に開始されます。 メッセージング・エンジンは server1 上で始動しようとし、デフォルトで最高 15 分間データ・ストアへの接続を試行します。

この画像については、周囲のテキストで説明します。
データベースが開始されていないため、メッセージング・エンジンはデータ・ストアに接続できません。 メッセージング・エンジンが始動に失敗し、server1 の高可用性は使用不可にされます。 メッセージング・エンジンは server2 にフェイルオーバーし、始動およびデータ・ストアへの接続を再度試行します。
この画像については、周囲のテキストで説明します。
データベースがまだ開始されていない場合、メッセージング・エンジンが始動に失敗し、server2 の高可用性は使用不可にされます。メッセージング・エンジンは server3 にフェイルオーバーし、始動およびデータ・ストアへの接続を再度試行します。
この画像については、周囲のテキストで説明します。
データベースがまだ実行されていない場合、メッセージング・エンジンが始動に失敗し、server3 の高可用性は使用不可にされます。クラスター内のすべてのサーバーの高可用性は現在使用不可にされており、データベースを開始し、少なくとも 1 つのサーバーを再び使用可能にするまで、メッセージング・エンジンは始動できません。

メッセージング・エンジンが始動できない原因を修正したら、サーバーの高可用性を再び使用可能にします。そのためには、サーバーを再始動するか、またはこのタスクのステップに従って管理コンソールを使用してサーバーを使用可能にします。

手順

  1. 管理コンソールの高可用性グループ・パネルに移動して、高可用性グループのリストを表示します。 詳しくは、HA グループ情報の表示を参照してください。
  2. リスト内で関係する高可用性グループを見つけてクリックします。 関係するグループを見つけるには、グループ名に名前と値のペアで含まれているバスとメッセージング・エンジンの名前を検索します。 例えば、以下の名前を持つグループには、クラスター MyCluster 上のバス MyBus で実行しているメッセージング・エンジン MyCluster.000-MyBus が含まれています。
    IBM_hc=MyCluster, WSAF_SIB_BUS=MyBus,WSAF_SIB_MESSAGING_ENGINE=MyCluster.000-MyBus,type=WSAF_SIB

    そのグループのパネルが表示され、メッセージング・エンジン・クラスター内の実行中のそれぞれのサーバーに関連付けられた高可用性の状態が示されます。 サーバーが使用不可の状態 (赤い正方形で示される) になっている場合、メッセージング・エンジンはそのサーバー上で始動できないため、ご使用の環境の高可用性が損なわれます。 すべてのサーバーが使用不可の状態になっている場合、少なくとも 1 つのサーバーが使用可能になるまで、メッセージング・エンジンは始動できません。

  3. 使用不可の状態になっているメンバーを選択して、「使用可能」をクリックします。

次のタスク

データ・ストアを使用するメッセージング・エンジンが別のアプリケーション・サーバーにフェイルオーバーすると、データベース・サーバーが元のアプリケーション・サーバーへのネットワーク接続が失われたことを検出する前に、メッセージング・エンジンが始動しようとする可能性があります。 データベース・サーバーは接続が失われたことを検出していないため、データ・ストア・テーブルのロックが解放されず、メッセージング・エンジンは始動できません。 この状況では、メッセージング・エンジンはクラスター内のすべてのサーバー上で始動できません。 この問題を避けるために、接続が失われたことを速やかに検出するようにシステムを調整してください。


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