ディスク・キャッシュ・ガーベッジ・コレクターを使用する除去ポリシー

ディスク・キャッシュ・ガーベッジ・コレクターは、 指定された除去ポリシーに基づいてディスク・キャッシュからオブジェクトを除去します。

ガーベッジ・コレクターは、ディスク上の一定量のスペースを使用可能な状態に維持します。 これは、オブジェクトのキャッシングに使用するディスク・スペースの量を制限する構成属性によって行われます。 除去ポリシーを使用可能にするには、管理コンソールで「ディスク・キャッシュ・サイズ (GB) の制限」および/または「ディスク・キャッシュ・サイズ (エントリー数) の制限」というオプションを使用可能にします。

ガーベッジ・コレクターは、ディスク・スペースが指定された上限しきい値 (ディスク・キャッシュ・サ イズ (エントリー数) または (GB) の制限 の割合) に達すると起動し、 除去ポリシーに基づいて、ディスク・キャッシュが指定された下限しきい値 (ディスク・キャッシュ・サ イズ (エントリー数) または (GB) の制限 の割合) に到達するまで、バックグラウンドでオブジェクトをディスクから除去します。 除去は、「ディスク・キャッシュ・サ イズ (GB) の制限」および「ディスク・キャッシュ・サ イズ (エントリー数) の制限」のいずれかまたは両方の 上限しきい値に達したときに起動します。 サポートされているポリシーは、以下のとおりです。
  • なし: これはデフォルト・ポリシーです。 オブジェクトは、有効期限が切れたときか、無効化された場合にのみ除去されます。
  • ランダム: 期限切れのオブジェクトが先に除去されます。 ディスク・サイズがまだ下限しきい値に達していない場合、 オブジェクトがディスク・キャッシュからランダムな順序で取り出され、 ディスク・キャッシュが下限しきい値に達するまで除去されます。
  • サイズ: 期限切れのオブジェクトが先に除去されます。 ディスク・サイズがまだ下限しきい値に達していない場合、 ディスク・サイズが下限しきい値に達するまで、最も大きいオブジェクトが除去されます。

「ディスク・キャッシュ・サ イズ (GB) の制限」および上限しきい値によって、 除去を起動し、ディスク・キャッシュがほぼいっぱいであることを判断する時期が決まります。 これは、ユーザー指定の制限の関数として計算されます。 指定された制限が 10 GB (最低 3 GB) である場合、 キャッシュ・サブシステムは最初に 3 つのファイルを作成します。 これらのファイルは、キャッシュ・データ、依存関係 ID 情報、およびテンプレート情報でサイズが 1 GB に達する場合があります。 キャッシュ・データ、依存関係 ID 情報、またはテンプレート情報を入れるための追加のスペースが必要になるたびに、 新規ファイルが作成されます。 これらのファイルは、作成されたファイルの総数がディスク・キャッシュのサイズ (GB 単位で、この場合は 10) と同じになるまで、 それぞれが 1 GB ずつ増加します。 新規ファイルの初期サイズは、1 GB よりはるかに小さいですが、動的キャッシュ・サービスによって、常に 1 つ上 の GB に切り上げられます。

除去は、キャッシュ・データ・サイズが上限しきい値に達したときに起動し、 キャッシュ・データ・サイズが下限しきい値に達するまで継続します。 キャッシュ・データ・サイズの計算は動的です。 次の公式は、実際のキャッシュ・データ・サイズの制限を計算する方法を示しています。

キャッシュ・データ・サイズの制限 = ディスク・キャッシュ・サイズ (GB) - GB 当たりの依存関
係ファイル数 - テンプレート・ファイル数
キャッシュ・データ・サイズの制限が定義されると、次のようにしてトリガー・ポイントが計算されます。
除去トリガー・ポイント = キャッシュ・データ・サイズの制限 * 上限しきい値
除去されるエントリーのサイズ = キャッシュ・データ・サイズ * (上限しきい値 - 下限しきい値)
以下のシナリオを考えてみます。
  • シナリオ 1
    • ディスク・キャッシュ・サイズ (GB) = 10 GB
    • 上限しきい値 = 90%
    • 下限しきい値 = 80%
    最初に、従属関係 ID とテンプレート ID のファイルが 1 つあります。
    キャッシュ・データ・サイズの制限 = 10-(1+1) = 8 GB
    除去トリガー・ポイント = 8 * 90% = 7.2 GB
    除去されるエントリーのサイズ = 8 * (90% - 80%) = 0.8 GB
    前述のシナリオでは、 除去は、データ・キャッシュ・サイズが 7.2 GB に達すると開始し、キャッシュ・サイズが 6.4 GB (7.2 - 0.8) になるまで継続します。
  • シナリオ 2
    シナリオ 1 では、依存関係ファイルの大きさが 1 GB を超えると、追加の依存関係ファイルが生成されます。 除去トリガー・ポイントは、次のように動的に起動します。
    キャッシュ・データ・サイズの制限 = 10 - (2+1) = 7GB
    除去トリガー・ポイント = 7 * 90% = 6.3GB
    除去されるエントリーのサイズ = 7 * (90% - 80%) = 0.7GB
    前述のシナリオでは、除去は、データ・キャッシュ・サイズが 6.3 GB に達すると開始し、 キャッシュ・サイズが 5.6 GB (6.3 - 0.7) になるまで継続します。
ディスク・キャッシュ・サイズ (エントリー数) の制限の場合のディスク・キャッシュ ・サイズの除去。 次のシナリオを考えてみます。
  • ディスク・キャッシュ・サイズ (エントリー数) = 100000
  • 上限しきい値 = 90%
  • 下限しきい値 = 80%
除去トリガー・ポイント = 100000 * 90% = 90000
除去されたエントリー数 = 100000 * (90% - 80%) = 10000
このシナリオでは、除去は、キャッシュ・エントリー数が 90000 に達すると起動し、 10000 のエントリーがキャッシュから除去されます。

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