ファイル・ストア・ディスクの要件

ストレージ・インフラストラクチャーの信頼性は、 データの保全性を維持するための WebSphere® Application Server の機能に影響を与えます。

提供するように構成できる信頼性のレベルについては、ストレージ・インフラストラクチャーのドキュメンテーションを参照してください。 ストレージ・インフラストラクチャーに含まれるコンポーネントの例として挙げられるのは、ハード・ディスク・ドライブ、RAID コントローラー、ファイル・システム、およびネットワーク・ファイル・システム・プロトコルなどです。

入出力の信頼性
ログおよび保管ファイルは、Java API を使用して書き込まれます。その際、JVM では、すべての書き込みが同期的に行われるか、特定の API 呼び出し後にそれ以前のすべての書き込みをディスクに入れるように強制する必要があるかを示すフラグを設定する必要があります。このため、どのような障害が発生しても、データが同期書き込みで書き込まれたり、強制書き込みの前にデータが失われたり、破損したり、間違った順序で書き込まれたりしないようにする必要があります。
これらの書き込み要求の適用には、複数のレイヤーが関わっています。 使用可能な各種構成が、必要なレベルの信頼性を提供するかどうかを示すことができるのは、オペレーティング・システム、ファイル・システム、およびハード・ディスクのベンダーのみです。これは、データベースなどのその他のロギング・システムにも当てはまります。
特に、メッセージング・エンジンが実行されているローカル・マシン上にストレージ・デバイスがなく、ファイルが NFS などのネットワーク・ファイル・システム上に存在する場合は、これらの要件を確実に満たすように NFS を構成する必要があります。書き込みキャッシュが行われていないことを確認するテストはありません。
ファイルの場所
メッセージング・エンジンは、クラスター・バス・メンバー内にある場合は、異なるサーバーで実行できます。この場合、ファイル保管ファイルは共有ストレージ上になければなりません。管理コンソールで構成されるファイル保管ファイルへのパスは、メッセージング・エンジンが実行できる各マシン上の同じファイルへのパスでなければなりません。これを行うには、NFS またはその他の高度なストレージ・メカニズムを使用します。
指定されたパスのファイルが同じファイルではない場合は、メッセージング・エンジンがあるサーバーから別のサーバーにフェイルオーバーすると、結果として、同じ名前の異なるメッセージング・エンジンになります。メッセージング・エンジンの新しいインスタンスでは、どのパーシスタント・データも使用できません。
ファイル・ロック
ログ・ファイルは、java.nio.channels.FileLock.tryLock() を使用してロックされます。 オペレーティング・システムおよびファイル・システムは常にこのロックを適用する必要があり、また明示的に要求された場合にロックを解放する必要があります。これが行われないと、メッセージング・エンジンが実行されている Java プロセスが予期せず終了します。
特に、保持されているロックは、ファイルが別のマシンからアクセスされている場合でも、その他のプロセスがそのファイルをロックしないようにする必要があります。また、メッセージング・エンジンを実行している Java プロセスが予期せず終了した場合は、他のマシンがファイルにアクセスできるように、ロックを解放する必要があります。
この要件により、メッセージング・エンジンがクラスター・バス・メンバー内にある状況が支援されるため、複数の異なるサーバーで実行できるようになります。 メッセージング・エンジンの最初のインスタンスで障害が発生したために HAManager が別のメッセージング・エンジンに開始するように指示した場合には、そのメッセージング・エンジンは、もう一方のプロセスが終了した場合にログ・ファイルをロックできる必要があります。同様に、もう一方のプロセスが終了しなかった場合は (いわゆるスプリット・ブレインのシナリオ)、メッセージング・エンジンの新しいインスタンスは、ロックを取得できないようにする必要があります。これにより、メッセージング・エンジンが開始しなくなります。
ファイル・ロックのテスト・ツールを使用して、ファイル・システムが基本的なロック要件を備えているかを確認できます。ファイル・システム・ロック・プロトコルのテスト・ツールについて詳しくは、IBM サポートの資料を参照してください。

トピックのタイプを示すアイコン 概念トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=cjm1411_
ファイル名:cjm1411_.html