LE ヒープの微調整

以下の手順を使用して、z/OS® オペレーティング・システムを調整し、WebSphere® Application Server のパフォーマンスを最適化します。

このタスクについて

LE ヒープは、注意が必要なストレージ管理領域です。サーバーの場合、IBM® では HEAP および HEAPPOOL のデフォルト値をサーバーのメインプログラムにコンパイルしてあります。これらは、単純なアプリケーション用にあわせて 用意されています。LE ヒープ設定を調整するには、以下の手順を行います。

手順

  1. アプリケーション・サーバーのストレージ使用状況についてレポートを生成するには、LE RPTSTG(ON) 関数を使用してください。 この関数を使用可能にするには、以下のアクションを実行します。結果はサーバント・ジョブ・ログに表示されます。
    1. 管理コンソールで、「環境」 > 「WebSphere 変数」> > 「新規作成」をクリックします。
    2. 「名前」フィールドで _CEE_RUNOPTS と指定し、「値」フィールドで RPTSTG(ON),RPTOPTS(ON) と指定します。
    3. 「保存」をクリックして変更を保存します。
  2. サーバーを正常に停止するには、次の VARY コマンドを使用します。
    VARY WLM,APPLENV=xxxx,QUIESCE
    以下の例は、RPTSTG(ON) 関数からのサーバント SYSPRINT DD の出力を示しています。
    例:
    .   .   .    
    0    HEAP statistics:
           Initial size:                                     83886080
    
           Increment size:                                    5242880
           Total heap storage used (sugg. initial size):    184809328
    
           Successful Get Heap requests:                       426551
           Successful Free Heap requests:                      424262
           Number of segments allocated:                            1
           Number of segments freed:                                0
       .   .   .   
    
      Suggested Percentages for current Cell Sizes:
        HEAPP(ON,8,6,16,4,80,42,808,45,960,5,2048,20)
      Suggested Cell Sizes:
        HEAPP(ON,32,,80,,192,,520,,1232,,2048,)
     . . .    
    
  3. ストレージ使用状況レポートの「Suggested Cell Sizes」行のヒープ値を別の RPTSTG(ON) 関数で使用して、別のストレージ使用状況レポートを取得します。
    1. 管理コンソールで、「環境」 > 「WebSphere 変数」 > 「新規」をクリックします。
    2. 「名前」フィールドで _CEE_RUNOPTS と指定し、「値」フィールドで RPTOPTS(ON),RPTSTG(ON),HEAPPOOLS(ON,32,,80,,192,,520,,1232,,2048,) または RPTOPTS(ON),RPTSTG(ON),HEAPP(ON,32,,80,,192,,520,,1232,,2048,) と指定します。
    3. 「保存」をクリックして変更を保存します。
    以下の例は、これらの値のうち 1 つを指定した場合のサーバント・ジョブ・ログの出力を示しています。
    例:
       .   .    
    0    HEAP statistics:
           Initial size:                                     83886080
    
           Increment size:                                    5242880
           Total heap storage used (sugg. initial size):    195803218
    
           Successful Get Heap requests:                       426551
           Successful Free Heap requests:                      424262
           Number of segments allocated:                            1
           Number of segments freed:                                0
       .   .   .   
    
      Suggested Percentages for current Cell Sizes:
        HEAPP(ON,32,8,80,43,192,48,520,20,1232,5,2048,20)
      Suggested Cell Sizes:
        HEAPP(ON,32,,80,,192,,520,,1232,,2048,)
     . . .    
    
  4. 2 番目のストレージ使用状況レポートの「Suggested Percentages for current Cell Sizes」行のヒープ値を別の RPTSTG(ON) 関数で使用して、3 つ目のストレージ使用状況レポートを取得します。
    1. 管理コンソールで、「環境」 > 「WebSphere 変数」 > 「新規作成」をクリックします。
    2. 「名前」フィールドで _CEE_RUNOPTS と指定し、「値」フィールドで RPTOPTS(ON),RPTSTG(ON,32,8,80,43,192,48,520,20,1232,5,2048,20) と指定します。
    3. 「保存」をクリックして変更を保存します。
    以下の例は、この値を指定した場合のサーバント・ジョブ・ログの出力を示しています。
    例:
       .   .    
    0    HEAP statistics:
           Initial size:                                     83886080
    
           Increment size:                                    5242880
           Total heap storage used (sugg. initial size):    198372130
    
           Successful Get Heap requests:                       426551
           Successful Free Heap requests:                      424262
           Number of segments allocated:                            1
           Number of segments freed:                                0
       .   .   .   
    
      Suggested Percentages for current Cell Sizes:
        HEAPP(ON,32,8,80,43,192,48,520,20,1232,5,2048,20)
      Suggested Cell Sizes:
        HEAPP(ON,32,,80,,192,,520,,1232,,2048,)
     . . .    
    
  5. 3 番目のストレージ使用状況レポートの 「Total heap storage used (sugg. initial size):」 行を探し、この値を初期 LE ヒープ設定に使用します。 例えば、3 番目のレポートの例では、この値は 198372130 です。
  6. サーバー設定から RPTSTG WebSphere 変数を除去します。これは、ストレージの使用情報を収集する間に性能がわずかに低下するためです。
    1. 管理コンソールで、「環境」>「WebSphere 変数」をクリックします。
    2. _CEE_RUNOPTS を選択して、RPTSTG を除去します。
  7. z/OS で実行するクライアント・プログラムについては、クライアントの proc で HEAPP(ON) を指定し、デフォルトの LE ヒープ・プールを取得する必要があります。 LE では、z/OS の将来のリリースで、(6 を超える数の) 追加プールと 2048 MB より大きいセル・サイズが提供されます。 システムにこのサービスがある場合、このようなプール数とセル・サイズの増加による利点を得られることがあります。
  8. LE HEAPCHECK を使用する場合、コードに未初期化ストレージがないことを検証した後、この機能をオフにしてください。 HEAPCHECK は、非常にコストを要する場合があります。

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ファイル名:tprf_tunezleheap.html