Web サーバー・プラグインの調整ヒント

Web サーバー・プラグインの調整のための 重要なヒントとして、 ストレスの高い環境において、 ワークロードのバランスを取り、 パフォーマンスを向上させる方法があります。 Web サーバー・プラグインがフロントとなる ネットワークのアプリケーション・サーバー間で、 ワークロードのバランスを取ることによって、 要求応答時間が改善されます。

[z/OS]この製品は、z/OS® のネイティブのワークロード管理 (WLM) 機能を使用して、HTTP Server for z/OS バージョン 5.3、または IBM® HTTP Server for WebSphere® Application Server on z/OS に定義されているアプリケーション・サーバーのワークロードのバランスを動的に取ります。HTTP Server for z/OS バージョン 5.3 について詳しくは、z/OS の資料「HTTP Server 計画、インストールと使用の手引き」を参照してください。IBM HTTP Server for WebSphere Application Server on z/OS に関する情報は、このインフォメーション・センターにあります。

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]

ワークロードのバランシング

通常のオペレーション中に、 アプリケーション・サーバーに保留される接続のバックログはどうしても増えてしまいます。 このため、Web サーバー・プラグインがフロントとなるネットワークのアプリケーション・サーバー間でワークロードのバランスを取ることによって、要求応答時間が改善されます。

アプリケーション・サーバーが処理できる接続数を制限することができます。 これを行うには、次のようにします。
  1. 「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「WebSphere Application Server」 > server_nameと進みます。
  2. 「追加プロパティー」セクションで、「Web サーバー・プラグインのプロパティー」をクリックします。
  3. アプリケーション・サーバー・フィールドによって処理できる最大接続数に対して「接続の最大数の使用」を選択します。
  4. 「接続」フィールドで、許可する最大接続数を指定します。
  5. 次の「適用」「保存」 をクリックします。

この最大接続数に達すると、接続を確立する際に、プラグインは自動的にそのアプリケーション・サーバーをスキップし、 次の使用可能なアプリケーション・サーバーへの接続を試行します。 使用可能なアプリケーション・サーバーがない場合、HTTP 503 応答コードがクライアントに戻されます。 このコードは、サーバーが一時的に過負荷になっていたり、メンテナンスが行われているために、現在要求を処理できないことを示しています。

ネットワークのアプリケーション・サーバーの容量によって 、最大接続数に指定する値が決まります。 理想的なシナリオは、ネットワークのすべてのアプリケーション・サーバーが最適に使用されることです。 例えば、ご使用の環境が以下のような場合です。
  • 1 つのクラスターには 10 のアプリケーション・サーバーがあります。
  • これらのすべてのアプリケーション・サーバーは同じアプリケーション (すなわち、Application_1 および Application_2) をホストします。
  • このアプリケーション・サーバーのクラスターは、5 つの IBM HTTP Server を介して動作します。
  • IBM HTTP Server はロード・バランサーから要求を取得します。
  • Application_1 は要求に応答するのに約 60 秒かかります。
  • Application_2 は要求に応答するのに約 1 秒かかります。

要求の到着パターンによって、Application_1 に対 するすべての要求が 2 つのアプリケーション・サーバー (例えば Appsvr_1 および Appsvr_2) に転送されます。到着率が処理率より速い場合、Appsvr_1 および Appsvr_2 への保留要求の数は増えていきます。

最終的には、Appsvr_1 および Appsvr_2 はビジー状態で、以降の要求に応答することができません。 通常、この過負荷の状態からリカバリーするには時間がかかります。

2500 の接続を維持し、この例で Application Server を最適に使用するには 、許可する接続最大数を 50 に設定します。 (この値には 、Web サーバーの数で Application Server の数をかけて、その結果で接続数を割ることによって得られます。この例では、2500/(10x5)=50 となります。)

アプリケーション・サーバーで確立できる接続数を制限すると、単一のマルチスレッド・プロセスを使用して要求を処理する Web サーバーで最適な動作を実現できます。

[Windows]IBM HTTP Server は、単一のマルチスレッド・プロセスを使用して要求を処理します。構成を変更する必要はありません。

[AIX HP-UX Solaris][z/OS]IBM HTTP Server は通常、複数のマルチスレッド・プロセスを使用して要求を処理します。Web サーバーの構成ファイル (httpd.conf) のプロパティーに以下の値を指定すると、IBM HTTP Server では要求を処理するために 2 つ以上のプロセスを使用できません。

ServerLimit           1
ThreadLimit           1024
StartServers          1
MaxClients            1024
MinSpareThreads       1
MaxSpareThreads       1024
ThreadsPerChild       1024
MaxRequestsPerChild   0

高ストレス環境でのパフォーマンスの向上

[Windows]Microsoft Windows オペレーティング・システムのデフォルト設定を使用する場合、高ストレス環境で実行すると Web サーバー・プラグインのパフォーマンス上の問題が発生する場合があります。 こうした問題を回避するには このオペレーティング・システムの TCP/IP 設定を 調整してみてください。 調整する 2 つのキー設定は、TcpTimedWaitDelay および MaxUserPort です。

TcpTimedWaitDelay 設定を調整するには tcp_time_wait_interval パラメーターの値を、デフォルトの 240 秒から 30 秒に変更します。
  1. Windows レジストリーの以下の場所を探します。
    HKEY_LOCAL_MACHINE¥System¥CurrentControlSet¥Services¥tcpip¥Parameters¥TcpTimedWaitDelay
    このエントリーが Windows レジストリーに存在しない場合は、このエントリーを新規の DWORD 項目として編集して作成します。
  2. この入力項目について、秒単位で 30 以上 300 以下の値を指定します。 (30 を指定することをお勧めします。)
MaxUserPort 設定を調整するには、以下を実行します。
  1. Windows レジストリーの以下の場所を探します。
    HKEY_LOCAL_MACHINE¥System¥CurrentControlSet¥Services¥tcpip¥Parameters¥MaxUserPort
    このエントリーが Windows レジストリーに存在しない場合は、このエントリーを新規の DWORD 項目として編集して作成します。
  2. ポートの最大数を 5000 以上 65534 以下の値に設定します。 (65534 を指定することをお勧めします。)

これらの設定について詳しくは、Microsoft の Web サイトを参照してください。


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ファイル名:rprf_plugin.html