キャッシュ・モニター
キャッシュ・モニターは、 動的キャッシュの現行状態をリアルタイムで表示する、 インストール可能な Web アプリケーションです。 これを使用して、 動的キャッシュが期待どおりに動作しているかどうかを確認できます。 キャッシュ内のデータは、このキャッシュ・モニターを使用することによってのみ操作可能です。キャッシュ・モニターには、データを手動で変更するための GUI インターフェースが用意されています。
キャッシュ・モニターは、
ブラウザーがモニターと対話するために接続されるサーバント内のキャッシュに関する情報を提供します。
複数のサーバントが存在する環境では、キャッシュ・モニターは、
キャッシュ・アクティビティーの部分的ビューを提供します。
- 動的キャッシュの構成の検査
管理コンソールで複数のサーブレット・キャッシュ・インスタンスを作成した後は、各キャッシュ・インスタンスの最大サイズやディスク・オフロードの場所などのプロパティーの構成、および外部キャッシュの制御などの拡張機能の構成を行うことができます。 キャッシュ・モニターで構成済みの機能とプロパティーを表示することにより、動的キャッシュの構成を検査することができます。
- キャッシュ・ポリシーの検査
オブジェクトをキャッシュに入れるには、そのオブジェクトのさまざまな呼び出しについて固有の ID を生成する必要があります。 各オブジェクトの固有の ID を作成するには、Web モジュールの WEB-INF ディレクトリーまたは エンタープライズ Bean META-INF ディレクトリーの内部にある cachespec.xml ファイルで、キャッシュ可能なオブジェクトごとに規則を設定します。 キャッシュ可能なオブジェクトについて詳しくは、cachespec.xml ファイルのトピックを参照してください。 各キャッシュ可能オブジェクトは複数のキャッシュ ID 規則を持つことができます。これらの規則は、いずれかの規則がキャッシュ ID を戻すか、あるいは規則がなくなるまで順次実行されます。有効なキャッシュ ID を生成するキャッシュ ID 生成規則がない場合、 オブジェクトはキャッシュに入れられません。複数のキャッシュ ID 規則を持つ複数の cachespec.xml ファイルが存在する場合があります。 キャッシュ・モニターにより、各オブジェクトのポリシーを検査することができます。動的キャッシュに現在読み込まれているキャッシュ・インスタンスごとのすべてのキャッシュ・ポリシーを表示することもできます。この ビューは、cachespec.xml ファイルが動的キャッシュによって正常に読み取られたことを確認する場合にも便利です。
- キャッシュ統計のモニター
キャッシュ・ヒット数、キャッシュ・ミス数、および各キャッシュ・インスタンス内のエントリー数などの主なキャッシュ・データを表示できます。このデータにより、キャッシュ構成をチューニングして、動的キャッシュのパフォーマンスを向上させることができます。例えば、使用中のエントリー数が頻繁に高くなり、エントリーの除去、再作成が行われる場合、キャッシュの最大サイズを増加したり、ディスク・オフロードを有効にしたりするなどの措置を検討する必要があります。
- キャッシュを通過するデータのモニター
キャッシュ可能オブジェクトが呼び出されると、動的キャッシュはそのオブジェクトのキャッシュ・エントリーを作成します。このエントリーには、実行されるアクションの出力、および存続時間や共有ポリシーなどのメタデータが含まれています。各エントリーは、特定のオブジェクト名に対して cachespec.xml ファイルに指定されている規則に基づく、固有の ID ストリングにより識別されます。同じ名前を持つオブジェクトは、それぞれの呼び出しごとに、その呼び出しの要求パラメーターと属性に基づいて、複数のキャッシュ ID を生成することができます。キャッシュ・インスタンス内のすべてのキャッシュ・エントリーは、固有の ID に基づき、表示することができます。また、共通名 (テンプレートとも呼ばれる) を共有するキャッシュ・エントリーのグループも表示できます。キャッシュ・エントリーは、依存関係 ID (共通のエンティティーに依存するエントリーのグループ全体を無効化する際に使用する ID) によって グループ化することもできます。そのため、キャッシュ・モニターは、共通の依存関係 ID を共有するキャッシュ・エントリーのグループのビューも提供します。
また、キャッシュ・モニターは、キャッシュ・エントリーごとに存続時間、優先順位 、および 共有ポリシーなどのメタデータを表示し、キャッシュに格納されている出力の ビューも提供します。このビューを使用することにより、どのページがキャッシュに入れられているか、ページがキャッシュに格納された際、正しいキャッシュ・インスタンスであったか、存続時間や優先順位などの正しい属性が指定されていたか、およびページの内容に間違いはないかを検査することができます。
- エッジ・キャッシュ内のデータのモニター
動的キャッシュは、Edge Side Include (ESI) プロセッサーの有無を識別可能で、ESI を生成するために、 エッジ・キャッシング可能なフラグメント用の、タグおよび該当するキャッシュ・ポリシーが含まれています。ESI プロセッサーは、非常に高いキャッシュ・ヒット率で、ページの一部分だけでなく、ページ全体をキャッシュに入れることができます。 キャッシュが構成されている複数のホストで ESI プロセッサーを複数実行することができます。
すべての ESI プロセス、およびキャッシュが有効になっている ESI プロセスのホストをリストすることができます。ホストやプロセッサーを選択したり、そのエッジ・キャッシュ統計および現行のキャッシュ・エントリーを表示したりできます。
- ディスクにオフロードされたデータの表示
デフォルトでは、キャッシュ・エントリーの数が、 指定されたサーバーの構成済みの制限に達すると、新しいエントリーをキャッシュ・サービスに入れられるよう、キャッシュ・エントリーが除去されます。 ディスク・オフロードにより、削除されたキャッシュ・エントリーは、 後でアクセスできるようディスクにコピーされます。 ディスクにコピーされた内容を表示することができ、 これは、各キャッシュ・インスタンスのメモリー内のキャッシュに入れられた内容のビューに一致します。
- キャッシュ内のデータの管理キャッシュ内のデータには、以下の基本操作を行えます。
- キャッシュ・インスタンスからのエントリーの除去
- 特定の依存関係 ID に対するすべてのエントリーの除去
- 特定の名前 (テンプレート) に対するすべてのエントリーの除去
- 最低使用頻度キューの先頭へのエントリーの移動によるキャッシュ・エントリー除去の回避
- ディスクからキャッシュ・インスタンス内のメモリーへのエントリーの移動
- キャッシュ・インスタンスのコンテンツ全体の消去
- キャッシュ・インスタンスのディスクのコンテンツの消去
これらの操作により、サーバーを再始動せずにキャッシュの状態を手動で変更することができます。