[z/OS]

トランザクション・クラスを使用した WLM 用のワークロードの分類

トランザクション・クラスを使用して、ワークロード管理 (WLM) を行うためにクライアント・ワークロードを分類することができます。WLM が管理するワークロードは、それぞれ別のサーバント領域をターゲットにする個別のトランザクションで構成されています。それぞれ、特定のサービス・クラスで定義された目標を持ちます。 選択されたサービス・クラスにより、CPU 負荷が集中する可能性がある Java™ Garbage Collection (GC) の実行時における WLM の目標も決定されます。 サービス・クラス階層内では、実動の WebSphere® サーバー、CICS® サーバー、または IMS™ トランザクション・サーバーなどの重要度の高い作業より高位の位置にサーバントを設定しないようにします。

始める前に

トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): トランザクション・クラス・マッピング・ファイルのサポートは推奨されません。z/OS® 環境で作業要求を分類するには、トランザクション・クラス・マッピング・ファイルの代わりにワークロード分類文書を使用してください。gotcha

ご使用のサービス・クラスのサービス目標 (ゴール) を定義する必要があります。 また、サーバーのサービス目標も定義する必要があります。 各サービス・クラスのサービス目標 (ゴール) の定義に関して詳しくは、「z/OS MVS™ 計画: ワークロード管理」ブック (SA88-8574) (http://publibz.boulder.ibm.com/epubs/pdf/iea2w131.pdf)、または z/OS WLM Web ページ (http://www.ibm.com/servers/eserver/zseries/zos/wlm/) を参照してください。

トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): 最初に特別な分類規則および作業修飾子を定義する必要はありません。ただし、このシステムが実動システムになる前に定義しておく必要があります。gotcha

このタスクについて

各トランザクションは、サーバント・プロセスで独自の WLM エンクレーブにディスパッチされ、サービス・クラスの目標に従って管理されます。 選択されたサービス・クラスにより、CPU 負荷が集中する可能性がある Java Garbage Collection (GC) の実行時における WLM の目標も決定されます。

WLM で必要と判断された場合に迅速に初期化できるように、このサーバントを STC 重要度が高いサービス・クラスに分類する必要があります。 ただし、サービス・クラス階層内では、CICS サーバーや IMS トランザクション・サーバーなどの、より重要度の高い作業より高位の位置にサーバントを設定しなくてもかまいません。

コントローラーは、システムで作業を受け取ると処理を実行し、トランスポート・ハンドラーの管理、作業項目の分類、ハウスキーピング・タスクの処理を行います。そのため、コントローラーも STC 重要度が高いサービス・クラスに分類する必要があります。

WLM CB タイプ分類基準を使用して、作業項目を分類できます。

  • サーバー名 (CN)
  • サーバー・インスタンス名 (SI)
  • トランザクションに割り当てられたユーザー ID (UI)
  • トランザクション・クラス (TC)

サーバーおよびユーザー ID 基準を使用して作業を分類するには、WLM ISPF ダイアログ・パネルの WLM Workload Classification 規則を組み合わせて使用します。 WLM Classification 規則の定義については、分類規則の例が含まれたワークロード管理 (WLM) および関連項目を参照してください。

トランザクション・クラスを使用して作業を分類するには、このタスクで説明するとおり、トランザクション・クラスのマッピングを定義して使用します。 以下のステップは、トランザクション・クラスを使用して作業を分類するために使用します。

手順

  1. 各 HTTP または HTTPS リクエストによって提供された HTTP 仮想ホスト名、ポート番号、および URI (Universal Resource Identifier: Web 上のリソースに指定されたエンコード済みアドレス) に基づいてトランザクション・クラスのマッピングを定義します。
    1. トランザクション・クラスのマッピング・ファイルを (単純なテキスト・ファイルとして) 作成します。 例: /wasconfig/t5was/MyTrMapFile.txt
      重要: このファイルは EBCDIC フォーマットである必要があります。
    2. トランザクション・クラスのマッピング・ファイルを編集して、使用する各トランザクション・クラスのマッピングを定義します。 次の構文を使用して、各マッピングを別々の行で定義します。
      TransClassMap host:port uritemplate tclass
      注: ホスト・フィールドとポート・フィールドを両方とも使用する場合、それらにワイルドカード文字を使用することができます。
      以下に例を示します。
      TransClassMap wsc4.washington.ibm.com:9080  /MyIVT/index.*    TCLMYIVT
      TransClassMap wsc4.washington.ibm.com:9080  /MyIVT/ivtejb     TCLMYEJB
      TransClassMap wsc4.washington.ibm.com:*     /SuperSnoop*      TCLSNOOP
      TransClassMap wsc4.washington.ibm.com:*     /ssb/*            TCLSSB
      TransClassMap *:*                           /admin*           TCLADMIN
  2. トランザクション・クラスによって分類される作業を処理する各サーバーの管理プロパティーにトランザクション・クラスのマッピング・ファイルを指定します。 サーバー用のトランザクション・クラスのマッピング・ファイルを指定するには、以下のようにします。
    1. 管理コンソールで、「サーバー」>「サーバー・タイプ」>「WebSphere Application Server」> 「server_name」とクリックします。次に、「コンテナー設定」セクションで「コンテナー設定」>「Web コンテナー」とクリックします。
    2. 「追加プロパティー」セクションで、「z/OS 追加設定」をクリックします。
    3. トランザクション・クラス・マッピング」フィールドに、前のステップで編集したトランザクション・クラスのマッピング・ファイルの完全修飾名を入力します。 例: /wasconfig/t5was/MyTrMapFile.txt
    4. HTTP 要求および HTTPS リクエストに応答して配信されるアウトバウンド・データを分類するためにトランザクション・クラスを使用する場合は、Network QoS フィールドで TCLASS オプションを選択します。 TCLASS を指定すると、製品は z/OS ワークロード・マネージャーに対するインバウンド要求を分類するために使用されたトランザクション・クラスの値を使用します。

以下のテーブルは、コントローラー領域とサーバント領域の始動済みタスクに関する STC タイプの作業の分類規則を示しています。
          --------Qualifier--------           -------Class--------
Action    Type     Name     Start             Service     Report  
                                    DEFAULTS: OPS_DEF     ________
_____  1  TN      %%DMN    ___                OPS_HIGH    RWSDMN _____  1  TN      T5SRV*   ___                OPS_MED     RT5SRV
_____  1  TN      WS%%%%   ___                SYSSTC      RWSCTLR 
 ____  1  TN      WS%%%%S  ___                OPS_HIGH    RWSSRVR

以下のテーブルでは、デフォルトのサービス・クラスが WSMED であり、レポート・クラスが RWSDEFLT である CB-type 作業の分類規則を示します。 WSPROD サーバーで実行される作業は WSMED として分類され、レポート・クラスは RWSPROD です。ただし、トランザクション・クラス TCLASS1、TCLASS2、または TCLASS2 がトランザクション・クラスのマッピング・ファイルを通じて割り当てられている場合を除きます。

Qualifier    Qualifier Start       Service  Report
# type       name      position    Class    Class
- ---------  --------  --------    -------- --------
                          Default: WSMED    RWSDEFLT
1 CN         WSPROD    1           WSMED    RWSPROD
2 . TC       .
TCLASS1             WSFAST   RWSPRD1
2 . TC       .
TCLASS2             WSMED    RWSPRD2
2 . TC       .
TCLASS5             WSSLOW   RWSPRD5
1 CN         WSTEST    1           WSSLOW   RTSTEST
2 . UI       .
USER1               WSMED    RTSTSTU2
2 . TC       .
TCLASS5             WSSLOW   RTSTST5
以下のテーブルでは、作業にトランザクション・クラスを割り当てる際に、トランザクションで使用するホスト名、ポート番号、または URI に基づいて割り当てる方法を示します。 例えば、WSPROD サーバーによって処理される http://ibm.com:80/Webap1/myservlet という Web 要求には 、分類規則に従って、トランザクション・クラス TCLASS1、サービス・クラス WSFAST、 およびレポート・クラス RWSPRD1 が割り当てられます。
TransClassMap www.ibm.com:80 /Webap1/myservlet TCLASS1
TransClassMap www.ibm.com:* /Webap1/myservlet TCLASS2
TransClassMap *:443 * TCLASS3
TransClassMap *:* /Webap1/myservlet TCLASS4
TransClassMap www.ibm.com:* /Webap5/* TCLASS5
TransClassMap * * TCLASS6
分類規則の適用例は、以下のとおりです。

この例では、BBOC001 のすべての作業は、 ユーザー ID DBOOZ で実行する作業を除いて、CBFAST として分類されます。DBOOZ の作業は、CBSLOW として 分類されます。セルの外部のクライアントからの作業や、製品のランタイム・サーバー用の作業など、その他の作業はすべて CBCLASS として分類されます。

この例の目的を達成するために、本製品 (サブシステム・タイプ CB) 用に定義されたワークロード管理サービス・クラスが、以下の 3 種類あると想定します。
  1. 高速応答時間を必要とするトランザクション用に設計された CBFAST。
  2. 高速応答時間を必要としない、長時間実行されるアプリケーション用に設計された CBSLOW。
  3. 残存作業要求用に設計された CBCLASS。

高速応答時間を必要とする、BBOC001 と呼ばれるクライアント・ワークロードを 設計します。また、マネージャーのユーザー ID (DBOOZ) で実行する作業の応答時間を より低速にします。最後に、すべての残存作業要求は、デフォルトのサービス・クラス CBCLASS の下で 実行します。

表 1. 分類処理の例. この表には、処理のタイプ、名前、サービス、および目的が含まれています。
タイプ列 名前列 サービス列 目的
CN BBOC001 CBFAST 2 秒で 90% 完了
UI DBOOZ CBSLOW 速度 50、重要性 = 3
(デフォルト) (ブランク) CBCLASS 任意
IWMARIN0 を使用して、以下のようにパフォーマンス目標を設定することができます。
  1. IWMARIN0 を発行し、オプション 4 を選択します。
      File  Utilities  Notes  Options  Help
    -------------------------------------------------------------------------- 
      Functionality LEVEL003   Definition Menu  WLM Appl LEVEL004    Command ===> 
    ______________________________________________________________
                                                                                  
    Definition data set . . : 'CB.MYCB.WLM'
    Definition name . . . . . CB390      (Required)                                 
    Description . . . . . . . WLM Setup for the product
    Select one of the following options. . . . . 4__  
    1.
    ポリシー2.  Workloads                                                                    
    3.  Resource Groups                                                              
    4.  Service Classes                                                              
    5.  Classification Groups                                                        
    6.  Classification Rules                                                         
    7.  Report Classes                                                               
    8.  Service Coefficients/Options                                                 
    9.  Application Environments                                                    
    10. Scheduling Environments
  2. CBFAST と呼ばれるサービス・クラスを作成し、2 秒で 90% 完了するように指定します。
    注: 例では、ONLINE と呼ばれるワークロードを定義したと想定します。
          Service-Class  Notes  Options  Help  
    --------------------------------------------------------------------------        
    Create a Service Class               
    Row 1 to 2 of 2   Command ===> ____________________________________________________ 
    Service Class Name . . . . . . CBFAST    (Required)                              
    Description . . . . . . . . . Quick CB transactions                             
    Workload Name  . . . . . . . . ONLINE    (name or ?) Base Resource Group  . . . . . ________  (name or ?) Specify BASE GOAL information.  Action Codes: I=Insert new period,               
    E=Edit period, D=Delete period. ---Period---  ---------------------Goal---------------------             
    Action  #  Duration   Imp.  Description
    __                                                                               __    
    1              1    90% complete within 00:00:02.000                    
     ******************************* Bottom of data ********************************
    
    .-----------------------------------------------------------------------.        
    | Press EXIT to save your changes or CANCEL to discard them. (IWMAM970) |        
    '-----------------------------------------------------------------------'    
  3. サービス・クラスを保管します。以下を参照してください。
          Service-Class  View  Notes  Options  Help                                       
    --------------------------------------------------------------------------        
    Service Class Selection List          
    Row 1 to 14 of 21   Command ===> ______________________________________________________
    Action Codes: 1=Create, 2=Copy, 3=Modify, 4=Browse, 5=Print, 6=Delete,
    /=Menu Bar
    Action  Class     
    Description
    Workload                       
    __    CBFAST   
     Quick CB Transactions             
    ONLINE                       
    ******************************* Bottom of data ********************************
  4. CBSLOW サービス・クラスに対して、これまでのステップを繰り返します。
  5. 新規サービス・クラスを使用して、分類規則を作成します。メインパネルで、オプション 6 を選択します。
          File  Utilities  Notes  Options  Help
    --------------------------------------------------------------------------       
    Functionality LEVEL003     Definition Menu            WLM Appl LEVEL004
    Command ===> ______________________________________________________________       
    Definition data set . . : 'CB.MYCB.WLM'
    Definition name . . . . . CB390      (Required)                                 
    Description . . . . . . . WLM Setup for the product
    Select one of the following options. . . . . 6__  
    1.
    ポリシー2.  Workloads                                                                    
    3.  Resource Groups                                                              
    4.  Service Classes                                                              
    5.  Classification Groups                                                        
    6.  Classification Rules                                                         
    7.  Report Classes                                                               
    8.  Service Coefficients/Options                                                 
    9.  Application Environments                                                    
    10. Scheduling Environments
  6. サービス・クラスに対して、規則のセットを作成します。
          Subsystem-Type  Xref  Notes  Options  Help
    --------------------------------------------------------------------------          
    Create Rules for the Subsystem Type        Row 1 to 2 of 2      
    Command ===> ____________________________________________   SCROLL ===> PAGE     
    Subsystem Type . . . . . . . . CB    (Required)                                  
    Description . . . . . . . . .  WebSphere  classification                          
    Fold qualifier names?  . . . . Y  (Y or N)
    Action codes:  A=After    C=Copy         M=Move     I=Insert rule
    B=Before   D=Delete row   R=Repeat   IS=Insert Sub-rule
     -------Qualifier-------------            
    -------Class--------          
    Action    Type     Name     Start             Service     Report  
    DEFAULTS: CBCLAS      ________
    ____  1  CN          
    BBOC001   ___                  
    CBFAST      ________           
    ____  1  UI         
    DBOOZ    ___                  
    CBSLOW      ________         
    ****************************** BOTTOM OF DATA ******************************                  

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tjta_ztclass
ファイル名:tjta_ztclass.html