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可用性を最適化するためのサーバーのトランザクション面の構成
アプリケーション・サーバーのトランザクションに関連する局面を構成して、サーバーの可用性を最適化することができます。 これは、トランザクションのより迅速な完了またはリカバリーに役立ちます。 アプリケーション・サーバーのトランザクション関連プロパティーを変更した後で、サーバーを再始動する必要があります。
このタスクについて
アプリケーション・サーバーのトランザクションに関連する局面を、可用性を最適化する目的で構成するには、以下のステップを実行します。
手順
- トランザクション・ログ・ファイルを、
RAID 装置のような、高可用性ファイル・システム上の高速ディスクに保管します。 トランザクション・ログは、すべてのグローバル・トランザクションからアクセス可能である必要があります。また、クラッシュ後のトランザクション・リカバリーに使用する必要があります。
したがって、ログ・ファイルが書き込まれるディスクは、
RAID 装置のような高可用性ファイル・システム上に配置する必要があります。
ディスクのパフォーマンスも、トランザクションのパフォーマンスに直接影響します。 一般に、グローバル・トランザクションは、2 つのディスク書き込みを実行します。1 つはトランザクション結果が認識されたときの準備フェーズ後の書き込み (この情報は強制的にディスクに書き込まれます) であり、もう 1 つはトランザクション完了時の追加のディスク書き込みです。 したがって、トランザクション・ログは使用可能な最高速ディスクに配置する必要があります。
WebSphere® Application Server クラスター・トポロジーでトランザクション・ログ・リカバリーの自動フェイルオーバーを行うには、各クラスター・メンバーからアクセス可能な RAID 装置などの、高可用性ファイル・システム内の高速ディスク上にあるトランザクション・ログに対してネットワーク・マウント型装置を使用する必要があります。
- ハードウェア・ディスク・ミラーリングまたはデュアル・ポート・ディスクを使用して、トランザクション・ログ・ファイルをミラーリングします。 ログ・ファイルがミラーリングされているか、またはリカバリーが可能な場合は、障害が発生したサーバーの再始動時にログ・ファイルを使用します。または、ログ・ファイルを別のマシンに移動し、別のサーバーを始動してリカバリーを実行することもできます。
ハードウェア・ディスク・ミラーリングやデュアル・ポート・ディスクを構成するには、管理コンソールを使用してトランザクション・ログに適切なファイル・システム・ディレクトリーを指定します。
- アプリケーション・サーバーに、トランザクション・ログ・ディレクトリーの最適なロケーションを指定します。
デフォルトでは、アプリケーション・サーバーは、インストール済み WebSphere Application Server のサブディレクトリー (サブディレクトリーの名前はサーバー名と同じ) にトランザクション・ログ・ファイルを配置します。
例えば、server1 という名前のアプリケーション・サーバーのデフォルト・ディレクトリーは、次のとおりです。
/IBM/WebSphere/AppServer/profiles/profile_name/tranlog/server1
例えば、server1 という名前のアプリケーション・サーバーのデフォルト・ディレクトリーは、次のとおりです。
/QIBM/UserData/WebSphere/AppServer/was_version/ND/profiles/profile_name/tranlog/server1
ここで、was_version は、このインストールの IBM® WebSphere Application Server のバージョン番号を示しています。例えば、V6 は WebSphere Application Server バージョン 6 を示しています。例えば、server1 という名前のアプリケーション・サーバーのデフォルト・ディレクトリーは、次のとおりです。
/IBM/WebSphere/was_version/AppServer/profiles/profile_name/tranlog/server1
ここで、was_version は、このインストールの IBM WebSphere Application Server のバージョン、リリース、および修正番号を示しています。例えば、V6R0M2 は、WebSphere Application Server バージョン 6.0.2 を示しています。サーバーに Transaction Log Directory プロパティーを設定すると、アプリケーション・サーバーのトランザクション・ログ・ディレクトリーの固有のロケーションを指定することができます。トランザクション・ログのディレクトリーがアプリケーション・サーバーの開始時に作成されなかった場合は、ディレクトリー構造が作成されます。
注: トランザクション・ログ・ディレクトリーを変更する場合、できるだけ早く変更を適用してアプリケーション・サーバーを再始動し、アプリケーション・サーバーを再始動するまでの問題発生のリスクを最小限にしてください。例えば、問題により (未完了トランザクションを残したまま) サーバーに障害が発生すると、サーバーの次の始動時には新規のログ・ディレクトリーが使用されるため、古いログ・ディレクトリーに記録された未完了トランザクションを自動的に解決することはできません。 - 複数のアプリケーション・サーバーが、ログ・ファイルの同一のセットを並行して使用できるようにはしないでください。 トランザクション・ログはグローバル・トランザクションの状態をサーバー内に記録するため、ログが失われたり壊れたりした場合に、障害前に準備が完了していたトランザクションは、リソースを未確定状態のままにして、他のユーザーやサーバーによるリソースへの更新やアクセスを防ぐことができます。
これらのトランザクションは、影響を受けたリソース・マネージャーのトランザクションをコミットまたはロールバックして、手動で解決する必要がある場合があります。
障害が起こったサーバーは、コールド・スタートすることができます。コールド・スタートすると、空のトランザクション・ログが新規に作成されます。
ログ・ファイルがミラーリングされているか、またはリカバリーが可能な場合は、障害が発生したサーバーの再始動時にログ・ファイルを使用します。または、ログ・ファイルを別のマシンに移動し、別のサーバーを始動してリカバリーを実行することもできます。詳しくは、関連タスクで説明されています。
複数のアプリケーション・サーバーが、同一のログ・ファイルのセットを並行して使用できるようにしてはなりません。個々のサーバーがそれぞれ他のサーバーが記録した情報を破壊してしまうため、ログ・ファイルは破損し、以降リカバリー目的で使用できなくなってしまいます。
- 始動のたびに同じ listen ポート・アドレスを使用するように、
アプリケーション・サーバーを構成します。 複数のアプリケーション・サーバー間で分散トランザクションを実行している場合は、トランザクション・ログに保存されているリモート・オブジェクト参照を、リカバリー時に発信サーバーにリダイレクトする必要があります。
WebSphere Application Server Network Deployment では、リカバリーに際して、ノード・エージェントが そのようなリモート・オブジェクト参照を適切なアプリケーション・サーバーに自動的にリダイレクトします。 ただし、WebSphere Application Server Network Deployment 上にないアプリケーション・サーバー間の分散トランザクションの場合は、 トランザクションのリカバリーを完了するために、ユーザー自身がリモート・オブジェクト参照のリダイレクトを処理しなければなりません。 例えば、アプリケーション・サーバーが WebSphere Application Server Network Deployment Edition 上にデプロイされていて、WebSphere 以外の EJB または Corba サーバーで分散トランザクションを実行している場合に、これを実行する必要があります。
特に、Application Server WebSphere Application Server Network Deployment 上にないアプリケーション・サーバーのデフォルトの再始動アクションは、サーバーがシャットダウンしたときのポートとは異なる listen ポート・アドレスを使用します。 このため、トランザクション・リカバリーを完了することができません。 この問題を解決するには、始動時に常に同じ listen ポート・アドレスを使用するようにアプリケーション・サーバーを構成する必要があります (オブジェクト・リクエスト・ブローカーのカスタム・プロパティーに関するトピックで ORB プロパティー com.ibm.CORBA.ListenerPort の説明を参照)。 リカバリー時に、トランザクションに携わる別のアプリケーション・サーバーにアクセスできるようにするには、そのサーバーにも同様の構成変更を行う必要があります。


http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tjta_optsrv
ファイル名:tjta_optsrv.html