ファイル・ストアとデータ・ストアの相対的な利点

メッセージング・エンジンにファイル・ストアを使用するかデータ・ストアを使用するかを、各タイプの利点を考慮して決める必要があります。

メッセージング・エンジンにデータ・ストアではなくファイル・ストアを使用することには、いくつかの利点があります。
より良いパフォーマンス
データ・ストアを使用して最高のパフォーマンスを達成するには、 しばしば別個のリモート・データベースを使用しなければならない場合があります。 ファイル・ストアの場合は、別個のリモート・データベース・サーバーを使用しなくても、さらに優れたパフォーマンスを達成することができます。
緩い管理要件
ファイル・ストアは、 管理をほとんど、またはまったく行わずに高いスループットを実現します。このため、ファイル・ストアは、 メッセージング・エンジンがリカバリー可能データ を保管する場所について、気をとられたくないユーザーに適しています。 ファイル・ストアは、Apache Derby のスループットとスケーラビリティーを向上させます。
低いデプロイメント・コスト
データ・ストアを使用すると、 データベース管理において、メッセージング・エンジン の構成および管理を行わなければならない場合があります。ファイル・ストアはデータベース・サーバーのない環境で使用することができます。

データ・ストアの方が既存のリソースをより有効に利用できるため、データ・ストアの使用を望む組織もあります。 例えば、データベースの強力なスペシャリスト・チームか、安定したデータベース・インフラストラクチャーを持つ会社の場合などです。

ファイル・システムへの接続が一時的に失われた場合、ファイル・システムへの接続が復元されたら、 アプリケーション・サーバーを再始動する必要があります。 一方、データ・ストアの場合には、メッセージング・エンジンがデータベース自体からリカバリーすることが可能です。 そのような場合は、高可用性オプションとして、ファイル・ストア・システムよりもデータ・ストアの方が優れています。

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]データ・ストアがファイル・ストアに比べて技術的に優れている点は、データ・ストアでは、Java™ EE アプリケーションが、JDBC 接続を共有して、1 フェーズ・コミットの最適化から利益を得られるということです。詳しくは、1 フェーズ・コミット最適化の利点を活用するための接続の共有を参照してください。ファイル・ストアはこの最適化を サポートしません。

データ・ストアおよびファイル・ストアの両方に保管されたデータは、WebSphere® Application Server API (JMS メッセージング) を使用してアクセスされた場合、WebSphere Application Server に備わったセキュリティー機能から利益を得ることができます。使用するメッセージ・ストアのタイプによって、そのほかにもセキュリティー機能を使用できます。詳細は、ファイル・ストアおよびデータ・ストアを参照してください。
  • データ・ストア: 選択したデータベースには、指定された DBMS で提供されるツールによって管理されているユーザー ID とパスワードを使用してアクセスします。データのセキュリティー全体を向上させるために、データベースを論理的および物理的に 分離することもできます。
  • ファイル・ストア: ファイル・ストアのファイルを慎重に扱ってファイル・ストアを使用することによって、 セキュリティーを向上させることができます。例えば、 セキュア・ネットワークに接続したドライブを使用してファイル・ストア・ファイルを保管することによって、データの物理的セキュリティーが向上します。別の例としては、オペレーティング・システムの暗号化されたファイル・システムにファイルを保管する場合が考えられます。

ファイル・ストアもデータ・ストアも、 高可用性機能を提供します。詳しくは、メッセージ・ストアの高可用性 を参照してください。


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