[z/OS]

IBM HTTP Server for WebSphere Application Server プラグイン (z/OS 用) のインストールと構成

IBM® HTTP Server for WebSphere® Application Server プラグインは、WebSphere Application Server の Web サーバー・プラグイン・コンポーネントの一部です。このプラグインにより、IBM HTTP Server for WebSphere Application Server は WebSphere Application Server と通信できるようになります。このプラグインを使用するには、IBM HTTP Server for WebSphere Application Server (Apache で稼働し、z/OS® 上で実行される) が必要です。

始める前に

このプラグインをインストールする前に、IBM HTTP Server for WebSphere Application Server ソフトウェアを z/OS システムにインストールして、IBM HTTP Server インスタンスを構成します。IBM HTTP Server for WebSphere Application Server の z/OS へのインストールについては、製品のマニュアルを参照してください。

このタスクについて

Web サーバー構成プロセスの一部として、Web サーバー・インスタンス用のインストール・ディレクトリーを作成します。 以下の例では、/etc/websrv1 の値が Web サーバー・インストール・ディレクトリーに使用されます。 プラグイン構成ファイルの推奨ロケーションは、 Web サーバー・インストール・ディレクトリーの Plugins サブディレクトリーです。 Plugins ディレクトリーには、サブディレクトリー conf/WAS_webserver_name が含まれ、プラグイン構成ファイル plugin-cfg.xml は、 通常このディレクトリーにあります。

以下に、IBM HTTP Server for WebSphere Application Server on z/OS のプラグインをインストールおよび構成する方法の手順を示します。

手順

  1. Web サーバー・プラグインをインストールします。 IBM Installation Manager を使用して WebSphere Application Server for z/OS 用の Web サーバー・プラグインをインストールし、ターゲット z/OS システムに製品ファイル・システムをマウントします。デフォルトでは、これらのプラグインは /usr/lpp/WebSphere/Plugins/V9R0 ディレクトリーにあります。
  2. Web サーバー・インスタンスのサーバー ID を使用して、OMVS シェルにログオンします。 すべてのファイルを Web サーバー・インスタンスと同じグループが所有するためには、 install_plugin スクリプトと ConfigureIHSPlugin スクリプトを このユーザー ID で実行する必要があります。
  3. プラグインのインストール・ディレクトリーを作成します。 プラグインのディレクトリーには、この Web サーバー・インスタンスでの実行中にプラグインが使用する 構成情報が含まれます。このディレクトリーの推奨ロケーションは、Web サーバー・インスタンスの インストール・ディレクトリーの Plugins サブディレクトリーです。
    ランタイム・インストール・イメージを作成するには、 コマンド plugin_smp_location/bin/install_plugin.sh を実行します。
    ./install_plugin.sh 
       -pluginInstallLocation product_directory_of_plugin_code
       -pluginRuntimeLocation install_directory_of_Web_server_plugin
       -wasInstallLocation    product_directory_of_WebSphere_Application_Server
    以下の例は、 このコマンドの呼び出しサンプルです。
    cd /usr/lpp/WebSphere/Plugins/V9R0/bin
    ./install_plugin.sh   
       -pluginInstallLocation /usr/lpp/WebSphere/Plugins/V9R0/
       -pluginRuntimeLocation /etc/websrv1/Plugins
       -wasInstallLocation    /usr/lpp/WebSphere/AppServer/V9R0
  4. IBM HTTP Server for z/OS インスタンスを、Web サーバー・プラグインを使用するように構成します。
    コマンド plugin_runtime_location/bin/ConfigureIHSPlugin.sh を実行して、IBM HTTP Server を、Web サーバー・プラグインを使用するように構成します。
    ./ConfigureIHSPlugin.sh
       -plugin.home        install_directory_of_Webserver_plugin
       -plugin.config.xml  location_of_plugin-cfg.xml_file
       -ihs.conf.file      location_of_httpd.conf_file
       -operating.system   ZOS
       -WAS.webserver.name Webserver_name_defined_to_WebSphere_Application_Server
       -WAS.host.name      hostname_or_IP_address_of_WebSphere_Application_Server
    以下の例は、 このコマンドの呼び出しサンプルです。
    cd /etc/websrv1/Plugins/bin
    ./ConfigureIHSPlugin.sh 
       -plugin.home /etc/websrv1/Plugins 
       -plugin.config.xml /etc/websrv1/Plugins/config/webserver1/plugin-cfg.xml
       -ihs.conf.file /etc/websrv1/conf/httpd.conf 
       -operating.system ZOS
       -WAS.webserver.name webserver1 
       -WAS.host.name appsrv1.mycorp.com
  5. ローカルまたはリモート z/OS Web サーバーの Web サーバー定義を WebSphere Application Server に作成します。
    • プロファイルの作成中に Web サーバー定義を追加するには、プロファイル管理ツールまたは zpmt コマンドを使用します。
    • 既存の WebSphere Application Server プロファイルに Web サーバーを追加するには、 管理コンソール、createWebServerDefinition.jacl スクリプト、 または wsadmin createWebServer コマンドを使用します。
    Web サーバーを WebSphere Application Server に定義する場合:
    • Web サーバー名には、WAS.webserver.name に指定した値を使用します。
    • Web サーバー・プラグインのインストール・ディレクトリーには、 PluginRuntimeLocation に指定した値を使用します。
  6. プラグインを構成します。 管理コンソールを使用するか、 GenPluginCfg コマンドを発行して、plugin-cfg.xml ファイルを作成します。
    トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): このタスクを完了する前に、profile_root/config/cells ディレクトリーで plugin-cfg.xml ファイルを削除する必要があります。削除しないと、構成変更が plugin-cfg.xml ファイルに存続しません。gotcha
    注: 両方のメソッドによって、ASCII フォーマットでプラグイン構成 ファイル plugin-cfg.xml が作成されます。
    1. このファイルを編集する必要がある場合は、以下のコマンドを実行して、その ファイルを EBCDIC フォーマットに変換します。
      iconv  -f ISO8859-1 -t IBM-1047 plugin-cfg.xml.ASCII > plugin-cfg.xml.EBCDIC
    2. ファイルを編集し、以下のコマンドを発行して、ASCII フォーマットへ変換し直します。
      iconv  -f IBM-1047 -t ISO8859-1  plugin-cfg.xml.EBCDIC > plugin-cfg.xml.ASCII
    管理コンソールを使用するには、次の手順を実行します。
    1. 「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「Web サーバー」 > 「webserver」 > 「プラグイン・プロパティー」を選択します。
    2. Automatically generate plug-in configuration file」を選択するか、以下のトピックを 1 つ以上クリックして、plugin-cfg.xml ファイルを手動で構成します。
      • キャッシング
      • 要求および応答
      • 要求ルーティング
      • サービス
    3. OK」をクリックします。
    4. Web サーバーで plugin-cfg.xml ファイルを 見つけられるようにするには、アプリケーション・サーバーを停止して、 再度アプリケーション・サーバーを始動する必要があります。

    場合によっては、plugin-cfg.xml ファイルを、 Web サーバー・プラグイン・インストール・ディレクトリーの正しい場所へ手動でコピーする必要があります。

  7. 仮想ホストが、IBM HTTP Server for z/OS で使用されるポート番号の別名を使用して構成されていることを確認します。 plugin-cfg.xml ファイルを手動で構成した場合、管理コンソールで「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「WebSphere Application Server」 > 「プラグイン・プロパティー」 > 「要求および応答」ページに移動し、「仮想ホスト・マッチング」「要求で指定されたポートを物理的に使用」が選択されていることを確認します。
  8. Web サーバー・プラグインがプライベート・ヘッダーを使用できる ようにする場合は、トラスト・ファイルを定義する SSL 構成レパートリーを定義 します。次に、管理コンソールで、「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「WebSphere Application Server」 > 「server_name」をクリックし、「コンテナー設定」セクションで、「Web コンテナー設定」 > 「Web コンテナー・トランスポート・チェーン」 > 「secure_transport_chain」 > 「SSL インバウンド・チャネル (SSL_2)」をクリックして、そのトランスポート・チェーンに対してこのレパートリーを指定します。
    トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): トラスト・ファイルは、製品の以前のバージョンにおけるバージョン 5.3 の HTTP Server for z/OS で提供されていた TrustedProxy カスタム・プロパティーと同様の機能を、IBM HTTP Server for z/OS (Apache を装備) に提供します。gotcha

    トラスト・ファイル定義を含まない SSL 構成レパートリーを セットアップせずにプライベート・ヘッダーを使用すると、プライベート・ ヘッダーは無視されます。プライベート・ヘッダーが無視されると、アプリケーション・サーバーは、要求されたアプリケーションを見つけることができません。

    プライベート・ヘッダーを使用できるようにすると、 トランスポート・チェーンの SSL インバウンド・チャネルは、 受信するすべてのプライベート・ヘッダーを信頼するようになります。 このため、トランスポート・チェーンの SSL インバウンド・チャネルへのすべてのパスが信頼できるものであることを確認する必要があります。

  9. Web サーバー・プラグインが、stashfile プロパティーを指定した kdb ファイルではなく、 System Authorization Facility (SAF) 鍵リングを使用できるようにするには、 管理コンソールから次の 2 つのカスタム・プラグイン・プロパティーを 作成する必要があります。
    • KeyringLocation。SAF 鍵リングのディレクトリー・ロケーションに設定します。
    • StashfileLocation。"" (ヌル) に設定します。

    SSL 構成で SAF 鍵リングを使用するために 管理コンソールから KeyringLocation と StashfileLocation を作成する方法については、Web サーバー・プラグインの構成プロパティーに関する情報を参照してください。また、plugin-cfg.xml ファイル内の情報も参照してください。

  10. 構成が完了しました。 構成をアクティブにするには、アプリケーション・サーバーおよび IBM HTTP Server を停止して再始動します。

タスクの結果

IBM HTTP Server の再始動時に IBM HTTP for z/OS のプラグインが正常に起動すると、プラグインログ・ファイル /plugin_runtime_dir/log/webserver_name/http_plugin.log にメッセージが追加されます。 http_plugin.log に表示されるメッセージの出力例は、以下のとおりです。

PLUGIN: Plugins loaded.
PLUGIN: --------------------System Information-----------------------
PLUGIN: Bld version: 9.0.0
PLUGIN: Bld date: Jun 13 2016, 09:55:09
PLUGIN: Webserver: IHS 390 Webserver: Http Plug-in Build Info: build level 9.0.0.0 (cf031208.05) release WAS90.ZNATV date 06/13/16 09:54:07
PLUGIN: Hostname = ZWASAXXX
PLUGIN: NOFILES = hard: 64000, soft: 64000
PLUGIN: MAX COREFILE SZ = hard: 4194304, soft: 4194304
PLUGIN: DATA = hard: INFINITE, soft: INFINITE
PLUGIN: --------------------------------------------------------------

次のタスク

アプリケーション・サーバーを構成した後、IBM HTTP Server およびプラグインを正しく構成します。
  • WebSphere Application Server for the z/OS プラットフォームは、このプラグインを使用して、通常のプラグイン機能を実行できます。
  • ブラウザーからの要求は、IBM HTTP Server およびプラグインを経由して、要求されたアプリケーションがデプロイされるアプリケーション・サーバーに経路指定されます。 新規の要求は、アプリケーションがデプロイされている、無作為に選択されたアプリケーション・サーバーへ送信されます。 セッションが確立されると、後続の要求はオリジナルの要求に割り当てられたアプリケーション・サーバーに経路指定されます。
  • プライベート・ヘッダーを、Web サーバー・プラグインから z/OS システムのアプリケーション・サーバーにプロキシー情報を転送するためのメカニズムとして使用します。(このように構成しないと、プロキシー情報は HTTP 要求に組み込まれません。)

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=trun_plugin_ihsz
ファイル名:trun_plugin_ihsz.html