[z/OS]

最適化されたローカル・アダプターをサーバー環境で使用可能にする

アプリケーション・サーバーが、最適化されたローカル・アダプターのサポートを使用してインバウンド要求およびアウトバウンド要求を受信できるようにする必要があります。 Optimized Local Adapters for z/OS® は、一連の呼び出し可能サービス (API) です。このサービスは、ネイティブ z/OS アプリケーションがアプリケーション・サーバー・エンタープライズ Bean へのインバウンド呼び出しを実行できるようにし、またネイティブ・プログラムがサーバーとして機能して、WebSphere® Application Server で実行されているアプリケーションからの要求を受け入れられるようにします。

始める前に

最適化されたローカル・アダプターを使用する WebSphere Application Server 領域は、64 ビット・モードで稼働する必要があります。 アプリケーション・サーバーを作成すると、64 ビット・モードで稼働するよう自動的に構成されます。

手順

  1. 最適化されたロード・アダプターのロード・モジュールを格納するロード・モジュール・ライブラリーを、割り振るかまたは選択します。 このライブラリーは、WebSphere Application Server の外部で実行されるアプリケーションによって使用されます。これは、区分データ・セットか PDS-E のいずれかであり、最適化されたロード・アダプター・モジュールを保持するために、約 40 のトラック (3390) を必要とします。後述する例では、このデータ・セットは WAS.OLA.LOADLIB と呼ばれています。
  2. 以下のように、ノードの profile_root/bin ディレクトリーに切り替え、OLAMODS オプションを指定して copyZOS.sh スクリプトを実行します。
    cd /wasconfig/azcell/aznodea/AppServer/profiles/default/bin 
    copyZOS.sh OLAMODS WAS.OLA.LOADLIB

    copyZOS.sh スクリプトは、最適化されたローカル・アダプターのロード・モジュールを、OLAMODS キーワードの後に指定したデータ・セットに書き込みます。

  3. アプリケーション・サーバーが最適化されたローカル・アダプターを使用できるように、WebSphere 環境変数を設定します。 変数については、『最適化されたローカル・アダプターの環境変数』トピックで説明しています。

    スタンドアロン・アプリケーション・サーバーまたは Network Deployment セルごとにこれらの変数を設定する必要があります。

    1. セル全体の変数 WAS_DAEMON_ONLY_enable_adaptertrue に設定して、 セルのデーモンがインバウンドおよびアウトバウンドの最適化されたローカル・アダプター呼び出しを 処理できるようにします。最適化されたローカル・アダプターを使用するためには、この変数の設定は必須です。
    2. セル全体の変数 WAS_DAEMON_ONLY_adapter_max_connWAS_DAEMON_ONLY_adapter_max_serv、 および WAS_DAEMON_ONLY_adapter_max_shrmem を使用して、接続の最大数、アウトバウンド・サービスの最大数、 最適化されたローカル・アダプター・セッションにデーモンから割り当てられた共有メモリーの最大量を設定します。
    3. ola_cicsuser_identity_propagate 変数を使用して、登録中にセキュリティー ID の伝搬を制御します。 最適化されたローカル・アダプターのサンプルを実行できるようにするには、セルまたはノードのレベルで設定可能なこの変数を 1 に設定する必要があります。
      重要: ご使用のサーバーでこの変数を設定した場合にセキュリティーに与える影響については、 『最適化されたローカル・アダプターの環境変数』トピックにある ola_cicsuser_identity_propagate 変数に関する情報を 参照してください。
    4. CICS リンク・サーバーを使用していて、MappedRecord で複数のコンテナーを指定する場合は、 LinkTaskChanID 変数に、コンテナーを保持するチャネルの名前を設定します。
    5. CICS リンク・サーバーを使用していて、MappedRecord で複数のコンテナーを指定する場合は、 LinkTaskChanType に、コンテナーを保持するチャネルのタイプ (CHAR=0|BIT=1) を設定します。 この変数のデフォルト値は 1 です。
    この変数は、管理コンソールまたはスクリプトを使用して設定することができます。次のステップで 説明する olaRar.py スクリプトは、WAS_DAEMON_ONLY_enable_adapter 変数を true に設定しますが、その他の WebSphere Application Server 環境変数は一切変更しません。
  4. リソース・アダプター・アーカイブ ola.rar ファイルをインストールし、接続ファクトリーを作成します。 最適化されたローカル・アダプターを使用する各アプリケーション・サーバー・ノードに対して、リソース・アダプター・アーカイブもインストールし、接続ファクトリーを作成する必要があります。copyZOS.sh スクリプトは、各アプリケーション・サーバー・ノードの install_root/installableApps ディレクトリーからこのアーカイブ・ファイルへのシンボリック・リンクを作成します。
    管理コンソールまたは olaRar.py スクリプトのいずれかを使用して、リソース・アダプターをインストールし、接続ファクトリーを作成することができます。
    • olaRar.py スクリプトを使用してリソース・アダプターと接続ファクトリーをインストールする場合は、『olaRar.py スクリプト・ファイル (olaRar.py scripting file)』トピックを参照してください。着信または発信する最適化されたローカル・アダプター接続を処理する各アプリケーション・サーバー・ノードに対して、確実にリソース・アダプター・アーカイブをインストールし、接続ファクトリーを作成します。

      このスクリプトは、セル全体の WAS_DAEMON_ONLY_enable_adapter 変数も true に設定しますが、最適化されたローカル・アダプター用のその他の WebSphere 環境変数は構成しません。

    • 管理コンソールを使用してリソース・アダプターをインストールする場合は、『リソース・アダプター・アーカイブ (RAR) のインストール (Install the resource adapter archive (RAR))』トピックを参照してください。接続ファクトリーは、管理コンソールの「リソース・アダプター」パネルで作成できます。新たに作成したリソース・アダプターの名前をクリックし、「追加プロパティー」の下の「J2C 接続ファクトリー」 > 「新規」とクリックします。 接続ファクトリーを作成する場合、入力が必要なキー・フィールドは、JNDI 名です。

    リソース・アダプターの高可用性フィーチャーを使用したい場合は、各接続ファクトリーに追加の接続プール・プロパティーを構成する必要があります。このフィーチャーをセットアップして使用する方法について詳しくは、トピック『リソース・アダプターの高可用性サポートの有効化 (Enabling resource adapter high availability support)』を参照してください。

    接続ファクトリーについて詳しくは、トピック『最適化されたローカル・アダプターに関する接続ファクトリーの考慮事項』を参照してください。

  5. WebSphere Application Server デーモンを再始動して、変更を有効にします。 デーモンを再始動すると、その同じ z/OS システム上のすべてのセル・サーバーが停止します。
    デーモンを始動するときには、アダプターがアクティブになっていることを確認してください。 最適化されたローカル・アダプターが活動化されているかどうかを、デーモン・ログ内のメッセージは以下のように示します。
    • サポートが活動化されている場合: BBOMOOO1I enable_adapter:1
    • サポートが活動化されていない場合: BBOMOOO1I enable_adapter:0

タスクの結果

これで最適化されたローカル・アダプターのサポートが有効になりました。

次のタスク

これで、WebSphere Application Server for z/OS の最適化されたローカル・アダプターを使用するアプリケーションを、使用可能なアプリケーション・サーバー・ノードにデプロイして開始することができます。
最適化されたローカル・アダプターを使用するすべての外部接続で、ご使用のレベルの WebSphere Application Server 用の OLAMODS データ・セットの最新バージョンが実行されている状態にします。
  1. データ・セットで OLAMODS オプションを指定して copyZOS.sh スクリプトを実行し、モジュールが最新レベルになるようにします。以下に例を示します。
    copyZOS.sh OLAMODS WAS.OLA.LOADLIB
  2. 最適化されたローカル・アダプターを使用するすべての外部アドレス・スペースでこのデータ・セットを使用できることを確認します。例えば、バッチ・ジョブの STEPLIB、CICS (顧客情報管理システム) の DFHRPL ライブラリー、および IMS データ定義の DFSESL で使用できることを確認します。

    生成された同じデータ・セットを異なるクラスターにまたがって共有できるため、クラスターごとに別個のコピーを用意する必要はありません。


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http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tdat_enableconnector
ファイル名:tdat_enableconnector.html