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Session Initiation Protocol による過負荷の保護

Session Initiation Protocol (SIP) による過負荷の保護機能により、システムはメモリー過負荷および CPU 過負荷という 2 つの過負荷状態から保護されます。 コンテナー管理過負荷保護 (CMOP) およびプロキシー管理過負荷保護 (PMOP) を使用すると、過負荷設定情報に基づいたリアルタイムの保護が可能になります。

SIP によるコンテナー管理過負荷保護

スタンドアロンの サーバー・デプロイメントでは、SIP によるコンテナー管理過負荷保護 (CMOP) により、メモリーおよび CPU 過負荷状態の両方に対する唯一の保護機能が提供されます。管理者は、SIP コンテナー設定を使用して いくつかの静的しきい値をセットアップすることができます。これらのしきい値を超えると、コンテナーは過負荷でなくなるまで、新規ダイアログを開始する要求に対して 503 応答で応答することにより、新規要求の除去を開始します。これには、メモリーおよび CPU 使用に影響する設定が含まれます。

ND デプロイメントで CMOP を使用すると、コンテナーは、過負荷状態の場合に同じ SIP コンテナー設定を使用してプロキシー・サーバーに通知することができます。プロキシー・サーバーがこの通知を受信すると、新規要求をコンテナーに転送せずに除去を開始します。 構成にかかわらず、ND におけるすべてのメモリー過負荷状態は CMOP により回避されます。

過負荷保護は、仮想メモリーの設定と、コンテナーが処理できる最大スループットに基づいて計算されます。CMOP の管理コンソールから、以下の SIP コンテナー設定の値を指定することができます。
  • 最大アプリケーション・セッション数
  • 平均期間あたりの最大メッセージ数
  • 最大応答時間
  • ディスパッチ・キューの最大サイズ
CMOP で、以下の SIP コンテナー・カスタム・プロパティーの値を指定することもできます。
  • message.queue.burst.factor
  • thread.message.queue.max.size
  • weight.overload.watermark

SIP によるプロキシー管理過負荷保護

SIP によるプロキシー管理過負荷保護 (PMOP) は、コンテナー過負荷に対する最適な防衛策です。 一般的なデプロイメントでは、CMOP のみでは最適な結果を得ることができません。プロキシー・サーバーで PMOP をデプロイせずに CMOP をデプロイすると、以下の状態になる可能性があります。
  • オンまたはオフのメカニズムが細分化されすぎる
  • 入力率が変動する。
  • 負荷の絶対キャップを設定するのが困難になる。
  • コンテナーに送信される負荷が不安定になる可能性があります。

PMOP がデプロイされると、プロキシー・サーバーは各コンテナーごとに入力率コントローラー を使用します。コンテナーが過負荷になると、一定期間の新たな負荷を許可または拒否する代わりに、新規トラフィックのフローを完全にはシャットダウンせずに、新たな作業負荷をバックエンド・コンテナーに送信できます。 これにより、プロキシー・サーバーはコンテナー設定の最大値を超えない負荷を一貫してコンテナーに送ることができます。

トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): SIP によるプロキシー管理過負荷制御は、SIP DMZ プロキシーがデプロイされている場合はサポートされません。 SIP アプリケーション・サーバーにおいて SIP プロキシー管理過負荷制御を設定して、アプリケーション・サーバーが自身を過負荷から保護できるようにすることができます。gotcha

SIP プロキシー・サーバーは、コンテナーに指定された、構成済みの平均期間あたりの最大メッセージ数 (MMAP) 設定の割合に基づいて、各バックエンド・コンテナーに対するメッセージ・スループットの最大値を計算します。メッセージ・スループットの最大値は、最大スループット係数 (MTF) と呼ばれます。

デフォルトでは MTF は無効であり、maxThroughputFactor カスタム・プロパティーの値を指定することでのみ有効にできます。MTF カスタム・プロパティーで指定する値は、コンテナーの CPU 過負荷を回避するために 100% 未満にする必要があります。 例えば、この値を 90% に設定できます。

MTF カスタム・プロパティーの値が 100% 未満の値に設定されると、コンテナーに対する合計スループットは MMAP コンテナー設定で指定された最大値を超えません。このプロセスにより、過負荷状態を抜け出した時に、コンテナーが過度の負荷を処理しなくて済むようになります。

正確かつ安定した過負荷保護が必要な場合には、MTF 値を常に指定しておく必要があります。 MTF 設定を指定しておけば、システム容量の 2 倍に及ぶ負荷に対しても、最善の対処を行えます。 過負荷保護を構成する場合は、システム容量を考慮する必要があります。

SIP プロキシー・サーバーによって使用されるアルゴリズムは、以下のフィーチャーに依存し、バックエンド・コンテナーに対して安定した適切な負荷を送ります。
  • プロキシー・サーバーで管理されるサーバーごとのレート制御
  • 自動調整。入力率コントローラーによる毎秒の調整
    • レートの制御に使用されるダイアログ内平均のダイアログ以外の平均に対する比率
    • 過負荷状態時の自動レート縮小
  • 高速負荷遷移を緩和する機能
  • 過負荷をトリガーせずに、短期で不定期の負荷バーストを許可するバースト許容度
  • クラスターに遷移がある場合に、過度の過負荷を回避する安定化制御
PMOP について、以下の SIP プロキシー・サーバーのカスタム・プロパティーの値を指定できます。
  • burstResetFactor
  • deflatorRatio
  • dropOverloadPackets
  • inDialogAveragingPeriod
  • maxThroughputFactor
  • outDialogAveragingPeriod
  • perSecondBurstFactor
  • proxyTransitionPeriod
  • sipProxyStartupDelay

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