ジョブ・マネージャー環境は、ジョブ・マネージャーと、ジョブ・マネージャーが管理するターゲットによって構成されます。ジョブ・マネージャー・ターゲットは、デプロイメント・マネージャー、管理エージェントが管理するスタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノード、およびホスト・コンピューターの場合があります。ジョブ・マネージャー環境の設定には、
ジョブ・マネージャー・プロファイルおよび環境に必要なその他すべてのプロファイルの作成、
環境のすべてのコンピューターでのクロックの同期、
そしてターゲットのジョブ・マネージャーへの登録があります。
このタスクについて
ジョブ・マネージャーを使用する前に、ジョブ・マネージャー・プロファイル、およびジョブ・マネージャーが管理する各ターゲット・ノードのプロファイルを作成する必要があります。
ジョブ・マネージャーは、柔軟な管理環境の一部です。
ジョブ・マネージャーは、管理エージェントに登録されているスタンドアロン・
アプリケーション・サーバー・ノードを管理できます。これらのノードおよび管理エージェントも、
柔軟な管理環境の一部となります。
柔軟な管理環境内のプロファイルのセキュリティーがすべて有効になっているか、無効になっていることを確認します。ご使用の環境によって、管理エージェント、管理エージェントに登録されたノード、
デプロイメント・マネージャー、およびデプロイメント・マネージャーに統合されたノードの各プロファイルが必要となります。
ジョブ・マネージャーは バージョン 8 とバージョン 7 のターゲット・ノードを管理できます。
ジョブ・マネージャーは、ジョブ・マネージャーのバージョン番号以前のノードを管理することができます。例えば、バージョン 8 のジョブ・マネージャーは、バージョン 8 と 7 のノードを管理できます。バージョン 7 のジョブ・マネージャーはバージョン
7 のノードを管理できます。バージョン番号のフィックスパック部分は問題になりません。例えば、バージョン 7.0.0.3 のジョブ・マネージャーは、バージョン 7.0.0.9 (バージョン 7 にフィックスパック 9 がインストールされたもの) のノードを管理することができます。
さらに、ジョブ・マネージャーは、バージョン 8、バージョン 7、またはバージョン 6 統合ノードを含むバージョン 8 またはバージョン 7 のデプロイメント・マネージャーを管理できます。ジョブ・マネージャーに登録されているデプロイメント・マネージャーは、混合バージョンのセルを管理できます。ジョブ・マネージャーを使用して、バージョン 6 統合ノード上のリソースを含む、混合バージョンのセル内のいかなるリソースを管理するジョブをサブミットすることができます。
- 柔軟な管理環境のトポロジーを決定します。
柔軟な管理には、管理エージェントおよびジョブ・マネージャーが含まれます。
どのマシン、ターゲット、およびサーバーやアプリケーションなどのターゲット・リソースを柔軟な管理環境に含むか決定します。
スタンドアロン・アプリケーション・サーバーを管理するには、
スタンドアロン・アプリケーション・サーバーがある各コンピューターで管理エージェントを使用します。
詳しくは、管理エージェントに関するトピック、および『WebSphere Application Server のインストールの計画』のトピックのシナリオ 5 を参照してください。
同じコンピューターまたは異なるコンピューター上のデプロイメント・マネージャーおよび
スタンドアロン・アプリケーション・サーバーをまとめて管理するには、ジョブ・マネージャーを使用します。
スタンドアロン・アプリケーション・サーバーは、ジョブ・マネージャーを使用して管理する前に、
管理エージェントに登録しておく必要があります。詳しくは、『WebSphere Application Server のインストールの計画』のトピックのシナリオ 5 および 10 を参照してください。
- 柔軟な管理環境に必要なセキュリティー・ロールを決定します。
ご使用の環境によって、管理エージェント、管理エージェントに登録されたノード、
デプロイメント・マネージャー、デプロイメント・マネージャーに統合されたノード、およびジョブ・マネージャーの各プロファイルが必要となります。柔軟な管理環境内のプロファイルのセキュリティーがすべて有効になっているか、
またはすべて無効になっている必要があります。プロファイルの作成時に、セキュリティー・オプション、ユーザー名、およびパスワードを指定できます。
ジョブ・マネージャーの使用、および登録済みターゲットとターゲット上のリソースの管理を許可する、セキュリティー・ロールが必要です。環境にスタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ターゲット・ノードが含まれる場合は、管理エージェントとそのノードを使用する権限が与えられている必要があります。
詳しくは、ジョブ・マネージャーのセキュリティーに関するトピックを参照してください。
- ジョブ・マネージャー用の管理プロファイルを作成します。
プロファイル管理ツールまたは manageprofiles コマンドを使用できます。
例えば、
プロファイル管理ツールで、「管理」環境を選択して、
「次へ」をクリックし、「ジョブ・マネージャー」
サーバー・タイプを選択して、プロファイルを作成するオプションを選択します。デフォルトで、
ジョブ・マネージャーは、独自の管理コンソールを持ち、管理セキュリティーが有効になっており、
コンソール・ポートが 9960 に設定されています。管理セキュリティーを無効にする場合、
セキュリティー証明書を指定する場合、またはデフォルトのポートを変更する場合は、
ジョブ・マネージャーのプロファイル作成時に拡張プロファイル作成オプションを使用します。
デフォルトで、製品インストールの初期の管理エージェントのプロファイル
は JobMgr01 という名前で、サーバー名は jobmgr になっています。
詳しくは、ジョブ・マネージャーの管理プロファイルの作成に関するトピックを参照してください。
manageprofiles の例は、
manageprofiles コマンドに関するトピックを参照してください。-templatePath オプション
には management テンプレートを指定します。-serverType オプション
には JOB_MANAGER を指定します。
注: ジョブ・マネージャー構成には OTiSDataSource という名前のデータ・ソースが含まれています。
このデータ・ソースはジョブ・マネージャーの実装で使用され、構成する必要はありませんが、構成した場合は管理者が管理する必要があります。
- 柔軟な管理環境で使用する予定の管理エージェントおよびスタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノード
のプロファイルを作成します。その後、スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノード
を管理エージェントに登録します。
スタンドアロン・ノードは、統合されていないアプリケーション・サーバーまたは基本アプリケーション・サーバーとも呼ばれます。
スタンドアロン・ノードは、デプロイメント・マネージャーによって管理されません。スタンドアロン・アプリケーション・サーバーは通常、AppSvr01
などのプロファイル名を持っています。管理エージェントは、そのスタンドアロン・ノードと同じコンピューター上にある必要があります。スタンドアロン・ノード
を管理エージェントに登録することにより、管理エージェントはスタンドアロン・ノードを管理できるようになります。
トラブルの回避 (Avoid trouble): スタンドアロン・アプリケーション・サーバーは、ジョブ・マネージャーに登録する前に、
管理エージェントに登録しておく必要があります。
gotcha
プロファイルの作成および管理エージェントへの登録について詳しくは、
管理エージェント環境のセットアップに関するトピックを参照してください。
- 柔軟な管理環境で使用する予定のデプロイメント・マネージャーおよび統合ノードのプロファイルを作成します。
統合ノードは、デプロイメント・マネージャーによって管理されます。
フェデレーテッド・アプリケーション・サーバーは、通常、AppSvr01 のようなプロファイル名を持っていますが、それらを個々に管理することはできません。統合ノードはデプロイメント・マネージャー
を使用して管理する必要があります。
セル・プロファイルの作成、デプロイメント・マネージャーの管理プロファイル、
または manageprofiles コマンドに関するトピックを参照してください。
- 含まれるすべてのシステムのクロックを同期化します。
![[AIX Solaris HP-UX Linux Windows]](../images/dist.gif)
システム・クロックを変更する場合は、まずすべてのアプリケーション・サーバー、ノード・エージェント・サーバー、デプロイメント・マネージャー・サーバー、管理エージェント・サーバー、ジョブ・マネージャー・サーバーを停止します。それらのサーバーを停止したら、システム・クロックを変更して、それらのサーバーを再始動します。1 つのシステムでシステム・クロックを変更する場合は、WebSphere Application Server がインストールされており相互に通信するすべてのシステムでクロックが同期化されていることを確認する必要があります。これを行わないと、セキュリティー・トークンが有効でなくなるなどのエラーが発生する
場合があります。
システム・クロックを変更する場合は、まずすべてのアプリケーション・サーバー、ノード・エージェント・サーバー、デプロイメント・マネージャー・サーバー、管理エージェント・サーバー、ジョブ・マネージャー・サーバー、ロケーション・サービス・デーモンを停止します。それらのサーバーとロケーション・サービス・デーモンを停止したら、システム・クロックを変更して、それらのサーバーとロケーション・サービス・デーモンを再始動します。
1 つのシステムでシステム・クロックを変更する場合は、WebSphere Application Server がインストールされており相互に通信するすべてのシステムでクロックが同期化されていることを確認する必要があります。これを行わないと、セキュリティー・トークンが有効でなくなるなどのエラーが発生する
場合があります。
- ジョブ・マネージャー・サーバーを開始します。
- startServer コマンドを実行します。
例えば、
JobMgr01 プロファイルが jobmgr というサーバー名を持っているとします。
JobMgr01 プロファイルの bin ディレクトリーから以下のコマンドを実行します。
startServer jobmgr
Windows オペレーティング・システムのタスクバーを使用します。とクリックします。
START コマンドを使用して、ジョブ・マネージャーを開始します。START job_manager_proc_name,JOBNAME=server_short_name,
ENV=cell_short_name.node_short_name.server_short_name
マネージャーが正常に開始されると、e-business 用にオープンというメッセージが表示され、ジョブ・マネージャーの startServer.log ファイルに書き込まれます。
Server launched. Waiting for initialization status.
Server jobmgr open for e-business; process id is 1932.
詳しくは、ジョブ・マネージャーの開始および停止に関するトピックを参照してください。
- スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ターゲット・ノードをジョブ・マネージャーに登録します。
スタンドアロン・ノードをジョブ・マネージャーに登録すると、ジョブ・マネージャーがスタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードを管理できるようになります。
- デプロイメント・マネージャーをジョブ・マネージャーに登録します。
デプロイメント・マネージャーをジョブ・マネージャーに登録することにより、ジョブ・マネージャーのジョブをデプロイメント・マネージャー・コンソールから実行することができるようになり、また、ジョブ・マネージャーが、デプロイメント・マネージャーとそのリソースの統合ノードを管理できるようになります。
- ホスト・コンピューターをジョブ・マネージャーに登録します。
リモート・ホスト・ターゲットには、WebSphere Application Server 製品がインストールされている必要はありません。このホストには、そのオペレーティング・システムの要件以外には必要なソフトウェア要件はありません。リモート・ホストをジョブ・マネージャーに登録することにより、ジョブ・マネージャーは、ホスト・コンピューター上のアプリケーション、コマンド・ファイル、その他のリソースにアクセスできるようになります。
Liberty をジョブ・マネージャーに登録するには、ターゲットをホストに登録するための手順を使用します。
- ターゲットがジョブ・マネージャーに登録されていることを確認します。
管理コンソールまたは wsadmin
スクリプト・コマンドを使用して、ジョブ・マネージャーに登録されているターゲットのリストを表示できます。
- ご使用の柔軟な管理環境内のサーバーが稼働していることを確認します。
ジョブ・マネージャー・コンソールまたはデプロイメント・マネージャー・コンソールでとクリックします。「ターゲット・リソース」ページで、「始動済み」のサーバー状況は、サーバーが実行されていることを示します。
- オプション: JVM プロパティー otis.audit.location に OFF という値を指定して com.ibm.otis.Audit_mm_dd_yyyy.log ログ・ファイルを使用不可にするか、ログ・ファイルを新規のディレクトリー位置へ移動します。 ジョブ・マネージャーは、デフォルトで profile logs ディレクトリーにある追加ログを維持します。このログの目的は、ジョブ・マネージャーの内部アクティビティーを記録することです。
ログ・ファイルの名前は com.ibm.otis.Audit_mm_dd_yyyy.log です。ここで、mm、dd、および yyyy はそれぞれ月、日、年を示しています。ログに記録できるアクティビティーが発生した場合、その日ごとに新規ファイルが作成されます。
このログ・ファイルは、JVM プロパティー otis.audit.location に新規のディレクトリー位置の値を指定することにより、別のディレクトリーに移動できます。
次のタスク
ジョブ・マネージャーを使用してジョブをサブミットします。