Apache Derby データベースのマイグレーション

マイグレーション・ツールは、Apache Derby インスタンスを新しい構成にマイグレーションし、前のリリースの WebSphere® Application Server 構成ツリーに保管されている Apache Derby インスタンスを、新しいリリースの構成ツリーにコピーします。 マイグレーション・ツールを使用した後、データベース・マイグレーション の結果を検証し、ツールで自動的にマイグレーションされたデータベース・ インスタンスを手動でマイグレーションするか、ツールで自動的にコピーさ れた Derby データベース・インスタンスを手動でコピーします。

始める前に

マイグレーションの計画および実行に役立つリソースについては、Knowledge Collection: Migration planning for WebSphere Application Server を参照してください。

ヒント:
  • マイグレーション・ツールを実行する前に、Derby データベースを使用しているアプリケーションをホストしているすべてのアプリケーション・サーバーが閉じられていることを確認します。

    そうでないと、データベース・マイグレーションは失敗します。

  • マイグレーション・ツールを実行する前に、デバッグ・マイグレーション・トレース がアクティブになっていることを確認します。
    デフォルトでは、このトレース機能は使用可能になっています。 デバッグ・マイグレーション・トレースが使用不可になっている場合、再活動化するには、以下のトレース・オプションのいずれかを設定します。
    • all traces*=all
    • com.ibm.ws.migration.WASUpgrade=all

このタスクについて

WebSphere Application Server バージョン 9.0 では、Apache Derby バージョン 10.3 以降が必要です。Apache Derby バージョン 10.3 は、Derby ランタイムと IBM® ソフトウェア・サポートの全サービスを使用できるように組み合わせた、純粋な Java™ データベース・サーバーです。Apache Derby バージョン 10.3 についての総合的な情報は、Apache Derby の Web サイトをご覧ください。

重要: Derby 間のマイグレーションでは、指定された時点でデータのファイル・システム・コピーが実行されます。このスナップショットは、前のインストール・システム内のデータベースとは同期化されません。前のリリースにロールバックした場合、マイグレーション後に行ったデータベースの更新は、前のインストール・システムには反映されません。

手順

  1. 構成を バージョン 9.0 にマイグレーションします。
  2. Derby データベース・インスタンスがコピーされていることを確認します。

    WebSphere Application Server バージョン 7.0 以降 から バージョン 9.0 にマイグレーションすると、マイグレーション・ツールは、UDDI レジストリーなどの一部の内部コンポーネントが組み込みフレームワークを介してアクセスする Derby データベース・インスタンスを、自動的にアップグレードします。また、このツールは、アプリケーションが組み込みフレームワークを介してアクセスする Derby インスタンスのアップグレードも試みます。 マイグレーション・ツールの実行後、これらのマイグレーションの結果を確認する必要があります。

    • Derby のマイグレーションの部分的な成功と完全な成功を区別するには、以下のタスクを実行して、自動マイグレーションの結果を検証します。
      1. マイグレーションのアップグレード後の一般ログを確認して、データベース・エラー・メッセージがないか調べます。

        これらの例外は、データベースのマイグレーション障害を示しています。マイグレーション・ツールは、 DSRA というプレフィックスが付いたすべてのデータベース例外を参照します。

      2. 個々のデータベース・マイグレーション・ログを確認します。

        これらのログには、マイグレーションのアップグレード後の一般ログのものと同じタイム・スタンプが付いています。個々のログには、アップグレード後の一般ログにリストされているエラーについて、より詳細な情報が表示され、さらに、一般ログによって文書化されないエラーも公開されます。

        各データベース・ログのパス名は、 app_server_root/profiles/profileName/logs/myFulldbPathName_migrationLogtimestamp.log です。

      3. データベース・マイグレーション・ログに対応するデバッグ・ログを調べます。

        WebSphere Application Server マイグレーション・ユーティリティーは、デフォルトでデバッグ・マイグレーション・トレース を起動します。このトレース機能により、データベースのデバッグ・ログが生成されます。

        各デバッグ・ログの絶対パス名は app_server_root/profiles/profileName/logs/myFulldbPathName_migrationDebugtimestamp.log です。

      これらのタスクを実行すると、部分的にマイグレーションされたデータベースおよび自動マイグレーションが完全に失敗したデータベースのトラブルシューティングに使用できる、重要な診断データが得られます。最終的には、自動で完全にはマイグレーションされなかったデータベースを、手動プロセスを使用してマイグレーションする必要があります。ログ・メッセージには、手動マイグレーションの実行に使用する必要がある新旧データベースの絶対パス名が含まれています。 これらの新規パス名を正確にメモしてください。
    • 前のリリースの WebSphere Application Server 構成ツリーに保管されていたすべての Derby データベース・インスタンスが、新しいリリースの構成ツリーにコピーされたことを確認します。

      マイグレーションのアップグレード後の一般ログを確認して、データベース・エラー・メッセージがないか調べます。これらの例外は、データベースのマイグレーション障害を示しています。マイグレーション・ツールは、 DSRA というプレフィックスが付いたすべてのデータベース例外を参照します。

      .
  3. 必要に応じて、Derby データベース・インスタンスを手動でコピーします。
    • バージョン 9.0 マイグレーション・ツールでは、Apache Derby Network Server フレームワークを介してアプリケーションとやり取りするデータベース・インスタンスのマイグレーションを試みません。この除外により、WebSphere Application Server と同じデータベース・インスタンスにアクセスする、サード・パーティーのアプリケーションが破損するリスクがなくなります。

      自動マイグレーション処理時に一部のみがアップグレードされたデータベースの場合のマイグレーション・エラーのリスクを最小にするには、新規データベースを削除します。 ログ診断データに従って元のデータベースのトラブルシューティングを行い、その後で、元のデータベースの手動マイグレーションを実行します。

    • バージョン 9.0 マイグレーション・ツールは、WebSphere Application Server 構成ツリーの外部にある Derby データベース・インスタンスはコピーしません。

      マイグレーションで Derby データベース・インスタンスが自動的にコピーされない場合は、手動でデータベース・インスタンスをコピーします。

  4. UDDI レジストリーが Apache Derby Network Server フレームワーク上のデータベースを使用する場合、UDDI レジストリーを手動でマイグレーションします。

    詳細については、資料に記載されている UDDI レジストリーのマイグレーションの説明をお読みください。

次のタスク

SDO リポジトリー・アプリケーションの バージョン 9.0 へのアップグレードについて詳しくは、資料に記載されている SDO リポジトリーのインストールおよび構成の説明をお読みください。


トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tmig_derby
ファイル名:tmig_derby.html