柔軟な管理環境では、「ファイルの収集 (Collect
file)」ジョブをサブミットして、ホストまたはノードにすることができる管理対象ターゲットから、単一のファイルまたは複数のファイルのディレクトリーをジョブ・マネージャーにコピーすることができます。ファイルを使用するジョブをサブミットする前に、ファイルを収集する必要があります。例えば、管理対象のアプリケーション・サーバー・ターゲットにアプリケーションをインストールするか、またはノード上のアプリケーションを更新するには、その前にエンタープライズ・アプリケーションを収集し、配布しておきます。同様に、ファイルを適用してアプリケーション・サーバーを構成するには、その前にプロパティー・ファイルを収集して管理対象のアプリケーション・サーバー・ターゲットに配布しておきます。
始める前に
ジョブ・マネージャーを開始します。ファイルのコピー元のターゲットがジョブ・マネージャーに登録されていることを確認してください。
ホスト上でファイルを収集している場合は、最初にジョブ・マネージャーでホストを登録する必要があります。
ターゲットがデプロイメント・マネージャーの場合は、デプロイメント・マネージャーを始動します。
ターゲットがスタンドアロンのアプリケーション・サーバーの場合は、管理エージェントが開始します。
ジョブをサブミットするには、ジョブ・マネージャーで使用する ID に、管理者ロール
またはオペレーター・ロールの権限が付与されている必要があります。ジョブをサブミットするときに、
ターゲットでの認証および許可のために
ユーザー名とパスワードを指定できます。複数のターゲットにジョブをサブミットする場合は、そのユーザー名とパスワード、またはサブミットする者のクレデンシャルは、ジョブのすべてのターゲットに適合するものでなければなりません。
ジョブを
ターゲットのグループに対してサブミットすることによって、多数のターゲットの管理を簡略化
できます。
ターゲットのグループにジョブをサブミットできるようにするには、その前にターゲットのグループを作成しておく必要があります。
このタスクについて
ジョブ・マネージャーまたはデプロイメント・マネージャーの管理コンソールを使用して、ファイルまたはファイルのディレクトリーをターゲットからジョブ・マネージャーに転送するジョブをサブミットできます。
コンソールから「ファイルの収集」ジョブを選択し、転送するファイルまたはディレクトリーを指定し、ジョブ・オプションを指定し、ジョブをスケジュールに入れ、サマリーを確認して、ジョブをサブミットします。ジョブを実行すると、ジョブ・マネージャーは、アプリケーション・サーバーまたはデプロイメント・マネージャーのプロファイル・ディレクトリーからジョブ・マネージャー・プロファイルの
config/temp/JobManager/jobToken/targetName ディレクトリーにファイルをコピーします。
ノードからディレクトリーを収集する場合、このジョブはディレクトリーの内容を繰り返し圧縮し、その結果生成された圧縮フォーマット (zip) ファイルをコピーします。
複数のファイルをホストから収集しているときは、ファイル名にワイルドカードを指定できます。
以下のステップでは、ジョブ・マネージャー・コンソールまたはデプロイメント・マネージャー・コンソールを使用して「ファイルの収集」ジョブを実行する方法について説明します。
コンソールを使用する代わりに、AdministrativeJobs コマンド・グループ内の collectFile ジョブ・スクリプトを実行することもできます。
管理ジョブ・タイプに関するトピックを参照してください。
トラブルの回避 (Avoid trouble): ファイルの収集ジョブでは、QShell だけからファイルを転送できます。ファイルはバイナリー・モードで転送されるため、転送中に文字セットやエンコードの変換はありません。
gotcha
トラブルの回避 (Avoid trouble): ファイルの収集ジョブでは、z/OS UNIX シェルのみからアクセス可能なファイルを転送できます。ファイルはバイナリー・モードで転送されるため、転送中に文字セットやエンコードの変換はありません。
gotcha
手順
- ノードに対して、ターゲットの
profile_root
ディレクトリーに関連した、収集するファイルまたはディレクトリーのロケーションを決定します。
例えば、
DynaCacheEsi.ear
ファイルを profile_root/AppSrv01/config/cells/myNode01Cell/applications/DynaCacheEsi.ear ディレクトリーから収集するとします。
AppSrv01 はターゲット・ノードのプロファイル名です。AppSrv01 は、スタンドアロン・アプリケーション・サーバーです。myNode01Cell は AppSrv01 のセル名です。プロファイル・ルート AppSrv01
に関連した DynaCacheEsi.ear ファイルのロケーションは
config/cells/myNode01Cell/applications/DynaCacheEsi.ear です。
ホストに対して、ユーザー ID が正しい権限を持っている場合は、ホストの任意のロケーションから 1 つ以上のファイルを収集できます。
- 管理コンソールのナビゲーション・ツリーから、の順でクリックします。
- ジョブを選択します。
- リストから「ファイルの収集」ジョブ・タイプを選択します。
- オプションで、ジョブの説明を入力します。
- 「次へ」をクリックします。
- ファイルまたはディレクトリーを収集するターゲットを選択します。
- リストからターゲットのグループを選択するか、または「ターゲット名」を選択します。
選択したジョブ・タイプに有効なターゲット・グループのみが、ターゲット・グループの
リストに表示されます。
ターゲットは、ホストにすることができます。ただし、ホストから収集できるのはファイルだけです。ホストからディレクトリーを収集することはできません。
- 「ターゲット名」を選択した後は、ターゲット名を指定して「追加」をクリックするか、「検索」をクリックして、「ターゲットの検索」ページで選択したターゲットを指定します。
ファイルまたはディレクトリーを収集するターゲットを選択します。
ステップ 1 の例で続けるために、AppSrv01 プロファイルが nodeA としてジョブ・マネージャーに登録されていると仮定します。「nodeA」を選択します。
- ユーザー認証が必要な場合は、ユーザー名、パスワード、またはその他必要な認証値を指定します。
- 「次へ」をクリックします。
- ファイルの収集ジョブのパラメーターを指定します。
- 「ソース (Source)」に対して、1 つのホストまたは 1 つのノードから複数のファイルを収集している場合、さまざまなオプションがあります。
- ノード: ターゲットの profile_root
ディレクトリーに関連して収集するファイルまたはディレクトリーのパスを指定します。
例えば、DynaCacheEsi.ear
ファイルを profile_root/AppSrv01/config/cells/myNode01Cell/applications/DynaCacheEsi.ear
ディレクトリーから収集するには、次のパスを指定します。
config/cells/myNode01Cell/applications/DynaCacheEsi.ear/DynaCacheEsi.ear
ターゲットの profile_root
の下にある logs などのディレクトリーを収集するには、「ソース (Source)」フィールドの logs を指定します。
- ホスト (Host): ファイルの完全修飾パスを指定します。ソースに対する制約事項はありません。ワイルドカードを使用してファイルを指定することができます。サポートされているワイルドカード文字は (*) と (?) です。.
- アスタリスク (*) - 用語の複数の不明文字または可変文字に使用します。
- 疑問符 (?) – 単一の不明文字または可変文字に使用します。
- オプション: 「宛先」には、ジョブ・マネージャーにコピーされているファイルまたはディレクトリーの宛先名を指定します。
デフォルトでは、ファイルまたはディレクトリーは
ジョブ・マネージャー・プロファイル/config/temp/JobManager/jobToken/targetName ディレクトリーに置かれます。
ファイルまたはディレクトリーの名前は、「宛先」
フィールドで異なる名前を指定しない限り、そのまま保持されます。
DynaCacheEsi.ear の例で「宛先」の値を指定しない場合、DynaCacheEsi.ear
ファイルは profile_root/JobMgr01/config/temp/JobManager/124517860634322577/nodeA などのディレクトリーにコピーされます。
この例では、JobMgr01
はジョブ・マネージャー・プロファイルの名前、124517860634322577
はジョブ・トークン ID、そして nodeA
はファイルがコピーされたターゲットです。DynaCacheEsi.ear
ファイルは nodeA ディレクトリーに置かれます。 - ノード
nodeA
ディレクトリーで DynaCacheEsi.ear ファイルに
dynacache_esi_sample などの名前を付けると仮定します。「宛先」に dynacache_esi_sample
を指定すると、DynaCacheEsi.ear ファイルは profile_root/JobMgr01/config/temp/JobManager/jobToken/nodeA
ディレクトリーにコピーされ、名前は dynacache_esi_sample になります。
- ホスト
ホストに対する宛先を指定するように選択した場合は、ディレクトリーを指定する必要があります。ホストからファイルを収集しているときは、宛先をファイル名にすることはできません。
「宛先」の値を指定する場合は、その値を覚えておいてください。収集されたファイルまたはディレクトリーを参照するジョブを後で実行する場合には、この宛先の値を使用してファイルまたはディレクトリーを識別できます。
- デフォルトの配布プロバイダー以外の配布プロバイダーを使用する場合は、「配布プロバイダー」にその配布プロバイダーの名前を指定します。 DynaCacheEsi.ear ファイルまたは logs
ディレクトリーの例の場合、値を使用せず、デフォルトの配布プロバイダーを使用します。
- 「次へ」をクリックします。
- ジョブをスケジュールします。
指定する日時は
ジョブ・マネージャーに関連しています。
- オプションで、ジョブの終了時に通知を送信する宛先の電子メール・アドレスを 1 つ以上指定します。
複数の電子メール・アドレスを指定する場合は、コンマで区切ります。電子メール・アドレスは、コンソールの設定に
保存されます。
各電子メール・アドレスは、フォーマット・エラーがないか検証されます。
- ジョブがサブミットに対して利用可能になる時間を選択します。
ジョブを今利用可能にするためにサブミットするか、またはジョブがジョブ・マネージャーから取り出される時間と
日付を指定することができます。
- ジョブの有効期限を選択します。
ジョブの有効期限とは、
ターゲットが実行するためにジョブを利用できなくなる時刻のことです。
デフォルトの有効期限を使用する、ジョブの有効期限の日時を指定する、または
ジョブの有効期限が切れるまでの時間数を指定できます。デフォルトの有効期限は、ジョブ・
マネージャーの構成パネルで定義されます。
- オプションで、ジョブが再帰する間隔、間隔の開始日時、および間隔の
終了日時を指定します。
- 「次へ」をクリックします。
- サマリーを確認して「終了」をクリックし、ジョブをサブミットします。
タスクの結果
ジョブ・マネージャーはファイルまたはディレクトリーを ジョブ・マネージャー・プロファイル/config/temp/JobManager/jobToken/targetName ディレクトリーにコピーします。
収集ファイルまたはディレクトリーの名前がその宛先です。宛先の値を指定しない場合は、ファイルまたはディレクトリーの元の名前が保持されます。
DynaCacheEsi.ear
の例の場合、ファイルは ジョブ・マネージャー・プロファイル/config/temp/JobManager/jobToken/nodeA ディレクトリーにコピーされます。
次のタスク
「ジョブ状況」ページでファイルの収集ジョブの ID をクリックし、ジョブ状況を表示します。状況のリフレッシュ・アイコン
をクリックして、表示されている状況をリフレッシュします。
ジョブが正常に完了していない場合は、ジョブの実行の結果発生したエラー・メッセージを確認して、エラー条件を修正し、ジョブを再度サブミットします。
ジョブ・マネージャーが正常にファイルまたはディレクトリーをターゲットからジョブ・マネージャーにコピーした場合は、収集されたファイルを配布するジョブをサブミットできます。