システムで複数のプロキシー・サーバーを実行する場合は、これらのプロキシー・サーバーの管理を容易にするために、プロキシー・サーバー・クラスターを作成します。管理コンソールまたは wsadmin コマンドのいずれかを使用して、プロキシー・サーバー・クラスターを作成できます。
始める前に
プロキシー・サーバー・クラスターには、マシン、およびプロキシー・サーバー・クラスターに属するノードが含まれています。プロキシー・サーバー・クラスターを定義する前に、以下を実行します。
- ドメイン・ネーム・サーバー (DNS)、ロード・バランサー、またはプロキシー・サーバーを、プロキシー・サーバー・クラスターへの要求の経路指定に使用するかどうかを決定します。
- プロキシー・サーバー・クラスターに属するノードに製品の同じバージョンがインストールされていることを確認します。
トラブルの回避 (Avoid trouble): プロキシー・サーバー・クラスターの機能の一部は、アプリケーション・サーバー・クラスターと同じではありません。
例えば、プロキシー・クラスターにはフェイルオーバー、高可用性のサポートは提供されていません。プロキシー・クラスターを作成する主な理由は、複数プロキシー・サーバーの管理を容易にすることです。
例えば、ご使用のプロキシー・サーバーが、プロキシー・サーバー・クラスターのメンバーであるならば、そのプロキシー・サーバー・クラスターに対して構成の設定を指定でき、その設定が、クラスター内のすべてのプロキシー・サーバーに自動的に適用されます。
また、プロキシー・サーバー・クラスターを作成すれば、そのクラスター内のすべてのプロキシー・サーバーを同時に始動して停止することもできるようになります。
gotcha
このタスクについて
以下のタスクを実行して、プロキシー・サーバー・クラスターを作成します。
手順
- デプロイメント・マネージャーを開始します。
- wsadmin ユーティリティーを開始します。
- 以下のいずれかのコマンドを発行します。
以下のコマンドは、メンバーのない空のクラスターを作成します。
$AdminTask createCluster {-clusterConfig {-clusterName <name_of_cluster> -clusterType PROXY_SERVER}}
以下のコマンドはクラスターを作成して、プロキシー・サーバーをそのクラスターに追加します。
$AdminTask createCluster { -clusterConfig {{<name_of_cluster> true PROXY_SERVER}} -convertServer
{{<node_name> <name_of_proxy_server> "" "" ""}}}
追加するプロキシー・サーバーは、クラスターに追加する後続のすべてのプロキシー・サーバーのテンプレートとして使用されます。
- メンバーをクラスターに追加します。
クラスター内にメンバーが存在しない場合は、最初に追加されたプロキシー・サーバーが、その後クラスターに追加されたメンバーのテンプレートとして機能します。
以下のコマンドを発行して、メンバーをクラスターに追加します。
$AdminTask createClusterMember {-clusterName <name_of_cluster> -memberConfig
{-memberNode <node_name> -memberName <name_of_proxy_server>}}
プロキシー・サーバーがクラスターに追加される場合、そのプロキシー特有の構成設定は、wsadmin スクリプト・クライアントを使用してのみ構成することができます。
- $AdminConfig save コマンドを発行して、構成変更を保存します。
- プロキシー・サーバー・クラスターを開始します。
プロキシー・サーバー・クラスターを開始すると、要求のルーティングが自動的に可能になります。
- 要求を構成して、プロキシー・サーバーに送付します。
DNS ベースのルーティングでは、サイトの論理名と DNS のプロキシー・サーバー・クラスター・メンバーの IP アドレスとを関連付けます。
ロード・バランサーのルーティングでは、仮想クラスターのターゲットとして、クラスター・メンバーの IP アドレスを構成します。
エッジ・プロキシー、または WebSphere® Application Server のプラグイン・ベースのルーティングを使用した IBM HTTP Server では、プロキシー・サーバー・クラスターにプラグイン構成ファイルを生成し、この情報を使用して、エッジ・プロキシーまたは WebSphere Application Server のプラグインを構成します。
タスクの結果
プロキシー・サーバー・クラスターはメンバーで作成されており、ルーティング・トラフィックが有効になっています。