ジョブ・マネージャー
柔軟な管理環境では、ジョブ・マネージャーを使用することによって、 管理エージェントに登録されたアプリケーション・サーバーに対する管理ジョブ、デプロイメント・マネージャーに 対する管理ジョブ、およびホスト・コンピューターに対する管理ジョブを、非同期にサブミットすることが 可能になります。これらのジョブのサブミットは、地理的に分散したエリアにわたる複数のサーバーに対して行うことができます。
管理エージェントに登録済みのスタンドアロン・アプリケーション・サーバーと、デプロイメント・マネージャーおよびホスト・コンピューター を、ジョブ・マネージャーに登録できます。スタンドアロン・アプリケーション・サーバー、デプロイメント・マネージャー、 またはホスト・コンピューターをターゲットとして登録すると、それ以降はジョブ・マネージャーを介して、それらのターゲットに対する管理ジョブを キューに入れることができます。
アプリケーション・サーバー・ノードとデプロイメント・マネージャーをジョブ・マネージャーに登録するには、管理コンソールまたは wsadmin の registerWithJobManager コマンドを使用します。 このコマンドは ManagedNodeAgent コマンド・グループ内にあります。
ホストをジョブ・マネージャーに登録するには、 管理コンソールを使用するか、registerHost コマンドを使用します。 このコマンドは JobManagerNode コマンド・グループ内にあります。
ユーザーはデプロイメント・マネージャーでジョブ・マネージャーのアクションを完了し、ジョブを実行することができます。 ジョブ・マネージャーの管理コンソールと同様に、デプロイメント・マネージャーの管理コンソールには、ナビゲーション・ツリー に「ジョブ」の選択項目があります。
- ジョブ実行依頼を、指定された時刻に有効になるように設定します。
- ジョブ実行依頼を、指定された時刻に有効期限切れになるように設定します。
- ジョブ実行依頼を、指定された時間間隔で実行されるように指定します。
- ジョブが完了したことを管理者に E メールで通知します。
ジョブ・マネージャーに登録された、アプリケーション・サーバー、デプロイメント・マネージャー、 またはホストは、ジョブ・マネージャーにとってはそれぞれ 1 つのターゲット として認識されます。ターゲット・グループは、ジョブの実行依頼を容易にするために作成するターゲットのグループです。ジョブに複数のターゲット名を入力する代わりに、ターゲット・グループを使用してジョブをサブミットすることができます。
ジョブ・マネージャーで実行できる管理タスクの多くは、アプリケーション管理、サーバー管理、ノード管理などの製品で既に実行可能になっているタスクです。 しかし、ジョブ・マネージャーを使用すると、タスクを集約して、複数のターゲット間でこれらのタスクを実行できます。
ジョブ・マネージャーの使用例
- ブランチ・オフィス環境
- この企業は、大陸全土に 1000 店舗を所有しており、いずれも地理的に分散しています。 各店舗には、少数のアプリケーション・サーバーか、2 つまたは 3 つのマシンで構成された小さな WebSphere® Application Server Network Deployment セルが置かれています。各店舗の日々の業務は、ローカルで管理されています。 ただし、各店舗は、会社本社のデータ・センター (場所によっては数千マイルも離れています) とも接続されています。 本社との接続速度は、モデム程度になってしまうところもあります。 本社では、ジョブ・マネージャーを使用して、店舗に関する管理ジョブを定期的にサブミットします。
- 数百台のアプリケーション・サーバーで構成された環境
- 管理者は、アプリケーション・サーバーの同一のクローンを実行する低コスト・マシンを何百台もセットアップします。 管理エージェントに登録されている各アプリケーション・サーバー・ノードは、ジョブ・マネージャーに登録されています。 管理者は、ジョブ・マネージャーを使用してすべてのアプリケーション・サーバーで使用する管理コマンドを集約し、新規サーバーの作成や、アプリケーションのインストールまたは更新などを行います。
- 数十個のデプロイメント・マネージャー・セルで構成された環境
- 管理者が、数百のアプリケーション・サーバーをセットアップし、これらを 30 の異なるグループに分割するとします。 各グループは、セル内で構成されます。 これらのセルは 地理的に 5 つの地域に分散され、それぞれの地域は 3 つから 7 つのセルで構成されます。 各セルは、1 から 15 までのメンバー機関をサポートするために使用され、合計で 230 機関をサポートできます。 各セルには、約 30 のアプリケーションが含まれています。それぞれがフェイルオーバーの目的で 2 つのクラスター上で実行され、合計で 1800 のアプリケーション・サーバーが構成されます。 管理者は、ジョブ・マネージャーを使用して、すべてのセルにまたがる管理コマンドを集約し、サーバーの始動と停止や、アプリケーションのインストールまたは更新などを行います。
トポロジー例
次のトポロジー例では、マシン A にデプロイメント・マネージャーと、デプロイメント・マネージャーが管理する統合ノードがあり、マシン C に管理エージェントに登録された 2 つのアプリケーション・サーバー (Profile01 と Profile02) があります。また、マシン D にジョブ・マネージャーが、マシン B に Web サーバーがあります。さらに、ファイアウォールでこれらのマシンのセキュリティーを強化しています。管理エージェントおよびデプロイメント・マネージャーはジョブ・マネージャーに登録されています。 管理エージェントとデプロイメント・マネージャーは定期的にジョブ・マネージャーをポーリングし、アクションの必要なジョブがジョブ・マネージャーから送信されたかどうかを確認します。 トポロジーについて詳しくは、WebSphere Application Server のインストール計画に関するトピックを参照してください。
