PMI データ種別
このトピックでは、Performance Monitoring Infrastructure (PMI) データ種別について説明します。
静的コンポーネントは、 データを識別する名前と ID、および他の記述属性で構成されます。動的コンポーネントは、カウンターの現行値およびその値に関連したタイム・スタンプなど、 時間の経過とともに変化する情報から構成されます。
PMI データは、以下の統計タイプのいずれかとすることができます (これらの統計タイプは、J2EE 1.4 Performance Data Framework に従っています)。
統計タイプ | 説明 | 例 |
---|---|---|
CountStatistic | 所定の値の実行回数を表します。 | サーブレット要求回数 |
AverageStatistic | 単純平均を表します。合計、回数、最小値、最大値の追跡が可能です。 平均は合計と回数によって導かれます。(このタイプは WebSphere® の J2EE Performance Data Framework への拡張機能です) | バイト単位の平均 HttpSession サイズです。 |
TimeStatistic | AverageStatistic と同じですが、計測単位が ミリ秒または秒というところが異なります。 | 平均サーブレット応答時間 |
RangeStatistic | 時間加重平均を表します。現在点、最低水準点、最高水準点、時間加重合計、および整数の追跡が可能です。 | 同時サーブレット要求の回数。 |
BoundedRangeStatistic | RangeStatistic と同じで、上限バウンドと下限バウンドを持っています。 | JDBC 接続プール・サイズ |
以下の図は、統計のクラスの階層を示しています。

- Statistic
- ID
- 所定の STAT 内の統計値を識別する固有 ID (WebSphere PMI 拡張機能)
- name
- 統計名
- unit
- 統計の単位
- description
- テキストによる統計の説明
- startTime
- 最初の測定が行われた時間
- lastSampleTime
- 最新の測定が行われた時間
- CountStatistic
- count
- 測定が開始されてからの回数
- DoubleStatistic
- count
- 測定が開始してからの値
- AverageStatistic
- (WebSphere PMI 拡張機能。
これは J2EE 1.4 で定義された TimeStatistic と同じですが、バイト・サイズといった、時間に関係しない測定を追跡するために使われるところが異なります。)
- count
- 測定数
- total
- すべての測定の値の合計
- min
- 最小値
- max
- 最大値
- BoundaryStatistic
- upperBound
- この属性の上限
- lowerBound
- この属性の下限。
- RangeStatistic
- current
- この属性のCurrent®
- lowWaterMark
- この属性の最低値
- upperWaterMark
- この属性の最高値
- integral
- この属性の時間加重合計 [時間加重平均 = 整数 / (lastSampleTime - startTime] (WebSphere PMI 拡張機能)
- 数字: J2EE 1.4 仕様の CountStatistic にマップします。long または double のいずれかの 1 つの数値を保持します。このデータ型は、計算などの単純な数値データの管理に使用されます。
- 統計: サンプル・セットのエレメント数、 エレメントの合計、および 2 乗和などのサンプル・スペース上の統計データを保持します。このデータから、 平均、変動、および平均の標準偏差を取得できます。
- ロード: J2EE 1.4 仕様に基づいた RangeStatistic または BoundedRangeStatistic にマップされます。 このデータは、現行レベル、レベル達成時刻、およびそのレベルの時間に対する積分値など時間関数としてのレベルを管理します。 このデータから、 そのレベルの時間加重平均を取得できます。 例えば、このデータ型はアクティブなスレッドの数およびキュー内の待ち数に使用されます。
これらの PMI データ・タイプは、PMI クライアント API によって引き続きサポートされます。 統計データ型は、PMI API および Java™ Management Extension (JMX) API の両方によってサポートされています。
WebSphere Application Server バージョン 4 およびバージョン 5 では、CountStatistic データには低 モニター・レベルが必要で、TimeStatistic データには中 モニター・レベルが必要です。 RangeStatistic および BoundedRangeStatistic には、高 のモニター・レベルが必要になります。このルールの例外となる いくつかのカウンターがあります。メソッドの平均応答時間、メソッド呼び出しの合計、およびアクティブ・メソッド・カウンターには、高 のモニター・レベルが必要になります。Java 仮想マシン・カウンター、SerializableSessObjSize、および追跡される個々のメソッドのデータ (メソッド・レベル・データ) には、最大 モニター・レベルが必要です。 また、レベル最大は、すべての統計タイプへの同期更新を使用可能にします。
WebSphere Application Server バージョン 6.0 以降では、モニター・レベル (低、中、高、および最大) は非推奨になっています。 代わりに、きめ細かな制御が導入され、統計の使用可能/使用不可を個別に行えるようになっています。 きめ細かな制御はカスタム・オプションで使用可能です。 詳しくは、管理コンソールによる PMI の使用可能化を参照してください。
モニター・オーバーヘッドを削減するために、CountStatistic、DoubleStatistic、AverageStatistic、および TimeStatistic への更新は同期されません。このデータは合計と平均を追跡するため、一般にそれ以上精度を上げてもパフォーマンス・コストには見合いません。 RangeStatistic および BoundedRangeStatistic は非常に微妙です。そのため、これらは常に同期されます。 すべての統計タイプの同期更新を使用可能にするには、「Use sequential update」オプションを使用可能にします。詳しくは、管理コンソールによる PMI の使用可能化を 参照してください。