[z/OS]

最適化されたローカル・アダプターのインバウンド・サポートの利用

最適化されたローカル・アダプターのサポートを実装して WebSphere® Application Server for z/OS® Enterprise JavaBeans (EJB) アプリケーションへのインバウンド呼び出しを実行する場合は、このタスクを使用します。

このタスクについて

最適化されたローカル・アダプターを使用すると、外部アドレス・スペースから、ローカルの WebSphere Application Server for z/OS サーバー上にデプロイされた EJB アプリケーションへのインバウンド呼び出しを実行できるだけでなく、WebSphere Application Server for z/OS 上で稼働しているアプリケーションから、外部アドレス・スペース内で稼働しているサーバー・プログラムへのアウトバウンド呼び出しも実行できます。次のステップでは、最適化されたローカル・アダプター用のアプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) を使用して、ローカルの WebSphere Application Server for z/OS サーバー上にデプロイされた EJB アプリケーションを呼び出すために必要なプロセスについて説明します。

次の図は、顧客情報管理システム (CICS®) で最適化されたローカル・アダプターを使用する場合のフローを示しています。次の図は、顧客情報管理システム (CICS) で最適化されたローカル・アダプターを使用する場合のフローを示しています。アプリケーション・サーバー EJB アプリケーションへの CICS インバウンド呼び出し

次の図は、情報管理システム (IMS™) で最適化されたローカル・アダプターを使用する場合のフローです。 最適化されたローカル・アダプターを使用したアプリケーション・サーバーへのレガシー IMS インバウンド呼び出し

手順

  1. サーバー環境を使用可能にします。 このステップでは、WebSphere Application Server デーモン・グループまたはセルの WebSphere 環境変数を使用して、最適化されたローカル・アダプターのサポートをアクティブにします。このステップを完了することによって、WebSphere Application Server がインバウンド要求を受信できるようになります。
  2. EJB アプリケーションを開発します。 EJB アプリケーションを開発するか、既存のアプリケーションを準備できます。呼び出し元または呼び出し先が COBOL、C/C++ プログラムである場合、Rational® Application Developer などの IBM® Rational® Application Developer アセンブリー・ツールを使用して、COBOL コピーブックや C/C++ の構造に対応したヘルパー・メソッド getter および setter を持つ Java™ クラスを作成したり、最適化されたローカル・アダプター用のネイティブ API を使用して開始する EJB アプリケーションを作成したりできます。

    アセンブリー・ツールを使用して COBOL コピーブックや C の構造を Java のデータ・バインディング・ヘルパー・クラスに変換するには、アセンブリー・ツールのインフォメーション・センターを参照してください。

    アセンブリー・ツールは WebSphere Application Server for z/OS に付属していて、このツールには com.ibm.websphere.ola パッケージが格納された Java アーカイブ・ファイルが含まれます。このパッケージは、エンタープライズ Bean を、最適化されたローカル・アダプターによる呼び出しの潜在的なターゲットとして識別するために必要です。このパッケージには、アダプターを呼び出すために必要な抽象インターフェースを保持する ExecuteHome および Execute クラスが含まれます。execute() というメソッドを実装するステートレス・セッション Bean を 作成する必要があります。execute メソッドは、EJB ホーム・インターフェースの名前 com.ibm.websphere.ola.ExecuteHome およびリモート・インターフェースの名前 com.ibm.websphere.ola.Execute を 指定し、入力としてバイト配列を受け取り、出力としてバイト配列を返します。外部アドレス・スペースから開始するエンタープライズ Bean には、バイト配列を入力として受け取り、バイト配列を出力として返す、execute というメソッドが含まれている必要があります。これは、外部アドレス・スペースが Invoke や Send Request などのアダプター API 呼び出しを使用するときに、制御が渡されるメソッドです。execute メソッドは、リモート・インターフェースである com.ibm.websphere.ola.Execute によって定義され、このメソッドにはアプリケーションのビジネス・ロジックが含まれます。

    重要: EJB の実装では、ホームおよびリモートのインターフェースを変更または拡張しないようにする必要があります。アプリケーション例外は、リモート・インターフェースの execute メソッドではサポートされていません。アプリケーションから例外をスローする必要がある場合は、検出した元の例外を必要に応じてラップできる EJBException をスローする必要があります。
  3. EJB アプリケーションをデプロイします。 EJB アプリケーションを開発したら、それをエンタープライズ・アーカイブ (EAR) ファイルにパッケージ化し、WebSphere Application Server 上にデプロイします。この EJB アプリケーションは、com.ibm.websphere.ola パッケージで提供されるホームおよびリモートのインターフェースを使用します。この方法で作成されたエンタープライズ Bean には Java Naming and Directory Interface (JNDI) ホーム名が割り当てられ、他の EJB コンポーネントと同じようにデプロイされます。アプリケーションのインストールについて詳しくは、『エンタープライズ・アプリケーション・ファイルのインストール』を参照してください。
  4. (オプション) CICS 環境を使用します。 顧客情報管理システム (CICS) に接続し、そのシステムを使用する場合のみ、このステップを完了します。CICS を使用している場合は、ローカルの WebSphere Application Server 上にデプロイした EJB アプリケーションへのアウトバウンド呼び出しを実行できるように、このステップで CICS 領域内のアダプターをアクティブにします。アウトバウンド呼び出しは、最適化されたローカル・アダプターのネイティブ API を使用して実行されます。CICS を使用しない場合は、次のステップに進みます。
    重要: SAF ユーザー ID を WebSphere Application Server for z/OS から CICS に伝搬する予定がある場合は、製品が SAF ベースのユーザー・レジストリーを使用していることを確認してください。
  5. (オプション) IMS 環境を使用します。 IMS アプリケーションに接続して使用する場合にこのステップを実行します。
  6. 外部アドレス・スペースを登録します。 最適化されたローカル・アダプターでローカルのデーモン・グループまたは WebSphere Application Server セルへのインバウンド呼び出しを実行するには、現行アドレス・スペースを WebSphere Application Server グループにバインドし、接続属性を設定します。
  7. インバウンド・サポート用に最適化されたローカル・アダプターを保護します。
  8. インバウンド呼び出しを実行します。 目的と対象システムに応じて、ネイティブ API を使用した呼び出しの実行に使用する方法を選択します。
    1. 最適化されたローカル・アダプター用のネイティブ API を使用することによって、ステートレス・セッション Bean を呼び出し、外部アドレス・スペースから WebSphere Application Server に接続します。 この方法では、基本的な API を使用して外部のネイティブ言語プログラムから EJB アプリケーションを開始し、その応答を取得します。この方法は、応答域の最大長が不明な状態で呼び出しを実行する、より高い柔軟性を必要とするアプリケーションを対象に設計されています。
    2. 最適化されたローカル・アダプター用の Invoke API を使用することによって、ステートレス・セッション Bean を呼び出し、外部アドレス・スペースから WebSphere Application Server に接続します。 この方法では、Invoke API を使用して外部のネイティブ言語プログラムから EJB アプリケーションを開始し、その応答を取得します。この方法は、応答域の最大長がわかっている状態で呼び出しを実行する場合に、より単純なパスを必要とする利用者が使用することを目的としています。
    3. クライアントが開始したトランザクションで、最適化されたローカル・アダプターを使用して、外部アドレス・スペースから WebSphere Application Server 上の EJB アプリケーションを呼び出します。 この方法では、クライアント環境内でトランザクションを開始し、WebSphere Application Server 上で稼働している EJB アプリケーションを呼び出します。新しいトランザクションは WebSphere Application Server に伝搬されます。この方法は、CICS などのトランザクションが有効になっている環境から呼び出す場合のみサポートされます。
    4. トランザクション・コンテキストを無視し、最適化されたローカル・アダプターを使用して、WebSphere Application Server 上の EJB アプリケーションを呼び出します。 この方法では、クライアント環境内でトランザクションを開始し、WebSphere Application Server 上にデプロイされた EJB アプリケーションを呼び出し、トランザクション・コンテキストを無視します。この方法は、CICS などのトランザクションが有効になっている環境から呼び出す場合のみサポートされます。
  9. (オプション) 最適化されたローカル・アダプターをモニターします。

タスクの結果

これで、最適化されたローカル・アダプターのサポートを実装して、WebSphere Application Server 上に展開された EJB アプリケーションへのインバウンド呼び出しを実行できました。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tdat_useola_in
ファイル名:tdat_useola_in.html