Liberty サーバー用の変数の設定

ジョブ・マネージャーを使用して Liberty・サーバーをリモートでインストールし、管理するには、その前に WebSphere 変数を 1 つ以上設定する必要があります。これらの変数の設定は、管理コンソール、wsadmin スクリプト、または registerHost コマンドで行うことができます。これらの変数は、Liberty・リソースのインストール先のルート・ディレクトリーを 指定し、ジョブ・マネージャーにまだ登録されていないリソースを検出するための検索パスを指定します。

始める前に

Liberty・リソースには、プロジェクト、ソフトウェア開発キット (Java ランタイム環境)、Liberty・ランタイム、サーバー、およびアプリケーションが含まれます。 詳しくは、『Liberty・リソース』を参照してください。

管理コンソール、wsadmin、または registerHost コマンドを使用して Liberty・サーバー変数の値を設定する場合は、 ジョブ・マネージャーまたはデプロイメント・マネージャーを開始します。

このタスクについて

WebSphere 変数および組み込み変数の値を指定することができます。

WebSphere 変数

ジョブ・マネージャーを使用して Liberty リソースを インストールする前に、WebSphere 変数を 1 つ以上設定する必要があります。構成量は、 デプロイされるトポロジーによって異なります。ジョブ・マネージャー・コンソール、デプロイメント・マネージャー・コンソール、wsadmin、または registerHost コマンドを使用して変数の値を設定することができます。

Liberty リソース は、非共有の作業ロケーションにインストールするか、共有ロケーションに インストールすることができます。作業ロケーションにインストールされるリソースは、 共有しないでください。

共有ロケーションにインストールされるリソースは、作業ロケーションにインストールされる Liberty・サーバーで使用できます。 例えば、以下の共有リソース・タイプを 1 つ以上使用するように、作業用の Liberty・サーバーを構成することができます。
  • Liberty ランタイム
  • ソフトウェア開発キット
  • アプリケーション
共有ロケーション にリソースをインストールする場合は、読み取り専用でインストールします。ネットワーク・ファイル・システム (NFS) などのディスク共有方法を使用して、1 つのホスト内または複数のホスト間でリソースを共有することができます。

リソースのインストール中に、名前の競合がなければ、Liberty 圧縮ファイル中のリソースは、WLP_WORKING_DIR で指定された作業ルート・ディレクトリーまたは WLP_SHARED_DIR で指定された共有ディレクトリーに解凍されます。

表 1. Libertyのデフォルト変数. 最低限、非共有作業ディレクトリーのディレクトリー・パスを指定してください。
デフォルト変数 説明
WLP_WORKING_DIR 非共有の作業用 Liberty・リソースのインストール・パスまたはインベントリー検索パスを指定します。ジョブのサブミットに、インストール・ディレクトリーまたは検索ディレクトリーが 共有されるという指定がない場合、ジョブはこの変数を使用します。デフォルトでは、Liberty リソースは、この変数が定義する非共有作業ディレクトリーに インストールされます。

この変数には絶対パスを指定します。 相対パスを指定しないでください。

WLP_SHARED_DIR 共有 Liberty・リソースのインストール・パスまたはインベントリー検索パスを指定します。ジョブのサブミットに、インストール・ディレクトリーまたは検索ディレクトリーが共有されるという指定がある場合、ジョブはこの変数を使用します。

この変数には絶対パスを指定します。 相対パスを指定しないでください。

WLP_ADDITIONAL_DIRS (オプション) WLP_SHARED_DIR 変数および WLP_WORKING_DIR 変数に含まれるパス以外の Liberty リソースを検索するための追加パスを指定します。
以下を行うには、Liberty リソース の追加検索パスを構成する必要があります。
  • ジョブ・マネージャーとは別に管理される事前インストール済み Software Development Kit を 検索する。
  • デフォルトの作業ディレクトリーおよび共有ディレクトリーにインストールされていないサーバー・リソースを検索する。 例えば、複数の異なるユーザーのホーム・ディレクトリーに 対して相対的な、異なるインストール・ロケーションを定義する場合などが考えられます。詳しくは、HOME 変数および USER 変数の説明を参照してください。

この変数には絶対パスを指定します。 相対パスを指定しないでください。

組み込み変数

ジョブ・マネージャーを使用して Liberty サーバーをリモートでインストールし、管理するときは、以下の組み込み変数を設定すると、オペレーティング・システムのホーム・ディレクトリー、オペレーティング・システムのユーザー、ホスト名、およびプロジェクト・メンバーシップに基づいて、インストール・ロケーションや Liberty 構成ファイルをカスタマイズすることができます。

HOME
「Liberty プロファイル・リソースのインストール」ジョブのサブミットに使用されるオペレーティング・システム・ユーザー名のホーム・ディレクトリーが入ります。HOME 変数を使用して、サブミットを実行するユーザーのホーム・ディレクトリー に対して相対的な作業ディレクトリーをセットアップできます。 以下に例を示します。
WLP_WORKING_DIR=${HOME}/working
USER
「Liberty プロファイル・リソースのインストール」ジョブのサブミットに使用されるオペレーティング・システム・ユーザーの名前が入ります。USER 変数を 使用して、グローバル・ディレクトリーに対して相対的な、各ユーザーの作業ディレクトリー をセットアップできます。以下に例を示します。
WLP_WORKING_DIR=/working/${USER}
HOME 変数または USER 変数を使用してインストール・ロケーションをカスタマイズする場合、ユーザーごとに特定のディレクトリーを使用して WLP_ADDITIONAL_DIRS 変数 を構成する必要があります。以下に例を示します。
WLP_ADDITIONAL_DIRS=/usr/home/user1;/usr/home/user2

WLP_ADDITIONAL_DIRS 変数にディレクトリーが含まれない場合、インベントリー・ジョブは、ターゲット・ホスト上の関連する Liberty・リソースを検索しません。

HOSTNAME
「Liberty プロファイル・リソースのインストール」ジョブが実行されるターゲット・ホストの構成済みホスト名が入ります。 HOSTNAME 変数は、サーバーの bootstrap.properties ファイル内で 使用できます。以下に例を示します。
hostname=${HOSTNAME}
次に、hostname 変数をサーバー構成ファイル server.xml 内で使用できます。以下に例を示します。
<httpEndpoint host="${hostname}" httpPort="9081" httpsPort="9444" id="defaultHttpEndpoint"/>
CURRENT_PROJECT
Liberty・リソースの圧縮ファイルに組み込まれるプロジェクトの名前が入ります。

手順

指定した有効範囲のすべてのターゲット・ホストに対して WebSphere 変数を設定することも、1 つのターゲット・ホスト・レベルで WebSphere 変数を設定することもできます。

タスクの結果

変更内容を保存した後、その変更内容がコンソール の「WebSphere 変数」ページの変数リストに表示されます。

トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): 変数を定義した後、「Liberty リソースのインストール」ジョブのファイルを正しくパッケージ化する方法について、Liberty リソースのパッケージ化 を参照してください。IBM Installation Manager を使用して Liberty をインストールする場合は、WLP_WORKING_DIR のロケーションの下にサブディレクトリーを作成します。 このディレクトリーは、Liberty ランタイムのこのインスタンスを識別するために使用されます。このディレクトリーは、IBM Installation Manager によるインストール時にインストール・ディレクトリーとして使用してください。例えば、WLP_WORKING_DIR/liberty/working に設定されている場合、runtime_1 サブディレクトリーを作成してから、IBM Installation Manager を使用したインストール時に、/liberty/working/runtime_1 をインストール・ディレクトリーとして使用します。gotcha

次のタスク

これで、Liberty リソース圧縮ファイルからリソースをインストールするジョブ、および、既存の Liberty リソースを検索するインベントリー・ジョブをサブミットできるようになりました。

後で、異なる ターゲット・ホスト用に変数の値をオーバーライドする変数を設定したり、ユーザー定義変数を代用したりすることができます。
  • 各ホストごとにターゲット・プロパティーを変更することで、個々の ホストで Liberty 変数の値をオーバーライドすることを選択できます。 まず、該当するデフォルトの WebSphere 変数を高位レベルの有効範囲で定義します。以下に例を示します。
    WLP_SHARED_DIR=/shared
    WLP_WORKING_DIR=/working
    WLP_ADDITIONAL_DIRS=...
    次に、デフォルト値と異なるターゲットごとに、これらの変数の値をオーバーライドします。 例えば、大部分のホストが AIX、HP-UX、 Linux、または Solaris オペレーティング・システム上にあり、いくつかの Windows ホストがある ような環境の場合、各 Windows ホストを登録した後で、以下のホスト・プロパティーを 追加することができます。
    WLP_SHARED_DIR=c:/shared
    WLP_WORKING_DIR=c:/working
  • ターゲット・ホスト特有のプロパティーを編集して、個々のターゲット 用のユーザー定義変数を置換することができます。ユーザー定義変数の置換は、 各ターゲットに複数のネットワーク・インターフェースがあって、 各ターゲットごとにどのインターフェースを使用するのかを指定したい場合に便利です。この変数は、サーバーの bootstrap.properties ファイル内で定義できます。以下に例を示します。
    hostname=${hostname.interface1}

    ターゲットごとに、ユーザー定義変数の実際の値をターゲット・ホストのその特有のプロパティーに定義する必要があります。 例えば、host1 に はインターフェースの値を hostname.interface1=host1.xyz.com と定義し、 host2 には hostname.interface1=host2.xyz.com と定義します。


トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tagt_jobmgr_var_cs_res
ファイル名:tagt_jobmgr_var_cs_res.html