SIP アプリケーション・ルーター

SIP アプリケーション・ルーターは、SIP コンテナーによって使用され、 コンテナー内でのアプリケーションの実行順序を選択するものです。

SIP コンテナーは、完全なサービスまたは機能をデプロイするために、 複数のアプリケーションを呼び出すことができます。このモジュラーおよびコンポジット方式によって、 アプリケーション開発者は新規アプリケーションを開発しやすくなります。 モジュラー・アプリケーションでは、個々のアプリケーションの実装を独立させたままで、 結合および管理をさらに容易にできます。

アプリケーション・ルーターは、着信メッセージにサービスを提供するために、 正しいアプリケーションを正しい順序で選択します。 アプリケーション・ルーターは、コンテナーが機能するために必要ですが、 コンテナーとは別の論理エンティティーです。アプリケーション・ルーターは、 JSR 289 仕様に基づいています。アプリケーション・ルーター機能について詳しくは、 この仕様を参照してください。

デフォルト・アプリケーション・ルーター (DAR) は標準構成ファイルによって構成可能で、 このファイルは、JSR 289 で定義されているように、 SIP コンテナーのカスタム・プロパティーを通じてコンテナーに提供されます。DAR 構成ファイルは、 DAR のターゲットごとに管理コンソールでアップロードすることもできます。

アプリケーション・ルーティングは、アプリケーション構成とも呼ばれ、 以下のようないくつかの方法で処理できます。
  • 管理コンソールを使用して、アプリケーションを実行する順序を指定します。
  • カスタム・アプリケーション・ルーターの実装クラスをアップロードします。 アップロードするには、アプリケーション・ルーターの実装およびプロバイダーを含む Java™ アーカイブ (JAR)・ファイルのパスを、コンソールを通じて指定するか、 またはクラスパスに追加します。SIP コンテナーのカスタム・プロパティーによって 特定のプロバイダーを定義できます。
  • プロパティー・ファイルをアップロードして、 システム・プロパティーを通じてそのロケーションを指定することで、DAR を構成します。
  • 対話式ウィザードを使用して、DAR 構成ファイルを生成します。
制約事項: WebSphere® Application Server では、「始動の動作」設定を使用して SIP アプリケーションの呼び出し順序をソートするデフォルトの方法が用意されています。ソート順序はアプリケーションのウェイトに基づきます。このウェイト付けのポリシーは、DAR プロパティー・ファイルを指定せず、カスタム・アプリケーション・ルーターがサーバーまたはクラスターに関連付けられていない場合にのみ適用されます。
トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): CEA フィーチャーを使用している場合、CEA システム・アプリケーションがカスタム・アプリケーション・ルーターと同じサーバーまたはクラスターで使用可能であるときは、このアプリケーションに特別な配慮が必要です。 CEA システム・アプリケーションの機能を維持しながらアプリケーション・ルーターをデプロイするには、次の 2 つのオプションのうちいずれかを使用します。
  • カスタム・アプリケーション・ルーターが含まれていない隔離されたサーバーまたはクラスターでのみ CEA を使用可能にする。
  • カスタム・アプリケーション・ルーターが CEA 固有のメッセージをすべて CEA システム・アプリケーションに経路指定するようにする。 そのためには、アプリケーション・ルーターの開発者が、CEA システム・アプリケーションに関連付けられた sip.xml ファイルの中で定義されているマッピングを調べる必要があります。 CEA システム・アプリケーションに関連付けられた sip.xml ファイルは、ディレクトリー・パス app_server_root/systemApps にあります。

    以下では、commsvc システム・アプリケーションに経路指定するようにカスタム・アプリケーション・ルーターを構成する方法について説明します。 commsvc アプリケーションがあるカスタム・アプリケーション・ルーター構成の例と、commsvc アプリケーションがないカスタム・アプリケーション・ルーター構成の例を、以下に示します。

    まず、commsvc がない場合の構成例を示します。
    INVITE: ("TestB2bua", "DAR:To", "NEUTRAL", "", "NO_ROUTE", "0")
    INVITE の後にある最初の要素はテスト・アプリケーションの表示名であり、この 1 行のアプリケーション・ルーターは b2bua 呼び出しをアプリケーションに正常に経路指定します。 ただし、SIP コンテナーで構成された先行するアプリケーション・ルーターにより、CEA Web コラボレーションの試みは失敗します。
    CEA システム・アプリケーションへの経路指定を可能にするのは簡単で、ルーティング要素を複製して、2 番目の要素インスタンスにあるアプリケーション名を変更するだけです。
    INVITE: ("TestB2bua", "DAR:To", "NEUTRAL", "", "NO_ROUTE", "0"),("commsvc", "DAR:To", "NEUTRAL", "", "NO_ROUTE", "0")
    この処置により、CEA メッセージは正しく経路指定されます。
gotcha

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