IBM リンクを介したパブリッシュ/サブスクライブ・メッセージング: 例

IBM MQ リンクを使用したパブリッシュ/サブスクライブ・ブリッジによって、WebSphere® Application Server のサービス統合バスのサブスクライバーが、IBM MQ ネットワークのサブスクライバーと同じパブリッシュされたメッセージを受信することができます。WebSphere Application Server のブローカー・プロファイルにより、これら 2 つの別個のパブリッシュ・ドメインと サブスクライブ・ドメインは、単一のエンティティーとして認識されます。

それぞれ異なる種類のスポーツ・イベントについて結果とニュースのサービスを提供する「GolfStats Inc.」と「FootballFansData Inc.」という 2 つのビジネスがあると想定します。どちらもサード・パーティーに代金を支払って スポーツ情報 (それぞれゴルフとフットボール) を収集し、このデータを各 ビジネスの IT システムにパブリッシュします。 GolfStats および FootballFansData は、結果を入手したらそれを ポップアップする、デスクトップ・コンピューターで稼働するアプリケーションを、月間料金を課して一般の登録メンバーに提供します。

また、GolfStats は自社の IT システムを使用して Web サイトをホストし、その他のビジネス・アプリケーションも実行します。そのため、この IT システムは WebSphere Application Server およびサービス統合バスをベースにしています。これに対して、FootballFansData はその他のビジネス・アプリケーションを持たず、パブリッシュ/サブスクライブ要件に対して IBM MQ メッセージングを使用します。

図 1. それぞれの対象者に情報をパブリッシュする 2 つの別個のビジネス
GolfStats は、トピック・スペースがあるサービス統合バスを持っています。
パブリッシャー・アプリケーションはトピック・スペースのトピック「sports/golf」にメッセージをパブリッシュし、サブスクライバー・アプリケーションは「sports//.」にサブスクライブして情報を受信します。FootballFansData は、パブリッシュ/サブスクライブを制御するキュー・マネージャーを持ち、これは WebSphere Application Server によって外部バスとして表示されますが、2 つのネットワークは現在接続されていません。
パブリッシャー・アプリケーションはキュー・マネージャーのトピック「sports/football」にメッセージをパブリッシュし、サブスクライバー・アプリケーションは「sports/#」にサブスクライブして情報を受信します。

図 1 は 2 つの別個のビジネスを示します。GolfStats Inc のサード・パーティーは、結果が使用可能になるとその IT システムに接続して、トピック「sports/golf」のトピック・スペースに情報をパブリッシュするがあります。このトピックは、「sports//.」をサブスクライブしているサブスクライバーによって受信されます。(パブリッシュ/サブスクライブ・ブリッジによって使用される構文内の //. は、すべてのスポーツ情報を示します)。GolfStats Inc のパブリッシュ/サブスクライブ・メッセージングは、サービス統合バスによって処理されます。

同様に、FootballFansData Inc のサード・パーティー提供業者は、トピック「sports/football」の IBM MQ ネットワークに情報をパブリッシュします。このトピックは、「sports/# 」(すべてのスポーツ情報の IBM MQ 構文) をサブスクライブする サブスクライバー・アプリケーションによって受信されます。FootballFansData Inc のパブリッシュ/サブスクライブ・メッセージングは、WebSphere Application Server によって外部バスとして表示される IBM MQ キュー・マネージャーによって処理されます。ただし 2 つのシステムは現在接続されていません。

先日 GolfStats と FootballFansData は合併を済ませ、新しい管理部 は、ゴルフとフットボールの情報を双方のカスタマーに提供するために既存 の IT システムを結合することを望んでいます。選択肢の 1 つは、 サービス統合バスを使用するように FootballFansData のすべての IT システムをマイグレーションすることです ただし、このアプローチには大きな資本投資が必要になると共に、サード・パーティーおよびカスタマーのアプリケーション・コードをアップグレードしてシステムに接続できるようにする必要があります。 これより簡単な代替方法として、WebSphere MQ リンクおよびブローカー・プロファイルを使用して 2 つのシステム間をブリッジする方法があります。

ビジネスで 2 つのシステム間をブリッジするには、次のアクションを実行します。

  1. IBM MQ ネットワークに接続するためのゲートウェイとして機能する、FootballFansData システム上の IBM MQ キュー・マネージャーまたは (IBM MQ for z/OS® 用) キュー共有グループ (例えば、名前付き QM_GATEWAY) を識別します。
  2. GolfStats サービス統合バスの外部バス接続を構成して、バスと IBM MQ ネットワーク間でメッセージを交換可能にします。
  3. メッセージがパブリッシュされる IBM MQ ネットワークのキュー・マネージャーの名前 (この例では、QM_TWO という名前) を記述した WebSphere MQ リンク上のブローカー・プロファイルを定義します。
  4. パブリケーションがサービス統合バスと IBM MQ ネットワークとの間を流れることができるようにブローカー・プロファイルに関連付けられているトピック・マッピングを定義します。このマッピングは、 「sports//. 」トピックでは双方向になります。そのため、トピック階層の スポーツ・ブランチのすべてのアプリケーションを転送することができます。

このタスクが完了し、GolfStats サービス統合バスをホストするアプリケーション・サーバーが再始動されると、メッセージは 2 つのシステム間を流れ始めます。これにより 、FootballFansData カスタマーはゴルフの情報を受け取り、GolfStats カス タマーはフットボールの情報を受け取ることができます。このセクション内であとから示す図は、FootballFansData システム上でサブスクライバーによって受信されている、GolfStats IT システムにパブリッシュされた「golf」メッセージの論理パスを示します。

図 2. 一方が他方にパブリッシュしている 2 つのリンクされたビジネス
GolfStats は、トピック・スペースがあるサービス統合バスを持っています。
パブリッシャー・アプリケーションはトピック・スペースのトピック「sports/golf」にメッセージをパブリッシュします。パブリッシュ/サブスクライブ・ブリッジは、トピック・スペースのメッセージにサブスクライブし、WebSphere MQ チャネルを使用して、WebSphere MQ リンクを介し、WebSphere Application Server に外部バスとして表示される FootballFansData システムに渡します。
ゲートウェイ・キュー・マネージャーはメッセージを キュー・マネージャー 2 に渡し、
サブスクライバー・アプリケーションは「sports/#」にサブスクライブして情報を受信します。

GolfStats が同じトピック・スペースを使用して、スタッフにより内部で利用される「business/financials」トピックの情報をパブリッシュした場合は、このトピックに対してはトピック・マッピングが作成されていないため、これらのメッセージは FootballFansData の IBM MQ ネットワークには経路指定されません。これに より GolfStats チームは、これらのメッセージの受信者を、GolfStats シス テム上で受信を許可されている人に限定し、2 つのシステム間における不要なメッセー ジ・トラフィックを回避することができます。


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