コア・グループ (高可用性ドメイン)

コア・グループは、同じセル内のプロセスのセットで構成される高可用性ドメインであり、 高可用性関係を直接確立することができます。 高可用性コンポーネントは、同じコア・グループ内の別のプロセスにのみフェイルオーバーできます。 また、同じコア・グループのメンバー間でのみ、複製が行われます。

複数のコア・グループがサポートされていますが、 セルには少なくとも 1 つのコア・グループが存在しなくてはなりません。 各コア・グループには、高可用性リレーションシップを管理するコア・グループ・コーディネーターが含まれています。 また、コア・グループ内の高可用性コンポーネントの管理に使用する一連の高可用性ポリシーも含まれています。

コア・グループ・メンバー

デプロイメント・マネージャー、 ノード・エージェント、アプリケーション・サーバー、およびプロキシー・サーバーは、すべてコア・グループのメンバーです。 プロセスは、作成されると自動的にコア・グループに追加されます。 コア・グループ・メンバーシップは、製品構成文書に保管されます。 プロセスは、コア・グループ間で移動することができます。 コア・グループ・メンバーシップには、以下のようなルールが適用されます。

  • 各プロセスは、正確に 1 つのコア・グループのメンバーです。
  • クラスターのすべてのメンバーは、同じコア・グループのメンバーである必要があります。
  • コア・グループが複数に分割されている場合、各コア・グループでは管理プロセス (ノード・エージェントまたはデプロイメント・マネージャー) は必要ありません
コア・グループ・メンバーには、正しく定義されたライフサイクルがあります。 最初のコア・グループ・メンバーが開始すると、そのコア・グループ専用のトランスポートが自動的に開始します。 そのコア・グループ・メンバーのディスカバリー・プロトコル、View Synchrony Protocol、および障害検出プロトコルも開始し、 以下のようにコア・グループ・メンバーの存続期間全体で実行します。
  • ディスカバリー・プロトコルは、他のコア・グループ・プロセスが開始するときを発見し、 これらの他のメンバーにネットワーク接続をオープンします。
  • View Synchrony Protocol は、接続がオープンした後に、 他のコア・グループ・メンバーとの信頼できるメッセージングを確立します。
  • 障害検出プロトコルは、他のコア・グループ・メンバーが停止したり、 ネットワーク分割のために到達不能になるときを検出します。
トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): クラスター・サーバーを 1 つだけ 開始するときには、他に少なくとも 1 つのコア・グループ・メンバーが 稼働していることを確認する必要があります。HA マネージャーは、2 つ以上のコア・グループ・メンバーが稼働している状態になってからでないと コア・グループ・コーディネーターを選択できないため、稼働しているコア・グループ・メンバーが 1 つしかない場合は HA マネージャー は初期化を完了できません。gotcha

コア・グループ・コーディネーター

コア・グループ・コーディネーターは、 View Synchrony Protocol が確立されるコア・グループ・メンバー間の高可用性アクティビティーを調整します。

コア・グループ・トランスポート

コア・グループでは、全メンバー間のネットワーク通信が不可欠です。 ネットワーク環境には高速のローカル・エリア・ネットワーク (LAN) が必要で、 その LAN には、完全なインターネット・プロトコル (IP) の可視性と、 すべてのコア・グループ・メンバー間の双方向通信が備わっていなければなりません。 各コア・グループ・メンバーは、他のコア・グループ・メンバーからの通信を受信できなければなりません。

複数のコア・グループ

デフォルトでは、セルには DefaultCoreGroup と呼ばれる単一のコア・グループが含まれています。 セル内のすべてのプロセスは、最初はこのコア・グループのメンバーです。 通常は、単一のコア・グループで十分です。 しかし、一部のトポロジーや特殊な環境では、複数のコア・グループが必要になります。 複数のコア・グループを必要としないトポロジーもありますが、コア・グループが複数あるのは良い実践方法です。 例えば、以下のような場合は、複数のコア・グループを定義する必要があります。

  • セル内の多数のプロセスやコア・グループ・プロトコル (View Synchrony Protocol など) は、 相応して CPU などのリソースを大量に消費します。
  • コア・グループ・プロトコル (障害検出プロトコルなど) が、 少数のコア・グループ・メンバーに最も適した値を使用するためには、 チューニングや構成が必要です。

異なるコア・グループのメンバーがワークロード管理またはオンデマンドの構成ルーティング情報を 共有する必要がある場合は、コア・グループ・ブリッジ・サービスを使用して、 これらのコア・グループを接続してください。 コア・グループ・ブリッジ・サービスは、アクセス・ポイント・グループを使用して、 コア・グループを接続します。 コア・グループ・アクセス・ポイントは、IP アドレスおよびポートを解決するブリッジ・インターフェースのセットを定義します。 コア・グループ・ブリッジ・サービスは、このブリッジ・インターフェースのセットを使用して、 あるコア・グループのメンバーと別のコア・グループのメンバーとの通信を可能にします。


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