WS-ReliableMessaging: サポートされる仕様と標準

WebSphere® Application Server は、2 つのレベルの WS-ReliableMessaging 仕様のサポートを提供しています。これにより、現在の OASIS 仕様の要求を満たすだけでなく、2005 年 2 月時点のレベルの WS-ReliableMessaging サポートを提供するベンダーとの互換性が実現します。 この WS-ReliableMessaging の実装は、他の多くの Web サービス標準も構成しています。

サポートされる WS-ReliableMessaging 仕様の詳細は、以下の Web アドレスで 入手できます。

WS-ReliableMessaging 標準のサポートは、最初は IBM WebSphere Application Server V6.1 Feature Pack for Web Services の一部として導入されていました。その当時、Reliable Asynchronous Messaging Profile (RAMP) バージョン 1.0 仕様は、 WS-ReliableMessaging を使用してメッセージの高信頼性配信を保証しており、 WebSphere Application Server バージョン 6.1 の Feature Pack for Web Services に この仕様をサポートするデフォルト・ポリシー・セットが含まれていました。RAMP ベースのポリシー・セットを 使用する WebSphere Application Server バージョン 6.1 WS-ReliableMessaging 構成は、現行バージョンの製品 にマイグレーションできます。

RAMP バージョン 1.0 仕様に続いて、Web Services Interoperability Organization (WS-I) Reliable Secure Profile Working Group は、 Web サービスのセキュアな高信頼性メッセージング機能を扱うインターオペラビリティー・プロファイル のバージョン 1.0 を開発しました。このプロファイルは、OASIS WS-SecureConversation バージョン 1.3 仕様で WS-ReliableMessaging バージョン 1.1 を使用するように更新されている点を除いて、RAMP バージョン 1.0 と類似しています。 このバージョンの WebSphere Application Server で提供されている WS-I RSP デフォルト・ポリシー・セット は、Reliable Secure Profile バージョン 1.0 仕様の実装です。

どの程度 WS-ReliableMessaging が他の Web サービスの標準を構成するかについては、以下のセクションに記載されています。

WS-Addressing

WS-ReliableMessaging 仕様は WS-Addressing を使用し、実装では WS-Addressing 仕様で指定された非同期要求および応答モデルを完全サポートします。

注: WS-ReliableMessaging バージョン 1.1 メッセージングでは、 WS-Addressing が必須です。WS-ReliableMessaging および WS-Addressing ポリシーを含むポリシー・セット を使用する場合に WS-Addressing ポリシーがオプションとして構成されていると、 WebSphere Application Server は WS-Addressing 設定をオーバーライドし、 WS-Addressing を自動的に使用可能にします。

WS-AtomicTransactions

WS-ReliableMessaging トランザクションは WS-AtomicTransactions プロトコルを使用しません。 これらの 2 つのプロトコルの関係は次のとおりです。
  • トランザクションのためのリカバリー可能メッセージングを提供するために、WS-ReliableMessaging が管理対象ストアと一緒に使用されている場合は、WS-AtomicTransactions と WS-ReliableMessaging は相互に排他的です。
  • メモリー内のストアを使用するように WS-ReliableMessaging が構成されているならば、両方向呼び出しのために、WS-AtomicTransaction が高信頼性メッセージング・ソースと高信頼性メッセージング宛先との間に流れることができる場合があります。 この状況において、WS-ReliableMessaging はネットワーク障害に対する保護を提供するのみであり、サーバー障害に対する保護は提供しません。

WS-AtomicTransactions について詳しくは、WebSphere Application Server でのトランザクション・サポートを参照してください。WS-ReliableMessaging トランザクションについて詳しくは、WS-ReliableMessaging によるトランザクションのリカバリー可能メッセージングを参照してください。

WS-MakeConnection

WS-ReliableMessaging バージョン 1.1 では、WS-MakeConnection プロトコルを使用して同期メッセージ交換を使用可能にします。 このプロトコルについて詳しくは、the WS-MakeConnection specification Version 1.1, February 28 2008 を参照してください。

WS-MakeConnection では WS-Addressing メッセージ・ヘッダーに含まれる情報を使用します。そのため、高信頼性同期メッセージ交換を使用するアプリケーションの場合、ポリシー・セットに WS-ReliableMessaging ポリシーおよび WS-Addressing ポリシーの両方を組み込む必要があります。

WS-Notification

JAX-WS ベースの WS-Notification サービスを作成する場合、WS-Notification サービスを信頼できるようにするために、WS-ReliableMessaging ポリシーを適用します。詳しくは、信頼できる通知のための WS-Notification の構成を参照してください。

注: このリリースには、以下の 2 つのタイプの WS-Notification サービスがあります。
  • バージョン 7.0: WS-ReliableMessaging を使用する JAX-WS WS-Notification サービスを構成する場合、あるいはご使用の WS-Notification サービスに JAX-WS ハンドラーを適用する場合には、バージョン 7.0 の WS-Notification サービスおよびサービス・ポイントを構成します。これは、新規のデプロイメントに推奨されているサービスのタイプです。
  • バージョン 6.1: WebSphere Application Server バージョン 6.1 に備えられているものと同じテクノロジー (サービスに JAX-RPC ハンドラーを適用する機能など) を使用して JAX-RPC WS-Notification サービスを公開する場合には、バージョン 6.1 の WS-Notification サービスおよびサービス・ポイントを構成します。

WS-Policy

WebSphere Application Server 内の WS-Policy 実装は、Web Services Reliable Messaging Policy Assertion バージョン 1.0 および Web Services Reliable Messaging Policy Assertion バージョン 1.1 をサポートします。

WS-Policy プロトコルを使用して、標準形式のポリシーを交換できます。 異機種環境の WebSphere Application Server 以外の製品を含め、WS-Policy 仕様をサポートする他のクライアント、サービス・レジストリーまたはサービスにポリシーの構成を伝達できます。 サービス・プロバイダーの場合、ポリシー構成を公開済み WSDL で共有できます。 クライアントの場合、標準の WS-PolicyAttachments 形式でサービス・プロバイダーのポリシーを取得できます。クライアントはこの情報を使用して、クライアントとサービス・プロバイダーの両方が受け入れ可能な構成を確立することができます。 つまり、クライアントは、サービス・プロバイダーによってサポートされるポリシーに基づいて動的に構成することができます。

どのような段階 (高信頼性 Web サービス・アプリケーションの作成前または作成後、 あるいはポリシー・セットの構成前または構成後) においても、高信頼性メッセージングを使用するクライアントのみをサポートするように エンドポイントを構成するプロパティーを設定できます。 この設定は、WS-Policy を使用している場合は、WS-Policy によって反映されます。

WS-SecureConversation

WS-ReliableMessaging は、WS-SecureConversation とともに作業するよう設計されています。Secure Conversation のコンテキストは確立されており、アプリケーション・メッセージおよび WS-ReliableMessaging プロトコル・メッセージを保護するためにこれが使用されます。

WS-SecureConversation を使用するには、WS-ReliableMessaging および WS-SecureConversation の両方を含むポリシー・セットを作成、または適用します。 例えば、WS-I RSP デフォルト・ポリシー・セットのいずれかがこれに該当します。

WS-Security

WS-ReliableMessaging は、WS-Security を構成します。 アプリケーション・メッセージに付加される WS-ReliableMessaging ヘッダーは、必要な場合、署名されます。 WS-ReliableMessaging プロトコル・メッセージは、必要な場合、署名され、暗号化されます。

セキュリティー処理はトランスポートに近い時点で行われます。すなわち、Web サービス要求側の WS-ReliableMessaging 処理後で、Web サービス・プロバイダーでの WS-ReliableMessaging 処理前に行われます。 これは、WS-ReliableMessaging ストアに保持されているメッセージが、 署名および暗号化されないことを意味しており、使用中のストアがサービス統合バスのメッセージング・エンジンである場合、管理者がストアを保護することが重要視されています。

注: WS-SecureConversation プロトコルは、セキュリティーに対する攻撃の影響をより受けづらいため、可能な場合、WS-Security ではなく WS-SecureConversation を使用してください。

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http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=rwbs_wsrm_specs
ファイル名:rwbs_wsrm_specs.html