Web サービス・マイグレーションのベスト・プラクティス

Web サービス・アプリケーションのマイグレーションには、これらの Web サービス・マイグレーションのベスト・プラクティスを使用してください。

WebSphere® Application Server バージョン 4、5、または 5.1 での Web サービスのクライアント・アプリケーションの開発に Apache SOAP サポートを使用していた場合は、アプリケーションまたはアプリケーションのセキュリティー・ファイルをマイグレーションすることが必要になります。以下の表は、WebSphere 製品でサポートされる Web サービス仕様の要約です。

表 1. WebSphere Application Server でサポートされる Web サービス仕様の要約. 本製品は、この表に記載されている Web サービス仕様をサポートしています。
WebSphere Application Server のバージョン サポートされる Web サービス仕様
4.0 Apache SOAP 2.2
5.0 および 5.0.1 Apache SOAP 2.3
5.0.2 以降 Java™ 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE)、 (別名 JSR 109)
6.0.x および 6.1 J2EE (JSR 109)
7.0 以降 Web Services for Java Platform, Enterprise Edition (Java EE) 5 (別名 JSR 109)
サポートされる構成 サポートされる構成: WebSphere Application Server バージョン 4.0.x、5.0、および 5.0.1 で使用可能であった、Apache SOAP 2.2 および Apache SOAP 2.3 ベースの実装は、サポートされなくなりました。 これらの SOAP 実装を使用するアプリケーションは、WebSphere Application Server の現行バージョンで提供される Java EE (JSR 109) サポートの Web サービスにマイグレーションすることをお勧めします。sptcfg

Web サービスのマイグレーションについて詳しくは、『Java EE 標準に基づく Apache SOAP Web サービスの JAX-RPC Web サービスへのマイグレーション』を参照してください。

新規 Web サービスは、Web Services for Java EE 仕様を使用して開発されることをお勧めします。詳しくは、『Web サービス・アプリケーションの実装』を参照してください。

セキュリティーは、SOAP 2.3 から Java EE 標準へ直接マイグレーションすることはできません。Web サービスを Java EE 標準にマイグレーションした後で、Web サービス・アプリケーションの保護を検討します。詳しくは、『メッセージ・レベルのセキュリティーを使用した Web サービス・アプリケーションの保護』を参照してください。

最適のマイグレーションの事例については、以下のベスト・プラクティスに従ってください。

アプリケーション・サーバーは、Java API for XML-Based Web Services (JAX-WS) プログラミング・モデルおよび Java API for XML-based RPC (JAX-RPC) プログラミング・モデル をサポートします。JAX-WS は、JAX-RPC プログラミング・モデルが提供する 基盤を拡張する、次世代の Web サービス・プログラミング・モデルです。

既存の JAX-RPC アプリケーションに JAX-WS フィーチャーを使用させるには、 JAX-WS プログラミング・モデルを使用して再作成する必要があります。

アプリケーション・サーバーの新しいリリースにマイグレーションした後で、既存の JAX-RPC Web サービスを再デプロイします。

アプリケーション・サーバーの新しいリリースにマイグレーションする際は、Web サービス・アプリケーションを再デプロイすることを推奨します。新しいアプリケーション・サーバー環境はで Web サービス・アプリケーションを再デプロイする必要があります。なぜなら、Web サービス仕様のサポート・レベルと Web サービスのデプロイメント記述子は、リリースごとに変わる可能性があるためです。Web サービスを再デプロイするには、「新規アプリケーションのインストール」ウィザードの「Web サービスのデプロイ」を選択するか、wsdeploy コマンドを使用します。このプロセスについて詳しくは、「アプリケーション・サーバーへの Web サービス・アプリケーションのデプロイ」という文書を参照してください。

Web サービスの呼び出しに SOAP over Java Message Service (JMS) を使用するバージョン 5 Java API for XML-based remote procedure call (JAX-RPC) クライアントのマイグレーション

WebSphere Application Server バージョン 5 上で実行する JAX-RPC クライアントは、SOAP over JMS を使用して、バージョン 5 の Application Server で実行する Web サービスを呼び出すことができます。

対象となる WebSphere MQ キューでは、ユーザー ID およびパスワードは不要です。アプリケーション・サーバーがバージョン 6.x にマイグレーションされた後、バージョン 6.x のデフォルト・メッセージング・フィーチャーを使用すると、基本認証が使用可能になっているため、クライアント要求が失敗する場合があります。 移行時にこの問題が発生すると、以下のエラー・メッセージが表示されます。
SibMessage W [:] CWSIT0009W: A client request failed in the application server with 
endpoint <endpoint name> in bus <bus_name> with reason: CWSIT0016E: The user 
ID null failed authentication in bus <bus_name>.

アプリケーション・サーバーがバージョン 6.x にマイグレーションされると、デフォルト・メッセージング・プロバイダー (サービス統合テクノロジー) が使用されて、サーバーまたはセルの管理セキュリティーおよびアプリケーション・セキュリティーが使用可能になり、サービス統合バスのキュー宛先は、デフォルトでサーバーまたはセルのセキュリティー特性を継承します。 サーバーまたはセルに使用可能な基本認証がある場合、クライアント要求は失敗します。

この問題を解決するのに、以下のオプションが使用可能です。設定されているセキュリティー・レベルに応じて、解決策が以下のようにリスト表示されます。
  • 管理コンソール内のメイン・セキュリティー・パネルで、管理セキュリティーおよびアプリケーション・セキュリティーを使用不可にします。 管理セキュリティーおよびアプリケーション・セキュリティーを使用不可にするには、「セキュリティー」 > 「グローバル・セキュリティー 」をクリックします。「管理セキュリティーの使用可能化」オプションおよび「アプリケーション・セキュリティーの使用可能化」オプションを選択解除します。
  • バスのセキュリティーが使用不可になるように、またバスがサーバーまたはセルからセキュリティー特性を継承しないように、キュー宛先をホストするサービス統合バスの設定を変更します。このオプションは、バージョン 5 で構成できるセキュリティー・レベルに相当します。
  • サービスを使用するクライアントごとに、 基本認証を構成します。詳しくは、『管理コンソールを使用した、JAX-RPC Web サービスに対する HTTP 基本認証の構成』を参照してください。

Apache SOAP Web サービスのマイグレーション

Apache SOAP を使用して開発された Web サービスを、Web Services for Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) 仕様に基づいて開発する Web サービスにマイグレーションすることができます。『Java EE 標準に基づく Apache SOAP Web サービスの JAX-RPC Web サービスへのマイグレーション』の情報を参照してください。

アプリケーション・サーバー・ツールキットまたはアセンブリー・ツールキットの旧バージョンとアセンブルされた Web サービスのマイグレーション

アプリケーション・サーバー・ツールキットまたはアセンブリー・ツールキットの旧バージョンから Web サービスまたは Web サービスのコンポーネントを移行する場合、正常な移行のために以下のヒントをご参照ください。
  • セキュア Web サービスでは、Web サービスの J2EE 1.3 から J2EE 1.4 への移行時は、J2EE マイグレーション・ウィザードによる移行ではありません。
  • セキュア Web サービスの移行には、手動ステップが必要です。
  • J2EE の移行後、セキュア・バインディング・ファイルおよび拡張子ファイルは、以下のように、J2EE 1.4 へ手動で移行される必要があります。
    1. webservices.xml ファイルをダブルクリックして、Web サービス・エディターを開きます。
    2. バインディング構成」タブを選択し、バインディング・ファイルを編集します。
    3. 必要なすべてのバインディング構成を次の各新規セクション、「Request Consumer Binding Configuration Details」および「Response Generator Binding Configuration Details」の下に追加します。
    4. 拡張子ファイルを編集するには、「拡張子」タブを選択します。
    5. 必要なすべての拡張構成を次の各新規セクション、「Request Consumer Service Configuration Details」および「Response Generator Service Configuration Details」の下に追加します。
    6. エディターを保存して終了します。

8.5 より前の WebSphere Application Server ノードの 8.5 以降へのマイグレーション

お客様が 8.5 より前の WebSphere Application Server ノードを 8.5 以降にマイグレーションすると、デプロイメント・マネージャーの JVM ログ・ファイルに以下のエラーが表示されることがあります。
[7/31/12 14:48:34:323 CDT] 0000043f EditionHelper E   Unexpected Error: ibmasyncrsp -- The Application's Directory in the Repository is EMPTY.
[7/31/12 14:48:34:339 CDT] 0000043f FfdcProvider  W com.ibm.ws.ffdc.impl.FfdcProvider logIncident FFDC1003I: FFDC Incident emitted on c:¥opt¥WAS85¥profiles¥dmgr.xd61¥logs¥ffdc¥dmgr_483a68e7_12.07.31_14.48.34.3396174315962980574983.txt com.ibm.ws.xd.appeditionmgr.EditModuleTargetsTaskHandler 104
[7/31/12 14:48:34:339 CDT] 0000043f EditModuleTar E   ERROR_IN_EDIT_MODULE_TARGETS_TASK_HANDLER

このエラーが表示されるのは、セルに統合されている、WebSphere Application Server 以外のアプリケーション・サーバーがある場合のみです。このメッセージは、ibmasyncrsp.ear ファイルに関してログに記録されます。このファイルは、アプリケーション・サーバーの内部 JAX-WS エンジンによって使用される内部システム・アプリケーションです。JAX-WS エンジンは、WebSphere Application Server 以外のアプリケーション・サーバーとは関係しないため、機能の中断は生じません。このメッセージは無視できます。


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http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=rwbs_migrate
ファイル名:rwbs_migrate.html