JRas フレームワーク (非推奨)

JRas 拡張クラスは、多くのシナリオで必要となるような柔軟性がなく、振る舞いも限られているため、 さまざまな拡張点が定義されています。 ユーザーは、独自の実装クラスを作成して、 必要な振る舞いを実現できます。

非推奨: このトピックで説明する JRas フレームワークは推奨されません。 ただし、Java™ ロギングを使用して、同様の結果を得ることができます。

概して、JRas 拡張では、メッセージ・ロガーまたはトレース・ロガーを取得するには、 Manager クラスを呼び出す必要があります。 ユーザーが、独自のメッセージ・ロガー・サブクラスまたはトレース・ロガー・サブクラスを提供できるようにはなっていません。 概して、ユーザー提供の拡張機能を使用して、統合操作モードに影響を与えることはできません。 統合操作モードの動作を決定するのは、WebSphere® Application Server ランタイムと JRas 拡張クラスだけです。

ハンドラー

スタンドアロン JRas ロギング・ツールキットは、RASIHandler インターフェースを定義します。ハンドラーはすべて、このインターフェースを実装しなければなりません。 RASIHandler インターフェースを実装する独自のハンドラー・クラスを作成することができます。 ユーザー定義ハンドラーのインスタンスを直接作成して、 それを Manager クラスから取得したロガーに追加する必要があります。

スタンドアロン JRas ロギング・ツールキットは、 いくつかのハンドラー実装クラスを提供します。 これらのハンドラー・クラスは、Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) 環境での使用に適していません。スタンドアロン JRas ロギング・ツールキットが提供するハンドラー・クラスは、直接使用することも、サブクラスにすることもできません。 そうすることは、プログラミング・モデル違反になります。

フォーマッター

スタンドアロン JRas ロギング・ツールキットは、RASIFormatter インターフェースを定義します。フォーマッターはすべて、このインターフェースを実装しなければなりません。 RASIFormatter インターフェースを実装する独自のフォーマッター・クラスを作成することができます。 これらのクラスは、ユーザー定義ハンドラーにしか追加できません。WebSphere Application Server ハンドラーは、ユーザー定義フォーマッターを 使用するようには構成できません。代わりに、フォーマッターのインスタンスを直接作成して、それをハンドラーに適宜追加してください。

ハンドラーと同様、スタンドアロン JRas ロギング・ツールキットは、 いくつかのフォーマッター実装クラスを提供します。 これらのフォーマッター・クラスの直接使用はサポートされていません。

メッセージ・イベント・タイプ

スタンドアロン JRas ツールキットは、RASIMessageEvent インターフェースでメッセージ・イベント・タイプを定義します。また、 WebSphere Application Server は、将来の利用に備えてさまざまなメッセージ・イベント・タイプを確保しています。RASIMessageEvent インターフェースは 3 つのタイプを、それぞれ 0x010x02 、および 0x04 という値で定義します。 0x08 から 0x8000 までの値は、将来の利用に備えて予約されています。 このインターフェースを適宜拡張して、独自のメッセージ・イベント・タイプを提供することができます。 ユーザー定義のメッセージ・タイプの値は、0x1000 以上でなければなりません。

Manager クラスから取得したメッセージ・ロ ガーは、メッセージ・マスクを pass に設定するか、あるいは RASIMessageEvent インターフェースで定義したメッセージ・イベント・タイプをすべて処理します。 ユーザー定義のメッセージ・タイプを処理するには、 メッセージ・ロガーを Manager クラスから取得した後で、ユーザー・コードを使用して、 メッセージ・ロガー・マスクを手動で適切な状態に設定しなければなりません。WebSphere Application Server は、メッセージ・タイプを管理するための組み込みのシステム管理はサポートしていません。

メッセージ・イベント・オブジェクト

スタンドアロン JRas ツールキットは、RASMessageEvent 実装クラ スを提供します。メッセージ・ロガー上でメッセージ・ロギング・メソッドを呼び出したとき、 メッセージ・タイプが使用可能になっていると、ロガーはこのクラスのイベントを作成し、 現行でそのロガーに登録されているすべてのハンドラーに配布します。

独自のメッセージ・イベント・クラスを提供することはできますが、そのクラスは、RASIEvent インターフェ ースを実装する必要があります。そのようなユーザー定義のメッセージ・イベント・クラスのインスタンスを、直接作成しなければなりません。 作成後のメッセージ・イベントは、メッセージ・ロガーの fireRASEvent メソッドを直接呼び出して、そのメッセージ・ロガーに渡します。WebSphere Application Server メッセージ・ロガーは、ロガー上のロギング・メソッド (msg.message) の呼び出しに応じて、ユーザー定 義タイプのインスタンスを直接作成することはできません。また、ユーザー定義メッセージ・タイプのインスタンスが、 WebSphere Application Server ハンドラーによって処理されることはありません。RASMessageEvent クラスのインスタンスを直接作成することはできません。

トレース・イベント・タイプ

スタンドアロン JRas ツールキットは、RASITraceEvent インターフェー スでトレース・イベント・タイプを定義します。 このインターフェースを適宜拡張して、独自のトレース・イベント・タイプを提供することができます。 その場合には、ユーザー定義トレース・イベント・タイプの値が、 RASITraceEvent インターフェースで定義したタイプの値と衝突しないことを確認する必要があります。

Manager クラスから取得したトレース・ロガーは、 通常は、そのトレース・マスクがすべてのタイプを拒否するように設定されています。WebSphere Application Server システム管理機能を使用すると、別の開始状態を指定することができます。さらに、ロガー用のトレース・マスクの状態は、 WebSphere Application Server システム管理機能を使用して実行時に変更することもできます。

ユーザー定義のトレース・タイプを処理するには、ユーザー・コードを使用して、 トレース・ロガー・マスクを手動で適切な状態に設定しなければなりません。 WebSphere Application Server システム管理機能は、始動時であっても実行時であっても、 ユーザー定義のトレース・タイプの管理に使用することはできません。

トレース・イベント・オブジェクト

スタンドアロン JRas ツールキットは、RASTraceEvent 実装クラス を提供します。WebSphere Application Server トレース・ロガー上でトレース・ロギング・メソッドを呼び出したとき、そのタイプが現時点で使用可能になっていると、ロガーはこのクラスのイベントを作成し、 現時点でそのロガーに登録されているすべてのハンドラーに配布します。

独自のトレース・イベント・クラスを提供することができます。 そのようなトレース・イベント・クラスは、RASIEvent インターフェースを実装する必要があります。そのようなユーザー定義イベント・クラスのインスタンスを直接作成しなければなりません。 作成後のトレース・イベントは、トレース・ロガーの fireRASEvent メソッドを直接呼び出して、そのトレース・ロガーに渡します。WebSphere Application Server のトレース・ロガーは、トレース・ロガーでのトレース・メソッド (entry、exit、trace) の呼び出しに応じて、ユーザー定義タイプのインスタンスを直接作成することはできません。 また、ユーザー定義トレース・タイプのインスタンスが、 WebSphere Application Server ハンドラーによって 処理されることはありません。RASTraceEvent クラスのインスタンスを直接作成することはできません。

ユーザー定義タイプ、ユーザー定義イベント、および WebSphere Application Server

定義上、WebSphere Application Server のハンドラーは、ユーザー定義のメッセージ・タイプまたはトレース・タイプ、あるいはユーザー定義のメッセージ・イベント・クラスまたはトレース・イベント・クラスのいずれかを処理しました。ユーザー定義タイプのメッセージおよびトレース項目も、 ユーザー定義イベント・クラスのメッセージおよびトレース項目も、 WebSphere Application Server ランタイム・ログに書き込むことはできません。


トピックのタイプを示すアイコン 概念トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=ctrb_jrasxtndframe
ファイル名:ctrb_jrasxtndframe.html