SIP プロキシー・サーバーにより拒否されたパケットのトラブルシューティング

Session Initiation Protocol (SIP) プロキシー・サーバーにより拒否されるパケットを、トレースを使用してトラブルシューティングする方法を説明します。

このタスクについて

SIP 呼び出しフローで SIP プロキシー・サーバーを使用している場合、一定の状況においては SIP プロキシー・サーバーが機能を正しく維持するためにメッセージを拒否する可能性があります。 SIP プロトコルがこのような状況に対応している間に、SIP プロキシー・サーバーが拒否したメッセージとその理由を確認することは有効です。 SIP プロキシー・サーバーは、以下のような理由でメッセージ・パケットを拒否します。
  • Overloaded - SIP コンテナーが過負荷になっているか、または SIP プロキシー・サーバーが過負荷条件に近づいているためにパケットを拒否しています。
  • InvalidPartitionID - 区画 ID が無効です。
  • AppServerNotAvailable - アプリケーション・サーバーがパケットの処理に使用できません。
  • NotCompliant - SIP メッセージが SIP プロトコルに準拠していません。
  • ConnectionLost: (インバウンド/アウトバウンド) - ネットワーク接続が失われたか、ネットワークのルートが無効です。
これらの SIP パケットが拒否されると、SIP PMI カウンターの値が大きくなります。 拒否されたパケットの SIP プロキシー・カウンターについて詳しくは、SIP PMI カウンターの資料を参照してください。

拒否されたメッセージのトラブルシューティングには、拒否されている特定のメッセージの SipCallId を記録するトレース・ロギングを使用することができます。

手順

  1. 管理コンソールを使用して、SIP プロキシー・サーバーのトレースを使用可能にします。
  2. 以下のトレース仕様を使用すると、拒否されたパケットを細かいレベルで記録することができます。
    • 拒否されたパケットをすべてトレース・ログに記録する場合:
       com.ibm.ws.proxy.log.sip.rejectedlog.*=all
    • Overloaded で拒否されたパケットのみをトレース・ログに記録する場合:
       com.ibm.ws.proxy.log.sip.rejectedlog.Overloaded=all
    • InvalidParitionID で拒否されたパケットのみをトレース・ログに記録する場合:
       com.ibm.ws.proxy.log.sip.rejectedlog.InvalidPartitionID=all
    • AppServerNotAvailable で拒否されたパケットのみをトレース・ログに記録する場合:
       com.ibm.ws.proxy.log.sip.rejectedlog.AppServerNotAvailable=all
    • NotCompliant で拒否されたパケットのみをトレース・ログに記録する場合:
       com.ibm.ws.proxy.log.sip.rejectedlog.NotCompliant=all
    • ConnectionLost で拒否されたパケットのみをトレース・ログに記録する場合:
      com.ibm.ws.proxy.log.sip.rejectedlog.ConnectionLost=all

タスクの結果

これで、トレース・ログで拒否されたパケット情報を表示できるようになりました。

trace.log の表示時、あるいは HPEL LogViewer コマンドの使用時には、次のフォーマットでメッセージが表示されます。
[DATE] <ThreadID> <ReasonClass> 3 <Direction> Packet Rejected: SipCallId=<CallID>Reason: <Reason>
メッセージには以下のパラメーターが含まれています。
  • Date - 日付を示します。
  • ThreadID - このタスクを実行しているスレッドの ID を示します。
  • ReasonClass - パケットが拒否された理由の 1 つ (例えば、Overloaded や NotCompliant など) を示します。
  • Direction - メッセージ送信の方向がインバウンドなのか、アウトバウンドなのかを示します。アウトバウンドになる可能性があるのは ConnectionLost の理由クラスのみです。
  • CallID - 拒否されたメッセージの SIP CallID を示します。
  • Reason - より詳細な、長い形式の理由クラスを示します。

次の例は、拒否されたメッセージのトラブルシューティングの方法を示しています。 トレース仕様の Overloaded が設定されている場合に、SIP コンテナーが過負荷状態に到達すると、以下のようなメッセージがトレース・ファイルに記録されます。
[11/28/12 9:14:57:747 MST] 00000081 Overloaded 3 Inbound Packet Rejected: SipCallId=2-4314@10.0.1.201 Reason: Overloaded SIP Container 

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tsip_troublesip_rejectedpackets
ファイル名:tsip_troublesip_rejectedpackets.html