アプリケーション・レベルでの DB2 データ・ソース定義の拡張

拡張データ・ソース定義は、 コア以外のプロパティーまたはカスタム・プロパティーから構成されており、DB2® Universal JDBC Driver または DB2 Using IBM® JCC ドライバーを使用する場合に、DB2 データ・ソースでアプリケーションに高水準の柔軟性を加えられるようにするものです。 この機能は、異機種のプーリングと呼ばれることもあります。 データ・ソース・プロパティーのコア・セットを使用して、アプリケーション・サーバーで DB2 データ・ソースを構成する場合や、 currentSchema または clientApplicationInformation などの、 アプリケーション固有にするカスタムまたはコア以外のプロパティーが個々のアプリケーションで定義されるようにする場合に、この機能を使用します。 これらの拡張定義を使用すると、 データ・ソースに対して既に定義されているコア以外またはカスタムのプロパティーをオーバーライドすることもできます。また、 この機能では、同じデータ・ソースに接続されているリソース間で 1 つの接続プールを使用することによって、 アプリケーション・サーバーが使用する物理接続数を減らすことができます。

始める前に

DB2 データ・ソースを使用している必要があり、データ・ソースは、 以下の JDBC プロバイダーの 1 つを備えたアプリケーション・サーバーで構成されている必要があります。
  • DB2 Universal JDBC Driver (バージョン 4.3.81 以上)
  • IBM JCC ドライバー (バージョン 3.53.65 以上) を使用した DB2

このタスクについて

コア以外のプロパティーをデータ・ソースのさまざまなリソース参照に関連付け、 これらのリソース参照を利用して、データ・ソースのコア以外のプロパティーを拡張またはオーバーライドするように アプリケーションを構成します。新規のコア以外のプロパティーまたはカスタムのプロパティーを定義することも、 データ・ソースに対して既に定義されているコア以外のプロパティーをオーバーライドすることもできます。
また、 アプリケーションは、独自のデータ・ソース・プロパティー・セットがある場合でも、 アプリケーション・サーバー内の同じ接続プールを共有することができます。アプリケーション・サーバー内で定義されるデータ・ソースが 1 つのみの場合は、 接続プールも 1 つのみになりますが、個々のアプリケーションでは、 複数のデータ・ソースが定義されているように見えます。これにより、 以下のことが生じる場合があります。
  • アプリケーション・サーバーによるメモリー消費量の減少。データ・ソース定義は、 1 つの接続プールに対応しているため、専用の接続プールに対応しているデータ・ソース定義と比べて、 メモリー内のオブジェクトの数は少なくなります。
  • データ・ソースに対して開いている接続数の減少。データ・ソースによるメモリー消費量を 減らすことができます。アプリケーション・サーバーは、 複数のデータ・ソースに対応する 1 つの接続プールを提供したり、 より効率的に接続を使用したりすることによって、アイドル接続の数を減らすことができます。
  • アプリケーションが get/use/close 接続パターンを使用する場合における、 特定の DB2 シナリオでの 2 フェーズ・コミット (XA) トランザクションの回避。 アプリケーション・サーバーでは、 リソース参照にさまざまなコア以外のプロパティーがある場合でも、 同じトランザクション内において、同じコア・プロパティー・セットを持つさまざまなリソース参照間で接続を共用できます。 この動作では、接続の共有によってアプリケーション・サーバーで物理接続が 1 つのみ使用されている場合に、2 フェーズ・コミット処理を回避することができます。

手順

  1. 既にインストールされているアプリケーションのデータ・ソース定義を更新します。
    1. アプリケーションのリソース参照を管理するためのパネルにナビゲートします。
      • コンテナー管理パーシスタンスを使用しないアプリケーションの場合、「アプリケーション」 > 「WebSphere エンタープライズ・アプリケーション」 > application_name > 「リソース参照」とクリックします。
      • コンテナー管理パーシスタンスを使用するアプリケーションの場合、「アプリケーション」 > 「WebSphere エンタープライズ・アプリケーション」 > application_name > 「2.x エンティティー Bean を含むモジュールにデフォルトのデータ・ソース・マッピングを提供)」とクリックします。個々の CMP Bean に拡張プロパティーを追加することはできません。
      • 同じデータ・ソースに 2 つのリソース参照ファイルを構成 できます。これにより、そのデータ・ソースのカスタム・プロパティーを拡張し、アプリケーション・サーバー機能の活用に使用できる 2 つの異なるスキーマ名 (z/OS® での currentSQLId またはカスタム・プロパティーの currentSchema 名) を含めることができます。詳しくは、『同じデータ・ソースで 2 つのリソース参照ファイルを構成する』トピックを参照してください。
        注: IBM Optim™ PureQuery Runtime の場合、これが XA データ・ソースであれば、そのデータ・ソースで新規のカスタム・プロパティーを property_name = downgradeHoldCursorsUnderXa および boolean value = true のように定義する必要があります。
    2. 拡張データ・ソース・プロパティー用のパネルにナビゲートします。 表からリソースを選択し、「拡張プロパティー...」をクリックします。 データ・ソースが拡張データ・ソース・プロパティーをサポートしていない場合、 変更を適用しようとすると、エラーが表示されます。
    3. そのターゲット・リソースに固有の 1 つ以上の拡張データ・ソース・カスタム・プロパティー を追加します。 「新規」をクリックし、 必要なフィールドに入力します。データ・ソースを拡張したいプロパティーごとに、このステップ を繰り返します。完了したら「OK」を クリックして、前の画面に戻ります。以下のデータ・ソース・プロパティーは、 このデータ・ソースを使用するすべてのアプリケーションに対して同じになっている必要があるため、変更することはできません。
      • accountingInterval
      • dataSourceName
      • databaseName
      • kerberosServerPrincipal
      • loginTimeout
      • logWriter
      • password
      • pkList
      • planName
      • portNumber
      • readOnly
      • securityMechanism
      • serverName
      • user
    4. オプション: 2 つの res-ref および分離レベルを ibm-ejb-jar-ext.xml に構成します。
  2. インストール中にアプリケーションのデータ・ソース定義を作成します。
    1. アプリケーションのリソース参照をマップするためのパネル にナビゲートします。インストール・ステップ「リソース参照をリソースに マップする」を選択し、ステップ 1 からステップ b と c に 従います。これらのステップには、既にインストール済みのアプリケーションのためのデータ・ソース定義の更新方法が 説明されています。
  3. オプション: 2 フェーズ・コミット・トランザクションを回避するには、 get/use/close 接続パターンを使用します。 get/use/close パターンでは、 アプリケーションがデータ・ソースまた接続ファクトリーから接続を取得し、 単一メソッド内で現行の作業を完了し、この作業を完了するまでは別のメソッドを呼び出しません。
    1. アプリケーションで get/use/close 接続パターンが使用されていることを確認します。
    2. アプリケーション・サーバーを使用可能にして、get/use/close 接続パターンがアプリケーション内で使用されていることを確認します。 これにより、共用によって物理接続が 1 つのみ使用されている場合に、2 フェーズ・コミット処理が回避されます。
      1. 「リソース」 > 「JDBC」 > 「データ・ソース」 > data_source > 「WebSphere Application Server データ・ソース・プロパティー」とクリックします。
      2. 「異種プールによる get/use/close 接続パターンの最適化 (Optimize for get/use/close connection pattern with heterogenous pooling)」を 選択します。このオプションを選択し、アプリケーションで get/use/close 接続パターンが使用されていない場合は、エラー・メッセージが表示されます。
  4. オプション: 異機種のプーリングは、デフォルトで使用可能になっています。特定の環境下では、あるデータ・ソースについて異機種のプーリングを使用不可にすることが望ましい場合が あります。あるデータ・ソース・カスタム・プロパティーで、このプーリング・サポートを使用不能にするように定義することができます。 このデータ・ソース・カスタム・プロパティーは、enableHeterogeneousPooling と呼ばれます。 データ・ソースに enableHeterogeneousPooling が定義されていない場合、あるいは、このプロパティーがデータ・ソースに存在していて、 値が true である場合は、異機種プーリングは使用可能です。 データ・ソースに enableHeterogeneousPooling が定義されていて、値が false である場合は、異機種プーリングは使用不可です。 データ・ソースに enableHeterogeneousPooling を定義して、異機種プーリングを使用不可にするには、次の手順を実行してください。
    1. 「リソース」>「JDBC プロバイダー」>「JDBC_providerとクリックします。
    2. 追加のプロパティーで、「データ・ソース」をクリックします。
    3. データ・ソースの名前をクリックします。
    4. enableHeterogeneousPooling カスタム・プロパティーを作成します。
      1. 新規」をクリックします。
      2. 「名前」フィールドに enableHeterogeneousPooling を入力します。
      3. 値フィールドに「false」と入力して異機種のプーリングを 使用不可にすることを指定します。
    5. 適用」をクリックし、「保存」をクリックします。

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ファイル名:tdat_heteropool.html