このタスクを使用して、複製ドメインのコンシューマー全体の動的キャッシュ・サービスからデータを複製するように、データ複製サービス (DRS) を構成することによって、パフォーマンスを改善します。
始める前に
動的キャッシュ・サービスのデータの複製について詳しくは、『キャッシュ複製』を参照してください。
動的キャッシュ・サービス用の複製ドメインが作成済みである必要があります。
複製ドメインのコンシューマーのタイプごとに、異なる複製ドメインを構成します。例えば、
動的キャッシュとセッション・マネージャーのために、2 つの異なる複製ドメインを構成します。
複製ドメインを構成するには、以下の 2 つの方法があります。
- 複製ドメインを手動で作成するには、管理コンソールで「環境」>「複製ドメイン」とクリックします。
- クラスターを作成する際に自動で新規複製ドメインを作成するには、
管理コンソールで「サーバー」>「クラスター」>「新規」とクリックします。
複製ドメインの構成について詳しくは、『クラスター内のアプリケーション・サーバー間でのデータの複製』を参照してください。
動的キャッシュ複製ドメインの
レプリカ数にデフォルト値の単一レプリカを使用しないでください。
代わりに、動的キャッシュに構成する複製ドメインには全グループ・レプリカを使用してください。
重要: WebSphere® の旧バージョンでキャッシュ複製を構成した場合は、
『マルチブローカー複製ドメインからデータ複製ドメインへのサーバーのマイグレーション』を参照し、
WebSphere Application Server の現行バージョンで使用する必要がある複製ドメインの新規タイプについて確認してください。
このタスクについて
このタスクを使用して、データ複製サービス (DRS) を使用可能にし、クラスターのサーバーを介してキャッシュ・データを複製して、クラスター環境でのパフォーマンスを改善します。
キャッシュ・エントリーの無効化通知はクラスターを介して送信され、キャッシュ・データを一貫性のある、有効なものに保持します。
手順
- 管理コンソールで、「サーバー」>「サーバー・タイプ」>「WebSphere Application Server」>「server_name」>「コンテナー・サービス」>「動的キャッシュ・サービス」をクリックします。
- 複製を使用可能にするには、「キャッシュ複製を使用可能にする」を選択します。
- 複製ドメインを選択します。 コンシューマーのタイプごとに、異なる複製ドメインを使用します。
例えば、動的キャッシュは、セッション・マネージャーとは別の複製ドメインを使用する必要があります。
このパネルで選択することができる唯一の複製ドメインは、全グループ複製を使用するように構成されている複製ドメインです。
全グループ構成では、すべてのキャッシュ・エントリーが、複製ドメインにあるサーバーで構成されるその他すべてのキャッシュに複製されます。
ご使用の構成の複製ドメインがいずれもこれらの要件を満たさない場合、リストは空になります。
この場合、複製ドメインを作成するか、または既存の複製ドメインを変更して、全グループ複製を実行することができる複製ドメインを取得します。
詳しくは
、『クラスター内のアプリケーション
・サーバー間でのデータの複製』を参照してください。
- 動的キャッシュ複製の設定を定義します。「キャッシュ複製を使用可能にする」をクリックします。 このページで、動的キャッシュ複製ドメインを介してデータが複製される時間と頻度を定義することができます。
これらの設定について詳しくは、『動的キャッシュ・サービスの設定』を参照してください。
クラスター化されていない環境の単一サーバー上でキャッシュ複製を
使用可能にするには、以下の JVM カスタム・プロパティーを定義する必要があります。 - 管理コンソールで、「サーバー」>「アプリケーション・サーバー」>「server_name」とクリックします。
![[AIX Solaris HP-UX Linux Windows]](../images/dist.gif)
「サーバー・インフラストラクチャー」で、「Java およびプロセス管理」>「プロセス定義」>「Java 仮想マシン」>「カスタム・プロパティー」>「新規」とクリックします。
「サーバー・インフラストラクチャー」で「Java およびプロセス管理」>「プロセス定義」>「サーバント (Servant)」>「Java 仮想マシン」>「カスタム・プロパティー」>「新規」とクリックします。
- 新規プロパティー名を DynacacheEnableUnmanagedServerReplication として追加し、
その値を true に設定します。
- 別の JVM プロパティーを追加し、基本
z/OS® サーバーのグローバル共有ポリシーを指定します。 「新規作成」をクリックし、
DynacacheUnmanagedServerReplicationType と呼ばれる新規 JVM カスタム・プロパティーを追加します。
以下のいずれかの値を使用します。
値 |
説明 |
NOT_SHARED |
このオブジェクトに対するキャッシュ・エントリーは、
異なるアプリケーション・サーバー間では共有されません。
これらのエントリーには、シリアライズ不可データを含めることができます。例えば、
キャッシュされたサーブレットは、シリアライズ不可オブジェクトを要求属性の中に配置することができます
(クラス・タイプがこれをサポートしている場合)。 |
PUSH |
このオブジェクトに対するキャッシュ・エントリーは、
他のアプリケーション・サーバーまたは連携 Java™ 仮想マシン (JVM) 内の動的キャッシュに自動的に配布されます。各キャッシュにおいて、エントリーが作成された時点でそのコピーが作成されます。
これらのエントリーには、シリアライズ不可データを保管できません。 |
PULL |
このオブジェクトに対するキャッシュ・エントリーは、
要求に応じて、複数のアプリケーション・サーバー間で共有されます。
アプリケーション・サーバーが、このオブジェクトのキャッシュの不在を認識した場合、
連携アプリケーション・サーバーに照会して、そのオブジェクトがあるかどうかを調べます。
このオブジェクトのキャッシュされたコピーがどのアプリケーション・サーバーにもない場合、
元のアプリケーション・サーバーは要求を実行してオブジェクトを生成します。
これらのエントリーには、シリアライズ不可データを保管できません。この共有モードはお勧めしません。 |
PUSH_PULL |
このオブジェクトに対するキャッシュ・エントリーは、
要求に応じて、複数のアプリケーション・サーバー間で共有されます。
アプリケーション・サーバーは、キャッシュ・エントリーを生成すると、
作成したエントリーのキャッシュ ID をすべての連携アプリケーション・サーバーにブロードキャストします。
これにより個々のサーバーは、特定のキャッシュ ID に対するエントリーが存在しているかどうかを認識します。
このようにしてアプリケーション・サーバーは、このエントリーに対する特定の要求に対して、
エントリーを生成するか、どこかほかの場所から取得するかを判別します。
これらのエントリーには、シリアライズ不可データを保管できません。 |
これらの値のいずれかも定義しない場合、デフォルトは NOT_SHARED となります。
- cachespec.xml ファイルで共有ポリシーを定義します。
これはオプションです。
基本サーバー上の複数のサーバント間でキャッシュ複製を使用するには、
cachespec.xml ファイルを作成して、作成したいキャッシュ可能オブジェクトを定義する必要があります。
キャッシュ・ポリシーで特定の共有ポリシーを指定することによって、グローバル共有ポリシーをオーバーライドすることができます。
例えば、グローバル・ポリシーが Push only を使用するものである場合、
キャッシュ・ポリシーに以下の変更を行うことによって、特定のキャッシュ・エントリーの共有ポリシーを変更することができます。
<cache-entry>
<sharing-policy>not-shared</sharing-policy>
<class>servlet</class>
<name>/app</name>
<cache-id>
<component id="action" type="parameter">
<value>portfolio</value>
<required>true</required>
</component>
<component id="JSESSIONID" type="cookie">
<required>true</required>
</component>
<property name="EdgeCacheable">true</property>
</cache-id>
</cache-entry>
cachespec.xml ファイルに定義できる共有ポリシーについて詳しくは、
『Cachespec.xml ファイル』を参照してください。
タスクの結果
キャッシュ・エントリーは、構成された複製ドメインの他のアプリケーション・サーバーにコピーされます。
次のタスク
キャッシュ・モニターを使用して、キャッシュの内容を表示します。詳しくは、『キャッシュ情報の表示』を参照してください。