このタスクを使用して、同じセル内のコア・グループ間の通信を構成します。
始める前に
同じセル内のアプリケーション・サーバーを持つ 2 つのコア・グループを構成します。
このタスクについて
デフォルトでは、セルには DefaultCoreGroup と呼ばれる単一のコア・グループが含まれています。
セル内のすべてのプロセスは、最初はこのコア・グループのメンバーです。
通常は、単一のコア・グループで十分です。
しかし、一部のトポロジーや特殊な環境では、複数のコア・グループが必要になります。
例えば、コア・グループの最適なサーバー数は、およそ 50 です。コア・グループのメンバー数がこの最適数を超える場合は、1 つ以上の追加コア・グループを作成する必要があります。
セル内に複数のコア・グループを定義する必要がある場合は、これらのコア・グループ間にコア・グループ・ブリッジを構成する必要があります。これらのコア・グループ・ブリッジを構成しないと、各コア・グループは、セル内の他のコア・グループから分離されます。
セル内のコア・グループ間にコア・グループ・ブリッジを構成した後、各コア・グループ・メンバーはこのブリッジを使用して、セル内の構成済みコア・グループのメンバーすべてと可用性状況を共有することができます。
トラブルの回避 (Avoid trouble): コア・グループ・ブリッジを構成するときには、以下の要件に注意してください。
- コア・グループ・ブリッジ構成で変更が行われた場合 (新規ブリッジの追加や既存ブリッジの除去など) は常に、影響を受けるアクセス・ポイント・グループのコア・グループ・ブリッジすべてを完全にシャットダウンした後、再始動する必要があります。
- 各コア・グループ内で、少なくとも 1 つのコア・グループ・ブリッジが実行中である必要があります。各コア・グループに 2 つのブリッジを構成すると、単一のサーバー障害でブリッジ機能が中断されることはなくなります。また、2 つのブリッジを構成することで、2 つのうち 1 つのブリッジを定期的に使用不可に設定することもできます。
コア・グループ内のコア・グループ・ブリッジすべてがシャットダウンした場合は、在外のコア・グループすべてのコア・グループ状態が失われます。
gotcha
ベスト・プラクティス: 以下のことを行うこともお勧めします。
- コア・グループ・ブリッジを独自の専用サーバー・プロセスで構成し、これらのプロセスで自動再始動用のモニター・ポリシー設定を行います。
- 各コア・グループに対し、IBM_CS_WIRE_FORMAT_VERSION コア・グループのカスタム・プロパティーを使用中の環境でサポートされている最高値に設定します。
- リソースを節約するために、コア・グループ・アクセス・ポイントの定義するときに 3 つ以上のコア・グループ・ブリッジ・インターフェースを作成しないようにしてください。1 つのインターフェースをワークロード用に使用し、もう 1 つのインターフェースを高可用性のために使用できます。高可用性が実現できるように、これらのインターフェースが別々のノード上にあるようにしてください。詳しくは、コア・グループ・ブリッジに関するよくある質問を参照してください。
- 通常、1 つのコア・グループごとに 2 つのブリッジ・インターフェースのみ指定します。高可用性のためには最低でも 2 つのブリッジ・インターフェースが必要です。2 つのブリッジ・インターフェースより多くなると、メモリーおよび CPU に対して不要なオーバーヘッドが増えます。
bprac
以下のアクションを完了して、同じセル内のコア・グループ間の通信を構成します。
手順
- 通信する必要があるコア・グループを定義するように、アクセス・ポイント・グループを構成します。
アクセス・ポイント・グループには、通信を必要とするコア・グループのコア・グループ・アクセス・ポイントが含まれます。コア・グループ・アクセス・ポイントによって、
コア・グループへのアクセスを提供するサーバー・セットが定義されます。
同じセル内のコア・グループ間の通信を構成するには、既存のアクセス・ポイント・グループ (デフォルトで作成される DefaultAccessPointGroup など) を選択するか、または新規のアクセス・ポイント・グループを作成します。新規アクセス・ポイント・グループを作成するには、以下のステップを完了します。
- 管理コンソールで、とクリックします。
- セル内で固有となるアクセス・ポイント・グループ名を入力します。
- アクセス・ポイント・グループにコア・グループ・アクセス・ポイントを追加します。
セル内で通信を必要とするコア・グループに対して使用可能な、任意のコア・グループ・アクセス・ポイントを選択します。
コア・グループの作成時には、常に、デフォルトのコア・グループ・アクセス・ポイントが自動的に作成されます。したがって、コア・グループ・アクセス・ポイントを作成する必要はありません。
作成するアクセス・ポイント・グループでは、通信する必要があるセル内の各コア・グループ用のコア・グループ・アクセス・ポイントを所有する必要があります。
ベスト・プラクティス: 単一セル内のコア・グループ間に通信を構成する場合は、アクセス・ポイント・グループにピア・アクセス・ポイントを追加する必要はありません。セル間の通信の構成に関する情報について詳しくは、トピック『
異なるセル内のコア・グループ間でのコア・グループ・ブリッジの構成』を参照してください。
bprac
既存のアクセス・ポイント・グループを使用する場合は、ピア・アクセス・ポイントを所有しないアクセス・ポイント・グループを選択します。
既存のアクセス・ポイント・グループを構成するには、以下のステップを完了します。
- 管理コンソールで、とクリックします。 任意の既存のアクセス・ポイント・グループがある現在の構成が表示されます。
- 「access_point_group_name」とクリックします。
- アクセス・ポイント・グループにコア・グループ・アクセス・ポイントを追加します。 通信を必要とするコア・グループに対して使用可能な、任意のコア・グループ・アクセス・ポイントを選択します。
- 各コア・グループ・アクセス・ポイントに対して、ブリッジ・インターフェースを作成します。
追加するブリッジ・インターフェースは、指定したコア・グループへのアクセスを提供します。
各コア・グループ・アクセス・ポイントに対して、最低 1 つのブリッジ・インターフェースを作成します。コア・グループ・アクセス・ポイントのアベイラビリティーを確保するには、各アクセス・ポイントに対して 2 つのブリッジ・インターフェースを構成することをお勧めします。
トラブルの回避 (Avoid trouble): 1 つのコア・グループに複数のアクセス・ポイントを定義することはできますが、単一のアクセス・ポイントのみが各コア・グループを表すように定義する必要があります。
gotcha
- 管理コンソールで、「access_point_group_name」とクリックします。
- アクセス・ポイント・グループのコア・グループ・アクセス・ポイントの名前をクリックし、「詳細を表示」をクリックします。
- 新規のブリッジ・インターフェースを作成するには、とクリックします。
- ブリッジ・インターフェースにするサーバーを選択します。
ベスト・プラクティス: - コア・グループ・ブリッジ・インターフェースとして選択するサーバーに、クラスター・メンバーまたは WebSphere プロキシー・サーバーへの要求をフィルタリングするなどの実働作業を処理するサーバーを使用しないでください。コア・グループ・ブリッジ・インターフェースであるサーバーのメモリーと CPU の使用率は、コア・グループの始動中およびフェイルオーバー実行中 (コア・グループのブリッジの 1 つが停止した場合) にかなり高くなります。サーバーをコア・グループ・ブリッジ・インターフェース専用に使用できない場合は、コア・グループ・ブリッジ・インターフェースとしてノード・エージェントを選択する必要があります。
- 通常、コア・グループごとに 2 つだけ、ブリッジ・インターフェースを指定します。少なくとも 2 つのブリッジ・インターフェースがあれば、高可用性を確保できます。ブリッジ・インターフェースの数が 2 つを超えると、メモリーと CPU で不必要なオーバーヘッドが追加されます。
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- これらのステップを繰り返して、アクセス・ポイント・グループ内のそれぞれのコア・グループ・アクセス・ポイントごとにブリッジ・インターフェースを作成します。
- オプション: HA マネージャー・プロトコルを構成して、透過型ブリッジのフェイルオーバーがサポートされるよう設定します。
コア・グループ・ブリッジ状態の再作成中、実行中のブリッジ間でクロス・コア・グループ状態が移動する可能性があります。この状況により、ブリッジが再作成プロセスを完了するまで、データが一時的に使用不可になることがあります。
バージョン 7.0.0.1 以降を実行している場合は、すべてのコア・グループに対してコア・グループのカスタム・プロパティー IBM_CS_HAM_PROTOCOL_VERSION を 6.0.2.31 に設定し、コア・グループ・ブリッジのフェイルオーバー中に発生する可能性のある高可用性状態の停止を回避してください。このカスタム・プロパティーが 6.0.2.31 に設定されている場合は、残りのブリッジが、障害の発生したブリッジの高可用性状態を回復します。このとき、ローカルのコア・グループのデータは使用不可にはなりません。
以下のアクションを完了して、コア・グループすべてに対し、IBM_CS_HAM_PROTOCOL_VERSION コア・グループのカスタム・プロパティーを 6.0.2.31 に設定します。
- コア・グループのすべてにおいて、コア・グループ・ブリッジをシャットダウンします。
- 各セル内の各コア・グループに対して、以下のアクションを繰り返します。
- 管理コンソールで、「core_group_name」 >
「カスタム・プロパティー」をクリックします。
- 「名前」フィールドで IBM_CS_HAM_PROTOCOL_VERSION を指定し、「値」フィールドで 6.0.2.31 を指定します。
- 変更を保存します。
- トポロジー全体で変更を同期化します。
- トポロジーのすべてのブリッジを再始動します。
このトポロジー内のすべてのコア・グループで、HA マネージャー・プロトコル 6.0.2.31 を使用しています。
タスクの結果
同じセル内にあり、アクセス・ポイント・グループ内で構成されたコア・グループは、通信することができます。
例
cell_x セルには、x_core_group_1、x_core_group_2、および x_core_group_3 コア・グループがあります。各コア・グループ・には、既にコア・グループ・アクセス・ポイントがあります。
次の画像は、cell_x セル内のコア・グループ間のアクセス・ポイント・グループ、および、管理コンソールでの構成例を示しています。
図 1. 同じセル内の 3 つのコア・グループ・アクセス・ポイントは同じアクセス・ポイント・グループに属します。
以下のステップを実行して、cell_x セル内の 3 つのコア・グループ間の通信を構成します。
- x_access_point_group アクセス・ポイント・グループを作成します。
コア・グループ・アクセス・ポイントを、セル内の各コア・グループのアクセス・ポイント・グループに追加します。
この例では、x_core_group_ap_1、x_core_group_ap_2、
および x_core_group_ap_3 アクセス・ポイントを
x_access_point_group アクセス・ポイント・グループに追加します。
- 各コア・グループ・アクセス・ポイントに対して、ブリッジ・インターフェースを作成します。
次の図は、x_core_group_ap_2 コア・グループ・アクセス・ポイントのブリッジ・インターフェースを示しています。
図 2. コア・グループ・アクセス・ポイントには、1 つ以上のブリッジ・インターフェースが含まれています。
アクセス・ポイント・グループを作成し、セル内のすべてのコア・グループをそのアクセス・ポイント・グループに追加することで、cell_x セル内のすべてのコア・グループ間の通信が可能になります。
次のタスク
このセルを、別のセル内のコア・グループと通信するように構成することができます。