ユーザー・システムは、高可用性アプリケーション用に自動アプリケーション・ロールアウトを実行するようにセットアップできます。
自動アプリケーション・ロールアウト更新プロセスは、
更新が必要なクラスター・メンバーをホスト中のすべてのアプリケーション・サーバーを停止または休止します。
始める前に
更新が必要なクラスター・メンバーをホストするアプリケーション・サーバーを決定します。
このタスクについて
頻繁に更新が必要な高可用性アプリケーションがある場合、
その更新のロールアウトを自動制御させることがあります。
ロールアウト更新処理のセットアップ時に、アプリケーションに対する
更新の実行中に、アプリケーション・サーバーを停止させるか休止させるかを決定する必要があります。
サーバーを休止させる場合、ロールアウト更新処理がサーバーを休止および再開できるように、
ノード・エージェントを構成する必要があります。
ロールアウト更新処理でサーバーを停止および始動する場合、構成変更を行う必要はありません。
ただし、ロールアウト更新処理でサーバーを停止および始動する場合、
処理の完了がはるかに長くなります。
アプリケーション・サーバーが休止する場合、
そのサーバーに対して既にキューに入っているすべての要求は完了可能です。
ただし、新規要求は受け入れられません。
シスプレックス・ディストリビューターおよび WebSphere® Application Server Web サーバー・プラグインは、休止しているサーバーを処理の経路から切り離します。そのサーバーに割り当てられているすべての要求の完了後に、
アプリケーション更新処理は、そのサーバー上で開始します。
更新処理が完了すると、そのサーバーに対するリスナーが再開され、シスプレックス・ディストリビューターおよび WebSphere Application Server Web サーバー・プラグインは、新規作業をそのサーバーに割り当てます。この処理は、影響のあるすべてのクラスター・メンバーが更新されるまで、
クラスター内の他のすべてのサーバーに対して繰り返します。
更新を高可用性アプリケーションに自動的にロールアウトするようにユーザー・システムを作成するには、
次のようにします。
手順
- ロールアウト更新処理で、影響のあるアプリケーション・サーバーを停止させるか休止させるかを決定します。
- ロールアウト更新処理で、サーバーがアプリケーション更新を実行する前にそのサーバーを停止させる場合は、ステップ 5 に進みます。
- ロールアウト処理で、サーバーがアプリケーション更新を実行する前にそのサーバーを休止させる場合は、
ステップ 2 に進みます。
ステップ 2、3、および 4 は構成変更です。これにより、ロールアウト更新処理は、
アプリケーション更新中に、サーバーを休止および再開できます。
これらの変更は、1 度だけ行う必要があります。
注: これらの構成変更では、com.ibm.websphere.zos.mvsservices.enable および com.ibm.websphere.zos.rollout.pauseresume を true に設定する必要があります。これらのカスタム・プロパティーは、z/OS 上のサーバーを停止/開始するのではなく、休止/再開します。これらのプロパティーを true に設定すると、ロールアウト更新処理中のサーバーの停止および開始のオーバーヘッドが回避されます。ロールアウト更新処理中にアクティブ要求が保留されると、それらのアクティブ要求が停止されることに注意してください。
- デプロイメント・マネージャー・サーバー上のマスター構成リポジトリー内のノード・エージェント設定に、com.ibm.websphere.zos.mvsservices.enable および com.ibm.websphere.zos.rollout.pauseresume
カスタム・プロパティーを追加します。 これらのプロパティーは、MVSServices MBean を自動始動させるすべてのノード・エージェントに対する設定に追加する必要があります。
- 管理コンソールで、「node_agent_name」 >「管理サービス」>「カスタム・プロパティー」>「新規」とクリックします。
- 「名前」フィールドに com.ibm.websphere.zos.mvsservices.enable と入力し、
「値」フィールドに true と入力します。
- 「Ok」をクリックします。
- 「新規」をクリックします。
- 「名前」フィールドに com.ibm.websphere.zos.rollout.pauseresume と入力し、
「値」フィールドに true と入力します。
- 「Ok」をクリックします。
- MVSServices MBean の自動始動を行う他のすべてのノード・エージェントに対して、
これらのステップを繰り返します。
- 「保存」をクリックして変更を直接マスター構成に保存します。
com.ibm.websphere.zos.rollout.pauseresume カスタム・プロパティーを追加し、true に設定した後は、
このノード上のこれ以降のアプリケーション・ロールアウトは、
アプリケーション・サーバーを停止させるのではなく、アプリケーション・サーバーのリスナーを休止することによって行います。
カスタム・プロパティー com.ibm.websphere.zos.rollout.pauseresume
が true に設定されていて、MVSServices MBean が構成済みノード上で実行されていない場合は、
そのノード上のアプリケーション・サーバーは休止せず、アプリケーションの更新処理中に更新されません。
アプリケーション・サーバーの停止または始動時に表示されるメッセージと同様に、アプリケーション・サーバーの休止または再開時に、MVS™ コンソールにメッセージが表示されます。
- ノード・エージェントを再始動します。 ノード・エージェントの再始動時に、MVSServices MBean は自動的に始動します。
- デプロイメント・マネージャー・サーバー上のマスターの、アプリケーション構成リポジトリーを更新します。
タスクの結果
更新が必要なアプリケーションに対するロールアウト更新処理を開始する準備ができました。
次のタスク
ロールアウト更新処理を開始するには、管理コンソールで「アプリケーション」>「エンタープライズ・アプリケーション」とクリックし、更新するアプリケーションを選択して、「更新のロールアウト」をクリックします。
トラブルの回避 (Avoid trouble): 選択するアプリケーションは、少なくともクラスターの 1 つのメンバー上に常駐している必要があります。
gotcha
この機能は、自動的に、サーバーを停止または休止し、アプリケーションを更新し、
次にサーバーを始動または再開します。
ノードは一度に 1 つずつ処理されます。
これにより、処理中のノードに常駐するサーバーのみ影響があり、他のノード上のサーバーの作業処理は継続します。
最終的には、すべてのノードおよびサーバーが更新されます。
更新処理は、更新されたアプリケーションのバージョンが、クラスター内のすべての LPAR 上で実行されたときに完了します。