WebSphere Application Server トポロジーのフロントエンドの選択

ご使用の WebSphere® Application Server トポロジーに対してセッション・アフィニティー、フェイルオーバー・サポート、およびワークロード・バランシングを提供するために、仲介プログラムを選択できます。

  • WebSphere Application Server Web サーバー・プラグインは、Web サーバーとアプリケーション・サーバー間のインターフェースを提供します。Web サーバー・プラグインは、クライアント要求の経路指定先のサーバー (サーブレットなど) を判別します。
  • WebSphere DataPower アプライアンスは、WS-Addressing、カスタム・アドバイザー、QOS、SLA などの拡張機能を備えた拡張プロキシー・サーバーです。
HTTP クライアントとクラスター・アプリケーションまたは区分アプリケーションとの間のリバース・プロキシーとして、以下の安定化コンポーネントを使用することもできます。
  • WebSphere Application Server プロキシー・サーバー は、 作業を実行するコンテンツ・サーバーに HTTP 要求を送付する特定タイプのアプリケーション・サーバーです。WebSphere Application Server プロキシー・サーバーは、エンタープライズ環境のサーバーへの要求に対する入り口の初期点となることができます。ただし、WebSphere Application Server プロキシー・サーバーは DMZ デプロイメントでは安全でないため、WebSphere Application Server プロキシー・サーバーは通常、Web サーバーをフロントとするか、厳しいホスト・セキュリティー要件が不要な内部のみの環境で使用されます。
  • オンデマンド・ルーター (ODR) は、インテリジェント・ルーターです。ODR はセルの動的状態を完全に認識しており、セル内の 1 つのサーバーに障害があると、要求は別のサーバーにルーティングされます。 DMZ での ODR の構成はサポートされていません。
  • 非推奨の機能 (Deprecated feature) 非推奨の機能 (Deprecated feature): DMZ Secure Proxy Server は、WebSphere Application Server traditional バージョン 9.0 では推奨されていません。depfeat
    IBM WebSphere Application ServerDMZ プロキシー・サーバーは、非武装地帯 (DMZ) のスタンドアロン・ノード上に 安全にインストールできるように特別に設計された WebSphere Application Server プロキシー・サーバーです。WebSphere Application Server プロキシー・サーバーの機能が必要で、DMZ にデプロイする場合、DMZ Secure Proxy Server for IBM WebSphere Application Server を使用して、ご使用の WebSphere Application Server トポロジーにセッション・アフィニティー、フェイルオーバー・サポート、およびワークロード・バランシングを提供します。

    DMZ は、通常はクライアントとバックエンド・サーバーの間に位置するファイアウォールに挟まれた安全ゾーンです。DMZ Secure Proxy Server for IBM WebSphere Application Server は、インターネット上のクライアントからの要求を受け取り、その要求をエンタープライズ環境のサーバーに転送します。

WebSphere DataPower の使用法について詳しくは、http://www.ibm.com/software/integration/datapower/library/documentation の WebSphere DataPower インフォメーション・センターを参照してください。

WebSphere DataPower アプライアンスの拡張機能 (WS-Addressing、カスタム・アドバイザー、QOS、および SLA など) を使用しない場合は、任意の Web サーバーと対応する Web サーバー・プラグインを使用します。

以下の表では、コア・アプリケーション・サーバー・フロントエンド機能と、Apache HTTP Server (Intelligent Management を使用する場合と使用しない場合) をベースとした IBM HTTP Server、オンデマンド・ルーター、WebSphere Application Server プロキシー・サーバー、 DMZ Secure Proxy Server for IBM WebSphere Application Server、および WebSphere DataPower Service Gateway といった最新の Web サーバーで実行する Web サーバー・プラグインの非コア機能とを比較します。

表 1. コア機能
機能 Web サーバー・プラグイン (IBM HTTP Server または Apache Web Server のいずれかとともに使用) Web サーバー・プラグイン (IBM HTTP Server または Apache Web Server のいずれかとともに使用、Intelligent Management を使用) WebSphere DataPower Service Gateway オンデマンド・ルーター (ODR) DMZ Secure Proxy Server for IBM WebSphere Application Server または WebSphere Application Server プロキシー・サーバー
セッション類縁性 はい はい はい18, はい1, 2 はい (DMZ プロキシーのみ) 1、 2
DMZ 対応 はい はい はい いいえ はい (DMZ プロキシーのみ)
カスタム・アドバイザーのサポート いいえ いいえ はい いいえ いいえ
サービス・レベル・アグリーメント (SLA) いいえ いいえ はい はい いいえ
SIP プロキシー いいえ いいえ いいえ はい はい
ESI 動的キャッシング はい はい いいえ はい3 はい3
管理コンソールによる管理 はい はい 部分的19 はい はい4
ストリーム・キャッシング (大容量応答キャッシング) はい はい いいえ はい はい
管理イベントの動的受信5 いいえ いいえ はい18 はい6 はい6
複数のセルへのルーティング いいえ いいえ はい20 はい8 はい8
パフォーマンス・モニター はい9 はい9 はい はい10 はい10
ロード・バランシング (重み付きラウンドロビン) はい11 はい11 はい はい11 はい11
ルーティング・ルールが構成可能 いいえ12 いいえ12 はい はい はい
WLM とのインターオペラビリティー はい13 はい13 はい18 はい はい
Web サービス・アフィニティーとフェイルオーバー (WS Addressing) いいえ いいえ はい18 はい はい
ルール式とカスタム・ルーティング いいえ はい はい21 はい15 はい15
汎用サーバー・クラスター (GSC) アフィニティーとフェイルオーバー いいえ いいえ はい はい16 はい16
要求ごとのトレース いいえ はい はい はい いいえ
重み付き最小の未処理要求 (WLOR) いいえ はい はい はい いいえ
ヘルス・ポリシー・サポート いいえ はい はい はい いいえ
表中の注記:
  1. WebSphere Application Server 管理対象リソースでは、セッション・アフィニティーがサポートされています。ただし、HttpSessionCloneId など一部のセッション管理カスタム・プロパティー はサポートされません。
  2. リソースが WebSphere Application Server 管理リソースではない汎用サーバー・ルーティングの場合、アクティブ・セッション・アフィニティーと受動セッション・アフィニティーは、汎用サーバー・ルーティング・アクションのもとで構成される必要があります。
  3. WebSphere Application Server プロキシー・サーバー、および DMZ Secure Proxy Servers for IBM WebSphere Application Server は、フラグメント・キャッシングをサポートしません。ページ全体のキャッシングおよび ESI 無効化サーブレットのみがサポートされています。
  4. DMZ インストール上のセキュア・プロキシー・プロファイルは、スクリプトまたは管理エージェントを使用してのみ管理できます。構成専用のセキュア・プロキシー・プロファイルは、スクリプトまたは管理エージェント・コンソールを介して管理できます。管理エージェント・コンソールを使用する場合は、プロキシー・プロファイルを管理エージェントに登録する必要があります。
  5. WebSphere Extended Deployment 環境で ODR により実行されるのと同様です。
  6. DMZ Secure Proxy Server for IBM WebSphere Application Server および WebSphere Application Server Network Deployment セルのコア・グループ・ブリッジ・インターフェースでは、静的ルーティングをオフに、コア・グループ・ブリッジ・トンネリングを使用可能にする必要があります。
  7. プロキシー・セルとその他のセルの間にコア・グループ・ブリッジをセットアップする必要があります。
  8. DMZ Secure Proxy Server for IBM WebSphere Application Server および WebSphere Application Server Network Deployment セルのコア・グループ・ブリッジ・インターフェースでは、静的ルーティングをオフに、コア・グループ・ブリッジ・トンネリングを使用可能にする必要があります。
  9. Web サーバー・プラグインの統計は、要求メトリックから取得します。
  10. WebSphere Application Server プロキシー・サーバーの統計、および DMZ Secure Proxy Server for IBM WebSphere Application Server の統計は、Tivoli Performance Viewer、ARM、およびパフォーマンス mBeans から取得することができます。
  11. 重み付きラウンドロビンに加えて、ランダム・ロード・バランシングがサポートされます。
  12. Web サーバー・プラグインは統計ルーティングしか行えません。
  13. Web サーバー・プラグインと WebSphere Application Server との間で交換される動的ワークロード・マネージャー (DWLM) の区画テーブルを介して、Web サーバー・プラグインは、間接的に WLM とインターオペラビリティーを持ちます。プラグインは、これらのテーブルをクラスター内の動的ルーティングおよびフェイルオーバー・シナリオに使用します。
  14. プロキシー・サーバーは、たとえ z/OS オペレーティング・システム上で稼働している場合でも WebSphere Application Server WLM を使用します。
  15. DataPower アプライアンス・マネージャーは、Java プロキシーが提供するよりも、より高速な Web サービス・アフィニティーおよびフェイルオーバー・サービスを提供します。
  16. ルール式およびカスタム・ルーティングは、管理者がデフォルトの WebSphere Application Server ルーティング動作をオーバーライドすることを可能にします。例えば、11:00 PM から 12:00 PM の間にクラスター内の server1 に対して定期的にメンテナンスを行っている場合、その時間帯にそのサーバーに対する要求の転送を希望しない場合があります。
  17. プロキシー・サーバーは、受動および/またはアクティブなアフィニティーを持つ汎用サーバー・クラスターに対して、ロード・バランシングとフェイルオーバーをサポートします。
  18. WebSphere DataPower AO モジュールが必要となります。
  19. クラスター・メンバー、ウェイト、セッション・アフィニティー、およびアプリケーション・エディションのサポートに関する構成は、WebSphere Application Server ISC コンソールを介して実行されますが、構成の取得および実際の実行は、WebSphere DataPower によって行われます。
  20. マルチ・セル・ルーティングは、DataPower 内のポリシーおよびルールの構成に基づきます。これは、WebSphere Application Server の構成とは無関係です。
  21. コンテンツ・ベースのルーティングは、WebSphere DataPower の構成ポリシーおよびスタイル・シートを介して提供されます。
表 2. Web サーバー・プラグインの外部で提供される機能
機能 Web サーバー・プラグイン (IBM HTTP Server または Apache Web Server のいずれかとともに使用、Intelligent Management を使用または使用しない) WebSphere DataPower Service Gateway オンデマンド・ルーター (ODR) DMZ Secure Proxy Server for IBM WebSphere Application Server または WebSphere Application Server プロキシー・サーバー
コモン・ゲートウェイ・インターフェース (CGI) はい いいえ いいえ いいえ
要求 URI 再書き込み はい はい いいえ いいえ
効率的な静的ファイル・サービス はい いいえ 基本1 基本1
圧縮 はい はい はい はい
応答のフィルタリング はい はい はい2 はい2
SSL 終了 はい はい はい はい
暗号アクセラレーター3 はい はい はい4 はい4
FIPS はい はい はい はい
サード・パーティー/カスタム・プラグイン はい はい8 いいえ いいえ
ロギング はい はい はい5 はい5
カスタム・ロギング はい はい はい いいえ
ディスク・キャッシング はい いいえ はい はい
非同期要求処理 いいえ、または部分的6 はい はい7 はい7
表中の注記:
  1. WebSphere Application Server プロキシー・サーバーは、基本的な静的ファイル・サービスをサポートしています。
  2. WebSphere Application Server プロキシー・サーバーは、HTML リンク再書き込みをサポートしています。
  3. この機能は、WebSphere Application Server がサポートする暗号アクセラレーターにのみ適用されます。「Supported hardware and software」Web ページ を参照してください。
  4. サポートは IBM JDK/JCE によって提供されます。
  5. NCSA 共通形式のみサポートされています。
  6. Web サーバー・プラグインとアプリケーション・サーバー間の接続は同期で、データの読み取り/書き込み/待機中にスレッドを消費します。ご使用になっている特定の Web サーバーによるクライアント接続の処理については、ご使用の Web サーバーの資料を参照してください。
  7. プロキシー・サーバーは、大規模なデプロイメントにおける AJAX ロング・ポーリング要求を処理するために最適化されます。
  8. 高度なルールおよびカスタム処理は、eXtensible Stylesheet Language Transformations (XSLT) を使用して実現できます。

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http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=cwsv_topology
ファイル名:cwsv_topology.html