JAX-RS アプリケーションの要求と応答での複数パーツ・コンテンツの使用

複数パーツ・メッセージを使用すると、サーバーとクライアントから 1 つのメッセージを使用して複数メッセージを送信できます。複数パーツ・メッセージが役立つのは、クライアントおよびサーバーが複数の要求を送信する必要があり、各部分の HTTP 要求と HTTP 応答の全体を送受信するコストを節減する場合です。

このタスクについて

複数パーツ・メッセージには、複数のメッセージ・コンテンツを 1 つのメッセージで送信するための特別メッセージ・フォーマットが必要です。 IBM® JAX-RS は複数パーツのデータ・モデルを示すクラスを提供し、これらのクラスは複数パーツ・メッセージの読み取りおよび書き込みに役立ちます。システムで登録済みのデフォルトの JAX-RS エンティティー・プロバイダーは、クラスを複数のメッセージ本体にシリアライズまたはデシリアライズできます。複数パーツのクラスの 1 つをインスタンス化し、個別部分を複数パーツのデータ・モデルに追加できます。次に、複数パーツ・インスタンスをリソース・メソッドで戻し、JAX-RS ランタイム環境によって自動的にフォーマットしてから、複数パーツ・メッセージを出力します。

multipart/form-data コンテンツを特に必要とする場合には、『JAX-RS アプリケーションの要求と応答における multipart/form-data コンテンツの使用』のセクションを参照してください。

手順

  1. 開発環境を構成します。
    1. JAX-RS アプリケーションの開発を開始する前に、クラスパスに JAX-RS ライブラリーを追加して開発環境をセットアップする必要があります。
  2. JAX-RS Web アプリケーションのリソースを定義します。
    1. リソースは、RESTful サービスの基本ビルディング・ブロックです。リソースは、静的または動的な更新データを含むことができます。オンライン書店アプリケーションのリソースの例には、書籍、書店からの注文、およびユーザーのコレクションが含まれます。ご使用のアプリケーションのリソースを識別することにより、サービスをさらに便利で開発しやすいものにできます。
  3. JAX-RS アプリケーションを構成します。

    お客様のニーズに応じて、複数の方法で JAX-RS アプリケーションを構成できます。 Java™ Platform, Enterprise Edition (Java EE) 6 の機能を活用するには、アノテーション・スキャン機能を使用します。 アノテーション・スキャンを使用することにより、JAX-RS javax.ws.rs.core.Application サブクラス を省略したり、javax.ws.rs.core.Application サブクラスの定義を最低限にすることができます。 あるいは、IBM JAX-RS サーブレットおよびフィルターで有効な機能を 使用したい場合は、IBM JAX-RS サーブレットまたはフィルター を指定できます。

    JAX-RS バージョン 1.1 構成メソッドの 1 つを使用して、 アプリケーションで javax.ws.rs.core.Application サブクラスを省略したり、 すべての JAX-RS クラスを検索して使用するように JAX-RS ランタイム環境に通知するために 空のクラス・セットを返す javax.ws.rs.core.Application サブクラスをアプリケーションで 使用したりすることができます。 このメソッドは、アプリケーションの作成時に、関連するすべての JAX-RS クラスを 手動で javax.ws.rs.core.Application サブクラスに追加しなければならない手間を省略したい場合などに使用します。

    特定の IBM JAX-RS サーブレットおよびフィルターを 指定することにより、特定の IBM JAX-RS の動作を 確実に利用することができます。例えば、IBM JAX-RS フィルターは、 同じ URL パターンの JAX-RS リソースと JavaServer Pages (JSP) ファイルを使用する Web アプリケーション を開発する際に役立ちます。

    オプションの web.xml ファイルの使用をサポートする JAX-RS V1.1 構成メソッド がありますが、セキュリティー制約またはロールを指定したい場合や、web.xml ファイルを使用して 使用可能な他の機能を利用したい場合には、web.xml ファイルに情報を指定する必要があります。

    JAX-RS アプリケーションを構成するには、以下の 3 つの方法のうち 1 つを選択します。

    • JAX-RS 1.1 メソッドを 使用して JAX-RS アプリケーションを構成する

      アノテーション・スキャン機能 または JAX-RS 1.1 構成メソッドを使用したい場合に、この方法を使用します。 アノテーション・スキャン機能を使用することにより、アプリケーションの可搬性を向上させたり、 構成コードの量を最小化したり、アプリケーション・コードを変更せずにアプリケーションを 動的に変更したりすることができます。

    • JAX-RS サーブレット用 web.xml ファイルの構成

      動作を変更するためにサーブレット初期設定パラメーターを使用して有効にする機能を指定したい場合、 および IBM JAX-RS サーブレットを確実に取得したい 場合に、この方法を使用します。サーブレットを使用する場合は、ベース URL に付加されるサーブレット・パスを web.xml ファイル内に 定義できます。

    • JAX-RS フィルター用 web.xml ファイルの構成

      さまざまな URL パターンの JSP、その他のサーブレットおよびフィルター、 および JAX-RS リソースがあり、フィルターを使用したい場合に、この方法を使用します。 有効な URL を示すフィルターを定義し、それらの URL でフィルターが起動されるように web.xml ファイルを 構成することができます。

  4. 複数パーツ・メッセージを使用してリソースを実装します。
    1. 複数パーツ・メッセージには、1 つのメッセージに複数のコンテンツ・タイプが含まれます。IBM JAX-RS を使用すると、複数パーツ・メッセージを作成および取り込むことができます。
  5. JAX-RS Web アプリケーションをアセンブルします。
    1. JAX-RS Web アプリケーション用に Java クラス・ファイルを開発し、JAX-RS サーブレットを使用可能するために web.xml ファイルを編集したら、アプリケーションをアセンブルできます。Web アプリケーションを Web アプリケーション・アーカイブ (WAR) パッケージにアセンブルします。必要に応じて、WAR パッケージをエンタープライズ・アーカイブ (EAR) パッケージにアセンブルできます。
  6. JAX-RS Web アプリケーションをデプロイします。
    1. JAX-RS Web アプリケーションをアセンブルしたら、Web アーカイブ (WAR) パッケージまたはエンタープライズ・アーカイブ (EAR) パッケージを、アプリケーション・サーバー上にデプロイする必要があります。

タスクの結果

複数のコンテンツ・タイプを含むメッセージを取り込んだり作成できる JAX-RS Web アプリケーションを開発し、アプリケーション・サーバー上にデプロイできました。


トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=twbs_jaxrs_multipartcontent
ファイル名:twbs_jaxrs_multipartcontent.html