IBM Support Assistant データ・コレクターの使用

WebSphere® Application Server 用の IBM® Support Assistant データ・コレクター・ツールとは、問題判別の目的でご使用のアプリケーション・サーバー・システムからデータを収集するために 実行できるツールのことです。これは、コレクター・ツール (collector.bat または collector.sh) に代わるものです。

このタスクについて

WebSphere Application Server 用の IBM Support Assistant データ・コレクター・ツールは、 問題データの自動収集に焦点を合わせています。 IBM ソフトウェア製品において発生するさまざまなカテゴリーの問題に対する症状分析の支援も行います。 また、問題のタイプに関する情報を収集して、調査中の問題の原因の特定を支援します。 このツールは、適切な RAS トレース・レベルを設定することで問題を再現する時間を短縮したり、適切なログ情報を IBM サポートに送信するために必要な作業を減らすことによって、ユーザーを支援します。

手順

  1. ツールを開始します。 コマンド行から起動スクリプトを開始すると、このツールはコンソール・モードで実行されます。
    • Windows 環境の場合は、app_server_root/bin/isadc.bat コマンドを実行します、
    • Linux、AIX®、HP-UX、Solaris、IBM i、または zOS 環境の場合は、app_server_root/bin/isadc.sh コマンドを実行します。
    注: app_server_root¥bin¥ ディレクトリーではなく、プロファイルの bin ディレクトリーからツールを実行することもできます (profile_root/bin/isadc.bat または profile_root/bin/isadc.sh を実行)。
  2. WebSphere Server インスタンスを構成したユーザー ID を指定して、IBM Support Assistant データ・コレクター・ツールを実行します。 実行中の収集に応じて、データ収集アクティビティーを完了するための追加情報の入力が求められます。 スクリプトにより、追加の構成情報、現在対処している問題につながるイベントの順序、または収集の完了方法に関する設定の情報が要求される場合があります。

    各ステップで、選択肢が番号付きリストで表示されるので、選択する項目の番号を入力して Enter キーを押します。 入力が必要なときは、プロンプトが表示されます。プロンプトで応答を入力したら、Enter キーを押します。 収集の詳細は、対応する MustGather 文書で WebSphere Application Server の問題タイプごとに検索できます。

    このツールは、サイレント収集機能を備えています。サイレント収集機能により、コンソール・モード・セッションでのユーザーの応答がファイルに記録され、それ以降はそのファイルを使用して、同じ収集スクリプトのインスタンスを起動できます。 このモードで実行する際は、通常の対話式セッションになるため、スクリプトのプロンプトに対して応答します。ただしここでの応答は、現行の収集に影響を与えるだけでなく、指定したファイルにも保存されます。 対話式セッションが完了すると、将来この応答ファイルを使用して、明示的なユーザー入力を必要とせずに同じスクリプトを開始できます。

    以下のコマンドを使用すると、データ・コレクターを通じた特定の実行のために、すべての質問に対する回答を含む応答ファイルを作成できます。
    • [Windows]app_server_root/bin/isadc.bat -record response_filename
    • [Linux][AIX][HP-UX][Solaris][IBM i][z/OS]app_server_root/bin/isadc.sh -record response_filename
    以下のコマンドを使用すると、ツールの開始時に応答ファイルを指定できます。
    • [Windows]app_server_root/bin/isadc.bat -silent response_filename
    • [Linux][AIX][HP-UX][Solaris][IBM i][z/OS]app_server_root/bin/isadc.sh -silent response_filename
    応答ファイルはプレーン・テキスト・ファイルであるため、必要に応じて編集して応答を変更できます。 応答ファイルは、Java™ プロパティー・ファイルに非常に類似しており、# で始まるコメントと一連のキー値ペアが含まれています。 次の 2 つのキーのいずれかを使用すると、応答ファイルに一時停止を追加できます。
    • PauseScriptTime=X。X は、スクリプトが一時停止する時間 (秒数) を表す正整数です。 正整数以外の値が検出されると、コンソールとログの両方にエラー・メッセージが書き込まれ、スクリプトを続行する準備ができたら Enter キーを押すようユーザーに促すメッセージが表示されます。
    • PauseScript=user-defined message。このストリングは、スクリプトを続行する準備が整ったら Enter キーを押してくださいというメッセージと共にコンソールに出力されます。

    応答ファイルを使用するときは、ユーザー名やパスワードなどの機密情報が応答ファイルに保管される場合があることを忘れないでください。 このファイルは、機密情報への無許可アクセスを防止するような方法で管理することが重要です。 パスワードは暗号化されないことに注意してください。

    ヒント: 収集スクリプトを実行するユーザーに root 権限または管理者権限を付与できない場合は、そのユーザー ID に WebSphere Server の管理者特権 (例えば、startServer コマンド、stopServer コマンド、wsadmin コマンド) があることを確認してください。

    デフォルトでは、ツール (および各種サブコンポーネント) のバージョンは、そのツールが起動されたコンソールに出力されます。

  3. コンソール・モードで quit オプションを入力して、コレクター・ツールを停止します。

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ファイル名:ttrb_isadcstart.html