wsadmin スクリプトによる複数ノードにわたる管理ジョブの実行

このトピックの手順に従い、wsadmin ツールを使用して、柔軟な管理環境にある複数のノードにわたって管理ジョブを実行します。

始める前に

ジョブ・マネージャーと管理エージェントを構成し、ノードをジョブ・マネージャーに登録して、柔軟な管理環境をセットアップします。

このタスクについて

柔軟な管理環境を構成した後で、ジョブ・マネージャーに登録されているノードのジョブをサブミット、 モニター、および管理できます。ジョブをサブミットするには、ジョブ・マネージャーで使用する ID に、管理者ロール またはオペレーター・ロールの権限が付与されている必要があります。 ジョブのサブミット時には、ターゲット・ノードでの認証および許可用に、ユーザー名とパスワードを指定することができます。 ジョブ・パラメーターにユーザー名とパスワードを入力しない場合、ジョブ・マネージャーにあるジョブの実行依頼者のクレデンシャルが使用されます。
注: 注: 複数のターゲット・ノードにジョブをサブミットする場合は、そのユーザー名とパスワード、または実行依頼者のクレデンシャルを、すべてのジョブ・ターゲットに適用できる必要があります。

以下の会社の例ではハースレー、ベルリン、ワルシャワ、およびパリの 4 カ所にブランチ・オフィスがあり、各ロケーションには 1 台のアプリケーション・サーバーがあります。 各アプリケーション・サーバー上で実行するアプリケーションでは、メモリー・リークの問題が頻繁に発生しています。 開発チームがアプリケーションを修正する一方、各ロケーションでアプリケーション・サーバーの停止と再始動を頻繁に繰り返す必要が生じています。 以下のステップを使用して、各ロケーションのアプリケーション・サーバーで構成されるノード・グループを作成し、4 台のアプリケーション・サーバーを停止および再始動する毎週の繰り返しジョブをスケジュールします。

手順

  1. wsadmin ツールを起動します。

    app_server_root/bin ディレクトリー に移動してから以下のコマンドを使用して、wsadmin ツール をジョブ・マネージャー・プロセスに接続します。

    wsadmin -profileName myJobManager -lang jython
  2. ノード・グループを作成します。
    createManagedNodeGroup コマンドを使用して、柔軟な管理構成内に新規のノード・グループを作成します。 以下の例のコマンドは European_Branch_Offices ノード・グループを 作成します。
    AdminTask.createManagedNodeGroup('-groupName European_Branch_Offices -description 
     "Management group for all European branch offices"') 
  3. ノードをノード・グループに追加します。
    addMemberToManagedNodeGroup コマンドを使用して、ノードを新規グループに追加します。 各ノードは 1 つ以上のグループに所属できます。 以下のコマンド例は、Hursley_officeBerlin_officeWarsaw_office、および Paris_office の各ノードを European_Branch_Offices ノード・グループに追加します。
    AdminTask.addMemberToManagedNodeGroup('-groupName European_Branch_Offices 
     -managedNodeNameList "[Hursley_Node01][Berlin_Node01][Warsaw_Node01][Paris_Node01]"')
  4. 管理ジョブをジョブ・マネージャーのスケジュールに入れます。
    submitJob コマンドを使用して、今後の管理ジョブを実行依頼します。 ジョブの実行依頼は、以下の情報で構成されます。
    ジョブ・タイプ
    ジョブ・タイプには、実行するジョブのタイプを指定します。 柔軟な管理環境内には、アプリケーション管理、製品保守、構成、およびアプリケーション・サーバーのランタイム制御ジョブなど、数多くのジョブが存在します。
    ジョブ・ターゲット・リストとターゲット・グループ
    ジョブ・ターゲット・リストとターゲット・グループは、ジョブが実行されるノードとノード・グループを指定します。
    ジョブ固有のパラメーター
    ほとんどの管理ジョブは、ジョブを実行するために、ジョブ・タイプやターゲットに加えて、構成情報を必要とします。ジョブ・パラメーターは、それぞれのジョブ・タイプに固有のものです。
    注: 複数のターゲット・ノードに 1 つのジョブを サブミットするときには、ユーザー名とパスワード、または実行依頼者のクレデンシャルは、 ジョブのすべてのターゲットに適合するものでなければなりません。
    オプションの汎用パラメーター
    ジョブのサブミットでは、ジョブ固有のパラメーターに加えて、以下のオプション・パラメーターを任意に組み込むことができます。
    表 1. submitJob のオプションの汎用パラメーターの説明. 必須パラメーターと状況に応じたオプション・パラメーターを指定して submitJob コマンドを実行します。
    パラメーター 説明 タイプ
    username セキュリティーが有効な場合に、ジョブのサブミット時に使用するユーザー名を指定します。 ストリング
    password セキュリティーが有効な場合に、ジョブのサブミット時に使用するユーザー名のパスワードを指定します。 ストリング
    description ジョブの説明を指定します。 ストリング
    activationDateTime ジョブを活動化する日時を、「2006-05-03T10:30:45-0000」のフォーマットで指定します。activationDateTime パラメーター値の -0000 のセクションは、RFC 822 フォーマットを表します。Z をグリニッジ標準時 (GMT) の簡略形として指定することができます (例えば、「2006-05-03T10:30:45Z」)。時間帯を指定しない場合、システムはサーバーの時間帯を使用します。 ストリング
    expirationDateTime ジョブの有効期限を、「2006-05-03T10:30:45-0000」のフォーマットで指定します。 activationDateTime パラメーター値の -0000 のセクションは、RFC 822 フォーマットを表します。Z をグリニッジ標準時 (GMT) の簡略形として指定することができます (例えば、「2006-05-03T10:30:45Z」)。時間帯を指定しない場合、システムはサーバーの時間帯を使用します。 ストリング
    expireAfter ジョブの有効期限が切れるまでに待機する時間 (分単位) を指定します。 整数
    executionWindow ジョブの繰り返し間隔を指定します。 ストリング
    executionWindowUnit executionWindow パラメーターによって設定される値の繰り返し間隔計測単位を指定します。ジョブを毎日実行するには DAILY、毎週実行するには WEEKLY、毎月実行するには MONTHLY、毎年実行するには YEARLY、あるいはノードが接続してジョブをポーリングするたびに毎回ジョブを実行するには CONNECTION と指定します。 ストリング
    email システムがジョブ通知を送信する宛先の E メール・アドレスを指定します。 ストリング
    以下の例は、2 つの繰り返しジョブを週ごとに行うようにスケジュールを組みます。 この例の場合、4 カ所のブランチ・オフィスのアプリケーション・サーバー上で実行するアプリケーションで、メモリー・リークの問題が頻繁に発生しています。 開発チームがアプリケーションを修正する一方、アプリケーション・サーバーの停止と再始動を頻繁に繰り返す必要が生じています。 以下のコマンド例では、週 1 回サーバーの停止と再始動を行うようにジョブ・マネージャーのスケジュールを組み、サーバーが停止して再始動する際にシステム管理者に通知します。
    AdminTask.submitJob('-jobType stopServer -group European_Branch_Offices 
     -jobParams [serverName server1] -activationDateTime 2006-05-03T10:30:45Z
     -executionWindowUnit DAILY -executionWindow 13:00:00-14:00:00
     -email system_admin@company.com')
    
    AdminTask.submitJob('-jobType startServer -group European_Branch_Offices
     -jobParams [serverName server1] -activationDateTime 2006-05-03T10:40:45Z
     -recurringIntervalUnits DAILY -recurringInterval 13:00:00-14:00:00
     -email system_admin@company.com')

タスクの結果

ジョブはキューに対して実行依頼済みとなり、コマンドで指定された日時に実行されます。

次のタスク

AdministrativeJobs コマンド・グループのコマンドを使用して、柔軟な管理構成内で管理ジョブを管理および照会します。


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ファイル名:txml_7runjobgroup.html