SIP コンテナー・セッション・リポジトリーのトラブルシューティング
SIP コンテナー・セッション・リポジトリーのトラブルシューティングの際、SIP セッションの詳細を、指定のトレース・ファイルにダンプ出力する必要がある場合があります。
このタスクについて
SIP セッション・メモリー・ダンプ・ユーティリティーを使用して、SIP コンテナー・セッションに関連した問題のデバッグに役立てることができます。 SIP コンテナーは、SipContainerMBean メソッドを使用して、SIP コンテナーに対する複数の保守タイプの操作を実行します。これには、wsadmin (コマンド行インターフェース) を介したサーバー静止の開始などがあります。 このタスクでは、どのように SipContainerMBean メソッドを使用して、SIP コンテナーのメモリー内セッション・リポジトリーに含まれる SIP アプリケーション・セッションと SIP セッションの情報をダンプできるかを説明します。 さまざまなトレース方式を使用するように SIPContainerMBean メソッドを構成して、SIP セッションの詳細を指定のトレース・ファイルにダンプ出力するように指定することができます。
wsadmin スクリプトを使用してセッション・ダンプ・メソッドが開始されると、セッションに関して要求された情報が、 SystemOut.log ファイルに出力されるか (デフォルト)、または setDumpMethod メソッドにより設定されている場合は事前に定義されたソースに送信されます。
簡潔セッション・ダンプ・メソッドを使用した場合は、ダンプ・メソッドの実行ごとにセッション ID のみが出力されます。
- SIP セッションの詳細だけでなく、トランザクション・ユーザーの詳細が (それが存在する場合は)、ダンプ・メソッドの実行ごとに出力されます。
- トレース・ファイルにダンプ出力される属性は、JSR 289 仕様で公開を許可されている属性のみです。
- 詳細メソッドは、appName、callID、ダイアログの状態、作成時間、属性名の情報をトレース・ファイルに出力します。
トレースの出力は SIP アプリケーションごとに実行されます。そのため、出力の前にすべての SIP セッション・データ構造のソートが行われます。 実動サーバーに対して SIPContainerMBean ダンプ機構を使用する場合は、優先順位の低いスレッドにこの作業をディスパッチして、すべてのダンプが別のスレッドで実行され、トレーシングがシステム全体の呼び出し処理の待ち時間に影響しないようにすることができます。
ダンプは、SIP セッションを作成しているトランザクション・ユーザーと、SipSession オブジェクトのないトランザクション・ユーザーを区別します。 また、存在しなくなった SIP セッション、有効でなくなった SIP セッション、あるいは、トレース・スナップショットのときに存在した SIP セッションなども明確にダンプに組み込まれます。
メソッド | 説明 |
---|---|
dumpAllSASIds() | すべての SIP アプリケーション・セッションの数と SIP アプリケーション・セッション ID を出力します。 |
dumpAllTUSipSessionIds() | トランザクション・ユーザーの数とトランザクション・ユーザー (TU) 内の SIP セッション ID (存在する場合) を出力します。 |
メソッド | 説明 |
---|---|
dumpAllSASDetails() | すべての SIP アプリケーション・セッションの数と SIP アプリケーション・セッション ID の詳細を出力します。 |
dumpAllTUSipSessionDetails() | トランザクション・ユーザーの数とトランザクション・ユーザー (TU) 内の SIP セッション ID (存在する場合) の詳細を出力します。 |
dumpSASDetails(String sasId) | sasId パラメーターによって指定される SIP アプリケーション・セッションの詳細を出力します。 |
dumpSipSessionDetails(String sessionId) | sessionId パラメーターによって指定される SIP セッションの詳細を出力します。 |
- すべての印刷出力において、最初の行にはアプリケーション名とレコード数が記載されています。
- 出力間の区切り文字は TAB です。
- セッション属性間の区切り文字は ; (セミコロン) です。
手順
タスクの結果
これで、SIP コンテナーの問題のトラブルシューティングに役立つ、SIP アプリケーション・セッションおよび SIP セッションについて必要なレベルのトレース情報が出力されるように SIP セッション・メモリー・ダンプ・ユーティリティーを構成できました。
例
- 簡潔 dumpAllSASIds メソッドを使用する場合:
- Jacl の使用:
$AdminControl invoke $apps dumpAllSASIds
- Jython の使用:
AdminControl.invoke (apps, "dumpAllSASIds")
この情報は、次の形式で提供されます。dump.ids.test.app1 2 local.1347524282775_8 local.1347524282775_7
[SAS_ID]
- Jacl の使用:
- 詳細 dumpAllSASDetails メソッドを使用し、ダンプ出力を /opt/IBM/output.log ファイルに書き出す指定をしている場合:
- Jacl の使用:
$AdminControl invoke $apps setDumpMethod {{FILE} {/opt/IBM/output.log}} $AdminControl invoke $apps dumpAllSASDetails
- Jython を使用:
AdminControl.invoke (apps, "setDumpMethod", ["FILE", "/opt/IBM/output.log"]) AdminControl.invoke (apps, "dumpAllSASDetails")
この情報は、次の形式で提供されます。dump.ids.test.app1 1 local.1348147884986_2 Sep 20,2012 16:31 DumpSasDetailsAttr;
[SAS_ID] [CreationTime] [attributes]
- Jacl の使用:
- 簡潔 dumpAllTUSipSessionIds メソッドを使用して、トランザクション・ユーザー数とトランザクション・ユーザー内の SIP セッション ID を出力する場合:
- Jacl の使用:
$AdminControl invoke $apps dumpAllTUSipSessionIds
- Jython を使用:
AdminControl.invoke (apps, "dumpAllTUSipSessionIds")
この情報は、次の形式で提供されます。DumpSessionsTest 1 local.1349965420866_1_0 true local.1349965420866_1_0_1
[TU_ID] [hasSIPSession] [SipSessionId]
- Jacl の使用:
- 詳細 dumpAllTUSipSessionDetails メソッドを使用して、トランザクション・ユーザー数とトランザクション・ユーザー内の SIP セッション ID の詳細を出力する場合:
- Jacl の使用:
$AdminControl invoke $apps dumpAllTUSipSessionDetails
- Jython を使用:
AdminControl.invoke (apps, "dumpAllTUSipSessionDetails")
この情報は、次の形式で提供されます。DumpSessionsTest 1 local.1349965420866_1_0 true local.1349965420866_1_0_1 8-8548@9.148.57.128 2 false INVITE local.1349965420866_1 Jan 24,2013 14:41 TestSSAttr1; TestSSAttr2;
[TU_ID] [hasSIPSession] [SipSessionId] [Call-Id] [DialogState] [hasOutgoingTransaction] [initialMethod] [SAS_ID] [CreationTime] [attributes]
- Jacl の使用:
- 詳細 dumpSASDetails メソッドを使用して、sasID パラメーターによって指定される SIP アプリケーション・セッションの詳細を出力します。
- Jacl の使用:
$AdminControl invoke $apps dumpSASDetails $sasId
- Jython を使用:
AdminControl.invoke (apps, "dumpSASDetails ", "sasId")
要求されたセッションが存在しない場合は、エラー・メッセージが表示されます。 以下に例を示します。local.1358950127352_20 Jan 23,2013 16:19 TestSASAttr1; TestSASAttr2;
ERROR: Requested session <local.1358950127352_20> does not exist.
- Jacl の使用:
- 詳細 dumpSipSessionDetails メソッドを使用して、sessionId パラメーターによって指定される SIP セッションの詳細を出力します。
- Jacl の使用:
$AdminControl invoke $apps dumpSipSessionDetails $sessionId
- Jython を使用:
AdminControl.invoke (apps, "dumpSipSessionDetails", "sessionId")
要求されたセッションが存在しない場合は、エラー・メッセージが表示されます。 以下に例を示します。local.1358950127352_21_20_1 local.1358950127352_21 Jan 23,2013 16:22 TestSSAttr1; TestSSAttr2;
エラー: 要求されたセッション <local.1358950127352_21_20_1> は存在しません。
- Jacl の使用: