動的キャッシュ・サービスの設定

このページを使用して、動的キャッシュ・サービス設定を構成および管理します。

この管理コンソール・ページを表示するには、「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「WebSphere Application Server」 > server_name > 「コンテナー・サービス」 > 「動的キャッシュ・サービス」とクリックします。

サーバー始動時にサービスを使用可能にする

サーバーの始動時に動的サーブレット・キャッシュ・サービスが開始します。

重要: このオプションは、WebSphere Application Server V6.1 サーバーでは表示されますが、WebSphere Application Server V7.0 サーバーでは使用できません。

サーブレットのキャッシュを使用可能にする

「Web コンテナー」パネルでサーブレットのキャッシュを使用可能にすると、動的サーブレット・キャッシュ・サービスが開始されます。

ポートレットのキャッシュを使用可能にする

動的ポートレット・キャッシュ・サービスを開始するには、「ポートレット・コンテナー」パネルでサーブレットのキャッシュ、次いでポートレット・フラグメントのキャッシュを使用可能にします。

キャッシュ・プロバイダー

デフォルトの動的キャッシュ・プロバイダーと代替キャッシュ・プロバイダー のどちらを使用するようにサーバーを構成するのかを指定します。使用可能な代替キャッシュ・プロバイダー がある場合、使用可能キャッシュ・プロバイダーのリストに示されます。

トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): 代替キャッシュ・プロバイダーとして WebSphere eXtreme Scale が使用可能な場合、"概要: 動的キャッシュ"トピックおよび"WebSphere eXtreme Scale 動的キャッシュ・プロバイダーを使用するための動的キャッシュ (DynaCache) の構成"トピックで、WebSphere Application Server での WebSphere eXtreme Scale のセットアップおよび使用についての説明を参照してください。gotcha

キャッシュ・サイズ

キャッシュが保持する最大エントリー数の値として正の整数を指定します。

このフィールドにキャッシュ・サイズ値を 100 から 200,000 の範囲で入力します。

デフォルト優先順位

キャッシュ・エントリーのデフォルト優先順位を指定します。 これにより、キャッシュがフル・キャッシュに存在する時間が決まります。

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デフォルト 1
範囲 1 から 255

メモリー・キャッシュ・サイズの制限

メモリー・キャッシュのサイズを指定します。

このフィーチャーを使用して、JVM ヒープに関してキャッシュを制約します。キャッシュ・サイズを MB 単位で指定できるだけでなく、動的キャッシュでは、使用されるキャッシュ・ヒープの高水準点と低水準点を設定することもできます。キャッシュ・ヒープ・メモリーが高水準点に達すると、動的キャッシュは、キャッシュが低水準点に下がるまで、最低使用頻度 (LRU) アルゴリズムを使用してディスクから破棄または削除されます。JVM ヒープに関してキャッシュを制限するこの機能は、キャッシュに入っているオブジェクトがサイズ変更可能インターフェースを実装する場合にのみ使用可能となります。このインターフェースには、キャッシュに入っているオブジェクトのサイズをバイト単位で返すメソッドが含まれています。動的キャッシュは、このサイズ変更可能インターフェースを使用してキャッシュのヒープ・サイズを見積もります。

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デフォルト -1 (メモリー・キャッシュ・サイズの制限を使用不可にします)
範囲 1 から最大の整数

メモリー・キャッシュ・サイズ

最大メモリー・キャッシュ・サイズの値をメガバイト (MB) 単位で指定します。

上限しきい値

メモリー・キャッシュ除去ポリシーの開始時を示す高水準点を指定します。このしきい値は、メモリー・キャッシュ・サイズ (メガバイト (MB) 単位) のパーセンテージに換算して表します。デフォルト値は 95% です。

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1 から 100

下限しきい値

メモリー・キャッシュ除去ポリシーの終了時を示す低水準点を指定します。このしきい値は、メモリー・キャッシュ・サイズ (メガバイト (MB) 単位) のパーセンテージに換算して表します。デフォルト値は 80% です。

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1 から 100

ディスク・オフロードを使用可能にする

ディスク・オフロードを使用可能にするかどうかを指定します。

デフォルトでは、動的キャッシュには、 メモリーに構成されるエントリーの数が保持されます。 キャッシュが満杯であるのに新規エントリーが作成された場合、 各キャッシュ・エントリーに対し、最低使用頻度 (LRU) アルゴリズムを使用するよう構成された優先順位が適用され、キャッシュからエントリーが除去されます。 キャッシュがフルの場合のキャッシュ・エントリーのメモリーからの除去だけでなく、 ディスク・オフロードを使用可能にして、ファイル・システムへ キャッシュ・エントリーをコピーできます (ロケーションは構成可能です)。 後でそのキャッシュ・エントリーが必要な場合に、ファイル・システムからメモリーに移動されます。

ディスク・オフロードを使用可能にする前に、以下を考慮してください。
  • ディスクにオフロードされるキャッシュ・エントリー数は指定できません。
  • 使用するディスク・スペースの大きさは指定できません。

オフロード位置

ディスク・オフロードを使用可能にした場合にキャッシュ・エントリーを保存する、 ディスク上のロケーションを指定します。

ディスク・オフロード・ロケーションが指定されていない場合は、 デフォルトのロケーションである ${WAS_TEMP_DIR}/node/server name/_dynacache/cache JNDI name が使用されます。 ディスク・オフロード・ロケーションを指定すると、 ノード、サーバー名、およびキャッシュ・インスタンス名が付加されます。 例えば、${USER_INSTALL_ROOT}/diskoffload は、 ロケーションを ${USER_INSTALL_ROOT}/diskoffload/node/server name/cache JNDI name として生成します。 この値は、ディスク・オフロードが使用可能になっていない場合は無視されます。

${WAS_TEMP_DIR} プロパティーのデフォルト値は、${USER_INSTALL_ROOT}/temp です。 WebSphere Application Server を始動した後、${WAS_TEMP_DIR} プロパティーの値を変更しても、 ディスク・キャッシュ・コンテンツを新しいロケーションに移動しなければ、以下のようになります。
  • Application Server は、ディスク・オフロード・ロケーションに新規ディスク・キャッシュ・ファイルを作成します。
  • 「ディスクへのフラッシュ」設定が使用可能である場合にアプリケーション・サーバーを再始動すると、 古いロケーションにあるディスク・キャッシュ・コンテンツがすべて失われます。
ディレクトリーを指定するときは、以下を考慮します。
  • [AIX Solaris HP-UX Linux Windows]一定の期間に数多くのオブジェクトや大きなオブジェクトをキャッシュに格納することが予想される場合は、Windows オペレーティング・システムの場合は別のディスク・ドライブを、UNIX プラットフォームの場合は別のファイル・システムを使用することを検討してください。
  • デフォルト・ディレクトリーを使用していてディスクが満杯になり、ログ・ファイルにメッセージを書き込む必要があるにも関わらず、そのスペースがない場合には、WebSphere Application Server が停止する可能性があります。
  • [AIX][HP-UX][Linux][Solaris]UNIX プラットフォームで /tmp などのディレクトリーを指定した場合にそのディレクトリーが満杯になると、システムに対するログオン問題が発生する可能性があります。
  • オペレーティング・システムによっては、ディスクが満杯であることを示すメッセージがコンソールに表示されます。

ディスクへのフラッシュ

サーバーが停止した場合に、メモリー内のキャッシュ・オブジェクトをディスクに 保存するかどうかを指定します。この値は、「ディスク・オフロードを使用可能にする」が選択されない場合は無視されます。

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デフォルト false

ディスク・キャッシュ・サイズ (GB) の制限

最大ディスク・キャッシュ・サイズの値を GB 単位で指定します。このオプションを選択した場合は、正整数の値を指定できます。 このオプションをブランクにしておくことは、サイズを無制限とすることを示します。 この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。

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3 以上

ディスク・キャッシュ・サイズの制限 (エントリー数)

最大ディスク・キャッシュ・サイズの値をエントリー数で指定します。このオプションを選択した場合は、正整数の値を指定できます。 このオプションをブランクにしておくことは、サイズを無制限とすることを示します。 この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。

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0 から MAXINT。値 0 は、サイズを無制限にすることを示します。

ディスク・キャッシュ・エントリー・サイズの制限

個々のディスク・キャッシュ・エントリーの最大サイズの値を MB 単位で指定します。この値より大きいキャッシュ・エントリーは、メモリーから削除されると、ディスクにオフロードされません。このオプションを選択した場合は、正整数の値を指定できます。 このオプションをブランクにしておくことは、サイズを無制限とすることを示します。 この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。

通知
0 から MAXINT。値 0 は、サイズを無制限にすることを示します。

ディスク・キャッシュ・パフォーマンス設定

ディスク・キャッシュが必要とするパフォーマンスのレベルを指定します。 この設定は、キャッシュの「enableDiskOffload」が指定されている場合にのみ適用されます。 パフォーマンス・レベルによって、メモリー・リソースがバックグラウンド・アクティビティーでどのように使用されるか、 例えば、キャッシュ・クリーンアップ、有効期限、ガーベッジ・コレクションなどが変わります。 この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。

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High performance and high memory usage すべてのメタデータがメモリー内に保持されることを示します。
Balanced performance and balanced memory usage メタデータの一部をメモリー内に保持することを示します。これは、デフォルトのパフォーマンス設定であり、多くのユーザーにとって、パフォーマンスとメモリー使用のバランスが最適となります。
Low performance and low memory usage 限られたメタデータがメモリー内に保持されることを示します。
Custom performance 上記のバックグラウンド・アクティビティーをサポートするために使用するメモリー設定を管理者が明示的に構成することを示します。管理者は、これらの値を DiskCacheCustomPerformanceSettings オブジェクトを使用して設定します。

ディスク・キャッシュ・クリーンアップの頻度

ディスク・キャッシュ・クリーンアップの頻度を分単位で指定します。 値を 0 に設定した場合、クリーンアップが実行されるのは 深夜 12 時のみです。この設定は、 ディスク・オフロードのパフォーマンス・レベルが low、balanced、または custom の場合にのみ適用されます。 ハイパフォーマンス・レベルでは、ディスクのクリーンアップが必要とならないため、この値は無視されます。

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0 から 1440

メタエントリーごとのキャッシュ ID の最大バッファー

メモリー内のディスク・キャッシュ・メタデータの、個々の依存 ID または テンプレートに保管される、キャッシュ ID の最大数の値を指定します。 この制限を超える場合、情報は、ディスクにオフロードされます。 この設定は、ディスク・オフロードのパフォーマンス・レベルが「CUSTOM」の場合にのみ適用されます。

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100 から MAXINT

依存 ID の最大バッファー

メモリー内のディスク・キャッシュ・メタデータの依存 ID バケットの最大数の値を指定します。 この制限を超える場合、情報は、ディスクにオフロードされます。 この設定は、ディスク・キャッシュのパフォーマンス・レベルが custom の場合にのみ適用されます。

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100 から MAXINT

テンプレートの最大バッファー

メモリー内のディスク・キャッシュ・メタデータに存在するテンプレート・バケットの最大数の値を指定します。 この制限を超える場合、情報は、ディスクにオフロードされます。 この設定は、ディスク・キャッシュのパフォーマンス・レベルが custom の場合にのみ適用されます。

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10 から MAXINT

ディスク・キャッシュの除去アルゴリズム

上限しきい値に達したときにエントリーを削除するためにディスク・キャッシュが使用する除去アルゴリズムを指定します。この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。 この設定は、ディスク・キャッシュの除去ポリシーが「なし」に設定されている場合には適用されません。

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なし 除去ポリシーはありません。このためディスク・キャッシュは、限界まで、つまり動的キャッシュ・サービスがディスクへの書き込みを停止するまで拡張する可能性があります。
ランダム ディスク・サイズが上限しきい値に達した場合、ディスク・キャッシュのガーベッジ・コレクターが起動し、ディスク上のエントリーをランダムに選択して、サイズが下限しきい値に達するまでそれらを除去します。
サイズ ディスク・サイズが上限しきい値に達すると、ディスク・キャッシュのガーベッジ・コレクターが起動して、ディスク上の最も大きいエントリーを選択し、ディスク・サイズが下限しきい値に達するまでそれらのエントリーを削除します。

上限しきい値

除去ポリシーがいつ実行されるのかを指定します。しきい値は、GB 単位、またはエントリー数でのディスク・キャッシュ・サイズに対するパーセンテージで表されます。 ディスク・キャッシュ・サイズの制限 (GB 単位)、またはディスク・キャッシュ・サイズの制限 (エントリー数) が指定されているときには、低い値を使用します。この設定は、ディスク・キャッシュの除去ポリシーが「なし」に設定されている場合には適用されません。

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1 から 100

下限しきい値

除去ポリシーがいつ終了するのかを指定します。しきい値は、GB 単位、またはエントリー数でのディスク・キャッシュ・サイズに対するパーセンテージで表されます。 ディスク・キャッシュ・サイズの制限 (GB 単位)、またはディスク・キャッシュ・サイズの制限 (エントリー数) で指定された値の小さい方の値が使用されます。 この設定は、ディスク・キャッシュの除去ポリシーが「なし」に設定されている場合には適用されません。

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1 から 100

キャッシュ複製を使用可能にする

キャッシュ複製を使用して、 同じ複製ドメイン内に構成されている複数のアプリケーション・サーバーにキャッシュ・エントリーをコピーします。

フル・グループ複製ドメイン

データの複製元となる複製ドメインを指定します。

定義されたいずれかの複製ドメインから選択します。 リストされた複製ドメインがない場合は、クラスター作成時、 または「環境」 > 「内部複製ドメイン」 > 「新規」をクリックして、管理コンソール内で手動で複製ドメインを作成しなければなりません。動的キャッシュ・サービスで使用するために選択された複製ドメインは、「全グループ・レプリカ」を使用しなければなりません。 複製コンシューマー間で複製ドメインを共有することはできません。 動的キャッシュは、セッション・マネージャーまたはステートフル・セッション Bean とは別の複製ドメインを使用する必要があります。

複製タイプ

このアプリケーション・サーバーのグローバル共有ポリシーを指定します。

使用可能な設定は次のとおりです。
  • push と pull の両方」は、複製ドメイン内の他のサーバーに、新しく更新されたコンテンツのキャッシュ ID を送ります。 次に、その他のサーバーのいずれかがコンテンツを要求したときに、そのサーバーが、事前に更新されたコンテンツのキャッシュ・エントリーの ID を持っている場合、そのサーバーは公開サーバーからコンテンツを取得します。または、事前に公開されていない ID に対して要求が行われた場合は、サーバーは、それがクラスター内に存在しないと見なして、エントリーを作成します。
  • push のみ」は、複製ドメイン内の他のすべてのサーバーに新しいコンテンツのキャッシュ ID およびキャッシュ・コンテンツを送ります。
  • 共有しない」設定を使用している場合は、キャッシュ・エントリーの作成時に、キャッシュ・コンテンツとキャッシュ ID のどちらも、複製ドメイン内の他のサーバントまたはサーバーに伝搬されません。しかし、無効化は他のサーバントまたはサーバーに伝搬されます。共有ポリシーは、複数の異なるレベルで設定することができます。すべてのキャッシュのデフォルト・ポリシーであるグローバル共有ポリシーは、動的キャッシュ・サービスの構成時に定義されます。この共有ポリシーは、cachespec.xml ファイルを変更することによって上書きできます。 cachespec.xml ファイルについて詳しくは、cachespec.xml ファイルのトピックを参照してください。さらに、キャッシュ・エントリーの作成時に、アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) レベルで共有ポリシーを上書きできます。
デフォルトは「共有しない」です。

「共有しない」が選択されている場合、cachespec.xml ファイル内に 「なし」が指定されています。

push 頻度

新しいキャッシュ・エントリーまたは変更したキャッシュ・エントリーを他のサーバーにプッシュするまで待機する時間 (秒) を指定します。

このプロパティーの値を 1 以上に設定すると、アプリケーション・サーバーは、時間枠内に作成または変更されたすべてのキャッシュ・エントリーを他のサーバーにプッシュします。このプロパティーを 0 または負の値に設定すると、アプリケーション・サーバーはプロパティーの値をデフォルト値 (1) に変換します。


トピックのタイプを示すアイコン 参照トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=udyn_rcachesettings
ファイル名:udyn_rcachesettings.html