アウトバウンド・トランスポート・オプション
メッセージ送信できるようにメッセージング・エンジンを構成する場合、構成可能なオプションには、メッセージング・エンジンが他のメッセージング・エンジンや IBM MQ キュー・マネージャー (メッセージを収集し、受信したメッセージを送信する) との接続を確立する方法などがあります。
トランスポート・チャネル・サービスは、サービス統合のためのネットワーク・トランスポートの構成を管理します。 ただし、アウトバウンド・トランスポート・オプションの操作は高度な管理 オペレーションであるため、一部の構成は wsadmin ツールで実行が可能です。
デフォルトのサーバー・テンプレートからアプリケーション・サーバーを作成するとき、 またはクライアント・コンテナーを開始するときには、 いくつかのアウトバウンド・トランスポート・チェーンが既に構成されています。
- ブートストラッピング用にネットワーク接続を確立するため。 この作業には、別のセル内のアプリケーション・サーバーとの接続を確立 することも含まれます。その理由は、例えば、サービス統合バス・リン ク用にこの接続が必要になるためです。
- IBM MQ リンクから IBM MQ キュー・マネージャーの受信側チャネルへの接続を確立するため。
ネットワーク接続を確立する際には、使用するアウトバウンド・トラン スポート・チャネル内のチャネルのタイプおよび順序が、接続先のサーバー のインバウンド・トランスポート・チェーン内のチャネルのタイプおよび 順序と一致している必要があります。例えば、アウトバウンド HTTP ト ンネリング・チェーンは、インバウンド HTTP トンネリング・チェーンと の接続の確立に限り適切です。
- BootstrapBasicMessaging
- アプリケーション・サーバーへの接続に TCP のみを使用するように構 成されているインバウンド・チェーン (InboundBasicMessaging チェーンな ど) とのブートストラップ接続を確立するために使用します。
- BootstrapSecureMessaging
- Secure Sockets Layer (SSL) ベースの暗号化を用いたセキュア接続を 確立するために使用します。使用する SSL 構成は、アプリケーション・サーバー環境で使 用する場合はデフォルトの SSL レパートリーから用いられ、クライアント・コンテナーで使 用する場合は構成ファイルから用いられます。詳しくは、セキュア・トランスポートの構成要件を参照してください。 このチェーンは、SSL を使用するように構成されているインバウンド・ チェーン (InboundSecureMessaging チェーンなど) とのブートストラップ接続を確 立するために使用できます。そのような接続が正常に確立するかどうかは、 このブートストラップ・アウトバウンド・チェーンに加えて、接続先の インバウンド・チェーンにも関連付けられた SSL クレデンシャルの 互換性のあるセットによって決まります。
- BootstrapTunneledMessaging
- HTTP を介したトンネリング時の接続に使用します。
- BootstrapTunneledSecureMessaging
- セキュア HTTP (HTTPS) を介してトンネリングするブートストラッピン グ接続を確立するために使用します。BootstrapSecureMessaging アウトバウンド・チェーン と同様に、このチェーンもその SSL 構成を、アプリケーション・サーバーで 使用する場合はデフォルトの SSL レパートリーから、またはクライアント・ コンテナーで使用する場合は構成ファイルから受け継ぎます。セキュア・トランスポートの構成要件を参照してください。
ブートストラップ・オペレーションのためにアプリケーション・サーバ ーが使用するアウトバウンド・チェーンは、サーバーの定義時に定義されます。 このアウトバウンド・チェーンは wsadmin ツールを 使用して変更したり、新しいブートストラップ・チェーンを定義したりできます。ブートストラッピングのアウトバウンド・チェーンの定義およびIBM MQ 相互協調処理のアウトバウンド・チェーンの定義を参照してください。
クライアント・コンテナーが使用するブートストラップ・アウトバウンド・チェーンを構成することはできません。 ただし、SSL 暗号化プロトコルを使用するアウトバウンド・チェーンの属性の一部は構成可能です。 詳しくは、セキュア・トランスポートの構成要件を参照してください。
- JMS 接続ファクトリーのプロバイダーのエンドポイント。 デフォルトのメッセージング・プロバイダーの統合された接続ファクトリー [設定]を参照してください。
- サービス統合バス・リンクのブートストラップ・エンドポイント。 サービス統合バス・リンク [設定]を参照してください。
- OutboundBasicMQLink
- IBM MQ キュー・マネージャーの受信側チャネルとの接続を確立するために使用します。
- OutboundSecureMQLink
- SSL により保護されている IBM MQ キュー・マネージャーの受信側チャネルとの接続を確立するために使用します。使用する SSL 構成は、 キュー・マネージャーとの連絡を取るために使用しているアプリケーション・ サーバーのデフォルトの SSL レパートリーから用いられます。
WebSphere® MQ リンクのトランスポート・チェーンを構成する際には、IBM MQ 相互運用で使用するアウトバウンド・チェーンの名前が必要です。
デフォルトでは、これらのトランスポート・チェーンはすべて、SIBFAPThreadPool スレッド・プールを使用してデータを送信するように構成されています。 通常は、このスレッド・プールの最小サイズまたは最大サイズを変更する必要はありません。