システム全体の正常性のモニター

システムに含まれるすべてのシステムの正常性を把握するには、 システム全体の正常性をモニターすることが根本的に重要です。 システムには、Web サーバー、アプリケーション・サーバー、データベース、バックエンド・システム、および Web サイトの実行に不可欠なその他のシステムが含まれます。

始める前に

いずれかのシステムで問題が発生した場合、 servlet is slow というメッセージが表示される場合があります。 IBM® および他のビジネス・パートナー数社は WebSphere® API を利用してパフォーマンス・データを取り込み、これを総合的な常時モニター・ソリューションに組み込んでいます。 WebSphere Application Server は Performance Monitoring Infrastructure (PMI) データを提供して、WebSphere Application Server 環境の全体的な正常性をモニターできるようにしています。PMI は、WebSphere Application Server のリソース、アプリケーション・リソース、およびシステム・メトリックに関する平均統計を提供します。 WebSphere Application Server では多くの統計が使用できます。問題を検出するためにご使用のサイトのリソースを最も直接的に測定できる統計を知る必要があります。

このタスクについて

表 1. システム全体の正常性のモニター. システム全体の正常性をモニターするには、少なくとも以下の統計をモニターします。
メトリック 意味
平均応答時間 例えば、サーブレット、エンタープライズ Bean などの応答時間の統計が含まれます。 応答時間の統計は、WebSphere Application Server のさまざまな部分でどれだけの時間が費やされているかを明らかにするため、問題のある場所 (例えば、サーブレットやエンタープライズ Bean) を迅速に特定できる場合があります。
要求の数 (トランザクション) WebSphere Application Server によって処理されるトラフィックの量を調べることができ、管理しなければならない容量の決定に役立ちます。トランザクションの数が増えると、システムの応答時間も増える場合があるので、 増加したトラフィックを処理するためにさらにシステム・リソースを追加するか、または システムを再調整する必要があることが分かります。
実行されている HTTP セッションの数 ライブ HTTP セッションの数は、ご使用のサイトの同時使用を示します。 同時に実行されているセッションが増えれば、必要なメモリーも増えます。ライブ・セッションの数が増えたときは、セッション・タイムアウト値または Java™ 仮想マシン (JVM) ヒープ・サイズを調整してください。
[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]Web サーバーのスレッド・プール [AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]Web サーバー・スレッド・プール、 Web コンテナー・スレッド・プール、オブジェクト・リクエスト・ブローカー (ORB) スレッド・プール、 およびデータ・ソースまたは接続プールのサイズを一緒に把握します。これらのスレッド・プールのサイズによって、 パフォーマンスが制約される場合があります。スレッド・プールの設定が小さすぎたり、大きすぎたりすると、 パフォーマンス上の問題が発生します。スレッド・プールの設定が大きすぎると、 システムで必要なメモリー量に影響があるか、またはダウンストリーム・リソースが 大量の処理の流入を処理できない場合は、多すぎる処理がダウンストリームからフローされることがあります。 スレッド・プールの設定が小さすぎると、ダウンストリーム・リソースがワークロードの増加を処理できる場合でも、 ボトルネックが生じることがあります。
[AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i]Web スレッド・プールおよび Enterprise JavaBeans (EJB) スレッド・プール
データベースおよび接続プール・サイズ
Java 仮想メモリー (JVM) JVM メトリックを使用して、ガーベッジ・コレクションの頻度を含む JVM ヒープ・ダイナミックスを理解します。 このデータは、最良のヒープ・サイズを設定する際に役立ちます。 さらに、このメトリックを使用して、潜在的なメモリー・リークを識別します。
CPU これらのシステム・リソースを監視して、 ワークロード・キャパシティーを処理するのに十分なシステム・リソース (CPU、I/O、ページングなど) があることを 確認する必要があります。
I/O
システム・ページング

[z/OS]WebSphere Application Server for z/OS® は、一部のアカウンティング・データおよびパフォーマンス・データの収集に WLM サービスを使用します。

[z/OS]Resource Measurement Facility (RMF™) および RMF で作成されたシステム管理機能 (SMF) は、現在のパフォーマンスおよびアカウンティング情報を WebSphere Application Server に記録します。さらに、WebSphere Application Server for z/OS には、ドメイン固有の追加情報を収集する SMF レコードがあります。

[z/OS]この情報が必要ない場合は、管理コンソールと SMFPRMxx parmlib メンバーを使用して、SMF レコードまたは RMF データをオフにします。SMFPRMxx parmlib メンバーは、WebSphere Application Server for z/OS SMF レコードの詳細の制御に使用します。 SMF 情報が必要な場合は、SMF レコードを検討して、必要なレコード・タイプと詳細のみを収集していることを確認します。

[z/OS]このセクションでは、 ワークロード・マネージャーの目標およびフィルター処理基準のセットアップについては説明しません。 ユーザー ID とサーバー名に基づいて、作業をサービス・クラスに分類できます。 制御領域を、適度に高いパフォーマンスのシステム・タスクとして分類します。

これらの統計のいくつかをモニターするために、WebSphere Application Server ではデータを取得するための Performance Monitoring Infrastructure が用意されており、管理コンソールにはこのデータを表示するための Tivoli® Performance Viewer が用意されています。

[AIX Solaris HP-UX Linux Windows]これらの統計のいくつかをモニターするために、WebSphere Application Server ではデータを取得するための Performance Monitoring Infrastructure が用意されており、また、管理コンソールにはこのデータを表示するために Tivoli Performance Viewer と、オプションで IBM Tivoli Composite Application Manager for WebSphere Application Server が用意されています。

手順

  1. 管理コンソールを使用して、PMI によるデータ収集の開始を有効にします。
  2. Tivoli Performance Viewer、IBM Tivoli Optimizer for WebSphere Application Server、またはその他のサード・パーティーのパフォーマンス・モニターおよび管理ソリューションを使用して、パフォーマンスをモニターします。
  3. [AIX Solaris HP-UX Linux Windows]Tivoli Performance Viewer、IBM Tivoli Composite Application Manager for WebSphere Application Server、またはその他のサード・パーティーのパフォーマンス・モニターおよび管理ソリューションを使用して、パフォーマンスをモニターします。
  4. 独自のモニター・アプリケーションを開発するか、または PMI を拡張して、 モニター機能を拡張します。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: last_date
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tprf_monitoringhealth
ファイル名:tprf_monitoringhealth.html