SIP アプリケーション・ルーターの構成
Session Initiation Protocol (SIP) アプリケーション・ルーターを使用して、 SIP アプリケーションを起動する順序を選択します。SIP アプリケーション・ルーターを構成するときには、 デフォルトのアプリケーション・ルーターを使用することも、 カスタム・アプリケーション・ルーターを作成することもできます。
このタスクについて
SIP コンテナーには、
デフォルト・アプリケーション・ルーター (DAR) というアプリケーション・ルーター・コンポーネントが用意されています。
DAR コンポーネントは、Java™ プロパティー・ファイルに類似した構成テキスト・ファイルを使用します。
このファイルは、アプリケーション・ルーターが SIP 要求をアプリケーションに送信する順序を定義します。
制約事項: WebSphere® Application Server では、
「始動の動作」設定を使用して SIP アプリケーションの呼び出し順序をソートするデフォルトの方法が用意されています。
ソート順序はアプリケーションのウェイトに基づきます。このウェイト付けポリシーは、
DAR 構成ファイルを指定しない場合、またはカスタム・アプリケーション・ルーターが
サーバーにもクラスターにも関連付けられていない場合にのみ適用されます。
手順で説明するように、DAR またはカスタム・アプリケーション・ルーターのいずれかを使用して、 アプリケーション・ルーティングを行うことができます。
以下の手順を使用して、ご使用の構成に SIP アプリケーション・ルーターを実装する最適な方法を 選択してください。
手順
- DAR 構成ファイルによって DAR コンポーネントを使用します。
- 管理コンソールで、「環境」 > 「SIP アプリケーション・ルーター」をクリックします。 テーブルに、DAR コンポーネントを含む、 使用可能なアプリケーション・ルーターのリストが表示されます。
- 「DefaultSIPApplicationRouter」リンクをクリックします。
- アプリケーション・ルーターに関連付けられているサーバーおよびクラスターのターゲットのリストが「ターゲット」テーブルに表示されます。
- ターゲットは使用可能である場合と使用可能でない場合があります。 アプリケーション・ルーターのターゲットを変更するには、SIP アプリケーション・ルーター・パネルに進み、ルーター名をクリックし、ターゲットがリストされているかどうか確かめます。 ターゲットがリストされている場合は、ターゲットを選択して、「アプリケーション・ルーターに移動」ボタンをクリックします。 ドロップダウン・メニューによって、別のアプリケーション・ルーターを選択できます。
- 「DefaultSIPApplicationRouter」の場合は、ターゲット・リンク名をクリックして、そのターゲットのアプリケーション・ルーティング構成を設定します。
- DAR 構成ファイルを使用するために「拡張アプリケーション・ルーティング・ルール (DAR 構成)」をクリックして、 「適用」をクリックします。
- 「ルーティング・ルールの構成」をクリックして、 ルーティング・ルールを表示または編集します。
- 既存の DAR 構成ファイルがある場合は、「インポート...」ボタンをクリックして、 新しい DAR 構成ファイルをアップロードすることができます。 「ファイルのインポート」ウィンドウが表示されたら (このウィンドウで当該ファイルを参照してアップロードできます)、「 インポート」ボタンをクリックします。
- 「DAR 構成ファイル」ページにある「新規」、「削除」、「上へ移動」、および「下へ移動」の各ボタンを使用して、ルーティング・ルールを作成および変更します。
- 「保存」をクリックして、行った変更をマスター構成に直接保存してから、サーバーまたはクラスターを再始動して変更を取得します。
- 手動でのアプリケーションの順序付けによって DAR コンポーネントを使用します。
- 管理コンソールで、「環境」 > 「SIP アプリケーション・ルーター」をクリックします。 テーブルに、DAR コンポーネントを含む、 使用可能なアプリケーション・ルーターのリストが表示されます。
- 「DefaultSIPApplicationRouter」リンクをクリックします。
- アプリケーション・ルーターに関連付けられているサーバーおよびクラスターのターゲットのリストが「ターゲット」テーブルに表示されます。
- ターゲットは使用可能である場合と使用可能でない場合があります。 アプリケーション・ルーターのターゲットを変更するには、SIP アプリケーション・ルーター・パネルに進み、ルーター名をクリックし、ターゲットがリストされているかどうか確かめます。 ターゲットがリストされている場合は、ターゲットを選択して、「アプリケーション・ルーターに移動」ボタンをクリックします。 ドロップダウン・メニューによって、別のアプリケーション・ルーターを選択できます。
- 「DefaultSIPApplicationRouter」の場合は、ターゲット・リンク名をクリックして、そのターゲットのアプリケーション・ルーティング構成を設定します。
- ターゲットからのアプリケーション順序を使用するために 「基本アプリケーション開始順序」をクリックして、 「適用」をクリックします。
- 「アプリケーション開始順序の構成」をクリックして、 このターゲット上のアプリケーションのアプリケーション始動順序のウェイトを表示します。
- アプリケーションの「開始順序のウェイト」列に数値を入力します。 始動順序のウェイトは、
SIP アプリケーション・ルーターが SIP 要求をアプリケーションに送信する順序を決定します。
これらの値は、サーバーの再始動後のアプリケーションの始動順序も決定します。
始動値が低いアプリケーションから順に開始されます。制約事項: 1 つのエンタープライズ・アーカイブ (EAR) アプリケーション・ファイル内に 2 つ以上の SIP アプリケーションがバンドルされている場合、 バンドルされた SIP アプリケーションは同じウェイトになります。より複雑なルーティング・ルールが必要な場合は、 別のアプリケーション・ルーター方法を使用する必要があります。
- 「更新」をクリックします。
- 「保存」をクリックして、行った変更をマスター構成に直接保存してから、サーバーまたはクラスターを再始動して変更を取得します。
重要: CEA サンプル・パッケージには、構成変更を自動化するスクリプトの開発と検査を簡素化するために使用できる wsadmin (Jython) スクリプト・ ライブラリーが組み込まれています。詳しくは、CEA の wsadmin (Jython) スクリプト・プロシージャーに関する説明を 参照してください。 - カスタム・アプリケーション・ルーターを使用します。
- 管理コンソールで、「環境」 > 「SIP アプリケーション・ルーター」をクリックします。 テーブルに、DAR コンポーネントを含む、 使用可能なアプリケーション・ルーターのリストが表示されます。
- リストからカスタム SIP アプリケーション・ルーターを選択するか、 「新規」をクリックして新規ルーターを作成します。 「構成」タブに、アプリケーション・ルーターの名前および アプリケーション・ルーターのプロバイダー名が表示されます。アプリケーション・ルーターのプロバイダー名は、 カスタム・アプリケーション・ルーターの実装の完全修飾クラス名に設定しなければなりません。
- Java アーカイブ (JAR) ファイルを
サーバーのクラスパスに入れます。 例えば、JAR ファイルを java_home/lib/ext ディレクトリーに
入れます。このディレクトリーがサーバーのクラスパスに組み込まれていることを確認してください。
トラブルの回避 (Avoid trouble): このパスを 「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「Websphere アプリケーション・サーバー」 > 「server_name」 > 「SIP コンテナー」 > 「Java およびプロセス管理」 > 「プロセス定義」 > 「Java 仮想マシン」 > 「クラスパス」エントリーに 追加しないでください。これを行うと競合が発生するおそれがあります。gotcha
- 必要に応じて、必須フィールドに情報を入力するか、編集します。 必須フィールドはアスタリスク (*) で識別されます。
- 「適用」をクリックしてから「保存」をクリックして、行った変更をマスター構成に直接保存します。
- アプリケーション・ルーターのターゲットを変更するには、ルーター名をクリックし、ターゲットがリストされているかどうか確かめます。 ターゲットがリストされている場合は、ターゲットを選択して、「アプリケーション・ルーターに移動」ボタンをクリックします。 ドロップダウン・メニューによって、別のアプリケーション・ルーターを選択できます。
- 「保存」をクリックして、行った変更をマスター構成に直接保存してから、サーバーまたはクラスターを再始動して変更を取得します。
重要: CEA サンプル・パッケージには、構成変更を自動化するスクリプトの開発と検査を簡素化するために使用できる wsadmin (Jython) スクリプト・ ライブラリーが組み込まれています。詳しくは、CEA の wsadmin (Jython) スクリプト・プロシージャーに関する説明を 参照してください。 - カスタム・プロパティーを使用して、SIP アプリケーション・ルーターを構成します。 以下のカスタム・プロパティーを使用して、
DAR またはカスタム・アプリケーション・ルーターを構成できます。これらのカスタム・プロパティーは、
管理コンソールの設定をオーバーライドします。
- 管理コンソールで、「サーバー」 >「サーバー・タイプ」>「WebSphere Application Server」> server_name とクリックします。
- 「コンテナー設定」で、「SIP コンテナー設定」を展開し、「SIP コンテナー」をクリックします。
- 「追加プロパティー」で、「カスタム・プロパティー」をクリックしてから「新規」をクリックします。
- DAR の場合は、javax.servlet.sip.ar.dar.configuration カスタム・プロパティーを使用します。 このプロパティーは、 JSR 289 仕様の付録 C に説明されているように、 アプリケーション・ルーターが SIP 要求をアプリケーションに送信する順序を定義する DAR プロパティー・ファイルのロケーションを指定します。
- カスタム・アプリケーション・ルーターの場合は、javax.servlet.sip.ar.spi.SipApplicationRouterProvider カスタム・プロパティーを使用します。 このプロパティーは、 JSR 289 仕様のセクション 15.4.2 に説明されているように、 カスタム・アプリケーション・ルーターの実装の完全修飾クラス名を指定します。カスタム・アプリケーション・ルーターの実装クラスは、アプリケーション・ルーターが SIP 要求をアプリケーションに送信する順序を定義しています。
- 「保存」をクリックして、行った変更をマスター構成に直接保存してから、サーバーまたはクラスターを再始動して変更を取得します。
タスクの結果
サブトピック
SIP アプリケーション・ルーター・コレクション
SIP アプリケーション・ルーターを作成および削除する場合に、このページを使用します。 Session Initiation Protocol (SIP) アプリケーション・ルーターにより、SIP アプリケーションが初期 SIP 要求で実行される順序を選択できます。SIP アプリケーション・ルーターの設定
SIP アプリケーション・ルーターのコンテナー設定を構成する場合にこのページを使用します。 Session Initiation Protocol (SIP) アプリケーション・ルーターにより、SIP アプリケーションが起動される順序を選択することができます。 デフォルト・アプリケーション・ルーター (DAR) を使用するか、あるいは、SIP サーブレット仕様に準じたカスタム・アプリケーション・ルーターを指定することができます。アプリケーション・ルーティングの順序の設定
デフォルト SIP アプリケーション・ルーター (DAR) が基本アプリケーション開始順序に依存する必要があるか、あるいは、拡張アプリケーション・ルーティング・ルール (DAR 構成) に依存する必要があるかを指定する場合に、このページを使用します。アプリケーション開始順序の設定
Session Initiation Protocol (SIP) 要求がアプリケーションに経路指定される順序を定義するには、このページを使用します。SIP コンテナーのカスタム・プロパティー
以下のカスタム・プロパティーをセッション開始プロトコル (SIP) コンテナーの構成設定に追加できます。デフォルト・アプリケーション・ルーターのルールのコレクション
デフォルト・アプリケーション・ルーター (DAR) のルーティング・ルールを表示または変更したり、新規 DAR 構成ファイルをインポートする場合に、このページを使用します。 DAR は、Session Initiation Protocol (SIP) アプリケーションが起動される順序を選択するために使用できる SIP アプリケーション・ルーターです。デフォルト・アプリケーション・ルーターのルール設定
アプリケーション・ルーター・ルールの詳細を編集する場合にこのページを使用します。
関連概念:


http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=tcea_sipapprouter_cfg
ファイル名:tcea_sipapprouter_cfg.html