データ複製
複製 は、アプリケーション・サーバー間で、データ、オブジェクト、またはイベントを転送するサービスです。 データ複製サービス (DRS) が、データを複製する WebSphere® Application Server 内部のコンポーネントです。
- セッション・マネージャーは、メモリー間の複製を行うよう構成された場合に、データ複製サービスを使用します。 メモリー間の複製が構成された場合、セッション・マネージャーは、複数のアプリケーション・サーバー全体にわたりセッションに関するデータを維持し、単一のアプリケーション・サーバーに障害が発生した場合のセッション・データの喪失を防止します。
- 動的キャッシュは、データ複製サービスを使用して、クラスター内のアプリケーション・サーバー全体にわたりキャッシュ情報をコピーすることで、別々のアプリケーション・サーバーにおいて同一のタスクおよび照会の実行が繰り返されることを防止し、パフォーマンスをさらに改善します。
- ステートフル・セッション Bean は複製サービスを使用し、ステートフル・セッション Bean を使用するサービスが予期しないサーバー障害により制限されないようにします。
DRS がリモート・アプリケーション・サーバーに作成するレプリカ の数を定義できます。 レプリカとは、あるアプリケーション・サーバーから別のサーバーにコピーされるデータのコピーです。 設定されたレプリカの数は、その構成のパフォーマンスに影響を与えます。 レプリカの数が少ないと、データを数多くコピーする必要がないため、より良いパフォーマンスが得られます。 その反面、レプリカの数を増やせば、システムの冗長性が高くなります。 レプリカを多く構成することで、複数のロケーションにデータがバックアップされるため、システム内のアプリケーション・サーバーに起こりうる障害への、システムの耐性が高くなります。
単一レプリカ構成を定義することで、システム内の Single Point of Failure を回避できます。 ただし、システムに障害に対する耐性がより必要な場合は、そのシステムに余分の冗長性を取り入れる必要があります。 DRS で複製された HTTP セッション用に作成したレプリカの数を増やします。 動的キャッシュ・サービスによって使用されるどの複製ドメインの「レプリカの数」プロパティーも、「ドメイン全体」に設定する必要があります。
セッション・マネージャー、動的キャッシュ、およびステートフル・セッション Bean は、複 製の 3 つの コンシューマー です。 コンシューマーは、複製サービスを使用するコンポーネントです。 複製が構成された場合、同じタイプのコンシューマーは、同じ複製ドメイン に属します。 例えば、DRS を使用してオブジェクトを複製するようセッション・マネージャーおよび動的キャッシュの両方を構成する場合は、それぞれのコンシューマーごとに別々の複製ドメインを作成します。 すべてのアプリケーション・サーバー上のすべてのセッション・マネージャーに対し 1 つの複製ドメインを作成し、すべてのアプリケーション・サーバー上の動的キャッシュに対し 1 つの複製ドメインを作成します。 このルールの唯一の例外は、HTTP セッションおよびステートフル・セッション Bean に対して複製を構 成する場合に、1 つの複製ドメインを作成することです。 この場合に 1 つの複製ドメインを構成することで、状態情報のバックアップが同一のバックアップのアプリケーション・サーバーに存在することが確実になります。