Web サービス・トランザクション、高可用性、ファイアウォールおよび仲介ノード

Web Services Atomic Transactions (WS-AT) メッセージ・コンテキストおよび Web サービス・ビジネス・アクティビティー (WS-BA) メッセージ・コンテキストを、ファイアウォールを越えて、または WebSphere® Application Server ドメインの外に伝搬できるよう、システムを構成できます。このように構成すると、異種のシステムにわたって WS-AT または WS-BA を使用する Web サービス・アプリケーションを配布できます。 使用するトポロジーは、 トランザクションの高可用性およびアフィニティーの性質に影響することがあります。

Web サービス・トランザクション (WS-AT または WS-BA) では、トランザクションの高可用性の機能をすべて使用できます。この機能には、あるサーバーを同じクラスター内の別のアクティブ・サーバーでピア・リカバリーを行う機能や、ピア・サーバーにプロトコル・メッセージをリダイレクトして、障害のあるサーバーの作業単位を完了する機能が含まれます。 Web サービス・トランザクションの高可用性を有効にする場合は、ピア・リカバリーのトランザクション・プロパティーの構成に関するトピックを参照してください。 WebSphere Application Server における高可用性およびピア・リカバリーに関する一般情報については、トランザクションの高可用性に関するトピックを参照してください。

別のサーバーまたはクラスターのアプリケーション間で、または WebSphere Application Server システム以外のシステムに、Web サービス・トランザクションが配布される場合、WebSphere Application Server でのトランザクション・サービスの高可用性への影響だけでなく、Web サービス要求のトランザクション・ルーティングのアフィニティーを考慮する必要があります。 リモート・クライアントが、クラスターでデプロイされているターゲット・サービスに一連のトランザクション要求を送信する場合、通常は、同じトランザクションでのその後に続く要求が同じターゲット・サーバーに送信されるよう、 最初の要求がクライアント・アプリケーションからターゲット・サーバーにトランザクションのアフィニティーを確立するようにしたいものです。 トランザクションが完了すると、トランザクションの高可用性フェイルオーバーが発生するまでは トランザクション・プロトコルのメッセージもこの同じターゲット・サーバーに送信されます。

使用可能なトポロジーは、以下のとおりです。
直接接続

このトポロジーはクラスター構成以外の構成に使用してください。このトポロジーには、中間ノードは存在しません。クライアントはターゲット・サービスがホストされている特定の WebSphere Application Server と直接通信します。このトポロジーではトランザクションのアフィニティーおよび高可用性がサポートされますが、これは、ターゲット・サービスと同じ管理セルの WebSphere Application Server バージョン 6.0.2 以降でクライアントが稼働する場合のみに限定されます。

WebSphere Application Server プロキシー・サーバー

このトポロジーを使用するのは、クライアントがターゲット・サービスと同じ管理セルの一部ではなく、トランザクションのアフィニティーまたは高可用性が必要な場合です。このトポロジーでは、クライアントは、WebSphere Application Server クラスター内の該当するサーバーにクライアント要求および Web サービス・トランザクション・プロトコル・メッセージを動的にルーティングする IBM® WebSphere Application Server のプロキシー・サーバーと通信します。プロキシー・サーバーはターゲット・サービスと同じ管理セルで構成されます。

トラブルの回避 (Avoid trouble) トラブルの回避 (Avoid trouble): WebSphere Application Server は、このシナリオでは オンデマンド・ルーター (ODR) をサポートしません。WebSphere Application Server のプロキシー・サーバーのみ、Web サービス・トランザクション・エンドポイント のプロキシーとして機能することができます。gotcha

プロキシー・サーバーは、管理セルのエッジでトランザクションの高可用性とアフィニティーのためのルーティング・サポートを提供しています。HTTP プロキシー構成の場合と同様に、HTTP エンドポイント URL 情報を提供する必要があります。これは、つまり、ターゲット Web サービス・モジュール用に HTTP サーバーの URL プレフィックスを構成することです。

また、該当する WebSphere Application Server に Web サービス・トランザクションのプロトコル・メッセージを送信するために、Web サービス・トランザクションのプロキシー・サーバーを構成する必要もあります。これを行うには、トランザクション・サービスの HTTP プロキシー接頭部を構成します。この内容は、WebSphere Application Server を使用可能にして Web サービス・トランザクションの仲介ノードを使用する方法に関するトピックに記載されています。

Web サービス・クライアントは、ファイアウォールを経由して、非武装地帯の Proxy
Server for WebSphere にメッセージを送信します。
次にこのプロキシー・サーバーは、WebSphere Application Server クラスター内のサーバーにメッセージを渡します。
HTTP サーバー (IBM HTTP Server など)

例えば、ターゲット・サービスが非クラスター・サーバーにデプロイされているために、クライアントが、トランザクションの高可用性とアフィニティーのルーティングを要求しない場合にこのトポロジーを使用します。

このトポロジーでは、クライアントは、 WebSphere Application Server クラスター内の特定の WebSphere Application Server にクライアント要求 および Web サービス・トランザクション・プロトコル・メッセージを常時送付している HTTP サーバーと通信します。HTTP プロキシー構成の場合と同様に、HTTP エンドポイント URL 情報を提供する必要があります。これは、つまり、ターゲット Web サービス・モジュール用に HTTP サーバーの URL プレフィックスを構成することです。 また、通常は Web サービス・トランザクション用に HTTP サーバーを構成する必要もあります。つまり、Web サービス・トランザクションのプロトコル・メッセージを該当する WebSphere Application Server に送信するために HTTP サーバーを構成するということです。これを行うには、トランザクション・サービスの HTTP プロキシー接頭部を構成します。この内容は、WebSphere Application Server を使用可能にして Web サービス・トランザクションの仲介ノードを使用する方法に関するトピックに記載されています。

HTTP サーバーは、トランザクションのアフィニティーおよび高可用性のどちらも提供しません。 ただし、障害の発生したサーバーが再始動した後には、リカバリー処理が行われるのでトランザクションの整合性は保証されます。
注: WebSphere Application Server で高可用性を使用可能にすることができます。WebSphere Application Server 以外で、HTTP サーバーを介してこのサーバーにアクセスしているクライアントは、トランザクションの高可用性の効果は得られませんが、同じサーバーにアクセスしているその他のクライアントはその効果を得ることができます。クライアントが WebSphere Application Server 上にあり、クライアントとして機能しているサーバーが、トランザクション・プロトコル・メッセージを送信する HTTP プロキシーを使用せずにアプリケーション・サーバーに直接メッセージを送信できる場合は、引き続き高可用性の全機能を使用することができます。 このような特定のシナリオでは、トランザクション・サービスの HTTP プロキシー接頭部を指定する必要はありません。
Web サービス・クライアントは、ファイアウォールを経由して、
非武装地帯の HTTP サーバーと通信します。
HTTP サーバーの構成により、WebSphere Application
Server 内のメッセージの送信先が決定されます。

既存の HTTP サーバーが、トランザクション・プロトコル・メッセージを含む、すべての受信メッセージのリバース・プロキシーである場合があります。このサーバーで、Proxy Server for IBM WebSphere Application Server の高可用性およびワークロード管理機能を使用する 場合は、Proxy Server for IBM WebSphere Application Server を作成し、以下のシナリオのように HTTP サーバーを構成してすべての要求をプロキシー・サーバーに送信してください。

IBM WebSphere Application Server のプロキシー・サーバーと連携する HTTP サーバー

クライアントがターゲット・サービスと同じ管理セルの一部でない場合、 このトポロジーを使用します。 また、トランザクションのアフィニティーまたは高可用性を要求します。トポロジーは IBM WebSphere Application Server トポロジーのプロキシー・サーバーと同等のものですが、HTTP サーバーを外部リバース・プロキシーとして使用することをサポートしています。

このトポロジーでは、クライアントは、クライアント要求および Web サービス・トランザクション・プロトコル・メッセージを IBM WebSphere Application Server のプロキシー・サーバーに転送するために要求をプラグインからプロキシー・サーバーへ送信して、ユーザーが構成した HTTP サーバーと通信します。次に、プロキシーは要求を WebSphere Application Server の適切なサーバーに動的に送信します。プロキシー・サーバーはターゲット・サービスと同じ管理セルで構成されます。

プロキシー・サーバーは、管理セルのエッジでトランザクションの高可用性とアフィニティーのためのルーティング・サポートを提供しています。HTTP プロキシー構成の場合と同様に、HTTP エンドポイント URL 情報を提供する必要があります。これは、つまり、ターゲット Web サービス・モジュール用に HTTP サーバーの URL プレフィックスを構成することです。

また、Web サービス・トランザクション用に HTTP サーバーおよびプロキシー・サーバーを構成する必要もあります。 つまり、Web サービス・トランザクション・プロトコル・メッセージを該当する WebSphere Application Server に送信するためにそれらを構成するということです。これを行うには、トランザクション・サービスの HTTP プロキシー接頭部を構成します。この内容は、WebSphere Application Server を使用可能にして Web サービス・トランザクションの仲介ノードを使用する方法に関するトピックに記載されています。

Web サービス・クライアントは、ファイアウォールを経由して、
非武装地帯の HTTP サーバーと通信します。
HTTP サーバーは、WebSphere Application Server 内の適切なサーバーに要求を動的に送付する Proxy Server for IBM WebSphere Application Server にすべての要求を転送します。

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http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-nd-mp&topic=cjta_routing
ファイル名:cjta_routing.html