Optimizer サービス入門

このページは、Optimizer サービスについて学習するための開始点です。以下のトピックについて説明します。

概要:

Optimizer サービスは、最適化された形式 (特定のユーザー・エージェント向けのコンテンツ、圧縮、およびカスタマイズ可能な HTTP キャッシングと満了を 含む) で Dojo Toolkit for JavaScript リソースを クライアントに配信する、JAX-RS ベースのサービスです。

Optimizer サービスは、HTTP キャッシングおよび満了データをディスク上のリソースの存続期間 の比率に基づいて設定し、圧縮を認識するそれ以降のクライアントで使用できるように リソースの圧縮表現を保存します。

また、Optimizer サービスは、特定のユーザー・エージェント向けに調整された事前作成済みの Dojo のディストリビューション があれば、その選択を自動的に行います。

前提条件:

前提となる製品 バージョン
Java Technology Edition 5.0 以降
Java Platform, Enterprise Edition 5 (Java EE) アプリケーション・サーバー以降

WebSphere Application Server バージョン 8.5

Web ブラウザー 任意の新しい Web ブラウザー (例: Internet Explorer 7 以降、 Mozilla Firefox 3.x 以降、Google Chrome、Safari、Opera)

Optimizer サービスの使用

Optimizer サービスでは、Web 2.0 および Mobile Toolkit の Dojo Toolkit for JavaScript が、appsvcs-optimizer.ear ファイル内にパッケージされた .war ファイル内に既にパッケージされています。 当アプリケーションは、すぐにインストール可能であり、デプロイ可能です。しかし、 独自の Dojo Toolkit for JavaScript を、このアプリケーションがインストールされたサーバーのファイル・システム上の 別の場所で保持したい場合、以下のオプションのステップを実行することができます。

  1. appsvcs-optimizer.ear ファイルから .war ファイルを抽出します。
  2. .war ファイルから WEB-INF/web.xml ファイルを抽出します。
  3. WEB-INF/web.xml ファイルを編集します。param-name com.ibm.ws.mobile.appsvcs.optimizer.srcPath の param-value を、 Optimizer サービスを介して使用可能にしたい Dojo を含んでいる "dojo" という名前の フォルダーがあるファイル・システム・ディレクトリーへの絶対パスに設定します。
  4. WEB-INF/web.xml ファイルを .war ファイルにパッケージして元に戻します。
  5. .war ファイルを appsvcs-optimizer.ear ファイルにパッケージして元に戻します。

Dojo Toolkit for JavaScript には、最適化されたビルドを生成できるビルダーがあります。Optimizer サービスで使用 するよう構成した "dojo" ディレクトリーの下で、これらのビルドも ホスティングすることができます。例えば、古いバージョンの Dojo をホスティングしたい場合が考えられます。その ために、ディレクトリー "dojo/1.5/" を作成することもできます。

現在 Optimizer サービスがサポートしている、1 つの特別なケースがあります。Dojo ビルダー は、WebKit ベースの Web ブラウザー用に最適化された Dojo ビルドを生成する webkitMobile フラグ をサポートしています。Optimizer サービスは着信要求の User-Agent ヘッダー を使用して、それが WebKit クライアントかどうかを検出し、dojo ディレクトリー と対等の dojo_webkit という名前のディレクトリー内で、要求されたファイルを探します。 dojo_webkit ディレクトリーの存在は完全にオプションですが、 存在していて、webkitMobile=true フラグを使用した Dojo ビルドを含んでいる場合は、 WebKit ベースのクライアントでのパフォーマンスが少し向上する可能性があります。

Optimizer サービスを使用するには、以下のステップを実行します。

  1. Optimizer サービスのエンタープライズ・アーカイブ (.ear) ファイルをインストールします。
  2. Web アプリケーション内での Dojo リソース (CSS および JavaScript) への参照を更新 して、Optimizer サービス・コンテキスト・ルートの 後に "rest/optimizer/" が続く場所の下にある Dojo ファイルを指すようにします (例: /appsvcs-optimizer/rest/optimizer/dojo/dojo.js)。

Optimizer サービスの構成

Optimizer サービスは、META-INF/web.xml ファイルを使用して構成できる多数の ServletConfig オプション・パラメーターを 読み取ります。

パラメーター 説明
com.ibm.ws.mobile.appsvcs.optimizer.srcPath

dojo ビルドのファイル・システムの絶対パスを指定します。

デフォルト: dojo/ (WAR ファイルの下に置かれます)

com.ibm.ws.mobile.appsvcs.optimizer.cacheDeltaFactor

Optimizer サービスは、リソースの HTTP キャッシュ満了時間を、 ディスク上での表現が存続している期間の何分の一なのかに基づいて設定 します。このディレクティブは、浮動小数点数を指定します。その値 で存続期間を除算した結果が、クライアントがファイルをキャッシュに入れておくことを 許容される時間になります。

値: 存続期間を除算するのに使用される浮動小数点リテラル

デフォルト: 1000f、ファイルの存続期間の .01%

com.ibm.ws.mobile.appsvcs.optimizer.cacheDeltaMin

Expires ヘッダー または Cache-Control ヘッダーがサービスによって発行される場合、この設定は、リソースが今後、キャッシュ可能のままでいる最小秒数を示します。最近更新されたファイルは、最低でもこのディレクティブに指定されただけの 時間はクライアントによってキャッシュに入れられます。

重要: HTTP クライアントがリソースをキャッシュに入れる場合、 後日それを無効化する方法はありません。したがって、この数を増やす際は 十分注意してください。

値: 秒数

デフォルト: 5

com.ibm.ws.mobile.appsvcs.optimizer.cacheDeltaMax

Expires ヘッダーまたは Cache-Control ヘッダーがサービスによって発行される場合、この設定は、リソースが今後、キャッシュ可能のままでいる最大秒数を 指示します。長期間にわたって更新されていないファイル は、最大でこのディレクティブに指定された秒数だけ、 クライアントによってキャッシュ可能になります。

値: 秒数

デフォルト: 900

com.ibm.ws.mobile.appsvcs.optimizer.sendExpires

専用キャッシュおよび共有キャッシュで使用 される HTTP Expires ヘッダーを Optimizer サービスが送信するかどうかを制御します。

値: true または false

デフォルト: true

com.ibm.ws.mobile.appsvcs.optimizer.sendETAG

専用キャッシュおよび共有キャッシュで使用 される HTTP ETag ヘッダーを Optimizer サービスが送信するかどうかを 制御します。

値: true または false

デフォルト: true

com.ibm.ws.mobile.appsvcs.optimizer.sendCCMaxAge

専用キャッシュで使用される HTTP Cache-Control ヘッダー を max-age パラメーター を使用して Optimizer サービスが送信するかどうかを制御します。

値: true または false

デフォルト: true

com.ibm.ws.mobile.appsvcs.optimizer.noVary

User-AgentAccept-Encoding などのヘッダーを応答が考慮に入れたことを 示すための HTTP Vary ヘッダーを Optimizer サービスが送信するかどうかを制御します。

値: true または false

デフォルト: false

Optimizer サービスのインストール

WebSphere Application Server インストール手順

このセクションでは、Optimizer サービスをバージョン 8.5 の IBM WebSphere Application Server にインストールする手順を説明します。ここでは、アプリケーションのインストールとアプリケーション・サーバーの管理についての知識があることを前提としています。

はじめに:

製品インストールと共に提供される Optimizer サービス・エンタープライズ・アーカイブ (EAR) ファイルがある場所を確認してください。EAR ファイルは、IBM WebSphere Application Server の Web 2.0 および Mobile Toolkit がインストールされたインストール・ツリー内にあります。例えば、このツールキットを以下の場所にインストールしたとします。

プラットフォーム 場所
Linux および UNIX の場合: /opt/WebSphere/Web20Mobile
Windows: c:¥WebSphere¥Web20Mobile

この場合、EAR ファイルは次の場所にあります。

プラットフォーム 場所
Linux および UNIX の場合: /opt/WebSphere/Web20Mobile/installableApps/application_services/optimizer/appsvcs-optimizer.ear
Windows: c:¥WebSphere¥Web20Mobile¥installableApps¥application_services¥optimizer¥appsvcs-optimizer.ear

管理コンソールを使用した Optimizer サービスのインストール

  1. アプリケーション・サーバーの管理コンソールにログインします。
  2. 「アプリケーション」>「新規アプリケーション」とナビゲートします (注: WebSphere Application Server バージョン 6.1 では、「新規アプリケーションのインストール」を選択します)。
  3. 新規エンタープライズ・アプリケーション (New Enterprise Application)」を選択します。(注: WebSphere Application Server バージョン 6.1 では、このステップをスキップします。)
  4. ファイル・システムを参照し、前に場所を確認しておいた appsvcs-optimizer.ear ファイルを選択します。「次へ」をクリックします。
  5. 次へ」をクリックして、アプリケーションのインストール準備をします。(注: WebSphere Application Server バージョン 6.1 では、このステップをスキップします。)
  6. 次へ」をクリックして、デフォルトのインストール・オプションを受け入れます。
  7. 次へ」をクリックして、モジュールからサーバーへのマップに関するデフォルト・オプションを受け入れます。
  8. 次へ」をクリックして、モジュールのメタデータに関するデフォルト・オプションを受け入れます (注: WebSphere Application Server バージョン 6.1 および 7 では、このステップをスキップします)。
  9. 次へ」をクリックして、Web モジュール用の仮想ホストのマップに関するデフォルト・オプションを受け入れます。
  10. インストール・オプションの要約を確認します。
  11. 完了」をクリックします。
  12. マスター構成に保存」をクリックします。
  13. 「アプリケーション」>「アプリケーション・タイプ」>「WebSphere エンタープライズ・アプリケーション」とナビゲートします (注: WebSphere Application Server バージョン 6.1 では、「アプリケーション」>「エンタープライズ・アプリケーション」とナビゲートします)。
  14. IBM WebSphere Application Server - Optimizer サービス」を選択し、「開始」をクリックします。

インストールされたアプリケーション・デモ・クライアントへのアクセス

アプリケーション・サーバー・インストール http://<application server hostname>:<port>/appsvcs-optimizer/ を Web ブラウザーで参照してください。

アプリケーション・サーバーのホスト名とポート番号は、アプリケーション・サーバー・インストール済み環境に固有のものです。アプリケーション・サーバー・インストール の Web コンテナーのデフォルト・ポートは 9080 です。アプリケーション・サーバー・インストールと同じワークステーション で Web ブラウザーを実行していて、すべてデフォルト値を使用している場合は、URL: http://localhost:9080/appsvcs-optimizer/ を使用してください。


ご利用条件 | フィードバック