始める前に
Web 2.0 and Mobile Toolkit をインストールするには、Installation Manager がバージョン 1.5.2 以上でなければなりません。
IBM Installation Manager を実行する予定の各 z/OS システムに z/OS 用フィックス APAR OA34228 を
インストールして、拡張属性を持つファイルのコピーを可能にします。
次のどのモードで Installation Manager を実行するかを
決めます。
- 管理者モード
- 管理者モードでは、Installation Manager はスーパーユーザー ID (uid=0) からインストールされ、
任意のスーパーユーザー ID から呼び出すことができます。1 つのシステムに対して管理者モードの Installation Manager は 1 つに限られます。
- ユーザー・モード
- ユーザー・モード (非管理者モードとも呼びます) では、Installation Manager を呼び出すことができるのはインストールを行ったユーザーのみです。
1 人のユーザーに対してユーザー・モードの Installation Manager は 1 つに限られます。
- グループ・モード
- グループ・モードでは、Installation Manager の所有グループ (Installation Manager を作成したユーザー ID のデフォルト・グループ) に接続されたユーザー ID がこれを呼び出すことができます。
1 つのシステムに対してグループ・モードの Installation Manager の数
に制限はありません。
Installation Manager は 2 セット
のファイルから成ります。1 つはインストール・キットからコピー
または更新される実行可能ファイルのセットであり、もう 1 つはこの Installation Manager によって
インストールされる製品を示すランタイム・データ・ファイルのセットです。これらのファイル・セットは両方とも Installation Manager によって
書き込み可能でなければなりません。Installation Manager ごとに、
実行可能ファイルおよびランタイム・データの両方のロケーションを選択する
必要があります。
表 1. Installation Manager ファイルのデフォルト・ロケーション. 次の表に、z/OS 上での Installation Manager 実行可能ファイル (バイナリー) およびランタイム・データのデフォルト・ロケーションを示します。ファイル |
管理者モードまたはグループ・モード |
ユーザー・モード |
バイナリー |
/InstallationManager/bin |
$HOME/InstallationManager/bin |
ランタイム・データ (エージェント・データとも呼ばれる) |
/InstallationManager/appdata |
$HOME/InstallationManager/appdata |
Installation Manager の資料およびサンプル・ジョブでは、これらのロケーションが前提となっています。ご使用のシステムでこれらの名前が適切でない場合や、
複数の Installation Manager を使用するように選択する場合は、別の名前を選択して、それらを Installation Manager の
作成時に指定することができます。
- ご使用の z/OS システムに z/OS 用フィックス APAR OA34228 が
インストールされていることを確認します。
- Installation Manager を所有するユーザー ID およびグループを作成します。
このユーザー ID には以下の属性が必要です。
- ホーム・ディレクトリーの読み取り/書き込み
- FACILITY プロファイル BPX.FILEATTR.APF への読み取り権限
- FACILITY プロファイル BPX.FILEATTR.PROGCTL への読み取り権限
- FACILITY プロファイル BPX.FILEATTR.SHARELIB への読み取り権限
- UNIXPRIV プロファイル SUPERUSER.FILESYS.CHOWN への読み取り権限
- UNIXPRIV プロファイル SUPERUSER.FILESYS.CHANGEPERMS への読み取り権限
Installation Manager を作成したユーザー ID は、
作成したその Installation Manager を起動できる最初の (おそらく唯一の) ユーザー ID に
なります。グループ・モードで Installation Manager を作成する場合、このユーザーのデフォルト・グループが Installation Manager の所有グループになります。
これらの要件を満たしていれば、既存のユーザー ID を使用できます。
グループ・モードの Installation Manager を呼び出す場合、有効なグループはその Installation Manager を作成したグループと同じでなければなりません。
グループ・モードの Installation Manager の呼び出し時にグループ書き込みを可能にするように umask を設定する必要はなくなりました。
代わりに、グループ・モードで実行される Installation Manager がデフォルトでグループ書き込みをオンにしてから、Installation Manager 処理の
完了時に umask をその直前の値にリセットします。
- Installation Manager のバイナリーおよびランタイム・データが既存の読み取り/書き込みファイル・システムに存在しない場合は、これらのデータ用のファイル・システムを作成し、そのファイル・システムを読み取り/書き込みファイル・システムとしてマウントします。
これらのファイル・システムは、Installation Manager を作成し、アクセス権 755 (管理者モードまたはユーザー・モードの Installation Manager の場合) またはアクセス権 775 (グループ・モードの Installation Manager の場合) を持つユーザー ID およびグループの所有となるようにします。
SMP/E を使用して Installation Manager インストール・キットをインストールした場合は、SGINJCL にある Installation Manager のサンプル・ジョブ GIN2CFS を使用して、バイナリーおよびランタイム・データを保持するファイル・システムを割り振り、マウントすることができます。
以下に説明する Installation Manager 作成プロセスでは、バイナリーおよびランタイム・データのディレクトリーがまだ存在していなければ、これらのディレクトリーが作成されます。
- Installation Manager の所有ユーザー ID の下で UNIX システム・サービス・シェル
にログインし、ディレクトリーを Installation Manager インストール・キットのロケーション
に変更します。
cd /usr/lpp/InstallationManager/V1R4
インストール・キットはバージョン 1.5.2 以上でなければなりません。
- インストール・キットから installc、userinstc、
または groupinstc コマンドを実行して、Installation Manager を
作成します。
- 管理者モードで Installation Manager を作成するには、シェルから
次のコマンドを発行します。
installc -acceptLicense
-installationDirectory binaries_location
-dataLocation appdata_location
- ユーザー・モードで Installation Manager を作成するには、シェルから
次のコマンドを発行します。
userinstc -acceptLicense
-installationDirectory binaries_location
-dataLocation appdata_location
- グループ・モードで Installation Manager を作成するには、シェルから
次のコマンドを発行します。
groupinstc -acceptLicense
-installationDirectory binaries_location
-dataLocation appdata_location
デフォルトのロケーションを使用する場合は、-installationDirectory パラメーターおよび -dataLocation パラメーターを
省略できます。
- これで、Installation Manager インストール・キットをアンマウントできます。
次のタスク
Installation Manager を作成したユーザー ID の
下で UNIX システム・サービス・シェルにログインし、Installation Manager のバイナリーのロケーションである
eclipse/tools サブディレクトリー
から Installation Manager imcl コマンドを実行することによって、Installation Manager が正しく
インストールされたことを検証できます。以下に例を示します。
cd /InstallationManager/bin/eclipse/tools
imcl -version
これで、IBM® Installation Manager を使用して製品をインストールする準備ができました。
グループ・モードの Installation Manager への
追加ユーザーを許可する: 追加ユーザーがグループ・モードの Installation Manager にアクセスできる
ようにするには、それらのユーザーが上記手順の最初のステップにリストされた要件を
満たすことを確認した後、TSO CONNECT コマンドを使用して、それらのユーザー
を Installation Manager の所有グループに接続します。
CONNECT user2 GROUP(IMGROUP)
追加の Installation Manager を作成するには、上記手順のステップに従い、新しいユーザー ID とグループ (適切な場合)、および新しいバイナリーとランタイム・データのロケーションを選択します。別々の Installation Manager 間で、バイナリーまたはランタイム・データのロケーションを
共有しないでください。
ファイル所有権またはアクセス権に
関する問題を修正する: 正しくないユーザー ID から誤って Installation Manager を
呼び出した場合、一部のファイルで Installation Manager を正常に使用できなくなるような所有権の問題が発生する可能性があります。
この問題を修正するには、
スーパーユーザーまたは他の特権ユーザー ID にログオンし、Installation Manager のバイナリー
およびランタイム・データのファイル所有権およびアクセス権をリセット
します。以下に例を示します。
chown IMADMIN:IMGROUP /InstallationManager/bin
chmod 775 /InstallationManager/bin
chown IMADMIN:IMGROUP /InstallationManager/appdata
chmod 775 /InstallationManager/appdata
グループ・モードの Installation Manager の
ユーザーに対して、作成されたファイルへのグループ書き込み権限を許可するように
umask が
設定されていない場合は、あるユーザー ID から別のユーザー ID への切り替え時に
このステップを実行することが必要になることもあります。また、グループ内の他のユーザー ID から保守を確実に実行できるようにするために、Installation Manager を使用してインストールする製品ファイルのアクセス権および所有者を設定することが必要になる場合もあります。
Installation Manager を
アップグレードする: Installation Manager を新しいレベルの Installation Manager 製品に
アップグレードするには、新しいレベルの IBM Installation Manager インストール・キット
をダウンロードまたはインストールし、ご使用のシステムにマウントします。次に、新しいレベルのインストール・キットにディレクトリーを
変更し、Installation Manager を作成するために使用した同じ installc、userinstc、
または groupinstc コマンドを再発行します。これによって、新しいインストール・キットから Installation Manager のバイナリーが
更新されます。