Site Selector の構成

この章のステップを実行する前に、Site Selector の計画を参照してください。この章では、Load Balancer の Site Selector コンポーネントのための基本構成を 作成する方法について説明します。

構成作業の概説

注:
この表の構成ステップを始める前に、Site Selector マシンとすべてのサーバー・マシンをネットワーク に接続し、有効な IP アドレスを与え、相互に ping できるようにしてください。

表 7. Site Selector コンポーネントの構成タスク
タスク 説明 関連情報
Site Selector マシンをセットアップする 要件を探します。 Site Selector マシンのセットアップ
ロード・バランシング対象のマシンをセットアップする ロード・バランシング構成をセットアップします。 ステップ 4. ロード・バランシングが行われるサーバー・マシンの定義

構成方法

Load Balancer の Site Selector コンポーネントの基本構成を作成するために、Site Selector コンポーネントを構成する基本的な次の 4 つの方法があります:

コマンド行

これは、Site Selector を構成するための最も直接的な方法です。 コマンド・パラメーター値は、英字で入力する必要があります。 唯一の例外は、ホスト名 (例えば、サイト名およびサーバー・コマンドで使用される) およびファイル名です。

コマンド行から Site Selector を開始するには、次のようにしてください。

  1. コマンド・プロンプトから ssserver コマンドを実行します。 サービスを停止するには、ssserver stop と入力します。
    注:
    Windows システムの場合は、「スタート」>「コントロール パネル」>「管理ツール」>「サービス」をクリックします。 「IBM® Site Selector」を右マウス・ボタンでクリックし、「開始」を選択します。サービスを停止するには、同様のステップに従って、「停止」を選択します。
  2. 次に、構成をセットアップするために必要な Site Selector 制御コマンドを実行します。本書の手順では、コマンド行の使用を想定しています。コマンドは sscontrol です。コマンドの詳細については、Site Selector のコマンド解説を参照してください。

sscontrol コマンド・パラメーターは、最小限バージョンで入力することができます。 入力する必要があるのは、パラメーターの固有文字だけです。例えば、file save コマンドに関するヘルプを表示するには、sscontrol help file の代わりに sscontrol he f と入力することができます。

コマンド行インターフェースを始動するには、sscontrol を実行して、sscontrol コマンド・プロンプトを表示します。

コマンド行インターフェースを終了するには、exit または quit を実行します。

注:
Windows プラットフォームでは、Dispatcher コンポーネントの dsserver が自動的に開始されます。Site Selector だけを使用して Dispatcher コンポーネントを使用していない場合は、次のようにして dsserver が自動的に開始されないようにしてください。
  1. Windows の「サービス」から、「IBM Dispatcher」を右マウス・ボタンでクリックします。
  2. 「プロパティ」を選択します。
  3. 始動タイプ」フィールドで、「手作業」を選択します。
  4. 「了解」をクリックし、「サービス」ウィンドウをクローズします。

スクリプト

Site Selector を構成するための複数のコマンドを構成スクリプト・ファイルに入力して、一緒に実行することができます。

注:
スクリプト・ファイル (例えば myscript) の内容を迅速に実行するには、次のコマンドのいずれかを使用します。

現在の構成をスクリプト・ファイル (例えば savescript) に保存するには、次のコマンドを実行します。

sscontrol file save savescript

このコマンドは、構成スクリプト・ファイルを次のディレクトリーに保存します。

GUI

一般的な説明または GUI の例については、図 38 を参照してください。

GUI を開始するには、以下のステップに従ってください。

  1. ssserver が実行されていることを確認する。root ユーザーまたは管理者として、コマンド・プロンプトから次を実行します。 ssserver
  2. 次に、以下のいずれかを行います。

GUI から Site Selector コンポーネントを構成するためには、最初にツリー構造から「Site Selector」を選択しなければなりません。 ホストを実行中の ssserver に接続すると、サーバーを含むサイト名を作成し、 マネージャーを開始し、advisor を開始することができます。

GUI を使用して、sscontrol コマンドで 行うあらゆる処理を実行することができます。例えば、コマンド行を使用してサイト名を定義するには、sscontrol sitename add sitename コマンドを入力します。GUI からサイト名を定義するには、 「ネーム・サーバー」を右マウス・ボタンでクリックしてから、ポップアップ・メニューで「サイト名の追加」を左マウス・ボタンでクリックします。ポップアップ・ウィンドウでサイト名を入力してから、「了解」をクリックします。

既存の Site Selector 構成ファイルは、「ホスト」ポップアップ・メニューに表示される 「新規構成のロード」オプション (現行の構成を完全に置き換える場合) と 「現行の構成に追加」オプション (現行の構成を更新する場合) を使用してロードすることができます。 Site Selector 構成は、「ホスト」ポップアップ・メニューに 表示される「構成ファイルの別名保存」オプションを使用して定期的にファイルに保存しなければなりません。GUI の上部にある「ファイル」メニューを使用して、現行のホスト接続をファイルに保存したり、すべての Load Balancer コンポーネントにわたって既存のファイルにある接続を復元したりすることができます。

GUI からコマンドを実行するためには、GUI ツリーでホスト・ノードを強調表示し、 「ホスト」ポップアップ・メニューから「コマンドの送信....」を 選択します。コマンド入力フィールドに、実行したいコマンド (例えば nameserver status) を入力します。 現行セッションでのコマンド実行の結果およびヒストリーが、ウィンドウに表示されます。

Load Balancer ウィンドウの右上隅にある疑問符のアイコンをクリックすると、「ヘルプ」にアクセスできます。

GUI の使用に関する詳細については、付録A. GUI: 一般的な説明を参照してください。

構成ウィザード

構成ウィザードを使用する場合は、以下のステップに従ってください。

  1. Site Selector で ssserver を開始します。

  2. Site Selector のウィザード機能を sswizard で開始します。

    sswizard を発行して、コマンド・プロンプトからこのウィザードを立ち上げることができます。 あるいは、GUI で示したように、Site Selector コンポーネント・メニューから構成ウィザードを選択します。

Site Selector ウィザードは、Site Selector コンポーネントの基本構成を作成するプロセスを段階的に案内します。このウィザードは、ユーザーのネットワークについて質問し、サイト名をセットアップする時の手引きをします。このクラスターによって、Site Selector がサーバーのグループ間のトラフィックに対するロード・バランシングを行うことができます。

Site Selector マシンのセットアップ

Site Selector マシンをセットアップする前に、root ユーザー (AIX、HP-UX、Linux、 または Solaris システムの場合) か、管理者 (Windows システムの場合) になる必要があります。

セットアップするサーバーのグループのサイト名として使用するために、 解決不能の完全修飾ホスト名が必要となります。 サイト名は、クライアントがサイト (www.yourcompany.com など) にアクセスするために使用する名前です。 Site Selector は DNS を使用して、サーバーのグループ間でこのサイト名のトラフィックのロード・バランシングを行います。

ステップ 1. サーバー機能の開始

Site Selector サーバー機能を開始するには、コマンド行で ssserver と入力します。

注:
デフォルトの構成ファイル (default.cfg) は、ssserver の始動時に自動的にロードされます。 構成を default.cfg に保存することを決定すると、次回に ssserver を開始する時に、このファイルに保存されたすべてのものが自動的にロードされます。

ステップ 2. ネーム・サーバーの始動

ネーム・サーバーを始動するには、sscontrol nameserver start コマンドを入力します。

オプションで指定アドレスにだけバインドするには、bindaddress キーワードを使用してネーム・サーバーを開始してください。

ステップ 3. サイト名を定義してサイト名オプションを設定する

Site Selector は、構成された対応するサーバーに送信されたサイト名用の要求のバランスをとります。

サイト名は、クライアントが要求する解決不能のホスト名です。 サイト名は、完全修飾ドメイン・ネーム (例えば、www.dnsdownload.com) でなければなりません。クライアントがこのサイト名を要求すると、サイト名と対応したサーバー IP アドレスの 1 つが戻されます。

サイト名を定義するには、次のコマンドを実行します。

sscontrol sitename add sitename

サイト名オプションを設定するには、次のコマンドを実行します。

sscontrol sitename set sitename option value

詳細については、Site Selector のコマンド解説を参照してください。

ステップ 4. ロード・バランシングが行われるサーバー・マシンの定義

サーバー・マシンは、ロード・バランシングを行うアプリケーションを実行するマシンです。server は、サーバー・マシンのシンボル名または小数点付き 10 進表記アドレスです。 ステップ 3 でサイト名にサーバーを定義するには、以下のコマンドを実行します。

sscontrol server add sitename:server

ロード・バランシングを実行するためには、サイト名のもとで複数のサーバーを定義しなければなりません。

ステップ 5. manager 機能の開始 (オプション)

manager 機能によって、ロード・バランシング性能が向上します。 manager 機能の開始前に、Metric Server がロード・バランシング済みマシンのすべてにインストールされていることを確認してください。

manager を開始するには、以下のコマンドを発行します。

sscontrol manager start

ステップ 6. advisor 機能の開始 (オプション)

advisor は、ロード・バランシングが行われるサーバー・マシンが要求に応答する能力に関する詳細情報を manager に提供します。advisor はプロトコル固有です。Load Balancer は多くの advisor を提供します。例えば、特定サイト名前の HTTP advisor を開始するには、以下のコマンドを出します。

sscontrol advisor start http sitename:port

ステップ 7. システム・メトリックを定義する (任意指定)

システム・メトリックおよび Metric Server の使用法については、Metric Serverを参照してください。

ステップ 8. 必要に応じてサイト名の割合を設定する

advisor を開始すると、ロード・バランシングの判断に含まれる advisor (ポート) 情報に指定された重要度の割合を変更できます。 サイト名の割合を設定するには、sscontrol sitename set sitename proportions コマンドを実行してください。詳細については、状況情報に与えられる重要性の割合 を参照してください。

ロード・バランシングのためのサーバー・マシンのセットアップ

Metric Server を Site Selector コンポーネントと一緒に使用します。Site Selector がロード・バランシングを行うすべてのサーバー・マシンで Metric Server をセットアップする方法については、Metric Serverを参照してください。