基本的なキャッシュの構成

Caching Proxy をインストールするために Edge components 製品セットアップ・プログラムでデフォルト設定を使用した場合、 キャッシュは使用可能になり、メモリーにキャッシュが格納されます。次の基本的な キャッシュ設定を調整して、システムの要件に応じてキャッシュをカスタマイズできます。

セットアップ・プログラムを使用しなかった場合は、これらの設定を構成すると、キャッシュが使用可能になります。

キャッシュを構成するのに必要な基本ステップは次のとおりです。

  1. キャッシュを使用可能にする。
  2. キャッシュ・ストレージを構成する。

基本的なキャッシュ設定を構成したら、次の機能の設定を追加または変更できます。

これらの各設定の変更手順については、本章で説明しています。

1. キャッシュを使用可能にする

キャッシングを使用可能にするには、Caching ディレクティブをオンに設定するか、または「キャッシュ構成」–>「キャッシュ設定」構成フォームの「プロキシー・キャッシングを使用可能にする」ボックスにチェックマークを付けます。キャッシュ・デバイスを指定しないと、 キャッシュはメモリーに保管されます。ディスク・キャッシュを作成するには、2. キャッシュ・ストレージを構成するの手順に従ってください。

2. キャッシュ・ストレージを構成する

キャッシュ・ストレージを構成するタスクは、メモリー・キャッシュを使用するか、 ディスク・キャッシュを使用するかによって異なります。

メモリー・キャッシュを使用するには、キャッシュのコンテンツを保持するのに 十分なメモリーが組み込まれるように「キャッシュ・メモリー」の設定をカスタマイズします。 キャッシュ・メモリーの推奨サイズについては、キャッシュ・メモリーを設定するを参照してください。

ディスク・キャッシュを使用するには、以下の手順 を実行することが必要です。

  1. キャッシュを入れるストレージ・デバイスを準備します。

    キャッシュには、特別にフォーマットされたデバイスが必要です。デバイスまたはディスク区画全体をキャッシュ専用にすることをお勧めします。キャッシュの最小サイズは 16392KB です。

    キャッシュ・デバイスをフォーマットするには、次のようにします。

    1. キャッシュを入れるデバイスを選択します。他のプログラムでそのストレージ・スペースが使用されていないこと、およびロー (すなわち、文字形式の) デバイスとしてそのデバイスにアクセスできることを確認します。
    2. htcformat コマンドを使用してデバイスをフォーマットします。 その構文は、次のとおりです。
      htcformat raw_device_path [-blocksize block_size]
           [-blocks number_of_blocks]
      -blocksize 引数と -blocks 引数はオプションです。 デフォルトのブロック・サイズは 8192 バイトです。ブロックの数を指定しない場合、ディスク区画には、収容できるだけの数のブロックが格納されます。

      デバイス・パスを指定するときには、必ずロー・デバイスのパスを指定してください。

      • AIX プラットフォームでは、/dev/lv02 と定義された論理ボリュームのロー・デバイスのパスは /dev/rlv02 となります
      • Linux プラットフォームでは、最初に raw コマンドを実行してから、以下のような htcformat を実行して、ロー・デバイスのパスを実際の SCSI ドライブ sdb1 に関連付ける必要があります。
        raw /dev/raw/raw1 dev/sdb1
      • HP-UX および Solaris プラットフォームでは、/dev/dsk/c0t0d0s0 と定義された区画のロー・デバイスのパスは /dev/rdsk/c0t0d0s0 となります
      • Windows プラットフォームでは、e: と定義されたデバイスのロー・デバイスのパスは ¥¥.¥e: となります

      ロー・デバイスへのアクセスに関する追加情報については、使用中のファイル・システムの参考資料を参照してください。

  2. CacheDev ディレクティブまたは「キャッシュの設定」構成フォームを使用することにより、 キャッシュ・デバイスを指定します。複数のデバイスを指定できます。
注意:
Windows システムでは、htcformat コマンドによって、キャッシュ・デバイスに書き込み不可のマークが自動的に付けられることはありません。

オペレーティング・システムがキャッシュ・デバイスへの書き込みを試みた場合、キャッシュ・ データが消失する可能性があります。これを避けるために、Windows の Disk Manager ユーティリティーを使用して、htcformat コマンドを使用する前にディスクの準備を行うことができます。ディスクの準備を行うには、このディスク・ユーティリティーを使用して、使用するデバイスまたは区画を削除してから、デバイスまたは区画をフォーマットしないで再作成してください。このようにすると、システムは、そのデバイスがシステム・ストレージ用に選択不可能であると見なします。

オプショナル・カスタマイズ

キャッシュ・メモリーを設定する

CacheMemory ディレクティブ内 (または「キャッシュ設定」 構成フォームの「キャッシュ・メモリー」フィールド内) の値を、 以下の原理に従って設定します。この値に設定された メモリーは、キャッシュ索引を含むキャッシュ・インフラストラクチャーのサポートに 使用され、また、メモリー・キャッシュが構成されている場合は、キャッシュのコンテンツを 格納するのに使用されます。

最小値

ディスク・キャッシュのパフォーマンスを最適にするためには、キャッシュ索引を含むキャッシュ・インフラストラクチャーのサポートには、キャッシュ・メモリーの値を最小 64 MB にすることをお勧めします。 キャッシュ・サイズが増えると、キャッシュ索引が増加し、索引を保管するためにさらにキャッシュ・メモリーが必要になります。 64 MB のキャッシュ・メモリー値は、キャッシュ・インフラストラクチャーのサポートを提供し、約 6.4 GB までのディスク・キャッシュ用のキャッシュ索引を保管するために十分な大きさです。 より大きなディスク・キャッシュの場合、キャッシュ・メモリーは、キャッシュ・サイズの 1% にすべきです。

メモリー・キャッシュの場合、キャッシュ・メモリーの値は、キャッシュ・インフラストラクチャーのサポートとキャッシュそれ自体のために確保するメモリーの量になります。 最小 64 MB のキャッシュ・メモリー値をお勧めします。

最大値

メモリー・キャッシュ用にあまりにも多すぎる物理メモリーが割り振られると、「メモリー 不足」エラーやプロキシー・サーバー障害などの、望ましくない動作が発生する可能性が あります。キャッシュ・メモリーの制限値は、32 ビット・アプリケーションの制限に 依存します。Caching Proxy は 32 ビット・アプリケーションなので、最大 2 GB のメモリー を使用可能です。

Caching Proxy によって、CacheMemory ディレクティブで定義されたメモリーが割り振られ、 オブジェクトを格納するキャッシュとして使用されます。メモリー・キャッシュまたはロー・ ディスク・キャッシュのいずれの場合でも、追加のメモリーを割り振る必要が あります。このメモリーは、キャッシュのデータ構造、ネットワーク入出力および接続用の バッファー、セッション用バッファー、およびメイン・プロセスや他のすべての スレッド用のメモリーなどに使用されます。さらに、クライアントからの要求の中には、 デフォルトよりも大きなメモリー・プール・ブロックを割り振る必要が生じる場合も あります。したがって、CacheMemory ディレクティブが 2 GB に近い値に設定されている 場合、特に要求負荷が高い状況では、Caching Proxy で操作に十分なメモリーを 確保できない可能性もあります。

CacheMemory ディレクティブの値を 1600 MB 以下に設定することをお勧めします。 1600 MB を超える値を設定すると、Caching Proxy が通常の操作で必要とするメモリーが 不足し、不都合な副次作用が発生する原因となります。一般にこれらの副次作用は、 増大する CPU 使用率 (場合によっては使用率 100% まで)、メモリー不足エラー、および パフォーマンス低下などだけではありません。全体的に大きなキャッシュ・サイズが必要な場合は、 キャッシュ・デバイスを使用するか、または RCA または ICP を使用した 共有キャッシュ構成を実装してください。

キャッシュ・メモリーをディスクに保存またはロードする

キャッシュの内容をダンプ・ファイルからインポートしたり、ダンプ・ファイルへ エクスポートしたりすることができます。再始動時にキャッシュ・メモリーが破損したり、同じキャッシュを複数のプロキシーに配置する場合などに役立つ機能です。

キャッシュ・フィルターを設定する

フィルターでは、URL 要求の形式に一致させることによって、キャッシュ対象を制限できます。 フィルター設定について詳しくは、キャッシュ対象の制御を参照してください。

照会結果および動的に生成されたファイルのキャッシュを構成する

オプションで、照会要求の結果をキャッシュに入れるようにプロキシー・サーバーを構成できます。 デフォルトでは、疑問符 (?) が含まれている URL はキャッシュに入れられません。詳細については、照会応答のキャッシュを参照してください。

もう 1 つのオプションでは、IBM® WebSphere® Application Server からサーブレットまたは JSP を実行した結果をキャッシュに入れることができます。 詳細については、動的に生成されたコンテンツのキャッシングを参照してください。

ファイルの有効期限とガーベッジ・コレクションを構成する

キャッシュ内のファイルの有効期限が切れた場合の構成、および廃止ファイルの除去方法について 詳しくは、キャッシュ・コンテンツの保守を参照してください。

自動プリロードを構成する

頻繁にアクセスされるファイルのほとんどを、リフレッシュ要求が出される前に 自動的に毎日リフレッシュするように、キャッシュを構成することができます。詳しくは、自動リフレッシュおよびプリロードのためのキャッシュ・エージェントの構成を 参照してください。

キャッシュ共有を構成する

特定の環境下では、共有キャッシュを使用すると、要求されたファイルがキャッシュで 検出される可能性が高くなります。詳しくは、共有キャッシュの使用を参照してください。

ログ記録を構成する

ログを簡潔かつ正確に保つことは、Caching Proxy を管理する上で重要なことです。Caching Proxy のモニターに、 プロキシー・サーバー・ログの構成と使用法に関する情報が記載されています。