ミドルウェア・サーバー という用語は、任意のミドルウェア・
プラットフォーム上のサーバーを指します。ミドルウェア・サーバーのタイプには、WebSphere® Application Server、WebSphere Virtual Enterprise、Apache
Tomcat サーバー、JBoss サーバー、BEA WebLogic サーバー、PHP サーバーなどがあります。
バージョン 6.0.x のサポート
WebSphere Extended Deployment バージョン 6.0.x では、混合サーバー環境オファリングを使用することで、他のミドルウェア・プラットフォーム・タイプのアプリケーション・サーバーがサポートされていました。
これらのミドルウェア・プラットフォーム・タイプをサポートするために、リモート・エージェントがノードにインストールされ、汎用サーバー・クラスターが作成され、アプリケーション・サーバーが汎用エンドポイントとして追加されました。この構成では、Extended Deployment に提供されるミドルウェア・
アプリケーション・サーバーの知識は限定されていたため、汎用エンドポイントへの
要求のトラフィック・シェーピング (キューイングによる輻輳回避の 1 方法) と
優先順位付けしかサポートされませんでした。
バージョン 6.1
WebSphere Virtual Enterprise バージョン 6.1 では、製品ドメインの外部にある環境に対する拡張サポートが導入されました。
他のミドルウェア・プラットフォームで実行されるアプリケーション・サーバーは、製品管理ドメインではより完全に表現されます。これは、ミドルウェア・エージェントがこれらのマシンにインストールされるためです。
アプリケーション配置コントローラーは、このようなサーバー・タイプで構成される
動的クラスターを管理することができます。他のミドルウェア・プラットフォーム・
サーバーでは、一部のヘルス管理もサポートされます。
ミドルウェア・エージェント
ミドルウェア・エージェントは、WebSphere Virtual Enterprise で管理したいノードにインストール可能な、軽量のエージェントです。ミドルウェア・エージェントは、任意のノードで
実行可能です。
ミドルウェア・エージェントを実行するノードに、WebSphere Application Server または WebSphere Virtual Enterprise をインストールする必要はありません。ミドルウェア・エージェントは、リモート・エージェントに取って代わります。
ミドルウェア・サーバー・タイプ
- 完了ライフサイクル管理サーバー
完全ライフサイクル管理サーバーには、
WebSphere Virtual Enterprise がアプリケーション・サーバー仮想化をサポートするために作成と管理の両方を行うことができるサーバーが含まれています。管理対象ノードには、デプロイメント・マネージャー・セル内で実行するアプリケーション・サーバー・プロセスが含まれます。次の管理対象ミドルウェア・サーバー・タイプが
サポートされます。
- アプリケーション・サーバー、オンデマンド・ルーター (ODR)、プロキシー・
サーバーなど、WebSphere Application Server に関連するサーバー
- PHP サーバー
- WebSphere Application Server Community Edition 2.0
(全リリース)
完全ライフサイクル・サポートによって管理されるすべてのサーバーは、
WebSphere Virtual Enterprise の管理コンソールを使用して管理される必要があります。
例えば、完全ライフサイクルの WebSphere Application Server Community Edition サーバーは、WebSphere Application Server Community Edition コンソールでは管理しないでください。
完全ライフサイクルの WebSphere Application Server Community Edition サーバーは、
以前に使用されていない WebSphere Application Server Community Edition バージョン 2.0 またはバージョン 2.0.0.1 のインストールから作成します。
- 補助ライフサイクル管理サーバー
補助ライフサイクル管理サーバーには、
WebSphere Virtual Enterprise で管理可能であるが、
WebSphere Virtual Enterprise 管理ドメインの外部で作成されたサーバーが含まれています。
これは、通常、そのサーバーが関連付けられているシステムに固有のサーバーです。ミドルウェア・エージェントをこのようなホストにインストールして、
WebSphere Virtual Enterprise 管理ドメインに関連付けます。このように構成されたホストにおいて、
WebSphere Virtual Enterprise は、サーバーの始動と停止、サーバーへのトラフィックのルーティング、サーバーへの要求の優先順位付けなどを行うことができます。
WebSphere Virtual Enterprise は、次の補助ライフサイクル・ミドルウェア・サーバー・タイプ用のテンプレートを提供します。
- Apache HTTP Server バージョン 1.3、バージョン 2.0、およびバージョン 2.2
- Apache Tomcat バージョン 4.1.x、バージョン 5.0.x、バージョン 5.5.x、およびバージョン 6.0
- Apache Geronimo バージョン 1.0 およびバージョン 1.1
- JBoss バージョン 4.0.x
- BEA WebLogic Server バージョン 8.x およびバージョン 9.x
- WebSphere Application Server Community Edition
- 外部の WebSphere Application Server、バージョン 5.1 以降。WebSphere Virtual Enterprise セル外で稼働する外部の WebSphere アプリケーション・サーバー。
- カスタム HTTP サーバー
その他すべてのサーバー・タイプでは、
独自のテンプレートを作成することができます。
補助ライフサイクル・サーバーは、それに対応する管理コンソールから管理します。例えば、補助ライフサイクルの WebSphere Application Server Community Edition サーバーは、
WebSphere Application Server Community Edition コンソールによって管理されます。すべての表現可能な改訂が、WebSphere Virtual Enterprise 管理コンソールに入力されている必要があります。
- 検出されたサーバー
検出されたサーバーとは、ミドルウェア・ディスカバリーによって検出されたサーバーです。
ミドルウェア・ディスカバリーでは、WebSphere Application Server Community Edition の既存のインストールを検出し、WebSphere Virtual Enterprise の管理コンソールにそれらのサーバーの表現を作成できます。それらのサーバーは、補助ライフサイクル・サーバーとして表されます。それらのサーバーは動的クラスターにグループ化できますが、動的クラスターには手動のメンバーシップが必要です。
検出されたサーバーの式に基づく動的クラスターは作成できません。
また、ミドルウェア・ディスカバリーでは、それらのサーバーにデプロイされたアプリケーションを検出し、WebSphere Virtual Enterprise の管理コンソールに非管理対象アプリケーションとして表現することができます。
補助ライフサイクル・サーバーと同様に、検出されたサーバーはそれに対応する管理コンソールから管理します。例えば、WebSphere Application Server Community Edition のサーバーは WebSphere Application Server Community Edition のコンソールから管理します。
表現上の改訂があれば、WebSphere Virtual Enterprise 管理コンソールで行います。
定義
WebSphere Virtual Enterprise が提供するサポートは、完全ライフサイクル
、検出された、および補助ライフサイクルの各サーバーで異なります。
- 完全ライフサイクル管理のミドルウェア・サーバーの場合は、管理コンソールでサーバーを定義します。
このようなサーバーの管理は、前のリリースでの管理と同じです。
- 補助ライフサイクルのミドルウェア・サーバーの場合は、次の方法を使用してサーバーを WebSphere Virtual Enterprise 構成に登録します。
サーバーにミドルウェア・エージェントをインストールし、管理コンソールでサーバーを手動で定義します。ミドルウェア・サーバーを定義するには、
サーバー・テンプレート を使用します。サーバー・テンプレートには、以下の情報が含まれています。
- トラフィックをサーバーにルーティングするためのデフォルトのポート
- サーバーを始動および停止するためのコマンド
- 外部構成編集サービスの外部サーバーを構成するコア構成ファイルの
デフォルト・リスト
- 外部ログ表示サービス用のログ・ファイルが存在するディレクトリーのデフォルト・リスト
WebSphere Virtual Enterprise には、さまざまなミドルウェア・サーバー・タイプ用のデフォルトのサーバー・テンプレート・セットが付属しています。
- 検出されたサーバーの場合は、ミドルウェア・エージェントのインストール後に、ミドルウェア・ディスカバリーにより WebSphere Application Server Community Edition の既存のインストールおよびそのインストール済みアプリケーションが検出され、WebSphere Virtual Enterprise セルにそれらのサーバーおよびアプリケーションの表現が作成されます。
各サーバーおよびアプリケーションは、補助ライフサイクル・サーバーおよび非管理対象アプリケーションとして表現されます。
管理
補助ライフサイクル・ミドルウェア・サーバーおよび検出されたミドルウェア・サーバーの特定の側面は、管理コンソールで管理できます。
- サーバー操作 を使用すると、管理コンソールからミドルウェア・サーバー上で Java 実行可能ファイルまたは Java 以外の実行可能ファイルを実行できます。
- ログ・ビューアー を使用すると、管理コンソールからミドルウェア・サーバーのログ・ファイルを表示できます。
- 外部構成 を使用すると、ミドルウェア・サーバーの構成ドキュメントを表示および編集できるよう、管理コンソールを構成できます。
その他の WebSphere Virtual Enterprise の管理フィーチャー (動的クラスター、ヘルス・ポリシー、サービス・ポリシー、ランタイム・タスク、報告書作成など) では、補助ライフサイクル・ミドルウェア・サーバーおよび検出されたミドルウェア・サーバーに対して多様なサポートを提供します。