作業要求の分類および優先順位付けを行うために、サービス・ポリシーを、またほとんどの種類の作業要求ではそれに加えて作業クラスを定義できます。 サービス・ポリシーは、ユーザー定義のパフォーマンス目標と (一部の場合は) 重要度レベルとで構成されています。
サービス・ポリシーは、トランザクション・クラスによって作業要求に関連付けられています。 各作業要求は、厳密に 1 つのトランザクション・クラスに属し、各トランザクション・クラスは厳密に 1 つのサービス・ポリシーに属しています。 ほとんどの種類の作業要求では、作業クラスを使用して、着信要求をトランザクション・クラスにマップします。 各作業クラスは、Java™ 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) アプリケーションおよび基本的な要求フィーチャーに付加されます (HTTP の場合は URI 接頭部、IIOP の場合はメソッド名、Java Message Service (JMS) の場合はバスと宛先)。各作業クラスにより、該当する要求がトランザクション・クラスに分類される方法が指定されます。 汎用サーバー・クラスターおよび SIP では、作業クラスは使用されません。 代わりに、トランザクション・クラスに各要求を分類するルールが ODR に構成されています。
サービス・ポリシーのカスタム・プロパティーを使用すると、トランザクション・クラス・ベースで永続サービス・ポリシーの違反に注意するサービス・ポリシーを提供できます。サービス・ポリシーのカスタム・プロパティー を参照してください。
UDP 経由の SIP トラフィックの場合、CPU 過負荷による再送信が発生するのを防止するために、CPU 過負荷防止用のアドミッション制御を使用可能にする必要があります。SIP の CPU 過負荷保護用にアドミッション制御を使用する場合、目標の任意タイプは使用しないでください。 平均応答時間または百分位数応答時間の目標のみを使用する必要があります。 目標に設定される応答時間のしきい値は、クライアントの T1 タイマーの値 (デフォルトで 500 ミリ秒) より十分に低くする必要があります。 リジェクト平均応答時間のしきい値 (ARFM コントロール・パネルで構成されている目標の応答時間のしきい値およびリジェクト・ポリシーから派生した値) は、クライアントの T1 タイマーより小さくする必要があります。 CPU 過負荷保護用のアドミッション制御の使用可能化の方法について詳しくは、オートノミック要求フロー・マネージャーの構成 を参照してください。
制約事項: HTTP または SIP に対するダイアログ/セッション方向が有効である場合、既存のダイアログまたはセッションの一部であるメッセージ、および 既存のダイアログまたはセッションの一部ではないメッセージにはサービス・ポリシーを適用できません。
無負荷または負荷が軽いシステムでの単一の要求または少数の要求のサービス時間 または応答時間 (つまり無負荷システムでの単一要求に必要な時間) を使用すると、応答時間が小さいため、そのサービス・ポリシーの構成では (平均または百分位数の応答時間目標のいずれでも) 追加のインスタンスが開始されません。システムは、追加のインスタンスを開始しても、目標を達成する能力の改善につながらないと判断します。百分位数の目標では、対象の各パラメーター (応答時間ターゲット (RTT)、または目標値、および百分位数しきい値 (PCT)、または目標パーセンテージ) 間の関係に対して ARFM および APC は高感度になっています。
以下に、応答時間で開始し、単一の要求サービス時間の 2 倍、3 倍、4 倍などの RTT に増加する範囲の例を示します。 最低および最高の PCT が提供されます。 アプリケーションごとにこれらの度合いは異なる場合がありますが、ユーザーの特定のニーズに対してサービス・ポリシーを調整する開始点としてこれらの範囲が提供されています。 百分位数の目標では、ARFM および APC は各パラメーター (RTT または目標値、および PCT または目標パーセンテージ) の関係を把握しています。