WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: z/OS

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このトピックは、z/OS オペレーティング・システムにのみ適用されます。

64 ビット・モードでのサーバーの実行

31 ビットまたは 64 ビットのいずれかのアドレッシングを使用して、z/OS プラットフォーム上で稼働するサーバーを構成することができます。31 ビットまたは 64 ビットのいずれのアドレッシングを使用するようにサーバーが構成されるかは、 本リリースまたは旧リリースのサーバーとの相互運用または共存のための機能には影響しません。

31 ビット・モードで実行するようにサーバーを構成する場合:
64 ビット・モードで実行するようにサーバーを構成する場合:

デフォルトでは、新しく構成されたサーバーは 31 ビット・モードで稼働します。 サーバーのいくつか、またはすべてを、各サーバーのアプリケーション要件および仮想ストレージ要件に基づいて 64 ビット・モードで稼働するよう変換することができます。複数のサーバーを直ちに 64 ビット・モードに切り替える必要はないかもしれません。ただし、31 ビット・モードのサポートは以降のリリースでは非推奨となるため、最終的にすべてのサーバーを 64 ビット・モードに変換するよう計画をたてる必要があります。

システム要件

64 ビット・モードのサーバー構成を使用するには、以下のようにします。
  • z/OS プラットフォーム上で、WebSphere Application Server バージョン 6.1.0.4 またはそれ以降のバージョンでアプリケーション・サーバーを稼働している必要があります。
  • z/OS バージョン 1 リリース 6 を稼働している場合、z/OS PTF の UA29739 および UA30353 により提供されている機能を、システムに適用している必要があります。
  • z/OS システム・データ・セット SCLBDLL2 が、システム・リンク・リストまたはリンク・パック域になければなりません。
  • 64 ビットのサーバー・モジュール BBGCTL は、プログラム・プロパティー・テーブル内にリストされ ていなければなりません。 また、64 ビット・サーバーを実行する予定のすべての z/OS システムのアクティブ SCHEDxx メンバー内に、次の行が存在する必要があります。
  •  PPT PGMNAME(BBGCTL)       /* PROGRAM NAME BBGCTL      */ 
     KEY(2)                    /* PROTECTION KEY 2         */ 
     NOSWAP                    /* NON-SWAPPABLE            */ 
     PRIV                      /* PRIVILEGED               */ 
     CANCEL                    /* CANCEL ALLOWED           */ 
  • 64 ビット・サポート・モジュールを含むデータ・セット SBBGLOAD は、APF 許可である必要があります。

    SBBGLOAD データ・セットがシステム・リンク・リストまたはリンク・パック域にない場合、このデータ・セットは、 64 ビット・モードで稼働予定の各サーバーのカタログ式プロシージャー STEPLIB 連結内になければならず、64 ビット・モードで稼働しているサーバーを含む各ノードの profile_root/bin/setupCmdLine.sh の STEPLIB 変数で指定する必要があります。

  • MVS コンソールからサーバーを始動する場合、MVS START コマンドに AMODE=64 パラメーターを含める必要があります。
    ほとんどの V6.1.x カタログ式プロシージャーには、以下の JCL ステートメントが含まれています。STEPLIB ステートメントを除いたこれらのステートメントによって、31 ビットのサーバー・プログラム (BBOCTL) または 64 ビットのサーバー・プログラム (BBGCTL) が、MVS START コマンドの AMODE パラメーターに指定する値に基づいて呼び出されるかどうかを決定します。 これらのステートメントを含まないカタログ式プロシージャーを使用する場合は、サーバーを 64 ビット・モードに変換する前に、カスタマイズ・ダイアログまたはプロファイル管理ツールのいずれかを使用して、カタログ式プロシージャーを再生成し、 それをシステム・プロシージャー・ライブラリーにコピーします。
    //STEP1    EXEC PGM=BBOOMTST,PARM='&AMODE.'             
    //STEPLIB  DD DISP=SHR,DSN=WAS.V61.SBBOLOAD             
    //TEST1    IF (STEP1.RC = 0) THEN
    //BBOCTL   EXEC PGM=BBOCTL,REGION=0M,TIME=MAXIMUM,      
    // PARM='TRAP(ON,NOSPIE),ENVAR("_EDC_UMASK_DFLT=007") / 
    //             &PARMS. REC=&REC'                        
    //BBOENV DD PATH='&ROOT/&ENV/was.env'                            
    //  INCLUDE MEMBER=&Z                                            //           ELSE
    //BBGCTL   EXEC PGM=BBGCTL,REGION=0M,TIME=MAXIMUM,      
    // PARM='TRAP(ON,NOSPIE),ENVAR("_EDC_UMASK_DFLT=007") /
    //             &PARMS. REC=&REC'
    //BBOENV DD PATH='&ROOT/&ENV/was.env'                            
    //  INCLUDE MEMBER=&Z                                            //          ENDIF  
    重要: MVS START コマンドで AMODE パラメーターが省略されたり、AMODE=31 に設定された場合、31 ビットのサーバー・プログラムが使用されます。MVS START コマンドで AMODE=64 が指定された場合、64 ビットのサーバー・プログラムが使用されます。使用されるサーバー・プログラムは、 サーバーの内部構成設定と一致する必要があります。一致しない場合、サーバーは以下のいずれかのエラー・メッセージ を表示して終了します。
    BBOO0329E THE SERVER IS CONFIGURED FOR 64-BIT MODE AND CANNOT BE STARTED IN 31-BIT MODE. 
       START THE SERVER IN 64-BIT MODE.
    
    BBOO0330E THE SERVER IS CONFIGURED FOR 31-BIT MODE AND CANNOT BE STARTED IN 64-BIT MODE. 
       START THE SERVER IN 31-BIT MODE.

JCL JOB または EXEC ステートメントの REGION パラメーター、および JCL JOB または EXEC ステートメントの、または SMFPRMxx parmlib メンバーの MEMLIMIT パラメーターにより、 特定のサーバーが獲得できる仮想ストレージ量が決まります。サーバーのカタログ式プロシージャーで REGION=0M を指定しない場合、MEMLIMIT パラメーターを使用して、仮想ストレージ量の上限を 31 ビット・モードに関連付けられている 2 ギガバイトよりも大きい上限に設定する必要があります。

重要: システム出口が 64 ビット・サーバーのアドレス・スペース・サイズを不適切に制限しないように確認してください。

64 ビット・モードでサーバーを稼働するには、追加の補助ストレージ (拡張ストレージまたはページ・データ・セットのスペース) が必要です。64 ビット・モードでサーバーを実行する前に、各 z/OS ターゲット・システムのページ・データ・セットの割り振りを見直し、必要に応じて追加のページ・データ・セットのスペースを追加します。 また、割り振られた補助ストレージが十分であることを確認するため、 ページングおよびページ・データ・セットの使用率をモニターする必要もあります。

詳しくは、以下の z/OS の資料を参照してください。
  • z/OS MVS 初期設定およびチューニング解説書、SA88-8564
  • MVS Programming: Extended Addressability Guide、SA22-7614

アプリケーションの要件

サーバーを 64 ビット・モードに変換する前に、カスタム DLL、または DLL を使用するコネクターをすべて、必ず 64 ビット・バージョンにアップグレードします。

アプリケーションが呼び出す DLL およびその他のネイティブ・コードは、アプリケーションが稼働しているサーバーの アドレッシング・モードと一致している必要があります。既存のアプリケーション・サーバーを 31 ビット・モードから 64 ビット・モードに変換する場合、64 ビット・モードで実行するよう変換されたサーバー上で実行する予定の、例えば C++ や Cobol のようなネイティブ・コードを含む Java アプリケーションはすべて変更する必要があります。Java アプリケーションは com.ibm.vm.bitmode Java プロパティーを使用して、サーバーが稼働するモードを決定し、ネイティブ・メソッドを戻すため正確な 31 ビットまたは 64 ビットの DLL をロードすることができます。

64 ビットのランタイムで呼び出された 31 ビットのネイティブ・モジュールを含むアプリケーションや、31 ビットのランタイムで呼び出された 64 ビットのネイティブ・モジュールを含むアプリケーションは、おそらく異常終了します。

64 ビット・モードで実行するための言語環境 (LE) アプリケーションの変換について詳しくは、z/OS の資料「z/OS 言語環境プログラム 64 ビット仮想アドレッシング・モード向け プログラミング・ガイド」(SA88-8829) を参照してください。

64 ビット・モードでのアプリケーション・サーバーの実行

64 ビット・モードで稼働している、スタンドアロン・アプリケーション・サーバー、または Network Deployment セルの管理対象アプリケーション・サーバーを使用して、31 ビット・モード用に構成されたサーバー上で稼働するには大きすぎるアプリケーションを実行することができます。 また、より大量のデータを収容するためより大きい JVM ヒープを使用するように、またはガーベッジ・コレクションに要求されるサーバーのオーバーヘッドが 少ない状態で同じデータ量を処理するように、このアプリケーション・サーバーを構成することもできます。

アプリケーション・サーバーを 31 ビット・モードから 64 ビット・モードに変換する前に、以下の点を検証してください。
  • ご使用のシステムが「システム要件」セクションで指定した要件に一致すること。
  • アプリケーション・サーバーのカタログ式プロシージャーに、31 ビットまたは 64 ビットのサーバー・プログラムを呼び出すロジックが含まれていること。
  • SBBGLOAD がシステム・リンク・リスト内またはリンク・パック域内のいずれかにあるか、 またはサーバーのカタログ式プロシージャーの STEPLIB 連結内と、profile_root/bin/setupCmdLine.sh ファイル内の両方にあること。
  • このアプリケーション・サーバー上で実行しようとするすべてのアプリケーションが、 64 ビットのネイティブ・コードおよび DLL を使用するように更新されること。
  • 変換するアプリケーション・サーバーがクライアント・モード (TCP/IP モード) で MQ に接続する場合、APAR PK35740 のフィックスがご使用のシステムに適用されること。

アプリケーション・サーバーを 31 ビット・モードから 64 ビット・モードに変換するには、管理コンソールにおいて、 そのアプリケーション・サーバーの「構成設定」ページで「64 ビット・モードで実行」オプションを選択し、JVM ヒープ・サイズの最小値および最大値を 64 ビット・プロセスに適切な値に変更します。同様に、アプリケーション・サーバーを 64 ビット・モードから 31 ビット・モードに変換するには、そのアプリケーション・サーバーの「構成設定」ページで「64 ビット・モードで実行」オプションの選択を解除し、JVM ヒープ・サイズの最小値および最大値を 31 ビット・プロセスに適切な値に変更します。

MVS START コマンドを使用して 64 ビットのサーバーを始動する場合、コマンドに AMODE=64 パラメーターが含まれていることを確認します。以下に例を示します。
S BBO6ACR,JOBNAME=BBOS001,ENV=PLEXA.SYS2.BBOS001,AMODE=64

64 ビットのアプリケーション・サーバーを始動するのに startServer.sh コマンドおよび管理コンソールを使用すると、それらにより、自動的に AMODE=64 パラメーターが追加されます。

64 ビット・モードでのデプロイメント・マネージャーの実行

64 ビット・モードで実行しているデプロイメント・マネージャーは、31 ビット・モードで実行しているデプロイメント・マネージャーより大きなアプリケーションを扱うことができます。この性能は、スタック製品または WebSphere Application Server フィーチャー・パックを使用するアプリケーションにとって重要です。

デプロイメント・マネージャーを 31 ビット・モードから 64 ビット・モードに変換する前に、以下の確認を行ないます。
  • ご使用のシステムが「システム要件」セクションで指定した要件に一致することを確認します。
  • デプロイメント・マネージャーのカタログ式プロシージャーに 31 ビットまたは 64 ビットのサーバー・プログラムを呼び出すロジックが含まれていることを確認します。
  • SBBGLOAD がシステム・リンク・リスト内またはリンク・パック域内のいずれかにあるか、 またはデプロイメント・マネージャーのカタログ式プロシージャーの STEPLIB 連結内と、profile_root/bin/setupCmdLine.sh ファイル内の両方にあることを確認します。
  • デプロイメント・マネージャー上で実行しようとするすべてのアプリケーションが、64 ビットのネイティブ・コードおよび DLL を使用するよう更新されることを確認します。

デプロイメント・マネージャーを 31 ビット・モードから 64 ビット・モードに変換するには、管理コンソールのデプロイメント・マネージャーの「構成設定」ページで「64 ビット・モードで実行」オプションを選択し、JVM ヒープ・サイズの最小値および最大値を 64 ビット・プロセスに適切な値に変更します。同様に、アプリケーション・サーバーを 64 ビット・モードから 31 ビット・モードに変換するには、デプロイメント・マネージャーの「構成設定」ページで「64 ビット・モードで実行」オプションの選択を解除し、JVM ヒープ・サイズの最小値および最大値を 31 ビット・プロセスに適切な値に変更します。

MVS START コマンドを使用して 64 ビットのサーバーを始動する場合、コマンドに AMODE=64 パラメーターが含まれていることを確認します。以下に例を示します。
S BBO6DCR,JOBNAME=BBODMGR,ENV=PLEXA.PLEXA.BBODMGR,AMODE=64

64 ビットのデプロイメント・マネージャー を始動するのに startServer.sh コマンドおよび管理コンソールを使用すると、それらにより自動的に AMODE=64 パラメーターが追加されます。

64 ビット・モードでの他のタイプのサーバーの実行

ノード・エージェントおよびプロキシー・サーバーなどの他のタイプのサーバーを 64 ビット・モードへ変換するには、同じ基本手順を使用することができます。しかし、一般的に、これらの他のタイプのサーバーを 64 ビット・モードで実行しても利点を得られません。




関連概念
カタログ式プロシージャー
関連タスク
アプリケーション・サーバーの管理
関連資料
Java 仮想マシン設定
関連情報
z/OS Publications
64-bit Addressing Support white paper
概念トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 9:12:22 PM EST
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