手動ピア・リカバリー処理は、デフォルト設定ではありません。
構成してこの処理を有効にする必要があります。ピア・リカバリー処理を起動するには、管理者の介入が必要です。
このタスクについて
トランザクション・サービスのピア・リカバリーを使用する場合は、
このタスクを実行します。手動ピア・リカバリーを使用することができるのは、
ファイル・システムが、必要なレベルのファイル・ロック・サポートを提供しない場合で、
かつ何の制約も指定されておらず過負荷やネットワーク分割が発生しないことが確実である場合です。 詳しくは、自動と手動のトランザクション・ピア・リカバリーのいずれかを選択する方法
を参照してください。
手動ピア・リカバリーを構成したら、
サーバーで障害が発生する場合、および再始動することができない場合に限り介入が必要となります。
この場合、管理コンソールを使用して、障害が発生したサーバーに対してリカバリー処理を実行するピア・サーバーを指定します。
手動ピア・リカバリー構成は、静的ポリシーと呼ばれるポリシーのグループにより提供され、アプリケーション・サーバーごとに 1 つのポリシー定義が提供されます。個々の定義は、ポリシー内でサーバー固有構成を定義する必要があります。
この場合、ポリシーは対等リカバリー処理を開始するサーバーの ID です。
プロシージャー
- 必要な静的ポリシー定義を作成します。
- 管理コンソールで、とクリックします。すべてのクラスターのメンバーは、1 つのコア・グループに入っています。これは、デフォルトで DefaultCoreGroup コア・グループです。 ご使用のクラスターを含むコア・グループをクリックします。 コア・グループの構成パネルが表示されます。
- 「追加プロパティー」の下の「Policies」をクリックします。
現在のポリシーのセットが表示されます。 一致基準 type = WAS_TRANSACTIONS により、
トランザクション高可用性 (HA) に適用する現在のポリシーを識別することができます。デフォルト・ポリシーには、
ポリシー・タイプ N ポリシー中の 1 つが指定されています。このポリシーが存在する場合、
作成中の静的ポリシーによりオーバーライドされるため、このポリシーを除去する必要はありません。
- 「新規」をクリックして新規のポリシーを作成します。
- 「静的ポリシー」を選択して、「次へ」をクリックします。
- ポリシーの名前を指定します。この値は、フリー・フォーム・テキスト・ストリングであり、
管理コンソール内でラベルとしてのみ使用されます。ただし、管理コンソール内で読みやすくするため、
ポリシーを特定のサーバーと関連付ける名前、例えば TM-SERVER1 policy などを使用します。
- 必要に応じて説明を入力して、「OK」をクリックします。
- 必要に応じて Is alive timer および
Quorum オプションの値を設定します。
- 「追加プロパティー」の下で、「一致基準」をクリックして空の「一致基準」パネルを開きます。
- 「新規」をクリックして新規の一致基準を作成します。
一致基準は、キーと値のペアであり、ポリシーの有効範囲の定義に使用します。
- 「名前」フィールドに type を、
「値」フィールドに WAS_TRANSACTIONS を入力します。「OK」をクリックします。
この一致基準は、ポリシーとトランザクション・サービスの関連付けに使用されます。
- 「新規」をクリックして、2 番目の新規の一致基準を作成します。
- GN_PS を「名前」フィールドに、
cell_name¥node_name¥server_name を
「値」フィールドに入力します。ここで cell_name、node_name、および server_name は、セル、ノード、およびサーバーの名前です。例えば、dmgrCell¥appnode1¥server1 などです。「OK」をクリックします。 この一致基準は、
ポリシーと特定のサーバーの関連付けに使用されます。
- 新規ポリシーの構成ページに戻り、「追加プロパティー」の下で、「静的グループ・サーバー」をクリックします。
「静的グループ・サーバー」パネルが表示されます。このパネルでは、
コア・グループ内のすべてのサーバーがリストされ、これらはコア・グループ・サーバーまたは静的グループ・サーバーに分類されます。
- 「コア・グループ・サーバー」リストから、
ポリシーに関連付けられているサーバーを選択して、「追加」をクリックして「静的グループ・サーバー」 に移動します。
「静的グループ・サーバー」リストは、同時にリカバリー・ログを所有しようとするサーバーのセットです。このリストに誤ったサーバーを追加すると、
データ保全性が失われる可能性があります。通常の操作の場合、以下のルールに従ってデータ保全性を確保します。
- 静的グループ・サーバーのリストに 1 つのサーバーのみを追加する。2 つのサーバーを追加すると、
両方のサーバーが関連するリカバリー・ログを所有しようとするためリカバリー競合が発生します。このルールの例外は、2 番目のサーバーを手動ピア・リカバリー開始の一部として追加することです。詳しくは、トランザクション・サービスの手動ピア・リカバリーの管理
を参照してください。
- ポリシーに関連付けられたサーバーのみをリストに追加する。別のサーバーを追加すると、
ホーム・サーバーがリカバリー・ログを所有できなくなり、ホーム・サーバーが正しく開始できなくなります。
- クラスター内の各サーバーごとに、ステップ 1 の手順を繰り返します。
- 「ノードと変更を同期化」チェック・ボックスを選択していることを確認して、マスター構成への変更を保管します。
- クラスター・メンバーを停止してから再始動して、変更内容を有効にします。
結果
手動トランザクション・ピア・リカバリーがクラスター内のすべてのサーバーに対して構成されます。自動トランザクション・ピア・リカバリーは発生しません。