HA マネージャーは、CPU サイクル、ヒープ・メモリー、ソケットなどの貴重なシステム・リソースを消費します。これらのリソースは、HA マネージャー、および HA マネージャーが提供するサービスを使用する WebSphere Application Server コンポーネントの両方によって消費されます。 HA マネージャーおよびこれらの WebSphere Application Server コンポーネントの両方が消費するリソースの量は、コア・グループのサイズの増加とともに指数関数的に増大します。大きなコア・グループの場合、HA マネージャーが消費するリソースの量が非常に大きくなることがあります。HA マネージャーが提供するサービスを使用しない場合は、HA マネージャーを使用不可にすることにより、これらのリソースが解放されます。
HA マネージャーを使用不可にする機能が最も役立つのは、HA マネージャーが提供するサービスのいずれもが使用されない大規模なトポロジーの場合です。 いくつかのトポロジーでは、HA マネージャーが提供するサービスを 使用するのは、プロセスの一部のみです。これらのトポロジーでは、プロセスごとに HA マネージャーを使用不可にでき、これにより HA マネージャーが使用するリソースの量が最適化されます。
ノード・エージェントやデプロイメント・マネージャーなどの管理プロセス上の HA マネージャーは、そのコア・グループ内のすべてのアプリケーション・サーバー・プロセスで HA マネージャーが使用不可になっていない限り、使用不可にしないでください。
HA マネージャーが提供するサービスの一部は、クラスター・ベースです。そのため、クラスター・メンバーは同種である必要があるので、クラスターのあるメンバー上の HA マネージャーを使用不可にした場合は、そのクラスターの他のすべてのメンバー上の HA マネージャーも使用不可にする必要があります。
メモリー間の複製は、アプリケーション・サーバー・レベルで構成する、または使用可能にする、クラスター・ベースのサービスです。メモリー間の複製がいずれかのクラスター・メンバーで使用可能になっている場合は、そのクラスターのすべてのメンバー上の HA マネージャーを使用可能にする必要があります。メモリー間の複製は、以下の場合、自動的に使用可能になります。
シングルトン・フェイルオーバーは、クラスター・ベースのサービスです。 デフォルトの Java™ Message Service (JMS) プロバイダーの 1 つ以上のインスタンスがクラスターで実行されるよう構成されている場合は、クラスターのすべてのメンバーで HA マネージャーが使用可能になっている必要があります。デフォルトの JMS プロバイダーは、WebSphere Application Server で提供されているメッセージング・エンジンです。
クラスター 2 内のサーブレットが、クラスター 1 内の エンタープライズ Bean アプリケーションを呼び出す 場合、HA マネージャーは、両方のクラスター内の すべてのサーバーで使用可能になっている必要があります。
ワークロード管理には、ルーティング・テーブルを静的に作成し、それをファイル・システムにエクスポートするためのオプションが用意されています。HA マネージャーに対する依存関係を除去する場合は、このオプションを使用してください。 「ルーティング・テーブルのエクスポート」オプションについての詳細は、 クラスター用の静的ルーティングの使用可能化 を参照してください。
Network Deployment システムでは、 オンデマンド構成をプロキシー・サーバーと Web サービス・ルーティングの両方に使用します。 HA マネージャーは、プロキシー・サーバーによる作業のルーティング先であるすべてのプロセスと、 Web サービスを実行しているすべてのプロセスで使用可能になっている必要があります。