WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: z/OS

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このトピックは、z/OS オペレーティング・システムにのみ適用されます。

タイマーの概要

タイマーは、特定操作の完了に必要な時間を制限するものです。 タイマーがカウントダウンを始める時期は、そのタイマーが制御する 操作の種類によって異なります。

WebSphere Application Server for z/OS が使用するタイマーは、このトピックの後半で説明する幾つかの汎用タイプに分類できます。 個々のタイマーについては、タイムアウト値を介した制御動作で説明しています。 ほとんどのタイマーにはデフォルト値があり、特定の操作が完了するまでの妥当な時間を定義しています。 タイマーがポップすると (すなわち制限時間に達すると)、WebSphere Application Server for z/OS は以下のいずれかのアクションを取ります。
  • クライアント要求がサーバント領域にディスパッチされる前にタイマーがポップする場合は、 クライアントにマイナー・コードを送信します。
  • クライアント要求が、サーバント領域で実行されるアプリケーション・コンポーネントで処理されている間にタイマーがポップする場合は、EC3 ABEND が発生してサーバント領域が異常終了します。 異常終了したサーバント領域のスレッドはすべて終了します。

    WebSphere はサーバント領域を強制終了することによって、アプリケーションがリソースを拘束し、他の要求によりバックアップが開始されるのを防ぎます。 サーバントが終了したら、WLM はその代わりとなる新規サーバントを開始して、 コントローラーからの要求の処理を継続します。

    注: トランザクション合計存続時間タイムアウトと 最大トランザクション・タイムアウト値には、ABEND が発生する前に達する 必要のある、約 4 分間に指定されたタイムアウト値より大きい猶予期間があ ります。
タイマーの種類が異なっても、それらが制御する操作はある程度オーバーラップしているため、 同時にカウントダウンが行われる場合があります。 例えば、アプリケーション・サーバーが受け取った IIOP クライアント要求が、 トランザクション・サポートを使用するアプリケーション・コンポーネントによって処理されるとします。 この場合、以下の WebSphere タイマーは両方とも同時にカウントダウンを行うことになります。
  • control_region_wlm_dispatch_timeout。クライアント要求が WLM キューで待機する時間と、 アプリケーション・コンポーネントがその要求を処理するのに必要な時間の両方を制限します。
  • transaction_defaultTimeout。コントローラーが、 トランザクションのコミットまたはロールバックを待機する時間を制限します。

この 2 つのタイマーがオーバーラップするのは、 アプリケーションのトランザクションが処理されている間に限られます。 どちらのタイマーがエラーの原因となっているかを判別するには、 その症状に固有のマイナー・コード、または EC3 ABEND 理由コードを使用してください。

汎用タイプのタイマーと、そのタイマーによって制御される操作

汎用タイプ タイマーの処理 タイムアウトの症状
入力 入力タイマーは、 完全な要求を受信する場合の制限を定義します。カウントダウンが始まるのは、 J2EE サーバーとの接続が確立されたときです。要求に使用されるタイマーは、 通信プロトコル (HTTP、HTTPS) によって決まります。 セッションが終了します。
セッション セッション・タイマーは、 セッション接続の使用に対する制限を定義します。この種のタイマーのカウントダウンは、 セッションがアイドルになるとすぐに開始されます。 セッションが終了します。
WLM ディスパッチ ディスパッチ・タイマーは、 完全なクライアント要求が処理のためにサーバント領域にディスパッチされるまでに待機する時間を制御します。 コントローラーが要求を WLM キューに配置すると、カウントダウンが始まります。特定のタイマーによっては、 制限時間の中に、WLM キューでの待機時間だけでなく、クライアント要求に対する応答の処理に必要な時間も含まれることもあります。 サーバント (領域) ではメッセージ BBOO0232W および EC3 ABEND。以下の理由コードのいずれかを伴います。
 04130003  04130004 04130006
トランザクション トランザクション・タイマーは、以下の時間を定義します。
  • アプリケーションまたはコントローラーが 1 つのトランザクションの完了を待機する時間。 アプリケーション・コンポーネントに代わってコンテナーがトランザクションを開始すると、カウントダウンが始まります。
  • コントローラーが、対等再始動およびリカバリー・モードで未確定トランザクションをリカバリーしようとする時間。
  • メッセージ BBOT0003W または BBOO0232W
  • サーバント (領域) では EC3 ABEND。以下の理由コードのいずれかを伴います。
     04130002 04130005 
出力 出力タイマーは、 コントローラーがクライアント要求向けの出力の受信を待機する時間を定義します。 クライアント要求が処理のためにサーバント領域にディスパッチされると、カウントダウンが始まります。 要求に使用されるタイマーは、 通信プロトコル (HTTP、HTTPS) によって決まります。 サーバント (領域) ではメッセージ BBOO0232W および EC3 ABEND。理由コード 04130007 を伴います。



関連タスク
トラブルシューティング管理
関連資料
タイムアウト状態の診断データ分析についてのガイドライン
タイムアウト状態 - 考えられる原因および修正
タイムアウト値の変更についてのガイドライン
参照トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 9:12:22 PM EST
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