デプロイメント・マネージャーを WebSphere Application Server for z/OS バージョン 6.1 に マイグレーションするための JCL ジョブを生成したら、これらのジョブを実行して 実際のマイグレーションを行うことができます。カスタム・マイグレーション・ジョブの生成時には、 ジョブの生成に使用された CNTL データ・セットの BBOMDINS メンバーでマイグレーション・ジョブを 準備し実行するような、カスタマイズされた指示も作成しています。 デプロイメント・マネージャーをバージョン 6.1 にマイグレーションするプロセスを実行するために、これらのカスタマイズされた指示に従います。
他のすべてのジョブは、ファイル・システムを制御できるユーザー ID によって実行依頼する必要があります。
デプロイメント・マネージャーをバージョン 5.x からバージョン 6.1.x にマイグレーションすると、 そのデプロイメント・マネージャーを再起動する際にすべてのアプリケーション・バイナリーが再デプロイされます。 このアクションにより、デプロイメント・マネージャーは、SYSPLEX 中のすべてのアプリケーションをリサイクルします。同期設定が無効になっていない場合、高可用性のために設定された SYSPLEX 内で障害が発生することがあります。
マイグレーション時の問題のトラブルシューティングのヘルプについては、マイグレーションのトラブルシューティング を参照してください。
マイグレーションを実行するには、バージョン 6.1.x に、新規構成用の構成ファイル・システムが既存でなければなりません。 新規構成ファイル・システムの作成およびマウントは、BBOMDHFS または BBOMDZFS を実行して行うことができますが、 手動でマウントすることもできます。 いずれにしても、続行するには構成ファイル・システムをバージョン 6.1.x 構成用に作成およびマウントしておく必要があります。 この構成ファイル・システムはマイグレーションのターゲットで、バージョン 5.x または 6.0 構成ファイル・システムはソースです。
BBOMDHFS または BBOMDZFS は、マウント・ポイント・ディレクトリーを作成し、 構成のファイル・システムを割り振り、マイグレーション・ジョブの生成時にマウント・ポイントに 指定した値でファイル・システムをマウントします。
先に進む前に、構成ファイル・システム・データ・セットの割り振り、作成、およびマウントを手動または BBOMDHFS や BBOMDZFS を使用して行ったことを確認してください。マウント・ポイントは、WebSphere Admin ID に所有され、 755 以上の許可を持っていなければなりません。 新規構成ファイル・システム構造を BPXPARM に含めて、 次の IPL でマウントされるようにします。
マイグレーション・ユーティリティー BBOMDCP は、 生成済み JCL プロシージャーをコピーして、 指定されたプロシージャー・ライブラリーに対してサーバーを開始します。 バージョン 6.1.x 構成では、バージョン 5.x または 6.0.x 構成で使用したものとは異なる JCL プロシージャーを使用する必要があります。 このユーティリティーは、元のバージョン 5.x または 6.0.x 構成内の JCL 名を、新規 JCL 名で置換して、 新規バージョン 6.1.x 構成を更新します。
BBOMDCP を実行依頼して、戻りコードの 0 を確認します。
new controller same identity used in JCL name V5.x or 6.0.x configuration | | RDEFINE STARTED AZ1DCR.* STDATA(USER(AZDCRU) GROUP(AZCFG) TRACE(YES))
デプロイメント・マネージャーのマイグレーションでは、 スタンドアロン・アプリケーション・サーバーおよび統合ノードのマイグレーションの場合とは異なり、 ノードを PRR モードに入れたり出したりする必要はありません。 したがって、デプロイメント・マネージャーのマイグレーションの実行依頼では、 ジョブが 2 つ少なくなり、 物理マイグレーションを実行する準備が整います。
BBOWMG3D は、ユーザーがマイグレーション・ジョブの生成時に入力した情報に基づいて、 バージョン 5.x または 6.0.x デプロイメント・マネージャーからバージョン 6.1.x への 物理マイグレーションを実行するジョブです。 BBOWMG3D を実行依頼します。 戻りコードの 0 を受け取ることを確認し、構成ファイル・システム上のマイグレーションの一時ディレクトリーにあるログ・ファイルを調べてください。マイグレーション一時ディレクトリーは temporary_directory_location/nnnnn であり、 ここで、temporary_directory_location は一時ディレクトリー・ロケーションに指定したディレクトリー (デフォルトは /tmp/migrate)、 nnnnn はマイグレーション・ジョブの生成時にマイグレーション ID 用に 生成した数値です。
同じセル内の デプロイメント・マネージャーの LPAR 上のすべてのノードがシャットダウンされていることを 確認してください。
WebSphere Application Server for z/OS バージョン 6.1.x では、デーモン・プロセスは、同一の LPAR 上で管理するサーバーの最高レベルのコードになっている必要があります。 これは、デプロイメント・マネージャーの開始時には、バージョン 6.1.x レベルになります。 デプロイメント・マネージャーが、混合セル環境の同一の LPAR 上でノードを管理する場合、 デプロイメント・マネージャーおよび下位レベル・ノードの両方の JCL プロシージャーを開始したデーモンは、 バージョン 6.1.x ライブラリーおよび STEPLIB の下位レベル・ノードの最高レベルのライブラリーの両方を持っている必要があります。
例えば、バージョン 5.1 からのマイグレーション中で、 デプロイメント・マネージャーと同一の LPAR 上にアプリケーション・サーバー・ノードがある場合、 ライブラリー名を使用して、バージョン 6.1.x およびバージョン 5.1 デーモン JCL プロシージャーの「Z」メンバー (「Z=BBO5DMNZ」) の両方に以下を追加します。
//*STEPLIB Setup //* //STEPLIB DD DSN=hlq61.SBBOLD2,DISP=SHR // DD DSN=hlq61.SBBOLOAD,DISP=SHR // DD DSN=hlq61.SBBOLPA,DISP=SHR // DD DSN=hlq51.SBBOLD2,DISP=SHR // DD DSN=hlq51.SBBOLPA,DISP=SHR //*
すべてのノードをバージョン 6.1.x にマイグレーションした後、 および以前のバージョンのライブラリーをシステムから除去する前に、デーモン JCL プロシージャーを更新して、 以前のバージョンのライブラリーを STEPLIB 連結から削除する必要があります。これを実行しない場合、デーモン始動で障害が発生します。
STEPLIB について詳しくは、リンク・パック域、リンク・リスト、および STEPLIB を参照してください。
バージョン 5.x や 6.0.x アプリケーション・サーバーの開始に使用する既存のコマンドと同じものを使用しますが、 RACF STARTED プロシージャー名は、マイグレーション・ジョブの生成時にデプロイメント・マネージャー・パネルでコントローラー・プロシージャー名として入力した値に置き換えます。 このコマンドがバージョン 6.1.x デプロイメント・マネージャーを開始します。サーバーが初期化を終了するまで待機してから、先に進みます。
BBOO0019I INITIALIZATION COMPLETE FOR WEBSPHERE FOR z/OS CONTROL PROCESS BBODMGRこの時点で、バージョン 6.1.x へのマイグレーションが完了しました。