WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: z/OS

             目次と検索結果のパーソナライズ化
このトピックは、z/OS オペレーティング・システムにのみ適用されます。

ピアの再始動およびリカバリーのセットアップ

WebSphere Application Server for z/OS が代替システムで再始動できるようにするには、すべてのシステム (オリジナル・システムとリカバリー対象のシステム) に以下の前提条件をインストールしてから、ARM ポリシーを再構成してピアの再始動とリカバリーを行えるようにする必要があります。

始める前に

重要: ピアの再始動およびリカバリー (PRR) 機能は 非推奨です。トランザクション・リカバリーに対するピアの再始動およびリカバリーではなく、 トランザクション・サービス・サブコンポーネントに対する統合高可用性サポートを使用する必要があります。 トランザクション・サービス・サブコンポーネントに対する統合高可用性サポート、 および失敗するアプリケーション・サーバーで処理されているトランザクションのピア・リカバリーに対する構成方法の詳細については、 トランザクションの高可用性 およびトランザクション・プロパティーの、ピア・リカバリー用の構成 を参照してください。

また、再始動を実行する必要のあるすべてのシステムが、同じ RRS ログ・グループの一部である必要があります。

これらすべてのシステムに前提条件サービス・アップデートをインストールしても、同じ場所で再始動するだけであれば、現在稼働中の環境の妨げになることはありません。ただし、このサービスがインストールされていない場合、コントローラーが戻れなくなる可能性があります。OTS は、代替システムで再始動を試み、失敗します。これが発生した場合に RRS により解決されない UR が存在すると、コントローラーは、代替システムで RRS がキャンセルされるまでホーム・システムで再始動できません。OTS と RRS について詳しくは、「z/OS MVS Programming: Resource Recovery」を参照してください。

ピアの再始動およびリカバリーを使用する場合は、これらの機能の前提条件に従う必要はありません。代わりに、システムは同じ場所での再始動機能を使用します。

以下の製品は、すべて RRS をサポートします。これらは、上記の前提条件がすべて正しくインストールされている場合、個別にもピアの再始動とリカバリーをサポートします。
  • DB2 バージョン 7 以上
  • IMS バージョン 8 以上
  • CICS バージョン 1.3 以上
  • MQSeries バージョン 5.2 以上

これらの製品のほかに、多くの JTA XAResource Managers を WebSphere Application Server for z/OS ピアの再始動およびリカバリー支援に使用することができます。代替システムでの再始動のサポートについては、JTA XAResource Manager の資料を参照してください。

重要: シスプレックスの ARM ポリシーをセットアップする場合、両方のシステムに同じレベルのアプリケーション・サーバーがインストールされているようにしてください。 例えば、WebSphere Application Server for z/OS バージョン 5.1 を実行しているアプリケーション・サーバーを使用して、 WebSphere Application Server for z/OS バージョン 6.0.1 を実行しているアプリケーション・サーバーのピアの再始動 およびリカバリーを実行することはできません。
ピアの再始動およびリカバリーを使用する前に、以下を行ってください。
  • ロケーション・サービス・デーモンおよびノード・エージェントが、リカバリーに使用するすべてのシステムで既に実行されていることを確認します。実行されていない場合、リカバリーするシステムは、ロケーション・サービス・デーモンおよびノード・エージェントが実行されていないシステムでリカバリーを試みます。この場合、サーバーは始動に失敗し、リカバリーは失敗します。

クライアントは、システムが最大能力で稼働している場合に、パフォーマンスに影響が出ます。代替システムのメモリー および CPU への影響を最小限にとどめるため、Enterprise Bean および Web コンテナーは、ピアの再始動モードで稼働している サーバーでは再始動されませんつまり、リカバリー中の状態のアプリケーション・サーバーは、到着する作業を受け入れることができなくなります。

このタスクについて

重要: WebSphere for z/OS では、z/OS Resource Recovery Services (RRS) システム機能が使用され、 他のプラットフォームの高可用性ピア・リカバリー・サポートで提供されるものと同じトランザクション・リカバリー機能が提供されます。したがって、 高可用性ピア・リカバリー・サポートは、z/OS プラットフォームでは使用不可です。

前提条件がインストールされた後、 構成済みでないシステムでサーバーを開始すると、暗黙的にピアの再始動およびリカバリー・モードになります。XA パートナー・ログを構成して非共用 HFS に書き込んだ場合、または JTA XA Resource Manager を使用している場合、サーバーを始動する前に以下のステップを行う必要があります。

プロシージャー

  1. (非共用 HFS を使用する場合にのみ必要) 非共用 HFS サポートを使用可能にします。 非共用 HFS を使用する場合、シスプレックス内の異なるシステム間で構成設定を複製する必要があります。これは、デプロイメント・マネージャーおよびノード・エージェントにより自動的に行われます。このサポートを使用可能にするには、構成内の各ノード・エージェントをリカバリー・ノードとして設定する必要があります。この変更は、管理コンソールで次のように行います。
    1. 管理コンソール・ナビゲーションで、「システム管理」>「ノード・エージェント」と選択します。
    2. リストからノード・エージェントを選択します。
    3. 追加プロパティー」の下の「ファイル同期サービス」を選択します。
    4. 追加プロパティー」の下の「カスタム・プロパティー」を選択します。
    5. 新規」を選択します。
    6. 名前」に recoveryNode を、「」に true を入力します。 「説明」フィールドはブランクのままでも構いません。
    7. 構成内の各ノード・エージェントについてステップ 3 から 7 を繰り返します。
    8. 構成を保管します。
  2. (JTA XAResource Managers を使用する場合にのみ必要) 代替システムで適当なログおよびクラスが使用可能であることを確認します。 WebSphere Application Server for z/OS ピアの再始動およびリカバリーを使用し、 アプリケーションが JTA XAResource Managers にアクセスする予定の場合、 代替システムで適当なログおよびクラスが使用可能になっているようにしてください。
    1. WebSphere Application Server for z/OS 変数 TRANLOG_ROOT を共用 HFS にポイントします。 TRANLOG_ROOT 変数は、 WebSphere Application Server for z/OS セルのすべてのシステムが書き込み可能な共用 HFS をポイントする必要があります。 XA パートナー・ログはここに保管され、代替システムがこのログを読み取りおよび更新できるようにする必要があります。

      管理コンソールを使用して、 WebSphere Application Server for z/OS 変数 TRANLOG_ROOT を、 WebSphere Application Server for z/OS セルのすべてのシステムが書き込み可能な共用 HFS のディレクトリーに設定します。

      管理コンソールで、「環境」>「WebSphere 変数の管理」をクリックします。続いて、「TRANLOG_ROOT」変数をクリックして、共用 HFS のディレクトリーを指定する新規ウィンドウを開きます。

    2. WebSphere Application Server for z/OS セルのすべてのシステムが読み取り可能な HFS の各 JTA XAResource Manager について、ドライバー (つまり、JDBC Driver、JMS プロバイダー、または JCA リソース・アダプターなど) を保管します。 例えば、コネクターがデータベースの JDBC Driver の場合、ドライバーは、シスプレックス内のすべてのシステムがアクセス可能な読み取り専用の HFS に保管されます。これにより、代替システムはりソースの保管済みクラスパスを読み取り、再始動中にこれを再構成することができます。

      JTA XAResource Manager へのアクセスに使用するコネクターが、リカバリーで使用するすべてのシステムで読み取り可能な HFS に保管されていない場合、アプリケーション・サーバーが代替システムで再始動する際に、行う XA リカバリー作業がないと表示されるか、JTA XAResource Manager との通信に必要なクラスをロードすることができなくなります。

  3. 未確定単位を解決します。

    リカバリー中、手操作による介入を行い未確定単位を解決する必要のある場合があります。この手操作による介入には、RRS パネルを使用する必要があります。




サブトピック
ピアの再始動およびリカバリー
RRS パネルを使用した未確定のリカバリー単位の解決
JTA XAResource マネージャーによるリカバリー
関連タスク
アプリケーション・サーバーの管理
タスク・トピック    

ご利用条件 | フィードバック

最終更新: Jan 21, 2008 9:12:22 PM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r1/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.zseries.doc/info/zseries/ae/tprr_use.html