WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: z/OS

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このトピックは、z/OS オペレーティング・システムにのみ適用されます。

シスプレックス内の複数システムにおけるサーバー・ランタイムのセットアップ

ご使用のアプリケーションがワークロード・バランシングと高可用性を必要とし、 さらにワークロードが増大する際の要求に合わせて新規システムを容易に追加できるようにしたい場合は、 Application Server ランタイムと関連するアプリケーション・サーバーをモノプレックスからシスプレックス構成へマイグレーションすることができます。

始める前に

サーバー・ランタイムおよび関連するビジネス・アプリケーション・サーバーをモノプレックスにインストールした後、 ランタイムおよび関連するアプリケーション・サーバーをシスプレックス構成にマイグレーションするかどうかを評価する必要があります。

このタスクについて

シスプレックス環境では、以下のことが可能です。
  • 複数のシステム間でワークロードのバランスを取ることで、 アプリケーションに対するパフォーマンス管理を改善します。
  • ワークロードの増大に連れて要求に合致するように新規システムを追加します。 この機能により、処理ニーズにスケーラブルな解決策が得られます。
  • ランタイムおよび関連するビジネス・アプリケーション・サーバーを複製します。 この機能により、あるシステムで障害が発生した場合、ユーザー要求の処理に他のシステムを使用できることが保証されます。
  • Application Server のリリースまたはサービス・レベルのアップグレードを、ユーザーへのサービスを中断することなく行えます。

以下のタスクを実行して、シスプレックス構成の Application Server をセットアップします。

プロシージャー

  1. 使用可能になっているシスプレックス環境がまだない場合は、それをセットアップします。

    z/OS 資料「z/OS MVS シスプレックスのセットアップ」には、z/OS シスプレックスのセットアップ方法が説明されています。セットアップするディレクトリーは、 以下のディレクトリー構造に類似している必要があります。

    図 1. シスプレックスで稼働している 2 つの Application Server 用のディレクトリー構造WebSphere Application Server ディレクトリー構造
  2. シスプレックス環境用のサーバー・ランタイムを構成します。
    1. エラー・ログの単一システム・ビューを必要とするかどうかを決めます。 エラー・ログの単一システム・ビューを必要とする場合で、最初にシステム・ロガーにエラー・ログが設定されており、ロギングに DASD を使用した場合は、カップリング・ファシリティーでエラー・ログを構成する必要があります。
    2. セル内でのアプリケーション実行可能ファイルの共用方法を決めます。
    3. ARM のセットアップを行います。 このリリースでは、システム間の再始動をサポートしないため、必要に応じて ARM ポリシーを設定する必要があります。各エレメントを実行するシステムに TARGET_SYSTEM が指定されていることを確認してください (デフォルトの TARGET_SYSTEM=* を使用すると、システム間の再始動が選択されます)。
    4. セル内のすべてのシステムですべての WebSphere Application Server for z/OS ランタイム・サーバーを実行するかどうかを決めます。
      推奨事項: 以下のテーブルは、セル内でのサーバーの実行に対する推奨事項と要件を示します。
      表 1. セル内でのサーバーの実行
      サーバー セル内でのサーバーの実行に対する推奨事項と要件
      ロケーション・サービス・デーモンおよびノード・エージェント
      • サーバー・ランタイムを実行させるシスプレックス内の各システムで、 ロケーション・サービス・デーモンとノード・エージェントの両方を実行 する必要があります。 サーバー・ランタイムがシスプレックス内の一部のシステムにインストールされていない場合は、 これらのシステムでロケーション・サービス・デーモンおよびノード・ エージェントを実行する必要はありません。
      • サーバーが、クライアントとの対話に PassTickets が必要であることを示す場合、z/OS クライアントの常駐するシステムでロケーション・サービス・デーモンとノード・エージェントを実行する必要があります。
      デプロイメント・マネージャー 必ず正しいステップでデプロイメント・マネージャー・セルを構成してください。
  3. セキュリティー・システムを作成します。
  4. データ共用をセットアップします。 ユーザーの z/OS システムで稼動中の DB2 のバージョンに対応する「DB2 Data Sharing: Planning and Administration」資料を参照してください。
  5. シスプレックス内の他のシステム上の z/OS 機能をカスタマイズして、 初期サーバー・ランタイムのインストールの一部として実行したカスタマイズに一致させます。
  6. TCP/IP 設定を変更します。 シスプレックス内の各システムには、ロケーション・サービス・デーモン、ノード・エージェント、 およびビジネス・アプリケーション・サーバーが含まれています。 ロケーション・サービス・デーモンは、 ロケーション・サービス・エージェントとして機能し、要求にオブジェクト・キー が含まれる位置指定要求を受け入れます。したがって、 TCP/IP ドメイン・ネーム・サーバー (DNS) エントリー、および セル内の各システムの TCP/IP プロファイルにロケーション・サービス・デーモンのポートが含まれており、そのポートが新規ロケーション・サービス・デーモン・サーバーの名前に関連付けられていることが重要です。
    1. DNS エントリーを変更します。

      DNS インプリメンテーションを使用し、 類似構成のサーバーを動的に解決する汎用 IP 名を使用できるようにしている場合は、DNS 内の IP 名を 調整する必要があります。 ロケーション・サービス・デーモンの汎用 IP 名は 保持しておき、2 番目以降のロケーション・サービス・デーモン・サーバー用に新しい IP 名を追加します。 追加の IP 名を使用することにより、 DNS は、障害が発生したときに他のサーバーに作業を仕向けることができます。

    2. セル内の追加システムごとの TCP/IP プロファイルで、 ロケーション・サービス・デーモンのポートを追加し、そのポートを新しい ロケーション・サービス・デーモン・サーバー名に関連付けます。

      デフォルトでは、サーバー・ランタイムはロケーション・サービス・デーモンにポート 5655 を使用します。 また、サーバー・ランタイムは、最初のロケーション・サービス・ デーモン・サーバーに DAEMON01 と名前を付けて、新しいロケーション・ サービス・デーモン・サーバーごとにその名前のサフィックス番号を増やします (DAEMON02、DAEMON03、など)。 このため、シスプレックス内の 2 番目のシステム用にポートを追加して DAEMON02 に関連付ける必要があります。

      例:
      5655   TCP     DAEMON02
      
      シスプレックス内の 3 番目以降のシステムに同じパターンを行います。
  7. シスプレックスに新規アプリケーション・サーバー・クラスターを定義します。
  8. オプション: デプロイメント・マネージャー・セルを作成します。
    1. シスプレックス内の各ノードでデフォルト・アプリケーション・ サーバーをインストールします。
    2. シスプレックス内の各ノードにデプロイメント・マネージャー・セルをインストールします。
    3. デプロイメント・マネージャー・セルに デフォルト・サーバー・ノードを追加します。

結果

シンプレックス内の複数のシステム上でアプリケーションを実行する利点のすべてを利用することができます。

次の作業

ご使用のアプリケーションをシスプレックスにマイグレーションします。



サブトピック
シスプレックスの他のシステムにおける基本 z/OS 機能のカスタマイズ
関連タスク
クラスターへのメンバーの追加
タスク・トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 9:12:22 PM EST
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