WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: z/OS

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メモリー間の複製

メモリー間のセッション複製 とは、 別の WebSphere Application Server へのセッションの複製のことを指します。 このモードでは、HTTP セッションの Single Point of Failure (SPOF) への対応策として、 1 つ以上の Application Server に セッションを複製することができます。

セッションの処理が現在行われている WebSphere Application Server インスタンスのことを、 セッションの所有者 と言います。 クラスター環境では、WebSphere Application Server プラグインでのセッション類縁性により、 所定のセッションの要求は同一サーバーに送られます。 セッションの現行所有者のサーバー・インスタンスが異常終了すると、 WebSphere Application Server プラグインは、その要求をクラスター内の別の適切なサーバーに送ります。 ピアツーピア・クラスターでは、ホット・ファイルオーバー機能のプラグインにより、セッションのバックアップ・コピーをすでに持つサーバーにフェイルオーバーされ、 バックアップを持つ別のサーバーからセッションを取得する場合のオーバーヘッドが回避されます。 クライアント/サーバー・クラスターでは、サーバーは、セッションのバックアップ・コピーを持つサーバーからセッションを取得します。 これで、このサーバーはセッションの所有者になり、 類縁性を維持することになります。

実行モードとしては、以下の 3 つが考えられます。 メモリー間複製のセッション管理機能を構成する場合、サーバー、クライアント、または両方の複製モードを選択することができます。 デフォルトは両方です。このストレージ・オプションは、mode パラメーターで行います。

メモリー間の複製機能は、アプリケーション・サーバー内に、リモートのアプリケーション・サーバー内の他のデータ複製サービス・インスタンスと通信を行うデータ複製サービス・インスタンスを作成することにより実現されます。 このデータ複製サービス・インスタンスは、複製ドメインの一部として構成する必要があります。 相互に複製する別々のアプリケーション・サーバー上のデータ複製サービス・インスタンスは、同一のドメインの一部として構成される必要があります。 1 つの複製ドメインに接続されたセッション・マネージャーはすべて、同一のトポロジーを持つよう構成する必要があります。 ドメイン内のあるセッション・マネージャー・インスタンスがクライアント/サーバー・トポロジーを使用するよう構成された場合、そのドメイン内の残りのセッション・マネージャー・インスタンスは、クライアントのみ、およびサーバーのみとして構成されたサーバーの組み合わせである必要があります。 あるセッション・マネージャー・インスタンスがピアツーピア・トポロジーを使用するよう構成された場合、すべてのセッション・マネージャー・インスタンスは、クライアントおよびサーバーの両者として構成される必要があります。 例えば、サーバーのみのデータ複製サービス・インスタンスと、 クライアントおよびサーバー両方のデータ複製サービス・インスタンスは、同じ複製ドメインに存在することはできません。 同一のドメインの一部として構成されたさまざまなレベルでのセッション・マネージャーのメモリー間構成のため、同一のアプリケーション・サーバー上に存在する複数のデータ複製サービス・インスタンスは、同一のモードを持つ必要があります。

モードに関しては、以下の例がメモリー間複製構成の主なものです。

管理コンソールを使用すると、 メモリー間の複製を構成するための柔軟性とさらなる可能性が得られますが、 正式にサポートされているのは、上記の構成だけです。

デフォルトで、クラスターにはレプリカが 1 つあります。 複製ドメインを通じて、レプリカの数を変更できます。

コントローラーにおける HTTP セッションの複製

HTTP セッションのメモリー間の複製に対応している WebSphere Application Servers on z/OS は、 複製された HTTP セッション・データをコントローラーに保管し、 そのデータを他の WebSphere Application Server に複製することができます。 コントローラーに保管された HTTP セッション・データは、 そのコントローラーの任意のサーバントで取り出すことができます。 HTTP セッションの類縁性は、引き続き特定のサーバントに関連付けられます。 ただし、そのサーバントに障害が発生した場合は、他の任意のサーバントが、 コントローラー内に保管された HTTP セッション・データを取り出し、 新しい類縁性を確立することができます。

HTTP セッションをコントローラーに保管する機能は、 z/OS 上の管理対象外のアプリケーション・サーバーでも使用可能にすることができます。 この機能を使用可能にすると、サーバントは、 障害が発生したときに取得できるようにするために、HTTP セッション・データを、 管理対象サーバーと同様にコントローラーに保管します。管理対象外アプリケーション・サーバーのコントローラーに 保管された HTTP セッション・データは、他のアプリケーション・サーバーでは取り出すことができず、 他のアプリケーション・サーバーに複製されることもありません。

管理対象外アプリケーション・サーバー内のコントローラーに HTTP セッション・データを保管する機能は、 JVM カスタム・プロパティー HttpSessionEnableUnmanagedServerReplication を true に設定することで、 使用可能になります。このプロパティーは、「サーバー」>「アプリケーション・サーバー」>「server_name」で設定することができます。次に「サーバー・インフラストラクチャー」下で、「Java およびプロセス管理」>「プロセス定義」>「サーバント」>「Java 仮想マシン」>「カスタム・プロパティー」とクリックします。




サブトピック
メモリー間トポロジー: ピアツーピア機能
メモリー間トポロジー: クライアント/サーバー機能
関連概念
複製
関連タスク
マルチブローカー複製ドメインによるデータの複製
概念トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 9:12:22 PM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r1/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.zseries.doc/info/zseries/ae/cprs_memory2memory.html