このトピックでは、デプロイメント・マネージャーのランタイム環境の作成について説明します。
プロファイル管理ツールを使用する前に、コア・プロダクト・ファイルをインストールします。
プロファイル管理ツールは、manageprofiles コマンドのグラフィカル・インターフェースです。詳しくは、manageprofiles コマンド の説明を参照してください。
プロファイルを作成するための十分な一時スペースをシステムに用意する必要があります。 要件について詳しくは、プロファイル: ファイル・システム要件 のトピックを参照してください。
Network Deployment 製品のコア・プロダクト・ファイルをインストール後、
プロファイルを作成する必要があります。作成するプロファイルは、Network Deployment デプロイメント・マネージャー・プロファイル、
Feature Pack for Web Services で使用可能なデプロイメント・マネージャー・プロファイル、
Network Deployment アプリケーション・サーバー・プロファイル、Feature Pack for Web Services で
使用可能なアプリケーション・サーバー・プロファイル、セル・プロファイル、またはカスタム・プロファイルのいずれであってもかまいません。
この手順では、プロファイル管理ツールによって提供されるグラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用して、デプロイメント・マネージャー・プロファイルを作成する方法について説明します。デプロイメント・マネージャーは、1 つ以上のマシン上にある アプリケーション・サーバーの論理グループに、単一の管理インターフェースを提供します。
また、manageprofiles コマンドを使用して、デプロイメント・マネージャーを作成することができます。詳細については、manageprofiles コマンドの説明を参照してください。
このタスクでは、ファースト・ステップ・コンソールからプロファイル管理ツールを選択します。
詳しくは、firststeps コマンド の説明を参照してください。
ウィザードを開始する方法
ウィザードは、環境選択パネルを表示します。
プロファイル作成オプションのパネルが表示されます。
「Typical profile creation」オプションでは、デフォルト構成設定を使用したプロファイルを作成します。 「Advanced profile creation」オプションでは、プロファイルに独自の構成値を指定できます。
ウィザードでは、「Profile name and location」パネルが表示されます。
マシンで作成する最初のプロファイルは、デフォルト・プロファイルです。 デフォルト・プロファイルは、製品インストール・ルートの bin ディレクトリーから実行されるコマンドのデフォルトのターゲットです。 マシンにプロファイルが 1 つしかない場合、 すべてのコマンドは構成内のサーバー・プロセスに対してのみ動作します。 以降のプロファイル作成時に別のプロファイルをデフォルト・プロファイルにするには、「Advanced profile creation」パスの「Profile name and location」パネルで、「このプロファイルをデフォルトにする」をクリックします。
マシンに複数のプロファイルが存在する場合、特定のコマンドでは、コマンドが適用するプロファイルを指定する必要があります。 これらのコマンドでは、-profileName パラメーターを使用して、処理するプロファイルを識別します。 各プロファイルの bin ディレクトリーにあるコマンドを使用する方が効果的な場合があります。
実際のコマンドは、コマンド・シェルを照会して、 呼び出しプロファイルを判別し、呼び出しプロファイルに対するコマンドを自動的に処理します。
デプロイメント・マネージャー・ノードには、以下の特性があります。
フィールド名 | デフォルト値 | 制約 | 説明 |
---|---|---|---|
ノード名 | shortHostNameCellManagerNodeNumber。ここで、各項目の意味は次のとおりです。
|
デプロイメント・マネージャーの固有の名前を使用します。 | この名前は、デプロイメント・マネージャー・セル内での管理に使用されます。 |
ホスト名 | ドメイン・ネーム・サーバー (DNS) 名の長い形式 |
ホスト名は、ご使用のネットワークを介してアドレス可能でなければなりません。 ホスト名の考慮事項を参照してください。 |
ご使用のマシンの実際の DNS 名または IP アドレスを使用して、ご使用のマシンとの通信を可能にします。 この表の後にある、ホスト名に関する追加情報を参照してください。 |
セル名 | shortHostNameCellCellNumber。ここで、各項目の意味は次のとおりです。
|
デプロイメント・マネージャー・セルに固有の名前を使用します。 V5 デプロイメント・マネージャー・セルをこの V6 デプロイメント・マネージャーにマイグレーション する場合は、V5 デプロイメント・マネージャーと同じセル名を使用してください。セル名は、同じ物理マシンまたはマシンのクラスター (SYSPLEX など) 上の、製品が稼働する環境では、どこでも固有でなければなりません。またセル名は、エンティティー間のネットワーク接続が、セル間で、または各セルとの通信が必要なクライアントから要求されるような環境では、どこでも固有でなければなりません。更に、セル名のネーム・スペースが統合されるような場合も、セル名が固有である必要があります。セル名が固有でないと、javax.naming.NameNotFoundException のような症状が起こり、固有名を持つセルの作成が必要になる可能性があります。 | 統合されたすべてのノードは、 このパネルで名前を付けた、デプロイメント・マネージャー・セルのメンバーになります。 |
ディレクトリー・パスの考慮事項
profiles_directory_path¥profile_name ディレクトリー内の文字数は、80 文字以下でなければなりません。
ホスト名は、ノードがインストールされている物理マシンのネットワーク名です。 ホスト名は、サーバー上の物理ネットワーク・ノードに解決する必要があります。 サーバーが複数のネットワーク・カードを備えている場合は、 ホスト名または IP アドレスは、そのネットワーク・カードのいずれか 1 つに解決されなければなりません。 リモート・ノードは、ホスト名を使用して、このノードに接続および通信します。 その他のマシンがネットワーク内でアクセスできるホスト名を選択することが、非常に重要です。 この値に汎用 ID である localhost を使用しないでください。 また、2 バイト文字セット (DBCS) の文字を使用したホスト名を持つマシン上に WebSphere Application Server 製品をインストールしないでください。 ホスト名に使用する場合、DBCS 文字はサポートされません。
同一コンピューター上に共存している複数のノードを固有の IP アドレスで定義する場合は、 ドメイン・ネーム・サーバー (DNS) のルックアップ・テーブルで、 個々の IP アドレスを定義してください。 スタンドアロン・アプリケーション・サーバーの構成ファイルでは、 ネットワーク・アドレスが 1 つしかないマシンでの複数 IP アドレスのドメイン・ネーム解決が提供されません。
完全修飾 DNS ホスト名には、あいまいなところがなく、柔軟性に富むという利点があります。 この柔軟性により、ユーザーは、ホスト・システムの実際の IP アドレスを変更しても、 アプリケーション・サーバー構成を変更する必要がありません。ホスト名のこの値は、 動的ホスト構成プロトコル (DHCP) を使用して IP アドレスを割り当てる際に頻繁に IP アドレスを変更することが予定されている場合には、特に有用です。この形式の欠点は、DNS に依存するということです。DNS が使用できないと、接続に支障を来します。
短縮ホスト名も、 動的に解決可能です。ショート・ネーム形式には、 ネットワークから切断されたときでもシステムがアプリケーション・サーバーを実行できるように、 ローカル・ホスト・ファイルで再定義されるという機能もあります。 ホスト・ファイルの 127.0.0.1 (ローカル・ループバック) に対するショート・ネームを、 切断した状態でも実行されるように定義します。この形式の欠点は、リモート・アクセスでは DNS に依存するということです。DNS が使用できないと、接続に支障を来します。
数値 IP アドレスには、DNS によって名前を解決する必要がないという利点があります。 リモート・ノードは、DNS が使用できなくても、数値 IP アドレスを使用して名付けられたノードに接続できます。 この形式の欠点は、数値 IP アドレスを使用するとアドレスが固定化されるということです。 マシンの IP アドレスを変更したら、Express 構成文書の hostName プロパティーの 設定も必ず変更しなければなりません。 したがって、DHCP を使用するか、 あるいは IP アドレスを定期的に変更する場合は、数値 IP アドレスを使用しないでください。 もう一方の形式の欠点としては、ホストがネットワークから切断されるとノードを使用できないということがあります。
デプロイメント・マネージャーの特性が表示された後、 ウィザードでは、「管理セキュリティー」パネルが表示されます。
管理セキュリティーは、現時点のプロファイル作成中に有効にするか、後でコンソールから有効にすることができます。 管理セキュリティーをこの時点で有効にする場合は、管理コンソールにログオンするためのユーザー名とパスワードを指定します。
セキュリティー特性の指定後に、ウィザードは、「ポート値割り当て」パネルを表示します (事前に「Advanced profile creation」を選択している場合)。
管理コンソールをデプロイしないことを選択した場合、管理コンソール・ポートは「ポート」パネル上でグレー化されます。
ポートの競合解決:
Windows プラットフォーム上にインストールする場合は、ウィザードに Windows サービスの定義パネルが表示され、インストール ID には管理グループ特権があります。サポートされる Linux プラットフォーム上にインストールする場合は、Linux サービスの定義パネルが表示され、プロファイル管理ツールを実行する ID は root ユーザーです。
サービスは、システムのリブート時に自動的に開始するように構成する ことができます。または、管理者特権への昇格を求めるプロンプトを受け入れた後、「Windows サービス 」パネルから、手動で開始および停止することができます。
標準のユーザー特権で実行している場合は、そのようなサービス・アクションを変更または 制御することはできません。管理者特権が必要です。
アプリケーション・サーバーがサービスとして実行するように構成されていない場合、 管理者特権への昇格を求めるプロンプトからこれらのユーティリティーを実行する必要は ありません。
WebSphere Application Server では、startManager コマンドにより開始される
dmgr プロセスの Windows サービスの開始を試行します。
例えば、デプロイメント・マネージャーを Windows サービスとして構成し、startManager コマンドを
実行すると、wasservice コマンドは定義されたサービスの開始を試行します。
ローカル・システム・サービスをインストールするよう選択した場合、 ユーザー ID またはパスワードを指定する必要はありません。 指定されたユーザー・タイプのサービスを作成する場合は、サービスを実行するユーザーのユーザー ID およびパスワードを指定する必要があります。 ユーザーは、サービスを適切に実行するために、「サービスとしてログオン」権限を持っている必要があります。 ユーザーにサービスとしてログオンする 権限がない場合、プロファイル管理ツールは自動的にその権限を追加します。
このインストール・タスクを実行するには、 ユーザー ID の名前にスペースが含まれていてはいけません。 この ID は、管理者グループに属していることに加えて、拡張ユーザー権限である「サービスとしてログオン」を備えている必要もあります。ユーザー ID が管理者グループに属しており、まだ拡張ユーザー権限がない場合は、インストール・ウィザードはそのユーザー ID に拡張ユーザー権限を付与します。
インストール完了後にその他の Windows サービスを作成して、 別のサーバー・プロセスを開始することもできます。 詳しくは、サーバー・プロセスの自動再始動 を参照してください。
プロファイル削除時に、プロファイル作成中に追加された Windows サービスを削除できます。
IPv6 の考慮事項
サービスがローカル・システム として実行されるように構成されている場合、IPv6 を使用すると、Windows サービスとして実行されるように作成されたプロファイルの開始は 失敗します。ユーザー固有の環境変数を作成して IPv6 を使用可能にします。この環境変数は、ローカル・システム 変数ではなくユーザー変数であるため、 その特定のユーザーとして実行される Windows サービスからのみアクセスできます。デフォルトで、 新規プロファイルが Windows サービスとして実行されるように作成および構成された場合、 サービスはローカル・システム として実行されるように設定されます。dmgr プロセスの Windows サービスで実行が試行された場合、 サービスは、IPv6 を指定するユーザー環境変数にアクセスできず、IPv4 として開始が試行されます。この場合、サーバーは正しく始動されません。 この問題を解決するには、 プロファイルを作成するときに、dmgr プロセスの Windows サービスが、ローカル・システム として実行されるのではなく、IPv6 を指定する環境変数が定義されているのと同じユーザー ID として実行されることを 指定します。
デフォルトの Windows サービス情報
現在のオペレーティング・システムがサポートされるバージョンの Linux であり、現在のユーザーに適切な許可がある場合に、Linux のサービス定義パネルが表示されます。
WebSphere Application Server は、startServer コマンドで開始されるアプリケーション・サーバー・プロセスの Linux サービスの開始を試行します。 例えば、アプリケーション・サーバーを Linux サービスとして構成し、startServer コマンドを実行すると、wasservice コマンドは定義されたサービスの開始を試行します。
デフォルトで、WebSphere Application Server は、Linux サービスとして実行するようには選択されていません。
サービスを作成するには、プロファイル管理ツールを実行するユーザーは root ユーザーである必要があります。 プロファイル管理ツールを非 root ユーザー ID で実行すると、Linux のサービス定義パネルは表示されず、サービスは作成されません。
サービスを実行するユーザー名を指定する必要があります。
Linux サービスを削除するには、ユーザーは root ユーザーであるか、サービスを削除するための適切な権限を持っている必要があります。 そうでない場合は、削除スクリプトが作成され、ユーザーの代わりに root ユーザーがこれを実行してサービスを削除できます。
ウィザードは、 「プロファイル作成サマリー」パネルを表示します。
実行中の構成コマンドを示す「Profile creation progress」パネルが表示されます。
プロファイル作成が完了すると、ウィザードは「Profile Creation Complete」パネルを表示します。
ファースト・ステップ・コンソールでは、追加のプロファイルを作成し、アプリケーション・サーバーを始動できます。 「Create another profile」オプションを使用して追加ファイルを作成します。
デプロイメント・マネージャー・プロファイルが作成されました。プロファイル内のノード には、dmgr というデプロイメント・マネージャーがあります。
ウィザードではなく、コマンドを使用してプロファイルを作成する方法を確認するには、manageprofiles コマンド を参照してください。
アプリケーション・サーバー・プロファイルを作成し、 セルにノードを追加します。 これで、アプリケーションのデプロイ準備が整いました。
アプリケーションをデプロイして、開始します。
アプリケーションのデプロイを開始するには、WebSphere Application Server のファースト・パス を参照してください。