WebSphere Application Server for z/OS バージョン 5 では、Workload Manager (WLM) サービスを使用して、 トランザクションの開始から終わりまでの応答時間、実行遅延時間を報告します。
ワークロード管理について詳しくは、 「z/OS MVS 計画: ワークロード管理」を参照してください。 WLM 遅延モニターについて詳しくは、 「z/OS MVS Programming: Workload Management Services」を参照してください。 両方とも z/OS Internet Library Web site で入手できます。
新規トランザクションがシステムに入力されると、WebSphere Application Server for z/OS アプリケーション制御領域 (ACR) は分類サービスを開始します。 WebSphere Application Server for z/OS ACR サービス・クラスに関連する遅延は 、BTE フェーズおよび EXE フェーズについて、別々に数えられます。このサポートにより、WLM は、 パフォーマンス・ブロック (PB) を別プログラムと関連付けて、トランザクションのフローで発生する遅延を 記録することが可能です。状態サンプルは進行中に収集され、 平均トランザクション応答時間のパーセンテージとして報告されます。 次の表には、 状態、状態のコード、各 RMF レポートが報告されるセクション、意味、および提案されている応答を示します。この情報を RMF レポートで使用して、システムのパフォーマンス上の問題が発生している可能性のある場所を 判別することができます。
状態 | コード | レポート | 意味 | 応答 |
ACTIVE | ACTIVE SUB | BTE と EXE の両方 | WebSphere は要求をアクティブに処理しています | |
ACTIVE_APPLIC | ACTIVE APPL | BTE と EXE の両方 | アプリケーションが実行しています | アプリケーション・モニター・ツールを使用して、 遅延の原因を判別します。 |
WAITING TYPE1 | TYP1 | EXE | EJB コラボレーター遅延 | |
WAITING TYPE2 | TYP2 | EXE | リソース・マネージャー遅延 | J2C コネクターを、DB2、IMS、および CICS のようなリソース・マネージャーへ呼び出します。 モニター・ツールを使用して、他のリソース・マネージャーを調査します。 |
WAITING TYPE3 | TYP3 | EXE | RMI/IIOP を使用して 異なる分散オブジェクト・サーバーに呼び出されたサーバント |
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WAITING TYPE 4 | TYP4 | BTE | RRS への OTS 呼び出し。 コントローラーが分散トランザクションをコミットしようとしている場合に、コントローラーでのみ 発生します。 |
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WAITING REGIST TO WORKTABLE | WORK | BTE | 同時要求を処理しようとしているときの、 コントローラー内の競合を示す。 | 遅延が過剰である場合、 別のコントローラーを追加し、そこに作業を分割することを検討します。 |
WAITING OTHER_PRODUCT | OTHER | BTE | DNS または TCP/IP の構成上の問題を示します。 | 検査して、 すべての DNS サーバーが稼働していることを確認します。OPING または ONSLOOKUP を調べます。 |
WAITING DISTRIB | DIST | BTE | クライアントであるコントローラーが 応答を待機し、アウトバウンドしました。 |
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WAITING SESS_NETWORK | REMT | BTE | TCP/IP セッションが ネットワーク上で確立されるのを待機するのに費やされた時間。 | 2 つのセッション遅延が TYP3 遅延で監視可能です。TCP/IP 構成を調べます。 |
WAITING SESS_SYSPLEX | SYSP | BTE | TCP/IP セッションが シスプレックス上で確立されるのを待機するのに費やされた時間。 | 2 つのセッション遅延が TYP3 遅延で監視可能です。TCP/IP 構成を調べます。 |
WAITING REGULAR_THREAD | REGT | BTE | コントローラーでスレッドを待機します。 作業は、処理可能な要求より多くの要求を受信しているため、コントローラーでボトルネックとなっています。 | コントローラーを分割します。 |
WAITING SSL_THREAD | SSLT | BTE | コントローラーで SSL スレッドを待機します。 作業は、処理可能な数より多くの SSL ハンドシェークの要求を受信しているため、 コントローラーでボトルネックとなっています。 | コントローラーを分割し、SSL スレッドを増加させます。
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WAITING SESS_LOCALMVS | LOCL | BTE | ローカル最適化通信を使用して 異なる分散オブジェクト・サーバーと通信するのに費やされた時間。 |
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