開発者の生産性を向上させるための WebSphere 拡張機能である、作業域に関連した
主要な概念について説明します。作業域では、グローバル変数によく似た機能を使用できます。これにより、分散アプリケーション間で
効率的に情報を共有できます。
- 作業域サービスの概要
- 分散コンピューティングの基礎の 1 つに、1 つのプロセスから他のプロセスへの情報の受け渡しの機能があります。
これは通常、リモート・メソッドに対する引数の形式で行われます。アプリケーション・レベルのソフトウェアがミドルウェア・サービス上に書き込まれる場合、
多くのサービスは、アプリケーションのリモート呼び出しでパスされる情報のほかにもさらに多くの情報を必要とします。
このようなサービスは、リモート要求で渡される引数に加え、秘密情報の暗黙的な伝搬を使用する場合が多くあります。
こうした機能を使用する代表的なユーザーとして、セキュリティー・サービスとトランザクション・サービスの 2 つがあります。セキュリティー認証またはトランザクション・コンテキ
ストは、ユーザーあるいはアプリケーション開発者が知ることなく、また介入することもなく渡されます。 こうした情報が暗黙的に伝搬されるということは、
アプリケーション開発者がメソッド起動時に情報を手動で渡す必要がないということになります。
これにより、開発時のエラーは起こりにくくなり、情報を要求するサービスもアプリケーション開発者
にその情報を公開しなくてすみます。 セキュリティー・クレデンシャルなどの情報は、秘密にしておくことができます。
- 作業域区画サービス
- 作業域区画サービスは、複数のカスタム作業域の作成を可能にする、
作業域サービスの拡張機能です。作業域区画サービスはユーザーに対するオプションのサービスです。作業域サービスおよび UserWorkArea 区画を現在使用しているユーザーは、
それを同じ方法で継続して使用できます。UserWorkArea 区画は、それが使用不可にされていない限り、
作業域区画サービスにより自動的に作成されます。作業域区画サービスを介して
独自の作業域区画を作成するオプションがあることにより、区画へのアクセスおよび構成において、
ユーザーがより多くを制御できます。