z/OS システム上でアプリケーション・サーバーを実行する場合、大量の仮想ストレージを要求されることが多々あります。
仮想ストレージはバックアップとして実ストレージを使用するので、実ストレージの使用率も高くなることがあります。
したがって、アプリケーション・サーバーの実行に割り振る仮想ストレージの容量を過小に見積もっていないことを確認してください。
始める前に
アプリケーション・サーバーの仮想ストレージの所要量は、実行しているアプリケーション・サーバーの数と、これらのサーバーそれぞれが処理する要求数をベースに決定します。
このタスクについて
クライアント要求スループットを改善する必要がある場合、以下のステップの 1 つ以上を
実行します。
プロシージャー
- 追加の仮想ストレージを割り振ります。 proc の JCL の REGION 設定は、z/OS アドレス・スペースに使用できる仮想ストレージの容量を制御します。
WebSphere Application Server コントローラーとサーバントに使用するデフォルト値は、ゼロに設定されており、オペレーティング・システムはすべての使用可能領域 (2GB 近く) を割り振ります。
REGION パラメーターをゼロ以外の値に設定することによって、割り振る仮想ストレージの量を制限できます。JVM ヒープのサイズは、REGION パラメーターの設定を決定するときの最も重要な要因です。
JVM ヒープ・サイズが非常に大きい場合にのみ、REGION をゼロ以外の値に設定する必要があります。
z/OS オペレーティング・システムは、JVM ヒープが割り振られるユーザー・ストレージをアドレス・スペースの下部から割り振り、システム・ストレージを先頭から割り振ります。
システムが仮想ストレージを取得しようとして、使用可能な仮想ストレージがなかった場合、システム異常終了が発生することがあります。
REGION パラメーターをゼロ以外に設定すると、アドレス・スペースの先頭にシステム使用ストレージが保持され、システム異常終了の発生が防止されます。
ほとんどすべての場合、デフォルトの REGION をそのまま使用して問題ありません。
- 仮想ストレージの使用率が高いアプリケーション・サーバーを、
64 ビット・モードで実行するように変換します。 アプリケーション・サーバーを 64 ビット・モードで
実行することにより、より大規模な JVM ヒープ・サイズを指定することができます。
- 非常に大規模なアプリケーションがデプロイされたセルを管理するデプロイメント・マネージャーを、
64 ビット・モードで実行するように変換します。
- 追加の実ストレージを割り振ります。 ご使用のシステムで必要な
実ストレージの合計所要量は、実行中のサーバーの数と各サーバーの JVM ヒープのサイズに応じて
異なります。小規模な構成の場合、少なくとも 512 MB の実ストレージを割り振る必要があります。
推奨事項: ストレージが大量に使用される環境では、大規模な Java アプリケーションの実ストレージ要求の処理に 2 GB の中央ストレージを使用しても不足する場合があります。
この状態では、サーバーを 64 ビット・モードで実行させるように構成することができます。
サーバーを 64 ビット・モードで実行することにより、
中央ストレージをより LPAR の専用にすることができ、2 GB を超える中央ストレージを定義することができます。
サーバーを 64 ビット・モードで実行するように構成すると、すべてのストレージが中央ストレージして定義されます。
zSeries
プロセッサー上で実行される z/OS オペレーティング・システムは、常時、64 ビット・モードで実行されます。zSeries 以外のプロセッサーを使用する場合、またはサーバーを 31 ビット・モードで実行する場合は、拡張ストレージを定義することによりページングを最小にすることができます。