アプリケーションは、キャッシュ・インスタンスを使用して、動的キャッシュ内でデータ・オブジェクトを保管、取得および共用します。
キャッシュ・インスタンスは、Java Naming and Directory Interface (JNDI) 名、キャッシュ・サイズ、優先順位、およびディスク・オフロードについて、それぞれ個別に構成できます。特定のキャッシュ・インスタンスに格納されているオブジェクトは、他のキャッシュ・インスタンスの影響を受けません。これは、値 object_data を持つ object_1 という名前のオブジェクトを cache_instance_x に格納する場合、名前が同じで別の値を持つオブジェクトを cache_instance_y に格納することができることを意味します。
特定のキャッシュ・インスタンスに格納されているオブジェクトは、同じ名前のキャッシュ・インスタンスにアクセスすることにより、他のサーバー上のアプリケーションから使用できます。 2 つのサーバーは、データを共用する同じ複製ドメイン内になくてはなりません。
キャッシュ・インスタンスには、オブジェクト・キャッシュ・インスタンスとサーブレット・キャッシュ・インスタンスの 2 つのタイプがあります。
オブジェクト・キャッシュ・インスタンスは、デフォルトの共用動的キャッシュであることに加えて、Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) アプリケーションがオブジェクトを保管、配布、および共用できるロケーションでもあります。 オブジェクト・キャッシュ・インスタンスを構成すると、com.ibm.websphere.cache パッケージの DistributedMap または DistributedObjectCache インターフェースを使用して、キャッシュ・インスタンスにプログラマチックにアクセスが可能になります。
DistributedMap または DistributedObjectCache インターフェースについての詳細は、開発者用 API 文書 を参照してください。
サーブレット・キャッシュ・インスタンスは、デフォルトの動的キャッシュに加えて、動的キャッシュが呼び出したサーブレットの出力および副次作用を保管、配布、および共有できるロケーションでもあります。 サーブレット・キャッシュ・インスタンスを構成すると、アプリケーションの柔軟性が向上し、キャッシュ・リソースを調整しやすくなります。管理コンソールでキャッシュ・インスタンスに対して指定された Java Naming and Directory Interface (JNDI) 名は、cachespec.xml 構成ファイル内の <cache-instance> エレメントにマップされます。 <cache-instance> エレメント内に指定されたすべての <cache-entry> エレメントは、その特定のキャッシュ・インスタンスにおいて作成されます。 <cache-instance> エレメントの外部に指定されたすべての <cache-entry> エレメントは、デフォルトの動的キャッシュ・インスタンスに格納されます。
詳しくは、サーブレット・キャッシュ・インスタンスの使用 を参照してください。