WebSphere Application Server バージョン 6.1 の WASPreUpgrade コマンドを使用して、
前にインストールしたバージョンの WebSphere Application Server の構成をマイグレーション固有のバックアップ・ディレクトリーに保管します。
権限
このコマンド・スクリプトを実行するには、
ユーザー・プロファイルに *ALLOBJ 権限が必要です。
パラメーター
パラメーターは、以下のとおりです。
- backupDirectory
- これは必須パラメーターで、最初に指定する必要があります。
値 backupDirectory は、コマンド・スクリプトが構成を保管したディレクトリーの名前を指定します。
これは、WASPostUpgrade コマンドが構成を読み取るディレクトリーでもあります。
ディレクトリーが存在しない場合は、WASPreUpgrade コマンド・スクリプトが作成します。
- currentWebSphereDirectory
- これは必須パラメーターで、2 番目に指定する必要があります。
これは、マイグレーションがサポートされる WebSphere Application Server バージョン 5.x または 6.0.x の
いずれのエディションであってもかまいません。
値 currentWebSphereDirectory は、
現行の WebSphere Application Server バージョン 5.x または 6.0.x インストール・システムの
インストール・ルート・ディレクトリーの名前を指定します。
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値
currentWebSphereDirectory は、
マイグレーションする現行の WebSphere Application Server バージョン 5.x インスタンスまたは 6.0.x プロファイルの、
インスタンス・ルート・ディレクトリーまたはプロファイル・ルート・ディレクトリーの名前を指定します。
- バージョン 5.0.x Express の場合: /QIBM/UserData/WebASE/ASE5/instance
- バージョン 5.0.x 基本の場合: /QIBM/UserData/WebAS5/Base/instance
- バージョン 5.0.x Network Deployment の場合: /QIBM/UserData/WebAS5/ND/instance
- バージョン 5.1.x Express の場合: /QIBM/UserData/WebASE51/ASE/instance
- バージョン 5.1.x 基本の場合: /QIBM/UserData/WebAS51/Base/instance
- バージョン 5.1.x Network Deployment の場合: /QIBM/UserData/WebAS51/ND/instance
- バージョン 6.0.x では、プロファイル・ルートは、プロファイル作成時に選択された
固有値となる場合がありますが、以下のディレクトリーがデフォルトです。
- バージョン 6.0.x Express または基本の場合: /QIBM/UserData/WebSphere/AppServer/V6/Base/profiles/profile
- バージョン 6.0.x Network Deployment の場合: /QIBM/UserData/WebSphere/AppServer/V6/ND/profiles/profile
- -traceString
- これはオプション・パラメーターです。値 trace_spec は、
収集するトレース情報を指定します。
すべてのトレース情報を収集するには、
"*=all=enabled" (引用符を付けて) を指定します。
-traceString または -traceFile パラメーターを指定しないと、
コマンドはデフォルトでトレース・ファイルを作成し、そのファイルを backupDirectory/logs ディレクトリーに配置します。
このパラメーターを指定する場合は、-traceFile パラメーターも指定する必要があります。
- -traceFile
- これはオプション・パラメーターです。値 file_name は、
トレース情報の出力ファイルの名前を指定します。
-traceString または -traceFile パラメーターを指定しないと、
コマンドはデフォルトでトレース・ファイルを作成し、そのファイルを backupDirectory/logs ディレクトリーに配置します。
-traceString パラメーターを指定するが、-traceFile パラメーターを指定しない場合、スクリプトはトレース・ファイルを生成しません。
ロギング
WASPreUpgrade ツールは、
実行中に画面に状況を表示します。また、このツールは広範囲にわたるロギング情報のセットを、
backupDirectory ディレクトリーに作成された
WASPreUpgrade.time_stamp.log ファイルに保管します。
ここで、backupDirectory は、backupDirectory パラメーターに指定された値です。
テキスト・エディターを使用して、WASPreUpgrade.time_stamp.log ファイルを
表示することができます。
マイグレーション済みリソース
WASPreUpgrade は、
すべてのリソースを保管しますが、classes ディレクトリー内のエンティティーはマイグレーションしません。
マイグレーションにより、
以下のファイルが
backupDirectory ディレクトリーに保管されます。
classes
- config
- properties
WASPreUpgrade コマンドは、
バージョン 5.x 環境で作成されたすべてのインスタンスも保管します。