WebSphere Application Server Network Deployment for i5/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: i5/OS

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endptEnabler コマンド

この項目では、endptEnabler コマンドを使用してエンタープライズ・アーカイブ (EAR) ファイル内の 一連の Web サービスを使用可能にする方法について説明します。 endptEnabler コマンドは、Web サービス対応 Enterprise JavaBeans (EJB) モジュールを含む EAR ファイル上で実行する必要があります。

各ルーター・モジュールは、特定のトランスポート用の Web サービス・エンドポイント を提供します。例えば、HTTP ルーター・モジュールを追加して、Web サービスが HTTP トランスポート経由で要求を受信できるようにすることができます。 また、Java Message Service (JMS) ルーター・モジュールを追加して、Web サービスが JMS キューやトピックから要求を受信できるようにすることもできます。

endptEnabler コマンドの対話モードでは、アプリケーション内の 1 つ以上のサービスを 使用可能にするために必要なステップが順を追って表示されます。 endptEnabler コマンドは、後でサービスを除去したり追加したりする必要がある場合に備えて、 元の EAR ファイルのバックアップ・コピーを作成します。EAR ファイルに Web サービス対応の Enterprise Bean Java アーカイブ (JAR) ファイルが含まれている場合、EAR ファイルをデプロイする前に endptEnabler コマンドを実行しなければなりません。 含まれていない場合は、このコマンドを実行する必要はありません。

endptEnabler 使用の構文

endptEnabler コマンドを WebSphere Application Server の bin ディレクトリーから呼び出します。 コマンド構文を、以下の例で示します。
endptEnabler   
		[-verbose|-v]          
		[-quiet|-q]          
		[-help|-h|-?]          
		[-properties|-p properties-filename]
		[-transport|-t default-transports]
		[-enableHttpRouterSecurity]
		[ear-filename]
すべてのパラメーターはオプションです。以下のリストで説明します。

endptEnabler プロパティー

endptEnabler コマンドを使用すると、-properties コマンド行オプションを使用してプロパティーのセットを指定することにより、そのランタイムの振る舞いを制御できます。 これらのプロパティーは、グローバルに、またはモジュールごとに、どちらかの方法で編成されます。グローバル・プロパティーは、EAR ファイル内の複数の Enterprise Bean JAR モジュールを処理するツールの、全体的な振る舞いに影響を与えます。 モジュールごとのプロパティーは、特定の Enterprise Bean JAR モジュールの処理に影響を与えます。

グローバル・プロパティー

次の表では、 endptEnabler コマンドがサポートするグローバル・プロパティーについて説明しています。

プロパティー名 説明 デフォルト値
verbose 詳細な進行状況メッセージを表示します。 False
quiet 簡単な進行状況メッセージのみを表示します。 False
http.enableRouter Security すべての EJB モジュールがエンタープライズ Bean JAR ファイル内で保護されている場合に、すべての認証済みユーザーにセキュリティー・ポリシーを追加して、HTTP ルーター・モジュールをプロテクトできるようにします。 False
http.router ModuleNameSuffix デフォルト HTTP ルーター・モジュール名を構成するために使用する サフィックスを指定します。.war 拡張子は、endptEnabler コマンドによって追加されます。 _HTTPRouter
jms.routerModule NameSuffix デフォルト JMS ルーター・モジュール名を構成するために使用する サフィックスを指定します。.jar 拡張子は、endptEnabler コマンドによって追加されます。 _JMSRouter
jms.default DestinationType EAR ファイルに追加されるすべての JMS ルーター・モジュールに使用する、デフォルトの宛先タイプを指定します。 このタイプは、queue または topic のいずれかになります。 キュー
defaultTransports ルーター・モジュールの作成先となる、デフォルトのトランスポートのリストを指定します。このリストには、値 http および jms が含まれます。 複数の値は、コンマで区切られます。例: http, jms および http,jms など。 http

モジュールごとのプロパティー

次の表では、 endptEnabler コマンドがサポートするモジュールごとのプロパティーについて説明しています。ejbJarName 変数は、EAR ファイル内の Enterprise Bean JAR モジュールの、.jar 拡張子の付かない名前を参照します。

プロパティー名 説明 デフォルト値
<ejbJarName> .transports 特定の Enterprise Bean JAR ファイルにルーター・モジュールが作成されるトランスポートをリストします。このリストには、値 http および jms が含まれます。 複数の値は、コンマで区切られます。例: http, jms および http,jms など。 http
<ejbJarName>.http.skip 別のプロパティーで追加されるようになっている場合であっても、HTTP ルーター・モジュールの追加をバイパスするフラグを指定します。 有効な値は、true および false です。 false
<ejbJarName> .http.routerModuleName 特定の Enterprise Bean JAR ファイルの HTTP ルーター・モジュールの名前を指定します。 ejbJarName_HTTPRouter
<ejbJarName> .http.contextRoot 特定の Enterprise Bean JAR ファイルの HTTP ルーター・モジュールに関連付けられるコンテキスト・ルートを指定します。 /ejbJarName
<ejbJarName>.jms.skip 別のプロパティーで追加されるようになっている場合であっても、JMS ルーター・モジュールの追加をバイパスするフラグを指定します。 有効な値は、true および false です。 false
<ejbJarName>.jms. routerModuleName 特定の Enterprise Bean JAR ファイルの JMS ルーター・モジュールの名前を指定します。 ejbJarName_JMSRouter
<ejbJarName>.jms.activationSpecJndiName JMS ルーター・モジュール内の Message Driven Bean (MDB) 向けに構成される、アクティベーション・スペックである Java Naming and Directory Interface (JNDI) 名を指定します。 ヌル
<ejbJarName>.jms.listenerInputPortName JMS ルーター・モジュール内に MDB を構成するリスナー・ポートの名前を指定します。リスナー・ポートは、activationSpecJndiName プロパティーが指定されない場合のみ構成されます。 ヌル
<ejbJarName>.ejb JarName>.jms. destinationType JMS ルーター内の MDB に関連付けられる JMS 宛先タイプを指定します。 有効な値は、queue および topic です。 キュー

プロパティーの例

EAR ファイルに、Web サービスを含む StockQuoteEJB.jar という名前の Enterprise Bean JAR ファイル が含まれているとします。 次のプロパティー・セットを使用して、EAR ファイルを処理する際の endptEnabler コマンドのランタイムの振る舞いを制御します。
StockQuoteEJB.transports=http,jms

StockQuoteEJB.http.routerModuleName=StockQuoteEJB_HTTP

StockQuoteEJB.http.contextRoot=/StockQuote

StockQuoteEJB.jms.routerModuleName=StockQuoteEJB_JMS

StockQuoteEJB.jms.destinationType=queue

endptEnabler の例

次のコマンドは、endptEnabler コマンドの使用例です。
endptEnabler MyApp.ear

endptEnabler -t jms,http MyApp.ear

endptEnabler -v -properties MyApp.props MyApp.ear

endptEnabler -q -t jms MyApp.ear

endptEnabler -v -t http,jms



関連タスク
Web サービスに対する EAR ファイルの使用可能化
Web サービス・アプリケーションのアセンブル
参照トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 8:28:52 PM EST
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