WebSphere Application Server Network Deployment for i5/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: i5/OS

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アプリケーションのバインディング

アプリケーション・サーバーにインストールしたアプリケーションを開始するには、そのアプリケーションで定義されたすべてのエンタープライズ Bean (EJB) 参照およびリソース参照が、アプリケーション・サーバーで定義された実際の成果物 (エンタープライズ Bean またはリソース) にバインドされている必要があります。

バインディングを定義する場合、アプリケーションの参照可能および参照済みの成果物に対し、Java Naming and Directory Interface (JNDI) 名を指定します。 成果物に対して指定された jndiName 値は、 修飾ルックアップ名 でなければなりません。参照可能な成果物の例として、アプリケーションで定義済みの EJB があります。 参照済みの成果物の例として、アプリケーションによって使用される EJB またはリソース参照があります。 バインディング定義は、アプリケーションの ibm-xxx-bnd.xmi ファイルに保管されます。 ここで、xxxejb-jarwebapplication、または application-client の場合があります。

このトピックでは、バインディングについて以下のことを説明します。

バインディングを定義可能な場合

以下の場合にバインディングを定義できます。

必要なバインディング

アプリケーションを正常にデプロイするには、以下の成果物への参照に対してバインディングを定義する必要があります。

EJB JNDI 名
それぞれの エンタープライズ Bean (EJB) に対し、JNDI 名を指定する必要があります。 その名前は、EJB ホーム・オブジェクトのグローバル JNDI ネーム・スペースにエントリーをバインドするために使用されます。 例えば、Store アプリケーションの Product EJB に対する JNDI 名は、store/ejb/Product になります。 バインディング定義は、META-INF/ibm-ejb-jar-bnd.xmi ファイルに保管されます。

アプリケーションのインストール時に、デプロイヤーが デフォルト・バインディングの生成を 選択した場合は、 インストール・ウィザードにより、prefix/EJB_name という フォームを持つ EJB JNDI 名が、 不完全なバインディングに割り当てられます。 デフォルトの接頭部は ejb ですが、オーバーライドすることができます。 EJB_name は、デプロイメント記述子の <ejb-name> タグにおける指定と同様です。

アプリケーションのインストール中およびその後に、EJB JNDI 名を「Bean の JNDI 名の提供」パネルで指定できます。 インストール後に、管理コンソールで「アプリケーション」 > 「エンタープライズ・アプリケーション」 > application_name >「EJB JNDI 名」とクリックします。

エンティティー Bean のデータ・ソース
コンテナー管理パーシスタンス (CMP) Bean などの エンティティー Bean は、パーシスタント・データをデータ・ストアに保管します。 CMP Bean の場合は、EJB コンテナーが Bean の永続状態を管理します。 EJB モジュールまたは個々の EJB をデータ・ソースにバインディングすることにより、どのデータ・ストアを Bean が使用するかを指定します。 EJB モジュールをデータ・ソースにバインディングすると、そのモジュール内のすべてのエンティティー Bean が、パーシスタンスに対して同一のデータ・ソースを使用するようになります。

例えば、Store アプリケーションの Store データ・ソースに対する JNDI 名は、store/jdbc/store になります。 バインディング定義は、ibm-ejb-jar-bnd.xmi などの IBM バインディング・ファイルに保管されます。 デプロイヤーは、認証がコンテナーで処理されるか、またはアプリケーション・レベルで処理されるかを指定できます。

デプロイヤーが、アプリケーションのインストール時に、デフォルト・バインディングの生成を選択した場合は、インストール・ウィザードにより、不完全なバインディングに対して以下のバインディングが生成されます。
  • EJB 2.x .jar ファイルの場合、指定された JNDI 名および権限情報を基にした接続ファクトリー・バインディング
  • EJB 1.1 .jar ファイルの場合、指定された JNDI 名、データ・ソースのユーザー名、およびパスワードを基にしたデータ・ソース・バインディング
生成されたバインディングにより、インストールされるアプリケーションの各 EJB 2.x .jar ファイルに対してはデフォルトの接続ファクトリーが、さらに各 EJB 1.1 .jar ファイルに対してはデフォルトのデータ・ソースが、設定されます。 Bean レベルの接続ファクトリーのバインディングまたはデータ・ソースのバインディングは、デフォルトのバインディング生成中に提供されるカスタム・ストラテジー・ルールで指定されていない限り、生成されません。

アプリケーションのインストール中およびインストール後に、「2.x CMP Bean データ・ソース」パネル、および「2.x entity Bean データ・ソース」パネルで 2.x エンティティー Bean にデータ・ソースをマップすることができます。 インストール後に、管理コンソールで「アプリケーション」 > 「エンタープライズ・アプリケーション」 > application_nameと クリックし、次に「2.x CMP Bean データ・ソース」 または「2.x entity Bean データ・ソース」を選択します。 データ・ソースを「Map data sources for all 1.x CMP beans」パネル、および「Provide default data source mapping for modules containing 1.x entity beans」パネルで 1.x エンティティー Bean にマップすることができます。 インストール後に、1.x CMP Bean に対するリンクをクリックする点を除いて 2.x CMP Bean の場合と同様のコンソール・ページを使用します。

EJB モジュールのバックエンド ID
CMP Bean を定義する EJB .jar ファイルに、 複数のバックエンド・データベースのマッピングが含まれている場合は、 実行時にロードするパーシスター・クラスを決定するために、 適切なバックエンド ID を指定してください。

アプリケーションのインストールの間に、バックエンド ID を指定します。 アプリケーションをサーバーにインストールした後では、バックエンド ID を選択できません。

個々の EJB モジュールのバックエンド ID を使用可能にするには、以下のステップを実行します。

  1. アプリケーションのインストール中に、 「インストール・ オプションの選択」パネルの「エンタープライズ Bean の デプロイ」を選択します。 「エンタープライズ Bean のデプロイ」を選択すると、 「EJB デプロイを行うためのオプションの提供」パネルに アクセスできます。
  2. 「EJB デプロイを行うためのオプションの提供」パネルで、 データベース・タイプを "" (NULL) に設定します。

アプリケーションのインストール中に、 「インストール・ オプションの選択」パネルで「エンタープライズ Bean の デプロイ」を選択し、 「EJB デプロイを行うためのオプションの提供」 パネルで、EJB デプロイメント・ツールのデータベース・タイプを指定すると、 すべての EJB モジュール用にあらかじめ定義されていた バックエンド ID が、選択したデータベース・タイプによって上書きされます。

デフォルトのデータベース・タイプは DB2UDB_V81 です。

バックエンド・データベースの詳細については、EJB deployment tool を参照してください。EJB デプロイ・オプションの詳細については、The ejbdeploy command を参照してください。

EJB 参照
エンタープライズ Bean (EJB) 参照は、エンタープライズ Bean のホーム・インターフェースを検索するために使用される論理名です。 EJB 参照はデプロイメント時に指定されます。 実行時に、EJB 参照は、ターゲット操作環境のエンタープライズ Bean の物理ロケーション (グローバル JNDI 名) にバインドされます。 EJB 参照は、java:comp/env/ejb という Java ネーミング のサブコンテキストで使用可能にされます。

それぞれの EJB 参照に対し、JNDI 名を指定する必要があります。 例えば、Store アプリケーションの Supplier EJB 参照に対する JNDI 名は、store/ejb/Supplier になります。 バインディング定義は、ibm-ejb-jar-bnd.xmi などの IBM バインディング・ファイルに保管されます。 参照された EJB が同一のアプリケーション・サーバーにもデプロイされた場合、サーバーを有効範囲とした JNDI 名を指定できます。 ただし、参照された EJB が別のアプリケーション・サーバーにデプロイされた場合、または ejb-ref がアプリケーション・クライアント・モジュールに定義されている場合は、グローバルなセルを有効範囲とした JNDI 名を指定する必要があります。

デプロイヤーが、アプリケーションのインストール時に、デフォルト・バインディングの生成を選択した場合は、インストール・ウィザードにより、以下のように EJB 参照がバインドされます。<ejb-link> が検出された場合は、それに従います。 アプリケーションで 定義された EJB の ejb-nameejb-ref 名と 一致した場合は、その EJB が選択されます。 それ以外では、固有の EJB が、参照 Bean として、一致するホーム (またはローカル・ホーム) インターフェースとともに検出された場合、 その参照は自動的に解決されます。

アプリケーションのインストール中およびインストール後に、EJB 参照 JNDI 名を「EJB 参照を Bean にマップ」パネルで指定できます。 インストール後に、 管理コンソールで「アプリケーション」 > 「エンタープライズ・アプリケーション」 > application_name >「EJB 参照」とクリックします。

詳しくは、EJB 参照 を参照してください。

リソース参照
リソース参照は、アプリケーション用の外部リソースを検索するために使用される論理名です。 リソース参照はデプロイメント時に指定されます。 実行時に、参照は、ターゲット操作環境のリソースの物理ロケーション (グローバル JNDI 名) にバインドされます。リソース参照は、以下のようにして使用可能にされます。
リソース参照のタイプ サブコンテキストが宣言される場所
Java DataBase Connectivity (JDBC) データ・ソース java:comp/env/jdbc
JMS 接続ファクトリー java:comp/env/jms
JavaMail 接続ファクトリー java:comp/env/mail
Uniform Resource Locator (URL) 接続ファクトリー java:comp/env/url

それぞれのリソース参照に対し、JNDI 名を指定する必要があります。 デプロイヤーが、アプリケーションのインストール時に デフォルト・バインディングの生成を選択した場合は、 インストール・ウィザードにより、java:comp/env 名がリソース・グローバル JNDI 名と同じであると想定し、<res-ref-name> タグから得られたリソース参照バインディングが生成されます。

アプリケーションのインストールの間に、リソース参照 JNDI 名を「リソース参照をリソースにマップ」パネルで指定できます。 リソース参照に定義された論理名を表す JNDI 名をリソースに指定します。 オプションで、そのリソースに ログイン構成名および認証プロパティーを指定できます。 認証プロパティーを指定した後に、「OK」をクリックして値を保管し、マッピングのステップに戻ります。 アプリケーションで定義されている各リソース参照は、WebSphere Application Server 構成で定義されているリソースにバインドする必要があります。 インストール後に、 管理コンソールで「アプリケーション」 > 「エンタープライズ・アプリケーション」 > application_name > 「リソース参照」とクリックし、 「リソース参照」パネルにアクセスします。

Web モジュールの仮想ホスト・バインディング
Web モジュールを指定の仮想ホストにバインドする必要があります。 このバインディングにより、仮想ホストにマッチングするすべての要求は Web アプリケーションにより処理される必要があることが、Web サーバー・プラグインに対して、通知されます。 例えば、Store Web アプリケーションにバインドされる仮想ホストは、store_host になります。 バインディング定義は、WEB-INF/ibm-web-bnd.xmi などの IBM バインディング・ファイルに保管されます。

アプリケーションのインストール時に、デプロイヤーが デフォルト・ バインディングの生成を選択した場合、 インストール・ウィザードにより、 それぞれの .war ファイルごとに、 仮想ホストが default_host に設定されます。

アプリケーションのインストール中およびインストール後に、アプリケーションで定義された Web モジュールに仮想ホストをマップすることができます。「Web モジュールの仮想ホストをマップ」パネルで、仮想ホストを指定します。仮想ホスト定義で指定されたポート番号は、 Web モジュール内のサーブレットや JSP ファイルなどの成果物にアクセスする場合に URL で使用されます。 例えば、JSP ファイルなどの Web 成果物に対する外部 URL は、http://host_name:virtual_host_port/context_root/jsp_path になります。 インストール後に、 管理コンソールで「アプリケーション」 > 「エンタープライズ・アプリケーション」 > application_name >「仮想ホスト」とクリックします。

メッセージ・ドリブン Bean
それぞれの メッセージ駆動型 Bean ごとに、Bean が listen するキューまたはトピックを指定する必要があります。 メッセージ駆動型 Bean は、Java Messaging Service (JMS) リスナーがモニターしている入力キューにメッセージが到着すると、JMS リスナーによって呼び出されます。 デプロイヤーは、 アセンブリー・ ツールである EJB デプロイメント記述子エディターの、 「Bean」ページの「WebSphere バインディング」にある コネクター・モジュール (.rar ファイル) で定義されている、 アクティベーション・スペックのリスナー・ポートまたは JNDI 名を指定します。 例えば、Store アプリケーションが 使用するリスナー・ポートに対する JNDI 名は、 StoreMdbListener になります。 バインディング定義は、ibm-ejb-jar-bnd.xmi などの IBM バインディング・ファイルに保管されます。
デプロイヤーが、アプリケーションのインストール時に、デフォルト・バインディングの生成を選択した場合は、インストール・ウィザードにより、JNDI 名が不完全なバインディングに割り当てられます。
  • JCA 1.5 準拠リソースとしてデプロイされた EJB 2.x メッセージ駆動型 Bean の場合、 インストール・ウィザードにより、activationSpec インスタンスに対応する JNDI 名が eis/MDB_ejb-name の形式で割り当てられます。
  • リスナー・ポートに対してデプロイされた EJB 2.x メッセージ駆動型 Bean の場合、 リスナー・ポートは、メッセージ駆動型 Bean <ejb-name> タグから派生し、ストリング Port が付加されます。

管理コンソールを使用したアプリケーションのインストール中に、 「メッセージ・ドリブン Bean のリスナーをバインド」パネル上で、 すべてのメッセージ駆動型 Bean に対して、 リスナー・ポート名またはアクティベーション・スペック JNDI 名を指定できます。 バージョン 5 デフォルト・メッセージング、WebSphere MQ、または汎用の JMS プロバイダーを使用する場合は、リスナー・ポート名を指定する必要があります。 デフォルト・メッセージング・プロバイダーを使用するか、またはインバウンド・メッセージングをサポートする汎用 J2C リソース・アダプターを使用してアプリケーションのリソースを構成する場合、アクティベーション・スペックを指定する必要があります。 いずれも指定されない場合、 「要約」パネルで「終了」をクリックすると、 検証エラーが表示されます。 また、メッセージ・ドリブン Bean を含むモジュールが 5.x デプロイメント・ターゲットにデプロイされ、リスナー・ポートが指定されていない場合は、「次へ」をクリックすると検証エラーが表示されます。

アプリケーションのインストール後に、「リソース」 > 「JMS」 > 「JMS プロバイダー」の下、または 「リソース」 > 「リソース・アダプター」 の下にあるコンソール・ページで、 JNDI 名を指定して、メッセージ駆動型 Bean を構成できます。詳しくは、非同期メッセージングの使用 を参照してください。

メッセージ宛先参照
メッセージ宛先参照は、メッセージ宛先として機能する EJB モジュール内のエンタープライズ Bean を検索するために使用される論理名です。 メッセージ宛先参照は、次のような J2EE 1.4 成果物内にのみ存在します。
  • J2EE 1.4 アプリケーション・クライアント
  • EJB 2.1 プロジェクト
  • 2.4 Web アプリケーション

複数のメッセージ宛先参照が単一のメッセージ宛先リンクに関連付けされている場合、メッセージ宛先リンク、次にリンクされたすべてのメッセージ宛先参照にマップされるエンタープライズ Bean の単一の JNDI 名が、デプロイメント中に収集されます。 実行時に、メッセージ宛先参照は、ターゲット操作環境の管理メッセージ宛先にバインドされます。

メッセージ宛先参照とメッセージ駆動型 Bean が同じメッセージ宛先にリンクされている場合、参照および Bean の両方ともが同じ宛先 JNDI 名である必要があります。両方が同じ名前の場合、メッセージ駆動型 Bean の宛先 JNDI 名だけが収集され、対応するメッセージ宛先参照に適用されます。

デプロイヤーがアプリケーションのインストール時に デフォルト・バインディングの生成を選択した場合は、 インストール・ウィザードにより、以下のように JNDI 名が不完全なメッセージ宛先参照に割り当てられます。 メッセージ宛先参照に <message-destination-link> がある場合、JNDI 名は ejs/message-destination-linkName に設定されます。 それ以外の場合、JNDI 名は eis/message-destination-refName に設定されます。

必要なその他のバインディング

アプリケーション内の参照およびアプリケーションで使用される成果物に応じて、この項目にリストされていない参照および成果物に対するバインディングを定義する必要があります。




関連タスク
J2EE アプリケーションの構成
アプリケーションのアセンブル
J2EE アプリケーションのデプロイと管理
関連資料
エンタープライズ・アプリケーション設定
概念トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 8:28:52 PM EST
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