目次と検索結果のパーソナライズ化
WASPostUpgrade コマンド
WebSphere Application Server バージョン 6.1 の WASPostUpgrade コマンドを使用すると、
ユーザーが指定した backupDirectory の WASPreUpgrade コマンドで作成された、
保管されている構成を検索できます。
WebSphere Application Server バージョン 6.1 の WASPostUpgrade スクリプトは、
このディレクトリーから WebSphere Application Server バージョン 6.1 にマイグレーションする構成を読み取り、
マイグレーションされたすべてのアプリケーションをバージョン 6.1 インストール・システムの
app_server_root/installedApps ディレクトリーに追加します。
権限
このコマンド・スクリプトを実行するには、
ユーザー・プロファイルに *ALLOBJ 権限が必要です。
構文
構文は次のようになります。
WASPostUpgrade backupDirectory
[-profileName profile_name]
[-scriptCompatibility true | false]
[-portBlock port_starting_number]
[-backupConfig true | false]
[-replacePorts true | false]
[-includeApps true | false | script]
[-keepAppDirectory true | false]
[-keepDmgrEnabled true | false]
[-appInstallDirectory user_specified_directory]
[-traceString trace_spec [-traceFile file_name]]
パラメーター
パラメーターは、以下のとおりです。
- backupDirectory
- これは必須パラメーターです。値 backupDirectory は、
WASPreUpgrade ツールが保管した構成およびファイルを格納し、
WASPostUpgrade ツールが構成およびファイルを読み取るディレクトリーの名前を
指定します。
- -profileName
- これは、WebSphere Application Server バージョン 6.1 で特定のプロファイルへ
マイグレーションするためのオプション・パラメーターです。
値 profile_name は、スクリプトが構成をマイグレーションするバージョン 6.1 プロファイルの名前を指定します。
WASPostUpgrade コマンドを呼び出す前に、
このプロファイルを作成しておく必要があります。
-profileName パラメーターを指定しない場合には、デフォルト・プロファイルが
使用されます。デフォルトのプロファイルが見つからない場合は、システムがエラーを報告します。
- -scriptCompatibility
- これは、マイグレーションで以下のバージョン 5.x または 6.0.x 構成定義を
作成するかどうかを指定するために使用するオプション・パラメーターです。
- トランスポート
- ProcessDef
- バージョン 5.x または 6.0.x SSL
以下のバージョン 6.1 構成定義の代わり:
- チャネル
- ProcessDefs
- バージョン 6.1 SSL
デフォルトは true です。
既存の管理スクリプトに対する影響を最小限に抑えるため、このパラメーターを true に指定します。
例えば、サード・パーティーの構成 API を使用する既存の wsadmin スクリプト
またはプログラムで、バージョン 5.x または 6.0.x 構成定義を作成または変更する場合、
マイグレーション中にこのオプションを true に指定できます。
注: こうすることで、環境内のすべてのノードがバージョン 6.1 レベルになるまで、一時的な移行が提供されます。
すべてのノードがバージョン 6.1 レベルになったら、以下のアクションを実行する必要があります。
- すべてのバージョン 6.1 設定を使用するように、管理スクリプトを変更します。
- convertScriptCompatability コマンドを使用して、
すべてのバージョン 6.1 設定に一致するように、構成を変換します。
convertScriptCompatibility コマンド
を参照してください。
- -portBlock
- これはオプション・パラメーターです。port_starting_number 値は、
コマンド・スクリプトが実行するときに割り当てる連続したポート番号のブロックの最初を指定します。
- -backupConfig
- これは、WASPostUpgrade ツールが変更を行う前に、
既存の WebSphere Application Server バージョン 6.1 構成を保管するかどうかを指定するために使用する
オプション・パラメーターです。
デフォルトは true になります。backupConfig コマンドを
使用して、現在の構成のコピーを
profile_name/temp
ディレクトリーに保存します。
restoreConfig コマンドを使用して、必要に応じて構成をリストアします。
restoreConfig コマンド
を参照してください。
- -replacePorts
- このオプション・パラメーターは、仮想ホストおよび Web コンテナー・トランスポート・ポート用のポート値をマップする方法を指定するために使用されます。
- -includeApps
- これは、以下の方法で指定できるオプション・パラメーターです。
- True
マイグレーションの一環として、ユーザー・エンタープライズ・アプリケーションを組み込みます。
これはデフォルトです。
- False
WASPostUpgrade の処理の間は、ユーザー・エンタープライズ・アプリケーションに対して何の処置も行いません。
- Script
WASPostUpgrade の処理の間には実際のインストールを行わずに、
WebSphere Application Server バージョン 6.1 installableApps ディレクトリーで
ユーザー・エンタープライズ・アプリケーションのインストール準備を行います。
これらのアプリケーションのインストールに使用できる JACL スクリプトは、
backupDirectory ディレクトリーで生成され保管されます。
WASPostUpgrade コマンドが完了したら、
これらのファイルを、任意の場所、任意の組み合わせで実行できます。
また、必要に応じて、アプリケーションのインストール効率を高めるために、これらの JACL ファイルを再編成および結合することもできます。
WebSphere Application Server システム・アプリケーションは、このパラメーターに設定された値に関わらず、マイグレーションします。
- -keepAppDirectory
- これは、すべてのアプリケーションを、現在配置されているものと同じディレクトリーにインストールするかどうか
を指定するために使用するオプション・パラメーターです。デフォルトは false です。
このパラメーターが true に指定されると、
個々のアプリケーションはそのロケーションを保持します。
制約事項: このパラメーターを true に指定すると、
既存の WebSphere Application Server バージョン 5.x または 6.0.x インストール・システムと
バージョン 6.1 インストール・システムでロケーションを共用することになります。
前のバージョンと同じロケーションにマイグレーション済みのアプリケーションを保持する場合、以下の制約事項が適用されます。
- WebSphere Application Server バージョン 6.1 の混合ノード・サポート制限に従う必要があります。
つまり、wsadmin コマンドを呼び出す際に、以下のサポートを使用できません。
- JSP のプリコンパイル
- バイナリー構成の使用
- EJB のデプロイ
- バージョン 5.x または 6.0.x インストール・システムを管理 (例えばアンインストール) する際に、
後でこれらのロケーションからアプリケーションを削除する場合、
マイグレーション済みのアプリケーションを意図せず失う危険性があります。
- -keepDmgrEnabled
- これは、既存の WebSphere Application Server バージョン 5.x または 6.0.x デプロイメント・マネージャーを
使用不可にするかどうかを指定するために使用するオプション・パラメーターです。
デフォルトは false です。
このパラメーターを true に指定すると、
マイグレーションが完了するまでの間は既存のバージョン 5.x または 6.0.x デプロイメント・マネージャーを使用できます。
これは、デプロイメント・マネージャーをマイグレーションしている場合のみ有効であり、
それ以外のすべてのマイグレーションでは無視されます。
注意: このパラメーターを使用する際には注意が必要です。
- 複数のデプロイメント・マネージャーで同じノードを管理することを防ぐために、
WebSphere Application Server バージョン 5.x または 6.0.x デプロイメント・マネージャー構成は、
通常は停止され、無効にされます。
バージョン 6.1 デプロイメント・マネージャーの使用を開始する前に、バージョン 5.x または 6.0.x デプロイメント・マネージャーを停止する必要があります。
これを行わないと、デプロイメント・マネージャーの 2 番目のインスタンスが開始される際に
ポート競合が生じるというエラーが起こる可能性があります。
- このパラメーターを true に指定すると、マイグレーション中に以前の構成で
行われた構成変更がマイグレーションされない可能性があります。
- -appInstallDirectory
- これは、マイグレーション中にすべてのアプリケーションをインストールする際に
使用するディレクトリー名を渡すために使用するオプション・パラメーターです。
このパラメーターが指定されない場合、デフォルトの profile_name¥installedApps が使用されます。
1 つ以上の空白を含むディレクトリー名は、引用符で囲む必要があります。
- -traceString
- これはオプション・パラメーターです。値 trace_spec は、
収集するトレース情報を指定します。
すべてのトレース情報を収集するには、
"*=all=enabled" (引用符を付けて) を指定します。
-traceString または -traceFile パラメーターを指定しないと、
コマンドはデフォルトでトレース・ファイルを作成し、そのファイルを backupDirectory/logs ディレクトリーに配置します。
このパラメーターを指定する場合は、-traceFile パラメーターも指定する必要があります。
- -traceFile
- これはオプション・パラメーターです。値 file_name は、
トレース情報の出力ファイルの名前を指定します。
-traceString または -traceFile パラメーターを指定しないと、
コマンドはデフォルトでトレース・ファイルを作成し、そのファイルを backupDirectory/logs ディレクトリーに配置します。
-traceString パラメーターを指定するが、-traceFile パラメーターを指定しない場合、スクリプトはトレース・ファイルを生成しません。
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