WebSphere Application Server Network Deployment for i5/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: i5/OS

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Web Services Addressing サポートの使用可能化と使用不可化

Web Services Addressing (WS-Addressing) は、Web サービスをアドレス指定する標準の方法を定義し、メッセージ内でアドレス指定する情報を提供することで、Web サービス間のインターオペラビリティーを補助する World Wide Web Consortium (W3C) 仕様です。 WS-Addressing サポートを使用可能にするには、 WebSphere Application Server 上で実行されるサービス用の Web サービス記述言語 (WSDL) ファイルを構成するか、 あるいは WS-Addressing アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) またはシステム・プログラミング・インターフェース (SPI) を使用して、 WS-Addressing プロパティーを WebSphere Application Server クライアントに追加する必要があります。

このタスクについて

このタスクを実行して、WS-Addressing サポートを、サービス・プロバイダーまたは別の関係者によって提供されたサービスのクライアントのどちらかとして、有効にします。 このタスクではまた、WS-Addressing サポートを使用不可にする方法も説明します。これにより、WS-Addressing または WS-Addressing サポートに依存する任意のプロトコルを使用しないアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。

Web サービスを作成する場合は、サービスの開発中に、サービスの WSDL バインディング・エレメント内に UsingAddressing 拡張性エレメントを組み込むことで、WS-Addressing サポートを使用可能にできます。 このエレメントには required 属性が含まれています。この属性は false または true のいずれかの値を持ち、前者は WS-Addressing 情報が受け入れられるが着信メッセージ内では必要ではないことを指定し、後者は WS-Addressing 情報が着信メッセージ内で必要であることを指定します。 デフォルト値は false です。サービス WSDL ファイルに UsingAddressing エレメントを含まれている場合、 required 属性の値に関わりなく、WebSphere Application Server バージョン 6.1 クライアントからのメッセージには常に WS-Addressing 情報が含まれています。

別のプロバイダーからサービスを使用するためにクライアント・アプリケーションを作成する場合、 ユーザーは、サービスの WSDL ファイルへのアクセス権を持たない可能性があります。 または (サービスが WebSphere Application Server の現行バージョン上で実行されない場合は)、サービスが、UsingAddressing エレメントをサポートしない WSDL のバージョンを使用する可能性があります。 ただし、実行時に、JAX-RPC Stub で、 またはサービスと通信するために使用する Call オブジェクトで WS-Addressing プロパティーを設定することにより、 WS-Addressing サポートを使用可能に設定できます。

以下の表、前述の各シナリオの WS-Addressing サポートの振る舞いを要約しています。
表 1. WebSphere Application Server 内の WS-Addressing サポートの振る舞い
  UsingAddressing required = "false" を指定するサービスの WSDL UsingAddressing required = "true" を指定するサービスの WSDL UsingAddressing を指定しないサービスの WSDL
クライアントは、WS-Addressing 情報を含むメッセージを送信します。 WS-Addressing 情報は WebSphere Application Server によって処理されます。 WS-Addressing 情報は WebSphere Application Server によって処理されます。 WS-Addressing 情報は WebSphere Application Server によって処理されます。
非 WebSphere Application Server クライアントは、WS-Addressing 情報を含まないメッセージを送信します。 メッセージは受け入れられます。 サービスは「フォールト」を戻します。 メッセージは受け入れられます。
A WebSphere Application Server クライアントは、アドレッシング・プロパティーを指定しないで、メッセージを送信します。 メッセージは自動的に、WS-Addressing 仕様での定義のとおり、必要な WS-Addressing 情報を含みます。 情報は WebSphere Application Server によって処理されます。 メッセージは自動的に、WS-Addressing 仕様での定義のとおり、必要な WS-Addressing 情報を含みます。 情報は WebSphere Application Server によって処理されます。 WS-Addressing 情報は WebSphere Application Server によっては追加されません。 メッセージは受け入れられます。

プロシージャー

結果

これで、WS-Addressing プロパティーが SOAP メッセージ・ヘッダーに含まれ、メッセージを受信するとサーバーによって処理されるようになりました。

WS-Addressing サポートを使用不可にするには、次のシステム・プロパティーを設定します。
com.ibm.ws.wsaddressingAndDependents.disabled=true
以下に例を示します。
java -Dcom.ibm.ws.wsaddressingAndDependents.disabled=true ... application_name
クライアントまたはサーバーにこのプロパティーを設定すると、アウトバウンド Web サービス・メッセージの SOAP ヘッダーの WS-Addressing メッセージ・アドレッシング・プロパティー (MAP) を WebSphere Application Server が送信しないようになります。 このプロパティーをサーバーに設定するとさらに、着信 SOAP ヘッダーの WS-Addressing MAP を WebSphere Application Server が処理しないようになります。
重要: このプロパティーは注意して使用してください。正確に機能するために、アプリケーションで WS-Addressing MAP が必須の場合があるためです。 また、このプロパティーを設定することにより、次の仕様 (WS-Addressing サポートによって異なります) についての WebSphere Application Server のサポートを使用不可にします。Web Services Atomic Transactions、Web Services Business Agreement、および Web Services Notification。



関連タスク
Web サービス・アドレッシングを使用するアプリケーションの開発
関連資料
Web Services Addressing SPI
タスク・トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 8:28:52 PM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r1/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.nd.iseries.doc/info/iseriesnd/ae/twbs_wsa_dep.html