仮想ホストによって、1 つのマシンにある 1 つのアプリケーション・サーバーを、そのアプリケーション・サーバーがそれぞれ独自のホスト・マシンにある複数のアプリケーション・サーバーであるかのように管理できます。クライアント要求で使用できるリソースを特定して制御するには、複数のホスト・マシンを 1 つの仮想ホストに結合するか、複数のホスト・マシンを別々の仮想ホストに割り当てます。
このタスクについて
仮想ホストは、同一の物理マシン上の複数のリソース・セットを分離して、
個別に管理します。ある仮想ホストに関連付けられたリソースと、他の仮想ホストに関連付けられたリソースとは、データを共用することはできません。これは、それらの仮想ホストが物理的に同じマシンで同じアプリケーション・サーバーを共用している場合でも同様です。
例えば、以下のように想定します。
- あるインターネット・サービス・プロバイダー (ISP) が、同じマシン上で顧客 2 社のインターネット・サイトをホストします。
この ISP は、仮想ホストを使用して、両サイトを互いに分離しながらマシンを共用します。ISP は最初の会社のリソースを VirtualHost1 と関連付け、2 番目の会社のリソースを VirtualHost2 と関連付けます。両方の仮想ホストとも、同じアプリケーション・サーバーにマップしています。
- さらに、両社のサイトが同じサーブレットを提供しています。
それぞれのサイトは独自のサーブレット・インスタンスを所有し、他社のサイトの同じサーブレットは認識しません。VirtualHost2 でサイトを運営している会社から、期日を過ぎても ISP に支払いがなかった場合、
ISP は、VirtualHost2 に経路指定されているサーブレット要求をすべて拒否することがあります。VirtualHost1 で同じサーブレットが使用可能であっても、VirtualHost2 で送信された要求は、他方の仮想ホストには送られません。
サーブレットは実際の DNS アドレスではなく仮想ホストに関連付けられるため、仮想ホスト VirtualHost1 上の
サーブレットは、仮想ホスト VirtualHost2 上の同名のサーブレットとコンテキストを共有しません。
VirtualHost1 上のサーブレットへの要求は、VirtualHost2 で同じ名前のサーブレットに対する要求への応答が拒否される場合であっても、通常通り続行できます。
以下のいずれかの条件が存在する場合、デフォルトの仮想ホストに関連付けられている HTTP ポート番号を更新する必要があります。
あるいは、新規の仮想ホストを定義し、それを HTTP サーバー構成が使用するポートに関連付けます。
- 外部 HTTP サーバー構成がデフォルトのポートである 9080 以外を使用する場合は、使用するポートを定義する必要があります。
- デフォルトの HTTP ポート 9080 を使用していますが、そのポートは現在では定義されなくなっています。
ポート 9080 を定義する必要があります。
- 複数のアプリケーション・サーバーをスタンドアロン・サーバーまたはクラスター・メンバーのいずれかとして作成していて、それらのサーバーが同じ仮想ホストを使用しています。
各サーバーが異なるポートを listen する必要があるため、
各サーバーの HTTP ポートに 1 つずつ、仮想ホスト別名を定義する必要があります。
新規の仮想ホスト別名を定義する場合、
別名が使用するポート値を管理コンソールの「Host alias settings」ページで確認してください。
新規の仮想ホストを作成するか、既存の仮想ホストの構成を変更するには、次のステップを実行します。