WebSphere Application Server の Session Initiation Protocol (SIP) プロキシー・サーバーは、 ユーザー間の通信とデータ・セッションを開始します。 このプロキシー・サーバーは、 ハイパフォーマンスの SIP プロキシー機能を提供します。 これにより、ネットワークの末端における、SIP ダイアログから バックエンド SIP リソースへのルーティング、ロード・バランシング、 および応答時間の短縮が可能になります。 SIP プロキシーは、ほかのコンポーネントが基本機能を拡張し、 追加のデプロイメント・シナリオをサポートできるメカニズムを備えています。このトピックでは、Session Initiation Protocol (SIP) プロキシー・サーバーのインストールに関する情報について説明します。
SIP プロキシー設計は、WebSphere Application Server HTTP プロキシー・アーキテクチャーに基づいており、 HTTP プロキシーと対等の機能を持つと考えることができます。 SIP と HTTP プロキシーは、ともに同じ WebSphere Application Server プロキシー・サーバー内で稼働するように設計されています。 また、メッセージ処理と経路指定には、ともに類似したフィルター・ベースのアーキテクチャーを使用して います。
SIP プロキシーは、エンタープライズの内外を流れる SIP メッセージに対する、 ファイアウォール後の入り口の初期点として機能します。 SIP プロキシーは、エンタープライズ内の SIP アプリケーション・サーバーの代理の役割を果たします。 実際に、SIP プロキシー・サーバーをホストしているノードは、 エンタープライズの SIP パブリック・ドメインをホストします。 SIP プロキシーは代理として、SIP コンテナーのクラスターに経路指定し、 そのロード・バランスを取るための規則で構成することができます。 SIP プロキシーは、Secure Sockets Layer (SSL) を使用してトランスポートを保護することも、 さまざまな認証と許可の体系を使用してコンテンツを保護することも可能です。
SIP プロキシーはまた、バックエンド SIP コンテナーおよびプロキシーがホストするドメイン内にあるクライアントの代わりに、 リモート・ドメインへのアウトバウンド接続の確立も担当します。 SIP プロキシーのもう 1 つの重要な機能は、SIP クライアントから、バックエンド SIP コンテナーの ID を保護する機能です。