WebSphere Application Server - Express for i5/OS, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: i5/OS

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installver コマンド

installver コマンドは、2 つの重要な機能を実行します。 このツールはインストールされているファイルでチェックサムを計算し、そのチェックサムを製品の配送済み部品表と比較します。 installver コマンドはさらに、 構成済みのシステムのインベントリーである各ファイルの新規ベースライン・チェックサムを計算し、 後で比較してファイルの変更の有無を識別するために使います。

目的

このトピックでは、 コマンド・ファイルのロケーション、コマンド構文、およびツールを使用したタスク情報へのリンクについて説明します。

デフォルトのログ・ファイルは app_server_root/logs/installver.log ファイルです。-log パラメーターと引数を使用して、出力をリダイレクトすることができます。ファイル引数なしで -log パラメーターを 使用して、デフォルトのログ・ファイルを生成します。

チェックサムの計算

installver ツールは製品中に インストールされている各ファイルのチェックサムを計算します。ツールは計算した各チェックサムとファイルの正しいチェックサムを比較します。 正しいチェックサムは部品表ファイルで配送されています。 各コンポーネントについて 1 つの部品表ファイルが存在します。

ツールは各コンポーネントの部品表を解析し、コンポーネント中の各ファイルの正しいチェックサム値を見つけます。 各製品ファイルには、どれかの部品表ファイル中にある 1 項目が含まれています。 製品ファイルの項目には、製品のファイル・パスおよび正しいチェックサム値がリストされています。

配送される部品表ファイル

各部品表ファイルには、 files.list というファイル名がついています。各コンポーネントは 1 つの files.list ファイルを持っています。 各 files.list ファイルは、 app_server_root/properties/version/install/6.1.0.0/backup/ component_name ディレクトリーの 1 つにあります。component_name ディレクトリーが、 各コンポーネントについて存在します。

例えば、アクティビティー・コンポーネント用の files.list ファイルは、 app_server_root /properties/version/install/6.1.0.0/backup/activity ディレクトリーにあります。ファイルは、以下の例のようになります。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<componentfiles componentname="activity">
       <file>
              <relativepath>properties/version/activity.component</relativepath>
              <checksum>1a20dc54694e81fccd16c80f7c1bb6b46bba8768</checksum>
              <permissions>644</permissions>
              <installoperation>remove</installoperation>
       </file>
       <file>
              <relativepath>lib/activity.jar</relativepath>
              <checksum>2f056cc01be7ff42bb343e962d26328d5332c88c</checksum>
              <permissions>644</permissions>
              <installoperation>remove</installoperation>
       </file>
</componentfiles>

計算したチェックサムを正しいチェックサムと比較する

ツールは、各部品表ファイルの各製品ファイルを処理する間に、 対応するインストール済み製品ファイルの実際のチェックサム値も計算します。 ツールは次に、製品ファイルのチェックサムを部品表ファイルの正しいチェックサム値と比較します。 それから、ツールは、両者に差異がある場合はこれをレポートします。

コマンド・ファイルのロケーション

installver コマンド・ファイルは、 インストール・ルート・ディレクトリーの bin ディレクトリーにあります。

ディレクトリーを bin ディレクトリーに移動して、コマンド行から installver ツール を開始します。このツールは z/OS を除く、サポートしている任意のオペレーティング・システム上で実行できます。

以下のコマンドを使用して、iSeries システム 上の *ALLOBJ 権限を持つユーザー・プロファイルから、ツールを実行します。
installver

使用方法を表示するための構文

  • installver -help

すべてのコンポーネントをリストするための構文

  • installver -listcomponents

製品ファイルを部品表ファイルと比較するための構文

以下のコマンド構文を使用して、インストールされているファイル・システムに対して部品表を自動的に確認します。

コマンドを使用して、インストール済みファイルと製品の部品表ファイルを比較する例については、 部品表との比較による検査 を参照してください。

比較およびコマンド使用の例

チェックサムを比較し、指定したファイルのみを比較に含めます。
  • installver -include fn1;fn2;fn3

コマンドを使用して、ユーザーが指定するファイルまたはコンポーネントのみを比較する例については、 特定のファイルおよびコンポーネントのチェックサムの比較 を参照してください。

チェックサムを比較し、指定したコンポーネントのみを比較に含めます。
  • installver -includecomponent comp1;comp2;comp3;...
チェックサムを比較し、比較からある種のコンポーネントを除外します。
  • installver -excludecomponent comp1;comp2;comp3;...

コマンドを使用して、比較からファイルを除外する例については、チェックサムの比較からのファイルの除外 を参照してください。

チェックサムを比較し、ユーザーにより除外されたファイルを無視します。
  • installver -ignoreuserexclude
チェックサムを比較し、IBM が除外したファイルを無視します。
  • installver -ignoreibmexclude
すべてのコンポーネントのみをリストします。
  • installver -listcomponents
テンプレート (除外されたファイルのリスト用) のみを作成します。
  • installver -createtemplate

テンプレート (除外されたファイルのリスト用) のみを作成します。

installver -createprofiletemplate

パラメーター

以下のパラメーターは、 このコマンドと関連しています。

-createprofiletemplate
チェックサムの比較からファイルを除外するためのテンプレート・プロパティー・ファイルを作成します。 テンプレート・プロパティー・ファイルを編集して、確認から除外したい各ファイルの行を追加します。

installver ツールは、 profile_root/properties/ivu_user.template ファイルを作成します。

ファイル名を指定する場合、installver ツールは作業ディレクトリー (デフォルトでは profile_root/bin ディレクトリー) に ファイルを作成します。

次の手順を実行します。
  1. cd app_server_root/bin
  2. installver -createprofiletemplate
installver ツールはデフォルト・プロファイルの properties ディレクトリーに テンプレート・プロパティー・ファイルを作成します。
profile_root/properties/ivu_user.template
-help

使用情報を表示します。

-verbose

ツールが確認し、発見したことについての詳細なコンソール出力を提供します。

構成済みファイルのインベントリー用新規ベースライン・チェックサムを作成および使用するための構文

以下の構文を使用して、構成済みファイルのインベントリーを作成し、これを現在インストールされているファイルと比較します。

インストール・ルート・ディレクトリーに現在インストールされているファイルの インベントリー・リストを作成します。

  • installver -createinventory [path/file_name]、 例えば installver -createinventory user_data_root/system.inv

インベントリー・リストを、現在インストール・ルート・ディレクトリーにインストールされている ファイルと比較します。

  • installver -compare /path/file_name

トレース結果を比較および表示します。

  • installver -compare /path/file_name -trace
使用情報を表示します。
  • installver -help
指定したファイルを比較して、インベントリー比較から除外します。
  • installver -compare /path/file_name -exclude fn1;fn2;fn3;...
指定したファイルのみを比較して、インベントリー比較に組み込みます。
  • installver -compare /path/file_name -include fn1;fn2;fn3;...

次のステップ

インストールを検証した後、 プロファイルを作成するか、既存のアプリケーション・サーバー・プロファイルでアプリケーションを デプロイすることができます。

インストール、更新、および検査の次に行うステップは、製品を使用することです。アプリケーション・サーバーを始動し 、管理コンソールを使用して、既存のアプリケーションをデプロイします。詳しくは、WebSphere Application Server のファースト・パス を 参照してください。



関連タスク
インストール済みファイルのチェックサムの検査
関連資料
verifyinstallver コマンド
参照トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 7:05:28 PM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r1/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.express.iseries.doc/info/iseriesexp/ae/rins_installver.html