WebSphere Application Server - Express, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: AIX , HP-UX, Linux, Solaris, Windows, Windows Vista

             目次と検索結果のパーソナライズ化

HP-UX システムのインストール準備

このトピックでは、IBM WebSphere Application Server バージョン 6 製品を インストールするために、HP-UX システムを準備する方法を説明します。

始める前に

このインストールでは、InstallShield MultiPlatform (ISMP) ウィザードを使用します。 このウィザードのグラフィカル・インターフェースを使用することができます。 また、サイレント・モードでウィザードを使用することもできます。

サイレント・モードは、オプション応答ファイルを識別するパラメーターの使用によるコマンド行呼び出しです。 インストールする前に、オプション応答ファイルを編集します。

一時スペースをさらに必要とする、または オペレーティング・システム上に前提条件パッケージがないなどの問題が発生した場合は、 インストールをキャンセルし、必要な変更を行ってからインストールを再開します。

制約事項: リモート HP-UX マシン上で Cygwin/X を使用して Eclipse ベースのアプリケーションを実行する場合に、既知の問題があります。これは、プロファイル管理ツールおよび Installation Factory の使用に影響します。リモート HP-UX 上で Cygwin/X を使用する場合、例えばプロファイル管理ツールの「ようこそ」パネルが表示されますが、キーボードまたはマウスからの入力が受け入れられません。これらの問題についての Bugzilla レポートの詳細については、https://bugs.eclipse.org/bugs/show_bug.cgi?id=97808 の情報を参照してください。 別の X サーバー (Hummingbird Exceed® など) を使用する場合、 これらの問題は発生しません。

このタスクについて

オペレーティング・システムの準備作業には、 ディスク・スペースの割り振りやパッチのオペレーティング・システムへのインストールなどが含まれます。 IBM は WebSphere Application Server 製品を各オペレーティング・システム・プラットフォームでテストします。 このようなテストによって、WebSphere Application Server 製品が正常に実行されるようにするためにオペレーティング・システムの変更が必要かどうかを確認しています。 必要な変更を行わなければ、WebSphere Application Server 製品は正常には実行されません。

プロシージャー

  1. オペレーティング・システムにログオンします。

    root または root 以外のインストーラーとしてログオンできます。

    オーナーが ファイルの読み取り/書き込みを行うことができ、その他のユーザーが現行の システム・ポリシーに従ってファイルにアクセスできるようにする、umask を選択します。 root の場合は、022 の umask を推奨します。非 root ユーザーの場合は、 グループを共用しているかどうかによって異なりますが、002 または 022 の umask を使用できます。 umask 設定を確認するには、以下のコマンドを実行します。
    umask
    umask 設定を 022 に設定するには、以下のコマンドを実行します。
    umask 022
  2. オプション: 製品ディスク上のランチパッド・アプリケーションを 使用できるように、Mozilla Web ブラウザーをダウンロードおよびインストールします。

    Mozilla Web ブラウザーがない場合は、 http://www.mozilla.org からブラウザーをダウンロードしてインストールします。

  3. オプション: サポートされるブラウザーのロケーションをエクスポートします。

    ブラウザーの実際のロケーションを識別するコマンドを使用して、サポートされるブラウザーのロケーションをエクスポートします。

    例えば、Mozilla パッケージが /opt/bin/mozilla ディレクトリーにある場合、以下のコマンドを使用します。
    export BROWSER=/opt/bin/mozilla
  4. 製品をインストールしているマシン上で、すべての WebSphere Application Server 関連の Java プロセスを停止します。
  5. IBM HTTP Server などの Web サーバー・プロセスはすべて停止します。
  6. 十分なディスク・スペースを提供します。

    重要:

    Express 製品で必要なディスク・スペースは、 次のとおりです。

    /opt/IBM/WebSphere/AppServer ディレクトリー用に 980 MB

    インストール・ルート・ディレクトリーには、コア・プロダクト・ファイルがあります。 このサイズには、サンプル・アプリケーションが含まれています。このサイズには、server1 プロセス用の デフォルト・アプリケーション・サーバー・プロファイルのスペースが含まれています。 この要件には、ユーザーがインストールする可能性があるアプリケーションのスペースは含まれていません。

    各アプリケーション・サーバー・プロファイルには、 約 200 MB のほかに 40 MB の一時スペース、および開発とデプロイを行うアプリケーション用のスペースが必要です。

    /tmp ディレクトリー用に 100 MB

    一時ディレクトリーは、インストール・プログラム用の作業ディレクトリーです。

    合計要件 1080 MB

    この容量は、ディスクから製品をインストールする際に必要な合計スペース所要量です。

    IBM HTTP Server 製品には、以下のスペースが必要です。

    /opt/IBM/HTTPServer ディレクトリー用に 110 MB

    このスペースは、IBM HTTP Server 製品に必要です。

    /opt/ibm/gsk7 ディレクトリー用に 25 MB

    このスペースは、IBM Global Security Kit (GSKit) に必要です。

    HP-UX プラットフォームのランタイム・モジュールは gsk7bas です。

    以下のスペースは、WebSphere Application Server の Web サーバー・プラグインに必要な最大容量です。

    /opt/IBM/WebSphere/plugins ディレクトリー用に 280 MB

    このスペースは、Web サーバー・プラグインに必要です。

    /opt/ibm/gsk7 ディレクトリー用に 25 MB

    このスペースは、IBM Global Security Kit (GSKit) に必要です。

    SPARC 32 ビット・プラットフォームの場合、 以下のスペースが IBM WebSphere Application Server クライアントに必要です。
    app_client_root ディレクトリー用に 150 MB

    アプリケーション・クライアントのインストールに必要なスペース容量は、実際は 150 MB より少なくなります。 スペース容量は、フィーチャーとしてインストールするクライアントに依存します。

    以下のスペースが、Update Installer に必要です。
    /opt/IBM/WebSphere/UpdateInstaller ディレクトリー用に 200 MB

    コンポーネントごとのインストール・ウィザードは、 製品ファイルおよび選択したフィーチャーをインストールする前に、確認パネルに必要なスペースを表示します。 また、 製品のインストールに必要なスペースがない場合には、インストール・ウィザードにより警告が表示されます。

    アプリケーションおよび構成を以前のバージョンから マイグレーションする計画がある場合は、 アプリケーション・オブジェクトに十分なディスク・スペースがあることを検証します。 以下の場合に大まかなガイドラインとして、アプリケーション・オブジェク トのサイズの 110% に相当するスペースを見込んでおいてください。
    • バージョン 4.0.x の場合: エンタープライズ・アーカイブ (EAR) ファイルのサイズ
    • バージョン 5.0.x の場合: EAR ファイルのサイズ
  7. アプリケーション・サーバーをサポートするように、カーネル値を設定します。 HP-UX のカーネル値の一部は、製品にとって通常は小さすぎます。
    カーネル・パラメーターを設定するには、次のステップを実行します。
    1. root としてホスト・マシンにログインします。
    2. 物理メモリーを決定する。特定のカーネル・パラメーターを物理容量より大きく設定するのを避けるために、物理メモリーを確認しておく必要があります。
      1. /usr/sbin/sam コマンドで、HP-UX System Administration Manager (SAM) ユーティリティーを開始します。
      2. 「Performance Monitors」 > 「システム・プロパティー」 > 「メモリー」の順に選択します。
      3. 「Physical Memory」の値をメモし、「OK」をクリックします。
      4. SAM ユーティリティーを終了します。
    3. maxfiles および maxfiles_lim パラメーターを 4096 以上に設定します。次の表では、それぞれ 8000 と 8196 を推奨しています。 最初に /usr/conf/master.d/core-hpux ファイルを編集し、SAM ユーティリティーが 2048 より大きい値を設定できるようにする必要があります。
      1. テキスト・エディターで /usr/conf/master.d/core-hpux ファイルを開きます。
      2. " *range maxfiles<=2048" という行を "*range maxfiles<=60000" に変更します。
      3. "*range maxfiles_lim<=2048" という行を "*range maxfiles_lim<=60000" に変更します。
      4. ファイルを保管してクローズします。変更前の値は /var/sam/boot.config ファイルに保管されます。 SAM ユーティリティーに新しい boot.config ファイルを作成させます。
        1. 既存バージョンの /var/sam/boot.config ファイルを /tmp ディレクトリーなどの別の場所に移動します。
        2. SAM ユーティリティーを開始します。
        3. 「Kernel Configuration」>「Configurable Parameters」の順に選択します。「Kernel Configuration」ウィンドウが開き、新しい boot.config ファイルが表示されます。
          または、次のコマンドを使用して、boot.config ファイルを再ビルドします。
           # /usr/sam/lbin/getkinfo -b
    4. 新しいカーネル・パラメーター値を設定します。
      1. SAM ユーティリティーを開始します。
      2. 「Kernel Configuration」 > 「Configurable Parameters」とクリックします。
      3. 次の表に示す各パラメーターについて、以下の手順を実行します。
        1. 変更するパラメーターを強調表示します。
        2. 「アクション」 > 「Modify Configurable Parameter」の順にクリックします。
        3. 「Formula/Value」フィールドに新しい値を入力します。
        4. OK」をクリックします。
      WebSphere Application Server を実行するための標準的なカーネル設定を、 次の表で示される順序で変更します。
      パラメーター
      STRMSGSZ 65535
      dbc_max_pct 25
      maxdsiz 805306358 (0x30000000)
      maxdsiz 2048000000 (同じシステムで複数のプロファイルを実行している場合)
      maxfiles_lim 8196 (maxfiles の前にこの値を変更する)
      maxfiles 8000
      maxssiz 8388608
      maxswapchunks 8192
      maxusers 512
      nkthread 7219
      max_thread_proc 3000
      nproc 4116 (maxuprc の前にこの値を変更する)
      maxuprc 512
      msgtql 2046
      msgmap 2048
      msgssz 32 (msgmax の前にこの値を変更する)
      msgseg 32767 (msgmax の前にこの値を変更する)
      msgmnb 65535 (0x10000) (msgmax の前にこの値を変更する)
      msgmnb 131070 (同じシステムで複数のプロファイルを実行している場合)
      msgmax 65535 (0x10000)
      msgmax 131070 (同じシステムで複数のプロファイルを実行している場合)
      msgmni 50
      nfile 58145
      nflocks 3000
      ninode 60000
      npty 2024
      nstrpty 1024
      nstrtel 60
      sema 1
      semaem 16384 (0x4000)
      semmns 16384 (0x4000) (semmap の前にこの値を変更する)
      semmni 2048 (semmap の前にこの値を変更する)
      semmap 514
      semmnu 1024
      semume 200
      semvmx 32767
      shmem 1
      shmmax 2147483647 (0x7FFFFFFF)
      shmmni 1024
      shmseg 1024

      WebSphere Application Server と IBM DB2 が同じマシン上にあると、 カーネル値が上記の表に示した値より大きくなる場合があります。

      詳しくは、 推奨されるカーネル構成パラメーター (HP-UX) Web ページを参照してください。

    5. 「アクション」 > 「Process New Kernel」をクリックします。
    6. 情報ウィンドウで「はい」をクリックして、マシンの再始動を決定します。

      スクリーン内の指示に従ってマシンを再始動し、新しい設定値を有効にします。

    7. 表示を HP 以外のマシンにリダイレクトする場合は、WebSphere Application Server インストール・ウィザードを実行する前に以下のように実行します。
      1. 次のコマンドを実行して、 アプリケーションにアクセス可能なすべての public ロケールに関する情報を取得する。
        # locale -a
      2. 表示される出力からシステムに応じた値を選択し、LANG 環境変数にこの値を設定する。 LANG の値を en_US.iso88591 に設定するコマンドの例を次に示します。
        # export LANG=en_US.iso8859
  8. 前提条件および相互前提条件が、必要なリリース・レベルであることを確認します。

    インストール・ウィザードは、prereqChecker アプリケーションを 使用して、前提条件となるオペレーティング・システム・パッチを検査しますが、 前提条件をまだ検討していない場合は、Supported hardware and software Web site で 前提条件を参照してください。

    サポートされているバージョンへのマイグレーションについては 、IBM 以外の前提条件および相互に必要な製品の資料を参照してください。

  9. emacs やその他のフリーウェアを使用する際に、システム cp コマンドを検査します。
    ご使用のオペレーティング・システムに、emacs やその他のフリーウェアがインストール済みである場合は、 システム cp コマンドが使用されているかどうかを検証します。
    1. WebSphere Application Server 製品用のインストール・プログラムを実行する前に、 コマンド・プロンプトで which cp と入力します。
    2. その結果表示されるディレクトリー出力に freeware が含まれている場合は 、PATH から freeware ディレクトリーを除去します。 例えば、メッセージが .../freeware/bin/cp のように出力されるとします。 その場合は、PATH からこのディレクトリーを除去します。
    3. WebSphere Application Server 製品をインストールします。
    4. freeware ディレクトリーを PATH に追加します。

    フリーウェア・パッケージの一部である cp コマンドを指定してインストールする場合、 インストールが正常に完了したように見えても、本製品がインストールする Java 2 SDK で、app_server_root/java ディレクトリーに欠落ファイルがある場合があります。

    ファイルが欠落していると、 必要なシンボリック・リンクが壊れる可能性があります。PATH からフリーウェア cp コマンドを除去すると、 アプリケーション・サーバー製品を正常にインストールできます。

  10. 独自のディスクを作成した場合は、インストール・イメージ・ディスク上の Java 2 SDK が正常に機能していることを確認します。

    例えば、パスポート・アドバンテージからインストール・イメージをダウンロードした場合や、インストール・イメージをバックアップ・ディスクにコピーした場合です。 いずれの場合でも、以下のステップを実行して、 ディスクに有効な Java 2 Software Development Kit (SDK) があることを確認します。

    1. ディレクトリーを、製品 CD-ROM または DVD 上の /JDK/jre.pak/repository/package.java.jre/java/jre/bin ディレクトリーに 変更します。 以下に例を示します。
      cd /JDK/jre.pak/repository/package.java.jre/java/jre/bin
    2. Java 2 SDK のバージョンを確認します。 以下のコマンドを入力します。
      ./java -version

      Java 2 SDK が完全であれば、 コマンドはエラーを伴わずに正常に完了します。

結果

この手順によって、オペレーティング・システムに製品をインストールする準備が整います。

次の作業

オペレーティング・システムにインストールする準備をした後に、WebSphere Application Server 製品をインストールすることができます。

手順全体での次のステップ (実行するインストール・タイプの選択) については、HP-UX システムでの Express 製品のインストール準備 を参照してください。




関連タスク
HP-UX システムでの Express 製品のインストール準備
タスク・トピック    

ご利用条件 | フィードバック

最終更新: Jan 21, 2008 6:25:35 PM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r1/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.express.doc/info/exp/ae/tins_hpuxsetup.html