WebSphere Application Server - Express, Version 6.1   
             オペレーティング・システム: AIX , HP-UX, Linux, Solaris, Windows, Windows Vista

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タスクの概説: Web サービス・アプリケーションのインプリメント

このトピックでは、Web サービスの使用方法について説明します。 WebSphere Application Server は、さまざまな Java プログラミング・モデルに基づいて開発およびインプリメントされた Web サービスをサポートします。 J2EE 1.4 のプラットフォームおよび J2EE 以外のプラットフォームなどのさまざまな種類のプラットフォームにまたがって運用するときには、Web サービスを使用します。

始める前に

Web サービス・インプリメンテーションがユーザーのビジネス・プロセスに有益かどうかを判別します。

このタスクについて

アプリケーション・サーバーによってサポートされる Web サービスの詳細リストについては、 仕様および API 文書をご覧ください。

通常はスタンドアロン・システムとして機能している、お客様のビジネス・インフラストラクチャーの内部または外部にあるアプリケーション・システムを統合するには、Web サービス・アプリケーションをインプリメントするのが簡単な方法です。 例えば、使用しているカスタマー情報データベースがスタンドアロン・アプリケーションである場合に、アカウンティング・アプリケーションがカスタマー・データにアクセスできるようにしたいことがあります。 カスタマー・データベースの Web サービスを作成し、アカウンティング・アプリケーションを Web サービス・クライアントとして使用可能にすることができます。 これで、アカウンティング・アプリケーションはカスタマー情報にアクセスすることができます。 Web サービスをインプリメントすることによって、これらの 2 つアプリケーションが効率的に情報を共有することができます。

Web サービスは既存のアプリケーションおよび情報技術資産に簡単に適用できるので、 新しいソリューションの開発、デプロイ、および再構成を迅速に行い、新しいビジネス機会に対応することができます。 Web サービスが普及するにつれて、サービスのプールが拡大し、インターネット上での JIT アプリケーションおよびビジネス・インテグレーションのより堅固なモデルの開発が促進されます。

アプリケーション・サーバーで Web サービス・アプリケーションを使用するには、以下のステップを実行します。

プロシージャー

  1. Web サービスの使用計画を立てます Universal Description, Discovery, and Integration (UDDI) および サービス統合バスの Web サービスの使用可能化 (SIBus) の概念を検討して、 これらのコンポーネントがどのようにしてユーザーの Web サービス計画をより堅固にするのかを確認します。
  2. (オプション) 既存の Web サービスをマイグレーションします

    Apache SOAP に基づいた Web サービスを使用していたが、Web Services for J2EE 仕様に基づいた Web サービス を開発およびインプリメントする場合は、バージョン 4.0 および 5.0.2 より前のバージョン 5.0 を使用して 開発したクライアント・アプリケーションをマイグレーションする必要があります。

  3. Web サービス・アプリケーションを開発します。 5 つの方法のいずれかを使用して、Web サービスを開発できます。
    1. JavaBeans インプリメンテーションを使用して Web サービスを開発します

      既存の Java アプリケーションで開始することにより、Web サービスを作成できます。既存のアプリケーションを Web サービスに変換することを、Web サービス開発のボトムアップ・アプローチと呼びます。 既存のサービスや Web サービス記述言語 (WSDL) ファイルから開始するの ではなく、実装から開始するため、このプロセスは ボトムアップと呼ばれます。

    2. Stateless Session Enterprise Bean を使用して Web サービスを開発します

      Web サービス開発のボトムアップ・アプローチを使用して、既存のステートレス・セッション・エンタープライズ Bean で開始することにより、Web サービスを作成できます。

      注: Enterprise JavaBeans は、JAX-RPC アプリケーションでのみサポートされます。
    3. JavaBeans インプリメンテーションを使用して、既存の WSDL ファイルで Web サービスを開発します

      Java アプリケーションのサービス・インターフェースを記述する既存の Web サービス記述言語 (WSDL) ファイルで開始することにより、Web サービスを作成できます。 通常、WSDL ファイルはアプリケーション・モデリング・プロセスの一部として定義されます。 既存のサービス定義または WSDL ファイルを使用して新規アプリケーションを生成することを、Web サービス開発のトップダウン・アプローチと呼びます。

    4. Stateless Session Enterprise Bean を使用して、 既存の WSDL ファイルで Web サービスを開発します

      Web サービス開発のトップダウン・アプローチを使用して、エンタープ ライズ Bean インプリメンテーションのサービス・インターフェースを 記述する既存の WSDL ファイルで開始することにより、Web サービスを作成できます。

      注: Enterprise JavaBeans は、JAX-RPC アプリケーションでのみサポートされます。
    5. サービス統合テクノロジーを介して Web サービスを使用可能にします
      サービス統合バス (SIBus) の Web サービス使用可能化を使用して、以下の目的を達成することができます。
      • バス宛先で使用可能な、内部でホスティングされたサービスを、 Web サービスとして使用可能にします。
      • 外部 Web サービスを、バス宛先で内部的に使用可能にします。
      • Web サービス・ゲートウェイを使用して、既存のサービス (内部でホスティングされているサービスまたは外部 Web サービス) を、ゲートウェイにより提供される新規 Web サービスにマップします。

    Web Services Addressing (WS-Addressing)、Web Services Resource Framework (WSRF)、および WS-Notification サポートを利用できるように Web サービスを開発することができます。

    • WS-Addressing SPI の使用: 拡張 Web サービス・アドレッシング・タスクの実行

      Web サービス・アドレッシング (WS-Addressing) を利用できるように、Web サービスを開発できます。Web サービス・アドレッシングは、Web サービスをアドレス指定する標準の方法を使用し、メッセージ内でアドレス指定する情報を提供することで、Web サービス間のインターオペラビリティーを補助します。

    • Web サービス・リソース・フレームワークを使用したステートフル Web サービスの作成

      アプリケーション・サーバーの Web Services Resource Framework (WSRF) サポートにより、 ステートフル Web サービスを WS-Resource としてインプリメントし、WS-Addressing エンドポイント参照を使用して、そのサービスを参照することができます。

    • WS-Notification を使用した Web サービス用メッセージングの"公開およびサブスクライブ"の使用可能化
      アプリケーション・サーバーに WS-Notification を実装することにより、 以下の目標を達成することができます。
      • 既存のサービス統合テクノロジーおよび Web サービス・コンポーネントを使用して WS-Notification 機能を提供します。
      • 他のパブリッシュおよびサブスクライブ・メッセージング・クライア ント (例えば、Java Message Service (JMS)、WebSphere MQ など) と代わり のメッセージ・ブローカリング製品を相互運用します。
      注: WS-Notification は、JAX-RPC アプリケーションでのみサポートされます。
  4. Web サービスをアセンブルします

    Web サービスをアセンブルする場合に何が必要になるのか、また、各パーツ (エンタープライズ・アーカイブ (EAR) ファイルなど) をどのような順序でアセンブルするのかを調べてください。

  5. Web サービスをデプロイします

    Web サービス用に構成および使用可能にされた EAR ファイルをデプロイするために必要なステップについて調べてください。

  6. デプロイ済み Web サービスを管理します

    デプロイされた Web サービス・アプリケーションの管理について調べてください。

  7. WSDL ファイルを公開します。

    Web サービス・アプリケーションをインストールし、 オプションでエンドポイント情報を変更したら、 更新済みエンドポイント情報を含む Web Services Description Language (WSDL) ファイルが必要になる場合があります。 この情報が使用可能になるよう WSDL ファイルを公開するために必要なステップについて調べてください。

  8. Web サービス・クライアントの開発とデプロイ

    Web Services for J2EE 仕様に基づいて Web サービス・クライアントを開発およびデプロイする方法について調べてください。

  9. Web サービスの保護。

    メッセージ・レベルのセキュリティーのアプリケーション・サーバーへの統合については、 以下を参照してください。

  10. Web サービス・アプリケーションのパフォーマンスのモニター .

    Performance Monitoring Infrastructure (PMI) を使用して Web サービス要求を 処理するのに必要な時間を計算する方法について調べてください。

  11. Web サービスのトラブルシューティングを行います

    Web サービスを開発、インプリメント、および使用するためのさまざまなプロセス (コマンド行ツール、Java コンパイル・エラー、クライアント・ランタイム・エラーおよび例外、シリアライゼーションおよびデシリアライゼーション・エラー、Web サービス・セキュリティーでの認証の要求および許可の失敗を含みます) のトラブルシューティングを行う方法について調べてください。

以下の例では、ビジネスでの Web サービス使用方法を示します。

フラワー・ショップのオーナーが、Web を介した顧客からの注文の受け取りを開始したいと思っています。オーナーは、花の卸売り業者を探し、商品の価格を決定し、今後の花の注文に関する契約を締結することによってプロセスを開始します。

フラワー・ショップのオーナーは、Web サービスを使用して花の卸売り業者を探すことができます。新しい卸売り業者を探す 1 つの方法は、Universal Description, Discovery and Integration (UDDI) レジストリーを使用して、潜在的な卸売り業者を検索することです。 供給業者を選択すると、レジストリーから、フラワー・ショップのオーナーの基準を満たす花の流通業者への連絡方法に関する情報が返されます。

フラワー・ショップのオーナーは、潜在的な各供給業者の WSDL ファイルを取得することにより、各供給業者の価格表を要求することができます。WSDL は、供給業者の Web ページからダウンロードすることも、E メールで受信することも、または供給業者の UDDI レジストリー・エントリーから検索することもできます。

WSDL は、プロシージャー呼び出しを記述します。WebSphere Application Server を使用する場合、プロシージャー呼び出しは Java API for XML-based Remote Procedure Call (JAX-RPC) であり、これが価格表を検索します。 WSDL ファイルでは、要求が送信される Universal Resource Locator (URL) も指定します。

フラワー・ショップのオーナーは、各供給業者から受け取った価格を比較して、どの供給業者と取引するかを決定し、将来の注文についての準備を行う必要があります。 これで、フラワー・ショップは、Web サービスを使用して最適な価格について供給業者とやり取りし、注文プロセ スを完了することにより、Web を通じて商品を販売できるようになりました。商品の価格表を Web サイトに公開し、顧客が花を注文するためのメカニズムが必要になります。

花の供給業者の Web サービス・クライアントは、フラワー・ショップのサーバーにデプロイされます。 顧客が Web を通じて花を購入する取引を行うと、注文がプロシージャー呼び出しを介して供給業者に送信されます。 供給業者は、注文番号および配送日とともに確認を送信することで応答します。供給業者は在庫を管理し、フラワー・ショップのオーナーは料金請求とカスタマー・オーダーの管理を処理します。

同様に、フラワー・ショップのカタログも各供給業者のカタログから自動的に作成することができます。 供給業者が顧客に直接配送する場合は、注文トラッキング照会を供給業者の注文トラッキング・システムに直接渡すことができます。 供給業者は、Web サービスを使用して、フラワー・ショップの注文に関する送り状を送信することができます。以前は手書きで用紙に記入して、ファックスや郵便で送信する必要があったプロセスは、自動的に行えるようになり、フラワー・ショップと供給業者の両方が人件費を節約することができます。

Web サービスを利用すると、フラワー・ショップがはるかに大きな在庫を用意できるというメリットがあります。 商品の保守に手間をかけることなく、フラワー・ショップは、他の方法ではそろえることができない商品を顧客に提供することができます。 Web を介して花を販売すると、別の店舗を出したり追加商品に投資したりする負担を負わずに、フラワー・ショップの資本を増やすことができます。

詳しいシナリオについては、 Web サービス・シナリオ: 概説を参照してください。ここでは、Plants by WebSphere という架空の園芸用品オンライン・ショップを紹介し、この店で Web サービスの概念がどのように導入されているかについて説明しています。




サブトピック
サービス指向アーキテクチャー
Web サービス
Web サービスの使用の計画
Web サービス・マイグレーションのベスト・プラクティス
Apache SOAP Web サービスから Web Services for J2EE 標準へのマイグレーション
JavaBeans からの Web サービス・アプリケーションの開発
エンタープライズ Bean からの Web サービス・アプリケーションの開発
JavaBeans を持つ既存の WSdL ファイルからの Web サービス・アプリケーションの開発
エンタープライズ Bean を持つ既存の WSDL ファイルからの Web サービス・アプリケーションの開発
Web サービス・アドレッシングを使用するアプリケーションの開発
Web サービス・リソース・フレームワークを使用したステートフル Web サービスの作成
HTTP を使用した Web サービスのトランスポート
管理対象外 Web サービス JAX-RPC クライアントの実行
Web サービス・アプリケーションのアセンブル
アプリケーション・サーバーへの Web サービス・アプリケーションのデプロイ
デプロイされた Web サービス・アプリケーションの管理
デプロイ済み Web サービス・アプリケーションをクライアントに使用可能にする
Web サービス・クライアントの開発とデプロイ
トランスポート・レベルでの Web サービス・アプリケーションの保護
HTTP 基本認証による Web サービスの認証
Web サービス対応クライアントのテスト
Web サービス・アプリケーションのパフォーマンスのモニター
バージョン 6.1 のアプリケーションの Web サービス・セキュリティーの調整
WS-Security を基にしたバージョン 5.x アプリケーションの Web サービスの保護
JAX-RPC を使用したメッセージ・レベルでの Web サービス・アプリケーションの保護
Web サービスのトラブルシューティング
Web サービス: 学習用リソース
WebSphere Application Server での役割および目標
関連概念
Web Services for J2EE 仕様
JAX-RPC
WSDL
SOAP
SAAJ (SOAP with Attachments API for Java) インターフェース
Web Services-Interoperability Basic Profile
JAX-RPC を使用した RMI-IIOP
WS-I Attachments Profile
概説: オンライン園芸店の Web サービス・シナリオ
サービス指向アーキテクチャーへの Web サービス・アプローチ
サポートされている Web サービス・ビジネス・モデル
関連タスク
サービス統合テクノロジーを介した Web サービスの使用可能化
WS-Notification - Web サービスのメッセージングを公開およびサブスクライブします。
関連資料
Web サービスの SOAP/JMS プロトコル
仕様および API 資料
タスク・トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 6:25:35 PM EST
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