ネーム・スペースの統合には、コンテキストをあるネーム・スペースから別のネーム・スペースへバインドすることが含まれます。
例えば、ネーム・スペース「ネーム・スペース 1」に、a/b という名前のコンテキストが含まれているとします。また、2 番目のネーム・スペース「ネーム・スペース 2」には、x/y という名前のコンテキストが含まれているとします。(下図を参照してください。)
「ネーム・スペース 2」のコンテキスト x/y が、f2 という名前で「ネーム・スペース 1」のコンテキスト a/b にバインドされた場合は、その 2 つのネーム・スペースは統合されます。
バインディング f2 は、このバインディングに関連付けられているコンテキストが別のネーム・スペースから来たものであるため、統合済みバインディングということになります。
「ネーム・スペース 1」から a/b/f2 という名前をルックアップすると、
「ネーム・スペース 2」の x/y という名前でバインドされたコンテキストが戻されます。
さらに、コンテキスト x/y が、ejb1 という名前でバインドされているエンタープライズ Bean (EJB) ホームを含んでいる場合、
その EJB ホームは、「ネーム・スペース 1」から a/b/f2/ejb1 というルックアップ名でルックアップできることになります。
名前は、ネーム・スペース間を移動するので、注意してください。
この事実は、ネーミング・クライアントに対しては透過的です。
WebSphere Application Server のネーム・スペースでは、以下の制限の下で、統合済みバインディングを作成することができます。
- 統合は、CosNaming ネーム・サーバーに限定されています。
WebSphere Application Server のネーム・サーバーは、共通オブジェクト・リクエスト・ブローカー・アーキテクチャー (CORBA) の CosNaming インプリメンテーションです。
別の CosNaming コンテキストへ統合済みバインディングを作成することができます。
例えば、LDAP ネーム・サーバー・インプリメンテーションからのコンテキストをバインドすることはできません。
- JNDI を使用してネーム・スペースを統合する場合は、
WebSphere Application Server の初期コンテキスト・ファクトリーを使用して、統合されたコンテキストへの参照を取得
しなければなりません。
別の初期コンテキスト・ファクトリーの実装を使用する場合は、
バインディングを作成できなくなるか、または透過性のレベルが下がる場合があります。
- WebSphere Application Server でないネーミング・コンテキストへの統合済みバインディングには、以下の機能的な制限があります。
- JNDI 操作が、CORBA オブジェクトの使用に制限されます。
例えば、EJB ホームをルックアップすることはできますが、データ・ソースなどの非 CORBA オブジェクトはルックアップできません。
- JNDI キャッシングは、非 WebSphere Application Server のネーム・スペースではサポートされません。
この制限は、ルックアップ操作のパフォーマンスにのみ影響を与えます。
- セキュリティーが使用可能になっている場合、
WebSphere Application Server は、
非 WebSphere Application Server ネーム・スペースへの統合済みバインディングをサポートしません。
- 2 つの WebSphere Application Server のスタンドアロン・サーバー・ネーム・スペースを統合しないでください。
正しく動作しなくなる場合があります。
WebSphere Application Server のネーム・スペースを統合する場合は、
WebSphere Application Server の Network Deployment パッケージ下で稼働しているサーバーを使用してください。
- WebSphere Application Server の Network Deployment パッケージ下で稼働している 2 つのセルのネーム・スペースを統合する場合、
セルの名前は別のものにする必要があります。
そうしないと、正しく動作しなくなる場合があります。