WebSphere Application Server バージョン 6.1 へのマイグレーションのプロセスを開始する前に、
注意する必要がある考慮事項があります。
- JDK 1.4 (バージョン 5.1 で導入) または JDK 1.3 (バージョン 5.0.x でサポート) から JDK 5 (WebSphere Application Server バージョン 6.1 で導入) に
マイグレーションする前に、Sun Microsystems Java 仕様に基づいて、ご使用のアプリケーションに必要な変更を検討します。
API および仕様マイグレーション
を参照してください。
WebSphere Application Server バージョン 6.0.2 on Solaris x64
で稼働する Java Native Interface (JNI) アプリケーションは、WebSphere Application Server バージョン 6.1
で稼働できるようにするため、64 ビット環境で再コンパイルする必要があります。この中には、例えば Enterprise JavaBean (EJB) などから呼び出される WebSphere Application Server のプロセス・コードで稼働するすべての JNI アプリケーションが含まれます。Solaris x64 では、WebSphere Application Server バージョン 6.0.2 は、基幹プラットフォームが 64 ビットであっても 32 ビットのアプリケーションとして稼働します。これは、基幹となる Java 仮想マシンが 32 ビットであるためです。WebSphere Application
Server バージョン 6.1 は、基幹となる Java
仮想マシンが 64 ビットであるため 64 ビットのアプリケーションとして稼働します。バージョン 6.0.2 用に
32 ビット環境でコンパイルされた JNI アプリケーションは、バージョン 6.1 の 64 ビット環境で実行することはできません。
- マイグレーションに関する項目では、WebSphere Application Server バージョン 6.1 が、
以前のレベルの WebSphere Application Server と共存する必要のある環境にインストールされていることが想定されています。
共存の使用可能化を計画する際に次の項目について考えてみます。
- 前提条件を WebSphere Application Server バージョン 6.1 で必要とされるレベルに更新します。
以前のレベルの WebSphere Application Server は、引き続きより高水準な前提条件レベルで実行されます。
- 定義済みのポートを調べて、WebSphere Application Server バージョン 6.1 インストール・システムが競合しないことを確認します。
特に、WebSphere Application Server バージョン 5.x または 6.0.x と共存させてインストールする場合は、
両方のバージョンのデフォルト・デーモン・ポート定義を同じにする点に注意してください。
デフォルト・ポート情報について詳しくは、WebSphere Application Server バージョンにおけるポート番号設定
を参照してください。
共存
を参照してください。
- WebSphere Application Server バージョン 6.1 のマイグレーションは、HTTP トランスポートを
チャネル・フレームワーク Web コンテナー・トランスポート・チェーンに変換します。
WebSphere Application Server バージョン 6.1 トランスポート・サポートについて詳しくは、
以下の項目を参照してください。
- マイグレーション要件 (ネーミング要件など) を満たさないプロファイルを作成する場合、
WebSphere Application Server バージョン 6.1 製品をアンインストールしてから再インストールするのではなく、
古いプロファイルを削除して新規プロファイルを作成することができます。
- マイグレーション・ツールは、旧バージョンからの構成のバックアップ・コピーが
含まれるマイグレーション・バックアップ・ディレクトリーを作成します。
以下は、このディレクトリーに必要となるファイル・システム・スペースの量を決定するのに役立つ可能性があるガイドラインです。
- バージョン 5.x からマイグレーションする場合、このディレクトリーのディスク空容量は、
少なくとも旧バージョンの構成ディレクトリーとアプリケーションのサイズと、
ユーザーが定義した wsinstances 用の構成ディレクトリーとアプリケーションのサイズを加えたものである必要があります。
- バージョン 6.0.x からマイグレーションする場合、このディレクトリーのディスク空容量は、
少なくとも前のプロファイルの構成ディレクトリーとアプリケーションのサイズである必要があります。
- バージョン 6.1 へのマイグレーション時に、
システムで必要なストレージの量は、
使用する環境とマイグレーション・ツールによって異なります。
- WASPreUpgrade ストレージ要件
- ロケーション: WASPreUpgrade コマンドの
パラメーターとして指定される、バックアップ・ディレクトリー
- 量: このコマンドを実行した場合のストレージ要件の概算見積もりでは、
以下の量を追加します。
- 以前の構成における、すべてのプロファイルの以下の項目のサイズ
- トレースが使用可能な場合 (これがデフォルトです) は、
最大で 200 MB まで (構成のサイズと複雑さによって異なります)
このコマンドの詳細については、
WASPreUpgrade コマンド
を参照してください。
- WASPostUpgrade ストレージ要件
- ロケーション: 新規 profile_root
ディレクトリーと相対する新規構成
- 量: このコマンドを実行した場合のストレージ要件の概算見積もりでは、
以下の量を追加します。
- マイグレーション対象の以前のプロファイルにおける、以下の項目のサイズ
- トレースが使用可能な場合 (これがデフォルトです) は、
最大で 200 MB まで (構成のサイズと複雑さによって異なります)
このコマンドの詳細については、
WASPostUpgrade コマンド
を参照してください。
- Cloudscape データベースをマイグレーションする前に、Cloudscape
データベースを使用しているアプリケーションをホスティングするアプリケーション・サーバーがすべてシャットダウンしていることを確認します。
シャットダウンされていない場合、Cloudscape のマイグレーションは失敗します。
- マイグレーション・ツールを使用して WebSphere Application Server バージョン 6.1 をマイグレーションした後で、
マイグレーション・ツールによって自動的に行われない処置を行う必要がある場合があります。
- WebSphere Application Server バージョン 5.x または 6.0.x で
使用した可能性のある Lightweight Third Party Authentication (LTPA) セキュリティー設定をすべて検査し、
バージョン 6.1 のセキュリティーが適切に設定されていることを確認します。
LTPA (Lightweight Third Party Authentication)
を参照してください。
- マイグレーション・ツールでマイグレーションされなかった JSP オブジェクトの詳細については、
logs ディレクトリーの WASPostUpgrade.log ファイルを調べてください。
JSP オブジェクトが構成されているレベルをバージョン 6.1 がサポートしない場合、
マイグレーション・ツールは出力中にそのオブジェクトを認識して、ログに記録します。
- 始動パフォーマンスを改善するため、Java 仮想マシンの設定を見直し、少なくとも
50 のヒープ・サイズを使用していることを確認します。
Java 仮想マシン設定
を参照してください。
これまでに使用したヒープ・サイズがこれより小さい場合は、
デフォルトのヒープ・サイズ (50) を使用できます。
- 自動 Cloudscape データベースのマイグレーションの結果を検査して、ツールにより自動的にマイグレーションされないすべての Cloudscape データベースを手動でマイグレーションします。
Cloudscape データベースのマイグレーション
を参照してください。