管理クライアントを開発して、WebSphere Application Server の既存の MBean サポートを介して複数のベンダー・アプリケーション・サーバーを管理することができます。
WebSphere Application Server プログラミング・モデルでは、MBean があれば稼働していると想定できます。 MBean がなければ、停止していると想定できます。開始済み状態と停止状態の間の過渡状態は、停止状態と同じであり、MBean は存在しないことを意味しています。
J2EE プログラミング・モデルでは、 MBean はコンポーネントの状態に関係なく常に存在しています。
状態属性を照会することによって、 コンポーネントの状態を判別することができます。 ただし、状態属性は状態を管理可能な MBean のためのみに存在し、これは StateManageable インターフェースをインプリメントすることを意味しています。状態管理可能 MBean には、J2EE MBean でも WebSphere Application Server MBean でも、start()、startRecursive()、および stop() オペレーションがあります。 さらに、WebSphere Application Server はステートフル・インターフェースを定義します。ステートフル・インターフェースとは、 コンポーネントが状態を持ち、j2ee.state.notifications メソッドを発行しますが、 コンポーネントは状態を直接管理することができないことを意味します。例えば、Web モジュールはそれ自体を停止できません。ただし、Web モジュールを含むアプリケーションはこれを停止できます。
状態を持つすべての MBean が、状態管理可能であるわけではありません。例えば、サーブレット、J2EE モジュールおよびエンタープライズ Bean は 、すべてステートフルですが、状態管理可能ではありません。J2EE サーバーは、サーバーで start() オペレーションを使用できないため、状態管理可能ではありません。
J2EEApplication MBean は、状態管理可能 MBean の例です。WebSphere Application Server が始動すると、それぞれのアプリケーションは、それ自体のために J2EEApplication MBean をアクティブにします。J2EEApplication MBean には、J2EEApplication の J2EE タイプがあります (例えば、ObjectName *:*,j2eeType=J2EEApplication)。 アプリケーションが始動すると、アプリケーションのタイプで Application MBean もアクティブにします (例えば、*:*,type=Application)。アプリケーションが状態を変更すると、Application MBean はアクティブになるか、または非アクティブになります。 ただし、J2EEApplication MBean は常時アクティブです。状態属性を取得することによって、アプリケーションの状態変更を検索することができます。
J2EEApplication コンポーネントのモジュール属性は、アプリケーションのすべてのモジュールについて、オブジェクト名の配列を 1 つ戻します。 アプリケーション・サーバーは、アプリケーションを始動した後にのみ、 これらの各モジュールの MBean をアクティブにします。アプリケーション、つまりはモジュールが稼働していない場合、管理対象 Enterprise Bean isRegistered(ObjectName) メソッドは false を戻します。
J2EE 管理仕様で定義されたすべての属性は、管理対象オブジェクトが停止されると、有効な値を戻します。 その他の属性およびオペレーション、例えば Application Server に具体的に定義されているものは、オブジェクトが停止されたときにアクセスされると、例外 com.ibm.websphere.management.exception.ObjectNotRunningException を使用します。
サーバーが稼働中にアプリケーションをインストールすると、インストール完了時にアプリケーションは J2EEApplication MBean をインストールします。逆に、アプリケーションが J2EEApplication MBean をアンインストールすると、 アプリケーションは MBean を非アクティブにします。
j2eeType 鍵プロパティー | タイプの鍵プロパティー |
J2EEDomain | J2EEDomain [新規] |
J2EEServer | Server |
JVM | JVM |
J2EEApplication | Application [j2eeType とは別の MBean] |
WebModule | WebModule |
ResourceAdapterModule | ResourceAdapterModule |
EJBModule | EJBModule |
EJB およびサブタイプ/Servlet/ResourceAdapter | EJB およびサブタイプ/Servlet/ResourceAdapter |
JavaMailResource | MailProvider |
JNDIResource | NameServer |
JMSResource | JMSProvider |
JTAResource | TransactionService |
RMI_IIOPResource | ORB |
URLResource | URLProvider |
JDBCResource | JDBCProvider |
JDBCDataSource | DataSource |
JDBCDriver | JDBCDriver [新規] |
JCAResource | J2CResourceAdapter |
JCAConnectionFactory | J2CConnectionFactory |
JCAManagedConnectionFactory | J2CManagedConnectionFactory [新規] |
次の表は、 WebSphere Application Server が提供するオプションの J2EE 管理インターフェースを示しています。 いくつかの j2eeType 鍵プロパティーは、 印刷目的のために複数行に分割されています。
j2eeType 鍵プロパティー | EventProvider インターフェース | StateManageable インターフェース | StatisticsProvider インターフェース |
J2EEDomain | いいえ | いいえ | いいえ |
J2EEServer | はい | ステートフル | いいえ |
JVM | いいえ | いいえ | はい |
J2EEApplication | はい | はい | いいえ |
WebModule | はい | ステートフル | いいえ |
ResourceAdapterModule | はい | ステートフル | いいえ |
EJBModule | はい | ステートフル | いいえ |
AppClientModule | はい | ステートフル | いいえ |
EJB およびサブタイプ/Servlet/ResourceAdapter | いいえ | いいえ | はい |
JavaMailResource | いいえ | いいえ | いいえ |
JNDIResource | いいえ | いいえ | いいえ |
JMSResource | いいえ | いいえ | いいえ |
JTAResource | はい | いいえ | はい |
RMI_IIOPResource | いいえ | いいえ | はい |
URLResource | いいえ | いいえ | いいえ |
JDBCResource | いいえ | いいえ | はい |
JDBCDataSource | いいえ | いいえ | いいえ |
JDBCDriver | いいえ | いいえ | いいえ |
JCAResource | はい | いいえ | はい |
JCAConnectionFactory | いいえ | いいえ | いいえ |
JCAManagedConnection Factory |
いいえ | いいえ | いいえ |