開始パフォーマンスとランタイム・パフォーマンスの最適化
一部の環境では、ランタイム・パフォーマンスではなく、WebSphere Application Server の開始パフォーマンスを最適化することがより重要です。
別の環境では、ランタイム・パフォーマンスを最適化することがより重要になります。
デフォルトで、IBM JVM はランタイム・パフォーマンスが最適化され、HotSpot ベース
の JVM は開始パフォーマンスが最適化されています。
Java JIT コンパイラーは、開始およびランタイムのパフォーマンスが最適化されるかどうかに大きく影響します。
コンパイラーで使用される初期の最適化レベルは、クラス・メソッドのコンパイルにかかる時間と、
サーバーの開始にかかる時間に影響を与えます。
開始を速めるには、コンパイラーで使用される初期の最適化レベルを低くします。
つまり、クラス・メソッドが低い最適化レベルでコンパイルされるため、
アプリケーションのランタイム・パフォーマンスが低下する可能性があります。
再コンパイルがパフォーマンスを改善する可能性があるというコンパイラーの決定に基づき、
ランタイム実行中にコンパイラーがクラス・メソッドを再コンパイルする可能性があるため、
特定のランタイム・パフォーマンス・インパクト・ステートメントを提供するのは困難です。
最終的には、アプリケーションの継続期間がランタイムの低下に大きな影響を与えます。
実行期間が短いアプリケーションほど、メソッドが再コンパイルされる可能性が大きくなります。
実行時間が長いアプリケーションでは、メソッドが再コンパイルされる可能性が小さくなります。IBM JVM のデフォルト設定では、
初期コンパイルに高い最適化レベルが使用されます。
この振る舞いの変更が必要な場合は、以下の IBM JVM オプションを使用することができます。
-Xquickstart
この設定値は、IBM JVM が低い最適化レベルをクラス・メソッド・
コンパイルに使用する方法に影響します。ランタイム・パフォーマンスを遅くして、サーバーの開始を速めます。このパラメーターが
指定されていない場合、IBM JVM はデフォルトでコンパイルに高い初期最適化レベルを使用して開始します。
この設定は、サーバーの開始を遅くして、ランタイム・パフォーマンスを速めます。
デフォルト: |
高い初期コンパイラー最適化レベル |
推奨: |
高い初期コンパイラー最適化レベル |
使用法: |
-Xquickstart は、サーバーの起動時間を速めることができます。 |
Sun の Hotspot 技術に基づいた JVM は、
最初に低い最適化レベルでクラス・メソッドをコンパイルします。
以下の JVM オプションを使用して、この振る舞いを変更します。
-server
Sun の Hotspot 技術に基づいた JVM は、
最初に低い最適化レベルでクラス・メソッドをコンパイルします。
これらの JVM は、単純なコンパイラーと最適化 JIT コンパイラーを使用します。通常は、単純な JIT コンパイラーが使用されます。
ただし、このオプションを使用すると最適化コンパイラーを使用することができます。
この変更によって、サーバーのパフォーマンスは大幅に向上しますが、
最適化コンパイラーが使用されるとサーバーのウォームアップに時間がかかります。
デフォルト: |
単純なコンパイラー |
推奨: |
最適化コンパイラー |
使用法: |
-server は、最適化コンパイラーを使用可能にします。 |