WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: z/OS

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HA マネージャーを使用する時期

HA マネージャーは、CPU サイクル、ヒープ・メモリー、ソケットなどの貴重なシステム・リソースを消費します。これらのリソースは、HA マネージャー、および HA マネージャーが提供するサービスを使用する WebSphere Application Server コンポーネントの両方によって消費されます。 HA マネージャーおよびこれらの WebSphere Application Server コンポーネントの両方が消費するリソースの量は、コア・グループのサイズの増加とともに指数関数的に増大します。大きなコア・グループの場合、HA マネージャーが消費するリソースの量が非常に大きくなることがあります。HA マネージャーが提供するサービスを使用しない場合は、HA マネージャーを使用不可にすることにより、これらのリソースが解放されます。

HA マネージャーを使用不可にする機能が最も役立つのは、HA マネージャーが提供するサービスのいずれもが使用されない大規模なトポロジーの場合です。 いくつかのトポロジーでは、HA マネージャーが提供するサービスを 使用するのは、プロセスの一部のみです。これらのトポロジーでは、プロセスごとに HA マネージャーを使用不可にでき、これにより HA マネージャーが使用するリソースの量が最適化されます。

ノード・エージェントやデプロイメント・マネージャーなどの管理プロセス上の HA マネージャーは、そのコア・グループ内のすべてのアプリケーション・サーバー・プロセスで HA マネージャーが使用不可になっていない限り、使用不可にしないでください。

HA マネージャーが提供するサービスの一部は、クラスター・ベースです。そのため、クラスター・メンバーは同種である必要があるので、クラスターのあるメンバー上の HA マネージャーを使用不可にした場合は、そのクラスターの他のすべてのメンバー上の HA マネージャーも使用不可にする必要があります。

特定のアプリケーション・サーバー・プロセスで HA マネージャーを使用可能にしておく必要があるかどうかを決定する場合は、以下の HA マネージャー・サービスのいずれかがプロセスに必要であるかどうかを検討してください。

メモリー間の複製

メモリー間の複製は、アプリケーション・サーバー・レベルで構成する、または使用可能にする、クラスター・ベースのサービスです。メモリー間の複製がいずれかのクラスター・メンバーで使用可能になっている場合は、そのクラスターのすべてのメンバー上の HA マネージャーを使用可能にする必要があります。メモリー間の複製は、以下の場合、自動的に使用可能になります。

シングルトン・フェイルオーバー

シングルトン・フェイルオーバーは、クラスター・ベースのサービスです。 デフォルトの Java™ Message Service (JMS) プロバイダーの 1 つ以上のインスタンスがクラスターで実行されるよう構成されている場合は、クラスターのすべてのメンバーで HA マネージャーが使用可能になっている必要があります。デフォルトの JMS プロバイダーは、WebSphere Application Server で提供されているメッセージング・エンジンです。

ワークロード管理ルーティング

ワークロード管理 (WLM) は、 以下のクラスまたはタイプのルーティング情報を伝搬します。
  • エンタープライズ Bean Internet Inter-ORB Protocol (IIOP) トラフィックのルーティング情報。
  • デフォルト IBM Java Messaging Service (JMS) プロバイダーのルーティング情報。 これは、メッセージング・エンジンとも呼ばれます。
WLM は、ルーティング情報を伝搬し、かつその可用性を高めるために、HA マネージャーを使用します。 WLM ルーティング情報は通常、クラスター・リソースに適用されますが、 スタンドアロン・メッセージング・エンジンなどの非クラスター・リソースに適用することもできます。 通常の環境下では、IIOP またはメッセージング・エンジンのルーティング情報を作成する または消費するアプリケーション・サーバーで、HA マネージャーを使用可能にしておく必要があります。 例えば、以下のような場合です。
  • ルーティング情報プロデューサーはクラスター 1 に常駐するエンタープライズ Bean アプリケーションです。
  • ルーティング情報のコンシューマーはクラスター 2 に常駐するサーブレットです。

クラスター 2 内のサーブレットが、クラスター 1 内の エンタープライズ Bean アプリケーションを呼び出す 場合、HA マネージャーは、両方のクラスター内の すべてのサーバーで使用可能になっている必要があります。

オンデマンド構成ルーティング

Network Deployment システムでは、 オンデマンド構成をプロキシー・サーバーと Web サービス・ルーティングの両方に使用します。 HA マネージャーは、プロキシー・サーバーによる作業のルーティング先であるすべてのプロセスと、 Web サービスを実行しているすべてのプロセスで使用可能になっている必要があります。

ベスト・プラクティス

必須ではありませんが、通常コア・グループは同種です。インストール済み環境の規模が大きく、HA マネージャーを使用するプロセスと使用しないプロセスを混在してセットアップする必要がある場合は、以下を行うことができます。
  • 新規のコア・グループを作成し、HA マネージャーが使用不可に なっているすべてのアプリケーション・サーバーをこのコア・グループに移 動します。 HA マネージャーが使用不可になっているアプリケーション・サーバ ーのみを含んでいるコア・グループは、管理プロセスを含んでいる必要はなく、そのようなコア・グループの大きさには制限はありません。
  • HA マネージャー・サービスを要求する残りのアプリケーション ・サーバーは、デフォルトのコア・グループに残しておきます。デフォルトのコア・グループが大きくなりすぎた場合、HA マネージャーを要求するアプリケーション・サーバーのいくつかに、追加のコア・グループを作成することができます。



関連概念
コア・グループ (高可用性ドメイン)
コア・グループのスケーリングについての考慮事項
HA マネージャー
関連タスク
HA マネージャーの使用不可化と使用可能化
概念トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 10:52:11 PM EST
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