カスタマイズ・ダイアログを使用してデプロイメント・マネージャーを WebSphere Application Server for z/OS バージョン 6.0.x にマイグレーションするための JCL ジョブを生成したら、
これらのジョブを実行して実際のマイグレーションを行うことができます。
このタスクについて
デプロイメント・マネージャー・ノードは、必ず最初にマイグレーションされます。ご使用のシステムに
適用できる共存の要件を確認してください。
5.0.2 以前のバージョンからマイグレーションする場合は、他のノードを、
同じセルのデプロイメント・マネージャーと同じ MVS イメージ上に、
1 つずつ順次マイグレーションする必要があります。
以下で参照する BBOWMG3D ジョブは、
WebSphere Administrator ユーザー ID によって実行依頼する必要があります。
他のすべてのジョブは、ファイル・システムへの制御権があるユーザー ID により実行依頼する必要があります。

バージョン 5.x からバージョン 6.0.x へのマイグレーション時の高可用性の維持に関する注意: デプロイメント・マネージャーをバージョン 5.x からバージョン 6.0.x にマイグレーションすると、そのデプロイメント・マネージャーを再起動する際にすべてのアプリケーション・バイナリーが再デプロイされます。
このアクションの結果、デプロイメント・マネージャーはシスプレックス内のすべてのアプリケーションをリサイクルするので、高可用性用に設定されたシスプレックスが停止します。
マイグレーション時に高可用性を維持するためには、デプロイメント・マネージャーを再起動する前に、シスプレックス内のすべてのノード・エージェントに対するすべての同期オプションを無効にします。
- 管理コンソールを開きます。
- 「システム管理」>「ノード・エージェント」に進みます。
- シスプレックス内の各ノード・エージェントについて、「node_agent_server_name」>「ファイル同期化サービス」と進み、すべての同期処理を使用不可にします。
- 新規バージョン 6.0.x HFS を作成し、マウントします。
マイグレーションを実行する前に、バージョン 6.0.x では新規構成に HFS が存在している必要があります。
新規 HFS の作成およびマウントは、BBOWMDMT を実行して行うことができますが、
手動でマウントすることもできます。
いずれにしても、続行する前に HFS をバージョン 6.0.x 構成用に作成およびマウントする必要があります。
この HFS はマイグレーションのターゲットで、バージョン 5.x 構成 HFS はソースです。
BBOWMDMT は、マウント・ポイントを直接作成し、構成の HFS を割り振り、
そしてカスタマイズ・ダイアログの「System Environment Customization」パネルにある「Mount Point」と呼ばれるフィールドで指定した値で HFS をマウントします。
先へ進む前に、HFS データ・セットの割り振り、作成、およびマウントを、
手動でまたは BBOWMDMT を使用して行ったことを確認してください。
マウント・ポイントは、WebSphere Admin ID に所有され、
755 以上の許可を持っていなければなりません。
新規 HFS 構造を BPXPARM に含めて、
次の IPL でマウントされるようにします。
- 生成済み JCL プロシージャーをコピーします。
マイグレーション・ユーティリティー BBOMDCP は、
生成済み JCL プロシージャーをコピーして、
指定されたプロシージャー・ライブラリーに対してサーバーを開始します。
バージョン 6.0.x 構成は、異なる JCL 開始プロシージャー名を使用する必要があります。
このユーティリティーは元のバージョン 5.x 構成にあった名前を新規 JCL 名で置き換えて、
新規バージョン 6.0.x 構成を更新します。
BBOMDCP を実行依頼して、戻りコード 0 を確認します。
- RACF STARTED プロファイルを更新します。
コントローラー・リージョンが使用する STARTED プロファイルは、
プロシージャー名および JOBNAME に基づいています。
バージョン 6.0.x は新規開始プロシージャーを必要とするため、適切な ID が開始済みタスクに割り当てられるようにするために、STARTED プロファイルが適用されるようにする必要があります。
例えば、ユーザーのバージョン 5.x デプロイメント・マネージャーのコントローラー JCL プロシージャー名が AZDCR であり、バージョン 6.0.x に AZ1DCR を指定した場合、次のようにその新規プロシージャー名の STARTED プロファイルを作成する必要があります。
new controller same identity used in
JCL name V5.x configuration
| |
RDEFINE STARTED AZ1DCR.* STDATA(USER(AZDCRU) GROUP(AZCFG) TRACE(YES))
注:
- 異なるユーザー ID を使用して始動しないでください。
ユーザー ID には、他の事項も関連しており、ユーザー ID を変更すると、
それらの事項も変更する必要があります。
- ユーザーのオリジナル STARTED プロファイルが汎用の場合 (例えば STARTED AZ*.*... など) には、
新規 STARTED プロファイルを作成する必要はありません。
- サーバント・リージョン STARTED プロファイルは、プロシージャー名ではなく、JOBNAME に基づいています。
このため、サーバントでは、別のプロシージャー名を使用しても問題ありません。
- デーモンおよびノード・エージェントはコントローラーです。このためこれらコントローラーに
別のプロシージャー名を使用すると、新規 STARTED プロファイルが暗黙指定されます。
- バージョン 5.x デプロイメント・マネージャーを停止します。
バージョン 5.x デプロイメント・マネージャーは、BBOWMG3D を実行依頼する前に停止する必要があります。
- BBOWMG3D を実行依頼します。
デプロイメント・マネージャーのマイグレーションでは、
スタンドアロン・アプリケーション・サーバー
および統合ノードのマイグレーションの場合とは異なり、
ノードを PRR モードに出し入れする必要はありません。
したがって、デプロイメント・マネージャーのマイグレーションの実行依頼では、
ジョブが 2 つ少なくなり、この時点で、
物理マイグレーションを実行する準備が整っています。
BBOWMG3D は、ユーザーがカスタマイズ・ダイアログで入力した情報を基にして、バージョン 5.x デプロイメント・マネージャーからバージョン 6.0.x デプロイメント・マネージャーへの物理マイグレーションを実行するジョブです。
BBOWMG3D を実行依頼します。
戻りコード 0 を受け取ることを確認し、HFS 上のマイグレーションの一時ディレクトリー (このディレクトリーは /tmp/migrate/directory であり、
directory はカスタマイズ・ダイアログの「Deployment Manager Customization」パネルで指定した数値です) にあるログ・ファイルを調べてください。
- デプロイメント・マネージャーのサーバント鍵リングを更新します。
別のユーザー ID を使用して、
デプロイメント・マネージャーのコントローラーおよびサーバント領域を実行する場合は、デプロイメント・マネージャーのサーバント・ユーザー ID に WASKeyring を追加してから WebSphere CA 証明書を WASKeyring に接続します。
RACDCERT ADDRING(WASKeyring) ID(dmgr_servant_user_ID)
RACDCERT ID(dmgr_servant_user_ID) CONNECT(RING(WASKeyring) LABEL('WebSphereCA') CERTAUTH)
- アプリケーション・サーバーおよびデーモンをシャットダウンします。
デーモンは、
同じ LPAR 上で管理するサーバーの最高レベルのバージョンになっている必要があります。デプロイメント・マネージャーの開始時には、バージョン 6.0.x レベルになります。
この時点で、デプロイメント・マネージャーの LPAR 上のすべてのノードがシャットダウンされたことを確認してください。
- デプロイメント・マネージャーを始動します。
バージョン 5.x Application Server の開始に使用する既存のコマンドを使用しますが、
RACF STARTED プロシージャー名は、コントローラー・プロシージャー名用の「Deployment Manager Customization」ダイアログ (2 の 2) で入力した値に置き換えます。
このコマンドがバージョン 6.0.x デプロイメント・マネージャーを開始します。サーバーが初期化を終了するまで待機してから、先に進みます。
次のメッセージがコンソール上およびジョブ・ログの BBOS001 内に表示されます。
BBOO0019I INITIALIZATION COMPLETE FOR WEBSPHERE FOR z/OS CONTROL PROCESS BBOS001
この時点で、バージョン 6.0.x へのマイグレーションが完了しました。
- 事後マイグレーション・タスクを実行します。
バージョン 6.0.x への正常なマイグレーションを確認し、
マイグレーション済み構成を正常に実行した後、以下のものを削除する必要があります。
- ソース構成 HFS 内にあるすべてのもの
- ターゲット構成の /tmp/migrate/nnnnn/ ディレクトリー内にあるすべてのもの
- bbomigrt2.sh ファイル
WebSphere Application Server for z/OS バージョン 6.0.x では、
デーモン・プロセスが、それが管理するサーバーの最高レベルのコードになっている必要があります。
バージョン 6.0.x のデプロイメント・マネージャーが、同じ LPAR にあるバージョン 5.1 のノードを管理する場合は、バージョン 5.1 デーモンの STARTED プロシージャーをバージョン 6.0.x ライブラリーの STEPLIB に更新する必要があります。
例えば、ライブラリー名を使用して、以下をバージョン 5.1 デーモン・プロシージャーの "Z=BBO5DMNZ" メンバーに追加します。
//*STEPLIB Setup
//*
//STEPLIB DD DSN=hlq.SBBOLD2,DISP=SHR
// DD DSN=hlq.SBBOLOAD,DISP=SHR
// DD DSN=hlq.SBBOLPA,DISP=SHR
//*
STEPLIB について詳しくは、
リンク・パック域、リンク・リスト、および STEPLIB
を参照してください。