WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: z/OS

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Web サービス・パフォーマンスのベスト・プラクティス

このトピックでは、Web サービス・アプリケーションのパフォーマンスのベスト・プラクティスについて述べます。

Web サービスは、Web Services for Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) 仕様で提供される標準と、Java API for XML-based RPC (JAX-RPC) プログラミング・モデルとを基にして、開発およびデプロイされます。 これ Web サービスへのアクセスに使用されるメカニズムです。 ここでは、この仕様によりサポートされる Web サービスのパフォーマンスの考慮事項について説明します。

Web サービスを開発またはデプロイするときに、Web サービス記述言語 (WSDL) ファイルを含むいくつかの成果物が必要になります。 WSDL は、Web サービス入出力 SOAP メッセージのフォーマットと 構文を説明するファイルです。Web サービスが、WebSphere Application Server ランタイムで実装される場合、SOAP メッセージは J2EE 要求に基づいて変換されます。 次に、J2EE ベースの応答は、SOAP メッセージへ変換されて戻されます。

最も重要なパフォーマンス考慮事項は、XML ベースの SOAP メッセージと Java オブジェクトの間の変換です。WebSphere Application Server での Web サービスのインプリメンテーションはハイパフォーマンスですが、アプリケーション設計、デプロイメント、およびチューニングは改良の余地があります。Web サービスの分析とチューニングについて詳しくは、Web サービス・アプリケーションのパフォーマンスのモニターを参照してください。

WebSphere Application Server のバージョン 6 より前のバージョン用に開発された Web サービス・アプリケーションを使用している場合は、wsdeploy コマンドを実行すると、パフォーマンスを向上させることができます。 wsdeploy コマンドによって Web サービス成果物クラスが再生成されるため、 シリアライゼーションおよびデシリアライゼーションのパフォーマンスが向上します。

ハイパフォーマンス Web サービス・アプリケーションの基本考慮事項

以下 が、Web サービス・アプリケーションの設計時に考慮するべき基本考慮事項です。
  • 簡易な API をいくつも使用するのではなく、高機能 API を少数使用して 、Web サービス要求を削減します。
  • WSDL ファイル・インターフェースを設計して、SOAP メッセージのサイズと複合度を制限します。
  • WSDL ファイルを生成するときは、ドキュメント/リテラル・スタイルの 引数を使用します。
  • WebSphere Application Server のキャッシング機能を活用してください。
  • Web サービスのパフォーマンスをテストします。

利用可能な追加の Web サービス・パフォーマンス・フィーチャー

  • 同じアプリケーション・サーバー・プロセスに配置された Web サービス・クライアント・アプリケーションと Web コンテナーとの間の通信パスを最適化するために Web サービスにはイン・プロセスでの最適化があります。 この機能の詳細と使用可能にする方法について詳しくは、 Web コンテナーの最適化された通信に対する Web サービス・クライアントを 参照してください。
  • 複数のトランスポート・プロトコルを介した Web サービスへのアクセスは、非 SOAP バインディング (RMI/IIOP および JMS など) をサポートする既存の Java API for XML-based remote procedure call (JAX-RPC) 機能を拡張します。 これらの代替トランスポートは、Web サービスのパフォーマンスおよびサービス面の質を向上させます。詳しくは、JAX-RPC を使用した RMI-IIOP を参照してください。
  • SOAP with Attachments API for Java (SAAJ) バージョン 1.2 には、JAX-RPC に 関連した Web サービス用のプログラミング・モデルがあります。SAAJ API には、XML API を使用して SOAP 要求を作成および処理する機能があります。 SAAJ では、ジャストインタイム (JIT) 構文解析およびその他の内部アルゴリズムがサポートされています。 SAAJ または Web サービスの プログラミングについて詳しくは、SOAP with Attachments API for Java を参照してください。
  • Web サービス・ツールは、すべての JAX-RPC Bean 用に、さらにハイパフォーマンスのカスタム・デシリアライザーを生成します。 V5.x アプリケーションを V6 ランタイムへ再デプロイすることにより、 容量の大きいメッセージの処理時間を削減することができます。
  • シリアライゼーションおよびデシリアライゼーションのランタイムが拡張し、頻繁に使用されるシリアライザーおよびデシリアライザーをキャッシュすることができます。 これにより、容量の大きいメッセージの処理時間を削減できます。
  • SAAJ 実装の使用により、WS-Security 暗号化およびデジタル署名の 検証のパフォーマンスが向上しました。

IBM では、Web サービスのアプリケーション設計と開発の考慮事項に関する文書およびベスト・プラクティスを提供し、これらの項目を詳しく説明しています。

パフォーマンスのベスト・プラクティスを述べている、重要な Web サイトのリストは、Web サービス: 学習リソースを参照してください。




関連概念
SAAJ (SOAP with Attachments API for Java) インターフェース
関連タスク
Web サービス・アプリケーションのパフォーマンスのモニター
参照トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 10:52:11 PM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r0/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.zseries.doc/info/zseries/ae/rwbs_perfbestpractices.html