HA マネージャーはマルチホーム・ホストをサポートしています。
つまり、WebSphere Application Server プロセスは、異なる製品バージョン上で実行中の場合でも、
相互通信することができます。
相互通信する必要があるバージョン 6.0.1.2 またはそれ以降のバージョンのプロセスを実行中の場合は、
HA マネージャーに関する問題があることを考慮する必要があります。
このタスクについて
バージョン 6.0.2 またはそれ以降のバージョンのノードでプロセスが生成された場合は、
DCS_UNICAST_ADDRESS エンドポイントのホスト名フィールドには
アスタリスクが設定されます。
ホスト名フィールドでアスタリスクを使用する場合は、マルチホーム・サポートによって、
HA マネージャーはそのマシンで有効な IP アドレスをすべて使用して、
接続を開いたり受け付けたりできます。
バージョン 6.0.2 のノードが、修正パッケージ 2 (6.0.1.2) のないバージョン 6.0 および
バージョン 6.0.1 のノードと相互運用する場合、これら以前のバージョンには HA マネージャーの
マルチホーム・サポートが含まれていないため、特別な考慮事項が必要となります。
バージョン 6.0 およびバージョン 6.0.1 プロセスでは、DCS_UNICAST_ADDRESS ホスト名フィールド内の
アスタリスクは有効な値として認識されません。
したがって、これらのプロセスからは、DCS_UNICAST_ADDRESS ホスト名フィールドにアスタリスクがある
構成のバージョン 6.0.2 のプロセスに接続することはできません。
バージョン 6.0.2 プロセスがバージョン 6.0 またはバージョン 6.0.1 のプロセスと相互運用する必要がある場合は、
すべてのバージョン 6.0.2 のプロセスの DCS_UNICAST_ADDRESS で、
アスタリスク以外の値を使用するように構成されている必要があります。
この構成では、DCS_UNICAST_ADDRESS エンドポイントのホスト名フィールドに、ホスト名または
テキスト IP アドレスを設定します。
- ホストが単一の IP アドレスを使用するように構成されている場合は、
ホスト名文字列 (myhost.mydomain など) で充分です。
- ホストが複数の IP アドレスを使用するように構成されている場合は、
テキスト IP アドレス (192.168.0.2 など) が必要です。
バージョン 6.0.2 のノードを追加して、複合リリース・セル内にサーバーを作成するときは、
ノード・エージェントを含む新規ノード上のすべてのプロセスに対して、
前に指定された 2 つの値のうち一つを DCS_UNICAST_ADDRESS のホスト名フィールドに設定する必要があります。
その後、バージョン 6.0.2 プロセスを再始動して、新規の値を認識させる必要があります。
プロセスのホスト名フィールドを変更するには、以下を実行します。
プロシージャー
- 管理コンソールで、新規ノード上のプロセスの 1 つの構成データに移動します。
- アプリケーション・サーバーの場合、
「サーバー」>「アプリケーション・サーバー」>「server_name」をクリックし、
「追加プロパティー」の下で「ポート」>「port_name」をクリックします。
- ノード・エージェントの場合、
「システム管理」>「ノード・エージェント」>「node_name」をクリックし、
「追加プロパティー」の下で「ポート」>「port_name」をクリックします。
- デプロイメント・エージェントの場合、
「システム管理」>「デプロイメント・マネージャー」をクリックし、
「追加プロパティー」の下で「ポート」>「port_name」をクリックします。
- 設定を検討する DCS トランスポート・チャネルに関連付けられたポートの
「関連トランスポートの表示」をクリックします。
- 「DCS_UNICAST_ADDRESS」をクリックし、
「ホスト」フィールドに新規ホスト名を入力します。
- 「OK」をクリックしてから「保管」をクリックします。
- この手順を繰り返して、新規ノード上のすべてのプロセスに新しいホスト名を追加します。
- 「ノードと変更を同期化」を選択し、再度「保管」をクリックします。
- 構成変更のあるプロセスが含まれるサーバーをすべて停止します。
- これらのサーバーを再始動します。
結果
すべてのプロセスが相互通信できるようになります。
次の作業
バージョン 6.0.2 のプロセスが正しく構成されていない場合、
バージョン 6.0 およびバージョン 6.0.1 のプロセスが開始しないか、
またはバージョン 6.0.2 のプロセスに接続できない可能性があります。
この状態は、以下のいずれかの方法で検出できます。
- バージョン 6.0 およびバージョン 6.0.1 プロセスは、以下のメッセージをログに記録します。
HMGR0024W: コア・グループ・メンバーのホスト名に対する IP アドレスを検索中に
エラーが検出されました。 ホスト名は * で、サーバー名は myCell01¥myCellManager01¥dmgr です。メンバーはコア・グループから
除外されます。
このメッセージは、
コア・グループ内の別プロセスのホスト名がアスタリスクであることを示しています。
- バージョン 6.0 およびバージョン 6.0.1 のプロセスがバージョン 6.0.2 のプロセスに接続しない場合、
バージョン 6.0、バージョン 6.0.1、およびバージョン 6.0.2 のプロセスは個別のビューを形成します。
これらのビューを検出するには、さまざまなプロセスがログに記録した HMGR0218 メッセージを調べます。
プロセスが接続すると、すべてのプロセスで同じメッセージがログに記録されます。
具体的には、接続したプロセスはビュー内でビュー ID およびプロセス数が同じになります。
HMGR0218I: 新規のコア・グループ・ビューがインストールされました。コア・グループは defaultCoreGroup です。ビュー ID は (8:0.spoletoCell01¥spoletoCellManager01¥dmgr) です。新規ビューのメンバー数は 2 です。