ワークロード種別文書は、z/OS ワークロード・マネージャーのインバウンド HTTP、IIOP、メッセージ・ドリブン Bean (MDB)、およびメディエーション作業を分類する共通 XML ファイルです。
ワークロード種別文書を使用する場合は、タスク z/OS ワークロードの分類 を実行しなければなりません。 ワークロード種別文書の例については、 z/OS ワークロード種別文書の例 を参照してください。
ワークロード種別文書のルートを示します。 すべてのワークロード種別文書は、このエレメントで開始および終了する必要があります。schema_version 属性は必須です。 サポートされている schema_version は 1.0 のみです。種別エレメントは、1 つ以上の InboundClassification エレメントを含んでいます。 インバウンド・サービス統合作業の場合は、種別エレメントはまた 2 つの SibClassification エレメントまで含むことができます。
InboundClassification エレメントを使用する場合は、以下のルールを使用してください。
SibClassification エレメントの使用時には、以下のルールを使用してください。
属性タイプ="iiop" を持つ InboundClassification エレメントは、IIOP 種別に適用可能な文書のセクションを定義します。 このエレメントの例は、以下のとおりです。
<InboundClassification type="iiop" schema_version="1.0" default_transaction_class="value1">
Enterprise Bean を含むアプリケーションの名前。 これはアプリケーションの表示名であり、すべての成果物を含む .ear ファイルの名前ではない可能性があります。
1 つ以上の エンタープライズ Bean を含む EJB .jar ファイルの名前。 .ear ファイル内には、複数の EJB .jar ファイルがある場合があります。
モジュール (または EJB .jar ファイル) 内に含まれている EJB の名前。 1 つ以上の エンタープライズ Bean が .jar ファイル内に含まれている場合があります。
EJB 上のリモート・メソッドの名前。
iiop_classification_info エレメントを使用して、これらのどのレベルにおいても、さまざまなアプリケーション内で IIOP 作業をクラス分けします。
<iiop_classification_info transaction_class="value1" [application_name="value2"] [module_name="value3"] [component_name="value4"] [method_name="value5"] [description="value6"] >iiop_classification_info エレメントを使用して、TCLASS 値をインバウンド要求に割り当てるアプリケーション、モジュール、コンポーネント、およびメソッド名に基づいたフィルターを構築することができます。 iiop_classification_info エレメントを使用する場合は、以下のルールを使用してください。
これらの属性の任意の組み合わせを使用して、フィルターをクラス分けします。 ただし、必要な細分度のみを使用します。例えば、アプリケーション・サーバー上にアプリケーションが 1 つしかない場合、application_name 属性を指定するためのクラス分けルールは必要ありません。
<iiop_classification_info transaction_class="FAST" application_name="MyAPP1" component_name="EJB1" /> <iiop_classification_info transaction_class="SLOW" application_name="MyAPP1" component_name="EJB2" />以下のフィルターもまた MyAPP1 アプリケーション内の EJB1 および EJB2 上の要求をクラス分けしますが、アプリケーション内の他のどの EJB 上でも要求もクラス分けします。
<iiop_classification_info transaction_class="MEDIUM" application_name="MyAPP1"> <iiop_classification_info transaction_class="FAST" component_name="EJB1" /> <iiop_classification_info transaction_class="SLOW" component_name="EJB2" /> </iiop_classification_info>
<iiop_classification_info transaction_class="FAST" application_name="MyAPP1"> <iiop_classification_info transaction_class="SLOW" application_name="MyAPP2" /> </iiop_classification_info>この例では、MyAPP2 内の EJB 要求は決してトランザクション・クラス「SLOW」に割り当てられません。高水準フィルターが application_name="MyAPP1" に対する IIOP 要求のみを下位レベル・フィルターへパススルーすることを許可するからです。
<iiop_classification_info transaction_class="FAST" application_name="MyAPP" /> <iiop_classification_info transaction_class="SLOW" component_name="*" /> <iiop_classification_info transaction_class="MEDIUM" component_name="MySSB" /> </iiop_classification_info>前の例で、MyAPP アプリケーション内で Enterprise Bean によって処理されたすべての IIOP 要求は、SLOW の TCLASS 値に割り当てられます。 これは、MySSB エンタープライズに対するすべての要求にも当てはまります。 MySSB がトランザクション・クラスを割り当てられた場合でも、フィルターは適用されません。最初のフィルターが適用され、SLOW の TCLASS 値が割り当てられたからです。 同じレベルのフィルターの残存リストは、無視されます。
属性 type="http" を持つ InboundClassification エレメントは、HTTP 種別に適用可能な文書のセクションを定義します。 このエレメントの例は、以下のとおりです。
<InboundClassification type="http" schema_version="1.0" default_transaction_class="value1">HTTP 処理は以下の J2EE 成果物に基づいてクラス分けすることができます。
インバウンド要求が送信されている HTTP ヘッダーのホスト名を指定します。
HTTP キャッチャーが listen しているポートを指定します。
Web アプリケーションを識別するストリング。
<http_classification_info transaction_class="value1" [host="value2"] [port="value3"] [uri="value4"] [description="value5"] >http_classification_info エレメントを使用して、ホスト、ポート、および URI に基づいてフィルターを構築し、インバウンド要求に TCLASS 値を割り当てることができます。 http_classification_info エレメントを使用する場合は、以下のルールを使用してください。
<http_classification_info transaction_class="FAST" host="MyVHost1.com" uri="/MyWebApp1/*" /> <http_classification_info transaction_class="SLOW" host="MyVHost2.com" uri="/MyWebApp2/*" />
<http_classification_info transaction_class="MEDIUM" host="MyVHost1.com"> <http_classification_info transaction_class="FAST" uri="/MyWebApp1/*" /> <http_classification_info transaction_class="SLOW" uri="/MyWebApp2/*" /> </http_classification_info>両方のフィルターとも、仮想ホスト MyVHost1.com に対して Web アプリケーションをホストしているアプリケーション・サーバー内で、コンテキスト・ルート /MyWebApp1 and /MyWebApp2 によって識別されている Web アプリケーションへの要求をクラス分けします。 しかし、2 番目のフィルターはまた、アプリケーション・サーバー内の他のどのコンテキスト・ルート上の要求もクラス分けします。
<http_classification_info transaction_class="FAST" uri="/MyWebApp1/*"> <http_classification_info transaction_class="SLOW" uri="/MyWebApp2"> </http_classification_info> </http_classification_info>この例は、トランザクション・クラス SLOW に割り当てられている /MyWebApp2 のコンテキスト・ルートを用いて Web アプリケーション内で結果を生じることはありません。 上位フィルターは、/MyWebApp1/* のコンテキスト・ルートを使用した HTTP 要求のみを下位レベル・フィルターへパスすることを許可します。
<http_classification_info transaction_class="FAST" host="MyVHost.com" /> <http_classification_info transaction_class="SLOW" uri="*" /> <http_classification_info transaction_class="MEDIUM" uri="/MyWebAppX/*" /> </http_classification_info>この例では、仮想ホスト "MyVHost.com" によるアプリケーション・サーバーによって処理された HTTP 要求は、SLOW の TCLASS 値に割り当てられます。 コンテキスト・ルート /MyWebAppX を使用した Web アプリケーションへの要求でも、フィルターが適用されていないので、SLOW の TCLASS 値に割り当てられます。 最初の一致したフィルターが TCLASS 割り当てに使用され、同じレベルにある残りのフィルターは無視されます。
<InboundClassification type="mdb" schema_version="1.0" default_transaction_class="qrs">
<endpoint type="messagelistenerport" name="IPVListenerPort" defaultclassification="MDBX" description="ABC">エンドポイント・エレメントを定義する場合は、以下のルールを使用してください。
<classificationentry selector="Location='East'" classification="MDB2" description="XYZ" />classificationentry エレメントの selector 属性を使用して、トランザクション・クラスを、デプロイメント記述子内にセレクター文節を持つメッセージ・ドリブン Bean へ割り当てます。 classificationentry エレメントを定義する場合は、以下のルールを使用してください。
<SibClassification type="jmsra" schema_version="1.0" default_transaction_class="a">
<sib_classification_info selector="'East'" transaction_class="sibb" selector="user.Location='East'" bus="bigrred" destination="abusqueue" description="Some words" />
それぞれの sib_classification_info エレメントには、必要に応じてこれらのプロパティーを 1 つ以上含めて、メッセージの作業を分類することができます。 sib_classification_info エレメントには、 それぞれのプロパティーの複数のインスタンスを含めることはできません。
<sib_classification_info bus="MyBus" transaction_class="a" /> <sib_classification_info destination="MyDest" transaction_class="b" />サービス統合バス MyBus から宛先 MyDest に到着したメッセージは、種別 "a" に割り当てられます。その他のバスから MyDest に到着したメッセージは、種別 "b" に割り当てられます。
囲んでいる SibClassification エレメント内のいずれの sib_classification_info エレメントにもメッセージが一致しない場合、そのメッセージには、SibClassification エレメントのデフォルトの種別が割り当てられます。
メッセージが、すべての SibClassification エレメントでいずれの sib_classification_info エレメントにも一致しない場合、または SibClassification エレメントが定義されていない場合、すべての作業は、値が "SIBUS" と指定された組み込みのデフォルト種別を受信します。 z/OS ワークロードの分類 で説明されているように、TCLASS 値 "SIBUS" を使用することが必要な z/OS ワークロード・マネージャー・アクションを実行しなければなりません。
<SibClassification type="destinationmediation" schema_version="1.0" default_transaction_class="b">
<sib_classification_info transaction_class="e" selector="user.Location='East'" destination="themoon" discriminator="sides/dark" description="n" />
詳しくは、メッセージ・プロパティーでの作業 を参照してください。
それぞれの sib_classification_info エレメントには、必要に応じてこれらのプロパティーを 1 つ以上含めて、メッセージの作業を分類することができます。 sib_classification_info エレメントには、 それぞれのプロパティーの複数のインスタンスを含めることはできません。
<sib_classification_info transaction_class="e" destination="themoon" description="n" /> <sib_classification_info transaction_class="f" description="n" />仲介された宛先 themoon に到着したメッセージは、種別 "e" に割り当てられます。その他の仲介された宛先に到着したメッセージは、種別 "f" に割り当てられます。
囲んでいる SibClassification エレメント内のいずれの sib_classification_info エレメントにもメッセージが一致しない場合、そのメッセージには、SibClassification エレメントのデフォルトの種別が割り当てられます。
メッセージが、すべての SibClassification エレメントでいずれの sib_classification_info エレメントにも一致しない場合、または SibClassification エレメントが定義されていない 場合、すべての作業は、値が "SIBUS" と指定された組み込みのデフォルト種別を受信します。z/OS ワークロードの分類 で説明されているように、TCLASS 値 "SIBUS" を使用することが必要な z/OS ワークロード・マネージャー・アクションを実行しなければなりません。