WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: z/OS

             目次と検索結果のパーソナライズ化
このトピックは、z/OS オペレーティング・システムにのみ適用されます。

スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードのマイグレーション

カスタマイズ・ダイアログを使用して、 スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードを WebSphere Application Server for z/OS バージョン 6.0.x にマイグレーションするための JCL ジョブを生成したら、 これらのジョブを実行して実際のマイグレーションを行うことができます。

始める前に

このマイグレーションを開始する前に、 スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードの マイグレーションに関するカスタマイズ・ダイアログのウォークスルー で概説されているステップを必ず実行してください。 カスタマイズ・ダイアログを使用して JCL マイグレーション・ユーティリティーを作成していない場合は、 先へ進むことができません。

このタスクについて

以下で参照する BBOWMG1B、BBOWMG2B、および BBOWMG3B ジョブは、 WebSphere Administrator ユーザー ID によって実行依頼する必要があります。 他のすべてのジョブは、ファイル・システムへの制御権があるユーザー ID により実行依頼する必要があります。

プロシージャー

  1. 新規バージョン 6.0.x HFS を作成し、マウントします。

    マイグレーションを実行する前に、バージョン 6.0.x では新規構成に HFS が存在している必要があります。 新規 HFS の作成およびマウントは、BBOWMBMT を実行して行うことができますが、 手動でマウントすることもできます。 いずれにしても、続行する前に HFS をバージョン 6.0.x 構成用に作成およびマウントする必要があります。 この HFS はマイグレーションのターゲットで、バージョン 5.x 構成 HFS はソースです。

    BBOWMBMT は、マウント・ポイントを直接作成し、構成の HFS を割り振り、 そしてカスタマイズ・ダイアログの「System Environment Customization」パネルにある「Mount Point」と呼ばれるフィールドで指定した値で HFS をマウントします。

    先へ進む前に、HFS データ・セットの割り振り、作成、およびマウントを、 手動でまたは BBOWMBMT を使用して行ったことを確認してください。 マウント・ポイントは、WebSphere Admin ID に所有され、 755 以上の許可を持っていなければなりません。 新規 HFS 構造を BPXPARM に含めて、 次の IPL でマウントされるようにします。

  2. 生成済み JCL プロシージャーをコピーします。

    マイグレーション・ユーティリティー BBOMBCP は、 生成済み JCL プロシージャーをコピーして、 指定されたプロシージャー・ライブラリーに対してサーバーを開始します。 バージョン 6.0.x 構成は、異なる JCL 開始プロシージャー名を使用する必要があります。 このユーティリティーは元のバージョン 5.x 構成にあった名前を新規 JCL 名で置き換えて、 新規バージョン 6.0.x 構成を更新します。 BBOMBCP を実行依頼して、戻りコード 0 を確認します。

  3. RACF STARTED プロファイルを更新します。
    コントローラー・リージョンが使用する STARTED プロファイルは、 プロシージャー名および JOBNAME に基づいています。 バージョン 6.0.x は新規開始プロシージャーを必要とするため、適切な ID が開始済みタスクに割り当てられるようにするために、STARTED プロファイルが適用されるようにする必要があります。 例えば、ユーザーのバージョン 5.x のコントローラー JCL プロシージャー名が AZACR であり、バージョン 6.0.x に AZA6CR を指定した場合、次のようにその新規プロシージャー名の STARTED プロファイルを作成する必要があります。
                  new controller      same identity used in
                     JCL name         V5.x configuration
                        |                    |
     RDEFINE STARTED AZ6ACR.* STDATA(USER(AZACRU) GROUP(AZCFG) TRACE(YES))
    注:
    • 異なるユーザー ID を使用して始動しないでください。 ユーザー ID には、他の事項も関連しており、ユーザー ID を変更すると、 それらの事項も変更する必要があります。
    • ユーザーのオリジナル STARTED プロファイルが汎用の場合 (例えば STARTED AZ*.*... など) には、 新規 STARTED プロファイルを作成する必要はありません。
    • サーバント・リージョン STARTED プロファイルは、プロシージャー名ではなく、JOBNAME に基づいています。 このため、サーバントでは、別のプロシージャー名を使用しても問題ありません。
    • デーモンおよびノード・エージェントはコントローラーです。このためこれらコントローラーに 別のプロシージャー名を使用すると、新規 STARTED プロファイルが暗黙指定されます。
  4. BBOWMG1B を実行依頼します。
    注: XA コネクターを使用していない場合、 BBOWMG1B および BBOWMG2B の実行依頼はオプションです。 しかし、両方のジョブを実行依頼して、トランザクション・ログをクリアにしておくべきです。

    従来の WebSphere Application Server for z/OS マイグレーションとは異なり、 ユーザーはマイグレーション・ユーティリティーをカスタマイズする必要がなくなりました。 このため、マイグレーション・プロセスがさらに単純になりました。 例えば、BBOWMG1B はそのまま実行依頼されます。

    BBOWMG1B により、マイグレーションされているアプリケーション・サーバー・ノード上のすべてのサーバーが PRR 処理モードで開始できるようになります。 PRR 処理モードは、未解決のトランザクションをすべて解決し、 トランザクション・ログをクリアし、サーバーを終了します。 PRR 処理モードを使用可能にするには、以下のステップに従ってください。
    1. アプリケーション・サーバーを停止します。
    2. ジョブ BBOWMG1B をそのまま実行依頼して、戻りコード 0 を確認します。
    3. アプリケーション・サーバーを再始動し、そのサーバーが PRR 処理を実行して自動的に終了するのを待機します。
  5. BBOWMG2B を実行依頼します。

    BBOWMG2B は、 PRR モードを使用不可にしてすべてのサーバーを通常の作動状態に戻します。 このジョブを実行依頼して、戻りコード 0 を確認します。 このジョブが完了した後、サーバーをもう一度開始する必要はありません。

  6. バージョン 5.x アプリケーション・サーバーを停止します。

    次に進む前にバージョン 5.x アプリケーション・サーバーを停止する必要があります。

  7. ログ・ストリームを削除し、再定義します。

    このステップは、ユーザーが以前にログ・ストリームを使用するためにバージョン 5.x サーバー上でトランザクション XA パートナー・ログまたは補正ログを構成した場合にのみ、実行します。

    1. ノードがシャットダウンしていることを確認します。
    2. ログ・ストリームを削除し、再定義します。

      ログ・ストリームを使用するために最初にサーバーを構成した場合は、バージョン 5.x のカスタマイズ中に作成された BBOLOGSD および BBOLOGSA ジョブを使用することができます。

      次のサンプルは、そうしたジョブの例です。
      //RLSP1A  JOB 'xxxx,yyy,?','USERID',MSGCLASS=H,
      //         CLASS=J,MSGLEVEL=(1,1),REGION=4M,NOTIFY=&SYSUID
      //STEP1   EXEC PGM=IXCMIAPU
      //STEPLIB  DD   DSN=SYS1.MIGLIB,DISP=SHR
      //SYSPRINT DD   SYSOUT=*
      //SYSIN    DD   *
      
      DATA TYPE(LOGR) REPORT(YES) /* Default to show output of job */
       DELETE LOGSTREAM NAME(P1ACEL6A.W51ASA2.D)
       DEFINE LOGSTREAM NAME(P1ACEL6A.W51ASA2.D)
              LOWOFFLOAD(20)
              HIGHOFFLOAD(79)
              STG_DUPLEX(YES)
              DUPLEXMODE(UNCOND)
              STG_DATACLAS(OPERLOG)
              STG_SIZE(5000)
              HLQ(Q10RRS)
              LS_SIZE(5000)
              LS_DATACLAS(OPERLOG)
              STRUCTNAME(WAS_LOGRLS)
      /*
      
  8. BBOWMG3B を実行依頼します。

    BBOWMG3B は、ユーザーがカスタマイズ・ダイアログで入力した情報を基にして、バージョン 5.x ノードからバージョン 6.0.x への物理マイグレーションを実行するジョブです。 BBOWMG3B を実行依頼します。 戻りコード 0 を受け取ることを確認し、HFS 上のマイグレーションの一時ディレクトリー (このディレクトリーは /tmp/migrate/directory であり、 directory はカスタマイズ・ダイアログの「Base Server Customization」パネルで指定した数値です) にあるログ・ファイルを調べてください。

  9. アプリケーション・サーバーおよびデーモンをシャットダウンします。

    デーモンは、 同じ LPAR 上で管理するサーバーの最高レベルのバージョンになっている必要があります。サーバーの開始時には、レベルはバージョン 6.0.x になります。

  10. アプリケーション・サーバー・ノードを始動します。

    バージョン 5.x アプリケーション・サーバーの開始に使用する既存のコマンドを使用しますが、RACF STARTED プロシージャー名は、コントローラー・プロシージャー名用の「Base Server Customization」ダイアログ (2 の 2) で入力した値で置き換えます。 このコマンドがバージョン 6.0.x アプリケーション・サーバーを始動します。サーバーが初期化を終了するまで待機してから、先に進みます。

    次のメッセージがコンソール上およびジョブ・ログの BBOS001 内に表示されます。
    BBOO0019I INITIALIZATION COMPLETE FOR WEBSPHERE FOR z/OS CONTROL PROCESS BBOS001
    この時点で、バージョン 6.0.x へのマイグレーションが完了しました。
  11. 事後マイグレーション・タスクを実行します。
    バージョン 6.0.x への正常なマイグレーションを確認し、 マイグレーション済み構成を正常に実行した後、以下のものを削除する必要があります。
    • ソース構成 HFS 内にあるすべてのもの
    • ターゲット構成の /tmp/migrate/nnnnn/ ディレクトリー内にあるすべてのもの
    • bbomigrt2.sh ファイル




関連タスク
Network Deployment 構成のバージョン 6.0.x へのマイグレーションの準備
スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードのバージョン 6.0.x へのマイグレーションの準備
スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードの マイグレーションに関するカスタマイズ・ダイアログのウォークスルー
デプロイメント・マネージャーに関するカスタマイズ・ダイアログのウォークスルー
デプロイメント・マネージャー・ノードのマイグレーション
フェデレーテッド・アプリケーション・サーバー・ノードのマイグレーション
他の MVS イメージ上のフェデレーテッド・アプリケーション・サーバー・ノードのマイグレーション
関連資料
マイグレーション・プロセスに関する FAQ (よくある質問)
Network Deployment 構成用マイグレーション・アクティビティーのチェックリスト
スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードのマイグレーション・アクティビティーのチェックリスト
タスク・トピック    

ご利用条件 | フィードバック

最終更新: Jan 21, 2008 10:52:11 PM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r0/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.zseries.doc/info/zseries/ae/rins_51migbasez.html