WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: z/OS

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デプロイメント記述子およびシン・クライアントにおけるルックアップ名のサポート

EJB ホームなどのサーバー・アプリケーション・オブジェクトは、アプリケーションがインストールされている サーバーのサーバー・ルート・コンテキストを基準にしてバインドされています。 リソースなどの他のオブジェクトも、特定のサーバー・ルートにバインドすることができます。これらのオブジェクトをルックアップするために使用される名前は、正しいサーバー・ルートが選択されるよう修飾されている必要があります。 このトピックでは、相対名および修飾名とは何か、いつそれらを使用できるのか、それらをどのように構成できるのかについて説明します。

相対名

すべての名前は、コンテキストを基準にしています。このため、ネーム・スペースのあるコンテキストから解決できる名前は、必ずしもネーム・スペースの別のコンテキストから解決できるとは限りません。システムは、 アプリケーションがインストールされているサーバーのサーバー・ルート・コンテキストを基準にした名前でオブジェクトをバインドするため、この点は非常に重要です。各サーバーには、独自のサーバー・ルート・コンテキストがあります。デフォルトでは、JNDI の初期コンテキストは、初期コンテキストの取得に使用されるプロバイダー URL によって識別されるサーバーの、サーバー・ルート・コンテキストです。(一般的に、URL はホストおよびポートで構成されています。)サーバー・プロセスで実行されているアプリケーションの場合、JNDI のデフォルトの初期コンテキストは、そのサーバーのサーバー・ルートです。ターゲット・オブジェクトを含むサーバーから初期コンテキストが取得される場合、相対名は正常に解決されますが、別のサーバーから取得された初期コンテキストからは正常に解決されません。

サーバー・アプリケーションのすべてのクライアントが、アプリケーションと同じサーバー・プロセスで実行されている場合、そのアプリケーションに関連付けられているすべてのオブジェクトは、クライアントの初期コンテキストと同じ初期コンテキストにバインドされます。この場合、これらのサーバー・オブジェクトにアクセスするには、サーバーのサーバー・ルート・コンテキストを基準にした名前のみが必要となります。ただし、サーバー・アプリケーションが、そのアプリケーションのサーバー・プロセスの外部で稼働するクライアントを持つ場合があります。これらのクライアントの初期コンテキストは、サーバー・アプリケーションの初期コンテキストと異なる場合があり、サーバー・オブジェクトの相対名のルックアップに失敗する可能性があります。これらのクライアントは、サーバー・オブジェクトの修飾名を使用する必要があります。J2EE アプリケーションのデプロイメント記述子に jndiName の値をセットアップする場合、およびシン・クライアントでルックアップ名を構成する場合は、この点を考慮する必要があります。 修飾名は、セル内の初期コンテキストから正常に解決します。

修飾名

すべての名前は、コンテキストを基準にしています。ここで、修飾名 という用語は、セル内のいずれかの初期コンテキストから解決できる名前を示します。このアクションを行うには、同一のコンテキストであるセル・ルートにナビゲートする名前を使用します。このため、修飾名の残りは、セル・ルートを基準としたものになり、セル全体を通じてオブジェクトを一意に識別します。サーバー内のすべての初期コンテキスト (つまり、初期参照として ORB に登録されているサーバー内のすべてのネーミング・コンテキスト) には、cell という名前とのバインディングが含まれており、この名前はセルのルート・コンテキストにリンク・バックしています。すべての修飾名は、cell/ というストリングで始まり、現在の初期コンテキストからセルのルート・コンテキストに戻ります。

オブジェクトの修飾名は、セル全体で同一です。この名前は、トポロジーをベースにするか、またはセルの永続的ルートの下でバインドされている何らかの固定名にします。トポロジー・ベースの名前 (以下で詳細に説明します) は、システムのネーム・スペースを経て、ターゲット・オブジェクトにナビゲートします。セルの永続的ルートにバインドされている固定名は、セル全体を通じて同じ修飾名を持ち、トポロジーには依存しません。サーバー・アプリケーション・オブジェクトのセル・パーシスタント・ルートの下に固定名を作成する場合は、サーバー・アプリケーションのインストール時に追加のステップが必要になりますが、このステップを行うことにより、アプリケーションがセル・トポロジー内の別のロケーションに移動されても、クライアントは影響を受けることがなくなります。 固定名の作成プロセスについては、このセクションで後述します。

一般的に、 J2EE クライアント・アプリケーションのデプロイメント記述子の EJB jndiName 値、 およびシン・クライアントの EJB ルックアップ名には修飾名を使用する必要があります。 唯一の例外は、ターゲット・オブジェクトが存在しているサーバーから初期コンテキストが取得された場合です。例えば、Entity Bean にとってクライアントである Session Bean は、 これらの 2 つの Bean が同じサーバーで実行されている場合には、相対名を使用できます。 Session Bean と Entity Bean が異なるサーバーで実行されている場合、Entity Bean の jndiName は、Session Bean のデプロイメント記述子内で修飾されている必要があります。同じ要件は、リソースについても同様に当てはまりますが、これはリソースの有効範囲に依存します。




関連概念
ネーミング
ネーム・スペースの論理ビュー
構成済み名前バインディング
関連タスク
JNDI を使用するアプリケーションの開発
ネーミングの使用
CosNaming (CORBA ネーミング・インターフェース) を使用するアプリケーションの開発
関連資料
初期コンテキストのサポート
参照トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 10:52:11 PM EST
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