WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: z/OS

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マイグレーション時の構成マッピング

マイグレーション時にさまざまな構成がマップされます。

マイグレーションでは、 WebSphere Application Server 製品の旧リリースから新リリースに構成がコピーされます。

多くのマイグレーション・シナリオが考えられます。 バージョン 6.0.x のマイグレーション・ツールは、 前のバージョンから構成を復元する際に、オブジェクトと属性をバージョン 6.0.x 環境にマップします。

ブートストラップ・ポート

マイグレーションにより、 デフォルトのブートストラップ NameServer ポート設定 (900) が、 バージョン 5.x からバージョン 6.0.x の NameServer のデフォルト (2809) にマップされます。 マイグレーション・ツールは、デフォルト以外の値を直接バージョン 6.0.x 環境にマップします。

コマンド行パラメーター

マイグレーション・ツールは、サーバー・プロセス定義において、 該当するコマンド行パラメーターを Java 仮想マシン (JVM) 設定に変換します。 ほとんどの設定は、直接マップされます。 メモリー・ヒープ・サイズなどの一部の設定は、マイグレーションされません。 これは、バージョン 6.0.x 構成では役割を持たないか、 バージョン 6.0.x では意味や有効範囲が異なるためです。

GenericServer
GenericServer は、バージョン 5.1.x で導入され、外部リソースを管理するために適合された APPLICATION_SERVER です。 バージョン 6.0.x では、GENERIC_SERVER と呼ばれる独自のタイプを持ちます。 マイグレーションによりこの変換が実行されますが、GenericServer が参照する外部リソースは正確にマイグレーションされません。GenericServer 設定のマイグレーションが完了後、以下のアクションを実行する必要があります。
  • GenericServer が管理している古いリソースが古い WebSphere Application Server インストールにある場合は、関連するファイルを WebSphere Application Server の新規インストールにコピーする必要があります。必要なセットアップを実行して外部アプリケーションを有効な作動状態に戻す必要もあります。IBM は、この代わりにリソースを新規 WebSphere Application Server ディレクトリーに再インストールすることをお勧めします。いずれを選択し実行した場合でも、最終ステップでは、アプリケーションの新規ロケーションへの参照をリセットする必要があります。
  • GenericServer が管理している古いリソースが古い WebSphere Application Server インストールにインストールされていない場合は、その他に必要ありません。
バージョン 5.x ノードのバージョン 6.0.x ノードへのマイグレーション

セルに所属するバージョン 5.x ノードは、 セルからノードを除去せずにマイグレーションできます。

最初にデプロイメント・マネージャーをマイグレーションしてから、 セル内の他の基本ノードをマイグレーションします。

Network Deployment を バージョン 5.x からバージョン 6.0.x にマイグレーションする場合は、 同じセル名を使用してください。 別のセル名を使用すると、Network Deployment バージョン 6.0.x セルに、 統合ノードが正常にマイグレーションされません。

セル内にある WebSphere Application Server の基本ノードをバージョン 6.0.x にマイグレーションすると、 ノード・エージェントもバージョン 6.0.x にマイグレーションされます。 セル内には、いくつかのバージョン 6.0.x ノードとほかのバージョン 5.x レベルのノードがある可能性があります。

名前バインディング
バージョン 6.0.x には、新しいネーミング構造が導入されました。 旧バージョンで有効だった Enterprise Java Bean 参照などの参照はすべて、 バージョン 6.0.x では機能しません。 ただし、管理コンソールを使用して、 旧名をバージョン 6.0.x の新しいネーミング構造にマップする名前バインディングを追加することができます。 例えば、バージョン 5.0.x のエンタープライズ Bean 参照の名前は、バージョン 6.0.x のネーム・スペ ースでは、バインディング名であっても Java Naming and Directory Interface (JNDI) 名であってもかまいません。
注: 旧バージョンからのネーム・スペースの内容は、自動ではバージョン 6.0.x にマイグレーションされません。
バージョン 5.x からバージョン 6.0.x へのポリシー・ファイルのマイグレーション
WebSphere Application Server バージョン 6.0.x では、 設定を Version 6.0.x ポリシー・ファイルにマージすることにより、 バージョン 5.x でインストールされたすべてのポリシー・ファイルがマイグレーションされます (以下の特性があります)。
  • バージョン 6.0.x ポリシー・ファイルにあるコメントは失われます。 これらのコメントは、 バージョン 6.0.x ポリシー・ファイルに含まれるコメントと置き換えられます。
  • マイグレーションでは、許可または認可はマージされません。厳密には、追加タイプのマイグレーションです。許可または認可がバージョン 6.0.x ファイルにない場合、 マイグレーションにより引き渡されます。
  • セキュリティーは重要なコンポーネントです。このため、 マイグレーションにより、コメント「MIGR0372I: マイグレーション済みの権限は次のとおりです。 」の直後の元の .policy ファイルの最後に追加が行われます。これによって、マイグレーションによって行われたポリシー・ファイルの変更を、管理者が確認しやすくなります。 
プロパティー・ディレクトリーおよび lib/app ディレクトリー

マイグレーションにより、 ファイルが旧バージョン・ディレクトリーからバージョン 6.0.x 構成にコピーされます。 詳しくは、次のセクションを参照してください。

バージョン 5.x からバージョン 6.0.x へのプロパティー・ファイルのマイグレーション
WebSphere Application Server バージョン 6.0.x では、 以下の場合を除き、設定をバージョン 6.0.x プロパティー・ファイルにマージすることにより、 バージョン 5.x でインストールされたすべてのプロパティー・ファイルがマイグレーションされます。
  • j2c.properties (resources.xml ファイルにマイグレーションされます)
  • samples.properties
マイグレーションでは、プロパティー・ファイルはオーバーレイされません。
J2C リソースによって参照されるリソース・アダプター・アーカイブ (RAR)

J2C リソースによって参照される RAR が古い WebSphere Application Server インストールにある場合、これらの RAR はマイグレーションされます。この場合、RAR は、新しい WebSphere Application Server インストールの対応するロケーションにコピーされます。関係リソース・アダプター RAR はマイグレーションされません。

サンプル

デプロイメント・マネージャーのマイグレーション時に、 統合ノードのバージョン 5.x サンプルがマイグレーションされます。 その他すべてのバージョン 5.x サンプルについては、同等のバージョン 6.0.x サンプルを使用することができます。

サーブレット・パッケージ名の変更

DefaultErrorReporter サーブレットを含むパッケージは、 バージョン 5 で変更されました。 バージョン 6.0.x では、このサーブレットは com.ibm.ws.webcontainer.servlet クラスにあります。 DefaultErrorReporter サーブレットを直接使用することは推奨されなくなりました。

InvokerServlet および SimpleFileServlet サーブレット
InvokerServlet および SimpleFileServlet サーブレットは、 内部サーブレットで、WebSphere Application Server バージョン 3.5 以降、公開されていません。 バージョン 3.5 より後のバージョンで web.xml ファイルを介してこれらのサーブレットを参照した場合は、 web.xml ファイルからこれらの項目を除去し、 ibm-web-ext.xmi ファイルを使用して、これらのサーブレットを使用可能または使用不可にします (serveServletsByClassnameEnabled および fileServingEnabled を使用します)。 以下の例を参照してください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<webappext:WebAppExtension xmi:version="2.0" xmlns:xmi="http://www.omg.org/XMI"  
xmlns:webappext="webappext.xmi" xmlns:webapplication="webapplication.xmi"  
xmlns:commonext.localtran="commonext.localtran.xmi"  
	xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xmi:id="WebApp_ID_Ext" reloadInterval="3" reloadingEnabled="true" 
fileServingEnabled="false" directoryBrowsingEnabled="false" 
serveServletsByClassnameEnabled="true" preCompileJSPs="false" 
autoRequestEncoding="false" autoResponseEncoding="false">
  <defaultErrorPage xsi:nil="true"/>
  <additionalClassPath xsi:nil="true"/>
  <webApp href="WEB-INF/web.xml#WebApp_ID"/>
  <extendedServlets xmi:id="ServletExtension_1">
    <extendedServlet href="WEB-INF/web.xml#Servlet_1"/>
  </extendedServlets>
  <extendedServlets xmi:id="ServletExtension_2">
    <markupLanguages xmi:id="MarkupLanguage_1" name="HTML" mimeType="text/html" 
    errorPage="Page_1" defaultPage="Page_2">
      <pages xmi:id="Page_2" name="Hello.page" uri="/HelloHTML.jsp"/>
      <pages xmi:id="Page_1" name="Error.page" uri="/HelloHTMLError.jsp"/>
    </markupLanguages>
    <markupLanguages xmi:id="MarkupLanguage_2" name="VXML" mimeType="text/x-vxml" 
    errorPage="Page_3" defaultPage="Page_4">
      <pages xmi:id="Page_4" name="Hello.page" uri="/HelloVXML.jsp"/>
      <pages xmi:id="Page_3" name="Error.page" uri="/HelloVXMLError.jsp"/>
    </markupLanguages>
    <markupLanguages xmi:id="MarkupLanguage_3" name="WML" mimeType="vnd.wap.wml" 
    errorPage="Page_5" defaultPage="Page_6">
      <pages xmi:id="Page_6" name="Hello.page" uri="/HelloWML.jsp"/>
      <pages xmi:id="Page_5" name="Error.page" uri="/HelloWMLError.jsp"/>
    </markupLanguages>
    <extendedServlet href="WEB-INF/web.xml#Servlet_2"/>
  </extendedServlets>
  <extendedServlets xmi:id="ServletExtension_3">
    <extendedServlet href="WEB-INF/web.xml#Servlet_3"/>
    <localTransaction xmi:id="LocalTransaction_1" unresolvedAction="Rollback"/>
  </extendedServlets>
</webappext:WebAppExtension>
Stdin、stdout、stderr、passivation、および作業ディレクトリー

通常、これらのディレクトリーは、 前のバージョンのインストール・ディレクトリーにあります。 デフォルトでは、stdinstdout、 および stderr は、バージョン 6.0.x のインストール・ルートの logs ディレクトリーにあります。 マイグレーション・ツールは、既存の passivation ディレクトリーと作業デ ィレクトリーのマイグレーションを試行します。 そうでない場合、該当するバージョン 6.0.x のデフォルトが使用されます。

共存シナリオでは、バージョン間で共通のディレクトリーを使用すると、問題が生じる可能性があります。

トランスポート・ポート

マイグレーション・ツールは、すべてのポートをマイグレーションします。 ポートがすでに存在している場合、 このツールはログ内のポートの競合について警告します。 競合しているサーバーを同時に実行する前に、ポートの競合を解決する必要があります。

-scriptCompatibility="true" または -scriptCompatibility="false" を選択すると、トランスポート・ポートのための 2 つの結果が得られます。
  • -scriptCompatibility="true": これにより、トランスポート・ポートはそのままです (これはデフォルトです)。
  • -scriptCompatibility="false": これにより、トランスポート・ポートはチャネルとチェーンの新しいインプリメンテーションに変換されます。外部アプリケーション使用の観点から、トランスポート・ポートは同じように動作しますが、TransportChannelService に移行されました。トランスポート・チェーンとチャネルについて詳しくは、 トランスポート・チェーン を参照してください。
Web モジュール

バージョン 6.0.x が実装する Java 2 Platform、Enterprise Edition (J2EE) の仕様レベルでは、 コンテンツ・タイプを設定する場合、Web コンテナーの振る舞いの変更が必要になります。 デフォルトのサーブレットの書き込み機能によってコンテンツ・タイプが設定されない場合、 バージョン 6.0.x の Web コンテナーのデフォルトがその値に設定されなくなるばかりでなく、 Web コンテナーは呼び出しを「ヌル」として戻します。 この場合、一部のブラウザーで、Web コンテナーのタグが正しく表示されないことがあります。 エンタープライズ・アプリケーションをマイグレーションする際に、 autoResponseEncoding IBM 拡張が Web モジュールに対して true に設定されます。 このアクションにより、問題が生じなくなります。

バージョン 5.x からバージョン 6.0.x へのマイグレーション

バージョン 5.x からバージョン 6.0.x へのマイグレーションは、 以前のマイグレーションに比べればはるかに簡単です。 両バージョンで同じ基本定義が使用されているためです。この作業では、構成ファイルのバージョン 5.x からバージョン 6.0.x 構成へのマッピング、 およびインストール済みアプリケーションの新規製品へのコピーが行われます。 マイグレーション・ツールは、統合ノードのマイグレーションをサポートし、 Network Deployment ノードの完全なマイグレーションをサポートします。

EAR ファイルのマイグレーションに必要な Java ヒープ・サイズ
Java ヒープ・サイズの大きさが不十分なため、 マイグレーション中にバージョン 5.x EAR ファイルがインストールに失敗する場合は、 次のようなエラー・メッセージが表示されます。
java.lang.OutOfMemoryError JVMXE006:OutOfMemoryError 

Java の最大ヒープ・サイズを増やし、以下の指示に従ってアプリケーションをインストールしてください。

WebSphere Application Server バージョン 6.0.x へのアプリケーションのインストール

以下のことを前提とします。
インストール・ルート
C:¥WebSphere¥AppServer
番号記号 (###)
最大ヒープ・サイズ値
EAR_file_name
EAR ファイルの名前
app_name
アプリケーションの名前
server_name
EAR ファイルをインストールするサーバーの名前
node_name
サーバーを構成するノードの名前
コマンドは、 わかりやすくするために複数の行に分けて表示しています。
wsadmin -conntype NONE
        -javaoption 
        -Xmx###m 
        -c "$AdminApp install 
               C:¥¥WebSphere¥¥AppServer¥¥installableApps¥¥
                  EAR_file_name
        {-nodeployejb 
         -appname app_name
         -server server_name
         -node node_name}"

WebSphere Application Server Network Deployment バージョン 6.0.x へのアプリケーションのインストール

以下のことを前提とします。
インストール・ルート
C:¥WebSphere¥DeploymentManager
番号記号 (###)
最大ヒープ・サイズ値
EAR_file_name
EAR ファイルの名前
app_name
アプリケーションの名前
cluster_name
EAR ファイルをインストールしなければならないクラスターの名前
コマンドは、 わかりやすくするために複数の行に分けて表示しています。
wsadmin -conntype NONE
        -javaoption 
        -Xmx###m 
        -c "$AdminApp install 
            C:¥¥WebSphere¥¥DeploymentManager¥¥installableApps¥¥
                   EAR_file_name>
        {-nodeployejb 
         -appname app_name 
         -cluster cluster_name}"



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最終更新: Jan 21, 2008 10:52:11 PM EST
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