WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: z/OS

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このトピックは、z/OS オペレーティング・システムにのみ適用されます。

アプリケーション・サーバー・リスナーの一時停止による高可用性アプリケーションの手動更新

アプリケーション・サーバーを停止する代わりに、 MVS コンソールの変更コマンドを使用して、アプリケーション・サーバーのリスナーを一時停止し、 アプリケーションの更新を実行してリスナーを再開することができます。 この手法を使用する場合、アプリケーションの更新を実行するために サーバーを停止して始動する必要はありません。

始める前に

更新が必要なクラスター・メンバーをホストするアプリケーション・サーバーを決定します。

このタスクについて

更新を手動で制御する高可用性アプリケーションがあるが、 影響のあるサーバーを停止しない場合は、MVS 変更コマンドを使用して これらの各サーバーでリスナーを一時停止し、アプリケーションを更新することができます。

リスナーを一時停止し、高可用性環境内でロールアウトするアプリケーションを手動で管理するには、 以下を実行します。

注:

プロシージャー

  1. セル内のすべてのノードにあるすべての形式の自動同期を使用不可にし、変更を保管します。 次のプロセスの 1 つを実行し、このステップを完了します。
    • 管理コンソールで以下を実行します。
      1. システム管理」>「ノード・エージェント」> 「node_agent_name」>「ファイル同期サービス」をクリックします。
      2. 自動同期」および「始動同期」オプションを選択解除します。
      3. ノードと変更の同期化」オプションを選択します。
      4. 保管」をクリックします。
    • wsadmin スクリプトを使用し、次のコマンドを指定し、 影響を受けたすべてのノード・エージェントを再始動します。
      set node NODE
      set na_id [$AdminConfig getid /Node:$node/Server:nodeagent/]  
      set syncServ [$AdminConfig list ConfigSynchronizationService $na_id]  
      $AdminConfig modify $syncServ {{autoSynchEnabled false}}  
      $AdminConfig modify $syncServ {{synchOnServerStartup false}}
       $AdminConfig save
      set nodeSync [$AdminControl completeObjectName type=NodeSync,node=$node,*] 
      $AdminControl invoke $nodeSync sync 
      注: 実稼働環境では、 自動同期を使用不可にした状態で、 常にノード・エージェントを実行しておくのが合理的です。 ただし、ノード・エージェントが停止したときに起こる構成の更新を取得できるように、 ノード・エージェント用に始動同期を使用可能にしておくことをお勧めします。 アプリケーション更新処理中に自動化、または自動再始動マネージャーを介して、 手動でノード・エージェントを再始動しないのが確かな場合、 始動同期は使用可能なままに残すことができます。
  2. デプロイメント・マネージャー・サーバーのマスター構成リポジトリーでアプリケーションを更新します。 次のプロセスの 1 つを実行し、このステップを完了します。
    • 管理コンソールで以下を実行します。
      1. アプリケーション」>「エンタープライズ・アプリケーション」とクリックします。
      2. 更新するアプリケーションを選択します。
      3. アプリケーション更新処理を完了します。
      4. 変更をマスター構成に保管します。「ノードと変更の同期化」オプションを選択 しない でください。
    • wsadmin スクリプトを使用して、次のコマンドを実行します。
      set app_loc /path/to/app
      set app_options {application options ie: -appname app}
      set options [list -update]  lappend options $app_options 
      $AdminApp install $app_loc $options
      $AdminConfig save

      この時点で、 マスター構成には更新済みのアプリケーションのバージョン (次の図の App v2) があります。 ただし、アプリケーションの元のバージョン (次の図の App v1) は、 LPAR1 および LPAR2 にクラスター・メンバーがある クラスターで依然稼働しています。

      図 1. アプリケーション更新のインストール. この図は、高可用性環境のアプリケーション更新の最初の段階を示しています。 アプリケーション更新のインストール
  3. LPAR1 のアプリケーション・サーバーのリスナーを一時停止し、 ノードをアプリケーションの更新済みバージョンに手動で同期化します。 リスナーの停止後は、現在サーバーに割り当てられている作業項目がすべて完了するまで待機し、 MVS コンソールから以下のコマンドを発行します。
    MODIFY short_server_name,PAUSELISTENERS
    例えば、 一時停止しているサーバーのショート・ネームが BBOS001 である場合は、 以下のコマンドを発行します。
    MODIFY BBOS001,PAUSELISTENERS
  4. ノードを同期化します。 次のプロセスの 1 つを実行し、このステップを完了します。
    • 管理コンソールで以下を実行します。
      1. システム管理」>「ノード」をクリックします。
      2. 同期化したいノードを選択し、 「Full Resynchronize」を選択します。
    • wsadmin スクリプトを使用して、次のコマンドを実行します。
      set node NODE
      set nodeSync [$AdminControl completeObjectName type=NodeSync,node=$node,*] 
      $AdminControl invoke $nodeSync sync 

    次の図に示すとおり、アプリケーションの更新済みバージョン (App v2) は現在、 LPAR1 のノードにあります。

    図 2. LPAR1 のノードを更新します。. この図は、2 つの LPAR とともに高可用性環境のアプリケーション更新の最初の段階を示しています。 LPAR1 のノードの更新
  5. LPAR1 のアプリケーション・サーバーのリスナーを再開します。 MVS コンソールから次のコマンドを実行します。
    MODIFY short_server_name,RESUMELISTENERS
    例えば、 一時停止しているサーバーのショート・ネームが BBOS001 である場合は、 以下のコマンドを発行します。
    MODIFY BBOS001,RESUMELISTENERS
  6. LPAR1 で稼働しているアプリケーションの最新バージョンで、 クラスターの他の LPAR で次の 3 つのステップを繰り返し、 アプリケーションの新規バージョンでこれらを更新します。 次の図は、2 つの LPAR クラスターにおけるご使用の構成を示しています。
    図 3. LPAR2 のノードの更新. この図は、高可用性環境のアプリケーション更新の 2 番目の段階を示しています。 LPAR2 のノードの更新

結果

アプリケーションの新規バージョンがクラスターの LPAR のすべてで稼働すると、 アプリケーション更新処理が完了します。




関連概念
高可用性環境でのアプリケーション更新手順
高可用性構成
関連タスク
高可用性シスプレックス環境のセットアップ
高可用性アプリケーションを手動で更新するためのアプリケーション・サーバーの停止
更新の高可用性アプリケーションへの自動ロールアウト
高可用性環境のセットアップ
タスク・トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 10:52:11 PM EST
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