この項では、WebSphere Application Server for z/OS のマイグレーション・プロセスに 関する FAQ (よくある質問) にお答えします。
新規バージョン 6.0.x データ・セットをポイントするだけで、サーバーを再始動することができますか?
できません。 WebSphere Application Server for z/OS バージョン 6.0.x では、 バージョン 5.x 構成をバージョン 6.0.x レベルまでマイグレーションする必要があります。
基本的なマイグレーション・プロセスとはどんなものですか?
WebSphere Application Server for z/OS バージョン 6.0.x 用の SMP/E コードをインストールします。カスタマイズ・ダイアログのウォークスルーを使用して、マイグレーションの実行に必要なマイグレーション・ユーティリティーを作成します。 これらのジョブの実行時に、既存のバージョン 5.x 構成とは別に、新規構成が作成されます。これは、バージョン 6.0.x レベルであることを除き、あらゆる点で既存の構成と同一です。
マイグレーションはノードごとのアクティビティーですか?
はい。構成をマイグレーションするプロセスでは、構成内のそれぞれのノードに対して、 提供されているユーティリティーが実行されます。
スタンドアロン・アプリケーション・サーバーでは、ユーザーはノードを 1 つだけ所有します。ただし、そのノードはマイグレーションする必要があります。 これらのステップは、他のノードに対して実行する場合と基本的に同じです。ただし、デプロイメント・マネージャーを稼働状態にする必要はありません。 スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードをマイグレーションするためのアクティビティーのチェックリストについては、 スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードのマイグレーション・アクティビティーのチェックリスト を参照してください。
マイグレーション・ユーティリティーは何を行うのでしょうか?
マイグレーション・ユーティリティーは、以下の目的で使用します。
ユーティリティー | 目的 |
BBOWMG1B (スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・マイグレーション) | マイグレーションするノード上のすべてのサーバーが PRR 処理モードで開始できるように構成されます。
このジョブを完了した後、マイグレーションするノード上のすべてのサーバーを開始し、
それらのサーバーが終了するのを待機する必要があります。
PRR 処理モードは、未解決のトランザクションをすべて解決し、
トランザクション・ログをクリアし、サーバーを終了します。
このジョブは、デプロイメント・マネージャーのマイグレーションには不要であり、
XA コネクターを使用しない構成ではオプションになります。
XA アダプターを使用しており XA ログをマイグレーションする必要がある場合にのみ、このジョブは必須になります。 「リソース」>「JDBC プロバイダー」と移動して、DB2、Cloudscape などの XA プロバイダーを選択しているかどうかを調べ、 バージョン 5.x 管理コンソールのリソース・プロバイダーを検査してください。 |
BBOWMG1F (統合ノード・マイグレーション) | |
BBOWMG2B (スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・マイグレーション) | PRR モードを使用不可にしてすべてのサーバーを通常の作動状態に戻します。
このジョブを完了した後、すべてのサーバーを開始する必要はありません。
このジョブは、デプロイメント・マネージャーのマイグレーションには不要であり、
XA コネクターを使用しない構成ではオプションになります。
XA アダプターを使用しており XA ログをマイグレーションする必要がある場合にのみ、このジョブは必須になります。 「リソース」>「JDBC プロバイダー」と移動して、DB2、Cloudscape などの XA プロバイダーを選択しているかどうかを調べ、 バージョン 5.x 管理コンソールのリソース・プロバイダーを検査してください。 |
BBOWMG2F (統合ノード・マイグレーション) | |
BBOWMBMT (スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・マイグレーション) | オプション: バージョン 6.0.x 構成ルート用に HFS およびマウント・ポイントを作成します。 バージョン 6.0.x 構成を組み込むために 既存の HFS を使用する場合は、 このジョブを実行する代わりに、 カスタマイズ・ダイアログで指定したマウント・ポイントを 手動で作成する必要があります。 いずれの場合も、マイグレーションを進める前に、HFS およびマウント・ポイントを作成しておく必要があります。 |
BBOWMDMT (デプロイメント・マネージャー・マイグレーション) | |
BBOWMMMT (統合ノード・マイグレーション) | |
BBOWMG3B (スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・マイグレーション) | バージョン 5.x からバージョン 6.0.x へ、ノードのマイグレーションを実行します。 |
BBOWMG3D (デプロイメント・マネージャー・マイグレーション) | |
BBOWMG3F (統合ノード・マイグレーション) | |
BBOMBCP (スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・マイグレーション) | 生成済み JCL プロシージャーをコピーして、 指定されたプロシージャー・ライブラリーに対してサーバーを開始します。 ご使用のバージョン 6.0.x 構成で異なる JCL 開始プロシージャー名を使用することを選択した場合は、 このユーティリティーで元のバージョン 5.x 構成に既存の名前を新規 JCL 名で置き換えて、 新規バージョン 6.0.x 構成を更新します。 |
BBOMDCP (デプロイメント・マネージャー・マイグレーション) | |
BBOMMCP (統合ノード・マイグレーション) |
マイグレーションはどこで実行するのでしょうか?
マイグレーションするノードが常駐しているシステムと同じシステムでジョブを実行します。
ノードがマイグレーションされるとどうなるのでしょうか?
マイグレーション・ユーティリティーは、現在のバージョン 5.x 構成の内容を新規の別の HFS にコピーします。 このときにバージョン 6.0.x のサポートで必要な変更が行われます。
マイグレーション中に既存構成は失われますか?
マイグレーション中は、元のバージョン 5.x 構成ツリーは影響されません。 何らかの理由で完了前にマイグレーションが失敗した場合は、今までの構成はまだ残ったままです。
自分のノードに複数のアプリケーション・サーバーが存在する場合は、それらすべてをマイグレーションする必要はありますか?
はい。ユーティリティーは、Node Agent を含むすべてのサーバーを検出し、すべてをマイグレーションします。 ノードに対するマイグレーション・ユーティリティーの 1 回の起動で、そのノード内のすべてのサーバーが処理されます。
ノード内のサーバーは、マイグレーションを実行するために停止する必要はありますか?
1 つのセルで、マイグレーションしたノードの一部だけを作動させ、その他のノードを作動させないことは可能ですか?
はい。可能です。バージョン 5.1 は、同じセル内、および同じ LPAR 上でバージョン 6.0.x と共存できます。ただし、バージョン 5.0.x からマイグレーションする場合、 デプロイメント・マネージャー・ノードおよび他のアプリケーション・サーバー・ノードは、 同じ MVS イメージ上に次々と、すなわち実質的には同時にマイグレーションする必要があります。 バージョン 5.0.x とバージョン 6.0.x のノードは、同一の LPAR 上の同一セル内に存在することはできません。
新規にマイグレーションしたバージョン 6.0.x デプロイメント・マネージャーは、まだバージョン 5.x ノードと通信できますか?
マルチノード・マイグレーションを実行する順序は決まっていますか?
バージョン 6.0.x のセルと、その他のバージョン 5.x のセルは共存できますか?