WebSphere Application Server for z/OS, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: z/OS

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このトピックは、z/OS オペレーティング・システムにのみ適用されます。

z/OS での MDB 処理

MDB 処理を調整するには、さまざまな設定を一緒に検討および操作します。 特定のサーバーで実行するときのワークロードは一定ではないため、選択できる値および検討する可能性は広範囲に及びます。

始める前に

メッセージ・ドリブン Bean がキューまたは永続サブスクリプションによってトピックにマップされている (つまりキューまたはトピックを listen している) 場合、JMS メッセージは最初にコントローラーの WebSphere サーバーに入力されます。これを、サーバーは JMS メッセージを「コントローラー内で listen する」と言います。MDB 処理の調整に関するこの説明の全体で、「コントローラー内で listen する」という用語を使用しています。

このタスクについて

メッセージ・ドリブン Bean によるメッセージの処理を最適化するには、このタスクを使用して、関連した設定を検討および操作します。

サーバーでの MDB 処理の調整は、サーバーの全体的なワークロードの調整というより大きなタスクの一部です。 そのためには、さまざまな設定とそれらの設定の間の相互作用について考慮する必要があります。

MDB 処理を調整するには、次の設定を一緒に検討する必要があります。つまり、WLM サービス・クラス定義、WebSphere ワークロード・プロファイルの選択、メッセージ・リスナー・サービスのリスナー・ポートの設定、JMS 接続ファクトリー・プールの設定、および WebSphere MQ キュー・マネージャーの設定です。

特定のサーバーで実行するときのワークロードは一定ではないため、これらの各設定で選択すべき値に関する推奨事項を統一して示すのは困難です。 検討すべき可能性は、次の考慮事項を含めて多岐にわたります。
  • メッセージ・ドリブン Bean の数。
  • 管理構成の選択項目 (2 つのメッセージ・ドリブン Bean を同じリスナー・ポートにマップするか、異なるリスナー・ポートにマップするかなど)。
  • サーバーで実行中の他の種類 (HTTP、IIOP) の処理に対する、メッセージ・ドリブン Bean のための処理の重要性に関するさまざまな目標。

以下に示す設定値は、サーバーに単一のアプリケーションだけが構成されていて、そのアプリケーションは、このサーバーにインストールされ実行されている単一のメッセージ・ドリブン Bean から成ることを前提にした開始点です。

開始点となる設定値の後に、その設定値を推奨する理由について詳細な説明を示し、z/OS での「コントローラー内で listen する」事例のリスナー・ポート機能について詳しく説明します。 以下に示す設定値と説明は、ご使用の独自のシステムとサーバーに応じた独自の設定値を選択できるように、機能と設定値について十分に理解するための参考になります。

プロシージャー

  1. リスナー・ポートの最大セッション数プロパティーを、サーバー全体で使用可能なサーバント・ワーカー・スレッドの最大数の少なくとも 2 倍に設定します。 このプロパティーの値によって、 高しきい値が決定され (高しきい値 = セッションの最大数)、いつ要求をブロックして、いつ許可するのかを決定するためにスロットルによって使用されます。
    1. この管理コンソール・ページを表示するには、「サーバー」-> 「アプリケーション・サーバー」->「application_server」->「[通信]」->「メッセージング」-> 「メッセージ・リスナー・サービス」->「リスナー・ポート」->「listener_portとクリックします。
    2. セッションの最大数プロパティーを、MDB スロットルがその高しきい値として使用する値に設定します。
      推奨の最小値は次の公式によって計算されます。
      2 * (サーバントの最大数) * (1 つのサーバント内のワーカー・スレッド数)

      ここで、設定値は管理コンソール上で記述されるため、「サーバント」は「サーバー・インスタンス」と同じ意味です。 単一のサーバント内のワーカー・スレッド数を計算するには、ORB サービスの拡張設定にある『ワークロード・プロファイル』の説明を参照してください。

    リスナー・ポートの最大セッション数プロパティーの設定値に関するその他の考慮事項については、z/OS での MDB 設定の概念および考慮事項 を参照してください。

  2. WebSphere MQ キュー接続ファクトリーのプロパティーを設定します。
    1. この管理コンソール・ページを表示するには、 「リソース」->「WebSphere MQ JMS プロバイダー」-> 「WebSphere MQ Queue Connection Factories」 (「追加プロパティー」の下にある) とクリックします。
    2. リスナー・ポートに指定される接続ファクトリーを選択します。
    3. 「追加プロパティー」の下の「接続プール」パネルをアクティブにします。
    4. 「接続プール」の「最大接続数」プロパティーを設定します。 メッセージ・ドリブン Bean ごとに 1 つの接続を許可します。このプロパティーの値には、異なる複数のリスナー・ポートにマップされたメッセージ・ドリブン Bean を含めることができます。ただし、これらのリスナー・ポートのそれぞれが同じ接続ファクトリーにマップされている場合に限ります。 この設定値に影響するその他の考慮事項について詳しくは、z/OS での MDB 設定の概念および考慮事項 を参照してください。
    5. 「接続ファクトリー」の「追加プロパティー」の下で、「セッション・プール」パネルをアクティブにします。
    6. 「セッション・プール」の「最大接続数」プロパティーを設定します。 単一サーバント内のワーカー・スレッドごとに 1 つのセッションを許可します。このプロパティーは、少なくとも単一のサーバントで使用可能なワーカー・スレッド数に設定してください。 この設定値に影響するその他の考慮事項について詳しくは、z/OS での MDB 設定の概念および考慮事項 を参照してください。
  3. WebSphere MQ 関連プロパティーを設定します。 バッキング WebSphere MQ キュー・マネージャーに、対象とする JMS ワークロード (WebSphere Application Server (および他のクライアント) から発生する) をサポートできるだけの十分なリソースが構成されていることを確認してください。 特に、キュー・マネージャーの CTHREAD、IDBACK、および IDFORE パラメーターの設定を考慮する必要があります。 これらの WebSphere MQ 設定について詳しくは、以下の WebSphere MQ ブックを参照してください。
    • WebSphere MQ for z/OS システム・セットアップ・ガイド V5R3.1 (SC88-9217-02)
    • WebSphere MQ MQSC コマンド・リファレンス (SC88-9220-02)
    • WebSphere MQ for z/OS 問題判別ガイド (GC88-9219-01)

  1. サーバーの構成でサーバー・インスタンスの最大値が 3 に設定されているとします (最小値は何でもかまいません)。 また、ワークロード・プロファイルは LONGWAIT であるとします。これは、各サーバントに 40 個のワーカー・スレッドが含まれることを意味します。

    この場合は、リスナー・ポートの最大セッション値を少なくとも 240 = 2 * 3 * 40 に設定します。

  2. アプリケーションに個々の メッセージ・ドリブン Bean が 2 つ含まれており、それぞれに、メッセージを別の JMS の宛先に転送する onMessage() が実装されているとします。 したがって、それぞれのメッセージ・ドリブン Bean に、このタスクを実行するための専用の JMS 接続ファクトリーが必要です。 管理者が各 MDB の JMS 接続ファクトリー・リソース参照を、管理者の定義した同じ接続ファクトリーにマップしてあり、その接続ファクトリーは、これらのメッセージ・ドリブン Bean のそれぞれがマップされているリスナー・ポートで使用されるとします。

    この場合は、接続ファクトリーの接続プール最大接続数の値を 42 に設定する必要があります。 リスナー・ポートで使用される 2 つのメッセージ・ドリブン Bean のそれぞれに対して 1 つの接続、並行して実行される可能性のある 40 個の onMessage() ディスパッチのそれぞれに対して 1 つの接続です。 (接続のプールはサーバントごとのプールであることに注意してください。)

  3. サーバント数に関係なく、接続ファクトリーのセッション・プール最大接続数を 40 (単一サーバント内のワーカー・スレッド数) に設定します。

デバッグのヒントについては、MDB スロットル・サポートのデバッグのベスト・プラクティス を参照してください。




サブトピック
z/OS での MDB 設定の概念および考慮事項
MDB スロットル・サポートのデバッグのベスト・プラクティス
関連タスク
JCA 1.5 メッセージ駆動 Bean のインバウンド・メッセージ・フローのスロットル
タスク・トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 10:52:11 PM EST
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