WebSphere Application Server Network Deployment, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: AIX , HP-UX, Linux, Solaris, Windows

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既存の Network Deployment 製品への CIP フィーチャーのインストール

このトピックでは、IBM WebSphere Application Server Network Deployment、バージョン 6 製品および 1 つ以上の保守パッケージを含む、カスタマイズ・インストール・パッケージ (CIP) をインストールするための幾つかのオプションの 1 つを説明しています。 このトピックでは、CIP 内に含まれているフィーチャーをインストールするために CIP インストール・ウィザードを使用する方法を説明します。 インストール・ウィザードはまた、CIP 内に含まれている保守パッケージもインストールします。

始める前に

このトピックでは、使用可能なインストール手順の 1 つについて説明します。

選択したい手順がこのトピックで述べられていない場合は、 該当するインストール手順の説明があるリンクをクリックしてから install コマンドを実行してください。

インストールするコンポーネントとそのコンポーネントのインストール順序を把握することは、重要な考慮事項です。このインストールを開始する前に、Network Deployment のインストール計画 を 参照してください。

このタスクについて

以下の手順を実行して、既存の WebSphere Application Server Network Deployment インストールにフィーチャーを追加します。

このインストールにより、CIP に含まれている保守パッケージもインストールされます。

プロシージャー

  1. オペレーティング・システムにログオンします。

    root (AIX または Linux などの オペレーティング・システムの場合)、または 管理者グループのメンバー (Windows システムの場合) として ログオンします。

    [AIX] [HP-UX] [Linux] [Solaris] また、オーナーがファイルの読み取り/書き込みを行えるようにし、その他のユーザーが現行のシステム・ポリシーにしたがってファイルにアクセスできるようにする、umask を選択します。 root の場合は、022 の umask を推奨します。非 root ユーザーの場合は、グループを共用しているかいないかによって異なりますが、002 または 022 の umask が使用できます。 umask 設定を確認するには、以下のコマンドを実行します。
    umask
    umask 設定を 022 に設定するには、以下のコマンドを実行します。
    umask 022
    [Windows] Windows システムでインストールを行う際に、 インストーラーのユーザー・アカウントが、 以下の拡張ユーザー権限を持っている場合、Windows サービスが 自動的に作成され、アプリケーション・サーバーを自動始動します。
    • オペレーティング・システムの一部としてアクションを行う
    • サービスとしてログオンする
    例えば、一部の Windows システムでは、 「管理ツール」 > 「ローカル・セキュリティー・ ポリシー」 > 「User Rights Assignments」をクリックして、拡張オプションを表示します。 詳しくは、Windows の資料を参照してください。

    [Windows] インストール・ウィザードでは、ユーザー ID が 管理者グループのメンバーである場合に、その Windows ユーザー ID に拡張ユーザー権限が与えられます。サイレント・インストールでは、 これらの権限は与えられません Windows プラットフォームで新規ユーザー ID を作成してサイレント・インストールを 行う場合、正しくサイレント・インストールを行う前に、システムを再始動して、 そのユーザー ID の適切な権限をアクティブにする必要があります。

    [Windows] アプリケーション・サーバーを Windows サービスとして 実行する予定の場合は、スペースを含むユーザー ID からインストールしないでください。ユーザー ID にスペースが含まれていると、妥当性検査ができません。 このようなユーザー ID を使用すると、インストールを続行できません。 この問題を回避するには、 スペースを含まないユーザー ID を使用して、インストールを行います。

  2. カスタマイズ・インストール・パッケージ (CIP) の付いた CD-ROM または DVD を挿入します。 または、CIP があるディレクトリーにアクセスします。必要な場合は、AIX または Linux などのオペレーティング・システムにおけるディスク・ドライブのマウント に説明されているように、ディスク・ドライブをマウントします。
  3. install コマンドを直接使用してインストールを開始します。
    1. WAS ディレクトリーに移動します。
    2. install コマンドを実行します。
      • ./install
      • [Windows] install

    コマンド行から CIP インストール・ウィザードを起動すると、 ウィザードが初期化されて、「ようこそ」パネルが表示されます。 版およびバージョンなど、現行のカスタム・インストール・パッケージに関する 詳細情報を表示するには、「このカスタム・インストール・パッケージについて...」を クリックします。

  4. 「次へ」をクリックして先へ進みます。

    プログラムの使用条件が表示されます。

  5. 使用許諾契約書を読み、その条件に同意します。

    プログラムの使用条件に同意する場合は、「I accept the terms in the license agreement」メッセージの横のラジオ・ボタンをクリックし、「次へ」をクリックして続行します。

    ライセンス交付条件の受諾後に、 インストール・ウィザードは、サポートされるオペレーティング・システムと前提条件パッチを確認します。 システム上に適切な前提条件の更新がないなどの問題が発生した場合は、 インストールをキャンセルし、必要な変更を行ってからインストールを再開します。

    インストール・ウィザードは、prereqChecker アプリケーションを使用して、 前提条件となるオペレーティング・システム・パッチを検査しますが、前提条件をまだ検討していない場合は、 Supported hardware and software Web site で前提条件を参照してください。

    この Web サイトでは、サポートされているすべての オペレーティング・システム、およびオペレーティング・システムを準拠させるためにインストールする必要がある オペレーティング・システム修正およびパッチがリストされています。

    サポートされているバージョンへのマイグレーションについては 、IBM 以外の前提条件および相互に必要な製品の資料を参照してください。

  6. ご使用のオペレーティング・システムがサポートされていること、および 必要なパッチがすべてインストールされていることを確認してから、「次へ」をクリックして継続します。

    インストール・ウィザードは、 同じ主要製品レベルで以前にインストールが行われていないかどうかを確認します。

    ウィザードによって以前のインストールが検出されると、「Existing installation」パネルが表示されます。 このタスクでは、以前のインストールが存在すること、インクリメンタル・インストールでフィーチャーを追加していることを前提としています。

    CIP ウィザードは、すべての WebSphere Application Server インストールを検出します。 CIP を使用することで、基本、Network Deployment、Express の各インストールのバイナリー・ファイルを更新できます。 したがって、CIP を使用して製品をクロス・インストールできます。 ただし、ある製品レベルから次の製品レベルにアップグレードすることはできません。 例えば、バージョン 5 の製品からバージョン 6 の製品へのアップグレードに CIP を使用することはできません。 さらに、CIP を使用して異なる版のインストールにフィーチャーを追加することはできません。

  7. 保守を適用してフィーチャーを追加するためのチェック・ボックスを選択してから、「次へ」をクリックします。

    別の既存のインストールが指定のディレクトリーにない限り、インストール・ディレクトリーを変更しないでください。 インクリメンタル・インストールは、フィールドで識別された共用バイナリーにフィーチャーを追加します。

    CIP インストール・ウィザードを再度実行することで、いつでも使用可能な CIP フィーチャーをバイナリーに追加できます。 追加のフィーチャーをインストールしても、 すでに作成した可能性のあるプロファイルへの影響はありません。 (プロファイルは、後のステップで説明するランタイム環境です。)

    インクリメンタル・インストール中にフィーチャーを追加すると、ウィザードでは次に「機能の選択」パネルが表示されます。

  8. インストールするフィーチャーを選択して、「次へ」をクリックします。

    CIP には、製品フィーチャーがまったく組み込まれていない場合から、すべて組み込まれている場合まであります。 CIP に組み込まれていたもののみをインストールできます。

    表 1. WebSphere Application Server Network Deployment 製品のフィーチャー
    フィーチャー 説明
    コア・プロダクト・ファイル 製品のバイナリー・コードをインストールします。
    アプリケーション・サーバーのサンプル サンプル・ギャラリー・アプリケーションと Plants By WebSphere アプリケーションをインストールします。
    Javadoc WebSphere Application Server クラスのアプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) およびシステム・プログラミング・インターフェース (SPI) の文書をインストールします。

    開発環境でも実稼働環境でも、 パフォーマンス改善のためにはサンプルをインストールしないようにしてください。 サンプルを省略すると、 アプリケーション・サーバーの起動時間を 60% 改善し、 ディスク・スペースを 15% 節約することができます。 さらに、プロセス・フットプリントを最大 30 % 節約できる場合が あります (最大ヒープ・サイズ 256 MB をベースとして)。

    インストール・ウィザードにより確認パネルが表示されます。

  9. 要約情報を確認して、 製品コードをインストールする場合は「次へ」をクリックし、 仕様を変更する場合は「戻る」をクリックします。
    プリインストール要約パネルに表示されるディスク・スペースには、Java 仮想マシン (JVM) のスペースが含まれています。 ご使用のオペレーティング・システムの JVM サイズを減算して、 選択したフィーチャーがディスクにインストールされるサイズを判別します。
    表 2. JVM サイズ
    AIX HP-UX Linux Solaris Windows
    59 MB pa-risc: 109 MB

    64 ビット: 137 MB

    ia32: 83 MB

    64 ビット: 133 MB

    81 MB ia32: 75 MB

    64 ビット: 71 MB

    インストール前に、表示されたフリー・スペースの合計容量があることを確認します。 スペースは、インストール中の JVM の作業用コピーのために必要となります。

    インストール・ウィザードは、アンインストーラー・プログラムを作成し、 インストールされているコンポーネントを示す進行パネルを表示します。 インストール終了時に、 ウィザードは「Installation completion」パネルを表示します。

    インストール終了時に、 ウィザードは「Installation completion」パネルを表示します。

  10. インストール状況について「Completion」パネルおよび log.txt ファイルを検査し、 インストーラー・プログラムが成功したかどうかを確認します。

    app_server_root/logs/log.txt ファイルを検査して、インストール中にファイル・システム・エラー、またはその他の異常なエラーがないことを確認します。 問題がある場合には、その問題を訂正し、製品を再インストールしてください。

    Installation Factory のスリップ・インストール・ログは、app_server_root/logs/log.txt ファイルにあり、これは通常インストールのログ・ファイルと同一です。 このファイルが既に存在する場合は、 新規のログ・メッセージはこのファイルに追加されます。

    [バージョン 6.0.2] アップデート・インストーラーを使用して、 Installation Factory がスリップ・インストールでインストールした保守パッケージをアンインストールした場合の結果は、 app_server_root/logs/update/ ディレクトリーのログに示されます。

    問題が発生した場合は、 以下の適切なログを参照してください。

    WebSphere Application Server 製品のログ・ファイル: 以下の表は、バージョン 6 用 WebSphere Application Server 製品のインストール・ログ、内容、 および成功と失敗を示すインディケーターを示しています。
    表 3. WebSphere Application Server 製品のインストールおよびプロファイル作成ログ
    ログ (Log) 内容 インディケーター
    app_server_root/logs/log.txt すべてのインストール・イベントを記録します。
    INSTCONFFAIL
    すべてのインストールの失敗。
    INSTCONFSUCCESS
    インストールの成功。
    INSTCONFPARTIALSUCCESS
    インストール・エラーが発生しましたが、インストール・システムは使用することができます。追加情報でエラーを識別します。
    app_server_root/manageprofilesprofile_name.log
    • 名前付きのプロファイルの作成中に発生するすべてのイベントをトレースします。
    • プロファイル管理ツールまたは manageprofiles コマンドを使用したときに作成されます。
    INSTCONFFAIL
    すべてのプロファイル作成の失敗。
    INSTCONFSUCCESS
    プロファイル作成の成功。
    INSTCONFPARTIALSUCCESS
    プロファイル作成エラーが発生しましたが、プロファイルは機能しています。 追加情報でエラーを識別します。
    app_server_root/logs/wasprofile/wasprofile_delete_ profile_name.log
    • 名前付きのプロファイルの削除中に発生するすべてのイベントをトレースします。
    • プロファイル管理ツールまたは manageprofiles コマンドを使用したときに作成されます。
    INSTCONFFAIL
    すべてのプロファイル削除の失敗。
    INSTCONFSUCCESS
    プロファイル削除の成功。
    INSTCONFPARTIALSUCCESS
    プロファイル削除エラーが発生しましたが、プロファイルは削除されています。 追加情報でエラーを識別します。
    profile_root/logs/pctLog.txt プロファイル管理ツールの使用時に発生するすべてのプロファイル作成イベントを記録します。
    INSTCONFFAIL
    すべてのプロファイル作成の失敗。
    INSTCONFSUCCESS
    プロファイル作成の成功。
    INSTCONFPARTIALSUCCESS
    プロファイル作成エラーが発生しましたが、プロファイルは機能しています。 追加情報でエラーを識別します。
    app_server_root¥logs¥instconfig.log (AIX または Linux などのシステムでは使用不可) インストール手順の最後で実行される ANT 構成スクリプトのアクティビティーを記録します。
    構成アクションは失敗しました。
    ANT スクリプト構成が失敗しました。
    構成アクションが成功しました。
    ANT スクリプト構成が成功しました。

    コア・プロダクト・ファイルのインストールが失敗した場合は、 エラーを修正して、再インストールしてください。

    プロファイルの作成が失敗した場合は、エラーを修正し、プロファイル管理ツールを実行してプロファイルを再作成します。

    app_server_root/logs/log.txt ファイルまたは app_server_root/logs/wasprofile/wasprofile_create_default.log ファイルに問題の記録がないにもかかわらず、 問題が生じている場合は、インストールのトラブルシューティングを行います。

    詳しくは、インストールのトラブルシューティング およびインストール・コンポーネントのトラブルシューティングのヒント を参照してください。

    [Windows] 「スタート」メニュー項目を調べてください。 メニューは、インストールの成功を示します。
    • 「[All] Programs」>「IBM WebSphere」>「Application Server Network Deployment v6」

    製品を再インストールしなければならないような 問題がある場合は、エラーを訂正し、 製品をアンインストール (製品のアンインストール で 説明しています) してください。 次に、リブート (Windows マシンの場合) またはログオフ後に root としてログオン (AIX または Linux などの オペレーティング・システムのマシンの場合) した後に、 再インストールを行います。

  11. 「終了」をクリックしてインストール・ウィザードを閉じます。

    プロファイル管理ツールを起動するチェック・ボックスを選択し、「次へ」をクリックしてインストール・ウィザードを閉じ、プロファイル管理ツールを起動します。

    詳しくは、グラフィカル・ユーザー・インターフェースによるプロファイルの作成 を参照してください。

結果

インストール・ウィザードは、既存のインストール・ルート・ディレクトリーに新規フィーチャーをインストールします。 インストール・ウィザードは、新規フィーチャーのために WebSphere Application Server Network Deployment 製品を構成します。

デプロイメント・マネージャー、管理対象ノード、または スタンドアロン・アプリケーション・サーバーを定義するプロファイルを作成して、稼働環境を作成する必要があります。

インストール・ウィザードは、選択されたフィーチャーを新規の保守レベルに更新します。 既存プロファイル用のサービスを含む保守パッケージがある場合、プロファイルは新規のサービス・レベルに更新されます。

次の作業

デプロイメント・マネージャー・プロファイルとアプリケーション・サーバー・プロファイルを作成します。

プロファイル管理ツールを使用して、 デフォルトの profile_root ディレクトリーまたは選択したディレクトリーにプロファイルを作成します。

グラフィカル・ユーザー・インターフェースによるプロファイルの作成 を参照してください。

アプリケーションをデプロイして、開始します。

アプリケーション・サーバー・プロファイルの作成後に、 アプリケーションをデプロイすることができます。 アプリケーションのデプロイを 開始するには、WebSphere Application Server のファースト・パス を参照してください。

注: サンプルのフィーチャーを追加しても、サンプルは、サンプルを最初にデプロイしなかった既存プロファイルに自動的にはデプロイされません。 サンプルをデプロイするために新規プロファイルを作成する必要があります。



関連情報
Installation Factory によるインストール・パッケージの作成
タスク・トピック    

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最終更新: Jan 21, 2008 10:13:28 PM EST
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