このトピックでは、Update Installer for WebSphere Software を使用して、暫定修正、修正パッケージ、および
リフレッシュ・パックをアンインストールする方法を説明します。Update Installer for WebSphere Software はまた、アップデート・インストーラー・プログラム、UpdateInstaller プログラム、およびアップデート・インストール・ウィザードとも呼ばれています。
始める前に
適切な許可を使用して、製品の更新を正常にアンインストールします。
アップデート・インストーラー・プログラムは、Linux または UNIX
プラットフォームでは root ユーザーとして、Windows プラットフォームでは管理者として使用してください。
アップデート・インストーラー・ウィザード は、グラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用して実行する、または応答ファイルを使用してサイレント・モードで実行する InstallShield for Multiplatforms ウィザードです。
以下の説明には、WebSphere Application Server 製品に
暫定修正、修正パッケージ、およびリフレッシュ・パックをアンインストールする場合の参照情報が含まれています。
- アンインストール手順の概説
- 保守パッケージをアンインストールするには、次のようにします。
- アップデート・インストーラーを使用して保守パッケージをインストールします。
これにより、app_server_root/properties/version/update/backup ディレクトリーにバックアップ・ファイルが作成されます。
IBM は、バックアップ・ファイルに行うユーザー変更はサポートしません。
- このトピックで説明されているように、アップデート・インストーラー・プログラムを使用して
保守パッケージを除去します。
- ノードの修正レベルの表示
- app_server_root/bin ディレクトリー内の versionInfo コマンド
を使用すると、製品の正確な修正レベルおよびバージョン・レベルを表示することができます。ただし、保守パッケージのインストール中またはアンインストール中には、versionInfo
コマンドは使用しないでください。
アップデート・インストーラー・ウィザードの複数コピーを一度に起動しないでください。
アップデート・インストーラー・プログラムの同時起動はサポートされていません。
複数の更新を同時に実行すると、インストールの失敗や不完全なインストールを含む、
予測不能の結果を引き起こす可能性があります。
必須情報
グラフィカル・インターフェースでは、ユーザーは次の情報を提供する必要があります。
表 1. 保守パッケージのアンインストール時に必要な情報
フィールド |
有効な値 |
説明 |
WebSphere 製品のインストール・ルート・ディレクトリーのファイル・パスおよびアップデート・インストーラー |
次のいずれかの製品のインストール・ルート・ディレクトリーを確認します。
- IBM WebSphere Application Server
- IBM WebSphere Application Server - Express
- IBM WebSphere Application Server - Express の組み込みバージョン
- IBM WebSphere Application Server Network Deployment
- IBM Application Client for WebSphere Application Server
- WebSphere Application Server の Web サーバー・プラグイン
|
アップデート・インストーラー・アプリケーションは、デフォルトで、
親ディレクトリーで製品を選択します。
|
アンインストールする保守パッケージのファイル名。 |
app_server_root/properties/version/
update/backup ディレクトリーからアンインストールする保守パッケージを選択します。 |
デフォルトの保守パッケージは、app_server_root /properties/version/
update/backup ディレクトリー内の、最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプを持つパッケージです。 |
このタスクについて
次の手順は、保守パッケージのアンインストール方法を説明します。
プロシージャー
- オペレーティング・システムにログオンします。
Linux または UNIX オペレーティング・システムでは root として、Windows システムでは管理者グループのメンバーとしてログオンします。
![[AIX HP-UX Solaris]](../../unix.gif)
さらに、umask 設定が 022 であることを確認します。
umask 設定を確認するには、以下のコマンドを実行します。
umask
umask 設定を 022 に設定するには、以下のコマンドを実行します。
umask 022
- インストール・ルート・ディレクトリーにある updateinstaller ディレクトリーに移動します。
「Windows Services」パネルを使用して、
WebSphere Application Server プロセスのすべてのサービスを停止します。
- WebSphere Application Server 製品が提供する IBM Software Developer Kit
(SDK) を使用するすべての Java プロセスを停止します。
マシン上で暫定修正、修正パッケージ、および
リフレッシュ・パックをアンインストールする前に、
そのマシン上で、WebSphere Application Server が提供する IBM SDK, Java Technology Edition を使用する
Java プロセスをすべて停止してください。
WebSphere Application Server プロセスには次のようなものがあります。
- アプリケーション・サーバー・プロセス
- アプリケーション・サーバー・ノードがデプロイメント・マネージャー・セルに統合される場合、そのノード上の nodeagent プロセス
- デプロイメント・マネージャー・サーバーの dmgr プロセス
必要であれば、すべての Java プロセスを停止します。
WebSphere Application Server 関連の Java プロセスの実行中に保守パッケージをアンインストールする場合、
製品が引き続き正常に (エラーなしで) 稼働することは保証できません。
- IBM SDK, Java Technology Edition を更新した保守パッケージを除去するかどうかを決定します。
その場合には、親製品から
アップデート・インストーラー・ウィザード ディレクトリーに IBM SDK を複製することができます。SDK を複製すると、app_server_root/java/jre ディレクトリーが app_server_root/updateinstaller/java/jre ディレクトリーにコピーされます。
Update Installer for WebSphere Software は、適切な IBM SDK を使用するために、既知のロケーションを検索します。
アップデート・インストーラー・ウィザード は順番に、以下のロケーションで有効な Java 仮想マシン (JVM) を探します。
- app_server_root/updateinstaller/java/jre ディレクトリー (製品 SDK を更新する場合)
- app_server_root/java/jre ディレクトリー (使用する優先 SDK)
Linux または UNIX システムで、以下の環境変数のいずれかによって識別されるディレクトリー。
- JAVA_HOME
- JAVAHOME
- JRE_HOME
- JREHOME
最初の 2 つのロケーションに JVM が存在しない場合、アップデート・インストーラー・ウィザード を指す環境変数の 1 つを
有効な JVM に設定します。
アップデート・インストーラー・ウィザード を開始するための優先 SDK は、親製品の SDK です。
可能な場合は、常に製品 SDK を使用します。
重要: 親製品で
IBM SDK の修正パッケージまたは暫定修正をアンインストールするには、
更新しようとする製品 SDK を使用して アップデート・インストーラー・ウィザード を開始しないでください。SDK を使用すると、
SDK がロックされ、更新が妨げられます。SDK を
app_server_root/java/jre ディレクトリーから
app_server_root/updateinstaller/java/jre ディレクトリーにコピーします。
アップデート・インストーラー・ウィザード は、
app_server_root/updateinstaller/java/jre ディレクトリー内に SDK がある場合には、それを使用します。
または、親製品から一時ロケーションに IBM SDK をコピーし、アップデート・インストーラー・コマンドを実行するときに、
-is:javahome ISMP パラメーターを使用してその一時ロケーションを示します。
update -is:javahome="my_fully_qualified_temp_SDK_location"
- アップデート・インストーラーを使用して、保守パッケージをアンインストールします。
デプロイメント・マネージャー・ノードから保守パッケージをアンインストールする前に、
セル内の各アプリケーション・サーバー・ノード上の暫定修正をアンインストールします。
グラフィカル・インターフェースでアンインストールするには、以下のいずれかのコマンドを発行します。
表 2. グラフィカル・インターフェースを使用したアンインストール用のアップデート・インストーラー・コマンド
コマンド例 |
インストールのタイプ |
説明 |
update.bat -W update.type="uninstall" |
グラフィカル・インターフェース・モード |
最も新しくインストールされた保守パッケージの名前で保守パッケージ・フィールドを初期化します。
すべてのデフォルト値を受け入れて、
最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプで保守パッケージをアンインストールします。
|
update.bat -W product.location="e: ¥IBM¥WebSphere¥AppServer"
-W update.type="uninstall" |
グラフィカル・インターフェース・モード |
グラフィカル・インターフェースを WebSphere ソフトウェアのロケーションでオーバーライドして、更新します。
アンインストールするデフォルトの保守パッケージは、
そのソフトウェアに最も新しくインストールされた保守パッケージです。 |
update.bat -W backup.package="PQ20029.pak"
-W update.type="uninstall" |
グラフィカル・インターフェース・モード |
アンインストールする保守パッケージの名前で保守パッケージ・フィールドをオーバーライドします。 |
update.bat -W product.location="e: ¥IBM¥WebSphere¥AppServer"
-W backup.package="PQ20029.pak" -W update.type="uninstall" |
グラフィカル・インターフェース・モード |
WebSphere ソフトウェアのロケーションを更新し、保守パッケージの名前をアンインストールしてオーバーライドします。
|
update.bat -options "responsefiles/file_name" |
オプション・ファイルを持つグラフィカル・インターフェース・モード |
オプション応答ファイル内で指定された値で、すべてのデフォルト値をオーバーライドします。
応答ファイルからどちらかの値を省略した場合、デフォルトの保守パッケージは最新の日付スタンプおよびタイム・スタンプを持つインストール済みパッケージです。デフォルトのソフトウェアは、親ディレクトリー内にインストールされたソフトウェアです。
|
サイレント・インターフェースを使用するには、以下のコマンドを発行します。
表 3. サイレント・モードでアンインストールするためのアップデート・インストーラー・コマンド
コマンド例 |
インストールのタイプ |
説明 |
update.bat -silent -options "responsefiles/file_name" |
オプション・ファイルを持つサイレント・モード |
オプション応答ファイル内で指定された値で、すべてのデフォルト値をオーバーライドします。
updi_root/responsefiles
の応答ファイルに基づいた応答ファイルを、常に使用してください。
|
結果
この手順を行うと、WebSphere ソフトウェアを更新する保守パッケージがアンインストールされます。
注: Install Factory によって作成された
カスタム・インストール・パッケージをアンインストール
する際に、アップデート・インストーラーによって
OS の前提条件をチェックしてはいけません。
アップデート・インストーラーを起動して、
カスタム・インストール・パッケージをアンインストールする場合、
追加のコマンド行オプションをアップデート・インストーラーに
受け渡して、OS 前提条件のチェックを使用不可にする必要があります。
このコマンド行オプションは、以下のようになります。
-
- -W maintenancewarningprereqcheckactionInstallWizardBean.active=false -W
prereqswarningpanelInstallWizardBean.active=false -W maintenanceprereqcheckactionInstallWizardBean.active=false
-W prereqsfailedpanelInstallWizardBean.active=false
- Windows の場合は、このコマンドを発行してください。
- update.bat -W maintenancewarningprereqcheckactionInstallWizardBean.active=false
-W prereqswarningpanelInstallWizardBean.active=false -W maintenanceprereqcheckactionInstallWizardBean.active=false
-W prereqsfailedpanelInstallWizardBean.active=false
- AIX または Linux などのオペレーティング・システム上で、次のコマンドを発行します。
- ./update.sh -W maintenancewarningprereqcheckactionInstallWizardBean.active=false
-W prereqswarningpanelInstallWizardBean.active=false -W maintenanceprereqcheckactionInstallWizardBean.active=false
-W prereqsfailedpanelInstallWizardBean.active=false
次の作業
保守パッケージをアンインストールした後で、引き続き
WebSphere ソフトウェアを使用することができます。
既存プロファイルへの変更のロールバック: リフレッシュ・パック 2 など、WebSphere Application Server 製品用の保守パッケージの中には、既存プロファイルを更新するものがあります。プロファイルの更新を含む保守パッケージをロールバックする場合は、プロファイル更新スクリプトと共に提供されている取り消しスクリプトも使用して、既存プロファイルへの変更をロールバックしてください。
保守パッケージの README ファイルには、更新用のスクリプト、およびプロファイルの修正レベルをロールバックするスクリプトの説明があります。例えば、WebSphere Application Server 用のリフレッシュ・パック 2 には、既存プロファイル内の JDBC リソース・プロバイダー・テンプレートに必要なサービスが含まれています。詳しくは readme
JDBC 関連の更新用のプロファイル更新スクリプトおよび取り消しスクリプトの Readme を参照してください。
ロールバックされたばかりのサービス・レベルによって作成されたプロファイルの削除: プロファイルを WebSphere Application Server 製品と同じサービス・レベルまたはそれよりも低いサービス・レベルにしておく必要がある、という制限について、Profiles
remain at the Version 6.0.2 level after roll back を参照してください。
例えば、バージョン 6.0 (バージョン 6.0.2) 用のリフレッシュ・パック 2 をインストールし、新規プロファイルを作成してから、リフレッシュ・パック 2 をロールバックしたと想定します。起こり得る問題を回避するためには、バージョン 6.0.2 レベルで作成したプロファイルを削除する必要があります。