Jython または Jacl スクリプト言語を使用すると、スクリプト記述によって複数のサーバーをクラスターにまとめることができます。ClusterConfigCommands グループの
コマンドおよびパラメーターは、サーバー・クラスターや、アプリケーション・サーバーのグループ (クラスター・メンバーとも
いう) の作成および削除に使用できます。
AdminTask オブジェクトの ClusterConfigCommands コマンド・グループには、以下のコマンドが含まれます。
createCluster
createCluster は、新規サーバー・クラスターを作成するコマンドです。
サーバー・クラスターは、
クラスター・メンバーと呼ばれるアプリケーション・サーバーのグループで構成されています。オプションで、
新規クラスターに対して複製ドメインを作成することができ、既存のサーバーを最初のクラスター・メンバーにすることができます。
ターゲット・オブジェクト
なし
パラメーターおよび戻り値
- -clusterConfig
- 新規のサーバー・クラスターの構成を指定します。
このコマンド・ステップは必須です。このステップで指定できるパラメーターは以下のとおりです。
- -clusterName
- 新規サーバー・クラスターの名前。(必須)
- -preferLocal
- このクラスター内のノード有効範囲ルーティング最適化を使用可能または使用不可にします。
値は true または false です。指定しない場合、
デフォルト値は true です。(オプション)
- -convertServer
- クラスターの最初のメンバーに変換する既存アプリケーション・サーバーの情報を指定します。
このコマンド・ステップはオプションです。このステップで指定できるパラメーターは以下のとおりです。
- -serverNode
- 最初のクラスター・メンバーに変換されるサーバーを含むノードの名前。
また、
serverName パラメーターもあわせて指定する必要があります。
(必須)
- -serverName
- 最初のクラスター・メンバーに変換されるアプリケーション・サーバーの名前。
また、
serverNode パラメーターもあわせて指定する必要があります。
(必須)
- -memberWeight
- クラスター・メンバーのウェイト。ウェイトは、アプリケーション・サーバーに向けられる作業の量を制御します。
ウェイトが他のクラスター・メンバーに割り当てられているウェイトよりも大きい場合、
サーバーは、より大きなシェアのワークロードを受け入れます。
値は 0 から 100 までの数です。指定がない場合の
デフォルトは 2 です (オプション)。
- -nodeGroup
- このクラスター・メンバーのノード、および将来のすべてのクラスター・メンバーのノードが属する必要があるノード・グループの名前。
クラスター・メンバーはすべて、同じノード・グループ内のノード上に存在する必要があります。
指定する場合は、このメンバーのノードが属するノード・グループのいずれかになります。指定しない場合、このメンバーのノードに最初にリストされたノード・グループがデフォルト値になります。
(オプション)
- -replicatorEntry
- 変換されたメンバーのレプリケーター・エントリーが、
クラスターの複製ドメインに作成されるように指定します。レプリケーター・エントリーは、
HTTP セッション・データ複製の提供に使用されます。
値は true または false で、それによって、レプリケーター・エントリーを作成するかどうかを指示します。
デフォルト値は false です。このパラメーターが指定できるのは、
replicationDomain コマンド・ステップで createDomain パラメーターを true に設定した場合に限られます。
(オプション)
例
バッチ・モードの使用例:
Jacl を使用:
$AdminTask createCluster { -clusterConfig {{cluster1 true}}}
$AdminTask createCluster { -clusterConfig {{cluster1 true}} -replicationDomain {{true}}}
$AdminTask createCluster { -clusterConfig {{cluster1 true}}
-convertServer {{node1 server1 "" "" ""}}}
Jython ストリングを使用:
AdminTask.createCluster('[-clusterConfig [[cluster1 true]]]')
AdminTask.createCluster('[-clusterConfig [[cluster1 true]]
-replicationDomain [[true]]]')
AdminTask.createCluster('[-clusterConfig [[cluster1 true]]
-convertServer [[node1 server1 "" "" ""]]]')
対話モードの使用例:
Jacl を使用:
$AdminTask createCluster {-interactive}
Jython ストリングを使用:
AdminTask.createCluster ('[-interactive]')
createClusterMember
createClusterMember は、
サーバー・クラスターのメンバーを作成するコマンドです。
クラスター・メンバーは、クラスターに属するアプリケーション・サーバーです。
これがこのクラスターの最初のメンバーである場合は、
そのクラスター・メンバーのモデルに使用するテンプレートを指定する必要があります。
テンプレートは、
デフォルトのサーバー・テンプレートでも、既存のアプリケーション・サーバーでもかまいません。
ターゲット・オブジェクト
クラスター・オブジェクト ID - 新規メンバーが所属するクラスターの
構成オブジェクト ID。構成 ID を指定しない場合は、clusterName パラメーターを指定する必要があります。WebSphere
Application Server ConfigService API 使用の Java 経由または
AdminConfig オブジェクト使用の wsadmin スクリプト経由で、オブジェクト
名がプログラマチックに得られます。
パラメーターおよび戻り値
- -clusterName
- 新規のメンバーが所属するクラスターの名前。このパラメーターを指定しない場合は、コマンド・ターゲットにクラスター・オブジェクト ID を指定する必要があります。
- -genUniquePorts
- サーバーに定義された各 HTTP トランスポートに固有のポート番号を生成します。
新規サーバーの HTTP トランスポートが、同じノード上に定義されている他のサーバーと競合することはありません。
値は true または false です。デフォルト値は true です。
- -replicatorEntry
- 新規クラスター・メンバーのレプリケーター・エントリーが、
クラスターの複製ドメインに作成されるように指定します。レプリケーター・エントリーは、
HTTP セッション・データ複製の提供に使用されます。このコマンド・パラメーターはオプションです。
値は true または false で、それによって、エントリーを作成するかどうかを指示します。
デフォルト値は false です。このパラメーターは、
そのクラスターで複製ドメインが作成されていない場合にのみ指定できます。
- -templateName
- 新規クラスター・メンバーの作成時に使用するアプリケーション・サーバー・テンプレートの名前。
テンプレートを指定する場合、templateServerNode パラメーターおよび templateServerName パラメーターを指定すると、
既存のアプリケーション・サーバーをテンプレートに使用することはできません。
このステップでは、templateName パラメーターを指定するか、
templateServerNode および templateServerName パラメーターを指定するかのどちらかが必要です。
- -templateServerNode
- 新規クラスター・メンバーの作成時にテンプレートとして使用する既存アプリケーション・サーバーを含むノードの名前。
templateServerNode パラメーターを指定した場合は、
templateServerName パラメーターも指定する必要があります。また、
templateName パラメーターは指定できません。このステップでは、templateName パラメーターを指定するか、
templateServerNode および templateServerName パラメーターを指定するかのどちらかが必要です。
- -templateServerName
- 新規クラスター・メンバーの作成時にモデルとして使用する既存アプリケーション・サーバーの名前。
templateServerName パラメーターを指定した場合は、
templateServerNode パラメーターも指定する必要があります。また、
templateName パラメーターは指定できません。このコマンド・ステップでは、templateName パラメーターを指定するか、
templateServerNode および templateServerName パラメーターを指定するかのどちらかが必要です。
- -nodeGroup
- このクラスター・メンバーのノード、および将来のすべてのクラスター・メンバーのノードが属する必要があるノード・グループの名前。
クラスター・メンバーはすべて、同じノード・グループ内のノード上に存在する必要があります。
このパラメーターはオプションです。指定する場合は、このメンバーのノードが属するノード・グループのいずれかになります。指定しない場合、このメンバーのノードに最初にリストされたノード・グループがデフォルト値になります。
- -coreGroup
- このクラスター・メンバー、
および将来のすべてのクラスター・メンバーが属する必要があるコア・グループの名前。
すべてのクラスター・メンバーは、同じコア・グループに属していなければなりません。このパラメーターはオプションです。
指定しない場合、デフォルト値は、セルで定義されたデフォルトのコア・グループです。
例
バッチ・モードの使用例:
Jacl を使用:
最初のメンバーの作成 (テンプレート名を使用):
$AdminTask createClusterMember {-clusterName cluster1 -memberConfig {{node1 member1 "" "" true false}} -firstmember {{ serverTemplateName "" "" "" ""}}}
最初のメンバーの作成 (サーバーおよびノードをテンプレートに使用):
$AdminTask createClusterMember {-clusterName cluster1 -memberConfig {{node1 member1 "" "" true false}} -firstmember {{ "" node1 server1 "" ""}}}
2 番目のメンバーの作成:
$AdminTask createClusterMember {-clusterName cluster1 -memberConfig {{node1 member2 "" "" true false}}}
Jython ストリングを使用:
最初のメンバーの作成 (テンプレート名を使用):
AdminTask.createClusterMember('[-clusterName cluster1 -memberConfig [[node1 member1 "" "" true false]] -firstMember [[serverTemplateName "" "" "" ""]]]')
最初のメンバーの作成 (サーバーおよびノードをテンプレートに使用):
AdminTask.createClusterMember('[-clusterName cluster1 -memberConfig [[node1 member1 "" "" true false]] -firstMember [["" node1 server1 "" ""]]]')
2 番目のメンバーの作成:
AdminTask.createClusterMember('[-clusterName cluster1 -memberConfig [[node1 member2 "" "" true false]]]')
Jython ストリングを使用:
最初のメンバーの作成 (テンプレート名を使用):
AdminTask.createClusterMember('[-clusterName cluster1 -memberConfig [[node1 member1 "" "" true false]] -firstMember [[serverTemplateName "" "" "" ""]]]')
最初のメンバーの作成 (サーバーおよびノードをテンプレートに使用):
AdminTask.createClusterMember('[-clusterName cluster1 -memberConfig [[node1 member1 "" "" true false]] -firstMember [["" node1 server1 "" ""]]]')
2 番目のメンバーの作成:
AdminTask.createClusterMember('[-clusterName cluster1 -memberConfig [[node1 member2 "" "" true false]]]')
最初のメンバーの作成 (サーバーおよびノードをテンプレートに使用):
AdminTask.createClusterMember(['-clusterName', 'cluster1',
'-memberConfig', [['node1', 'member1', "" "", 'true', 'false']],
'-firstMember', [["", 'node1', 'server1', "" ""]]])
2 番目のメンバーの作成:
AdminTask.createClusterMember(['-clusterName', 'cluster1',
'-memberConfig', [['node1', 'member2', "" "", 'true', 'false']]])
対話モードの使用例:
Jacl を使用:
$AdminTask createClusterMember {-interactive}
Jython ストリングを使用:
AdminTask.createClusterMember ('[-interactive]')
deleteCluster
deleteCluster は、サーバー・クラスターの構成を削除するコマンドです。
サーバー・クラスターは、
クラスター・メンバーと呼ばれるアプリケーション・サーバーのグループで構成されています。サーバー・クラスターが削除されると、
そのメンバーもすべて削除されます。
deleteClusterMember コマンドは、
個々のクラスター・メンバーの構成を削除する場合にも使用します。
ターゲット・オブジェクト
クラスター・オブジェクト ID - 削除されるクラスターの
構成オブジェクト ID。クラスターのオブジェクト ID を指定しない場合は、
clusterName パラメーターを指定しなければなりません。オブジェクト名は、
WebSphere ConfigService API による Java 経由で、あるいは AdminConfig オブジェクトによる wsadmin スクリプト経由で、
プログラマチックに取得することができます。
パラメーターおよび戻り値
- -clusterName
- 削除されるクラスターの名前。このパラメーターを指定しない場合は、
コマンド・ターゲットでクラスター・オブジェクト ID を指定する必要があります。
例
バッチ・モードの使用例:
Jacl を使用:
$AdminTask deleteCluster { -clusterName cluster1 }
$AdminTask deleteCluster { -clusterName cluster1 -replicationDomain {{true}}}
Jython ストリングを使用:
AdminTask.deleteCluster('[-clusterName cluster1]')
AdminTask.deleteCluster('[-clusterName cluster1 -replicationDomain [[true]]]')
対話モードの使用例:
Jacl を使用:
$AdminTask deleteCluster -interactive
Jython ストリングを使用:
AdminTask.deleteCluster ('[-interactive]')
deleteClusterMember
deleteClusterMember は、クラスター・メンバーの構成を削除するコマンドです。
クラスター・メンバーは、サーバー・クラスターに属するアプリケーション・サーバーです。
deleteCluster コマンドは、
クラスターの構成を削除する場合にも使用します。
ターゲット・オブジェクト
メンバー・オブジェクト ID - 削除されるクラスター・メンバーの
構成オブジェクト ID。これを指定しない場合は、clusterName、memberNode、
memberName の各パラメーターを指定しなければなりません。オブジェクト名は、
WebSphere ConfigService API による Java 経由で、あるいは AdminConfig コマンドによる wsadmin スクリプト経由で、
プログラマチックに取得することができます。
パラメーターおよび戻り値
- -clusterName
- 削除するメンバーが所属するクラスターの名前。このパラメーターを指定した場合は、
memberName パラメーターと memberNode パラメーターも指定してください。
このパラメーターを指定しない場合は、
コマンド・ターゲットでメンバー・オブジェクト ID を指定する必要があります。
- -memberName
- クラスターから削除するメンバーのサーバー名。このパラメーターを指定した場合は、
clusterName パラメーターと memberNode パラメーターも指定してください。
このパラメーターを指定しない場合は、
コマンド・ターゲットでメンバー・オブジェクト ID を指定する必要があります。
- -memberNode
- 削除されるクラスター・メンバーが含まれているノードの名前。
このパラメーターを指定した場合は、
memberName パラメーターと clusterName パラメーターも指定してください。
このパラメーターを指定しない場合は、
コマンド・ターゲットでクラスター・メンバー・オブジェクト ID を指定する必要があります。
- -replicatorEntry
- このクラスター・メンバーのレプリケーター・エントリーの除去を指定します。
このコマンド・ステップはオプションです。このステップで指定できるパラメーターは以下のとおりです。
- -deleteEntry
- このクラスター・メンバーの名前を含むレプリケーター・エントリーを、
クラスターの複製ドメインから削除します。
このパラメーターはオプションです。値は true または false で、それによって、
レプリケーター・エントリーを削除するかどうかを指示します。
デフォルト値は false です。
例
バッチ・モードの使用例:
Jacl を使用:
$AdminTask deleteClusterMember {-clusterName cluster1 -memberNode node1 -memberName member1}
$AdminTask deleteClusterMember {-clusterName cluster1 -memberNode node1
-memberName member2 -replicatorEntry {{true}}}
Jython ストリングを使用:
AdminTask.deleteClusterMember('[-clusterName cluster1 -memberNode node1 -memberName member1]')
AdminTask.deleteClusterMember('[-clusterName cluster1 -memberNode node1
-memberName member2 -replicatorEntry [[true]]]')
対話モードの使用例:
Jacl を使用:
$AdminTask deleteClusterMember -interactive
Jython ストリングを使用:
AdminTask.deleteClusterMember ('[-interactive]')