このバージョンには、アプリケーション開発者用の多くの新規フィーチャーおよび変更フィーチャーが含まれています。
開発に関する最大の改良点は、J2EE 1.4 仕様のサポートによって、最新の Java テクノロジーを 利用できるようになったことです (Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) 仕様 を参照してください)。WebSphere Application Server Express を含むすべてのエディションは、J2EE 1.4 に準拠しています。
もう 1 つの大きな変更点は、 すべての WebSphere Application Server エディションに、従来は特定のエディションでのみ使用可能であった、 複数の WebSphere プログラミング・モデル拡張機能が組み込まれたことです。 使用可能な拡張機能に関する最初の参考資料として、WebSphere プログラミング拡張についての学習 を参照してください。
また、アプリケーションのデプロイ (特に更新済みアプリケーションまたはモジュールの再デプロイ) は以前と比べて非常に簡単になりました。 デプロイに関する新機能については、管理者用の新機能 を参照してください。
非推奨のフィーチャーと除去されたフィーチャー では、 このリリースまたは将来のリリースで差し替えまたは廃止されるフィーチャーについて説明しています。
Web サービス | この製品は、より自動化された、ハンド・コーディング部分の少ない クロスプラットフォーム・コンピューティングを可能にする Web サービス標準のサポートを支援する主力製品です。 標準のサポートには、Web サービス間の通信を認証する WS-Security、Web サービス・トランザクションの一貫した 配信を保証するために設計された WS-Transaction が含まれます。また、この製品は、Web サービス・ソリューションの統合 をサポートする相互運用可能な Web サービスの開発用に、WS-I Basic Profile 1.1 をサポートします。 タスクの概説: Web サービス・アプリケーションのインプリメント を参照してください。 |
Enterprise Bean は RMI-IIOP を使用して Web サービス・クライアントから起動可能 | WebSphere Application Server バージョン 6.0.x は、HTTP または Java Message Service (JMS) を使用してサーバーとクライアント間で要求をトランスポートする代わりに、Web サービスとして Enterprise JavaBean (EJB) に直接アクセスできるようにします。 Java API for XML-based Remote Procedure Call (JAX-RPC) は、 リモート・プロシージャー・コールを介して Web サービスを呼び出すための Java 標準 API です。 トランスポートは、インターネット経由で通信するためにプログラム言語によって使用されます。SOAP および Remote Method Invocation (RMI) などのトランスポートとともにプロトコルを使用して、Web サービスを呼び出すことができます。 バージョン 6.0.x では、Remote Method Invocation over Internet Inter-ORB Protocol (RMI-IIOP) および JAX-RPC を使用して、非 SOAP バインディングをサポートできます。RMI-IIOP を JAX-RPC とともに使用すると、WebSphere Java クライアントは、 標準の J2EE プログラミング・モデルを使用する代わりに、WSDL ファイルと JAX-RPC プログラミング・モデルを使用して、Enterprise Bean を呼び出すことができます。 EJB が Web サービスをインプリメントすると、マルチプロトコル JAX-RPC により、 Web サービスの起動パスを WebSphere Java クライアントに最適化できます。 SOAP ベース・プロトコルの代わりに RMI/IIOP プロトコルを使用すると、より優れたパフォーマンスが得られ、 Web サービスの標準でない、クライアント・トランザクションに対するサポートを取得することができます。利点としては、メッセージの送受信に XML 処理が必要とされないことなどがあります。代わりに、Java シリアライゼーションが使用されます。 クライアント JAX-RPC 呼び出しは、ユーザー・トランザクションに 参加することができます (SOAP を使用する場合は除く)。 詳しくは、Web サービス・クライアントから EJB を起動するための WSDL EJB バインディングの使用 を参照してください。 |
JSR-101 および JSR-109 プログラミング・モデルに対する新規拡張機能 | WebSphere Application Server バージョン 6.0.x には、Java Specification Request JSR-101 および JSR-109 クライアント・プログラミング・モデルに対する拡張機能があります。
これらの拡張機能は、次のとおりです。
詳しくは、JAX-RPC に対する拡張および J2EE クライアント・プログラミング・モデルの Web サービスのインプリメント を参照してください。 |
エミッター・ツール Java2WSDL および WSDL2Java で使用されるオプションの更新 | Java2WSDL コマンドは、Java API for XML-based remote procedure call (JAX-RPC) 1.1 仕様に従って 、Java クラスを Web サービス記述言語 (WSDL) ファイルにマップします。Java2WSDL コマンドは、Java クラスを入力として受け入れ、入力クラスを表す WSDL ファイルを生成します。 出力場所にファイルが存在する場合、そのファイルは上書きされます。Java2WSDL コマンドによって生成される WSDL ファイルには、入力クラスから自動的に派生する WSDL と XML の スキーマ構造が含まれています。これらのデフォルト値は、コマンド行引数でオーバーライドできます。 Java2WSDL コマンドはプロトコルに依存しません。Java2WSDL コマンドを実行するときに、WSDL ファイルで、 SOAP および非 SOAP の両方のプロトコル・バインディングを生成するコマンド行オプションを指定できます。生成可能なバインディングごとに、Java2WSDL コマンドには、WSDL を生成するバインディング・ジェネレーターがあります。 新規オプション: Java2WSDL コマンドの -bindingTypes オプションを使用して、 非 SOAP プロトコル・バインディングを含む WSDL ファイルを作成します。 -bindingTypes オプションは、WSDL 文書の出力に書き込まれるバインディング・タイプを指定します。 -bindingTypes オプションの使用に関する詳細は、Java2WSDL の項目を参照してください。 Java API およびデプロイメント記述子テンプレートを作成する場合は、Web サービス記述言語 (WSDL) ファイルに対して WSDL2Java コマンドを実行します。WSDL ファイルは Web サービスを記述します。 Java API for XML-based remote procedure call (JAX-RPC) 1.1 仕様は、Web サービスと相互作用する Java API マッピングを定義します。 Java Specification Requirements (JSR) 109 1.1 仕様は、Java 2 Platform Enterprise Edition (J2EE) 環境に Web サービスをデプロイするデプロイメント記述子を定義します。これらの仕様に従って Java API およびデプロイメント記述子テンプレートを作成する場合は、WSDL ファイルに対して WSDL2Java コマンドを実行します。 詳しくは、 JAX-RPC アプリケーションの Java2WSDL コマンド およびJAX-RPC アプリケーション用の WSDL2Java コマンド を参照してください。 |
Web サービス・アプリケーションの追加の HTTP トランスポート・プロパティー | JVM カスタム・プロパティーは、Web サービス HTTP アウトバウンド接続用の接続プールを管理する場合に使用できます。 接続の確立は、コストのかかる処理です。接続プールを使用すると、接続の作成および切断のオーバーヘッドが回避されて、 パフォーマンスが向上します。アプリケーションが HTTP トランスポートを介して Web サービスを呼び出すと、 Web サービスの HTTP アウトバウンド・コネクターは接続プールから既存の接続を検索して、使用します。 応答が受信されると、コネクターは接続を接続プールに戻して、再利用します。 接続の作成および切断のオーバーヘッドが回避されます。 管理コンソールの JVM カスタム・プロパティー・パネルを使用した追加の HTTP トランスポート・プロパティーの構成 を参照してください。 |
J2EE 1.4 サポート | J2EE 1.4 仕様サポートは、この製品のプログラミング・モデルの基礎です。 これにより、Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) 仕様 で説明されているように、 最新の Java テクノロジーを利用できます。 |
WebSphere 拡張機能 | このエディションの製品で、さらにいくつかの WebSphere 拡張機能が 使用できるようになりました。各拡張機能の最初の参考資料として、 WebSphere プログラミング拡張についての学習 を参照してください。WebSphere アプリケーションについての学習: 概説および新規機能 の WebSphere 拡張機能のセクションも参照してください。 |
64 ビット・サポートは、JNI を使用したアプリケーションに影響を与える可能性がある | WebSphere Application Server は、64 ビット環境をサポートしています。 ほとんどの J2EE アプリケーションにとって、64 ビット環境のサポートは関係ありません。 ただし、Java Native Interface (JNI) コードを使用するアプリケーションには関係します。 JNI コードを使用しているアプリケーションは、デプロイメントの後に開始しない可能性があります。 JNI を使用すると、仮想マシンで実行されている Java コードが、C、C++、アセンブリーといった 他の言語で書かれたアプリケーションおよびライブラリーと作動できるようになります。ご使用の J2EE アプリケーション が 32 ビット環境で JNI を使用する場合、コードを 64 ビット環境で再コンパイルする必要があります。JNI 仕様はバージョンごとに変更されることがあるため、コンパイルの後に JNI 呼び出しが異なる場合があります。 |
シリアライズされたクラスに明示的バージョン管理を課す処理のために追加された serialVersionUID (SUID) | シリアライズ可能インターフェースをインプリメントするクラスには、
serialVersionUID (SUID) が追加されて、Java シリアライゼーションに明示的バージョン管理を課すようになりました。serialVersionUID は、クラスによるストリームの書き込み、
およびそこからのクラスの読み取りも可能な固有のオリジナル・クラス・バージョンを識別します。
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implfactory.properties の機能が、移動しました。 | WebSphere Application Server バージョン 5 の app_server_root/profiles/profile_name/properties/implfactory.properties ファイルは、 バージョン 6 で除去され、その機能は runtime.jar ファイル の META-INF/impl-factory.xml に移されました。 このプロパティーのアクセス許可 は、META-INF/impl-factory.xml を使用して 設定するようになりました。 |
サービス・データ・オブジェクト (SDO) | Introduction to Service Data Objects で説明されているように、 SDO フレームワークによって J2EE データ・プログラミング・モデルはより単純になるため、 ユーザーはアプリケーションのビジネス・ロジックに集中することができます。 Service DataObjects によるデータ・アクセス を参照してください。 |
簡単なデプロイメント | アプリケーションのデプロイ (特に更新済みアプリケーションまたは モジュールの再デプロイ) は以前と比べて非常に簡単になりました。 デプロイに関する新機能については、管理者用の新機能 を参照してください。 |
Application Server Toolkit へのアップデート | Application Server Toolkit には以下の機能があります。
アセンブリー・ツール を参照してください。 |