トランスポート・チェーンは、アプリケーション・サーバー環境での入出力操作に使用されるネットワーク・プロトコル・スタックを表します。
トランスポート・チェーンは、
すべてのコンポーネントに共通ネットワーク・サービスを提供する、
チャネル・フレームワーク機能の一部です。
トランスポート・チェーンは、1 つ以上のタイプのチャネルで構成されており、
そのそれぞれが異なるタイプの I/O プロトコル (TCP、DCS、HTTP など) をサポートしています。
ネットワーク・ポートは、チェーン内のすべてのチャネルで共用できます。
チャネル・フレームワーク機能は、そのポートに着信する要求を、
処理のために適切な I/O プロトコル・チャネルに自動的に配分します。
トランスポート・チェーン構成設定により、そのチェーンでサポートされる I/O プロトコルが決定されます。
以下のチャネルは、比較的共通なタイプのチャネルです。
トランスポート・チェーンには、特定のカスタマーや環境に固有の要件をサポートするカスタム・チャネルも追加できます。
- HTTP インバウンド・チャネル
- リモート・サーバーとの通信を使用可能にします。
HTTP 1.0 および 1.1 規格を実装し、他のチャネル (Web コンテナー・チャネルなど) により使用され、
HTTP 要求を処理し、このタイプの情報を待っているサーブレットへ HTTP 固有の情報を送信します。
- HTTP トンネル・チャネル
- ファイアウォールによりブロックされているか、(認証を含む) HTTP プロキシー・サーバーが必要か、またはその両方のリモート・ホストへの持続的な HTTP 接続をクライアント・アプリケーションに提供するために使用されます。
HTTP トンネル・チャネルにより、リモート・サーバーに送受信される HTTP 要求または応答の本体で、アプリケーション・データの交換が可能になります。
また、HTTP トンネル・チャネルにより、クライアント・サイド・アプリケーションが、クライアントからデータを送信するか、アプリケーション・サーバーからデータを受信するかのいずれかを行うため、リモート・ホストをポーリングし、HTTP 要求を使用することが可能になります。
いずれの場合も、クライアントおよびアプリケーション・サーバーの両方とも、HTTP がデータ交換に使用されているとは認識しません。
- JFAP チャネル
- サービス統合バス上に JMS リソースへの接続を作成するため、Java Message Service (JMS) サーバーにより使用されます。
- MQ チャネル
- WebSphere MQ サポートの範囲内で、WebSphere システム統合バスと WebSphere MQ クライアントまたはキュー・マネージャーとの間の通信を容易にするため、TCP チャネルなど、他のチャネルと組み合わせて使用されます。
- SSL チャネル (SSL channel)
- Secure Sockets Layer (SSL) 構成レパートリーをトランスポート・チェーンに関連付けするために使用されます。
このチャネルは、そのトランスポート・チェーンに SSL サポートが使用可能に設定されている場合にのみ、使用可能です。
SSL 構成レパートリーは、管理コンソールのセキュリティーの下の「SSL 構成レパートリー」>「SSL 構成レパートリー」ページで定義されます。
- TCP チャネル
- ノードが Transmission Control Protocol (TCP) を使用してネットワークから情報を検索
するときに、ローカル・エリア・ネットワーク (LAN) での持続接続をクライアント・アプリケーションに提供するために使用されます。
- Web コンテナー・チャネル
- HTTP インバウンド・チャネル、
およびサーブレットと JavaServer Page (JSP)
エンジンの間のトランスポート・チェーンにブリッジを作成するために使用されます。