WebSphere Application Server, Version 6.0.x   
             オペレーティング・システム: AIX , HP-UX, Linux, Solaris, Windows

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WebSphere Application Server でのトランザクション・サポート

このトピックでは、Transaction Service of WebSphere Application Server が提供するトランザクションのサポートに関する概念的な情報を提供します。

トランザクションとは、内部でリソースに対する複数の更新を、アトミックに (不可分の作業単位として) 行うことができるアクティビティーの単位です。 この場合、すべての更新が永続的に行われるか、または永続的な更新が全く行われないかのいずれかです。 例えば、SQL COMMIT ステートメントの処理中に、データベース・マネージャーは複数の SQL ステートメントをリレーショナル・データベースにアトミックにコミットします。この場合、トランザクションは、全体がデータベース・マネージャー内に含まれ、 リソース・マネージャー・ローカル・トランザクション (RMLT) であると考えることができます。 コンテキストによっては、 トランザクションが作業論理単位 (LUW) と呼ばれる場合もあります。 トランザクションに複数のリソース・マネージャー、 例えば複数のデータベース・マネージャーが含まれる場合、外部トランザクション・マネージャーは個別のリソース・マネージャーを調整する必要があります。複数のリソース・マネージャーにわたるトランザクションはグローバル・トランザクション と呼ばれます。WebSphere Application Server は、グローバル・トランザクションを調整し、受け取ったグローバル・トランザクションの参加プログラムになれるトランザクション・マネージャーであり、 リソース・マネージャー・ローカル・トランザクションを実行できる環境を提供します。

アプリケーションがトランザクションを使用する方法は、 以下のように、アプリケーション・コンポーネントのタイプによって異なります。

WebSphere Application Server は、 その XAResource インターフェースを介してリソース・マネージャーの調整をサポートするトランザクション・マネージャーであり、 CORBA Object Transaction Service (OTS) protocol または Web Service Atomic Transaction (WS-AtomicTransaction) protocol をサポートするトランザクション・マネージャーとともに、分散グローバル・トランザクションに参加します。 WebSphere Application Server はまた、J2EE コネクター 1.5 リソース・アダプターを介してインポートされたトランザクションに参加します。 分散トランザクションの調整が必要でない場合、 ローカル・トランザクション・サポートを介して、 データベース、JMS キュー、および JCA コネクターと 対話するように、WebSphere アプリケーションを構成することもできます。

トランザクション・サポートを提供するリソース・マネージャーは、 2 フェーズの調整をサポートするもの (XAResource インターフェースの提供による) と、 1 フェーズのみの調整をサポートするもの (例えば、LocalTransaction インターフェースによる) に分類できます。 WebSphere Application Server トランザクション・サポートは、トランザクション内で、 任意の数の 2 フェーズ対応のリソース・マネージャーを調整できます。 これにより、他にリソース・マネージャーがない場合でも、 単一の 1 フェーズ対応のリソース・マネージャーをトランザクション内で使用することも可能になります (この場合、WebSphere トランザクションは必要ありません)。

通常の環境では、1 フェーズ・コミット対応リソースと 2 フェーズ・コミット対応リソースを、 同一のグローバル・トランザクション内で混用することはできません。 これは、1 フェーズ・コミット・リソースが、 準備フェーズの 2 フェーズ・コミットをサポートできないためです。 以下は、混用対応リソースを同一のグローバル・トランザクションに組み込むことが可能な特殊な環境です。

ActivitySession サービスは、 グローバル・トランザクション・コンテキストによって提供される作業単位 (UOW) 有効範囲の、代替となる作業単位有効範囲を提供します。 分散コンテキストが、複数の 1 フェーズ・リソース・マネージャーを調整するために使用できます。WebSphere EJB コンテナーおよびデプロイメント・ツールは、 J2EE プログラミング・モデルへの拡張として ActivitySessions をサポートします。 EJB は、トランザクション・コンテキストへの代替として、 ActivitySession コンテキストの影響を受けるようなライフ・サイクルでデプロイできます。 次に、アプリケーションは、単なる EJB メソッドの存続期間ではなく、 クライアントを有効範囲とした ActivitySession の期間中、 リソース・マネージャーと対話し、リソース・マネージャーのローカル・トラ ンザクションの結果を ActivitySession によって送信させることができます。ActivitySessions について詳しくは、ActivitySession サービスの使用を参照してください。




サブトピック
RMLT
グローバル・トランザクション
ローカル・トランザクション内包
ローカル・トランザクションおよびグローバル・トランザクションの考慮事項
トランザクションのクライアント・サポート
拡張 JTA サポート
Web サービス - Atomic Transaction for WebSphere Application Server
関連概念
同一トランザクション内での 1 フェーズ・コミットおよび 2 フェーズ・コミット・リソースへのアクセスの調整
ActivitySession サービス
関連タスク
WebSphere アプリケーションによるトランザクションの使用
関連資料
トランザクションのトラブルシューティングのヒント
関連情報
Java Transaction Service (JTS)、http://java.sun.com/products/jts/
Java Transaction API (JTA)、http://java.sun.com/products/jta/
Web Service Atomic Transactions (WS-AtomicTransactions)
J2EE Connector Architecture 1.5
CORBA Object Transaction Service (OTS)
概念トピック    

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最終更新: Jan 22, 2008 12:07:38 AM EST
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v6r0/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.base.doc/info/aes/ae/cjta_trans.html