アプリケーション・サーバーにインストールしたアプリケーションを開始するには、そのアプリケーションで定義されたすべてのエンタープライズ Bean (EJB) 参照およびリソース参照が、アプリケーション・サーバーで定義された実際の成果物 (エンタープライズ Bean またはリソース) にバインドされている必要があります。
バインディングを定義する場合、アプリケーションの参照可能および参照済みの成果物に対し、Java Naming and Directory Interface (JNDI) 名を指定します。 成果物に対して指定された jndiName 値は、 修飾ルックアップ名 でなければなりません。参照可能な成果物の例として、アプリケーションで定義済みの EJB があります。 参照済みの成果物の例として、アプリケーションによって使用される EJB またはリソース参照があります。 バインディング定義は、アプリケーションの ibm-xxx-bnd.xmi ファイルに保管されます。 ここで、xxx は ejb-jar、web、application、または application-client の場合があります。
このトピックでは、バインディングについて以下のことを説明します。
以下の場合にバインディングを定義できます。
アプリケーション開発者は、IBM Rational 開発ツールなどのツールを使用して、バインディング定義を ibm-xxx-bnd.xmi ファイルに作成できます。 その後、開発者は、 バインディングされたエンタープライズ・ アプリケーション (.ear ファイル) を アプリケーション・アセンブラーまたはデプロイヤーに提供します。 アプリケーションをアセンブルする場合、アセンブラーはバインディングを変更しません。 同様に、WebSphere Application Server で サポートされているサーバー上に、 アプリケーションをインストールする場合、 バインディングへの変更がアプリケーションの 正常なデプロイメントに必要でないかぎり、 デプロイヤーは、バインディングの変更やオーバーライド、 またはデフォルトのバインディングの生成を行いません。
アプリケーションのデプロイメント記述子を変更する際に、 アプリケーション・アセンブラーによって、 バインディングを定義できます。 バインディングは、デプロイメント記述子エディターの WebSphere Bindings セクションで指定します。 デプロイメント記述子を変更すると、 アプリケーションのデプロイ時に 作成された ibm-xxx-bnd.xmi ファイル 内のバインディング定義も、変更される場合があります。 バインディングの定義後、 アセンブラーはアプリケーションをデプロイヤーに渡します。 WebSphere Application Server で サポートされているサーバー上に、 アプリケーションをインストールする場合、 バインディングへの変更がアプリケーションの 正常なデプロイメントに必要でないかぎり、 デプロイヤーは、バインディングの変更やオーバーライド、 またはデフォルトのバインディングの生成を行いません。
デプロイメント記述子の編集を 参照してください。
アプリケーションのデプロイヤーまたはサーバー管理者は、管理コンソールを使用して WebSphere Application Server でサポートされたサーバー上にアプリケーションをインストールする場合に、バインディングを変更できます。 新規のバインディング定義は、インストール・ウィザードのページで指定できます。
デプロイヤーまたは管理者が、アプリケーション・インストールの間に既存バインディングのオーバーライドまたはデフォルト・バインディングの作成を選択した場合は、デフォルト・バインディングがアプリケーションに割り当てられ、新規バインディングはコンソールを使用して指定する必要があります。
アプリケーションのインストール中に 「デフォルト・バインディングの生成」を 選択すると、 そのアプリケーション内の不完全なバインディングが、 すべてデフォルト値で埋められます。 既存のバインディングは変更されません。
アプリケーションが WebSphere Application Server でサポートされたサーバー上にインストールされると、アプリケーション・デプロイヤーまたはサーバー管理者は、エンタープライズ・アプリケーションの設定ページから使用する管理コンソール・ページなどで値を変更することにより、バインディングを変更できます。
アプリケーションを正常にデプロイするには、以下の成果物への参照に対してバインディングを定義する必要があります。
アプリケーションのインストール時に、デプロイヤーが デフォルト・バインディングの生成を 選択した場合は、 インストール・ウィザードにより、prefix/EJB_name という フォームを持つ EJB JNDI 名が、 不完全なバインディングに割り当てられます。 デフォルトの接頭部は ejb ですが、オーバーライドすることができます。 EJB_name は、デプロイメント記述子の <ejb-name> タグにおける指定と同様です。
アプリケーションのインストール中およびその後に、EJB JNDI 名を「Bean の JNDI 名の提供」パネルで指定できます。 インストール後に、管理コンソールで >「EJB JNDI 名」とクリックします。
例えば、Store アプリケーションの Store データ・ソースに対する JNDI 名は、store/jdbc/store になります。 バインディング定義は、ibm-ejb-jar-bnd.xmi などの IBM バインディング・ファイルに保管されます。 デプロイヤーは、認証がコンテナーで処理されるか、またはアプリケーション・レベルで処理されるかを指定できます。
アプリケーションのインストール中およびインストール後に、「2.x CMP Bean データ・ソース」パネル、および「2.x entity Bean データ・ソース」パネルで 2.x エンティティー Bean にデータ・ソースをマップすることができます。 インストール後に、管理コンソールで と クリックし、次に「2.x CMP Bean データ・ソース」 または「2.x entity Bean データ・ソース」を選択します。 データ・ソースを「Map data sources for all 1.x CMP beans」パネル、および「Provide default data source mapping for modules containing 1.x entity beans」パネルで 1.x エンティティー Bean にマップすることができます。 インストール後に、1.x CMP Bean に対するリンクをクリックする点を除いて 2.x CMP Bean の場合と同様のコンソール・ページを使用します。
アプリケーションのインストールの間に、バックエンド ID を指定します。 アプリケーションをサーバーにインストールした後では、バックエンド ID を選択できません。
個々の EJB モジュールのバックエンド ID を使用可能にするには、以下のステップを実行します。
アプリケーションのインストール中に、 「インストール・ オプションの選択」パネルで「エンタープライズ Bean の デプロイ」を選択し、 「EJB デプロイを行うためのオプションの提供」 パネルで、EJB デプロイメント・ツールのデータベース・タイプを指定すると、 すべての EJB モジュール用にあらかじめ定義されていた バックエンド ID が、選択したデータベース・タイプによって上書きされます。
デフォルトのデータベース・タイプは DB2UDB_V81 です。
それぞれの EJB 参照に対し、JNDI 名を指定する必要があります。 例えば、Store アプリケーションの Supplier EJB 参照に対する JNDI 名は、store/ejb/Supplier になります。 バインディング定義は、ibm-ejb-jar-bnd.xmi などの IBM バインディング・ファイルに保管されます。 参照された EJB が同一のアプリケーション・サーバーにもデプロイされた場合、サーバーを有効範囲とした JNDI 名を指定できます。 ただし、参照された EJB が別のアプリケーション・サーバーにデプロイされた場合、または ejb-ref がアプリケーション・クライアント・モジュールに定義されている場合は、グローバルなセルを有効範囲とした JNDI 名を指定する必要があります。
デプロイヤーが、アプリケーションのインストール時に、デフォルト・バインディングの生成を選択した場合は、インストール・ウィザードにより、以下のように EJB 参照がバインドされます。<ejb-link> が検出された場合は、それに従います。 アプリケーションで 定義された EJB の ejb-name が ejb-ref 名と 一致した場合は、その EJB が選択されます。 それ以外では、固有の EJB が、参照 Bean として、一致するホーム (またはローカル・ホーム) インターフェースとともに検出された場合、 その参照は自動的に解決されます。
アプリケーションのインストール中およびインストール後に、EJB 参照 JNDI 名を「EJB 参照を Bean にマップ」パネルで指定できます。 インストール後に、 管理コンソールでEJB 参照」とクリックします。
>「 詳しくは、EJB 参照
を参照してください。
リソース参照のタイプ | サブコンテキストが宣言される場所 |
Java DataBase Connectivity (JDBC) データ・ソース | java:comp/env/jdbc |
JMS 接続ファクトリー | java:comp/env/jms |
JavaMail 接続ファクトリー | java:comp/env/mail |
Uniform Resource Locator (URL) 接続ファクトリー | java:comp/env/url |
それぞれのリソース参照に対し、JNDI 名を指定する必要があります。 デプロイヤーが、アプリケーションのインストール時に デフォルト・バインディングの生成を選択した場合は、 インストール・ウィザードにより、java:comp/env 名がリソース・グローバル JNDI 名と同じであると想定し、<res-ref-name> タグから得られたリソース参照バインディングが生成されます。
アプリケーションのインストールの間に、リソース参照 JNDI 名を「リソース参照をリソースにマップ」パネルで指定できます。 リソース参照に定義された論理名を表す JNDI 名をリソースに指定します。 オプションで、そのリソースに ログイン構成名および認証プロパティーを指定できます。 認証プロパティーを指定した後に、「OK」をクリックして値を保管し、マッピングのステップに戻ります。 アプリケーションで定義されている各リソース参照は、WebSphere Application Server 構成で定義されているリソースにバインドする必要があります。 インストール後に、 管理コンソールで > 「リソース参照」とクリックし、 「リソース参照」パネルにアクセスします。
アプリケーションのインストール時に、デプロイヤーが デフォルト・ バインディングの生成を選択した場合、 インストール・ウィザードにより、 それぞれの .war ファイルごとに、 仮想ホストが default_host に設定されます。
アプリケーションのインストール中およびインストール後に、アプリケーションで定義された Web モジュールに仮想ホストをマップすることができます。「Web モジュールの仮想ホストをマップ」パネルで、仮想ホストを指定します。仮想ホスト定義で指定されたポート番号は、 Web モジュール内のサーブレットや JSP ファイルなどの成果物にアクセスする場合に URL で使用されます。 例えば、JSP ファイルなどの Web 成果物に対する外部 URL は、http://host_name:virtual_host_port/context_root/jsp_path になります。 インストール後に、 管理コンソールで >「仮想ホスト」とクリックします。
管理コンソールを使用したアプリケーションのインストール中に、 「メッセージ・ドリブン Bean のリスナーをバインド」パネル上で、 すべてのメッセージ駆動型 Bean に対して、 リスナー・ポート名またはアクティベーション・スペック JNDI 名を指定できます。 バージョン 5 デフォルト・メッセージング、WebSphere MQ、または汎用の JMS プロバイダーを使用する場合は、リスナー・ポート名を指定する必要があります。 デフォルト・メッセージング・プロバイダーを使用するか、またはインバウンド・メッセージングをサポートする汎用 J2C リソース・アダプターを使用してアプリケーションのリソースを構成する場合、アクティベーション・スペックを指定する必要があります。 いずれも指定されない場合、 「要約」パネルで「終了」をクリックすると、 検証エラーが表示されます。 また、メッセージ・ドリブン Bean を含むモジュールが 5.x デプロイメント・ターゲットにデプロイされ、リスナー・ポートが指定されていない場合は、「次へ」をクリックすると検証エラーが表示されます。
アプリケーションのインストール後に、非同期メッセージングの使用 を参照してください。
の下、または の下にあるコンソール・ページで、 JNDI 名を指定して、メッセージ駆動型 Bean を構成できます。詳しくは、複数のメッセージ宛先参照が単一のメッセージ宛先リンクに関連付けされている場合、メッセージ宛先リンク、次にリンクされたすべてのメッセージ宛先参照にマップされるエンタープライズ Bean の単一の JNDI 名が、デプロイメント中に収集されます。 実行時に、メッセージ宛先参照は、ターゲット操作環境の管理メッセージ宛先にバインドされます。
メッセージ宛先参照とメッセージ駆動型 Bean が同じメッセージ宛先にリンクされている場合、参照および Bean の両方ともが同じ宛先 JNDI 名である必要があります。両方が同じ名前の場合、メッセージ駆動型 Bean の宛先 JNDI 名だけが収集され、対応するメッセージ宛先参照に適用されます。
デプロイヤーがアプリケーションのインストール時に デフォルト・バインディングの生成を選択した場合は、 インストール・ウィザードにより、以下のように JNDI 名が不完全なメッセージ宛先参照に割り当てられます。 メッセージ宛先参照に <message-destination-link> がある場合、JNDI 名は ejs/message-destination-linkName に設定されます。 それ以外の場合、JNDI 名は eis/message-destination-refName に設定されます。