ヘルス管理の振る舞いは、トランザクション処理または Web 処理と、長時間実行になりがちなビジネス・グリッド・アプリケーション処理とでは異なっています。
状況によっては、長時間実行アプリケーションに対する標準的なヘルス管理の振る舞いが異なることがあります。 例えば、長時間実行アプリケーションは、何時間または何日もの間実行していることがあるので、 動的クラスター・メンバーで処理中のビジネス・グリッドのジョブが完了するまで、サーバーの再始動が遅れます。 ビジネス・グリッド・スケジューラーは、実行環境にジョブを直接実行依頼するので、オンデマンド・ルーター (ODR) または Web コンテナーのデータを使用するいくつかのヘルス・ポリシー条件は適用されません。
ヘルス管理コントローラーがトランザクション・サーバーを管理していて、 動的クラスター内でアクティブになっているサーバーが 1 つしかない場合、コントローラーはサーバーを再始動しません。 ただし、このルールは、ビジネス・グリッド・サーバーについては適用されません。 ビジネス・グリッドが再始動を許可している場合は、アクティブなサーバー・インスタンスの数に関係なく、 ヘルス管理コントローラーは常にサーバーを再始動する必要があります。 ビジネス・グリッドが再始動を許可している場合、 ヘルス管理コントローラーは、再始動に関してビジネス・グリッド・スケジューラーに問い合わせます。 ビジネス・グリッド・スケジューラーは、サーバーを再始動する必要があるかどうかを決定します。
ビジネス・グリッド・スケジューラーは通常、トランザクション・サーバーで実行されるので、 既存のヘルス・ポリシー・アクションが適用されます。
以下のリストは、長時間実行環境サーバーに対する既存のヘルス・ポリシーの処理を説明したものです。 これらのヘルス・ポリシーについて詳しくは、ヘルス・ポリシーの作成を参照してください。
条件のタイプ | 振る舞い |
---|---|
経過日数ベースの条件 |
ビジネス・グリッド・サーバーで実行しているジョブがない場合は、同じノードで再始動が行われます。 ジョブが実行されている場合、ヘルス管理は、ビジネス・グリッド・スケジューラーに条件について問い合わせますが、 サーバーの再始動は行いません。 ビジネス・グリッド・スケジューラーは、サーバーへのジョブのディスパッチを停止して、そのサーバーを静止させます。 ヘルス管理コントローラーは、循環するたびに、経過日数ベースの条件を示し続けます。 サーバー上の最後のジョブが完了すると、ビジネス・グリッド・スケジューラーは、 次回ヘルス管理コントローラーが経過日数ベースの条件を呼び出したときに、同じノードでの再始動を許可します。 |
メモリー条件: 過度のメモリー使用率 メモリー条件: メモリー・リーク |
メモリー条件は経過時間条件よりも重大であると見なされるので、 ビジネス・グリッド・スケジューラーは同じノードでの再始動を許可します。 再始動によって割り込まれたバッチ・ジョブは、新規サーバーが始動したときに自動的に再始動されます。 アクティブな計算主体のジョブは失敗します。 |
過度の要求タイムアウト条件 過度の応答時間条件 ストーム・ドレーンの状態 ワークロード条件 |
ビジネス・グリッド作業の処理中は、これらの条件に関わるセンサーは作動していません。例えば、 セル・レベルにあるビジネス・グリッド・サーバーに適用されるよう、これらのポリシーを構成できます。Web とビジネス・グリッドが混在している構成を使用しているのでない限り、ポリシーは、ビジネス・グリッド・サーバーに対してアクティブにはなりません。 つまり、両方のタイプのアプリケーションとも、単一の動的クラスターにデプロイされます。 混在構成を使用している場合、ヘルス管理コントローラーは、 長時間実行環境サーバーでこれらの状態を検出すると警告メッセージを表示します。Web アプリケーションおよびビジネス・グリッド・アプリケーションを、 異なる動的クラスターにデプロイするという対処法を考慮してください。 |
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