WebSphere Extended Deployment には、アプリケーション・サーバー環境をモニターし、
監視されたデータに基づいて最適化または推奨を行う機能があります。
この機能を動的操作 と呼んでいます。
顧客に不可欠のサービスを配信するアプリケーションの可用性と速度と、ビジネスの関係は、ますます緊密になっています。
可用性の損失はビジネスの損失と言い換えることができ、それは、機会と売上の喪失を意味します。
動的オペレーションは流動的で動的な環境であり、
リソースの仮想化を通したアプリケーションの連続可用性、アプリケーションの動的配置、
アプリケーションの作業の優先順位付けとフロー制御、および総合的な動的オペレーション・インフラストラクチャー管理との統合をサポートします。
標準の WebSphere Application Server 環境では、特定のアプリケーションに専用のリソースの静的な島が時としてあります。
この静的な構造体は、リソースの非効率な使用をもたらします。
サーバーによって、その能力全体を使用しないものもあり、また過負荷になるものもあります。
WebSphere Extended Deployment は、動的オペレーション機能を使用してはるかに柔軟な環境をサポートします。
動的オペレーションは、定義されたビジネス目標を使用して使用効率を最大にするオートノミック・マネージャーで構成されます。
これらのオートノミック・マネージャーはパフォーマンス・メトリックをモニターし、モニタしたデータを分析します。また、アクションを実行する計画を提供し、処理のフローに対応してこれらのアクションを開始させることができます。
WebSphere Extended Deployment は動的オペレーションの機能性の一部として以下のオートノミック・マネージャーを提供します。
- オートノミック要求フロー・マネージャー
- アプリケーション・サーバー層への要求の順序と要求のフローの割合を制御します。
種別および定義済みのサービス目標を使用して、オートノミック要求フロー・マネージャー (ARFM) は次の層に
HTTP 要求をディスパッチする方法と時期を決定します。
また、ARFM は、Internet Inter-ORB Protocol (IIOP) および Java Message Service (JMS) の各要求が ODR によってルーティングされない場合でも、それらの要求がアプリケーション・サーバー層でいつ実行されるかを決定します。
IIOP 要求の場合は、スタンドアロンの Enterprise JavaBeans
(EJB) クライアントのみがサポートされます。
- 動的ワークロード・マネージャー (DWLM)
- 使用可能なアプリケーション・サーバーにロード・バランシングを実行します。特に、
特定の要求フローの場合、DWLM は使用可能なノードでの要求のバランスを取って、応答時間を調整します。
アプリケーション配置コントローラーが実行アプリケーション・インフラストラクチャーを変更した場合、DWLM はアプリケーション状況を動的に更新します。
- アプリケーション配置コントローラー
- HTTP 要求を管理するためにアプリケーション・インスタンスの作成と除去を行います。
アプリケーション配置コントローラーは、ワークフローが激しい期間に動的に対応できます。これを使用しない場合にはシステム管理者の手操作による介入が必要です。
IIOP および JMS 要求の場合は、アプリケーション配置コントローラーによりアプリケーション・サーバー・インスタンスを追加および除去できます。
IIOP 要求の場合は、スタンドアロンの EJB クライアントのみがサポートされます。
- ヘルス管理
- アクションを必要とする基準を確認するためにヘルス・ポリシーを使用して、堅固なアプリケーション・サーバー環境を維持します。
その基準が満たされると、環境の健全性が確実に維持されるようにアクションが取られます。
- Tivoli Intelligent Orchestrator
- Tivoli Intelligent Orchestrator を統合するサポートを提供します。
Tivoli Intelligent Orchestrator は、WebSphere Extended Deployment によって管理される
リソースのプールからマシンを追加および除去するために使用されます。
Tivoli Intelligent Orchestrator への統合により、WebSphere Extended Deployment は
より大きな管理対象の環境への参加プログラムとなることができ、Tivoli Intelligent
Orchestrator は割り振られたリソースで目標が満たされないときに WebSphere Extended Deployment
を支援できます。
オンデマンド・ルーター (ODR) を持つオートノミック・マネージャーは、動的オペレーションの 1 次機能のパーツです。
いかなるサービス・ポリシーをも定義する前に、ODR を定義して始動することができますが、
動作ポリシーは、適用する作業の出現前に定義することが可能です。
しかし、ポリシーが定義されない場合、初期の作業はデフォルト・ポリシーで扱われます。
作業が ODR に入るとき、最適化の努力によってパフォーマンスの結果のバランスが取れます。
ワークフローでは、動的ワークロード・マネージャーがロードのバランスを取ります。
作業の変動が変化し、ノードでの作業のバランスが崩れたとき、アプリケーション配置コントローラー、
オートノミック要求フロー・マネージャー、および動的ワークロード・マネージャーは、ワークフローを効率的にするために、
再度実行中のアプリケーションのバランスを取ります。
Tivoli Intelligent Orchestrator は、アプリケーション配置コントローラーの拡張としてノードのコントロールを提供します。
これらのオートノミック・マネージャーの組み合わせは、シームレスのエンドツーエンド動的ランタイム機能を提供します。