IBM Telephone Directory V5.2 アプリケーションの問題に関するトラブルシューティングを始める前に、以下の点を確認してください。アプリケーションの使用時における一部の共通問題の解決に役立つ場合があります。
アプリケーションの問題がまだ解決しない場合には、以下の情報を使用してください。
セットアップのトラブルシューティング
問題 | 原因 | 解決策 |
「ldap_search: アクセス権が不十分です」というメッセージが表示されて、インストールが失敗する。 | 入力した LDAP サーバー管理者パスワードが誤っています。 | 正しいパスワードを入手するか、またはパスワードを再設定してください。 |
セットアップ・スクリプトが失敗し、以下のメッセージが表示される。 ldap_search: 該当するオブジェクトがありません。 LDAP 設定の確認のエラー 32 | LDAP サーバーに基本 DN が存在していないことで問題が発生する可能性があります。 | 基本の LDAP サーバー構成に問題がある可能性があります。 |
認証のトラブルシューティング
問題 | 原因 | 解決策 |
ログインが失敗する | このアプリケーションでは、ユーザー ID とパスワードに、 HTTP サーバーによって使用されるジョブ CCSID にマップされる文字が含まれている必要があります。そのようにしないと、認証は失敗します。 | 入力した文字が、 HTTP サーバーによって使用されるジョブ CCSID にマップされることを確認してください。 HTTP サーバーのジョブ CCSID を確認するには、 OS/400 コマンド行で WRKACTJOB と入力し、「ジョブ定義属性の表示」を選択します。 HTTP サーバーの CCSID は、HTTP サーバーの defaultFSCCSID ディレクティブで決定されます。詳しくは、『注意と制限』を参照してください。 |
URL が失敗するか、またはアプリケーションが表示されない | IBM Welcome Page アプリケーションを開始していないと、 URL (http://your.server.name:port/ibm-bizApps/welcome-home.do または http://your.server.name:port/ibm-bizApps/welcome-admin.do) は失敗します。また、IBM Welcome Page アプリケーションを開始していて、 IBM Telephone Directory アプリケーションを開始していない場合にも、問題が発生します。 IBM Telephone Directory アプリケーションが実行されていない場合には、 Welcome Page アプリケーションは IBM Telephone Directory アプリケーションにリンクできません。 | IBM Welcome Page アプリケーションと IBM Telephone Directory アプリケーションを開始してください。 |
アプリケーションへの要求が失敗する | WebSphere Application Server に組み込まれている内部 HTTP サーバーを使用して IBM Telephone Directory V5.2 アプリケーションを参照した場合、アプリケーションに対する一部の要求は失敗します。 | アプリケーションを参照するには、関連付けられた IBM HTTP Server を使用しなければなりません。新規アプリケーション・サーバー・インスタンスの作成時に、 LDAP サーバー認証のためのセキュリティー・ディレクティブがセットアップされ、 IBM Telephone Directory アプリケーションで必要となります。 WebSphere Application Server の内部 HTTP サーバーは、必要となるセキュリティー・ディレクティブを使用してセットアップされていないため、内部 HTTP サーバーを使用すると、アプリケーションに対する一部の要求が失敗します。詳しくは『IBM HTTP Server との対話』を参照してください。 |
使用に関するトラブルシューティング
問題 | 原因 | 解決策 |
アプリケーションへのリンクが欠落している | URL http://your.server.name:port/ibm-bizApps/welcome/home.do は、 IBM Telephone Directory V5.2 アプリケーションを始めとする IBM Business Solutions へのエントリー・ポイントです。 | IBM Telephone Directory V5.2 アプリケーションへのリンクが欠落している場合は、IBM Welcome Page アプリケーションと IBM Telephone Directory アプリケーションの両方が開始されていることを確認してください。 |
管理ユーザー ID がわからない | クローズ登録環境で、ユーザー (管理者) が、ユーザーについての更新や登録を行う必要がある場合にアプリケーションへ認証用に入力する必要があるユーザー ID がわからなくなることがあります。 | デフォルトのユーザー ID は Administrator であり、パスワードは、インストール時にセットアップされています。個人のユーザー ID とパスワードは入力しないでください。アプリケーション・ユーザー ID は、常時、誰に対しても表示可能です。エントリーのユーザー ID がわからない場合は、アプリケーションの検索ページを使用してエントリーを探してください。ユーザー ID は、ピクチャーの下に表示されています。 |
検索時または登録時に内部サーバー・エラーが発生する | ユーザーを検索または登録しようとした際に「HTTP 500 - 内部サーバー・エラー」が発生する場合、設定ファイルが壊れている可能性があります。 IBM Telephone Directory V5.2 アプリケーションが、アプリケーションの関連構成ファイルを検出できていない可能性があります。 | IBM Telephone Directory V5.2 アプリケーションを再インストールしてください。 |
検索時にシステム・エラーが発生する | ユーザーを検索しようとして、「システム・エラーが発生しました。時間をおいてもう一度実行してください。」というエラーが発生する場合は、通常、LDAP サーバーが始動していないことを示しています。 | LDAP サーバーを始動して、検索をやり直してください。 |
登録時にオペレーション失敗のエラーが発生する | ユーザーを登録しようとして、「エラー: オペレーションに失敗しました。IBM Telephone Directory アプリケーションの管理者に連絡してください。」というエラーが発生する場合は、通常、LDAP サーバーが始動していないことを示しています。 | LDAP サーバーを始動して、登録をやり直してください。 |
エントリーの更新または削除時にオペレーション失敗のエラーが発生する | プロファイルの更新または削除を行おうとして、「エラー: オペレーションに失敗しました。IBM Telephone Directory アプリケーションの管理者に連絡してください。」というエラーが発生する場合、 HTTP サーバーに適切なディレクティブが構成されていない可能性があります。この問題の症状として、変更を行う前にユーザー ID とパスワードを入力する認証ダイアログが表示されなくなります。 | 欠落している LDAP 構成ディレクティブを HTTP サーバー構成に手動で追加するか、または IBM Telephone Directory V5.2 アプリケーションを再インストールしてください。 |
オブジェクトが見つからないというエラーが発生する | IBM Telephone Directory アプリケーションで、「404 - オブジェクトが見つかりません」というエラーが表示される場合は、 plugin-cfg.xml ファイルが壊れている可能性があります。 | 以下のステップを実行してこのファイルをチェックし、必要な場合は修復してください。
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プロファイルの最大値を超過したというエラーが発生する | IBM Telephone Directory は、最大 1000 のユーザー・エントリーを使用できる無料のプログラムです。 IBM Telephone Directory の基本 DN で許可される検索エントリー数が 1000 以上になるように、 LDAP ディレクトリー・サーバーを構成する必要があります。 | ユーザー・エントリーが 1000 となっている制限についての詳細は、『注意と制限』を参照してください。 |
一部の値が保管されない | 特定フィールドを追加、変更、または除去する権限がない状態で、これらの作業をアプリケーションで試みた場合、ユーザーが自分のプロファイルにそれらの値を追加することがディレクトリーで許可されていないために、一部の値が保管されなかったことを通知するメッセージが表示されます。詳しくは、アプリケーション管理者にお問い合わせください。 | このエラーが表示された場合は、認証を求めるように IBM Telephone Directory V5.2 アプリケーションが構成されていることを示しています。 |
特殊文字 ("、&、<、> など) が正しく処理されない | IBM Telephone Directory V5.2 アプリケーションは、HTML、JavaScript、および LDAP フィルターや属性値で使用する特殊文字 (つまりメタキャラクター) として識別されたものも含め、すべての文字を正しく受け入れて処理できるように作成されています。 | IBM Telephone Directory アプリケーションが、 RFC 2253 標準に従って LDAP 属性値用の特殊文字を正しく処理することは、確認済みです。しかし、ディレクトリー・サーバーは、この標準を完全にはサポートしていません。これらのケースでは、これらの文字を使用しないようにする以外に対策はありません。 この問題の例として、引用符 (") 文字が挙げられます。 RFC 2253 標準では、LDAP 属性値内のリテラル文字として受け入れられるように、引用符の前に円記号 (¥) を付けることによってエスケープする必要があります。 Directory Services (LDAP) の現行バージョンは RFC 2253 を完全にはサポートしていないため、サーバーは、円記号文字と引用符の両方を保管します。 |
エラー・ログおよびデバッグ
エラー・ログ
アプリケーション・サーバーでは、メッセージを記録するさまざまなログが提供されます。例えば、システム・メッセージ (これは、任意のアプリケーション・サーバー・コンポーネントまたはアプリケーションによって書かれます) は、
JAVA 仮想マシン (JVM) ログや IBM Service ログなどの汎用ログに記録されます。その他のログは、非常に特殊な性質を持つもので、特定のコンポーネントや活動について記述します。例えば、HTTP サーバーのプラグインは、コンポーネント特有のプラグイン・ログを維持します。
JVM や IBM Service などの汎用ログは、アプリケーション・サーバーが正常に実行されているかどうかをモニターしたり、トラブルシューティングを支援したりするために利用されます。特定のコンポーネントに関するトラブルシューティングでは、コンポーネントや製品特有のログ・ファイルなどの、補足的なログ分析が必要になることがあります。
トレース・ステートメント
アプリケーションのトレース・ステートメントを、問題のデバッグのために使用することができます。問題が解決せず、IBM サービスに連絡して支援を求めた場合には、最初に、アプリケーションのトレース出力のコピーが求められます。トレース・ステートメントは、アプリケーションの構成ファイルに 1 行を追加し、アプリケーションを再始動することによって使用可能になります。
アプリケーションは、開始時に新規構成を読み込みます。アプリケーションのトレース・ステートメントは、この時点で使用可能になります。使用可能になったトレース・ステートメントは、サーバーの SystemOut.log ファイルに書き込まれます。