Network DispatcherでAIX 5Lのサーバーに対して負荷分散を行う際の注意点

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WebSphere Edge Server のNetwork Dispatcher(Load Balancer) で MAC転送方式 を使って負荷分散を行う場合、割 り振り対象サーバーのループバック・インターフェースにクラスター・アドレスのエイリアスを付ける必要があります。オペレーティング・システムによっては、ル ープバック・インターフェースにエイリアスを付ける際に「エキストラ・ルート」というものが追加される場合があります。これは、クラスター・ア ドレスと外部へのインターフェース(en0など)に定義されたアドレスが同じサブネット上に存在する場合に一部のOSで起こるもので、クラスター・ア ドレスを定義した際に自身(クラスター・アドレス)をGatewayとするルートが作成されることによるものです。
Network Disaptcher環境のようにバックエンド・サーバーのループバック・イ ンターフェースにクラスター・アドレスを定義すると、実際に負荷分散対象のサーバー・サービスが使用するインターフェース(en0など)とループバック・イ ンターフェースの両方で同じネットワーク・アドレスに対するルートが作成されてしまうことがあり、通 信ができなくなるなどの不具合が起きる可能性がありますので、エキストラ・ルートが存在する場合、その経路を削除する必要があります。

Windows NTおよびWindows 2000ではエキストラ・ルートがブート毎に発生することが確認されていますが、AIX 5L V5.1においてもエキストラ・ルートが作成されることがわかりました。AIX 5Lより、Multi-route機能という機能サポートされているため、ル ープバック・インターフェースに対して、クラスター・アドレスに対してのroute定義が作成されてしまいます。Multi-route機能とは、A IX 5L V5.1から実装された機能で、同一のネットワーク・アドレスに対して複数のroute定義が作成可能になる機能で、本来は、Default gatewayなどを複数定義する様な際に用いられる機能です。

エキストラ・ルートの有無の確認と存在する場合の作業についてはマニュアルにも記述されていますが、AIX 5Lを負荷分散対象サーバーとして使用されている場合は下記手順でエキストラ・ルートを削除してください。なお、これはループバック・イ ンターフェースにクラスター・アドレスがエイリアスされるたびに発生しますのでご注意ください。

1.バックエンド・サーバーでループバック・インターフェースにクラスター・アドレスのAliasをnetmask 255.255.255.255 で作成 (ここで、クラスター・アドレスは192.168.100.100としています)
例: # ifconfig lo0 alias 192.168.100.100 netmask 255.255.255.255

2.lo0 にクラスター・アドレスをAlias定義後自動生成される 192.168.100 のroute定義を削除
例: # route delete -net 192.168.100 192.168.100.100



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Product categories: Software > Application Servers
Operating system(s): AIX
Software version:
Software edition:
Reference #: 85256F1E006E1B84
IBM Group: Software Group Japan
Modified date: Sep 30, 2002