ディレクトリーのロケーションおよびプロパティー

Liberty では、多くのディレクトリーにプロパティーが関連付けられています。これらのプロパティーを使用して、サーバーの構成時にファイル・ロケーションを指定することができます。

表 1. ランタイム環境のデフォルトのディレクトリー構造. 列 1 にファイルおよびディレクトリー・ツリーがあります。 ディレクトリーにプロパティーが関連付けられている場合、このプロパティーは列 2 に示されます。各ファイルまたはディレクトリーの説明は列 3 に示されます。
ディレクトリーまたはファイル プロパティー 説明
wlp/ wlp.install.dir インストールのルート
+- bin/   インストールを管理するためのスクリプト。 例えば、server です。
+- clients/   Liberty クライアントおよびシン・クライアントのライブラリー。例えば、restConnector.jar
   +- jython/   Jython ベースのスクリプト
+- dev/   開発者リソース (API、SPI、仕様、およびツール) のルート
   +- api/   デフォルトでコンパイルと実行時に使用可能なパブリック API
     +- ibm/   Liberty で使用可能な API
        +- javadoc/   Java™ 文書のアーカイブ
     +- spec/   デフォルトでコンパイルと実行時に使用可能なパブリック仕様 API
     +- third-party/   デフォルトでコンパイル時に使用可能なサード・パーティー API。 実行時にアプリケーションの classloader エレメントの apiTypeVisibility 属性を使用して構成で指定する必要があります。
   +- spi/   デフォルトでコンパイルと実行時に使用可能なパブリック SPI
     +- ibm/   Liberty で使用可能な SPI
        +- javadoc/   SPI に関する Java 文書アーカイブ
     +- spec/   デフォルトでコンパイルと実行時に使用可能なパブリック仕様 SPI
   +- tools/   Liberty 用の Ant プラグイン
+- etc/   ユーザーがカスタマイズし、すべてのサーバーに適用されるサーバー変数 (オプション)
   +- server.env   デフォルトのサーバー・スクリプト環境変数 (オプション)
   +- client.env   デフォルトのクライアント・スクリプト環境変数 (オプション)
   +- jvm.options   デフォルトの JVM オプション (オプション)
+- lafiles/   ライセンス情報ファイル
+- lib/   プラットフォーム・ランタイム環境
+- templates/   ランタイム・カスタマイズ・テンプレートおよび例
   +- server/   サーバー作成時のサーバー・テンプレート
   +- client/   クライアントの作成時におけるクライアント・テンプレート
+- usr/ wlp.user.dir ユーザー・ディレクトリー
   +- extension/ usr.extension.dir ユーザー開発フィーチャー
   +- shared/    
      +- apps/ shared.app.dir 共有アプリケーション
      +- config/ shared.config.dir 共有構成ファイル
      +- resources/ shared.resource.dir 共有リソース定義: アダプター、データ・ソース
      +- stackGroups/ shared.stackgroup.dir パッケージおよびインストール可能コンポーネントのリモート・デプロイメント用の共有スタック・グループ
   +- servers/   共有サーバー・ディレクトリー
      +- server_name server.config.dir サーバー構成ディレクトリー。サーバー固有の構成 (アプリケーション) を参照するには ${server.config.dir} を使用します。
         +- bootstrap.properties   サーバーのブートストラップ・プロパティー (オプション)
         +- jvm.options   wlp/etc/jvm.options 内の値を置換するサーバー JVM オプション (オプション)
         +- server.env   wlp/etc/server.env とマージされたサーバー・スクリプト環境変数 (オプション)
         +- server.xml   サーバー構成オーバーレイ (必須)
         +- apps/   アプリケーション用サーバー構成
         +- dropins/   サーバーのデフォルト・アプリケーションのドロップイン (dropins) フォルダー (オプション)
            +- application_name   アプリケーション・フォルダーまたはアーカイブ (オプション)
         +- configDropins/   サーバー構成ドロップイン (dropins) フォルダー (オプション)
            +- defaults   デフォルト・サーバー構成ドロップイン (dropins) フォルダー (オプション)
            +- overrides   サーバー構成オーバーライド・ドロップイン (dropins) フォルダー (オプション)
      +- server_name server.output.dir サーバー出力ディレクトリー。サーバーによって生成された成果物 (ログ・ファイルおよび作業域) を記述するには ${server.output.dir} を使用します。
         +- logs/   FFDC ログなどのサーバー・ログ・ファイル (ディレクトリーは、サーバーの初回実行後に存在します)
            +- console.log   基本的なサーバー状況およびオペレーション・メッセージ
            +- trace_timestamp.log   タイム・スタンプが付いた、現行トレース構成で決定された詳細レベルのトレース・メッセージ
            +- ffdc/   初期障害データ・キャプチャー機能 (FFDC) の出力ディレクトリー
               +- ffdc_timestamp/   初期障害データ・キャプチャー機能 (FFDC) の出力。 通常、要求された操作の失敗に関連する診断データの指定域メモリー・ダンプが含まれます。
         +- workarea/   サーバーの動作時にサーバーによって作成されたファイル (ディレクトリーは、サーバーの初回実行後に存在します)
   +- clients/   共有クライアント・ディレクトリー
      +- client_name   クライアント構成ディレクトリー。
         +- bootstrap.properties   クライアント・ブートストラップ・プロパティー (オプション)
         +- client.jvm.options   wlp/etc/client.jvm.options 内の値を置換するクライアント JVM オプション (オプション)
         +- client.xml   クライアント構成オーバーレイ (必須)
         +- apps/   アプリケーション用クライアント構成
         +- logs/   FFDC ログなどのクライアント・ログ・ファイル (ディレクトリーは、クライアントの初回実行後に存在します)
            +- trace_timestamp.log   タイム・スタンプが付いた、現行トレース構成で決定された詳細レベルのトレース・メッセージ
            +- ffdc/   初期障害データ・キャプチャー機能 (FFDC) の出力ディレクトリー
               +- ffdc_timestamp/   初期障害データ・キャプチャー機能 (FFDC) の出力。 通常、要求された操作の失敗に関連する診断データの指定域メモリー・ダンプが含まれます。
         +- workarea/   クライアントの動作時にクライアントによって作成されたファイル (ディレクトリーは、クライアントの初回実行後に存在します)

各ディレクトリーに関連付けられたプロパティーが存在する場合はそのプロパティーを使用して、サーバーの構成時にファイル・ロケーションを指定できます。例については、『Liberty でのアプリケーションのデプロイ』を参照してください。

ヒント: 構成の可搬性を確実にするには、最も具体的な (適切な) プロパティーを使用し、リソース間の関係に頼ることのないようにしてください。 例えば、構成によっては、インストール・ロケーション ${wlp.install.dir} は、カスタマイズされたインスタンス ${wlp.user.dir} の親でない場合があります。

ロケーション・プロパティーへのプログラマチック・アクセス

ロケーション・プロパティーは、server.xml ファイルの jndiEntry 構成エレメントを使用して、任意の名前で JNDI 名前空間にバインドできます。以下に例を示します。

<jndiEntry jndiName="serverName" value="${wlp.server.name}"/>

そのようなエントリーは、サーバーで実行される任意のコード (アプリケーション、共有ライブラリー、またはフィーチャー) から JNDI 検索を使用してアクセスできます。

Object serverName = new InitialContext().lookup("serverName");

構成で JNDI エントリーを使用する方法について詳しくは、サーバー構成ファイルからの定数の JNDI バインディングの使用を参照してください。

フィーチャー・コードは、カーネルによって提供されるシステム・プログラミング・インターフェース (SPI) を使用して、これらのプロパティーの値を解決することもできます。以下に例を示します。

ServiceReference <WsLocationAdmin>locationAdminRef = bundleContext.getServiceReference(WsLocationAdmin.class);
WsLocationAdmin locationAdmin = bundleContext.getService(locationAdminRef);
String serverName = locationAdmin.resolveString("${wlp.server.name}");

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タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: Monday, 5 December 2016
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-libcore-mp&topic=rwlp_dirs
ファイル名: rwlp_dirs.html