開発者ツールを使用した Docker コンテナー内のリモート Liberty サーバーの作成

WebSphere® Developer Tools を使用して、リモート・ホスト上の Docker コンテナー内で実行されている Liberty サーバーへの参照を作成することができます。この参照を使用して、ワークベンチからサーバー要求を処理できます。

始める前に

  • WebSphere Developer Tools をインストールします。WebSphere Developer Tools のインストールについて詳しくは、Liberty 開発者ツールおよび Liberty (オプション) のインストールを参照してください。
    重要: これらのツールは、Docker バージョン 1.10.2 以降をサポートします。
  • Docker コンテナーでリモート・サーバーを始動し、 Hypertext Transfer Protocol (HTTP) と Hypertext Transfer Protocol Secure (HTTPS) の両ポートがホストにマップされていることを確認します。 ローカル Docker コンテナーでのリモート Liberty サーバーの始動について詳しくは、『WASdev GitHub』を参照してください。

このタスクについて

WebSphere Application Server Liberty をインストールし、WASdev コミュニティーのダウンロード・サイトから Liberty Repository 内のアドオンをダウンロードすることができます。Liberty をインストールした後、Docker コンテナーを選択できます。 その後、Docker コンテナー内のリモート Liberty サーバーにアクセスするための Liberty サーバー・セキュリティー・クレデンシャルを入力できます。Liberty サーバー・セキュリティー・クレデンシャルがない場合でも、ユーザーに変わってツールが作成してくれます。

下記の手順を実行する際に Docker コマンドがタイムアウトになる場合、この問題を回避することができます。com.ibm.ws.st.DockerCommandTimeoutInSeconds システム・プロパティーを、秒単位の任意の時間に設定します。 デフォルトでは、このプロパティーは 10 に設定されています。

重要: Docker コンテナーで実行されている Liberty サーバーに対して、「次回の始動時にサーバーをクリーン (Clean Server on Next Start)」を選択することはできません。

手順

  1. ワークベンチで、「サーバー」タブをクリックして「サーバー」ビューを開きます。
    ヒント: 「サーバー」ビューが表示されない場合は、「ウィンドウ」 > 「ビューの表示」 > 「その他...」と選択し、 フィルター・テキストに Server と入力します。その後、「サーバー」を選択します。
  2. 「サーバー」ビュー内で右クリックして、「新規」 > 「サーバー」と選択します。
  3. サーバー・タイプを選択するには、「IBM」 > 「WebSphere Application Server Liberty」と選択します。
  4. 「サーバーのホスト名」フィールドにリモート・ホスト名を入力します。
  5. 次へ」をクリックします。
    注: Liberty ランタイム環境に、選択した Liberty Docker イメージと同じフィーチャー・セットがあることを確認します。また、このフィーチャーのセットが同じレベルの Java ランタイム環境 (JRE) を使用するように構成されていることを確認します。Liberty ランタイム環境のターゲット・ランタイムは 、開発環境で使用されます。ローカル・システムのランタイムと Liberty Docker イメージで使用される JRE の間の不一致は、構成エラーか らアプリケーション・パブリッシングの問題まで、各種の問題を引き起こす可能性があります。
  6. WebSphere Application Server Liberty がインストールされていない、またはインストールされているディレクトリーを入力する必要があるために、そのインストールがツールによって求められたら、以下のいずれかのオプションを行います。それ以外の場合は、このステップをスキップすることができます。

    リモート・ホスト上の Docker コンテナー内の Liberty サーバーへのワークベンチ参照を作成できるように、Liberty をインストールする必要があります。

    Liberty が既にインストール済みの場合は、以下のステップを行って、インストールしたディレクトリーを選択します。

    1. 「既存インストールの選択 (Choose an existing installation)」を選択します。
    2. 「パス」フィールドで、WebSphere Application Server Liberty をインストールしたディレクトリーを入力するか、参照して選択します。
    3. Liberty ランタイム環境」ページで「次へ」をクリックします。

      アプリケーションのサービス環境が選択されます。 このステップの残りの部分はスキップします。

    以前にダウンロードしたアーカイブ・ファイルから Liberty をインストールする場合、以下のステップを実行してください。

    1. 「アーカイブまたはリポジトリーからインストール」を選択して、「次へ」をクリックします。
    2. 「宛先」フィールドで、Liberty ランタイム環境をインストールするディレクトリーを入力するか、参照して選択します。

      存在しないパスを入力すると、この手順の最後に「終了」をクリックしたときに、そのパスのフォルダーが自動的に作成されます。

    3. 「アーカイブからの新規ランタイム環境のインストール」を選択します。
    4. 「パス」フィールドで、ローカル・ファイル・システム上にあるアーカイブ・ファイルを入力するか、参照して選択し、「次へ」をクリックします。
    5. アドオンのインストール」ページで、「インストール」または「インストール保留」をクリックして、Liberty ランタイム環境にインストールするアドオン・アーカイブ・ファイルを選択します。

      アドオン・アーカイブ・ファイルをローカル・ファイル・システムからインストールすることも、アドオン・アーカイブ・ファイルをダウンロードすることも、あるいは、複数のアドオン・アーカイブ・ファイルをインストールする場合はその両方を組み合わせて使用することもできます。 ワークベンチがインターネットに接続されている場合、「アドオンのインストール」ページに、WASdev コミュニティーのダウンロード・サイトからダウンロード可能なアドオン・アーカイブ・ファイルが取り込まれます。

      このダウンロード・サイトには、ランタイム・フィーチャー、サンプル、またはオープン・ソース統合などの、Liberty Repository から選択できるアドオンが含まれています。

      ローカル・ファイル・システムからアドオン・アーカイブ・ファイルをインストールする場合は、以下のステップを行います。
      1. 「アーカイブの追加」をクリックします。
      2. 「アドオン・アーカイブ」フィールドで、ローカル・ファイル・システム上にあるアドオン・アーカイブ・ファイルを入力するか参照して選択します。
      3. 「OK」をクリックします。
      ローカル・ファイル・システムからさらにアドオン・アーカイブ・ファイルをインストールする場合は、完了するまでこの手順を繰り返してください。
      カスタム・リポジトリーからアドオン・ファイルをインストールする場合は、以下のステップを行います。
      1. リポジトリーを追加するため、「リポジトリーの構成」をクリックします。
      2. 「新規...」をクリックします。
      そうすると、ファイルがアドオン・ファイルのリストに追加されます。

      「アドオンのインストール」ページの選択が完了したら、「次へ」をクリックします。

    6. 「ライセンス同意」ページで、ライセンス条項に同意する場合は、「使用条件のすべての条項に同意する (I accept the terms of all the license agreements)」を選択してから「次へ」をクリックします。

    Liberty の無料の開発者エディションをダウンロードしてインストールする場合は、以下のステップを実行してください。

    1. 「アーカイブまたはリポジトリーからインストール」を選択して、「次へ」をクリックします。
    2. 「宛先」フィールドで、Liberty ランタイム環境をインストールするディレクトリーを入力するか、参照して選択します。

      存在しないパスを入力すると、このメイン手順の最後に「終了」をクリックしたときに、そのパスのフォルダーが自動的に作成されます。

    3. 「ibm.com から新規ランタイム環境をダウンロードしてインストール (Download and install a new runtime environment from ibm.com)」を選択し、ランタイム環境のバージョンを選択してから、「次へ」をクリックします。
    4. アドオンのインストール」ページで、「インストール」または「インストール保留」をクリックして、Liberty ランタイム環境にインストールするアドオン・アーカイブ・ファイルを選択します。
      アドオン・アーカイブ・ファイルは、以下のいずれかの方法でインストールできます。
      • ローカル・ファイル・システムから
      • ファイルをダウンロードすることによって
      • 複数のアドオン・アーカイブ・ファイルをインストールする場合は、両方を組み合わせて使用することによって
      ワークベンチがインターネットに接続されている場合、「アドオンのインストール」ページに、WASdev コミュニティーのダウンロード・サイトからダウンロード可能なアドオン・アーカイブ・ファイルが取り込まれます。

      このダウンロード・サイトには、ランタイム・フィーチャー、サンプル、またはオープン・ソース統合などの、Liberty Repository から選択できるアドオンが含まれています。

      ローカル・ファイル・システムからアドオン・アーカイブ・ファイルをインストールする場合は、以下のステップを行います。
      1. 「アーカイブの追加」をクリックします。
      2. 「アドオン・アーカイブ」フィールドで、ローカル・ファイル・システム上にあるアドオン・アーカイブ・ファイルを入力するか参照して選択します。
      3. 「OK」をクリックします。
      ローカル・ファイル・システムからさらにアドオン・アーカイブ・ファイルをインストールする場合は、完了するまでこの手順を繰り返してください。
      カスタム・リポジトリーからアドオン・ファイルをインストールする場合は、以下のステップを行います。
      1. リポジトリーを追加するため、「リポジトリーの構成」をクリックします。
      2. 「新規...」をクリックします。
      そうすると、ファイルがアドオン・ファイルのリストに追加されます。

      「アドオンのインストール」ページの選択が完了したら、「次へ」をクリックします。

    5. 「ライセンス同意」ページで、ライセンス条項に同意する場合は、「使用条件のすべての条項に同意する (I accept the terms of all the license agreements)」を選択してから「次へ」をクリックします。
  7. 「リモート・サーバー設定 (Remote Server Settings)」ページで、Docker コンテナー内のサーバー (Server in a Docker container)」を選択します。
  8. 以下からリモート・サーバーのオペレーティング・システムを選択します。
    制約事項: ツールは、Windows オペレーティング・システムに対するオペレーティング・システム認証はサポートしていません。
  9. リモート・ホストへのアクセス方法を選択し、ログイン情報を入力して、「次へ」をクリックします。
  10. 「Docker コンテナー内の新規サーバー (New Server in a Docker Container)」ページで、「コンテナー名 (Container name)」メニューから Docker コンテナーを選択します。
    ヒント: 「コンテナー名 (Container name)」 メニューに Docker コンテナーが表示されていない場合は、「リフレッシュ (Refresh)」をクリックしてリストを最新表示します。
  11. 「Liberty サーバー・セキュリティー・クレデンシャル (Liberty server security credentials)」を入力します。
    「ユーザー名 (User name)」フィールドと「パスワード (Password)」フィールドの値は、 ユーザー・レジストリーで定義され、管理者ロールを持つユーザーに対応する必要があります。 ツールは、指定されたユーザーを定義した基本ユーザー・レジストリーを検出できないと、 「セキュリティー検証 (Security Verification)」ウィンドウを表示します。 ツールで「セキュリティー検証 (Security Verification)」ウィンドウが表示された場合は、以下のいずれかのオプションを行います。
    • 管理者ロールを持つ、指定した値のユーザーを定義した基本ユーザー・レジストリーを追加する場合は、「作成 (Create)」を選択します。
    • 別のユーザー・レジストリー・タイプでユーザーが定義されている場合に続行するには、「続行 (Proceed)」を選択します。
    • 入力した「ユーザー名 (User name)」「パスワード (Password)」を変更する場合は、「キャンセル」を選択します。
  12. 「セキュア・ポート」フィールドに、サーバー構成で指定されている HTTPS ポートの値を入力します。
    ヒント: デフォルトの HTTPS ポート番号は 9443 です。
  13. 「終了」をクリックします。

タスクの結果

リモート・ホスト上の Docker コンテナー内で実行されている Liberty サーバーへの参照が作成されました。

  • 作成したサーバーとそのサーバー構成を確認するには、「サーバー」ビューを開きます。
  • プロジェクト、サーバー・フォルダー、サーバー構成ファイルを確認するには、 「エンタープライズ・エクスプローラー」ビューを開きます。

次のタスク

制約事項: リモート Liberty Docker サーバーについては、ツールはサーバー・ユーティリティーをサポートしていません。
  • サーバー構成を編集できます。詳しくは、開発者ツールを使用した Liberty構成の編集を参照してください。
    制約事項: リモート・サーバーについては、ツールは、サーバー構成内で絶対パスを使用することによるインクルード・ファイルの指定をサポートしません。この問題を回避するには、 絶対パスを使用する代わりに、事前定義されたサーバー変数 (server.config.dirshared.config.dir など) を使用してインクルード・パスを指定します。
  • サーバーの始動や停止、あるいはサーバー上のアプリケーションの追加や削除を行うには、サーバーを右クリックしてサーバーのコンテキスト・メニューを使用するか、 「サーバー」ビューのトレイ・ボタンを使用します。 詳細については、『開発者ツールを使用したサーバーの始動および停止』を参照してください。
    ヒント: これらのオプションにアクセスするには、「サーバー」ビューで目的の Liberty サーバーを選択します。「サーバー」ビューで他の項目を選択すると、サーバーのコンテキスト・メニューは使用不可になります。
  • [16.0.0.4 以降]サーバー環境ファイルを作成して編集することができます。詳しくは、製品資料の サーバー環境ファイルの作成と編集を参照してください。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック



タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: Monday, 5 December 2016
http://www14.software.ibm.com/webapp/wsbroker/redirect?version=cord&product=was-libcore-mp&topic=t_creating_remote_server_docker
ファイル名: t_creating_remote_server_docker.html