JAR ファイルからの Liberty サーバーの実行
Liberty サーバーは、Java アーカイブ (JAR) ファイルから始動することができます。 これにより、Liberty サーバーを始動するコンパクトでポータブルな方法が実現されます。 Liberty の server コマンドを使用して JAR ファイルを作成し、 java -jar コマンドを使用して実行可能 JAR ファイルとして実行します。
実行可能 JAR ファイルの作成
minify を指定して、可能な限り小さなアーカイブを入手できます。 実行可能 JAR ファイルを入手するには、JAR タイプ・アーカイブを指定する必要があります。 サポートされるタイプが pax のみの z/OS 以外のすべてのプラットフォームで、デフォルトのアーカイブ・タイプは .zip です。以下に例を示します。
server package <server name> --include=[minify,]runnable --archive=<jar file name>.jar
JAR ファイルの実行
java –jar <jar file name>.jar
オペレーション
- Windows の場合: %HOMEPATH%/wlpExtract/<jar file name>_nnnnnnnnnnnnnnnnnnn
- その他のすべてのプラットフォームの場合: $HOME/wlpExtract/<jar file name>_nnnnnnnnnnnnnnnnnnn
出力ロケーションは、WLP_JAR_EXTRACT_ROOT または WLP_JAR_EXTRACT_DIR の環境変数で制御できます。
サーバーの停止
Liberty サーバーを停止するには、Ctlr-C を押します。 Liberty サーバーが停止すると、解凍ディレクトリーは自動的に削除されます。 別の方法でアクティブ・シェルを停止した場合は、解凍ディレクトリーが自動的にクリーンアップされず、手動のクリーンアップが必要です。
デバッグ・モードでの実行
Liberty サーバーは、始動前に環境変数 WLP_JAR_DEBUG を設定した場合は、デバッグ・モードで実行できます。
出力の制御
デフォルトでは、サーバー出力は解凍ディレクトリーに書き込まれます。これは、サーバーが停止すると削除されます。 出力を保存する場合は、サーバーを始動する前に WLP_OUTPUT_DIR 環境変数を使用して永続的な出力ロケーションを指定してください。
2 フェーズ・コミット・トランザクション
デフォルトでは、トランザクション・ログは解凍ディレクトリー内に入り、Liberty サーバーの停止時に削除されるため、 2 フェーズ・コミット・トランザクションは使用不可です。 そのため、トランザクション・リカバリーは可能ではありません。
2 フェーズ・コミットを有効にするには、ファイル・システムまたは RDBMS で永続的なロケーションにトランザクション・ログを構成して、 WLP_JAR_ENABLE_2PC 環境変数を設定します。
トランザクション・ログを構成するには、server.xml 構成内の transaction エレメントで transactionLogDirectory 属性または dataSourceRef 属性を使用してください。
CYGWIN での実行
CYGWIN シェルで Liberty サーバー JAR ファイルを実行するには、次の 2 つの要件があります。
- WLP_JAR_CYGWIN 環境変数を指定します。
この変数を指定すると、 Liberty サーバーの JAR ランナーは、CYGWIN 環境で実行中に、UNIX スタイルのファイルおよびプロセス処理を行います。
- mintty ではなく bash シェルで実行します。
解凍ファイルの自動削除は、bash シェルで実行した場合にのみ行われます。 mintty で実行することも可能ですが、解凍ファイルは手動で削除する必要があります。 mintty では、Java シャットダウン・フックの起動に必要な信号を転送しません。
環境変数リファレンス
環境変数名 | 説明 |
---|---|
WLP_JAR_EXTRACT_ROOT | JAR ファイルをディレクトリー${WLP_JAR_EXTRACT_ROOT}/<jar file name>_nnnnnnnnnnnnnnnnnnn に抽出します。 |
WLP_JAR_EXTRACT_DIR | JAR ファイルをディレクトリー ${WLP_JAR_EXTRACT_DIR} に解凍します。 |
WLP_OUTPUT_DIR | Liberty サーバーの出力ファイルをディレクトリー ${WLP_OUTPUT_DIR} に書き込みます。 |
WLP_JAR_DEBUG | server run <server name> ではなく、server debug <server name> を使用して Liberty サーバーを実行します。 |
WLP_JAR_ENABLE_2PC | 実行可能 JAR ファイルが実行されるときに 2PC を有効にするには、値 true に設定します。 |
WLP_JAR_CYGWIN | CYGWIN で JAR ファイルを実行する場合は、値 true に設定します。 |