JSR 289 の概要
sipServlet-1.1 フィーチャーでは、Liberty には、SIP Servlet 仕様 1.1 (Java™ Specification Request (JSR) 289 とも呼ばれる) のサポートが含まれています。SIP は、電話、在席確認、およびマルチメディアのアプリケーションなど、IP 通信セッションの作成、変更、および終了に使用されるシグナリング・プロトコルです。
SIP Servlet 仕様は、Session Initiation Protocol (SIP) の Java API 標準を提供します。 JSR 289 は、既存の SIP Servlet 仕様の更新版であり、業界ユーザーによって決定された新規要件に対応しています。
JSR 289 仕様では、以下のフィーチャーが追加されています。
- アプリケーション選択用のアプリケーション・ルーター
アプリケーション・ルーティングにより、開発者は、小規模アプリケーションから複雑なサービスを構築できます。 初期要求で、コンテナーはアプリケーション・ルーターを呼び出し、要求のタイプに基づいて、呼び出すアプリケーションを判別します。 アプリケーション・ルーターは、アプリケーションの順序を選択するための中央ハブです。詳細については、『Liberty での SIP アプリケーション・ルーター』および『Liberty での Session Initiation Protocol (SIP) の管理』を参照してください。
- アノテーション・ベースのプログラミング
アノテーションは、アプリケーションにメタデータを直接埋め込むことでアプリケーションを開発する迅速な手段を提供します。 例えば、@SipServlet アノテーションを使用して、クラスが SIP サーブレットであることを指定できます。@SipApplication は、パッケージ・レベルのアノテーションです。パッケージ内のすべてのサーブレットは、@SipServlet(applicationName) を使用しない限り、同じアプリケーションに属します。 アノテーションについて詳しくは、JSR 289 のセクション 18 を参照してください。
- 集中型アプリケーションJSR 289 は、集中型アプリケーションをビルドするための新しい標準化メカニズムを提供しています。集中型アプリケーションには、SIP サーブレット・コンポーネントおよびその他の Java EE コンポーネント (HTTP サーブレットやエンタープライズ Bean など) が含まれます。この仕様には、集中性をサポートするための 2 つの新規クラスが含まれています。
- ConvergedHttpSession は、集中型アプリケーション用の HttpSession の拡張です。
- SipSessionUtil は、集中型アプリケーションのセッション管理を処理します。
集中型アプリケーションについて詳しくは、JSR 289 のセクション 13 を参照してください。
- バックツーバック・ユーザー・エージェント (B2BUA) API
JSR 289 は、B2BUA ヘルパー・クラスを使用することで、アプリケーションにおける B2BUA パターンを簡素化しています。 B2BUA は、頻繁に使用されるアプリケーション・パターンです。B2BUA は 2 つ以上のダイアログのエンドポイントとして機能し、ダイアログ間で要求および応答を転送します。B2BUA ヘルパーは、着信要求のコピーを作成できます。また、B2BUA の両側でセッション間のリンクが自動的に保持されます。B2BUA について詳しくは、JSR 289 のセクション 12 を参照してください。