z/OS でのプロセス・タイプ
z/OS® プラットフォームの Liberty ランタイム環境には、 サーバー・プロセスとエンジェル・プロセスという 2 つのタイプのプロセスがあります。
- サーバー・プロセス (bbgzsrv)
- サーバー・プロセスとは、他のオペレーティング・システムの場合とほぼ同じように、Liberty コードを実行する
Java™ 仮想マシン (JVM) です。
MVS™ オペレーター・コンソールから エンジェル・プロセスを使用して、またはシェルからサーバー・プロセスを開始できます。ユーザー ID の関連付けと検証が行われる方法は、サーバーを始動する方法によって異なります。
- オペレーター・コンソールからサーバーを始動した場合には、z/OS セキュリティー製品 (RACF® など) を使用して作成された STARTED プロファイルに関連付けられた ID を使用して、次のようにサーバー・アクセスが制御されます。start bbgzsrv,parms='defaultServer'
- シェルからサーバーを始動した場合には、サーバーの停止も必ずシェルから行ってください。
シェルの ID がサーバーに使用されます。
- server start
- server stop
- サーバー・プロセスの JVM 開始オプションは、次の 3 つのソースから取得されます。
- サーバー・プロセスのプロシージャーの JAVAOPTS DD にファイル名を定義した場合は、このファイルから Java コマンド行引数を読み取ります。
- JAVAOPTS DD にファイル名を定義していない場合は、 サーバー構成ディレクトリーの jvm.options ファイルから Java コマンド行引数を読み取ります。
- jvm.options ファイルが存在しない場合、 JVM は IBM_JAVA_OPTIONS 環境変数の値を使用します。
- エンジェル・プロセス (bbgzangl)
- エンジェル・プロセスは許可キーで実行され、 オペレーティング・システムの保全性を保護するようにシステム・サービスをロードしてアクセスする機能をサーバー・プロセスに提供します。 エンジェル・プロセスは、proc を使用して MVS コンソールから開始します。
z/OS イメージで稼働するすべての Liberty サーバーが、実行しているコード・レベルに関係なく、1 つのエンジェルを共有することができます。エンジェルはサーバーとは独立して存在します。
特定のエンジェル・プロセスを使用しているすべてのサーバーのリストを示すには、以下の MODIFY コマンドを使用します。
MODIFY [jobname.]identifier,display,servers
システムで実行されているすべてのエンジェル・プロセスのリストを示すには、以下の MODIFY コマンドを使用します。
MODIFY [jobname.]identifier,display,angels
システムで実行されているエンジェル・プロセスのバージョンを取得するには、以下の MODIFY コマンドを使用します。
MODIFY [jobname.]identifier,version
以下の表では、エンジェルのバージョン番号と、各エンジェルが最初に登場した製品レベルのリストを示します。
エンジェルのバージョン 製品レベル 1 8.5.0.1 2 8.5.5.2 3 8.5.5.9 4 16.0.0.2 5 16.0.0.4 6 17.0.0.1 7 17.0.0.2 - システム上のどのサーバーにも z/OS システム許可サービスが有効になっていない場合、 エンジェルがアクティブである必要はありません。 エンジェル・プロセスはコマンド処理サービスに必要ありません (コマンド処理サービスは、コマンド・サポートに無許可の z/OS サービスを利用します)。
- 許可サービスの使用を試行するようにサーバーが構成されているがエンジェルが使用可能でない場合、 あるいは、プロセスの有効な所有者がエンジェルの使用を許可されていない場合、 そのサーバーで許可サービスは使用できません。 代わりに無許可サービスが使用される場合もあります。SAF レジストリーが使用する無許可サービスを参照してください。
- サーバーの ${server.config.dir}/bootstrap.properties ファイルに以下のステートメントを追加することで、エンジェル・プロセスが存在しない場合に、Liberty が開始しないようにすることができます。
com.ibm.ws.zos.core.angelRequired=true
com.ibm.ws.zos.core.angelRequired プロパティーが true に設定されている場合、Liberty は、エンジェル・プロセスに接続されていないことを検出すると、始動を中止します。同様に、Liberty の始動時にエンジェル・プロセスが実行されていて、Liberty プロセスに接続されると、その Liberty プロセスは、通常どおり、開始を続行します。この場合、このプロパティーは効果がありません。
詳しくは、『z/OS での Liberty の管理』を参照してください。