IBM Packaging Utility を使用したカスタム・インストール・リポジトリーの作成

WebSphere® Application Server Liberty は、インストールおよびライフサイクル管理のために IBM® Installation Manager を使用します。 Installation Manager は、ソフトウェア製品のインストール済み環境の内容を含むソース・リポジトリーにアクセスします。リポジトリーは、製品メディア内、IBM がホストする Web ベース・リポジトリー内、およびPassport Advantage®で入手できます。IBM Packaging Utility は、ビジネスのすべての側面に必要とされる、製品と保守レベルの適切な組み合わせを含むエンタープライズ・リポジトリーの作成およびカスタマイズに役立ちます。

このタスクについて

Installation Manager を使用すると、Installation Manager リポジトリー (または一連のリポジトリー) に接続し、インストールで使用可能な製品およびサービスの更新を見つけることができます。 Installation Manager リポジトリーは、製品のペイロードおよびメタデータを含む、単なるツリー構造のファイル・フォルダーです。必要なソフトウェア製品を IBM の Web ベース・サービス・リポジトリーから直接インストールすることも、パスポート・アドバンテージから圧縮ファイルをダウンロードして解凍し、生成された解凍ファイルのフォルダーから製品をインストールすることもできます。 ファイルの解凍結果も Installation Manager リポジトリーであると見なされます。 すべての Installation Manager リポジトリーと同様、これらの解凍ファイルは、組織が使用できるように内部の HTTP サーバー、FTP サーバー、またはネットワーク・マウントでホストすることが可能です。

Packaging Utility は、組織用のカスタム Installation Manager リポジトリーを作成して管理できる Installation Manager の付属ツールの 1 つです。 複数のパッケージ、保守レベル、およびフィックスを 1 つのリポジトリーに コピーすることができます。Packaging Utility では、ソース・リポジトリーからターゲットの カスタム・リポジトリーにコピーします。 ソース・リポジトリーには、IBM の Web ホスティング製品リポジトリーや unzip された パスポート・アドバンテージからのダウンロードなどの、アクセス可能な Installation Manager リポジトリーを含めることができます。

Packaging Utility について詳しくは、 IBM Packaging Utility 製品資料を参照してください。

手順

Packaging Utility を使用して、ビジネス・ニーズに合った特定の製品および保守レベルを含む、カスタムまたは「エンタープライズ」Installation Manager リポジトリーを作成します。

管理者は、エンタープライズ・リポジトリーのコンテンツを制御して、中央リポジトリーとして機能させることができます。組織は、このリポジトリーに接続して製品のインストールと更新を実行します。

基本的に Packaging Utility は、一連のソース Installation Manager リポジトリーからターゲット・リポジトリーに対してコピーを行い、重複する成果物を除去します。これにより、リポジトリー・サイズを可能な限り小さく維持することができます。リポジトリーを削除 (または「除去」) して、不要な保守レベルまたは製品を除去することもできます。

最新バージョンの Packaging Utility は、IBM サポート・ポータルからダウンロードできます。

Installation Manager と同様、Packaging Utility は、GUI とコマンド行インターフェースを備えています。 コピーするオファリングを含む Installation Manager リポジトリーのリポジトリー URL を指定する必要があります。

リポジトリー URL のリストについては、Liberty オファリング用のオンライン製品リポジトリーを参照してください。 Installation Manager リポジトリーの URL は、以下のパターンに従います。
http://www.ibm.com/software/repositorymanager/offering_name
注: このロケーションには、 Web ブラウザーを使用してアクセス可能な Web ページはありません。

Packaging Utility を使用して作成したターゲット・リポジトリーは、常にフルインストールをサポートします。したがって、Packaging Utility を使用して、単なるフィックスパックのコピーであるリポジトリーを作成することはできません。 ただし、あるフィックスパック・レベルの直接インストールをサポートする最低限のコンテンツを含むリポジトリーを作成することは可能です。 Packaging Utility インストール・フォルダー内にある Packaging Utility コマンド行インターフェース (PUCL.exe) を使用する以下の 2 つの例を検討します。

  • 例 1
    注: 製品ファイルに付属しているご使用条件を必ずお読みになってから、以下の例で説明するように、コマンドに -acceptLicense を指定してご使用条件に同意する必要があります。
    PUCL copy com.ibm.websphere.liberty.ND 
    -repositories 
      http://www.ibm.com/software/repositorymanager/com.ibm.websphere.liberty.ND 
    -target D:¥LIB_ND_version
    -prompt 
    -showProgress
    -acceptLicense

    オファリング名にバージョン番号が指定されていないため、このコマンドでは、WebSphere Application Server Liberty の最新のフィックスパック・レベルの直接インストールをサポートする新しいリポジトリーが作成されます。

  • 例 2
    PUCL copy com.ibm.websphere.liberty.ND_16.0.2.20160503_0200 
    -repositories 
      http://www.ibm.com/software/repositorymanager/com.ibm.websphere.liberty.ND 
    -target D:¥LIB_ND 
    -prompt 
    -showProgress
    -acceptLicense
    
    PUCL copy com.ibm.websphere.liberty.ND_16.0.3.20160829_1838 
    -repositories 
      http://www.ibm.com/software/repositorymanager/com.ibm.websphere.liberty.ND 
    -target D:¥LIB_ND 
    -prompt 
    -showProgress
    -acceptLicense

    最初のコマンドは、WebSphere Application Server Liberty 16.0.0.2 を含むターゲット・リポジトリーを作成します。 2 番目のコマンドは、16.0.0.3 フィックスパックを同じリポジトリーに追加します。 これで、この作成されたリポジトリーを使用して、フィックスパック 16.0.0.2 をインストールするか、フィックスパック 16.0.0.3 をインストールするか、または 16.0.0.2 から 16.0.0.3 への更新を行うことができます。

ヒント: IBM SDK Java™ Technology Edition など、一部のオファリングでは、Packaging Utility を -platform オプション (「プラットフォーム・スライシング」と呼ばれることもある) を指定して実行して、組織が使用するプラットフォームおよびアーキテクチャーを適用範囲とするリポジトリーを作成できます。この機能をコマンド行モードで使用するには、以下の例に示すように、os 引数および arch 引数と共に -platform オプションを指定します。
PUCL copy com.ibm.java.jdk.v8 
-repositories http://www.ibm.com/software/repositorymanager/com.ibm.java.jdk.v8 
-platform os=linux,arch=ppc64
-target D:¥LIB_ND
-prompt
-showProgress
-acceptLicense</p>
リポジトリーの範囲を、そのリポジトリーを作成または保管するプラットフォームとは別のプラットフォームに設定することができます。例えば、Windows システム上で Packaging Utility を実行して、Linux システムへのインストールに必要なコンテンツを含むリポジトリーを作成できます。 Linux へのインストール時は、Installation Manager にカスタム・リポジトリーを参照させます。
以下の表に、オペレーティング・システムおよびアーキテクチャー別に示された、ローカル IBM SDK Java Technology Edition オファリング・リポジトリーを作成する際の有効な組み合わせをリストします。
表 1. Packaging Utility を使用してローカル IBM SDK Java Technology Edition オファリング・リポジトリーを作成する際の有効な組み合わせ
プラットフォーム オプション 生成されるリポジトリー
Windows os=win32,arch=x86 32 ビット Windows OS および 64 ビット Windows 向け 32 ビット・リポジトリー
os=win32.arch=x86_64 64 ビット Windows 向け 64 ビット・リポジトリー
Linux Intel os=linux,arch=x86 32 ビット Linux Intel および 64 ビット Linux Intel 向け 32 ビット・リポジトリー
os=linux.arch=x86_64 64 ビット Linux Intel 向け 64 ビット・リポジトリー
Linux Power® os=linux,arch=ppc 32 ビット Linux Power および 64 ビット Linux Power 向け 32 ビット・リポジトリー
os=linux.arch=ppc64 64 ビット Linux Power 向け 64 ビット・リポジトリー
zLinux os=linux,arch=s390 32 ビット zLinux および 64 ビット zLinux 向け 32 ビット・リポジトリー
os=linux.arch=s390x 64 ビット zLinux 向け 64 ビット・リポジトリー
AIX® os=aix,arch=ppc 32 ビット AIX および 64 ビット AIX 向け 32 ビット・リポジトリー
os=aix.arch=ppc64 64 ビット AIX 向け 64 ビット・リポジトリー
Solaris Sparc os=solaris,arch=sparc 32 ビット Solaris Sparc および 64 ビット Solaris Sparc 向け 32 ビット・リポジトリー
os=solaris,arch=sparc64 64 ビット Solaris Sparc 向け 64 ビット・リポジトリー
Solaris Intel os=solaris,arch=x86_64 64 ビット Solaris Intel 向け 64 ビット・リポジトリー
HP-UX Itanium os=hpux,arch=ia64 64 ビット HP-UX Itanium 向け 64 ビット・リポジトリー
z/OS® os=zos,arch=s390x z/OS 向け 64 ビット・リポジトリー

プラットフォーム・スライシングについて詳しくは、IBMPackaging Utility 製品資料を参照してください。


トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック

ファイル名: twlp_ins_creating_cust_reps.html