コマンド行からの Liberty サーバー・ダンプの生成

コマンド行から server dump コマンドまたは server javadump コマンドを使用して、Liberty サーバーの状況情報を収集することができます。

このタスクについて

server dump コマンドは、Liberty サーバーの問題診断に役立ちます。結果ファイルにサーバー構成、ログ情報、および workarea ディレクトリー内のデプロイ済みアプリケーションの詳細が含まれるためです。このコマンドは稼働中のサーバーにも停止しているサーバーにも適用できます。

稼働しているサーバーの場合は、以下の情報も含まれます。
  • サーバー内の各 OSGi バンドルの状態
  • サーバー内の各 OSGi バンドルのワイヤリング情報
  • Service Component Runtime (SCR) 環境によって管理されるコンポーネント・リスト
  • SCR からの各コンポーネントの詳細情報
  • 各 OSGi バンドルの構成管理データ
  • 登録された OSGi サービスに関する情報
  • Java™ 仮想マシン (JVM)、ヒープ・サイズ、オペレーティング・システム、スレッド情報、ネットワーク状況などのランタイム環境設定
server javadump コマンドは、仮想マシンでのハング・スレッド、デッドロック、過剰処理、過剰なメモリー消費、メモリー・リーク、および障害などの、JVM レベルの問題の診断に役立ちます。このコマンドは、稼働中のサーバーでのみ使用できます。ダンプ・タイプごとにファイルを作成しますが、 すべてのダンプ・タイプがすべての仮想マシンによってサポートされるとは限りません。 『サーバー・コマンド・オプション』を参照してください。ダンプ・ファイルのデフォルト・ディレクトリーは ${server.output.dir} です。別のデフォルト・ディレクトリーを設定するには、IBM® JVM を使用し、以下の環境変数を設定する必要があります。
  • IBM_HEAPDUMPDIR
  • IBM_COREDIR
  • IBM_JAVACOREDIR

手順

  1. コマンド行を開き、wlp/bin ディレクトリーに移動します。
  2. 次のいずれかのコマンド行ツールを使用して状況情報を収集します。 サーバー名を指定しない場合、defaultServer が使用されます。
    • サーバー状況のスナップショットを作成する場合は、server dump コマンドを使用します。
      • server dump server_name --archive=package_file_name.dump.pax --include=heap
        ここで、package_file_name.dump.pax は、選択したファイル名です。このファイル名には、絶対パスを含めることもできます。絶対パスが省略された場合、package_file_name.dump.pax という名前の圧縮ファイルがデフォルト・ディレクトリー ${server.output.dir} に作成されます。

      --include パラメーターはオプションです。 追加のメモリー・ダンプ・タイプを要求することができます。 例えば、--include=heap というオプションではヒープ・ダンプを要求します。 --include=thread,heap,system というオプションではスレッド・ダンプ、ヒープ・ダンプ、およびシステム・ダンプを要求します。

    • JVM 状況のスナップショットを作成する場合は、 server javadump コマンドを使用します。
      • server javadump server_name --include=heap

      --include パラメーターはオプションです。 追加のメモリー・ダンプ・タイプを要求することができます。 例えば、--include=heap オプションはヒープ・ダンプを要求し、 --include=heap,system オプションはヒープ・ダンプとシステム・ダンプを要求します。 出力ファイルは、デフォルト・ディレクトリー ${server.output.dir} に作成されます。別のデフォルト・ディレクトリーを設定するには、IBM JVM を使用し、IBM_HEAPDUMPDIRIBM_COREDIR、および IBM_JAVACOREDIR の環境変数を設定する必要があります。

    注: 結果のファイルは項目名に UTF-8 エンコードを使用して作成されるため、ファイルを開くために使用するツールは項目名に UTF-8 エンコードを使用できるものでなければなりません。Java SDK の jar コマンドはこのフォーマットを使用しています。

タスクの結果

指定したサーバーがまだ存在していない場合、コマンドは成功しません。 指定したサーバーが存在する場合、サーバーの状況情報を含む結果ファイルが作成されます。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック

ファイル名: twlp_setup_dump_server.html