z/OS での Installation Manager のインストール

ソフトウェア製品のインストールならびに保守管理を目的として 1 つ以上の Installation Manager をご使用の z/OS® システム上に作成することができます。

始める前に

  • Liberty を z/OS 上でインストールするための Installation Manager インストール・キットの取得の説明に従って、IBM Installation Manager バージョン 1.8.5 以降のインストール・ファイルを入手します。

    サンプル・ジョブでは、Installation Manager インストール・キットが /usr/lpp/InstallationManager/V1R4 で読み取り専用としてマウントされているものと想定しています。

  • 次の中のどのモードで Installation Manager を実行するかを決めます。
    管理者モード
    管理者モードでは、Installation Manager はスーパーユーザー ID (uid=0) からインストールされ、任意のスーパーユーザー ID から呼び出すことができます。管理者モードの Installation Manager は各システムに 1 つしか存在できません。
    ユーザー・モード
    ユーザー・モード (非管理者モードとも呼ばれる) では、Installation Manager を呼び出せるのは、これをインストールしたユーザーのみです。ユーザー・モードの Installation Manager は各ユーザー用に 1 つしか存在できません。
    グループ・モード
    グループ・モードでは、Installation Manager の所有グループ (この Installation Manager を作成したユーザー ID のデフォルト・グループ) に接続された任意のユーザー ID によって Installation Manager を呼び出すことができます。各システムで保有することができるグループ・モードの Installation Manager の数には制限がありません。
  • Installation Manager の実行可能バイナリー・ファイル・ロケーションおよびランタイム・データ・ロケーションを選択します。

    Installation Manager は 2 つのファイル・セットから構成されます。1 つは、インストール・キットからコピーまたは更新される実行可能バイナリー・ファイルのセットで、もう 1 つは、この Installation Manager によってインストールされる製品についての説明を含むランタイム・データ・ファイルのセットです。これらのファイル・セットは両方とも Installation Manager によって 書き込み可能でなければなりません。Installation Manager ごとに実行可能ファイルとランタイム・データの両方について、それぞれのロケーションを選択する必要があります。

    表 1. Installation Manager ファイルのデフォルト・ロケーション. 次の表は、z/OS 上における Installation Manager の実行可能ファイル (バイナリー) およびランタイム・データのデフォルト・ロケーションを示したものです。
    ファイル 管理者モードまたはグループ・モード ユーザー・モード
    バイナリー /InstallationManager/bin $HOME/InstallationManager/bin
    ランタイム・データ (エージェント・データとも呼ばれる) /InstallationManager/appdata $HOME/InstallationManager/appdata

    Installation Manager の資料およびサンプル・ジョブでは、これらのロケーションが前提となっています。これらの名前がご使用のシステムで適切でない場合や、複数の Installation Manager を保有する場合は、別の名前を選択して、それらを Installation Manager の作成時に指定することができます。

手順

  1. GIN2ADMN サンプル・ジョブを編集して実行依頼することで、Installation Manager を所有する SAF グループおよびユーザー ID を作成します。

    SMP/E を使用して Installation Manager ファイルをインストールした場合、Installation Manager サンプル・ジョブは、GIN.SGINJCL データ・セット内にあります。IBM Web サイトからファイルをダウンロードした場合、そのインストール時に選択した区分データ・セットです。

    ユーザー ID には、以下の許可が必要です。
    • ホーム・ディレクトリーの読み取り/書き込み権限
    • FACILITY プロファイル BPX.FILEATTR.APF の読み取り権限
    • FACILITY プロファイル BPX.FILEATTR.PROGCTL の読み取り権限
    • FACILITY プロファイル BPX.FILEATTR.SHARELIB の読み取り権限
    • UNIXPRIV プロファイル SUPERUSER.FILESYS.CHOWN または CHOWN.UNRESTRICTED の読み取り権限
    • UNIXPRIV プロファイル SUPERUSER.FILESYS.CHANGEPERMS の読み取り権限

    Installation Manager を作成したユーザー ID は、その作成した Installation Manager を呼び出せる最初の (もしかすると唯一の) ユーザー ID になります。グループ・モードで Installation Manager を作成した場合は、そのユーザーのデフォルト・グループがこの Installation Manager の所有グループになります。このユーザー ID には、ホーム・ディレクトリーの読み取り/書き込み権限が必要です。

  2. GIN2CFS サンプル・ジョブを編集して実行依頼することで、UNIX System Services ファイル・システムを作成し、/InstallationManager にマウントします。

    ジョブを実行する前に、/InstallationManager ディレクトリーがまだ存在しない場合は作成する必要が生じることがあります。

  3. GIN2INST サンプル・ジョブを編集して実行依頼することで、Installation Manager をインストールします。

次のタスク

GIN2CMD サンプル・ジョブを編集して実行依頼することで、Installation Manager が正しくインストールされているかを確認できます。あるいは、Installation Manager を作成したユーザー ID の下で UNIX System Services シェルにログインし、Installation Manager バイナリー・ロケーションの eclipse/tools サブディレクトリーから Installation Manager の imcl コマンドを実行することもできます。 以下に例を示します。
cd /InstallationManager/bin/eclipse/tools

imcl -version

これで、IBM Installation Manager を使用して製品をインストールする準備ができました。

グループ・モードの Installation Manager への追加ユーザーを許可する: 追加ユーザーがグループ・モードの Installation Manager にアクセスできるようにするには、それらのユーザーが手順の最初のステップにリストされた要件を満たすことを確認した後、TSO CONNECT コマンドを使用して、それらのユーザーを Installation Manager の所有グループに接続します。
CONNECT user2 GROUP(IMGROUP)
別の Installation Manager をインストールするには、新規ユーザー ID およびグループ (該当する場合) ならびに新規バイナリー・ロケーションおよびランタイム・データ・ロケーションを選択し、この手順のステップに従います。別個の Installation Manager インストール済み環境間でバイナリー・ロケーションやランタイム・データ・ロケーションを共有しないでください。
ファイル所有権またはアクセス権の問題の修正: 間違ったユーザー ID で Installation Manager を呼び出してしまった場合、一部のファイルはその Installation Manager インスタンスの通常利用を禁止する所有権が付いて終了する可能性があります。この問題を解決するには、スーパーユーザーまたはその他の特権ユーザー ID にログオンし、Installation Manager のバイナリーおよびランタイム・データに対するファイル所有権およびアクセス権をリセットします。以下に例を示します。
chown IMADMIN:IMGROUP /InstallationManager/bin
chmod 775 /InstallationManager/bin

chown IMADMIN:IMGROUP /InstallationManager/appdata
chmod 775 /InstallationManager/appdata
また、作成済みファイルにグループ書き込み権限を許可するための umask セットをグループ・モードの Installation Manager のユーザーが持っていない場合、あるユーザー ID から別のユーザー ID への切り替え時にこのステップを実行する必要があります。また、グループ内の他のユーザー ID から保守を実行できるようにするためには、Installation Manager を使用してインストールする製品ファイルのアクセス権および所有者を設定しなければならないことがあります。

Installation Manager のアップグレード: Installation Manager を Installation Manager 製品の新しいレベルにアップグレードするには、Liberty を z/OS 上でインストールするための Installation Manager インストール・キットの取得の説明に従って、Installation Manager インストール・キットおよびサンプル・ジョブを更新します。次に、Installation Manager の作成時に使用したのと同じパラメーターを指定して、GIN2INST ジョブを再実行します。このジョブを実行すると、Installation Manager バイナリーが Installation Manager インストール・キットのレベルに更新されます。


トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック

ファイル名: twlp_ins_installation_zos_im.html