集合を使用した、Liberty 用のサーバー管理環境のセットアップ

集合を使用して Liberty プロファイル用にサーバー管理環境をセットアップするには、server.xml ファイルで該当するフィーチャーを定義し、対応する集合のコマンド行タスクを実行して管理ドメインのセキュリティー構成を設定します。

このタスクについて

集合を使用して、単一管理ドメインの複数のサーバーを管理することができます。 高可用性のために、集合レプリカ・セット、クラスター、スケーリングを構成できます。 集合に関する一般情報については、集合アーキテクチャーを参照してください。

Liberty では、以下のフィーチャーで複数サーバー管理を提供します。

  • collectiveController-1.0

    collectiveController-1.0 フィーチャーにより、管理集合用のコントローラー機能が有効になります。このフィーチャーには、restConnector-1.0 フィーチャーで提供される REST JMX コネクターを使用してアクセス可能な集合管理およびクラスター管理 MBean が含まれています。 集合コントローラーは、集合メンバーが接続できるストレージおよびコラボレーション・メカニズムとして機能します。collectiveController-1.0 フィーチャーの管理ドメインのセキュリティー構成は、collective コマンド行の create および replicate タスクを使用して設定されます。このフィーチャーについて詳しくは、『Collective Controller』を参照してください。

  • collectiveMember-1.0
    collectiveMember-1.0 フィーチャーにより、サーバーは管理集合のメンバーになることができ、集合コントローラーで管理できるようになります。collectiveMember-1.0 フィーチャーの管理ドメインのセキュリティー構成は、collective コマンド行の join タスクを使用して設定されます。このフィーチャーについて詳しくは、『Collective Member』を参照してください。
    ヒント: collectiveController-1.0 フィーチャーが有効になっているサーバーがすべて管理されます。 そのため、サーバーで collectiveController-1.0 フィーチャーが既に有効になっている場合は collectiveMember-1.0 を指定する必要はありません。
  • clusterMember-1.0

    クラスター・メンバー・フィーチャーにより、集合メンバーが静的クラスターに参加することができます。 このフィーチャーについて詳しくは、『Static Cluster Member』を参照してください。

  • dynamicRouting-1.0

    動的ルーティング・フィーチャーは、プラグインに対するオンデマンド・ルーター機能を提供する Apache および IHS 用の WebSphere プラグインの Intelligent Management フィーチャーです。 動的ルーティング・フィーチャーにより、サーバーは REST サービスを実行できます。プラグインはこれに接続して、集合内のすべてのサーバーに対し動的ルーティングを行うことができます。このフィーチャーについて詳しくは、『Dynamic Routing』を参照してください。

  • scalingController-1.0

    スケーリング・コントローラー・フィーチャーでは、集合コントローラーによる自動スケーリング・クラスターの拡張または縮小、スケーリング・コントローラーの管理が可能になります。 多くのスケーリング・コントローラーが環境にある場合、稼働中の 1 つのスケーリング・コントローラーだけが、決定を行えます。 そのコントローラーが停止された場合は、別の稼働中のスケーリング・コントローラーが代わりに引き継ぎます。 このスケーリング・コントローラーは、リソース使用量の増加に応じて、自動スケーリング・クラスター・メンバーを開始したり、 リソース使用量の減少に応じて、自動スケーリング・クラスター・メンバーを停止したりできます。 このフィーチャーについて詳しくは、『Scaling Controller』を参照してください。

  • scalingMember-1.0

    スケーリング・メンバー・フィーチャーは、 サーバーおよびそのホスト内のワークロードをモニターし、この情報をスケーリング・コントローラーに送ります。 スケーリング・コントローラー・フィーチャーは、集合に含まれる集合コントローラーで使用可能になります。 このフィーチャーは、集合メンバーの動的クラスタリングも可能にし、 スケーリング・ポリシーで指定された基準に基づいてサーバーが動的に開始または停止できるようにします。 複数のスケーリング・メンバーが同一ホスト上にある場合、各スケーリング・メンバーは、 server.xml ファイルでポートを指定して hostSingleton エレメントを定義する必要があります。 同一ホスト上のスケーリング・メンバーはすべて、ホスト・リーダーを識別する同一ポートを使用しなければなりません。 ホスト・リーダーは、スケーリング・コントローラーとやりとりする唯一のスケーリング・メンバーです。 メンバーからのメトリック・データをコントローラーに伝え、コントローラーによって行われたスケーリングの決定をホスト内のメンバーに伝えます。このフィーチャーについて詳しくは、『Scaling Member』を参照してください。

手順

次のタスク

以下のツールを使用して集合を管理できます。

  • Jython スクリプト、または JConsole などの Java クライアントを使用して、集合コントローラー MBean 操作を実行します。
  • Liberty インストールの bin ディレクトリーでコマンド行から collective コマンドを実行します。collective コマンドについては、以下のように collective help コマンドを実行してください。
    wlp/bin/collective help
    特定のコマンドの詳細を表示するには、コマンド名を指定してください。 例えば、collective create コマンドに関する詳細を表示するには、以下を実行します。
    wlp/bin/collective help create
    ヒント: この文書にあるコマンド例では、前に wlp/bin/ が付いています。 つまり、Liberty インストールの bin ディレクトリー (Windows オペレーティング・システムの C:¥wlp¥bin など) でコマンド行を開いてコマンドを実行します。

    Collective Controller API パッケージでも、collective コマンドに関する情報が提供されています。

  • WebSphere Liberty Administrative Center (「Admin Center」) を使用して、スマートフォン、タブレット、またはコンピューター上の Web ブラウザーから集合内の Liberty のサーバー、アプリケーション、およびその他のリソースを管理します。
    1. adminCenter-1.0 フィーチャーを集合コントローラーの server.xml ファイルに追加します。
    2. スマートフォン、タブレット、またはリモート・コンピューターから Admin Center にアクセスするには、 server.xml ファイル内の httpEndpoint エレメントの host 属性を * (アスタリスク) または定義済みのホスト名に設定するようにしてください。
    3. Web ブラウザーで Admin Center を指します。URL の形式は以下のとおりです。
      https://collective_controller_host_name:collective_controller_port/adminCenter/
    4. 接続が信頼されていることを確認するよう求めるプロンプトがブラウザーによって表示されたら、例外を指定するか、Admin Center への接続の続行を有効にします。
    5. 集合コントローラーの管理ユーザー名とパスワードを使用してログインします。
    6. 「ツールボックス」から、サーバー構成ツールまたは探索ツールを開きます。
      • 「サーバー構成」「サーバー構成」アイコン を選択します。 サーバー構成ツールを使用して、集合内のサーバー構成ファイル (server.xml ファイルなど) を表示および編集します。サーバー構成ツールについては、Admin Center でのサーバー構成ファイルの編集を参照してください。
      • 「探索」「探索」アイコン を選択します。探索ツールを使用して、集合内のアプリケーション、クラスター、サーバー、およびホストを管理します。 探索ツールについては、Admin Center でのリソースの探索および管理を参照してください。

    Admin Center の有効化および使用について詳しくは、Admin Centerを使用した Liberty の管理を参照してください。

    サーバーをリモートで始動および停止できるようにするために、 Liberty 集合操作用 RXA のセットアップにあるご使用オペレーティング・システムに応じたステップを行ってください。


トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック

ファイル名: tagt_wlp_server_management.html