集合アーキテクチャー

単一管理ドメイン内の Liberty サーバーのセットを「集合」と呼びます。 集合は、「集合コントローラー」と呼ばれる、collectiveController-1.0 フィーチャーが有効な 1 つ以上のサーバーから構成されます。 オプションで、1 つの集合は、「集合メンバー」と呼ばれる、collectiveMember-1.0 フィーチャーが有効な多数のサーバーを含むことができ、 また、多数の集合コントローラーを持つように構成することができます。

集合コントローラーによって、MBean ルーティング、ファイル転送、クラスター管理などの操作を実行するための中央管理制御ポイントが実現されます。 集合コントローラーの中心的な役割は、 MBean 属性や操作状態などの情報を集合内のメンバーから受け取って、個々のメンバーで操作を呼び出さなくてもすぐにデータを取得できるようにすることです。

図 1. Liberty の集合アーキテクチャー
単一管理ドメイン内の Liberty サーバーのセットを「集合」と呼びます。
集合は、collectiveController-1.0 フィーチャーが有効な 1 つ以上のサーバーから構成されます。
オプションで、集合は多数の集合メンバーを含み、一連の多数の集合コントローラーの中に存在します。

集合コントローラーのセットを「レプリカ・セット」と呼びます。 集合ごとにレプリカ・セットは 1 つのみで、すべてのコントローラーがそのレプリカ・セットに含まれなければなりません。複数の集合コントローラーがあるとき、それぞれの集合コントローラーは、レプリカ・セット内の他の集合コントローラーにデータを複製して、 高可用性とデータ保護を可能にします。レプリカ・セットは、コントローラーが 1 つしか使用されない場合でも、論理的に存在します。 セット内に複数のレプリカがあるように構成を変更する場合、少なくとも 3 つのレプリカをセットに含めてください。 レプリカ・セット内のコントローラーは、コラボレーション・スキームを使用して相互に通信し、 データを保管する操作をセット内のどのコントローラーが受け取っても、コントローラーのセット全体でデータが確実に複製されるようにします。 各コントローラーには、複製プロトコルで使用される専用ポートがあります。 レプリカ・セット内のコントローラー間の通信は常に認証され、SSL で保護されます。 コントローラーのレプリカ間の整合性を確保するために、クォーラム・アルゴリズムが使用されています。高可用性のために、レプリカ・セット内のコントローラーの個数は、奇数でなければなりません。クォーラムを確実に維持するには、集合コントローラーのレプリカ・セットのメンバーが、複数のデータ・センターにまたがらないようにする必要があります。クォーラムが欠けていると、サーバーの開始や停止などの変更や構成の更新を、集合を対象にして実行することができません。

1 つの集合メンバーには、複数の集合コントローラー・エンドポイントを構成することができます。 集合メンバーは、一度に 1 つだけの集合コントローラーと通信しますが、複数の集合コントローラー・エンドポイントがある構成では、フェイルオーバーとワークロード・バランシングが行われます。 メンバーとコントローラーの通信は常に、IBM® JMX Rest コネクターを通じて実行される MBean 操作の形式になります。コントローラーとメンバー間の通信は常に認証され、SSL で保護されます。

詳しくは、『集合を使用した、Liberty 用のサーバー管理環境のセットアップ』を参照してください。

管理可能ドメイン・セキュリティー構成:
管理可能ドメイン・セキュリティー構成は、次の 2 つの部分で構成されます。
  • ユーザー・ドメイン

    このドメインは、管理者ロールを定義する Java™ ロール・ベース・セキュリティーに依存します。 これは、構成されたユーザー・レジストリー内のユーザーにマップすることができます。

  • サーバー・ドメイン

    このドメインは、SSL 証明書ベースの認証に依存します。

集合のセキュリティーについて詳しくは、『集合のセキュリティー』を参照してください。

構成済みレプリカとスタンバイ・レプリカ

構成済みレプリカ・セットに追加されたレプリカは、 実行中であるか (「アクティブ・レプリカ」)、または停止しています (「非アクティブ・レプリカ」)。 開始されたが構成済みレプリカ・セットに追加されていないレプリカ、または構成済みレプリカ・セットから削除されたレプリカは、 「スタンバイ・レプリカ」と呼ばれます。

図 2. 集合コントローラーの構成済みレプリカとスタンバイ・レプリカ
集合は、実行中の (アクティブ) レプリカと停止した (非アクティブ) レプリカがある構成済みレプリカ・セットを含むことができます。
また、集合は、構成済みレプリカ・セットに追加されていないレプリカ、または構成済みレプリカ・セットから削除されたレプリカを実行しているスタンバイ・レプリカを含むこともできます。

集合のアーキテクチャー用語の要約

集合
単一管理ドメイン内の Liberty サーバーのセット。
集合コントローラー
collectiveController-1.0 フィーチャーを有効にしたサーバー。
集合メンバー
collectiveMember-1.0 フィーチャーを有効にしたサーバー。
レプリカ・セット
集合コントローラーのセット。最適な機能と高可用性のために、レプリカ・セットには少なくとも 3 つのコントローラーが必要です。
レプリカ・ポート
複製プロトコルが使用する、コントローラー上の専用ポート。
構成済みレプリカ・セット
アクティブ・レプリカと非アクティブ・レプリカの和集合。
アクティブ・レプリカ
開始され、構成済みレプリカ・セットに追加されているレプリカ。
非アクティブ・レプリカ
停止しているが、構成済みレプリカ・セットに追加されているレプリカ。
スタンバイ・レプリカ
開始されたが、構成済みレプリカ・セットに追加されていない、または構成済みレプリカ・セットから削除されたレプリカ。

トピックのタイプを示すアイコン 概念トピック

ファイル名: cwlp_collective_arch.html