Liberty サーバーが Optimized Local Adapters サポートを使用してインバウンド要求およびアウトバウンド要求を受信できるようにする必要があります。WebSphere® Optimized Local Adapters (WOLA) for z/OS® は、一連の呼び出し可能サービス (API) です。これらのサービスは、ネイティブ z/OS アプリケーションがアプリケーション・サーバー・エンタープライズ Bean へのインバウンド呼び出しを実行できるようにし、またネイティブ・プログラムがサーバーとして機能し、Liberty サーバーで実行されているアプリケーションからの要求を受け入れられるようにします。
手順
- Optimized Local Adapter のロード・モジュールを含むロード・モジュール・ライブラリーを割り振るか選択します。 このライブラリーは、Liberty サーバーの外で実行されているアプリケーションによって使用されます。このライブラリーは PDS-E でなければなりません。また、Optimized Local Adapter のモジュールを保持するために、このライブラリーには約 40 トラック (3390) が必要です。
- Optimized Local Adapter のロード・モジュールを、wlp/clients/zos/* からロード・モジュール・ライブラリーにコピーします。 以下の例は、$DSNAME データ・セットへのロード・モジュールのコピー方法を示したものです。
cp -Xv wlp/clients/zos/* "//'$DSNAME'"
- Optimized Local Adapters のサポートを Liberty サーバーで使用可能にするには、zosLocalAdapters-1.0 フィーチャーを server.xml ファイルに構成する必要があります。
- このフィーチャーを使用可能にするには、以下の例に示すように、zosLocalAdapters-1.0 フィーチャーを server.xmlファイルに追加します。
<featureManager>
<feature>zosLocalAdapters-1.0</feature>
</featureManager>
- server.xml ファイル内に、3 つのパートから成る WOLA グループ名で zosLocalAdapters エレメントを構成することにより、WOLA グループを作成します。 3 つのパートの WOLA グループ名は、Liberty サーバーに接続するためにクライアントによって使用されます。このグループ名の各パートは、1 文字から 8 文字の英数字でなければなりません。
注: WOLA グループ名に小文字を使用しないでください。z/OS セキュリティー・サブシステムは小文字を大文字に変換するため、実際の構成と一致しなくなることがあります。
<zosLocalAdapters wolaGroup="LIB1" wolaName2="LIB2" wolaName3="LIB3"/>
- connectionFactory エレメントを server.xml ファイルに追加し、properties.ola エレメントにそのプロパティーを指定することにより、接続ファクトリーを構成します。
<connectionFactory jndiName="eis/ola">
<properties.ola RegisterName="OLASERVER"/>
</connectionFactory>
WOLA 接続ファクトリーのプロパティーの情報については、『Liberty プロファイルでの最適化されたローカル・アダプターの接続ファクトリー・プロパティー』を参照してください。
- z/OS 用の SERVER プロファイルを作成します。
- 最適化されたローカル・アダプターの許可されたサービス用の SERVER プロファイルを作成します。 以下のタイム・シェアリング・オプション (TSO) コマンドを使用します。
RDEF SERVER BBG.AUTHMOD.BBGZSAFM.LOCALCOM UACC(NONE)
PERMIT BBG.AUTHMOD.BBGZSAFM.LOCALCOM CLASS(SERVER) ACCESS(READ) ID(wlpuser1)
RDEF SERVER BBG.AUTHMOD.BBGZSAFM.WOLA UACC(NONE)
PERMIT BBG.AUTHMOD.BBGZSAFM.WOLA CLASS(SERVER)ACCESS(READ) ID(wlpuser1)
- 許可されたクライアント・モジュール BBGZSCFM 用の SERVER プロファイルを作成し、そのプロファイルに対して Liberty サーバーの始動タスクのユーザー ID を許可します。このアクションにより、Liberty サーバーは z/OS 許可クライアント・サービスをロードできるようになります。 WLPUSER1 として実行されているサーバーが、許可されたクライアント・モジュールにアクセスできるようにするには、次のようにします。
RDEF SERVER BBG.AUTHMOD.BBGZSCFM UACC(NONE)
PERMIT BBG.AUTHMOD.BBGZSCFM CLASS(SERVER) ACCESS(READ) ID(wlpuser1)
- 最適化されたローカル・アダプターの許可されたクライアント・サービス用の SERVER プロファイルを作成します。 以下の TSO コマンドを使用します。
RDEF SERVER BBG.AUTHMOD.BBGZSCFM.WOLA UACC(NONE)
PERMIT BBG.AUTHMOD.BBGZSCFM.WOLA CLASS(SERVER) ACCESS(READ) ID(wlpuser1)
詳しくは、z/OS 用 Liberty での z/OS 許可サービスの使用可能化を参照してください。
- System Authorization Facility (SAF) で CBIND を使用可能にしている場合、最適化されたローカル・アダプターを使用するクライアントにアクセス権限を付与します。
- CBIND クラスに Liberty サーバーのプロファイルを定義します。 プロファイル名は、BBG.WOLA.<WOLA1>.<WOLA2>.<WOLA3> です。
ここで、WOLA1、WOLA2、および WOLA3 は、
server.xml ファイル内の <zosLocalAdapters> エレメントで指定されている、最適化されたアダプター・グループ名の 3 つの部分です。SAF RDEFINE TSO コマンドを使用して、プロファイルを定義できます。 例えば、以下のコマンドは、LIB1.LIB2.LIB3 という名前の WOLA グループのプロファイルを CBIND クラスに作成します。
RDEF CBIND BBG.WOLA.LIB1.LIB2.LIB3 UACC(NONE)
- プロファイルに対する読み取り権限を許可します。 例えば、以下のコマンドでは、bbg.wola.lib1.lib2.lib3 プロファイルでユーザー名 username に対して読み取り権限を許可します。
PERMIT BBG.WOLA.LIB1.LIB2.LIB3 CLASS(CBIND) ACCESS(READ) ID(username)
アスタリスクを使用して複数のプロファイルに対するアクセスをユーザーに許可することができます。
以下の例では、CBIND クラス内の bbg.wola で始まるすべてのプロファイルについて、読み取りアクセスをユーザー username に許可します。RDEF CBIND BBG.WOLA.* UACC(NONE)
PERMIT BBG.WOLA.* CLASS(CBIND) ACCESS(READ) ID(username)
SAF コマンドおよび構文について詳しくは、ご使用のバージョンの z/OS の資料を参照してください。
タスクの結果
これで、Optimized Local Adapters を使用するアプリケーションを
Liberty サーバー上にデプロイし、開始できるようになりました。
次のタスク
Optimized Local Adapters を使用するすべての外部接続が、Optimized Local Adapters ロード・モジュール・ライブラリーの最新バージョンを実行していることを確認します。WOLA リンク・サーバーなどのクライアントは、それに接続する可能性のある最新の
Liberty インストール済み環境からのプログラム・ライブラリーを使用する必要があります。
また、WOLA リンク・サーバーなどのクライアントは、IBM® によって互換ではないと明示されていない限り、古いリリースの WOLA クライアント・ライブラリーと互換です。
- ロード・モジュール・ライブラリーが最新レベルであることを確認します。
- Optimized Local Adapters を使用するすべての外部アドレス・スペースでこのライブラリーが使用可能になっていることを確認します。例えば、バッチ・ジョブの STEPLIB、または顧客情報管理システム (CICS®) の DFHRPL 連結でライブラリーが使用可能になっていることを確認します。
Optimized Local Adapters を CICS で使用する場合は、CICS でそれらのアダプターのサポートを使用可能にする必要があります。詳しくは、CICS での Liberty の最適化されたローカル・アダプターのサポートの使用可能化を参照してください。
Optimized Local Adapters を IMS™ で使用する場合は、IMS でそれらのアダプターのサポートを使用可能にする必要があります。詳しくは、IMS での Liberty の最適化されたローカル・アダプターのサポートの有効化を参照してください。
接続を作成する場合は、Liberty サーバーへの外部アドレス・スペースの登録から開始します。詳しくは、『最適化されたローカル・アダプターを使用した、ローカル Liberty サーバーへの外部アドレス・スペースの登録』を参照してください。