コマンド行からの Liberty の管理
server コマンドと ws-server.jar 実行可能 JAR ファイルを使用して、サーバーの作成、サーバーの始動または停止、サーバーが稼働しているかどうかの確認、サーバーのデバッグなどを行うことができます。
このタスクについて
wlp/bin ディレクトリーには、サーバー・プロセスの制御に役立つ server というスクリプトがあります。このスクリプトの構文は以下のとおりです。
server <action> [server] [options]
options に使用できる値については、サーバー・コマンド・オプションを参照してください。
トラブルの回避: 管理コンソールは、自動スケーリング可能クラスターのクラスター・メンバ
ーである Liberty サーバーの始動と停止を可能にしますが、サーバーが保
守モードの場合のみです。Liberty サーバーが自動スケーリング可能クラスターのク
ラスター・メンバーである場合に、コマンド・ラインから Liberty サ
ーバーを始動または停止すると、予測不能な結果になる場合があります。
このスクリプトでは、以下のアクションがサポートされます。
- create
- 新規サーバーを作成するコマンド。
- debug
- デバッガーをデバッグ・ポートに接続してから、指定されたサーバーをコンソール・フォアグラウンドで実行するコマンド。 デフォルトのポートは 7777 です。WLP_DEBUG_ADDRESS 変数を使用して代わりのポートを指定できます。
- dump
- さらに調整と診断を行うために、サーバーのスナップショットを作成し、その結果をアーカイブ・ファイルに保存するコマンド。
- javadump
- サーバー Java™ 仮想マシン (JVM) のスナップショットを作成して結果をファイルに保存するコマンド。メモリー・ダンプ・タイプごとにファイルが作成されますが、
すべてのメモリー・ダンプ・タイプがすべての仮想マシンによってサポートされるとは限りません。
メモリー・ダンプ・ファイルのデフォルト・ディレクトリーは ${server.output.dir} です。別のデフォルト・ディレクトリーを設定するには、IBM® JVM を使用し、以下の環境変数を設定する必要があります。
- IBM_HEAPDUMPDIR
- IBM_COREDIR
- IBM_JAVACOREDIR
- list
- 定義済みの Liberty アプリケーション・サーバーをリストするコマンド。
- package
- サーバーをパッケージ化するコマンド。
pause
サーバーで一時停止できるすべてのコンポーネントを一時停止するコマンド。特定のコンポーネントを一時停止するには、--target オプションを使用します。pause および resume について詳しくは、『コマンド・ラインからの Liberty サーバーの一時停止および再開 (Pausing and Resuming a Liberty server from the command line)』を参照してください。
resume
サーバーで一時停止できるすべてのコンポーネントを再開するコマンド。特定のコンポーネントを再開するには、--target オプションを使用します。pause および resume について詳しくは、『コマンド・ラインからの Liberty サーバーの一時停止および再開 (Pausing and Resuming a Liberty server from the command line)』を参照してください。
- run
- フォアグラウンドでサーバーを起動するコマンド。
- start
- バックグラウンド・プロセスとしてサーバーを起動するコマンド。
WLP_ZOS_PROCEDURE 環境変数を使用して、USS バックグラウンド・プロセスではなく、z/OS® 開始タスクとしてサーバーを始動するために使用する STC プロシージャーの名前を指定できます。『Liberty 環境のカスタマイズ』を参照してください。
- stop
- 稼働中のサーバーを停止するコマンド。
- status
- 指定されたサーバーが稼働中かどうかを確認するコマンド。
- version
- 現行サーバーと Java ランタイム環境のバージョン情報を表示するコマンド。
- help
- 追加オプションの詳細など、コマンド行スクリプトのヘルプを表示するコマンド。
注: コマンド行でサーバーが指定されていない場合、アクションは、デフォルトのサーバー・インスタンス defaultServer に対して実行されます (それが存在する場合)。
${wlp.install.dir}/bin/tools ディレクトリー内の実行可能 JAR ファイル ws-server.jar を使用しても同様のアクションを実行できます。例
server スクリプトを Windows システムで実行する場合は、以下のようになります。
server.bat create server_name
server.bat package server_name
server.bat run server_name
server.bat help server_name
server スクリプトを他のシステムで実行する場合は、以下のようになります。
server create server_name
server package server_name
server run server_name
server help server_name
server スクリプトを使用しないで、実行可能 JAR ファイル ws-server.jar を実行する場合は、
以下のようになります。
java -javaagent:bin/tools/ws-javaagent.jar -jar bin/tools/ws-server.jar server_name --create
java -javaagent:bin/tools/ws-javaagent.jar -jar bin/tools/ws-server.jar server_name
java -javaagent:bin/tools/ws-javaagent.jar -jar bin/tools/ws-server.jar --help
--help オプションを使用すると、
--stop、--version、--clean、--include など、
実行可能 JAR ファイル ws-server.jar の追加のコマンド行パラメーターに関する情報が示されます。