batchManager コマンド・ライン・クライアント・ユーティリティー
batchManager コマンド・ライン・クライアント・ユーティリティーは、Liberty で実行されるバッチ・ジョブを管理するためのコマンド・ライン・インターフェースを提供します。
batchManager コマンド・ライン・クライアント・ユーティリティーは、バッチ・マネージャーの REST API を介してバッチ・マネージャーと対話します。batchManager コマンド・ライン・クライアント・ユーティリティーを使用するには、バッチ・マネージャーが Liberty サーバー上で実行されている必要があります。Liberty バッチ・マネージャーをインストールして有効にするには、バッチ管理フィーチャーを使用します。
SSL 構成
batchManager コマンド・ライン・クライアント・ユーティリティーは、SSL 接続を介してバッチ・マネージャーと通信します。Liberty サーバー上で実行されているバッチ・マネージャーとの SSL 通信を容易にするために、ユーティリティーでは、Liberty サーバーの SSL 証明書を検証できなければなりません。
SSL 証明書が既知の認証局 (CA) によって署名されている場合、ユーティリティーは、CA によって証明書を検証できます。追加構成は不要です。
- オプション --trustSslCertificates を指定します。このオプションは、すべての SSL 証明書を信頼するようにユーティリティーを構成します。
- ユーティリティーのトラストストアにサーバーの SSL 証明書を含めます。
オプション --trustSslCertificates の指定を選択した場合、ユーティリティーが受信したすべての SSL 証明書を信頼するため、追加構成は不要です。
ユーティリティーのトラストストアにサーバーの SSL 証明書を含めるオプションを選択した場合、トラストストアを見つけられるようにユーティリティーを構成する必要もあります。ユーティリティーはスタンドアロンの Java メインです。javax.net.ssl.truststore などのシステム・プロパティーを使用して、SSL を構成します。
$ export JVM_ARGS="-Djavax.net.ssl.trustStore=/path/to/server/keystore.jks"
$ batchManager submit ...
$ keytool -export -alias default -file server.crt -keystore [server-dir]/resources/security/key.jks -storepass Liberty
$ keytool -import -alias server_crt -file server.crt -keystore /path/to/truststore.jks -storepass passw0rd
$ export JVM_ARGS="-Djavax.net.ssl.trustStore=/path/to/truststore.jks"
$ batchManager submit ...
コマンドおよび使用法
batchManager コマンド・ライン・クライアント・ユーティリティーには、ジョブの実行依頼、停止、再開、および状況検査を行うためのコマンドが用意されています。
ユーティリティーの一般的な使用方法は、以下のとおりです。
$ batchManager [command] [options]
使用可能なコマンドのリストを表示するには、以下のようにします。
$ batchManager help
特定のコマンドの説明およびオプションを表示するには、以下のようにします。
$ batchManager help [command]
以下の例では、ジョブを実行依頼し、その完了を待機する方法を示します。
$ batchManager submit ¥
--batchManager=<host>:<port>
--user=[credentials for logging into the batch manager]
--password=[credentials for logging into the batch manager]
--applicationName=[application name used when packaging the batch app]
--jobXMLName=[job XML file basename in the app's batch-jobs dir]
--wait
jobParametersFile および jobPropertiesFile
jobParametersFile=filePath1,filePath2,filePath3
jobPropertiesFile=filePath1,filePath2,filePath3
例えば、制御プロパティー・ファイル内で、--jobParametersFile=<filepath1> は --jobParametersFile=<filepath1>,<filepath2> に優先します。結果として、パラメーターは --jobParametersFile=<filepath1> となります。![[17.0.0.3 and later]](../ng_v17003plus.gif)
制御プロパティーおよびジョブ・パラメーター
ジョブ・パラメーターの 1 つのセットを作成するため、本プログラムは空のセットから始めて、さまざまなソースからプロパティーを継続的にロードします。その後、本プログラムはそれらのプロパティーをマージして単一のセットにします。 すべてのソースの読み取りとロードを行った後、本プログラムは単一プロパティー・セットをジョブ・パラメーターとしてジョブ実行依頼に渡します。
このプロパティー・セットは、次の順序でマージすることによって作成されます。同じキーを持つ同じプロパティーがロードされ、複数回設定される場合、前の値は後の値でオーバーライドされます。次のシーケンスでは、前のステップよりも後のステップのほうが優先順位が高くなります。
- --jobParametersFile パラメーターがコマンド・ライン・パラメーターとして含まれていない場合、昇順の優先順位で以下のアクションが発生します。
- --jobParametersFile 制御プロパティーが指すファイルの内容がロードされ、マージされます。この制御プロパティーは、1 つのみの制御プロパティー・ファイル内にあるか、または、プロパティーがオーバーライドされた場合は複数のファイル内にあります。
- ジョブ・パラメーター制御プロパティーがロードされ、マージされます。これらのプロパティーは、制御プロパティー・ファイルの内部で --jobParameter=key=value として構造化されます。
- コマンド・ライン・ジョブ・パラメーターがロードされ、マージされます。
- --jobParametersFile パラメーターがコマンド・ライン・パラメーターとして含まれていない場合、昇順の優先順位で以下のアクションが発生します。
- --jobParametersFile 制御プロパティーが指すファイルの内容がロードされ、マージされます。この制御プロパティーは、1 つのみの制御プロパティー・ファイル内にあるか、または、プロパティーがオーバーライドされた場合は複数のファイル内にあります。
- ジョブ・パラメーター制御プロパティーがロードされ、マージされます。これらのプロパティーは、制御プロパティー・ファイルの内部で --jobParameter=key=value として構造化されます。
- コマンド・ライン・ジョブ・パラメーターがロードされ、マージされます。
この構造は、--controlPropertiesFile パラメーターの優先順位がコマンド・ライン引数よりも低いために発生します。--jobParametersFile パラメーターを指定するレベルによって、それらのファイルの優先順位レベルが決まります。
本プログラムはシーケンス中の各ファイルを読み取ってロードするときに、見つかった --jobParametersFile プロパティーと --jobPropertiesFile プロパティーを縮小して 1 つのプロパティーにします。各プロパティーは、他方のプロパティーの別名です。これらの別名の 1 つでオーバーライドされたコマンド・ライン引数または制御プロパティーは、前にオーバーライドされた制御プロパティー・ファイル内にある、これら 2 つのどちらかのインスタンスに優先します。

SAF 鍵リングを使用した z/OS での batchManager コマンド・ライン・クライアント・ユーティリティー
batchManager コマンド・ライン・クライアント・ユーティリティーで Liberty サーバーの System Authorization Facility (SAF) 鍵リンクを使用するには、Java 環境設定を指定し、また batchManager コマンド・ライン・クライアント・ユーティリティーの呼び出しで指定する、SAF 鍵リングの読み取り権限があるユーザー ID を設定する必要があります。
以下のコマンドは、ユーザーに SAF 鍵リングの読み取り権限を与えます。
PermitRingOwnerId.RingName.LST CLASS(RDATALIB)ID(userId)ACCESS(UPDATE)
SETROPTS RACLIST(RDATALIB) GENERIC(RDATALIB) REFRESH
詳しくは、WebSphere Application Server z/OS Security Server RACF コマンド言語解説書を参照してください。
以下の例では、環境変数 JVM_ARGS を定義します。
export JVM_ARGS="-Djavax.net.ssl.trustStore=safkeyring://ringOwnerId/ringName
-Djavax.net.ssl.trustStoreType=JCERACFKS -Djavax.net.ssl.keyStore=safkeyring://ringOwnerId/ringName
-Djavax.net.ssl.keyStoreType=JCERACFKS -Dcom.ibm.ssl.keyStoreFileBased=false -Dcom.ibm.ssl.trustStoreFileBased=false
-Djava.protocol.handler.pkgs=com.ibm.crypto.provider -Djavax.net.ssl.keyStorePassword=password"
戻りコード
コード | 説明 |
---|---|
0 | タスクは正常に完了しました。 |
20 | 必須引数が指定されませんでした。 |
21 | 認識されない引数が指定されました。 |
22 | 無効な引数値が指定されました。 |
255 | 不明なエラーが発生しました。 |
コード | 説明 |
---|---|
33 | ジョブが停止しました。 |
34 | ジョブが正常に完了しませんでした。 |
35 | ジョブが正常に完了しました。 |
36 | ジョブが中止されました。 |