Liberty では、IBM® Installation
Manager を使用する代わりに、ZIP アーカイブをベースとしたインストールを行うこともできます。ZIP アーカイブ・ファイルから Liberty をインストールした場合に、フィックスパックの最新バージョンにアップグレードするときは、
新しいロケーションに新しいフィックスパック・アーカイブを適用し、必要なユーザー・ファイルおよびサーバー構成データを移動することができます。
このタスクについて
New: フィックスパック 16.0.0.2 は 8.5.5.9 後の次の Liberty フィックスパックです。Liberty フィックスパックの番号付けおよび配布の変更点について詳しくは、『Liberty のこのリリースでの新機能』を参照してください。
IBM Installation Manager を使用して Liberty をインストールした場合、フィックスパックの適用には Installation Manager を使用する必要があります。
重要: フィックスパック・アーカイブを新しい場所に解凍する必要があります。
手順
- WASdev.net から ZIP アーカイブ・ファイルをダウンロードし、解凍することによって、新しいランタイム環境をインストールします。 詳しくは、ZIP アーカイブ・ファイルの解凍による Liberty のインストールを参照してください。
- オプション: 新しいインストール済み環境を、拡張機能を含むエディションにアップグレードします。 前のインストール済み環境をアップグレードした場合、非互換性の問題が起こる可能性を減らすため、少なくとも同じレベルの機能を持つ製品エディションにアップグレードしてください。例えば、
前に WebSphere® Application Server (基本) Liberty にアップグレードした場合、
それと同じエディションまたは WebSphere Application Server Network Deployment Liberty にアップグレードします。詳しくは、Liberty のインストール済み環境へのライセンス適用を参照してください。
- オプション: 新しい環境をカスタマイズするために Liberty リポジトリー アセットをインストールします。 詳しくは、Liberty リポジトリーのアセットのインストールを参照してください。
- ユーザー・データおよびサーバー構成を移動します。 Liberty では、ユーザーが生成した内容とサーバー構成を格納するために、2 つのロケーションを定義します。
- WLP_USER_DIR サーバー構成ファイル (共有リソースを含む) のロケーション。
- WLP_OUTPUT_DIR サーバーが生成したリソースのロケーション。
例えば、ログ・ファイルや一時ディスク・ストレージなどです。
システムに WLP_USER_DIR 環境変数が設定されている場合、新しいランタイム環境は引き続き同じロケーションを使用します。
このため、サーバー構成データのバックアップはありません。
サーバー構成データがバックアップされるようにするには、WLP_USER_DIR で参照されるディレクトリーをファイル・システム上の新しいロケーションにコピーしてください。元の環境を保護するには、WLP_USER_DIR の値を変更して新しいロケーションを指すようにします。
アンインストール時に、WLP_USER_DIR の値を元のサーバー構成のロケーションに再設定します。
WLP_USER_DIR が設定されていない場合、サーバー構成と共有リソースは、サーバーのランタイム環境のルートにある
usr ディレクトリー (例えば、<liberty_server_runtime_root>/usr) に格納されます。ランタイム環境のアンインストール時に、WLP_USER_DIR 環境変数を再設定することができます。
WLP_OUTPUT_DIR 環境変数がシステムで設定されている場合は、新しいサーバーもこのロケーションを使用します。これにより、古いログ・ファイルが上書きされる可能性があります。
古いログ・ファイルが保護されるようにするには、
WLP_OUTPUT_DIR 環境変数を更新するか、設定解除します。
アンインストール時に、この値を元の値に再設定します。
WLP_OUTPUT_DIR の値が設定されていない場合、
デフォルトのロケーションはサーバー・ルート・ディレクトリー内
(例えば、<liberty_server_runtime_root>/usr/servers/<serverName>) になります。
新しいランタイム環境を新しいロケーションにインストールした場合、ログは引き続き、個々のインストール済み環境の
usr/servers/<serverName>/logs ディレクトリーの下に出力されるため、インストール時およびアンインストール時の更新は不要です。
注: server.xml ファイルまたは組み込まれた XML 構成ファイルがサーバー構成ディレクトリーの外にある別のリソースを参照する場合、これらのリソースもコピーするか、参照を更新する必要があります。このことは、ファイル・システム上のハードコーディングされたパスの参照など、アプリケーションが直接参照するリソースについても当てはまります。フィックスパックのアンインストール時に、これらの値を手動で元の値に再設定することができます。
- 新しいサーバーを始動します。<liberty_VX+>/bin/server start <server_name> を実行します。
次のタスク
新しいインストール済み環境が正しく動作することを検証した後、古いインストール済み環境を削除することができます。前のインストール済み環境で、
すべてのサーバーを停止し、
wlp ディレクトリーを削除してください。