リソース・アダプターの構成

Java™ EE Connector Architecture (JCA) 仕様バージョン 1.6、1.5、または 1.0 に準拠するリソース・アダプターを構成することができます。

このタスクについて

リソース・アダプターと、JCA 仕様に定義されているさまざまな接続ファクトリー、管理オブジェクト、およびアクティベーション・スペックをインストールし、構成することができます。

手順

  1. server.xml ファイルを更新して、featureManager タグの下に jca-1.6 フィーチャーを追加します。 server.xml ファイルは、[path_to_liberty¥wlp¥usr¥servers¥server_name] にあります。
     <featureManager>
      <feature>jca-1.6</feature>
     </featureManager>
  2. (オプション) システムの必要性に基づいて、以下の追加フィーチャーを使用可能にします。
    • リソース・アダプターで JMS 仕様インターフェースが提供されている場合は、jms-1.1 フィーチャーを使用可能にします。
      <feature>jms-1.1</feature>
    • アプリケーションから接続ファクトリーおよび管理オブジェクトを検索したい場合は、jndi-1.0 フィーチャーを使用可能にします。
      <feature>jndi-1.0</feature>
    • リソース・アダプターでメッセージ駆動型 Bean のアクティベーション・スペックが提供されている場合は、mdb-3.1 フィーチャーを使用可能にします。
      <feature>mdb-3.1</feature>
    • リソース・アダプターでインバウンド・セキュリティーがサポートされている場合は、jcaInboundSecurity-1.0 フィーチャーを使用可能にします。
      <feature>jcaInboundSecurity-1.0</feature>
    • リソース・アダプターで Bean 検証がサポートされていて、Bean を検証する場合は、beanValidation-1.0 フィーチャーを有効にすることができます。

      <feature>beanValidation-1.0</feature>
  3. サーバー内に 1 つ以上のリソース・アダプターを構成します。次のいずれかの方法を使用してリソース・アダプターを構成することができます。
    • server.xml ファイルを編集して、スタンドアロン・リソース・アダプターを構成します。
      <resourceAdapter location="C:/adapters/MyAdapter.rar"/>
    • server.xml ファイルを編集して組み込みリソース・アダプターを構成し、1 つ以上のリソース・アダプター・モジュールを組み込むアプリケーションをインストールします。以下の例では、app1.ear ファイルに 1 つ以上の組み込み RAR ファイルが含まれていることが想定されています。
       <application location="C:/applications/app1.ear"/>
    • RAR ファイルをサーバーの drop-ins フォルダーに入れて、スタンドアロンのリソース・アダプターをサーバーが自動的に構成するようにします。
       wlp/usr/servers/your-server-name/dropins/MyDropinAdapter.rar
    • EAR ファイルをサーバーの drop-ins フォルダーに入れて、1 つ以上の組み込みリソース・アダプターを含むアプリケーションをサーバーが自動的に構成するようにします。以下の例では、app2.ear ファイルに 1 つ以上の組み込み RAR ファイルが含まれていることが想定されています。
      wlp/usr/servers/your-server-name/dropins/app2.ear
  4. アプリケーション・サーバーを始動します。サーバーが始動した後、次のようなメッセージが console.log ファイルに表示されます。
    [AUDIT ] J2CA7001I: リソース・アダプター MyAdapter が 0.495 秒でインストールされました。
    [AUDIT ] J2CA7001I: リソース・アダプター MyDropinAdapter が 0.311 秒でインストールされました。
    [AUDIT ] J2CA7001I: リソース・アダプター app1.MyEmbeddedAdapter が 0.247 秒でインストールされました。
    [AUDIT ] J2CA7001I: リソース・アダプター app2.anotherEmbeddedAdapter が 0.518 秒でインストールされました。

インストールされているリソース・アダプターに関連付けられている接続ファクトリー、管理オブジェクト、およびアクティベーション・スペックの構成済みインスタンスを識別するために、リソース・アダプターの固有 ID が必要です。スタンドアロン・リソース・アダプターの場合、モジュール名が ID として使用されます。アプリケーションに組み込まれているリソース・アダプターの場合、アプリケーション名とモジュール名の組み合わせ (ピリオド文字で区切られている) が ID として使用されます。

  • リソース・アダプター ID「MyAdapter」を含む properties.MyAdapter サブエレメントを使用してスタンドアロン・リソース・アダプターのプロパティーを指定するには、次のように指定します。

    <resourceAdapter location="C:/adapters/MyAdapter.rar">
      <properties.MyAdapter logFile="${server.output.dir}/logs/myAdapter.log"/>
    </resourceAdapter>
  • リソース・アダプター ID「MyAdapter」を含む properties.MyAdapter サブエレメントを使用して接続ファクトリーをスタンドアロン・リソース・アダプターに関連付けるには、次のように指定します。

    <resourceAdapter location="C:/adapters/MyAdapter.rar"/>
    <connectionFactory jndiName="eis/cf">
     <properties.MyAdapter serverName="localhost" portNumber="1234"/>
    </connectionFactory>
  • app1 アプリケーションで使用可能になっているリソース・アダプター MyEmbeddedAdapter に接続ファクトリーを関連付けるには、properties.app1.MyEmbeddedAdapter サブエレメントを使用して、次のように指定します。

    <application location="C:/applications/app1.ear"/>
    <connectionFactory jndiName="eis/cf">
     <properties.app1.MyEmbeddedAdapter serverName="localhost" portNumber="1234"/>
    </connectionFactory>
  • 場合によっては、モジュール名は ID として使用するのに十分に固有ではありません。例えば、同じリソース・アダプターの 2 つの異なるバージョンをインストールした場合などが該当します。あるいは、モジュール名は固有だが、長すぎるか非英数字を含んでいるために、構成での使用に適していない場合があります。リソース・アダプター ID は、ID 属性を指定することによりオーバーライドできます。

    以下の例は、スタンドアロン・リソース・アダプターの ID のオーバーライド方法を示したものです。

    <resourceAdapter id="MyAdapterV1" location="C:/adapters/version-1.0/MyAdapter.rar"/>
    <resourceAdapter id="MyAdapterV2" location="C:/adapters/version-2.0/MyAdapter.rar"/>
    <connectionFactory jndiName="eis/cf1">
     <properties.MyAdapterV1 serverName="localhost" portNumber="1234"/>
    </connectionFactory> 
    <connectionFactory jndiName="eis/cf2">
     <properties.MyAdapterV2 serverName="localhost" portNumber="1234"/>
    </connectionFactory>
  • 以下の例は、アプリケーションに組み込まれたリソース・アダプターの ID のオーバーライド方法を示しています。この例は、ID を MyEmbeddedRA に変更します。

    <application location="C:/applications/app1.ear">
     <resourceAdapter id="MyEmbeddedAdapter" alias="MyEmbeddedRA"/>
    </application>
    <connectionFactory jndiName="eis/cf">
     <properties.app1.MyEmbeddedRA serverName="localhost" portNumber="1234"/>
    </connectionFactory>
  • 組み込まれているリソース・アダプターのモジュール名を計算するために、リソース・アダプター・デプロイメント記述子 (ra.xml) 内の <module-name> 項目がモジュール名として優先されます。例えば、ra.xml に以下の定義を指定した場合、

    <connector ...> 
    	<module-name>MyRARModule</module-name> 
    </connector>

    モジュール名は「MyRARModule」に設定されます。

    モジュール名がコネクター・デプロイメント記述子に含まれていない場合は、アプリケーション・デプロイメント記述子 (application.xml) 内のリソース・アダプター・モジュールを参照する、短形式の URI が使用されます。例えば、application.xml に以下のモジュール定義を指定した場合、

    <module>         
    	<connector>connectors/MyRARModule.rar</connector>     
    </module>

    モジュール名は、「MyRARModule」と計算されます。

    複数のリソース・アダプターがアプリケーションに組み込まれており、同じ <module-name> 値を定義している場合は、application.xml にリストされている最初の値がそのモジュール名として使用されます。その競合する同じ名前を持つ他のコネクターのモジュール名は、すべての / (スラッシュ) 文字をピリオド (.) に変換した、完全形式の URI から計算されます。例えば、2 つのコネクターがアプリケーションに組み込まれ、その両方が ra.xml に次の定義を含んでおり、

    <connector ...> 
    	<module-name>MyRARModule</module-name> 
    </connector>

    さらに、次の定義を application.xml に含んでいた場合、

    <module>         
    	<connector>subfolder1/connector1.rar</connector>     
    </module>     
    <module>         
    	<connector>subfolder2/connector2.rar</connector>     
    </module>

    1 番目のコネクターのモジュール名は「MyRARModule」になり、2 番目のコネクターのモジュール名は「subfolder2.connector2.rar」になります。


トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック

ファイル名: twlp_jca_config_resadapters.html