分散オペレーティング・システムでの Liberty のインストールとアンインストール

IBM® Installation Manager は多くの IBM ソフトウェア製品のための共通インストーラーです。Installation Manager を使用して、WebSphere® Application Server Liberty のインストールおよび製品ライフサイクルの管理を行うことができます。

始める前に

Installation Manager は、リモートまたはローカルのソフトウェア・フラット・ファイル・ リポジトリーを使用して、WebSphere Application Server 製品をインストール、変更、更新することができる単一のインストール・プログラムです。Installation Manager は、使用可能なパッケージ (製品、フィックスパック、インテリム・フィックスなど) の判別および表示、前提条件および相互依存性のチェック、選択されたパッケージのインストールを行います。また、Installation Manager を使用して、Installation Manager によりインストールされたパッケージを 容易にアンインストールすることもできます。

制約事項:
  • 以前のアルファ版またはベータ版の WebSphere Application Server Liberty がインストールされている場合、それをアンインストールしてから、このバージョンをインストールします。
  • For Windows platforms非管理者が WebSphere Application Server Liberty を Windows Vista、Windows 7、あるいは Windows Server 2008 オペレーティング・システム上の Program Files ディレクトリーまたは Program Files (x86) ディレクトリーに User Account Control (UAC) を使用可能に設定してインストールすると、WebSphere Application Server Liberty は、正しく機能しません。

    UAC は、非管理ユーザーがソフトウェア製品を Program Files ディレクトリーまたは Program Files (x86) ディレクトリーにインストールできるようにするアクセス制御メカニズムですが、インストールの完了後にそのディレクトリーに対するすべての書き込みアクセスを禁止します。

    この問題を解決するには、以下の作業のいずれかを実行してください。
    • オファリングを Program Files または Program Files (x86) 以外のディレクトリーにインストールします。
      以下に例を示します。
      C:¥IBM¥WebSphere¥Liberty
    • UAC を使用不可にします。
  • ローカル・リポジトリーで Installation Manager を使用してオファリングをインストールする際、 圧縮されたリポジトリー・ファイルを解凍しないで直接使用すると、そのインストールには非常に長い時間がかかります。

    ローカル・リポジトリーを使用してオファリングをインストールする前に、圧縮されたリポジトリー・ファイルを ローカル・システム上の任意のロケーションに解凍してから、Installation Manager を使用してそれにアクセスします。

重要: リポジトリー内のコンテンツは非バイナリー・モードで転送しないでください。また、解凍時にはいずれのコンテンツも変換しないでください。
ヒント: 製品資料のこのセクションにある説明はほとんどすべて、IBM Installation Manager の以前のバージョンでも機能しますが、ここに記載されている情報は、Installation Manager のバージョン 1.6.2 以降をインストール済みであるか、またはバージョン 1.6.2 以降にアップグレード済みのユーザー用に最適化されています。
ヒント: 次の 2 種類の方法を使用することによって、さまざまなユーザーが Liberty を使用できます。
  1. ユーザーごとに新しい Liberty インスタンスをインストールします。各 Liberty インストールが新規ユーザー・プロファイルになります。
  2. 複数のユーザーで複数のサーバーを作成します。各ユーザーは、使用される wlp ディレクトリーおよび java_home へのアクセス権を持つグループの一部である必要があります。

オプション 2 を使用する場合、後でサーバーの実行を担当することになるユーザーとしてサーバー作成コマンドを実行し、そのユーザーのホーム・ディレクトリー内にサーバーを作成します。Linux を使用している場合、コマンドは su user1 export WLP_USER_DIR=/home/user1 server create Server1 に似たものになります。

ユーザーのシェル・プロファイルに WLP_USER_DIR を設定することで、簡単に、すべての Liberty コマンドが確実に正しいユーザー・ディレクトリーで動作するようにできます。

重要: Installation Manager は、中間フィックス・パックをインストールしなくても、オファリングの任意のフィックスパック・レベルを直接インストールできます。実際には、Installation Manager は、デフォルトで最新レベルをインストールします。例えば、フィックスパック・レベルをスキップし、バージョン 8.5.5.1 からバージョン 8.5.5.5 に直接移行できます。 ただし、レベルをスキップした場合は、後でそれらのレベルにロールバックできないことに注意してください。 例えば、バージョン 8.5.5.5 を直接インストールした場合、バージョン 8.5.5.4 にロールバックすることはできません。 バージョン 8.5.5.1 からバージョン 8.5.5.5 にスキップした場合は、バージョン 8.5.5.1 にのみロールバックできます。 インストールは、必要に応じて適切に計画する必要があります。

このタスクについて

Installation Manager のインストールおよび Liberty のインストールの準備』の説明のとおり、ご使用のシステムを準備します。

以下のいずれかの手順で、Installation Manager を使用して WebSphere Application Server Liberty のインストールまたはアンインストールを行います。

手順

タスクの結果

ロギングおよびトレースに関する注記:
  • Installation Manager を開いて「ファイル」>「ログの表示」をクリックすると、ログを簡単に表示できます。表内のログ・ファイルを個々に選択して、「ログ・ファイルを開く」アイコンをクリックすることにより、個々のログ・ファイルを開くことができます。
  • ログは、Installation Manager のアプリケーション・データ・ロケーションの logs ディレクトリーにあります。以下に例を示します。
    • For Windows platforms管理インストール:
      C:¥Documents and Settings¥All Users¥Application Data¥IBM¥Installation Manager
    • For Windows platforms非管理インストール:
      C:¥Documents and Settings¥user_name¥Application Data¥IBM¥Installation Manager
    • For AIX platformsFor HP UNIX platformsFor LINUX platformsFor Solaris platforms管理インストール:
      /var/IBM/InstallationManager
    • For AIX platformsFor HP UNIX platformsFor LINUX platformsFor Solaris platforms非管理インストール:
      user_home/var/ibm/InstallationManager
  • メイン・ログ・ファイルは、タイム・スタンプが記されている XML ファイルで、logs ディレクトリーにあります。これらのログ・ファイルは、任意の標準 Web ブラウザーを使用して表示できます。
  • logs ディレクトリー内の log.properties ファイルは、 Installation Manager が使用するロギングまたはトレースのレベルを指定します。
トラブルシューティングに関する注記:
  • For HP UNIX platformsHP-UX オペレーティング・システム上で CD-ROM ファイル・システム (CDFS) を使用して マウントされた DVD から Installation Manager の起動を試みると、起動に失敗して、次のいずれかに類似した例外が含まれた ログ・ファイルを指す場合があります。
    java.util.zip.ZipException: Exception in opening zip file:
    org.osgi.framework.BundleException: Exception in 
    org.eclipse.update.internal.configurator.ConfigurationActivator.start() 
    or bundle org.eclipse.update.configurator.
    この問題は、 Installation Manager で、CDFS でマウントされたデバイスで開ける記述子の数が上限に達したことによって引き起こされる場合があります。この上限は、チューナブル・カーネル・パラメーターの ncdnode の値によって 判定されます。このパラメーターは、メモリー内に同時に存在できる CDFS ノードの最大数を指定します。 この問題を解決するには、ncdnode システム・カーネル設定値を 250 に変更します。 問題が解決しない場合は、この設定値を増やしてください。
  • For HP UNIX platformsデフォルトで、一部の HP-UX システムは、ホスト名の解決に DNS を使用しないように 構成されます。その場合、Installation Manager は外部のリポジトリーに接続できない場合があります。

    リポジトリーを ping することはできますが、nslookup は何も返しません。

    システム管理者と相談して、DNS を使用するようにご使用のマシンを構成するか、またはリポジトリーの IP アドレスを使用してください。

  • 場合によっては、Installation Manager の既存のチェック・メカニズムを迂回する必要がある場合もあります。
    • 一部のネットワーク・ファイル・システムでは、ディスク・スペースが正しく報告されない 場合があります。この場合、ディスク・スペース・チェックを迂回して、 インストールを続行する必要があります。ディスク・スペースのチェックを迂回するには、cic.override.disk.space=trueIM_install_root/eclipse/configurationconfig.ini ファイルに追加して、Installation Manager を再始動します。
    • オペレーティング・システムの前提条件チェックを迂回するには、disableOSPrereqChecking=trueIM_install_root/eclipse/configurationconfig.ini ファイルに追加して、Installation Manager を再始動します。
    これらの迂回メソッドのいずれかを使用する必要がある場合は、Installation Manager チェック・メカニズムを迂回しないソリューションの開発における支援を受けるため、IBM サポートにお問い合わせください。
  • Installation Manager の使用について詳しくは、 IBM Installation Manager 製品の資料を参照してください。
    Installation Manager の最新バージョンの詳細については、リリース情報を参照してください。 リリース情報にアクセスするには、以下のタスクを実行します。
    • For Windows platforms「スタート」>「プログラム」>「IBM Installation Manager」>「リリース情報」をクリックします。
    • For AIX platformsFor HP UNIX platformsFor LINUX platformsFor Solaris platformsInstallation Manager がインストールされているディレクトリーにある文書サブディレクトリーに移動し、readme.html ファイルを開きます。
  • オファリングをインストールしようとして致命的エラーが発生した場合は、以下の処置を講じます。
    • 現在のインストール・ディレクトリーのバックアップ・コピーを作成して、IBM サポートがそのインストール・ディレクトリーを後で確認することが必要になった場合に備えます。
    • Installation Manager を使用して、インストール・ロケーションの下にインストールしたすべてのもの (パッケージ・グループ) をアンインストールします。 エラーが発生する場合がありますが、それらは無視して構いません。
    • インストール・ディレクトリーに残っているすべてのものを削除します。
    • Installation Manager を使用して、同じロケーションまたは新規ロケーションにオファリングを再インストールします。

トピックのタイプを示すアイコン タスク・トピック

ファイル名: twlp_ins_installation_dist.html