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Java 用 ホスト・アクセス・クラス・ライブラリー


ホスト・アクセス・クラス・ライブラリー・アプレットの構築

このセクションでは、ホスト・アクセス・クラス・ライブラリー (HACL) を使用する Java アプレットの構築方法について説明します。さらに、ソース・コードを準備してコンパイルするための要件も説明します。

ソース・コードの準備

HACL クラスを使うプログラムは、クラス定義その他のコンパイル時情報を得るために、適切な HACL パッケージをインポートする必要があります。以下の文を使用して、HACL パッケージを Java ソース・ファイルにインポートできます。

import com.ibm.eNetwork.ECL.*;                  // Base HACL classes

HACL リスナー・インターフェースとイベント・クラスをインポートするには、次のようにします (HACL イベントの使用時にだけ必要)。

import com.ibm.eNetwork.ECL.event.*;            // HACL event classes

拡張 HACL 画面認識クラスをインポートするには、次のようにします (HACL 画面認識クラス使用時にだけ必要)。

import com.ibm.eNetwork.ECL.screenreco.*;       // Advanced HACL screen recognition classes
import com.ibm.eNetwork.ECL.screenreco.event.*; // Advanced HACL screen recognition event classes

Jar および Classpath の考慮事項

HACL jar (Java Archive) ファイルは、habeans.jar と habeansnlv.jar です。 HACL には、さらにいくつかのサポート jar ファイルも付属しています。 jar ファイル形式では、クラス、画像、音声、および他のファイルを、 1 つのファイルにまとめることができます。さらに、jar ファイル形式では、ダウンロードを速くするために、機能を分けることができます。 HACL 用の jar ファイルは、 C:\hostondemand\hod\toolkit\jars ディレクトリーにあります。 C:\hostondemand\hod は、インストール時に選択された公開サブディレクトリーです。

ツールキットは基本製品とは別にインストールされます。上記のロケーションは、ツールキットが Host On-Demand と同じディレクトリーにインストールされていることを前提としたものです。ツールキットのインストール先として、別のディレクトリーを選択することもできます。

HACL のフル・サポートは (少数の注釈された例外を除き)、2 つの jar (Java アーカイブ) ファイル、すなわち habeans.jar (英語サポートを含みます) と habeansnlv.jar (英語およびその他のすべての言語サポートを含みます) に入って出荷されます。これらのファイルは、Bean ビルダー環境での使用および Java アプリケーションの作成に適しています。ただし、これらのファイルには署名がないため、Web ブラウザーを介して Web からダウンロードするのには不適切です。

HACL アプレットをダウンロードするために、 HACL サポートは署名付きのいくつかの小さな「コンポーネント」・アーカイブ・ファイルに分けられています。これらのアーカイブ・ファイルとして、 jar ファイル (Netscape および Appletviewer 環境で使用されます) と cab ファイル (Microsoft Internet Explorer 環境で使用されます) の両方が用意されています。ダウンロードの遅延は Web ブラウザー環境では重大ですが、「コンポーネント」・アーカイブ・ファイルを使用すると、ユーザーは実際に使用するコンポーネントだけを指定することができ、使用する可能性のないサポートをダウンロードするための、コストのかかる遅延が発生するのを回避することができます。ダウンロード時間をさらに削減するために、コンポーネントのリリース・バージョンも提供されています。

コンポーネントのリリース・バージョンは、トレース・コードが除去されているため、対応するデバッグ・バージョンよりもサイズが小さくなっていて、ダウンロードが短時間で行えます。ほとんどのユーザーは、Web 環境用にはコンポーネントのリリース・バージョンを主として使用し、問題判別が必要な場合にだけデバッグ・バージョンを使用することになると思われます。 Java アプリケーション環境ではダウンロード時間は問題とはならないため、ユーザーは、リリース・コンポーネントを使用することもデバッグ・コンポーネントを使用することもできます (あるいは、 habeans.jar ファイルを使用することもできます)。

ほとんどのコンポーネントにはデバッグ・バージョンとリリース・バージョンがあります。しかし、ホスト・コード・ページなどのように、リリース・バージョンだけしかないコンポーネントもあります。ホスト・コード・ページのアーカイブを除き、リリース・バージョンのコンポーネントとデバッグ・バージョンのコンポーネントを混在させることはできません。問題判別が必要な場合、またはダウンロード時間が問題とならないためにデバッグ・コンポーネントを使用している場合には、すべてのコンポーネントでデバッグ・バージョンを使用しなければなりません。

下記の表は、異なるすべてのコンポーネント、それらのリリース名とデバッグ名、およびそれらが依存するコンポーネントを示しています。

機能

リリース名

デバッグ名

依存対象 (リリース名)

habeans.jar にサポートが含まれるか

基本機能

habasen

habase

-

Yes

プリンター基本機能

haprintn

haprint

-

Yes

3270 端末サポート

ha3270n

ha3270

 

Yes

3270 Bidi 端末サポート

ha3270bn

ha3270b

ha3270n、habidin

Yes

3270 タイ語端末サポート

ha3270tn

ha3270t

ha3270n、hathain

Yes

3270 ホスト印刷サポート

ha3270pn

ha3270p

ha3270n

Yes

3270 ホスト・グラフィックス・サポート

hahostgn

hahostg

ha3270n

No

5250 端末サポート

ha5250n

ha5250

-

Yes

5250 Bidi 端末サポート

ha5250bn

ha5250b

ha5250n、habidin

Yes

5250 タイ語端末サポート

ha5250tn

ha5250t

ha5250n、hathain

Yes

5250 ヒンディ語端末サポート

ha5250hn

ha5250h

ha5250n、hahindin

Yes

5250 ENPTUI サポート

ha5250en

ha5250e

ha5250n

Yes

5250 ホスト印刷サポート

ha5250pn

ha5250p

ha5250n

Yes

CICS 端末サポート

hacicsn

hacics

ha3270n

Yes

VT 端末サポート

havtn

havt

haprint

Yes

VT Bidi 端末サポート

havtbn

havtb

havtn、habidin

Yes

VT タイ語端末サポート

havtthn

havtt

havtn、hathain

Yes

タイ語サポート

hathain

hathai

-

Yes

ヒンディ語サポート

hahindin

hahindi

 

Yes

2 バイト文字 (DBCS) サポート

hadbcsn

hadbcs

 

Yes

Secure Sockets Layer (SSL) サポート

hassln

hassl

 

Yes

SSL クライアント認証

hacltaun

hacltau

hassl

No

Service Location Protocol (SLP) サポート

haslpn

haslp

 

No

カラー再マップ Bean

hacolorn

hacolor

 

Yes

KeyRemap Bean

hakeympn

hakeymp

 

Yes

KeyPad Bean

hakeypdn

hakeypd

 

Yes

MacroManager Bean

hamacuin

hamacui

hamacrt

Yes

マクロ・ランタイム・サポート

hamacrtn

hamacrt

 

Yes

ファイル転送サポート

haxfern

haxfer

hamacrtn

Yes

3270 ファイル転送サポート

ha3270xn

ha3270x

ha3270n、haxfern、hamacrtn

Yes

5250 ファイル転送サポート

ha5250xn

ha5250x

ha5250n、haxfern、hamacrtn

No

IBM トレース機能サポート

-

hatrace

 

No

ライセンス・ユース管理

halumn

halum

 

No

 

 

次の表は、ホスト・コード・ページのコンポーネント名を示しています。

 

 

ホスト・コード・ページ

名前

基本

hacp

アラビア語

hacpar

ラテン 1a (de、es、fr、it、pt)

hacp1a

ラテン 1b (その他の地域)

hacp1b

ロシア語

hacpru

トルコ語

hacptr

ラテン 2 (中部ヨーロッパ)

hacp2

日本語

hacpja

韓国語

hacpko

中国語

hacpzh

中国語 (繁体字)

hacpzhtw

ヘブライ語

hacphe

タイ語

hacpth

ギリシャ語

hacpgr

ヒンディ語

hacphi

 

 

すべてのアプリケーションは、habase (または habeans) および hacp アーカイブ・ファイルを使用します。これは、それらのファイルにそれぞれ「コア」 HACL ファイルと「コア」コード・ページ・ファイルが含まれているためです。

 

アプリケーションを正常にコンパイルして実行するには、アプリケーションで必要な jar ファイルを組み込むように、CLASSPATH 環境変数を更新する必要があります。たとえば、5250 ファイル転送をする場合、 CLASSPATH に ha5250xn.jar、haxfern.jar、および hamacrtn.jar ファイルを組み込む必要があります。また、アプリケーションのコンパイル時に、 Java コンパイラーの '-classpath' パラメーターを使用して、 CLASSPATH を設定することも可能です。

 

jar ファイルから HACL クラスを見つけるためには、 classpath 変数 (または -classpath パラメーター) が、その jar ファイルを直接指示していなければなりません。たとえば、アプリケーションが 3270 および SSL 機能を使用していて、 jar ファイルが c:\jars ディレクトリーにある場合、 classpath は次のようになります。

 

CLASSPATH=c:\jars\habasen.jar;c:\jars\hacp.jar;c:\jars\ha3270n.jar;c:\jars\hassln.jar

注:  パーソナル・コミュニケーションズでは、 jar ファイルは pcseclj.jar だけしかありません。この jar はパーソナル・コミュニケーションズのインストール・ディレクトリーにあります。通常は C:\Program Files\Personal Communications です。この jar は habeansnlv.jar と同等のものです。他のサポート機能のほとんどは、パーソナル・コミュニケーションズの適切なセッション構成パラメーターを使うことにより、使用することができます。

実行

HACL を使用するアプレットをブラウザー環境で実行する場合、使用するブラウザーが HACL クラスを見つけられなければなりません。ほとんどのブラウザーは、 'applet' タグの 'codebase' タグで指定した位置を参考にして java クラスを探します。ただし 'codebase' が指定されていないと、HTML 文書そのものを参考にします。ブラウザー環境でクラスを表示する方法の詳細については、各ブラウザーの資料を参照してください。

別の方法として、'applet' タグの 'archive' タグを使って、 jar ファイルを HTML 文書内で直接指定することができます。たとえば、次のようになります。

<APPLET archive="habasen.jar" CODE="MyClass.class" WIDTH=400 HEIGHT=300></APPLET>

プログラムをアプリケーションとして実行する場合、CLASSPATH 環境変数に、 HACL jar (複数可) の完全修飾パス名を必ず含めるようにします。


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