テスト・ステートメントの保管および再利用について

IBMR RationalR Manual Tester の強力な機能の 1 つは、マニュアル・テスト・スクリプト内のテスト命令 (ステートメント という) を保管して、他のスクリプトでそれを再利用できることです。ステートメントを再利用することにより、スクリプトを作成する時間と、スクリプトを更新してアプリケーションに変更を反映する時間を節約できます。

特定のステートメント (例えば、アプリケーションへのログオン、またはユーザー名とパスワードの入力) を複数のスクリプトで頻繁に使用する場合には、テスト・ステートメントの保管と再利用が特に便利です。

テスト・コンテンツを再利用のために保管するには、「アウトライン」ビュー内で 1 つまたは複数のステートメントまたはステートメント・グループを選択して、それを「再利用」ビューの中にドラッグします。「再利用」ビューは、再利用のために保管したステートメントの集合です。このビューは Manual Tester を開く際に常に使用できるので、どのマニュアル・テスト・スクリプトにも再使用可能なステートメントを使用できます。

コピーおよび貼り付けを使用して再使用可能なステートメントを作成する場合、Ctrl+C を押してコピーし、Ctrl+R を押して参照コピーを貼り付けます。 ステートメントを貼り付けると、Manual Tester は貼り付けたアイテムを再使用可能なステートメントのリストに追加するかどうか確認するメッセージを表示します。「はい」をクリックすると、ステートメントは保管され、再利用が可能になります。Manual Tester はそのステートメントを「再利用」ビューに追加します。「いいえ」をクリックすると、Manual Tester は参照ステートメントを貼り付けますが、それを「再利用」ビューには追加しません。

ステートメントをコピーし、参照ステートメントとしてそれを同じファイルの別の位置に貼り付ける場合、Manual Tester はそのステートメントをグレー色のボックスに組み込みません。 ファイル内の参照ステートメントを編集する場合、Manual Tester はファイル内のすべてのステートメントのコピーを自動的に更新します。 ステートメントを別のファイルにコピーする場合、Manual Tester はそのステートメントをグレー色のボックスに組み込みます。 ステートメントのオリジナル・ソースを編集する場合、Manual Tester はステートメントのすべてのインスタンスを更新します。 切り取りステートメントは 1 回だけ貼り付けることができ、コピーしたステートメントは複数回貼り付けることができます。

ステートメントまたはステートメントのグループを任意の順序にドラッグして、「再利用」ビューを編成できます。フォルダーを作成し、それらのフォルダーにステートメントをドラッグすることもできます。

再使用可能なステートメントを再利用するには、「再利用」ビューのコンテンツを、「アウトライン」ビューの希望の場所までドラッグするだけです。すると Manual Tester によりコンテンツはマニュアル・テスト・スクリプトに挿入され、グレー色のボックスで表示されて、これが再使用可能なステートメントへの参照であることを示します。

注: Manual Tester が再使用可能なステートメントをマニュアル・テスト・スクリプトで表示する際の背景色は、変更することができます。 詳しくは、Manual Tester の設定 を参照してください。

また、再使用可能なステートメントへの参照をさらにわかりやすく示すために、Manual Tester ではステートメント・タイプごとに多少異なるアイコンを使用しています。再使用可能なステートメントへの参照を表すアイコンには、左下に小さい矢印が付きます。次の表に、4 つの異なるタイプのステートメントが再利用されているときに、Manual Tester で使用されるアイコンをリストします。

アイコン 再使用可能なステートメントの種類
再利用されるステップのアイコン ステップ
再利用される検査ポイントのアイコン 検査ポイント
再利用される報告ポイントのアイコン 報告ポイント
再利用されるグループ・フォルダーのアイコン グループ・フォルダー
注: チュートリアル 保管済みテスト・コンテンツの再利用 には、再利用のためにステートメントを保管する方法が示されています。このチュートリアルでは、新しいマニュアル・テスト・スクリプトを作成し、保管済みのステートメントを再利用します。チュートリアルを開始するには、次のように操作します。
  1. Manual Tester メニューから、「ヘルプ」>「チュートリアル・ギャラリー」をクリックします。
  2. 「チュートリアル・ギャラリー」内の左側にある「操作しながら学習する」を展開します。
  3. 「Manual Tester スクリプトでの保管済みテスト・コンテンツの再利用」をクリックします。
再使用可能なステートメントを再利用すると、テスト中のアプリケーションを変更するときに、マニュアル・テスト・スクリプトを簡単に更新できます。再使用可能なステートメントを変更しなければならない場合でも、オリジナル・スクリプトに編集を行うだけで済みます。Manual Tester によって、そのステートメントを使用するすべてのスクリプトが自動的に更新されます。「再利用」ビュー内でステートメントを右クリックして「スクリプトを開く」をクリックすると、ステートメントが最初に作成されたスクリプトを簡単に見付けられます。 作成時のオリジナルのステートメントが含まれているテスト・スクリプトは、スクリプト内の再使用可能なステートメントを右クリックして「スクリプトを開く」をクリックするか、または再使用可能なステートメントをクリックして「編集」>「スクリプトを開く」を選択して開くこともできます。
注: 再使用可能なステートメントを変更または削除する場合、Manual Tester は、作成時のオリジナルのステートメントが含まれているスクリプトを保管するまで、「再利用」ビューを更新しません。
注: チュートリアル「テスト・スクリプトの更新と保守」では、保管済みテスト・コンテンツが最初に作成されたスクリプトで、そのコンテンツを更新する方法について説明しています。チュートリアルを開始するには、次のように操作します。
  1. Manual Tester メニューから、「ヘルプ」>「チュートリアル・ギャラリー」をクリックします。
  2. 「チュートリアル・ギャラリー」内の左側にある「操作しながら学習する」を展開します。
  3. 「スクリプトの更新と保守」をクリックします。
保存済みステートメントを含む特定のスクリプトを Manual Tester に更新させたくない場合には、それらのスクリプトの参照を除去できます。 オリジナル・スクリプトを編集する前に、更新しない再使用可能ステートメントのグレー色のボックスをクリックし、「編集」>「ステートメントをローカルにする」をクリックします。こうすることにより、元のスクリプトへの参照は解除され、スクリプトは変更されずにそのまま保持されます。
注: グループへの参照を除去するには、グループ・フォルダーの見出しをクリックします。再使用可能グループへの参照を除去すると、グループ全体に影響が及びます。グループ内の 1 つまたは複数の特定のステートメントに対する参照だけを除去することはできません。

デフォルトでは、Manual Tester はすべての再使用可能なステートメントを含むファイルを C:\Documents and Settings\username\MTA に保管します。「設定」ダイアログ・ボックスの「主な設定」ページを使用して、別の再利用ファイルのロケーションを設定することもできます。

関連タスク
再利用するステートメントの保管
テスト・ステートメントの再利用
再使用可能ステートメントの編集
「再利用」ビューの編成
再使用可能ステートメントへの参照の除去
再使用可能なステートメントの削除
Manual Tester の設定
関連資料
「アウトライン」ビュー
「再利用」ビュー
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