IBM Communications Server for Windows
バージョン 6.4
README


c Copyright International Business Machines Corp. 2009
All Rights Reserved. (c) Copyright IBM Japan 2005
Licensed Material - Property of IBM

目次
1 当リリースについて
当リリースの新機能、修正の履歴、互換性
2 インストール情報
ハードウェアおよびソフトウェア要件、インストール
3 アンインストール情報
4 Web サイト情報
5 リリース情報
IBM Communications Server バージョン 6.4 のフィーチャーおよび機能、SNA API Client、Remote Administration Client
6 制約事項
7 特記事項および商標


1 当リリースについて

Communications Server for Windows は Windows システムに対して SNA 接続を提供します。これにより、IBM z/OS Communications Server と、LLC2、SDLC、X.25、および Enterprise Extender 接続をサポートするその他の SNA 実装環境への接続が可能になります。また、Communications Server for Windows は OEM アダプターのためのオープン・アダプター・インターフェースも提供します。

IBM Communications Server for Windows バージョン 6.4 は、バージョン 6.1.3 のアップグレード・バージョンであり、プログレッシブ ARB の新機能、パス・スイッチ遅延、TN3270E および SNA API Client の IPv6 サポート、Java 1.6 の CPI-C サポートを提供します。また、バージョン 6.1.2 & 6.1.3 からの最新保守アップデートも提供します。バージョン 6.4 はフルインストールであり、6.1.3 より前のバージョンがインストールされている場合は、 バージョン 6.4 をインストールする前に、前のバージョンをアンインストールする必要があります。

本書はオンライン・ヘルプおよび資料の補足となる情報です。 本書では新規に追加された機能、ヒント、制約事項、および訂正などについて説明します。

IBM Communications Server をご利用いただき、ありがとうございます。

[先頭に戻る] [目次]


1.1 当リリースの新機能

IBM Communications Server for Windows バージョン 6.4 は、次の新機能をサポートします。

[先頭に戻る] [目次]


1.2 製品修正の履歴

当製品の最新情報については、セクション 4 に記載されている Web サイトで確認してください。

[先頭に戻る] [目次]


1.3 製品の互換性

z/OS v1r8、v1r9 または v1r10 で EE (HPR/IP) をご使用の場合は z/OS システムに z/OS APAR OA26490 の FIX を適用してください。 この APAR の PTF レベルは以下の通りです。

[先頭に戻る] [目次]


2 インストール情報

Communications Server for Windows バージョン 6.4 は CD-ROM で出荷されますが、 ダウンロード可能なパッケージも入手可能です。

[先頭に戻る] [目次]


2.1 ハードウェア要件

Communications Server for Windows バージョン 6.4 は、Windows XP、Windows Server 2003 (Standard Edition または Enterprise Edition)、Windows Vista または Windows Server 2008 によりサポートされる 32 ビットのオペレーティング・システムで稼働します。この要件は使用されるネットワーク環境と Windows プラットフォーム (ワークステーションとサーバー) により、 さらに高速のプロセッサーと大容量のメモリーが必要になる場合があります。

ディスク・スペースは、開始ドライブに 5 MB、そして永続使用として任意のハード・ディスクに 175 MB 必要です。

SNA API Client は、Windows XP、Windows Server 2003 (Standard Edition または Enterprise Edition)、Windows Vista または Windows Server 2008 に必要な任意のハードウェアで 32 ビット・モードで稼働します。SNA API Client は、永続使用として任意のハード・ディスク・ドライブに 25 MB 必要です。

Remote Administration Client は、Windows XP、Windows Server 2003 (Standard Edition または Enterprise Edition)、Windows Vista または Windows Server 2008 用の 32 ビットのオペレーティング・システムに必要な任意のハードウェアで稼働します。

[先頭に戻る] [目次]


2.2 ソフトウェア要件

Communications Server for Windows には、以下の 32 ビットの Microsoft オペレーティング・システムのいずれかが必要です。

さらに、

ランチパッドを使用して Communications Server をインストールするには、以下のいずれかのブラウザーが必要です。

SNA API Client には、以下のいずれかが必要です。

[先頭に戻る] [目次]


2.3 インストール

サブセクションの目次
2.3.1 6.4 のインストール
2.3.2 インストールの注意点
2.3.3 インストール後のクリーンアップ
2.3.4 製品の保守
2.3.5 Windows インストーラーのロギングの使用可能化

[先頭に戻る] [目次]

2.3.1 6.4 のインストール
インストール手順は、http://www.ibm.com/software/network/commserver/windows/library/index.html から入手できる資料「概説およびインストール」にあります。

また、この資料 (「概説およびインストール」) はインストール・パッケージにも組み込まれています。

[サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

2.3.2 インストールの注意点

他のアプリケーションのクローズ
Communications Server はご使用のシステムにインストールできる幾つかの製品と対話していたり、 リブートが必要になったりするために、 Communications Server をインストールする前に他のアプリケーションをクローズする必要があります。

CD の自動実行
この機能は Windows XP、Windows Server 2003 (Standard Edition または Enterprise Edition)、Windows Vista および Windows Server 2008 で実行できます。

Communications Server および Microsoft SNA Server
Communications Server と Microsoft SNA サーバーは、同一の 1 次区画にインストールすることはできません。 製品間で重なり合う多くの共通サービスは、製品間では互換性がありません。

必要な管理ユーザー権限
Communications Server 管理ユーザーは、Windows User Manager に指定されているとおり、「Load and unload device drivers (デバイス・ドライバーのロードとアンロード)」上級ユーザー権限を持つ必要があります。 「Policies (ポリシー)」>「User Rights (ユーザー権限)」メニューで、「Show Advanced User Rights (上級ユーザー権限の表示)」にチェックマークを付けます。 この権限を、各ユーザーごとに明示的に追加することができます。 このユーザー権限を、IBMCSADMIN ユーザー・グループに対して追加することもできます。

ドメイン・コントローラーへのインストール
Communications Server を 1 次ドメイン・コントローラーまたはバックアップ・ドメイン・コントローラーにインストールする時、 IBMCSADMIN ローカル・ユーザー・グループおよび IBMCSAPI ローカル・ユーザー・グループに対して「Log on locally (ローカルにログオン)」ユーザー権限を使用可能にする必要があります。

[サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

2.3.3 インストール後のクリーンアップ
サーバーのインストール後に、リブートが必要です。

[サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

2.3.4 製品の保守

この Communications Server 6.4 はフルインストールであり、このインストール後は、6.4 の CSD のみインストールすることができます。

IBM は、以下を準備して修理保守を提供します。

APAR および CSD の可用性

APAR 修正:

Communications Server は、製品の欠陥を解決する個々の APAR 修正を出荷します。 特定コンポーネントに対する APAR 修正は、そのコンポーネントの以前の APAR を置き換えます。 APAR 修正には、最新の CSD がインストール済みであることも要求されます。

CSD:

CSD はすべての累積 APAR を含む製品リフレッシュです。これはフルインストールですが、前のレベルをアンインストールした後に、前のレベルと同じフィーチャーの同じディレクトリーにリフレッシュ CSD をインストールします。

Communications Server for Windows の最新修正パッケージおよび CSD は、Fix Central にある Websphere 製品の下から入手できます:
http://www.ibm.com/support/fixcentral/

[サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

2.3.5Windows インストーラのロギングの使用可能化
Communications Server 製品のインストールのロギングは、ランチパッドから、またはロギングを明示的に指定したコマンド行からインストールを起動したときに指定されます。

Windows Vista 以降の Windows インストーラ 4.0 の場合、Communications Server 製品で、インストール/アンインストールの冗長ロギングがデフォルトで使用可能になっています。 ただし、Vista より前の Windows システムの場合、「プログラムの追加と削除」から開始されたアンインストールはデフォルトでログに記録されません。

前のシステムの場合、「プログラムの追加と削除」からのアンインストールをログに記録するためには、次の項目をマシンのレジストリーに追加する必要があります。

詳細については、Microsoft の「How to enable Windows Installer logging」Web サイトを参照してください。http://support.microsoft.com/kb/223300

アンインストールをログに記録するには、3 つの Communications Server 製品のいずれかをアンインストールする前に、Communications Server のメイン・インストール・ディレクトリーの下の Tools の下にインストールされている msilogging_add.reg を実行してレジストリーを更新してください。

注: Windows インストーラのロギングは、システム上でインストール/アンインストールされるすべての製品に適用されるので、このロギング機能を使用可能にしたままにすると、パフォーマンスとディスク・スペースに影響することがあります。

アンインストールの後、msilogging_remove.reg を実行して項目を除去します。製品がアンインストールされても、msilogging ファイルは Communications Server のメイン・インストール・ディレクトリーの下の Tools の下にまだあります。これらのファイルは製品とともにアンインストールされません。

インストール・ログは、製品のインストール時に指定されたログ・ディレクトリーにあります。 「プログラムの追加と削除」を使用して製品がアンインストールされた場合、アンインストール・ログはマシンの TEMP ディレクトリーの下に入ります。ログ・ファイル名は、MSI***.log (ここで、*** は数値) の形式になります。どのファイルが Communications Server のアンインストールに対応しているかを判別するには、日付スタンプを使用してください。

[サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]


3 アンインストール情報

Communications Server の旧バージョンの除去

Communications Server version 6.1.2 APAR JR21456 は、6.1.2 および前のレベルの Communications Server コードとレジストリー情報を除去するクリーンアップ・パッケージを提供します。 前の Communications Server 製品を完全にアンインストールする場合は、クリーンアップ・パッケージ (JR21546) を http://www.ibm.com/support/docview.wss?rs=2262&uid=swg24009834 からダウンロードします。

アンインストール手順は、http://www.ibm.com/software/network/commserver/windows/library/index.html から入手できる資料「概説およびインストール」にあります。

また、この資料 (「概説およびインストール」) はインストール・メディアにも組み込まれています。

パーソナル・コミュニケーションズが Communications Server と同じマシン上にインストールされている場合は、 Communications Server をアンインストールする前に、 パーソナル・コミュニケーションズをアンインストールする必要があります

パーソナル・コミュニケーションズを正常にアンインストールできない場合は、 以下の Communications Server サポート・ページへ進んで、追加情報として必要な技術情報を検索してください。
http://www.ibm.com/support/search.wss?tc=SSHQNF&rs=2262&rank=8&dc=DB520+D800+D900+DA900+DA800+DB560&dtm

Communications Server を使用するすべてのアプリケーションは、 Communications Server をアンインストールする前に終了させる必要があります。 APING あるいはパーソナル・コミュニケーションズなどのアプリケーションの実行中に Communications Server をアンインストールしようとすると、そのアプリケーションが終了するまで、アンインストールがハングする原因となります。

クライアント・アクセス版 Communications Server の旧バージョンの除去

バージョン 6.1.2 またはこれ以前のバージョンを除去するには、cwbzzodb.dll および cwbzzidx.dll を起動するための regsvr32.exe を実行してください。 詳しくは、 『クライアント・アクセスのインストールまたはアンインストール後の修復』を参照してください。

バージョン 6.1.3 を除去する場合は、「アプリケーションの追加と削除」に進み、このプログラムを選択して除去します。

[先頭に戻る] [目次]


4 Web サイト情報

製品情報
IBM Communications Server 製品ファミリーに関する最新情報については、

http://www.ibm.com/software/network/commserver の Communications Server Web サイトをご覧ください。

この Web サイトは、見出し情報、仕様書、よくある質問、教育およびその他の多くの情報とリンクを提供します。

製品サポート
最新のサポート情報については、Communications Server Support Web サイト

http://www.ibm.com/software/network/commserver/support をご覧ください。

この Web サイトは、コード修正、ヒント、ニュースグループ、保守情報、およびその他の多くの情報またはリンクを提供します。

技術的な注意点
http://www.ibm.com/support/search.wss?tc=SSHQNF&rs=2262&rank=8&dc=DB520+D800+D900+DA900+DA800+DB560&dtm で、IBM サポート・データベースに関する技術情報を検索してください。

FixCentral
Communications Server for Windows の最新修正パッケージ、CSD、または更新リリース情報については、Fix Central にある Websphere 製品の下を参照してください:
http://www.ibm.com/support/fixcentral/

[先頭に戻る] [目次]


5 リリース情報

セクションの目次
5.1 バージョン 6.4 のフィーチャーおよび機能
5.2 バージョン 6.1.3 のフィーチャーおよび機能
5.3 バージョン 6.1.2 のフィーチャーおよび機能
5.4 SNA API Client
5.5 リモート管理
5.6 APINGD 構成

[先頭に戻る] [目次]


5.1 バージョン 6.4 のフィーチャーおよび機能

サブセクションの目次
5.1.1 TN3270E および SNA API Client の IPv6 サポート
5.1.2 APPC 会話のキャンセルのサポート
5.1.3 トランザクション・プログラム同期の強化
5.1.4 ACTPU における PU 名抑止の追加サポート
5.1.5 プログレッシブ ARB
5.1.6 パス・スイッチ遅延
5.1.7 リンクに対するリモート活動化サポートの無効化

5.1.1 TN3270E および SNA API Client の IPv6 サポート
TN3270E サーバーは、IPv6 プロトコルがサーバー・マシンにインストールされている場合は、IPv4 および IPv6 クライアントの両方をサポートします。 IPv6 プロトコルは、Windows オペレーティング・システムの Windows XP 以降のリリースにインストールできます。IBM SNA API Client でも IPv6 サポートが有効になりました。

注:AnyNet SNA over IP では、IPV6 アドレッシングがサポートされていません。Communications Server for Windows の AnyNet 機能は、次リリースでは終了する予定です。この機能を Enterprise Extender または SNA API Client インプリメンテーションを使用するように置き換える必要があります。

[サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

5.1.2 APPC 会話のキャンセルのサポート
CANCEL_CONVERSATION verb は、特定のトランザクション・プログラム (tp_id) および会話 (conv_id) を使用して、ローカル LU とパートナー LU 間の接続をキャンセルする制御 verb です。

CANCEL_CONVERSATION verb の VCB 構造の定義は、次のようになります。

typedef struct cancel_conversation
{
unsigned short opcode; /* verb operation code */
unsigned char opext; /* verb extension code */
unsigned char format; /* format */
unsigned short primary_rc; /* primary return code */
unsigned long secondary_rc; /* secondary return code */
unsigned char tp_id[8]; /* TP identifier */
unsigned long conv_id; /* conversation identifier */
} CANCEL_CONVERSATION;
この verb の使用方法については、クライアント/サーバーのプログラミング・ガイドを参照してください。 [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

5.1.3 トランザクション・プログラム同期の強化
Communication Server for Windows の旧バージョンでは、3 つ (Any、None & Confirm ) の同期レベルしかサポートされていませんでした。トランザクション・プログラムの定義に、さらに 2 つの同期 (SYNCPT Negotiable および SYNCPT Required ) が追加されました。

  • SYNCPT Negotiable トランザクション・プログラムは、None、Confirm、または Sync-point の同期レベルをサポートします。
  • SYNCPT Required トランザクション・プログラムは、Sync-point の同期レベルをサポートします。

    必須同期レベルは、トランザクション・プログラムをノード構成アプリケーションの基本パネルから定義するときに選択できます。

    [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

    5.1.4 ACTPU における PU 名抑止の追加サポート
    通常、Communications Server for Windows は、DLUR PU を活動化するときに、REQACTPU メッセージ内の PU 名を識別します。 NO_PUNAME_TO_HOST キーワードを設定すると、この識別を送信しないようにすることができます。 .ACG ファイルに指定された NO_PUNAME_TO_HOST は NODE 定義の一部です。

    このパラメーターは、.ACG ファイルと同様に、ノード定義拡張パネル配下の構成 GUI でも設定/設定解除することができます。

    [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

    5.1.5 プログレッシブ ARB
    IBM Communications Server for Windows は通常、利用可能なすべての ARB アルゴリズム (標準、応答モード、およびプログレッシブ・モード) に対して RTP 接続のサポートを通知します。Communications Server for Windows がリモート・システムの機能に応じて利用可能な最善の RTP メカニズムを使用できるように、通常の RTP 処理を使用するには、このパラメーターを ANY に設定します。

    RTP 操作をカスタマイズするには、NODE セクションの ARB_SUPPORT キーワードに対して次の値のいずれかを指定します:

  • FORCE_STANDARD_ARB:
    この値が設定されると、Communications Server for Windows は、標準 ARB アルゴリズムに対してのみサポートを通知し、応答モードやプログレッシブ・モードのアルゴリズムに対しては通知しません。
  • NO_PROGRESSIVE_ARB:
    この値が設定されると、Communications Server for Windows は、標準および応答モードの ARB アルゴリズムに対してサポートを通知しますが、プログレッシブ・モードのアルゴリズムに対しては通知しません。

    [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

    5.1.6 パス・スイッチ遅延
    RTP 接続でパス・スイッチが発生するまでの最小遅延秒数。遅延を指定すると、特に利用可能な他のルートが存在しない場合など、リモート・システムにおける一時的なリソース不足によって、不要なパス・スイッチが発生するのを防ぐことができます。

    このパラメーターのデフォルト値は 0 で、これはパス・スイッチが必要であることをプロトコルが示すと、すぐにパス・スイッチが発生することを示します。

    詳細については、構成ファイル・リファレンス・マニュアルの第 23 章「RTP_TUNNING」セクションを参照してください。

    [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

    5.1.7 リンクに対するリモート活動化サポートの無効化
    新しいパラメーター、DISABLE_REMOTE_ACT が、リンク定義レコードに追加されました。これにより、リモート・ノードからのリンク・ステーションの活動化を防ぐことができます。 以下の値をとります:
    • DISABLE_REMOTE_ACT=1, YES。リンク・ステーションは、ローカル・ノードからのみ活動化できます。リモート・ノードから活動化しようとすると、CS Windows が拒否します。
    • DISABLE_REMOTE_ACT=0, NO (デフォルト)。リンク・ステーションは、リモート・ノードから活動化できます。

    .ACG ファイルに指定された DISABLE_REMOTE_ACT は LINK_STATION 定義の一部です。 このパラメーターは、再活動化パネルのリンク・ステーション定義で設定/設定解除することができます。

    [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]


    5.2 SNA API Client

    サブセクションの目次
    5.2.1 アプリケーションが再起動しない
    5.2.2 マルチユーザー・サポート
    5.2.3 Windows Terminal Client (WTC) での構成
    5.2.4 SNA API Client の場合のトレースおよびメッセージ・ロギングの注意事項
    5.2.5 LDAP ディレクトリー・サーバーの変更

    5.2.1 アプリケーションが再起動しない
    サーバーへの SNA API Client 接続が失われた後、ユーザーのアプリケーションが正常に再始動しない場合、 SNA API Client DLL および実行可能プログラムがメモリーから正しくアンロードされていない可能性があります。 この場合、アプリケーションは、接続が再確立された後も再始動しないことがあります。

    これが起きた場合は、SNA API Client 実行可能プログラムを、手動で終了させる必要があります。 コマンド行ユーティリティー resetapi.exe が、Windows クライアント API とともにインストールされています。 このユーティリティーは、クライアントをリブートさせることなく SNA API Client 実行可能プログラムを終了させます。

    [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

    5.2.2 マルチユーザー・サポート
    Windows Terminal Server (WTS) 環境で SNA API Client とともに稼働するシステムは、 複数ユーザーをサポートするようになります。 以下はマルチユーザー環境において、パーソナル・コミュニケーションズを使用する SNA API Client を WTS へ接続して、 リモート・デスクトップなどの Windows 端末サーバー・クライアントを使用する場合のシナリオです。

    リモート・デスクトップ・クライアント <====> パーソナル・コミュニケーションズおよび SNA API Client を使用する WTS <====> CS/Windows <====> z/OS ホスト

    [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

    5.2.3 Windows Terminal Client (WTC) での構成
    WTC 上に特別な構成は必要ありません。 リモート・デスクトップ・クライアントまたはその他の WTC ソフトウェアを使用して、WTS にログオンします。 WTS に構成済みのパーソナル・コミュニケーションズ・セッションを使用します。

    WTS 上の構成は次のように行います。

    1. SNA API Client を LUA セッション用に構成します。 この構成は、各ユーザーごとに行うことができます。
      1. 「Local INI configuration (ローカル INI 構成)」を選択します。
      2. ユーザー ID、パスワードなどのグローバル・データを構成します。 追加の詳細情報については、『入門』資料を参照してください。
      3. LUA セッション名、サーバー IP アドレスなどを含む、LUA 定義を作成します。 追加の詳細情報については、『入門』資料を参照してください。
      4. 構成を保管します。
        • この構成を特定ユーザー用として保管したい場合は、 そのユーザーの名前 (例えば user1) のディレクトリーを作成してそのユーザーの名前で (例えば user1.ini) 構成ファイルを保管します。 構成を完了するには、下の項目 3 の「各ユーザーごとに異なる .INI ファイルを構成するには」を参照してください。
        • すべてのユーザーを同じ構成にしたい場合は、 ファイルをデフォルト名のもとでデフォルト・ロケーション内に保管します。 唯一の変更点は、複数ユーザー構成のサポートです。
    2. パーソナル・コミュニケーションズを、SNA API Client を使用するように構成します。 WTS サポートがあってもなくても、手順は以前と同じです。
      1. 「API client (API クライアント)」インターフェースを選択します。
      2. 「LUA0,1,2,3 via WINRUI (WINRUI を介する LUA0,1,2,3)」接続機構を選択します。
      3. 「Link parameters (リンク・パラメーター)」をクリックして、 SNA API Client に構成されるセッションの名前を選択します。
      4. その他の設定値のデフォルト値はそのままにします。
    3. 各ユーザーごとに異なる .INI ファイルを構成するには、以下を実施します。
      1. .INI ファイルを構成する必要がある対象ユーザーとして、システムにログオンします。
      2. 「System Properties (システム・プロパティー)」 >「Advanced (上級)」パネルと 進み、「Environment variables (環境変数)」をクリックします。
      3. 「User Variables (ユーザー変数)」 > 「New (新規)」をクリックします。
      4. 変数値に CSNTAPI と入力し、.INI ファイルのパスを入力します。

        例えば、ユーザー 1 構成がファイル C:\user1\user1.ini にあり、 ユーザー 2 構成が C:\user2\user2.ini にある場合、構成は次のようになります。

        • ユーザー 1 の場合、変数値は CSNTAPI、パスは C:\user1\user1.ini と入力します。
        • ユーザー 2 の場合、変数値は CSNTAPI、 パスは C:\user2\user2.ini と入力します。

    他に構成手順に対する変更点はありません。 LUA セッション、トランザクション・プログラムなどは変更しないままにします。 パーソナル・コミュニケーションズ構成を変更する必要はありません。 パーソナル・コミュニケーションズまたは LU アプリケーションを構成するステップは同じままです。

    [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

    5.2.4 SNA API Client の場合のトレースおよびメッセージ・ロギングの注意事項
    • トレース機能「All API Traces (すべての API トレース)」オプションが選択された場合、 デバッグ・トレースは pcatrace.dat ファイルにも記録されます。 デバッグ・トレースを収集するときは、All API Traces (すべての API トレース) オプションを選択します。「Start (開始)」をクリックして、トレースを開始します。 デバッグ・トレースは、トレースが停止されるとき、あるいはユーザーがトレース機能 GUI を終了する場合に停止します。
    • メッセージ・ログは常に MsgLog.dat ファイルに保管されます。 メッセージ・ログ・ファイル (MsgLog.dat) は、それぞれ 131 KB サイズの 2 つのファイルに収集されます。 これにより、各メッセージ・ログ・ファイルのサイズを削減することになり、 管理しやすくなります。 infobundler は両方のメッセージ・ログ・ファイルを収集します。
    • トレースは管理者だけでなく非管理者でも開始できます。
    • 詳細トレース (pcatrace.dat) は複数のファイルに収集されます。 デフォルトでは、各ファイルのサイズは 100K、ファイルの最大数は 999 です。
    • デフォルト値 (ファイル・サイズおよびファイルの最大数) はコマンドの tracedg /s FileSize /n MaxNum で変更できます。 この値はグローバルです。1 ユーザーによって設定された値は、すべてのユーザーが使用できます。

      例えば、tracedg /s 92160 /n 20 は、それぞれのサイズが 90k の pcatrace ファイルを作成し、 作成されるファイルの最大数は 20 です。 20 個のファイル作成されると、次に最初のファイルが上書きされます。

    • Msglog.dat および pcatrace.dat のデフォルトの場所は「APPDATA」で指定されるディレクトリーです (これは各ユーザーごとに個別に収集されます)。 この場所は CSNTAPITRCLOG 環境変数を設定して変更できます。
    • 問題診断に必要なキー・クライアント・ファイルを取り込むために、 infobundler がこのバージョンで提供されます。 これは、IBM と問題を追跡するときには、 いつも実行してその出力を送信する必要があります。 infobundler を実行するには、コマンド行から SNA API Client のインストール・ディレクトリー (例: C:\CSNTAPI) に進みます。 コマンド行から INFOB.exe を実行します。 例:

      C:>INFOB

      一連の 13 ステップが完了すると、最終的に情報 (下記の 11 資料) は cspd.exe に収集されます。 cspd.exe はインストール・ディレクトリー (デフォルトは C:\Program Files\IBM\CS SNA API Client) に配置されています。

      何らかの問題が報告された場合は、infobundler を実行して cspd.exe ファイルを IBM サポートにお送りください。

      SNA API Client 版 infobundler フィーチャーの要約は、以下のとおりです。

      1. MsgLog.dat (エラー・メッセージ・ログ・ファイル) のバンドル
      2. pcatrace.dat (デバッグ・トレース・データ・ファイル) のバンドル
      3. CSNTAPI.TRC (不定形式のトレース・データ・ファイル) のバンドル
      4. CSNTAPI.FMT (定様式トレース・データ・ファイル) のバンドル
      5. APIERROR.LOG (API エラー・ログ・ファイル) のバンドル
      6. Eventlog のバンドル
      7. Dr.Watson ログ のバンドル
      8. CSNTAPI.INI のバンドル
      9. 全レジストリー・キーのバンドル。 ユーザー環境変数とシステム変数環境はレジストリー設定のパーツであることに注意してください。 ユーザー環境変数はユーザー実行の infobundler に対応します。
      10. CSNTAPI ディレクトリー・リスト表示のバンドル
      11. Windows\system32 ディレクトリー・リスト表示のバンドル。 これは SNA API Client インストールまたは Microsoft Windows インストールから WINRUI32.DLL、WINAPPC32.DLL などの使用を判別する場合に役に立ちます。 これらの API が Microsoft Windows インストールから使用される場合は、 アプリケーションが処理できないことを既に述べました。

    [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

    5.2.5 LDAP ディレクトリー・サーバーの変更
    SNA API Client 構成情報は、LDAP ディレクトリーに保持することができます。 当リリースでサポートされるディレクトリー・サーバーは、Netscape Directory Server バージョン 4.0、IBM Directory Server バージョン 3.1.1、および Lotus Domino バージョン 5.0 です。

    Netscape Directory Server ではスキーマ拡張が提供され、SNA API Client を構成する前に、 サーバー構成にスキーマ拡張を追加する必要があります。 その他のサポートされるディレクトリー・サーバーは既に必要なスキーマ定義が含まれています。 項目および属性へのアクセス制御は、ディレクトリー・サーバーの管理ユーティリティーを使用して制御される必要があります。

    SNA API LDAP 構成ユーティリティーにより、拡張項目を変更することができます。 このユーティリティーで使用されるユーザー ID は、ディレクトリーの中に項目を書き込めるアクセス権を持つ必要があります。 ユーザーは、クライアント構成ユーティリティーの実行時にディレクトリー管理者 ID (これらの許可を持つ) を使用することができます。

    スキーマ拡張を Netscape サーバーに追加するには、 Netscape ディレクトリー・サーバーの \config ディレクトリーにある slapd.conf ファイルに、以下の行を追加します。

    include ibmcs-oc-ns.conf
    include ibmcs-at-ns.conf

    このディレクトリーへの正確なパス名は、 ディレクトリー・サーバーがインストールされている場所とディレクトリー・サーバーの名前によって決まります。 次の例を参照してください。

    drive_letter:\netscape\suitespot\slapd-hostname\config

      [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]


      5.3 リモート管理

      5.3.1 メッセージ・ログ・ファイルへのアクセス
      Communications Server がインストールされているリモート・マシン上のメッセージ・ログ・ファイルを検討することができます。 Communications Server がインストールされているドライブを割り当てます。 そして、Communications Server ログ・ビューアー・アプリケーションをオープンし、 リモート・ログ・ファイル pcwmsg.mlg をオープンします。

      [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

      5.3.2 異なるサーバー・バージョンの管理
      リモート構成は、同一バージョン・レベルの Communications Server のみ構成できます。 例えば、バージョン 6.1.3 リモート構成は、バージョン 6.1.3 Communications Server ノードのみ構成できます。

      [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

      5.4 APINGD 構成
      SNA ノードを APING するためには、構成ファイルに APINGD TP (Transaction Program) を正しく定義する必要があります。新規構成ファイルが作成されると、Communications Server がインストールされているディレクトリーに APINGD TP が定義されます。構成ファイルが、同一ディレクトリーにインストールされていない別のボックスまたは別のリリースからコピーされる場合は、APINGD のパス名を更新する必要があります。例えば、バージョン 6.1.3 の構成ファイル (デフォルトのインストール・パス C:\IBMCS) が 6.4 (デフォルト・インストール・パス C:\Program Files\IBM\Communications Server) によって使用される場合は、次のように変更します。
      PATHNAME=C:\IBMCS\apingd.exe
      を
      PATHNAME=C:\Program Files\IBM\Communications Server\apingd.exe
      

      これは .acg 構成ファイルを編集するか、構成 GUI で「CPIC および APPC (CPIC and APPC)」->「Transaction Programs」を選択して変更することができます。

      [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]


      6 制約事項

      6.1 SLP とさまざまな暗号化レベル
      SLP QUERY を持つハイ・セキュリティー TN3270 ポートをターゲットとするクライアント・セッションは、 認証のみ (Authenticate Only) の TN3270 ポートに接続されることがあり、 また両方が同一のサーバー上で構成されていれば逆になることもあります。

      Communications Server for Windows では、 TN3270(E) ポート定義または TN5250 ポート定義に、 ユーザーがさまざまなレベルの暗号化 (高、中、認証のみ (Authenticate Only)) を構成することができます。 これらの暗号化レベルは、 「Define TN3270 Port Definitions (TN3270 ポート定義の定義)」ダイアログの「Security (セキュリティー)」パネルにあります。

      一部の TN3270 クライアントまたは TN5250 クライアント (Host On-Demand バージョン 5 など) は、 SLP パケットにおいて Communications Server が公示している SSLv3 情報を完全には使用しません。 これらのクライアントは、暗号化レベルに関係なく、自分が要求する SSL レベル、スコープ、プール、 およびロードを使用して、最初のポートに接続します。 結果の接続は、意図したものとは異なる暗号化レベルでのポートへのセッション接続となることがあります。

      この状態を回避するには、各マシンまたはスコープに対して 1 つの暗号化レベルのみ (高、中、認証のみ (Authenticate Only)) を使用します。 所定のサーバー上のポートは、 セキュリティーおよびクライアント認証を使用可能にしたり使用不可にしたりすることにより、 一意的にターゲットとすることができます。

      [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]

      6.2 SNA API Client の使用法
      SNA API Client は、SNA API Client を使用して接続するユーザーの数が少ないブランチ環境に適しています。複数のブランチを 1 つのデータ・センターに統合している場合、または Web サーバー・アプリケーションを使用している場合は、SNA API Client ではなく、サーバーを使用することをお勧めします。

      [サブセクションの先頭に戻る] [本書の先頭に戻る] [目次]


      7 特記事項および商標

      AnyNet、IBM、Lotus、Lotus Domino、S/390、Tivoli、Tivoli License Management、WebSphere、および z/OS は、International Business Machines Corporation の米国およびその他の国における商標です。

      Microsoft、Windows、Windows NT、Windows 2000、Windows XP、Windows Server 2003、Windows Vista、および Windows Server 2008 は、Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標です。

      他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標です。[先頭に戻る] [目次]