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管理およびプログラミングの手引き OS/2 版、Windows NT 版、Unix 版


概要

インターネットにおけるほとんどの Web ページは静的な Web ページです。 つまり、編集しない限りは変更されないページです。Web 上に "live" データとアプリケーション (現在の営業統計など) を組み込むには、 Web サイトの開発者は通常、プログラムを作成します。このプログラムは、 Web サーバーのミドルウェアとして Web ページを動的に構築します。この種のプログラムの作成は簡単ではありません。

Net.Data を使用すると、 マクロ を使用して、対話式 Web アプリケーションを簡単に作成することができます。

本章では、Net.Data を Web アプリケーションで使用する利点について説明します。


Net.Data とは ?

Net.Data マクロを使用することにより、プログラミング論理の実行、 変数のアクセスおよび操作、関数の呼び出し、およびレポート作成ツールの使用が可能です。 マクロとは Net.Data マクロ言語構成要素、HTML タグ、Javascript、 および SQL や Perl などの言語環境ステートメントが組み込まれているテキスト・ファイルです。Net.Data はマクロを処理して、Web ブラウザーで表示可能な出力を作成することができます。マクロは、単純な HTML と、Web サーバー・プログラムの動的な機能性を結合します。 この結果、live データを静的 Web ページに簡単に追加することができるようになります。 live データは、ローカルのデータベースやリモートのデータベースから、 さらにフラット・ファイルから抽出することができます。 アプリケーションおよびシステム・サービスから生成することもできます。

図 1 は、 Net.Data、Web サーバー、およびサポートされるデータとプログラミング言語環境の関係を示しています。

図 1. Net.Data、Web サーバー、およびサポートされるデータとプログラム・ソース間の関係
Net.Data、Web サーバー、およびサポートされるデータとプログラム・ソース間の関係

Web サーバーは、Net.Data サービスを要求する URL を受信すると、DLL または共用ライブラリーとして Net.Data を呼び出すことにより、Net.Data を CGI、FastCGI、 または Web サーバー・アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) として起動します。URL には Net.Data 固有の情報が組み込まれています。 これらの情報は、マクロとして処理 されるか、SQL ステートメントまたはプログラムとして直接的に起動されます。Net.Data は要求の処理を終了すると、 結果の Web ページを Web サーバーに送信します。サーバーはそのページを Web クライアントに渡し、そのクライアントでブラウザーを使って表示します。


Net.Data を使用する理由

Net.Data を利用すれば、動的な Web ページを非常に簡単に作成できます。 マクロ言語を使用すると、 ユーザーが独自に Web サーバー・アプリケーションをプログラムするよりも簡単です。Net.Data では、 ユーザーが現在知っている HTML、SQL、Perl、 REXX、および JavaScript などの言語を使用することができます。Net.Data はまた、DB2 データベースをアクセスし、 IMS Web を使用した IMS トランザクションを実行する言語環境を提供します。 この言語環境で、ユーザー・アプリケーションには、REXX、Perl、 他各種言語を使用することができます。 また、 マクロの変更は、ブラウザーで即時に表示することができます。

Net.Data は、Web のデータおよび関連ビジネス・ロジックを使用可能にすることにより、 ユーザーのオペレーティング・システムの既存の データ管理機能を補います。具体的に Net.Data は以下を行います。

インタープリター・マクロ言語

Net.Data マクロ言語はインタープリター言語です。Net.Data はマクロを処理するために起動されると、 各言語ステートメントを直接的にファイルの先頭から順次に解釈を開始します。 このアプローチを使用することにより、ユーザーがマクロに加えた変更は、 そのマクロを実行する URL をユーザーが指定すると即時に反映されます。 再度コンパイルをする必要はありません。

直接要求
単一の SQL ステートメント、DB2 ストアード・プロシージャー、REXX プログラム、 C や C++ プログラム、または Perl スクリプトを実行するための単純な要求では、 マクロを作成する必要はありません。このような要求は直接 URL で指定して、 ブラウザーから Web サーバーまでの流れを制御します。

フリー・フォーマット

Net.Data マクロ言語には、2、3 のプログラミング・フォーマットがあるだけです。 この単純さは、プログラマーに自由度と柔軟性をもたらします。 単一の命令が複数の行に分解されたり、複数の命令が単一の行にまとめられたりします。 命令はどの列からも開始することができます。スペースやすべての行をスキップすることができます。 コメントはどこでも使用できます。

型を持たない変数

Net.Data はすべてのデータを文字ストリングとして取り扱います。 Net.Data は組み込み関数を使用して、有効な数字を表しているストリングを算術演算します。 指数のフォーマットもサポートされます。 マクロ言語の変数の詳細については、Net.Data のマクロ変数で解説されています。

組み込み関数

Net.Data は組み込み関数を使用して、テキストや数字に関するいろいろな処理、検索、および比較演算を行います。 他の組み込み関数には、フォーマット機能や算術計算があります。

エラー処理

Net.Data がエラーを検出すると、説明の付いたメッセージがクライアントに戻されます。 ブラウザーを使用するユーザーにエラー・メッセージが戻される前に、メッセージをカスタマイズすることができます。 詳しくは、Net.Data 解説書 を参照してください。


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