J2EE プロジェクトのターゲット・サーバーの指定

J2EE アプリケーションを開発する際、ワークベンチでは J2EE プロジェクトのサーバー・ランタイム環境を指定する必要があります。ターゲット・サーバーは、プロジェクトの作成およびインポート時に指定しますが、プロジェクト・プロパティーにおいて変更できます。ターゲット・サーバー設定は、J2EE プロジェクトのクラスパスを設定するためにデフォルト・メカニズムです。

Java™ ランタイム環境 (JRE) について異なる JDK レベルを使用する異なるアプリケーション・サーバーをサポートするためには、ワークベンチではプロジェクトにターゲット・サーバー設定が組み込まれている必要があります。例えば、WebSphere® Application Server V6.0 のランタイム環境として使用される JDK 1.4.2 の機能を利用する場合、ユーザーのアプリケーションでは、ワークベンチの以前のバージョンで使用されたのとは異なるクラスパス・エントリーが必要です。ユーザーがターゲット・サーバーを指定しなければならないようにすることで、ワークベンチは、JDK 1.4 ランタイム環境を使用している WebSphere Application Server V6.0 での稼働のために適切なエントリーが正しく追加されるようにします。

重要: プロジェクトへのこれらのクラスパス・エントリーの追加方法により、ワークベンチで作成された J2EE プロジェクトは、バージョン 5.1.1 より前の WebSphere Studio Application Developer のバージョンとは互換がありません。

プロジェクトが作成されると、プロジェクトのクラスパスが 2 つのクラスパス・コンテナーで更新されます。コンテナーの 1 つは JDK コンテナーで、もう 1 つはサーバー・コンテナーです。JDK コンテナーは、JDK バージョンをサポートするのに必要な JAR ファイルを含むディレクトリーをポイントします。サーバー・コンテナーは、選択したサーバーで使用できる複数のパブリック JAR ファイルを含むディレクトリーをポイントします。プロジェクトはその後、これらのフォルダーに存在する必要な JAR ファイルに基づいてコンパイルされます。開発中にサーバーからのその他の JAR ファイルを追加することについて気にする必要はありません。プロジェクトがコンパイルされると、JAR ファイルはクラスパスに組み込まれます。クラスパスに独自の JAR ファイルを追加することもできます。

ターゲット・ランタイム環境は、プロジェクトのリソース内の .runtime ファイルに指定されます。手操作でこのファイルを編集しないでください。

すべての J2EE プロジェクトの作成およびインポートのウィザードでは、結果プロジェクトのターゲット・サーバーを指定する必要があります。選択できるターゲット・サーバーのリストは、インストール済みランタイム、アプリケーションの J2EE レベル、および J2EE モジュール・タイプを基にフィルター操作できます。例えば、EJB プロジェクトの場合は、Enterprise JavaBeans™ をサポートするアプリケーション・サーバーのみが表示されます。単一 EAR ファイル内のすべてのプロジェクトは、同じサーバーをターゲットとしていなくてはなりません。 新規プロジェクトを作成して、その際にそのプロジェクトを既存の EAR プロジェクトに追加した場合、そのプロジェクトは EAR プロジェクトのターゲット・サーバー設定を継承します。

注: アプリケーションに追加されるユーティリティー Java プロジェクトは、アプリケーションと同じターゲット・サーバーをターゲットとします。 Web プロジェクトに追加される Web ライブラリー・プロジェクトは、Web プロジェクトと同じターゲット・サーバーをターゲットとします。

既存プロジェクトのターゲット・ランタイムおよびデフォルト・サーバーを変更する方法は、次のとおりです。

  1. J2EE パースペクティブの「プロジェクト・エクスプローラー」ビューで、 エンタープライズ・アプリケーションまたはモジュール・プロジェクトを右クリックして、 ポップアップ・メニューから「プロパティー」を選択する。 プロジェクトの「プロパティー」ダイアログが開きます。
  2. 「プロパティー」ダイアログで「サーバー」ページを選択する。
  3. ターゲット・ランタイム」ドロップダウン・リストで、プロジェクトを開発するサーバー・ランタイムを選択する。この選択は、プロジェクト・クラスパスに追加されるランタイム・ライブラリーに影響します。「新規」をクリックして、インストールした新規のランタイム環境を定義できます。ランタイム環境のリストは、ワークベンチ設定で定義します。
  4. 任意: エンタープライズ・アプリケーションのみ: エンタープライズ・アプリケーションのターゲット・サーバーを変更する場合、「子プロジェクトを組み込む」チェック・ボックスを選択して、変更を子モジュールに適用することができます。 これにより、エンタープライズ・アプリケーション・プロジェクトとすべてのモジュール・プロジェクト、ユーティリティー・プロジェクト、および Web アプリケーション・ライブラリー・プロジェクトのターゲット・サーバーが同じになります。
  5. 任意: デフォルト・サーバー」フィールドで、プロジェクトをデプロイするときに使用するデフォルト・サーバーを選択する。これはターゲット・ランタイムと同じ値に設定するのが一般的ですが、「デフォルト・サーバー」の選択は、「ターゲット・ランタイム」の選択とは独立したものです。デフォルト・サーバーは単にプロジェクト設定を指定するので、プロジェクトをデプロイする際に有効なランタイム環境のプロンプトが出されることはありません。
  6. 適用」をクリックして変更を保管する。
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