J2EE コネクター (J2C) ツール、リソース・アダプター、およびファイル・インポーターにより、
J2EE コネクター成果物が作成できます。この成果物は、エンタープライズ・アプリケーションを作成するために使用できます。
エンタープライズ情報システムのための J2EE アプリケーション開発
J2EE コネクター・ツールにより、
CICS
® ECI や
IMS™ などの
エンタープライズ情報システム (EIS) の操作とデータにアクセスするために
WebSphere
® Application
Server 上で実行される、J2EE アプリケーションを作成できます。
このタイプのアクセスを提供するために使用されるキー・テクノロジーは、
J2EE コネクター・アーキテクチャーに従って実現されるリソース・アダプターです。
J2EE コネクター・アーキテクチャーの目的は、
CICS や IMS などの
エンタープライズ情報システムを J2EE プラットフォームのなかに接続することです。
これにより、J2EE アプリケーション・サーバーによって提供できる多くのサービスの品質を提供します。
これらのサービスの品質は以下を含みます。
- セキュリティー信任状管理
- 接続プール
- トランザクション管理
これらのサービスの品質はコネクター (例えば、CICS Transaction Gateway または IMS Connect) によって提供される
リソース・アダプターとアプリケーション・サーバーの間のシステム・レベルの規約によって
提供されます。
追加プログラム・コードをユーザーが準備する必要はありません。
従って、プログラマーは自由にビジネス・コードを書くことに集中でき、
サービスの品質の提供に関与する必要がありません。
J2EE コネクター・アーキテクチャーは、Common Client Interface (CCI) と呼ばれる
プログラミング・インターフェースを定義します。
このインターフェースを使用すると、わずかな変更で、EIS との通信が可能になります。
次の図は、開発環境内での J2EE コネクター・ツールのアーキテクチャーを示します。

リソース・アダプター
リソース・アダプターはシステム・レベルのソフトウェア・ドライバーであり、
エンタープライズ情報システム (EIS) に接続するために
Java™ アプリケーションにより使用されます。
リソース・アダプターはアプリケーション・サーバーに置かれて、EIS、アプリケーション・サーバー、およびエンタープライズ・アプリケーションの間の接続を提供します。
アプリケーション・サーバーに配置されるアプリケーションは、CCI を使用してリソース・アダプターと通信します。
RAR は、
JCA リソース・アダプターのインストール、構成、実行に必要なすべての情報を含んでいます。
それらは、J2EE Java コネクター・アーキテクチャーの仕様を満たす場合には、
いかなるベンダーによって提供することも、いかなるベンダーによって使用することも可能です。
アプリケーションが CICS または IMS などのエンタープライズ情報システムと
通信を行えるようにするためには、
通信リンクの作成のためにリソース・アダプターが必要です。
J2C ツールは、その単体テスト環境に J2C エンタープライズ・アプリケーションを作成して
テストできるようにする、多くのリソース・アダプターを含みます。
これらのリソース・アダプター (RAR ファイル) は、
ワークベンチにインポートすることが可能であり、エンタープライズ・アプリケーションの作成に使用できます。
次の 4 つのリソース・アダプターが製品に同梱されます。
- CICS ECI
Adapter 5.1
- CICS ECI
Adapter 6.0.1
- IMS リソース・アダプター 9.1.0.1.2
- IMS リソース・アダプター 9.1.0.2.1
CICS に関する詳細については、
CICS ECI
Resource Adapter を参照してください。IMS に関する詳細については、
IMS Resource
Adapter を参照してください。
インポーター
アプリケーションが CICS または IMS 情報システムからのソース・ファイルを
処理できるようにするためには、データがインポートされ、Java データ構造にマップされる必要があります。
ユーザーがアプリケーションで使用するために、2 つのインポーターが使用できます。
それらは、C インポーターと COBOL インポーターです。これらのツールにより、
データ・タイプの変換プロセスを通して C または COBOL プログラムをアプリケーションにインポートできます。
インポーターは、アプリケーションがソース資料にアクセスできるように
ソース・ファイルの中に含まれているデータ・タイプをマップします。
つまり、
J2C リソース・アダプターを介して CICS または IMS に
COBOL か C で書かれたトランザクション・プログラムにアクセスするために
Java™ アプリケーションをコーディングする場合、
Java アプリケーションは以下のことを必要とします。
- IMS または CICS プログラムが期待する
COBOL または C のバイト・バッファーに Java からの値を直列化する。
- Java アプリケーションでの処理のため、COBOL または C のバッファーからの
戻り値を非直列化する。
COBOL インポーターに関する詳細については、
COBOL インポーター を参照してください。C インポーターに関する詳細については、C
インポーター を参照してください。
J2C ウィザード
J2C ウィザードにより、独立型プログラムとして、または既存のアプリケーションへの機能追加として、
J2C アプリケーションの作成が可能になります。
ウィザードは、選択されたリソース・アダプターを動的にインポートし、
それにより、EIS サーバーに接続する接続プロパティーを設定し、ファイルのインポート
およびデータ・マッピング・ステップをユーザーに示し、変換されたソース・データにアクセスするための
Java クラスおよびメソッドの作成を容易にします。
以下の図は、J2C Java Bean、データ Bean、およびオプションのデプロイメント成果物の
作成を介した J2C Java Bean ウィザードのフローを
示しています。

EIS トランザクションを実行する Java アプリケーションを構築する J2C ウィザードの使用プロセスは、
以下のステップに要約されています。
- J2C ウィザードは、EIS トランザクション入出力メッセージの C または COBOL 定義を
Java データ・バインディング・ウィザードにインポートし、
Java データ構造にマップします。
このウィザードは、入出力メッセージのための Java データ・バインディングを作成します。
- J2C ウィザードは、J2C Java Bean ウィザードに
Java データ・バインディングを提供します。
このウィザードは、
ホスト上で EIS トランザクションを実行するために使用できるメソッドで、
J2C Java Bean を作成します。
- J2C ウィザードは、J2C Java Bean と
関連付けることができる J2EE リソースを作成します。
この J2EE リソースは、WebSphere Application Server に配置することが可能で、
EIS トランザクションを実行するために使用できます。
J2C Java Bean から作成できる J2EE リソースのタイプは以下のとおりです。
- JSP
- Faces JSP
- Web サービス
- EJB
- ウィザードは、スタンドアロンの WebSphere Application Server 上に配置して実行できるように、
EAR ファイルとしてパッケージされた J2EE リソースをエクスポートします。