データ管理は、WebSphere® Business Monitor において重要な役割を果たします。
WebSphere Business Monitor のデータベース・アーキテクチャーは、以下の要件をサポートします。
- 適切な処理速度を維持するために、データ・ストアのランタイム処理をクライアント・アクセス・データ・ストアから分離する。
- クライアント・アクセス・データ・ストアの更新を実行し、かつクライアントのクエリーに
迅速に応答することが可能。
- 分析およびマルチディメンション・レポート作成を目的とするヒストリー・データ・ストアへのアクセスを
最適化する。
WebSphere Business Monitor データベースのデータの使用パターンは、使用コンポーネントによって異なります。データは、2 つの主要コンポーネント (イベント処理プログラムとクライアント・ダッシュボード) によって使用されます。このような使用法の相違により、イベント処理のデータベースを
ダッシュボードのデータベースから分割することが不可欠になります。データは、
ビジネス指標モデルに関連付けられた情報とイベントの処理に関する情報に、
さらに分類できます。
ダッシュボードは、2 つのタイプのデータ (最近のデータとヒストリー・インスタンス・データ) を表示します。最近のインスタンスの数は、ヒストリー・インスタンスの数に比較して
かなり少数です。最近のインスタンスについて実行されるクエリーは、
非常に高速である必要があり、大容量のヒストリー・インスタンスの影響を受けないようにする
必要があります。2 つのタイプのデータは、2 つのデータベース (ランタイム・データベースおよびヒストリー・データベース) に
分割されました。パフォーマンスを向上させるために、このアーキテクチャーでは以下のものを使用してすべての機能を
サポートします。
- ビジネス指標モデルの定義コンテナーとしての役割を持つデータベース。
他のデータベースに関する情報も保管されます。
- トランザクション・データベースとしての役割を持ち、イベント処理プログラムによって使用されるデータベース。
- ほぼリアルタイムの分析データベースとして機能し、トランザクション・サーバーに影響を与えずに分析クエリーをサポートします。このデータベースは、ダッシュボードによって
使用されます。
- トランザクションのヒストリーに対するマルチディメンション分析をサポートする
データベース。このデータベースは、ダッシュボードによってヒストリー・データを表示するために使用されます。
WebSphere Business Monitor のデータベースは、4 つの異なる
データベースに分割されています。
- リポジトリー: ビジネス指標モデルおよびイベント定義を保管します。これは、状態データベース、ランタイム・データベース、およびヒストリー・データベースのスキーマ、名前、およびホスト名も保管します。
- 状態: 実行中のプロセス・インスタンスの現在の状態、およびそれぞれのプロセス・インスタンスと関連付けられたビジネス指標値を保管します。
このデータベースは、WebSphere Business Monitor サーバーによってイベント処理のために使用されます。
- ランタイム: 状態データベースおよびランタイム・データベースには、非常に多くの全く同じ情報が保管されます。
ランタイム・データベースは、特定データの保管方法、データの新しさ、およびデータの残存期間
のみが異なります。ランタイム・データベース内のデータは、状態データベース内のデータより
少なくとも 24 時間長く残存します。ランタイム・データベースの目的は、ユーザーが、
WebSphere Business Monitor サーバーによって処理されるイベントに影響を与えずにほぼリアルタイムの分析を実行できるようにすることです。
ランタイム・データベースは、最新のインスタンスに対するクライアント・クエリーを提供します。このデータベースには、
効率的なレポート作成のために、ビジネス指標グループのランタイム情報が保管されます。
このデータベースはダッシュボードでの表示に使用されます。
- ヒストリー・データベース: ヒストリーのマルチディメンション・レポート作成のために、完了したインスタンスの情報および実行中のインスタンスの現在の状態を、スター・スキーマ形式で保管します。このデータベースはダッシュボードでの表示に使用されます。
モニターされるイベントと Adaptive Action Manager のデータが 2 つのデータベースに保管されます。これらのデータベースは、
WebSphere Business Monitor によって内部で使用されます。
プロセス・インスタンスまたはメトリックに関する情報は
保管されません。
- エミッター: エンジンから発行されたイベントを保管します。エミッター・データベース・テーブルは、エンジン・データベース内にあります。
- アクション・カタログ: Adaptive Action Manager が実行する必要のあるシチュエーションおよびアクションとして定義されるイベントを保管します。これは、インストール時に作成されます。