データ移動サービスの構成

各データ移動サービス・コンポーネントの動作とスケジューリングは、 開発環境、テスト環境、および実稼働環境におけるさまざまな必要を満たすように 構成できます。1 つのコンポーネントの構成を変更すると、そのコンポーネントに従属するその他のコンポーネントの動作に直接影響する可能性があります。

一般的に、2 つの依存関係があります。
従属コンポーネントは、それが従属するコンポーネントと 異なるスケジュールで作動する必要があるため、呼び出しが必ずしも 実行されるとは限りません。代わりに、それぞれの従属コンポーネントは、呼び出されたときに そのスケジュールを確認し、まだタスクを実行する時間でない場合は呼び出し側コンポーネントに 制御を戻します。上記の例では、ETL コンポーネントと Target Life Cycle コンポーネントは、 両方のコンポーネントのスケジュールにより 5 つの時間単位ごとに複数回の呼び出しが禁止されている 場合のみ、2 回実行できます。
ETL と Target Life Cycle コンポーネントの呼び出しと実行
ETL コンポーネント (および Target Life Cycle コンポーネント) は T2 (および T3) で呼び出され、実行できます。 次の呼び出しは、T6 あたりで発生します。それらが前回実行されてから 5 未満の時間単位が 経過しているため、すぐに Apply コンポーネントに制御が 戻されます。T8 (および T9) あたりで発生する後続の呼び出しは、5 つの時間単位が既に経過しているため、実行できます。各コンポーネントは 1 つ以上のコンポーネントのインスタンスによってインプリメントされます。各インスタンスを別々に構成して、 より詳細な制御を実行できるようにすることができます。
注: 変更が行われると、特に注記されていない限り、それらは即時に反映されます。

Capture コンポーネントおよび Apply コンポーネントのデフォルト構成は、該当する制御テーブルの変更、または開始スクリプトでの コマンド行パラメーターを使用した指定変更により、変更可能です。いずれかの制御テーブルを更新することにより、ETL コンポーネントおよび Life Cycle 制約コンポーネントを構成できます。

以下の手順を実行して、開発環境、テスト環境、および実稼働環境の要件を満たすように データ移動サービス・コンポーネントをカスタマイズします。

(ソース) Capture コンポーネント・インスタンスの構成

Capture コンポーネント・インスタンスは、DB2® Capture レプリケーション・ユーティリティーと同等です。デフォルトで、このユーティリティーは継続的にソース・テーブルへの変更をキャプチャーし、それらの変更を内部の作業テーブルに記録するように構成されています。一般的に、Capture コンポーネント・インスタンスのデフォルト構成を変更する必要はありません。

Source Life Cycle コンポーネントの構成

それぞれのソース・データベース (状態データベースおよびランタイム・データベース) では、複数の Life Cycle コンポーネントのインスタンスが使用されています。トリガーによってインプリメントされているそれぞれのインスタンスは、そのデータ移動サービスのソース・データベースに配置された、制御テーブル WBIRMADM.RMPRUNECTRL で定義されている保存ポリシーを実行します。ライフ・サイクル保存ポリシーは、テーブルごとに指定されます。したがって、WBIRMADM.RMPRUNECTRL の 1 つの行が、整理を必要とする 1 つのテーブルに対応します。
表 2

(ターゲット) Apply コンポーネントの構成

Apply コンポーネントのインスタンスは、DB2 Apply レプリケーション・ユーティリティーです。Capture ユーティリティーによってキャプチャーされた変更は、デフォルトで、ターゲット・データベースのステージング・テーブルに継続的に適用されます。デフォルトのユーティリティー構成パラ メーターは、ほとんどの環境に対して十分であり、したがって変更する必要はありません。

ETL コンポーネントの構成

ETL コンポーネントは、WebSphere® Business Monitor にデータベースのストアード・プロシージャーとしてインプリメントされています。これらのストアード・プロシージャーは、どのデータ移動サービスの場合でも常にターゲット・データベース上にあります。したがって、状態データベースからランタイム・データベースへのデータ移動サービスに割り当てられたすべての ETL ストアード・プロシージャーはランタイム・データベースに配置され、ランタイム・データベースからヒストリー・データベースへのデータ移動サービスに割り当てられた ETL ストアード・プロシージャーはヒストリー・データベースにあります。

Target Life Cycle コンポーネントの構成

Apply コンポーネントのインスタンスによって、新規データまたは更新データが適用されている間は、ETL 作業テーブルは大きくなり続けます。ストアード・プロシージャーによってインプリメントされている 1 つの Target Life Cycle コンポーネントのインスタンスが、それぞれのターゲット (ランタイムおよびヒストリー) データベースの 1 つの作業テーブルに割り当てられます。各インスタンスは、制御テーブル WBIRMADM.RMPRUNECTRL で定義されている内部の保存ポリシーを強制します。ソース・テーブルの場合と同様に、ETL 作業テーブルのライフ・サイクル保存ポリシーは、テーブルごとに指定されます。したがって、WBIRMADM.RMPRUNECTRL の 1 つの行が、整理を必要とする 1 つのテーブルに対応します。

データ移動サービスの構成パラメーターの要約

次の表に、それぞれの data movement services コンポーネントで提供されているパラメーターのうち、最もよく使用されるものを要約します。構成パラメーターについての詳細は、「DB2 ユニバーサル・データベース レプリケーションの手引きおよび解説書」を 参照してください。
コンポーネント パラメーター名 デフォルト値 有効な値 パラメーター・ロケーション
Capture autoprune Y    
Capture prune_interval (秒) 300    
ソース・ライフ・サイクル PRUNE_ENABLED 1

0 - 使用不可

1 - 使用可能

データ移動サービスのソース DB: WBIRMADM.RMPRUNECTRL

ソース・ライフ・サイクル RETENTION_IN_MINUTES

0 - 状態からランタイム

1440 - ランタイムからヒストリー

0 から BIGINT に対する DB2 の制限値まで

データ移動サービスのソース DB: WBIRMADM.RMPRUNECTRL

ソース・ライフ・サイクル PRUNE_INTERVAL (分) 5 0 から BIGINT に対する DB2 の制限値まで

データ移動サービスのソース DB: WBIRMADM.RMPRUNECTRL

ETL ETLSCHEDMETHOD 1

0 - フレキシブル・スケジューリング

1 - 厳密な間隔スケジューリング

その他 - ETL 使用不可

データ移動サービスのターゲット DB: WBIRMADM.RMCONTROL

ETL ETL_0_MINUTES

5 - 状態からランタイム

1440 - ランタイムからヒストリー

0 から INTEGER に対する DB2 の制限値まで

データ移動サービスのターゲット DB: WBIRMADM.RMCONTROL

ETL LOGLEVEL 0

0 - 通常のロギングの場合

1 - トレース・ロギングの場合

データ移動サービスのターゲット DB: WBIRMADM.RMCONTROL

ETL COMMITINTERVAL (レコード数) 1000

0 - 終了までコミット使用不可

1 - 各レコードをコミット

n - BIGINT に対する DB2 の制限値

データ移動サービスのターゲット DB: WBIRMADM.RMCONTROL

ターゲット・ライフ・サイクル PRUNE_ENABLED 1

0 - 使用不可

1 - 使用可能

データ移動サービスのターゲット DB: WBIRMADM.RMPRUNECTRL

ターゲット・ライフ・サイクル RETENTION_IN_MINUTES 0 0 から BIGINT に対する DB2 の制限値まで

データ移動サービスのターゲット DB: WBIRMADM.RMPRUNECTRL

ターゲット・ライフ・サイクル PRUNE_INTERVAL (分) 1440 0 から BIGINT に対する DB2 の制限値まで

データ移動サービスのターゲット DB: WBIRMADM.RMPRUNECTRL

注: IBM® は、上記で参照されるデータベース・テーブルおよび列を 変更する権利を有します。 このため、後続のリリースでは一部のテーブルおよび列の変更、除去、または追加が行われる可能性があります。リリースにより異なる場合があるとして、ここで言及した内容または構造に依存する場合は、お客様自身の責任で行ってください。IBM は、そのような変更が発生した場合はそれを文書化します。
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